説明

文書画像表示制御装置および携帯型端末装置ならびにそれらの動作制御方法およびその動作制御プログラム

【課題】表示画面が小さくても,所望の部分を見やすくする。
【解決手段】表示画面80に,画像化された文書(文書画像)が表示される。文書画像について,文字認識が行われ,所定の単語(プログラムという単語)が枠61で囲まれる。枠61で囲まれた単語が選択されると,その単語が表示画面80の中央となり,かつ文書画像全体が拡大されるように,表示画面80に文書画像が表示される。ユーザが興味のある部分が見やすくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,文書画像表示制御装置および携帯型端末装置ならびにそれらの動作制御方法およびその動作制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
文書が自由に変更されないように,文書が画像化され,その画像化された文書が表示されるものがある。このようなものにおいて,拡大ボタンが押されると,文書に含まれる文字ブロックが拡大される(特許文献1)。また,文章の中のキーワードを見つけやすくするようにキーワードが強調表示されるものもある(特許文献2)。さらに,日本語文字と英語文字とを判断するものもある(特許文献3)。
【0003】
しかしながら,画像化された文書において所望の文字の近くを見やすくすることは考えられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-345314号公報
【特許文献2】特開2004-280176号公報
【特許文献3】特開平8-339424号公報
【発明の概要】
【0005】
この発明は,画像化された文書において所望の文字の近くを見やすくすることを目的とする。
【0006】
第1の発明による文書画像表示制御装置は,画像化された文書から文字を識別する文字識別手段,上記文字識別手段において識別された文字からあらかじめ定められた文字を検出する検出手段,上記検出手段において検出された文字が他の文字と異なる態様で表示されるように,上記画像化された文書を表示画面に表示する表示装置,上記表示画面に表示されている上記画像化された文書のうち,上記検出手段において検出された文字が選択されたかどうかを判定する第1の判定手段,および上記第1の判定手段において上記検出手段において検出された文字が選択されたと判定されたことに応じて上記選択された文字を中心に上記画像化された文書を拡大して表示するように上記表示装置を制御する表示制御手段を備えていることを特徴とする。
【0007】
第1の発明は,上記文書画像表示制御装置に適した動作制御方法も提供している。すなわち,この方法は,文字識別手段が,画像化された文書から文字を識別し,検出手段が,上記文字識別手段において識別された文字からあらかじめ定められた文字を検出し,表示装置が,上記検出手段において検出された文字が他の文字と異なる態様で表示されるように,上記画像化された文書を表示画面に表示し,判定手段が,上記表示画面に表示されている上記画像化された文書のうち,上記検出手段において検出された文字が選択されたかどうかを判定し,表示制御手段が,上記第1の判定手段において上記検出手段において検出された文字が選択されたと判定されたことに応じて上記選択された文字を中心に上記画像化された文書を拡大して表示するように上記表示装置を制御するものである。
【0008】
第1の発明は,上記文書画像表示制御装置の動作制御方法を実施するためのコンピュータが読み取り可能なプログラムも提供している。そのようなプログラムを格納した記録媒体を提供するようにしてもよい。
【0009】
第1の発明によると,画像化された文書から文字が識別される。識別された文字から,あらかじめ定められた文字(単語,熟語,カタカナの単語など)が検出される。検出された文字が他の文字と異なる態様となるように,画像化された文書が表示画面に表示される。検出された文字が選択されると,その選択された文字を中心に(選択された文字が表示画面の中心となるように)画像化された文書が拡大されて表示画面に表示される。指定された文字を中心に画像化された文書が拡大されるので,表示画面が小さくともユーザは興味のある部分が見やすくなる。
【0010】
上記選択された文字が上記画像化された文書の端部に存在するかどうかを判定する第2の判定手段をさらに備えてもよい。この場合,上記表示制御手段は,たとえば,上記第2の判定手段によって,上記選択された文字が上記画像化された文書の端部に存在すると判定されたことにより上記選択された文字の上記表示画面の端部の中心に位置し,かつ上記画像化された文書を拡大して表示するように上記表示装置を制御するものとなろう。
【0011】
上記文書画像表示制御装置は,互いに通信可能な携帯型端末装置と画像サーバとを含んでもよい。
【0012】
上記画像サーバは,上記文字識別手段および上記検出手段ならびに上記検出手段において検出された文字の上記画像化された文書における位置を表す位置データおよび上記画像化された文書を表わす画像ファイルを上記携帯型端末装置に送信する送信手段を備える。上記携帯型端末装置は,上記表示装置,上記第1の判定手段,上記表示制御手段および上記第2の判定手段をさらに備える。上記表示装置は,たとえば,上記送信手段から送信された上記位置データによって表される位置の文字が他の文字と異なる態様で表示されるように,上記送信手段から送信された画像ファイルによって表わされる画像化された文書を表示画面に表示するものとなろう。
【0013】
第2の発明による携帯型端末装置は,画像化された文書を表わす画像ファイルおよび上記画像化された文書に含まれる文字のうち特定の文字の位置を表わす位置データを入力する入力手段,上記入力手段から入力した位置データによって表わされる位置に存在する文字が他の文字と異なる態様で表示されるように,上記入力手段から入力した画像ファイルによって表わされる画像化された文書を表示画面に表示する表示装置,上記表示画面に表示されている上記画像化された文書のうち,上記入力手段から入力した位置データによって表わされる位置に存在する文字が選択されたかどうかを判定する判定手段,および上記判定手段によって上記入力手段から入力した位置データによって表わされる位置に存在する文字が選択されたと判定されたことに応じて,上記選択された文字を中心に上記画像化された文書を拡大して表示するように上記表示装置を制御する表示制御手段を備えていることを特徴とする。
【0014】
第2の発明は,上記携帯型端末装置に適した動作制御方法も提供している。すなわち,この方法は,入力手段が,画像化された文書を表わす画像ファイルおよび上記画像化された文書に含まれる文字のうち特定の文字の位置を表わす位置データを入力し,表示装置が,上記入力手段から入力した位置データによって表わされる位置に存在する文字が他の文字と異なる態様で表示されるように,上記入力手段から入力した画像ファイルによって表わされる画像化された文書を表示装置の表示画面に表示し,判定手段が,上記表示画面に表示されている上記画像化された文書のうち,上記入力手段から入力した位置データによって表わされる位置に存在する文字が選択されたかどうかを判定し,表示制御手段が,上記判定手段によって上記入力手段から入力した位置データによって表わされる位置に存在する文字が選択されたと判定されたことに応じて,上記選択された文字を中心に上記画像化された文書を拡大して表示するように上記表示装置を制御するものである。
【0015】
第2の発明は,上記携帯型端末装置の動作制御方法を実施するためのコンピュータが読み取り可能なプログラムも提供している。そのようなプログラムを格納した記録媒体も提供するようにしてもよい。
【0016】
第2の発明によると,画像化された文書を表わす画像ファイルおよび画像化された文書に含まれる文字のうち特定の文字の位置を表わす位置データ(たとえば,その特定の文字が含まれる,画像化された文書のページ番号,その特定の文字の座標,幅,高さなどを表わすデータである)が携帯型端末装置に入力する。位置データによって特定される位置の文字が他の文字と異なる態様となるように画像化された文書が表示される。位置データによって特定される位置の文字が指定されると,その指定された文字を中心に(選択された文字が表示画面の中心となるように)画像化された文書が拡大されて表示画面に表示される。第2の発明においても選択された文字を中心に画像化された文書が拡大されるので,表示画面が小さくともユーザは興味のある部分が見やすくなる。
【0017】
画像化された文書の拡大は,画像化された文書である文書画像を単純に拡大するだけでなく,高精細な(画素数の多い)文書画像を新たに取得して,高精細な文書画像を拡大するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】文書画像通信システムの概要を示している。
【図2】携帯電話の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】携帯電話の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】中継サーバとファイル・サーバとの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】文書画像の一例である。
【図6】文書画像の一例である。
【図7】単語と位置データとの関係を示している。
【図8】単語と位置データとの関係を示している。
【図9】位置データ・テーブルの一例である。
【図10】文書画像の一例である。
【図11】表示画面の一例である。
【図12】表示画面の一例である。
【図13】表示画面の一例である。
【図14】表示画面の一例である。
【図15】表示画面の一例である。
【図16】表示画面の一例である。
【図17】表示画面の一例である。
【図18】表示画面の一例である。
【図19】表示画面の一例である。
【実施例】
【0019】
図1は,この発明の実施例を示すもので,画像化された文書(文書画像という)を通信する文書画像通信システムの概要を示している。
【0020】
文書画像通信システムには,インターネット(社内LAN:ローカル・エリア・ネットワークなどの他のネットワークでもよい)を介して互いに通信する携帯電話1,中継サーバ21およびファイル・サーバ22が含まれている。
【0021】
図2は,この発明の実施例を示すもので,いわゆるスマートフォンと呼ばれる携帯電話(携帯型端末装置)の電気的構成を示すブロック図である。
【0022】
携帯電話1の全体の動作は,制御装置2によって統括される。
【0023】
携帯電話1には,中継サーバ21,他の携帯電話との通信,インターネットへのアクセス等のための通信装置10およびアンテナ11が設けられている。アンテナ11を介して後述する動作を行うプログラム12が携帯電話1にダウンロードされる。ダウンロードされたプログラム12が携帯電話1にインストールされることにより,携帯電話1は後述する動作を行う。もっとも,携帯電話1にメモリ・カード・リーダ(図示略)などが設けられている場合には,メモリ・カードに格納されたプログラムを,メモリ・カード・リーダを用いて読み取り,読み取られたプログラムを携帯電話1にインストールするようにしてもよい。
【0024】
さらに,携帯電話1には,表示画面に文書,画像などを表示するための表示装置3が設けられている。表示装置3の表示画面には,タッチ・パネル4が形成されている。表示画面上に形成されているタッチ・パネル4をタッチすることにより,ユーザは,携帯電話1に様々な指令を与えることができる。携帯電話1に指令が与えられればタッチ・パネル4が必ずしも設けられていなくともよい。たとえば,キーパッドなどから携帯電話1に指令が与えられてもよい。
【0025】
携帯電話1には,プログラム,所定のデータが格納されるメモリ5も含まれている。さらに,携帯電話1には,スピーカ8およびマイクロフォン9も含まれている。音声信号は,増幅回路7によって増幅されてスピーカ8に与えられることによりスピーカ8から音声が出力される。また,マイクロフォン9から入力した音声を表わす音声信号は,増幅回路7によって増幅されて制御装置2に入力する。
【0026】
この実施例による携帯電話1では,文書画像を表示装置3の表示画面に表示できる。携帯電話1の表示画面は小さいので,文書の中の所望の部分を見つけることが難しい。この実施例では,文書の中の所望の部分を見つけ,その部分の近くを見やすくするものである。
【0027】
図3は携帯電話1の処理手順を示すフローチャート,図4は中継サーバ21とファイル・サーバ22との処理手順を示すフローチャートである。
【0028】
まず,携帯電話1から中継サーバ21に所望の文書画像を要求するリクエスト・データが送信される(図3ステップ31)。
【0029】
携帯電話1から送信されたリクエスト・データが中継サーバ21において受信されると(図4ステップ41),その受信されたリクエスト・データが中継サーバ21からファイル・サーバ22に送信される(図4ステップ42)。
【0030】
中継サーバ21から送信されたリクエスト・データがファイル・サーバ22において受信されると(図4ステップ51),リクエスト・データによって特定される文書画像を表わす文書画像ファイルがファイル・サーバ22から見つけられる(図4ステップ52)。ファイル・サーバ22には,多数のファイルが格納されており,それらの多数のファイルからリクエスト・データによって特定される文書画像ファイルが見つけられる。見つけられた文書画像ファイルがファイル・サーバ22から中継サーバ21に送信される(図4ステップ53)。
【0031】
ファイル・サーバ22から送信された文書画像ファイルが中継サーバ21において受信されると(図4ステップ43),その文書画像ファイルによって表わされる画像化された文書の文字認識処理が行われる(図4ステップ44)。文字認識処理が行われると,認識された文書の文字の中から所定の単語が検出される(図4ステップ44)。
【0032】
図5は,文書画像60の一例である。
【0033】
文書画像60は,上述のように画像ファイルによって表わされる画像である。このような文書画像60を表わす文書画像ファイルが上述のように携帯電話1から要求されたものとする。このような文書画像60の中から「プログラム」という単語が検出されるものとする。
【0034】
図6は,文書画像60において所定の単語の検出処理が行われた様子を示している。
【0035】
単語の検出処理が行われたことにより検出された単語が枠61〜66で囲まれている。枠61から枠64は,「プログラム」という単語を囲んでいる。枠65は,「プログラム」という単語のうち,「プログ」という文字列を囲んでいる。枠66は,「プログラム」という単語のうち,「ラム」という文字列を囲んでいる。枠65および枠66で囲まれている「プログラム」という単語は2行に分かれているために,二つの枠65および枠66で囲まれているが,一つの枠で囲まれるようにしてもよい。
【0036】
文書画像60から所定の単語(プログラムという単語)が検出されると,検出された所定の単語の位置をあらわす位置データが生成される。
【0037】
図7および図8は,検出された所定の単語と位置データとの関係を示している。位置データは,枠の左上を原点として,その原点の座標,枠の幅および枠の高さである。
【0038】
図7は,検出された所定の単語であって,枠61によって囲まれた単語を示している。枠61の原点の座標は(x1,y1),幅はw1,高さはh1である。
【0039】
図8は,検出された所定の単語が2行に渡っている場合であり,枠65および枠66によって囲まれた単語を示している。枠65の原点は(x5,y5),幅はw5,高さはh5である。枠66の原点は(x6,y6),幅はw6,高さはh6である。
【0040】
図9は,位置データ・テーブルの一例である。
【0041】
位置データ・テーブルは,文書画像60に対応している。位置データ・テーブルには,対応する文書画像60から検出された単語を識別する識別データに対応して,検出された単語の位置を表す位置データが格納されている。上述のように,枠61,62,63,64ならびに65および66で囲まれた単語が,それぞれ識別データ1,2,3,4および5で特定される。枠61から枠64で囲まれている単語は1行以内に含まれているが,枠65および枠66で囲まれている単語は2行にわたっているので,枠65および枠66のそれぞれの位置を示す位置データが,枠65および66で囲まれている単語を特定する識別データに対応して格納されている。
【0042】
図9に示す位置データ・テーブルが生成されると,その生成された位置データ・テーブルおよび文書画像ファイルが中継サーバ21から携帯電話1に送信される(図4ステップ45)。位置データ・テーブルを表わすデータは,文書画像ファイルのヘッダに格納してもよいし,文書画像ファイルと別ファイルに格納してもよい。
【0043】
中継サーバ21から送信された位置データ・テーブルおよび文書画像ファイルが携帯電話1において受信されると(図3ステップ32),受信された文書画像ファイルによって表わされる文書画像60(の一部)が,位置データ・テーブルによって特定される位置にある単語(検出された所定の単語)に枠が付されて携帯電話1の表示画面に表示される(図3ステップ33)。
【0044】
図10は,文書画像60を示している。
【0045】
文書画像60のうち,たとえば,表示領域71で囲まれる範囲内の部分が表示画面に表示される。
【0046】
図11は,携帯電話1の表示画面の一例である。
【0047】
上述のように,文書画像60のうち符号71で示す位置にある表示領域70で囲まれる部分が表示画面80に表示されている。表示画面80に表示されている文書画像のうち,位置データ・テーブルによって特定される位置にある単語が枠61で囲まれている。枠61で囲まれている単語は,他の文字と異なる態様で表示されることとなる(図10等で示す枠61等との対応関係が分かるように,図11においても図10等で示す枠61等に対応する枠については同じ符号が付されている)。
【0048】
図10を参照して,ユーザからスクロール指令が与えられると,表示領域70は,たとえば,符号72で示す位置に移動する。表示画面80には,符号72で示す位置に移動した表示領域70内の部分が表示されるようになる。
【0049】
図12は,表示画面80の一例である。
【0050】
図12においても図11に示すものと同様に,表示画面80に表示されている文書画像のうち,位置データ・テーブルによって特定される位置にある単語が枠62,64,65で囲まれている。枠62,64,65で囲まれている単語は,他の文字と異なる態様で表示されることとなる(図10等で示す枠62,64,65等との対応関係が分かるように,図12においても図10等で示す枠62,64,65等に対応する枠については同じ符号が付されている)。
【0051】
図3に戻って,検出された所定の単語に枠が付けられて文書画像が表示されている場合において,ユーザからの操作があると(ステップ34),その操作が検出された所定の単語の選択かどうかが判定される(ステップ35)。ユーザによる操作が所定の単語の選択でなければ(ステップ35でNO),その操作に応じた処理(例えば,スクロール処理)が行われる。ユーザによる操作が所定の単語の選択(たとえば,所定の単語上をタッチ,クリックするなど)であると(ステップ35でYES),選択された単語を中心に文書画像が拡大され,拡大された文書画像が表示画面80に表示される(ステップ36)。
【0052】
たとえば,携帯電話1の表示画面80が図12に示す状態であり,かつ枠62で囲まれている単語が選択されたものとする。すると,表示画面80は,図13で示すように,枠62で囲まれている単語が表示画面80の中心となり,かつ拡大された文書画像が表示されるようになる。表示画面80が比較的小さくてもユーザが興味ある部分を分かりやすく表示できる。
【0053】
上述した文書画像の拡大は,文書画像を単純に拡大するだけでなく,高精細な(画素数の多い)文書画像を新たに取得して,高精細な文書画像を拡大するようにしてもよい。
【0054】
上述した実施例では,文書画像ファイルはファイル・サーバ22に格納されており,中継サーバ21からのリクエストに応じて,ファイル・サーバ22において文書画像ファイルが見つけられ,見つけられた文書画像ファイルがファイル・サーバ22から中継サーバ21に送信されている。しかしながら,ファイル・サーバ22には画像化される前の文書を表わすテキスト・ファイルを格納しておき,文書画像ファイルは中継サーバ21に格納しておき,携帯電話1からのリクエストに対応した文書画像ファイルが中継サーバ21に無かった場合に,ファイル・サーバ22に画像化される前の文書を表すテキスト・ファイルを中継サーバ21からファイル・サーバ22にリクエストし,ファイル・サーバ22から送信されたテキスト・ファイルによって表わされる文書を中継サーバ21において画像化するようにしてもよい。
【0055】
図14および図15は,変形例を示している。
【0056】
図14および図15は,いずれも表示画面80の一例である。図14および図15のそれぞれは,図11および図12のそれぞれと対応している。
【0057】
図14では,検出された所定の単語が枠91で囲まれており,図15では,検出された所定の単語が枠92,94,95で囲まれている。図11および図12においては,検出された所定の単語は,枠61,62,64,65などで囲まれているが,それらの枠61等で囲まれている単語の大きさは枠61等で囲まれていない文字列の大きさと同じである。これに対して,図14および図15では,枠91,92,94および95で囲まれている単語の大きさが,枠91等で囲まれていない文字列の大きさよりも大きくされることにより,所定の単語の態様が変えられている。表示画面80に表示されている文書画像によって表わされる文書の各文字の大きさが小さくとも,検出された所定の単語の大きさが大きいので,ユーザは所望の単語を選択しやすくなる。もっとも,検出された所定の単語が,他の文字列と比べて拡大されていれば枠91等が無くともよい。
【0058】
図16は,他の変形例を示すもので,表示画面80の一例である。
【0059】
図16に示す表示画面80では,左側の第1の表示領域81と右側の第2の表示領域82とが規定されている(表示領域81と82とは上下に分けてもよい)。左側の第1の表示領域81には,文書画像(の一部)が表示されている。右側の第2の表示領域82には,左側の第1の表示領域81に表示されている文書画像において検出された所定の単語が表示されている。右側の第2の表示領域82に表示されている単語が選択されることにより,左側の第1の表示領域81に表示されている文書画像において検出された所定の単語が選択されることとなる。右側の第2の表示領域82には,検出された単語が表示されるので,所望の単語が選択しやすくなる。
【0060】
図16においては,文書画像から「プログラム」という単語のほかに「特許」という単語も検出されている。このために,第1の表示領域81では,「プログラム」という単語が枠61で囲まれており,「特許」という単語が枠111で囲まれている。また,第2の表示領域82には,検出された単語である「プログラム」および「特許」という文字列が表示されている。このように,複数の単語を検出させることもできる。複数の単語を検出する場合,第1の表示領域81に表示されている文書画像において検出された単語を囲む枠61,111と第2の表示領域82に表示されている単語との対応関係が分るように,単語ごとに異なるように,かつ枠の色と単語の色とを同じにすることが好ましい。たとえば,第1の表示領域81に表示されている「プログラム」という単語を囲む枠61および第2の表示領域82に表示されている「プログラム」という単語とを共通の黒色(他の色でもよい)とし,第1の表示領域81に表示されている「特許」という単語を囲む枠111および第2の表示領域82に表示されている「特許」という単語とを共通の赤色(他の色でもよい)とする。もっとも,図16に示す例だけではなく,この実施例中のすべての例において複数の単語を検出できるのはいうまでもない。
【0061】
図17は,変形例を示すもので,表示画面80の一例である。
【0062】
上述した実施例では,検出された単語が選択されると,その選択された単語が表示画面80の中心となる状態で文書画像60が拡大して表示画面80に表示されている。しかしながら,選択された単語が文書画像60の上下左右のいずれかの端にある場合,その選択された単語が表示画面80の中心となるように文書画像60が拡大されると,表示画面80には文書画像が表示されない部分が生じる。たとえば,図6において,枠65で囲まれた単語を含む文書画像が表示画面80に表示されているとする。枠65で囲まれた単語の右側には文書画像60が存在しないから,単語65を中心に文書画像60が拡大されて表示画面80に表示されると,表示画面80の右側の部分には文書画像80が表示されない。このために,選択された単語が文書画像60の上下左右のいずれかの端にあると,その選択された単語がある文書画像60の端に対応する表示画面80の端の中央となるように位置決めされて,文書画像60が拡大される。たとえば,図6に示す文書画像60では枠65で囲まれている「プログ」という単語は文書画像60の右端であるから,図17で示すように枠65に対応する枠95で囲まれている「プログ」という単語は表示画面80の右辺の中央に位置決めされ,かつ文書画像60が拡大されるようになる。表示画面80が比較的小さくとも,比較的多くの情報を表示画面80に表示できる。
【0063】
図18および図19は,他の変形例を示している。
【0064】
上述した実施例では,図10に示したように,文書画像60の一部分が携帯電話1の表示画面80に表示されているが,図18に示す例では,1フレームの文書画像60のすべてが(縮小されて)表示画面80に表示されている。そのような場合でも上述のように,所定の単語の検出が行われ,検出された単語が枠61〜66で囲まれている。
【0065】
しかしながら,1フレームの文書画像60のすべてが表示画面80に表示されると,図8から分かるように,文書画像60を構成する文字が小さくなり,読めないことがある。このために,図19に示すように,検出された所定の単語が他の文字と比べて大きくされる(所定の単語は枠101〜106で囲まれている)。ユーザは,所定の単語を選択しやすくなる。単語が選択されると,その単語を中心に文書画像が拡大されて表示画面80に表示されるのはいうまでもない。
【0066】
上述の実施例では,所定の単語は「プログラム」とされているが,複数の単語でもよいし,カタカナ,アルファベットなどの文字,その他の単語,熟語でもよい。また,ユーザによって指定された文字,単語,熟語でもよい。さらに,統計的な文書解析によって他のページの出現頻度が少ない,単語,熟語でもよい。
【0067】
上記においては,携帯電話1と中継サーバ21とが別々のものとされているが中継サーバ21の機能を携帯電話1に取り入れて文書画像表示制御装置を構成するようにしてもよい。
【0068】
さらに,上述したように,検出された所定の単語は他の文字と態様が異なるように表示されるが,所定の単語のフォントを他の文字と異ならせる,所定の単語をハイライト表示させる,所定の単語にアンダーラインを引く,所定の単語を斜体字にする,所定の単語の色を変えるようして他の文字と表示態様が異なるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 携帯電話
2 制御装置
12 プログラム
21 中継サーバ
22 ファイル・サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像化された文書から文字を識別する文字識別手段,
上記文字識別手段において識別された文字からあらかじめ定められた文字を検出する検出手段,
上記検出手段において検出された文字が他の文字と異なる態様で表示されるように,上記画像化された文書を表示画面に表示する表示装置,
上記表示画面に表示されている上記画像化された文書のうち,上記検出手段において検出された文字が選択されたかどうかを判定する第1の判定手段,および
上記第1の判定手段において上記検出手段において検出された文字が選択されたと判定されたことに応じて上記選択された文字を中心に上記画像化された文書を拡大して表示するように上記表示装置を制御する表示制御手段,
を備えた文書画像表示制御装置。
【請求項2】
上記選択された文字が上記画像化された文書の端部に存在するかどうかを判定する第2の判定手段をさらに備え,
上記表示制御手段は,
上記第2の判定手段によって,上記選択された文字が上記画像化された文書の端部に存在すると判定されたことにより上記選択された文字の上記表示画面の端部の中心に位置し,かつ上記画像化された文書を拡大して表示するように上記表示装置を制御するものである,
請求項1に記載の文書画像表示制御装置。
【請求項3】
上記文書画像表示制御装置は,互いに通信可能な携帯型端末装置と画像サーバとを含み,
上記画像サーバが,
上記文字識別手段および上記検出手段ならびに上記検出手段において検出された文字の上記画像化された文書における位置を表す位置データおよび上記画像化された文書を表わす画像ファイルを上記携帯型端末装置に送信する送信手段を備え,
上記携帯型端末装置が,
上記表示装置,上記第1の判定手段,上記表示制御手段および上記第2の判定手段をさらに備え,
上記表示装置は,
上記送信手段から送信された上記位置データによって表される位置の文字が他の文字と異なる態様で表示されるように,上記送信手段から送信された画像ファイルによって表わされる画像化された文書を表示画面に表示するものである,
請求項2に記載の文書画像表示制御装置。
【請求項4】
画像化された文書を表わす画像ファイルおよび上記画像化された文書に含まれる文字のうち特定の文字の位置を表わす位置データを入力する入力手段,
上記入力手段から入力した位置データによって表わされる位置に存在する文字が他の文字と異なる態様で表示されるように,上記入力手段から入力した画像ファイルによって表わされる画像化された文書を表示画面に表示する表示装置,
上記表示画面に表示されている上記画像化された文書のうち,上記入力手段から入力した位置データによって表わされる位置に存在する文字が選択されたかどうかを判定する判定手段,および
上記判定手段によって上記入力手段から入力した位置データによって表わされる位置に存在する文字が選択されたと判定されたことに応じて,上記選択された文字を中心に上記画像化された文書を拡大して表示するように上記表示装置を制御する表示制御手段,
を備えた携帯型端末装置。
【請求項5】
文字識別手段が,画像化された文書から文字を識別し,
検出手段が,上記文字識別手段において識別された文字からあらかじめ定められた文字を検出し,
表示装置が,上記検出手段において検出された文字が他の文字と異なる態様で表示されるように,上記画像化された文書を表示画面に表示し,
判定手段が,上記表示画面に表示されている上記画像化された文書のうち,上記検出手段において検出された文字が選択されたかどうかを判定し,
表示制御手段が,上記第1の判定手段において上記検出手段において検出された文字が選択されたと判定されたことに応じて上記選択された文字を中心に上記画像化された文書を拡大して表示するように上記表示装置を制御する,
文書画像表示制御装置の動作制御方法。
【請求項6】
入力手段が,画像化された文書を表わす画像ファイルおよび上記画像化された文書に含まれる文字のうち特定の文字の位置を表わす位置データを入力し,
表示装置が,上記入力手段から入力した位置データによって表わされる位置に存在する文字が他の文字と異なる態様で表示されるように,上記入力手段から入力した画像ファイルによって表わされる画像化された文書を表示装置の表示画面に表示し,
判定手段が,上記表示画面に表示されている上記画像化された文書のうち,上記入力手段から入力した位置データによって表わされる位置に存在する文字が選択されたかどうかを判定し,
表示制御手段が,上記判定手段によって上記入力手段から入力した位置データによって表わされる位置に存在する文字が選択されたと判定されたことに応じて,上記選択された文字を中心に上記画像化された文書を拡大して表示するように上記表示装置を制御する,
携帯型端末装置の動作制御方法。
【請求項7】
文書画像表示制御装置のコンピュータを制御するコンピュータが読み取り可能なプログラムであって,
画像化された文書から文字を識別させ,
識別された文字からあらかじめ定められた文字を検出させ,
検出された文字が他の文字と異なる態様で表示されるように,上記画像化された文書を表示画面に表示させ,
上記表示画面に表示されている上記画像化された文書のうち,検出された文字が選択されたかどうかを判定させ,
検出された文字が選択されたと判定されたことに応じて上記選択された文字を中心に上記画像化された文書を拡大して表示するように文書画像表示制御装置のコンピュータを制御するプログラム。
【請求項8】
携帯型端末装置のコンピュータを制御するコンピュータが読み取り可能なプログラムであって,
画像化された文書を表わす画像ファイルおよび上記画像化された文書に含まれる文字のうち特定の文字の位置を表わす位置データを入力させ,
入力した位置データによって表わされる位置に存在する文字が他の文字と異なる態様で表示されるように,入力した画像ファイルによって表わされる画像化された文書を表示装置の表示画面に表示させ,
上記表示画面に表示されている上記画像化された文書のうち,入力した位置データによって表わされる位置に存在する文字が選択されたかどうかを判定させ,
入力した位置データによって表わされる位置に存在する文字が選択されたと判定されたことに応じて,上記選択された文字を中心に上記画像化された文書を拡大して表示するように上記表示装置を制御するように携帯型端末装置のコンピュータを制御するプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−108749(P2012−108749A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257493(P2010−257493)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】