説明

文書管理画像編集システム、文書管理画像編集方法、文書管理画像編集プログラム及び記録媒体

【課題】画像ファイルの表示時、任意の場所にマスキング処理を行い、外部に書き出す時にマスク情報を固定化するか否かを選べるようにしておき、外部で対象ファイルを表示したときにオリジナル画像の任意の場所を隠すことが出来るようにする文書管理画像編集システムを提供する。
【解決手段】画像ファイルやイメージを表示するユーザインターフェース表示手段と、画像ファイルや情報をやり取りするためのデータアクセス手段と、文書管理エンジンと、文書管理データベースと、画像ファイルを読み込みファイルデータの構造を解析してメモリに展開するための画像データ展開手段と、画像編集時ユーザの操作に従い図形等の描画をメモリに対して行う編集中画像生成手段と、メモリに展開されている画像データとマスキングアイテムの情報をファイルに書き込むための画像データ保存手段と、構成する各手段を制御する処理制御手段とを備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理画像編集システムに関し、さらに詳しくは、画像ファイルを保存、管理している文書管理システムにおける画像ファイルの画像編集作業に関するものである。
【背景技術】
【0002】
文書管理システムに保存、管理している画像データをネットワーク等を介して外部に配布する場合、そのまま画像ファイルを配布すると、金額情報や個人情報など公開したくない秘密情報まで外部に漏れてしまい不都合が発生する。これを防ぐために画像データの内容を紙に一旦印刷して、紙上でマジックなどで一部情報を隠し、再度その紙を配布するといった方法が採られていた。また本作業を電子的な方法で行おうとした場合、既存の画像編集装置ではオリジナル画像に対してマスキング処理を行う場合、黒塗り矩形などをオリジナル画像に描画することにより情報を隠していた。しかし、これではオリジナル画像上に持っていた情報まで消えてしまうといった問題がある。
そこで、特開平5−108781号公報には、マスキング処理の入力を行った後でもこの領域の内容が確認でき、また後で内容を確認する必要がない黒枠については完全に白に変えることができるようにした画像処理装置について開示されている。それによると、画像信号を処理する画像処理手段と、この処理した画像を表示する表示手段と、表示された画像中で消去する領域を入力するタッチパネルなどの領域入力手段と、前記入力された領域をその内容を識別可能でかつ他の領域から区別可能となるように例えば白黒反転させて表示するマスキング手段と、画像中の黒枠を消去する黒枠消去手段とを備えるとしている。
【特許文献1】特開平5−108781号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1にあるようにオリジナル画像を残したままマスキング処理を行う方法もあるが、このシステム内では情報を隠すことはできるが、外部に配布したときに情報を隠すことができないといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑み、画像ファイルを表示したときに画像中の任意の場所にマスキング処理を行い、また、外部に書き出すときにマスク情報を固定化するか否かを選べるようにしておき、外部で対象ファイルを表示したときにオリジナル画像の任意の場所を隠すことが出来るようにする文書管理画像編集システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、保存している画像ファイル及び画像編集中のイメージを表示したり、操作を促すダイアログ及びメッセージを表示するユーザインターフェース表示手段と、文書管理システムに格納されている画像ファイル及び情報をやり取りするためのデータアクセス手段と、前記文書管理システムを管理するための文書管理エンジンと、画像データ及び文書の情報を格納しておくための文書管理データベースと、前記画像ファイルを読み込みファイルデータの構造を解析してメモリに展開するための画像データ展開手段と、画像編集時にユーザの操作に従い図形描画をメモリに対して行う編集中画像生成手段と、前記メモリに展開されている画像データとマスキングアイテムの情報を前記画像ファイルに書き込むための画像データ保存手段と、前記各手段、エンジン及びデータベースを制御する処理制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明は、文書管理システムに格納されている画像データファイルを画像編集して、ファイルとして保存しておき、必要なときに文書管理システム外にファイルとして書き出す処理を行う文書管理システム及び画像編集装置において、画像ファイルを表示したときに画像中の任意の個所にマスキング処理を行い、また、外部に書き出すときにマスク情報を固定化するか否かを選択できるようにしておき、外部で対象ファイルを表示したときに、オリジナル画像の任意の場所を隠すことが出来るようにするものである。
かかる発明によれば、画像中の任意の個所にマスキング処理を行い、また、外部に書き出すときにマスク情報を固定化するか否かを選択できるので、画像ファイルの任意の部分を隠して外部に配信することができ、また、マスキング情報を確定する前は画像データのどの位置をマスクするか確認することができる。更に、マスキング情報を確定するまではマスキングアイテムを削除したり変更したりすることができる。
【0005】
請求項2は、前記マスキングアイテムの情報を複数準備しておき、マスキングを実行する際に前記ユーザインターフェース表示手段に該マスキングアイテムの情報を表示することを特徴とする。
マスキングオブジェクトを矩形、線、円、多角形と複数準備しておき、ユーザがマスキングを行うときに作業アイコンとしてツールバーに表示しておく。
かかる発明によれば、画像データ中の任意の円領域や多角形領域をマスキングするための機能を提供することができる。
請求項3は、前記マスキングアイテムのプロパティを表示する手段を備え、該プロパティ画面で矩形の枠の表示方法、矩形の塗りつぶしパターン、及び色を選択可能としたことを特徴とする。
マスキングオブジェクトのプロパティを表示する手段をもっておき、プロパティ画面で矩形の枠の表示方法や、矩形の塗りつぶしパターンや色を選択できるようにする。
かかる発明によれば、マスキング部分を任意の表示方法で指定することにより、どの部分がマスキングされているのかが分かるような機能を提供することができる。
【0006】
請求項4は、前記処理制御手段は、前記画像ファイルに対して画像編集が指示されると、前記データアクセス手段を介して前記文書管理エンジンの管理している前記文書管理データベースに格納されている画像ファイルを取得して対象ファイルをオープンし、前記画像データ展開手段が前記ファイルデータの中に拡張ヘッダが存在すると判断した場合、前記拡張ヘッダ内のバージョンのチェック、マスキングオブジェクト数の取得、及び前記マスキングオブジェクトの座標情報及びサイズ情報を取得後、オリジナル画像データを読み込んで前記編集中画像生成手段により前記オリジナル画像データと前記マスキングオブジェクトのイメージを合成して、表示する画像イメージを作成して前記ユーザインターフェース表示手段に出力することを特徴とする。
本発明は画像編集が指示されると、対象ファイルをオープンして、そのファイルに拡張ヘッドがあるか否かをチェックする。拡張ヘッドがあれば、そのバージョンをチェックして、マスキングオブジェクトの数を取得し、その数の座標情報及びサイズ情報を得る。そしてオリジナルデータを読み込んで、その画像にマスキングオブジェクトを合成して画像表示する。
かかる発明によれば、オリジナルデータにマスキング部分を合成して表示するので、マスキングする部分が明確となり、操作性を向上することができる。
【0007】
請求項5は、前記処理制御手段は、前記画像ファイルに対して画像編集終了が指示されると、前記画像データ展開手段が表示中の画像イメージに前記マスキングオブジェクトが存在すると判断した場合、前記拡張ヘッダ内にバージョン情報を書き込み、前記表示中の画像イメージに存在するマスキングオブジェクト数を取得して、前記マスキングオブジェクトの座標情報及びサイズ情報を書き込み、前記画像データ保存手段により前記対象ファイルに対してメモリ情報を書き込み後、元の画像ファイルが持っていたオリジナル画像データを書き込み、前記対象ファイルをクローズすることを特徴とする。
従来のマスキングの場合、オリジナルデータも失ってしまう場合が多かった。そこで本発明では、画像編集終了が指示されると、オリジナルデータとマスキングオブジェクトの座標情報及びサイズ情報を個別に記憶してファイルをクローズする。そのため、いつでもシステム内ではオリジナルデータを見ることができ、しかもどの部分をマスキングしたかを知ることができる。
かかる発明によれば、オリジナルデータとマスキングオブジェクトの座標情報及びサイズ情報を個別に記憶するので、マスキングした部分のオリジナルデータを消失することを防ぐことができる。
【0008】
請求項6は、マスキングアイテム指定時に、前記マスキングオブジェクトを円領域及び多角形領域のいずれかを選択可能としたことを特徴とする。
本発明は、マスキングオブジェクトを矩形、線、円、多角形と複数準備しておき、ユーザがマスキングを行うときに作業アイコンとしてツールバーに表示しておく。それにより画像データ中の任意の円領域や多角形領域をマスキングするための機能を提供することができる。
かかる発明によれば、マスキングアイテムを設定するときに、印影部分をマスキングしたり、イメージ中の任意の場所だけマスキングすることができる。
請求項7は、前記画像ファイルの画像編集時に、前記マスキングオブジェクトのプロパティを表示する手段を有し、前記プロパティ画面により前記円領域及び多角形領域の表示方法、塗りつぶしパターン及び色を選択可能としたことを特徴とする。
本発明は、マスキングオブジェクトのプロパティを表示する手段をもっておき、プロパティ画面で矩形の枠の表示方法や、矩形の塗りつぶしパターンや色を選択できるようにする。このようにマスキング部分を任意の表示方法で指定することにより、どの部分がマスキングされているのかが分かるような機能を提供することができる。
かかる発明によれば、マスキングアイテム付き画像ファイルを表示したユーザはどの部分がマスキングされているのか判断することができる。
【0009】
請求項8は、画像ファイルに対して画像編集が指示されると、データアクセスステップを介して文書管理エンジンの管理している文書管理データベースに格納されている画像ファイルを取得して対象ファイルをオープンし、画像データ展開ステップがファイルデータの中に拡張ヘッダが存在すると判断した場合、前記拡張ヘッダ内のバージョンのチェック、マスキングオブジェクト数の取得、及び前記マスキングオブジェクトの座標情報及びサイズ情報を取得後、オリジナル画像データを読み込んで前記オリジナル画像データと前記マスキングオブジェクトのイメージを合成して、表示する画像イメージを作成することを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項4と同様の作用効果を奏する。
請求項9は、前記画像ファイルに対して画像編集終了が指示されると、前記画像データ展開ステップが表示中の画像イメージに前記マスキングオブジェクトが存在すると判断した場合、前記拡張ヘッダ内にバージョン情報を書き込み、前記表示中の画像イメージに存在するマスキングオブジェクト数を取得して、前記マスキングオブジェクトの座標情報及びサイズ情報を書き込み、画像データ保存ステップにより対象ファイルに対してメモリ情報を書き込み後、元の画像ファイルが持っていたオリジナル画像データを書き込み、前記対象ファイルをクローズすることを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項5と同様の作用効果を奏する。
【0010】
請求項10は、前記マスキングアイテムの情報を複数準備しておき、マスキングを実行する際に前記ユーザインターフェース表示手段に該マスキングアイテムの情報を表示することを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項2と同様の作用効果を奏する。
請求項11は、前記マスキングアイテムのプロパティを表示する手段を備え、該プロパティ画面で矩形の枠の表示方法、矩形の塗りつぶしパターン、及び色を選択可能としたことを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項3と同様の作用効果を奏する。
【0011】
請求項12は、請求項8乃至11の何れか一項に記載の文書管理画像編集方法をコンピュータが制御可能にプログラミングしたことを特徴とする。
かかる発明によれば、本発明の文書管理画像編集方法をコンピュータが制御可能なOSに従ってプログラミングすることにより、そのOSを備えたコンピュータであれば同じ処理方法により制御することができる。
請求項13は、請求項12に記載の文書管理画像編集プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする。
かかる発明によれば、そのプログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録媒体に記録することにより、この記録媒体を持ち運ぶことにより何処でもプログラムを稼動することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上記載のごとく請求項1の発明では、画像中の任意の個所にマスキング処理を行い、また、外部に書き出すときにマスク情報を固定化するか否かを選択できるので、画像ファイルの任意の部分を隠して外部に配信することができ、また、マスキング情報を確定する前は画像データのどの位置をマスクするか確認することができる。更に、マスキング情報を確定するまではマスキングアイテムを削除したり変更したりすることができる。
また請求項2の発明では、画像データ中の任意の円領域や多角形領域をマスキングするための機能を提供することができる。
また請求項3の発明では、スキング部分を任意の表示方法で指定することにより、どの部分がマスキングされているのかが分かるような機能を提供することができる。
また請求項4の発明では、オリジナルデータにマスキング部分を合成して表示するので、マスキングする部分が明確となり、操作性を向上することができる。
また請求項5の発明では、オリジナルデータとマスキングオブジェクトの座標情報及びサイズ情報を個別に記憶するので、マスキングした部分のオリジナルデータを消失することを防ぐことができる。
【0013】
また請求項6の発明では、マスキングアイテムを設定するときに、印影部分をマスキングしたり、イメージ中の任意の場所だけマスキングすることができる。
また請求項7の発明では、マスキングアイテム付き画像ファイルを表示したユーザはどの部分がマスキングされているのか判断することができる。
また請求項8の発明では、請求項4と同様の作用効果を奏する。
また請求項9の発明では、請求項5と同様の作用効果を奏する。
また請求項10の発明では、請求項2と同様の作用効果を奏する。
また請求項11の発明では、請求項3と同様の作用効果を奏する。
また請求項12の発明では、本発明の文書管理画像編集方法をコンピュータが制御可能なOSに従ってプログラミングすることにより、そのOSを備えたコンピュータであれば同じ処理方法により制御することができる。
また請求項13の発明では、そのプログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録媒体に記録することにより、この記録媒体を持ち運ぶことにより何処でもプログラムを稼動することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の一実施形態に係る文書管理および画像編集システムのモジュール構成図である。この画像編集システムは、ユーザに対して保存している画像ファイルや画像編集中のイメージを表示したり、操作を促すダイアログやメッセージを表示するユーザインターフェース表示手段1と、文書管理システムに格納されている画像ファイルや情報をやり取りするためのデータアクセス手段3と、文書管理システムを管理するための文書管理エンジン4と、画像データや文書の情報を格納しておくための文書管理データベース5と、画像ファイルを読み込みファイルデータの構造を解析してメモリに展開するための画像データ展開手段6と、画像編集時ユーザの操作に従い図形等の描画をメモリに対して行う編集中画像生成手段7と、メモリに展開されている画像データとマスキングアイテムの情報をファイルに書き込むための画像データ保存手段8と、構成する各手段を制御する処理制御手段2とを備えて構成される。
本発明の画像編集システムは、文書管理システムに格納されている画像データファイルを画像編集して、ファイルとして保存しておき、必要なときに文書管理システム外にファイルとして書き出す処理を行う文書管理システムおよび、画像編集装置であって、画像ファイルを表示したときに画像中の任意の場所にマスキング処理を行い、また、外部に書き出すときにマスク情報を固定化するか否かを選べるようにしておき、外部で対象ファイルを表示したときに、オリジナル画像の任意の場所を隠すことが出来るようにしたものである。
【0015】
図2は本発明の一実施形態を示す画像編集時の画面例を示す図である。画像編集中の画像10に対して、マスキングアイテムを付加すると指示した位置の画像13が反転して表示される。操作としては、ユーザが画像ファイルをビューア表示指示すると、対象画像ファイル10がビューアで表示され、画像編集を指示すると画像表示部の上に画像に対しての処理アイコン一覧11がツールバーに表示される。この処理アイコン11のうち、マスキングアイテム12を選択し、画像に対してマウスカーソルをクリックすることでマスキング領域の開始位置が指定され、そのままマウスカーソルを移動することでマスキング領域13が指定される。
図3は本発明の一実施形態の画像ファイルのファイルデータ構造を示す図である。この画像ファイルデータ20は、ヘッダ情報21、拡張ヘッダ情報22、画像データ23、オリジナル画像データ24から構成される。また、拡張ヘッダ情報22は、拡張ヘッダ情報のバージョン22a、マスキングオブジェクト数22b、マスキングオブジェクト数分のマスキング種別22c、座標情報22d、サイズ情報22eから構成される。他の画像編集システムでは、拡張ヘッダ情報22とオリジナル画像データ24は無視されて表示される。本発明の画像編集システムで本イメージファイルを表示した場合は、拡張ヘッダ情報22が有効になり、本イメージファイルを表示したときに、オリジナル画像データ24を表示し、拡張ヘッダ情報22に格納されているマスキングオブジェクトを合成して表示する。
【0016】
図4は本発明の画像ファイルをビューア表示操作したときの処理手順を示すフローチャートである。まず、画像ファイルに対して画像編集が指示されると処理制御手段2はデータアクセス手段3を介して文書管理エンジン4の管理している文書管理データベース5に格納されている文書を構成する画像ファイルを取得し、ファイルをオープンする(S1)。次に処理制御手段2は画像データ展開手段6を呼び出し、ファイルデータの中に拡張ヘッダが存在するか否かを判断し(S2)、拡張ヘッダが無い場合は(S2でNOのルート)、画像データを読み込み(S3)、画像表示する(S9)。ステップS2で拡張ヘッダがある場合は(S2でYESのルート)、拡張ヘッダ内のバージョンをチェックし(S4)、拡張ヘッダ内のマスキングオブジェクト数を取得し(S5)、マスキングオブジェクトの座標情報、サイズ情報をマスキングオブジェクト数分取得する(S6)。そしてオリジナルデータを読み込み(S7)、編集中画像生成手段7はオリジナルデータの画像に対してマスキングオブジェクトのイメージを合成して表示する画像イメージを作成する(S8)。そのデータにより準備した画像イメージを表示する(S9)。
【0017】
図5は本発明のビューア表示終了時、または画像編集終了時の処理手順を示すフローチャートである。まず画像編集終了が指示されると、表示中の画像イメージにマスキングオブジェクトが存在するか否かを判断する(S11)。マスキングオブジェクトが無かった場合(S11でNOのルート)、対象ファイルに対して現在の画像イメージを書き込み(S12)、対象ファイルをクローズする(S18)。ステップS11でマスキングオブジェクトがあった場合(S11でYESのルート)、拡張ヘッダ情報にバージョン情報を書き込み(S13)、表示中の画像に存在するマスキングオブジェクトの数を取得して(S14)、マスキングオブジェクト数分、座標情報、サイズ情報を書き込み(S15)、更に対象ファイルに対してメモリ情報を書き込む(S16)。そしてもとの画像ファイルが持っていたオリジナルデータを書き込んで(S17)、対象ファイルをクローズする(S18)。
また他の実施形態に係る文書管理システムおよび画像編集システムにおいて、マスキングオブジェクトを矩形、線、円、多角形と複数準備しておき、ユーザがマスキングを行うときに作業アイコンとしてツールバーに表示しておく。それにより画像データ中の任意の円領域や多角形領域をマスキングするための機能を提供することができる。
また他の実施形態に係る文書管理システムおよび画像編集システムにおいて、マスキングオブジェクトのプロパティを表示する手段をもっておき、プロパティ画面で矩形の枠の表示方法や、矩形の塗りつぶしパターンや色を選択できるようにする。このようにマスキング部分を任意の表示方法で指定することにより、どの部分がマスキングされているのかが分かるような機能を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る文書管理および画像編集システムのモジュール構成図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す画像編集時の画面例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態の画像ファイルのファイルデータ構造を示す図である。
【図4】本発明の画像ファイルをビューア表示操作したときの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明のビューア表示終了時、または画像編集終了時の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0019】
1 ユーザインターフェース表示手段、2 処理制御手段、3 データアクセス手段、4 文書管理エンジン、5 文書管理データベース、6 画像データ展開手段、7 編集中画像生成手段、8 画像データ保存手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保存している画像ファイル及び画像編集中のイメージを表示したり、操作を促すダイアログ及びメッセージを表示するユーザインターフェース表示手段と、文書管理システムに格納されている画像ファイル及び情報をやり取りするためのデータアクセス手段と、前記文書管理システムを管理するための文書管理エンジンと、画像データ及び文書の情報を格納しておくための文書管理データベースと、前記画像ファイルを読み込みファイルデータの構造を解析してメモリに展開するための画像データ展開手段と、画像編集時にユーザの操作に従い図形描画をメモリに対して行う編集中画像生成手段と、前記メモリに展開されている画像データとマスキングアイテムの情報を前記画像ファイルに書き込むための画像データ保存手段と、前記各手段、エンジン及びデータベースを制御する処理制御手段と、を備えたことを特徴とする文書管理画像編集システム。
【請求項2】
前記マスキングアイテムの情報を複数準備しておき、マスキングを実行する際に前記ユーザインターフェース表示手段に該マスキングアイテムの情報を表示することを特徴とする請求項1に記載の文書管理画像編集システム。
【請求項3】
前記マスキングアイテムのプロパティを表示する手段を備え、該プロパティ画面で矩形の枠の表示方法、矩形の塗りつぶしパターン、及び色を選択可能としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の文書管理画像編集システム。
【請求項4】
前記処理制御手段は、前記画像ファイルに対して画像編集が指示されると、前記データアクセス手段を介して前記文書管理エンジンが管理している前記文書管理データベースに格納されている画像ファイルを取得して対象ファイルをオープンし、前記画像データ展開手段が前記ファイルデータの中に拡張ヘッダが存在すると判断した場合、前記拡張ヘッダ内のバージョンのチェック、マスキングオブジェクト数の取得、及び前記マスキングオブジェクトの座標情報及びサイズ情報を取得後、オリジナル画像データを読み込んで前記編集中画像生成手段により前記オリジナル画像データと前記マスキングオブジェクトのイメージを合成して、表示する画像イメージを作成して前記ユーザインターフェース表示手段に出力することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の文書管理画像編集システム。
【請求項5】
前記処理制御手段は、前記画像ファイルに対して画像編集終了が指示されると、前記画像データ展開手段が表示中の画像イメージに前記マスキングオブジェクトが存在すると判断した場合、前記拡張ヘッダ内にバージョン情報を書き込み、前記表示中の画像イメージに存在するマスキングオブジェクト数を取得して、前記マスキングオブジェクトの座標情報及びサイズ情報を書き込み、前記画像データ保存手段により前記対象ファイルに対してメモリ情報を書き込み後、元の画像ファイルが持っていたオリジナル画像データを書き込み、前記対象ファイルをクローズすることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の文書管理画像編集システム。
【請求項6】
マスキングアイテム指定時に、前記マスキングオブジェクトの円領域及び多角形領域のいずれかを選択可能としたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の文書管理画像編集システム。
【請求項7】
前記画像ファイルの画像編集時に、前記マスキングオブジェクトのプロパティを表示する手段を有し、前記プロパティ画面により前記円領域及び多角形領域の表示方法、塗りつぶしパターン及び色を選択可能としたことを特徴とする請求項6に記載の文書管理画像編集システム。
【請求項8】
画像ファイルに対して画像編集が指示されると、データアクセスステップを介して文書管理エンジンの管理している文書管理データベースに格納されている画像ファイルを取得して対象ファイルをオープンし、画像データ展開ステップがファイルデータの中に拡張ヘッダが存在すると判断した場合、前記拡張ヘッダ内のバージョンのチェック、マスキングオブジェクト数の取得、及び前記マスキングオブジェクトの座標情報及びサイズ情報を取得後、オリジナル画像データを読み込んで前記オリジナル画像データと前記マスキングオブジェクトのイメージを合成して、表示する画像イメージを作成することを特徴とする文書管理画像編集方法。
【請求項9】
前記画像ファイルに対して画像編集終了が指示されると、前記画像データ展開ステップが表示中の画像イメージに前記マスキングオブジェクトが存在すると判断した場合、前記拡張ヘッダ内にバージョン情報を書き込み、前記表示中の画像イメージに存在するマスキングオブジェクト数を取得して、前記マスキングオブジェクトの座標情報及びサイズ情報を書き込み、画像データ保存ステップにより対象ファイルに対してメモリ情報を書き込み後、元の画像ファイルが持っていたオリジナル画像データを書き込み、前記対象ファイルをクローズすることを特徴とする請求項8に記載の文書管理画像編集方法。
【請求項10】
前記マスキングアイテムの情報を複数準備しておき、マスキングを実行する際に前記ユーザインターフェース表示手段に該マスキングアイテムの情報を表示することを特徴とする請求項8又は9に記載の文書管理画像編集方法。
【請求項11】
前記マスキングアイテムのプロパティを表示する手段を備え、該プロパティ画面で矩形の枠の表示方法、矩形の塗りつぶしパターン、及び色を選択可能としたことを特徴とする請求項8又は9に記載の文書管理画像編集方法。
【請求項12】
請求項8乃至11の何れか一項に記載の文書管理画像編集方法をコンピュータが制御可能にプログラミングしたことを特徴とする文書管理画像編集プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載の文書管理画像編集プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−262567(P2008−262567A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−108133(P2008−108133)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【分割の表示】特願2003−33931(P2003−33931)の分割
【原出願日】平成15年2月12日(2003.2.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】