説明

文書表示装置及び表示プログラム

【課題】複数且つ非連続の文字等を一回の操作で選択することが可能な文書表示装置及び表示プログラムを提供する。
【解決手段】キャラクタがディスプレイに表示される(S11)。指定座標の取得が開始されてから(S13:YES)、指定座標の取得が終了されるまでの間(S19:YES)、指定座標が記憶される(S14及びS17)。指定座標とは、ユーザによって指定されたディスプレイ上の座標である。指定座標が示す軌跡がディスプレイに表示される(S18)。キャラクタが位置するディスプレイ上の領域であるキャラクタ領域と、キャラクタ指定座標が示す軌跡とに基づいて、キャラクタが選択される(S20)。選択されたキャラクタに書式の変更等の設定が行われ(S21)、印字が実行される(S23)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザによって指定された文字等を選択する文書表示装置及び表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザによって指定された文字等を選択する文書表示装置が知られている。例えば、特許文献1に記載の情報処理装置では、マウスのカーソルを移動させて、移動の軌跡上に位置する文字列を選択している。そして、選択した文字列に対して、アンダーラインを引くなどの設定を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−242885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記情報処理装置では、連続した複数の文字を選択している。このため、複数且つ非連続の文字等を選択しようとした場合、一回の操作では目的の文字等を選択できない。よって、ユーザは、複数且つ非連続の文字等を選択する作業をスムーズに行うことができないという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、複数且つ非連続の文字等を一回の操作で選択することが可能な文書表示装置及び表示プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る文書表示装置は、キャラクタを表示手段に表示させるための情報であるキャラクタ情報に基づいて、複数の前記キャラクタを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、ユーザが表示手段上の座標を指定するための座標指定手段によって指定された、前記表示手段上の座標である指定座標を取得する指定座標取得手段と、前記指定座標取得手段による前記指定座標の取得が開始されたことを検出する開始検出手段と、前記指定座標取得手段による前記指定座標の取得が終了されたことを検出する終了検出手段と、前記開始検出手段によって前記指定座標の取得が開始されたことが検出されてから、前記終了検出手段によって前記指定座標の取得が終了されたことが検出されるまでの間に、前記指定座標取得手段によって取得された前記指定座標を、記憶装置に記憶させる記憶制御手段と、前記表示制御手段によって前記表示手段に表示された前記キャラクタの前記表示手段上の領域であるキャラクタ領域を取得するキャラクタ領域取得手段と、前記記憶制御手段によって前記記憶装置に記憶された前記指定座標が示す軌跡と、前記キャラクタ領域取得手段によって取得された前記キャラクタ領域とに基づいて、ユーザによって選択された複数且つ非連続の前記キャラクタを選択するキャラクタ選択手段とを備えている。
【0007】
この場合ユーザが、座標の指定を開始してから、終了するまでの間に、ユーザによって指定された指定座標が記憶される。そして、指定座標が示す軌跡とキャラクタ領域とに基づいて、複数且つ非連続のキャラクタが選択される。このため、ユーザは、複数且つ非連続のキャラクタを一回の操作で選択することができる。よって、複数且つ非連続のキャラクタを選択する作業をスムーズに行うことができる。
【0008】
前記文書表示装置において、前記キャラクタ選択手段は、前記キャラクタ領域取得手段によって取得された前記キャラクタ領域の内、前記軌跡と重なる前記キャラクタ領域に対応する、複数且つ非連続の前記キャラクタを選択してもよい。この場合、ユーザは、座標指定手段を使用して、一回の操作で表示手段に表示されたキャラクタをなぞることで、複数且つ非連続のキャラクタを選択することができる。一回の操作でキャラクタをなぞるだけで、複数且つ非連続のキャラクタを選択することができるので、ユーザの利便性が向上する。
【0009】
前記文書表示装置は、前記軌跡が軌跡自身と交差するか否かを判断する交差判断手段を備え、前記キャラクタ選択手段は、前記交差判断手段によって前記軌跡が交差すると判断された場合にのみ、前記軌跡の内側に存在する前記キャラクタ領域に対応する、複数且つ非連続の前記キャラクタを選択してもよい。この場合、ユーザは、座標指定手段を使用して、表示手段に表示されたキャラクタを囲むことで、複数且つ非連続のキャラクタを選択することができる。一回の操作でキャラクタを囲んだだけで、複数且つ非連続のキャラクタを選択することができるので、ユーザの利便性が向上する。
【0010】
前記文書表示装置において、前記軌跡は、前記記憶制御手段によって前記記憶装置に記憶された順番で前記指定座標を結んだ第一軌跡と、前記記憶制御手段によって前記記憶装置に記憶された前記指定座標のうち、最初の指定座標と最新の指定座標とを線分で結んだ第二軌跡とであり、前記キャラクタ選択手段は、前記第一軌跡と前記第二軌跡とで形成される前記軌跡の内側に存在する前記キャラクタ領域に対応する、複数且つ非連続の前記キャラクタを選択してもよい。この場合、第一軌跡と第二軌跡とで、キャラクタを選択するための領域を描き、複数且つ非連続のキャラクタを選択することができる。よって、ユーザの利便性が向上する。
【0011】
前記文書表示装置において、前記キャラクタ情報は、前記キャラクタのサイズの情報であるサイズ情報と、複数の前記キャラクタのうち、先頭の前記キャラクタが位置する前記表示手段上の前記座標である先頭座標とを含み、前記キャラクタ領域取得手段は、少なくとも前記先頭座標と前記サイズ情報とを使用して、個々の前記キャラクタの前記キャラクタ領域を算出して取得してもよい。この場合、先頭のキャラクタ以外のキャラクタの座標が不明である場合でも、先頭座標とサイズ情報とを使用して、キャラクタ領域を算出することができる。また、個々のキャラクタの座標を記憶しておく必要がないので、記憶容量を削減できる。
【0012】
前記文書表示装置において、前記キャラクタ選択手段によって選択された、複数且つ非連続の前記キャラクタに対して、所定の設定を行うキャラクタ設定手段を備えてもよい。この場合、ユーザは、選択したキャラクタに対して、所定の設定を行うことができる。複数且つ非連続のキャラクタに対して、同時に所定の設定を行うことができるので、ユーザの利便性が向上する。
【0013】
前記文書表示装置は、テープを収納したテープカセットが装着されるカセット装着部と、前記カセット装着部に装着された前記テープカセットから前記テープを引き出して搬送する搬送手段と、前記表示制御手段によって前記表示手段に表示された前記キャラクタを、前記搬送手段によって搬送される前記テープに印字する印字手段とを備えてもよい。この場合、表示手段に表示されたキャラクタを、テープに印字することができる。このため、例えば、キャラクタ選択手段によって選択された複数且つ非連続のキャラクタの表示が、種々の設定によって変更された場合、変更後のキャラクタを表示手段で確認後、印字することができる。
【0014】
本発明の第2の態様に係る表示プログラムは、文書表示装置のコントローラに、キャラクタを表示手段に表示させるための情報であるキャラクタ情報に基づいて、複数の前記キャラクタを前記表示手段に表示させる表示制御ステップと、ユーザが表示手段上の座標を指定するための座標指定手段によって指定された、前記表示手段上の座標である指定座標を取得する指定座標取得ステップと、前記指定座標取得ステップによる前記指定座標の取得が開始されたことを検出する開始検出ステップと、前記指定座標取得ステップによる前記指定座標の取得が終了されたことを検出する終了検出ステップと、前記開始検出ステップによって前記指定座標の取得が開始されたことが検出されてから、前記終了検出ステップによって前記指定座標の取得が終了されたことが検出されるまでの間に、前記指定座標取得ステップによって取得された前記指定座標を、記憶装置に記憶させる記憶制御ステップと、前記表示制御ステップによって前記表示手段に表示された前記キャラクタの前記表示手段上の領域であるキャラクタ領域を取得するキャラクタ領域取得ステップと、前記指定座標記憶ステップによって前記記憶装置に記憶された前記指定座標が示す軌跡と、前記キャラクタ領域取得ステップによって取得された前記キャラクタ領域とに基づいて、ユーザによって選択された複数且つ非連続の前記キャラクタを選択するキャラクタ選択ステップとを実行させる。この場合、ユーザは、複数且つ非連続のキャラクタを一回の操作で選択することができる。よって、複数且つ非連続のキャラクタを選択する作業をスムーズに行うことができる。
【0015】
前記表示プログラムにおいて、前記キャラクタ選択ステップは、前記キャラクタ領域取得ステップによって取得された前記キャラクタ領域の内、前記軌跡と重なる前記キャラクタ領域に対応する、複数且つ非連続の前記キャラクタを選択してもよい。この場合、一回の操作でキャラクタをなぞるだけで、複数且つ非連続のキャラクタを選択することができるので、ユーザの利便性が向上する。
【0016】
前記表示プログラムは、前記コントローラに、前記軌跡が軌跡自身と交差するか否かを判断する交差判断ステップを実行させ、前記キャラクタ選択ステップは、前記交差判断ステップによって前記軌跡が交差すると判断された場合にのみ、前記軌跡の内側に存在する前記キャラクタ領域に対応する、複数且つ非連続の前記キャラクタを選択してもよい。この場合、一回の操作でキャラクタを囲んだだけで、複数且つ非連続のキャラクタを選択することができるので、ユーザの利便性が向上する。
【0017】
前記表示プログラムにおいて、前記軌跡は、前記記憶制御ステップによって前記記憶装置に記憶された順番で前記指定座標を結んだ第一軌跡と、前記記憶制御ステップによって前記記憶装置に記憶された前記指定座標のうち、最初の指定座標と最新の指定座標とを線分で結んだ第二軌跡とであり、前記キャラクタ選択ステップは、前記第一軌跡と前記第二軌跡とで形成される前記軌跡の内側に存在する前記キャラクタ領域に対応する、複数且つ非連続の前記キャラクタを選択してもよい。この場合、第一軌跡と第二軌跡とで、キャラクタを選択するための領域を描き、複数且つ非連続のキャラクタを選択することができる。よって、ユーザの利便性が向上する。
【0018】
前記表示プログラムにおいて、前記キャラクタ情報は、前記キャラクタのサイズの情報であるサイズ情報と、複数の前記キャラクタのうち、先頭の前記キャラクタが位置する前記表示手段上の前記座標である先頭座標とを含み、前記キャラクタ領域取得ステップは、少なくとも前記先頭座標と前記サイズ情報とを使用して、個々の前記キャラクタの前記キャラクタ領域を算出して取得してもよい。この場合、先頭のキャラクタ以外のキャラクタの座標が不明である場合でも、先頭座標とサイズ情報とを使用して、キャラクタ領域を算出することができる。また、個々のキャラクタの座標を記憶しておく必要がないので、記憶容量を削減できる。
【0019】
前記表示プログラムは、前記コントローラに、前記キャラクタ選択ステップによって選択された、複数且つ非連続の前記キャラクタに対して、所定の設定を行うキャラクタ設定ステップを実行させてもよい。この場合、複数且つ非連続のキャラクタに対して、同時に所定の設定を行うことができるので、ユーザの利便性が向上する。
【0020】
前記表示プログラムは、テープを収納したテープカセットが装着されるカセット装着部と、前記カセット装着部に装着された前記テープカセットから前記テープを引き出して搬送する搬送手段とを備えた前記文書表示装置の前記コントローラに、前記表示制御ステップによって前記表示手段に表示された前記キャラクタを、前記搬送手段によって搬送される前記テープに印字する印字ステップを実行させてもよい。この場合、表示手段に表示されたキャラクタを、テープに印字することができる。このため、例えば、キャラクタ選択ステップによって選択された複数且つ非連続のキャラクタの表示が、種々の設定によって変更された場合、変更後のキャラクタを表示手段で確認後、印字することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】カバー6が閉じられた状態にある印字装置1の斜視図である。
【図2】カバー6が開かれた状態にある印字装置1及びテープカセット30の斜視図である。
【図3】上ケース31Aが取り外された状態にあるテープカセット30と、印字位置にあるローラホルダ18とを示す平面図である。
【図4】上ケース31Aが取り外された状態にあるテープカセット30と、待機位置にあるローラホルダ18とを示す平面図である。
【図5】テープカセット30の斜視図である。
【図6】印字装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】ディスプレイ5に表示される画像92を示す図である。
【図8】余白データテーブル81を示す模式図である。
【図9】キャラクタデータテーブル82を示す模式図である。
【図10】第一メイン処理を示すフローチャートである。
【図11】指定座標データテーブル83を示す模式図である。
【図12】指定座標データテーブル83を示す模式図である。
【図13】ディスプレイ5に表示される画像92と軌跡96を示す図である。
【図14】第一キャラクタ選択処理を示すフローチャートである。
【図15】キャラクタデータテーブル82を示す模式図である。
【図16】選択キャラクタが白黒反転した場合における、ディスプレイ5に表示される画像92を示す図である。
【図17】キャラクタ設定処理を示すフローチャートである。
【図18】キャラクタデータテーブル82を示す模式図である。
【図19】選択キャラクタの設定が変更された後の画像92を示す図である。
【図20】第二メイン処理を示すフローチャートである。
【図21】指定座標データテーブル83を示す模式図である。
【図22】ディスプレイ5に表示される画像92と軌跡97を示す図である。
【図23】第二キャラクタ選択処理を示すフローチャートである。
【図24】ディスプレイ5に表示される画像92と軌跡98を示す図である。
【図25】第三メイン処理を示すフローチャートである。
【図26】指定座標データテーブル83を示す模式図である。
【図27】ディスプレイ5に表示される画像92、軌跡97、及び軌跡99を示す図である。
【図28】指定座標データテーブル83を示す模式図である。
【図29】ディスプレイ5に表示される画像92、軌跡97、及び軌跡99を示す図である。
【図30】ディスプレイ5に表示される画像92、軌跡97、及び軌跡99を示す図である。
【図31】インクリボン601を示す正面図である。
【図32】印字色データテーブル84を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成などは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0023】
図1〜図4を参照して、本実施形態に係る印字装置1の概略構成について説明する。本実施形態の説明では、図1及び図2の右上側、左下側、右下側、左上側、上側、下側を、それぞれ、印字装置1の後側、前側、右側、左側、上側、下側とする。
【0024】
図1に示すように、印字装置1の上面には、キャラクタ(文字、記号及び数字等)や改行や改ブロック(後述)等を入力するためのキーボード3が設けられている。キーボード3の後側(紙面右上側)には、電源キー、決定キー、印字キー等を含む機能キー群4が設けられている。以下の説明では、機能キー群4とキーボード3とを総称する場合、入力部91という。機能キー群4の後側には、入力したキャラクタ等を表示するためのディスプレイ5が設けられている。印字装置1の上面の後部には、開閉可能なカバー6が設けられている。カバー6は、カバー6の後端部の左右方向を支点として開閉自在である。カセット装着部8は、カバー6が閉位置にあるときにテープカセット30を着脱不能に閉鎖され(図1参照)、カバー6が開位置にあるときにテープカセット30を着脱自在に開放される(図2参照)。印字装置1の左後角には、カットされた印字済みテープ50(図5参照)を受けるテープトレイ7が設けられている。
【0025】
図2に示すように、ディスプレイ5の後側には、カセット装着部8が形成されている。カセット装着部8には、テープカセット30が上下方向に着脱される。図3及び図4に示すように、カセット装着部8には、リボン巻取軸9が立設されている。リボン巻取軸9は、リボンスプール42から引き出されてキャラクタの印字に使用された後のインクリボン60を巻取る。リボン巻取軸9の左前方には、正面視で略矩形状のヘッドホルダ74が立設されている。ヘッドホルダ74の前面には、フィルムテープ59にキャラクタを印字するサーマルヘッド10が取り付けられている。ヘッドホルダ74の左方には、印字済みテープ50を送り駆動するためのテープ駆動軸11が立設されている。
【0026】
カセット装着部8の前側には、ローラホルダ18が配設されている。ローラホルダ18は、板部13によって被覆されている。板部13の右側には、レバー16が設けられている。
【0027】
ローラホルダ18は、プラテンローラ15と可動搬送ローラ14とを備える。ローラホルダ18は、ホルダ軸181を中心に回動可能に軸支されている。ローラホルダ18の左端縁部には、可動搬送ローラ14がローラ面を後方に露出させつつ回転可能に軸支されている。可動搬送ローラ14の右側には、プラテンローラ15がローラ面を後方に露出させつつ回転可能に軸支されている。可動搬送ローラ14及びプラテンローラ15は、それぞれテープ駆動ローラ46及びサーマルヘッド10に対向する位置に配置されている。ホルダ軸181の下部の周囲には、巻きバネ(図示外)が設けられている。ローラホルダ18は、巻きバネによって前方向に常に弾性付勢されている。
【0028】
カバー6が下方に閉じられる場合、レバー16が下方向に回動し、ローラホルダ18は、巻きバネの付勢力に抗って後方に回動し、図3に示す印字位置に移動する。印字位置では、プラテンローラ15がサーマルヘッド10に圧接され、且つ、可動搬送ローラ14がテープ駆動ローラ46に圧接されている。ローラホルダ18が印字位置にある場合、印字装置1は、カセット装着部8に装着されたテープカセット30を用いた印字動作が可能となる。
【0029】
カバー6が上方に開かれる場合、レバー16が上方向に回動し、ローラホルダ18は、巻きバネの付勢力によって前方に回動し、図4に示す待機位置に移動する。待機位置では、プラテンローラ15がサーマルヘッド10から離間され、且つ、可動搬送ローラ14がテープ駆動ローラ46から離間される。ローラホルダ18が待機位置にある場合、印字装置1では、テープカセット30がカセット装着部8に対して着脱自在となる。
【0030】
次に、図3から図5を参照して、本実施形態に係るテープカセット30の構造について説明する。本実施形態のテープカセット30は、感熱タイプ、レセプタータイプ、ラミネートタイプ等、各種のテープ種類に実装可能な汎用カセットを、ラミネートタイプに実装している。本実施形態の説明では、図5の左上側、右下側、右上側、左下側、上側、下側を、それぞれ、テープカセット30の後側、前側、右側、左側、上側、下側とする。
【0031】
図5に示すように、テープカセット30は、全体としては平面視で丸みを帯びた角部を有する略直方体状(箱型)の筐体であるカセットケース31を有している。カセットケース31は、下ケース31Bと上ケース31Aとを有する。上ケース31A及び下ケース31Bには、それぞれ後述のスプール類を回転可能に支持する支持孔65、66、67が設けられている。
図3〜図5に示すように、カセットケース31内の左側後部には、第一テープスプール40に巻回された両面粘着テープ58が配置されている。カセットケース31内の右側後部には、第二テープスプール41に巻回された透明なフィルムテープ59が配置されている。カセットケース31内の右側前部には、リボンスプール42に巻回されたインクリボン60が配置されている。両面粘着テープ58は、一面に剥離紙が貼着された両面テープであり、印字済みのフィルムテープ59の印字面側に貼り合わされる。
【0032】
カセットケース31内における第一テープスプール40とリボンスプール42との間には、リボン巻取スプール44が先述の支持孔67を介して回転可能に配置されている。リボン巻取スプール44は、リボンスプール42からインクリボン60を引き出すとともに、キャラクタの印字にて使用されたインクリボン60を巻き取る。
【0033】
図5に示すように、カセットケース31の前部のうち、テープカセット30の右側から左方に延びる部位をアーム部34という。図3及び図4に示すように、アーム部34内には、第二テープスプール41から引き出されたフィルムテープ59と、リボンスプール42から引き出されたインクリボン60とが共に案内されている。アーム部34の先端部には、開口34Aが形成されている。フィルムテープ59とインクリボン60とは、開口34Aで重ね合わされて、後述する露出部77に向けて排出される。
【0034】
アーム部34の後側には、カセットケース31を上下方向に貫通する平面視略長方形状の空間であるヘッド挿入部39が設けられている。ヘッド挿入部39は、テープカセット30の前面側に設けられた露出部77を介して、テープカセット30の前面側で外部とつながっている。ヘッド挿入部39には、印字装置1のサーマルヘッド10(図3参照)を支持するヘッドホルダ74が挿入される。露出部77では、開口34Aから排出されたフィルムテープ59の一面が前方に露出され、且つその他面が後方のサーマルヘッド10に対向する。本実施形態では、フィルムテープ59の他面がインクリボン60を挟んでサーマルヘッド10に対向している。露出部77では、サーマルヘッド10によるフィルムテープ59への印字が、インクリボン60を使用して行われる。本実施形態におけるインクリボン60は、印字装置1が複数階調の白黒でフィルムテープ59への印字を行うためのインクリボンであるとする。つまり、テープカセット30は、複数階調の白黒でキャラクタを印字するためのテープカセットである。
【0035】
図3〜図5に示すように、ヘッド挿入部39の下流側にはテープ駆動ローラ46が回転可能に軸支されている。テープ駆動ローラ46は、その内部に挿嵌されるテープ駆動軸11(図3参照)によって回転駆動される。テープ駆動ローラ46は、対向する可動搬送ローラ14(図3参照)と協働して、第二テープスプール41からフィルムテープ59を引き出し、第一テープスプール40から両面粘着テープ58を引き出し、フィルムテープ59の印字面に両面粘着テープ58をガイドして接着させる。接着されたフィルムテープ59と両面粘着テープ58は、テープ排出口49から排出され、印字済みテープ50となる。
【0036】
図6を参照して、印字装置1の電気的構成について説明する。図6に示すように、印字装置1は、各機器を制御するCPU401、ROM402、CGROM403、及びRAM404を備えている。ROM402、CGROM403、及びRAM404は、CPU401に電気的に接続されている。
【0037】
ROM402は、プログラム記憶領域4021及び余白データテーブル記憶領域4022を少なくとも備えている。プログラム記憶領域4021には、CPU401が印字装置1を制御するために実行する各種プログラムが記憶されている。余白データテーブル記憶領域4022には、後述する余白データテーブル81が記憶される。RAM404は、キャラクタデータテーブル記憶領域4041と指定座標データテーブル記憶領域4042を少なくとも備えている。キャラクタデータテーブル記憶領域4041には、後述するキャラクタデータテーブル82が記憶される。指定座標データテーブル記憶領域4042には、後述する指定座標データテーブル83が記憶される。CGROM403には、キャラクタを表示手段に表示させるためのサイズの情報であるサイズ情報や、キャラクタを印字するための印字用ドットパターンデータが記憶されている。
【0038】
印字装置1は、入力部91、液晶駆動回路(LCDC)405、及び駆動回路406、407、408、409を備えている。入力部91、液晶駆動回路(LCDC)405、及び駆動回路406、407、408、409は、CPU401に電気的に接続されている。駆動回路406は、サーマルヘッド10を駆動するための電子回路である。駆動回路407は、リボン巻取軸9及びテープ駆動軸11を回転させるテープ送りモータ24を駆動するための電子回路である。駆動回路408は、印字済みテープ50を切断する移動刃(図示外)を動作させるカッターモータ25を駆動するための電子回路である。駆動回路409は、ディスプレイ5の上面に設けられた透明なタッチパネル26を駆動するための電子回路である。タッチパネル26は、ユーザがディスプレイ5上の座標を指定するための装置である。ユーザは、タッチペンや指先でタッチパネル26に触れることで、ディスプレイ5上の座標を指定することができる。液晶駆動回路(LCDC)405は、ディスプレイ5に表示データを出力するためのビデオRAM(図示外)を有する。本実施形態では、ディスプレイ5には、カラーの表示素子が使用されているとする。なお、ディスプレイ5には、白黒の表示素子が使用されていてもよい。
【0039】
図7を参照して、ディスプレイ5に表示される画像の一例を説明する。本実施形態の説明では、図7の左側、右側、上側、下側を、それぞれ、ディスプレイ5の左側、右側、上側、下側とする。
【0040】
図7に示す画像を画像92という。画像92は、ユーザによって、キャラクタが入力されることでディスプレイ5に表示される。画像92では、「SAMPLE」が1行で表示され、「SAMPLE」の右側に「QUANTITY:20」と「DATE:2010/5/1」とが2行で表示されている。また、これらのキャラクタを囲むテープ枠93が表示されている。テープ枠93とキャラクタとの位置関係は、印字済みテープ50が作成される際の印字済みテープ50の外枠と、印字済みテープ50に印字されるキャラクタの位置関係に対応する。このため、ユーザは、ディスプレイ5を確認することで、完成した印字済みテープ50を想像することができる。
【0041】
画像92は、ユーザが入力部91を介して「SAMPLE□QUANTITY:20△DATE:2010/5/1」とデータを入力した場合に表示される。「△」は改行を示すデータである。「□」は改ブロックを示すデータである。改行が上下方向の行を変更するのに対し、改ブロックは、左右方向のブロックを変更する。「□」の前後でブロックが分けられる。図7では、「SAMPLE」が1つのブロック(以下、「第一ブロック94」という。)であり、「QUANTITY:20△DATE:2010/5/1」が1つのブロック(以下、「第二ブロック95」という。)である。
【0042】
また、改行が行われると、対応してキャラクタのサイズが調整される。図7に示すように、1行で表示される第一ブロック94のキャラクタのサイズは、2行で表示される第二ブロック95のキャラクタのサイズより大きくなっている。なお、これらのキャラクタのサイズは、予めCGROM403に記憶されている。
【0043】
図7における一番外側の枠は、ディスプレイ5の外枠である。本実施形態では、ディスプレイ5の左下の座標(X,Y)が、座標(0,0)であるとする。座標は、ディスプレイ5のピクセルの個数に対応しているとする。例えば、座標(10,20)のディスプレイ5上の位置は、ディスプレイ5に左端から10ピクセル分右側、且つ、ディスプレイ5に下端から20ピクセル分上側の位置である。
【0044】
図8を参照して、余白データテーブル81について説明する。余白データテーブル81には、余白種類とX幅とが対応付けられて記憶されている。X幅の単位は、ピクセルである。図8に示すように、余白データテーブル81には、余白種類「キャラクタ間余白」とX幅「3」とが対応付けられ、余白種類「改ブロック余白」とX幅「15」とが対応付けられている。
【0045】
X幅とは、ディスプレイ5のX方向(左右方向)の幅であり、ピクセルで表されている。キャラクタ間余白は、キャラクタ同士の間の余白であり、X方向に3ピクセルの余白が設けられることになる。改ブロック余白は、改ブロックがされた場合の余白であり、X方向に15ピクセルの余白が設けられることになる。
【0046】
図9を参照して、キャラクタデータテーブル82について説明する。図9では、一例として、図7に示すキャラクタをユーザが入力した場合に作成されるキャラクタデータテーブル82を示している。
【0047】
図9に示すように、キャラクタデータテーブル82には、キャラクタ、X幅、Y幅、選択、書体、イタリック設定、サイズ変更、及び色が対応付けられている。キャラクタは、ユーザによって入力されたキャラクタである。本実施形態では、「SAMPLE□QUANTITY:20△DATE:2010/5/1」と入力されているので、これらのキャラクタが登録されている。なお、改ブロック「□」及び改行「△」は、キャラクタとは異なるが、キャラクタと同様に記憶されている。
【0048】
図9に示すように、キャラクタ「S」、X幅「14」、Y幅「26」、選択「−」、書体「ゴシック体」、イタリック設定「通常」、サイズ変更「通常」、及び色「黒」が対応付けられている。その他のキャラクタについても、図9に示すように、キャラクタ、X幅、Y幅、選択、書体、イタリック設定、サイズ変更、及び色が対応付けられている。なお、「−」は、データが記憶されていないことを示している。
【0049】
Y幅は、ディスプレイ5のY方向(上下方向)の幅であり、ピクセルで表されている。キャラクタの大きさは、X幅とY幅で表わされる。本実施形態では、キャラクタのX幅及びY幅をサイズ情報という。このサイズ情報は、キャラクタ毎にCGROM403に記憶されている情報である。選択は、ユーザによって選択されたキャラクタであるか否かを表す。ユーザによって選択された場合には、選択されたことを示すデータが記憶される。
【0050】
書体は、キャラクタの書体を表す。本実施形態では、書体の標準の設定は「ゴシック体」であるとする。イタリック設定は、キャラクタがイタリック体(右方向に傾いたキャラクタ)であるか否かを表わす。「通常」は、イタリック体でないことを表す。本実施形態では、イタリック設定の標準の設定は、「通常」であるとする。サイズ変更は、サイズの変更がされているか否かを表す。「通常」は、サイズの変更がされていないことを表す。本実施形態では、サイズの標準の設定は、「通常」であるとする。色は、印字が行われる際のキャラクタの色を表す。本実施形態では、色の標準の設定は、「黒」であるとする。以下の説明では、キャラクタ、X幅とY幅(つまりサイズ情報)、選択、書体、イタリック設定、サイズ変更、色、及び後述する先頭座標を含む情報を「キャラクタ情報」という。
【0051】
図7〜図9を参照して、図7に示す画像92の作成過程について説明する。ユーザは、入力部91を介してキャラクタを入力する。ユーザが先頭のキャラクタ「S」を入力すると、CPU401によって、先頭のキャラクタ「S」が取得される。先頭のキャラクタ「S」が取得されると、先頭座標が決定される。なお、本実施形態では、先頭座標が予め所定の座標に設定されているとする。所定の座標は、(30,30)であるとする。先頭座標は、先頭のキャラクタの左下の座標であるとする。また、キャラクタ「S」に対応付けられて、X幅「14」、Y幅「26」、選択「−」、書体「ゴシック体」、イタリック設定「通常」、サイズ変更「通常」、及び色「黒」がキャラクタデータテーブル82(図9参照)に記憶される。なお、サイズ情報であるX幅「14」とY幅「26」とは、予めCGROM403に記憶されていたサイズ情報である。そして、キャラクタ情報に基づいて、キャラクタ「S」がディスプレイ5に表示される。キャラクタ「S」の表示位置は、「S」の左下の座標が先頭座標(30,30)となる位置である。
【0052】
次いで、キャラクタ「A」が入力されると、キャラクタ「A」に対応付けられて、X幅「16」、Y幅「26」、選択「−」、書体「ゴシック体」、イタリック設定「通常」、サイズ変更「通常」、及び色「黒」がキャラクタデータテーブル82(図9参照)に記憶される。そして、キャラクタ情報に基づいて、キャラクタ「A」がディスプレイ5に表示される。キャラクタの「A」の表示位置の左下の座標は、先頭座標(30,30)に対して、キャラクタデータテーブル82におけるキャラクタ「S」のX幅「14」と、余白データテーブル81におけるキャラクタ間余白のX幅「3」が加算され、(47,30)となる。
【0053】
同様に、「M」、「P」、「L」、「E」が、キャラクタデータテーブル82に記憶され、ディスプレイ5に表示される。改ブロック「□」が取得されると、余白データテーブル81の改ブロック余白のX幅「15」に相当する余白が、右方向に設けられる。そして、「QUANTITY:20△DATE:2010/5/1」がさらに取得され、キャラクタデータテーブル82に記憶され、ディスプレイ5に表示される。改行「△」が取得されると、2行になる。このため、改行「△」が取得された場合に、キャラクタのサイズ情報と配置位置が調整される。詳細には、2行で表示される場合のサイズ情報がCGROM403から取得され、キャラクタデータテーブル82に記憶される。2行の場合の各キャラクタの左下の座標のうち、Y座標は予め定められている。本実施形態では1行目のY座標が「50」、2行目のY座標が「23」と定められているとする。このため、例えば、キャラクタ「U」の左下の座標は、(157,50)となり、キャラクタ「D」の左下の座標は、(146,23)となる。なお、2行になってもキャラクタ間余白は、X幅「3」で固定である。
【0054】
以上のようにして、図7に示す画像92がディスプレイ5に表示される。また、キャラクタデータテーブル82が作成される。
【0055】
図10を参照し、印字装置1のCPU401による第一メイン処理について説明する。第一メイン処理は、ユーザによって指定された、複数且つ非連続のキャラクタを選択する処理である。複数且つ非連続のキャラクタとは、入力されたキャラクタのデータにおいて、連続した一つのまとまったキャラクタ(例えば、図9におけるキャラクタ「SAM」)ではなく、図9におけるキャラクタ「S」と「P」や、「SAM」と「QUAN」のように、連続していないキャラクタの組み合わせをいう。
【0056】
ユーザは、ディスプレイ5に表示されているキャラクタのうち、複数且つ非連続のキャラクタを選択するために、タッチペンを使用してタッチパネル26上を一続きの線でなぞる。第一メイン処理は、図7に示す画像92の入力が完了することを契機に開始される。以下の説明では、図7に示す画像92に対して、複数且つ非連続のキャラクタが選択され、選択されたキャラクタについて種々の設定が行われる場合を例示しながら説明する。以下、この例示を「第一具体例」という。
【0057】
まず、入力された画像92(図7参照)がディスプレイ5に表示される(S11)。次いで、指定座標が取得される(S12)。指定座標とは、ユーザによってタッチパネル26を介して指定された、ディスプレイ5上の座標である。なお、ステップS12では、ユーザが指定していない場合には、指定座標は取得されない。次いで、指定座標の取得が開始されたか否かが判断される(S13)。本実施形態では、ユーザが、複数且つ非連続のキャラクタを選択する場合に、タッチペンを使用してタッチパネル上を一続きの線でなぞる。このため、ステップS12で指定座標が取得されれば、指定座標の取得が開始されたと判断される(S13:YES)。
【0058】
指定座標の取得が開始されていない場合(S13:NO)、処理はステップS12に戻る。指定座標の取得が開始された場合(S13:YES)、ステップS12で取得された指定座標が、指定座標データテーブル83に記憶される(S14)。指定座標データテーブル83とは、指定座標が登録されたデータテーブルである。具体例において、ステップS13で指定座標(122、38)が取得された場合、図11に示すように、指定座標(122,38)が指定座標データテーブル83に記憶される(S14)。
【0059】
次いで、新たに指定座標が取得される(S15)。次いで、指定座標が移動したか否かが判断される(S16)。ステップS16では、ステップS15で新たに取得された指定座標と、ステップS14またはステップS17(後述)において、ステップS15が実行される直前に指定座標データテーブル83に記憶された指定座標とが比較される。そして、指定座標が異なっていれば、指定座標が移動したと判断され、指定座標が同じならば、指定座標は移動していないと判断される。また、ユーザがタッチペンをディスプレイ5から離間させたために、指定座標がステップS15で取得されなくなった場合も、指定座標が移動していないと判断される。
【0060】
指定座標が移動した場合(S16:YES)、ステップS15で取得された指定座標が、指定座標データテーブル83に記憶される(S17)。次いで、ディスプレイ5に軌跡96が表示される(S18)。軌跡96は、ユーザが指定した指定座標を線で描いた軌跡である(例えば、図13参照)。ステップS18の処理では、指定座標データテーブル83に記憶されている指定座標を線で結ぶことによって、ディスプレイ5に軌跡96が表示される。次いで、処理はステップS15に戻る。
【0061】
指定座標が移動していない場合(S16:NO)、指定座標の取得が終了されたか否かが判断される(S19)。ステップS19の処理では、ユーザが、タッチペンをディスプレイ5から離間させ、タッチパネル26を介して入力される指定座標が取得されなくなれば、指定座標の取得が終了されたと判断される。指定座標の取得が終了されていない場合(S19:NO)、処理はステップS15に戻る。指定座標の取得が終了された場合(S19:YES)、第一キャラクタ選択処理が行われる(S20)。
【0062】
図14を参照して、第一キャラクタ選択処理について説明する。第一キャラクタ選択処理は、指定座標が示す軌跡96とキャラクタ領域(後述)に基づいて、ユーザによって選択された複数且つ非連続のキャラクタを選択する処理である。以下の説明において、第一具体例では、図10のステップS14及びS17によって、指定座標データテーブル83には、図12に示す指定座標が記憶されたとする。また、図12に示す指定座標データテーブル83の指定座標に基づいて、ステップS18で表示される軌跡96を図13に示す。なお、図12には、一部の指定座標の具体的な数値(指定座標(122,38)、(160,58)、(149,32)、(141,30))のみを表しているが、実際には、軌跡96に対応する指定座標が全て記憶されている。また、図12の指定座標(122,38)、(160,58)、(149,32)、(141,30)は、図13に示す(122,38)、(160,58)、(149,32)、(141,30)の位置に対応する。
【0063】
図14に示すように、まず、ディスプレイ5に表示されているキャラクタの総キャラクタ数が変数Mに設定される(S31)。第一具体例では、図9に示すキャラクタデータテーブル82に記憶されているキャラクタは「SAMPLE QUANTITY:20 DATE:2010/5/1」であるので、総キャラクタ数は30である。このため、変数Mは、30と設定される。次いで、変数Nが0に設定される(S32)。なお、設定された変数Mと変数Nは、RAM404に記憶される。
【0064】
次に変数Nがインクリメントされ、1増加される(S33)。次いで、変数Nが変数Mより大きくなったか否かが判断される(S34)。言い換えると、ディスプレイ5に表示されているすべてのキャラクタについて、ステップS35〜S39(後述)が実行されたか否かが判断される。変数Nが変数Mより大きくない場合(S34:NO)、N番目のキャラクタのキャラクタ領域が算出される(S35)。キャラクタ領域とは、キャラクタが位置するディスプレイ5上の領域である。ステップS35でキャラクタ領域が算出される際には、先頭座標と余白データテーブル81(図8参照)とキャラクタデータテーブル82(図9参照)とが参照される。
【0065】
第一具体例において、N=6の場合、キャラクタ領域は以下のように算出される。6番目のキャラクタは、SAMPLEの「E」である。まず、「E」の左下の座標が算出される。RAM404に記憶されている先頭座標は(30,30)である。このため、Eの左下の座標のX座標は、指定座標のX座標「30」、キャラクタ「S」のX幅「14」(図9参照)、キャラクタ間余白のX幅「3」(図8参照)、キャラクタ「A」のX幅「16」、キャラクタ間余白「3」、キャラクタ「M」のX幅「14」、キャラクタ間余白のX幅「3」、キャラクタ「P」のX幅「14」、キャラクタ間余白のX幅「3」、キャラクタ「L」のX幅「14」、キャラクタ間余白のX幅「3」の合計「117」である。よって、キャラクタ「E」の左下の座標は(117,30)となる(図13参照)。
【0066】
そして、キャラクタ「E」のサイズ情報は、X幅「14」、Y幅「26」であるので、キャラクタ「E」の右上の座標は(131,56)となる(図13参照)。このため、キャラクタ「E」のキャラクタ領域は、(117,30)〜(131,56)の範囲の四角形となる。
【0067】
同様に、N=8の場合、8番目のキャラクタは、QUANTITYの「U」である。Uの左下の座標のX座標は、先頭座標のX座標「30」、キャラクタ「S」のX幅「14」(図9参照)、キャラクタ間余白のX幅「3」(図8参照)、キャラクタ「A」のX幅「16」、キャラクタ間余白のX幅「3」、キャラクタ「M」のX幅「14」、キャラクタ間余白のX幅「3」、キャラクタ「P」のX幅「14」、キャラクタ間余白のX幅「3」、キャラクタ「L」のX幅「14」、キャラクタ間余白のX幅「3」、キャラクタ「E」のX幅「14」、改ブロック余白のX幅「15」(図8参照)、キャラクタ「Q」のX幅「8」、キャラクタ間余白のX幅「3」の合計「157」である。そして、前述したように、2行の第二ブロック95の一行目のY座標は「50」である。よってキャラクタ「U」の左下の座標は(157,50)となる(図13参照)。
【0068】
そして、キャラクタ「U」のサイズ情報は、X幅「7」、Y幅「13」であるので、キャラクタ「U」の右上の座標は、(164,63)となる(図13参照)。このため、キャラクタ「U」のキャラクタ領域は(157,50)〜(164,63)の範囲の四角形となる。
【0069】
ステップS35が実行された後、ステップS35で算出されたキャラクタ領域と、指定座標データテーブル83に記憶されている指定座標が示す軌跡96とが重なっているか否かが確認される(S36)。ステップS36の処理では、例えば、キャラクタ領域に含まれる座標と、指定座標データテーブル83に記憶されている指定座標とが重なる座標があるか否かを確認することによって、キャラクタ領域と軌跡96とが重なっているか否かを確認する。次いで、ステップS36の結果、キャラクタ領域と、軌跡96が重なっているか否かが判断される(S37)。
【0070】
第一具体例の場合において、N=1の場合、キャラクタ「S」のキャラクタ領域は、(30,30)〜(44,56)と算出される(S35)。そして、指定座標データテーブル83(図12参照)において、(30,30)〜(44,56)の範囲の指定座標は記憶されていない。このため、キャラクタ領域と軌跡96とが重なっていないことが確認される(S36)。そして、キャラクタ領域と軌跡96とが重なっていないと判断される(S37:NO)。そして、処理はステップS33に戻る。
【0071】
N=6の場合、前述したようにキャラクタ「E」のキャラクタ領域は(117,30)〜(131,56)と算出される(S35)。そして、指定座標データテーブル83(図12参照)において、少なくとも指定座標(122,38)と、キャラクタ領域(117,30)〜(131,56)とが重なっていることが確認される(S36)。つまり、キャラクタ領域と軌跡96とが重なっていることが確認される。そして、キャラクタ領域と軌跡96とが重なっていると判断される(S37:YES)
【0072】
なお、同様の処理によって、N=8の場合のキャラクタ「U」のキャラクタ領域と軌跡96とが重なっていると判断される(S37:YES)。また、N=18の場合のキャラクタ「D」のキャラクタ領域と軌跡96とが重なっていると判断される(S37:YES)。
【0073】
キャラクタ領域と軌跡96とが重なっている場合(S37:YES)、N番目のキャラクタが選択される(S38)。ステップS35で算出されたキャラクタ領域と、指定座標データテーブル83に記憶されている指定座標が示す軌跡96とが重なっている場合、ユーザがタッチペンで、N番目のキャラクタ上をなぞったことになる。言い換えると、ユーザがN番目のキャラクタを選択したことになる。ステップS38では、ユーザによって選択されたキャラクタが選択されている。次いで、キャラクタデータテーブル82において、ステップS38で選択されたキャラクタ(以下、「選択キャラクタ」という。)に対して、選択キャラクタであることを示すデータ(以下、「選択データ」という。)が記憶される(S39)。
【0074】
第一具体例の場合、N=6の場合のキャラクタ「E」、N=8の場合のキャラクタ「U」、N=18の場合のキャラクタ「D」がそれぞれ選択される(S38)。そして、図15に示すように、キャラクタデータテーブル82におけるキャラクタ「E」「U」「D」に対応付けられている選択の欄に、選択データ(図15では、「選択」と記載)が記憶される。つまり、軌跡96と重なるキャラクタ領域に対応する、複数且つ非連続のキャラクタ「E」「U」「D」が選択キャラクタとなる。次いで、処理はステップS33に戻る。
【0075】
変数Nが変数Mより大きくなった場合(S34:YES)、選択キャラクタのディスプレイ5での表示が、白黒反転されると共に、軌跡96が消去される。第一具体例の場合、図16に示すように、軌跡96が消去され、キャラクタ「E」「U」「D」の表示が白黒反転される(S40)。これによって、ユーザに選択キャラクタであることを報知することができる。次いで、処理は図10に示す第一メイン処理に戻り、キャラクタ設定処理が行われる(S21)。
【0076】
図17を参照して、キャラクタ設定処理について説明する。キャラクタ設定処理は、選択キャラクタに対して、種々の設定を行う処理である。
【0077】
図17に示すように、まず、書体設定の操作が行われたか否かが判断される(S51)。なお、ユーザは、入力部91を使用して、書体変更の操作を行う(後述するステップS52〜S55で検出される各種の操作も同様に、入力部91が使用される。)。書体変更の操作が行われていない場合(S51:NO)、イタリックの設定の操作が行われたか否かが判断される(S52)。イタリックの設定の操作の操作が行われていない場合(S52:NO)、サイズ変更の操作が行われたか否かが判断される(S53)。サイズ変更の操作が行われていない場合(S53:NO)、色変更の操作が行われたか否かが判断される(S54)。色変更の操作が行われていない場合(S54:NO)、設定終了の操作が行われたか否かが判断される(S55)。設定終了の操作が行われていない場合(S55:NO)、処理はステップS51に戻る。
【0078】
書体変更の操作が行われた場合(S51:YES)、書体の設定が行われる(S56)。例えば、現在がゴシック体であるが、行書体に変更する操作が行われたとする(S51:YES)。この場合、図18に示すように、キャラクタデータテーブル82において、選択キャラクタ「E」「U」「D」の書体の欄に、行書体を示すデータ(図18では、「行書体」と記載)が記憶される(S56)。
【0079】
次いで、サイズ情報が変更される(S60)。書体や、イタリックの設定や、サイズの変更がされると、サイズ情報も変化するからである(S60)。次いで、選択キャラクタのディスプレイ5での表示が更新される(S61)。第一具体例では、選択キャラクタが行書体に変更されて表示される。次いで、処理はステップS51に戻る。
【0080】
イタリックの操作が行われた場合(S52:YES)、イタリックの設定が行われる(S57)。この場合、キャラクタデータテーブル82において、選択キャラクタのイタリックの欄に、イタリック体を示すデータ(図18では、「イタリック」と記載)が記憶される(S57)。次いで、選択キャラクタのサイズ情報が変更され(S60)、選択キャラクタの表示がイタリック体に更新される(S61)。
【0081】
サイズ変更の操作が行われた場合(S53:YES)、サイズの設定が行われる(S58)。この場合、キャラクタデータテーブル82において、サイズの欄に、変更後のサイズを示すデータが記憶される。第一具体例では、「75%」が記憶されている。これは、キャラクタの大きさを75%の大きさに縮小して表示することを表す。次いで、選択キャラクタのサイズ情報が変更され(S60)、選択キャラクタが、「75%」の大きさで表示される(S61)。なお、図18では、選択キャラクタ「E」「U」「D」が書体「行書体」、イタリック設定「イタリック」、サイズ変更「75%」と設定されている。このため、ステップS60の処理によって、図18に示すように、選択キャラクタ「E」のサイズ情報がX幅「13」、Y幅「18」に変更され、選択キャラクタ「U」のサイズ情報がX幅「8」、Y幅「9」に変更され、選択キャラクタ「D」のサイズ情報がX幅「8」、Y幅「9」に変更されている。
【0082】
色変更の操作が行われた場合(S54:YES)、色の設定が行われる(S59)。この場合、キャラクタデータテーブル82において、色の欄に、変更後のキャラクタの色を示すデータ(図18では、「青色」に変更)が記憶される。次いで、処理は、ステップS61に進み、図19に示すように、選択キャラクタ「E」「U」「D」が青色で表示される。
【0083】
設定終了の操作が行われた場合(S55:YES)、選択解除が行われる(S62)。ステップS62の処理では、キャラクタデータテーブル82の選択の欄が、すべて「−」に設定される。また、白黒反転していた選択キャラクタの表示が、反転していない表示に戻る。この結果、第一具体例では、ディスプレイ5には、図19に示す画像92が表示される。図19に示すように、キャラクタ「E」「U」「D」が、書体「行書体」、イタリック設定「イタリック」、サイズ変更「75%」、色「青色」で表示されている。ステップS62を実行後、処理は第一メイン処理(図10参照)に戻る。
【0084】
次いで、印字実行の操作がされたか否かが判断される(S22)。印字実行の操作がされていない場合(S22:NO)、処理はステップS22に戻る。印字実行の操作がされた場合(S22:YES)、印字が実行され、印字済みテープ50が作成される(S23)。第一具体例で作成される印字済みテープ50には、図19に示すキャラクタが印字される。なお、本実施形態のテープカセット30は、複数階調の白黒でキャラクタを印字するためのテープカセットである。このため、選択キャラクタ「E」「U」「D」の色の設定は青色であるが、印字装置1は、青色の選択キャラクタ「E」「U」「D」を、黒色のキャラクタとは異なる階調で印字する。なお、テープカセット30が、カラーで印字可能なテープカセットである場合、S23で、選択キャラクタ「E」「U」「D」は青色で印字される。次いで、第一メイン処理が終了される。
【0085】
以上説明したように、本実施形態における処理が行われる。本実施形態では、指定座標の取得が開始されてから(S12、S13:YES、図10参照)、ステップS19で指定座標の取得が終了されたと判断されるまでの間に、ユーザによって指定された指定座標が記憶される(S14及びS17)。そして、指定座標が示す軌跡96とキャラクタ領域とに基づいて、複数且つ非連続のキャラクタが選択される(S38、図14参照)。このため、ユーザは、複数且つ非連続のキャラクタを一回の操作で選択することができる。よって、ユーザは、複数且つ非連続のキャラクタを選択する作業をスムーズに行うことができる。
【0086】
また、ユーザは、ディスプレイ5に表示されたキャラクタを一回の操作でなぞることで、複数且つ非連続のキャラクタを選択することができる。一回の操作でキャラクタをなぞるだけで、複数且つ非連続のキャラクタを選択することができるので、ユーザの利便性が向上する。
【0087】
また、本実施形態では、先頭のキャラクタの先頭座標は、記憶されているが、先頭のキャラクタ以外のキャラクタの座標は記憶されていない。しかし、先頭のキャラクタ以外のキャラクタの座標が不明な場合でも、先頭座標と、サイズ情報(図9参照)と、余白データテーブル81を使用して、キャラクタ領域を算出することができる(S35、図14参照)。また、先頭のキャラクタ以外のキャラクタの座標を記憶しておく必要がないので、記憶容量を削減できる。
【0088】
また、ステップS56〜S59(図17参照)において、書体の変更などの所定の設定を行うことができる。複数且つ非連続のキャラクタに対して、同時に所定の設定を行うことができるので、ユーザの利便性が向上する。
【0089】
また、本実施形態では、ディスプレイ5に表示されたキャラクタを、フィルムテープ59に印字して、印字済みテープ50を作成することができる(S23、図10参照)。例えば、ステップS38(図14参照)で選択された選択キャラクタに対してステップS56〜S59(図17参照)によって、設定の変更がされた場合、設定の変更後のキャラクタをディスプレイ5で確認した後に、印字を実行することができる。よって、ユーザの利便性が向上する。
【0090】
上記実施形態において、ディスプレイ5が本発明の「表示手段」に相当し、図10のステップS11及び図17のステップS61の処理を行うCPU401が本発明の「表示制御手段」に相当する。タッチパネル26が、本発明の「座標指定手段」に相当し、図10のステップS12、ステップS15の処理を行うCPU401が本発明の「指定座標取得手段」に相当する。図10のステップS13の処理を行うCPU401が本発明の「開始検出手段」に相当し、図10のステップS19の処理を行うCPU401が本発明の「終了検出手段」に相当する。図10のステップS14及びS17の処理を行うCPU401が本発明の「記憶制御手段」に相当し、図14のステップS35の処理を行うCPU401が本発明の「キャラクタ領域取得手段」に相当する。ステップS36〜S38の処理を行うCPU401が、本発明の「キャラクタ選択手段」に相当する。
【0091】
図17のステップS56〜S59の処理を行うCPU401が本発明の「キャラクタ設定手段」に相当し、テープ送りモータ24が本発明の「搬送手段」に相当する。図10のステップS23の処理を行うCPU401が本発明の「印字手段」に相当する。
【0092】
図10のステップS11及び図17のステップS61の処理が本発明の「表示制御ステップ」に相当し、図10のステップS12、ステップS15の処理が本発明の「指定座標取得ステップ」に相当する。図10のステップS13の処理が本発明の「開始検出ステップ」に相当し、図10のステップS19の処理が本発明の「終了検出ステップ」に相当する。図10のステップS14及びS17の処理が本発明の「記憶制御ステップ」に相当し、図14のステップS35の処理が本発明の「キャラクタ領域取得ステップ」に相当する。ステップS36〜S38の処理が、本発明の「キャラクタ選択ステップ」に相当し、図17のステップS56〜S59の処理が本発明の「キャラクタ設定ステップ」に相当する。図10のステップS23の処理が本発明の「印字ステップ」に相当する。
【0093】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、ステップS35(図14参照)で、先頭座標と余白データテーブル81とキャラクタデータテーブル82とが参照されて、キャラクタ領域が算出されていたが、これに限定されない。例えば、キャラクタ間余白や、改ブロック余白に相当する余白のサイズを、キャラクタのサイズ情報に含めてもよい。この場合、先頭座標とサイズ情報とに基づいて、個々のキャラクタのキャラクタ領域を算出できる。このように、少なくとも、先頭座標とサイズ情報とに基づいて、キャラクタ領域を算出するようにしてもよい。
【0094】
また、指定座標の取得が終了された後に(S19:YES、図10参照)、ステップS40(図14参照)でユーザによって選択された選択キャラクタが白黒反転されていたが、これに限定されない。例えば、指定座標の取得がされている間に、ユーザによってキャラクタが選択された時点で、白黒反転させてもよい。
【0095】
また、ステップS40(図14参照)で、キャラクタが白黒反転されることで、ユーザに対して、選択されたキャラクタが報知されていたが、これに限定されない。例えば、選択されたキャラクタの色を、黒色以外の色に変更することで、ユーザに報知してもよい。
【0096】
また、フィルムテープ59に印字を行うことが可能な印字装置1を例にして説明しているが、これに限定されない。例えば、印字を行う機能を備えず、キャラクタ等が記載された文書を表示することが可能な文書表示装置であってもよい。この場合でも、ユーザは、複数且つ非連続のキャラクタを一回の操作で選択することができる。
【0097】
また、余白データテーブル81(図8参照)に示すように、キャラクタ間余白及び改ブロック余白は、所定のピクセルに固定されていたが、これに限定されない。例えば、キャラクタのサイズなどによって、余白の値が変動するようにしてもよい。
【0098】
また、先頭座標が予め所定の座標に設定されていたが、これに限定されない。例えば、先頭座標は、キャラクタの数や大きさによって変動するようにしてもよい。
【0099】
また、ユーザが指定座標を入力する際には、タッチパネル26が使用されていたが、これに限定されない。例えば、ユーザは、マウスなどのポインティングデバイスを使用して、指定座標を入力してもよい。
【0100】
第一具体例では、複数且つ非連続のキャラクタとして、キャラクタ「E」「U」「D」が選択されていたが、これに限定されない。例えば、SAMPLEの「SA」と「LE」とが複数且つ非連続のキャラクタとして選択されてもよい。
【0101】
また、ユーザが一続きの軌跡96でなぞったキャラクタが選択されていたが(S36〜S38、図14参照)、これに限定されない。例えば、ユーザが、一続きの線(軌跡)で囲んだ領域の内側にあるキャラクタが選択されてもよい。以下、第一実施形態の変形例である第二実施形態について、詳細に説明する。
【0102】
図20を参照して、第一メイン処理の変形例である第二メイン処理について説明する。本実施形態では、ユーザは、ディスプレイ5に表示されているキャラクタのうち、複数且つ非連続のキャラクタを選択するために、タッチペンを使用してタッチパネル26上に一続きの軌跡を描き、選択するキャラクタを軌跡で囲む。CPU401は、軌跡の内側(軌跡で囲まれた領域)に存在するキャラクタ領域に対応する、複数且つ非連続のキャラクタを選択する。第二メイン処理は、図7に示す画像92の入力が完了することを契機に開始される。以下の説明では、第一メイン処理(図10参照)と略同じ処理は、同じ符号で示し、詳細の説明は省略する。
【0103】
第二メイン処理では、第一メイン処理と同様に、ステップS11〜S19が実行される。ステップS14及びS17において、指定座標が、図21に示す指定座標データテーブル83のように記憶されたとする。図21に示すように、指定座標データテーブル83には、指定座標(117,18)、(118,24)、(121,59)、(161,63)、(150,21)、(118,24)、及び(110,24)等が記憶されている。また、ステップS18で表示される軌跡が、図22に示す軌跡97であるとする。以下、この例示を「第二具体例」という。なお、図21の指定座標データテーブル83には、一部の指定座標のみを記載している。
【0104】
指定座標の取得が終了されたと判断されると(S19:YES)、指定座標が示す軌跡97が、軌跡97自身と交差するか否かが判断される(S71)。軌跡97が軌跡97自身と交差する場合、軌跡97によって囲まれた領域が存在する。言い換えると、ステップS71では、軌跡97によって囲まれた領域があるか否かが判断される。ステップS71では、指定座標データテーブル83に記憶されている指定座標のうち、同じ指定座標が2つある場合に、交差したと判断する。2つの指定座標が同じである場合、その指定座標が交点となるからである。第二具体例では、指定座標データテーブル83(図21参照)において、(118,24)が2つ存在する。この場合、図22に示すように、指定座標(118,24)において、軌跡97が軌跡97自身と交差する。そして、指定座標(118,24)、(121,59)、(161,63)、(150,21)等によって囲まれた領域が存在する。
【0105】
軌跡97が軌跡97自身と交差しない場合(S71:NO)、指定座標が指定座標データテーブル83から消去され、軌跡97がディスプレイ5から消去される(S72)。軌跡97が軌跡97自身と交差しない場合、軌跡97によって囲まれた領域が存在しない。このため、ユーザによって選択されたキャラクタは存在しない。よって、ステップS72では、指定座標データテーブル83に記憶されている指定座標が消去される。また、ステップS18で表示された軌跡97がディスプレイ5から消去される。ステップS72が実行された後、処理はステップS22に進む。軌跡97が軌跡97自身と交差する場合(S71:YES)、第二キャラクタ選択処理が行われる。
【0106】
図23を参照して、第二キャラクタ選択処理について説明する。第二キャラクタ選択処理において、第一キャラクタ選択処理と同様の処理は、同じ符号で示し、詳細の説明は省略する。
【0107】
図23に示すように、ステップS31〜S35の処理が行われる。ステップS35が実行された後、ステップS35で算出されたキャラクタ領域が、軌跡97の内側に存在するか否かが確認される(S81)。本実施形態では、一例として、ステップS81の処理では、ステップS35で算出されたキャラクタ領域の80%以上が、軌跡97の内側に存在すれば、キャラクタ領域が軌跡97の内側に存在すると判断される(S81)。
【0108】
第二具体例において、例えば、N=6の場合、ステップS35で算出されるキャラクタ「E」のキャラクタ領域は、(117,30)〜(131,56)である。第二具体例の場合(117,30)〜(131,56)の範囲のキャラクタ領域のうち、80%以上の座標が、軌跡97で囲まれた領域に存在する。この場合、ステップS35で算出されたキャラクタ領域が、軌跡97の内側に存在すると判断される(S81)。
【0109】
次いで、ステップS81の結果、キャラクタ領域が軌跡97の内側に存在することが確認されたか否かが判断される(S82)。キャラクタ領域が軌跡97の内側に存在しない場合(S82:NO)、処理はステップS33に戻る。キャラクタ領域が軌跡97の内側に存在する場合(S82:YES)、ステップS38及びS39が行われる。これによって、キャラクタが選択される。第二具体例の場合、キャラクタ「E」、「U」、「D」が選択される。
【0110】
変数Nが変数Mより大きい場合(S34:YES)、ステップS40が実行され、処理は第二メイン処理(図20参照)に戻る。次いで、ステップS21〜S23の処理が行われ、第二メイン処理が終了される。
【0111】
以上説明したように、第二実施形態における処理が行われる。本実施形態において、図20のステップS71の処理を行うCPU401が本発明の「交差判断手段」に相当し、ステップS71の処理が本発明の「交差判断ステップ」に相当する。
【0112】
本実施形態では、ユーザは、タッチパネル26を使用して、ディスプレイ5に表示されたキャラクタを一回の操作で軌跡を描いて囲むことで、複数且つ非連続のキャラクタを選択することができる。一回の操作でキャラクタを囲んだだけで、複数且つ非連続のキャラクタを選択することができるので、ユーザの利便性が向上する。
【0113】
また、本実施形態では、一例として、ステップS35で算出されたキャラクタ領域の80%以上が、軌跡97の内側に存在すれば、キャラクタ領域が軌跡97の内側に存在すると判断され(S82:YES)、キャラクタが選択される(S38)。言い換えると、キャラクタ領域の20%未満が軌跡97の内側に存在しても、キャラクタ領域が軌跡97の内側に存在すると判断されない。このため、軌跡97が、ユーザが選択しようとしていないキャラクタの一部にかかったとしても、そのキャラクタは選択されない。このため、より確実に、ユーザが選択しようとするキャラクタを選択することができる。
【0114】
なお、ステップS35で算出されたキャラクタ領域の80%以上が、軌跡97の内側に存在すれば、キャラクタが選択されるのは一例であり、これに限定されない。例えば、キャラクタ領域の100%、あるいは、キャラクタ領域の50%が、軌跡97の内側に存在する場合に、キャラクタが選択されるようにしてもよい。また、キャラクタ領域の中心点の座標が、軌跡97の内側に存在する場合に、キャラクタが選択されるようにしてもよい。
【0115】
また、図22では、軌跡97が囲む領域が一つであったが、これに限定されない。例えば、図24に示す軌跡98ように、一続きの軌跡で、2箇所の囲んだ領域を描いた場合に、2箇所の領域の内側に存在するキャラクタ「E」、「U」、「D」を選択してもよい。この場合、指定座標が同一となる点が2つ(詳細には、指定座標(131,56)(141,47))あることになる。
【0116】
また、ステップS71(図20参照)で、指定座標データテーブル83に記憶されている指定座標のうち、同じ指定座標が2つある場合に、交差したと判断されていたが、これに限定されない。軌跡97が軌跡97自身と交差することが判断できれば、その判断方法は特に限定されない。例えば、ステップS15における指定座標の取得が、所定時間の間隔をあけて取得される場合、ユーザがなぞった線上のすべての指定座標が取得されない場合もあり得る。この場合でも、取得された指定座標から、交差する点を算出することで、軌跡97が軌跡97自身と交差することを判断してもよい。なお、交差する点の算出方法は、公知の様々な算出方法を用いることができる。
【0117】
また、軌跡97が軌跡97自身と交差した場合に(S71:YES)、軌跡97の内側に存在するキャラクタが選択されていたが、これに限定されない。例えば、指定座標データテーブル83に記憶された最初の指定座標(以下、「始点」という。)と、最新の指定座標(以下、「最新点」という。)を線分で結んだ仮想の軌跡を軌跡99とする。そして、ユーザがなぞった軌跡97(つまり、指定座標データテーブル83に記憶された指定座標を順番に結んだ軌跡)と軌跡99とで囲まれた領域の内側に存在するキャラクタを選択してもよい。この場合、軌跡97と軌跡99とで囲まれた領域は、必ず存在するので、ステップS71で交差したか否かを判断しなくてもよい。以下、この変形例である第三実施形態について、詳細に説明する。
【0118】
図25を参照して、第二メイン処理の変形例である第三メイン処理について説明する。本実施形態では、ユーザは、ディスプレイ5に表示されているキャラクタのうち、複数且つ非連続のキャラクタを選択するために、タッチペンを使用してタッチパネル上に軌跡97を描く。そして、軌跡97と軌跡99とで囲まれる領域に存在するキャラクタ領域に対応する、複数且つ非連続のキャラクタが選択される。第三メイン処理は、図7に示す画像92の入力が完了することを契機に開始される。以下の説明では、第二メイン処理(図20参照)と略同じ処理は、同じ符号で示し、詳細の説明は省略する。
【0119】
第三メイン処理では、第二メイン処理と同様にステップS11〜S17が実行される。例えば、ユーザがディスプレイ5上をなぞっている途中にステップS14及びS17で記憶された指定座標が、図26に示す指定座標データテーブル83に示す指定座標であるとする。以下、この例示を「第三具体例」という。なお、図26において、(120,18)が始点である。また、(151,48)が最新点である。説明のため、その他の指定座標の記載は省略している。
【0120】
ステップS17が実行された後、軌跡97と軌跡99との表示が行われる(S91)。第三具体例では、図26に示す指定座標データテーブル83に基づいて、図27に示す軌跡97と軌跡99とが表示される(S91)。図27に示すように、ディスプレイ5には、軌跡97の始点(120,18)と最新点(151,48)とを結んだ軌跡99と軌跡97とが表示されている。ユーザがディスプレイ5上をなぞっている途中でも、軌跡97と軌跡99とが表示されるので、ユーザは、現在どの領域を囲んでいるのかを視認することができる。なお、図27では、軌跡99を点線で表わしているが、点線でなくてもよい。ステップS91が実行された後、処理はステップS15に戻る。
【0121】
第三具体例において、指定座標の取得が終了された時(S19:YES)の指定座標データテーブル83が、図28に示す指定座標データテーブル83であるとする。最新点は、(153,18)である。この場合、ステップS91によって、図29に示すように、軌跡97と軌跡99とが表示される。図29に示すように、軌跡99は、始点(120,18)と最新点(153,18)とを結んでいる。
【0122】
ステップS19において、指定座標の取得が終了されたと判断された場合(S19:YES)、第二キャラクタ選択処理(図23参照)が実行される。なお、図23に示すキャラクタ選択処理のステップS81では、ステップS35で算出されたキャラクタ領域が、軌跡97と軌跡99とで囲まれた領域の内側に存在するか否かが確認される。そして、ステップS81の結果、キャラクタ領域が軌跡97と軌跡99との内側に存在するか否かが判断される(S82)。存在すれば(S82:YES)、軌跡97と軌跡99との内側に存在するキャラクタが選択され(S38)、記憶される(S39)。第三具体例では、軌跡97と軌跡99とで囲まれたキャラクタ「E」「U」「D」が選択される。
【0123】
図25に示すように、第二キャラクタ選択処理(S20)が終了された後、ステップS21〜S23の処理が実行され、第三メイン処理が終了される。
【0124】
以上のように、第三実施形態における処理が実行される。第三実施形態では、ユーザは、軌跡97を軌跡97自身と交差させなくても(軌跡97で囲まなくても)、キャラクタを選択するための領域を描くことができる。そして、複数且つ非連続のキャラクタを選択することができる。よって、ユーザの利便性が向上する。
【0125】
なお、本実施形態では、図30に示すように、軌跡97を描くことで、キャラクタ「E」「U」「D」を選択することもできる。図30では、軌跡97と軌跡99とで囲まれる領域が2つ存在する。詳細には、キャラクタ「E」を含む領域と、キャラクタ「U」「D」を含む領域とが存在する。
【0126】
第三実施形態における軌跡97が本発明の「第一軌跡」に相当し、軌跡99が本発明の「第二軌跡」に相当する。
【0127】
上記実施形態において、印字装置1及びテープカセット30を用いて行われる印字の色は、複数階調の白黒であったが、これに限定されない。例えば、カラーで印字されてもよい。以下、カラー印字を行う場合の印字装置1とテープカセット30の一例について説明する。なお、カラー印字を行う印字装置1とテープカセット30とは、周知であるので、ここでは簡単に説明する。
【0128】
カラー印字が可能なテープカセット30は、図3に示すインクリボン32の代わりに、図31に示すインクリボン601を備えている。図31において、紙面左方向が、前述した搬送方向である。インクリボン601は、複数色(イエロー/マゼンタ/シアンの3原色)が交互に塗布された所謂ダンダラリボンである。3原色のいずれも、印字装置1に設けられた光センサ(図示外)の光に対して透過性を持つものである。
【0129】
インクリボン601には、イエロー塗布部602、マゼンタ塗布部603、及びシアン塗布部604が交互に設けられている。塗布部602〜604には、それぞれの色が塗布されている。各塗布部602〜604のそれぞれの先頭(紙面左側)には、色の識別用のセンサマーク605が設けられている。センサマーク605は、2本の縦線(紙面上下方向の線)のマークで構成されている。センサマーク605は、光センサの光を透過させない。センサマーク605の太さは、各塗布部602〜604の色毎に異なる。印字装置1のCPU401は、光センサを使用して、センサマーク605を検出することによって、各塗布部602〜604の位置を検出する。
【0130】
図32に、印字色データテーブル84を示す。印字色データテーブル84は、ROM402に記憶されている。図32に示すように、印字色データテーブル84には、色の種類と、3原色の構成が記憶されている。図32において、色の種類「赤」は、イエローとマゼンタとに対応付けられている。その他、ピンク、青、水色、緑、黄、及び黒がそれぞれ、図32に示すように対応付けられている。
【0131】
印字色データテーブル84は、色の種類の欄の色を印字するための、3原色の組み合わせを示している。例えば、色の種類「青」を印字する場合には、印字色データテーブル84において「○」となっているマゼンタとシアンとが、フィルムテープ59に塗り重ねされる。
【0132】
カラーを印字可能な印字装置1は、CPU401の制御によって、カバー6を閉じた状態でもローラホルダ18を印字位置(図3参照)及び待機位置(図4参照)の間で移動させることができる。そして、CPU401は、フィルムテープ59を搬送方向に移動させたり、その逆方向に戻したりすることができる。
【0133】
そして、これらの制御を組み合わせて、例えば、青色をフィルムテープ59に印字する場合、印字装置1は、マゼンタ塗布部603を使用して、フィルムテープ59にマゼンタで印字を行った後、シアン塗布部604を使用して、マゼンタの上からシアンを塗り重ねる。これによって、青色のキャラクタを印字することができる。これによって、上述の各具体例において、印字装置1は、選択キャラクタ「E」「U」「D」を青色で印字することができる(S23)。
【符号の説明】
【0134】
1 印字装置
5 ディスプレイ
8 カセット装着部
24 テープ送りモータ
26 タッチパネル
30 テープカセット
59 フィルムテープ
81 余白データテーブル
82 キャラクタデータテーブル
83 指定座標データテーブル
91 入力部
92 画像
96,97,98,99 軌跡
4022 余白データテーブル記憶領域
4041 キャラクタデータテーブル記憶領域
4042 指定座標データテーブル記憶領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクタを表示手段に表示させるための情報であるキャラクタ情報に基づいて、複数の前記キャラクタを前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
ユーザが表示手段上の座標を指定するための座標指定手段によって指定された、前記表示手段上の座標である指定座標を取得する指定座標取得手段と、
前記指定座標取得手段による前記指定座標の取得が開始されたことを検出する開始検出手段と、
前記指定座標取得手段による前記指定座標の取得が終了されたことを検出する終了検出手段と、
前記開始検出手段によって前記指定座標の取得が開始されたことが検出されてから、前記終了検出手段によって前記指定座標の取得が終了されたことが検出されるまでの間に、前記指定座標取得手段によって取得された前記指定座標を、記憶装置に記憶させる記憶制御手段と、
前記表示制御手段によって前記表示手段に表示された前記キャラクタの前記表示手段上の領域であるキャラクタ領域を取得するキャラクタ領域取得手段と、
前記記憶制御手段によって前記記憶装置に記憶された前記指定座標が示す軌跡と、前記キャラクタ領域取得手段によって取得された前記キャラクタ領域とに基づいて、ユーザによって選択された複数且つ非連続の前記キャラクタを選択するキャラクタ選択手段と
を備えたことを特徴とする文書表示装置。
【請求項2】
前記キャラクタ選択手段は、前記キャラクタ領域取得手段によって取得された前記キャラクタ領域の内、前記軌跡と重なる前記キャラクタ領域に対応する、複数且つ非連続の前記キャラクタを選択することを特徴とする請求項1に記載の文書表示装置。
【請求項3】
前記軌跡が軌跡自身と交差するか否かを判断する交差判断手段を備え、
前記キャラクタ選択手段は、前記交差判断手段によって前記軌跡が交差すると判断された場合にのみ、前記軌跡の内側に存在する前記キャラクタ領域に対応する、複数且つ非連続の前記キャラクタを選択することを特徴とする請求項1に記載の文書表示装置。
【請求項4】
前記軌跡は、前記記憶制御手段によって前記記憶装置に記憶された順番で前記指定座標を結んだ第一軌跡と、前記記憶制御手段によって前記記憶装置に記憶された前記指定座標のうち、最初の指定座標と最新の指定座標とを線分で結んだ第二軌跡とであり、
前記キャラクタ選択手段は、前記第一軌跡と前記第二軌跡とで形成される前記軌跡の内側に存在する前記キャラクタ領域に対応する、複数且つ非連続の前記キャラクタを選択することを特徴とする請求項1に記載の文書表示装置。
【請求項5】
前記キャラクタ情報は、前記キャラクタのサイズの情報であるサイズ情報と、複数の前記キャラクタのうち、先頭の前記キャラクタが位置する前記表示手段上の前記座標である先頭座標とを含み、
前記キャラクタ領域取得手段は、少なくとも前記先頭座標と前記サイズ情報とを使用して、個々の前記キャラクタの前記キャラクタ領域を算出して取得することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の文書表示装置。
【請求項6】
前記キャラクタ選択手段によって選択された、複数且つ非連続の前記キャラクタに対して、所定の設定を行うキャラクタ設定手段を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の文書表示装置。
【請求項7】
テープを収納したテープカセットが装着されるカセット装着部と、
前記カセット装着部に装着された前記テープカセットから前記テープを引き出して搬送する搬送手段と、
前記表示制御手段によって前記表示手段に表示された前記キャラクタを、前記搬送手段によって搬送される前記テープに印字する印字手段と
を備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の文書表示装置。
【請求項8】
文書表示装置のコントローラに、
キャラクタを表示手段に表示させるための情報であるキャラクタ情報に基づいて、複数の前記キャラクタを前記表示手段に表示させる表示制御ステップと、
ユーザが表示手段上の座標を指定するための座標指定手段によって指定された、前記表示手段上の座標である指定座標を取得する指定座標取得ステップと、
前記指定座標取得ステップによる前記指定座標の取得が開始されたことを検出する開始検出ステップと、
前記指定座標取得ステップによる前記指定座標の取得が終了されたことを検出する終了検出ステップと、
前記開始検出ステップによって前記指定座標の取得が開始されたことが検出されてから、前記終了検出ステップによって前記指定座標の取得が終了されたことが検出されるまでの間に、前記指定座標取得ステップによって取得された前記指定座標を、記憶装置に記憶させる記憶制御ステップと、
前記表示制御ステップによって前記表示手段に表示された前記キャラクタの前記表示手段上の領域であるキャラクタ領域を取得するキャラクタ領域取得ステップと、
前記指定座標記憶ステップによって前記記憶装置に記憶された前記指定座標が示す軌跡と、前記キャラクタ領域取得ステップによって取得された前記キャラクタ領域とに基づいて、ユーザによって選択された複数且つ非連続の前記キャラクタを選択するキャラクタ選択ステップと
を実行させることを特徴とする表示プログラム。
【請求項9】
前記キャラクタ選択ステップは、前記キャラクタ領域取得ステップによって取得された前記キャラクタ領域の内、前記軌跡と重なる前記キャラクタ領域に対応する、複数且つ非連続の前記キャラクタを選択することを特徴とする請求項8に記載の表示プログラム。
【請求項10】
前記コントローラに、前記軌跡が軌跡自身と交差するか否かを判断する交差判断ステップを実行させ、
前記キャラクタ選択ステップは、前記交差判断ステップによって前記軌跡が交差すると判断された場合にのみ、前記軌跡の内側に存在する前記キャラクタ領域に対応する、複数且つ非連続の前記キャラクタを選択することを特徴とする請求項8に記載の表示プログラム。
【請求項11】
前記軌跡は、前記記憶制御ステップによって前記記憶装置に記憶された順番で前記指定座標を結んだ第一軌跡と、前記記憶制御ステップによって前記記憶装置に記憶された前記指定座標のうち、最初の指定座標と最新の指定座標とを線分で結んだ第二軌跡とであり、
前記キャラクタ選択ステップは、前記第一軌跡と前記第二軌跡とで形成される前記軌跡の内側に存在する前記キャラクタ領域に対応する、複数且つ非連続の前記キャラクタを選択することを特徴とする請求項8に記載の表示プログラム。
【請求項12】
前記キャラクタ情報は、前記キャラクタのサイズの情報であるサイズ情報と、複数の前記キャラクタのうち、先頭の前記キャラクタが位置する前記表示手段上の前記座標である先頭座標とを含み、
前記キャラクタ領域取得ステップは、少なくとも前記先頭座標と前記サイズ情報とを使用して、個々の前記キャラクタの前記キャラクタ領域を算出して取得することを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の表示プログラム。
【請求項13】
前記コントローラに、前記キャラクタ選択ステップによって選択された、複数且つ非連続の前記キャラクタに対して、所定の設定を行うキャラクタ設定ステップを実行させることを特徴とする請求項8から12のいずれかに記載の表示プログラム。
【請求項14】
テープを収納したテープカセットが装着されるカセット装着部と、前記カセット装着部に装着された前記テープカセットから前記テープを引き出して搬送する搬送手段とを備えた前記文書表示装置の前記コントローラに、
前記表示制御ステップによって前記表示手段に表示された前記キャラクタを、前記搬送手段によって搬送される前記テープに印字する印字ステップを実行させることを特徴とする請求項8から13のいずれかに記載の表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2012−141716(P2012−141716A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293154(P2010−293154)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】