説明

斜張ケーブルの定着構造

【課題】 斜張橋の主塔上部における斜張ケーブルの定着部をできるだけ少ない鋼材量で構築し、作業を効率化するとともに、構築のための費用を低減する。
【解決手段】 斜張ケーブル5の端部が橋軸方向の双方から対峙するように定着される定着部の両側に、鋼側板11を平行に配置し、この鋼側板の橋軸方向における両端部は、これらの鋼側板を互いに連結するようにコンクリート部材13を形成する。斜張ケーブル5は、これらのコンクリート部材13を貫通し、平行に配置された鋼側板11の間で、コンクリート部材13に反力を伝達するように定着する。コンクリート部材13と鋼側板11とは、斜張ケーブルの反力が鋼側板に伝達されるように連結するものとし、鋼側板11の両端部から逆方向に斜張ケーブル5の反力の水平成分を作用させる。したがって、水平方向の力は鋼側板11の引張力となって互いに相殺される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、橋梁の一形式である斜張橋の主塔上部に形成され、橋桁を吊り支持するための斜張ケーブルを定着する構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
斜張橋は、橋脚上に立設された主塔上部から橋桁の軸線方向(橋軸方向)における斜下方に複数の斜張ケーブルを張架し、この斜張ケーブルによって桁を吊り支持するものとなっている。そして、大規模な斜張橋ではほとんどの場合、主塔から橋軸方向の前後双方に斜張ケーブルを張架して橋脚の両側に伸びた橋桁を支持するものとなっている。このような斜張橋では、主塔の上部に双方からのケーブルが定着されるとともに、複数の斜張ケーブルが上下方向に配列して定着される。特に、一般にエクストラドーズド形式と称される斜張橋では主塔の高さが小さく、複数のケーブルの上下方向における間隔が小さくなっているため、主塔の上部では多くの斜張ケーブルが小さな間隔で定着される。このため、主塔上部には、小さな範囲に複数の斜張ケーブルから大きな引張力が伝達される。また、両側に張架された双方のケーブル間では、引張力が互いの間で伝達されるように定着し、双方のケーブルから伝達される引張力の水平成分を相殺して、主塔の全体には大きな水平方向力が作用しない構造としている。
【0003】
上記のように複数の斜張ケーブルから大きな引張力が作用する主塔上部は、ケーブルの定着位置を正確に設定して、過度の応力集中が生じないように構築する必要があり、さらに、主張の両側に張架された斜張ケーブル間で水平方向の大きな力が円滑に伝達される構造とする必要がある。このため、特許文献1には、主塔上部に鋼部材を用いて斜張ケーブルをこの鋼部材に定着するともに、この鋼部材にコンクリートを巻き立てて橋脚上に支持する構造が開示されている。
【0004】
この定着構造は、図8に側面図、図9に平断面図をに示すように、主塔の上部に鋼からなる箱状の鋼殻部100を有するものであり、この鋼殻部100に複数の斜張ケーブル110が定着されている。鋼殻部100は、斜張ケーブル110の両側部に、該斜張ケーブル110と平行で鉛直となる方向に支持された側面板101を有しており、この側面板101の橋軸方向における端部と直角に連続するように設けられた端面板102とで箱状に形成されている。そして、平行な二つの側面板101の橋軸方向における両端付近に、これらを連結するように支持部材103が設けられ、この支持部材103に斜張ケーブル110の端部が係止されている。上記支持部材103は、斜張ケーブルの軸線と直角方向の板状部材103aと、これと直角に接合されて充分な剛性を付与する板状部材103bとを有する梁状の部材となっており、この支持部材103を介して両側の側面板101に、斜張ケーブル110の反力が伝達されるものとなっている。そして、鋼殻部100の橋軸方向における両端付近に支持部材103を介してそれぞれ斜張ケーブル110からの反力が伝達されるので、これらの斜張ケーブル110から作用する反力の水平成分は両端付近で反対方向に作用し、側面板101の水平方向の引張力となって相殺される。また、鉛直方向の成分は両側のケーブルの反力が合成され、鋼殻部100の周囲を囲むように形成されたコンクリート部材104にスタッドジベル105を介して、又は鋼殻部の底面106から主塔のコンクリートに伝達され、主塔の鉛直方向の軸力となって橋脚に支持される。
【0005】
このような定着構造では、鋼殻部100が工場等において正確に製作され、現場において正確に据え付けられることによって斜張ケーブル110の定着位置は正確に定められ、精度の高い施工が可能となる。また、斜張ケーブル110は鋼からなる支持部材103に定着され、確実に反力が伝達される構造とすることができる。
【特許文献1】特開2002−348813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような従来の定着構造では、斜張ケーブル110が定着される鋼殻部100の重量が過大になるという問題点がある。特に、斜張ケーブル110が定着される支持部材103は、両端が側面板101に接合され、これらの側面板間で梁のように曲げモーメントに抵抗する構造として反力を側面板101に伝達するものとなっており、部材寸法が大きくなってこの部分の鋼重量が大きくなる。また、側面板101も水平方向の大きな力に抵抗するものであり、板厚が大きななって鋼重量が大きくなってしまう。
このように鋼殻部100の重量が大きくなると、主塔上部に据え付けるためにクレーン等で吊り上げるのが難しくなり、複数の部分に分割する必要が生じて、構築の効率が著しく悪くなってしまう。また、それぞれの部分の鋼板厚が大きくなり、溶接による接合のための作業量が著しく多くなって費用も過大となる。
【0007】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、主塔上部における斜張ケーブルの定着部をできるだけ少ない鋼材量で構築し、作業を効率化するとともに、構築のための費用を低減することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、 斜張橋の主塔上部に設けられ、該主塔から斜張橋の軸線方向(橋軸方向)における前後双方の斜め下方に張架されて橋桁を吊り支持する複数の斜張ケーブルの定着構造であって、 前記斜張ケーブルの端部が橋軸方向の双方から対峙するように定着される定着部の両側に、鋼側板が平行に配置され、 該鋼側板の橋軸方向における両端部には、2つの前記鋼側板の双方を互いに連結するようにコンクリート部材が形成され、 前記斜張ケーブルは、前記コンクリート部材を貫通し、平行に配置された前記鋼側板の間で、該コンクリート部材に反力を伝達するように定着され、 該コンクリート部材と前記鋼側板とは、前記斜張ケーブルの反力が前記鋼側板に伝達されるように連結されていることを特徴とする斜張ケーブルの定着構造を提供する。
【0009】
この定着構造では、斜張ケーブルの反力は一旦コンクリート部材に伝達され、コンクリート部材から斜張ケーブル端部の両側に配置された鋼側板に伝達される。そして、主塔から橋軸方向の前後双方に張架された斜張ケーブルの反力の水平成分は、鋼側板の橋軸方向における両端部に互いに逆方向の引張力となって作用し、相殺される。したがって、斜張ケーブルの反力を鋼側板に伝達する部分に大きな鋼部材が不要となり、鋼材量を大幅に低減することができる。また、コンクリート部材は主塔の下部を構成するコンクリートと連続するものとすることができ、斜張ケーブルの反力の鉛直成分も主塔の軸力となって橋脚に伝達される。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の定着構造において、 前記鋼側板の橋軸方向における両端部に、互いに平行となるように配置された2つの鋼側板の双方を連結するように鋼からなるケーブル位置決め板が設けられ、 前記コンクリート部材は、橋軸方向に対向する2つのケーブル位置決め板の外面と密着するように打設されたものであり、 前記斜張ケーブルの端部に装着された定着具は、該ケーブル位置決め板に当接して固定されるものとする。
【0011】
この定着構造では、鋼からなるケーブル位置決め板を工場等において鋼側板に正確に取り付けておくことができる。したがって、このケーブル位置決め板にしたがってケーブル端部に装着された定着具を固定することにより、斜張ケーブルを正確な位置に容易に配置することが可能となる。また、このケーブル位置決め板に密接するようにコンクリート部材を形成することにより、斜張ケーブルの反力を確実かつ円滑にコンクリート部材に作用させることができる。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の定着構造において、 前記鋼支圧板は、上下に複数段が配置される斜張ケーブルのそれぞれに対して設けられ、これらが上下に連続するものであり、 前記コンクリート部材を補強する鉄筋が、前記ケーブル位置決め板と鋼側板との外側を水平方向に囲むように連続して配置されているものとする。
【0013】
この定着構造では、ケーブル位置決め板が、複数段に配置される斜張ケーブルのそれぞれに対して設けられ、これらが上下に連続しているので、これらのケーブル位置決め板及び鋼側板の外側に密接し、これらを取り囲むようにコンクリート部材を容易に形成することができる。したがって、このように打設されたコンクリート部材は、鋼側板及びケーブル位置決め板と強固に一体となる。そして、コンクリート部材内に配置された鉄筋が斜張ケーブルの引張力の水平成分の一部を負担し、主塔上部を強固な構造とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本願発明に係る斜張ケーブルの定着構造では、コンクリート部材を有効に利用して斜張ケーブルを定着し、その反力が円滑に伝達される構造とすることができる。したがって、鋼材の重量を低減することができるとともに、溶接の作業量を低減して主塔上部を構築するための費用を削減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本願発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願発明の定着構造が好適に採用できるエクストラドーズド形式の斜張橋を示す概略側面図である。
この斜張橋は、橋台1及び橋脚2の上に架け渡された橋桁3と、橋脚状に立ち上げられた主塔4と、この主塔4の上部から橋桁3の軸線方向における両側の斜下方に張架され、橋桁を斜め方向に吊り支持する複数の斜張ケーブル5とを有するものである。
エクストラドーズド形式の斜張橋は橋桁3の曲げ剛性を比較的大きくするとともに、主塔4の高さを小さく抑えたものであり、斜張ケーブル5の傾斜角は小さくなっており、複数段に配置された斜張ケーブルは、図1に示すように、主塔上部Aで小さい範囲に集中して定着されている。
【0016】
図2は、上記主塔の上部を拡大した側面図である。また、図3は同じ主塔上部の平断面図、図4は立断面図である。
この主塔上部の斜張ケーブル5が定着される範囲には、橋桁3の軸線方向(橋軸方向)と平行で鉛直となるように鋼側板11が配置されている。この鋼側板11は、斜張ケーブル5の定着される端部の両側に2枚が平行に設けられており、これらの鋼側板11の橋軸方向における両端付近に、これらの鋼側板11を互いに連結するようにケーブル位置決め板12が設けられている。そして、このケーブル位置決め板12と鋼側板11とで箱状となっている。上記鋼側板11とケーブル位置決め板12との外側には、これらの外面と密着し、取り囲むように連続したコンクリート部材13が形成されている。そして、鋼側板11に植設されたスタッドジベル14によって強固に一体となっている。
【0017】
上記ケーブル位置決め板12は、図5に示すように斜張ケーブル5を定着する位置に貫通孔が設けられており、さらに外側には該貫通孔と連続してダクト15が設けられ、斜張ケーブル5の端部をこれらのダクト及び貫通孔に挿通して箱状となった2枚の鋼側板11の間に突き入れることができるようになっている。そして、このダクト15及び貫通孔に挿通した位置で斜張ケーブル5を定着することによって定着位置が正確に設定されるものとなっている。
【0018】
また、このケーブル位置決め板12は、斜張ケーブル5が定着される部分では、この斜張ケーブル5の傾斜に合わせて斜張ケーブル5の軸線と垂直となるように傾斜して設けられる。そして複数段に配置される斜張ケーブル5が定着される位置の間では、折れ曲がるような形状となって上下方向に連続するものとなっている。
【0019】
上記コンクリート部材13は、ケーブル位置決め板12及び鋼側板11の外面に密着しているので、斜張ケーブル5が配置されて引張力が導入されると、その反力はこのコンクリート部材13に作用する。そして、コンクリート部材13は両端が鋼側板11に支持された梁のように機能して、斜張ケーブル5から作用する反力の水平成分が鋼側板11に伝達されるものとなっている。また、コンクリート部材13にはケーブル位置決め板12及び鋼側板11の外面に沿って巻き回すように鉄筋16が配置されており、箱状となった鋼側板11とケーブル位置決め板12とで形成された箱状部材の全周を取り囲むように補強されている。
また、このコンクリート部材13の下方は、主塔を形成するコンクリート17と連続しており、このコンクリート部材13は主塔の上部に強固に支持されるものとなっている。
【0020】
上記鋼側板11は、橋軸方向の両端部がそれぞれコンクリート部材13に連結されており、斜張ケーブル5からの反力はコンクリート部材13を介して互いに逆方向の水平成分が伝達されるものとなっている。したがって、鋼側板11の双方からの水平力によって引張力が作用するものとなっており、この引張力に抵抗できるように厚さが決定されている。
【0021】
次に、上記のような主塔上部における斜張ケーブルの定着構造を構築する方法について簡単に説明する。
主塔の下部は鉄筋コンクリート構造となっており、橋脚上から順次コンクリートを打設して立ち上げる。そして、所定の高さまで立ち上げられると、工場で鋼側板とケーブル位置決め板12とが接合された箱状の鋼部材を吊り上げ、立ち上がられた主塔の上部に支持する。このとき、鋼重量が大きくなって主塔上部への設置が困難となる場合には、上記鋼部材を分割して製作し、これらを上下に積み上げて所定の段数の斜張ケーブルが定着できるように設置してもよい。
【0022】
上記鋼部材が設置されると、その周囲に必要な鉄筋16を配置し、型枠を組み立てる。そして、既に打設したコンクリート17の上に連続するとともに、上記箱状の鋼部材の外側にコンクリートを打設し、鋼側板11及びケーブル位置決め板12と密着するようにコンクリート部材13を形成する。
【0023】
コンクリートが硬化した後、ダクト15及び貫通孔に斜張ケーブルの端部を挿通し、箱状となった鋼部材の内側つまり2枚の平行な鋼側板11の間で斜張ケーブル5の端部に定着具6を装着し、ケーブル位置決め板12を介してコンクリート部材13に押し付ける。そして、ジャッキ(図示しない)によって斜張ケーブル5に引張力を導入する。ジャッキが平行な2枚の鋼側板11間に装着できる場合には、この主塔上部で斜張ケーブル5に引張力を導入することができる。また、ジャッキが主塔上部で装着できないときには、橋桁3に斜張ケーブル5が定着される位置でジャッキを装着し、引張力を導入することもできる。
【0024】
なお、上記コンクリート部材13は、図6に示すように鋼側板11の橋軸方向における中央部分13は、最初にコンクリート部材を形成するときにはコンクリートを打設せずに残しておき、鋼側板11の両端部をそれぞれ取り囲む二つの部分に分けて形成するのが望ましい。そして、斜張ケーブル5に引張力を導入し、鋼側板11に水平方向の大きな引張力が導入された後にコンクリートを打設して連続させる。これにより、鋼側板11の中央部分の外側でコンクリート部材13に鉛直方向のひび割れが生じるのを有効に防止することができる。
【0025】
このような斜張ケーブルの定着構造では、引張力が導入される斜張ケーブル5の反力がコンクリート部材13に作用し、このコンクリート部材13から鋼側板11に伝達される。そして主塔4の両側に配置された斜張ケーブル5から逆方向の水平成分が、鋼側板11の橋軸方向における両端付近に作用し、鋼側板11の引張力となってほぼつり合った状態となる。このように斜張ケーブル5がコンクリート部材13に定着されるので、この部分に鋼からなる梁状の部材を設ける必要がなく、鋼重量を低減して溶接量を減少させることができる。特に、斜張ケーブル5の定着部は、鋼部材で形成すると部材厚が大きくなり、溶接に多くの作業を要することになるが、上記のように構成することによって溶接の作業量を大幅に低減し、コストの削減が可能となる。
【0026】
また、斜張ケーブル5から作用する反力の鉛直成分は、コンクリート部材13から直接主塔下部のコンクリート17に、又は鋼側板11に伝達された後この鋼側板11を介して主塔下部のコンクリートに円滑に伝達される。
【0027】
図7は、本願に係る発明の他の実施形態である斜張ケーブルの定着構造を示す平断面図である。
この定着構造では、図2から図5までに示す構造と同様に、鉛直方向に平行な二つの鋼側板51を有し、橋軸方向の両端部付近で2つのケーブル位置決め板52によって連結されて箱状となっている。また、この鋼側板51とケーブル位置決め板52との外側に密着するようにコンクリート部材53が形成され、斜張ケーブル55はこのコンクリート部材53を貫通してケーブル位置決め板52の内側で、定着具56によって定着されている。そして、斜張ケーブル55の反力がコンクリート部材53に伝達され、さらに鋼側板51に伝達されるものとなっている。
【0028】
この定着構造では、コンクリート部材53と鋼側板51との接合部分は、図2に示す定着構造のスタッドジベルに代え、鋼側板51に設けた貫通孔57に挿通された鉄筋58によって一体化するものとなっている。貫通孔57は、鋼側板51にケーブル位置決め板52が接合された位置より、端部側に上下方向及び水平方向に複数が配列され、これらのそれぞれに鉄筋58が挿通されている。そして、これらの鉄筋58は平行な2つの鋼側板51のいずれをも貫通し、コンクリート部材53を補強する機能を有するものとなっている。
【0029】
また、鋼側板51の外側側面からは、水平に突き出した張り出し板59が設けられ、この張り出し板にも貫通孔60が設けられている。この張り出し板59は、上下方向に間隔をあけて複数が設けられており、これらの張り出し板に設けられた貫通孔60に鉛直方向の鉄筋61が挿通され、コンクリート部材53と鋼側板51とを強固に一体化するものとなっている。
【0030】
一方、コンクリート部材53の橋軸方向の両端部には、水平方向にコンクリート部材53を貫通してPC鋼材62が配置され、緊張力を導入してコンクリート部材53にプレストレスが導入されている。これにより、コンクリート部材53は補強され、斜張ケーブル55の反力を確実に鋼側板51に伝達するものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本願発明の定着構造が好適に採用できるエクストラドーズド形式の斜張橋を示す概略側面図である。
【図2】図1に示す斜張橋の主塔上部の側面図である。
【図3】図2に示す主塔上部の平断面図である。
【図4】図2に示す主塔上部の立断面図である。
【図5】図2に示す主塔の斜張ケーブル定着部を示す断面図である。
【図6】図2に示す主塔上部のコンクリート部材の打設方法を示す平断面図である。
【図7】本願発明の他の実施形態である斜張ケーブルの定着構造を示す平断面図である。
【図8】従来の斜張橋における主塔上部の構造を示す概略側面図である。
【図9】図8に示す主塔上部の構造の平断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1:橋台、 2:橋脚、 3:橋桁、 4:主塔、 5:斜張ケーブル、 6:定着具、
11:鋼側板、 12:ケーブル位置決め板、 13:コンクリート部材、 14:スタッドジベル、 15:ダクト、 16:鉄筋、 17:主塔下部のコンクリート、
51:鋼側板、 52:ケーブル位置決め板、 53:コンクリート部材、 55:斜張ケーブル、 56:定着具、 57:貫通孔、 58:鉄筋、 59:張り出し板、 60:貫通孔、 61:鉄筋、 62:PC鋼材



【特許請求の範囲】
【請求項1】
斜張橋の主塔上部に設けられ、該主塔から斜張橋の軸線方向(橋軸方向)における前後双方の斜め下方に張架されて橋桁を吊り支持する複数の斜張ケーブルの定着構造であって、
前記斜張ケーブルの端部が橋軸方向の双方から対峙するように定着される定着部の両側に、鋼側板が平行に配置され、
該鋼側板の橋軸方向における両端部には、2つの前記鋼側板の双方を互いに連結するようにコンクリート部材が形成され、
前記斜張ケーブルは、前記コンクリート部材を貫通し、平行に配置された前記鋼側板の間で、該コンクリート部材に反力を伝達するように定着され、
該コンクリート部材と前記鋼側板とは、前記斜張ケーブルの反力が前記鋼側板に伝達されるように連結されていることを特徴とする斜張ケーブルの定着構造。
【請求項2】
前記鋼側板の橋軸方向における両端部に、互いに平行となるように配置された2つの鋼側板の双方を連結するように鋼からなるケーブル位置決め板が設けられ、
前記コンクリート部材は、橋軸方向に対向する2つのケーブル位置決め板の外面と密着するように打設されたものであり、
前記斜張ケーブルの端部に装着された定着具は、該ケーブル位置決め板に当接して固定されるものであることを特徴等する特徴とする請求項1に記載の斜張ケーブルの定着構造。
【請求項3】
前記鋼支圧板は、上下に複数段が配置される斜張ケーブルのそれぞれに対して設けられ、これらが上下に連続するものであり、
前記コンクリート部材を補強する鉄筋が、前記ケーブル位置決め板と鋼側板との外側を水平方向に囲むように連続して配置されていることを特徴とする請求項2に記載の斜張ケーブルの定着構造。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−51432(P2007−51432A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−235701(P2005−235701)
【出願日】平成17年8月16日(2005.8.16)
【出願人】(000174943)三井住友建設株式会社 (346)
【Fターム(参考)】