説明

断面画像生成装置、断面画像生成方法、及びそのプログラム

【課題】所定の線状構造の器官の所望の断面画像を生成する断面画像生成装置、断面画像生成方法、及びそのプログラムを提供する。
【解決手段】所定の線状構造の器官を含む3次元医用画像の所定の方向に直交する複数の第1断面画像36を取得する断面画像取得部22と、前記複数の第1断面画像36のそれぞれに含まれる、前記所定の線状構造の器官の断面形状を検出する第1検出部24と、検出された複数の前記断面形状の位置を補間することで、近似曲線である第1曲線を生成する曲線生成部26と、前記3次元医用画像から前記第1曲線に直交する複数の第2断面画像38を生成する断面画像生成部28と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、解剖学的にある程度方向が決まっている線状構造の器官の所定の断面形状を取得する断面画像生成装置、断面画像生成方法、及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医師は、脊髄のアキシャル断面を表示して見て診断、診察する場合がある。また、特許文献1に記載のように、アキシャル断面で脊髄を検出して、椎骨の中心線を求める技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−207727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、脊髄が曲がっている人の場合は、脊髄とアキシャル断面とが略直交していない場合があり、所望する脊髄の断面画像を得ることができない。また、上記特許文献1の技術では、脊髄がほぼ真っ直ぐである人のアキシャル断面を前提としており、脊髄が大きく曲がっている場合は、アキシャル断面の断面画像から脊髄を精度良く検出することができない。
【0005】
そこで本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、所定の線状構造の器官の所望の断面画像を生成する断面画像生成装置、断面画像生成方法、及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、断面画像生成装置であって、所定の線状構造の器官を含む3次元医用画像の所定の方向に直交する複数の第1断面画像を取得する断面画像取得部と、前記複数の第1断面画像のそれぞれに含まれる、前記所定の線状構造の器官の断面形状を検出する第1検出部と、検出された複数の前記断面形状の位置を補間することで、近似曲線である第1曲線を生成する曲線生成部と、前記3次元医用画像から前記第1曲線に直交する複数の第2断面画像を生成する断面画像生成部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
前記複数の第2断面画像を補間して、前記第1曲線が直線となるように3次元生成画像を生成する画像生成部をさらに備えてもよい。
【0008】
前記第1曲線が直線になるように前記3次元医用画像を補正して、3次元生成画像を生成する画像生成部をさらに備え、前記断面画像生成部は、前記3次元生成画像から、前記直線に直交する前記複数の第2断面画像を生成してもよい。
【0009】
前記第1曲線及び前記第1曲線に平行する曲線の曲断面画像を複数生成することで、前記第1曲線が直線となる3次元生成画像を生成する画像生成部をさらに備え、前記断面画像生成部は、前記3次元生成画像から、前記直線に直交する前記複数の第2断面画像を生成してもよい。
【0010】
前記複数の第2断面画像のそれぞれに含まれる、前記断面形状を検出する第2検出部をさらに備えてもよい。
【0011】
前記曲線生成部は、前記第2検出部が検出した複数の断面形状の位置を補間することで、近似曲線である第2曲線をさらに生成し、前記断面画像生成部は、前記3次元生成画像の前記第2曲線に直交する複数の第3断面画像を生成してもよい。
【0012】
前記第2検出部は、前記複数の第3断面画像に含まれる、前記断面形状を検出してもよい。
【0013】
前記所定の線状構造の器官は、脊髄、脊椎、大動脈、大静脈、及び気管のうち、いずれか1つであってもよい。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明は、コンピュータが3次元医用画像に含まれる所定の線状構造の器官の断面画像を生成する断面画像生成方法であって、前記3次元医用画像から、所定の方向に直交する複数の第1断面画像を取得する第1断面画像取得工程と、前記複数の第1断面画像のそれぞれに含まれる、前記所定の線状構造の器官の断面形状を検出する第1検出工程と、検出された複数の前記断面形状の位置を補間することで、近似曲線である第1曲線を生成する曲線生成工程と、前記3次元医用画像から前記第1曲線に直交する複数の第2断面画像を生成する第2断面画像生成工程と、を備えることを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明は、プログラムであって、コンピュータを、所定の線上構造を含む3次元医用画像から、所定の方向に直交する複数の第1断面画像を取得する第1断面画像生成手段、前記複数の第1断面画像のそれぞれに含まれる、前記所定の線上構造の断面形状を検出する第1検出手段、検出された複数の前記断面形状の位置を補間することで第1曲線を生成する曲線生成手段、前記3次元医用画像から前記第1曲線に直交する複数の第2断面画像を生成する断面画像生成手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、検出された複数の所定の線状構造の器官の断面形状の位置を補間して近似曲線を生成し、該生成した近似曲線に直交する断面画像を生成するようにしたので、所望する所定の線状構造の器官の断面画像をより多く得ることができる。また、生成した所定の線状構造の器官の断面画像に対して、所定の線状構造の器官の断面形状の検出処理を行うので、所定の線状構造の器官の断面形状の検出精度を向上させることができる。
【0017】
また、断面画像の所定の線状構造の器官を検出する処理、所定の線状構造の器官の位置を補間して近似曲線を生成する処理、生成した近似曲線に直交する断面画像を生成する処理を複数回繰り返すことで、所定の線状構造の器官を含む複数の断面画像の数に対する、所定の線状構造の器官の断面形状を有する所望の断面画像の数の比率は高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施の形態に係る断面画像生成装置の電気的な概略ブロック図である。
【図2】断面画像生成装置の動作を示すフローチャート図である。
【図3】ステップS1で取得する3次元の医用画像の脊髄の模式図の一例を示す図である。
【図4】第1検出部が検出した図3に示す脊髄の断面形状の位置を示している。
【図5】図4に示した脊髄上に生成された第1曲線を表した図である。
【図6】3次元の医用画像から生成される複数の第2断面画像となる平面の方向を示す図である。
【図7】第1曲線が直線となるように生成された3次元の生成画像、及び、第2断面画像の位置を示す図である。
【図8】第2検出部が検出した脊髄の断面形状の位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る断面画像生成装置について、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
【0020】
図1は、本実施の形態に係る断面画像生成装置10の電気的な概略ブロック図である。断面画像生成装置10は、入力部12、制御部(CPU等の情報処理装置)14、出力部16、及びメモリ(記録媒体)18を備える。メモリ18には、本実施の形態の断面画像生成装置10として機能させるためのプログラムが格納されている。入力部12は、外部からの信号を受ける。入力部12は、画像取得部20を備える。画像取得部20は、脊髄を含む3次元の医用画像(3次元医用画像)を取得する。画像取得部20は、CT画像、MRI画像、RI画像、PET画像、及びX線画像等の医用画像のみならず、後述する3次元の生成画像(3次元生成画像)又は人工的に作成された3次元画像等、2次元又は3次元の医用画像等を取得してよい。
【0021】
制御部14は、断面画像取得部22、第1検出部24、曲線生成部26、断面画像生成部28、第2検出部30、及び画像生成部32を備える。
【0022】
断面画像取得部22は、画像取得部20が取得した脊髄を含む3次元の医用画像から、所定の方向に直交する断面(例えば、アキシャル断面)である第1断面画像を複数生成して取得する。断面画像取得部22は、取得した複数の第1断面画像をメモリ18に記録する。なお、画像取得部20が、脊髄を含む3次元の医用画像のアキシャル断面である複数の第1断面画像を直接取得した場合は、断面画像取得部22は、そのまま、複数の第1断面画像を取得して、メモリ18に記録する。
【0023】
第1検出部24は、断面画像取得部22が取得した複数の第1断面画像のそれぞれに含まれる、脊髄の断面形状を検出する。第1検出部24は、脊髄の所定の断面形状と完全一致又は所定値以上で一致する位置を検出する。したがって、第1断面形状に含まれる脊髄の断面が所定の断面形状と完全一致していなくても、予め定められる範囲で類似していれば検出される。本実施の形態では、アキシャル平面と直交している脊髄の断面形状を所定の断面形状とする。
【0024】
第1検出部24により脊髄の断面形状の第1断面画像における位置が、第1断面画像毎に検出されるが、第1断面画像によっては、脊髄の断面形状の位置が検出されない場合もある。第1検出部24は、検出した脊髄の断面形状の位置をメモリ18に記録する。第1検出部24は、テンプレートマッチング手法や、画定手法によって脊髄の断面形状を検出してもよいし、統合学習機械を作る手法であるAdaboostに基づいたラーニング手法によって脊髄の断面形状を検出してもよい。
【0025】
曲線生成部26は、直近に検出された複数の脊髄の断面形状の位置を補間することで、複数の脊髄の断面形状の位置を近似した曲線を生成する。曲線生成部26は、スプライン補間又は最小二乗法補間等によって、曲線を生成する。曲線生成部26は生成した曲線をメモリ18に記録する。
【0026】
断面画像生成部28は、前記3次元の医用画像又は後述する3次元の生成画像から、前記曲線に直交する複数の断面画像を生成して、メモリ18に記録する。つまり、断面画像生成部28は、曲線生成部26が生成した曲線に沿って、所定の間隔毎に前記曲線に直交する断面画像を3次元の医用画像又は3次元の生成画像から生成する。
【0027】
第2検出部30は、断面画像生成部28が生成した複数の断面画像に含まれる、脊髄の断面形状を検出する。第2検出部30は、脊髄の所定の断面形状と完全一致又は所定値以上で一致する位置を検出する。したがって、断面形状に含まれる脊髄の断面が所定の断面形状と完全一致していなくても、予め定められる範囲で類似していれば検出される。本実施の形態では、断面画像と直交している脊髄の断面形状を所定の断面形状とする。第2検出部30は、テンプレートマッチング手法や、画定手法によって脊髄の断面形状を検出してもよいし、統合学習機械を作る手法であるAdaboostに基づいたラーニング手法によって脊髄の断面形状を検出してもよい。第2検出部30は、検出した脊髄の断面形状の位置をメモリ18に記録する。
【0028】
画像生成部32は、直近に断面画像生成部28が生成した複数の断面画像を補間して、曲線生成部26が生成した曲線が直線となるように3次元の生成画像を生成して、メモリ18に記録する。つまり、画像生成部32は、それぞれの断面画像と生成された曲線との交点が直線となるように、それぞれの断面画像を前記所定の間隔で重ね、各断面画像を補間することで3次元の生成画像を生成する。
【0029】
出力部16は、断面画像生成部28が生成した、曲線に直交する複数の断面画像、及び第2検出部が検出した複数の断面画像のそれぞれにおける脊髄の断面形状の位置を外部に出力する。なお、出力部16は、断面画像生成部28が生成した、曲線に直交する複数の断面画像及び断面形状の位置のいずれか一方のみを出力してもよい。
【0030】
次に、断面画像生成装置10の動作を図2のフローチャートにしたがって説明する。
【0031】
画像取得部20は、脊髄を含む3次元の医用画像を取得する(ステップS1)。図3は、ステップS1で取得する3次元の医用画像の脊髄40の模式図の一例を示す。図3を見ると、脊髄40が曲がっていることがわかる。なお、本実施の形態では、便宜上、3次元の画像を2次元で表す。また、図3は、アキシャル断面と垂直する断面、つまり、体軸方向に平行する人体の断面を示している。
【0032】
次いで、断面画像取得部22は、該取得された3次元の医用画像から、体軸方向に直交するアキシャル断面である複数の第1画像を生成して取得する(ステップS2)。なお、画像取得部20が脊髄を含む3次元の医用画像のアキシャル断面である複数の第1断面画像を取得した場合は、断面画像取得部22は、画像取得部20が取得した複数の第1断面画像を取得する。
【0033】
次いで、第1検出部24は、複数の第1断面画像にそれぞれ含まれる脊髄40の断面形状を検出する(ステップS3)。なお、第1検出部24は、アキシャル断面と直交している脊髄40の断面形状を検出するものとしているが、要は、脊髄40の所定の断面形状を検出すればよい。
【0034】
図4は、第1検出部24が検出した図3に示す脊髄40の断面形状の位置を示している。図4で示す太線は、脊髄40を表しており、横線はステップ2で取得したアキシャル断面である第1断面画像36の位置を示しており、第1検出部24が検出した脊髄40の断面形状の位置42を丸で示している。図4を見ると、第1断面画像36の中には、アキシャル平面と直交していない脊髄40(部分44)もあるので、脊髄40の断面形状が検出されていない第1断面画像36もある。
【0035】
次いで、曲線生成部26は、検出された複数の断面形状の位置を補間することで、検出された複数の断面形状の位置を近似した曲線である第1曲線46を生成する(ステップS4)。図5は、図4に示した脊髄40上に、生成された第1曲線46を表した図である。
【0036】
次いで、断面画像生成部28は、ステップS1で取得した3次元の医用画像から第1曲線46に直交する複数の第2断面画像を生成する(ステップS5)。断面画像生成部28は、前記3次元の医用画像から、第1曲線46に沿って所定の間隔毎に第1曲線46に直交する第2断面画像を生成する。図6は、3次元の医用画像から生成される複数の第2断面画像となる平面の方向及び位置を示す。第1曲線に対して直交に延びている複数の線48が、第2断面画像となる平面の方向及び位置を示す。
【0037】
ここで、生成された第2断面画像38を、第1曲線46が直線46Sとなるように、重ねていくと、つまり、第2断面画像38と第1曲線46との交点が直線46Sとなるように、それぞれの第2断面画像38を前記所定の間隔で重ねていくと図7のようになる。断面画像の切断面に略直交している脊髄40は、第2断面画像38の方が第1断面画像36よりも多いので、第2断面画像38の方が所望する脊髄40の断面形状を多く得ることができる。なお、図7の横線は、第2断面画像38の位置を示し、各第2断面画像38の間には、画像は存在しないが、便宜上、第1曲線46を直線46Sにしたときの脊髄40の形を太線で表している。
【0038】
次いで、第2検出部30は、複数の第2断面画像38にそれぞれ含まれる脊髄40の断面形状を検出する(ステップS6)。図8は、第2検出部30が検出した脊髄40の断面形状の位置50を示す図であり、検出した断面形状の位置50を丸で示している。図5と図8を比較するとわかるように、第1断面画像36の脊髄40に比べ、第2断面画像38の脊髄40の方が、断面画像の切断面に略直交しているので、脊髄の断面形状を多く検出することができ、脊髄の断面形状の検出精度を向上させることができる。
【0039】
次いで、制御部14は、断面画像の生成を終了するか否かを判断する(ステップS7)。この判断は、第2検出部30が、脊髄40を含む複数の第2断面画像38の数に対する、検出された脊髄40の数の割合が所定の割合以上、又は、検出された脊髄40の数(位置50の数)が所定数以上の場合は、断面画像の生成を終了すると判断してもよい。また、ユーザの図示しない指示入力部の操作に応じて断面画像の生成を終了するか否かを判断してもよく、ステップS8〜ステップS11の動作を、予め定められた回数分だけ繰り返したか否かにより判断してもよい。
【0040】
ステップS7で、断面画像の生成を終了しないと判断すると、画像生成部32は、ステップS5で直近に生成された複数の第2断面画像38を補間して、第1曲線46が直線となるように3次元の生成画像を生成する(ステップS8)。つまり、画像生成部32は、それぞれの第2断面画像38と生成された曲線との交点が直線となるように、それぞれの第2断面画像38を前記所定の間隔で重ね、各第2断面画像38間を補間することで3次元の生成画像を生成する。生成される3次元の生成画像の脊髄は、図7に示すような画像となる。なお、補足的に説明すると、次回のステップS8の補間に供される断面画像は、後述する直近のステップS10で生成された断面画像である。なお、画像生成部32は、複数の第2断面画像38の脊髄領域の画像から、脊髄の3次元の生成画像を生成してもよい。
【0041】
また、第2断面画像38を補間することで3次元の生成画像を生成するようにしたが、ステップS5で第2断面画像38を生成する前記所定の間隔を短くすれば、第2断面画像38間を補間しなくても、生成された第2断面画像38を第1曲線46が直線となるように重ねていけば3次元の生成画像を得ることができる。
【0042】
次いで、曲線生成部26は、複数の第2断面画像38を、第1曲線46が直線46Sとなるように重ねた場合における、ステップS6で第2検出部30が直近に検出した複数の第2断面画像38のそれぞれに含まれる断面形状の位置を補間することで、検出された複数の断面形状の位置を近似した曲線で第2曲線を生成する(ステップS9)。つまり、図8に示す、第2検出部30が検出した脊髄の断面形状の位置を補間して第2曲線を生成する。
【0043】
次いで、断面画像生成部28は、ステップS8で直近に生成した3次元の生成画像から、第2曲線に直交する複数の第3断面画像を生成する(ステップS10)。つまり、断面画像生成部28は、3次元の生成画像から、第2曲線に沿って所定の間隔毎に第2曲線に直交する第3断面画像を生成する。
【0044】
次いで、第2検出部30は、複数の第3断面画像にそれぞれ含まれる脊髄の断面形状を検出して(ステップS11)、ステップS7に戻る。このステップS7〜ステップS11を繰り返すことで、脊髄を含む複数の断面画像の数に対する、所望する脊髄の断面形状を有する断面画像の数の割合は大きくなる。つまり、ステップS7〜ステップS11を繰り返すことで、脊髄を含む複数の断面画像の数に対する検出される脊髄の数の割合が高くなる。
【0045】
ステップS7で、断面画像の生成を終了すると判断されると、出力部16は、直近に生成した断面画像及び検出した断面形状の位置を外部に出力する。なお、出力部16は、断面画像のうち、検出された断面形状の位置から所定の範囲内にある画像を抽出して出力してもよい。また、既に生成された直近でない断面画像及び検出した断面形状の位置を外部に出力してもよいし、3次元の生成画像を出力してもよい。さらに、断面画像及び検出した断面形状の位置のいずれか一方を出力してもよい。出力部16は、例えば、図示しない表示装置に断面画像を出力してもよい。これにより表示装置は、断面画像を表示することができる。
【0046】
ステップS8〜ステップS11の動作は、ステップS4〜ステップS6の動作によって、十分に脊髄の断面形状が検出されない場合に、ステップS4〜ステップS6と同様の動作を行って、補正しても曲がっている脊髄を真っ直ぐに伸ばして、脊髄の断面形状を検出するというものである。
【0047】
なお、上記実施の形態は、次のように変形してもよい。
【0048】
(1)図2のステップS8では、画像生成部32は、第1曲線46が直線になるようにステップS1で取得した3次元の医用画像自体を補正して、3次元の生成画像を生成してもよい。つまり、図5に示す3次元の医用画像自体を補正して、図7に示すような3次元の生成画像を生成してもよい。なお、補足的に説明すると、次回のステップS8では、前回生成した3次元の生成画像を補正して、3次元の生成画像を新たに生成する。また、画像生成部32は、第1曲線46及び第1曲線46に所定の距離で平行する曲線のCPR(curved planar reformation)画像(曲断面画像)を複数生成することで、第1曲線を直線に補正した3次元の生成画像を生成してもよい。
【0049】
(2)また、ステップS4で第1曲線46を生成すると、画像生成部32は、第1曲線46が直線46SになるようにステップS1で取得した3次元の医用画像を補正して、3次元の生成画像を生成してから、ステップS5に進んでもよい。この場合、ステップS5では、前記直線46Sに直交する複数の第2断面画像38を、3次元の医用画像を補正して得られた前記3次元の生成画像から生成してもよい。つまり、図7に示す3次元の生成画像から前記直線46Sに沿って、所定間隔毎に該直線に直交する第2断面画像38を生成する。この場合、ステップS8の動作は不要となる。また、3次元の生成画像の生成は、第1曲線46及び第1曲線46に平行する曲線のCPR画像を複数生成することで、第1曲線を直線に補正した3次元の生成画像を生成してもよい。
【0050】
なお、補足的に説明すると、ステップS9で第2曲線を生成すると、画像生成部32は、第1曲線46が直線となるように補正された前記3次元の生成画像から、第2曲線が直線となるように補正した3次元の医用画像を生成して、ステップS10に進む。この場合、ステップS10では、前記直線に直交する複数の第3断面画像を、直近の補正により得られた3次元の生成画像から生成してもよい。
【0051】
(3)上記実施の形態では、所定の線状構造の器官として脊髄を例にして説明したが、脊椎、大動脈、大静脈、気管等であってもよい。また、実施の形態では、脊髄を例にしたので、第1断面画像36は、アキシャル断面としたが、所定の線状構造の器官に応じて、断面の方向は変わってくる。つまり、解剖学的にある程度方向が決まっている所定の線状構造の器官において、ある程度決まっている方向と直交する方向を第1断面画像36の断面とする。
【0052】
(4)上記実施の形態においては、出力部16は、断面画像の生成を終了する場合のみ、断面画像等を出力するようにしたが、断面画像生成部28が断面画像を生成する毎に、または、ユーザの指示があった場合に、随時断面画像等を出力するようにしてもよい。例えば、ステップS5又はステップS6の動作の直後、及び、ステップS10又はステップS11の動作の直後に断面画像等を出力してもよい。
【0053】
(5)上記実施の形態では、ステップS6の動作を経ると、ステップS7に進み、断面画像の生成を終了するか否かを判断し、終了する場合はステップS12に進むようにしたが、ステップS6の動作を経ると、そのままステップS12に進んでもよい。
【0054】
(6)上記変形例(1)〜(5)を矛盾しない範囲内で任意に組み合わせた態様であってもよい。
【0055】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0056】
10…断面画像生成装置 12…入力部
14…制御部 16…出力部
18…メモリ 20…画像取得部
22…断面画像取得部 24…第1検出部
26…曲線生成部 28…断面画像生成部
30…第2検出部 32…画像生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の線状構造の器官を含む3次元医用画像の所定の方向に直交する複数の第1断面画像を取得する断面画像取得部と、
前記複数の第1断面画像のそれぞれに含まれる、前記所定の線状構造の器官の断面形状を検出する第1検出部と、
検出された複数の前記断面形状の位置を補間することで、近似曲線である第1曲線を生成する曲線生成部と、
前記3次元医用画像から前記第1曲線に直交する複数の第2断面画像を生成する断面画像生成部と、
を備えることを特徴とする断面画像生成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の断面画像生成装置であって、
前記複数の第2断面画像を補間して、前記第1曲線が直線となるように3次元生成画像を生成する画像生成部をさらに備えることを特徴とする断面画像生成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の断面画像生成装置であって、
前記第1曲線が直線になるように前記3次元医用画像を補正して、3次元生成画像を生成する画像生成部をさらに備え、
前記断面画像生成部は、前記3次元生成画像から、前記直線に直交する前記複数の第2断面画像を生成することを特徴とする断面画像生成装置。
【請求項4】
請求項1に記載の断面画像生成装置であって、
前記第1曲線及び前記第1曲線に平行する曲線の曲断面画像を複数生成することで、前記第1曲線が直線となる3次元生成画像を生成する画像生成部をさらに備え、
前記断面画像生成部は、前記3次元生成画像から、前記直線に直交する前記複数の第2断面画像を生成することを特徴とする断面画像生成装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の断面画像生成装置であって、
前記複数の第2断面画像のそれぞれに含まれる、前記断面形状を検出する第2検出部をさらに備えることを特徴とする断面画像生成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の断面画像生成装置であって、
前記曲線生成部は、前記第2検出部が検出した複数の断面形状の位置を補間することで、近似曲線である第2曲線をさらに生成し、
前記断面画像生成部は、前記3次元生成画像の前記第2曲線に直交する複数の第3断面画像を生成することを特徴とする断面画像生成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の断面画像生成装置であって、
前記第2検出部は、前記複数の第3断面画像に含まれる、前記断面形状を検出することを特徴とする断面画像生成装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の断面画像生成装置であって、
前記所定の線状構造の器官は、脊髄、脊椎、大動脈、大静脈、及び気管のうち、いずれか1つであることを特徴とする断面画像生成装置。
【請求項9】
コンピュータが3次元医用画像に含まれる所定の線状構造の器官の断面画像を生成する断面画像生成方法であって、
前記3次元医用画像から、所定の方向に直交する複数の第1断面画像を取得する第1断面画像取得工程と、
前記複数の第1断面画像のそれぞれに含まれる、前記所定の線状構造の器官の断面形状を検出する第1検出工程と、
検出された複数の前記断面形状の位置を補間することで、近似曲線である第1曲線を生成する曲線生成工程と、
前記3次元医用画像から前記第1曲線に直交する複数の第2断面画像を生成する第2断面画像生成工程と、
を備えることを特徴とする断面画像生成方法。
【請求項10】
コンピュータを、
所定の線上構造を含む3次元医用画像から、所定の方向に直交する複数の第1断面画像を取得する第1断面画像生成手段、
前記複数の第1断面画像のそれぞれに含まれる、前記所定の線上構造の断面形状を検出する第1検出手段、
検出された複数の前記断面形状の位置を補間することで第1曲線を生成する曲線生成手段、
前記3次元医用画像から前記第1曲線に直交する複数の第2断面画像を生成する断面画像生成手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−142960(P2011−142960A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−4307(P2010−4307)
【出願日】平成22年1月12日(2010.1.12)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】