説明

新しい有機発光素子化合物およびこれを用いた有機発光素子

本発明は、有機発光素子の寿命、効率、電気化学的安定性および熱的安定性を大きく向上させられる新規化合物、および前記化合物が有機化合物層に含まれている有機発光素子を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光素子の寿命、効率、電気化学的安定性および熱的安定性を大きく向上させることができる新規化合物が有機化合物層に含まれている有機発光素子に関する。本出願は2007年11月18日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2007−0113852号、および2008年7月25日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2008−0073238号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
有機発光現象は特定有機分子の内部プロセスによって電流が可視光に転換される例の1つである。有機発光現象の原理は次の通りである。正極と負極との間に有機物層を介在した時、2つの電極の間に電圧を印加すれば、負極と正極から各々電子と正孔が有機物層に注入される。有機物層に注入された電子と正孔は再結合してエキシトン(exciton)を形成し、このエキシトンが再び基底状態に落ちて光が出る。このような原理を利用した有機発光素子は、一般的に、負極と正極およびその間に位置した有機物層、例えば正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を含む有機物層で構成することができる。
【0003】
有機発光素子に用いられる物質としては、純粋有機物質または有機物質と金属の錯体が大半を占めており、用途に応じ、正孔注入物質、正孔輸送物質、発光物質、電子輸送物質、電子注入物質などに分類することができる。ここで、正孔注入物質や正孔輸送物質としては、p−タイプの性質を有する有機物質、すなわち酸化し易く、酸化時に電気化学的に安定した状態を有する有機物が主に用いられている。一方、電子注入物質や電子輸送物質としては、n−タイプの性質を有する有機物質、すなわち還元し易く、還元時に電気化学的に安定した状態を有する有機物が主に用いられている。発光層物質としては、p−タイプの性質とn−タイプの性質を同時に有した物質、すなわち酸化された時および還元された時に安定な物質が好ましく、エキシトンが形成された時にこれを光に転換する発光効率の高い物質が好ましい。
【0004】
加えて、有機発光素子に用いられる物質は次のような性質をさらに有することが好ましい。
【0005】
第1に、有機発光素子に用いられる物質は熱的安定性に優れることが好ましい。これは、有機発光素子内において、電荷の移動によるジュール熱(joule heat)が発生するためである。現在、正孔輸送層物質として主に用いられるNPBは、ガラス転移温度が100℃以下の値を有するため、高い電流を必要とする有機発光素子においては使用し難いという問題がある。
【0006】
第2に、低電圧駆動可能な高効率の有機発光素子を得るためには、有機発光素子内に注入された正孔または電子が円滑に発光層に伝達されると同時に、注入された正孔と電子が発光層の外に抜け出ないようにしなければならない。このために、有機発光素子に用いられる物質は、適切なバンドギャップ(bandgap)とHOMOまたはLUMOエネルギー準位を有しなければならない。現在、溶液塗布法によって製造される有機発光素子において、正孔輸送物質として用いられるPEDOT:PSSの場合、発光層物質として用いられる有機物のLUMOエネルギー準位に比べてLUMOエネルギー準位が低いため、高効率および長寿命の有機発光素子製造に困難がある。
【0007】
この他に、有機発光素子に用いられる物質は、化学的安定性、電荷移動度、電極や隣接した層との界面特性などに優れていなければならない。すなわち、有機発光素子に用いられる物質は水分や酸素による物質の変形が小さい必要がある。また、適切な正孔または電子移動度を有することにより、有機発光素子の発光層において正孔と電子の密度が均衡をなすようにしてエキシトンの形成を極大化しなければならない。また、素子の安定性のために、金属または金属酸化物を含む電極との界面を良くするべきである。
【0008】
したがって、当技術分野においては前記のような要件を備えた有機物の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開2005−090512
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明者らは、有機発光素子に使用可能な物質に求められる条件、例えば適切なエネルギー準位、電気化学的安定性および熱的安定性などを満足させることができ、置換基に応じて有機発光素子に求められる様々な役割を果たすことのできる化学構造を有するヘテロ化合物誘導体を含む有機発光素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、下記化学式1の化合物を提供する。
【0012】
また、本発明は、第1電極、1層以上であり発光層を含む有機物層および第2電極を積層した形態で含む有機発光素子であって、前記有機物層のうちの1層以上が下記化学式1の化合物、またはこの化合物に熱硬化性または光硬化性官能基が導入された化合物を含む有機発光素子を提供する。
【0013】
【化1】

【0014】
前記化学式1において、
Xは、水素;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルキル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルコキシ基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルケニル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアリール基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールアミン基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、ヘテロ原子としてO、NまたはSを含む複素環基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたカルバゾリル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフルオレニル基;−N(R’)(R’’);ニトリル基;ニトロ基;ハロゲン基;−CO−N(R’)(R’’);および−COO−R’からなる群から選択され、
ここで、前記R’およびR’’は、各々独立に、水素、ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択され、
Lは、ニトロ、ニトリル、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数6〜40のアリーレン基;ニトロ、ニトリル、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換された2価の複素環基;またはニトロ、ニトリル、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフルオレニレン基であり、
およびRは、各々独立に、水素;重水素;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルキル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルコキシ基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルケニル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアリール基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールアミン基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを含む複素環基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたカルバゾリル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフルオレニル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアリールオキシ基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアリールチオ基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルコキシカルボニル基;ヒドロキシル基;カルボキシル基;ニトリル基;ニトロ基;ハロゲン基;−N(R’)(R’’);ニトリル基;ニトロ基;ハロゲン基;−CO−N(R’)(R’’);および−COO−R’からなる群から選択され、ここで、RおよびRは隣接基とともに脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
〜Rのうちの少なくとも1つは、重水素;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルケニル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールアミン基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを含む複素環基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたカルバゾリル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフルオレニル基;ニトリル基;−CO−N(R’)(R’’);および−COO−R’からなる群から選択され、ここで、R〜Rは互いに隣接基とともに脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、R〜Rのうちの残りは水素または重水素である。
【発明の効果】
【0015】
本発明による化合物は、カルバゾールに重水素を導入してカルバゾールの性質を大きく変化させることなく、正孔および電子に対する安定性を高めた。これらの化合物は有機発光素子において有機物層物質、特に正孔注入物質および/または正孔輸送物質として用いられ、有機発光素子に用いる場合、素子の駆動電圧を下げ、光効率を向上させることができ、素子の寿命特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】基板1、正極2、発光層3、負極4からなる有機発光素子の例を示す図である。
【図2】基板1、正極2、正孔注入層5、正孔輸送層6、発光層7、電子輸送層8および負極4からなる有機発光素子の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
前記化学式1の置換基を詳細に説明すれば次の通りである。
【0018】
前記化学式1のXは、水素;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルキル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルコキシ基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルケニル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアリール基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールアミン基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを含む複素環基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたカルバゾリル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフルオレニル基;−N(R’)(R’’);ニトリル基;ニトロ基;ハロゲン基;−CO−N(R’)(R’’);および−COO−R’からなる群から選択されることが好ましく、
ここで、前記R’およびR’’は、各々独立に、水素、ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択されることが好ましい。
【0019】
また、前記化学式1のXがアリール基である場合、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、スチルベン基などの単環式芳香族環基およびナフチル基、アントラセニル基、フェナントレン基、ピレニル基、ペリレニル基などの多環式芳香族環基から選択されてもよく、Xが複素環基である場合、チオフェン基、フラン基、ピロリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、ピリジル基、ピラダジン基、キノリニル基、イソキノリン基およびアクリジル基からなる群から選択されてもよく、カルバゾリル基およびフルオレニル基から選択されてもよいが、これらに限定されるものではない。
【0020】
化学式1のLは、ニトロ、ニトリル、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数6〜40のアリーレン基;ニトロ、ニトリル、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換された2価の複素環基;またはニトロ、ニトリル、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフルオレニレン基であることが好ましい。
【0021】
また、前記Lは、ニトロ、ニトリル、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフェニレン基;ニトロ、ニトリル、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、O、NまたはSを含む炭素数5または6の2価の複素環基;またはニトロ、ニトリル、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフルオレニレン基であることがより好ましく、フェニレン基またはフルオレニレン基であることが最も好ましい。
【0022】
前記化学式1のRおよびRは、各々独立に、水素;重水素;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルキル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルコキシ基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルケニル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアリール基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールアミン基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを含む複素環基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたカルバゾリル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフルオレニル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアリールオキシ基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアリールチオ基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルコキシカルボニル基;ヒドロキシル基;カルボキシル基;ニトリル基;ニトロ基;ハロゲン基;−N(R’)(R’’);ニトリル基;ニトロ基;ハロゲン基;−CON(R’)(R’’);および−COO−R’からなる群から選択されることが好ましく、ここで、RおよびRは隣接基とともに脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、
前記R〜Rのうちの少なくとも1つは、重水素;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルケニル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールアミン基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを含む複素環基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたカルバゾリル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフルオレニル基;ニトリル基;−CO−N(R’)(R’’);および−COO−R’からなる群から選択されることが好ましく、ここで、R〜Rは隣接基とともに脂肪族またはヘテロの縮合環を形成することができ、R〜Rのうちの残りは水素または重水素であることが好ましい。
【0023】
また、前記RおよびRは、各々独立に、ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアリール基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールアミン基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、異種原子としてO、NまたはSを含む複素環基であることがより好ましい。
【0024】
また、前記RおよびRは、各々独立に、下記の基のうちの1つであることが最も好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0025】
【化2】

【0026】
前記化学式1のR〜R中のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基は、炭素数は特に限定されないが、1〜20の範囲であることが好ましい。
【0027】
化合物中に含まれているアルキル基の長さは、化合物の共役長には影響を及ぼさず、但し、付随的に化合物の有機発光素子への適用方法、例えば真空蒸着法または溶液塗布法の適用に影響を及ぼし得る。
【0028】
前記化学式1のR〜R中のアリール基の例としてはフェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、スチルベン基などの単環式芳香族およびナフチル基、アントラセニル基、フェナントレン基、ピレニル基、ペリレニル基などの多環式芳香族などが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。
【0029】
前記化学式1のR〜R中の複素環基の例としてはチオフェニル基、フラン基、ピロリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、ピリジル基、ピラダジン基、キノリニル基、イソキノリン基、アクリジル基などが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。
【0030】
化学式1の化合物は、好ましくは、下記化学式で示される化合物であってもよい。
【0031】
【化3】

【0032】
【化4】

【0033】
【化5】

【0034】
【化6】

【0035】
【化7】

【0036】
【化8】

【0037】
【化9】

【0038】
【化10】

【0039】
【化11】

【0040】
前記化学式1の化合物は、前記化学式1に示すようにカルバゾールにアリーレンなどが置換された構造をコア構造とし、様々な置換体、特に重水素を導入することにより、有機発光素子に用いられる有機物層として用いるのに好適な特性を有することができる。
【0041】
化合物の共役長とエネルギーバンドギャップは密接な関わりがある。具体的には、化合物の共役長が長いほど、エネルギーバンドギャップが小さくなる。前述したように、前記化学式1の化合物のコア構造中の共役構造は制限されているため、コア構造は、エネルギーバンドギャップが大きい性質を有する。
【0042】
本発明においては、上記のようにエネルギーバンドギャップが大きいコア構造のR〜R、およびX位置に様々な置換基を導入することにより、様々なエネルギーバンドギャップを有する化合物を合成することができる。通常、エネルギーバンドギャップの大きいコア構造に置換基を導入してエネルギーバンドギャップを調節するのは容易ではあるが、コア構造が、エネルギーバンドギャップが小さい場合には、置換基を導入してエネルギーバンドギャップを大きく調節することが難しい。また、本発明においては、前記のような構造のコア構造のR〜R、およびX位置に様々な置換基を導入することにより、化合物のHOMOおよびLUMOエネルギー準位も調節することができる。
【0043】
また、前記のような構造のコア構造に様々な置換基を導入することにより、導入された置換基の固有特性を有する化合物を合成することができる。例えば、有機発光素子の製造時に用いられる正孔注入層物質、正孔輸送層物質、発光層物質、および電子輸送層物質に主に用いられる置換基を前記コア構造に導入することにより、各有機物層に求められる条件を充足させる物質を合成することができる。
【0044】
前記化学式1の化合物はコア構造にアミン構造を含んでいるため、有機発光素子において、正孔注入および/または正孔輸送物質としての適切なエネルギー準位を有し得る。本発明においては、前記化学式1の化合物のうち、置換基に応じて適切なエネルギー準位を有する化合物を選択して有機発光素子に用いることにより、駆動電圧が低く、光効率の高い素子を実現することができる。
【0045】
また、前記コア構造に様々な置換基、特に水素または重水素を導入することにより、エネルギーバンドギャップを微細に調節することができ、その一方で、有機物の間での界面における特性を向上させて物質の用途を様々にすることができる。
【0046】
一方、前記化学式1の化合物は、ガラス転移温度(Tg)が高くて熱的安定性に優れる。このような熱的安定性の増加は素子に駆動安定性を提供する重要な要因となる。
【0047】
また、前記化学式1の化合物は、有機発光素子の製造時、真空蒸着法だけでなく、溶液塗布法によって有機物層として形成することができる。ここで、溶液塗布法とはスピンコーティング、ディップコーティング、インクジェット印刷、スクリーン印刷、スプレー法、ロールコーティングなどを意味するが、これらだけに限定されるものではない。
【0048】
本発明の有機発光素子は、有機物層のうちの1層以上が本発明の化合物、すなわち前記化学式1の化合物を含むことを除いては、当技術分野に知られている材料と方法により製造することができる。
【0049】
本発明の有機発光素子の有機物層は単層構造であってもよいが、2層以上の有機物層が積層された多層構造であってもよい。例えば、本発明の有機発光素子は、有機物層として正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などを含む構造であってもよい。但し、有機発光素子の構造はこれに限定されず、より少ない数の有機物層を含んでもよい。
【0050】
また、本発明の有機発光素子は、例えば、基板上に、第1電極、有機物層および第2電極を順次積層させることによって製造することができる。この時、スパッタリング法(sputtering)や電子ビーム蒸着法(e−beam evaporation)などのPVD(Physical Vapor Deposition)方法を用いることができるが、これらの方法だけに限定されるものではない。
【実施例】
【0051】
前記化学式1の化合物の製造方法およびこれらを用いた有機発光素子の製造は以下の実施例で具体的に説明する。但し、下記実施例は本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲がこれらによって限定されるものではない。
【0052】
<実施例1>化学式2で示される化合物の製造
【0053】
【化12】

【0054】
<実施例1−1>化合物Aの製造
N−フェニルカルバゾール(27g、111mmol)をクロロホルム(200mL)に溶かし、N−ブロモスクシンイミド(39.5g、222mmol)を添加した後、5時間常温で攪拌した。反応溶液に蒸留水を入れ、有機層を抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧蒸留後、テトラヒドロフランとエタノールで再結晶して化合物A(39g、収率88%)を得た。MS:[M+H]=401
【0055】
<実施例1−2>化合物Bの製造
前記実施例1−1で製造した化合物A(30g、74.8mmol)を無水テトラヒドロフラン(200ml)に溶かし、−78℃でn−ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液、36ml、89.8mmol)を入れ、1時間後、重水(2.24g、112mmol)を入れた。常温に昇温させた後に水(50ml)を入れ、攪拌後、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後、減圧蒸留した。ヘキサンで再結晶して化合物B(12g、収率50%)を得た。MS:[M+H]=323
【0056】
<実施例1−3>化合物Cの製造
前記実施例1−2で製造した化合物B(12g、37.2mmol)と4−クロロフェニルボロン酸(6.3g、40mmol)をテトラヒドロフラン(50ml)に溶かした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.86g、0.74mmol)と2N炭酸カリウム水溶液を入れ、12時間還流した。反応終了後、常温に冷却し、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧蒸留後、エタノールで再結晶して化合物C(11g、収率84%)を得た。MS:[M+H]=354
【0057】
<実施例1−4>化合物2の製造
前記実施例1−3で製造した化合物C(4g、11.3mmol)とビス(4−ビフェニリル)アミン(4.18g、13mmol)をキシレン(100ml)に溶解し、ナトリウム−Tert−ブトキシド(1.4g、14.7mmol)とビス(トリ−Tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.11g、0.23mmol)を添加した後、5時間窒素気流下で還流した。反応終了後、常温に冷却した後、酸性白土を入れて攪拌した。濾過後、減圧蒸留し、ヘキサン/テトラヒドロフラン=10/1溶媒でカラム精製して化学式2(3.9g、収率54%)を得た。MS:[M+H]=639
【0058】
<実施例2>化学式3で示される化合物の製造
【0059】
【化13】

【0060】
<実施例2−1>化合物Aの製造
カルバゾール(20g、119.6mmol)と4−ブロモビフェニル(28g、120mmol)をキシレン(400ml)に溶解し、ナトリウム−Tert−ブトキシド(15g、156mmol)とビス(トリ−Tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.6g、1.2mmol)を添加した後、12時間窒素気流下で還流した。反応終了後、常温に冷却した後、生成された固体を濾過した。トルエン、エタノールで順次洗浄した後に乾燥して化合物A(31.8g、収率83%)を得た。MS:[M+H]=320
【0061】
<実施例2−2>化合物Bの製造
前記実施例2−1で製造した化合物A(30g、93.9mmol)をクロロホルム(500mL)に溶かし、N−ブロモスクシンイミド(35.6g、200mmol)を添加した後、5時間常温で攪拌した。反応溶液に蒸留水を入れ、有機層を抽出した。減圧蒸留後、テトラヒドロフランとエタノールで再結晶して化合物B(39.4g、収率88%)を得た。MS:[M+H]=478
【0062】
<実施例2−3>化合物Cの製造
前記実施例2−2で製造した化合物B(35g、73.3mmol)を無水テトラヒドロフラン(500ml)に溶かし、−78℃でn−ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液、29.3ml、73.3mmol)を入れ、1時間後、重水(2.24g、112mmol)を入れた。常温に昇温させた後に水(50ml)を入れ、攪拌後、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後、減圧蒸留した。ヘキサンで再結晶して化合物C(14g、収率48%)を得た。MS:[M+H]=400
【0063】
<実施例2−4>化合物Dの製造
前記実施例2−3で製造した化合物C(14g、35mmol)と4−クロロフェニルボロン酸(5.9g、38mmol)をテトラヒドロフラン(150ml)に溶かした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.81g、0.7mmol)と2N炭酸カリウム水溶液を入れ、12時間還流した。反応終了後、常温に冷却し、生成された固体を濾過した。水とエタノールで順次洗浄した後に乾燥して化合物D(12.8g、収率85%)を得た。MS:[M+H]=431
【0064】
<実施例2−5>化学式3の製造
前記実施例2−4で製造した化合物D(10g、23.2mmol)とビス(4−ビフェニリル)アミン(7.7g、24mmol)をキシレン100mlに溶解し、ナトリウム−Tert−ブトキシド(2.9g、30mmol)とビス(トリ−Tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.11g、0.23mmol)を添加した後、5時間窒素気流下で還流した。反応終了後、常温に冷却し、生成された固体を濾過した。トルエンとエタノールで順次洗浄した後、クロロホルムに溶かし、酸性白土を入れて攪拌した。濾過後、減圧蒸留した後、テトラヒドロフランとエタノールで再結晶して化学式3(10.1g、収率61%)を得た。MS:[M+H]=716
【0065】
<実施例3>化学式4で示される化合物の製造
【0066】
【化14】

【0067】
<実施例3−1>化合物Aの製造
2−ブロモチオフェン(20g、122.7mmol)とフェニルボロン酸(15.9g、130.4mmol)をテトラヒドロフラン(150ml)に溶かした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.9g、2.5mmol)と2N炭酸カリウム水溶液を入れ、12時間還流した。反応終了後、常温に冷却し、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧蒸留後、0℃でヘキサンで再結晶して化合物A(17.2g、収率87%)を得た。MS:[M+H]=161
【0068】
<実施例3−2>化合物Bの製造
前記実施例3−1で製造した化合物A(15g、93.6mmol)を無水テトラヒドロフラン(300ml)に溶かし、−78℃でn−ブチルリチウム2.5Mヘキサン溶液(41.2ml、103mmol)を入れ、1時間後、トリメチルボレート(11.4g、110mmol)を入れた。1時間後、1N塩化水素水溶液を入れ、常温に昇温させた。有機層を分離した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧蒸留した。エチルエーテルとヘキサンで再結晶して化合物B(13g、収率68%)を得た。MS:[M+H]=205
【0069】
<実施例3−3>化合物Cの製造
前記実施例3−2で製造した化合物B(13g、63.7mmol)と1−ブロモ−3−ヨードベンゼン(19.8g、70mmol)をテトラヒドロフラン(200ml)に溶かした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.5g、1.3mmol)と2N炭酸カリウム水溶液を入れ、12時間還流した。反応終了後、常温に冷却し、有機層を分離した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧蒸留後、テトラヒドロフランとエタノールで再結晶して化合物C(14.8g、収率74%)を得た。MS:[M+H]=316
【0070】
<実施例3−4>化合物Dの製造
カルバゾール(5g、29.9mmol)と前記実施例3−3で製造した化合物C(9.4g、29.9mmol)をキシレン(100ml)に懸濁させ、ナトリウム−Tert−ブトキシド(3.7g、38mmol)とビス(トリ−Tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.15g、0.3mmol)を添加した後、12時間窒素気流下で還流した。反応終了後、常温に冷却した後、生成された固体を濾過した。トルエンとエタノールで順次洗浄した後に乾燥して化合物D(9.5g、収率79%)を得た。MS:[M+H]=402
【0071】
<実施例3−5>化合物Eの製造
前記実施例3−4で製造した化合物D(9g、22.4mmol)をクロロホルム(100mL)に溶かし、N−ブロモスクシンイミド(8g、45mmol)を添加した後、5時間常温で攪拌した。反応溶液に蒸留水を入れ、有機層を抽出した。減圧蒸留後、テトラヒドロフランとエタノールで再結晶して化合物E(11.2g、収率89%)を得た。MS:[M+H]=560
【0072】
<実施例3−6>化合物Fの製造
前記実施例3−5で製造した化合物E(11g、19.7mmol)を無水テトラヒドロフラン(200ml)に溶かし、−78℃でn−ブチルリチウム2.5Mヘキサン溶液(7.9ml、19.7mmol)を入れ、1時間後、重水(0.6g、30mmol)を入れた。常温に昇温させた後に水(50ml)を入れ、攪拌した後、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後、減圧蒸留した。テトラヒドロフランとエタノールで再結晶して化合物F(4.9g、収率52%)を得た。MS:[M+H]=482
【0073】
<実施例3−7>化合物Gの製造
前記実施例3−6で製造した化合物F(4.5g、9.3mmol)と4−クロロフェニルボロン酸(1.7g、11mmol)をテトラヒドロフラン(100ml)に溶かした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.22g、0.19mmol)と2N炭酸カリウム水溶液を入れ、12時間還流した。反応終了後、常温に冷却し、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濾過した。減圧蒸留後、テトラヒドロフランとエタノールで再結晶して化合物G(3.8g、収率79%)を得た。MS:[M+H]=513
【0074】
<実施例3−8>化学式4の製造
前記実施例3−7で製造した化合物G(3.5g、6.8mmol)とN−フェニル−1−ナフチルアミン(1.6g、7.3mmol)をキシレン(80ml)に溶解し、ナトリウム−Tert−ブトキシド(0.85g、8.8mmol)とビス(トリ−Tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.04g、0.08mmol)を添加した後、5時間窒素気流下で還流した。反応終了後、常温に冷却し、酸性白土を入れて攪拌した。濾過後、減圧蒸留した後、ヘキサン/テトラヒドロフラン=7/1溶媒でカラム精製して化学式4(2.9g、収率61%)を得た。MS:[M+H]=696
【0075】
<実施例4>化学式7で示される化合物の製造
【0076】
【化15】

【0077】
<実施例4−1>化合物Aの製造
前記実施例1−3で製造した化合物C(5g、14.1mmol)と1−アミノナフタレン(2g、14mmol)をトルエン(80ml)に溶解し、ナトリウム−Tert−ブトキシド(1.7g、18mmol)とビス(トリ−Tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.07g、0.14mmol)を添加した後、5時間窒素気流下で還流した。反応終了後、常温に冷却し、酸性白土を入れて攪拌した。濾過後、減圧蒸留した後、ヘキサン/テトラヒドロフラン=10/1溶媒でカラム精製して化合物A(2.9g、収率61%)を得た。MS:[M+H]=462
【0078】
<実施例4−2>化学式7の製造
前記実施例4−1で製造した化合物A(2.5g、5.4mmol)と2−ブロモ−9,9−ジメチルフルオレン(1.6g、5.9mmol)をトルエン(80ml)に溶解し、ナトリウム−Tert−ブトキシド(0.67g、7mmol)とビス(トリ−Tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.03g、0.06mmol)を添加した後、5時間窒素気流下で還流した。反応終了後、常温に冷却し、酸性白土を入れて攪拌した。濾過後、減圧蒸留した後、ヘキサン/テトラヒドロフラン=8/1溶媒でカラム精製して化合物7(2.1g、収率59%)を得た。MS:[M+H]=654
【0079】
<実施例5>化学式13で示される化合物の製造
【0080】
【化16】

【0081】
<実施例5−1>化合物Aの製造
硝酸(40ml)と酢酸(40ml)を混ぜた溶液に4,4’−ジブロモビフェニル(18g、57.7mmol)をジクロロメタン(50ml)と酢酸(300ml)に懸濁させて徐々に入れた。18時間後、反応液を水酸化ナトリウム水溶液に注いで中和し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧蒸留後、メタノールで再結晶して化合物A(16.9g、収率82%)を得た。MS:[M+H]=358
【0082】
<実施例5−2>化合物Bの製造
前記実施例5−1で製造した化合物A(16g、44.8mmol)とトリフェニルホスフィン(29.4g、112mmol)を混ぜ、o−ジクロロベンゼン(100ml)を入れ、攪拌しながら還流した。反応終了後、常温に冷却した後に減圧蒸留した。リグロイン/ジクロロメタン=3/1溶媒でカラム精製して化合物B(10.6g、収率73%)を得た。MS:[M+H]=326
【0083】
<実施例5−3>化合物Cの製造
前記実施例5−2で製造した化合物B(10g、30.7mmol)とヨードビフェニル(11.2g、40mmol)、炭酸カリウム(8.3g、60mmol)をジメチルアセトアミド(100ml)に懸濁させ、銅(2g、31.5mmol)を入れ、12時間窒素気流下で還流した。反応終了後、常温に冷却した後に濾過した。濾過液を水に注ぎ、クロロホルムで抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧蒸留後、ヘキサン/テトラヒドロフラン=10/1溶媒でカラム精製して化合物C(6.2g、収率42%)を得た。MS:[M+H]=478
【0084】
<実施例5−4>化合物Dの製造
前記実施例5−3で製造した化合物C(6g、12.6mmol)を無水テトラヒドロフラン(100ml)に溶かし、−78℃でn−ブチルリチウム2.5Mヘキサン溶液(12.1ml、30.2mmol)を入れ、1時間後、重水(1.1g、55mmol)を入れた。常温に昇温させた後に水(30ml)を入れ、攪拌後、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後に減圧蒸留した。テトラヒドロフランとエタノールで再結晶して化合物D(2.4g、収率59%)を得た。MS:[M+H]=322
【0085】
<実施例5−5>化合物Eの製造
前記実施例5−4で製造した化合物D(2g、6.2mmol)をクロロホルム(60mL)に溶かし、N−ブロモスクシンイミド(1.1g、6.2mmol)を添加した後、5時間常温で攪拌した。反応溶液に蒸留水を入れ、有機層を抽出した。減圧蒸留後、テトラヒドロフランとエタノールで再結晶して化合物E(1.8g、収率73%)を得た。MS:[M+H]=401
【0086】
<実施例5−6>化合物Fの製造
前記実施例5−5で製造した化合物E(1.5g、3.7mmol)と4−クロロフェニルボロン酸(0.69g、4.4mmol)をテトラヒドロフラン(70ml)に溶かした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.09g、0.07mmol)と2N炭酸カリウム水溶液を入れ、12時間還流した。反応終了後、常温に冷却し、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧蒸留後、テトラヒドロフランとエタノールで再結晶して化合物F(1.1g、収率69%)を得た。MS:[M+H]=432
【0087】
<実施例5−7>化学式13の製造
前記実施例5−6で製造した化合物F(1.1g、2.5mmol)とビス(4−ビフェニリル)アミン(0.87g、2.7mmol)をキシレン50mlに溶解し、ナトリウム−Tert−ブトキシド(0.32g、3.3mmol)とビス(トリ−Tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.02g、0.04mmol)を添加した後、5時間窒素気流下で還流した。反応終了後、常温に冷却し、酸性白土を入れて攪拌した。濾過後、減圧蒸留した後、テトラヒドロフランとエタノールで再結晶して化学式13(1.1g、収率61%)を得た。MS:[M+H]=717
【0088】
<実施例6>化学式17で示される化合物の製造
【0089】
【化17】

【0090】
<実施例6−1>化合物Aの製造
前記実施例5−6で製造した化合物F(2g、4.6mmol)とp−トルイジン(0.59g、5.5mmol)をキシレン(50ml)に溶解し、ナトリウム−Tert−ブトキシド(0.58g、6mmol)とビス(トリ−Tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.02g、0.04mmol)を添加した後、5時間窒素気流下で還流した。反応終了後、常温に冷却し、酸性白土を入れて攪拌した。濾過後、減圧蒸留した後、ヘキサン/テトラヒドロフラン=8/1溶媒でカラム精製して化合物A(1.6g、収率69%)を得た。MS:[M+H]=503
【0091】
<実施例6−2>化学式17の製造
前記実施例6−1で製造した化合物A(1.5g、3mmol)と2−ブロモ−9,9−ジメチルフルオレン(0.9g、3.3mmol)をキシレン(50ml)に溶解し、ナトリウム−Tert−ブトキシド(0.37g、3.9mmol)とビス(トリ−Tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.02g、0.04mmol)を添加した後、5時間窒素気流下で還流した。反応終了後、常温に冷却し、酸性白土を入れて攪拌した。濾過後、減圧蒸留した後、ヘキサン/テトラヒドロフラン=6/1溶媒でカラム精製して化学式17(1.2g、収率58%)を得た。MS:[M+H]=695
【0092】
<実施例7>化学式22で示される化合物の製造
【0093】
【化18】

【0094】
<実施例7−1>化合物Aの製造
前記実施例5−2で製造した化合物B(10g、30.7mmol)とヨードベンゼン(8.2g、40mmol)、炭酸カリウム(8.3g、60mmol)をジメチルアセトアミド(100ml)に懸濁させ、銅(2g、31.5mmol)を入れ、12時間窒素気流下で還流した。反応終了後、常温に冷却した後に濾過した。濾過液を水に注ぎ、クロロホルムで抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧蒸留後、ヘキサン/テトラヒドロフラン=12/1溶媒でカラム精製して化合物A(6.8g、収率55%)を得た。MS:[M+H]=402
【0095】
<実施例7−2>化合物Bの製造
前記実施例7−1で製造した化合物A(6g、15mmol)を無水テトラヒドロフラン(100ml)に溶かし、−78℃でn−ブチルリチウム2.5Mヘキサン溶液(13.2ml、33mmol)を入れ、1時間後、重水(1.2g、60mmol)を入れた。常温に昇温させた後に水(30ml)を入れ、攪拌後、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後に減圧蒸留した。エタノールで再結晶して化合物B(2.6g、収率71%)を得た。MS:[M+H]=246
【0096】
<実施例7−3>化合物Cの製造
前記実施例7−2で製造した化合物B(2.5g、10.2mmol)をクロロホルム(60mL)に溶かし、N−ブロモスクシンイミド(3.9g、22mmol)を添加した後、5時間常温で攪拌した。反応溶液に蒸留水を入れ、有機層を抽出した。減圧蒸留後、テトラヒドロフランとエタノールで再結晶して化合物C(3.7g、収率90%)を得た。MS:[M+H]=404
【0097】
<実施例7−4>化合物Dの製造
前記実施例7−3で製造した化合物C(3.5g、8.7mmol)を無水テトラヒドロフラン(80ml)に溶かし、−78℃でn−ブチルリチウム2.5Mヘキサン溶液(3.5ml、8.7mmol)を入れ、1時間後、重水(0.4g、20mmol)を入れた。常温に昇温させた後に水(20ml)を入れ、攪拌後、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後に減圧蒸留した。ヘキサンで再結晶して化合物D(1.3g、収率46%)を得た。MS:[M+H]=326
【0098】
<実施例7−5>化合物Eの製造
前記実施例7−4で製造した化合物D(1.2g、3.7mmol)と4−クロロフェニルボロン酸(0.69g、4.4mmol)をテトラヒドロフラン(70ml)に溶かした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.09g、0.07mmol)と2N炭酸カリウム水溶液を入れ、12時間還流した。反応終了後、常温に冷却し、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧蒸留後、テトラヒドロフランとエタノールで再結晶して化合物F(0.95g、収率72%)を得た。MS:[M+H]=357
【0099】
<実施例7−6>化学式22の製造
前記実施例7−5で製造した化合物E(0.9g、2.5mmol)とビス(4−ビフェニリル)アミン(0.87g、2.7mmol)をキシレン(50ml)に溶解し、ナトリウム−Tert−ブトキシド(0.32g、3.3mmol)とビス(トリ−Tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.02g、0.04mmol)を添加した後、5時間窒素気流下で還流した。反応終了後、常温に冷却し、酸性白土を入れて攪拌した。濾過後、減圧蒸留した後、テトラヒドロフランとエタノールで再結晶して化学式22(1.2g、収率75%)を得た。MS:[M+H]=642
【0100】
<実施例8>化学式27で示される化合物の製造
【0101】
【化19】

【0102】
<実施例8−1>化合物Aの製造
前記実施例5−4で製造した化合物D(5g、15.6mmol)をクロロホルム(80mL)に溶かし、N−ブロモスクシンイミド(5.7g、32mmol)を添加した後、5時間常温で攪拌した。反応終了後、生成された固体を濾過した。水とエタノールで順次洗浄した後に乾燥して化合物A(6.8g、収率91%)を得た。MS:[M+H]=480
【0103】
<実施例8−2>化合物Bの製造
【0104】
前記実施例8−1で製造した化合物A(6.5g、13.6mmol)を無水テトラヒドロフラン(100ml)に溶かし、−78℃でn−ブチルリチウム2.5Mヘキサン溶液(5.4ml、13.6mmol)を入れ、1時間後、重水(0.5g、25mmol)を入れた。常温に昇温させた後に水(20ml)を入れ、攪拌後、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後に減圧蒸留した。テトラヒドロフランとエタノールで再結晶して化合物B(2.9g、収率53%)を得た。MS:[M+H]=402
【0105】
<実施例8−3>化合物Cの製造
前記実施例8−2で製造した化合物B(2.5g、6.2mmol)と4−クロロフェニルボロン酸(1.1g、7mmol)をテトラヒドロフラン(70ml)に溶かした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.09g、0.07mmol)と2N炭酸カリウム水溶液を入れ、12時間還流した。反応終了後、常温に冷却し、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧蒸留後、テトラヒドロフランとエタノールで再結晶して化合物C(2.1g、収率78%)を得た。MS:[M+H]=433
【0106】
<実施例8−4>化合物Dの製造
前記実施例8−3で製造した化合物C(2g、4.6mmol)とアニリン(0.51g、5.5mmol)をキシレン(60ml)に溶解し、ナトリウム−Tert−ブトキシド(0.58g、6mmol)とビス(トリ−Tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.03g、0.06mmol)を添加した後、5時間窒素気流下で還流した。反応終了後、常温に冷却し、酸性白土を入れて攪拌した。濾過後、減圧蒸留し、ヘキサン/テトラヒドロフラン=7/1溶媒でカラム精製して化合物D(1.6g、収率71%)を得た。MS:[M+H]=490
【0107】
<実施例8−5>化学式27の製造
前記実施例8−4で製造した化合物D(1.5g、3.1mmol)と3−ブロモ−N−フェニルカルバゾール(1g、3.1mmol)をキシレン(60ml)に溶解し、ナトリウム−Tert−ブトキシド(0.38g、4mmol)とビス(トリ−Tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.02g、0.04mmol)を添加した後、5時間窒素気流下で還流した。反応終了後、常温に冷却し、酸性白土を入れて攪拌した。濾過後、減圧蒸留し、ヘキサン/テトラヒドロフラン=6/1溶媒でカラム精製して化学式27(1.5g、収率66%)を得た。MS:[M+H]=731
【0108】
<実施例9>化学式32で示される化合物の製造
【0109】
【化20】

【0110】
<実施例9−1>化合物Aの製造
硝酸(50ml)と酢酸(50ml)を混ぜた溶液に4,4’−ジブロモビフェニル−D8(20g、62.4mmol)をジクロロメタン(60ml)と酢酸(400ml)に懸濁させて徐々に入れた。18時間後、反応液を水酸化ナトリウム水溶液に注いで中和し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧蒸留した後、メタノールで再結晶して化合物A(17.5g、収率77%)を得た。MS:[M+H]=365
【0111】
<実施例9−2>化合物Bの製造
前記実施例9−1で製造した化合物A(17g、46.7mmol)とトリフェニルホスフィン(30.6g、116.8mmol)を混ぜ、o−ジクロロベンゼン(130ml)を入れ、攪拌しながら還流した。反応終了後、常温に冷却した後に減圧蒸留した。リグロイン/ジクロロメタン=3/1溶媒でカラム精製して化合物B(10.9g、収率71%)を得た。MS:[M+H]=332
【0112】
<実施例9−3>化合物Cの製造
前記実施例9−2で製造した化合物B(10g、30.2mmol)とヨードベンゼン(7.3g、36mmol)、炭酸カリウム(8.3g、60mmol)をジメチルアセトアミド(100ml)に懸濁させ、銅(2g、31.5mmol)を入れ、12時間窒素気流下で還流した。反応終了後、常温に冷却した後に濾過した。濾過液を水に注ぎ、クロロホルムで抽出した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧蒸留後、ヘキサン/テトラヒドロフラン=10/1溶媒でカラム精製して化合物C(6.1g、収率50%)を得た。MS:[M+H]=408
【0113】
<実施例9−4>化合物Dの製造
前記実施例9−3で製造した化合物C(6g、14.7mmol)を無水テトラヒドロフラン(120ml)に溶かし、−78℃でn−ブチルリチウム2.5Mヘキサン溶液(12.9ml、32.3mmol)を入れ、1時間後、重水(1.2g、60mmol)を入れた。常温に昇温させた後に水(30ml)を入れ、攪拌後、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後に減圧蒸留した。エタノールで再結晶して化合物D(2.3g、収率62%)を得た。MS:[M+H]=252
【0114】
<実施例9−5>化合物Eの製造
前記実施例9−4で製造した化合物D(2g、8mmol)をクロロホルム(60mL)に溶かし、N−ブロモスクシンイミド(1.4g、8mmol)を添加した後、5時間常温で攪拌した。反応溶液に蒸留水を入れ、有機層を抽出した。減圧蒸留後、精製過程を行うことなく、次の反応を進行した。
【0115】
<実施例9−6>化合物Fの製造
前記実施例9−5で製造した化合物Eと4−クロロフェニルボロン酸(1.5g、9.6mmol)をテトラヒドロフラン(80ml)に溶かした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.18g、0.16mmol)と2N炭酸カリウム水溶液を入れ、12時間還流した。反応終了後、常温に冷却し、有機層を分離して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧蒸留後、ヘキサン/テトラヒドロフラン=12/1溶媒でカラム精製して化合物F(1.1g、収率39%)を得た。MS:[M+H]=361
【0116】
<実施例9−7>化学式32の製造
前記実施例9−6で製造した化合物F(1g、2.8mmol)とビス(4−ビフェニリル)アミン(0.9g、2.8mmol)をキシレン(50ml)に溶解し、ナトリウム−Tert−ブトキシド(0.35g、3.6mmol)とビス(トリ−Tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.02g、0.04mmol)を添加した後、5時間窒素気流下で還流した。反応終了後、常温に冷却し、酸性白土を入れて攪拌した。濾過後、減圧蒸留した後、テトラヒドロフランとエタノールで再結晶して化学式32(1.2g、収率66%)を得た。MS:[M+H]=646
【0117】
<実験例1>
ITO(indium tin oxide)が1500Å厚さで薄膜コーティングされたガラス基板を、洗剤を溶かした蒸留水に入れて超音波で洗浄した。この時、洗剤としてはFischer Co.の製品を用い、蒸留水としてはMillipore Co.の製品のフィルタ(Filter)で2次フィルタリングした蒸留水を用いた。ITOを30分間洗浄した後、蒸留水で2回繰り返し超音波洗浄を10分間進行した。蒸留水洗浄が終わった後、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールの溶剤で超音波洗浄を行い、乾燥した後、プラズマ洗浄機に輸送した。また、酸素プラズマを利用して前記基板を5分間洗浄した後、真空蒸着機に基板を輸送した。
【0118】
このように準備したITO透明電極上に、下記化学式のヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(hexanitrile hexaazatriphenylene;HAT)を500Å厚さで熱真空蒸着して正孔注入層を形成した。
【0119】
【化21】

【0120】
前記正孔注入層上に、実施例1で製造された化学式2の化合物を400Å厚さで熱真空蒸着して正孔輸送層を形成した。
【0121】
次に、前記正孔輸送層上に、膜厚さ300Åで、下記のようなGHとGDを20:1の膜厚さの比で真空蒸着して発光層を形成した。
【0122】
【化22】

【0123】
前記発光層上に、下記のような電子輸送物質を200Å厚さで真空蒸着して電子注入および輸送層を形成した。
【0124】
【化23】

【0125】
前記電子注入および輸送層上に、12Å厚さでフッ化リチウム(LiF)と2000Å厚さでアルミニウムを順次蒸着して負極を形成した。
【0126】
前記過程において、有機物の蒸着速度は0.4〜0.7Å/secを維持し、負極のフッ化リチウムは0.3Å/sec、アルミニウムは2Å/secの蒸着速度を維持し、蒸着時における真空度は2×10−7〜5×10−8torrを維持した。
【0127】
前記で製造された有機発光素子に4.6Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cm2の電流密度において色座標が(0.32、0.65)である緑色光が28cd/Aで観察され、90%輝度までの寿命は300時間であった。
【0128】
<実験例2>
実験例1において、化学式2の化合物の代わりに化学式3の化合物を用いたことを除いては同じようにして有機EL素子を製作した。
【0129】
前記で製造された有機発光素子に4.7Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cm2の電流密度において色座標が(0.31、0.64)である緑色光が30cd/Aで観察され、90%輝度までの寿命は310時間であった。
【0130】
<実験例3>
実験例1において、化学式2の化合物の代わりに化学式4の化合物を用いたことを除いては同じようにして有機EL素子を製作した。
【0131】
前記で製造された有機発光素子に4.5Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cm2の電流密度において色座標が(0.32、0.65)である緑色光が29cd/Aで観察され、90%輝度までの寿命は340時間であった。
【0132】
<実験例4>
実験例1において、化学式2の化合物の代わりに化学式7の化合物を用いたことを除いては同じようにして有機EL素子を製作した。
【0133】
前記で製造された有機発光素子に4.6Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cm2の電流密度において色座標が(0.31、0.65)である緑色光が29cd/Aで観察され、90%輝度までの寿命は320時間であった。
【0134】
<実験例5>
実験例1において、化学式2の化合物の代わりに化学式13の化合物を用いたことを除いては同じようにして有機EL素子を製作した。
【0135】
前記で製造された有機発光素子に4.7Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cm2の電流密度において色座標が(0.32、0.64)である緑色光が30cd/Aで観察され、90%輝度までの寿命は350時間であった。
【0136】
<実験例6>
実験例1において、化学式2の化合物の代わりに化学式17の化合物を用いたことを除いては同じようにして有機EL素子を製作した。
【0137】
前記で製造された有機発光素子に4.6Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cm2の電流密度において色座標が(0.31、0.65)である緑色光が29cd/Aで観察され、90%輝度までの寿命は330時間であった。
【0138】
<実験例7>
実験例1において、化学式2の化合物の代わりに化学式22の化合物を用いたことを除いては同じようにして有機EL素子を製作した。
【0139】
前記で製造された有機発光素子に4.5Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cm2の電流密度において色座標が(0.32、0.65)である緑色光が29cd/Aで観察され、90%輝度までの寿命は370時間であった。
【0140】
<実験例8>
実験例1において、化学式2の化合物の代わりに化学式27の化合物を用いたことを除いては同じようにして有機EL素子を製作した。
【0141】
前記で製造された有機発光素子に4.6Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cm2の電流密度において色座標が(0.32、0.64)である緑色光が29cd/Aで観察され、90%輝度までの寿命は360時間であった。
【0142】
<実験例9>
実験例1において、化学式2の化合物の代わりに化学式32の化合物を用いたことを除いては同じようにして有機EL素子を製作した。
【0143】
前記で製造された有機発光素子に4.7Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cm2の電流密度において色座標が(0.32、0.65)である緑色光が30cd/Aで観察され、90%輝度までの寿命は390時間であった。
【0144】
<比較例1>
実験例1において、化学式2の化合物の代わりに下記化学式の4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)を用いたことを除いては同じようにして有機EL素子を製作した。
【0145】
【化24】

【0146】
前記で製造された有機発光素子に4.5Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cm2の電流密度において色座標が(0.32、0.64)である緑色光が27cd/Aで観察され、90%輝度までの寿命は140時間であった。
【0147】
<比較例2>
実験例1において、化学式2の化合物の代わりに下記化学式HT1の化合物を用いたことを除いては同じようにして有機EL素子を製作した。
【0148】
【化25】

【0149】
前記で製造された有機発光素子に4.6Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cm2の電流密度において色座標が(0.31、0.64)である緑色光が28cd/Aで観察され、90%輝度までの寿命は250時間であった。
【0150】
<比較例3>
実験例1において、化学式2の化合物の代わりに下記化学式HT2の化合物を用いたことを除いては同じようにして有機EL素子を製作した。
【0151】
【化26】

【0152】
前記で製造された有機発光素子に4.7Vの順方向電界を加えた結果、50mA/cm2の電流密度において色座標が(0.32、0.65)である緑色光が29cd/Aで観察され、90%輝度までの寿命は270時間であった。
【産業上の利用可能性】
【0153】
本発明の化合物は有機発光素子に用いられるものであり、このような化合物を有機物層として含む有機発光素子は寿命、効率、電気化学的安定性および熱的安定性が大きく向上される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1の化合物。
【化1】

[前記化学式1において、
Xは、水素;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルキル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルコキシ基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルケニル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアリール基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールアミン基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、ヘテロ原子としてO、NまたはSを含む複素環基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたカルバゾリル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフルオレニル基;−N(R’)(R’’);ニトリル基;ニトロ基;ハロゲン基;−CO−N(R’)(R’’);および−COO−R’からなる群から選択され、
ここで、前記R’およびR’’は、各々独立に、水素、ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択され、
Lは、ニトロ、ニトリル、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換された炭素数6〜40のアリーレン基;ニトロ、ニトリル、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換された2価の複素環基;またはニトロ、ニトリル、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフルオレニレン基であり、
およびRは、各々独立に、水素;重水素;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルキル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルコキシ基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルケニル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアリール基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールアミン基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、ヘテロ原子としてO、NまたはSを含む複素環基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたカルバゾリル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフルオレニル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアリールオキシ基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアリールチオ基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルコキシカルボニル基;ヒドロキシル基;カルボキシル基;ニトリル基;ニトロ基;ハロゲン基;−N(R’)(R’’);ニトリル基;ニトロ基;ハロゲン基;−CO−N(R’)(R’’);および−COO−R’からなる群から選択され、ここで、RおよびRは、隣接基とともに脂肪族またはヘテロの縮合環を形成してもよく、
〜Rのうちの少なくとも1つは、重水素;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアルケニル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールアミン基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、ヘテロ原子としてO、NまたはSを含む複素環基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたカルバゾリル基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフルオレニル基;ニトリル基;−CO−N(R’)(R’’);およびCOO−R’からなる群から選択され、ここで、R〜Rは隣接基とともに脂肪族またはヘテロの縮合環を形成してもよく、R〜Rのうちの残りは水素または重水素から選択される]
【請求項2】
化学式1のXは、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、スチルベン基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレン基、ピレニル基、ペリレニル基、カルバゾリル基、フルオレニル基、チオフェン基、フラン基、ピロリル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアゾリル基、ピリジル基、ピラダジン基、キノリニル基、イソキノリン基およびアクリジル基からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Lは、ニトロ、ニトリル、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフェニレン基;ニトロ、ニトリル、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、O、NまたはSを含む炭素数5または6の2価の複素環基;またはニトロ、ニトリル、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基およびアミノ基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたフルオレニレン基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Lはフェニレン基またはフルオレニレン基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
およびRは、各々独立に、ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されたアリール基;ハロゲン基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールアミン基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアリールアルキル基、置換もしくは非置換のアリールアルケニル基、置換もしくは非置換の複素環基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、ニトリル基およびアセチレン基からなる群から選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換され、ヘテロ原子としてO、NまたはSを含む複素環基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
およびRは、各々独立に、下記の基のいずれか1つである、請求項1に記載の化合物。
【化2】

【請求項7】
順次積層された、第1電極、発光層を有する1つ以上の層を含む有機物層および第2電極を含む有機発光素子であって、請求項1〜3の化学式1の化合物、または化学式1の化合物に熱硬化性基あるいは光硬化性官能基が導入された化合物を含む有機物層を1層以上含む、有機発光素子。
【請求項8】
前記有機物層は正孔輸送層を含み、正孔輸送層が化学式1の化合物、または化学式1の化合物に熱硬化性基あるいは光硬化性官能基が導入された化合物を含む、請求項7に記載の有機発光素子。
【請求項9】
前記有機物層は正孔注入層を含み、正孔注入層が化学式1の化合物、または化学式1の化合物に熱硬化性基あるいは光硬化性官能基が導入された化合物を含む、請求項7に記載の有機発光素子。
【請求項10】
前記有機物層は正孔の注入および輸送をともにする層を含み、その層が化学式1の化合物、または化学式1の化合物に熱硬化性基あるいは光硬化性官能基が導入された化合物を含む、請求項7に記載の有機発光素子。
【請求項11】
前記有機物層は電子注入および電子輸送層を含み、電子注入または電子輸送層が化学式1の化合物、または化学式1の化合物に熱硬化性基あるいは光硬化性官能基が導入された化合物を含む、請求項7に記載の有機発光素子。
【請求項12】
前記発光層が化学式1の化合物、または化学式1の化合物に熱硬化性基あるいは光硬化性官能基が導入された化合物を含む、請求項7に記載の有機発光素子。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−503055(P2011−503055A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533010(P2010−533010)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【国際出願番号】PCT/KR2008/006564
【国際公開番号】WO2009/061145
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】