説明

新生児Fcレセプター(FcRn)結合ポリペプチド改変体、ダイマーFc結合タンパク質、およびそれらに関連する方法

本発明の組成物および方法は、部分的には、Fc含有ポリペプチドによって媒介されるエフェクター機能が、(例えば、静電最適化によって)ポリペプチド内の1以上のアミノ酸残基を修飾することによって改変することができるという本発明者らの発見に基づく。本発明の方法に従って生じさせることができるポリペプチドは高度に可変的であって、それらは、Fc領域またはその生物学的に活性な部分を含有する抗体および融合蛋白質を含むことができる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
Fc領域の少なくとも1つのFcRn結合部分を含む改変されたポリペプチドであって、ここに、該ポリペプチドは出発ポリペプチドと比較して少なくとも1つの変異を含み、そして、該少なくとも1つの変異は:
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置248における置換;
正に荷電したアミノ酸でのEUアミノ酸位置249における置換;
極性アミノ酸またはリシンでのEUアミノ酸位置251における置換;
極性アミノ酸でのEUアミノ酸位置252における置換;
極性アミノ酸でのEUアミノ酸位置255における置換;
リシンでのEUアミノ酸位置256における置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置257における置換;
極性アミノ酸または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置258における置換;
EUアミノ酸位置277における置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置279における置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置280における置換;
荷電アミノ酸またはグルタミンでのEUアミノ酸位置281における置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置282における置換;
極性アミノ酸または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置284における置換;
正に荷電したアミノ酸、極性アミノ酸またはアスパラギン酸でのEUアミノ酸位置285における置換;
グルタミン酸、スレオニン、またはメチオニンでのEUアミノ酸位置286における置換;
極性アミノ酸または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置287における置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置288における置換;
EUアミノ酸位置289における置換;
極性アミノ酸または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置304における置換;
極性アミノ酸または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置305における置換;
EUアミノ酸位置306における置換;
極性または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置307における置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置308における置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置309における置換;
荷電アミノ酸または極性アミノ酸でのEUアミノ酸位置310における置換;
正に荷電したアミノ酸でのEUアミノ酸位置311における置換;
正に荷電したアミノ酸または極性アミノ酸でのEUアミノ酸位置312における置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置313における置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置315における置換;
正に荷電したアミノ酸でのEUアミノ酸位置316における置換;
荷電アミノ酸または極性アミノ酸でのEUアミノ酸位置317における置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置340における置換;
極性アミノ酸または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置343における置換;
ロイシンでのEUアミノ酸位置344における置換;
極性アミノ酸または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置345における置換;
極性アミノ酸または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置376における置換;
セリンでのEUアミノ酸位置378における置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置383における置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置385における置換;
負に荷電したアミノ酸でのEUアミノ酸位置389における置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置424における置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置426における置換;
極性アミノ酸または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置430における置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置431における置換;
極性アミノ酸でのEUアミノ酸位置432における置換;
リシン、アルギニン、またはロイシンでのEUアミノ酸位置434における置換;
負に荷電したアミノ酸でのEUアミノ酸位置436における置換;および
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置438における置換;
からなる群より選択される、改変されたポリペプチド。
【請求項2】
Fc領域の少なくとも1つのFcRu結合部分を含む改変されたポリペプチドであって、ここに、該ポリペプチドは出発ポリペプチドと比較して少なくとも1つの変異を含み、そして、該少なくとも1つの変異が:
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置248におけるリシンの置換;
正に荷電したアミノ酸でのEUアミノ酸位置249におけるアスパラギン酸の置換;
極性アミノ酸またはリシンでのEUアミノ酸位置251におけるロイシンの置換;
EUアミノ酸位置252におけるメチオニンの置換;
極性アミノ酸でのEUアミノ酸位置255におけるアルギニンの置換;
リシンでのEUアミノ酸位置256におけるスレオニンの置換;
荷電されたアミノ酸でのEUアミノ酸位置257におけるプロリンの置換;
極性アミノ酸または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置258におけるグルタミン酸の置換;
EUアミノ酸位置277におけるトリプトファンの置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置279におけるバリンの置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置280におけるアスパラギン酸の置換;
荷電アミノ酸またはグルタミンでのEUアミノ酸位置281におけるグリシンの置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置282におけるバリンの置換;
極性アミノ酸または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置284におけるバリンの置換;
荷電アミノ酸または極性アミノ酸でのEUアミノ酸位置285におけるヒスチジンまたはアラニンの置換;
正に荷電したアミノ酸、極性アミノ酸、またはアスパラギン酸でのEUアミノ酸位置285におけるヒスチジンまたはアラニンの置換;
グルタミン酸、スレオニンまたはメチオニンでのEUアミノ酸位置286におけるアスパラギンまたはリシンの置換;
極性アミノ酸または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置287におけるアラニンの置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置288におけるリシンの置換;
EUアミノ酸位置289におけるスレオニンの置換;
極性アミノ酸または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置304におけるセリンの置換;
極性アミノ酸または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置305におけるバリンの置換;
EUアミノ酸位置306におけるロイシンまたはバリンの置換;
極性アミノ酸または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置307におけるスレオニンまたはバリンの置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置308におけるバリンの置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置309におけるロイシンの置換;
荷電アミノ酸または極性アミノ酸でのEUアミノ酸位置310におけるヒスチジンの置換;
正に荷電したアミノ酸でのEUアミノ酸位置311におけるグルタミンの置換;
正に荷電したアミノ酸または極性アミノ酸でのEUアミノ酸位置312におけるアスパラギン酸またはロイシンの置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置313におけるアスパラギンの置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置315におけるアスパラギンの置換;
正に荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置316におけるアスパラギンの置換;
荷電アミノ酸または極性アミノ酸でのEUアミノ酸位置317におけるリシンの置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置340におけるリシンの置換;
極性アミノ酸または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置343におけるプロリンの置換;
ロイシンでのEUアミノ酸位置344におけるアルギニンの置換;
極性アミノ酸または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置345におけるグルタミン酸の置換;
極性アミノ酸または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置376におけるアスパラギン酸の置換;
セリンでのEUアミノ酸位置378におけるアラニンの置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置383におけるセリンの置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置385におけるグリシンの置換;
負に荷電したアミノ酸でのEUアミノ酸位置389におけるアスパラギンの置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置424におけるセリンの置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置426におけるセリンの置換;
極性アミノ酸または荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置430におけるグルタミン酸の置換;
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置431におけるロイシンの置換;
極性アミノ酸でのEUアミノ酸位置432におけるヒスチジンの置換;
リシン、アルギニン、またはロイシンでのEUアミノ酸位置434におけるアスパラギンの置換;
負に荷電したアミノ酸でのEUアミノ酸位置436におけるチロシンの置換;および
荷電アミノ酸でのEUアミノ酸位置438におけるグルタミンの置換
からなる群より選択される、改変されたポリペプチド。
【請求項3】
EUアミノ酸位置277、EUアミノ酸位置289、EUアミノ酸位置306、EUアミノ酸位置344またはEUアミノ酸位置378の少なくとも1つにおけるアミノ酸が、荷電アミノ酸、極性アミノ酸、または非極性アミノ酸で置換された、請求項1または2に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項4】
前記荷電アミノ酸が、負に荷電したアミノ酸である、請求項3に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項5】
前記負に荷電したアミノ酸が、アスパラギン酸およびグルタミン酸からなる群より選択される、請求項4に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項6】
前記荷電アミノ酸が、正に荷電したアミノ酸である、請求項3に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項7】
前記正に荷電したアミノ酸が、アルギニン、ヒスチジン、およびリシンからなる群より選択される、請求項6に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項8】
前記正に荷電したアミノ酸が、リシンである、請求項7に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項9】
前記極性アミノ酸が、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、セリン、スレオニン、チロシン、アスパラギン、グルタミンおよびシステインからなる群より選択される、請求項3に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項10】
前記非極性アミノ酸が、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、およびプロリンからなる群より選択される、請求項3に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項11】
前記改変されたポリペプチドが、抗体またはそのフラグメントである、請求項1または2に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項12】
前記改変されたポリペプチドが、融合蛋白質である、請求項1または2に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項13】
前記Fc領域またはそのFcRn結合部分が、ヒト抗体に由来する、請求項1または2に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項14】
完全なFc領域を含む、請求項13に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項15】
前記出発ポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸配列を含む、請求項14に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項16】
前記Fc領域またはそのFc結合部分がIgGアイソタイプのものである、請求項11〜13に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項17】
前記IgGアイソタイプがIgG1サブクラスのものである、請求項16に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項18】
前記ポリペプチドが、VまたはVの相補性決定領域(CDR)における1以上の非ヒトアミノ酸残基を含む、請求項11〜13に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項19】
前記ポリペプチドが、(a)抗原および(b)FcRに結合する、請求項11または13に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項20】
前記抗原が、腫瘍関連抗原である、請求項19に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項21】
前記ポリペプチドが(a)リガンドおよび(b)FcRに結合する、請求項12に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項22】
前記FcRがFcRnである、請求項19または21に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項23】
前記ポリペプチドが、前記変異を含まない出発ポリペプチドと比較して異なる結合親和性にてFcRに結合する、請求項19または21に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項24】
前記改変されたポリペプチドの結合親和性が、前記出発ポリペプチドよりも約1.5倍〜約100倍大きい、請求項23に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項25】
前記改変されたポリペプチドの結合親和性が、前記出発ポリペプチドよりも約1.5倍〜約100倍低い、請求項34に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項26】
前記改変されたポリペプチドが、第一のpHにおいてFcRに対して1つの結合親和性を示し、そして第二のpHにおいてFcRに対する異なる結合親和性を示す、請求項19または21に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項27】
前記改変されたポリペプチドの結合親和性が、前記第二のpHよりも前記第一のpHにおいて約1.5倍〜約100倍大きい、請求項26に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項28】
前記改変された抗体の結合親和性が、前記第二のpHよりも前記第一のpHにおいて約1.5倍〜約100倍低い、請求項27に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項29】
前記改変されたポリペプチドは、患者に投与された場合、前記変異を含まない出発ポリペプチドとは異なる循環半減期を示す、請求項11〜13に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項30】
前記改変されたポリペプチドの半減期が、前記変異を含まない出発ポリペプチドよりも約1時間〜約1週間長い、請求項29に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項31】
前記改変されたポリペプチドの半減期が、前記変異を含まない出発ポリペプチドよりも約1時間〜約1週間短い、請求項30に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項32】
前記改変されたポリペプチドが、プロテインAまたはプロテインGに結合する、請求項1または2に記載の改変されたポリペプチド。
【請求項33】
請求項1または2に記載の改変されたポリペプチドを含む、薬学的組成物。
【請求項34】
請求項1または2に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
【請求項35】
発現ベクター中に存在する、請求項34に記載の核酸分子。
【請求項36】
請求項35に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
【請求項37】
障害に罹う患者を処置するための方法であって、該方法は、
少なくとも1つの変異を含むFc領域の少なくとも1つのFcRn結合部分を含む改変されたポリペプチドを該患者に投与する工程
を包含し、該少なくとも1つの変異は、
グルタミン酸でのEUアミノ酸位置284における置換;
グルタミン酸でのEUアミノ酸位置285における置換;
アスパラギン酸でのEUアミノ酸位置286における置換;
グルタミン酸またはアスパラギン酸でのEUアミノ酸位置288における置換;
グルタミン酸でのEUアミノ酸位置290における置換;および
アスパラギン酸でのEUアミノ酸位置304における置換
からなる群より選択され、ここで該改変されたポリペプチドは、該変異を含まない出発ポリペプチドよりも長い循環半減期を示す、方法。
【請求項38】
障害に罹う患者を処置するための方法であって、該方法は、
少なくとも1つの変異を含むFc領域の少なくとも1つのFcRn結合部分を含む改変されたポリペプチドを該患者に投与する工程
を包含し、該少なくとも1つの変異は、
グルタミン酸でのEUアミノ酸位置284におけるバリンの置換;
グルタミン酸でのEUアミノ酸位置285におけるヒスチジンの置換;
アスパラギン酸でのEUアミノ酸位置286におけるアスパラギンの置換;
グルタミン酸またはアスパラギン酸でのEUアミノ酸位置288におけるリシンの置換;
グルタミン酸でのEUアミノ酸位置290におけるリシンの置換;および
アスパラギン酸でのEUアミノ酸位置304におけるセリンの置換
からなる群より選択され、ここで該改変されたポリペプチドは、該変異を含まない出発ポリペプチドよりも長い循環半減期を示す、方法。
【請求項39】
障害に罹う患者を処置するための方法であって、該方法は、
少なくとも1つの変異を含むFc領域の少なくとも1つのFcRn結合部分を含む改変されたポリペプチドを該患者に投与する工程
を包含し、該少なくとも1つの変異は、
アスパラギン酸でのEUアミノ酸位置248における置換;
アルギニンまたはリシンでのEUアミノ酸位置249における置換;
アルギニンまたはリシンでのEUアミノ酸位置250における置換;
アルギニン、リシン、またはアスパラギンでのEUアミノ酸位置251における置換;
セリンまたはスレオニンでのEUアミノ酸位置252における置換;
セリンまたはスレオニンでのEUアミノ酸位置254における置換;
アルギニン、グルタミン酸、またはリシンでのEUアミノ酸位置256における置換;
ロイシン、アスパラギン酸またはメチオニンでのEUアミノ酸位置255における置換;
リシンでのEUアミノ酸位置260における置換;
アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、またはリシンでのEUアミノ酸位置257における置換;
アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、またはリシンでのEUアミノ酸位置277における置換;
グルタミン酸でのEUアミノ酸位置279における置換;
グルタミンでのEUアミノ酸位置281における置換;
アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、またはリシンでのEUアミノ酸位置282における置換;
アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、プロリン、またはスレオニンでのEUアミノ酸位置287における置換;
アスパラギン酸でのEUアミノ酸位置284における置換;
アスパラギン酸またはフェニルアラニンでのEUアミノ酸位置285における置換;
グルタミン酸またはメチオニンでのEUアミノ酸位置286における置換;
アスパラギン酸でのEUアミノ酸位置288における置換;
アスパラギン酸でのEUアミノ酸位置290における置換;
アスパラギン酸またはグルタミン酸でのEUアミノ酸位置304における置換;
アルギニンでのEUアミノ酸位置305における置換;
アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、またはリシンでのEUアミノ酸位置306における置換;
アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸でのEUアミノ酸位置307における置換;
アルギニン、アスパラギン酸、リシンまたはグルタミン酸でのEUアミノ酸位置309における置換;
アルギニン、ロイシン、リシンまたはアスパラギンでのEUアミノ酸位置310における置換;
アルギニン、アスパラギン、またはリシンでのEUアミノ酸位置312における置換;
アスパラギン酸、アルギニン、またはリシンでのEUアミノ酸位置313における置換;
アスパラギン酸またはグルタミン酸でのEUアミノ酸位置315における置換;
グルタミンまたはリシンでのEUアミノ酸位置343における置換;
アルギニンまたはグルタミンでのEUアミノ酸位置345における置換;
アルギニン、リシン、またはロイシンでのEUアミノ酸位置374における置換;
アスパラギンでのEUアミノ酸位置376における置換;
アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸でのEUアミノ酸位置426における置換;
アルギニン、グルタミン酸、またはリシンでのEUアミノ酸位置428における置換;
リシンでのEUアミノ酸位置430における置換;
プロリンでのEUアミノ酸位置431における置換;
アルギニンでのEUアミノ酸位置432における置換;
ロイシンまたはリシンでのEUアミノ酸位置434における置換;および
グルタミン酸でのEUアミノ酸位置438における置換;
からなる群より選択され、ここで該改変されたポリペプチドは、該変異を含まない出発ポリペプチドよりも短い循環半減期を示す、方法。
【請求項40】
障害に罹う患者を処置するための方法であって、該方法は、
少なくとも1つの変異を含むFc領域の少なくとも1つのFcRn結合部分を含む改変されたポリペプチドを該患者に投与する工程
を包含し、該少なくとも1つの変異は、
アスパラギン酸でのEUアミノ酸位置248におけるリシンの置換;
アルギニンまたはリシンでのEUアミノ酸位置249におけるアスパラギン酸の置換;
アルギニンまたはリシンでのEUアミノ酸位置250におけるスレオニンの置換;
アルギニン、リシン、またはアスパラギンでのEUアミノ酸位置251におけるロイシンの置換;
セリンまたはスレオニンでのEUアミノ酸位置252におけるメチオニンの置換;
セリンまたはスレオニンでのEUアミノ酸位置254におけるメチオニンの置換;
アルギニン、グルタミン酸またはリシンでのEUアミノ酸位置256におけるスレオニンの置換;
ロイシン、アスパラギン酸またはメチオニンでのEUアミノ酸位置アミノ酸位置255におけるアルギニンの置換;
リシンでのEUアミノ酸位置260におけるスレオニンの置換;
アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、またはリシンでのEUアミノ酸位置257におけるプロリンの置換;
アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン、またはリシンでのEUアミノ酸位置277におけるトリプトファンの置換;
グルタミン酸でのEUアミノ酸位置279におけるバリンの置換;
グルタミンでのEUアミノ酸位置281におけるグリシンの置換;
アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、またはリシンでのEUアミノ酸位置282におけるバリンの置換;
アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、プロリン、またはスレオニンでのEUアミノ酸位置287におけるアラニンの置換;
アスパラギン酸でのEUアミノ酸位置284におけるバリンの置換;
アスパラギン酸またはフェニルアラニンでのEUアミノ酸位置285におけるヒスチジンの置換;
グルタミン酸またはメチオニンでのEUアミノ酸位置286におけるアスパラギンの置換;
アスパラギン酸でのEUアミノ酸位置288におけるリシンの置換;
アスパラギン酸でのEUアミノ酸位置290におけるリシンの置換;
アスパラギン酸またはグルタミン酸でのEUアミノ酸位置304におけるセリンの置換;
アルギニンでのEUアミノ酸位置305におけるバリンの置換;
アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、またはリシンでのEUアミノ酸位置306におけるロイシンの置換;
アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸でのEUアミノ酸位置307におけるスレオニンの置換;
アルギニン、アスパラギン酸、リシンまたはグルタミン酸でのEUアミノ酸位置309におけるロイシンの置換;
アルギニン、ロイシン、リシンまたはアスパラギンでのEUアミノ酸位置310におけるヒスチジンの置換;
アルギニン、アスパラギン、またはリシンでのEUアミノ酸位置312におけるアスパラギン酸の置換;
アスパラギン酸、アルギニン、またはリシンでのEUアミノ酸位置313におけるトリプトファンの置換;
アスパラギン酸またはグルタミン酸でのEUアミノ酸位置315におけるアスパラギンの置換;
グルタミンまたはリシンでのEUアミノ酸位置343におけるプロリンの置換;
アルギニンまたはグルタミンでのEUアミノ酸位置345におけるグルタミン酸の置換;
アルギニン、リシン、またはロイシンでのEUアミノ酸位置374におけるプロリンの置換;
アスパラギンでのEUアミノ酸位置376におけるアスパラギン酸の置換;
アルギニン、アスパラギン酸、またはグルタミン酸でのEUアミノ酸位置426におけるセリンの置換;
アルギニン、グルタミン、またはリシンでのEUアミノ酸位置428におけるメチオニンの置換;
リシンでのEUアミノ酸位置430におけるグルタミン酸の置換;
プロリンでのEUアミノ酸位置431におけるアラニンの置換;
アルギニンでのEUアミノ酸位置432におけるロイシンの置換;
ロイシンまたはリシンでのEUアミノ酸位置434におけるアスパラギンの置換;および
グルタミン酸でのEUアミノ酸位置438におけるグルタミンの置換
からなる群より選択され、ここで該改変されたポリペプチドは、該変異を含まない出発ポリペプチドよりも短い循環半減期を示す、方法。
【請求項41】
請求項1または2に記載の改変されたポリペプチドを生産する方法であって、該方法は:
(a)該改変されたポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を用いて細胞をトランスフェクトする工程;および
(b)該細胞または細胞上清から該改変されたポリペプチドを精製する工程
を包含する、方法。
【請求項42】
請求項11または13に記載の抗体を生産する方法であって、該方法は:
(a)該抗体の軽鎖の可変領域(V)および定常領域(C)をコードするヌクレオチド配列を含む、第一の核酸分子を提供する工程;
(b)該抗体の重鎖の可変領域(V)および定常領域(CH、CHおよびCH)をコードするヌクレオチド配列を含む、第二の核酸分子を提供する工程;
(c)該コードされた軽鎖および重鎖を含む改変された抗体の発現を可能とする条件下で、第一の核酸分子および第二の核酸分子を用いて細胞をトランスフェクトする工程;ならびに
(d)該細胞または細胞上清から該抗体を精製する工程
を包含する、方法。
【請求項43】
前記細胞が293細胞である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
第一のポリペプチド鎖および第二のポリペプチド鎖を含むダイマーFc結合蛋白質であって、ここで該第一のポリペプチド鎖および第二のポリペプチド鎖は、各々、Fc結合ドメインに作動可能に連結された少なくとも1つのFc領域ドメインを含む、ダイマーFc結合蛋白質。
【請求項45】
前記Fcドメインが、FcRnへの結合を低下または排除するように変異された、請求項44に記載のダイマーFc結合蛋白質。
【請求項46】
前記第一のポリペプチド鎖および第二のポリペプチド鎖が、共有結合により連結された、請求項44に記載のダイマーFc結合蛋白質。
【請求項47】
前記Fc結合ドメインが、FcRnの細胞外ドメインを含む、請求項44に記載のダイマーFc結合蛋白質。
【請求項48】
前記Fc結合ドメインが、β−2−ミクログロブリンに結合される、請求項44に記載のダイマーFc結合蛋白質。
【請求項49】
前記Fc結合ドメインが、ヒトFcRnに由来する、請求項44に記載のダイマーFc結合蛋白質。
【請求項50】
前記結合蛋白質が、配列番号10に示されたアミノ酸配列を含む、請求項59に記載のダイマーFc結合蛋白質。
【請求項51】
FcRに対するFc領域の少なくとも1つのFcRn結合部分を含むポリペプチドの結合親和性を測定するための方法であって、該方法は、
Fc領域の少なくとも1つのFcRn結合部分を含むポリペプチドを、請求項44に記載のダイマーFc結合蛋白質と接触させる工程、および、
相互作用の親和性を測定する工程
を包含する、方法。
【請求項52】
ポリペプチドのライブラリーをスクリーニングするための方法であって、該ポリペプチドは、FcRnに対する改変された結合親和性を有するこれらのポリペプチドに対するFc領域の少なくとも1つのFcRn結合部分を含み、該方法は、
(a)該ライブラリーのメンバーと請求項44に記載のダイマーFc結合蛋白質とを接触させる工程;
(b)該ダイマーFc結合蛋白質に対するポリペプチドの結合親和性を測定する工程;および
(c)FcRnに対する改変された結合親和性を有するこれらのポリペプチドを選択する工程
を包含する、方法。
【請求項53】
ポリペプチドの混合物から、Fc領域の少なくとも1つのFcRn結合部分を含むポリペプチドを精製するための方法であって、該方法は、
請求項44に記載のダイマーFc結合蛋白質を含むアフィニティーカラムに該混合物を適用する工程、
該ポリペプチドが精製されるように、Fc領域の少なくとも1つのFcRn結合部分を含むポリペプチドを溶出させる工程
を包含する、方法。
【請求項54】
前記混合物が、第一のpHにおいてアフィニティーカラムに適用され、そして前記ポリペプチドが、第二のpHにおいてアフィニティーカラムから溶出される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記ポリペプチドが、精製プロセスの間に変性されない、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
出発ポリペプチドと比較してFcRnに対する改変された結合親和性を有するポリペプチドを同定するための方法であって、該方法は、
(a)出発ポリペプチドのアミノ酸の最適電荷分布と、溶媒中にてFcRnに結合された場合の該出発ポリペプチドの結合自由エネルギーの関連する変化との空間的表示を決定する工程;
(b)FcRnに結合された場合の出発ポリペプチドの結合自由エネルギーを改変するように修飾された出発ポリペプチドの少なくとも1つの候補アミノ酸残基位置を同定する工程;ならびに
(c)該出発ポリペプチドにおける変異の取り込みが、FcRnに対する改変された結合親和性を有する改変されたポリペプチドを生じるように、選択されたアミノ酸を該アミノ酸の位置において同定する工程
を包含する、方法。
【請求項57】
前記選択されたアミノ酸を前記出発ポリペプチドに取り込む工程をさらに包含する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記FcRnに結合された場合の前記出発ポリペプチドと比較して、該FcRnに結合された場合の改変されたFc含有ポリペプチドの結合の自由エネルギーの変化を計算する工程をさらに包含する、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記計算する工程が、まず、前記出発ポリペプチドにおいて変異をインシリコでモデリングする工程、次いで、結合の自由エネルギーの変化を計算する工程を包含する、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記計算する工程が、ポアソン−ボルツマン方程式に基づく方法を用いた静電結合エネルギーの決定、ファンデルワールス結合エネルギーの決定、および溶媒接触可能表面面積に基づく方法を用いた結合エネルギーの決定からなる群より選択される、少なくとも1つの決定を用いる、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記変異がアミノ酸置換である、請求項56に記載の方法。
【請求項62】
前記アミノ酸置換が、前記候補アミノ酸とは異なる電荷を有する選択されたアミノ酸の取り込みを生じる、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記変異が、溶媒中で結合された場合の改変されたFc含有ポリペプチドとFcRnとの間の結合の自由エネルギーを増加させ、それにより、FcRnに対する該改変されたFc含有ポリペプチドの結合親和性を減少させる、請求項56に記載の方法。
【請求項64】
前記変異が、溶媒中で結合された場合の改変されたFc含有ポリペプチドとFcRnとの間の結合の自由エネルギーを減少させ、それにより、FcRnに対する該改変されたFc含有ポリペプチドの結合親和性を増加させる、請求項56に記載の方法。
【請求項65】
2つの異なるpHレベルにおいてFcRnに対する改変された結合親和性を有する改変されたFc含有ポリペプチドを同定するための方法であって、該方法は:
(a)第一のpHレベルにおいて、出発ポリペプチドのアミノ酸の最適電荷分布と、溶媒中でFcRnに結合された場合の該出発ポリペプチドの結合自由エネルギーの関連する変化との空間的表示を決定する工程;
(b)第二のpHレベルにおいて、該出発ポリペプチドのアミノ酸の最適電荷分布と、溶媒中でFcRnに結合された場合の該出発ポリペプチドの結合自由エネルギーの関連する変化との空間的表示を決定する工程;
(c)電荷分布の比較に基づいて、該第一のpHレベルおよび第二のpHレベルにおいて異なる電荷分布を示す残基を同定する工程であって、該出発ポリペプチドの少なくとも1つの候補アミノ酸残基の位置は、FcRnに結合された場合の該出発ポリペプチドの結合自由エネルギーを改変するように修飾される、工程;ならびに
(d)該出発ポリペプチドにおける選択されたアミノ酸取り込みが、FcRnに対する改変された結合親和性を有する改変されたFc含有ポリペプチドを生じるように、選択されたアミノ酸を該アミノ酸位置において選択する工程
を包含する、方法。
【請求項66】
前記第一のpHが約7.4である、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
ポリペプチドの親和性が、第二のpHにおけるよりも第一のpHにおいて約1.5倍〜約100倍大きい、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
第一のpHにおいてFcRnに対する親和性を示し、第二のpHにおいてFcRnに対する異なる親和性を示す改変されたポリペプチドであって、該ポリペプチドは、請求項56に記載の方法によって予測されるアミノ酸配列を含む、改変されたポリペプチド。
【請求項69】
請求項68に記載のポリペプチドを含む、薬学的組成物。
【請求項70】
請求項68に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−504002(P2008−504002A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539936(P2006−539936)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/037929
【国際公開番号】WO2005/047327
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(592221528)バイオジェン・アイデック・エムエイ・インコーポレイテッド (224)
【Fターム(参考)】