説明

新規なイソキノリン誘導体及びこれを含有する医薬

【課題】破骨細胞分化誘導抑制作用を有する化合物、及びこれを含有する医薬の提供。
【解決手段】次の一般式(1)


[式中Xは−O−、又は−S−を示し、YはC−R5、又はNを示し、R1及びR2はそれぞれ水素原子、又はアルキル基を示し、R3、R4、R5は同一又は異なって水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を示し、R6は水素原子、又はヒドロキシル基を示す。]
で表される化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なイソキノリン誘導体、及び、これを含有する医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、抗炎症薬や抗リウマチ薬として多くの非ステロイド性抗炎症薬が用いられている。非ステロイド性抗炎症薬は、炎症の腫れや痛みの軽減といった作用は有するものの、リウマチ等で問題となる関節炎における骨組織破壊の進行を阻止する作用は知られていない。また、骨粗鬆症は閉経後の女性に多く、女性ホルモンの他ビタミンD3、ビタミンK、カルシトニン、カルシウム、及びビスフォスフォネート等が治療薬として用いられている。中でも、破骨細胞による骨吸収を直接抑制するビスフォスフォネートは、骨吸収抑制作用が強く、近年においては使用頻度が増加している。本来、破骨細胞による骨吸収は骨芽細胞による骨形成と調和が維持されているが、リウマチ、骨粗鬆症、パジェット(Paget)病、及び骨癌での骨組織破壊は、このバランスが破綻し、破骨細胞による病的骨吸収によることが示唆されている(例えば、非特許文献1〜5参照)。
【0003】
一方、破骨細胞は、骨髄の単球/マクロファージ系の細胞から分化することが知られている。従って、破骨細胞分化誘導を抑制する化合物は、骨組織破壊の防止が期待され、薬剤の有効成分として有用と思われるが、そのような化合物は知られていない。
【非特許文献1】Rodan,G.A.,and Martin,T.J.,Science,289,1508−1514(2000)
【非特許文献2】Takayanagi,H.et al.,Arthritis.Rheum.,43,259−269(2000)
【非特許文献3】Takayanagi,H.et al.,J.Clin.Invest.,104,137−46(1999)
【非特許文献4】Kong,Y.Y.et al.,Nature,402,304−9(1999)
【非特許文献5】Pettit,A.R.et al.,Am.J.Pathol.,159,1689−99(2001)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、破骨細胞分化誘導抑制作用を有する化合物、及びこれを含有する医薬を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記実情に鑑み、本発明者らは、破骨細胞分化誘導抑制作用を持つ化合物を探索した結果、新規な化合物である下記一般式(1)で表されるイソキノリン誘導体、その酸付加塩及びそれらの溶媒和物が、強い破骨細胞分化誘導抑制作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)
【0007】
【化1】

【0008】
[式中Xは−O−、又は−S−を示し、YはC−R5、又はNを示し、R1及びR2はそれぞれ水素原子、又はアルキル基を示し、R3、R4、R5は同一又は異なって水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を示し、R6は水素原子、又はヒドロキシル基を示す。]
で表される化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、上記一般式(1)で表わされる化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬を提供するものである。
【0010】
さらに、本発明は、リウマチ、骨粗鬆症、パジェット病、又は骨癌の予防及び/又は治療薬である上記医薬を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明化合物(1)及びその酸付加塩又はこれらの溶媒和物は、強い破骨細胞分化誘導抑制作用を有し、リウマチ、骨粗鬆症、パジェット(Paget)病、骨癌等の、骨破壊又は骨再生不全を伴う疾患の予防及び/又は治療薬として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
一般式(1)中、R1及びR2で示されるアルキル基としては、C1−C6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられ、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。また、R2で示されるアルキル基のホモピペラジン上の置換位置に関しては2−位、3−位、5−位、6−位、7−位のいずれでも良いが、2−位、5−位が好ましい。また、置換基の立体配置は、(S)、(R)のいずれでも良い。R1としては水素原子が好ましい。
【0013】
一般式(1)中、R3〜R5で示されるアルキル基としては、C1−C6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられ、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、メチル基、エチル基が好ましい。R3〜R4で示されるアルキル基の環上の置換位置に関しては、特に限定されない。
【0014】
一般式(1)中R3〜R5で示されるアルコキシ基としては、C1−C6アルコキシ基が挙げられ、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基等が挙げられる。このうちメトキシ基が好ましい。R3〜R4で示されるアルキル基の環上の置換位置に関しては、特に限定されない。
【0015】
一般式(1)中R3〜R5で示されるハロゲン原子としては、たとえば、F、Cl、Brが挙げられる。R3〜R4で示されるハロゲン原子の環上の置換位置に関しては、特に限定されない。
【0016】
一般式(1)中Xは−O−、又は−S−を示すが、このうち−O−が好ましい。
【0017】
本発明化合物(1)の酸付加塩としては、薬学上許容される塩であれば特に制限されないが、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩のような鉱酸の酸付加塩;安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酢酸塩のような有機酸の酸付加塩等を挙げることができる。
【0018】
また、本発明化合物(1)は、水和物に代表される溶媒和物の形態で存在し得るが、当該溶媒和物も本発明に含有される。
【0019】
本発明化合物(1)は、次に示す方法に従って製造することができる。
【0020】
【化2】

【0021】
〔式中R1、R2、R3、R4、R6、X、Yは前記と同じ意味を示し、Aはベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、ホルミル基、トリフルオロアセチル基、トリチル基等のアミノ保護基を示す。〕
【0022】
本発明化合物(1)の出発物質である化合物(2)は、国際公開公報WO97/28130号記載の方法あるいはこれに類似の方法によって合成することができる。
【0023】
化合物(2)から化合物(3)への合成は、例えば化合物(4)を適当な溶媒中で適当な塩基と反応させて対応するアルカリ金属塩とした後に、化合物(2)と銅あるいは銅塩を加えて加熱する等の公知の方法を用いることで達成される。化合物(3)の保護基Aを公知の方法で除去することにより、R1が水素である本発明化合物(1)を得ることができる。このものは必要に応じて、さらに公知の方法でアルキル化することにより、ホモピペラジンにアルキル基が導入された化合物(1)(R1がアルキル基である本発明化合物(1))を得ることができる。
【0024】
本発明化合物(1)は、上記の方法によって得られるが、さらに必用に応じて再結晶法、カラムクロマトグラフィーなどの通常の精製手段を用いて精製することができる。また必用に応じて、常法によって前記した所望の塩又は溶媒和物にすることもできる。
【0025】
前述のとおり、本発明化合物(1)、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物は、破骨細胞分化誘導抑制作用を有するので、骨破壊又は骨再生不全を伴う疾患の予防や治療に有効である。具体的な疾患としては、リウマチ、骨粗鬆症、パジェット(Paget)病、骨癌等が挙げられる。
【0026】
本発明化合物(1)、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物は、これを医薬として用いるにあたり、経口的又は非経口的(例えば、静脈内、皮下、もしくは筋肉内注射、局所的、経直腸的、経皮的、又は経鼻的)に投与することができる。経口投与のための形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤、液剤、シロップ剤又は懸濁剤等が挙げられ、非経口投与のための形態としては、例えば、注射用水性剤もしくは油性剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、エアロゾル剤、坐剤、又は貼付剤等が挙げられる。これらの製剤は、従来公知の技術を用いて調製され、許容される通常の担体、賦形剤、結合剤、安定剤等を含有することができる。また、注射剤形で用いる場合には許容される緩衝剤、溶解補助剤、等張剤等を添加することもできる。本発明のイソキノリノン誘導体又はその塩の投与量、投与回数は、症状、年令、体重、投与形態によって異なるが、通常は成人に対して本発明化合物の有効成分量として、1日あたり約0.01〜2000mg、好ましくは0.1〜500mgを1回又は数回に分けて投与することができる。
【実施例】
【0027】
本発明に包含される化合物の具体例としては、以下に示す化合物が挙げられる。ただし、これらの化合物の具体例としては、例示のためのものであって、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0028】
[製造例1]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(4−メチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0029】
【化3】

【0030】
p−クレゾール(664mg)を脱水ピリジン(40mL)に溶かし、アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(268mg;55%)を加えた。水素の泡が目視で認められなくなったところで、1−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)−4−(tert−ブトキシカルボニル)ホモピペラジン(2.40g)及び塩化銅(I)(176mg)を
加え、密栓して130℃オイルバス中で14時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、クロロホルム(80mL)を加え、セライトに通すことで不溶物を取り除いた。ろ液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン−酢酸エチル=1:1)で精製し、標記化合物を白色泡状化合物として得た。
収量:2.14g(84%)
【0031】
[製造例2]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−フェノキシイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジンの合成:
【0032】
【化4】

【0033】
フェノール(25mg)と、1−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)−4−(tert−ブトキシカルボニル)ホモピペラジン(120mg)を製造例1と同様に反応させ、標記化合物を黄色油状物として得た。
収量:69mg
【0034】
[製造例3]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(4−フルオロフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0035】
【化5】

【0036】
4−フルオロフェノール(35mg)と、1−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)−4−(tert−ブトキシカルボニル)ホモピペラジン(120mg)を製造例1と同様に反応させ、標記化合物を黄色油状物として得た。
収量:116mg(89%)
【0037】
[製造例4]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(3−ピリジルオキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0038】
【化6】

【0039】
3−ヒドロキシピリジン(30mg)と、1−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)−4−(tert−ブトキシカルボニル)ホモピペラジン(120mg)を製造例1と同様に反応させ、標記化合物を淡黄色泡状化合物として得た。
収量:36mg(29%)
【0040】
[製造例5]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(3,4,5−トリメトキシフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0041】
【化7】

【0042】
3,4,5−トリメトキシフェノール(58mg)と、1−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)−4−(tert−ブトキシカルボニル)ホモピペラジン(120mg)を製造例1と同様に反応させ、標記化合物を黄色油状物として得た。
収量:14mg(不純物含む)
【0043】
[製造例6]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(4−メトキシフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0044】
【化8】

【0045】
4−メトキシフェノール(33mg)と、1−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)−4−(tert−ブトキシカルボニル)ホモピペラジン(120mg)を製造例1と同様に反応させ、標記化合物を黄色油状物として得た。
収量:96mg(不純物を含む)
【0046】
[製造例7]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(4−エチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0047】
【化9】

【0048】
4−エチルフェノール(31mg)と、1−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)−4−(tert−ブトキシカルボニル)ホモピペラジン(120mg)を製造例1と同様に反応させ、標記化合物を白色泡状化合物として得た。
収量:103mg(79%)
【0049】
[製造例8]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(4−クロロフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0050】
【化10】

【0051】
4−クロロフェノール(33mg)と、1−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)−4−(tert−ブトキシカルボニル)ホモピペラジン(120mg)を製造例1と同様に反応させ、標記化合物を白色泡状化合物として得た。
収量:107mg(81%)
【0052】
[製造例9]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(3−メチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0053】
【化11】

【0054】
m−クレゾール(28mg)と、1−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)−4−(tert−ブトキシカルボニル)ホモピペラジン(120mg)を製造例1と同様に反応させ、標記化合物を白色泡状化合物として得た。
収量:111mg(87%)
【0055】
[製造例10]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(2−メチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0056】
【化12】

【0057】
o−クレゾール(28mg)と、1−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)−4−(tert−ブトキシカルボニル)ホモピペラジン(120mg)を製造例1と同様に反応させ、標記化合物を白色泡状化合物として得た。
収量:114mg(90%)
【0058】
[製造例11]
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチル−1−[4−(4−メチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0059】
【化13】

【0060】
p−クレゾール(75mg)と、(S)−1−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチルホモピペラジン(280mg)を製造例1と同様に反応させ、標記化合物を白色泡状化合物として得た。
収量:253mg(85%)
【0061】
[製造例12]
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチル−1−(4−フェノキシイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジンの合成:
【0062】
【化14】

【0063】
フェノール(28mg)と、(S)−1−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチルホモピペラジン(120mg)を製造例1と同様に反応させ、標記化合物を白色泡状化合物として得た。
収量:100mg(81%)
【0064】
[製造例13]
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(4−フルオロフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジンの合成:
【0065】
【化15】

【0066】
4−フルオロフェノール(33mg)と、(S)−1−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチルホモピペラジン(120mg)を製造例1と同様に反応させ、標記化合物を白色泡状化合物として得た。
収量:105mg(80%)
【0067】
[製造例14]
1−[4−(4−メチルフェノキシ)−2−オキソイソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0068】
【化16】

【0069】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(4−メチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン(580mg)を塩化メチレン(20mL)に溶解し、m−クロロ過安息香酸(402mg)を加えた。混合物を室温で15時間攪拌し減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(20mL)に溶解し、4M 塩酸の酢酸エチル溶液(2mL)を加え、室温で4時間攪拌した。析出物をろ過し、得られた白色固体を酢酸エチルにて洗浄し、減圧乾燥の後、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:200mg(38%、2ステップ)
【0070】
[製造例15]
1−[4−(4−メチルフェノキシ)−2−オキソイソキノリン−5−スルホニル]−4−トリフルオロアセチルホモピペラジンの合成:
【0071】
【化17】

【0072】
1−[4−(4−メチルフェノキシ)−2−オキソイソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン塩酸塩(190mg)をメタノール(4mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.2mL)、トリフルオロ酢酸エチル(0.15mL)を加え、室温で18時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム−メタノール=30:1)で精製し、標記化合物を無色油状物として得た。
収量:147mg(68%)
【0073】
[製造例16]
N−[N−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノエチル]−3−アミノ酪酸エチルエステルの合成
【0074】
【化18】

【0075】
N−(ベンジルオキシカルボニル)エチレンジアミン(231mg)、クロトン酸エチル(285mg)、トリエチルアミン(140μL)をエタノール(5mL)に溶解し、一夜加熱還流した。混合物を減圧濃縮し、残渣に水とクロロホルムを加え有機層を分離した。有機層をさらに飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮により標記化合物を褐色油状物として得た。
収量:191mg(62%)
【0076】
[製造例17]
N−[N−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−アミノ酪酸エチルエステルの合成
【0077】
【化19】

【0078】
N−[N−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノエチル]−3−アミノ酪酸エチルエステル(191mg)とトリエチルアミン(87μL)とをクロロホルム(5mL)に溶解しジ−tert−ブチルジカルボネート(162mg)を加え室温で1時間撹拌した。混合物に水を加え有機層を分離し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン−酢酸エチル=5:1→ヘキサン−酢酸エチル=1:1)で精製し、標記化合物を無色油状物として得た。
収量:245mg(97%)
【0079】
[製造例18]
N−[N−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−アミノ酪酸の合成
【0080】
【化20】

【0081】
N−[N−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−アミノ酪酸エチルエステル(159mg)をエタノール(2mL)に溶解し、1M−NaOH(0.97mL)を加えた。混合物を室温で4時間撹拌し、減圧濃縮した。残渣に水を加え飽和硫酸水素カリウムでpHを2に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで洗浄、減圧濃縮により標記化合物を無色油状物として得た。
収量:192mg(83%)
【0082】
[製造例19]
N−[N−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−アミノブタノールの合成
【0083】
【化21】

【0084】
N−[N−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−アミノ酪酸(192mg)とトリエチルアミン(70.7μL)を無水THF(10mL)に溶解し、氷冷下クロロ炭酸エチル(48.2μL)を滴下した。混合物を30分間撹拌し、析出した塩をろ去した。ろ液に水素化ホウ素ナトリウム(46mg)の水(1mL)溶液を加え室温で30分撹拌した。混合物を減圧濃縮後、残渣に酢酸エチルと水を加え、有機層を分離、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン−酢酸エチル=1:1)で精製し、標記化合物を無色油状物として得た。
収量:127mg(69%)
【0085】
[製造例20]
N−(アミノエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−アミノブタノールの合成
【0086】
【化22】

【0087】
N−[N−(ベンジルオキシカルボニル)−アミノエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−アミノブタノール(127mg)をメタノール(20mL)に溶解し、10%パラジウム炭素(13mg)を加えた。混合物を水素気流下2時間撹拌した後、ろ過により触媒を取り除いた。ろ液を減圧濃縮し、標記化合物を無色油状物として得た。
収量:78mg(97%)
【0088】
[製造例21]
N−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)−N´−(tert−ブトキシカルボニル)−N´−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)エチレンジアミンの合成
【0089】
【化23】

【0090】
N−(アミノエチル)−N−(tert−ブトキシカルボニル)−3−アミノブタノール(78mg)と4−ブロモ−5−クロロスルホニルイソキノリン(103mg)、トリエチルアミン(47μL)をクロロホルム(2mL)に溶解し、2時間撹拌した。混合物に水を加え、クロロホルムで抽出後、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン−酢酸エチル=1:5→ヘキサン−酢酸エチル=1:1)で精製し、標記化合物を淡黄色油状物として得た。
収量118mg(70%)
【0091】
[製造例22]
1−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチルホモピペラジンの合成:
【0092】
【化24】

【0093】
N−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)−N´−(tert−ブトキシカルボニル)−N´−(3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル)エチレンジアミン(311mg)を脱水THF(10mL)に溶解し、トリフェニルホスフィン(243mg)、ジエチルアゾジカルボネート40%トルエン溶液(0.4mL)をアルゴン雰囲気下、0℃にて加え、室温で14時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、標記化合物を黄色油状物として得た。
収量:276mg(不純物を含む)
【0094】
[製造例23]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチル−1−(4−フェノキシイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジンの合成:
【0095】
【化25】

【0096】
フェノール(17mg)と1−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチルホモピペラジン(86mg)を製造例1と同様に反応させ、標記化合物を黄色油状物として得た。
収量:59mg(61%;2ステップ)
【0097】
[製造例24]
4−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチル−1−[4−(4−メチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジンの合成:
【0098】
【化26】

【0099】
p−クレゾール(19mg)と1−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチルホモピペラジン(86mg)を製造例1と同様に反応させ、標記化合物を黄色油状物として得た。
収量:62mg(63%;2ステップ)
【0100】
[製造例25]
4−(tert−ブロキシカルボニル)−1−[4−(4−フルオロフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]−5−メチルホモピペラジンの合成:
【0101】
【化27】

【0102】
4−フルオロフェノール(20mg)と1−(4−ブロモイソキノリン−5−スルホニル)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチルホモピペラジン(86mg)を製造例1と同様に反応させ、標記化合物を黄色油状物として得た。
収量50mg(50%;2ステップ)
【0103】
[実施例1]
1−[4−(4−メチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン二塩酸塩の合成:
【0104】
【化28】

【0105】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(4−メチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン(89mg)を酢酸エチル(2mL)に溶解させ、4M塩酸酢酸エチル溶液(0.1mL)を加えて終夜攪拌した。析出物をろ取し、酢酸エチルにて洗浄し、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:64mg(76%)
1H−NMRデータ(400MHz,MeOH−d4)δppm:2.18−2.28(m,2H),2.40(s,3H),3.39−3.48(m,4H),3.75(t,2H,J=6.2Hz),3.92(t,2H,J=5.2Hz),7.20(d,2H,J=8.4Hz),7.34(d,2H,J=8.4Hz),8.07(s,1H),8.16(t,1H,J=8.0Hz),8.57(d,1H,J=7.6Hz),8.73(d,1H,J=8.3Hz),9.54(s,1H).
【0106】
[実施例2]
1−(4−フェノキシイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン二塩酸塩の合成:
【0107】
【化29】

【0108】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−(4−フェノキシイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン(29mg)を実施例1と同様に反応させ、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:11mg(40%)
1H−NMRデータ(270MHz,MeOH−d4)δppm:1.90−2.10(m,2H),3.35−3.70(m,8H),7.10−7.22(m,3H),7.35−7.43(m,2H),7.61−7.72(m,1H),7.88−8.05(m,1H),8.15−8.27(m,2H),9.04(s,1H).
【0109】
[実施例3]
1−[4−(4−フルオロフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン二塩酸塩の合成:
【0110】
【化30】

【0111】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(4−フルオロフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン(116mg)を実施例1と同様に反応させ、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:98mg(89%)
1H−NMRデータ(270MHz,MeOH−d4)δppm:1.80−1.92(m,2H),3.27−3.85(m,8H,7.10−7.25(m,4H),7.85−8.12(m,2H),8.25−8.40(m,1H),8.48−8.63(m,1H),9.34(s,1H).
【0112】
[実施例4]
1−[4−(3−ピリジルオキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン三塩酸塩の合成:
【0113】
【化31】

【0114】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(3−ピリジルオキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン(36mg)を実施例1と同様に反応させ、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:29mg(87%)
1H−NMRデータ(270MHz,MeOH−d4)δppm:2.06−2.18(m,2H),3.25−3.40(m,4H),3.65(t,2H,J=6.1Hz),3.82(t,2H,J=5.0Hz),7.87−8.03(m,2H),8.10−8.28(m,4H),8.51−8.58(m,1H),8.74(s,1H),9.47(s,1H).
【0115】
[実施例5]
1−[4−(3,4,5−トリメトキシフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン二塩酸塩の合成:
【0116】
【化32】

【0117】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(3,4,5−トリメトキシフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン(14mg;不純物含む)を実施例1と同様に反応させ、標記化合物を黄褐色粉末として得た。
収量:11mg(8%;2ステップ)
1H−NMRデータ(270MHz,MeOH−d4)δppm:2.12−2.33(m,2H),3.40−4.05(m,17H),6.63(s,2H),8.05−8.28(m,2H),8.47−8.83(m,2H),9.46(s,1H).
【0118】
[実施例6]
1−[4−(4−メトキシフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン二塩酸塩の合成:
【0119】
【化33】

【0120】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(4−メトキシフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン(96mg;不純物を含む)を実施例1と同様に反応させ、得られた黄色粉末をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム−メタノール=10:1)で精製し、標記化合物を黄色粉末として得た。
収量:10mg(8%;2ステップ)
1H−NMRデータ(270MHz,MeOH−d4)δppm:2.16−2.24(m,2H),3.38−3.49(m,4H),3.73(t,2H,J=6.4Hz),3.84(s,3H),3.90(t,2H,J=5.1Hz),7.06(d,2H,J=9.0Hz),7.24(d,2H,J=9.0Hz),8.05(s,1H),8.11(t,1H,J=7.8Hz),8.51(d,1H,J=7.6Hz),8.68(d,1H,J=8.5Hz).
【0121】
[実施例7]
1−[4−(4−エチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン二塩酸塩の合成:
【0122】
【化34】

【0123】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(4−エチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン(103mg)を実施例1と同様に反応させ、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
収量:54mg(42%)
1H−NMRデータ(270MHz,MeOH−d4)δppm:1.27(t,3H,J=7.6Hz),2.15−2.28(m,2H),2.71(q,2H,J=7.6Hz),3.38−3.49(m,4H),3.74(t,2H,J=6.1Hz),3.91(t,2H,J=5.3Hz),7.20(d,2H,J=8.6Hz),7.36(d,2H,J=8.6Hz),8.10(s,1H),8.13(t,1H,J=8.0Hz),8.51(d,1H,J=7.5Hz),8.69(d,1H,J=7.5Hz),9.49(s,1H).
【0124】
[実施例8]
1−[4−(4−クロロフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン二塩酸塩の合成:
【0125】
【化35】

【0126】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(4−クロロフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン(107mg)を実施例1と同様に反応させ、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:55mg(54%)
1H−NMRデータ(270MHz,MeOH−d4)δppm:2.18−2.25(m,2H),3.38−3.47(m,4H),3.74(t,2H,J=6.2Hz),3.90(t,2H,J=5.3Hz),7.25(d,2H,J=8.9Hz),7.48(d,2H,J=8.9Hz),8.10(t,1H,J=8.0Hz),8.27(s,1H),8.43(d,1H,J=7.6Hz),8.68(d,1H,J=8.2Hz),9.49(s,1H).
【0127】
[実施例9]
1−[4−(3−メチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン二塩酸塩の合成:
【0128】
【化36】

【0129】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(3−メチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン(111mg)を実施例1と同様に反応させ、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:99mg(94%)
1H−NMRデータ(270MHz,MeOH−d4)δppm:1.86−2.05(m,2H),2.38(s,3H),3.48−3.62(m,8H),7.00−7.18(m,3H),7.30−7.42(m,1H),8.02−8.13(m,2H),8.37−8.46(m,1H),8.64(d,1H,J=7.6Hz),9.46(s,1H).
【0130】
[実施例10]
1−[4−(2−メチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン二塩酸塩の合成:
【0131】
【化37】

【0132】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(2−メチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン(114mg)を実施例1と同様に反応させ、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:102mg(95%)
1H−NMRデータ(270MHz,MeOH−d4)δppm:1.88−2.05(m,2H),2.32(s,3H),3.48−3.68(m,8H),7.10−7.45(m,4H),7.88(s,1H),8.07−8.15(m,1H),8.44(s,1H),8.67(d,1H,J=7.6Hz),9.47(s,1H).
【0133】
[実施例11]
(S)−1−[4−(4−メチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジン二塩酸塩の合成:
【0134】
【化38】

【0135】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチル−1−[4−(4−メチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン(20mg)を実施例1と同様に反応させ、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:11mg(58%)
1H−NMRデータ(270MHz,MeOH−d4)δppm:1.24(d,3H,J=6.6Hz),1.95−2.25(m,2H),2.40(s,3H),3.15−3.85(m,6H),4.48(s,1H),7.19(d,2H,J=8.7Hz),7.34(d,2H,J=8.7Hz),8.07(s,1H),8.14(t,1H,J=7.9Hz),8.68(d,1H,J=7.9Hz),8.71(d,1H,J=7.9Hz),9.51(s,1H).
【0136】
[実施例12]
(S)−1−(4−フェノキシイソキノリン−5−スルホニル)−2−メチルホモピペラジン二塩酸塩の合成:
【0137】
【化39】

【0138】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチル−1−(4−フェノキシイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン(98mg)を実施例1と同様に反応させ、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:76mg(82%)
1H−NMRデータ(270MHz,MeOH−d4)δppm:1.27(d,3H,J=6.8Hz),2.02−2.29(m,2H),3.25−2.87(m,6H),4.49(s,1H),7.28−7.39(m,3H),7.50−7.57(m,2H),8.13(s,1H),8.17(t,1H,J=7.9Hz),8.66−8.75(m,2H),9.55(s,1H).
【0139】
[実施例13]
(S)−1−[4−(4−フルオロフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジン二塩酸塩の合成:
【0140】
【化40】

【0141】
(S)−4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(4−フルオロフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]−2−メチルホモピペラジン(103mg)を実施例1と同様に反応させ、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:84mg(89%)
1H−NMRデータ(270MHz,MeOH−d4)δppm:1.27(d,3H,J=6.8Hz),2.03−2.28(m,2H),3.15−3.86(m,6H),4.51(s,1H),7.23−7.37(m,4H),8.11−8.20(m,2H),8.67(d,1H,J=7.5Hz),8.73(d,1H,J=8.3Hz),9.56(s,1H).
【0142】
[実施例14]
1−[1−ヒドロキシ−4−(4−メチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン塩酸塩の合成:
【0143】
【化41】

【0144】
1−[4−(4−メチルフェノキシ)−2−オキソイソキノリン−5−スルホニル]−4−トリフルオロアセチルホモピペラジン(147mg)を無水酢酸(3mL)に溶解し、140℃油浴中で13時間攪拌した。減圧濃縮、トルエン共沸を行い、残渣をメタノール(3mL)に溶解した。そこにアンモニア水(28%;1mL)を加え、室温で2時間攪拌した。減圧濃縮を行い、残渣をプレパラティブTLC(展開溶媒;クロロホルム−メタノール=20:1)で精製し、黄色油状物(22mg)を得た。これを酢酸エチル(1mL)に溶解し、4M 塩酸の酢酸エチル溶液(0.1mL)を加えることで黄色沈殿を生じさせ、ろ取、酢酸エチルでの洗浄を行った。これを減圧乾燥し、標記化合物を黄色粉末として得た。
収量:12mg(6%;3ステップ)
1H−NMRデータ(270MHz,MeOH−d4)δppm:2.10−2.23(m,2H),2.30(s,3H),3.30−3.44(m,2H),3.58−3.66(m,4H),3.76−3.82(m,2H),6.90−6.96(m,3H),7.13(d,2H,J=7.9Hz),7.73(t,1H,J=7.9Hz),8.12(dd,1H,J=1.3Hz,7.9Hz),8.68(dd,1H,J=1.3Hz,7.9Hz).
【0145】
[実施例15]
5−メチル−1−(4−フェノキシイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン二塩酸塩の合成:
【0146】
【化42】

【0147】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチル−1−(4−フェノキシイソキノリン−5−スルホニル)ホモピペラジン(57mg)を実施例1と同様に反応させ、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:49mg(91%)
1H−NMRデータ(270MHz,MeOH−d4)δppm:1.44(d,3H,J=6.6Hz),2.01−2.24(m,2H),3.30−3.96(m,7H),7.24−7.33(m,3H),l7.45−7.57(m,2H),8.14(s,1H),8.16(t,1H,J=7.9Hz),8.53(d,1H,J=7.9Hz),8.73(d,1H,J=7.9Hz),9.56(s,1H).
【0148】
[実施例16]
5−メチル−1−[4−(4−メチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン二塩酸塩の合成:
【0149】
【化43】

【0150】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチル−1−[4−(4−メチルフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン(59mg)を実施例1と同様に反応させ、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:51mg(91%)
1H−NMRデータ(270MHz,MeOH−d4)δppm:1.44(d,3H,J=6.6Hz),2.01−2.23(m,2H),2.40(s,3H),3.30−3.95(m,7H),7.19(d,2H,J=8.6Hz),7.34(d,2H,J=8.6Hz),8.07(s,1H),8.14(t,1H,J=8.0Hz),8.53(d,1H,J=7.6Hz),8.69(d,1H,J=8.2Hz),9.51(s,1H),
【0151】
[実施例17]
5−メチル−1−[4−(4−フルオロフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]ホモピペラジン二塩酸塩の合成:
【0152】
【化44】

【0153】
4−(tert−ブトキシカルボニル)−1−[4−(4−フルオロフェノキシ)イソキノリン−5−スルホニル]−5−メチルホモピペラジン(47mg)を実施例1と同様に反応させ、標記化合物を白色粉末として得た。
収量:38mg(83%)
1H−NMRデータ(270MHz,MeOH−d4)δppm:1.44(d,3H,J=6.6Hz),2.01−2.26(m,2H),3.30−3.95(m,7H),7.19−7.27(m,2H),8.07−8.19(m,2H),8.49(d,1H,J=7.6Hz),8.69(d,1H,J=8.2Hz),9.52(s,1H).
【0154】
[試験例1]
(破骨細胞分化誘導に対する作用)
破骨細胞の調整は池田らの方法に準じて行なった(J.Clin.Invst.114;475−484(2004))。すなわち、C57B1/6マウスより両後肢の大腿骨から得た骨髄細胞をα−MEM培地(10%FBS含有)で懸濁し、4×105cells/mLに調製した。この細胞懸濁液を0.5mLずつ48 well plateに播種し、100倍濃度の化合物を最終濃度0.1、1μMになるように5μL添加した。更に培養液で調製した100倍濃度のM−CSF(最終濃度10ng/mL)及びsRANKL(最終濃度50ng/mL)を最終濃度になるように5μL添加した。その後37℃、5%CO2インキュベーター内で細胞を培養し、培養3日目に培地交換を行った。このときに上記と同じ方法で100倍濃度の化合物、M−CSF(最終濃度10ng/mL)、sRANKL(最終濃度50ng/mL)を新たに添加し、さらに4日間培養後、TRAP染色(Sigma)を行なった。TRAP染色によって赤く染まった多核(3個以上)の細胞を破骨細胞とみなし、2視野の破骨細胞数を測定した。薬物無添加群の阻害率を0%とし、破骨細胞数0個のときの阻害率を100%とし各化合物の阻害率を求めた。結果を表1に示す。表1より本発明の化合物群は破骨細胞分化誘導を強く抑制することがわかった。
【0155】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式(1)
【化1】

[式中Xは−O−、又は−S−を示し、YはC−R5、又はNを示し、R1及びR2はそれぞれ水素原子、又はアルキル基を示し、R3、R4、R5は同一又は異なって水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を示し、R6は水素原子、又はヒドロキシル基を示す。]
で表される化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項2】
一般式(1)において、Xが−O−であり;YがC−R5、又はNであり;R1及びR2がそれぞれ水素原子、又はC1−C6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり;R3、R4、R5が同一又は異なって水素原子、C1−C6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、C1−C6のアルコキシ基、又はハロゲン原子であり;R6が水素原子、又はヒドロキシル基である請求項1記載の化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項3】
一般式(1)において、Xが−O−であり;YがC−R5、又はNであり;R1及びR2がそれぞれ水素原子、又はメチル基であり;R3、R4、R5が同一又は異なって、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、又はハロゲン原子であり;R6が水素原子、又はヒドロキシル基である請求項1又は2記載の化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物、その酸付加塩又はそれらの溶媒和物を有効成分として含有する医薬。
【請求項5】
リウマチ、骨粗鬆症、パジェット病、又は骨癌の予防及び/又は治療薬である請求項4記載の医薬。

【公開番号】特開2007−224000(P2007−224000A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−50365(P2006−50365)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(599118539)株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 (8)
【Fターム(参考)】