説明

新規な置換アゼチジノン

新規なアゼチジノンおよび医薬組成物について記載しており、高脂質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症およびアテローム性動脈硬化症に苦しんでいるヒトを含む対象を治療するためにかかる化合物および組成物を用いる方法についても同様である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なアゼチジノンのグループに関する。これらの化合物は、コレステロール吸収を阻害し、したがってアテローム性動脈硬化症の治療および予防においてコレステロール低下剤として有用である。
【背景技術】
【0002】
アテローム硬化型冠状動脈性心臓病は、西欧諸国において、死亡および心血管罹患の主な原因に相当する。アテローム硬化型冠状動脈性心臓病の危険因子には、高血圧、真性糖尿病、家族歴、雄性、喫煙および高い血漿コレステロールがある。高い血漿コレステロールおよびリポタンパク質は、重要なアテローム硬化型危険因子である。したがって、高い血漿コレステロールレベル、アテローム性動脈硬化症、および冠状動脈性心臓病の間に原因となる繋がりがしっかりと認められている。Harwoodら、34 J.Lipid Research 377〜378(1993)。より具体的には、225〜250mg/dlを超える全コレステロールレベルは、危険の著しい上昇に関連している。
【0003】
低密度リポタンパク質(LDL)濃度の増加は、アテローム性動脈硬化症の増加と相関がある。肝臓は、コレステロール生合成および異化に関与している主要な臓器であり、また超低密度のリポタンパク質(VLDL)の合成部位および分泌部位であり、これらは続いてLDLに代謝される。腸内におけるコレステロール吸収が低下する場合、いかなる手段によっても、肝臓に送達されるコレステロールがより少なくなる。この作用の結果、肝リポタンパク質(VLDL)の産生が減少し、血漿コレステロール(主にLDLとして)の肝クリアランスが増加する。したがって、腸のコレステロール吸収の阻害の正味の効果は、血漿コレステロールレベルの低下である。
【0004】
いくつかの2−アゼチジノン化合物は、コレステロールを低下させ、かつ/または哺乳動物の動脈壁でのコレステロール含有外傷の形成を阻害するのに有用であると報告されている:米国特許第5,688,785号は、3位置換基がアリールアルキレンまたはアリールアルケニレンであり、そのアルキレン部またはアルケニレン部がヘテロ原子、フェニレンまたはシクロアルキレンに遮られている2−アゼチジノン化合物について記載しており;米国特許第5,698,548号は、3位置換基がアリールアルキルスピロ環基である2−アゼチジノン化合物について記載しており;米国再発行特許番号RE37721は、3位置換基が、ヒドロキシ基によってアルキレン部が置換されているアリールアルキレン基である2−アゼチジノン化合物について記載しており;US 2003/0105028は、1位置換基がヒドロキシル置換フェニル基であり、4位置換基がヒドロキシフェニル基である2−アゼチジノン化合物のグルコース誘導結合体(glucose−derived conjugate)について記載しており;また米国特許第5,756,470号は、ヒドロキシル基およびグルクロニド基で置換されているアリール基を4位に有する2−アゼチジノンについて開示している。
【0005】
少なくとも1種の置換アゼチジノン、エゼチミブは、高コレステロール血症の治療のために現在市販されている。エゼチミブは、単独で、または他のコレステロールを低下させる物理療法と併せて投与することができる。利用可能な抗高脂血症療法の有効性は、一つには許容できない副作用および耐容性ならびに最小の有効性または抗力による不十分な患者コンプライアンスの理由で限られている。さらに、コレステロール生合成に関する遺伝的多型のために、いくつかの製剤は、全ての患者に好都合ではないかもしれない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した理由により、単独で、または有効性および耐容性の増大を毒性の低下と共にもたらす他の薬剤と併せて使用できる新規な抗高脂血薬の継続的必要性がある。本発明は、薬理活性を有する新規な化合物、これらの化合物を含む医薬組成物、およびこれらの化合物を用いた治療の薬学的方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、式(1)の化合物:
【0008】
【化1】

またはその薬学的に許容できる塩、エステル、水和物、アミド、もしくは立体異性体を提供し、式中、
A−Bは、C=O、C=S、SO、またはSOであり、
Xは、二重もしくは三重結合を含有していてもよいC〜Cアルキレン、またはC〜Cヘテロアルキレンであり、ここで、C〜CアルキレンまたはC〜Cヘテロアルキレンは、非置換であるか、炭素原子上でC1〜アルキル、=O、−C(O)R、−OR、R、−OC(O)R、−NR’R”、ハロ、C3〜シクロアルキル、C3〜ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびシアノからなる群から選択される0、1、または2個の置換基で置換されており、ここで、
は、ヒドロキシ、−OC1〜アルキルまたはC1〜アルキルであり、
は、水素、SOH、POH、C1〜アルキル、またはC1〜アラルキルであり、
は、YGであり、ここで、Yは、NR’、S、またはOであり、
は、NR’R”、C1〜アルキル、C1〜アラルキル、C3〜シクロアルキル、C3〜ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R’およびR”はそれぞれ独立に、水素およびC1〜アルキルからなる群から選択され、
Zは、C1〜アルキル、=O、−C(O)R、−OR、−OC(O)R、−NR’R”、ハロ、C3〜シクロアルキル、C3〜ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびシアノからなる群から選択される0、1、または2個の置換基で置換されていてもよいC〜Cアルキレンであり、
は、ハロ、−C(O)R、−OR、R、C1〜20アルキル、C1〜アラルキル、およびシアノからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールもしくはヘテロアリールであり、
は、C1〜アルキル、C3〜シクロアルキル、C3〜ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはC1〜アラルキルであり、ここで、前記
1〜アルキル、C3〜シクロアルキル、C3〜ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはC1〜アラルキル基は、ハロ、
−C(O)R、−OR、C1〜20アルキル、およびシアノからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
は、C3〜シクロアルキル、C3〜ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、C3〜シクロアルキル、
3〜ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は、ハロ、−C(O)R、−OR、C1〜20アルキル、C1〜アルキル−NR’R”、およびシアノからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
Gは、水素、
【0009】
【化2】

からなる群から選択され、ここで、
【0010】
【化3】

は、結合点を示し、ここで、R、R、R、R、R、およびRはそれぞれ独立に、水素、C1〜アルキル、C1〜アラルキル、−C(O)C1〜アルキル、
−C(O)アリール、およびアリールからなる群から選択され、R10は、水素、ヒドロキシ、C1〜アルキル、
−OC1〜アルキル、およびNR’R”からなる群から選択される。
【0011】
本発明はさらに、とりわけ以下の化合物:
(3R,4R)−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−1−(3−フェニル−プロピル)−アゼチジン−2−オン;
(3S,4S)−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−1−(3−フェニル−プロピル)−アゼチジン−2−オン;
3R−(4−フルオロ−フェニル)−4R−(4−メトキシ−フェニル)−1−(3−フェニル−プロピル)−アゼチジン−2−オン;
4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−1−フェネチル−アゼチジン−2−オン;
3R−(4−フルオロ−フェニル)−4R−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−フェネチル−アゼチジン−2−オン;
3S−(4−フルオロ−フェニル)−4S−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−フェネチル−アゼチジン−2−オン;
3R−(4−フルオロ−フェニル)−4R−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−(3−フェニル−プロピル)−アゼチジン−2−オン;
3S−(4−フルオロ−フェニル)−4S−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−(3−フェニル−プロピル)−アゼチジン−2−オン;
3R−(4−フルオロ−フェニル)−4R−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−(4−フェニル−ブチル)−アゼチジン−2−オン;
3S−(4−フルオロ−フェニル)−4S−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−(4−フェニル−ブチル)−アゼチジン−2−オン;
4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−1−(4−フェニル−ブチル)−アゼチジン−2−オン;
4R−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3R−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3−O−プロピル]−アゼチジン−2−オン;
3−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3−O−プロピル]−4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−アゼチジン−2−オン;
4R−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3R−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3S−ヒドロキシ−プロピル]−アゼチジン−2−オン;
3R−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3S−ヒドロキシ−プロピル]−4R−(4−ヒドロキシ−フェニル)−アゼチジン−2−オン;
4S−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3S−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3S−ヒドロキシ−プロピル]−アゼチジン−2−オン;
3S−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3S−ヒドロキシ−プロピル]−4S−(4−ヒドロキシ−フェニル)−アゼチジン−2−オン;
またはその薬学的に許容できる塩、エステル、アミド、水和物、もしくは立体異性体を提供する。
【0012】
本発明はさらに、式(2)または(3)の化合物:
【0013】
【化4】

またはその薬学的に許容できる塩、エステル、水和物、アミド、もしくは立体異性体を提供し、式中、
nは、1、2、3、または4であり、
mは、1または2であり、
Wは、O、NR’R”またはSであり、
11は、ハロ、−C(O)R、−OR、R、C1〜20アルキル、C1〜アラルキル、およびシアノからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、
12は、C1〜アルキル、C3〜シクロアルキル、C3〜ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはC1〜アラルキルであり、ここで、前記C1〜アルキル、C3〜シクロアルキル、C3〜ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはC1〜アラルキル基は、ハロ、
−C(O)R、−OR、C1〜20アルキル、およびシアノからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
13は、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、アリールまたはヘテロアリール基は、ハロ、−C(O)R、−OR、C1〜20アルキル、およびC1〜アルキル−NR’R”からなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
14は、C1〜アルキル、=O、C(O)R、OR、R、OC(O)R、−NR’R”、ハロ、
3〜シクロアルキル、C3〜ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびシアノからなる群から選択され、ここで、
は、ヒドロキシ、−OC1〜アルキルまたはC1〜アルキルであり、
は、水素、SOH、POH、C1〜アルキル、またはC1〜アラルキルであり、
は、YGであり、ここで、Yは、NR’、S、またはOであり、
は、NR’R”、C1〜アルキル、C1〜アラルキル、C3〜シクロアルキル、C3〜ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R’およびR”はそれぞれ独立に、水素およびC1〜アルキルからなる群から選択され、
Gは、水素、
【0014】
【化5】

からなる群から選択され、
【0015】
【化6】

は、結合点を示し、R、R、R、R、R、およびRはそれぞれ独立に、水素、C1〜アルキル、C1〜アラルキル、−C(O)C1〜アルキル、−C(O)アリール、およびアリールからなる群から選択され、R10は、水素、ヒドロキシ、C1〜アルキル、−OC1〜アルキル、およびNR’R”からなる群から選択される。
【0016】
本発明はさらに、式(1)、(2)、もしくは(3)の化合物および薬学的に許容できる担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルを含む医薬組成物を提供する。
【0017】
本発明はさらに、それを必要とする対象に治療有効量の式(1)の化合物を投与することを含む、高脂質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症またはアテローム性動脈硬化症に苦しんでいる対象を治療する方法を提供する。
【0018】
本発明はさらに、式(1)、(2)、または(3)の化合物と薬学的に活性な薬剤を含む合剤を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、前記で定義した式(1)の新規なアゼチジノン、またはその薬学的に許容できる塩、エステル、水和物、アミド、もしくは立体異性体を提供し、式中、A−B、X、R、R、R、R、R’、R”、Z、R、R、R、G、R、R、R、R、R、RおよびR10は、前記で定義した通りである。
【0020】
本発明はさらに、前記で定義した式(1)の化合物を提供し、式中、Rは、ハロ、−C(O)R、−OR、R、C1〜アルキル、およびC1〜アラルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールであり、ここで、R、R、およびRは、前記で定義した通りである。
【0021】
本発明はさらに、前記で定義した式(1)の化合物を提供し、式中、Rは、ハロ、−C(O)R、−OR、R、C1〜アルキル、およびC1〜アラルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールであり、Rは、ハロ、−C(O)R、−OR、およびC1〜アルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールであり、ここで、R、R、およびRは、前記で定義した通りである。
【0022】
本発明はさらに、前記で定義した式(1)の化合物を提供し、式中、Rは、ハロ、−C(O)R、−OR、R、C1〜アルキル、およびC1〜アラルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールであり、Rは、ハロ、−C(O)R、−OR、およびC1〜アルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールであり、Rは、ハロ、−C(O)R、−OR、C1〜アルキル、およびC1〜アルキル−NR’R”からなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールであり、ここで、R、R、R、R’、およびR”は、前記で定義した通りである。
【0023】
本発明はさらに、前記で定義した式(1)の化合物を提供し、式中、A−Bは、C=Oであり、
Xは、C〜CアルキレンまたはC〜Cヘテロアルキレンであり、ここで、C〜CアルキレンまたはC〜Cヘテロアルキレンは、炭素原子上でC1〜アルキル、=O、−C(O)R、−OR、−OC(O)R、およびハロからなる群から選択される0、1、または2個の置換基で置換されていてもよく、
Zは、C1〜アルキル、=O、C(O)R、OR、OC(O)R、ハロ、アリール、ヘテロアリール、およびNR’R”からなる群から選択される0、1、または2個の置換基で置換されていてもよいC〜Cアルキレンであり、
は、ハロ、−C(O)R、−OR、R、C1〜アルキル、およびC1〜アラルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールであり、
およびRはそれぞれ独立に、ハロ、−C(O)R、−OR、およびC1〜アルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールであり、ここで、R、R、R、R、R’、およびR”は、前記で定義した通りである。
【0024】
本発明はさらに、前記で定義した式(1)の化合物を提供し、式中、
A−Bは、C=Oであり、
Xは、C〜CアルキレンまたはC〜Cヘテロアルキレンであり、ここで、C〜CアルキレンまたはC〜Cヘテロアルキレンは、非置換であるか、炭素原子上でC1〜アルキル、=O、−C(O)R、−OR、−OC(O)R、およびハロからなる群から選択される0、1、または2個の置換基で置換されており、
Zは、C1〜アルキル、=O、ハロ、C(O)R、OR、OC(O)R、およびアリールからなる群から選択される0、1、または2個の置換基で置換されていてもよいC〜Cアルキレンであり、
は、ハロ、−C(O)R、−OR、R、C1〜アルキル、およびC1〜アラルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールであり、
およびRはそれぞれ独立に、ハロ、−C(O)R、−OR、およびC1〜アルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールであり、ここで、R、R、R、R、R’、およびR”は、前記で定義した通りである。
【0025】
本発明はさらに、前記で定義した式(1)の化合物を提供し、式中、
A−Bは、C=Oであり、
Xは、C1〜アルキル、=O、−C(O)R、−OR、−OC(O)R、およびハロからなる群から選択される0、1、または2個の置換基で置換されていてもよいC〜Cアルキレンであり、
Zは、C1〜アルキル、=O、およびORからなる群から選択される0、1、または2個の置換基で置換されていてもよいC〜Cアルキレンであり、
は、ハロ、−C(O)R、−OR、R、C1〜アルキル、およびC1〜アラルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールであり、
およびRはそれぞれ独立に、ハロ、−C(O)R、−OR、およびC1〜アルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールであり、ここで、R、R、R、R、R’、およびR”は、前記で定義した通りである。
【0026】
本発明はさらに、前記で定義した式(1)の化合物を提供し、式中、
A−Bは、C=Oであり、
Xは、C1〜アルキル、=O、および−ORからなる群から選択される0、1、または2個の置換基で置換されていてもよいC〜Cアルキレンであり、
Zは、=OおよびORからなる群から選択される0、1、または2個の置換基で置換されていてもよいC〜Cアルキレンであり、
は、−ORで置換されていてもよいフェニルであり、Rは、ハロおよび−ORからなる群から独立に選択される置換基で置換されていてもよいフェニルであり、Rは、ハロおよび−ORで置換されていてもよいフェニルであり、ここで、Rは、前記で定義した通りである。
【0027】
本発明はさらに、前記で定義した式(2)もしくは(3)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩、エステル、水和物、アミド、もしくは立体異性体を提供し、式中、
n、m、W、R11、R12、R13、R14、R、R、R、R、R’、R”、G、R、R、R、R、R、R、およびR10は、前記で定義した通りである。
【0028】
本発明はさらに、前記で定義した式(2)または(3)の化合物を提供し、式中、R12は、ハロ、−C(O)R、−OR、およびC1〜アルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、ここで、RおよびRは、前記で定義した通りである。
【0029】
本発明はさらに、前記で定義した式(2)または(3)の化合物を提供し、式中、R13は、ハロ、−C(O)R、−OR、C1〜アルキル、およびC1〜アルキル−NR’Rからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、ここで、R’、R”、R、およびRは、前記で定義した通りである。
【0030】
本発明はさらに、前記で定義した式(2)または(3)の化合物を提供し、式中、R12は、ハロ、−C(O)R、−OR、およびC1〜アルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、R13は、ハロ、−C(O)R、−OR、C1〜アルキル、およびC1〜アルキル−NR’Rからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、ここで、R’、R”、R、およびRは、前記で定義した通りである。
【0031】
本発明はさらに、式(1)、(2)または(3)の化合物および薬学的に許容できる担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルを含む医薬組成物を提供する。
【0032】
本発明はさらに、それを必要とする対象に治療有効量の式(1)、(2)、または(3)の化合物を投与することを含む、高脂質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症またはアテローム性動脈硬化症に苦しんでいる対象を治療する方法を提供する。
【0033】
本発明はさらに、式(1)、(2)、または(3)の化合物と薬学的に活性な薬剤を含む合剤を提供する。
【0034】
本発明はさらに、式(1)、(2)、または(3)の化合物と薬学的に活性な薬剤を含む合剤を提供し、その薬学的に活性な薬剤は、CETP阻害剤、PPAR活性化剤、MTP/Apo B分泌阻害剤、HDLコレステロール上昇剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、トリグリセリド低下剤、コレステロール合成阻害剤、コレステロール調節剤、フィブレート、ナイアシン、イオン交換樹脂、酸化防止剤、ACAT阻害剤、胆汁酸金属イオン封鎖剤、抗高血圧剤、またはアセチルコリンエステラーゼ阻害剤である。
【0035】
本発明はさらに、式(1)、(2)、または(3)の化合物とHMG−CoA還元酵素阻害剤を含む合剤を提供し、そのHMG−CoA還元酵素阻害剤は、スタチンである。
【0036】
本発明はさらに、式(1)、(2)、または(3)の化合物と薬学的に活性な薬剤と薬学的に許容できる担体、希釈剤、溶媒、またはビヒクルを含む合剤を提供し、その薬学的に活性な薬剤は、CETP阻害剤、PPAR活性化剤、MTP/Apo B分泌阻害剤、HDLコレステロール上昇剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、トリグリセリド低下剤、コレステロール合成阻害剤、コレステロール調節剤、フィブレート、ナイアシン、イオン交換樹脂、酸化防止剤、ACAT阻害剤、胆汁酸金属イオン封鎖剤、抗高血圧剤、またはアセチルコリンエステラーゼ阻害剤である。
【0037】
本発明はさらに、本明細書において実施例に記載のそれぞれの表題化合物を含む。
【0038】
上記、および本明細書全体にわたって使用しているように、以下の用語は、特に指示がない限り、以下の意味を有することを理解されたい。
【0039】
本明細書では、「a」または「an」という冠詞は、それが指す単数形と複数形の両方の目的語を意味する。
【0040】
特に指示がない限り、用語を単独でまたは他の用語と併せて使用しているかどうかに関係なく、以下の定義が適用される。したがって、「アルキル」の定義は、「アルキル」ならびに「ヒドロキシアルキル」、「ハロアルキル」、「アルコキシ」、「アラルキル」などの「アルキル」部に適用される。「アリール」の定義は、「アリール」ならびに「ヘテロアリール」、「アラルキル」、「アリールチオ」などの「アリール」部に適用される。
【0041】
本明細書では、「アルキル」という用語は、1〜20個の炭素原子からなる直鎖状または分枝状炭化水素を意味する。非限定的な例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−デシル、テトラデシルなどがある。
【0042】
アルキルは、置換されていてもよく、「置換アルキル」という用語は、アルキル基が、ハロ、アリール、シクロアルキル、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級チオアルコキシ、アミノ、−C(O)C〜Cアルキル、−C−OH、C〜Cアルキル、−OSOH、−OPOH、−OC〜Cアルキル、
−O−アリール、=O、=S、−SH、−COH、−CO〜Cアルキル、−NR’R”、−NR’R”R”’T、−NR’SOR”、−R’C(O)NR’R”、または
C(O)NR’R”からなる群から独立に選択される1個または複数個の置換基によって置換されていることを表し、ここで、R’、R”、およびR”’はそれぞれ独立に、水素、C〜Cアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルであり、ここで、N、R’およびR”、またはN、R’、およびR”’、またはN、R”およびR”’、またはN、R’、R”、およびR”’は一緒になって、アルキルという用語に関して列挙された少なくとも1〜3個の置換基でやはり置換されていてもよいN、OおよびSから選択される少なくとも1個の別のヘテロ原子を含有していてもよい4〜7員単環または二環を形成してもよく、ここで、Tは、薬学的に許容できる塩、例えば、臭化物、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、重硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩などを形成する代表的な対アニオンである。
【0043】
本明細書では、「低級アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状炭化水素基を表す一部のアルキルを意味する。非限定的な例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどがある。あるいは、低級アルキルは、「C〜Cアルキル」と呼ばれる。低級アルキル基は、アルキルという用語に関して既に列挙された少なくとも1〜3個の置換基で置換されていてもよい。
【0044】
本明細書では、「アルコキシ」という用語は、アルキル基が既に定義した通りであるアルキル−O−基を意味する。有用なアルコキシ基は、1〜12個の炭素原子を含んでいてよい。「低級アルコキシ」という用語は、アルキル基が1〜6個の炭素原子を含むアルキル−O−基を表す。低級アルコキシの非限定的な例には、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシなどがある。アルコキシのアルキル基は、エーテル酸素を介して隣接部分に結合している。
【0045】
本明細書では、「アルケニル」という用語は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する2〜12個の炭素原子の直鎖状または分枝状炭化水素基である。アルケニルの非限定的な例には、エテニル、1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、2−ペンテニル、3−メチル−3−ブテニル、1−ヘキセニル、3−ヘプテニル、l−オクテニル、1−ノネニル、1−デセニル、1−ウンデセニル、1−ドデセニルなどがある。アルケニル基は、アルキルという用語に関して既に列挙された少なくとも1〜3個の置換基で置換されていてもよい。
【0046】
本明細書では、「アルキニル」という用語は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する2〜12個の炭素原子の直鎖状または分枝状炭化水素基を表す。非限定的な例には、3−プロピニル、
1−ブチニル、3−ペンチニル、3−メチル−3−ブチニル、1−ヘキシニル、3−ヘプチニル、l−オクチニル、1−ノニニル、1−デシニルなどがある。アルキニル基は、アルキルという用語に関して既に列挙された少なくとも1〜3個の置換基で置換されていてもよい。
【0047】
本明細書では、「アリール」という用語は、アルキル、低級アルコキシ、低級チオアルコキシ、ハロゲン、−COH、−CO(C〜C)アルキル、−C(O)C〜Cアルキル、−OSOH、−OPOH、または−OC〜Cアルキル、
−O(CH0〜2CF、−O−アリール、−OSOR’、ニトロ、シアノ −OH、−SH、−CF、−NR’R”、−NR’SOR”、−NR’C(O)NR’R”、
−S(O)1〜2アルキル、S(O)1〜2アリール、−SONR’R”、または−C(O)NR’R”から選択される少なくとも1個の置換基によって置換されていてもよいC〜C14単、二または多炭素環式芳香環系を意味し、ここで、R’、およびR”は独立に、水素、C〜Cアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアラルキルであり、またはN、R’およびR”は一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個の別のヘテロ原子を含有していてもよい4〜7員単環もしくは二環を形成してもよい。アリールの非限定的な例には、フェニル、ナフチル、インデニル、2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2−クロロ−3−メチルフェニル、2−クロロ−4−メチルフェニル、2−クロロ−5−メチルフェニル、3−クロロ−2−メチルフェニル、3−クロロ−4−メチルフェニル、4−クロロ−2−メチルフェニル、4−クロロ−3−メチルフェニル、5−クロロ−2−メチルフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2,3−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニルなどがある。アリール基は、同じでも異なっていてもよい少なくとも1〜3個の「環系置換基」で置換されていてよく、以下に定義した通りである。
【0048】
本明細書では、「アラルキル」という用語は、アリールおよびアルキル基が既に定義されている通りであるアリール−アルキル基を表す。残りの分子との結合は、アラルキル部分のアリール部またはアルキル部のいずれかを介していてよい。アラルキル基は、アルキルおよびアリールに関して上記で列挙した少なくとも1〜3個の置換基で置換されていてもよい。アラルキルの非限定的な例には、ベンジル、フェネチル、ナフトレニルメチル、トリルなどがある。
【0049】
本明細書では、「アラルケニル」という用語は、アリールおよびアルケニル基が既に定義されている通りであるアリール−アルケニル基を表す。アラルケニル基は、アリールおよびアルケニルに関して上記で列挙した1〜3個の置換基で置換されていてもよい。アラルケニルの非限定的な例には、2−フェネテニル、2−ナフチルエテニルなどがある。
【0050】
本明細書では、「アルキレン」という用語は、2個の水素原子の除去によって1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖飽和炭化水素から誘導された二価基を意味する。好ましいアルキレンは、1〜3個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状炭化水素鎖ジラジカルを指す。アルキレン基は、アルキルという用語に関して列挙され、かつ低級アルコキシ、低級チオアルコキシ、−O(CH0〜2CF、ハロ、ニトロ、シアノ、=O、=S、−OH、−SH、−CF、−COH、−CO〜Cアルキル、−NR’R”、または−C(O)NR’R”から選択される1個または複数個の置換基で置換されていてもよく、ここで、R’およびR”は独立に、水素、C〜Cアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルであり、N、R’およびR”は一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個の別のヘテロ原子を含有していてもよい4〜7員単環または二環を形成してもよい。有用なアルキレン基は、1〜6個の炭素原子を有する(C〜Cアルキレン)。アルキレンの非限定的な例には、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、プロピレン(−(CH−)などがある。
【0051】
「アロイル」という用語は、アリール基が既に定義された通りであるアリール−C(O)−基を表す。アロイルの非限定的な例には、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイルなどがある。
【0052】
本明細書では、「アシル」という用語は、アルキル基が既に定義された通りであるHC(O)−またはアルキル−C(O)−を表す。好ましいアシルは、低級アルキルを含有する。アシルの非限定的な例には、ホルミル、アセチル、プロパノイル、2−メチルプロパノイル、ブタノイルなどがある。
【0053】
本明細書では、「アリールオキシ」という用語は、アリール基が既に定義された通りであるアリール−O−を表す。アリールオキシの非限定的な例には、フェノキシ、ナフトキシなどがある。
【0054】
本明細書では、「アリールチオ」という用語は、アリール基が前述の通りであるアリール−S−を表す。アリールチオの非限定的な例には、フェニルチオ、ヘプチルチオなどがある。
【0055】
本明細書では、「アラルキルチオ」という用語は、アラルキルが既に定義された通りであるアラルキル−S−基を表す。アラルキルチオの非限定的な例には、ベンジルチオ、2−フェニル−エタンチオールなどがある。
【0056】
本明細書では、「アルコキシカルボニル」という用語は、アルコキシが既に定義された通りであるアルコキシ−C(O)−を表す。アルコキシカルボニルの非限定的な例には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどがある。
【0057】
本明細書では、「アリールオキシカルボニル」という用語は、アリール基が前述の通りであるアリール−O−C(O)−基を表す。アリールオキシカルボニルの非限定的な例には、フェノキシカルボニル、ナフトキシカルボニルなどがある。
【0058】
本明細書では、「アラルコキシカルボニル」という用語は、アラルキル基が既に定義された通りであるアラルキル−O−C(O)−基を表す。アラルコキシカルボニルの非限定的な例には、ベンジルオキシカルボニルなどがある。
【0059】
本明細書では、「アルキルスルホニル」という用語は、アルキル基が既に定義された通りであるアルキル−S(O)−を表す。好ましい基は、アルキル基が低級アルキルであるものである。
【0060】
本明細書では、「アルキルスルフィニル」という用語は、アルキル−S(O)−基を表す。好ましい基は、アルキル基が低級アルキルであるものである。
【0061】
本明細書では、「アリールスルホニル」という用語は、アリール−S(O)−基を表す。
【0062】
本明細書では、「アリールスルフィニル」という用語は、アリール−S(O)−基を表す。
【0063】
本明細書では、「シクロアルキル」という用語は、飽和環状C〜C12アルキル基を意味し、ここで、アルキルは、既に定義された通りである。シクロアルキルの非限定的な例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロクチル、デカリニル、ノルピナニル、またはアダマンチルがある。シクロアルキル基は、アルキルまたはアルキレンに関して上記で列挙した置換基のうちの少なくとも1個で置換されていてもよい。置換シクロアルキル基の非限定的な例には、フルオロシクロプロピル、2−ヨードシクロブチル、2,3−ジメチルシクロペンチル、2,2−ジメトキシシクロヘキシル、3−フェニルシクロペンチルなどがある。
【0064】
本明細書では、「シクロアルケニル」という用語は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する飽和環状C〜C12アルケニル基を意味し、ここで、アルケニルは、既に定義された通りである。シクロアルケニルの非限定的な例には、シクロプロペン、シクロペンテン、シクロペンタ−1−3−ジエン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロヘプタ−1−4−ジエンなどがある。
【0065】
本明細書では、「炭化水素鎖」という用語は、1〜12個の炭素原子からなる直鎖状炭化水素を意味する。炭化水素鎖は、アルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、−O(CH0〜2CF、ハロゲン、ニトロ、シアノ、=O、=S、−OH、−SH、−CF、−COH、−CO〜Cアルキル、−NR’R”、−C(O)NR’R”、−NR’R”R”’T、−NR’S(O)R”、または−R’C(O)NR’R”から選択される1個または複数個の置換基で置換されていてもよく、ここで、R’、R”、およびR”’はそれぞれ独立に、水素、C〜Cアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルであり、またはN、R’およびR”、もしくはN、R’、およびR”’、もしくはN、R”およびR”’もしくはN、R’、R”、およびR”’は一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個の別のヘテロ原子を含有していてもよい4〜7員単環もしくは二環を形成してもよい。
【0066】
本明細書では、「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、フッ素またはフッ化、塩素または塩化、臭素または臭化またはヨウ素またはヨウ化を表す。
【0067】
本明細書では、「ヘテロ原子」という用語は、特に指示がない限り、酸素(O)、窒素(N)、または硫黄(S)ならびにスルホキシルまたスルホニル(S(O)またはSO)を表す。
【0068】
本明細書では、「ヘテロアリール」という用語は、既に定義された通りである1個または複数個のヘテロ原子を含有する、既に定義された通りであるアリール基を表す。ヘテロアリールは、「アリール」に関して既に列挙された少なくとも1個の置換基で置換されていてもよい。ヘテロアリールの非限定的な例には、チエニル、ベンゾチエニル(2−ベンゾチエニル、3−ベンゾチエニルなど)、インドリジニル、ピラジニル、フラニル、ベンゾフラニル、ピロリル、ピリジル、ベンゾチエニル(2−ベンゾチエニル、4−ベンゾチエニルなど)、イミダゾリル(1−イミダゾリル、2−イミダゾリルなど)、ベンゾイミダゾリル(l−ベンゾイミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリルなど)、トリアゾリル(1−トリアゾリル、3−トリアゾリルなど)、イソチアゾリル、ピラゾリル(l−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリルなど)、オキサゾリル(2−オキサゾリル、4−オキサゾリルなど)、ベンゾオキサゾリル(2−ベンゾオキサゾリル、4−ベンゾオキサゾリルなど)、テトラゾリル(l−テトラゾリル、3−テトラゾリルなど)、チアゾリル(2−チアゾリル、4−チアゾリルなど)、インドリル(l−インドリル、2−インドリルなど)、イソインドリル(l−イソインドリル、2−イソインドリルなど)、キナゾリニル、キノリニル(2−キノリニル、3−キノリニルなど)、イソキノリニル(3−イソキノリニル、5−イソキノリニルなど)がある。
【0069】
本明細書では、「複素環」という用語は、N、OおよびSから選択される1個または複数個のヘテロ原子を含有する飽和単、二または多環を表す。複素環は、アルキルに関して上記で列挙した置換基のうちの少なくとも1個で置換されていてもよい。複素環の非限定的な例には、ピペリジニル、ピロリジニル、l−ピペラジニル、2−ピペラジニル、2−モルホリニル、4−モルホリニル、ピペラジニル、アゼチジニル、アジリジニル、チエタニルなどがある。
【0070】
本明細書では、「ヘテロシクレニル」という用語は、環系中の1個または複数個の原子が、炭素以外の元素、例えば窒素、酸素、または硫黄原子であり、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または炭素−窒素二重結合を含有する、約3〜約12個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子からなる非芳香族単環系または複環系を表す。ヘテロシクレニルの前にある接頭辞のアザ、オキサ、またはチアは、少なくとも窒素、酸素、または硫黄原子がそれぞれ、環原子として存在することを表す。ヘテロシクレニルの非限定的な例には、1,2,3,4−テトラヒドロピリジン、2−ピロリニル、2−イミダゾリニル、1,2−ジヒドロピリジルなどがある。
【0071】
本明細書では、「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリールとアルキルのどちらも既に定義された通りであるヘテロアリール−アルキルを表す。残りの分子との結合は、ヘテロアラルキル部分のヘテロアリール部またはアルキル部のいずれかを介していてよい。ヘテロアラルキルは、アルキルおよびヘテロアリールに関して既に列挙された置換基のうちの少なくとも1個で置換されていてもよい。ヘテロアリールアルキルの非限定的な例には、2−プロピル−ピリジン、3,4−メチル−1H−ピロールなどがある。
【0072】
本明細書では、「ヘテロアラルケニル」という用語は、ヘテロアリールとアルケニルのどちらも既に定義された通りであるヘテロアリール−アルケニルを表す。残りの分子との結合は、ヘテロアラルケニル部分のヘテロアリール部またはアルケニル部のいずれかを介していてよい。ヘテロアラルケニルは、アルケニルおよびヘテロアリールに関して既に列挙された置換基のうちの少なくとも1個で置換されていてもよい。ヘテロアラルケニルの非限定的な例には、2−(ピリド−3−イル)エテニル、2−(キノリン−3−イル)エテニルなどがある。
【0073】
本明細書では、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、複素環とアルキルのどちらも既に定義された通りである複素環−アルキルを表す。残りの分子との結合は、ヘテロシクロアルキル部分の複素環部またはアルキル部のいずれかを介していてよい。ヘテロシクロアルキルは、アルキルおよび複素環に関して上記で列挙した置換基のうちの少なくとも1個で置換されていてもよい。ヘテロシクロアルキルの非限定的な例には、2−メチルピペリジン、2−エチル−5−メチル−ピロリジンなどがある。
【0074】
「チオアルキル」または「アルキルチオ」という用語は、アルキル基が既に定義されているアルキル−S−を表す。アルキルは、スルフィニル部分を介して隣接部分に結合している。チオアルキルの非限定的な例には、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオなどがある。
【0075】
「チオアルコキシ」という用語は、アルコキシ基が既に定義されているアルコキシ−S−を表す。アルコキシは、スルフィニル部分を介して隣接部分に結合している。「低級チオアルコキシ」という用語は、アルキル基が1〜6個の炭素原子を含むアルキル−O−S−基を表す。チオアルコキシの非限定的な例には、メトキシスルファニル、エトキシスルファニルなどがある。
【0076】
本明細書では、「環」という用語には、それぞれ既に定義された通りであるヘテロアリール、複素環、シクロアルキルおよびアリールが含まれ、その縮合、単環、二環、および多環置換物(permutation)がさらに含まれる。
【0077】
「環系置換基」は、例えば、環系上の水素を置換する芳香族または非芳香族環系に結合した置換基を表す。環系置換基は、同じでも異なっていてもよく、それぞれがアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アロイル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環、ヘテロシクレニル、ヘテロシクロアルキル、およびNR’R”からなる群からそれぞれ独立に選択され、ここで、R’およびR”は、それぞれ独立にH、C〜Cアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアラルキルであり、またはN、R’、およびR”は一緒になって、N、OおよびSから選択される少なくとも1個の別のヘテロ原子を含有していてもよい4〜7員単環もしくは二環を形成してもよい。
【0078】
本明細書では、「立体異性体」という用語は、本発明の化合物の幾何異性体(例えば、シスおよびトランス異性体)および/または光学異性体(例えば、RおよびS鏡像異性体)の両方を意味する。異性体のラセミ、鏡像異性、ジアステレオ異性、およびエピマー混合物が、本発明によって企図されている。1個または複数個の不斉炭素原子を含有する式1、2、または3の化合物は、2種以上の立体異性体として存在することができる。式1、2、または3の化合物がアルケニル基またはアルケニレン基を含有する場合には、幾何シス/トランス異性体が可能である。構造異性体が低エネルギー障壁を介して相互に変換可能である場合には、互変異性(「tautomerism」)が起こり得る。これは、例えばイミノ、ケトもしくはオキシム基を含有する式1、2、もしくは3の化合物ではプロトン互変異性の形態、または芳香族部分を含有する化合物ではいわゆる原子価互変異性の形態をとることができる。単一化合物は、2種類以上の異性を示し得ることになる。したがって、本発明の範囲内に含まれているのは、2種類以上の異性を示す化合物およびその1種または複数の混合物を含めた式1、2、または3の化合物の全ての立体異性体および互変異性形態である。対イオンが光学活性、例えば、d−乳酸塩もしくはl−リジンである、またはラセミ体、例えば、dl−酒石酸塩もしくはdl−アルギニンである、酸付加塩または塩基塩も含まれている。
【0079】
シス/トランス異性体は、当業者によく知られている従来の技術、例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶によって分離することができる。
【0080】
個々の鏡像異性体の調製/単離のための従来の技術には、適当な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成または例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いたラセミ化合物(または塩もしくは誘導体のラセミ化合物)の分割がある。
【0081】
あるいは、ラセミ化合物(またはラセミ前駆体)は、適当な光学活性化合物、例えば、アルコールと、または、式1、2、もしくは3の化合物が酸性部分もしくは塩基性部分を含有する場合、1−フェニルエチルアミンもしくは酒石酸などの塩基もしくは酸と反応させてもよい。得られたジアステレオ異性混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶によって分離でき、また当業者によく知られている手段によって一方または両方のジアステレオ異性体を対応する純粋な鏡像異性体に転換することができる。
【0082】
本発明のキラル化合物(およびそのキラル前駆体)は、移動相が炭化水素、通常ヘプタンまたはヘキサンからなり、イソプロパノール0〜50体積%、通常2%〜20%、およびアルキルアミン0〜5体積%、通常ジエチルアミン0.1%を含有する非対称樹脂のクロマトグラフィー、通常HPLCを用いて鏡像異性体が豊富な形態で得ることができる。溶出液の濃度により、その富んだ混合物が得られる。
【0083】
本明細書では、「ラセミ化合物」という用語は、どちらの鏡像異性体も等モル量で含有する1つの均一な形態の結晶が生成するラセミ化合物と、それぞれが単一鏡像異性体を含有する2つの形態の結晶が等モル量で生成するラセミ混合物または集合体の両方が含まれることを表す。このような混合物は、当業者に周知の従来の技術−例えば、E.L.ElielおよびS.H.WilenによるStereochemistry of Organic Compounds(Wiley、New York、1994)参照−によって分離することができる。
【0084】
置換基との結合が、環中の2個の原子をつないでいる結合(単複)と交差することが明らかな場合、かかる置換基は、環中のどの原子と結合させてもよく、ただし、原子は、その原子価を変えずに置換基を受け入れることになる。環原子と結合できる置換基の原子がいくつかあると思われる場合、特に指示がない限り、列挙した置換基の第1の原子を環に結合させる。
【0085】
特に指示がない限り、「本発明の化合物」または「本発明の化合物(複数)」には、その化合物自体ならびにその薬学的に許容できる塩、エステル、アミド、水和物、または立体異性体が含まれる。
【0086】
「患者」または「対象」という用語は、ヒトを含む全ての動物および哺乳動物を表す。患者または対象の例には、ヒト、ウシ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、およびウサギがある。
【0087】
「有効量」および「治療有効量」という表現は、治療している状態または疾患の症状の緩和および1種または複数の状態、例えば高脂質血症、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、シトステロール血症、血管炎症などの血管状態の進行の防止、減速または停止を含む、管理者(研究者、医者、または獣医など)によって調べられている組織、器官、動物、または哺乳動物中の生物学的または医学的応答を誘発する、式1、2、または3の化合物、および後述の他の薬物または治療薬の量を表す。当業者には理解されるように、「治療有効量」は、対象間で異なり、個々別々に決定することになる。考慮すべき因子には、治療対象、体重、健康、および投与した化合物があるが、それだけには限定されない。
【0088】
本明細書では、「薬学的に許容できる塩、エステル、アミド、水和物、または立体異性体」という用語は、適切な医学判断の範囲内であり、過度の毒性、刺激、アレルギー応答などを伴わない患者の組織に接触する使用に適しており、妥当な利益/リスク比に見合っており、かつそれらの使用目的に有効である本発明の化合物の酸付加塩、塩基付加塩、エステル、アミド、水和物、および立体異性体(光学、幾何、および互変異性)、ならびに可能なら、本発明の化合物の双性イオン形態を意味する。
【0089】
さらに、「薬学的に許容できる塩」という用語は、本発明の化合物の比較的非毒性の無機および有機酸付加塩または塩基塩を意味する。これらの塩は、化合物の最終単離および精製中に、または精製した化合物をその遊離形態で適当な有機もしくは無機酸もしくは塩基と個別に反応させ、このように形成した塩を単離することによってin situで調製することができる。代表的なアニオン塩または酸付加塩には、酢酸塩、アスパラギン酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、カミシレート(camysylate)、クエン酸塩、エジシル酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、臭化水素酸塩、臭化物、塩酸塩、塩化物、D−乳酸塩、L−乳酸塩、リンゴ酸塩、メシレート、パモ酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、D−酒石酸塩、L−酒石酸塩、安息香酸塩、グルセプト酸塩、グルクロン酸塩、ヒベンズ酸塩、イセチオン酸塩、マロン酸塩、メチル硫酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、ステアリン酸塩、トシレート、アジピン酸塩、アラボガラクタン硫酸塩、アスコルビン酸塩、エストレート、ガラクツロン酸塩、グルタミン酸塩、馬尿酸塩、3−ヒドロキシ−2−ナフトエート、1−ヒドロキシ−2−ナフトエート、ヨウ化物、ラクトビオン酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、ムケート(mucate)、ナパジシル酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、糖酸塩、サリチル酸塩、スルホサリチル酸塩、コール酸塩、およびトリプトファナートがある。(例えば、参照により本明細書に組み込む、Berge S.M.ら、「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.、1977;66:1〜19を参照のこと。)遊離塩基形態は、塩形態を塩基と接触させることによって再生させることができる。遊離塩基は、溶解度などの物理的性質の点で塩形態と異なることがあるが、本発明の目的において塩は、それらのそれぞれの遊離塩基に相当する。
【0090】
代表的なカチオン塩または塩基塩には、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなど、アルギニン、ベンザチン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リジン、メグルミン、オラミン、トロメタミン(トリス)、2−アミノ−2−メチルプロパン−1−オール、ベネタミン、エルブミン(tert−ブチルアミン)、エポラミン(ヒドロキシエチルピロリジン)、エチレンジアミン、ヒドラバミン、モルホリン、ピペラジン、プロカイン、銀、トロラミン、亜鉛、アデニン、アルギニン、シトシン、グルコサミン、グアニジン、グアニン、ニコチンアミド、オルニチン、プラリン(praline)、ピリドキシン、セリン、チロシン、およびバリンを含めたカルシウム、コリン、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、アルミニウム、アンモニウム、第4級アンモニウム、およびアミンカチオンがある。ヘミ塩、例えば、ヘミカルシウムも形成することができる。
【0091】
本発明の化合物の薬学的に許容できる非毒性エステルの例には、アルキル基が直鎖または分枝鎖であるC〜Cアルキルエステルがある。許容できるエステルには、C〜Cシクロアルキルエステルならびにそれだけには限らないがベンジルなどのアラルキルエステルも含まれる。C〜Cアルキルエステルが好ましい。本発明の化合物のエステルは、従来の方法によって調製することができる。
【0092】
本発明の化合物の薬学的に許容できる非毒性アミドの例には、アンモニア、アルキル基が直鎖または分枝鎖である第1級(C〜C)アルキルアミンおよび第2級ジ−(C〜C)アルキルアミンから誘導したアミドがある。第2級アミンの場合、アミンは、1個の窒素原子を含有する5または6員複素環の形態であってもよい。アンモニア、C〜Cアルキル第1級アミンおよびC〜Cジアルキル第2級アミンから誘導されたアミドが好ましい。本発明の化合物のアミドは、従来の方法によって調製することができる。
【0093】
本発明のいくつかの化合物は、未溶媒和形態ならびに水和形態を含めた溶媒和形態で存在することができる。一般に、水和形態を含めた溶媒和形態は、未溶媒和形態に相当し、本発明の範囲内に包含されるものである。
【0094】
プロドラッグの使用は、本発明によって企図されている。「プロドラッグ」は、in vivoで式1、2、または3に基づいた活性な親薬物を放出する任意の共有結合した担体を含むものである。さらに、「プロドラッグ」という用語は、例えば、血中における加水分解によってin vivoで変化させて上式の親化合物を得る化合物を意味する。徹底的な考察は、どちらも参照によりここに組み込まれる、A.C.S.Symposium SeriesのT.HiguchiおよびV.Stella、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、第14巻と、Bioreversible Carriers in Drug Design、Edward B.Roche編、American Pharmaceutical AssociationおよびPergamon Press、1987に示されている。プロドラッグの例には、式1、2、または3の化合物中に存在するアセテート、ホルメート、アルコールのベンゾエート誘導体、およびアミンがある。
【0095】
本発明の化合物は、高脂質血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、およびアテローム性動脈硬化症の治療のために患者または対象に投与することに適している。本発明の化合物は、単独で、または本発明の別の化合物と一緒に、または医薬組成物の一部として患者/対象に投与することができる。
【0096】
本発明の医薬組成物は、少なくとも1種の本発明の化合物および少なくとも1種の薬学的に許容できる担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルを含有する。薬学的に許容できる担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルは、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、(A.R.Gennaro編 1985)に記載されているものを含めた、当技術分野で既知の任意のかかる担体であってよい。本発明の医薬組成物は、例えば、少なくとも1種の本発明の化合物と薬学的に許容できる担体を混合することを含めた、当技術分野で既知の従来の手段によって調製することができる。
【0097】
本発明の化合物、組成物、および治療薬は、これらの化合物と体内、例えば、動物または哺乳動物の血漿、肝臓、直腸、または小腸内の作用部位との接触をもたらす任意の適当な手段によって投与することができる。本発明の化合物の組成物は、本明細書において企図されている。本発明の組成物は、患者/対象に経口、経直腸、非経口(静脈内、筋肉内、または皮下)、槽内、膣内、腹膜内、膀胱内、局所(散剤、軟膏剤、または滴剤)的に、または頬もしくは経鼻スプレー剤として投与することができる。
【0098】
非経口注射に適した組成物は、生理学的に許容できる無菌の水溶液または非水溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、および無菌の注射可能溶液または分散液に溶解するための無菌の粉末を含んでいてよい。適当な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例には、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなど)、その適当な混合物、植物油(オリーブ油など)、および注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルがある。例えば、レシチンなどの被覆剤の使用、分散液の場合には必要とされる粒径の維持、および界面活性剤の使用によって、適切な流動性を維持することができる。
【0099】
これらの組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、および分配剤(dispensing agent)などの添加剤も含有していてよい。微生物の活動は、各種抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などによって確実に防止することができる。等張剤、例えば糖、塩化ナトリウムなどを含むことが望ましいこともある。注射可能な剤形の長期吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によってもたらすことができる。
【0100】
経口投与のための固体投与形態は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒を含む。このような固体投与形態では、活性化合物を少なくとも1種の(a)クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの不活性な慣用的賦形剤(または担体);(b)例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸のような充填剤または増量剤;(c)例えば、カルボキシメチルセルロース、アリグネート(alignate)、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアラビアゴムのような結合剤;(d)例えば、グリセリンのような保水剤(humectant);(e)例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、いくつかの複合シリケート、および炭酸ナトリウムのような崩壊剤;(f)例えばパラフィンのような溶解遅延剤(solution retarder);(g)例えば、第4級アンモニウム化合物のような吸収促進剤;(h)例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートのような湿潤剤;(i)例えば、カオリンおよびベントナイトのような吸着剤;ならびに(j)例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、またはその混合物のような滑剤と混ぜる。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合には、投与形態は、緩衝剤を含んでいてもよい。
【0101】
同様の種類の固体組成物は、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどのような賦形剤を用いて、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル剤(soft and hard−filled gelatin capsule)に充填剤として使用することもできる。
【0102】
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒などの固体投与形態は、当技術分野でよく知られている腸溶性コーティングなどのようなコーティングおよび外殻を付けて調製することができる。これらは、乳白剤を含有することもでき、腸管の特定の部分に遅延した様式で活性化合物(単数または複数)を放出するような組成物であってもよい。使用できる包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスである。活性化合物は、適切な場合には、1種または複数の上記賦形剤を含むマイクロカプセル化形態であってもよい。
【0103】
経口投与のための液体投与形態には、薬学的に許容できる乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤がある。活性化合物に加えて、液体投与形態は、当技術分野で一般に使用されている不活性な希釈剤、例えば水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油、特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油、グリセリン、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルまたはこれらの物質の混合物などを含有していてよい。不活性な希釈剤の他に、組成物には、例えば、湿潤剤、乳化剤および未決剤(pending agent)、甘味剤、矯味矯臭剤、および芳香剤、またはその混合物のような添加剤が含まれる。懸濁剤は、活性化合物に加えて、懸濁化剤、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、またはこれらの物質の混合物を含有していてよい。
【0104】
直腸投与のための組成物は好ましくは、本発明の化合物に、常温では固体であるが、体温では液体であるので、直腸または膣腔内で溶解し活性成分を放出する、適当な非刺激性賦形剤または担体、例えばココアバター、ポリエチレングリコール、または坐剤用蝋を混合することによって調製できる坐剤である。
【0105】
本発明の化合物を局所投与するための投与形態には、軟膏剤、散剤、スプレー剤、および吸入剤がある。活性成分には、無菌条件下で生理学的に許容できる担体と、必要とされ得る任意の防腐剤、緩衝剤、または噴射剤とを混ぜる。眼科用製剤、眼軟膏剤、散剤、および液剤も本発明の範囲内に入ると考えられる。
【0106】
本発明の化合物は、1日当たり約0.1〜約2,000mgの範囲の投与量レベルで患者に投与することができる。体重が約70キログラムの正常なヒトの成人の場合、1日当たり体重1キログラム当たり約0.01〜約100mgの範囲の投与量が好ましい。しかしながら、使用する特定の投与量は、患者ごとに異なっていてよい。例えば、投与量は、患者の要求、治療している状態の重症度、および使用している化合物の薬理活性を含めた、いくつかの因子によって決まり得る。特定の患者のための最適投与量の決定は、当業者によく知られている。
【0107】
「治療している(treating)」または「治療(treatment)」という用語は、かかる用語が適用される障害もしくは状態、またはかかる障害もしくは状態の1種もしくは複数の症状の進行の逆転、回復、緩和、抑制、または予防を含めた治療処置、待機療法および予防療法を意味する。
【0108】
本明細書に記載されている本発明の化合物は、以下の疾患/状態:異脂肪血症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、アテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患、心臓血管障害、アンギナ、虚血、心虚血、発作、心筋梗塞、再潅流傷害、血管形成再狭窄、高血圧、糖尿病および糖尿病の血管合併症、肥満、不安定狭心症、アルツハイマー病、BPH、骨粗鬆症、脳血管疾患、冠状動脈疾患、心室機能障害、心不整脈、肺血管疾患、腎血管性疾患、腎疾患、血管内凝血症、自己免疫異常、肺疾患、性機能障害、認知的機能障害、癌、臓器移植拒絶反応、乾癬、子宮内膜症、ならびに黄斑変性の治療において単独でまたは本明細書に記載されている別の薬学的に活性な薬剤と併せて使用することができる。本発明の合剤は、それぞれが本明細書に記載されているような薬学的に活性な担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルをさらに含有する医薬組成物の一部であってよい。
【0109】
適当な薬学的に活性な薬剤の例には、CETP阻害剤、PPAR活性化剤、MTP/Apo B分泌阻害剤、HDL−コレステロール上昇剤、トリグリセリド低下剤、コレステロール合成阻害剤、コレステロール調節剤、フィブレート、ナイアシン、イオン交換樹脂、酸化防止剤、ACAT阻害剤、または胆汁酸金属イオン封鎖剤;抗高血圧剤;アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、抗糖尿病化合物、抗肥満化合物、甲状腺模倣剤(thyromimetic agent)、抗再吸収剤(anti−resorptive agent)、抗骨粗鬆症剤、抗高血圧剤、またはアルツハイマー病の治療のための薬物がある。これらそれぞれの薬剤の具体例には、当技術分野で既知のものならびに以下に明記したものがある。
【0110】
併用療法治療では、本発明の化合物とその他の薬物療法のどちらも従来の方法によって哺乳動物に投与する。以下の考察は、本発明の各種の合剤の性質(combination aspects)をより具体的に説明する。
【0111】
高密度リポタンパク質(HDL)、低密度リポタンパク質(LDL)、超低密度リポタンパク質(VLDL)、およびキロミクロンを含む、リポタンパク質粒子間のコレステリルエステルおよびトリグリセリドの転送を阻害する当技術分野で既知の任意のコレステロールエステル転送蛋白(「CETP」)阻害剤を使用することができる。リポタンパク質の特徴に対するCETP阻害剤の効果は、抗動脈硬化(anti−atherogenic)であると考えられる。このような阻害は、当技術分野で既知の手段によって確認することができる(例えば、Crookら Arteriosclerosis 10、625、1990;米国特許第6,140,343号)。適当なCETP阻害剤の例には、米国特許第6,197,786号、第6,723,752号および第6,723,753号に記載されているものがある。有用なCETP阻害剤の別の例には、以下の化合物:[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル(Torcetrapib(商標))、および3−{[3−(4−クロロ−3−エチル−フェノキシ)−フェニル]−[3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−ベンジル]−アミノ}−1,1,1−トリフルオロ−プロパン−2−オールがあるが、それだけには限定されない。多くのCETP阻害剤の乏しい溶解度に対処するためには、適切な投与形態、例えば(1)コレステリルエステル転送蛋白(CETP)阻害剤および酸性濃度増大ポリマーを含む固体非晶質分散物と;(2)酸感受性HMG−CoA還元酵素阻害剤を含むものが必要なことがある。この投与形態は、USSN 10/739,567にさらに十分に記載されている。
【0112】
ヒトPPARを活性化させるまたはその他の方法でヒトPPARと相互作用する当技術分野で既知の任意のペルオキシソーム増殖活性化受容体(「PPAR」)活性化剤を使用することができる。3種類の哺乳動物PPARが単離され、PPAR−α、PPAR−γ、およびPPAR−β(NUC1またはPPAR−δとしても知られている)と名付けられている。これらのPPARは、PPAR応答要素と称されるDNA配列要素に結合することによって標的遺伝子の発現を調節する。これらの要素は、脂質代謝を調節するタンパク質をコードするいくつかの遺伝子のエンハンサー中に確認されており、PPARが脂質生成シグナル伝達カスケードおよび脂質ホメオスタシスにおいて重要な役割を果たすことを示唆している。PPAR−γ受容体は、インスリン感受性および血糖値の調節に関連している。PPAR−α活性化剤は、血漿トリグリセリドおよびLDLコレステロールの低下に関連している。PPAR−β活性化剤は、HDL−Cレベルの増大とLDL−Cレベルの低減のどちらも行うことが報告されている。したがって、HDLを増大させ、かつLDLを低下させる異脂肪血症の治療法を計画する場合に、PPAR−β単独の、またはPPAR−αおよび/もしくはPPAR−γの同時活性化と併せた活性化が望ましいことがある。PPAR活性化は、標準アッセイ(例えばUS 2003/0225158およびUS 2004/0157885)を用いて当業者によって容易に確認される。適当なPPAR活性化剤化合物の例には、US 2003/0171377、US 2003/0225158、US 2004/0157885、および米国特許第6,710,063号に記載されているものがあるが、それだけには限定されない。有用なPPAR活性化剤化合物の別の例には、以下の化合物:[5−メトキシ−2−メチル−4−(4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4イルメチルスルファニル)−フェノキシ]−酢酸;[5−メトキシ−2−メチル−4−(3’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメチルスルファニル)−フェノキシ]−酢酸;[4−(4’フルオロ−ビフェニル−4−イルメチルスルファニル)−5−メトキシ−2メチル−フェノキシ]−酢酸;{5−メトキシ−2メチル−4−[4−(4−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−ベンジルスルファニル]−フェノキシ}−酢酸;{{5−メトキシ−2−メチル−4−[4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ベンジルスルファニル]−フェノキシ}−酢酸;(4−{4−[2−(3−フルオロ−フェニル)−ビニル]−ベンジルスルファニル}−5−メトキシ−2−メチル−フェノキシ)−酢酸;[5−メトキシ−2−メチル−4−(3−メチル−4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−4−イルメチルスルファニル)−フェノキシ]−酢酸;[5−メトキシ−2−メチル−4−(4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−イルメチルスルファニル)−フェノキシ]−酢酸;{5−メトキシ−2−メチル−4−[2−(4−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−ベンジルスルファニル]−フェノキシ}酢酸;3−{5−[2−(−5−メチル−2フェニル−オキサゾール−4−イル−エトキシ]−インドール−1−イル}−プロピオン酸;3−{4[2−(5−メチル−2−フェニル−1,3−オキサゾール−4−イル)エトキシ−1H−インダゾール−1イル}プロパン酸;2−メチル−2−{3−[({2−(5−メチル−2−フェニル−1,3−オキサゾール−4−イル)エトキシ]カルボニル}アミノ)メチル]フェノキシ}プロピオン酸;1−{3’−[2−5−メチル−2−フェニル−1,3−オキサゾール−4−イル]−1,1’−ビフェニル−3−イル}オキシ)シクロブタンカルボン酸;3−[3−(1−カルボキシ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−ピペリジン−1−カルボン酸3−トリフルオロメチル−ベンジルエステル;2−{2−メチル−4−[({4−メチル−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−イル}メチル)スルファニル]フェノキシ}酢酸;2−{2−メチル−4−[({4−メチル−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−オキサゾール−5−イル}メチル)スルファニル]フェノキシ}酢酸;2−{4−[({4−メチル−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−イル}メチル)スルファニル]フェノキシ}酢酸メチル;2−{4−[({4−メチル−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−イル}メチル)スルファニル]フェノキシ}酢酸;(E)−3−[2−メチル−4−({4−メチル−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−イル}メトキシ)フェニル]−2−プロペン酸;2−{3−クロロ−4−[({4−メチル−2−[4−(トリフルオロメチル}フェニル]−1,3−チアゾール−5−イル}メチル)スルファニル]フェニル)酢酸;2−{2−メチル−4−[({4−メチル−2−[3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−イル}メチル)スルファニル]フェノキシ}酢酸;およびその薬学的に許容できる塩がある。
【0113】
トリグリセリド、コレステリルエステルおよびリン脂質の分泌を阻害する当技術分野で既知の任意のMTP/Apo B分泌(ミクロソームトリグリセリド転送蛋白および/またはアポリポ蛋白B分泌)阻害剤を使用することができる。こうした阻害は、標準アッセイ(例えば、Wetterau、J.R.1992;Science 258:999)によって容易に確認することができる。適当なMTP/Apo B分泌阻害剤の例には、インプタプリド(imputapride)(Bayer)ならびにWO 96/40640およびWO 98/23593に記載されているものがあるが、それだけには限定されない。
【0114】
酵素アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼによって食事コレステロールの細胞内エステル化を阻害する当技術分野で既知の任意のACAT阻害剤を使用することができる。こうした阻害は、標準アッセイ、例えばJournal of Lipid Research.24:1127(1983)に記載されているHeiderらの方法によって容易に確認することができる。適当なACAT阻害剤の例には、米国特許第5,510,379号(カルボキシスルホネート)、WO 96/26948およびWO 96/10559(尿素誘導体)に記載されているものがあるが、それだけには限定されない。別の例には、アバシマイブ(Pfizer)、CS−505(Sankyo)およびエフルシマイブ(Eli LillyおよびPierre Fabre)がある。
【0115】
食事トリグリセリドの遊離脂肪酸およびモノグリセリドへの代謝切断(metabolic cleavage)を阻害する当技術分野で既知の任意のリパーゼ阻害剤(例えば、膵リパーゼ阻害剤、胃リパーゼ阻害剤)を使用することができる。こうしたリパーゼ阻害活性は、標準アッセイ(例えば、Methods Enzymol.286:190〜231)によって容易に確認することができる。適当なリパーゼ阻害剤の例には、リプスタチン、(2S,3S,5S,7Z,10Z)−5−[(S)−2−ホルムアミド−4−メチル−バレリルオキシ]−2−ヘキシル−3−ヒドロ−xy−7,10−ヘキサデカン酸ラクトン、およびテトラヒドロリプスタチン(オルリスタット)、(2S,3S,5S)−5−1(S)−2−ホルムアミド−4−メチル−バレリルオキシ]−2−ヘキシル−3−ヒドロキシ−ヘキサ−デカン1,3酸ラクトン、および様々に置換されたN−ホルミルロイシン誘導体およびその立体異性体(米国特許第4,598,089号);テトラヒドロリプスタチン米国特許第5,274,143号;第5,420,305号;第5,540,917号;および第5,643,874号;FL−386、1−[4−(2−メチルプロピル)シクロヘキシル]−2−[−(フェニルスルホニル)オキシ]−エタノン、およびそれに関連した様々に置換されたスルホネート誘導体(米国特許第4,452,813号);WAY−121898、4−フェノキシフェニル−4−メチルピペ−リジン−1−イル−カルボキシレート、およびそれに関連した各種カルバミン酸エステルおよび薬学的に許容できる塩(米国特許第5,512,565号;第5,391,571号および第5,602,151号);バリラクトン、および放線菌類(Actinomycetes)菌株MG147−CF2の微生物培養によるその調製方法(Kitaharaら、J.Antiobiotics、40(11)、1647〜1650(1987));エステラスチン;エベラクトンAおよびエベラクトンB、および放線菌類菌株MG7−G1の微生物培養によるその調製方法(Umezawaら、J.Antiobiotics、33、1594〜1596(1980);1996年6月4日公開の日本公開特許第08−143457号)があるが、それだけには限定されない。化合物テトラヒドロリプスタチンが特に好ましい。別の例には、N−3−トリフルオロメチルフェニル−N’−−3−クロロ−4’−トリフルオロメチルフェニル尿素、およびそれに関連した各種尿素誘導体、米国特許第4,405,644号;エステラシン(esteracin)(米国特許第4,189,438号および第4,242,453号);ならびにシクロ−O,O’−[(1,6−ヘキサンジイル)−ビス−(イミノカルボニル)]ジオキシム、およびそれに関連した各種ビス(イミノカルボニル)ジオキシム(Petersenら、Liebig’s Annalen、562、205〜229(1949)がある。
【0116】
当技術分野で既知の任意の胆汁酸金属イオン封鎖剤を使用することができる。適当な胆汁酸金属イオン封鎖剤の例には、Welchol(登録商標)、Colestid(登録商標)、LoCholest(登録商標)、Questran(登録商標)ならびにフィブル酸(fibric acid)誘導体、例えばAtromid(登録商標)、Lopid(登録商標)およびTricor(登録商標)があるが、それだけには限定されない。
【0117】
本発明の化合物は、抗糖尿病化合物、すなわち糖尿病(特にII型)、インスリン抵抗性、耐糖能障害など、または神経障害、腎症、網膜症もしくは白内障などの糖尿病性合併症のいずれかを治療するのに使用する任意の化合物(例えばインスリン)と併せて使用することができる。抗糖尿病化合物の別の例には、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、アルドースレダクターゼ阻害剤、ソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤、グルコシダーゼ阻害剤、およびアミラーゼ阻害剤があるが、それだけには限定されない。
【0118】
酵素グリコーゲンホスホリラーゼによって触媒されるグリコーゲンのグルコース−1−ホスフェートへの生物変換を阻害する当技術分野で既知の任意のグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤を使用することができる。こうしたグリコーゲンホスホリラーゼ阻害活性は、標準アッセイ(例えば、J.Med.Chem.41(1998)2934〜2938)によって容易に確認することができる。WO 96/39384およびWO 96/39385に記載されているものを含めた種々のグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、当業者に既知である。
【0119】
酵素アルドースレダクターゼによって触媒されるグルコースのソルビトールへの生物変換を阻害する当技術分野で既知の任意のアルドースレダクターゼ阻害剤を使用することができる。アルドースレダクターゼ阻害は、標準アッセイ(例えば、J.Malone、Diabetes、29:861〜864(1980)。「Red Cell Sorbitol,an Indicator of Diabetic Control」)によって容易に確認することができる。
【0120】
酵素ソルビトールデヒドロゲナーゼによって触媒されるソルビトールのフルクトースへの生物変換を阻害する当技術分野で既知の任意のソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤を使用することができる。こうしたソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤活性は、標準アッセイ(例えば、Analyt.Biochem(2000)280:329〜331)によって容易に確認することができる。適当なソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤の例には、米国特許第5,728,704号および第5,866,578号に記載されたものがあるが、それだけには限定されない。
【0121】
グリコシドヒドロラーゼ、例えばアミラーゼまたはマルターゼによる複合糖質の、生体内で利用可能な簡単な糖類、例えば、グルコースへの酵素加水分解を阻害する当技術分野で既知の任意のグルコシダーゼ阻害剤を使用することができる。こうしたグルコシダーゼ阻害活性は、標準アッセイ(例えば、Biochemistry(1969)8:4214)により当業者によって容易に確認することができる。
【0122】
一般に好ましいグルコシダーゼ阻害剤には、アミラーゼ阻害剤が含まれる。デンプンまたはグリコーゲンのマルトースへの酵素分解を阻害する当技術分野で既知の任意のアミラーゼ阻害剤を使用することができる。こうしたアミラーゼ阻害活性は、標準アッセイ(例えば、Methods Enzymol.(1955)1:149)により当業者によって容易に確認することができる。
【0123】
他の好ましいグルコシダーゼ阻害剤には、アカルボースおよびそれに関連した各種アミノ糖誘導体(米国特許第4,062,950号および第4,174,439号);アジポシン(adiposine)(米国特許第4,254,256号);ボグリボース、3,4−ジデオキシ−4[[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ]−2−C−(ヒドロキシメチル)−D−epi−イノシトール、およびそれに関連した各種N−置換擬似アミノ糖(米国特許第4,701,559号);ミグリトール、(2R,3R,4R,5S)−1−(2−ヒドロキシエチル)−2−(ヒドロキシメチル)−3,4,5−ピペリジントリオール、およびそれに関連した各種3,4,5−トリヒドロキシピペリジン(米国特許第4,639,436号);エミグリテート、p−[2−[(2R,3R,4R,5S)−3,4,5−トリヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピペリジノ]エトキシ]−安息香酸エチル、それに関連した各種誘導体およびその薬学的に許容できる酸付加塩(米国特許第5,192,772号);MDL−25637、2,6−ジデオキシ−7−O−β−D−グルコピラノ−シル−2,6−イミノ−D−グリセロ−L−グルコ−ヘプチトール、それに関連した各種ホモ二糖類およびその薬学的に許容できる酸付加塩(米国特許第4,634,765号);カミグリボース、メチル6−デオキシ−6−[(2R,3R,4R,5S)−3,4,5−トリヒドロキシ−2−(ヒドロキシ−メチル)ピペリジノ]−α−D−グルコピラノシド1.5水和物(sesquihydrate)、それに関連したデオキシ−ノジリマイシン誘導体、その各種薬学的に許容できる塩およびその調製のための合成法(米国特許第5,157,116号および第5,504,078号);プラジミシン−Q;ならびにサルボスタチン(salbostatin)およびそれに関連した各種擬似糖類(米国特許第5,091,524号)があるが、それだけには限定されない。
【0124】
当技術分野で既知の任意のアミラーゼ阻害剤を使用することができる。例には、テンダミスタットおよびそれに関連した各種環状ペプチド(米国特許第4,451,455号);AI−3888およびそれに関連した各種環状ポリペプチド(米国特許第4,623,714号);ならびにトレスタチンA、トレスタチンBおよびトレスタチンCの混合物からなるトレスタチンおよびそれに関連した各種トレハロース含有アミノ糖(米国特許第4,273,765号)があるが、それだけには限定されない。
【0125】
本発明の合剤に使用する抗糖尿病化合物の別の例には:ビグアナイド(例えば、メトホルミン)、インスリン分泌促進物質(例えば、スルホニル尿素およびグリニド)、グリタゾン、非グリタゾンPPARγアゴニスト、PPARβアゴニスト、DPP−IVの阻害剤、PDE5の阻害剤、GSK−3の阻害剤、グルカゴンアンタゴニスト、f−1,6−BPaseの阻害剤(Metabasis/Sankyo)、GLP−1/類似体(エキセジン−4としても知られているAC 2993)、インスリンおよびインスリン模倣体(Merck天然製品)、PKC−β阻害剤、およびAGEブレーカーがある。
【0126】
本発明の化合物は、当技術分野で既知の任意の抗肥満剤と併せて使用することができる。抗肥満活性は、当技術分野で既知の標準アッセイによって容易に確認することができる。適当な抗肥満剤の例には、フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、プソイドエフェドリン、フェンテルミン、βアドレナリン受容体アゴニスト、アポリポ蛋白−B分泌/ミクロソームトリグリセリド転送蛋白(apo−B/MTP)阻害剤、MCR−4アゴニスト、コレシストキニン−A(CCK−A)アゴニスト、モノアミン再取り込み阻害剤(例えば、シブトラミン−米国特許第4,929,629号)、交感神経様作用薬、セロトニン作動性剤、カンナビノイド受容体アンタゴニスト(例えば、リモナバント(SR−141,716A))、ドーパミンアゴニスト(例えば、ブロモクリプチン−米国特許第3,752,814号および第3,752,888号)、メラノサイト刺激ホルモン受容体類似体、5HT2cアゴニスト、メラニン凝集ホルモンアンタゴニスト、レプチン(OBタンパク質)、レプチン類似体、レプチン受容体アゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、リパーゼ阻害剤(例えば、テトラヒドロリプスタチン、すなわちオルリスタット)、ボンベシンアゴニスト、食欲抑制剤(例えば、ボンベシンアゴニスト)、神経ペプチド−Yアンタゴニスト、チロキシン、甲状腺模倣剤、デヒドロエピアンドロステロンまたはその類似体、グルココルチコイド受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、オレキシン受容体アンタゴニスト、ウロコルチン結合タンパク質アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド−1受容体アゴニスト、毛様体神経栄養因子(例えば、Axokine(商標))、ヒトアグーチ関連タンパク質(AGRP)、グレリン受容体アンタゴニスト、ヒスタミン3受容体アンタゴニストまたは逆アゴニスト、ニューロメジンU受容体アゴニストなどがあるが、それだけには限定されない。
【0127】
当技術分野で既知の任意の甲状腺模倣剤も本発明の化合物と併せて使用することができる。甲状腺模倣活性は、標準アッセイ(例えば、Atherosclerosis(1996)126:53〜63)によって容易に確認することができる。適当な甲状腺模倣剤の例には、米国特許第4,766,121号;第4,826,876号;第4,910,305号;第5,061,798号;第5,284,971号;第5,401,772号;第5,654,468号;および第5,569,674号に記載されているものがあるが、それだけには限定されない。
【0128】
本発明の化合物はさらに、抗再吸収剤(例えば、プロゲスチン、ポリホスホネート、ビスホスホネート、エストロゲンアゴニスト/アンタゴニスト、エストロゲン、エストロゲン/プロゲスチン合剤、Premarin(登録商標)、エストロン、エストリオールまたは17α−もしくは17β−エチニルエストラジオール)と併せて使用することができる。例示的なプロゲスチンは、商業供給源から入手可能であり、それだけには限らないが、:アルゲストンアセトフェニド、アルトレノゲスト、酢酸アマジノン、酢酸アナゲストン、酢酸クロルマジノン、シンゲストール、酢酸クロゲストン、酢酸クロメゲストン、酢酸デルマジノン、デソゲストレル、ジメチステロン、ジドロゲステロン、エチネロン、二酢酸エチノジオール、エトノゲストレル、酢酸フルロゲストン、ゲスタクロン(gestaclone)、ゲストデン、カプロン酸ゲストノロン、ゲストリノン、ハロプロゲステロン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、リネストレノール、メドロゲストン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メレンゲストロール、二酢酸メチノジオール、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルエチノドレル、ノルゲスチメート、ノルゲストメット、ノルゲストレル、オゲストンフェンプロピオネート(ogestone phenpropionate)、プロゲステロン、酢酸キンゲスタノール、キンゲストロン、およびチゲストール(tigestol)が含まれる。好ましいプロゲスチンは、メドロキシプロゲステロン、ノルエチンドロンおよびノルエチノドレルである。
【0129】
例示的な骨吸収阻害性ポリホスホネートには、米国特許第3,683,080号に記載されているタイプのポリホスホネートがある。好ましいポリホスホネートは、ジェミナルジホスホネート(ビス−ホスホネートとも呼ばれる)、6−アミノ−1−ヒドロキシ−ヘキシリデン−ビスホスホン酸および1−ヒドロキシ−3(メチルペンチルアミノ)−プロピリデン−ビスホスホン酸である。チルドロネート二ナトリウム、イバンドロン酸、アレンドロネート、レシンドロネート(resindronate)、およびゾレドロン酸はそれぞれ特に好ましいポリホスホネートである。ポリホスホネートは、酸の形態、または可溶性のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩の形態で投与することができる。ポリホスホネートの加水分解性エステルも同様に含まれる。具体例には、エタン−1−ヒドロキシ 1,1−ジホスホン酸、メタンジホスホン酸、ペンタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、メタンジクロロジホスホン酸、メタンヒドロキシジホスホン酸、エタン−1−アミノ−1,1−ジホスホン酸、エタン−2−アミノ−1,1−ジホスホン酸、プロパン−3−アミノ−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、プロパン−N,N−ジメチル−3−アミノ−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、プロパン−3,3−ジメチル−3−アミノ−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、フェニルアミノメタンジホスホン酸、N,N−ジメチルアミノメタンジホスホン酸、N(2−ヒドロキシエチル)アミノメタンジホスホン酸、ブタン−4−アミノ−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、ペンタン−5−アミノ−1−ヒドロキシ−−1,1−ジホスホン酸、ヘキサン−6−アミノ−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸ならびにその薬学的に許容できるエステルおよび塩があるが、それだけには限定されない。
【0130】
エストロゲン受容体と結合し、骨代謝回転を阻害し、かつ/または骨量の減少を予防する当技術分野で既知の任意のエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、本発明の合剤中に使用することができる。より具体的には、エストロゲンアゴニストは、哺乳動物組織中のエストロゲン受容体部位に結合でき、1種または複数の組織中のエストロゲンの作用を模倣する任意の化合物であってよい。エストロゲンアンタゴニストは、哺乳動物組織中のエストロゲン受容体部位に結合でき、1種または複数の組織中のエストロゲンの作用をブロックする任意の化合物であってよい。こうした活性は、エストロゲン受容体結合アッセイを含めた標準アッセイ、ならびに標準的な骨組織形態計測的方法および骨密度測定法によって容易に決定することができる(Eriksen E.F.ら、Bane Histomorphometry、Raven Press、New York、1994、1〜74頁;Grier S.J.ら、「The Use of Dual−Energy X−Ray Absorptiometry in Animals」、Inv.Radial.、1996、31(1):50〜62;Wapner H.W.およびFogelman I.、The Evaluation of Osteoprosis:Dual Energy X−Ray Absorptiometry in Clinical Practice.、Martin Dunitz Ltd.、London 1994、1〜296頁)。適当なエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストの例は、3−(4−(1,2−ジフェニル−ブタ−1−エニル)−フェニル)−アクリル酸(Willsonら、Endocrinology、1997、138、3901〜3911を参照のこと);タモキシフェン(エタンアミン、2−(−4−(1,2−ジフェニル−1−ブテニル)フェノキシ)−N,N−ジメチル,(Z)−2−,2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレート(1:1))および関連化合物(米国特許第4,536,516号);4−ヒドロキシタモキシフェン(米国特許第4,623,660号);ラロキシフェン(メタノン、(6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾ[b]チエン−3−イル)(4−(2−(1−ピペリジニル)エトキシ)フェニル)−塩酸塩)(米国特許第4,418,068号);トレミフェン(エタンアミン、2−(4−(4−クロロ−1,2−ジフェニル−1−ブテニル)フェノキシ)−N,N−ジメチル−−,(Z)−,2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレート(1:1)(米国特許第4,996,225号);セントクロマン(centchroman)(1−(2−((4−(−メトキシ−2,2,ジメチル−3−フェニル−クロマン−4−イル)−フェノキシ)−エチル)−ピロリジン)(米国特許第3,822,287号);レボルメロキシフェン;イドキシフェン((E)−1−(2−(4−(1−(4−ヨード−フェニル)−2−フェニル−ブタ−1−エニル)−フェノキシ)−エチル)−ピロリジノン(米国特許第4,839,155号);2−(4−メトキシ−フェニル)−3−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェノキシ]ベンゾ[b]チオ−フェン−6−オール(米国特許第5,488,058号);6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5−(4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンジル)−ナフタレン−2−オール(米国特許第5,484,795号);(4−(2−(2−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)−エトキシ)−フェニル)−(6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−メタノン(Pfizer Inc.に譲渡されたWO 95/10513);TSE−424(Wyeth−Ayerst Laboratories);アラゾキシフェン(arazoxifene);2−フェニル−3−アロイル−ベンゾチオフェンおよび2−フェニル−3−アロイルベンゾチオフェン−1−酸化物の誘導体(米国特許第4,133,814号);米国特許第4,133,814号に記載されたエストロゲンアゴニスト/アンタゴニスト;ならびに本願の譲受人に譲渡された米国特許第5,552,412号に記載されたエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストである。
【0131】
米国特許第5,552,412号に記載された特に好ましいエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは:cis−6−(4−フルオロ−フェニル)−5−(4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル)−5,6,−7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;(−)−cis−6−フェニル−5−(4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール(ラソフォキシフェンとしても知られている);cis−6−フェニル−5−(4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;cis−1−(6’−ピロロジノエトキシ−3’−ピリジル)−2−フェニル−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−−テトラヒドロナフタレン;1−(4’−ピロリジノエトキシフェニル)−2−(4”−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−1,2,3,−4−テトラヒドロイソキノリン;cis−6−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル)−5,6,−7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール;および1−(4’−ピロリジノールエトキシフェニル)−2−フェニル−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンである。
【0132】
当技術分野で既知の任意の抗骨粗鬆症剤は、本発明の合剤中に使用することができる。例には、副甲状腺ホルモン(PTH)(骨同化剤(bone anabolic agent));副甲状腺ホルモン(PTH)分泌促進物質(例えば、米国特許第6,132,774号を参照のこと);特にカルシウム受容体アンタゴニスト;カルシトニン;およびビタミンDおよびビタミンD類似体があるが、それだけには限定されない。
【0133】
当技術分野で既知の任意の抗高血圧剤は、本発明の合剤中に使用することができる。抗高血圧活性は、標準的な試験(例えば、血圧測定)によって決定することができる。適当な抗高血圧剤の例には、それだけには限らないが、(a)アムロジピンおよび関連ジヒドロピリジン化合物(米国特許第4,572,909号および第5,155,120号)、例えば、それだけには限らないが、アムロジピンのベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸アムロジピン(Norvasc(登録商標))とも呼ばれる)(米国特許第4,879,303号)およびアムロジピンの他の薬学的に許容できる酸付加塩(米国特許第5,155,120号)など;(b)カルシウムチャンネル遮断薬、例えば、それだけには限らないが、ベプリジル(米国特許第3,962、238号または米国再発行第30,577号)、クレンチアゼム(米国特許第4,567,175号)、ジルチアゼム(米国特許第3,562号)、フェンジリン(米国特許第3,262,977号)、ガロパミル(米国特許第3,261,859号);ミベフラジル、プレニルアミン、セモチアジル、テロジリン、ベラパミル、アラニピン、バルニジピン、ベニジピン、シルニジピン、エフォニジピン、エルゴジピン、フェロジピン、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、マニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、シンナリジン、フルナリジン、リドフラジン、ロメリジン、ベンシクラン、エタフェノン、およびペルヘキシリンなど;(c)アンギオテンシン変換酵素阻害剤(「ACE阻害剤」)、例えば、それだけには限らないが、アラセプリル(米国特許第4,248,883号)、ベナゼプリル(米国特許第4,410,520号)、カプトプリル、セロナプリル、デラプリル、エナラプリル、フォシノプリル、イマダプリル、リシノプリル、モベルトプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリル、テモカプリル、およびトランドラプリルなど;(d)アンギオテンシン−II受容体アンタゴニスト、例えば、それだけには限らないが、カンデサルタン(米国特許第5,196,444号)、エプロサルタン(米国特許第5,185,351号)、イルベサルタン、ロサルタン、およびバルサルタンなど;(e)β−アドレナリン作動性受容体遮断薬(ベータ−またはβ−遮断薬)、例えば、それだけには限らないが、アセブトロール(米国特許第3,857,952号)、アルプレノロール、アモスラロール(米国特許第4,217,305号)、アロチノロール、アテノロール、ベフノロール、ベタキソロールなど;ならびに(f)α−アドレナリン作動性受容体遮断薬(アルファ−またはα−遮断薬)、例えば、それだけには限らないが、アモスラロール(米国特許第4,217,307号)、アロチノロール(米国特許第3,932,400号)、ダピプラゾール、ドキサゾシン、フェンスピリド、インドラミン、ラベトロール、ナフトピジル、ニセルゴリン、プラゾシン、タムスロシン、トラゾリン、トリマゾシン、およびヨヒンビンなどがあり、当業者によく知られている方法によって自然供給源から単離することができる。
【0134】
当技術分野で既知の任意のHMGCoA還元酵素阻害剤は、本発明の合剤中に使用することができる。HMGCoA還元酵素活性は、標準的な試験(例えば血漿低密度リポタンパク質コレステロール(LDL−C)測定)によって決定することができる。適当なHMGCoA還元酵素阻害剤の例には、アトルバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、およびセリバスタチンがあるが、それだけには限定されない。アトルバスタチンを開示しているいくつかの特許が発行されており:米国特許第4,681,893号、第5,273,995号および第5,969,156号が含まれる。ロスバスタチンを開示しているいくつかの特許が発行されており:米国特許第5,260,440号(RE37314)、第6,858,618号、および第6,894,058号が含まれる。セリバスタチンを開示しているいくつかの特許が発行されており:米国特許第5,006,530号、第5,169,857号、および第5,401,746号が含まれる。フルバスタチンを開示しているいくつかの特許が発行されており:米国特許第4,739,073号および第5,354,772号が含まれる。ロバスタチンを開示しているいくつかの特許が発行されており:米国特許第4,231,938号、第4,294,926号、および第4,319,039号が含まれる。プラバスタチンを開示しているいくつかの特許が発行されており:米国特許第4,346,227号、第4,410,629号、および第4,448,979号が含まれる。
【0135】
本発明は、有機合成の熟練者によく知られているいくつかの方法で合成できる化合物を含有する。下記の非限定的な反応スキームは、本発明の化合物の調製を例示する。特に指示がない限り、反応スキームとそれに続く考察中の全ての変数は、前記で定義した通りである。当業者によって理解されるように、個々の化合物は、各種官能基に適合させるために、条件の調節が必要となることがある。当業者に既知の種々の保護基が必要となることがある。必要に応じて、シリカゲルカラムで適切な有機溶媒系を用いて溶出させて精製を実施することができる。また、逆相HPLCまたは再結晶を使用することもできる。
【0136】
発明化合物の調製
スキーム1は、本発明の代表的な、非限定的な例示として実施例7および実施例8を調製するための一般的な合成スキームについて記述している。
【0137】
【化7】

【0138】
スキーム1に示す通り、フェニルプロピルアミン(1)と4−ベンジルオキシベンズアルデヒド(2)の縮合によってイミン(3)を調製した。次いでこのイミン(3)を、4−フルオロフェニルアセチルクロリドの脱ハロゲン化水素によってin−situで生成したケテン成分と熱[2+2]付加環化反応で結合(engage)させた。この付加環化反応により、β−ラクタム生成物(4)がトランス立体異性体のラセミ混合物として生じた。次いでβ−ラクタム(4)のベンジル保護基を水素化分解によって除去して、化合物(5)をトランス立体異性体のラセミ混合物として得た。最後に、ラセミ体(5)の鏡像異性体をキラルクロマトグラフィーによって分離して、例示したように実施例7および実施例8を生じさせた。
【0139】
本発明の他の実施例は、スキーム2の方法または当業者に明らかであろうその変形形態を用いて調製することができる。
【0140】
スキーム2は、本発明の代表的な、非限定的な例示として実施例13および実施例15を調製するための一般的な合成スキームについて記述している。
【0141】
【化8】

【0142】
スキーム2に示す通り、β−アラニンエチルエステル塩酸塩(6)と4−ベンジルオキシベンズアルデヒド(2)の縮合によってイミン(7)を調製した。次いでこのイミンを、4−フルオロフェニルアセチルクロリドの脱ハロゲン化水素によってin−situで生成したケテン成分と熱[2+2]付加環化反応で結合させた。この付加環化反応により、β−ラクタム(8)がトランス立体異性体のラセミ混合物として生じた。続いてラクタム(8)のエステルを、カルボン酸の仲介(intermediacy)によって酸塩化物(9)に転換させた。酸塩化物(9)からのアリールケトン(10)の形成は、4−フルオロフェニル亜鉛ブロミドとのパラジウム媒介カップリングを用いて実施した。中間体(10)の一部の水素化分解により、トランス立体異性体(実施例13)のラセミ混合物をもたらしたが、化合物(10)の残りは、キラルHPLCによってその構成鏡像異性体に分割した。次いでエナンチオピュアな化合物(11)、3R,4R−異性体を、(R)−MeCBSおよびBH・SMeを用いた不斉還元にかけ、続いて水素化分解して、化合物実施例15を得た。化合物11の反対の鏡像異性体(すなわち3S,4S−異性体)を同じ手法で処理して、実施例17をもたらした(スキーム中に示さず)。試薬の略語は以下の通りである:ジクロロメタン(DCM)および(R)−2−メチル−CBS−オキサザボロリジン((R)−MeCBS)。
【0143】
スキーム3は、本発明の代表的な、非限定的な例示として実施例16および実施例17の化合物を調製するための一般的な合成スキームを記述している。スキーム4はさらに、示した合成スキームに従って、式23、24、および25の化合物を調製するための一般的な合成スキームについて記述している。
【0144】
スキーム3および4:
【0145】
【化9】

【0146】
【化10】

【0147】
スキーム3に示す通り、アミン(12)と置換ベンズアルデヒド(13)の縮合によってイミン(14)を調製する。次いでこのイミン(14)を、置換フェニルアセチルクロリドの脱ハロゲン化水素によってin−situで生成したケテン成分と熱[2+2]付加環化反応で結合させる。この付加環化反応により、β−ラクタム生成物(15)がトランス立体異性体のラセミ混合物として生じる。最後に、ラセミ体(15)の鏡像異性体をキラルクロマトグラフィーによって分離して、例示したように(16)および(17)を生じさせる。
【0148】
スキーム4に示す通り、アミン(18)と置換ベンズアルデヒド(13)の縮合によってイミン(19)を調製する。次いでこのイミンを、置換フェニルアセチルクロリドの脱ハロゲン化水素によってin−situで生成したケテン成分と熱[2+2]付加環化反応で結合させる。この付加環化反応により、β−ラクタム(20)がトランス立体異性体のラセミ混合物として生じる。続いてラクタム(20)のエステルを、カルボン酸の仲介によって酸塩化物(21)に転換させる。酸塩化物(21)からのアリールケトン(22)の形成は、置換フェニル亜鉛ブロミドとのパラジウム媒介カップリングを用いて実施する。ケトン(22)の還元により、アルコール(23)が生じ、次いでそれを化合物(24)に誘導することができる。あるいは、アルコール(23)をメシレートに転換し、適当な塩基の存在下において求核試薬(R12XH)で置き換えて、化合物(25)を得ることができる。
【0149】
、R、R、R12、X、およびZと名付けられたスキーム3およびスキーム4内の置換基は、既に定義された通りである。試薬の略語は以下の通りである:ジクロロメタン(DCM)および塩化メシル(MeCl)。
【実施例】
【0150】
(実施例1)
(3R,4R)−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−1−(3−フェニル−プロピル)−アゼチジン−2−オン
【0151】
【化11】

ステップA
(4−メトキシ−ベンジリデン)−(3−フェニル−プロピル)−アミン
【0152】
【化12】

p−アニスアルデヒド(7.83g、57.5mmol)のトルエン(150mL)溶液に、3−フェニルプロピルアミン(7.78g、57.5mmol)を加え、Dean−Stark装置を配置して反応混合物を110℃まで3時間加熱して、共沸によって水を除去した。25℃まで冷却させた後、溶媒を減圧下で除去して、(4−メトキシ−ベンジリデン)−(3−フェニル−プロピル)−アミン(14.7g、100%)を淡黄色油としてもたらし、それをさらに精製しないで使用した。H−NMR(CDCl)δ8.16(s,1H)、7.66(d,2H)、7.27〜7.11(m,5H)、6.89(d,2H)、3.81(s,3H)、3.57(t,2H)、2.66(t,2H)、2.04〜1.97(m,2H)。
【0153】
ステップB
(3R,4R)−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−1−(3−フェニル−プロピル)−アゼチジン−2−オン
【0154】
【化13】

(4−メトキシ−ベンジリデン)−(3−フェニル−プロピル)−アミン(14.7g、57.9mmol)と4−フルオロフェニルアセチルクロリド(10.7g、57.9mmol)のトルエン(100mL)溶液を、110℃まで加熱し、強烈な撹拌を維持している間にEtN(7.0g、69.5mmol)をゆっくり加えた。添加を完了した後、反応液を110℃で12時間撹拌し、次いで25℃まで冷却した。固体をろ過によって除去し、ろ液を黄色油に濃縮し、それをシリカゲルクロマトグラフィー(3→20%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、ラセミ体3,4−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−1−(3−フェニル−プロピル)−アゼチジン−2−オン(4.16g、18%)を生じさせた。このラセミ生成物の分取キラルHPLCによる分離から:(3R,4R)−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−1−(3−フェニル−プロピル)−アゼチジン−2−オン:H−NMR(CDCl)δ7.26〜7.08(m,9H)、6.91(d,2H)、6.85(d,2H)、4.35(d,1H)、4.04(d 1H)、3.79(s,2H)、3.76(s,3H)、3.59〜3.51(m,1H)、2.92〜2.85(m,1H)、2.59〜2.57(m,2H)、1.83〜1.76(m,1)MS(APCI):m/z 402.1(M+H)および以下の実施例2の化合物をもたらした。
【0155】
(実施例2)
(3S,4S)−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−1−(3−フェニル−プロピル)−アゼチジン−2−オン
【0156】
【化14】

実施例1の手順を参照のこと。H−NMR(CDCl)δ7.26〜7.08(m,9H)、6.91(d,2H)、6.85(d,2H)、4.35(d,1H)、4.04(d 1H)、3.79(s,2H)、3.76(s,3H)、3.59〜3.51(m,1H)、2.92〜2.85(m,1H)、2.59〜2.57(m,2H)、1.83〜1.76(m,1H);MS(APCI):m/z 402.1(M+H)。
【0157】
(実施例3)
3R−(4−フルオロ−フェニル)−4R−(4−メトキシ−フェニル)−1−(3−フェニル−プロピル)−アゼチジン−2−オン
【0158】
【化15】

実施例1の方法に類似した手法で調製した。H−NMR(CDCl)δ7.23〜6.89(m,13H)、4.35(d,1H)、4.07(d,1H)、3.80(s,3H)、3.68〜3.50(m,1H)、2.93〜2.86(m,1H)、2.63〜2.53(m,2H)、1.84〜1.76(m,2H);MS(APCI):m/z 390.1(M+H)。
【0159】
(実施例4)
4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−1−フェネチル−アゼチジン−2−オン
【0160】
【化16】

ステップA
(4−ベンジルオキシ−ベンジリデン)−フェネチル−アミン
【0161】
【化17】

4−ベンジルオキシベンズアルデヒド(14.0g、66.0mmol)のトルエン(300mL)溶液に、フェネチルアミン(8.0g、66.0mmol)を加え、Dean−Stark装置を配置して反応混合物を110℃まで3時間加熱して、共沸によって水を除去した。25℃まで冷却させた後、溶媒を減圧下で除去して、(4−ベンジルオキシ−ベンジリデン)−フェネチル−アミン(20.8g、100%)をもたらし、それをさらに精製しないで使用した。
【0162】
ステップB
4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−1−フェネチル−アゼチジン−2−オン
【0163】
【化18】

(4−ベンジルオキシ−ベンジリデン)−フェネチル−アミン(20.8g、66.0mmol)と4−フルオロフェニルアセチルクロリド(11.4g、66.0mmol)のトルエン(100mL)溶液を、110℃まで加熱し、強烈な撹拌を維持している間にEtN(8.0g、79.1mmol)をゆっくり加えた。添加を完了した後、反応液を110℃で16時間撹拌し、次いで25℃まで冷却した。固体をろ過によって除去し、ろ液を黄色油に濃縮し、それをシリカゲルクロマトグラフィー(3→25%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、ラセミ体4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−1−フェネチル−アゼチジン−2−オン(15.5g、52%)を生じさせた。H−NMR(CDCl)δ7.42〜7.10(m,12H)、6.97〜6.89(m,6H)、5.05(s,2H)、4.08(d,1H)、3.95(d,1H)、3.95〜3.90(m,1H)、3.09〜3.02(m,1H)、2.89〜2.86(m,1H)、2.80〜2.76(m,1H);MS(APCI):m/z 452.2(M+H)。
【0164】
(実施例5)
3R−(4−フルオロ−フェニル)−4R−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−フェネチル−アゼチジン−2−オン
【0165】
【化19】

MeOH(500mL)中に4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−1−フェネチル−アゼチジン−2−オン(実施例4から)(15.0g、33.2mmol)を含有するフラスコを排気し、窒素でパージした。続いて、10%Pd−C(1.0g)を加え、反応器に水素(バルーンによって)を充填し、25℃で16時間撹拌した。TLCによって確認したように反応が完了した後、反応器を窒素でパージし、内容物をセライトパッドに通してろ過した。ろ液を濃縮し、粗製の生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(5→25%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、ラセミ体3−(4−フルオロ−フェニル)−4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−フェネチル−アゼチジン−2−オンを生じさせた。このラセミ生成物の分取キラルHPLCによる分離から:3R−(4−フルオロ−フェニル)−4R−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−フェネチル−アゼチジン−2−オンH−NMR(CDCl)δ7.28〜6.79(m,13H)、5.75(bs,1H)、4.07(d,1H)、3.95(d,1H)、3.94〜3.88(m,1H)、3.09〜3.02(m,1H)、2.92〜2.85(m,1H)、2.81〜2.74(m,1H);MS(APCI):m/z 362.1(M+H)および以下の実施例6の化合物をもたらした。
【0166】
(実施例6)
3S−(4−フルオロ−フェニル)−4S−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−フェネチル−アゼチジン−2−オン
【0167】
【化20】

実施例5の方法に従って調製した。H−NMR(CDCl)δ7.28〜6.79(m,13H)、6.05(bs,1H)、4.07(d,1H)、3.95(d,1H)、3.94〜3.88(m,1H)、3.09〜3.02(m,1H)、2.92〜2.85(m,1H)、2.81〜2.74(m,1H);MS(APCI):m/z 362.1(M+H)。
【0168】
(実施例7)
3R−(4−フルオロ−フェニル)−4R−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−(3−フェニル−プロピル)−アゼチジン−2−オン
【0169】
【化21】

実施例5の方法に類似した手法で調製した。H−NMR(CDCl)δ7.24〜6.97(m,11H)、6.85〜6.82(d,2H)、5.21(bs,1H)、4.34(d,1H)、4.06(d,1H)、3.57〜3.52(m,1H)、2.92〜2.85(m,1H)、2.61〜2.56(m,2H)、1.83〜1.80(m,2H);MS(APCI):m/z 376.1(M+H)。
【0170】
(実施例8)
3S−(4−フルオロ−フェニル)−4S−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−(3−フェニル−プロピル)−アゼチジン−2−オン
【0171】
【化22】

実施例5の方法に類似した手法で調製した。H−NMR(CDCl)δ7.24〜6.97(m,11H)、6.85〜6.82(d,2H)、5.30(bs,1H)、4.34(d,1H)、4.06(d,1H)、3.57〜3.52(m,1H)、2.92〜2.85(m,1H)、2.61〜2.56(m,2H)、1.83〜1.80(m,2H);MS(APCI):m/z 376.1(M+H)。
【0172】
(実施例9)
3R−(4−フルオロ−フェニル)−4R−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−(4−フェニル−ブチル)−アゼチジン−2−オン
【0173】
【化23】

実施例5の方法に類似した手法で調製した。H−NMR(CDCl)δ7.23〜6.96(m,11H)、6.84〜6.80(d,2H)、5.65(bs,1H)、4.25(d,1H)、4.04(d,1H)、3.56〜3.51(m,1H)、2.88〜2.81(m,1H)、2.60〜2.50(m,2H)、1.64〜1.57(m,2H)、1.52〜1.46(m,2H);MS(APCI):m/z 390.0(M+H)。
【0174】
(実施例10)
3S−(4−フルオロ−フェニル)−4S−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−(4−フェニル−ブチル)−アゼチジン−2−オン
【0175】
【化24】

実施例5の方法に類似した手法で調製した。H−NMR(CDCl)δ7.23〜6.96(m,11H)、6.84〜6.80(d,2H)、5.26(bs,1H)、4.25(d,1H)、4.04(d,1H)、3.56〜3.51(m,1H)、2.88〜2.81(m,1H)、2.60〜2.50(m,2H)、1.64〜1.57(m,2H)、1.52〜1.46(m,2H);MS(APCI):m/z 390.0(M+H)。
【0176】
(実施例11)
4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−1−(4−フェニル−ブチル)−アゼチジン−2−オン
【0177】
【化25】

実施例4の方法に類似した手法で調製した。H−NMR(CDCl)δ7.42〜6.96(m,18H)、5.05(s,2H)、4.26(d,1H)、4.04(d,1H)、3.54〜3.51(m,1H)m 2.87〜2.83(m,1H)、2.59〜2.52(m,2H)、1.63〜1.47(m,4H);MS(APCI):m/z 480.1(M+H)。
【0178】
(実施例12)
4R−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3R−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3−O−プロピル]−アゼチジン−2−オン
【0179】
【化26】

ステップA
3−[(4−ベンジルオキシ−ベンジリデン)−アミノ]−プロピオン酸エチルエステル
【0180】
【化27】

4−ベンジルオキシベンズアルデヒド(28.6g、135mmol)を固体として5分間にわたって加えている間、β−アラニンエチルエステル塩酸塩(20.7g、135mmol)、EtN(20.5g、202mmol)および4Å分子篩(40g)のCHCl(300mL)溶液を0℃で撹拌した。次いで反応混合物を25℃まで温め、その温度で5時間撹拌した。TLC分析により、反応がまだであることが示され;その結果、MgSO(10g)を加え、反応液を25℃でさらに12時間撹拌し、その時間後にTLC分析によって確認したように反応が完了した。次いで反応混合物をろ過して固体を除去し、ろ液を濃縮して、3−[(4−ベンジルオキシ−ベンジリデン)−アミノ]−プロピオン酸エチルエステル(37.3、89%)を、さらに精製しないで次のステップに使用するのに十分な純度の黄白色固体としてもたらした;MS(APCl):m/z 312.1(M+H)。
【0181】
ステップB
3−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−4−O−アゼチジン−1−イル]−プロピオン酸エチルエステル
【0182】
【化28】

3−[(4−ベンジルオキシ−ベンジリデン)−アミノ]−プロピオン酸エチルエステル(37.3g、120mmol)と4−フルオロフェニルアセチルクロリド(20.7g、120mmol)のトルエン(400mL)溶液を、110℃まで加熱し、強烈な撹拌を維持している間にEtN(14.5g、144mmol)をゆっくり加えた。添加を完了した後、反応液を110℃で12時間撹拌し、次いで25℃まで冷却した。固体をろ過によって除去し、ろ液を黄色油に濃縮し、それをシリカゲルクロマトグラフィー(10→30%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、ラセミ体3−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−4−O−アゼチジン−1−イル]−プロピオン酸エチルエステル(26.5g、49%)を生じさせた;MS(APCl):m/z 448.2(M+H)。
【0183】
ステップC
3−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−4−O−アゼチジン−1−イル]−プロピオン酸
【0184】
【化29】

RTの3−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−4−O−アゼチジン−1−イル]−プロピオン酸エチルエステル(7.36g、16.4)のMeOH(100mL)溶液に25℃のLiOH(0.59g、24.7mmol)を加えた。反応混合物を25℃で4時間撹拌し、その時間後溶媒を減圧下で除去した。次いでEtOおよび水を加え、有機層を分離し、廃棄した。水層を、pH2に達するまで1N HClで処理し、EtOAcを加えた。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮して、3−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−4−O−アゼチジン−1−イル]−プロピオン酸(6.14g、89%)を生じさせた;MS(APCl):m/z 420.0(M+H)。
【0185】
ステップD
3−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−4−O−アゼチジン−1−イル]−プロピオニルクロリド
【0186】
【化30】

25℃の3−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−4−O−アゼチジン−1−イル]−プロピオン酸(6.14、14.7mmol)のCHCl(150mL)溶液に、塩化オキサリル(2.8g、22.1mmol)を加えた。反応液を25℃で16時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して、次のステップで使用するのに十分な純度の3−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−4−O−アゼチジン−1−イル]−プロピオニルクロリド(6.44g、100%)を生じさせた。
【0187】
ステップE
4R−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3R−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3−O−プロピル]−アゼチジン−2−オン
【0188】
【化31】

0℃の4−フルオロフェニル亜鉛ブロミド(THFに溶かした0.5M溶液30.9mL、15.4mmol)溶液に、Pd(PPh(0.85g、0.74mmol)を加え、この溶液を0℃で10分間撹拌した。続いて、3−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−4−O−アゼチジン−1−イル]−プロピオニルクロリド(6.44g、14.7mmol)のTHF(40mL)溶液を0℃でゆっくり加えた。反応混合物を25℃まで温め、その温度でさらに3時間撹拌してから1N HClで停止した。次いでEtOAcを加え、有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。粗製の生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(20→35%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、ラセミ体4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3−O−プロピル]−アゼチジン−2−オン(3.14g、43%)を生じさせた。H−NMR(CDCl)δ7.90〜7.86(m,2H)、7.41〜6.93(m,15H)、5.02(s,2H)、4.41(d,1H)、4.06(d,1H)、3.78〜3.76(m,1H)、3.45〜3.32(m,2H)、3.18〜3.11(m,1H);MS(APCI):m/z 498.2(M+H)。
【0189】
このラセミ生成物の分取キラルHPLCによる分離から、4R−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3R−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3−O−プロピル]−アゼチジン−2−および4S−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3S−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3−O−プロピル]−アゼチジン−2−オンをもたらした。
【0190】
(実施例13)
3−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3−O−プロピル]−4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−アゼチジン−2−オン
【0191】
【化32】

EtOH(100mL)中に4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−1−フェネチル−アゼチジン−2−オン(2.37g、4.76mmol)を含有する反応器を排気し、窒素でパージした。続いて、10%Pd−C(0.2g)を加え、反応器に水素(50psi)を充填し、反応液を25℃で1時間撹拌した。MSによって確認したように反応が完了した後、反応器を窒素でパージし、内容物をセライトパッドに通してろ過した。ろ液を濃縮し、粗製の生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(35→45%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、ラセミ体3−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3−O−プロピル]−4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−アゼチジン−2−オンを生じさせた。H−NMR(CDCl)δ7.90〜7.86(m,2H)、7.16〜6.91(m,10H)、6.59(bs,1H)、4.41(d,1H)、4.06(d,1H)、3.82〜3.75(m,1H)、3.48〜3.33(m,2H)、3.19〜3.10(m,1H);MS(APCI):m/z 408.0(M+H)。
【0192】
(実施例14)
4R−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3R−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3S−ヒドロキシ−プロピル]−アゼチジン−2−オン
【0193】
【化33】

4R−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3R−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3−O−プロピル]−アゼチジン−2−オン(実施例12、ステップE)(0.620g、1.25mmol)のCHCl(50mL)溶液に−20℃で(R)−MeCBS(69mg、0.249mmol)を加えた。次いでBH・SMe(0.14g、1.87mmol)を−20℃で1滴ずつ加えた。反応混合物を0℃まで温め、1時間撹拌した。その後のTLC分析により、反応が完了していないことが示され、したがって反応液を−20℃まで冷却し、第2の部分のBH・SMe(0.050g)を加えた。反応液を再度0℃まで温め、2時間撹拌した。反応をMeOHの添加によって停止した。溶媒を減圧下で除去した後、CHClを加え、有機層を水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(35→45%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、4R−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3R−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3S−ヒドロキシ−プロピル]−アゼチジン−2−オン(0.40g、64%)をもたらした。H−NMR(CDCl)δ7.42〜7.19(m,12H)、7.04〜6.94(m,5H)、5.05(s,2H)、4.69〜4.67(m,1H)、4.38(d,1H)、4.11(d,1H)、3.75〜3.70(m,1H)、3.00〜2.90(m,2H)、1.88〜1.82(m,2H);MS(APCI):m/z 534.0(M−H)。
【0194】
(実施例15)
3R−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3S−ヒドロキシ−プロピル]−4R−(4−ヒドロキシ−フェニル)−アゼチジン−2−オン
【0195】
【化34】

4R−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3R−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3S−ヒドロキシ−プロピル]−アゼチジン−2−オン(実施例14から)(0.40g、0.80mmol)のMeOH(10mL)溶液に、Pd−C(20mg)およびギ酸アンモニウム(0.25g、4.0mmol)を加えた。AcOHの添加によって反応混合物をpH4に酸性化し、続いて50℃まで3時間加熱した。第2の部分のPd−C(15mg)およびHCO2NH4(0.20g、3.2mmol)を3時間後に加え、次いで反応液を50℃でさらに3時間撹拌し、その時点でLC/MS分析は、反応が完了したことを示した。反応液を25℃まで冷却し、セライトに通してろ過した。ろ液を濃縮し、EtOAcおよび水を加えた。有機層を分離し、乾燥させ(NaSO)、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(55%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、3R−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3S−ヒドロキシ−プロピル]−4R−(4−ヒドロキシ−フェニル)−アゼチジン−2−オン(0.21g、64%)をもたらした。H−NMR(CDCl)δ7.25〜7.14(m,6H)、7.03〜6.94(m,4H)、6.86〜6.82(m,2H)、4.69〜4.66(m,1H)、4.37(m,1H)、4.11(m,1H)、3.74〜3.71(m,1H)、2.97〜2.92(m,1H)、1.88〜1.82(m,2H);MS(APCI):m/z 410.0(M+H)。
【0196】
(実施例16)
4S−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3S−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3S−ヒドロキシ−プロピル]−アゼチジン−2−オン
【0197】
【化35】

実施例14の方法を用いて4S−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3S−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3−O−プロピル]−アゼチジン−2−オン(実施例12から)から調製した。MS(APCl):m/z 534.1(M+H)。
【0198】
(実施例17)
3S−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3S−ヒドロキシ−プロピル]−4S−(4−ヒドロキシ−フェニル)−アゼチジン−2−オン
【0199】
【化36】

実施例15のものと類似した手法で4S−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3S−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3S−ヒドロキシ−プロピル]−アゼチジン−2−オン(実施例16から)から調製した。MS(APCl):m/z 410.2(M+H)。
【0200】
コレステロール吸収阻害剤の生物学的評価法
試験の前に少なくとも1週間、部屋の中で雄のスプラーグドーリーラット(200〜400gm)を12時間明期/12時間暗期で維持する。食べ物を差し出した後、同時に食事を開始させるために、試験日にはラットを投薬の8時間前から絶食させている。暗期を始める約1時間前に試験薬またはビヒクルを経口胃管栄養法によって投与する。1グループの動物にはビヒクルを投与し、標準的な固形飼料を与え(固形飼料対照)、1グループにはビヒクルを投与し、同じ食餌に5.5%落花生油、1.5%コレステロール、および0.4%コール酸を補充して与え(PCC食餌;PCC対照)、残りの動物には試験剤をビヒクル中に入れて投与し、PCC食餌を与える。動物は、投薬の30分後から始まって薬物投与の16時間後の研究終了まで、それらに割り当てられた食餌に自由に近づくことができる。動物は、COで安楽死させ、血漿総コレステロール分析のために心臓穿刺によって血液を捕集する。
【0201】
データ分析。固形飼料対照の総血漿コレステロール濃度は、約60〜約90mg/dLであり、PCC対照動物では約175〜約240mg/dLに増大する。固形飼料対照グループとPCC対照グループの間の血漿コレステロールの差は、PCC食餌が原因の上昇である。PCC食餌に対して動物の血漿コレステロールの上昇を50%低減させる用量が、ED50である。
【0202】
本発明の化合物は、前述の方法において約30〜約100mg/kgの用量で血漿コレステロールの上昇を約50%低減させる。
【0203】
好ましい本発明の化合物は、前述の方法において30mg/kg以下の用量で血漿コレステロールの上昇を約50%低減させる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)の化合物
【化1】

またはその薬学的に許容できる塩、エステル、水和物、アミド、もしくは立体異性体[式中、
A−Bは、C=O、C=S、SO、またはSOであり、
Xは、二重もしくは三重結合を含有していてもよいC〜Cアルキレン、またはC〜Cヘテロアルキレンであり、ここで、前記C〜CアルキレンまたはC〜Cヘテロアルキレンは、非置換であるか、炭素原子上でC1〜アルキル、=O、−C(O)R、−OR、R、−OC(O)R、−NR’R”、ハロ、C3〜シクロアルキル、C3〜ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびシアノからなる群から選択される0、1、または2個の置換基で置換されており、ここで、
は、ヒドロキシ、−OC1〜アルキルまたはC1〜アルキルであり、
は、水素、SOH、POH、C1〜アルキル、またはC1〜アラルキルであり、
は、YGであり、ここで、Yは、NR’、S、またはOであり、
は、NR’R”、C1〜アルキル、C1〜アラルキル、C3〜シクロアルキル、C3〜ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R’およびR”はそれぞれ独立に、水素およびC1〜アルキルからなる群から選択され、
Zは、C1〜アルキル、=O、−C(O)R、−OR、−OC(O)R、−NR’R”、ハロ、C3〜シクロアルキル、
3〜ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびシアノからなる群から選択される0、1、または2個の置換基で置換されていてもよいC〜Cアルキレンであり、
は、ハロ、−C(O)R、−OR、R、C1〜20アルキル、C1〜アラルキル、およびシアノからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールもしくはヘテロアリールであり、
は、C1〜アルキル、C3〜シクロアルキル、C3〜ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはC1〜アラルキルであり、ここで、前記
1〜アルキル、C3〜シクロアルキル、C3〜ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはC1〜アラルキル基は、ハロ、
−C(O)R、−OR、C1〜20アルキル、およびシアノからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
は、C3〜シクロアルキル、C3〜ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、前記C3〜シクロアルキル、
3〜ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール基は、ハロ、−C(O)R、−OR、C1〜20アルキル、C1〜アルキル−NR’R”、およびシアノからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
Gは、水素、
【化2】

からなる群から選択され、ここで、
【化3】

は、結合点を示し、ここで、R、R、R、R、R、およびRはそれぞれ独立に、水素、C1〜アルキル、C1〜アラルキル、−C(O)C1〜アルキル、
−C(O)アリール、およびアリールからなる群から選択され、R10は、水素、ヒドロキシ、C1〜アルキル、
−OC1〜アルキル、およびNR’R”からなる群から選択される]。
【請求項2】
が、ハロ、−C(O)R、−OR、R、C1〜アルキル、およびC1〜アラルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、ハロ、−C(O)R、−OR、およびC1〜アルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が、ハロ、−C(O)R、−OR、C1〜アルキル、および
1〜アルキル−NR’R”からなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
A−Bが、C=Oであり、
Xが、C〜CアルキレンまたはC〜Cヘテロアルキレンであり、ここで、前記C〜CアルキレンまたはC〜Cヘテロアルキレンが、炭素原子上でC1〜アルキル、=O、−C(O)R、−OR、−OC(O)R、およびハロからなる群から選択される0、1、または2個の置換基で置換されていてもよく、
Zが、C1〜アルキル、=O、C(O)R、OR、OC(O)R、ハロ、アリール、ヘテロアリール、およびNR’R”からなる群から選択される0、1、または2個の置換基で置換されていてもよいC〜Cアルキレンであり、
が、ハロ、−C(O)R、−OR、R、C1〜アルキル、およびC1〜アラルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールであり、
が、ハロ、−C(O)R、−OR、およびC1〜アルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールであり、
が、ハロ、−C(O)R、−OR、およびC1〜アルキルからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
Zが、C1〜アルキル、=O、ハロ、−C(O)R、−OR、−OC(O)R、およびアリールからなる群から選択される0、1、または2個の置換基で置換されていてもよいC〜Cアルキレンである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Xが、C1〜アルキル、=O、−C(O)R、−OR、−OC(O)R、およびハロからなる群から選択される0、1、または2個の置換基で置換されていてもよいC〜Cアルキレンであり、
Zが、C1〜アルキル、=O、および−ORからなる群から選択される0、1、または2個の置換基で置換されていてもよいC〜Cアルキレンである、
請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
A−Bが、C=Oであり、
Xが、非置換であるか、C1〜アルキル、=O、および−ORからなる群から選択される0、1、または2個の置換基で置換されているC〜Cアルキレンであり、
Zが、=Oおよび−ORからなる群から選択される0、1、または2個の置換基で置換されていてもよいC〜Cアルキレンであり、
が、−ORで置換されていてもよいフェニルであり、
が、ハロおよび−ORからなる群から独立に選択される置換基で置換されていてもよいフェニルであり、
が、ハロおよび−ORからなる群から独立に選択される置換基で置換されていてもよいフェニルである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
(3R,4R)−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−1−(3−フェニル−プロピル)−アゼチジン−2−オン;
(3S,4S)−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−1−(3−フェニル−プロピル)−アゼチジン−2−オン;
3R−(4−フルオロ−フェニル)−4R−(4−メトキシ−フェニル)−1−(3−フェニル−プロピル)−アゼチジン−2−オン;
4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−1−フェネチル−アゼチジン−2−オン;
3R−(4−フルオロ−フェニル)−4R−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−フェネチル−アゼチジン−2−オン;
3S−(4−フルオロ−フェニル)−4S−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−フェネチル−アゼチジン−2−オン;
3R−(4−フルオロ−フェニル)−4R−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−(3−フェニル−プロピル)−アゼチジン−2−オン;
3S−(4−フルオロ−フェニル)−4S−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−(3−フェニル−プロピル)−アゼチジン−2−オン;
3R−(4−フルオロ−フェニル)−4R−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−(4−フェニル−ブチル)−アゼチジン−2−オン;
3S−(4−フルオロ−フェニル)−4S−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1−(4−フェニル−ブチル)−アゼチジン−2−オン;
4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−フェニル)−1−(4−フェニル−ブチル)−アゼチジン−2−オン;
4R−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3R−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3−O−プロピル]−アゼチジン−2−オン;
3−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3−O−プロピル]−4−(4−ヒドロキシ−フェニル)−アゼチジン−2−オン;
4R−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3R−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3S−ヒドロキシ−プロピル]−アゼチジン−2−オン;
3R−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3S−ヒドロキシ−プロピル]−4R−(4−ヒドロキシ−フェニル)−アゼチジン−2−オン;
4S−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3S−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3S−ヒドロキシ−プロピル]−アゼチジン−2−オン;
3S−(4−フルオロ−フェニル)−1−[3−(4−フルオロ−フェニル)−3S−ヒドロキシ−プロピル]−4S−(4−ヒドロキシ−フェニル)−アゼチジン−2−オン;
からなる群から選択される化合物およびその薬学的に許容できる塩、エステル、アミド、水和物、および立体異性体。
【請求項10】
式(2)または(3)の化合物
【化4】

またはその薬学的に許容できる塩、エステル、水和物、アミド、もしくは立体異性体[式中、
nは、1、2、3、または4であり、
mは、1または2であり、
Wは、O、NR’R”またはSであり、
11は、ハロ、−C(O)R、−OR、R、C1〜20アルキル、C1〜アラルキル、およびシアノからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、
12は、C1〜アルキル、C3〜シクロアルキル、C3〜ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはC1〜アラルキルであり、ここで、前記C1〜アルキル、C3〜シクロアルキル、C3〜ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはC1〜アラルキル基は、ハロ、
−C(O)R、−OR、C1〜20アルキル、およびシアノからなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
13は、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、前記アリールまたはヘテロアリール基は、ハロ、−C(O)R、−OR、C1〜20アルキル、およびC1〜アルキル−NR’R”からなる群から独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
14は、C1〜アルキル、=O、C(O)R、OR、R、OC(O)R、−NR’R”、ハロ、
3〜シクロアルキル、C3〜ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびシアノからなる群から選択され、ここで、
は、ヒドロキシ、−OC1〜アルキルまたはC1〜アルキルであり、
は、水素、SOH、POH、C1〜アルキル、またはC1〜アラルキルであり、
は、YGであり、ここで、Yは、NR’、S、またはOであり、
は、NR’R”、C1〜アルキル、C1〜アラルキル、C3〜シクロアルキル、C3〜ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、
R’およびR”はそれぞれ独立に、水素およびC1〜アルキルからなる群から選択され、
Gは、水素、
【化5】

からなる群から選択され、
【化6】

は、結合点を示し、R、R、R、R、R、およびRはそれぞれ独立に、水素、C1〜アルキル、C1〜アラルキル、−C(O)C1〜アルキル、−C(O)アリール、およびアリールからなる群から選択され、R10は、水素、ヒドロキシ、C1〜アルキル、−OC1〜アルキル、およびNR’R”からなる群から選択される]。

【公表番号】特表2009−503049(P2009−503049A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524616(P2008−524616)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際出願番号】PCT/IB2006/002130
【国際公開番号】WO2007/015161
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(503181266)ワーナー−ランバート カンパニー リミテッド ライアビリティー カンパニー (167)
【Fターム(参考)】