新規の内部幾何形状を有する固体酸化物の燃料電池
燃料電極のアノードにより支持されたタイプの固体酸化物の燃料電池(SOFC)が、改良された機械的及び電気化学的性質を有する新規の燃料電極設計を備える。新規の支持用アノードは、電池全体の構造的補強のための管状本体の中心穴内に内方向に突出する複数の内部長手方向の突起部またはボスを備え、電極表面積を増大し、アノード電子伝導性を最適化し、SOFC組立体システム(例えば電池積重体)内への電池の取付けを容易にする。本発明のSOFCは、円筒形状、及び少なくとも3つの面を有する多角形状を含むある範囲の管状構成を意図する。低費用製造経路も開示され、アノード支持体内の突出ボスは、従来の形成技法に比べて追加の加工工程を必要としない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に燃料電池に関し、より詳細には、アノードが、機械的支持、耐久性、及び電池性能の改良のために独特の内部幾何形状システムによって電池の物理的及び電気化学的性質を向上させる、改良されたアノードを有する管状の固体酸化物の燃料電池(SOFC)及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
管状、平坦、及び一体型(モノリシック)の設計を含むいくつかの異なる固体酸化物の燃料電池構造設計が開発されており、それら全てが技術文献に文書化されている(例えば、Q.M.Nguyen等「Science and Technology of Ceramic Fuel Cells」,Elsevier Science,1995年1月参照)。管状SOFC設計は、平坦燃料電池積重体に関連付けられる封止の問題から生まれた(G.Hoogers「Fuel Cell Technology Handbook」,CRC Press,2002年8月参照)。いわゆる空気電極支持(AES)式の技術を開示する多数の特許が、Siemens Westinghouse Power Corp.(米国フロリダ州オーランド)に付与されている(例えば、Ruka他への米国特許第5916700号、Borglumへの米国特許第5993985号、及びやはりBorglumへの米国特許第6379485号参照)。
【0003】
管状SOFCの分野での顕著な技術的成果にもかかわらず、空気電極により支持された管状燃料電池は、依然としていくつかの欠点を有する。1つには、ランタン、ストロンチウム、亜マンガン酸塩などの空気電極材料は、費用が高く、しばしば技術を経済的に魅力的でないものにする。さらに、空気電極はセラミック材料からなり、それらの機械的強度及び耐久性は、サーメット(すなわち、セラミックと金属の複合物)から構成される燃料電極よりもしばしば小さい。
【0004】
燃料電極支持(FES)式の管状SOFCが、いくらかの改善された経済性に鑑みて、当分野で新たな注目を浴びている(Song他による米国特許第6436565号参照)。
【0005】
AES及びFES管状設計は、両方の開いた端部を有するように、かつ一端で閉じられているように構造的に修正されているが、基本的に管状の構成に重要な改良はほとんどなされておらず、このタイプの電池の構造的完全性と性能特性との両方を向上させるための手段として、従来の円筒形構成に勝る管状SOFCの内部構造特徴への修正を示唆する。
【0006】
したがって、構造支持、耐久性を向上させるための、かつ電池の電子伝導性を最適化するように表面積を増大するための管状SOFC用の改良されたアノードが必要とされている。
【非特許文献1】Q.M.Nguyen等「Science and Technology of Ceramic Fuel Cells」,Elsevier Science,1995年1月
【非特許文献2】G.Hoogers「Fuel Cell Technology Handbook」,CRC Press,2002年8月
【特許文献1】米国特許第5916700号明細書
【特許文献2】米国特許第5993985号明細書
【特許文献3】米国特許第6379485号明細書
【特許文献4】米国特許第6436565号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の1つの主要な目的は、新規の支持構成を有するアノードを有するSOFCを提供することである。支持用アノードの幾何形状は、向上された物理的、熱的、及び電気的性質を電池に与え、より魅力的な経済性を提供する。
【0008】
本発明のさらなる主要な目的は、改良された管状の支持用アノードと、それを備えるSOFCとを最小限の加工工程で製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
新規のアノード層の幾何形状は、少なくとも1つの、より好ましくは複数の長手方向の突出部を、アノード層の内面から管状本体の中心開口または穴に内方向に突出する内側突起部またはボス(及びそれらの間の溝)の形で備える。一般に、突起部またはボスは、管状本体の長手方向軸に平行に、またはそれと同軸に延びていてよく、別法として、例えば、他の突起部またはボスに接触することなく、または管状アノード表面の他の区域に係合することなく、中心穴を通って全体として螺旋形のパターンで蛇行していてもよい。この「ボス」または「支持用アノード」が、改善された機械的信頼性、耐久性、及び増大された活性電池領域を与え、それと同時に、最小化された電気抵抗によって電気化学的な性能が向上される。また、本発明は、内側突出部が、例えば乱流または渦混合をもたらすことによって混合を高める場合があるので、電池内の燃料流れ特性を高めることができる。したがって、本発明の1つの主要な目的は、中心穴を画定する管状本体を備える電池のための支持用アノードを有するSOFCであって、この管状本体が、燃料電池全体を構造的に補強するための中心穴内に突出する支持手段を含むSOFCを提供することである。好ましくは、中心穴内に突出する支持手段は、管状アノード本体と一体である。
【0010】
本発明の目的では、本明細書及び特許請求の範囲に現れる「管状」または「管状本体」などの表現、あるいはそれらの変形表現は、主として、円形または丸みのある壁部を有する、例えば円筒形状を有する燃料電池を含むことを意図されており、しかし本発明はまた、少なくとも3つの面を有する多角形の幾何形状構成である管状本体、例えば三角形管、長方形/正方形管、六角形管、及びそれらの変形、例えば頂部に曲面が形成された3面の三角形状の管などを含むことを意図されている。したがって、本発明のSOFCは、主に円筒形管状本体で例示されるが、これは単に便宜上の意図のものであり、本明細書で上述したものなど他の幾何形状構成を制限する、または除外することは意図されていないことを理解されたい。
【0011】
管状SOFCは、それらの幾何形状により、ポテンシャル損失を受けると考えられる。これらの損失を最小限にするために、支持用アノードの新規のボス構造特徴が、電子移動のための優先的な「低抵抗」経路を提供することは注目に値する。
【0012】
本発明のさらなる目的は、向上された構造的完全性、熱及び電気性質を提供するだけでなく、独特の幾何形状により、SOFC積重体(スタック)のマニホルドシステムの組立てを容易にもする新規の幾何的特徴を有する支持用アノードを有する改良された管状SOFCであって、アノードのボス突起部が、燃料噴射器を位置決めする案内として働き、ガス通路が噴射器のいずれかの側で、開いたままであることを保証するSOFCを提供することである。
【0013】
したがって、新規の管状アノード支持体を有する改良されたSOFCに関する本発明は、燃料電極を備え、より具体的には、SOFCの構造的補強の向上のために、突起部間に中間溝または凹部を有して、管状構造の内面または環状体から中心穴内に内方向に延在する適切な突起部を有する内側アノード構造を有する燃料電極を備える。本発明の支持用アノードは、それらが一緒に採用される管状SOFCと同様に、両端で開いていてよく、または一端で閉じられていてもよい。アノードによる支持構造は、突出ボス構造により、比較的厚い壁を有し、一般に非円形の管状穴である。したがって、アノードの独特の幾何形状が、燃料電池全体に剛性と強度との両方を与える。
【0014】
組成的には、本発明の支持燃料電極は、遷移金属(例えばNi)と、セラミック材料(例えば、安定化された酸化ジルコニウム、ドープされた酸化セリウム、または他の適切な電解質材料)とから構成されてよく、すなわちサーメットであってよい。
【0015】
前述したように、本発明の主な要点は、電極の幾何形状を変形する新規のアノード設計に関し、それにより電極は、燃料電池の構造全体に対して、より大きな物理的支持性を有するようになる。燃料電極の穴は、好ましくは、対称に間隔を空けられ、管状本体の長手方向軸と同軸に延びる少なくとも1つの、より好ましくは複数の連続する長手方向の突起部またはボスを有する管状の、しかし非円形の内壁を有する構造に構成されたアノード環状体を備える。ボスは、好ましくは管状本体の長さに延び、しかしまた、管状電極本体の長さの一部のみに延びていてもよい。したがって、管状構造の内壁に沿って(間に溝を画定する)長手方向の突起部またはボスを導入することによって、以下の種々の利点が生じる。
【0016】
・アノードを燃料電池のための高い支持性を有する構造に変形する燃料電極に対する追加の厚さまたは表面積によって、機械的強度がより高くなる。好ましくは、内部ボスは対称に配置され、したがってそれらは、内側環状体の周りで互いから等距離で間隔を空けられ、管状SOFC全体をさらに構造的に補強する。
【0017】
・より大きい導電表面積が電池内部に生成される。
【0018】
・より大きい電気化学的出力が、アノード支持体の向上された電子伝導性によって実現される。
【0019】
・燃料電池組立体の改善された効率、すなわち取扱い及び燃料電池積重体への取付けの容易さが実現され、その際、突起部間の溝が、燃料噴射器を位置決めして固定するための案内として働く。これは、従来の円形管で生じる破損及び漏れの問題を低減する、またはなくす。
【0020】
本発明の支持用アノードの内側突出ボス/突起部の幾何形状構成が実際的には制限されないことが当業者には理解されよう。代表的な突起部は、いくつか例を挙げると、円錐形、長方形、正方形、曲面形状または半円などの形状を含むことができる。一般に、それらの突起部の数及び寸法は、SOFC積重体の組立て中に、後で導入される燃料噴射器設計に適合される。
【0021】
本発明はまた、支持用アノードを製造する改良された方法に関する。
【0022】
支持用アノードの製造の方法は、燃料電極の混合物組成に直接関係付けられる。有用な押出し成形技法は、一般にプラスチック塊の押出し成形に関連付けられるものである。それらは、内部ボス、特に管状本体の全長に延びるボスを有する支持用アノードを製造する際に改善された経済性を提供する。内部アノードボスが不連続である、またはアノード支持管の全長に比べて長さが短いといった、より複雑な内側形状を製造するためには、注型(キャスティング)及びプレス成形技法が好まれる。
【0023】
燃料電池の電気化学的性質に対するさらなる改良は、触媒活性を最適化して物質移動の問題を制限するために、燃料電極混合物中に人工の孔形成剤を導入することによって実現される場合がある。
【0024】
前述の開示及び以下のより詳細な説明から、本発明が、管状燃料電池技術、より具体的には管状SOFC技術の重要な進歩を提供することが当業者に明らかであろう。この点で特に重要なのは、本発明が、機械的信頼性を改善しながら、より低費用で製造されるより経済的な高電流密度燃料電池を提供することができることである。追加の特徴及び利点は、以下のより詳細な説明に鑑みてより良く理解されよう。
【0025】
本発明の性質及び動作形態を、以下、添付の図面と共に取り上げる本発明の以下の詳細な説明で、より完全に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
まず図1を見ると、本発明のSOFC10の概略図が、内側アノード環状体12と、中間電解質14と、外側カソード環状体16とを最良に例示するように修正された円筒形状の管状本体として提供される。アノード12は、当該アノードの内壁から穴内への突出部として複数の突起部20を有する内部穴18を画定する。
【0027】
図1の燃料電池の拡大図である図2が、本発明のアノード支持体12を最良に例示し、ここでは、対称に形状を取られて位置決めされた4つの円錐形(三角形)のボス20が、管状SOFC10の全長に同軸に延び、楕円形の溝22が、それらのボスの間に位置決めされる。燃料電池に追加の表面積及び強度を提供するボス22は、アノード環状体12と一体であるように図示される。
【0028】
図2と同じ構造的特徴のいくつかを例示する図3は、支持用アノード26と、中間電解質28と、外側カソード30とを含む本発明の全体として円筒形状のSOFC24の代替的な実施形態を提供する。アノード26は、円錐形状の突起部/ボス36の間に位置決めされた楕円形の溝34を有する内部穴32を画定する。また、燃料電池24は、短縮された突起部38を特徴し、この突起部は、電池の全長わたっては延びず、管状本体の全長よりも短い。
【0029】
図4は、支持内側アノード環状体42と、中間固体電解質環状体44と、外側カソード46とを備える円筒形SOFC40を例示する本発明のさらなる代替的な実施形態である。内側アノード環状体42は、円弧または溝50の間に位置決めされたアノード環状体構造の一体要素として、複数の均等に間隔を空けられた長手方向の突起部48を備える。突起部48は、燃料電池穴52に対して内方向に位置決めされた長方形状、または全体として正方形状の構成である。
【0030】
図5は、これも円筒形状構成を有する管状燃料電池54を備える本発明のアノード補強式のSOFCのさらなる実施形態を例示する。補強SOFC54は、内側支持用アノード環状体56と、中間固体電解質58と、外側カソード環状体60とを備え、このアノードの内側突起部は、電池穴64を通って長手方向で電池の長さにわたって部分的に、または完全に延びる補強用突出部として、丸くされ、均等に間隔を空けられたボス62を備える。好ましくは、突起部(ボス)62は、支持用アノードの内壁の内側丸い領域66間で、対称に間隔を空けられる。
【0031】
図6は、支持用アノード70と、中間固体電解質環状体72と、外側カソード74とを有する本発明の円筒形状のSOFC68のさらなる実施形態を例示する。支持用アノード70は、わずかに丸みを帯びた溝78を間に有して中心穴80内に突出する8つの全長にわたる全体として円錐形状の突起部76を備える内部幾何形状を特徴とする。
【0032】
図7は、新規な内側幾何形状を有する支持用アノード84を備え、電解質層86とカソード環状体88とを含む本発明の管状SOFCのさらなる円筒形実施形態82を例示し、支持用アノード84の突起部90は連続であり、丸い領域92間で支持管の長さに沿った螺旋経路に従う。
【0033】
図8及び図9は、本発明の代替的な管状実施形態を例示し、この管状構造は、丸みを帯びた、例えば円筒形状の管ではなく、例えば多角形であってもよい。図8は、本発明のそのようなSOFC92の一実施形態を例示しており、3つの主要外側カソード面94を備え、これらの主要外側カソード面94は、各面94を接合する丸い頂部96を除いて、互いに三角形状を取る。当然、本発明は、3つ以上の表面を有する多角形構造、例えば三角形、正方形、五角形、六角形などの構造を意図する。図8の実施形態のような管状燃料電池の実施形態は、本明細書で説明するように、支持用アノードを備える。また、図8の燃料電池は、内側支持用アノード98と、中間電解質99と、外側3面カソード構造94とを備える。また、支持用アノード98は、中間丸い領域102間に、前述したような電池の内部穴内への突出部として突起部100を備える。
【0034】
図9は、やはり本発明の多角形SOFC104を含み、この電池は、内側支持用アノード環状体106と、中間管状電解質環状体107と、6つの面108を有する多角形状の外側カソードとを備える。この実施形態は、丸い凹部または円弧112の間に位置決めされた間隔を空けられた突起部として複数のボス110を有する支持用アノード環状体106を特徴とする。
【0035】
図1〜図9の特定の実施形態は、単に例示的な目的のためのものと意図されており、当業者に明らかになる様々な代替的な実施形態に限定を加えるものとは意図されておらず、全てのそのような代替形態及び変形形態を含むことを意図されている。
【0036】
前述したように、本発明の主要な態様は、特に管状SOFCで使用するための、従来の管状アノードに勝る燃料電池全体への構造的な補強を提供する、向上された支持性質を有する新規の内部幾何形状を有するアノードである。
【0037】
改良されたアノードを支持構造として使用することは、性能の観点から最も有益である(Song他への米国特許第6436565号参照)。さらに、高められた電子伝導性と、(電気化学的な電荷移動反応による電圧損失を表す)活性化過電圧の低減とにより、0.2〜2.0mm程度の内側環状体厚さでは、前述したように本発明のアノードを具備された燃料電池によって高電流密度を実現することができる。
【0038】
組成的には、アノードサーメット支持体で使用される電気化学的に活性の物質、すなわち金属の含有量は、好ましくは、固体の体積に基づいて、約30.0〜約80.0体積%の範囲内である。30体積%より低い金属含有量では、金属セラミックによるアノード複合物が、低減された導電率を有する。支持用アノードサーメットの金属含有率が約30体積%以上であるとき、金属粒子間で良好な界面結合が引き起こされ、電子伝導性の増加をもたらす。濃度分極を最小限にするのに十分な有孔度を維持しながら、非常に高い電子伝導性を保証するには、80体積%までの金属含有量が適当である。アノードサーメット中のより多量の金属は、後に被覆される電解質との大きな熱膨張率不一致をもたらして、処理または電池動作中に亀裂形成を生じる可能性がある。
【0039】
また、電池性能を向上させるためにアノードの有孔度を高めることが望ましく、それにより、(有孔電極を通るガスの流れに対する抵抗に関連付けられた電圧損失を表す)濃度分極が最低レベルに保たれる。この結果を実現するための1つの方法は、還元雰囲気条件下での金属酸化物粉末の元素金属への還元を提供し、本質的に元の位置における(in−situ)処理によって、より大きな有孔度をアノード基質に提供する。したがって、一般に、アノード組成物中の金属酸化物のより高い含有量が好まれる。
【0040】
また、アノードへの追加の有孔度は、孔形成剤の導入によってもたらされる場合もある。有用な孔形成剤の代表的な例として、炭素粉末、澱粉、ポリマービーズなどが挙げられる。孔形成剤は、後で、支持用アノードが完全な管状SOFC構造に製造される焼結中に除去される。孔形成剤は、好ましくは、金属セラミック粉末に基づいて50体積%までの量で採用される。著しく高いレベルの追加の孔形成剤は、機械的強度の損失をもたらす可能性がある。
【0041】
本発明のサーメット燃料アノード支持体に有用なセラミック材料の代表的な例として、高温SOFC(700℃〜1000℃)のための安定化された酸化ジルコニウムが挙げられる。これは、好ましくは、8モル%の酸化イットリウムにより安定化された酸化ジルコニウム(YSZ)、すなわち(ZrO2)0.92(Y2O3)0.08を含む。別の有用な材料は、中間温度SOFC(500℃〜700℃)のために使用されるドープされた酸化セリウムである。これは、好ましくは、ガドリニウムがドープされた酸化セリウム(CGO)、すなわち(Ce0.90Gd0.10)O1.95を含む。SOFC電解質の用途に適した他の材料が、本発明に適用可能である。
【0042】
一般に、本発明の燃料電極支持及びサーメット電解質で使用される金属相は、元素周期表の遷移金属群に属し、それらの合金または物理的な混合物を含む。ニッケル(Ni)元素が、還元雰囲気条件下でのその高い電気化学的活性及び高い電子伝導性により、かつその費用効果のために、好まれる種である。金属は、金属粉末、金属酸化物粉末、金属塩(水性または非水性)などを含む様々な前駆物質によってアノード支持及びサーメット電解質中に導入される場合がある。NiOなどの金属酸化物粉末が、それらの費用効果、及びセラミック処理へのそれらの適合性により、しばしば好まれる。限定された量の非常に微細な金属粒子が、水またはアルコール溶液を含む水性及び非水性溶媒中に溶解されたNi(NO3)2などの金属塩によって導入されることもある。これは特に、電子伝導性の向上のために金属粒子間の密接な接触が望まれるアノード支持体に関連する。
【0043】
アノード支持体の突出する長手方向のボスは、アノードの強度と、ガス流に接触するアノード内部の表面積との両方を増大するので、アノードの全体の厚さを減少させることを可能にする。したがって、修正された支持用アノードは、そのような構造的特徴を欠く従来の管と比較して、向上された構造的性質を持つ。好ましくは、内側突起部は対称に位置決めされ、それにより、該突起部及びそれらの中間溝が互いに等距離に間隔を空けられる。これはまた、管状支持体に均等な重量分散を与える。また、この構造的性質は、電池製造中の乾燥及び焼結中に収縮差を最小限に抑えるのに望ましい。露出した管状支持体にわたる溝の不均等な分散は、捩れ及び/または亀裂生成など有害な欠陥をもたらすことがある。支持管の強度は、突出するボスの数と共に増加する場合がある。
【0044】
また、突出するボスの存在は、支持用アノードの電気化学的性能を向上させる。より高い電流密度が、サーメットアノードのより厚い部分にわたる高められた電子伝導性と、活性化過電圧の低減とによって実現される。
【0045】
前述したように、長手方向の突出ボスはまた、燃料電池の積重組立体への電池の優れた取付け能力を提供する。図10は、燃料噴射器118に取り付けられた本発明のアノード支持体116を備える管状SOFC114の部分拡大図を例示し、アノードの隆起部または突起部120が、電池の管状穴内部に所定の向きで噴射器118を位置決めして固定するために使用される。丸い空隙122間の突起部120は、アノード支持体内部の流れ特性を最適化する燃料噴射器118の中心位置決めを物理的に維持し、それによりアノード反応部位への燃料のより良い分散をもたらす。
【0046】
隆起部付きのアノード支持体を製造するための加工経路は、上で論じた金属及びセラミック化合物を含む燃料電極混合物の調製に依拠する。水性または非水性媒体が、微粒子を懸濁するために使用される場合がある。ただし、水性媒体が、それらの費用対効果により、かつ有機溶媒の燃焼性及び毒性に関係付けられる環境の問題がより少ないことにより、しばしば好まれる。また、良く分散された均質で安定な混合物を保証するために、一般的な処理添加剤(分散剤、結合剤、可塑剤)が使用される(R.J.Pugh等「Surface and Colloid Chemistry in Advanced Ceramics Processing」,Marcel Dekker,1993年10月参照)。粘度などこれらの混合物の特性は、様々な原材料の性質または量を変更することによって変えられる場合がある。それにより、混合物が特定の成形手順に適合される。
【0047】
特に、水性プラスチック状の塊の押出し成形が、断面一様性を持つ形状を製造するのに好まれる。これは特に、支持管に沿った全長連続ボスが望まれるときに該当する。図12は、押型用細長穴130から離して内側押型部128に溝126が機械加工された押出し成形用の押型(ダイ)124の部分図を例示する。したがって、押出し成形は、図1のものなどと一致する管状支持用アノードの内壁に沿った突出隆起部を提示する。
【0048】
他方で、例えばボスが螺旋経路に従うようなより複雑な形状が、注型(キャスティング)技術(液体処理)またはプレス成形技法(乾式処理)によって準備されることがある。注型技術は、スリップ注型、遠心注型、ゲル注型などを含む。プレス成形技法は、乾式プレス成形及び静水圧プレス成形を含む。全てのそのような加工経路が知られており、文献に良く文書化されている(例えば、J.S.Reed「Principles of Ceramic Processing,2ndEdition」,J.Wiley&Sons,1994年11月参照)。
【0049】
前述したように、燃料電極支持の有孔度を調整するために、孔形成剤など他の添加剤が組成物中に導入される場合がある。これらの任意選択の添加剤は、成形操作の前にサーメット混合物中に組み入れられる。
【0050】
本発明の新規の支持用アノードは、典型的には中間固体電解質及び外側空気電極(カソード)の適用を伴うアノードにより支持された固体酸化物の燃料電池で、採用される場合がある。空気電極の下にある電解質層がサーメットアノード支持体上に薄膜として被覆された、燃料電極支持されたタイプ(すなわちアノードにより支持されたタイプ)が当技術分野で良く知られている。電解質材料及び空気電極(カソード)材料の選択は、燃料電池が動作するように意図される温度に依存して、広い範囲を有することができる。
【0051】
例えば、アノードにより支持されたSOFCが700℃〜1000℃の範囲内の高温で動作する場合、電解質は、(ZrO2)0.92(Y2O3)0.08など、安定化された酸化ジルコニウム(YSZ)から選択されることがあり、500℃〜700℃の中間温度で動作される場合、電解質は、(Ce0.90Gd0.10)O1.95など、ドープされた酸化セリウムであってよい。
【0052】
アノードにより支持されたSOFCを製造するために従来の粉末を使用する製造の一方法は、以下の工程を含む場合がある。
【0053】
燃料電極を形成するために、電解質物質(YSZ)を、ニッケルなど電気化学的に活性の物質と混合する工程。電気化学的に活性の材料の体積%は、約30〜約80%の範囲であってよく、約40〜約60%が好まれる。
【0054】
以下の実施例は、説明及び例示の目的で提示される。これは、何らかの形で限定を与えるものとみなされるべきではない。
【実施例】
【0055】
内側に溝を付けられた支持用アノードを有する管状SOFCが、以下の工程によって製造される場合がある。
【0056】
混合物中に導入される(NiOの還元によって生じる)Niの量が30〜80体積%の範囲内であるように、緑色酸化物NiO粉末がYSZ粉末と混合される。ペースト組成物は、さらに、蒸留水(溶媒)と、メチルセルロースまたはハイドロキシプロピルメチルセルロース(結合剤)と、グリセロールまたはポリエチレングリコール(可塑剤)とを含む。適切なペースト組成物は、70〜約90重量%の固体装填量(NiO+YSZ)と、5〜25重量%の水と、1〜15重量%の結合剤と、0.1〜5重量%の可塑剤とを含む場合がある。次いで、組成物は、シグマブレードミキサなど高剪断ミキサを使用して高剪断の条件下で混合され、それにより均質なプラスチック塊が形成される。
【0057】
前述したように、任意選択の添加剤は、孔形成剤(例えば、炭素粉末、澱粉、ポリマービーズ)を含む。
【0058】
次いで、高圧(例えば1〜30kN)で押型124(図12)を通るようにペーストに力を加えることによって、アノード支持管が押出し成形される場合がある。押型(ダイ)の形状は、押出し成形される管の断面幾何形状を決定する。図12は、所望の支持内部幾何形状、例えば突起部などを作成するように機械加工された押型細長穴130及び隆起部126を有する適切な押型の設計を例示する。
【0059】
押出し成形された管は、数時間の期間にわたって大気中で乾燥される場合がある。より短い乾燥時間は、湿度が制御される温度/湿度室を使用することによって実現される。湿度は、高い初期設定(90〜100%RH)から、管が完全に乾燥されるまで徐々に低下される。
【0060】
次いで、乾燥された支持構造上に電解質層を形成するために、適切な固体装填量(約20〜60重量%)及び粒子サイズ(D50<1ミクロン)を有する電解質インクまたはスラリが使用される。電解質(YSZ)は、滴下時間及びインク粘度が最終的な電解質厚さを決定するディップコーティングによって、または、電解質層の厚さを制御するために回転速度、X/Y配置、噴霧距離、及び他のパラメータも使用されることがある噴霧プロセスによって、乾燥された管に塗布される。理想的には、焼結プロセス後に亀裂を生じることなく高密度の電解質層を実現するために、5〜50ミクロンの電解質コーティングの厚さが使用されるべきである。次いで、支持及び電解質コーティングが1300℃〜1450℃の高温で焼結され、その温度は、元の電解質スラリの粒子サイズ及び固体装填量に依存する。
【0061】
次いで、同時焼成されたアノードによる支持及び電解質構造が、カソードの塗布のために準備される。カソードは、第1の層を有する2〜4層から構成され、この第1の層は、電解質に直接接触し、外側層に比べて高い体積%のYSZを含有し、したがって段階的なカソード構造を作成する。カソードインクは、その別個の層に関して所望の組成を実現するように、適切な固体装填量(20〜約60%)及び粒子サイズ(D50≦2ミクロン)、ならびに適切な体積パーセンテージのYSZまたはペロブスカイト材料(一般に、様々なドーピングレベルのLSM)を用いて調製される。カソードは、ディップコーティング、噴霧、及びスクリーン印刷を含む様々な塗布技法によって塗布されることがあり、噴霧が好まれる。次いで、構造全体が、1000℃〜約1250℃のより低い温度で焼結されて、カソード電極のための適切な界面特性及び電極構造を生成する。
【0062】
本発明を例示の目的で詳細に説明してきたが、そのような詳細は単に例示の目的のためのものであり、特許請求の範囲で定義される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく当業者がそれらに変形を加えることができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】電池の電解質及びカソード部分を含む、電池の環状体/層を例示するために一部が除去された本発明の支持用アノードを含む管状SOFCの等角図である。
【図2】電池(全長)の内側アノード環状体上の突出部としての円錐形状のボスまたは突起部間に間隔を空けて構成された4つの連続する長手方向で丸みを帯びた溝から構成される補強材を含む本発明の構造的特徴をより詳細に示す、図1の管状SOFCの拡大等角図である。
【図3】図2によって例示されるものと同様の支持用アノードでは、内部円錐形状ボスが、内側アノード環状体上で管状電池の部分的な長さ(短い長さ)にのみ延びるように変更された支持用アノードを備える本発明のSOFCのさらなる実施形態の等角図である。
【図4】間隔を空けられた溝を間に画定する、電極の内側環状体上にある、対称に間隔を空けられ、長手方向で連続であり、長方形状をした複数の支持用突起部を有する支持用アノード環状体を備える本発明のSOFCのさらなる実施形態の等角図である。
【図5】内側環状体上の連続して丸みを帯びた溝を間に有して、管状本体の穴内に突出し、円筒形電池の長さ(全長)に延びる、均等に間隔を空けられ、丸みを帯びた突起部としての複数の支持要素を特徴とする支持用アノード環状体を備える本発明のSOFCのさらなる実施形態の等角図である。
【図6】これもまた、管状電池の長さ(全長)に延び、連続溝を間に形成する、内側環状環状体からの内方向突起部としての複数の8つの円錐形状の支持用ボスを特徴とする支持用アノードを備える本発明の新規の固体酸化物の燃料電池のさらなる実施形態の等角図である。
【図7】螺旋または螺旋形状での内側突起部を特徴とする支持用アノードを備える本発明のSOFCのさらなる実施形態の等角図である。
【図8】外側カソードが、円筒形状ではなく、丸みを帯びた頂部を有する3つの面を備え、内側支持用アノード環状体が、電池の内部穴内に突出する、対称に構成されて間隔を空けられた突起部を備える、本発明の支持用管状SOFCのさらなる代替的な実施形態の等角図である。
【図9】多角形状のSOFC、より具体的には、外側カソード環状体が六角形状であり、アノードの内面から電池の穴内に突出する複数の長方形に間隔を空けられた突起部を特徴とする内側アノード環状体を用いて補強された燃料電池の等角図である。
【図10】支持用アノードが燃料噴射器に取り付けられた状態で、製造された本発明の管状SOFCを例示する拡大図である。
【図11】図10による燃料噴射器に取り付けられた管状SOFCの上面図である。
【図12】内側環状体から突出するアノードボスを有する本発明の管状の支持用アノードを成形するために使用される押出し押型の部分端面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に燃料電池に関し、より詳細には、アノードが、機械的支持、耐久性、及び電池性能の改良のために独特の内部幾何形状システムによって電池の物理的及び電気化学的性質を向上させる、改良されたアノードを有する管状の固体酸化物の燃料電池(SOFC)及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
管状、平坦、及び一体型(モノリシック)の設計を含むいくつかの異なる固体酸化物の燃料電池構造設計が開発されており、それら全てが技術文献に文書化されている(例えば、Q.M.Nguyen等「Science and Technology of Ceramic Fuel Cells」,Elsevier Science,1995年1月参照)。管状SOFC設計は、平坦燃料電池積重体に関連付けられる封止の問題から生まれた(G.Hoogers「Fuel Cell Technology Handbook」,CRC Press,2002年8月参照)。いわゆる空気電極支持(AES)式の技術を開示する多数の特許が、Siemens Westinghouse Power Corp.(米国フロリダ州オーランド)に付与されている(例えば、Ruka他への米国特許第5916700号、Borglumへの米国特許第5993985号、及びやはりBorglumへの米国特許第6379485号参照)。
【0003】
管状SOFCの分野での顕著な技術的成果にもかかわらず、空気電極により支持された管状燃料電池は、依然としていくつかの欠点を有する。1つには、ランタン、ストロンチウム、亜マンガン酸塩などの空気電極材料は、費用が高く、しばしば技術を経済的に魅力的でないものにする。さらに、空気電極はセラミック材料からなり、それらの機械的強度及び耐久性は、サーメット(すなわち、セラミックと金属の複合物)から構成される燃料電極よりもしばしば小さい。
【0004】
燃料電極支持(FES)式の管状SOFCが、いくらかの改善された経済性に鑑みて、当分野で新たな注目を浴びている(Song他による米国特許第6436565号参照)。
【0005】
AES及びFES管状設計は、両方の開いた端部を有するように、かつ一端で閉じられているように構造的に修正されているが、基本的に管状の構成に重要な改良はほとんどなされておらず、このタイプの電池の構造的完全性と性能特性との両方を向上させるための手段として、従来の円筒形構成に勝る管状SOFCの内部構造特徴への修正を示唆する。
【0006】
したがって、構造支持、耐久性を向上させるための、かつ電池の電子伝導性を最適化するように表面積を増大するための管状SOFC用の改良されたアノードが必要とされている。
【非特許文献1】Q.M.Nguyen等「Science and Technology of Ceramic Fuel Cells」,Elsevier Science,1995年1月
【非特許文献2】G.Hoogers「Fuel Cell Technology Handbook」,CRC Press,2002年8月
【特許文献1】米国特許第5916700号明細書
【特許文献2】米国特許第5993985号明細書
【特許文献3】米国特許第6379485号明細書
【特許文献4】米国特許第6436565号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の1つの主要な目的は、新規の支持構成を有するアノードを有するSOFCを提供することである。支持用アノードの幾何形状は、向上された物理的、熱的、及び電気的性質を電池に与え、より魅力的な経済性を提供する。
【0008】
本発明のさらなる主要な目的は、改良された管状の支持用アノードと、それを備えるSOFCとを最小限の加工工程で製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
新規のアノード層の幾何形状は、少なくとも1つの、より好ましくは複数の長手方向の突出部を、アノード層の内面から管状本体の中心開口または穴に内方向に突出する内側突起部またはボス(及びそれらの間の溝)の形で備える。一般に、突起部またはボスは、管状本体の長手方向軸に平行に、またはそれと同軸に延びていてよく、別法として、例えば、他の突起部またはボスに接触することなく、または管状アノード表面の他の区域に係合することなく、中心穴を通って全体として螺旋形のパターンで蛇行していてもよい。この「ボス」または「支持用アノード」が、改善された機械的信頼性、耐久性、及び増大された活性電池領域を与え、それと同時に、最小化された電気抵抗によって電気化学的な性能が向上される。また、本発明は、内側突出部が、例えば乱流または渦混合をもたらすことによって混合を高める場合があるので、電池内の燃料流れ特性を高めることができる。したがって、本発明の1つの主要な目的は、中心穴を画定する管状本体を備える電池のための支持用アノードを有するSOFCであって、この管状本体が、燃料電池全体を構造的に補強するための中心穴内に突出する支持手段を含むSOFCを提供することである。好ましくは、中心穴内に突出する支持手段は、管状アノード本体と一体である。
【0010】
本発明の目的では、本明細書及び特許請求の範囲に現れる「管状」または「管状本体」などの表現、あるいはそれらの変形表現は、主として、円形または丸みのある壁部を有する、例えば円筒形状を有する燃料電池を含むことを意図されており、しかし本発明はまた、少なくとも3つの面を有する多角形の幾何形状構成である管状本体、例えば三角形管、長方形/正方形管、六角形管、及びそれらの変形、例えば頂部に曲面が形成された3面の三角形状の管などを含むことを意図されている。したがって、本発明のSOFCは、主に円筒形管状本体で例示されるが、これは単に便宜上の意図のものであり、本明細書で上述したものなど他の幾何形状構成を制限する、または除外することは意図されていないことを理解されたい。
【0011】
管状SOFCは、それらの幾何形状により、ポテンシャル損失を受けると考えられる。これらの損失を最小限にするために、支持用アノードの新規のボス構造特徴が、電子移動のための優先的な「低抵抗」経路を提供することは注目に値する。
【0012】
本発明のさらなる目的は、向上された構造的完全性、熱及び電気性質を提供するだけでなく、独特の幾何形状により、SOFC積重体(スタック)のマニホルドシステムの組立てを容易にもする新規の幾何的特徴を有する支持用アノードを有する改良された管状SOFCであって、アノードのボス突起部が、燃料噴射器を位置決めする案内として働き、ガス通路が噴射器のいずれかの側で、開いたままであることを保証するSOFCを提供することである。
【0013】
したがって、新規の管状アノード支持体を有する改良されたSOFCに関する本発明は、燃料電極を備え、より具体的には、SOFCの構造的補強の向上のために、突起部間に中間溝または凹部を有して、管状構造の内面または環状体から中心穴内に内方向に延在する適切な突起部を有する内側アノード構造を有する燃料電極を備える。本発明の支持用アノードは、それらが一緒に採用される管状SOFCと同様に、両端で開いていてよく、または一端で閉じられていてもよい。アノードによる支持構造は、突出ボス構造により、比較的厚い壁を有し、一般に非円形の管状穴である。したがって、アノードの独特の幾何形状が、燃料電池全体に剛性と強度との両方を与える。
【0014】
組成的には、本発明の支持燃料電極は、遷移金属(例えばNi)と、セラミック材料(例えば、安定化された酸化ジルコニウム、ドープされた酸化セリウム、または他の適切な電解質材料)とから構成されてよく、すなわちサーメットであってよい。
【0015】
前述したように、本発明の主な要点は、電極の幾何形状を変形する新規のアノード設計に関し、それにより電極は、燃料電池の構造全体に対して、より大きな物理的支持性を有するようになる。燃料電極の穴は、好ましくは、対称に間隔を空けられ、管状本体の長手方向軸と同軸に延びる少なくとも1つの、より好ましくは複数の連続する長手方向の突起部またはボスを有する管状の、しかし非円形の内壁を有する構造に構成されたアノード環状体を備える。ボスは、好ましくは管状本体の長さに延び、しかしまた、管状電極本体の長さの一部のみに延びていてもよい。したがって、管状構造の内壁に沿って(間に溝を画定する)長手方向の突起部またはボスを導入することによって、以下の種々の利点が生じる。
【0016】
・アノードを燃料電池のための高い支持性を有する構造に変形する燃料電極に対する追加の厚さまたは表面積によって、機械的強度がより高くなる。好ましくは、内部ボスは対称に配置され、したがってそれらは、内側環状体の周りで互いから等距離で間隔を空けられ、管状SOFC全体をさらに構造的に補強する。
【0017】
・より大きい導電表面積が電池内部に生成される。
【0018】
・より大きい電気化学的出力が、アノード支持体の向上された電子伝導性によって実現される。
【0019】
・燃料電池組立体の改善された効率、すなわち取扱い及び燃料電池積重体への取付けの容易さが実現され、その際、突起部間の溝が、燃料噴射器を位置決めして固定するための案内として働く。これは、従来の円形管で生じる破損及び漏れの問題を低減する、またはなくす。
【0020】
本発明の支持用アノードの内側突出ボス/突起部の幾何形状構成が実際的には制限されないことが当業者には理解されよう。代表的な突起部は、いくつか例を挙げると、円錐形、長方形、正方形、曲面形状または半円などの形状を含むことができる。一般に、それらの突起部の数及び寸法は、SOFC積重体の組立て中に、後で導入される燃料噴射器設計に適合される。
【0021】
本発明はまた、支持用アノードを製造する改良された方法に関する。
【0022】
支持用アノードの製造の方法は、燃料電極の混合物組成に直接関係付けられる。有用な押出し成形技法は、一般にプラスチック塊の押出し成形に関連付けられるものである。それらは、内部ボス、特に管状本体の全長に延びるボスを有する支持用アノードを製造する際に改善された経済性を提供する。内部アノードボスが不連続である、またはアノード支持管の全長に比べて長さが短いといった、より複雑な内側形状を製造するためには、注型(キャスティング)及びプレス成形技法が好まれる。
【0023】
燃料電池の電気化学的性質に対するさらなる改良は、触媒活性を最適化して物質移動の問題を制限するために、燃料電極混合物中に人工の孔形成剤を導入することによって実現される場合がある。
【0024】
前述の開示及び以下のより詳細な説明から、本発明が、管状燃料電池技術、より具体的には管状SOFC技術の重要な進歩を提供することが当業者に明らかであろう。この点で特に重要なのは、本発明が、機械的信頼性を改善しながら、より低費用で製造されるより経済的な高電流密度燃料電池を提供することができることである。追加の特徴及び利点は、以下のより詳細な説明に鑑みてより良く理解されよう。
【0025】
本発明の性質及び動作形態を、以下、添付の図面と共に取り上げる本発明の以下の詳細な説明で、より完全に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
まず図1を見ると、本発明のSOFC10の概略図が、内側アノード環状体12と、中間電解質14と、外側カソード環状体16とを最良に例示するように修正された円筒形状の管状本体として提供される。アノード12は、当該アノードの内壁から穴内への突出部として複数の突起部20を有する内部穴18を画定する。
【0027】
図1の燃料電池の拡大図である図2が、本発明のアノード支持体12を最良に例示し、ここでは、対称に形状を取られて位置決めされた4つの円錐形(三角形)のボス20が、管状SOFC10の全長に同軸に延び、楕円形の溝22が、それらのボスの間に位置決めされる。燃料電池に追加の表面積及び強度を提供するボス22は、アノード環状体12と一体であるように図示される。
【0028】
図2と同じ構造的特徴のいくつかを例示する図3は、支持用アノード26と、中間電解質28と、外側カソード30とを含む本発明の全体として円筒形状のSOFC24の代替的な実施形態を提供する。アノード26は、円錐形状の突起部/ボス36の間に位置決めされた楕円形の溝34を有する内部穴32を画定する。また、燃料電池24は、短縮された突起部38を特徴し、この突起部は、電池の全長わたっては延びず、管状本体の全長よりも短い。
【0029】
図4は、支持内側アノード環状体42と、中間固体電解質環状体44と、外側カソード46とを備える円筒形SOFC40を例示する本発明のさらなる代替的な実施形態である。内側アノード環状体42は、円弧または溝50の間に位置決めされたアノード環状体構造の一体要素として、複数の均等に間隔を空けられた長手方向の突起部48を備える。突起部48は、燃料電池穴52に対して内方向に位置決めされた長方形状、または全体として正方形状の構成である。
【0030】
図5は、これも円筒形状構成を有する管状燃料電池54を備える本発明のアノード補強式のSOFCのさらなる実施形態を例示する。補強SOFC54は、内側支持用アノード環状体56と、中間固体電解質58と、外側カソード環状体60とを備え、このアノードの内側突起部は、電池穴64を通って長手方向で電池の長さにわたって部分的に、または完全に延びる補強用突出部として、丸くされ、均等に間隔を空けられたボス62を備える。好ましくは、突起部(ボス)62は、支持用アノードの内壁の内側丸い領域66間で、対称に間隔を空けられる。
【0031】
図6は、支持用アノード70と、中間固体電解質環状体72と、外側カソード74とを有する本発明の円筒形状のSOFC68のさらなる実施形態を例示する。支持用アノード70は、わずかに丸みを帯びた溝78を間に有して中心穴80内に突出する8つの全長にわたる全体として円錐形状の突起部76を備える内部幾何形状を特徴とする。
【0032】
図7は、新規な内側幾何形状を有する支持用アノード84を備え、電解質層86とカソード環状体88とを含む本発明の管状SOFCのさらなる円筒形実施形態82を例示し、支持用アノード84の突起部90は連続であり、丸い領域92間で支持管の長さに沿った螺旋経路に従う。
【0033】
図8及び図9は、本発明の代替的な管状実施形態を例示し、この管状構造は、丸みを帯びた、例えば円筒形状の管ではなく、例えば多角形であってもよい。図8は、本発明のそのようなSOFC92の一実施形態を例示しており、3つの主要外側カソード面94を備え、これらの主要外側カソード面94は、各面94を接合する丸い頂部96を除いて、互いに三角形状を取る。当然、本発明は、3つ以上の表面を有する多角形構造、例えば三角形、正方形、五角形、六角形などの構造を意図する。図8の実施形態のような管状燃料電池の実施形態は、本明細書で説明するように、支持用アノードを備える。また、図8の燃料電池は、内側支持用アノード98と、中間電解質99と、外側3面カソード構造94とを備える。また、支持用アノード98は、中間丸い領域102間に、前述したような電池の内部穴内への突出部として突起部100を備える。
【0034】
図9は、やはり本発明の多角形SOFC104を含み、この電池は、内側支持用アノード環状体106と、中間管状電解質環状体107と、6つの面108を有する多角形状の外側カソードとを備える。この実施形態は、丸い凹部または円弧112の間に位置決めされた間隔を空けられた突起部として複数のボス110を有する支持用アノード環状体106を特徴とする。
【0035】
図1〜図9の特定の実施形態は、単に例示的な目的のためのものと意図されており、当業者に明らかになる様々な代替的な実施形態に限定を加えるものとは意図されておらず、全てのそのような代替形態及び変形形態を含むことを意図されている。
【0036】
前述したように、本発明の主要な態様は、特に管状SOFCで使用するための、従来の管状アノードに勝る燃料電池全体への構造的な補強を提供する、向上された支持性質を有する新規の内部幾何形状を有するアノードである。
【0037】
改良されたアノードを支持構造として使用することは、性能の観点から最も有益である(Song他への米国特許第6436565号参照)。さらに、高められた電子伝導性と、(電気化学的な電荷移動反応による電圧損失を表す)活性化過電圧の低減とにより、0.2〜2.0mm程度の内側環状体厚さでは、前述したように本発明のアノードを具備された燃料電池によって高電流密度を実現することができる。
【0038】
組成的には、アノードサーメット支持体で使用される電気化学的に活性の物質、すなわち金属の含有量は、好ましくは、固体の体積に基づいて、約30.0〜約80.0体積%の範囲内である。30体積%より低い金属含有量では、金属セラミックによるアノード複合物が、低減された導電率を有する。支持用アノードサーメットの金属含有率が約30体積%以上であるとき、金属粒子間で良好な界面結合が引き起こされ、電子伝導性の増加をもたらす。濃度分極を最小限にするのに十分な有孔度を維持しながら、非常に高い電子伝導性を保証するには、80体積%までの金属含有量が適当である。アノードサーメット中のより多量の金属は、後に被覆される電解質との大きな熱膨張率不一致をもたらして、処理または電池動作中に亀裂形成を生じる可能性がある。
【0039】
また、電池性能を向上させるためにアノードの有孔度を高めることが望ましく、それにより、(有孔電極を通るガスの流れに対する抵抗に関連付けられた電圧損失を表す)濃度分極が最低レベルに保たれる。この結果を実現するための1つの方法は、還元雰囲気条件下での金属酸化物粉末の元素金属への還元を提供し、本質的に元の位置における(in−situ)処理によって、より大きな有孔度をアノード基質に提供する。したがって、一般に、アノード組成物中の金属酸化物のより高い含有量が好まれる。
【0040】
また、アノードへの追加の有孔度は、孔形成剤の導入によってもたらされる場合もある。有用な孔形成剤の代表的な例として、炭素粉末、澱粉、ポリマービーズなどが挙げられる。孔形成剤は、後で、支持用アノードが完全な管状SOFC構造に製造される焼結中に除去される。孔形成剤は、好ましくは、金属セラミック粉末に基づいて50体積%までの量で採用される。著しく高いレベルの追加の孔形成剤は、機械的強度の損失をもたらす可能性がある。
【0041】
本発明のサーメット燃料アノード支持体に有用なセラミック材料の代表的な例として、高温SOFC(700℃〜1000℃)のための安定化された酸化ジルコニウムが挙げられる。これは、好ましくは、8モル%の酸化イットリウムにより安定化された酸化ジルコニウム(YSZ)、すなわち(ZrO2)0.92(Y2O3)0.08を含む。別の有用な材料は、中間温度SOFC(500℃〜700℃)のために使用されるドープされた酸化セリウムである。これは、好ましくは、ガドリニウムがドープされた酸化セリウム(CGO)、すなわち(Ce0.90Gd0.10)O1.95を含む。SOFC電解質の用途に適した他の材料が、本発明に適用可能である。
【0042】
一般に、本発明の燃料電極支持及びサーメット電解質で使用される金属相は、元素周期表の遷移金属群に属し、それらの合金または物理的な混合物を含む。ニッケル(Ni)元素が、還元雰囲気条件下でのその高い電気化学的活性及び高い電子伝導性により、かつその費用効果のために、好まれる種である。金属は、金属粉末、金属酸化物粉末、金属塩(水性または非水性)などを含む様々な前駆物質によってアノード支持及びサーメット電解質中に導入される場合がある。NiOなどの金属酸化物粉末が、それらの費用効果、及びセラミック処理へのそれらの適合性により、しばしば好まれる。限定された量の非常に微細な金属粒子が、水またはアルコール溶液を含む水性及び非水性溶媒中に溶解されたNi(NO3)2などの金属塩によって導入されることもある。これは特に、電子伝導性の向上のために金属粒子間の密接な接触が望まれるアノード支持体に関連する。
【0043】
アノード支持体の突出する長手方向のボスは、アノードの強度と、ガス流に接触するアノード内部の表面積との両方を増大するので、アノードの全体の厚さを減少させることを可能にする。したがって、修正された支持用アノードは、そのような構造的特徴を欠く従来の管と比較して、向上された構造的性質を持つ。好ましくは、内側突起部は対称に位置決めされ、それにより、該突起部及びそれらの中間溝が互いに等距離に間隔を空けられる。これはまた、管状支持体に均等な重量分散を与える。また、この構造的性質は、電池製造中の乾燥及び焼結中に収縮差を最小限に抑えるのに望ましい。露出した管状支持体にわたる溝の不均等な分散は、捩れ及び/または亀裂生成など有害な欠陥をもたらすことがある。支持管の強度は、突出するボスの数と共に増加する場合がある。
【0044】
また、突出するボスの存在は、支持用アノードの電気化学的性能を向上させる。より高い電流密度が、サーメットアノードのより厚い部分にわたる高められた電子伝導性と、活性化過電圧の低減とによって実現される。
【0045】
前述したように、長手方向の突出ボスはまた、燃料電池の積重組立体への電池の優れた取付け能力を提供する。図10は、燃料噴射器118に取り付けられた本発明のアノード支持体116を備える管状SOFC114の部分拡大図を例示し、アノードの隆起部または突起部120が、電池の管状穴内部に所定の向きで噴射器118を位置決めして固定するために使用される。丸い空隙122間の突起部120は、アノード支持体内部の流れ特性を最適化する燃料噴射器118の中心位置決めを物理的に維持し、それによりアノード反応部位への燃料のより良い分散をもたらす。
【0046】
隆起部付きのアノード支持体を製造するための加工経路は、上で論じた金属及びセラミック化合物を含む燃料電極混合物の調製に依拠する。水性または非水性媒体が、微粒子を懸濁するために使用される場合がある。ただし、水性媒体が、それらの費用対効果により、かつ有機溶媒の燃焼性及び毒性に関係付けられる環境の問題がより少ないことにより、しばしば好まれる。また、良く分散された均質で安定な混合物を保証するために、一般的な処理添加剤(分散剤、結合剤、可塑剤)が使用される(R.J.Pugh等「Surface and Colloid Chemistry in Advanced Ceramics Processing」,Marcel Dekker,1993年10月参照)。粘度などこれらの混合物の特性は、様々な原材料の性質または量を変更することによって変えられる場合がある。それにより、混合物が特定の成形手順に適合される。
【0047】
特に、水性プラスチック状の塊の押出し成形が、断面一様性を持つ形状を製造するのに好まれる。これは特に、支持管に沿った全長連続ボスが望まれるときに該当する。図12は、押型用細長穴130から離して内側押型部128に溝126が機械加工された押出し成形用の押型(ダイ)124の部分図を例示する。したがって、押出し成形は、図1のものなどと一致する管状支持用アノードの内壁に沿った突出隆起部を提示する。
【0048】
他方で、例えばボスが螺旋経路に従うようなより複雑な形状が、注型(キャスティング)技術(液体処理)またはプレス成形技法(乾式処理)によって準備されることがある。注型技術は、スリップ注型、遠心注型、ゲル注型などを含む。プレス成形技法は、乾式プレス成形及び静水圧プレス成形を含む。全てのそのような加工経路が知られており、文献に良く文書化されている(例えば、J.S.Reed「Principles of Ceramic Processing,2ndEdition」,J.Wiley&Sons,1994年11月参照)。
【0049】
前述したように、燃料電極支持の有孔度を調整するために、孔形成剤など他の添加剤が組成物中に導入される場合がある。これらの任意選択の添加剤は、成形操作の前にサーメット混合物中に組み入れられる。
【0050】
本発明の新規の支持用アノードは、典型的には中間固体電解質及び外側空気電極(カソード)の適用を伴うアノードにより支持された固体酸化物の燃料電池で、採用される場合がある。空気電極の下にある電解質層がサーメットアノード支持体上に薄膜として被覆された、燃料電極支持されたタイプ(すなわちアノードにより支持されたタイプ)が当技術分野で良く知られている。電解質材料及び空気電極(カソード)材料の選択は、燃料電池が動作するように意図される温度に依存して、広い範囲を有することができる。
【0051】
例えば、アノードにより支持されたSOFCが700℃〜1000℃の範囲内の高温で動作する場合、電解質は、(ZrO2)0.92(Y2O3)0.08など、安定化された酸化ジルコニウム(YSZ)から選択されることがあり、500℃〜700℃の中間温度で動作される場合、電解質は、(Ce0.90Gd0.10)O1.95など、ドープされた酸化セリウムであってよい。
【0052】
アノードにより支持されたSOFCを製造するために従来の粉末を使用する製造の一方法は、以下の工程を含む場合がある。
【0053】
燃料電極を形成するために、電解質物質(YSZ)を、ニッケルなど電気化学的に活性の物質と混合する工程。電気化学的に活性の材料の体積%は、約30〜約80%の範囲であってよく、約40〜約60%が好まれる。
【0054】
以下の実施例は、説明及び例示の目的で提示される。これは、何らかの形で限定を与えるものとみなされるべきではない。
【実施例】
【0055】
内側に溝を付けられた支持用アノードを有する管状SOFCが、以下の工程によって製造される場合がある。
【0056】
混合物中に導入される(NiOの還元によって生じる)Niの量が30〜80体積%の範囲内であるように、緑色酸化物NiO粉末がYSZ粉末と混合される。ペースト組成物は、さらに、蒸留水(溶媒)と、メチルセルロースまたはハイドロキシプロピルメチルセルロース(結合剤)と、グリセロールまたはポリエチレングリコール(可塑剤)とを含む。適切なペースト組成物は、70〜約90重量%の固体装填量(NiO+YSZ)と、5〜25重量%の水と、1〜15重量%の結合剤と、0.1〜5重量%の可塑剤とを含む場合がある。次いで、組成物は、シグマブレードミキサなど高剪断ミキサを使用して高剪断の条件下で混合され、それにより均質なプラスチック塊が形成される。
【0057】
前述したように、任意選択の添加剤は、孔形成剤(例えば、炭素粉末、澱粉、ポリマービーズ)を含む。
【0058】
次いで、高圧(例えば1〜30kN)で押型124(図12)を通るようにペーストに力を加えることによって、アノード支持管が押出し成形される場合がある。押型(ダイ)の形状は、押出し成形される管の断面幾何形状を決定する。図12は、所望の支持内部幾何形状、例えば突起部などを作成するように機械加工された押型細長穴130及び隆起部126を有する適切な押型の設計を例示する。
【0059】
押出し成形された管は、数時間の期間にわたって大気中で乾燥される場合がある。より短い乾燥時間は、湿度が制御される温度/湿度室を使用することによって実現される。湿度は、高い初期設定(90〜100%RH)から、管が完全に乾燥されるまで徐々に低下される。
【0060】
次いで、乾燥された支持構造上に電解質層を形成するために、適切な固体装填量(約20〜60重量%)及び粒子サイズ(D50<1ミクロン)を有する電解質インクまたはスラリが使用される。電解質(YSZ)は、滴下時間及びインク粘度が最終的な電解質厚さを決定するディップコーティングによって、または、電解質層の厚さを制御するために回転速度、X/Y配置、噴霧距離、及び他のパラメータも使用されることがある噴霧プロセスによって、乾燥された管に塗布される。理想的には、焼結プロセス後に亀裂を生じることなく高密度の電解質層を実現するために、5〜50ミクロンの電解質コーティングの厚さが使用されるべきである。次いで、支持及び電解質コーティングが1300℃〜1450℃の高温で焼結され、その温度は、元の電解質スラリの粒子サイズ及び固体装填量に依存する。
【0061】
次いで、同時焼成されたアノードによる支持及び電解質構造が、カソードの塗布のために準備される。カソードは、第1の層を有する2〜4層から構成され、この第1の層は、電解質に直接接触し、外側層に比べて高い体積%のYSZを含有し、したがって段階的なカソード構造を作成する。カソードインクは、その別個の層に関して所望の組成を実現するように、適切な固体装填量(20〜約60%)及び粒子サイズ(D50≦2ミクロン)、ならびに適切な体積パーセンテージのYSZまたはペロブスカイト材料(一般に、様々なドーピングレベルのLSM)を用いて調製される。カソードは、ディップコーティング、噴霧、及びスクリーン印刷を含む様々な塗布技法によって塗布されることがあり、噴霧が好まれる。次いで、構造全体が、1000℃〜約1250℃のより低い温度で焼結されて、カソード電極のための適切な界面特性及び電極構造を生成する。
【0062】
本発明を例示の目的で詳細に説明してきたが、そのような詳細は単に例示の目的のためのものであり、特許請求の範囲で定義される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく当業者がそれらに変形を加えることができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】電池の電解質及びカソード部分を含む、電池の環状体/層を例示するために一部が除去された本発明の支持用アノードを含む管状SOFCの等角図である。
【図2】電池(全長)の内側アノード環状体上の突出部としての円錐形状のボスまたは突起部間に間隔を空けて構成された4つの連続する長手方向で丸みを帯びた溝から構成される補強材を含む本発明の構造的特徴をより詳細に示す、図1の管状SOFCの拡大等角図である。
【図3】図2によって例示されるものと同様の支持用アノードでは、内部円錐形状ボスが、内側アノード環状体上で管状電池の部分的な長さ(短い長さ)にのみ延びるように変更された支持用アノードを備える本発明のSOFCのさらなる実施形態の等角図である。
【図4】間隔を空けられた溝を間に画定する、電極の内側環状体上にある、対称に間隔を空けられ、長手方向で連続であり、長方形状をした複数の支持用突起部を有する支持用アノード環状体を備える本発明のSOFCのさらなる実施形態の等角図である。
【図5】内側環状体上の連続して丸みを帯びた溝を間に有して、管状本体の穴内に突出し、円筒形電池の長さ(全長)に延びる、均等に間隔を空けられ、丸みを帯びた突起部としての複数の支持要素を特徴とする支持用アノード環状体を備える本発明のSOFCのさらなる実施形態の等角図である。
【図6】これもまた、管状電池の長さ(全長)に延び、連続溝を間に形成する、内側環状環状体からの内方向突起部としての複数の8つの円錐形状の支持用ボスを特徴とする支持用アノードを備える本発明の新規の固体酸化物の燃料電池のさらなる実施形態の等角図である。
【図7】螺旋または螺旋形状での内側突起部を特徴とする支持用アノードを備える本発明のSOFCのさらなる実施形態の等角図である。
【図8】外側カソードが、円筒形状ではなく、丸みを帯びた頂部を有する3つの面を備え、内側支持用アノード環状体が、電池の内部穴内に突出する、対称に構成されて間隔を空けられた突起部を備える、本発明の支持用管状SOFCのさらなる代替的な実施形態の等角図である。
【図9】多角形状のSOFC、より具体的には、外側カソード環状体が六角形状であり、アノードの内面から電池の穴内に突出する複数の長方形に間隔を空けられた突起部を特徴とする内側アノード環状体を用いて補強された燃料電池の等角図である。
【図10】支持用アノードが燃料噴射器に取り付けられた状態で、製造された本発明の管状SOFCを例示する拡大図である。
【図11】図10による燃料噴射器に取り付けられた管状SOFCの上面図である。
【図12】内側環状体から突出するアノードボスを有する本発明の管状の支持用アノードを成形するために使用される押出し押型の部分端面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体酸化物の燃料電池であって、支持用アノードとして内壁を有する管状本体を備え、前記支持用アノードが前記燃料電池の中心穴を画定しており、少なくとも1つの支持手段を備えており、前記燃料電池を構造的に補強するために、前記支持手段は前記内壁から前記管状本体の前記中心穴内に突出する、固体酸化物の燃料電池。
【請求項2】
前記支持手段が、前記アノードと一体であり、複数の突起部またはボスを備える、請求項1に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項3】
前記管状本体が、さらに、前記支持用アノードと組み合わせて、電解質層及びカソード層を備える、請求項1に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項4】
前記管状本体が円筒形または多角形である、請求項3に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項5】
前記管状本体が多角形であり、少なくとも3つの面を備える、請求項4に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項6】
前記管状本体が六角形である、請求項5に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項7】
前記管状本体が、丸くなった頂部で接合された3つの面を備える、請求項5に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項8】
前記突起部またはボスが、実質的に、前記管状本体の前記中心穴の全長に延びる、請求項2に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項9】
前記突起部またはボスが、前記管状本体の前記中心穴よりも長さが短い、請求項2に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項10】
前記突起部またはボスが、前記中心穴の長さに沿って全体として螺旋形のパターンを備える、請求項2に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項11】
突出する前記突起部またはボスが、前記中心穴の内部で互いに対して対称に位置決めされる、請求項2に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項12】
前記突起部またはボスが、全体として円錐状の形状を有する、請求項2に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項13】
前記突起部またはボスが、全体として正方形または長方形である、請求項2に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項14】
前記突起部またはボスが、全体として丸みのある形状を有する、請求項2に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項15】
前記管状本体が、両端で開いている、または一端で閉じられている、請求項1に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項16】
前記管状本体の前記中心穴内に突出する前記支持手段が、前記内壁と同じ構造材料から構成される、請求項1に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項17】
前記アノード及び前記支持手段の構造材料がサーメットを含む、請求項16に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項18】
前記サーメットが、安定化された酸化ジルコニウムまたはドープされた酸化セリウムを含む、請求項17に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項19】
前記安定化された酸化ジルコニウムが、(ZrO2)0.92(Y2O3)0.08から構成される材料である、請求項18に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項20】
前記ドープされた酸化セリウムが、(Ce0.90Gd0.10)O1.95から構成される材料である、請求項18に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項21】
前記サーメットの金属相が、元素金属、合金、及びそれらの混合物から構成される群から選択される状態での、元素周期表の遷移金属群からのものである、請求項17に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項22】
前記遷移金属がニッケルである、請求項21に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項23】
前記サーメットの前記金属相の含有量が、約30体積%〜約80体積%の範囲である、請求項21に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項24】
焼結された状態での前記カソードの厚さが、約0.2mm〜約2.0mmの範囲である、請求項3に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項25】
焼結された状態での前記中心穴内に突出する前記支持手段の厚さが、約0.1mm〜約2.0mmの範囲である、請求項1に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項26】
少なくとも支持用アノードを備える固体酸化物の燃料電池を製造するための方法であって、
(i)燃料電極混合物を形成するために、セラミック電解質材料を、電気化学的に活性の遷移金属または遷移金属酸化物と混合する工程と、
(ii)前記燃料電極混合物を管状燃料電極にモールド成形する工程であって、前記管状燃料電極は中心穴を有し、前記中心穴内で内方向に突出する少なくとも1つの長手方向の突起部またはボスを備える、モールド成形する工程と、
(iii)前記管状燃料電極を乾燥させる工程とを含む、方法。
【請求項27】
前記セラミック電解質材料が、安定化された酸化ジルコニウム及びドープされた酸化セリウムから構成される群から選択されるセラミック粉末である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記燃料電極混合物中に組み入れられた前記電気化学的に活性の遷移金属が、金属酸化物粉末である、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
水性または非水性溶媒中に事前に溶解された金属化合物を採用することによって、前記遷移金属が、前記燃料電極混合物中に少なくとも一部は組み入れられる、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記燃料電極混合物中に孔形成剤を導入する、工程を含む請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記燃料電極混合物が、押出し成形に適したプラスチック塊である、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記燃料電極混合物が、注型によって成形するのに適した水性または非水性スラリである、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記燃料電極混合物が、プレス成形方法によって成形される乾燥混合物である、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
(iv)乾燥された前記管状燃料電極に電解質層を塗布する工程と、
(v)前記(iv)工程の前記燃料電極の電解質構造を焼結する工程と、
(vi)前記(v)工程で焼結された前記燃料電極の電解質構造に、少なくとも1つのカソード層を塗布する工程と、
(vii)管状固体酸化物の燃料電池を形成するために、前記燃料電極の電解質カソード構造を焼結する工程とを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
固体酸化物の燃料電池支持用アノードであって、中心穴を画定する内側の壁を有する管状本体を備え、前記壁が少なくとも1つの支持手段を備え、前記アノードを構造的に補強するために、前記支持手段が前記中心穴内に突出する、固体酸化物の燃料電池支持用アノード。
【請求項36】
前記支持手段が、前記アノードと一体であり、複数の突起部またはボスを備える、請求項35に記載の固体酸化物の燃料電池支持用アノード。
【請求項1】
固体酸化物の燃料電池であって、支持用アノードとして内壁を有する管状本体を備え、前記支持用アノードが前記燃料電池の中心穴を画定しており、少なくとも1つの支持手段を備えており、前記燃料電池を構造的に補強するために、前記支持手段は前記内壁から前記管状本体の前記中心穴内に突出する、固体酸化物の燃料電池。
【請求項2】
前記支持手段が、前記アノードと一体であり、複数の突起部またはボスを備える、請求項1に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項3】
前記管状本体が、さらに、前記支持用アノードと組み合わせて、電解質層及びカソード層を備える、請求項1に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項4】
前記管状本体が円筒形または多角形である、請求項3に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項5】
前記管状本体が多角形であり、少なくとも3つの面を備える、請求項4に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項6】
前記管状本体が六角形である、請求項5に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項7】
前記管状本体が、丸くなった頂部で接合された3つの面を備える、請求項5に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項8】
前記突起部またはボスが、実質的に、前記管状本体の前記中心穴の全長に延びる、請求項2に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項9】
前記突起部またはボスが、前記管状本体の前記中心穴よりも長さが短い、請求項2に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項10】
前記突起部またはボスが、前記中心穴の長さに沿って全体として螺旋形のパターンを備える、請求項2に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項11】
突出する前記突起部またはボスが、前記中心穴の内部で互いに対して対称に位置決めされる、請求項2に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項12】
前記突起部またはボスが、全体として円錐状の形状を有する、請求項2に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項13】
前記突起部またはボスが、全体として正方形または長方形である、請求項2に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項14】
前記突起部またはボスが、全体として丸みのある形状を有する、請求項2に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項15】
前記管状本体が、両端で開いている、または一端で閉じられている、請求項1に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項16】
前記管状本体の前記中心穴内に突出する前記支持手段が、前記内壁と同じ構造材料から構成される、請求項1に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項17】
前記アノード及び前記支持手段の構造材料がサーメットを含む、請求項16に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項18】
前記サーメットが、安定化された酸化ジルコニウムまたはドープされた酸化セリウムを含む、請求項17に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項19】
前記安定化された酸化ジルコニウムが、(ZrO2)0.92(Y2O3)0.08から構成される材料である、請求項18に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項20】
前記ドープされた酸化セリウムが、(Ce0.90Gd0.10)O1.95から構成される材料である、請求項18に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項21】
前記サーメットの金属相が、元素金属、合金、及びそれらの混合物から構成される群から選択される状態での、元素周期表の遷移金属群からのものである、請求項17に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項22】
前記遷移金属がニッケルである、請求項21に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項23】
前記サーメットの前記金属相の含有量が、約30体積%〜約80体積%の範囲である、請求項21に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項24】
焼結された状態での前記カソードの厚さが、約0.2mm〜約2.0mmの範囲である、請求項3に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項25】
焼結された状態での前記中心穴内に突出する前記支持手段の厚さが、約0.1mm〜約2.0mmの範囲である、請求項1に記載の固体酸化物の燃料電池。
【請求項26】
少なくとも支持用アノードを備える固体酸化物の燃料電池を製造するための方法であって、
(i)燃料電極混合物を形成するために、セラミック電解質材料を、電気化学的に活性の遷移金属または遷移金属酸化物と混合する工程と、
(ii)前記燃料電極混合物を管状燃料電極にモールド成形する工程であって、前記管状燃料電極は中心穴を有し、前記中心穴内で内方向に突出する少なくとも1つの長手方向の突起部またはボスを備える、モールド成形する工程と、
(iii)前記管状燃料電極を乾燥させる工程とを含む、方法。
【請求項27】
前記セラミック電解質材料が、安定化された酸化ジルコニウム及びドープされた酸化セリウムから構成される群から選択されるセラミック粉末である、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記燃料電極混合物中に組み入れられた前記電気化学的に活性の遷移金属が、金属酸化物粉末である、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
水性または非水性溶媒中に事前に溶解された金属化合物を採用することによって、前記遷移金属が、前記燃料電極混合物中に少なくとも一部は組み入れられる、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記燃料電極混合物中に孔形成剤を導入する、工程を含む請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記燃料電極混合物が、押出し成形に適したプラスチック塊である、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記燃料電極混合物が、注型によって成形するのに適した水性または非水性スラリである、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記燃料電極混合物が、プレス成形方法によって成形される乾燥混合物である、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
(iv)乾燥された前記管状燃料電極に電解質層を塗布する工程と、
(v)前記(iv)工程の前記燃料電極の電解質構造を焼結する工程と、
(vi)前記(v)工程で焼結された前記燃料電極の電解質構造に、少なくとも1つのカソード層を塗布する工程と、
(vii)管状固体酸化物の燃料電池を形成するために、前記燃料電極の電解質カソード構造を焼結する工程とを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
固体酸化物の燃料電池支持用アノードであって、中心穴を画定する内側の壁を有する管状本体を備え、前記壁が少なくとも1つの支持手段を備え、前記アノードを構造的に補強するために、前記支持手段が前記中心穴内に突出する、固体酸化物の燃料電池支持用アノード。
【請求項36】
前記支持手段が、前記アノードと一体であり、複数の突起部またはボスを備える、請求項35に記載の固体酸化物の燃料電池支持用アノード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2007−501999(P2007−501999A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522705(P2006−522705)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/025233
【国際公開番号】WO2005/018018
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(503339731)ナノダイナミックス・インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/025233
【国際公開番号】WO2005/018018
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(503339731)ナノダイナミックス・インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
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