説明

新規トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン誘導体、その製造法、及びそれを含有する医薬組成物

本発明は、式(I)で示される化合物、その鏡像異性体、ジアステレオ異性体及びN−オキシド、ならびに薬学的に許容され得る酸又は塩基とのその付加塩に関するものである。本発明の化合物は、強力なチロシンヒドロキシラーゼ誘導物質である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン化合物、その製造法、及びそれを含有する医薬組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
文献からは、エブルナン構造を示す化合物の多数の例が提供されていて、それは、ビンカミン(vincamine:(3α,14β,16α)−(14,15−ジヒドロ−14−ヒドロキシ−エブルナメニン−14−カルボン酸メチル)及びその化合物をそれらの血管拡張特性との関連で取り扱う米国特許第3 454 583号明細書(US 3 454 583)に特に該当する。フランス国特許出願第2 433 528号及び第2 381 048号(FR 2 433 528及びFR 2 381 048)は、新規20,21−ジノルエブルナメニン化合物を提示し、欧州特許出願第0 287 468号(EP 0 287 468)は、新規17−アザ−20,21−ジノルエブルナメニン化合物を提示している。欧州特許出願第0 658 557号(EP 0 658 557)は、エブルナン骨格の14及び15位が修飾されたエブルナン化合物を記載している。欧州特許出願第0 563 916号(EP 0 563 916)は、1H−インドール−シクロヘキサンカルボキサミド化合物を記載している。
【0003】
本発明の化合物は、新規であるという事実に加えて、非常に価値ある薬理学的特性を有する。特に、それらは、強力な選択的又は非選択的チロシンヒドロキシラーゼ誘導物質であることが見出された。
【発明の概要】
【0004】
より具体的には、本発明は、式(I):
【0005】
【化1】


[式中、
・Rは、水素原子、あるいは直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルキル基、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アミノアルキル基、又は直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)ヒドロキシアルキル基を表し、
・Rは、水素原子を表すか、又は
とRは、それらと結合する炭素原子と一緒になって、炭素−炭素結合を形成し、
・Rは、水素原子を表し、
・Rは、水素原子、あるいはメチル、又は直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルキル基、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アミノアルキル基、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)ヒドロキシアルキル基、アルキル部分が直鎖もしくは分枝鎖状であるアリール−(C〜C)アルキル基、又はアルキル部分が直鎖もしくは分枝鎖状であるヘテロシクロアルキル−(C〜C)アルキル基であるか、あるいは
とRは、それらと結合する炭素原子と一緒になって、炭素−炭素結合を形成し、
・R、R、R及びRは、同一であるか、又は異なっていてもよく、それぞれ互いに独立して、水素原子をあらわすか、あるいは
ジェミナル置換基の対(RとR、ならびに/又はRとR)は、オキソ、チオキソ又はイミノ基を形成し、
・Rは、水素もしくはハロゲン原子、あるいは場合により置換されている、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルキル基、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)ポリハロアルキル基、又はアミノ基(場合により、一つもしくは二つの直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルキル、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルケニルで置換されていて、これらのアルキル及びアルケニルは同一であるか、又は異なることができる)を表し、
・R10及びR11は、同一であるか、又は異なっていてもよく、それぞれ互いに独立して、水素又はハロゲン原子、あるいは直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルキル基、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)ポリハロアルキル基、又はアミノ基(場合により、一つもしくは二つの直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルキル、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルケニルで置換されていて、これらのアルキル及びアルケニルは同一であるか、又は異なることができる)を表し、
・nは、両端を含む0〜4の整数(0、1、2、3又は4)を表し、
・mは、両端を含む0〜2の整数(0、1又は2)を表し、
・pは、両端を含む0〜3の整数(0、1、2又は3)を表し、
・Xは、基NR12を表し、
・R12は、水素原子、あるいは場合により置換されている直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルキル基、場合により置換されている、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルケニル基、アルキル部分が直鎖もしくは分枝鎖状であるアリール−(C〜C)アルキル基、又は直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)ポリハロアルキル基を表す]
で示される化合物、その鏡像異性体、ジアステレオ異性体、N−オキシド、及び薬学的に許容され得る酸又は塩基とのその付加塩に関するものであって、
ここで:
【0006】
アリールアルキルは、アルキル基が、1〜6個の炭素原子の直鎖又は分枝鎖を表し、アリール基が、場合により置換されているフェニル又はナフチル基を表す、アリール−アルキル基を意味し、
直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルキル、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルケニル又はアリールアルキル基に言及するときの表現「場合により置換されている」は、これらの基が、一つ以上のハロゲン原子、一つ以上の基ヒドロキシ、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルコキシ又はアミノ(場合により、一つもしくは二つの、同一であるか、もしくは異なる、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルキル基で置換されている)で置換されていてもよいことを意味し、
a、b、c及びdは、式(I)の化合物中に存在することがあり得るキラル中心を表すと解される。
【0007】
薬学的に許容され得る酸のうちでは、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、アスコルビン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、ショウノウ酸等を、いかなる限定も意味せずに列挙し得る。
【0008】
薬学的に許容され得る塩基のうちでは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、t−ブチルアミン、リシン等を、いかなる限定も意味せずに列挙し得る。
【0009】
好都合な実施態様は、Xが基NR12(R12は、水素原子を表す)を表す、式(I)の化合物に関するものである。
【0010】
もう一つの好都合な実施態様では、R、R、R及びRが、それぞれ、水素原子を表す、式(I)の化合物に関するものである。
【0011】
本発明のもう一つの特定の実施態様は、RとRが、それらと結合する炭素原子と一緒になって、炭素−炭素結合を形成する、式(I)の化合物に関するものである。
【0012】
は、好都合には、水素又はハロゲン原子を表す。
【0013】
10及びR11は、好都合には、それぞれ水素原子を表す。
【0014】
本発明の好ましい化合物は、ジェミナル置換基の対(RとR、及びRとR)が、それぞれ、オキソ基を形成する、式(I)の化合物である。
【0015】
本発明のもう一つの特定の実施態様は、R及びRが、それぞれ水素原子を表し、ジェミナル置換基の対(RとR)がオキソ基を形成する、式(I)の化合物に関するものである。
【0016】
よりさらに特別には、本発明は、
・(5aRS,12aSR,12bSR,12cSR)−7−クロロ−2,3,4,5,5a,10,11,12a,12b,12c−デカヒドロ−1H,12H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−12−オン、
・(5aRS,12aSR,12bSR,12cSR)−7−クロロ−2,3,5a,12a,12b,12c−ヘキサヒドロ−1H,4H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−10,12(5H,11H)−ジオン、
・(12aRS,12bRS)−7−クロロ−2,3,12a,12b−テトラヒドロ−1H,4H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−10,12(5H,11H)−ジオン、
・(5aRS,12aSR,12bSR,12cSR)−2,3,5a,12a,12b,12c−ヘキサヒドロ−1H,4H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−10,12(5H,11H)−ジオン、
・(5aS,12aR,12bR,12cR)−又は(5aR,12aS,12bS,12cS)−2,3,5a,12a,12b,12c−ヘキサヒドロ−1H,4H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−10,12(5H,11H)−ジオン(鏡像異性体α)、
・(5aR,12aS,12bS,12cS)−又は(5aS,12aR,12bR,12cR)−2,3,5a,12a,12b,12c−ヘキサヒドロ−1H,4H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−10,12(5H,11H)−ジオン(鏡像異性体β)、
・(12aRS,12bRS)−2,3,12a,12b−テトラヒドロ−1H,4H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−10,12(5H,11H)−ジオン
である式(I)の化合物に関するものである。
【0017】
好ましい化合物の鏡像異性体、ジアステレオ異性体及びN−オキシド、ならびに薬学的に許容され得る酸又は塩基とのその付加塩は、本発明の不可欠の部分である。
【0018】
化合物名の前の記号(5aRS,12aSR,12bSR,12cSR)−は、得られた生成物が、ラセミ混合物であり、そのため両方の立体配置が可能であることを意味する。例示すると:
(5aRS,12aSR,12bSR,12cSR)−7−クロロ−2,3,4,5,5a,10,11,12a,12b,12c−デカヒドロ−1H,12H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−12−オンは、得られた生成物、すなわちラセミ混合物が、(5aR,12aS,12bS,12cS)−7−クロロ−2,3,4,5,5a,10,11,12a,12b,12c−デカヒドロ−1H,12H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−12−オン及び(5aS,12aR,12bR,12cR)−7−クロロ−2,3,4,5,5a,10,11,12a,12b,12c−デカヒドロ−1H,12H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−12−オンを含有することを意味する。
【0019】
化合物名の前の記号(5aR,12aS,12bS,12cS)−又は(5aS,12aR,12bR,12cR)−は、得られた生成物が、光学的に純粋な鏡像異性体であることを意味する。例示すると:
(5aS,12aR,12bR,12cR)−又は(5aR,12aS,12bS,12cS)−7−クロロ−2,3,4,5,5a,10,11,12a,12b,12c−デカヒドロ−1H,12H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−12−オンは、得られた生成物、すなわち光学的に純粋な鏡像異性体が、(5aS,12aR,12bR,12cR)−7−クロロ−2,3,4,5,5a,10,11,12a,12b,12c−デカヒドロ−1H,12H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−12−オン又は(5aR,12aS,12bS,12cS)−7−クロロ−2,3,4,5,5a,10,11,12a,12b,12c−デカヒドロ−1H,12H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−12−オンであることを意味する。
【0020】
鏡像異性体α及び鏡像異性体βは、対応するラセミ混合物の光学的に純粋な鏡像異性体を意味する。例示すると:
(5aR,12aS,12bS,12cS)−又は(5aS,12aR,12bR,12cR)−7−クロロ−2,3,4,5,5a,10,11,12a,12b,12c−デカヒドロ−1H,12H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−12−オン(鏡像異性体α)は、鏡像異性体αが(5aR,12aS,12bS,12cS)−7−クロロ−2,3,4,5,5a,10,11,12a,12b,12c−デカヒドロ−1H,12H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−12−オンを表すならば、鏡像異性体βは(5aS,12aR,12bR,12cR)−7−クロロ−2,3,4,5,5a,10,11,12a,12b,12c−デカヒドロ−1H,12H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−12−オンを表すことを意味する。
【0021】
本発明は、式(I)の化合物を製造する方法であって、出発材料として、式(II):
【0022】
【化2】


[式中、R、R10、R11、n、m及びpは、式(I)について定義されたとおりである]
で示される化合物(その合成経路は、R.N, Schut and T.J. LeipzigによりJ. Het. Chem. 3, (1966), 101-102に記載されている)を用い、これを、式(III):
【0023】
【化3】


[式中、R’は、直鎖又は分枝鎖(C〜C)アルキル基を表し、及びHalは、ハロゲン原子を表す]
で示される化合物の作用に付して、式(IV):
【0024】
【化4】


[式中、R’、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、これを、無水媒体中、シアノ水素化ホウ素ナトリウム及び酢酸の存在下で水素化反応に付して、式(Vcis):
【0025】
【化5】


[式中、R’、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示されるcis 鏡像異性体の混合物を得て、これを、0℃で無水溶媒中、アルカリ金属水素化物の存在下でエピマー化反応に付して、式(Vtrans):
【0026】
【化6】


[式中、R’、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示されるtrans 鏡像異性体の混合物を得て、式(Vcis)及び(Vtrans)の化合物の全体が、式(V):
【0027】
【化7】


[式中、R’、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物の全体を形成して、式(V)の化合物を、シアノ水素化ホウ素ナトリウム及びトリフルオロ酢酸の存在下で水素化反応に付して、式(VI):
【0028】
【化8】


[式中、R’、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、これを
・0℃で無水溶媒中、トリメチルアルミニウムの存在下で塩化アンモニウムの作用に付して、式(VII):
【0029】
【化9】


[式中、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、これを、パラホルムアルデヒド及び酢酸の存在下で環化して、式(I)の化合物の特定の場合である、式(I/a):
【0030】
【化10】


[式中、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得るか、又は
・式(VI)の化合物を、無水溶媒中、トリフルオロ酢酸の存在下でシアン化カリウムの作用に付して、式(VIII):
【0031】
【化11】


[式中、R’、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、これを炭酸カリウムの作用に付して、式(I)の化合物の特定の場合である、式(I/b):
【0032】
【化12】


[式中、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、式(I/a)及び(I/b)の化合物が、式(I/c):
【0033】
【化13】


[式中、R’及びR’は、それぞれ水素原子を表すか、又は一緒になってオキソ基を形成し、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物の全体を形成し、これを、アルカリ金属水素化物の存在下で還元して、式(I)の化合物の特定の場合である、式(I/d):
【0034】
【化14】


[式中、R’、R’、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、式(I/c)及び(I/d)の化合物を、式(IX):
【0035】
【化15】


[式中、R’12は、水素を除いてR12について定義されたとおりであり、Halは、ハロゲン原子を表す]
で示される化合物の作用に付して、式(I)の化合物の特定の場合である、式(I/e):
【0036】
【化16】


[式中、R’及びR’は、それぞれ水素原子を表すか、又は一緒になってオキソ基を形成し、R’、R’、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、これを、R’とR’ならびに/又はR’とR’が一緒になってオキソ基を形成するときは、ローソン試薬の作用に付して、式(I)の化合物の特定の場合である、式(I/f)、(I/f)又は(I/f):
【0037】
【化17】


[式中、R’、R’、R’、R’、R、R10、R’12、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、式(I/a)〜(I/f)で示される化合物が式(I)の化合物の全体を形成し、これを、慣用の分離手法に従って精製してもよく、これを、所望であれば、薬学的に許容され得る酸又は塩基とのその付加塩へと転換してもよく、そしてこれを、適切な場合は、慣用の分離手法に従ってそれらの異性体へと分離してもよいことを特徴とする方法にも関するものである。
【0038】
式(II)、(III)及び(IX)の化合物は、商業的に入手可能であるか、又は当業者に周知の有機合成の慣用的反応によって得られるかのいずれかである。
【0039】
式(I)の化合物は、有用な薬理学的特性、特に強力なチロシンヒドロキシラーゼ(TH)誘導物質であるというそれを有する。チロシンヒドロキシラーゼは、特に中枢カテコールアミン作動性及びドーパミン作動性ニューロンにおける神経伝達物質の合成を制御する律速酵素であることが公知である。これらの神経伝達物質の合成速度は、特に、ヒトにおける数多くの行動上の病態、たとえば不安、精神病、抑うつ、ストレス等を構成する緊張性脳機能不全の出現に関係する。
【0040】
したがって、本発明の化合物は、チロシンヒドロキシラーゼを誘導することができるというその能力により、抑うつ;不安;加齢及び/又は神経変性疾患の経過における記憶障害の処置に、ならびにパーキンソン病の緩和処置に、ならびにストレスへの適応のために治療的に用いられる。
【0041】
本発明は、活性成分として、式(I)の化合物、その鏡像異性体、ジアステレオ異性体、N−オキシド、又は薬学的に許容され得る酸もしくは塩基とのその付加塩の少なくとも一つを、単独でか、又は薬学的に許容され得る不活性で非毒性の賦形剤もしくは担体の一つ以上との組合せで含む医薬組成物にも関するものである。
【0042】
こうして得られる医薬組成物は、一般に、投薬形態で存在することになり;たとえば、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、坐剤、又は注射もしくは飲用可能な液剤の形態をなしてもよく、かつ経口、直腸、筋内又は非経口的経路によって投与されてもよい。
【0043】
本発明の医薬組成物のうち、より特別には、経口、非経口(静脈内、筋内又は皮下)、経皮もしくは貫皮、膣内、直腸、経鼻、舌下、頬内、眼内、又は呼吸器投与に適切なものが列挙され得る。
【0044】
非経口注射向けの本発明の医薬組成物は、特に、水性及び非水性の無菌溶液、分散液、懸濁液又は乳濁液はもとより、注射可能な溶液又は分散液の再構成向けの無菌散剤も包含する。
【0045】
固体の経口投与向けの本発明の医薬組成物は、特に、錠剤もしくは糖衣錠、舌下錠、サシェー剤、カプセル剤及び顆粒剤を包含し、液体の経口、経鼻、頬内又は眼内投与向けには、特に、乳濁液、溶液、懸濁液、滴剤、シロップ剤及びエアゾルを包含する。
【0046】
直腸又は膣内投与向けの医薬組成物は、好ましくは、坐剤又はオビュール剤であり、経皮又は貫皮投与向けのものは、特に、散剤、エアゾル、クリーム剤、軟膏、ゲル剤及び貼剤を包含する。
【0047】
上記の医薬組成物は、本発明を例示するものであるが、いかなる方途でもそれを限定するものではない。
【0048】
不活性で非毒性の薬学的に許容され得る賦形剤又は担体のうちでは、例示のために、かついかなる限定も意味せずに、希釈剤、溶剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、結合剤、膨潤剤、崩壊剤、遅延剤、潤滑剤、吸収促進剤、懸濁化剤、着色料、香味料等を列挙し得る。
【0049】
役立つ用量は、患者の年齢及び体重、投与経路、用いられる医薬組成物、障害の性質及び重篤度、ならびに関連する処置の有無にも応じて変化する。用量は、1回又はそれ以上の投与で1日あたり0.1〜100mgの範囲にわたる。
【0050】
下記の実施例は、本発明を例示するが、いかなる方途でもそれを限定しない。
【0051】
用いた出発材料は、公知の製品であるか、又は公知の手順に従って製造した。様々な製造例は、本発明の化合物の製造に有用な合成中間体を生じる。
【0052】
実施例及び製造例に記載された化合物の構造は、通常の分光分析の手法(赤外線、核磁気共鳴、質量分析等)に従って決定した。
【0053】
融点は、TOTTOLI装置を用いて決定した(エマージェントカラムの補正なしに)。化合物が塩の形態をなすときは、融点は、塩形態での化合物のそれに相当する。
【0054】
調製例1: (1SR,7aRS,12aSR,12bSR)−9−クロロ−1,2,3,4,6,7,7a,12,12a,12b−デカヒドロインドロ[2,3−a]キノリジン−1−カルボン酸エチル
工程A:1−[2−(5−クロロ−1H−インドール−3−イル)エチル]ピペリジン−2−オン
2−メトキシエタノール1.4リットル中の5−クロロトリプタミン塩酸塩100gの溶液に、NaCO 60gを加えた。反応混合物を還流温度で窒素下、撹拌した。2−メトキシエタノール200ml中の5−ブロモ吉草酸111.2gの溶液を、5〜6時間かけて滴下し、混合物を24時間加熱還流した。冷ました後、反応混合物をセライトで濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。油状物をCHCl 500ml及び水300mlで抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、次にNaSOで乾燥させ、減圧下で濃縮した。固体を、9/1のアセトン/ペンタンの混合物から再結晶化して、目的生成物107gを得た。
融点:155℃
質量分析(EI、m/z):276.8(M)。
【0055】
工程B: 9−クロロ−2,3,4,6,7,12−ヘキサヒドロ−1H−インドロ[2,3−a]キノリジン−5−イリウムテトラフルオロボラート
トルエン1.2リットル中の上記工程Aの化合物の溶液に、POCl 83mlを加えた。反応混合物を窒素下、90℃で5時間加熱した。混合物を撹拌しながら冷却した後、水3〜4リットルを加え、次に分離させた。HBFの溶液436mlを水相に滴下した。濾過し、水で洗浄し、次にPで乾燥させた後、目的生成物98gを得た。
融点:>280℃
質量分析(EI、m/z):346.5(M)。
【0056】
工程C: 9−クロロ−2,3,4,6,7,12−ヘキサヒドロインドロ[2,3−a]キノリジン
上記工程Bの生成物61gを、メタノール510ml及び脱イオン化水115mlに溶解した。反応混合物を激しく撹拌し、溶解が起こるまで2.5時間加熱還流した。還流を止め、4M NaOH溶液115mlを滴下した。添加が完了した後、反応混合物を0〜5℃に冷却し、4M NaOH溶液35mlを0.5時間激しく撹拌しながら加えた。固体残留物を濾別し、水で洗浄し、減圧下、Pで乾燥させて、目的生成物42gを得た。
融点:114℃
質量分析(EI、m/z):257.78(M)。
【0057】
工程D: (1RS)−9−クロロ−2,3,4,6,7,12−ヘキサヒドロインドロ[2,3−a]キノリジン−1−カルボン酸エチル
蒸留CHCl500ml中の上記工程Cの化合物25gの溶液に、4−(ジメチルアミノ)ピリジン1.75g及びDIEA 25mlをアルゴン雰囲気下、加えた。溶解が起こるまで、バッチを周囲温度で撹拌した。蒸留ジクロロメタン中のClCOEt(97%)の溶液19mlを加えた。周囲温度で12時間撹拌した後、反応混合物を濾過し、不溶性物質をCHCl 120mlですすぎ、濾液を減圧下で濃縮した。シリカゲルのクロマトグラフィー(CHCl)、続いて9/1のアセトン/ペンタンの混合物からの再結晶化により、目的生成物22gを得ることができた。
融点:128〜130℃
質量分析(EI、m/z):330.82(M)。
【0058】
工程E: (1SR,12bRS)−9−クロロ−1,2,3,4,6,7,12,12b−オクタヒドロインドロ[2,3−a]キノリジン−1−カルボン酸エチル(cis ジアステレオ異性体)
酢酸16mlを、蒸留THF 300ml中の上記工程Dの生成物16gの溶液に加えた。NaBHCN 4.4gを0℃で窒素雰囲気下、少量ずつ加えた;次に反応混合物を周囲温度で12時間激しく撹拌した。次に飽和NaCO溶液を0℃で加えた;次に溶媒を減圧下で蒸発させた。CHCl 200ml及び水80mlを残留物に加えた。CHClで抽出した後、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、次に減圧下で濃縮した。2M HCl溶液20mlを、エタノール350ml中の粗反応混合物に加え、反応混合物を5時間加熱還流した。反応混合物を減圧下で濃縮し、固体をCHCl 270mlに溶解した。この有機溶液を水130mlに加えた。飽和NaCO溶液を加えることにより、溶液をアルカリ性(pH=8〜9)にし、CHClで抽出した。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、次に減圧下で濃縮した。9/1のアセトン/ペンタンの混合物からの再結晶化により、目的生成物15gを得ることができた。
融点:184℃
元素分析:
C% H% N%
計算値 64.95 6.36 8.41
実測値 65.01 6.39 8.36
【0059】
工程F: (1SR,12bSR)−9−クロロ−1,2,3,4,6,7,12,12b−オクタヒドロインドロ[2,3−a]−キノリジン−1−カルボン酸エチル(trans ジアステレオ異性体)
NaH 2.5gを、DME 300ml中の上記工程Eの化合物9gの溶液にアルゴン流下、0℃で少量ずつ加えた。周囲温度で12時間撹拌した後、反応混合物を慎重に氷の上に注ぎ、1時間撹拌した。有機溶媒を蒸発させ、水相を0〜5℃に冷却し、その温度でpH=2〜4になるまで4M HCl溶液を加えた。撹拌した後、飽和NaCO溶液をpH=9になるまで加えた。反応混合物をAcOEtで抽出し、有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、次に減圧下で濃縮した。粗反応混合物を最少量のAcOEtから再結晶化し、固体を減圧下で乾燥させて、目的生成物8.3gを得た。
融点:88〜90℃
赤外(νcm−1):3442;2933;1709
【0060】
工程G: (1SR,7aRS,12aSR,12bSR)−9−クロロ−1,2,3,4,6,7,7a,12,12a,12b−デカヒドロインドロ[2,3−a]キノリジン−1−カルボン酸エチル(trans ジアステレオ異性体)
TFA 350mlの溶液に、大量のアルゴン流下、上記工程Fの生成物10.3g及びNaBHCN 15gを交互に少量ずつ0℃で加えた。反応混合物を、各添加の間に周囲温度で10分間撹拌した。8時間後、NaBHCN 3gを再び加え、次に更に12時間周囲温度で撹拌した。水20mlを反応混合物に0℃で滴下し、続けて、溶解が起こるまでCHClを滴下した。周囲温度で撹拌した後、溶媒(TFA、CHCl)を蒸発させた。水相を0℃に冷却し、4M NaOH溶液を加えた。EtOで抽出した後、有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、次に減圧下で濃縮した。EtOからの再結晶化により、続けてシリカゲルのクロマトグラフィー(CHCl/MeOH:100/5)により目的生成物8gを得ることができた。
融点:126〜129℃
質量分析(EI、m/z):335.2[M+H]
赤外(νcm−1):3374;2948;1726
【0061】
実施例1: (5aRS,12aSR,12bSR,12cSR)−7−クロロ−2,3,4,5,5a,10,11,12a,12b,12c−デカヒドロ−1H,12H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−12−オン
工程A: (1SR,7aRS,12aSR,12bSR)−9−クロロ−1,2,3,4,6,7,7a,12,12a,12b−デカヒドロ−インドロ[2,3−a]キノリジン−1−カルボキサミド
無水トルエン55ml中の塩化アンモニウム2.77gの予め0℃に冷却した懸濁液に、AlMe(2M 溶液)の溶液26mlを加えた。温度がゆっくりと周囲温度に戻るにまかせながら、反応混合物を窒素下1時間30分撹拌した。次に無水トルエン20ml中の調製例1の化合物2.89gの溶液を加えた。反応混合物を周囲温度で24時間撹拌した。0℃に冷却した後、1M HCl溶液100ml(始めはゆっくりと添加)を、続いて水250mlを加えた。混合物をジエチルエーテル(3×100ml)で抽出した。飽和NaCO溶液を使用して、水相をpHが10になるまでアルカリ性にし、ジクロロメタン(3×100ml)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。アミドをジエチルエーテル(100ml)で洗浄することにより精製して、目的生成物2.37gを得た。
融点:270℃
元素分析:
C% H% %N
計算値 62.84 6.59 13.74
実測値 62.59 6.66 13.71
【0062】
工程B: (5aRS,12aSR,12bSR,12cSR)−7−クロロ−2,3,4,5,5a,10,11,12a,12b,12c−デカヒドロ−1H,12H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−12−オン
メタノール30ml中の上記工程Aの化合物358mgの溶液に、酢酸536μL及びパラホルムアルデヒド6.5gを加えた。混合物を窒素下、48時間加熱還流した。減圧下で蒸発させることにより溶媒を除去した後、HCl溶液(1M、10ml)を残留物に加え、水相をジクロロメタン(3×20ml)で抽出した。NaCOを使用して水相をpH9にアルカリ性にし、ジクロロメタン(3×20ml)で抽出した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、固体残留物406mgを得て、それをジクロロメタン(30ml)及びNaOH溶液(1M、10ml)に取った。混合物を周囲温度で6時間撹拌した。慣用の処理の後、エタノール35mlからの再結晶化により、目的生成物324mgを得た。
融点:>250℃
質量分析(EI、m/z):317及び319。
元素分析:
C% H% N%
計算値 64.25 6.34 13.22
実測値 64.01 6.42 13.13
【0063】
実施例2: (5aRS,12aSR,12bSR,12cSR)−7−クロロ−2,3,5a,12a,12b,12c−ヘキサヒドロ−1H,4H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−10,12(5H,11H)−ジオン
工程A: (1SR,7aRS,12aSR,12bSR)−12−(アミノカルボニル)−9−クロロ−1,2,3,4,6,7,7a,12,12a,−12b−デカヒドロインドロ[2,3−a]キノリジン−1−カルボン酸エチル
無水THF 6ml中の調製例1の化合物385mgの溶液を、無水THF 12ml中のKOCN2.33g及びトリフルオロ酢酸4.43mlの溶液に、シリンジを使用して一度に加えた。反応混合物を周囲温度で窒素下、2時間撹拌した。減圧下で溶媒を除去した後、ジクロロメタン(30ml)を残留物に加えた。有機相をHCl溶液(1M、6×10ml)で抽出した。NaCO使用して水相をpH9に調整し、ジクロロメタン(3×20ml)で抽出した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、目的生成物500mgを得た。生成物を次の工程で直ちに使用した。
【0064】
工程B: (5aRS,12aSR,12bSR,12cSR)−7−クロロ−2,3,5a,12a,12b,12c−ヘキサヒドロ−1H,4H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−10,12(5H,11H)−ジオン
エタノール25ml中の上記工程Aの生成物500mgの溶液を、KCO 6.36mgで処理した。反応混合物を1時間加熱還流した。減圧下で溶媒を除去した後、水(50ml)を加え、ジクロロメタン(3×20ml)での抽出を実行した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。エタノール(50ml)からの結晶化により目的生成物220mgを得ることができた。
融点:243℃
質量分析(EI、m/z):331。
元素分析:
C% H% N%
計算値 61.54 5.47 12.66
実測値 61.39 5.54 12.58
【0065】
実施例3: (12aRS,12bRS)−7−クロロ−2,3,12a,12b−テトラヒドロ−1H,4H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−10,12(5H,11H)−ジオン
DMF 5ml中の実施例2の化合物201mgの溶液に、MnO 526mgを加えた。反応混合物を周囲温度で52時間撹拌し、次にセライトで濾過した。減圧下で蒸発させることにより溶媒を除去し、最少量のエタノールからの結晶化により目的生成物80mgを得ることができた。
融点:214℃
質量分析(EI、m/z):329。
元素分析:
C% H% N%
計算値 61.91 4.89 12.74
実測値 61.59 4.81 12.71
【0066】
実施例4: (5aRS,12aSR,12bSR,12cSR)−2,3,5a,12a,12b,12c−ヘキサヒドロ−1H,4H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−10,12(5H,11H)−ジオン
すでにトリエチルアミン140μLを加えてあった無水THF 10ml中の実施例2の化合物109mgの溶液に、スパーテルの先の量の10%パラジウム担持炭を加えた。反応器を数回の真空/窒素循環によりパージし、次に反応混合物を水素雰囲気下に置き、24時間周囲温度で撹拌した。混合物をセライトで濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させることにより除去した。HCl溶液(1M、30ml)を残留物に加えた;次に混合物をジクロロメタン(3×20ml)で抽出した。NaCOを使用して水相をpH9にし、ジクロロメタン(3×20ml)で抽出した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。最少量のエタノールからの結晶化により目的生成物65mgを得ることができた。
融点:255℃
質量分析(EI、m/z):298。
元素分析:
C% H% N%
計算値 68.67 6.44 14.13
実測値 68.56 6.53 14.10
【0067】
実施例5: (5aS,12aR,12bR,12cR)−又は(5aR,12aS,12bS,12cS)−2,3,5a,12a,12b,12c−ヘキサヒドロ−1H,4H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−10,12(5H,11H)−ジオン(鏡像異性体α)
(−)−ジ−O,O’−p−トルイル−L−酒石酸の溶液又は(+)−ジ−O,O’−p−トルイル−D−酒石酸の溶液のいずれかを、実施例4の化合物のメタノール溶液に加えることにより調製したジアステレオ異性体塩の分別結晶化により、実施例4の化合物を分割した。ジアステレオ異性体塩の分離後、慣用の処理により塩基を単離した。
融点:250℃
旋光度α=+95°(CHCl中、c=1)。
元素分析:
C% H% N%
計算値 68.15 6.48 14.03
実測値 68.12 6.62 14.01
【0068】
実施例6: (5aS,12aR,12bR,12cR)−又は(5aR,12aS,12bS,12cS)−2,3,5a,12a,12b,12c−ヘキサヒドロ−1H,4H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−10,12(5H,11H)−ジオン(鏡像異性体β)
(−)−ジ−O,O’−p−トルイル−L−酒石酸の溶液又は(+)-ジ−O,O’−p−トルイル−D−酒石酸の溶液のいずれかを、実施例4の化合物のメタノール溶液に加えることにより調製したジアステレオ異性体塩の分別結晶化により、実施例4の化合物を分割した。ジアステレオ異性体塩の分離後、慣用の処理により塩基を単離した。
融点:250℃
旋光度α=−95°(CHCl中、c=1)。
元素分析:
C% H% N%
計算値 68.15 6.48 14.03
実測値 68.12 6.57 13.98
【0069】
実施例7: (12aRS,12bRS)−2,3,12a,12b−テトラヒドロ−1H,4H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−10,12(5H,11H)−ジオン
DMF 10ml中の実施例4の化合物1.047gの溶液に、MnO 4.3gを加えた。混合物を周囲温度で24時間撹拌し、次にセライトで濾過した。溶媒を減圧下で蒸発させた後、残留物を飽和NaCO溶液(50ml)に取り、次に水(300ml)を加えた。次に水相をジクロロメタン(3×50ml)で抽出した。有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。シリカカラムのクロマトグラフィー(AcOEt/シクロヘキサン:25/75)、続いてエタノール(75ml)からの再結晶化により目的生成物154mgを得ることができた。
融点:235℃
質量分析(EI、m/z):295。
元素分析:
C% H% N%
計算値 69.14 5.80 14.23
実測値 69.09 5.77 14.21
【0070】
本発明の化合物の薬理学的研究
実施例A:チロシンヒドロキシラーゼの誘導
化合物のうち、Balb/C系マウスの脳の青斑核(LC)内でのチロシンヒドロキシラーゼ(TH)タンパク質の増加の惹起能について検討を行った。用いた動物は、純粋なBalb/C系の雄マウス(Charles River Laboratories)であって、処置の時点で7〜8週齢であった。
【0071】
試験下の化合物を、化合物が充分に可溶性ならば0.04MのHCl溶液に溶解するか(対応する対照:0.004M HCl)、又は水性媒体に不溶性である化合物については、オリーブ油90%/DMSO 10%に溶解して(対応する対照:オリーブ油90%/DMSO10%)、マウスに腹腔内経路で1回注射した。
【0072】
各化合物の注射の3日後、すべての動物を、断頭によって殺処分した。次いで、取り出した脳を、液体窒素中で凍結し、−80℃で保管した。
【0073】
厚さ8ミクロンの冠状切片を、LCの前後方向の軸沿いに取り出し、固定した。これらの切片を、Immobilon-P膜上に移した。免疫検出法及び画像解析によって、THを測定した。
【0074】
結果
LCにおけるTH誘導の結果を下記の表Iに示す。
【0075】
表I
腹腔内投与(20mg/kg)後の様々なLC切片(前後方向に1〜8の番号を付与)中のTHの量の測定
結果を対照群の平均値に対する%で表す。
【表1】


同じ担体で処置した動物
【0076】
実施例B:レセプターに対する親和性
動物に由来するか、又はヒトの組換え体であり得る、特異的なリガンド及びレセプターを関係付ける慣用の方法に従って、レセプターに対する親和性を決定した。親和性は、標識化された特異的リガンドを試験下の化合物と置き換える方法によって決定し、解離定数Kiによって表した。このようにして、レセプター親和性を、慣用の28種類のレセプターについて調べた。研究によって、観察されたTH誘導は、向精神性化合物によって通常は影響されるレセプター、たとえばアドレナリン作動性αレセプター(α型)、5HTレセプター(5HT2A型)又はドーパミン作動性レセプター(D及びD型)に対する親和性経由では進行しないことが示された。いくつかの化合物は、シグマ(σ)レセプター(リガンド:ハロペリドール)又はムスカリン(M)レセプターに対する有意な親和性を示した。
【0077】
【表2】

【0078】
実施例C:予想代謝安定性
マウス、ラット又はヒトの肝ミクロソーム(タンパク質0.33mg/ml)の存在下、10−7Mの濃度での化合物のインキュベーションによって、予想代謝安定性を試験した。NADPH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸、還元形)を加えて0、5、15、30及び60分後に、サンプルを採取した。酵素反応は、メタノール(V/V)を用いて停止した。遠心分離によってタンパク質を沈殿させ、上清をLC−MS−MSによって分析した。化合物の優れた代謝安定性により、経口による処置を予想することができた。
【0079】
【表3】

【0080】
実施例E:医薬組成物
それぞれの活性成分10mgを含有する1,000錠の製造のための処方
実施例7の化合物 10g
ヒドロキシプロピルセルロース 2g
コムギデンプン 10g
乳糖 100g
ステアリン酸マグネシウム 3g
タルク 3g

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化18】


[式中、
・Rは、水素原子、あるいは直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルキル基、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アミノアルキル基、又は直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)ヒドロキシアルキル基を表し、
・Rは、水素原子を表すか、又は
とRは、それらと結合する炭素原子と一緒になって、炭素−炭素結合を形成し、
・Rは、水素原子を表し、
・Rは、水素原子、あるいはメチル、又は直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルキル基、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アミノアルキル基、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)ヒドロキシアルキル基、アルキル部分が直鎖もしくは分枝鎖状であるアリール−(C〜C)アルキル基、又はアルキル部分が直鎖もしくは分枝鎖状であるヘテロシクロアルキル−(C〜C)アルキル基であるか、あるいは
とRは、それらと結合する炭素原子と一緒になって、炭素−炭素結合を形成し、
・R、R、R及びRは、同一であるか、又は異なっていてもよく、それぞれ互いに独立して、水素原子をあらわすか、あるいは
ジェミナル置換基の対(RとR、ならびに/又はRとR)は、オキソ、チオキソ又はイミノ基を形成し、
・Rは、水素もしくはハロゲン原子、あるいは場合により置換されている、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルキル基、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)ポリハロアルキル基、又はアミノ基(場合により、一つもしくは二つの直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルキル、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルケニルで置換されていて、これらのアルキル及びアルケニルは同一であるか、又は異なることができる)を表し、
・R10及びR11は、同一であるか、又は異なっていてもよく、それぞれ互いに独立して、水素又はハロゲン原子、あるいは直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルキル基、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)ポリハロアルキル基、又はアミノ基(場合により、一つもしくは二つの直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルキル、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルケニルで置換されていて、これらのアルキル及びアルケニルは同一であるか、又は異なることができる)を表し、
・nは、両端を含む0〜4の整数(0、1、2、3又は4)を表し、
・mは、両端を含む0〜2の整数(0、1又は2)を表し、
・pは、両端を含む0〜3の整数(0、1、2又は3)を表し、
・Xは、基NR12を表し、
・R12は、水素原子、あるいは場合により置換されている直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルキル基、場合により置換されている、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルケニル基、アルキル部分が直鎖もしくは分枝鎖状であるアリール−(C〜C)アルキル基、又は直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)ポリハロアルキル基を表す]
で示される化合物、その鏡像異性体、ジアステレオ異性体、N−オキシド、及び薬学的に許容され得る酸又は塩基とのその付加塩[ここで:
アリールアルキルは、アルキル基が、1〜6個の炭素原子の直鎖又は分枝鎖を表し、アリール基が、場合により置換されているフェニル又はナフチル基を表す、アリール−アルキル基を意味し、
直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルキル、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルケニル又はアリールアルキル基に言及するときの表現「場合により置換されている」は、これらの基が、一つ以上のハロゲン原子、一つ以上の基ヒドロキシ、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルコキシ又はアミノ(場合により、一つもしくは二つの、同一であるか、もしくは異なる、直鎖もしくは分枝鎖(C〜C)アルキル基で置換されている)で置換されていてもよいことを意味し、
a、b、c及びdは、式(I)の化合物中に存在することがあり得るキラル中心を表すと解される]。
【請求項2】
Xが基NR12(R12は、水素原子を表す)を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体及びジアステレオ異性体、ならびに薬学的に許容され得る酸又は塩基とのその付加塩。
【請求項3】
、R、R及びRが、それぞれ、水素原子を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体及びジアステレオ異性体、ならびに薬学的に許容され得る酸又は塩基とのその付加塩。
【請求項4】
とRが、それらと結合する炭素原子と一緒になって、炭素−炭素結合を形成する、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体及びジアステレオ異性体、ならびに薬学的に許容され得る酸又は塩基とのその付加塩。
【請求項5】
が、水素又はハロゲン原子を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体及びジアステレオ異性体、ならびに薬学的に許容され得る酸又は塩基とのその付加塩。
【請求項6】
10及びR11が、それぞれ水素原子を表す、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体及びジアステレオ異性体、ならびに薬学的に許容され得る酸又は塩基とのその付加塩。
【請求項7】
ジェミナル置換基の対(RとR、及びRとR)が、それぞれオキソ基を形成する、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体及びジアステレオ異性体、ならびに薬学的に許容され得る酸又は塩基とのその付加塩。
【請求項8】
及びRが、それぞれ水素原子を表し、二つのジェミナル置換基(RとR)がオキソ基を形成する、請求項1記載の式(I)の化合物、その鏡像異性体及びジアステレオ異性体、ならびに薬学的に許容され得る酸又は塩基とのその付加塩。
【請求項9】
・(5aRS,12aSR,12bSR,12cSR)−7−クロロ−2,3,4,5,5a,10,11,12a,12b,12c−デカヒドロ−1H,12H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−12−オン、
・(5aRS,12aSR,12bSR,12cSR)−7−クロロ−2,3,5a,12a,12b,12c−ヘキサヒドロ−1H,4H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−10,12(5H,11H)−ジオン、
・(12aRS,12bRS)−7−クロロ−2,3,12a,12b−テトラヒドロ−1H,4H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−10,12(5H,11H)−ジオン、
・(5aRS,12aSR,12bSR,12cSR)−2,3,5a,12a,12b,12c−ヘキサヒドロ−1H,4H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−10,12(5H,11H)−ジオン、
・(5aS,12aR,12bR,12cR)−又は(5aR,12aS,12bS,12cS)−2,3,5a,12a,12b,12c−ヘキサヒドロ−1H,4H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−10,12(5H,11H)−ジオン(鏡像異性体α)、
・(5aR,12aS,12bS,12cS)−又は(5aS,12aR,12bR,12cR)−2,3,5a,12a,12b,12c−ヘキサヒドロ−1H,4H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−10,12(5H,11H)−ジオン(鏡像異性体β)、
・(12aRS,12bRS)−2,3,12a,12b−テトラヒドロ−1H,4H−3a,9b,11−トリアザベンゾ[a]ナフト[2,1,8−cde]アズレン−10,12(5H,11H)−ジオン
である式(I)の化合物、その鏡像異性体及びジアステレオ異性体、ならびに薬学的に許容され得る酸又は塩基とのその付加塩。
【請求項10】
式(I)の化合物を製造する方法であって、出発材料として、式(II):
【化19】


[式中、R、R10、R11、n、m及びpは、式(I)について定義されたとおりである]
で示される化合物を用い、これを、式(III):
【化20】


[式中、R’は、直鎖又は分枝鎖(C〜C)アルキル基を表し、Halは、ハロゲン原子を表す]
で示される化合物の作用に付して、式(IV):
【化21】


[式中、R’、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、これを、無水媒体中、シアノ水素化ホウ素ナトリウム及び酢酸の存在下で水素化反応に付して、式(Vcis):
【化22】


[式中、R’、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示されるcis鏡像異性体の混合物を得て、これを、0℃の無水溶媒中、アルカリ金属水素化物の存在下でエピマー化反応に付して、式(Vtrans):
【化23】


[式中、R’、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示されるtrans鏡像異性体の混合物を得て、式(Vcis)及び(Vtrans)の化合物の全体が、式(V):
【化24】


[式中、R’、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物の全体を形成して、式(V)の化合物を、シアノ水素化ホウ素ナトリウム及びトリフルオロ酢酸の存在下で水素化反応に付して、式(VI):
【化25】


[式中、R’、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、これを
・0℃の無水溶媒中、トリメチルアルミニウムの存在下で塩化アンモニウムの作用に付して、式(VII):
【化26】


[式中、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、これを、パラホルムアルデヒド及び酢酸の存在下で環化して、式(I)の化合物の特定の場合である式(I/a):
【化27】


[式中、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得るか、又は
・式(VI)の化合物を、無水溶媒中、トリフルオロ酢酸の存在下でシアン化カリウムの作用に付して、式(VIII):
【化28】


[式中、R’、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、これを炭酸カリウムの作用に付して、式(I)の化合物の特定の場合である式(I/b):
【化29】


[式中、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、式(I/a)及び(I/b)の化合物が式(I/c):
【化30】


[式中、R’とR’は、それぞれ水素原子を表すか、又は一緒になってオキソ基を形成し、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物の全体を形成し、これを、アルカリ金属水素化物の存在下で還元して、式(I)の化合物の特定の場合である式(I/d):
【化31】


[式中、R’、R’、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、式(I/c)及び(I/d)の化合物を、式(IX):
【化32】


[式中、R’12は、水素を除いてR12について定義されたとおりであり、Halは、ハロゲン原子を表す]
で示される化合物の作用に付して、式(I)の化合物の特定の場合である式(I/e):
【化33】


[式中、R’とR’は、それぞれ水素原子を表すか、又は一緒になってオキソ基を形成し、R’、R’、R、R10、R11、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、これを、R’とR’ならびに/又はR’とR’が一緒になってオキソ基を形成するときは、ローソン試薬の作用に付して、式(I)の化合物の特定の場合である式(I/f)、(I/f)又は(I/f):
【化34】


[式中、R’、R’、R’、R’、R、R10、R’12、n、m及びpは、上記に定義されたとおりである]
で示される化合物を得て、式(I/a)〜(I/f)の化合物が式(I)の化合物の全体を形成し、これを、慣用の分離手法に従って精製してもよく、これを、望みであれば、薬学的に許容され得る酸又は塩基とのその付加塩へと転換してもよく、そしてこれを、適切な場合は、慣用の分離手法に従ってその異性体へと分離してもよいことを特徴とする方法。
【請求項11】
活性成分として、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物の少なくとも一つを、不活性で非毒性の薬学的に許容され得る賦形剤又は担体の一つ以上と組合せて含む医薬組成物。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の活性成分、すなわちチロシンヒドロキシラーゼ誘導物質の少なくとも一つを含み、抑うつ;不安;加齢及び/又は神経変性疾患の経過における記憶障害の処置に、ならびにパーキンソン病の緩和処置に、ならびにストレスへの適応のために用いるための請求項11記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2010−514825(P2010−514825A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544432(P2009−544432)
【出願日】平成20年1月4日(2008.1.4)
【国際出願番号】PCT/FR2008/000012
【国際公開番号】WO2008/099081
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(500287019)レ ラボラトワール セルヴィエ (166)
【出願人】(595040744)サントル・ナショナル・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・シャンティフィク (88)
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE
【出願人】(506346026)ユニベルシテ パリ−スュッド (5)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE PARIS−SUD
【Fターム(参考)】