説明

方位線及び距離線の表示装置、この表示装置を備えるレーダ装置及び方位線及び距離線の表示方法

【課題】レーダ装置等に用いられる表示装置において、方位線又は距離線を表示する機能をOFFした場合でも、目標の方位及び距離の両方をオペレータが把握できる構成を提供する。
【解決手段】表示装置は、ダイヤル部と、表示制御部と、を備える。ダイヤル部は、EBL71の向きを設定するとともに、EBL71を表示するEBL表示機能のON/OFFを切り替えるためのものである。また、ダイヤル部は、VRMの位置を設定するとともに、VRMを表示するVRM表示機能のON/OFFを切り替えるためのものでもある。表示制御部は、EBL表示機能がONでVRM表示機能がOFFの場合は、VRMの位置に基づいて距離マーク81をEBL71とともに表示する。また、表示制御部は、EBL表示機能がOFFでVRM表示機能がONの場合は、EBLの向きに基づいて方位マークをVRMとともに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、方位を示す方位線と、基準位置からの特定の距離を示す距離線と、を表示する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、レーダ装置等の表示装置において、画面にEBL(Electronic Bearing Line)とVRM(Variable Range Marker)とを表示する機能を有するものが知られている。EBLは、画面上で物標の方位を測定するために用いられる方位線であり、VRMは、画面上で物標までの距離を測定するために用いられる可変距離環である。この種の表示装置を開示するものとして特許文献1がある。特許文献1では、レーダ用電子方位線の表示装置において、互いに平行な複数のEBLとVRMを画面に表示する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭60−122380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、EBL表示機能及びVRM表示機能の何れかの機能のみをONする又は何れかの機能のみをOFFするような場合がある。例えば、複数の物標とEBLが重なって画面が見にくくなった場合等に、VRM表示機能をONした状態でEBL表示機能をOFFすることがある。しかし、このような場合においても、注目する物標の方位を把握したいことがある。この点、特許文献1のような構成では、EBLを表示する機能をOFFすると、物標の方位を測定できなくなってしまう。また、EBL表示機能をONした状態でVRM表示機能をOFFした場合にも、VRMが表示されないために物標の距離が測定できなくなる同様の問題があった。
【0005】
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、レーダ装置等に用いられる表示装置において、方位線又は距離線を表示する機能をOFFした場合でも、物標の方位及び距離の両方をオペレータが把握できる構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0007】
本発明の第1の観点によれば、方位線及び距離線の表示装置は、方位設定部と、方位線表示切替部と、距離設定部と、距離線表示切替部と、表示制御部と、を備える。前記方位設定部は、方位線の向きを設定する。前記方位線表示切替部は、前記方位線を表示する方位線表示機能のON/OFFを切り替える。前記距離設定部は、基準位置からの特定の距離を示す距離線の位置を設定する。前記距離線表示切替部は、前記距離線を表示する距離線表示機能のON/OFFを切り替える。前記表示制御部は、前記方位線表示機能がONで前記距離線表示機能がOFFの場合は、前記距離設定部で設定した前記距離線の位置に基づいて距離マークを前記方位線とともに表示する。また、前記表示制御部は、前記方位線表示機能がOFFで前記距離線表示機能がONの場合は、前記方位設定部で設定した前記方位線の向きに基づいて方位マークを前記距離線とともに表示する。
【0008】
これにより、距離線表示機能がOFFされている場合でも、視覚的に表示される距離マークによって目標の距離を方位とともに把握することができる。同様に、方位線表示機能がOFFされている場合でも、視覚的に表示される方位マークによって目標の方位を距離とともに把握することができる。
【0009】
本発明の第2の観点によれば、以下のように構成される方位線及び距離線の表示装置が提供される。即ち、方位線及び距離線の表示装置は、方位設定部と、方位線表示切替部と、距離設定部と、距離線表示切替部と、表示制御部と、を備える。前記方位設定部は、方位線の向きを設定する。前記方位線表示切替部は、前記方位線を表示する方位線表示機能のON/OFFを切り替える。前記距離設定部は、基準位置からの特定の距離を示す距離線の位置を設定する。前記距離線表示切替部は、前記距離線を表示する距離線表示機能のON/OFFを切り替える。前記表示制御部は、前記方位線表示機能がONで前記距離線表示機能がOFFの場合は、前記距離設定部で設定した前記距離線の位置に基づいて距離マークを前記方位線とともに表示する。
【0010】
これにより、距離線表示機能がOFFされている場合でも、視覚的に表示される距離マークによって目標の距離を方位とともに把握することができる。
【0011】
前記の方位線及び距離線の表示装置においては、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記表示制御部は、前記方位線の向きが更新された場合は、更新された方位線の向きに基づいて距離マークの表示位置を変更する処理を行う。
【0012】
これにより、距離マークの表示位置が、方位線の向きの変更に対応して自動的に変更されるようになる。これによって、オペレータは、方位と距離を測定したい目標に対して方位線及び距離マークを合わせる一連の操作を容易に行うことができる。
【0013】
本発明の第3の観点によれば、以下のように構成される方位線及び距離線の表示装置が提供される。即ち、方位線及び距離線の表示装置は、方位設定部と、方位線表示切替部と、距離設定部と、距離線表示切替部と、表示制御部と、を備える。前記方位設定部は、方位線の向きを設定する。前記方位線表示切替部は、前記方位線を表示する方位線表示機能のON/OFFを切り替える。前記距離設定部は、基準位置からの特定の距離を示す距離線の位置を設定する。前記距離線表示切替部は、前記距離線を表示する距離線表示機能のON/OFFを切り替える。前記表示制御部は、前記方位線表示機能がOFFで前記距離線表示機能がONの場合は、前記方位設定部で設定した前記方位線の向きに基づいて方位マークを前記距離線とともに表示する。
【0014】
これにより、方位線表示機能がOFFされている場合でも、視覚的に表示される方位マークによって目標の方位を距離とともに把握することができる。
【0015】
前記の方位線及び距離線の表示装置においては、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記表示制御部は、前記距離線の位置が更新された場合は、更新された距離線の位置に基づいて方位マークの表示位置を変更する処理を行う。
【0016】
これにより、方位マークの表示位置が、距離線の位置の変更に対応して自動的に変更されるようになる。これによって、オペレータは、方位と距離を測定したい目標に対して距離線及び方位マークを合わせる一連の操作を容易に行うことができる。
【0017】
前記の方位線及び距離線の表示装置においては、以下のように構成されることが好ましい。即ち、前記表示制御部は、前記方位線表示機能がOFFで前記距離線表示機能がOFFの場合は、前記距離設定部で設定した前記距離線の位置に基づいて距離マークを表示するとともに、前記方位設定部で設定した前記方位線の向きに基づいて方位マークを表示する。
【0018】
これにより、方位線表示機能及び距離線表示機能の両方がOFFの場合でも、距離マーク及び方位マークによって、目標までの距離と方位を視覚的に把握することができる。
【0019】
前記の方位線及び距離線の表示装置においては、以下のように構成されることが好ましい。前記表示制御部は、前記方位線表示機能及び前記距離線表示機能の少なくとも何れかがONされている場合は、方位線の向き及び距離線の位置の両方を数値で表示する処理を行う。
【0020】
これにより、オペレータは、方位線が示す方位及び距離線が示す距離を数値で正確に把握することができる。これによって、目標に方位マーク又は距離マークを合わせることで、前記目標の方位及び距離を数値で測定することができる。また、方位線の向き及び距離線の位置の両方を数値で常に表示させるので、表示制御部が、方位情報のみを数値で表示させる又は距離情報のみを数値で表示させる等の場合分けを行う必要がない。従って、数値を表示するために行う処理を簡素化できる。
【0021】
本発明の第4の観点によれば、以下のように構成される方位線及び距離線の表示装置が提供される。即ち、方位線及び距離線の表示装置は、方位設定部と、方位線表示切替部と、固定距離環表示切替部と、表示制御部と、を備える。前記方位設定部は、方位線の向きを設定する。前記方位線表示切替部は、前記方位線を表示する方位線表示機能のON/OFFを切り替える。前記固定距離環表示切替部は、予め設定されている固定距離情報に基づいて基準位置からの一定距離を示す固定距離環を表示する固定距離環表示機能のON/OFFを切り替える。前記表示制御部は、前記方位線表示機能がOFFで前記固定距離環表示機能がONの場合は、前記方位線の向きに基づいて固定距離環方位マークを前記固定距離環とともに表示する。また、前記表示制御部は、前記方位線表示機能がONで前記固定距離環表示機能がOFFの場合は、前記固定距離情報に基づいて固定距離マークを前記方位線とともに表示する。
【0022】
これにより、方位線表示機能がOFFされている場合でも、固定距離環表示機能がONされている場合は、目標のおおよその距離とともに、固定距離環方位マークを利用して方位を把握することができる。また、固定距離環表示機能がOFFされている場合でも、方位線表示機能がONされている場合は、方位とともに、固定距離マークを指標として目標のおおよその距離を把握できる。
【0023】
本発明の第5の観点によれば、以下のように構成される方位線及び距離線の表示装置が提供される。即ち、方位線及び距離線の表示装置は、方位設定部と、方位線表示切替部と、固定距離環表示切替部と、表示制御部と、を備える。前記方位設定部は、方位線の向きを設定する。前記方位線表示切替部は、前記方位線を表示する方位線表示機能のON/OFFを切り替える。前記固定距離環表示切替部は、予め設定されている固定距離情報に基づいて基準位置からの一定距離を示す固定距離環を表示する固定距離環表示機能のON/OFFを切り替える。前記表示制御部は、前記方位線表示機能がOFFで前記固定距離環表示機能がONの場合は、前記方位線の向きに基づいて固定距離環方位マークを前記固定距離環とともに表示する。
【0024】
これにより、方位線表示機能がOFFされている場合でも、固定距離環表示機能がONされている場合は、目標のおおよその距離とともに、固定距離環方位マークを利用して方位を把握することができる。
【0025】
本発明の第6の観点によれば、以下のように構成される方位線及び距離線の表示装置が提供される。即ち、方位線及び距離線の表示装置は、方位設定部と、方位線表示切替部と、固定距離環表示切替部と、表示制御部と、を備える。前記方位設定部は、方位線の向きを設定する。前記方位線表示切替部は、前記方位線を表示する方位線表示機能のON/OFFを切り替える。前記固定距離環表示切替部は、予め設定されている固定距離情報に基づいて基準位置からの一定距離を示す固定距離環を表示する固定距離環表示機能のON/OFFを切り替える。前記表示制御部は、前記方位線表示機能がONで前記固定距離環表示機能がOFFの場合は、前記固定距離情報に基づいて固定距離マークを前記方位線とともに表示する。
【0026】
これにより、固定距離環表示機能がOFFされている場合でも、方位線表示機能がONされている場合は、方位とともに、固定距離マークを指標として目標のおおよその距離を把握できる。
【0027】
本発明の第7の観点によれば、前記の表示装置を備えるレーダ装置が提供される。
【0028】
本発明の第8の観点によれば、以下のようなステップを含む方位線及び距離線の表示方法が提供される。即ち、方位線及び距離線の表示方法は、方位設定ステップと、距離設定ステップと、表示ステップと、を含む。前記方位設定ステップでは、方位線の向きが設定される。前記距離設定ステップでは、基準位置からの特定の距離を示す距離線の位置が設定される。前記表示ステップでは、以下に示す何れかの表示が行われる。即ち、前記方位設定ステップで設定された向きに基づいて方位線を表示するとともに、距離設定ステップで設定された位置に基づいて距離線を表示する。又は、前記方位設定ステップで設定された向きに基づいて方位線を表示するとともに、距離設定ステップで設定された位置に基づいて距離マークを表示する。
【0029】
これにより、距離線が表示されていない場合でも、視覚的に表示される距離マークによって目標の距離とともに方位を把握することができる。
【0030】
本発明の第9の観点によれば、以下のようなステップを含む方位線及び距離線の表示方法が提供される。即ち、方位線及び距離線の表示方法は、方位設定ステップと、前記距離設定ステップと、表示ステップと、を含む。前記方位設定ステップでは、方位線の向きが設定される。前記距離設定ステップでは、基準位置からの特定の距離を示す距離線の位置が設定される。前記表示ステップでは、以下に示す何れかの表示が行われる。即ち、前記方位設定ステップで設定された向きに基づいて方位線を表示するとともに、距離設定ステップで設定された位置に基づいて距離線を表示する。又は、距離設定ステップで設定された位置に基づいて距離線を表示するとともに、前記方位設定ステップで設定された向きに基づいて方位マークを表示する。
【0031】
これにより、方位線が表示されていない場合でも、視覚的に表示される方位マークによって目標の方位とともに距離を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態に係るレーダ装置の構成を示すブロック図。
【図2】EBL及びVRMが表示されているレーダ画像を示した模式図。
【図3】EBLとともに距離マークが表示されているレーダ画像を示した模式図。
【図4】VRMとともに方位マークが表示されているレーダ画像を示した模式図。
【図5】固定距離環とともに固定距離環方位マークが表示されているレーダ画像を示した模式図。
【図6】EBLとともに固定距離マークが表示されているレーダ画像を示した模式図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
次に発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るレーダ装置10の構成を示すブロック図である。本実施形態のレーダ装置10は、舶用機器として船舶で用いられるものである。
【0034】
図1に示すように、本実施形態のレーダ装置10は、レーダアンテナ11と、送受信部12と、表示装置20と、を備える。
【0035】
レーダアンテナ11は、パルス状の電波である探知信号を放射するとともに、この放射した電波の反射波であるエコー信号を受信する。このレーダアンテナ11は、所定の周期で水平面内を回転しており、この回転周期より小さい周期で前記探知信号が方位を異ならせながら繰り返し出力されている。
【0036】
送受信部12は、トリガパルスをレーダアンテナ11に供給しており、このトリガパルスに基づいてレーダアンテナ11から探知信号が放射される。また、送受信部12は、レーダアンテナ11が受信した反射波を検波、増幅し、図略のA/D変換部でデジタル信号に変換した後、表示装置20に出力する。
【0037】
表示装置20は、送受信部12から入力された反射波の情報に基づいてレーダ画像を生成し、このレーダ画像を表示器21に表示するためのものである。図1に示すように、本実施形態の表示装置20は、表示器21と、表示制御部22と、操作部23と、を備える。
【0038】
表示器21は、液晶ディスプレイ等で構成されており、この表示器21にレーダ画像が表示される。
【0039】
表示制御部22は、送受信部12から表示装置20に入力された信号に基づいてレーダ画像を生成し、表示器21に出力する。この表示制御部22は、各種のプログラムを実行するCPUと、レーダ画像を表示するためのプログラム等が記憶されるメモリと、を主要な構成として備えている。表示器21は、表示制御部22によって生成されたレーダ画像をその表示画面に表示する。
【0040】
操作部23は、レーダ画像のレンジ設定等、レーダ装置10の各種の操作をオペレータが行うためのものである。この操作部23には、オペレータが操作を行う操作手段として操作キー24及びダイヤル部25が配置されている。操作キー24はスイッチ式の操作手段であり、オペレータはこの操作キー24を操作して、ポップアップメニュー(設定画面)を表示したり、各種の設定に必要な数値を設定したりできる。ダイヤル部25は、ダイヤル式の操作手段であり、オペレータはこのダイヤル部25を操作することで、後述する表示機能のON/OFFやレンジの設定等を行うことができる。なお、本実施形態のダイヤル部25はスイッチ機能を有しており、オペレータがダイヤル部25を押すことによって、各種の設定を行うこともできる。オペレータが操作キー24又はダイヤル部25を操作すると、その操作内容が電気信号(操作信号)に変換されて表示制御部22に出力される。操作信号が入力された表示制御部22では、操作内容に基づいた画像処理が行われ、前記操作内容が反映されたレーダ画像が表示器21に表示される。
【0041】
また、本実施形態の表示装置20は、各種の情報を表示する表示機能を有している。具体的には、EBL表示機能と、VRM表示機能と、固定距離環表示機能と、を有している。EBL表示機能は、自船50からの特定の方位を示すEBL(方位線)71を表示器21に表示する機能である。VRM表示機能は、可変距離環としてのVRM(距離線)75を表示器21に表示する機能である。固定距離環表示機能は、表示装置20に予め設定されている半径情報(固定距離情報)に基づいて固定距離環60を表示器21に表示する機能である。なお、本明細書において、表示機能とは、EBL71やVRM75等を表示する機能のみをいう訳ではなく、EBL71やVRM75の表示に関する各種の設定等を行う機能も含むものとする。
【0042】
EBL表示機能、VRM表示機能及び固定距離環表示機能のON/OFFの切替え及び表示位置の設定等はダイヤル部25で行う。オペレータによって、EBL表示機能、VRM表示機能又は固定距離環表示機能がONされると、その操作内容に基づいて、表示制御部22がEBL71、VRM75又は固定距離環60を表示器21に表示するための画像処理を行う。
【0043】
次に、図2から図6までに示されるレーダ画像の模式図を参照して、本実施形態の表示装置20が有するEBL表示機能、VRM表示機能及び固定距離環表示機能について説明する。図2は、EBL71及びVRM75が表示されているレーダ画像を示した模式図である。図3は、EBL71とともに距離マーク81が表示されているレーダ画像を示した模式図である。図4は、VRM75とともに方位マーク82が表示されているレーダ画像を示した模式図である。図5は、固定距離環60とともに固定距離環方位マーク92が表示されているレーダ画像を示した模式図である。図6は、EBL71とともに固定距離環方位マーク92が表示されているレーダ画像を示した模式図である。
【0044】
まず、図2を参照して、EBL表示機能がONで、VRM表示機能がONで、固定距離環表示機能がONの場合について説明する。
【0045】
図2に示すレーダ画像には、自船50を中心として表示される固定距離環60とともに、EBL71及びVRM75が表示されている。そして、このレーダ画像には、レーダアンテナ11の受信情報に基づいて検出された物標51が表示されている。
【0046】
固定距離環60は、自船50の位置(画面中央)を中心とした円であり、半径の異なる複数の固定距離環60が同心円状に表示されている。各固定距離環60の半径の大きさに関する情報(前記半径情報)は、隣り合う固定距離環60の間隔が等しくなるように適宜定められている。オペレータは、レーダ画面上で、固定距離環60と物標51の位置関係を考慮することで、自船50から物標51までのおおよその距離を把握することができる。なお、固定距離環60の円の大きさは、オペレータが操作部23を操作して設定メニュー画面を呼び出すことで、表示装置20に予め設定されている数値の中から選択することもできる。また、レーダ画像上に固定距離環60を表示させる固定距離環表示機能のON/OFFの切替えは、操作部23の操作キー24及びダイヤル部25を操作することで行うようになっている。
【0047】
EBL71は、自船50の位置から離れる向きに延びる破線(直線)で表示器21に表示される。EBL71の設定は、操作キー24又はダイヤル部25を操作し、表示装置20を方位設定モードにして行う。方位設定モードでは、ダイヤル部25の操作量に応じてレーダ画像のEBLが回転するように、ダイヤル部25の操作量とEBL71の角度が連動するようになっている。以下の説明において、EBL71の向きを設定する又は変更する等といった場合は、オペレータが方位設定モードでダイヤル部25を操作することにより当該設定や変更が行われるものとする。
【0048】
また、図2のレーダ画像の画面左隅には、EBL71の情報を文字及び数値等で表示するEBLボックス55が表示されている。このEBLボックス55には、ダイヤル部25で設定されたEBL71の向きが角度(数値)で表示されている。なお、本実施形態のレーダ画像は、ノースアップで表示されており、EBL71の角度は、北を0度として時計回りに数値が増加するように設定されている。
【0049】
また、本実施形態の表示装置20は、複数のEBL71を同時に表示できるようになっており、これらのEBL71は破線の種類で区別できるようになっている。EBLボックス55で表示される「EBL 1」に対応するEBL71は、細かい破線で表示されており、「EBL 2」に対応するEBL71は、「EBL 1」に対応するEBL71よりも粗い破線で表示されている。オペレータによって設定されたEBL71の向きを示す方位情報は、「EBL 1」と「EBL 2」のそれぞれで区別して表示制御部22に記憶される。方位設定モードでは、複数のEBLから1つのEBLを指定し、指定したEBL71の角度を個別に変更するようになっている。なお、複数のEBL71を区別して表示する方法は、線の種類や色を変更する等、上記以外の方法を採用してもよい。
【0050】
VRM75は、自船(画面中央)を中心とする円で表示される。VRM75は、破線で表示されており、前記固定距離環60と画面上で視覚的に区別できるようになっている。VRM75は、可変距離環であり、操作キー24又はダイヤル部25を操作することで、VRM75の大きさ(距離線の位置)を任意の大きさに変更できるようになっている。VRM75の変更は、表示装置20を距離設定モードにして行う。距離設定モードでは、ダイヤル部25の操作量に応じてレーダ画像上のVRM75の半径(円の大きさ)が変化するように、ダイヤル部25の操作量とVRM75の大きさが連動するようになっている。より具体的には、ダイヤル部25を一側に回すとVRM75が大きくなり、他側に回すとVRM75が小さくなるようになっている。以下の説明において、VRM75の大きさを設定する又は変更する等といった場合は、オペレータが距離設定モードでダイヤル部25を操作することによりVRM75の距離の設定が行われるものとする。
【0051】
また、図2のレーダ画像の画面右隅には、VRM75の情報を文字及び数値等で表示するVRMボックス56が表示されている。このVRMボックス56には、ダイヤル部25で設定されたVRM75の大きさ(距離線の位置)に基づいて決まる距離情報がnm(ノーティカルマイル)単位で数値表示されている。EBLボックス55とVRMボックス56は、レーダ画像の下部に左右対称になるように表示されている。
【0052】
また、本実施形態の表示装置20は、複数のVRM75を同時に表示できるようになっており、これらのVRM75は、EBL71と同様に、破線の種類で区別できるようになっている。VRMボックス56で表示される「VRM 1」に対応するVRM75は、細かい破線で表示されており、「VRM 2」に対応するVRM75は、「VRM 1」に対応するVRM75よりも粗い破線で表示されている。オペレータによって設定されたVRM75の大きさを示す距離情報は、「VRM 1」及び「VRM 2」のぞれぞれで区別して表示制御部22に記憶されている。前記距離設定モードでは、複数のVRMの中から1つのVRMを指定し、指定したVRMの大きさを個別に変更するようになっている。なお、複数のVRM75を区別して表示する方法は、線の種類や色を変更する等、上記以外の方法を採用してもよい。
【0053】
オペレータは、EBL表示機能を利用することで所望の物標(例えば、物標51)の方位を測定することができ、VRM表示機能を利用することで自船50から物標51までの距離を測定することができる。例えば、以下の操作手順を踏むことで、オペレータは、物標51の方位及び距離を測定することができる。オペレータは、表示装置20を方位設定モードにし、レーダ画像上の物標51の位置にEBL71が重なるように、ダイヤル部25を操作する。これにより、EBLボックス55に物標51の存在する方位が数値(角度)で表示される。次に、表示装置20を距離設定モードにし、VRM75の位置を物標51の位置に合わせる。これにより、VRMボックス56に自船50から物標51までの距離がnmで表示される。このように、オペレータは、EBL71とVRM75の交点が物標51の位置に重なるようにダイヤル部25を操作することで、物標51の方位と距離を数値で把握することができる。
【0054】
次に、図3を参照して、EBL表示機能がONで、VRM表示機能がOFFで、固定距離環表示機能がONの場合について説明する。なお、図3では、EBL表示機能及びVRM表示機能の両方がONされている状態(図2に示す状態)からVRM表示機能のみをOFFした状態を想定している。
【0055】
本実施形態の表示装置20では、図3に示すように、オペレータによってVRM表示機能がOFFになると、VRM75が表示されなくなり、代わりに距離マーク81が表示されようになる。距離マーク81は、ダイヤル部25で設定されて表示制御部22に記憶された方位情報及び距離情報に基づいて表示位置が設定される。図3に示すように、距離マーク81は、短い円弧状の破線でEBL71上に表示されている。
【0056】
この距離マーク81は、自船50を中心とし、前記距離情報に基づいて設定された半径の円を考えたときに、この円とEBL71の交点に表示される。即ち、VRM表示機能がONされていたときに表示されていたVRM75とEBL71の交点に距離マーク81の円弧部分の中央部が一致するように表示されており、VRM75の一部が表示されていると表現することもできる。
【0057】
ダイヤル部25の操作によってEBL71の位置が変更されて方位情報が更新されると、更新された方位情報に基づいて距離マーク81の表示位置が変更される。本実施形態においては、ダイヤル部25でEBL71の位置を変えた場合、距離マーク81は、画面上のEBL71の移動に追従してその表示位置が変更されるように表示制御部22によって画像処理される。従って、距離マーク81をあたかもEBL71とともに回転させるかのような操作フィーリングが実現されている。
【0058】
また、表示装置20は、図3に示す状態(VRM表示機能がOFFの状態)でも、距離情報を変更できるようになっている。より具体的には、オペレータが表示装置20を距離設定モードにしてダイヤル部25を操作すると、その操作内容に応じて表示制御部22に記憶されていた距離情報が更新される。そして、距離マーク81の表示位置が更新された距離情報に基づいて変更される。それとともに、変更された距離情報がVRMボックス56の数値に反映される。
【0059】
この構成により、オペレータは、VRM表示機能をOFFした場合でも、レーダ画像の物標51の位置に距離マーク81を重ねるようにダイヤル部25を操作することで、物標51の方位とともに距離を正確に測定することが可能になっている。
【0060】
次に、図4を参照して、EBL表示機能がOFFで、VRM表示機能がONで、固定距離環表示機能がONの場合について説明する。なお、図4では、EBL表示機能及びVRM表示機能の両方がONされている状態(図2に示す状態)からEBL表示機能のみをOFFした状態を想定している。
【0061】
本実施形態の表示装置では、図4に示すように、ダイヤル部25が操作されてEBL表示機能がOFFになると、EBL71が表示されなくなり、代わりに方位マーク82が表示されるようになる。方位マーク82は、ダイヤル部25で設定された方位情報及び距離情報に基づいて線分で表示される。
【0062】
この方位マーク82は、方位情報に基づく角度で自船50から離れる向きに延びる直線を考えたときに、この直線とVRM75の交点に表示される。即ち、方位マーク82は、EBL表示機能がONされていたときに表示されていたEBL71とVRM75の交点に表示されており、EBL71の一部が表示されていると表現することもできる。
【0063】
ダイヤル部25の操作によってVRM75の大きさ(距離線の位置)が変更されて距離情報が更新されると、更新された距離情報に基づいて方位マーク82の表示位置が変更される。本実施形態においては、ダイヤル部25でVRM75の大きさを変えた場合、方位マーク82は、VRM75の大きさの変化に追従してその表示位置が変更されるように表示制御部22によって画像処理が行われる。従って、方位マーク82をあたかもVRM75とともに伸縮させるかのような操作フィーリングが実現されている。
【0064】
また、表示装置20は、図4に示す状態(EBL表示機能がOFFの状態)でも、方位情報を変更できるようになっている。より具体的には、オペレータが表示装置20を方位設定モードにしてダイヤル部25を操作すると、その操作内容に応じて表示制御部22に記憶されていた方位情報が更新される。そして、方位マーク82の表示位置が更新された方位情報に基づいて変更される。それとともに、変更された方位情報がEBLボックス55の数値に反映される。
【0065】
この構成により、EBL表示機能をOFFした場合でも、レーダ画像の物標51の位置に方位マーク82を合わせるようにダイヤル部25を操作することで、物標51の距離とともに方位を正確に測定することが可能になっている。
【0066】
次に、図5を参照して、EBL表示機能がOFFで、VRM表示機能がOFFで、固定距離環表示機能がONの場合について説明する。なお、図5では、方位情報のみがオペレータによって設定されており、距離情報は設定されていない状況を想定している。
【0067】
図5に示すレーダ画像には、半径が異なる複数の固定距離環60上のそれぞれに固定距離環方位マーク92が表示されている。これらの固定距離環方位マーク92は、表示制御部22に予め記憶されている固定距離環60それぞれの半径情報と、ダイヤル部25でオペレータによって設定された方位情報に基づいてその表示位置が決められている。
【0068】
この固定距離環方位マーク92は、方位情報(角度)で自船50から離れる向きに延びる直線を考えたときに、この直線と固定距離環60の交点に表示される。即ち、固定距離環方位マーク92は、EBL表示機能がONされていたときに表示されていたEBL71と固定距離環60の交点に表示されており、EBL71の一部が表示されていると表現することもできる。
【0069】
固定距離環方位マーク92が固定距離環60上に表示されることによって、オペレータは、自らが設定した方位を確認しながら自船50の操作を行うことが可能になっている。
【0070】
また、表示装置20は、図5に示す状態(EBL表示機能及びVRM表示機能の両方がOFFの状態)でも、方位情報を変更できるようになっている。より具体的には、オペレータが表示装置20を方位設定モードにしてダイヤル部25を操作すると、その操作内容に応じて、表示制御部22に記憶されていた方位情報が更新される。そして、固定距離環方位マーク92の表示位置が、更新された方位情報に基づいて変更される。それとともに、変更された方位情報がEBLボックス55の数値に反映される。
【0071】
次に、図6を参照して、EBL表示機能がONで、VRM表示機能がOFFで、固定距離環表示機能がOFFの場合について説明する。なお、図6では、方位情報のみがオペレータによって設定されており、距離情報は設定されていない状況を想定している。
【0072】
図6に示すレーダ画像には、EBL71上に複数の固定距離マーク91が表示されている。これらの固定距離マーク91は、表示制御部22に予め記憶されている固定距離環60それぞれの半径情報と、ダイヤル部25でオペレータによって設定された方位情報に基づいてその表示位置が決められている。
【0073】
固定距離マーク91は、自船50を中心とし、半径情報に基づいて設定された半径の円を考えたときに、この円とEBL71の交点に表示される。図6に示すように、固定距離マーク91は複数表示されており、固定距離マーク91の数は前記固定距離環60の数と同じである。即ち、固定距離マーク91は、固定距離環表示機能がONされていたときに表示されていたEBL71と固定距離環60のそれぞれの交点に表示されており、固定距離環60の一部が表示されていると表現することもできる。
【0074】
固定距離マーク91がEBL71上に表示されることによって、オペレータは、固定距離マーク91を基準に、自船50から物標51までのおおよその距離を把握することができる。なお、この場合においても、オペレータによってEBL71の向き(方位情報)が変更されると、変更された方位情報に基づいて固定距離マーク91の表示位置が変更されるように表示制御部22によって画像処理が行われる。また、本実施形態の表示装置20は、図6に示す状態で、設定メニューを呼び出して固定距離環60の半径情報を変更すると、その変更に応じて固定距離マーク91の表示位置が変更されるようになっている。
【0075】
図2から図6までのレーダ画像に示すように、表示装置20は、EBLボックス55及びVRMボックス56が、EBL表示機能、VRM表示機能及び固定距離環60のON/OFFに関係なく、常に一定の位置に表示されるようになっている。従って、状況に応じてEBLボックス55及びVRMボックス56の何れかのみを表示させたり消したりする構成と比較して、条件分岐のないシンプルな表示処理を実現できており、ソフトウェア上のバグも生まれにくくなっている。なお、オペレータによって、方位情報及び距離情報の両方が設定されていない場合は、EBLボックス55及びVRMボックス56の両方を非表示にしてもよいし、両方が未入力状態である旨を表示するようにしてもよい。
【0076】
また、表示装置20が有する各表示機能(EBL表示機能、VRM表示機能及び固定距離環表示機能等)は、表示色、大きさ及び表示位置等の表示態様を変更する機能を有している。これによって、オペレータが操作部23を操作して、方位マーク82や距離マーク81の大きさを変更したり、EBL71やVRM75の表示色を変更したりすることが可能になっている。なお、図2から図6までのレーダ画像に表示される情報は方位情報及び距離情報に限定される訳ではなく、船首方位、緯度経度情報等の各種の航海情報をレーダ画像に表示することができることは勿論である。
【0077】
以上に示したように、本実施形態のレーダ装置10が備える表示装置20は、以下のように構成される。即ち、表示装置20は、ダイヤル部25と、表示制御部22と、を備える。ダイヤル部25は、基準位置からの特定の方位を示すEBL71の向きを設定するとともに、EBL71を表示するEBL表示機能のON/OFFを切り替えるためのものである。また、ダイヤル部25は、基準位置からの特定の距離を示すVRM75の位置を設定するとともに、VRM75を表示するVRM表示機能のON/OFFを切り替えるためのものでもある。表示制御部22は、EBL表示機能がONでVRM表示機能がOFFの場合は、ダイヤル部25で設定した距離情報(VRM75の位置)に基づいて距離マーク81をEBL71とともに表示する。
【0078】
これにより、VRM表示機能がOFFされている場合でも、視覚的に表示される距離マーク81によって目標の距離を方位とともに把握することができる。
【0079】
本実施形態の表示装置20は、以下のように構成される。即ち、表示制御部22は、方位情報(EBL71の向き)が更新された場合は、更新された方位情報に基づいて距離マーク81の表示位置を変更する処理を行う。
【0080】
これにより、距離マーク81の表示位置がEBL71の向きの変更に対応して自動的に変更されるようになる。これによって、オペレータは、方位と距離を測定したい目標に対してEBL71及び距離マーク81を合わせる一連の操作を容易に行うことができる。
【0081】
本実施形態の表示装置20は、以下のように構成される。表示制御部22は、EBL表示機能がOFFでVRM表示機能がONの場合は、ダイヤル部25で設定した方位情報(EBL71の向き)に基づいて方位マーク82をVRM75とともに表示する。
【0082】
これにより、EBL表示機能がOFFされている場合でも、視覚的に表示される方位マーク82によって目標の方位を距離とともに把握することができる。
【0083】
本実施形態の表示装置20は、以下のように構成される。表示制御部22は、距離情報(VRM75の位置)が更新された場合は、更新された距離情報に基づいて方位マーク82の表示位置を変更する処理を行う。
【0084】
これにより、方位マーク82の表示位置がVRM75の位置の変更に対応して自動的に変更されるようになる。これによって、オペレータは、方位と距離を測定したい目標に対してVRM75及び方位マーク82を合わせる一連の操作を容易に行うことができる。
【0085】
本実施形態の表示装置20は、以下のように構成される。表示制御部22は、EBL表示機能及びVRM表示機能の少なくとも何れかがONされている場合は、EBL71の向き及びVRM75の位置の両方を数値で表示する処理を行う。
【0086】
これにより、オペレータは、EBL71が示す方位及びVRM75が示す距離を数値で正確に把握することができる。これによって、目標に方位マーク82又は距離マーク81を合わせることで、目標の方位及び距離を数値で測定することができる。また、EBL71の向き及びVRM75の位置の両方を数値で常に表示させるので、表示制御部22が、方位情報のみを数値で表示させる又は距離情報のみを数値で表示させる等の場合分けを行う必要がない。従って、数値を表示するために行う処理を簡素化できる。
【0087】
本実施形態の表示装置20は、以下のように構成される。即ち、表示装置20は、予め設定されている半径情報(固定距離情報)に基づいて基準位置からの一定距離を示す固定距離環60を表示する固定距離環表示機能のON/OFFを切り替えるための操作部23を備える。表示制御部22は、EBL表示機能がOFFで固定距離環表示機能がONの場合は、EBL71の向きに基づいて固定距離環方位マーク92を固定距離環60とともに表示する。
【0088】
これにより、方位線表示機能がOFFされている場合でも、固定距離環表示機能がONされている場合は、目標のおおよその距離とともに、固定距離環方位マーク92を利用して方位を把握することができる。
【0089】
本実施形態の表示装置20は、以下のように構成される。表示制御部22は、EBL表示機能がONで固定距離環表示機能がOFFの場合は、半径情報に基づいて固定距離マーク91をEBL71とともに表示する。
【0090】
これにより、固定距離環表示機能がOFFされている場合でも、EBL表示機能がONされている場合は、方位とともに、固定距離マーク91を指標として目標のおおよその距離を把握できる。
【0091】
以上に本発明の実施形態を説明したが、上記の構成は更に以下のように変更することができる。
【0092】
上記実施形態の距離マーク81の形状は、円弧が採用されているが、これとは異なる形状を距離マークに採用することもできる。例えば、線分、十字、丸、三角形等を距離マークの形状に採用することもできる。また、同様に、方位マークの形状は、線分が採用されているが、これとは異なる形状を方位マークに採用することもできる。例えば、十字、丸、三角形等を方位マークの形状に採用することもできる。
【0093】
上記実施形態の表示装置20は、EBL表示機能又はVRM表示機能の少なくとも何れかがONされている場合は、EBLボックス55及びVRMボックス56の両方が表示されるように構成されている。しかし、EBL表示機能がOFFの場合にはEBLボックス55を非表示にし、VRM表示機能がOFFされている場合にはVRMボックス56を非表示にする構成に変更することもできる。
【0094】
また、EBL71とともに、距離マーク81及び固定距離マーク91の両方を表示するように構成することもできる。また、固定距離環表示機能及びVRM表示機能の両方をONした上で、方位マーク82及び固定距離環方位マーク92の両方を表示するように構成することもできる。
【0095】
また、EBL表示機能及びVRM表示機能の両方をOFFした場合に、距離マーク81及び固定距離環方位マーク92の両方を表示するように表示装置20を構成することもできる。これにより、EBL表示機能及びVRM表示機能の両方がOFFされている場合でも、距離マーク81及び方位マーク82によって、目標までの距離と方位を視覚的に把握することができる。
【0096】
本発明は、上記実施形態の表示装置20の構成に限定されず、方位線及び距離線を表示する機能を有する表示装置であれば、レーダ装置10以外に用いられる表示装置の構成にも適用できる。
【符号の説明】
【0097】
20 表示装置
23 操作部(固定距離環表示切替部)
25 ダイヤル部(方位設定部、方位線表示切替部、距離設定部、距離線表示切替部)
60 固定距離環
71 EBL(方位線)
75 VRM(距離線)
81 距離マーク
82 方位マーク
91 固定距離マーク
92 固定距離環方位マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方位線の向きを設定する方位設定部と、
前記方位線を表示する方位線表示機能のON/OFFを切り替える方位線表示切替部と、
基準位置からの特定の距離を示す距離線の位置を設定する距離設定部と、
前記距離線を表示する距離線表示機能のON/OFFを切り替える距離線表示切替部と、
前記方位線表示機能がONで前記距離線表示機能がOFFの場合は、
前記距離設定部で設定した前記距離線の位置に基づいて距離マークを前記方位線とともに表示し、
前記方位線表示機能がOFFで前記距離線表示機能がONの場合は、
前記方位設定部で設定した前記方位線の向きに基づいて方位マークを前記距離線とともに表示する表示制御部と、
を備えることを特徴とする方位線及び距離線の表示装置。
【請求項2】
方位線の向きを設定する方位設定部と、
前記方位線を表示する方位線表示機能のON/OFFを切り替える方位線表示切替部と、
基準位置からの特定の距離を示す距離線の位置を設定する距離設定部と、
前記距離線を表示する距離線表示機能のON/OFFを切り替える距離線表示切替部と、
前記方位線表示機能がONで前記距離線表示機能がOFFの場合は、
前記距離設定部で設定した前記距離線の位置に基づいて距離マークを前記方位線とともに表示する表示制御部と、
を備えることを特徴とする方位線及び距離線の表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方位線及び距離線の表示装置であって、
前記表示制御部は、
前記方位線の向きが更新された場合は、更新された方位線の向きに基づいて距離マークの表示位置を変更する処理を行うことを特徴とする方位線及び距離線の表示装置。
【請求項4】
方位線の向きを設定する方位設定部と、
前記方位線を表示する方位線表示機能のON/OFFを切り替える方位線表示切替部と、
基準位置からの特定の距離を示す距離線の位置を設定する距離設定部と、
前記距離線を表示する距離線表示機能のON/OFFを切り替える距離線表示切替部と、
前記方位線表示機能がOFFで前記距離線表示機能がONの場合は、
前記方位設定部で設定した前記方位線の向きに基づいて方位マークを前記距離線とともに表示する表示制御部と、
を備えることを特徴とする方位線及び距離線の表示装置。
【請求項5】
請求項1又は4に記載の方位線及び距離線の表示装置であって、
前記表示制御部は、
前記距離線の位置が更新された場合は、更新された距離線の位置に基づいて方位マークの表示位置を変更する処理を行うことを特徴とする方位線及び距離線の表示装置。
【請求項6】
請求項1から5までの何れか一項に記載の方位線及び距離線の表示装置であって、
前記表示制御部は、
前記方位線表示機能がOFFで前記距離線表示機能がOFFの場合は、
前記距離設定部で設定した前記距離線の位置に基づいて距離マークを表示するとともに、
前記方位設定部で設定した前記方位線の向きに基づいて方位マークを表示することを特徴とする方位線及び距離線の表示装置。
【請求項7】
請求項1から6までの何れか一項に記載の方位線及び距離線の表示装置であって、
前記表示制御部は、
前記方位線表示機能及び前記距離線表示機能の少なくとも何れかがONされている場合は、方位線の向き及び距離線の位置の両方を数値で表示する処理を行うことを特徴とする方位線及び距離線の表示装置。
【請求項8】
方位線の向きを設定する方位設定部と、
前記方位線を表示する方位線表示機能のON/OFFを切り替える方位線表示切替部と、
予め設定されている固定距離情報に基づいて基準位置からの一定距離を示す固定距離環を表示する固定距離環表示機能のON/OFFを切り替える固定距離環表示切替部と、
前記方位線表示機能がOFFで前記固定距離環表示機能がONの場合は、
前記方位線の向きに基づいて固定距離環方位マークを前記固定距離環とともに表示し、
前記方位線表示機能がONで前記固定距離環表示機能がOFFの場合は、
前記固定距離情報に基づいて固定距離マークを前記方位線とともに表示する表示制御部と、
を備えることを特徴とする方位線及び距離線の表示装置。
【請求項9】
方位線の向きを設定する方位設定部と、
前記方位線を表示する方位線表示機能のON/OFFを切り替える方位線表示切替部と、
予め設定されている固定距離情報に基づいて基準位置からの一定距離を示す固定距離環を表示する固定距離環表示機能のON/OFFを切り替える固定距離環表示切替部と、
前記方位線表示機能がOFFで前記固定距離環表示機能がONの場合は、
前記方位線の向きに基づいて固定距離環方位マークを前記固定距離環とともに表示する表示制御部と、
を備えることを特徴とする方位線及び距離線の表示装置。
【請求項10】
方位線の向きを設定する方位設定部と、
前記方位線を表示する方位線表示機能のON/OFFを切り替える方位線表示切替部と、
予め設定されている固定距離情報に基づいて基準位置からの一定距離を示す固定距離環を表示する固定距離環表示機能のON/OFFを切り替える固定距離環表示切替部と、
前記方位線表示機能がONで前記固定距離環表示機能がOFFの場合は、
前記固定距離情報に基づいて固定距離マークを前記方位線とともに表示する表示制御部と、
を備えることを特徴とする方位線及び距離線の表示装置。
【請求項11】
請求項1から10までの何れか一項に記載の方位線及び距離線の表示装置を備えることを特徴とするレーダ装置。
【請求項12】
方位線の向きが設定される方位設定ステップと、
基準位置からの特定の距離を示す距離線の位置が設定される距離設定ステップと、
前記方位設定ステップで設定された向きに基づいて方位線を表示するとともに、距離設定ステップで設定された位置に基づいて距離線を表示し、
又は、前記方位設定ステップで設定された向きに基づいて方位線を表示するとともに、距離設定ステップで設定された位置に基づいて距離マークを表示する、
表示ステップと、
を含むことを特徴とする方位線及び距離線の表示方法。
【請求項13】
方位線の向きが設定される方位設定ステップと、
基準位置からの特定の距離を示す距離線の位置が設定される距離設定ステップと、
前記方位設定ステップで設定された向きに基づいて方位線を表示するとともに、距離設定ステップで設定された位置に基づいて距離線を表示し、
又は、距離設定ステップで設定された位置に基づいて距離線を表示するとともに、前記方位設定ステップで設定された向きに基づいて方位マークを表示する、
表示ステップと、
を含むことを特徴とする方位線及び距離線の表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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