説明

旅行者荷物管理システム、旅行者荷物管理用リーダ/ライタ、旅行者荷物管理プログラム及び方法

【課題】到着地が変更となった場合でも確実に最終到着地に荷物を輸送し、旅行者に確実に受け渡す。
【解決手段】旅行者の荷物に取り付けられる子タグYと、旅行者が所持する親タグXとを対応させて使用するICタグに対し、データの書き込み又は読み取りを行う複数のリーダ/ライタと、各リーダ/ライタ10a、10b、10cを管理する空港管理センター20のメインサーバ21とが、通信回線30によって相互に通信可能に接続され、各リーダ/ライタ10a、10b、10cは、メインサーバ21に登録されたID情報を参照することにより、親タグX及び子タグYの到着地IDを常に一致させる構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旅行者の荷物に取り付けられる荷物用タグと旅行者が所持する旅行者用タグの管理を行う旅行者荷物管理システムに関し、より詳しくは、荷物用タグ及び旅行者用タグに対し所定データの書き込み及び読み取りが可能な二以上のリーダ/ライタと通信ネットワークの融合によって実現する、空港における旅行者の荷物管理に好適な旅行者荷物管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
旅行者とその旅行者の荷物を別々に輸送する場合には、到着地で間違いなく荷物を旅行者に引き渡すための荷物の管理方法が必要であり、従来は、紙等のタグ(ラベル)を用いる方法が一般的である。
例えば、旅行者が通常の航空サービスを利用して目的地に渡航する場合、旅行者が手荷物を持ち込んで搭乗する場合を除き、旅行者の荷物は受付窓口で目的地と番号とが記載された紙のタグが貼付され、同じ航空機内の貨物室に運ばれることとなる。一方、旅行者には荷物と同様の内容が記載された紙のタグが渡され、到着地の空港においてこれらを照合することによって旅行者にその荷物が戻される仕組みとなっている。
【0003】
しかし、このような仕組みを用いた荷物の管理方法においては、荷物に貼付されるタグや旅行者に渡される控えのタグは、単なる目的地と番号が記載されただけの紙製のタグであるため、荷物管理者や他の旅行者が読み間違うことにより手荷物の所在が分からなくなる問題が発生する場合があった。
また、一旦、手荷物の所在が分からなくなると、誤って荷物を運び出した者等からの申告がない限り、その荷物の発見が困難となる等の問題があった。
また、紙製のタグでは、記載できる情報にも限りがあり、改ざん等も可能であり、充分なセキュリティを確保できないという問題もあった。
【0004】
そこで、これまで、従来の紙のラベルによる荷物管理の問題を解消するための提案がなされており、例えば、非接触ICタグを利用した航空荷物自動仕分け、発送システム及び航空荷物自動受け取りシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この航空荷物自動仕分け、発送システム等によれば、非接触ICタグ、サーバ、ターミナル、自動搬出装置付き倉庫等を組み合わせて所定の制御を行うため、航空荷物の扱いが容易となり、また、旅行者による荷物の受け取りも確実に行うことが可能となっている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−240218号公報(第1−3頁、第1−2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、以上のような従来提案されている航空荷物自動仕分け・発送システムにおいては、予約情報サーバとICバゲージタグとの情報をリンクさせることにより、出発地において航空便の予定変更等が発生しても荷物の仕分けや発送が確実に行われるようになっているが、荷物の受け取り側となる航空荷物自動受取システムでは、予約情報サーバとの連携がなく、出発後に、旅行者の都合、天候等の理由により行き先が変更になった場合には、荷物が紛失するおそれがあった。
特に、出発後に行き先変更が発生した場合に、最終到着地までの間に他の空港を中継するような場合には、この管理システムは機能せず、荷物が紛失するおそれがあった。
【0007】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、旅行者の荷物に取り付けられる子タグのデータと旅行者が所持する親タグのデータを常に一致させることによって、到着地が変更となった場合でも確実に最終到着地に荷物を輸送し、旅行者に受け渡すことが可能な旅行者荷物管理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の旅行者荷物管理システムは、請求項1に記載するように、ICタグと、ICタグに対して所定のデータの書き込み/読み取りを行う複数のリーダ/ライタと、各リーダ/ライタと通信可能に接続されたメインサーバとを備え、ICタグが、所定の荷物ID及び到着地IDが記憶される、旅行者側で所持される親タグ及び親タグに対応する旅行者の荷物側に取り付けられる子タグとからなり、各リーダ/ライタは、親タグ及び子タグに、所定の荷物ID及び到着地IDを書き込むとともに、旅行者の到着地が変更された場合には、親タグに変更後の到着地IDを書き込むID書き込み手段と、親タグ及び子タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDを読み取るID読み取り手段と、親タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDをメインサーバに送信するとともに、親タグの到着地IDが変更された場合には、変更前後の到着地IDをメインサーバに送信するID通知手段と、子タグから読み取られた荷物IDをメインサーバに送信し、当該荷物IDに対応するメインサーバに記憶された到着地IDを受信する到着地ID受信手段と、メインサーバから受信した到着地IDを、子タグから読み取られた到着地IDと比較し、到着地IDが異なる場合には、当該子タグの到着地IDをメインサーバから受信した到着地IDに書き換えるタグID更新手段と、を備え、メインサーバは、各リーダ/ライタから送信される親タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDを記憶するID記憶手段と、各リーダ/ライタから送信される子タグから読み取られた荷物IDに対応する到着地IDをID記憶手段から読み出し、当該リーダ/ライタに送信する到着地ID送信手段と、を備える構成としてある。
【0009】
特に、本発明の旅行者荷物管理システムは、請求項2に記載するように、各リーダ/ライタが、それぞれ一又は二以上の空港に備えられ、メインサーバが、一又は二以上の空港を管理する空港管理センターに備えられる構成としてある。
【0010】
このような構成からなる本発明の旅行者荷物管理システムによれば、旅行者と荷物に一対一で対応するICタグ(親タグ・子タグ)を備え、旅行者の荷物に一意に割り振られる所定の荷物IDと到着地IDが書き込まれるとともに、旅行者が携帯する親タグ側のID情報を、常にメインサーバ側に記憶・登録し、この登録情報に基づいて、子タグ側の情報を更新できるようにしてある。
具体的には、当初の到着地であったが変更されて現在は到着地でない空港に設置されたリーダ/ライタによって、荷物に装着された子タグが読み込まれると、読み取られた到着地IDは、メインサーバに登録された変更後の本来の到着地IDと異なるので、当該子タグの到着地IDを、メインサーバに登録された変更後の到着IDに書き換えて更新し、その後、更新された子タグとともに荷物を本来の到着地に向けて発送することができる。
【0011】
これにより、旅行者の行き先が変更となった場合でも、その旅行者の荷物に一意に付けられた荷物IDとその変更先の到着地IDは常にメインサーバ側で管理されるようになり、旅行者の行き先が急に変更になった場合でも、常にその行き先がメインサーバ側で把握されるので、荷物側の子タグの情報を更新することで、荷物を確実に到着地まで輸送できるようになる。
また、ICタグには紙のラベルと比較して大量の情報・データを書き込むことができるため、荷物と旅行者を一対一で対応させるID情報としても改ざん・漏洩・推測等ができない複雑なID等を割り当てることができ、荷物受取の際に行う親タグと子タグとの照合の安全性を高めることも可能となる。
このようにして、本発明では、信頼性や安全性に優れた旅行者荷物管理システムを実現することが可能となる。
【0012】
また、本発明の旅行者荷物管理システムは、請求項3に記載するように、各リーダ/ライタが、メインサーバから送信された到着地IDと子タグから読み取られた到着地IDとが異なる場合に、所定の警告情報を出力する警告情報出力手段を備える構成としてある。
【0013】
このような構成からなる本発明の旅行者荷物管理システムによれば、行き先変更に伴い親タグと到着地IDが一致しない子タグが検出された場合には、所定の警告情報を出力・通知することができる
具体的には、当初の到着地であったが変更されて現在は到着地でない空港に設置されたリーダ/ライタによって、荷物に装着された子タグが読み込まれると、読み取られた到着地IDは、メインサーバに登録された変更後の本来の到着地IDと異なることになり、この場合には、当該リーダ/ライタに接続されたモニタ装置に「到着地の変更あり」といった表示をしたり、本来の到着地のリーダ/ライタやその他の管理装置などにメールを送信することで、管理者等に注意を喚起することができる。
これにより、コンピュータによる自動制御だけに依存しない柔軟な冗長構成を備えた旅行者荷物管理システムを実現化できる。
また、万一、荷物が所在不明となった場合であっても、各リーダ/ライタが該当する荷物(子タグ)を検出した場合にはメール等で通知することで、迅速かつ効率よく迷子となった荷物を見つけ出すことも可能となり、より信頼性の高い旅行者荷物管理システムを提供することができる。
【0014】
また、本発明の旅行者荷物管理システムは、請求項4に記載するように、各リーダ/ライタが、親タグ及び/又は子タグから読み取られた到着地IDが、当該リーダ/ライタが設置された到着地を示す場合に、メインサーバに所定の到着終了情報を送信する到着終了情報送信手段を備え、メインサーバが、各リーダ/ライタから所定の到着終了情報を受信すると、当該到着終了情報に係る親タグの荷物ID及び到着地IDをID記憶手段から消去するID消去手段を備える構成としてある。
【0015】
このような構成からなる本発明の旅行者荷物管理システムによれば、親タグと子タグがその到着地IDが示す本来の到着地にあるリーダ/ライタで読み取られた場合には、旅行者と荷物が無事到着地に到着したことになるので、メインサーバ側に記録されたID情報を消去するようにしてある。
これにより、不要となったデータは効率よく消去でき、メインサーバの資源を有効に活用することができるとともに、本システムに必要となる記憶容量を抑えることで、コスト低減等を図ることも可能となる。
【0016】
また、本発明の旅行者荷物管理用リーダ/ライタは、請求項5に記載するように、メインサーバと通信可能に接続されるともに、所定の荷物ID及び到着地IDが記憶される、旅行者側で所持される親タグ及び親タグに対応する旅行者の荷物側に取り付けられる子タグとからなるICタグに対して、所定のデータの書き込み/読み取りを行うリーダ/ライタであって、親タグ及び子タグに、所定の荷物ID及び到着地IDを書き込むとともに、旅行者の到着地が変更された場合には、親タグに変更後の到着地IDを書き込むID書き込み手段と、親タグ及び子タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDを読み取るID読み取り手段と、親タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDをメインサーバに送信するとともに、親タグの到着地IDが変更された場合には、変更前後の到着地IDをメインサーバに送信するID通知手段と、子タグから読み取られた荷物IDをメインサーバに送信し、当該荷物IDに対応するメインサーバに記憶された到着地IDを受信する到着地ID受信手段と、メインサーバから受信した到着地IDを、子タグから読み取られた到着地IDと比較し、到着地IDが異なる場合には、当該子タグの到着地IDをメインサーバから受信した到着地IDに書き換えるタグID更新手段と、を備える構成としてある。
【0017】
このように、本発明は上述したシステム発明だけでなく、リーダ/ライタ(装置)単体としても実現することができる。
これによって、具体的なシステム構成に限定されず本発明を実施することができ、汎用性や拡張性に優れた荷物管理技術を提供することが可能となる。
【0018】
また、本発明の旅行者荷物管理プログラムは、請求項6に記載するように、メインサーバと通信可能に接続されるともに、所定の荷物ID及び到着地IDが記憶される、旅行者側で所持される親タグ及び親タグに対応する旅行者の荷物側に取り付けられる子タグとからなるICタグに対して、所定のデータの書き込み/読み取りを行うリーダ/ライタを構成するコンピュータを、親タグ及び子タグに、所定の荷物ID及び到着地IDを書き込むとともに、旅行者の到着地が変更された場合には、親タグに変更後の到着地IDを書き込むID書き込み手段、親タグ及び子タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDを読み取るID読み取り手段、親タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDをメインサーバに送信するとともに、親タグの到着地IDが変更された場合には、変更前後の到着地IDをメインサーバに送信するID通知手段、子タグから読み取られた荷物IDをメインサーバに送信し、当該荷物IDに対応するメインサーバに記憶された到着地IDを受信する到着地ID受信手段、メインサーバから受信した到着地IDを、子タグから読み取られた到着地IDと比較し、到着地IDが異なる場合には、当該子タグの到着地IDをメインサーバから受信した到着地IDに書き換えるタグID更新手段、として機能させるための旅行者荷物管理プログラムにより構成してある。
【0019】
このように本発明はプログラムとしても実現化することができる。
これにより、リーダ/ライタのみならずサーバやパーソナルコンピュータ等の情報処理装置にプログラムをインストールすることによって本発明を実現することができ、汎用性,拡張性に優れた荷物管理プログラムとして提供することができる。
【0020】
さらに、本発明の旅行者荷物管理方法は、請求項7に記載するように、旅行者側で所持される親タグ及び親タグに対応する旅行者の荷物側に取り付けられる子タグとからなICタグと、ICタグに対して所定のデータの書き込み/読み取りを行う出発地及び到着地に備えられるリーダ/ライタと、各リーダ/ライタと通信可能に接続されたメインサーバとによる旅行者荷物管理方法であって、出発地に備えられるリーダ/ライタが、親タグ及び子タグに、所定の荷物ID及び到着地IDを書き込むとともに、旅行者の到着地が変更された場合には、親タグに変更後の到着地IDを書き込むステップ、親タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDをメインサーバに送信するとともに、親タグの到着地IDが変更された場合には、変更前後の到着地IDをメインサーバに送信するステップ、メインサーバが、一のリーダ/ライタから送信される親タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDをID記憶手段に記憶させるステップ、到着地に備えられるリーダ/ライタが、親タグ及び子タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDを読み取るステップ、子タグから読み取られた荷物IDをメインサーバに送信するステップ、メインサーバが、到着地に備えられるリーダ/ライタから送信される子タグから読み取られた荷物IDに対応する到着地IDをID記憶手段から読み出し、当該リーダ/ライタに送信するステップ、到着地に備えられるリーダ/ライタが、メインサーバから送信される到着地IDを受信するステップ、及びメインサーバから受信した到着地IDを、子タグから読み取られた到着地IDと比較し、到着地IDが異なる場合には、当該子タグの到着地IDをメインサーバから受信した到着地IDに書き換えるステップ、とからなる方法としてある。
【0021】
このように、本発明は方法発明としても実現化でき、上述のシステム発明や装置発明と同様の効果を奏することができる。
これによって、具体的なシステム構成や装置構成に限定されず、本発明を実施することができるため、さらに汎用性等に優れた荷物管理技術を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の旅行者荷物管理システムによれば、旅行者側の親タグと荷物側の子タグが備えるIDを常に一致させることができ、旅行者の行き先が突然変更になった場合でも、旅行者の手荷物を確実に最終到着地に運び、旅行者に受け渡すことができるだけでなく、荷物の迷子を未然に防止するとともに、仮に迷子になった場合でも該当する荷物を効率よく探し出すことができる。
また、ICタグ及びリーダ/ライタを効率よく使用することにより、コストの発生を抑え、汎用性・拡張性及び信頼性に優れた旅行者荷物管理システムを実現できるとともに、利用者が安心して荷物を預け、受け取ることができるようなサービス環境を整えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の旅行者荷物管理システムの好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、以下に示す本実施形態の旅行者荷物管理システムは、プログラム(ソフトウェア)の命令によりコンピュータで実行される処理,手段,機能によって実現される。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、以下に示すような所定の処理・機能を行わせる。すなわち、本実施形態の旅行者荷物管理システムにおける各処理・手段は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現される。
なお、プログラムの全部又は一部は、例えば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他任意のコンピュータで読取り可能な記録媒体により提供され、記録媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。また、プログラムは、記録媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもできる。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る旅行者荷物管理システムの全体構成を示すネットワーク構成図である。
図1に示すとおり、本実施形態の旅行者荷物管理システム1は、複数のリーダ/ライタ10(10a、10b、10c)と、メインサーバ21とが、インターネットなどの通信回線30を介して相互に通信可能に接続された構成となっている。
本実施形態では、各リーダ/ライタ10(10a,10b,10c)が、各空港(A空港,B空港,C空港)に設置されるとともに、メインサーバ21が、各空港を管理する空港管理センター20に設置されるコンピュータによって構成されるようになっている。
【0025】
各リーダ/ライタ10は、電波を介してICタグに対し種々のデータを読み書き・入出力できる装置であり、ICタグを人や物に取付ることによって、個人や物を特定できる自動認識技術(RFID:Radio Frequency
Identification)を実現するためのものである。
本実施形態では、リーダ/ライタ10は、説明の便宜上、A空港に10a、B空港に10b、C空港に10cが、それぞれ一つずつ設置される構成を示してあるが(図1参照)、各空港に複数のリーダ/ライタが設置可能であり、例えば、各航空会社の受付カウンターや、搭乗ゲート、到着ゲート、荷物預かり倉庫、荷物受け渡し所等にそれぞれ設置されることとなる。
【0026】
ICタグは、非接触ICタグ、RFID(Radio Frequency Identification)タグ、RFタグ等とも呼ばれ、ICチップと無線アンテナを樹脂やガラス等で封止してタグ(荷札)状に形成した超小型の通信端末で、ICチップに所定の情報を記録して対象物にタグを取り付け、記録した情報を無線通信により読取装置(リーダ・ライタ)側でピックアップすることにより、ICチップに記録された情報を認識、表示するものである。
このようなICタグは、ICチップのメモリに数百バイト〜数キロバイトのデータが記録可能であり、十分な情報等を記録でき、また、読取装置側と非接触であるため接点の磨耗や傷、汚れ等の心配もなく、さらに、タグ自体は無電源にすることができるため対象物に合わせた加工や小型化・薄型化が可能となる。
【0027】
本実施形態では、ICタグとして、旅行者側で所持される親タグXと、この親タグXに対応する旅行者の荷物側に取り付けられる子タグYを備え、親タグX及び子タグYに所定の荷物ID及び到着地ID(図3参照)を含む所定の情報が記憶されるようになっている。
本実施形態では、ICタグ(親タグX,子タグY)は、航空運輸を利用する旅行者及び荷物に使用されるので、タグに書き込まれる情報としては、飛行機の搭乗券及び荷物に関する情報で、例えば、出発地、行き先予定の空港名、出発及び到着の日付と時間、航空会社名、フライト番号などがあり、到着地が変更された場合には、変更後の行き先空港名や到着の日付と時間、航空会社名、フライト番号が書き込まれる。
【0028】
そして、本実施形態では、これらの情報に加えて、親タグXと子タグYには、共通の荷物ID及び到着地IDが書き込まれるようになっている。
具体的には、親タグXと子タグYには、出発地に備えられたリーダ/ライタ10によって共通の荷物ID及び到着地IDが書き込まれ、この親タグXと子タグYに書き込まれた荷物ID及び到着地IDが到着地に備えられたリーダ/ライタ10で照合されることにより、荷物の引き渡しが行われるようになっている。
また、リーダ/ライタ10によって親タグXに書き込まれたID情報は、通信回線30を介して空港管理センター20に送信されて、空港管理センター20に設置されたメインサーバ21に登録・管理され、子タグYとの照合や子タグYのID情報の更新が行われるようになっている。
【0029】
以下、図2を参照して、リーダ/ライタ10及びメインサーバ21についてより具体的に説明する。
図2(a)は、本実施形態の旅行者荷物管理システム1に備えられるリーダ/ライタの基本構成を示すブロック図であり、同図(b)はメインサーバの基本構成を示すブロック図である。
リーダ/ライタ10は、各空港に設置される情報処理端末であって、具体的には、図2(a)に示すとおり、制御部101、ROM102、RAM103、無線通信部104、操作部105、表示部106及び通信部107の各部を備え、これらがバス108を介して接続されて情報処理装置を構成している。
【0030】
制御部101は、マイクロプロセッサ等で構成されており、CPUやインターフェイス等を備えて構成されている。そして、ROM102に格納される制御プログラムを実行することによって、リーダ/ライタの各構成部を一元的に制御するものである。
ROM102は、リーダ/ライタ10の制御に係る様々なプログラムを格納する記憶媒体であり、特に本実施形態においては本発明に係る旅行者荷物管理プログラムを格納してある。
RAM103は、演算処理用のデータを一時的に保存する記憶媒体であり、所定のデータが記録・消去されるようになっている。
【0031】
無線通信部104は、ICタグとの間で電波を介してデータの送受信を行うものであり、本実施形態においては、これによりICタグに対してIDの書き込みや読み取りができるようになっている。
操作部105は、操作者によってリーダ/ライタの各種操作を行うための入力手段であり、キーボードやマウス等によって構成される。
表示部106は、液晶ディスプレイ等により構成される部分であり、これによって利用者は旅行者荷物管理システム1上の様々な情報を視覚的に確認することができる。
通信部107は、通信回線30を介して接続された他のリーダ/ライタ10や空港管理センター20のメインサーバ21との間で各種データの送受信を行うための手段である。
【0032】
メインサーバ21は、空港管理センター20に設置されるコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置によって構成され、具体的には、図2(b)に示すとおり、制御部201、ROM202、RAM203、記憶部204、操作部205、表示部206及び通信部207の各部を備え、これらがバス208を介して接続されて情報処理装置を構成している。
【0033】
制御部201は、CPUやインターフェイス等を備えたマイクロプロセッサにより構成され、ROM202に格納される制御プログラムを実行することによって、メインサーバ21の各構成部を一元的に制御するものである。
ROM202は、メインサーバ21の制御に係る様々なプログラムを格納する記憶媒体であり、特に本実施形態においては本発明に係る旅行者荷物管理プログラムが格納されている。
RAM203は、演算処理用のデータを一時的に保存する記憶媒体であり、所定のデータが記録・消去されるようになっている。
【0034】
記憶部204は、ハードディスクなどの記憶媒体によって構成される記憶手段であって、メインサーバ21で処理される必要な情報が記憶されるようになっており、本実施形態では、各リーダ/ライタ10から送信される親タグXに書き込まれた荷物ID及び到着地IDが記憶されるようになっている。
図3は、本実施形態でIDタグに書き込まれて、メインサーバ21で登録・管理されるID情報の一例であり、(a)は到着地が変更される前の情報を、(b)は到着地が変更された後の情報をそれぞれ示している。
同図に示すように、到着地が当初のB空港からC空港に変更された場合、到着地IDもそれによって「B」から「C」に変更されることになるが、荷物IDは旅行者と荷物を一意に特定・識別するためのものであり、常に一のIDが割り当てられ、変更されることはない。
そして、この記憶部204に記憶された到着地IDが、各リーダ/ライタ10からの要求により抽出され、要求のあったリーダ/ライタ10に送信されることにより、子タグYの到着地IDの照合・更新が行われるようになっている。
【0035】
操作部205は、操作者によってメインサーバ21の各種操作を行うための入力手段であり、キーボードやマウス等によって構成される。
表示部206は、液晶ディスプレイ等により構成される部分であり、これによって利用者は旅行者荷物管理システム1上の様々な情報を視覚的に確認することができる。
通信部207は、通信回線30を介して、各空港のリーダ/ライタ10との間で各種データの送受信を行うための手段である。
【0036】
次に、以上のような構成からなる本実施形態の旅行者荷物管理システム1における荷物管理の処理動作について、図4及び図5を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係る旅行者荷物管理システム1の出発地空港における動作手順を示すフローチャートである。
また、図5は、本実施形態に係る旅行者荷物管理システム1の到着地空港における動作手順を示すフローチャートである。
【0037】
まず、出発地における動作として、図4に示すように、ステップA1において、出発地となる空港(例えば空港A)のリーダ/ライタ10aによって親タグX及び子タグYにそれぞれ荷物ID(例えば、「A123456」)と到着地ID(例えば、空港Bを示す「B」)が書き込まれる(本発明のID書き込み手段)。
親タグXに書き込まれた荷物ID及び到着地IDは、ステップA2〜A3において、空港管理センター20に送信・通知されて(本発明のID通知手段)、メインサーバ21に記憶・登録される(本発明のID記憶手段)。
そして、IDが書き込まれたタグは、親タグXは旅行者側で所持・携帯され、子タグYは荷物側に装着され、目的の到着地に向けて輸送・移動されることになる(ステップA6)。
【0038】
ここで、何らかの理由により旅行者の行き先に変更が生じた場合には、ステップA4,A5において、出発地の空港(又は当初の到着地の空港や中継地の空港)に備えられるリーダ/ライタ10によって、親タグXの到着地IDが変更され、変更後の到着地IDが親タグXに書き込まれる(本発明のID書き込み手段)。
例えば、図3に示すように、到着地がB空港からC空港に変更された場合には、荷物IDが「B」から「C」へ変更されることになる。
そして、親タグXに書き込まれた荷物ID及び変更後の到着地IDは、ステップA2〜A3において、空港管理センター20に送信・通知されて(本発明のID通知手段)、メインサーバ21には荷物ID及び変更後の到着地IDが登録されることになる(本発明のID記憶手段)。
その後、親タグXは旅行者とともに、子タグYは荷物とともに、目的の到着地に向けて輸送・移動される(ステップA6)。
【0039】
次に、到着地における動作としては、図5に示すように、まず、ステップB1において、出発地となる空港(例えば空港B)のリーダ/ライタ10bによって親タグXと子タグYがそれぞれ読み取り処理にかけられ、各タグに書き込まれている荷物IDと到着地IDが読み取られる(本発明のID読み取り手段)。
親タグXについては、常に一意の荷物IDと本来の到着IDが書き込まれているので、読み取り処理が行われた親タグXは、その後、ステップB2において到着地に変更がなければ到着処理は終了する。
到着地に変更がある場合には、ステップB2から図4のステップA4に戻り、上述した到着地の変更処理が行われることになる(図4参照)。
【0040】
一方、子タグYについては、荷物が当該空港に到着してリーダ/ライタ10で読み取り処理が行われると、ステップB3において、その子タグYに書き込まれている荷物IDが空港管理センター20に送信・通知される。
空港管理センター20では、メインサーバ21の記憶部204に記憶されているID情報の中から、リーダ/ライタ10から送信されてきた荷物IDに対応する到着IDを読み出し、その到着IDを問い合わせのあったリーダ/ライタ10側に送信する(本発明の到着地ID送信手段)。このメインサーバ21から送信される到着地IDは、本来の到着地を示すものであり、到着地に変更が合った場合には、変更後の到着地を示すものである。
【0041】
メインサーバ21から到着地IDを受信したリーダ/ライタ10では、受信した到着地IDと、子タグYから読み取られた到着地IDと比較する(ステップB5)。
比較の結果、到着地IDが一致する場合には、荷物に装着された子タグYは本来の到着地に到着したことになるので、到着処理は終了し、荷物は旅行者によって受け取られることになる(ステップB6)。
荷物の受け取り処理が終了すると、ステップB7において、到着処理が行われたリーダ/ライタ10から空港管理センター20に到着処理が終了したことを示す所定の情報が送信される(本発明の到着終了情報送信手段)。
この到着終了情報を受信した空港管理センター20では、到着処理が終了した荷物に対応する荷物ID及び到着地IDのデータをメインサーバ21の記憶部204から消去する(本発明のID消去手段)。
これで、到着処理は完了する。
【0042】
一方、ステップB5において、メインサーバ21から受信した到着地ID(例えば、変更後の空港Cを示す「C」)と、子タグYから読み取られた到着地ID(例えば、変更前の空港Bを示す「B」)との比較の結果、到着地IDが一致しない場合には、荷物に装着された子タグYは本来の到着地には到着していないことになるので、ステップB9において、子タグYの到着地IDを、メインサーバ21から受信した到着地IDに変更・更新する(本発明のタグID更新手段)。
また、このとき、処理が行われているリーダ/ライタ10では、ステップB10に示すように、メインサーバ21から送信された到着地IDと子タグYから読み取られた到着地IDとが異なることを示す所定の警告情報を出力することができる(本発明の警告情報出力手段)。
【0043】
例えば、リーダ/ライタ10に接続されたモニタ装置に「到着地の変更あり」といった警告表示や音声を出力する。また、本来の到着地のリーダ/ライタ10やその他の管理装置に警告情報としてメール送信することもできる。
これによって、荷物の到着地が変更されていること、その荷物が本来の到着地と異なる場所で到着処理にかけられたことが管理者、操作者等に報知されることになる。
その後は、到着地IDが更新された子タグYが荷物とともに、本来の到着地に向けて輸送・移動され(ステップB11)、その本来の到着地において、上述したB1からの到着処理が行われて、旅行者によって荷物が受け取られることになる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の旅行者荷物管理システム1によれば、リーダ/ライタ10が、他のリーダ/ライタ10との連携にもとづいて、親タグXと子タグYに書き込まれたIDを比較し、異なる場合にはそのIDを更新することができる。
これにより、旅行者の行き先が急遽変更となった場合でも、親タグXのデータを書き換えることで、子タグYのデータを自動的に同一データに更新するため、旅行者と荷物の行き先とを常に同期させ、荷物を確実に旅行者へ受け渡すことができるようになっている。
【0045】
また、複数のリーダ/ライタ10によってネットワークを構成し、相互の連携を通してシステムが効率よく機能するよう制御しているため、装置単体の簡素化や低コスト化が可能となっている。
また、親子のICタグによる照合を通して認証の精度が向上するため、荷物受け取り時の安全性に優れたシステムを構築することも可能である。
このように、本実施形態の旅行者荷物管理システム1を利用することにより、利用者が安心して荷物を預け、受け取ることができるようなサービス環境を提供することが可能となる。
【0046】
以上、本発明の旅行者荷物管理システムについて、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明にかかる旅行者荷物管理システムは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明の旅行者荷物管理システムは、航空輸送に限らず、船舶、鉄道などの輸送サービスにも適用することができる。すなわち、本発明は、旅行者と荷物とが別々に移動、輸送される運輸システムであれば、輸送の形態や方法等がどのようなものであっても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態に係る旅行者荷物管理システムの全体構成を示すネットワーク構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る旅行者荷物管理システムに備えられる、(a)はリーダ/ライタの基本構成を示すブロック図、(b)はメインサーバの基本構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る旅行者荷物管理システムにおいてIDタグに書き込まれ、メインサーバに登録されるID情報の一例を示す図であり、(a)は到着地が変更される前の情報、(b)は到着地が変更された後の情報である。
【図4】本発明の一実施形態に係る旅行者荷物管理システムの出発地空港における動作手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る旅行者荷物管理システムの到着地空港における動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
1 旅行者荷物管理システム
10 リーダ/ライタ
20 空港管理センター
21 メインサーバ
30 通信回線
X ICタグ(親タグ)
Y ICタグ(子タグ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICタグと、ICタグに対して所定のデータの書き込み/読み取りを行う複数のリーダ/ライタと、各リーダ/ライタと通信可能に接続されたメインサーバとを備え、
ICタグが、所定の荷物ID及び到着地IDが記憶される、旅行者側で所持される親タグ及び親タグに対応する旅行者の荷物側に取り付けられる子タグとからなり、
各リーダ/ライタは、
親タグ及び子タグに、所定の荷物ID及び到着地IDを書き込むとともに、旅行者の到着地が変更された場合には、親タグに変更後の到着地IDを書き込むID書き込み手段と、
親タグ及び子タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDを読み取るID読み取り手段と、
親タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDをメインサーバに送信するとともに、親タグの到着地IDが変更された場合には、変更前後の到着地IDをメインサーバに送信するID通知手段と、
子タグから読み取られた荷物IDをメインサーバに送信し、当該荷物IDに対応するメインサーバに記憶された到着地IDを受信する到着地ID受信手段と、
メインサーバから受信した到着地IDを、子タグから読み取られた到着地IDと比較し、到着地IDが異なる場合には、当該子タグの到着地IDをメインサーバから受信した到着地IDに書き換えるタグID更新手段と、を備え、
メインサーバは、
各リーダ/ライタから送信される親タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDを記憶するID記憶手段と、
各リーダ/ライタから送信される子タグから読み取られた荷物IDに対応する到着地IDをID記憶手段から読み出し、当該リーダ/ライタに送信する到着地ID送信手段と、を備える
ことを特徴とする旅行者荷物管理システム。
【請求項2】
各リーダ/ライタが、それぞれ一又は二以上の空港に備えられ、
メインサーバが、一又は二以上の空港を管理する空港管理センターに備えられる請求項1記載の旅行者荷物管理システム。
【請求項3】
各リーダ/ライタが、
メインサーバから送信された到着地IDと子タグから読み取られた到着地IDとが異なる場合に、所定の警告情報を出力する警告情報出力手段を備える請求項1又は2記載の旅行者荷物管理システム。
【請求項4】
各リーダ/ライタが、
親タグ及び/又は子タグから読み取られた到着地IDが、当該リーダ/ライタが設置された到着地を示す場合に、メインサーバに所定の到着終了情報を送信する到着終了情報送信手段を備え、
メインサーバが、各リーダ/ライタから所定の到着終了情報を受信すると、当該到着終了情報に係る親タグの荷物ID及び到着地IDをID記憶手段から消去するID消去手段を備える請求項1乃至3のいずれか一項に記載の旅行者荷物管理システム。
【請求項5】
メインサーバと通信可能に接続されるともに、所定の荷物ID及び到着地IDが記憶される、旅行者側で所持される親タグ及び親タグに対応する旅行者の荷物側に取り付けられる子タグとからなるICタグに対して、所定のデータの書き込み/読み取りを行うリーダ/ライタであって、
親タグ及び子タグに、所定の荷物ID及び到着地IDを書き込むとともに、旅行者の到着地が変更された場合には、親タグに変更後の到着地IDを書き込むID書き込み手段と、
親タグ及び子タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDを読み取るID読み取り手段と、
親タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDをメインサーバに送信するとともに、親タグの到着地IDが変更された場合には、変更前後の到着地IDをメインサーバに送信するID通知手段と、
子タグから読み取られた荷物IDをメインサーバに送信し、当該荷物IDに対応するメインサーバに記憶された到着地IDを受信する到着地ID受信手段と、
メインサーバから受信した到着地IDを、子タグから読み取られた到着地IDと比較し、到着地IDが異なる場合には、当該子タグの到着地IDをメインサーバから受信した到着地IDに書き換えるタグID更新手段と、を備える
ことを特徴とする旅行者荷物管理用リーダ/ライタ。
【請求項6】
メインサーバと通信可能に接続されるともに、所定の荷物ID及び到着地IDが記憶される、旅行者側で所持される親タグ及び親タグに対応する旅行者の荷物側に取り付けられる子タグとからなるICタグに対して、所定のデータの書き込み/読み取りを行うリーダ/ライタを構成するコンピュータを、
親タグ及び子タグに、所定の荷物ID及び到着地IDを書き込むとともに、旅行者の到着地が変更された場合には、親タグに変更後の到着地IDを書き込むID書き込み手段、
親タグ及び子タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDを読み取るID読み取り手段、
親タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDをメインサーバに送信するとともに、親タグの到着地IDが変更された場合には、変更前後の到着地IDをメインサーバに送信するID通知手段、
子タグから読み取られた荷物IDをメインサーバに送信し、当該荷物IDに対応するメインサーバに記憶された到着地IDを受信する到着地ID受信手段、
メインサーバから受信した到着地IDを、子タグから読み取られた到着地IDと比較し、到着地IDが異なる場合には、当該子タグの到着地IDをメインサーバから受信した到着地IDに書き換えるタグID更新手段、
として機能させるための旅行者荷物管理プログラム。
【請求項7】
旅行者側で所持される親タグ及び親タグに対応する旅行者の荷物側に取り付けられる子タグとからなICタグと、ICタグに対して所定のデータの書き込み/読み取りを行う出発地及び到着地に備えられるリーダ/ライタと、各リーダ/ライタと通信可能に接続されたメインサーバとによる旅行者荷物管理方法であって、
出発地に備えられるリーダ/ライタが、親タグ及び子タグに、所定の荷物ID及び到着地IDを書き込むとともに、旅行者の到着地が変更された場合には、親タグに変更後の到着地IDを書き込むステップ、親タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDをメインサーバに送信するとともに、親タグの到着地IDが変更された場合には、変更前後の到着地IDをメインサーバに送信するステップ、
メインサーバが、一のリーダ/ライタから送信される親タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDをID記憶手段に記憶させるステップ、
到着地に備えられるリーダ/ライタが、親タグ及び子タグに書き込まれた荷物ID及び到着地IDを読み取るステップ、子タグから読み取られた荷物IDをメインサーバに送信するステップ、
メインサーバが、到着地に備えられるリーダ/ライタから送信される子タグから読み取られた荷物IDに対応する到着地IDをID記憶手段から読み出し、当該リーダ/ライタに送信するステップ、
到着地に備えられるリーダ/ライタが、メインサーバから送信される到着地IDを受信するステップ、及びメインサーバから受信した到着地IDを、子タグから読み取られた到着地IDと比較し、到着地IDが異なる場合には、当該子タグの到着地IDをメインサーバから受信した到着地IDに書き換えるステップ、
とからなることを特徴とする旅行者荷物管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−254129(P2007−254129A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−83421(P2006−83421)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】