説明

旋回可能なサンプルホルダを備えた遠心分離装置

回転子と、ホルダと、遠心分離装置内にホルダを位置決めするための位置決め手段とを備え、前記ホルダが長手方向の回転軸線を有する回転子シャフトを備え、前記ホルダがアクセス端部とホルダ軸線を備えている遠心分離装置であって、
ホルダが回転子軸線を中心にして回転可能であり、ホルダ軸線が回転子シャフト軸線とゼロではない角度を形成していて、位置決め手段が、遠心分離装置内部において、ホルダのアクセス端部を正確に位置決めしている様式の遠心分離装置において、
位置決め手段が、回転子軸線に対してほぼ垂直である軸線を有する保持ピンを備え、この保持ピンが回転子軸線を中心にして回転可能であることを特徴とする遠心分離装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心分離装置、特に限定するわけではないが、ピペッティングロボットを採用しているシステムと互換性がある遠心分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心分離は、遠心力を使用して、成分の比重に応じて懸濁液及び混合液の成分を分離するのに用いられる。遠心分離装置は回転子から成り、この回転子は多数のサンプル容器を保持するのに適合したサンプルホルダを備えている。サンプルホルダは多数の管及びバケツの形状であり、これらはガラス瓶あるいはバケツの形をしたサンプル容器を収容するのに適合している。個別のホルダとして以下にふれている管あるいはバケツは、サンプルホルダの周囲に配置されている。回転子はモーターに取付けられている。使用の際、サンプル容器をサンプルホルダ内に装填し、回転子を高速で回転させて、サンプルの重い成分を回転子の外側に移動させる。用途に応じて、サンプルホルダは一定の角度にあっても、あるいは“旋回”型であってもよく、サンプルホルダは、その回転開始時に、回転子シャフトの軸線に対して角度のついたあるいは水平な位置まで旋回する。遠心分離は、広い分野において、実験的あるいは産業的な過程の両方において用いられる。極めて一般的な用途の一つ生物学の分野においてであり、この分野では、生物細胞をその液状媒体から分離するのに遠心分離が必要である。この工程は、細胞に関わる実験及び製造上の手順のほとんど全ての必要不可欠な部分である。
【0003】
生物細胞をその液状媒体から分離することに関連した手順を次々に行うことはさらに一般的になっており、従ってピペッティングロボットを採用しているシステムで使用するためのロボットプラットフォームで、遠心分離装置を使用できることは有利であることが多い。ピペッティングロボットは、容器から流体を自動的に抽出し、かつ流体の成分が遠心力で分離できるように、遠心分離装置の一部を形成している個別のホルダ内に保持される容器内に流体を移送するのに使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現存する遠心分離装置の問題は、回転後に、一つ以上の個別のホルダが、ホルダの予備回転位置に対してばらばらの位置に配置されていることである。これにより、ピペッティングロボットが、回転後に個別のサンプルの位置を特定することができないことから、このような遠心分離装置をピペッティングロボットと一緒に使用することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一の側面によれば、遠心分離装置が設けられており、
回転子と、ホルダと、遠心分離装置内にホルダを位置決めするための位置決め手段とを備え、前記ホルダが長手方向の回転軸線を有する回転子シャフトを備え、ホルダがアクセス端部とホルダ軸線を備えており、
ホルダは回転子軸線を中心にして回転可能であり、ホルダ軸線は回転子シャフト軸線とゼロではない角度を形成していて、位置決め手段は、遠心分離装置内部において、ホルダのアクセス端部を正確に位置決めしている遠心分離装置において、
位置決め手段は、回転子軸線に対してほぼ垂直である軸線を有する保持ピンを備え、この保持ピンは回転子軸線を中心にして回転可能である。
【0006】
ホルダはホルダ半径を備えており、保持ピンの軸線は、ホルダ半径よりも小さい間隔分だけ回転子軸線から間隔をおいて配置されているのが好ましい。
【0007】
遠心分離装置は二つの保持ピンを備え、これらの保持ピンが互いに同軸であるのは都合がよい。
【0008】
従って本発明により、保持される容器へのアクセスが可能なホルダの端部は、回転前後のどちらにおいても正確に位置決めされている。従って、本発明により、遠心分離装置、好ましくはロボットプラットフォームに容易に組み込むことができる単一サンプル装置が提供される。回転子は標準の市販のモーターにより駆動でき、液体の取扱いが頭上のロボットピペットにより制御される操作のために理想的に設計されている。
【0009】
保持ピンあるいは各保持ピンが回転子から延びているのは好ましい。各実施形態において、ホルダは一つあるいはそれ以上の保持ピンと係合可能な一つあるいはそれ以上の凹部を備えている。
【0010】
もう一つの選択肢としては、保持ピンあるいは各保持ピンが回転子から延びており、かつホルダのアクセス端部に向けて位置決めされている。
【0011】
従って本発明により、ホルダのアクセス端部は、ほぼ中央に置かれた位置で保持されているが、回転子軸線に交わる点からはずれている。本発明により、ホルダのアクセス端部は遠心分離過程を通してこの位置に維持することができる。言い換えると、たとえアクセス端部が回転時にこの位置から移動しても、容器のアクセス端部が遠心分離の前後どちらにおいてもこの位置に位置決めされることが保証される。
【0012】
さらに遠心分離装置はホルダを電気的に接地するための接地手段を備えているのが有利である。
接地手段は位置決め手段を介してホルダを接地に連結することにより、ホルダを電気的に接地するのが都合がよい。
【0013】
本発明による遠心分離装置が液体処理ロボットと一緒に使用されている場合、遠心分離装置はホルダ内の液体の高さを検出するのを必要とされることが多い。ホルダ内で液体の高さを検出することは、容量測定システムを使用して行われるのが一般的であり、測定電極は液体をホルダ内に投与するのに使用されるピペットを備えている。このような状況においては、正しい測定が得られ、従ってホルダ内での液体高さの正確な検出を行うことができるように、測定電極に近接した高品質の参照平面があることが重要である。
【0014】
高品質の参照平面は測定電極(ピペット)に近接して位置決めされるべきであり、かつ低抵抗接続により、容量測定システムに接続されるべきである。
【0015】
従って接地手段により、ホルダを電気的に接地するのは可能である。
【0016】
遠心分離装置が二つの保持ピンを備えている場合、この二つの保持ピンは互いにほぼ正反対に位置決めされているのが好ましい。
【0017】
ホルダは、ホルダ軸線が回転子軸線とほぼ平行であるが、回転子軸線からわずかにずれている静止位置と、ホルダ軸線が回転子軸線とゼロではない角度を形成する旋回位置とを有し、遠心分離装置がさらに旋回位置のゼロではない角度を制限するための第一停止ピンを備えているのが有利である。
【0018】
本発明により、単一の旋回型サンプルホルダは、ホルダのどちらか一方の側に位置決めされた保持ピンにより、遠心分離装置の中央に向けて吊下がられている。これにより、ホルダは保持ピンの軸線を中心にして旋回することができ、この軸線は回転子軸線に対して
ほぼ垂直であり、かつ回転子軸線と交差する。回転後、サンプルホルダは旋回してその初期位置に戻る。サンプルホルダの位置、従ってサンプル容器の位置が遠心分離の前後で固定されている事実により、標準の頭上のロボットピペットはサンプルの装填と抽出を行うことができる。さらにサンプルホルダの停止位置が垂直なので、サンプル容器に対してピペットは十分に支障なくアクセスすることができる。
【0019】
第一旋回ストップピンにより、サンプルホルダの旋回は確実に制限される。これにより、ある場合においては所望としていない回転子軸線に対する水平方向位置まで、サンプルホルダが旋回するのを防ぐことができる。
【0020】
さらに遠心分離装置は、反対の意味で、サンプルホルダの旋回範囲を同様に制限するための第二旋回ストップピンを備えているのが都合よい。
【0021】
もう一つの選択肢として、遠心分離装置は、ある意味でのホルダの旋回を阻止するための静止ストップを備えている。
サンプルに作用する相対的遠心力は、回転半径(サンプルと回転子の中心との間の距離)と回転速度の二乗との積により決定される。
【0022】
上記記載の本発明の実施形態において、遠心力はサンプルホルダの比較的小さいピン半径により制限される。しかしながら、このことは細胞沈降のような多くの応用例にとっては十分であろう。
【0023】
さらに遠心分離装置は、第一静止位置から、第二旋回位置まで保持ピンを案内するための案内手段を備え、第二旋回位置における保持ピンの位置が、第一静止位置の際の保持ピンの位置から間隔をおいて設けられており、かつ第一静止位置の際の保持ピンの位置に対してほぼ平行であるのが有利である。
【0024】
案内手段は、保持ピンあるいは各保持ピンが配置されている案内チャネルを備えているのがゆりである。
【0025】
一度回転が始まると、サンプルが旋回する前かあるいは旋回するのとほぼ同時に、遠心力により、サンプルホルダは第一位置から第二位置までスライドする。水平位置からの案内チャネルのわずかな角度付け、あるいは軽いバネの使用により、遠心分離機が停止した際、サンプルホルダは確実にその静止位置に戻り、かつロボットピペットによりアクセスにより確実にアクセスできる。本発明のこの実施形態により大きな遠心力が得られる。
【0026】
遠心分離においては、円滑な運転ができるように、かつロボットへの損傷を防ぐようにロボットのバランスを確実にとることが重要である。サンプル質量が小さく、遠心分離速度が低い多くの適用例において、回転子は効果的にバランスをとられている。しかしながら、サンプル質量が大きく、遠心分離速度が高いと、能動的に装置のバランスをとらなければならない。
【0027】
このような状況下においては本遠心分離装置はさらにバランスチューブの形で平衡部材を備えているのが有利である。バランスチューブは、サンプルホルダとして同じ保持ピンを中心にして自由に旋回し、かつサンプルホルダと相対する方向に旋回するように設けられている。
【0028】
本遠心分離装置は、さらに平衡部材の旋回を制限するための第一平衡部材ストップピンを備えているのが有利である。平衡部材ストップピンは、旋回ストップピンの位置に対して相当する位置に配置されている。バランスチューブはサンプルホルダとほぼ同じ質量を有しており、かつサンプル、容器、ホルダ及びサンプルチューブの全質量と同じ質量を有することができるように、水のような液体で満たすことができる。
【0029】
本遠心分離装置は、さらにバランスチューブが遠心分離装置の中央部に向かって運動するのを制限する第二平衡部材ストップピンを備えているのが好ましい。これにより、サンプルチューブは、静止位置にある際、確実に中央のピペットアクセス位置をとることができる。
【0030】
個別のホルダが容器に合わせた実体として描かれているが、位置決め手段がホルダを不要にするような、容器を直接収容するのに適合していることは知られている。
【0031】
本発明の第二の側面によれば、ロボットプラットフォームが設けられ、このロボットプラットフォームが遠心分離装置を備えており、
回転子と、ホルダと、遠心分離装置内にホルダを位置決めするための位置決め手段とを備え、前記ホルダが長手方向の回転軸線を有する回転子シャフトを備え、ホルダがアクセス端部とホルダ軸線を備えており、
ホルダは回転子軸線を中心にして回転可能であり、ホルダ軸線は回転子シャフト軸線とゼロではない角度を形成していて、位置決め手段は、遠心分離装置内部において、ホルダのアクセス端部を正確に位置決めしている遠心分離装置において、
位置決め手段が、回転子軸線に対してほぼ垂直である軸線を有する保持ピンを備え、この保持ピンが回転子軸線を中心にして回転可能である。
【0032】
本発明の第三の側面によれば、容器に材料を充填するための装置が設けられており、
回転子と、ホルダと、遠心分離装置内にホルダを位置決めするための位置決め手段とを備え、前記ホルダが長手方向の回転軸線を有する回転子シャフトを備え、ホルダがアクセス端部とホルダ軸線を備えており、
ホルダは回転子軸線を中心にして回転可能であり、ホルダ軸線は回転子シャフト軸線とゼロではない角度を形成していて、位置決め手段は、遠心分離装置内部において、ホルダのアクセス端部を正確に位置決めしている装置において、
位置決め手段が、回転子軸線に対してほぼ垂直である軸線を有する保持ピンを備え、この保持ピンが回転子軸線を中心にして回転可能である。
【0033】
容器に充填する装置が、さらにホルダを電気的に接地するための接地手段を備えているのは有利である。
【0034】
位置決め手段を介してホルダをアースに接続することにより、接地手段がホルダを電気的に接地するのは好ましい。
【0035】
位置決め手段を介してホルダをロボットプラットフォームに接続することにより、接地手段がホルダを電気的に接地するのは好ましい。
【0036】
このような装置では、ロボットピペットは測定電極を形成する。
【0037】
本発明の第四の側面によれば、容器に材料を充填するための装置、すなわち
回転子と、ホルダと、遠心分離装置内にホルダを位置決めするための位置決め手段とを備え、前記ホルダが長手方向の回転軸線を有する回転子シャフトを備え、ホルダがアクセス端部とホルダ軸線を備えており、
ホルダは回転子軸線を中心にして回転可能であり、ホルダ軸線は回転子シャフト軸線とゼロではない角度を形成していて、位置決め手段は、遠心分離装置内部において、ホルダのアクセス端部を正確に位置決めしている装置において、
位置決め手段が、回転子軸線に対してほぼ垂直である軸線を有する保持ピンを備え、この保持ピンが回転子軸線を中心にして回転可能である装置を使用して、ホルダ内部に配置された容器内に材料の一サンプルを移送するための方法が規定されており、
この方法は、
ピペットに材料を充填する工程と、
ピペットを容器に移動させる工程と、
材料を容器内に供給する工程とを備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明を添付の図に関してのみ、実施例を用いて詳しく説明する。
【実施例】
【0039】
図1を見ると、本発明の第一実施形態による遠心分離装置が参照符号2で示してある。遠心分離装置は回転子シャフト4と回転子体3とを備え、前記回転子シャフトは遠心分離装置の中心に位置しており、この回転子シャフトを中心にして遠心分離装置2は回転可能である。さらに遠心分離装置2はサンプル容器8を保持するのに適合したサンプルホルダ6を備えている。サンプルホルダは、回転子シャフト4の軸線に対して垂直な軸線を有する一つ以上の保持ピン10により、遠心分離装置に取付けられている。保持ピンは回転子シャフト4を中心にして回転可能である。サンプルホルダ6はアクセス端部12を備え、このアクセス端部により、例えばピペットによるサンプルホルダ6の内部へのアクセスが可能である。
【0040】
使用する際、(図示していない)モーターは、回転子シャフト4を中心にして遠心分離装置2を回転させる。遠心力によって、サンプルホルダ6は参照符号14で示した位置から、参照符号16で示した位置まで旋回する。
【0041】
静止位置14においてわかるように、サンプルホルダは回転子シャフトと一列に並んでいるが、これに反して旋回位置16において、サンプルホルダは回転子シャフト4に対して角度をなしている。
【0042】
サンプルホルダ6の旋回範囲は、旋回ストップピン18により制限されている。旋回ストップピンの位置はサンプルの特性に応じて変えることがある。
【0043】
ホルダ軸線は縦方向の回転子軸線からわずかにずれているか、あるいは回転開始時に、生じる遠心力によりホルダが良好に規定された方向にある角度で旋回するように、外側が重くなっている。これにより、少量の液体を扱う際に遠心分離中の回転子の正確なバランスが得られるように、回転子内における、適切な釣合おもりのバランスが計算できかつ説明することできる。
明らかなように、サンプルホルダ6のアクセス端部12は、保持ピン10により正確に位置決めされている。回転の前後どちらにおいても、サンプルホルダは位置14で示した静止位置をとる。そこにおいてアクセス端ブ12も同じ位置を有する。これにより、アクセス端部12の位置決めが回転前後のどちらにおいても一定であるので、ピペットロボットによるサンプルホルダへのアクセスが容易になる。
【0044】
さらに、サンプルホルダ6の縦方向軸線が静止位置の回転子軸線とほぼ平行なので、ピペットロボットは、サンプルホルダ6のアクセス端部12に対して支障なくアクセスできる。
【0045】
図2を見ると、本発明の第二実施形態が示してある。図1に関して記載された部品の類似の部品には、わかり易くする目的で、対応する参照符号を付与した。
【0046】
遠心分離装置2はさらに案内チャネル20を備え、この案内チャネルの内部で保持ピン10は可動である。使用時に、いったん遠心分離装置2の回転が始まると、サンプルホルダ6は静止位置14から図2には図示していない位置に移動し、この位置は静止位置14に対してほぼ平行であり、かつ静止位置14から間隔をおいて設けられている。この運動は案内チャネル20に沿った保持ピン10の運動を介して可能である。サンプルホルダ6は移動するので、遠心力の作用のために旋回し位置22をとる。大きな遠心力が必要なときに、この配設は好ましい。サンプルホルダ6の運動は旋回ストップピン18により制限される。
【0047】
図3を見ると、本発明の第三実施形態が示してある。さらに、わかり易くするために、図1及び2に示した実施形態に共通な部品には、対応する参照符号を付与した。遠心分離装置2はさらにバランスチューブ24を備え、このバランスチューブは円滑な運転を可能にするのに有利であり、かつサンプルの質量が回転子の質量に対して大きく、遠心速度が高い場合に、回転子の損傷を防ぐのにも有利である。バランスチューブは保持ピン10を中心にして自由に旋回し、かつサンプルホルダ6に対して反対方向に旋回するように配置されている。バランスチューブ24の運動は、バランスストップピン26により制限されており、このバランスストップピンは旋回ストップピン18に対して対応する角度で位置決めされている。バランスチューブは、サンプルホルダ6とほぼ同じ質量を有しており、かつサンプルホルダ、サンプルチューブ及びサンプルを組合わせたのと同じ質量を有するように水で満たすことができる。
【0048】
サンプルホルダ6が、静止位置にあるときに、中央のピペットのアクセス可能な位置を確実に占めるように、バランスチューブ24は、バランス静止停止ピン28により、遠心分離装置の中心に向かうその運動が制限される。
【0049】
サンプルホルダのバランスは図1に示した実施形態により明らかであるが、図2に示した実施形態のバランスは、同様な方法で達せられる。
【0050】
本発明による遠心分離装置は、液体処理ロボットと接続して使用される。このような状況において、液体検出機構は、さらにサンプル容器8内に収容された液体の高さを検出するために使用することもできる。液体の高さの検出は、容量測定法を使用して行われる。液体処理ロボットを使用した場合、液体はロボットにより制御されたピペットにより、サンプル容器8内に供給される。液体の高さの検出が、容量測定法を使用して行われる際、ピペットは測定電極を備えている。サンプル容器8内において液体の高さを正確に測定可能であるには、測定電極に近接した高品質の基準平面が確実にあることが必要である。
【0051】
図4を見ると、本発明の別の実施形態を示してある。図1〜3に示した部品に相当する部品には各々に応じて対応する参照符号を付与した。
【0052】
図4に示した実施形態において、(その一方だけを示した)二つの保持ピン10は、回転子体3から延びている。サンプルホルダ6は(一方だけを示した)二つの凹部38を備えている。保持ピン10はサンプルホルダ6に対して凹部38と係合可能である。
【0053】
液体の高さを正確に測定可能であるには、例えば一つ以上の保持ピン10を介したロボットプラットフォームを備えたアース信号に、サンプルホルダを接続するのが有利である。
【0054】
本発明のさらに別の実施形態を図5及び6に関連して以下に記載してある。これらの実施形態は、保持ピン10を介した、例えばロボットプラットフォームの形態で、アース信号にサンプルホルダ6を接続するためのアース手段を備えている。図1〜3に示した本発明の実施形態における部品に相当する遠心分離装置2の部品には、理解を容易にするために対応する参照符号を付与した。
【0055】
図5を見ると、本発明による遠心分離装置は、参照符号2で示してある。遠心分離装置はバネを負荷した棒体32を備え、このバネを負荷した棒体は遠心分離装置2に動力を供給するのに使用されるモーターの静的サイト(static site)20内に取付けられている。バネを負荷した棒体32は、遠心分離装置2の下方で、回転子シャフト4の一方の端部22と接触状態になるように回転子シャフト4の中心に向かって延びている。端部22はモーターの動作サイト(moving site)を備え、バネを負荷した棒体32はコール集電舟(coal collector shoe)34を介して端部22と接触する。回転子シャフト4は鉄でできているのが一般的である。しかしながら、回転子シャフト4とコール集電舟34の間で良好な接触を得るために、シャフトは真鍮でできているのが好ましい。例えば、シャフト4は一つ以上のネジを使用してシャフト4の端部に取付けられた真鍮の薄板から形成されていてもよい。
【0056】
図6を見ると、本発明の別の実施形態が示してある。この実施形態では、バネを負荷した棒体36は、回転子体3の下方に位置決めされるようにロボットプラットフォーム26上に直接取付けられている。したがって、バネを負荷した棒体36はモーターの静的サイトに接続している。この時バネを負荷した棒体36は回転子体3の下面側に沿って延びており、かつトロリーポールの形状をとる。コール集電舟34は、トロリーポールの端部に取付けられている。バネを負荷した棒体と回転子体3の間の良好な接触を得るために、コール集電舟は少なくとも一部が真鍮から形成されているのが好ましい。
【0057】
図5及び6の各々において図示した実施形態のどちらにおいても、サンプルホルダ6と、保持ピン10と、ロボットプラットフォーム26と、回転子体3とは、各々導電材料でできているか、あるいは部材間の電気的結合を達するために、それらの内部において、少なくともワイヤのような導電材料の通路を採用している。
【0058】
本発明の図示した二つの実施形態により、良好な電気的結合が達せられ、この電気的結合は、良好な参照平面を示す静的ロボットプラットフォーム26と、遠心分離装置の可動部である回転子体3との間で形成されている。
【0059】
図5及び6に示した二つの実施形態の間の大きな違いは、図5に示した実施形態では、シャフト4によりコール集電舟34に付される速度が、図6に示した実施形態のコール集電舟34に付される速度よりもかなり小さいことである。これは、図5に示した実施形態では、コール集電舟34がシャフト4の中心にだけ接触しているのに対して、図6に示した実施形態では、コール集電舟34が回転子体3と接触しているからである。従って、図6に示した実施形態のコール集電舟34の寿命は、図5に示した実施形態で使用されたコール集電舟34の寿命に比べて短い。
【0060】
図7を見ると、本発明による遠心分離装置の別の実施形態が示してある。
【0061】
ある状況においては、遠心分離装置2の運転により振動が生じる。感度の良好な部材がロボットプラットフォーム4上に位置決めされている場合、振動を最小限にすることが重要である。回転子体3の形状は、遠心分離装置2の運転中に受ける振動のレベルに影響を及ぼすことがある。
【0062】
さらに振動を最小にするには、わずかな負荷、すなわちサンプルホルダ6内に位置決めされたサンプル容器8内のわずかな流体を備えた回転子体3のバランス言い換えればカウンタウェイトと、サンプルホルダ6の旋回のわずかな角度とを計算しなければならない。
振動は、遠心分離装置が全体としてバランスがとれた場合に最小になる。
【0063】
さらに、ゴムのサスペンションは、遠心分離装置2内に搭載されている。図7に示した
実施形態では、四つのゴムのサスペンションが配置されており、遠心分離機がロボットプラットフォームと直接的および/または固い結合を全く有さないように、ゴムのサスペンションが一つ、モーターの各角隅部に位置決めされている。ゴムのサスペンションにより、
ロボットプラットフォーム26に伝達された残ったままの振動は、そのほとんどかあるいは全部が減衰する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】ピペッティングロボットと互換性がある、本発明による遠心分離装置の概略図である。
【図2】ピペッティングロボットと互換性がある、本発明の第二実施形態の概略図である。
【図3】ピペッティングロボットと互換性がある、本発明第三実施形態の概略図である。
【図4】保持ピンが回転子体から延びている本発明の第四実施形態の概略図である。
【図5】接地手段を備えている本発明の第四実施形態の概略図である。
【図6】接地手段を有している、本発明第五実施形態の概略図である。
【図7】振動吸収装置を採用している本発明第六実施形態の概略図である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心分離装置、特に限定するわけではないが、ピペッティングロボットを採用しているシステムと互換性がある遠心分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心分離は、遠心力を使用して、成分の比重に応じて懸濁液及び混合液の成分を分離するのに用いられる。遠心分離装置は回転子から成り、この回転子は多数のサンプル容器を保持するのに適合したサンプルホルダを備えている。サンプルホルダは多数の管及びバケツの形状であり、これらはガラス瓶あるいはバケツの形をしたサンプル容器を収容するのに適合している。個別のホルダとして以下にふれている管あるいはバケツは、サンプルホルダの周囲に配置されている。回転子はモーターに取付けられている。使用の際、サンプル容器をサンプルホルダ内に装填し、回転子を高速で回転させて、サンプルの重い成分を回転子の外側に移動させる。用途に応じて、サンプルホルダは一定の角度にあっても、あるいは“旋回”型であってもよく、サンプルホルダは、その回転開始時に、回転子シャフトの軸線に対して角度のついたあるいは水平な位置まで旋回する。遠心分離は、広い分野において、実験的あるいは産業的な過程の両方において用いられる。極めて一般的な用途の一つ生物学の分野においてであり、この分野では、生物細胞をその液状媒体から分離するのに遠心分離が必要である。この工程は、細胞に関わる実験及び製造上の手順のほとんど全ての必要不可欠な部分である。
【0003】
生物細胞をその液状媒体から分離することに関連した手順を次々に行うことはさらに一般的になっており、従ってピペッティングロボットを採用しているシステムで使用するためのロボットプラットフォームで、遠心分離装置を使用できることは有利であることが多い。ピペッティングロボットは、容器から流体を自動的に抽出し、かつ流体の成分が遠心力で分離できるように、遠心分離装置の一部を形成している個別のホルダ内に保持される容器内に流体を移送するのに使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現存する遠心分離装置の問題は、回転後に、一つ以上の個別のホルダが、ホルダの予備回転位置に対してばらばらの位置に配置されていることである。これにより、ピペッティングロボットが、回転後に個別のサンプルの位置を特定することができないことから、このような遠心分離装置をピペッティングロボットと一緒に使用することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一の側面によれば、遠心分離装置が設けられており、
回転子と、ホルダと、遠心分離装置内にホルダを位置決めするための位置決め手段とを備え、前記ホルダが長手方向の回転軸線を有する回転子シャフトを備え、ホルダがアクセス端部とホルダ軸線を備えており、
ホルダは回転子軸線を中心にして回転可能であり、ホルダ軸線は回転子シャフト軸線とゼロではない角度を形成していて、位置決め手段は、遠心分離装置内部において、ホルダのアクセス端部を正確に位置決めしている遠心分離装置において、
位置決め手段は、回転子軸線に対してほぼ垂直である軸線を有する保持ピンを備え、この保持ピンは回転子軸線を中心にして回転可能であり、および
ホルダはホルダ半径を備えており、保持ピンの軸線は、ホルダ半径よりも小さい間隔分だけ回転子軸線から間隔をおいて配置されている
【0006】
遠心分離装置は二つの保持ピンを備え、これらの保持ピンが互いに同軸であるのは都合がよい。
【0007】
従って本発明により、保持される容器へのアクセスが可能なホルダの端部は、回転前後のどちらにおいても正確に位置決めされている。従って、本発明により、遠心分離装置、好ましくはロボットプラットフォームに容易に組み込むことができる単一サンプル装置が提供される。回転子は標準の市販のモーターにより駆動でき、液体の取扱いが頭上のロボットピペットにより制御される操作のために理想的に設計されている。
【0008】
保持ピンあるいは各保持ピンが回転子から延びているのは好ましい。各実施形態において、ホルダは一つあるいはそれ以上の保持ピンと係合可能な一つあるいはそれ以上の凹部を備えている。
【0009】
もう一つの選択肢としては、保持ピンあるいは各保持ピンが回転子から延びており、かつホルダのアクセス端部に向けて位置決めされている。
【0010】
従って本発明により、ホルダのアクセス端部は、ほぼ中央に置かれた位置で保持されているが、回転子軸線に交わる点からはずれている。本発明により、ホルダのアクセス端部は遠心分離過程を通してこの位置に維持することができる。言い換えると、たとえアクセス端部が回転時にこの位置から移動しても、容器のアクセス端部が遠心分離の前後どちらにおいてもこの位置に位置決めされることが保証される。
【0011】
さらに遠心分離装置はホルダを電気的に接地するための接地手段を備えているのが有利である。
接地手段は位置決め手段を介してホルダを接地に連結することにより、ホルダを電気的に接地するのが都合がよい。
【0012】
本発明による遠心分離装置が液体処理ロボットと一緒に使用されている場合、遠心分離装置はホルダ内の液体の高さを検出するのを必要とされることが多い。ホルダ内で液体の高さを検出することは、容量測定システムを使用して行われるのが一般的であり、測定電極は液体をホルダ内に投与するのに使用されるピペットを備えている。このような状況においては、正しい測定が得られ、従ってホルダ内での液体高さの正確な検出を行うことができるように、測定電極に近接した高品質の参照平面があることが重要である。
【0013】
高品質の参照平面は測定電極(ピペット)に近接して位置決めされるべきであり、かつ低抵抗接続により、容量測定システムに接続されるべきである。
【0014】
従って接地手段により、ホルダを電気的に接地するのは可能である。
【0015】
遠心分離装置が二つの保持ピンを備えている場合、この二つの保持ピンは互いにほぼ正反対に位置決めされているのが好ましい。
【0016】
ホルダは、ホルダ軸線が回転子軸線とほぼ平行であるが、回転子軸線からわずかにずれている静止位置と、ホルダ軸線が回転子軸線とゼロではない角度を形成する旋回位置とを有し、遠心分離装置がさらに旋回位置のゼロではない角度を制限するための第一停止ピンを備えているのが有利である。
【0017】
本発明により、単一の旋回型サンプルホルダは、ホルダのどちらか一方の側に位置決めされた保持ピンにより、遠心分離装置の中央に向けて吊下がられている。これにより、ホルダは保持ピンの軸線を中心にして旋回することができ、この軸線は回転子軸線に対して
ほぼ垂直であり、かつ回転子軸線と交差する。回転後、サンプルホルダは旋回してその初期位置に戻る。サンプルホルダの位置、従ってサンプル容器の位置が遠心分離の前後で固定されている事実により、標準の頭上のロボットピペットはサンプルの装填と抽出を行うことができる。さらにサンプルホルダの停止位置が垂直なので、サンプル容器に対してピペットは十分に支障なくアクセスすることができる。
【0018】
第一旋回ストップピンにより、サンプルホルダの旋回は確実に制限される。これにより、ある場合においては所望としていない回転子軸線に対する水平方向位置まで、サンプルホルダが旋回するのを防ぐことができる。
【0019】
さらに遠心分離装置は、反対の意味で、サンプルホルダの旋回範囲を同様に制限するための第二旋回ストップピンを備えているのが都合よい。
【0020】
もう一つの選択肢として、遠心分離装置は、ある意味でのホルダの旋回を阻止するための静止ストップを備えている。
サンプルに作用する相対的遠心力は、回転半径(サンプルと回転子の中心との間の距離)と回転速度の二乗との積により決定される。
【0021】
上記記載の本発明の実施形態において、遠心力はサンプルホルダの比較的小さいピン半径により制限される。しかしながら、このことは細胞沈降のような多くの応用例にとっては十分であろう。
【0022】
さらに遠心分離装置は、第一静止位置から、第二旋回位置まで保持ピンを案内するための案内手段を備え、第二旋回位置における保持ピンの位置が、第一静止位置の際の保持ピンの位置から間隔をおいて設けられており、かつ第一静止位置の際の保持ピンの位置に対してほぼ平行であるのが有利である。
【0023】
案内手段は、保持ピンあるいは各保持ピンが配置されている案内チャネルを備えているのがゆりである。
【0024】
一度回転が始まると、サンプルが旋回する前かあるいは旋回するのとほぼ同時に、遠心力により、サンプルホルダは第一位置から第二位置までスライドする。水平位置からの案内チャネルのわずかな角度付け、あるいは軽いバネの使用により、遠心分離機が停止した際、サンプルホルダは確実にその静止位置に戻り、かつロボットピペットによりアクセスにより確実にアクセスできる。本発明のこの実施形態により大きな遠心力が得られる。
【0025】
遠心分離においては、円滑な運転ができるように、かつロボットへの損傷を防ぐようにロボットのバランスを確実にとることが重要である。サンプル質量が小さく、遠心分離速度が低い多くの適用例において、回転子は効果的にバランスをとられている。しかしながら、サンプル質量が大きく、遠心分離速度が高いと、能動的に装置のバランスをとらなければならない。
【0026】
このような状況下においては本遠心分離装置はさらにバランスチューブの形で平衡部材を備えているのが有利である。バランスチューブは、サンプルホルダとして同じ保持ピンを中心にして自由に旋回し、かつサンプルホルダと相対する方向に旋回するように設けられている。
【0027】
本遠心分離装置は、さらに平衡部材の旋回を制限するための第一平衡部材ストップピンを備えているのが有利である。平衡部材ストップピンは、旋回ストップピンの位置に対して相当する位置に配置されている。バランスチューブはサンプルホルダとほぼ同じ質量を有しており、かつサンプル、容器、ホルダ及びサンプルチューブの全質量と同じ質量を有することができるように、水のような液体で満たすことができる。
【0028】
本遠心分離装置は、さらにバランスチューブが遠心分離装置の中央部に向かって運動するのを制限する第二平衡部材ストップピンを備えているのが好ましい。これにより、サンプルチューブは、静止位置にある際、確実に中央のピペットアクセス位置をとることができる。
【0029】
個別のホルダが容器に合わせた実体として描かれているが、位置決め手段がホルダを不要にするような、容器を直接収容するのに適合していることは知られている。
【0030】
本発明の第二の側面によれば、ロボットプラットフォームが設けられ、このロボットプラットフォームが遠心分離装置を備えており、
回転子と、ホルダと、遠心分離装置内にホルダを位置決めするための位置決め手段とを備え、前記ホルダが長手方向の回転軸線を有する回転子シャフトを備え、ホルダがアクセス端部とホルダ軸線を備えており、
ホルダは回転子軸線を中心にして回転可能であり、ホルダ軸線は回転子シャフト軸線とゼロではない角度を形成していて、位置決め手段は、遠心分離装置内部において、ホルダのアクセス端部を正確に位置決めしている遠心分離装置において、
位置決め手段が、回転子軸線に対してほぼ垂直である軸線を有する保持ピンを備え、この保持ピンが回転子軸線を中心にして回転可能であり、および
ホルダはホルダ半径を備えており、保持ピンの軸線は、ホルダ半径よりも小さい間隔分だけ回転子軸線から間隔をおいて配置されている
【0031】
本発明の第三の側面によれば、容器に材料を充填するための装置が設けられており、
回転子と、ホルダと、遠心分離装置内にホルダを位置決めするための位置決め手段とを備え、前記ホルダが長手方向の回転軸線を有する回転子シャフトを備え、ホルダがアクセス端部とホルダ軸線を備えており、
ホルダは回転子軸線を中心にして回転可能であり、ホルダ軸線は回転子シャフト軸線とゼロではない角度を形成していて、位置決め手段は、遠心分離装置内部において、ホルダのアクセス端部を正確に位置決めしている装置において、
位置決め手段が、回転子軸線に対してほぼ垂直である軸線を有する保持ピンを備え、この保持ピンが回転子軸線を中心にして回転可能であり、および
ホルダはホルダ半径を備えており、保持ピンの軸線は、ホルダ半径よりも小さい間隔分だけ回転子軸線から間隔をおいて配置されている
【0032】
容器に充填する装置が、さらにホルダを電気的に接地するための接地手段を備えているのは有利である。
【0033】
位置決め手段を介してホルダをアースに接続することにより、接地手段がホルダを電気的に接地するのは好ましい。
【0034】
位置決め手段を介してホルダをロボットプラットフォームに接続することにより、接地手段がホルダを電気的に接地するのは好ましい。
【0035】
このような装置では、ロボットピペットは測定電極を形成する。
【0036】
本発明の第四の側面によれば、容器に材料を充填するための装置、すなわち
回転子と、ホルダと、遠心分離装置内にホルダを位置決めするための位置決め手段とを備え、前記ホルダが長手方向の回転軸線を有する回転子シャフトを備え、ホルダがアクセス端部とホルダ軸線を備えており、
ホルダは回転子軸線を中心にして回転可能であり、ホルダ軸線は回転子シャフト軸線とゼロではない角度を形成していて、位置決め手段は、遠心分離装置内部において、ホルダのアクセス端部を正確に位置決めしている装置において、
位置決め手段が、回転子軸線に対してほぼ垂直である軸線を有する保持ピンを備え、この保持ピンが回転子軸線を中心にして回転可能であり、および
ホルダはホルダ半径を備えており、保持ピンの軸線は、ホルダ半径よりも小さい間隔分だけ回転子軸線から間隔をおいて配置されている装置を使用して、ホルダ内部に配置された容器内に材料の一サンプルを移送するための方法が規定されており、
この方法は、
ピペットに材料を充填する工程と、
ピペットを容器に移動させる工程と、
材料を容器内に供給する工程とを備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明を添付の図に関してのみ、実施例を用いて詳しく説明する。
【実施例】
【0038】
図1を見ると、本発明の第一実施形態による遠心分離装置が参照符号2で示してある。遠心分離装置は回転子シャフト4と回転子体3とを備え、前記回転子シャフトは遠心分離装置の中心に位置しており、この回転子シャフトを中心にして遠心分離装置2は回転可能である。さらに遠心分離装置2はサンプル容器8を保持するのに適合したサンプルホルダ6を備えている。サンプルホルダは、回転子シャフト4の軸線に対して垂直な軸線を有する一つ以上の保持ピン10により、遠心分離装置に取付けられている。保持ピンは回転子シャフト4を中心にして回転可能である。サンプルホルダ6はアクセス端部12を備え、このアクセス端部により、例えばピペットによるサンプルホルダ6の内部へのアクセスが可能である。
【0039】
使用する際、(図示していない)モーターは、回転子シャフト4を中心にして遠心分離装置2を回転させる。遠心力によって、サンプルホルダ6は参照符号14で示した位置から、参照符号16で示した位置まで旋回する。
【0040】
静止位置14においてわかるように、サンプルホルダは回転子シャフトと一列に並んでいるが、これに反して旋回位置16において、サンプルホルダは回転子シャフト4に対して角度をなしている。
【0041】
サンプルホルダ6の旋回範囲は、旋回ストップピン18により制限されている。旋回ストップピンの位置はサンプルの特性に応じて変えることがある。
【0042】
ホルダ軸線は縦方向の回転子軸線からわずかにずれているか、あるいは回転開始時に、生じる遠心力によりホルダが良好に規定された方向にある角度で旋回するように、外側が重くなっている。これにより、少量の液体を扱う際に遠心分離中の回転子の正確なバランスが得られるように、回転子内における、適切な釣合おもりのバランスが計算できかつ説明することできる。
明らかなように、サンプルホルダ6のアクセス端部12は、保持ピン10により正確に位置決めされている。回転の前後どちらにおいても、サンプルホルダは位置14で示した静止位置をとる。そこにおいてアクセス端ブ12も同じ位置を有する。これにより、アクセス端部12の位置決めが回転前後のどちらにおいても一定であるので、ピペットロボットによるサンプルホルダへのアクセスが容易になる。
【0043】
さらに、サンプルホルダ6の縦方向軸線が静止位置の回転子軸線とほぼ平行なので、ピペットロボットは、サンプルホルダ6のアクセス端部12に対して支障なくアクセスできる。
【0044】
図2を見ると、本発明の第二実施形態が示してある。図1に関して記載された部品の類似の部品には、わかり易くする目的で、対応する参照符号を付与した。
【0045】
遠心分離装置2はさらに案内チャネル20を備え、この案内チャネルの内部で保持ピン10は可動である。使用時に、いったん遠心分離装置2の回転が始まると、サンプルホルダ6は静止位置14から図2には図示していない位置に移動し、この位置は静止位置14に対してほぼ平行であり、かつ静止位置14から間隔をおいて設けられている。この運動は案内チャネル20に沿った保持ピン10の運動を介して可能である。サンプルホルダ6は移動するので、遠心力の作用のために旋回し位置22をとる。大きな遠心力が必要なときに、この配設は好ましい。サンプルホルダ6の運動は旋回ストップピン18により制限される。
【0046】
図3を見ると、本発明の第三実施形態が示してある。さらに、わかり易くするために、図1及び2に示した実施形態に共通な部品には、対応する参照符号を付与した。遠心分離装置2はさらにバランスチューブ24を備え、このバランスチューブは円滑な運転を可能にするのに有利であり、かつサンプルの質量が回転子の質量に対して大きく、遠心速度が高い場合に、回転子の損傷を防ぐのにも有利である。バランスチューブは保持ピン10を中心にして自由に旋回し、かつサンプルホルダ6に対して反対方向に旋回するように配置されている。バランスチューブ24の運動は、バランスストップピン26により制限されており、このバランスストップピンは旋回ストップピン18に対して対応する角度で位置決めされている。バランスチューブは、サンプルホルダ6とほぼ同じ質量を有しており、かつサンプルホルダ、サンプルチューブ及びサンプルを組合わせたのと同じ質量を有するように水で満たすことができる。
【0047】
サンプルホルダ6が、静止位置にあるときに、中央のピペットのアクセス可能な位置を確実に占めるように、バランスチューブ24は、バランス静止停止ピン28により、遠心分離装置の中心に向かうその運動が制限される。
【0048】
サンプルホルダのバランスは図1に示した実施形態により明らかであるが、図2に示した実施形態のバランスは、同様な方法で達せられる。
【0049】
本発明による遠心分離装置は、液体処理ロボットと接続して使用される。このような状況において、液体検出機構は、さらにサンプル容器8内に収容された液体の高さを検出するために使用することもできる。液体の高さの検出は、容量測定法を使用して行われる。液体処理ロボットを使用した場合、液体はロボットにより制御されたピペットにより、サンプル容器8内に供給される。液体の高さの検出が、容量測定法を使用して行われる際、ピペットは測定電極を備えている。サンプル容器8内において液体の高さを正確に測定可能であるには、測定電極に近接した高品質の基準平面が確実にあることが必要である。
【0050】
図4を見ると、本発明の別の実施形態を示してある。図1〜3に示した部品に相当する部品には各々に応じて対応する参照符号を付与した。
【0051】
図4に示した実施形態において、(その一方だけを示した)二つの保持ピン10は、回転子体3から延びている。サンプルホルダ6は(一方だけを示した)二つの凹部38を備えている。保持ピン10はサンプルホルダ6に対して凹部38と係合可能である。
【0052】
液体の高さを正確に測定可能であるには、例えば一つ以上の保持ピン10を介したロボットプラットフォームを備えたアース信号に、サンプルホルダを接続するのが有利である。
【0053】
本発明のさらに別の実施形態を図5及び6に関連して以下に記載してある。これらの実施形態は、保持ピン10を介した、例えばロボットプラットフォームの形態で、アース信号にサンプルホルダ6を接続するためのアース手段を備えている。図1〜3に示した本発明の実施形態における部品に相当する遠心分離装置2の部品には、理解を容易にするために対応する参照符号を付与した。
【0054】
図5を見ると、本発明による遠心分離装置は、参照符号2で示してある。遠心分離装置はバネを負荷した棒体32を備え、このバネを負荷した棒体は遠心分離装置2に動力を供給するのに使用されるモーターの静的サイト(static site)20内に取付けられている。バネを負荷した棒体32は、遠心分離装置2の下方で、回転子シャフト4の一方の端部22と接触状態になるように回転子シャフト4の中心に向かって延びている。端部22はモーターの動作サイト(moving site)を備え、バネを負荷した棒体32はコール集電舟(coal collector shoe)34を介して端部22と接触する。回転子シャフト4は鉄でできているのが一般的である。しかしながら、回転子シャフト4とコール集電舟34の間で良好な接触を得るために、シャフトは真鍮でできているのが好ましい。例えば、シャフト4は一つ以上のネジを使用してシャフト4の端部に取付けられた真鍮の薄板から形成されていてもよい。
【0055】
図6を見ると、本発明の別の実施形態が示してある。この実施形態では、バネを負荷した棒体36は、回転子体3の下方に位置決めされるようにロボットプラットフォーム26上に直接取付けられている。したがって、バネを負荷した棒体36はモーターの静的サイトに接続している。この時バネを負荷した棒体36は回転子体3の下面側に沿って延びており、かつトロリーポールの形状をとる。コール集電舟34は、トロリーポールの端部に取付けられている。バネを負荷した棒体と回転子体3の間の良好な接触を得るために、コール集電舟は少なくとも一部が真鍮から形成されているのが好ましい。
【0056】
図5及び6の各々において図示した実施形態のどちらにおいても、サンプルホルダ6と、保持ピン10と、ロボットプラットフォーム26と、回転子体3とは、各々導電材料でできているか、あるいは部材間の電気的結合を達するために、それらの内部において、少なくともワイヤのような導電材料の通路を採用している。
【0057】
本発明の図示した二つの実施形態により、良好な電気的結合が達せられ、この電気的結合は、良好な参照平面を示す静的ロボットプラットフォーム26と、遠心分離装置の可動部である回転子体3との間で形成されている。
【0058】
図5及び6に示した二つの実施形態の間の大きな違いは、図5に示した実施形態では、シャフト4によりコール集電舟34に付される速度が、図6に示した実施形態のコール集電舟34に付される速度よりもかなり小さいことである。これは、図5に示した実施形態では、コール集電舟34がシャフト4の中心にだけ接触しているのに対して、図6に示した実施形態では、コール集電舟34が回転子体3と接触しているからである。従って、図6に示した実施形態のコール集電舟34の寿命は、図5に示した実施形態で使用されたコール集電舟34の寿命に比べて短い。
【0059】
図7を見ると、本発明による遠心分離装置の別の実施形態が示してある。
【0060】
ある状況においては、遠心分離装置2の運転により振動が生じる。感度の良好な部材がロボットプラットフォーム4上に位置決めされている場合、振動を最小限にすることが重要である。回転子体3の形状は、遠心分離装置2の運転中に受ける振動のレベルに影響を及ぼすことがある。
【0061】
さらに振動を最小にするには、わずかな負荷、すなわちサンプルホルダ6内に位置決めされたサンプル容器8内のわずかな流体を備えた回転子体3のバランス言い換えればカウンタウェイトと、サンプルホルダ6の旋回のわずかな角度とを計算しなければならない。
振動は、遠心分離装置が全体としてバランスがとれた場合に最小になる。
【0062】
さらに、ゴムのサスペンションは、遠心分離装置2内に搭載されている。図7に示した
実施形態では、四つのゴムのサスペンションが配置されており、遠心分離機がロボットプラットフォームと直接的および/または固い結合を全く有さないように、ゴムのサスペンションが一つ、モーターの各角隅部に位置決めされている。ゴムのサスペンションにより、
ロボットプラットフォーム26に伝達された残ったままの振動は、そのほとんどかあるいは全部が減衰する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】ピペッティングロボットと互換性がある、本発明による遠心分離装置の概略図である。
【図2】ピペッティングロボットと互換性がある、本発明の第二実施形態の概略図である。
【図3】ピペッティングロボットと互換性がある、本発明第三実施形態の概略図である。
【図4】保持ピンが回転子体から延びている本発明の第四実施形態の概略図である。
【図5】接地手段を備えている本発明の第四実施形態の概略図である。
【図6】接地手段を有している、本発明第五実施形態の概略図である。
【図7】振動吸収装置を採用している本発明第六実施形態の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転子と、ホルダと、遠心分離装置内にホルダを位置決めするための位置決め手段とを備え、前記ホルダが長手方向の回転軸線を有する回転子シャフトを備え、前記ホルダがアクセス端部とホルダ軸線を備えている遠心分離装置であって、
ホルダが回転子軸線を中心にして回転可能であり、ホルダ軸線が回転子シャフト軸線とゼロではない角度を形成していて、位置決め手段が、遠心分離装置内部において、ホルダのアクセス端部を正確に位置決めしている様式の遠心分離装置において、
位置決め手段が、回転子軸線に対してほぼ垂直である軸線を有する保持ピンを備え、この保持ピンが回転子軸線を中心にして回転可能であることを特徴とする遠心分離装置。
【請求項2】
ホルダがホルダ半径を備えており、保持ピンの軸線が、ホルダ半径よりも小さい間隔分だけ回転子軸線から間隔をおいて配置されていることを特徴とする請求項1記載の遠心分離装置。
【請求項3】
遠心分離装置が二つの保持ピンを備え、これらの保持ピンが互いに同軸であることを特徴とする請求項1または2に記載の遠心分離装置。
【請求項4】
保持ピンあるいは各保持ピンが回転子から延びており、かつホルダのアクセス端部に向けて位置決めされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項5】
保持ピンあるいは各保持ピンが回転子から延びていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項6】
さらにホルダを電気的に接地するための接地手段を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項7】
接地手段が、位置決め手段を介してホルダを接地に連結することにより、ホルダを電気的に接地するように構成されていることを特徴とする請求項6記載の遠心分離装置。
【請求項8】
ホルダが保持ピンと係合可能な一つ以上の凹部を備えていることを特徴とする請求項3または請求項1〜3のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項9】
さらに本装置の使用時に生じる振動を吸収するための吸収手段を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項10】
吸収手段が一つ以上のゴム部品を備えていることを特徴とする請求項9記載の遠心分離装置。
【請求項11】
二つの保持ピンが、互いにほぼ正反対に位置決めされていることを特徴とする請求項3または請求項1〜3のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項12】
ホルダが、ホルダ軸線が回転子軸線とほぼ平行である静止位置と、ホルダ軸線が回転子軸線とゼロではない角度を形成する旋回位置とを有し、遠心分離装置がさらに旋回位置のゼロではない角度を制限するための第一旋回ストップピンを備えていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項13】
第二旋回ストップピンを備えていることを特徴とする請求項12記載の遠心分離装置。
【請求項14】
さらに一方向において、保持ピンを中心にして、ホルダの回転を阻止するための静止ストッパを備えていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項15】
保持ピンが第二旋回位置にある場合に、保持ピンが第一静止位置の際の保持ピンの位置から間隔をおいて設けられており、かつ第一静止位置の際の保持ピンの位置に対してほぼ平行であるように、 さらに第一静止位置から、第二旋回位置まで保持ピンを案内するための案内手段を備えていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項16】
さらに平衡部材を備えていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項17】
さらに平衡部材ストップピンを備えていることを特徴とする請求項16記載の遠心分離装置。
【請求項18】
さらに平衡部材ストップピンを備えていることを特徴とする請求項17記載の遠心分離装置。
【請求項19】
ホルダがチューブを備えていることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項20】
ホルダがバケツを備えていることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか一つに記載の遠心分離装置を備えたロボットプラットフォーム。
【請求項22】
ロボットピペットと、請求項21によるロボットプラットフォームとを備えていることを特徴とする、容器に材料を充填するための装置。
【請求項23】
ピペットに材料を充填する工程と、
ピペットを容器に移動させる工程と、
材料を容器内に供給する工程とを備えていることを特徴とする請求項20の装置を使用して、ホルダの内側に配置された容器内にサンプル材料を移送する方法。
【請求項24】
添付の図に関してほぼ先に記載された遠心分離装置。
【請求項25】
添付の図に関してほぼ先に記載されたロボットプラットフォーム。
【請求項26】
添付の図に関してほぼ先に記載された装置。
【請求項27】
添付の図に関してほぼ先に記載された方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転子と、ホルダと、遠心分離装置内にホルダを位置決めするための位置決め手段とを備え、前記ホルダが長手方向の回転軸線を有する回転子シャフトを備え、前記ホルダがアクセス端部とホルダ軸線を備えている遠心分離装置であって、
ホルダが回転子軸線を中心にして回転可能であり、ホルダ軸線が回転子シャフト軸線とゼロではない角度を形成していて、位置決め手段が、遠心分離装置内部において、ホルダのアクセス端部を正確に位置決めしている様式の遠心分離装置において、
位置決め手段が、回転子軸線に対してほぼ垂直である軸線を有する保持ピンを備え、この保持ピンが回転子軸線を中心にして回転可能であること、及び
ホルダがホルダ半径を備えており、保持ピンの軸線が、ホルダ半径よりも小さい間隔分だけ回転子軸線から間隔をおいて配置されていることを特徴とする遠心分離装置。
【請求項2】
遠心分離装置が二つの保持ピンを備え、これらの保持ピンが互いに同軸であることを特徴とする請求項1記載の遠心分離装置。
【請求項3】
保持ピンあるいは各保持ピンが回転子から延びており、かつホルダのアクセス端部に向けて位置決めされていることを特徴とする請求項1または2に記載の遠心分離装置。
【請求項4】
保持ピンあるいは各保持ピンが回転子から延びていることを特徴とする請求項1または2に記載の遠心分離装置。
【請求項5】
さらにホルダを電気的に接地するための接地手段を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項6】
接地手段が、位置決め手段を介してホルダを接地に連結することにより、ホルダを電気的に接地するように構成されていることを特徴とする請求項5記載の遠心分離装置。
【請求項7】
ホルダが保持ピンと係合可能な一つ以上の凹部を備えていることを特徴とする請求項2記載の遠心分離装置。
【請求項8】
さらに本装置の使用時に生じる振動を吸収するための吸収手段を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項9】
吸収手段が一つ以上のゴム部品を備えていることを特徴とする請求項8記載の遠心分離装置。
【請求項10】
二つの保持ピンが、互いにほぼ正反対に位置決めされていることを特徴とする請求項2記載の遠心分離装置。
【請求項11】
ホルダが、ホルダ軸線が回転子軸線とほぼ平行である静止位置と、ホルダ軸線が回転子軸線とゼロではない角度を形成する旋回位置とを有し、遠心分離装置がさらに旋回位置のゼロではない角度を制限するための第一旋回ストップピンを備えていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項12】
第二旋回ストップピンを備えていることを特徴とする請求項11記載の遠心分離装置。
【請求項13】
さらに一方向において、保持ピンを中心にして、ホルダの回転を阻止するための静止ストッパを備えていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項14】
保持ピンが第二旋回位置にある場合に、保持ピンが第一静止位置の際の保持ピンの位置から間隔をおいて設けられており、かつ第一静止位置の際の保持ピンの位置に対してほぼ平行であるように、 さらに第一静止位置から、第二旋回位置まで保持ピンを案内するための案内手段を備えていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項15】
さらに平衡部材を備えていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項16】
さらに平衡部材ストップピンを備えていることを特徴とする請求項15記載の遠心分離装置。
【請求項17】
さらに平衡部材静止ストップピンを備えていることを特徴とする請求項16記載の遠心分離装置。
【請求項18】
ホルダがチューブを備えていることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項19】
ホルダがバケツを備えていることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一つに記載の遠心分離装置。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか一つに記載の遠心分離装置を備えたロボットプラットフォーム。
【請求項21】
ロボットピペットと、請求項20によるロボットプラットフォームとを備えていることを特徴とする、容器に材料を充填するための装置。
【請求項22】
ピペットに材料を充填する工程と、
ピペットを容器に移動させる工程と、
材料を容器内に供給する工程とを備えていることを特徴とする請求項21の装置を使用して、ホルダの内側に配置された容器内にサンプル材料を移送する方法。
【請求項23】
添付の図に関してほぼ先に記載された遠心分離装置。
【請求項24】
添付の図に関してほぼ先に記載されたロボットプラットフォーム。
【請求項25】
添付の図に関してほぼ先に記載された装置。
【請求項26】
添付の図に関してほぼ先に記載された方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−518271(P2006−518271A)
【公表日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518722(P2005−518722)
【出願日】平成16年2月23日(2004.2.23)
【国際出願番号】PCT/GB2004/000718
【国際公開番号】WO2004/073868
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(502113563)ソフィオン・バイオサイエンス・アクティーゼルスカブ (2)
【Fターム(参考)】