説明

既知データを有する複数の直交チャネルのためのサーチャー−WCDMAステップ2サーチ

【課題】W−CDMA(登録商標)の3ステップサーチ法のステップ2における、集積回路面積とパワー消費を低減させる効率的なサーチャーを提供する。
【解決手段】CDMAシステムのモバイル端末において、RFダウンコンバータにより受信されたI信号およびQ信号は、一次同期チャネル上の一次同期符号とを相関させる第1の相関器と、I信号およびQ信号と、二次同期チャネル上の二次同期符号とを相関させる第2の相関器412により、相関が行なわれ、エネルギー計算器405と最大エネルギー検出器406により、一次及び二次同期チャネルの両方と相関されたI信号およびQ信号を使用して、最も可能性の高いスクランブリング符号グループの二次同期符号を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にCDMA通信システムに関し、そしてより詳細にはステップ2のW−CDMAサーチングのための改善された方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス通信システムは、音声、データ、ビデオなど、様々なタイプの通信を提供する。これらのシステムは、符号分割多元接続(code division multiple access)(CDMA)、時分割多元接続(time division multiple access)(TDMA)など、異なる変調技術に基づいている。CDMAシステムは、増大されたシステム容量を含めて、他のタイプのシステムに優るある種の利点を提供する。
【0003】
CDMAシステムは、(1)「デュアルモード広帯域スペクトル拡散セルラシステムのためのTIA/EIA−95−B移動局−基地局互換性規格(TIA/EIA-95-B Mobile Station-Base Station Compatibility Standard for Dual-Mode Wideband Spread Spectrum Cellular System」(IS−95規格)、(2)「第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project)」(3GPP)と命名されたコンソーシアムによって提案され、そしてドキュメント番号3G TS 25.211、3G TS 25.212、3G TS 25.213、および3G TS 25.214を含むドキュメントの組で実施される規格(W−CDMA規格)、(3)「第3世代パートナーシッププロジェクト2(3rd Generation Partnership Project 2)」(3GPP2)と命名されたコンソーシアムによって提案され、そして「cdma2000スペクトル拡散システムのためのC.S0002−A物理レイヤ規格(C.S0002-A Physical Layer Standard for cdma2000 Spread Spectrum Systems)」と、「cdma2000スペクトル拡散システムのためのC.S0005−A上位レイヤ(レイヤ3)シグナリング規格(C.S0005-A Upper Layer (Layer 3) Signaling Standard for cdma2000 Spread Spectrum Systems)」と、「C.S0024 cdma2000高レートパケットデータエアインターフェース仕様(C.S0024 cdma2000 High Rate Packet Data Air Interface Specification)」とを含むドキュメントの組で実施される規格(cdma2000規格)、(4)他のいくつかの規格など、1つまたは複数のCDMA規格をサポートするように設計され得る。
【0004】
疑似ランダムノイズ(Pseudorandom noise)(PN)シーケンスは、送信されたパイロット信号を含む、送信されたデータを拡散するためのCDMAシステムにおいて一般に使用される。PNシーケンスの単一の値を送信するために必要とされる時間は、チップ(chip)として知られており、そしてチップが変化するレートは、チップレートとして知られている。CDMAレシーバは、一般にRAKE(レーク)レシーバを使用する。レークレシーバ(rake receiver)は、一般的に、1つまたは複数の基地局からの直接およびマルチパスのパイロットを見つけるための1つまたは複数のサーチャー(searchers)と、これらの基地局からの情報信号を受信し組み合わせるための2つ以上のマルチパス復調器(フィンガ (fingers))とから構成される。
【0005】
直接シーケンスCDMAシステムの設計に固有であるのは、レシーバが、そのPNシーケンスを基地局のシーケンスに位置合わせする必要があるという要求である。W−CDMA規格によって定義されるシステムなど、いくつかのシステムは、一次スクランブリング符号として知られている、おのおのについて固有のPN符号を使用して基地局を区別する。W−CDMA規格は、ダウンリンクをスクランブルするための2つのゴールド符号シーケンス(Gold code sequences)を定義し、1つは、同相成分(I)についてであり、他の1つは直交成分(quadrature)(Q)についてである。IとQとのPNシーケンスは、一緒に、データ変調なしにセル全体を通してブロードキャストされる。このブロードキャストは、共通パイロットチャネル(common pilot channel)(CPICH)と呼ばれる。生成されるPNシーケンスは、38,400チップの長さに切り取られる。38,400チップの期間は、無線フレームと呼ばれる。各無線フレームは、スロットと呼ばれる15個の等しいセクションに分割される。W−CDMA基地局は、互いに非同期に動作するので、1つの基地局のフレームタイミングの知識は、他の任意の基地局のフレームタイミングの知識にはならない。この知識を得るために、W−CDMAシステムは、同期チャネルとセルサーチング技術とを必要とする。
【0006】
次に図1を参照すると、チャートは、同期化を実行するためにW−CDMAシステムにおいて利用される様々な同期チャネルを示している。これらのチャネルは、一次同期符号 (Primary Synchronization Code)(PSC)を用いて符号化される一次同期チャネル(Primary Synchronization Channel)(一次SCH)を含んでいる。PSCの目的は、スロットタイミングを提供することである。スロット当たり16個の可能な二次同期符号(Secondary Synchronization Codes)(SSC)のうちの1つを用いて符号化される二次同期チャネル(Secondary Synchronization Channel)(二次SCH)もまた、存在する。長さ15のSSCシーケンスは、符号グループとフレームタイミングとを識別する。一次スクランブリング符号を用いてスクランブルされる共通パイロットチャネル(CPICH)もまた、存在する。CPICHは、一次スクランブリング符号を得るために利用される。図1から、一次SCHと二次SCHとは、スロット0からスロット14と番号づけられた15個のスロットに分割されること、および各スロットが、2560チップであることが理解できよう。PSCとSSCとの両方は、256チップの長さである。セル内には、一次共通制御物理チャネル(Primary Common Control Physical Channel)(PCCPCH)も存在し、そしてそれは、複数のユーザに対し、同期化及びブロードキャスト情報を搬送するために使用される。一次CCPCHは、各スロットの最初の256チップの間には送信されない。その代わりに、一次SCHと二次SCHとは、この期間中に送信され、残りは、ブロードキャストメッセージのために使用される。
【0007】
512個の一次符号のおのおのについてオフセット(それらの38,400)毎にW−CDMA基地局オフセットをサーチすることが可能である。しかしながら、これは、そのようなサーチが必要とする時間が非常に長いために実用的ではない。その代わりに、W−CDMA規格は、モバイル端末が効率よくサーチできるよう支援するために、基地局が一次SCHと二次SCHとを送信することを要求する。結果として、W−CDMAセルサーチは、3つのステップで実行される。
【0008】
初期の獲得では、3−ステップのW−CDMAサーチ技術は、低減されたサーチ時間の観点から、各スクランブリング符号についてのPN空間全体をサーチする非実用的な代替案を超えた実質的な性能向上を提供する。検出の確率とサーチ時間とは、CDMAシステムの品質を決定する際の重要なメトリクス(metrics)である。低減されたサーチ時間、またはより高い検出確率は、サーチが、より高速に、あるいはより低い頻度で行われることができることを意味する。したがって、加入者ユニットは、より少ないパワーを使用して、より高速に、あるいはより高い信頼性で、最良の使用可能なセルを見つけてアクセスすることができ、その結果、基地局と加入者ユニットとの両方による、多くの場合に低減された送信パワーレベルにおける、よりよい信号の送信と受信とをもたらす。これは、次に、(増大されたユーザ数のサポート、より高い送信レートのサポート、またはそれらの両方のサポートのうちのいずれかの観点から)CDMAシステムの容量を増大させる。さらに、加入者ユニットがアイドルモード、加入者ユニットが、音声またはデータをアクティブに送信または受信していないが、システムを定期的に監視している場合の低パワー状態、にあるときに、低減されたサーチ時間はまた有利でもある。低減されたサーチ時間は、加入者ユニットが、低パワー状態でより多くの時間を費やすことを可能にし、それ故にパワー消費を低減させ、そしてスタンバイ時間を増大させる。
【0009】
従来の3ステップのセルサーチング技術(cell searching technique)においては、ステップ2は、SSC信号だけを使用して実行される。そのようなセルサーチング技術の1つは、その全体がここにおいて参照によって組み込まれており、そして本願の譲受人に譲渡された「ステップ2のW−CDMAサーチングのための方法および装置(Method and apparatus for step two W-CDMA searching)」という名称のラオ等(Rao, et al.)による米国特許第6,768,768号の中で説明される。’768特許は、第2のサーチングステップを改善するためのいくつかの実施形態を開示している。’768特許の一実施形態においては、複数の符号またはSSCが、各符号/スロット境界対に対応する符号/スロットエネルギーを生成するために、複数のオフセットにおいて受信信号と相互に関連づけられる。符号/スロットのエネルギーの固有のサブセットは、符号シーケンスエネルギーを生成するために合計され、これらの符号シーケンスエネルギーの最大値は、見つけられた符号シーケンスとスロット境界とを示す。’768特許の別の実施形態においては、相関は、受信信号と共通シーケンスとをサブ相関させること(sub-correlating)と、それらの結果に対して高速アダマール変換(Fast Hadamard Transform)(FHT)を実行することとにより実行される。さらに別の実施形態においては、1つのサブ相関器(sub-correlator)は、複数のピークを同時にサーチするために使用されることができる。
【0010】
次に図2を参照すると、ブロック図は、従来のステップ2サーチアルゴリズムのうちの1つを実行するためのラオ(Rao)’768特許のハードウェアを示している。図1は、相関器510に入るIサンプルとQサンプルとを有するサーチャー430を示しており、それらは、16個のSSCのおのおのと相互に関連づけられる。相関器510は、サブ相関器520と、FHT530と、エネルギー計算器535と、を含む。サブ相関器520は、FHT530に渡す長さ−16のサブ相関シーケンスを生成する。相関器510の結果は、メモリ540に記憶される。複数のフレームについてのエネルギー結果は、累積され、そしてメモリ540に記憶されることができる。加算器550は、各スロットの仮説についてのあらかじめ決定されたSSCシーケンスに応じてメモリ540の中からSSC/スロットのエネルギー値を読み取る。SSC/スロットのエネルギーは、SSCシーケンスエネルギーを生成するために加算される。SSCシーケンスエネルギーは、最大エネルギーの検出のために最大エネルギー検出器560に対して送付され、この最大エネルギーは、最も可能性の高いスクランブリング符号グループとフレームタイミングとに対応する。加算器550と最大エネルギー検出器560とは、1つの回路の中で組み合わされることができ、あるいは両方の機能は、DSPの中で実行されることができる。
【0011】
別のセルサーチング技術は、その全体がここにおいて組み込まれている「W−CDMAにおけるセルサーチ」、通信における選択エリアについてのIEEEジャーナル、18巻、発行8、2000年8月、1470〜1482ページ("Cell search in W-CDMA", IEEE Journal on Selected Areas in Communications, Vol 18, Issue 8, Aug 2000, page 1470-1482)という名称のY.−P.E ワング、T.オットソン(Y.-P.E Wang, T. Ottosson)による論文の中で説明される。この技術においては、著者等は、SSC相関の位相を補正するためにPSC相関の位相を使用してコヒーレントな検出法を提案した。そのアイデアは、ランダム位相φkが、PSC相関を使用して推定できることである。次いで、この推定された位相は、SSC相関の位相補正をするために使用できる。
【0012】
サーチ時間を低減させるように設計されたW−CDMAサーチャーは、モバイル端末の速度と性能とを改善することになる。しかしながら、さらに、インプリメンテーションの効率もまた、集積回路面積とパワー消費とを低減させるために重要である。上記に説明された3ステップサーチ法のステップ2は、複雑なプロシージャであり、それ故にステップ2のW−CDMAサーチングを実行することができる効率的なサーチャーについての必要性が当技術分野において存在する。
【発明の概要】
【0013】
本発明の例示の実施形態は、ステップ2のW−CDMAサーチングのためのシステムおよび方法を対象としている。
【0014】
したがって、本発明の一実施形態は、二次同期符号をサーチする方法を含むことができ、該方法は、一次同期チャネルと二次同期チャネルとの両方を相関させることと、正しい二次同期符号について、一次同期チャネルと二次同期チャネルとの関数である第1の推定値を得ることと、正しくない二次同期符号について、一次同期チャネルの関数である第2の推定値を得ることと、を備える。
【0015】
別の実施形態は、少なくとも一次同期チャネルおよび二次同期チャネルを含むCDMAシステムにおける同期チャネルのサーチを実行し、I信号およびQ信号と、一次同期符号および二次同期符号との相関を実行する相関器と、該相関器の出力に応答するエネルギー計算器と、該エネルギー計算器に応答し、最も可能性の高いスクランブリング符号グループの二次同期符号を検出する最大エネルギー検出器と、を備える回路を含むことができる。
【0016】
別の実施形態は、CDMAシステムにおけるモバイル端末を含むことができ、該モバイル端末は、I信号およびQ信号を受信するRFダウンコンバータと;該I信号及び該Q信号に応答するサーチャーとを備え、該サーチャーは、I信号およびQ信号と、一次同期符号とを相関させる第1の相関器と、I信号およびQ信号と、二次同期符号とを相関させる第2の相関器と、二次同期符号のおのおのについて、第1の相関器と第2の相関器とからのI信号およびQ信号の相関された信号を加算する第1の加算器と、第1の加算器の出力に応答するエネルギー計算器と、エネルギー計算器に応答し、最も可能性の高いスクランブリング符号グループの二次同期符号を検出する最大エネルギー検出器と、を含む。
【0017】
別の実施形態は、少なくとも一次同期チャネルおよび二次同期チャネルを含むWCDMAシステムにおける同期チャネルのサーチを実行する回路を含むことができ、該回路は、I信号およびQ信号と、一次同期符号および二次同期符号との相関を実行する相関器手段と、前記相関器手段の出力に応答してエネルギー計算を実行する手段と、最も可能性の高いスクランブリング符号グループの二次同期符号を決定するために最大エネルギーを検出する手段と、を備える。
【0018】
別の実施形態は、少なくとも一次同期チャネルおよび二次同期チャネルを含むWCDMAシステムにおける同期チャネルのサーチを実行するための回路を含むことができ、該回路は、一次同期符号入力と二次同期符号入力とを加算する手段と、I信号およびQ信号と、加算された一次同期符号入力と二次同期符号入力との相関を実行する相関器手段と、前記相関器手段の出力に応答して、エネルギー計算を実行する手段と、最も可能性の高いスクランブリング符号グループの二次同期符号を決定するために最大エネルギーを検出する手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、W−CDMAシステムにおける様々な同期チャネルを示すチャートである。
【図2】図2は、従来のステップ2サーチアルゴリズムを実行するためのハードウェアのブロック図である。
【図3】図3は、新規のステップ2サーチアルゴリズムを実行するためのワイヤレスデバイスのブロック図である。
【図4A】図4Aは、新規のステップ2サーチアルゴリズムを実行するための一般化されたアルゴリズムのブロック図である。
【図4B】図4Bは、新規のステップ2サーチアルゴリズムを実行するための代替アルゴリズムのブロック図である。
【図5】図5は、新規のステップ2サーチアルゴリズムを実行するためのハードウェアのブロック図である。
【図6】図6は、周波数エラーのないAWGN(「加法性ホワイトガウスノイズ」)の下での様々なアルゴリズムのパフォーマンスを示すグラフである。
【図7】図7は、−3.6kHzの周波数エラーを有するAWGNの下での様々なアルゴリズムのパフォーマンスを示すグラフである。
【図8】図8は、単一パス高速フェージングシナリオにおける様々なアルゴリズムのパフォーマンスを示すグラフである。
【図9】図9は、AWGNの下での従来のアルゴリズムとは異なる累積長さ(3、2、1フレーム)を有する新規のアルゴリズムのパフォーマンスを示すグラフである。
【図10】図10は、周波数エラーと可変な累積長さとを有する、AWGNの下での様々なアルゴリズムのパフォーマンスを示すグラフである。
【図11】図11は、単一パス、高速フェージング、及び可変累積長さにおける様々なアルゴリズムのパフォーマンスを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
添付図面は、本発明の実施形態の説明において助けをするように提示され、そして実施形態の例証のためだけに提供され、そしてその限定ではない。
【0021】
本発明の態様は、本発明の特定の実施形態に向けられた以下の説明と関連した図面との中で開示される。代替実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく考案されることができる。さらに、本発明のよく知られている要素は、本発明の関連のある詳細をあいまいにしないようにするために、詳細には説明されず、あるいは省略されるであろう。
【0022】
「例示(exemplary)」という言葉は、ここにおいて「1つの例、インスタンス、または例証(illustration)としての役割を果たすこと」を意味するために使用される。ここにおいて「例示」として説明されるどのような実施形態も、必ずしも他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきであるとは限らない。同様に、用語「本発明の実施形態」は、本発明のすべての実施形態が、論じられた特徴、利点、または動作のモードを含むことを必要とはしていない。
【0023】
さらに、多数の実施形態が、例えば、コンピューティングデバイスの要素によって実行されるべきアクションのシーケンスの観点から説明される。ここにおいて説明される様々なアクションは、特定の回路(例えば、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuits)(ASIC))により、1つまたは複数のプロセッサによって実行されているプログラム命令により、あるいは両方の組合せにより、実行されることができることが、認識されるであろう。さらに、ここにおいて説明されるアクションのこれらのシーケンスは、実行のすぐ後に、関連するプロセッサに、ここにおいて説明される機能を実行するようにさせることになる対応する1組のコンピュータ命令を記憶している任意の形態のコンピュータ可読ストレージ媒体内において、完全に実施されるように考えられることができる。したがって、本発明の様々な態様は、いくつかの異なる形態で実施されることができ、これらの形態のすべては、特許請求の範囲の主題の範囲内にあるように企図されている。さらに、ここにおいて説明される実施形態のおのおのでは、対応する形態のそのような任意の実施形態は、ここにおいて、例えば、説明されたアクションを実行するように「構成されたロジック」として説明されることができる。
【0024】
この明細書の中で利用される頭字語およびシンボルの用語集が、下記にリストアップされる。
【0025】
AWGN−加法性ホワイトガウスノイズ
bpg−ブロック処理グループ(Block Processing Group)
CD−コヒーレント検出(Coherent Detection)
CDMA−符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)
conv−従来の(conventional)
CPICH−共通パイロットチャネル(Common Pilot Channel)
CSIM−ソフトウェアシミュレーションプログラム(A software simulation program)dB−デシベル
DSP−デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor)
FHT−高速アダマール変換(Fast Hadamard Transform)
fe−周波数エラー(Frequency error)
GHz−ギガヘルツ
−信号のない仮説
−信号とSSCグループiとを有する仮説
JPH−共同位相および仮説(Joint Phase and Hypothesis)
k−スロット番号
kHz−キロヘルツ
km/h−毎時キロメートル
Matlab(登録商標)−商用の数学/シミュレーションプログラム
ms−ミリ秒
Nc−スロットの単位の形の累積長さ
ppm−百万分の一
PSC−一次同期符号
Re−実数部(Real part)
SCH−同期チャネル(Synchronization Channel)
SSC−二次同期符号
Step1−CDMAセルサーチのステップ1
Step2−CDMAセルサーチのステップ2
Step3−CDMAセルサーチのステップ3
TDMA−時分割多元接続(Time Division Multiple Access)
W−CDMA−広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access)
−チャネル利得
φ−ランダム位相
σ−ノイズパワー
−i.i.d.複素AWGNノイズベクトル(The i.i.d. complex AWGN noise vector)
−スロット番号kにおいて受信される最初の256−チップの信号
発明の実施形態は、WCDMAセルサーチステップ2についてのアルゴリズムを含んでいる。新規のアルゴリズムは、同じ累積長さが使用される場合に、従来の方法よりも性能が優れている。理論的分析、ならびに性能利得を実証するシミュレーション結果もまた、提供される。ステップ2サーチ時間は、30msから20msへと低減され、そして検出確率は、低減されたサーチ時間を用いてさえも増大される(例えば、−9dBのジオメトリにおいて10%)。
【0026】
次に図3を参照すると、ブロック図は、本発明の新規なステップ2サーチアルゴリズムを実行するためのモバイル端末300を示している。モバイル端末ユニット300の複数のコンポーネントのうちのサブセットだけが示されている。信号はアンテナ310で受信され、そして増幅、ダウンコンバージョン、およびサンプリングのためにRFダウンコンバートブロック(RF downconvert block)320に渡される。CDMA信号をベースバンドへとダウンコンバートするための様々な技術が、当技術分野において知られている。RFダウンコンバートブロック320から、IサンプルおよびQサンプルが、サーチャー330へと渡される。サーチャー330は、デジタル信号プロセッサ(DSP)340と通信している。DSPを使用することに対する代替案は、別のタイプの汎用プロセッサ、または新規なサーチアルゴリズムに関連した様々なタスクを実行するように設計された専用ハードウェアを使用することを含んでいる。
【0027】
本発明の実施形態は、フェージングと位相とは、256チップである1つのブロック処理グループ(以下、「bpg」と呼ぶ)上で一定であることを仮定している。信号が存在することが、仮定される。偽アラームシナリオが、以下で説明される。yを、スロット番号kにおいて受信される最初の256−チップの信号を示す。それは、次式のように記述できる:
【数1】

【0028】
ここで、αは、チャネル利得の大きさであり、φは、周波数エラーと、初期位相オフセットと、チャネル利得位相とに起因したランダム位相である。Hは、64×15の仮説(15個の可能なフレーム境界を有する64個の符号グループ)のうちの1つである。PSCおよびSSCk,iは、仮説iの場合のスロットkにおける複素同期符号(complex synchronization code)である。nは、256個の要素を有するi.i.d.複素AWGNノイズベクトルである。各複素要素(complex element)は、σのノイズパワーを含んでいる。さらに、
【数2】

【0029】
は、Nc個のスロットの信号ベクトルであると定義され、ここでNcは、累積長さである。現在、Ncは、45(3フレーム)に設定されている。yが与えられると、最も可能性の高い仮説に関して決定がなされる。
【0030】
SSCだけが相関を計算するために使用される場合、検出判断基準は、
【数3】

【0031】
になる。
【0032】
位相および仮説の結合推定は、以下のように実行できる。ランダム位相のベクトルに対して、
【数4】

【0033】
を定義する。このとき、信号が存在するときの条件付き確率は、次式となる。
【数5】

【0034】
式(3)は、さらに、次式にように簡略化することができる。
【数6】

【0035】
ここで、次式であることは明らかである。
【数7】

【0036】
与えられたHでは、和の内部の項を最大にするために、各スロットkについてのφは、次式のように選択する必要がある。
【数8】

【0037】
従って、次式のようになる。
【数9】

【0038】
式(6)から、PSCをもつ入力サンプルとSSCをもつ入力サンプルとの相関の計算と、各スロットについての当該2つの結果の加算とが、実行できる。しかしながら、チャネル利得aの大きさは、知られていない。チャネル利得は、
【数10】

【0039】
に基づいて推定することができ、これは、正しい仮説の場合に、aに比例している。したがって、式(6)は、次式のように変形できる。
【数11】

【0040】
式(7)は、正しい仮説に対し別の解釈を有すると考えられることもできる。
【数12】

【0041】
ノイズが無視される場合、結果は、次式となる。
【数13】

【0042】
正しくない仮説の場合には、
【数14】

【0043】
であり、そして、ノイズが無視される場合に、次式となる。
【数15】

【0044】
したがって、
【数16】

【0045】
は、実質的に、チャネル利得と位相との推定値を提供する。さらに、
【数17】

【0046】
であるので、それは、正しい仮説の場合に、チャネル利得を2という別のファクタだけスケーリングする。したがって、式(7)のアルゴリズムは、上述のWang及びOttosonのコヒーレント検出技術よりも性能がよい。
【0047】
正しい仮説の下でのJPH推定についての期待値は、PSCとSSCとの関数であることに注意すべきである。
【数18】

【0048】
一方、正しくない仮説の下でのJPH推定についての期待値は、PSCの関数のみである。
【数19】

【0049】
これは、Wang及びOttosonのコヒーレント検出技術とは異なっており、このコヒーレントな検出技術では、正しい仮説の場合の期待値は、
【数20】

【0050】
であり、正しくない仮説の場合の期待値は、
【数21】

【0051】
である。これは、SSCが、PSCと直交しているからである。
【0052】
次に図4Aを参照すると、ブロック図は、本願の仮説及び位相の結合アルゴリズムの一般化されたインプリメンテーションを示している。受信されたI/Q入力は、受信信号を相互に関連づけるPSC+SSC相関器412に適用される。PSC+SSC相関器412の出力は、エネルギー計算を行うエネルギー計算器405に適用され、そして最大エネルギー検出器406は、最も可能性の高い最大エネルギーを検出する。図4Bは、PSCとSSCとのI/Q入力が、加算器413によって一緒に加算され、そしてエネルギー計算器405に適用される前に相関器411において相関される代替アルゴリズムを示している。
【0053】
本発明の例示の実施形態は、少なくとも一次同期チャネルおよび二次同期チャネルを含む、CDMAシステムにおける同期チャネルのサーチを実行するための回路を含むことができる。その回路は、I信号およびQ信号と一次同期符号および二次同期符号との相関を実行する相関器412を含むことが好ましい。エネルギー計算器405は、相関器の出力に応答する。最大エネルギー検出器406は、エネルギー計算器405に応答して、最も可能性の高いスクランブリング符号グループの二次同期符号を検出する。
【0054】
ハイブリッド加算器−相関器(hybrid adder-correlator)を有する、本発明の別の例示の実施形態においては、PSC入力とSSC入力とは、加算器413を用いて一緒に加算され、そして相関器411に適用される。エネルギー計算器405は、相関器411の出力に応答する。最大エネルギー検出器406は、エネルギー計算器405に応答して、最も可能性の高いスクランブリング符号グループの二次同期符号を検出する。
【0055】
次に図5を参照すると、ブロック図は、新規のステップ2サーチアルゴリズム、あるいは次式:
【数22】

【0056】
によって表現されるチャネル利得推定を含む位相−仮説結合アルゴリズム(Joint Phase-Hypothesis algorithm)を実行するためのハードウェアを示している。
【0057】
ステップ2エンジンの中に位相−仮説結合アルゴリズムをインプリメントするために、PSC相関器401は、(PSC y)関数を実行するために必要とされる。PSC相関器401は、PSC信号a(i)を受信されたI入力およびQ入力に別々に乗算し、そして乗算された信号を加算器503、504およびフリップフロップ505、506に適用する乗算器501、502を含む。同様に、SSC相関器402は、(SSC y)関数を実行する。SSC相関器402は、SSC信号b(i)を受信されたI入力およびQ入力を別々に乗算し、そして乗算された信号を加算器513、514およびフリップフロップ515、516に適用する乗算器511、512を含む。フリップフロップ515、516からの出力は、逆拡散関数517およびFHT403に適用される。PSC相関のIおよびQは、16個のSSCのおのおのについて加算器518によってSSC相関のIおよびQに加算される。I+Qは、二乗関数521、522と加算器523とを使用して計算される。次いで、加算器523からのこれらの値は、非コヒーレント(non-coherent)(ncoh)RAM524とエネルギー行列525とを含むエネルギー行列に記憶される。ソータ526を含むステップ2アルゴリズムの残りは、従来の技術と実質的に同じである。
【0058】
上記のアルゴリズムの性能は、検出の条件付き確率に基づいて評価及び比較され、そしてステップ1の成功に依存する。考慮しているアルゴリズムは、明確にするために以下にリストアップされる。
【0059】
1.従来(SSHのみ):
【数23】

【0060】
2.コヒーレント検出(CD)
【数24】

【0061】
3.チャネル利得推定(JPH)を伴う位相−仮説結合
【数25】

【0062】
上記3つのアルゴリズムは、3つのシナリオにおいて評価されている:3つのシナリオとは、すなわち、周波数エラーのないAWGNと、−3.6kHz周波数エラーを有するAWGNと、350km/hの速度を有する、周波数エラーのない単一パス高速フェージングと、である。入力サンプルは、CSIMとして知られているソフトウェアプログラムを使用して生成された。アルゴリズムは、これらの入力サンプルを読み取り、そしてステップ1およびステップ2サーチを実行するために、Matlab(登録商標)ソフトウェアプログラムの形でインプリメントされた。
【0063】
図6は、周波数エラーのないAWGNの下の性能を表示している。コヒーレント検出方法(Coherent Detection method)は、従来のSSCだけの方法よりも1.5dBだけ性能を改善することがわかる。JPHアルゴリズムは、CD方法よりもさらに0.8dBだけ、したがって従来の方法よりも2.3dBの利得だけ、性能を改善する。図7は、−3.6kHz周波数エラーを有するAWGNの下の性能を表示している。図6におけるものと同じ振る舞いが、観察されている。
【0064】
図8は、単一パス高速フェージングシナリオの下の性能を表示している。JPHの性能は、従来の方法よりも約2.2dBよく、そしてコヒーレント検出方法よりも約0.8dBよい。
【0065】
図9は、JPHの性能を異なるNf=3、2、1フレームと比較する。(Nc=15*Nfであることに注意されたい)。JPH方法を使用することは、従来の方法よりもさらによい性能で、累積長さを20ms(2フレーム)に低減できることが分かる。図10および11は、周波数エラーを有するAWGNと高速フェージングの場合での性能をプロットしたものである。これら2つのシナリオにおいても、同様に、類似した結論に達することができる。
【0066】
上記の性能比較においては、JPH方法は、ゼロdBのチャネル利得で、位相エラーがないときでさえ、従来の方法よりもよい性能であることが示されている。この節は、この性能利得を説明している。
【0067】
人は、より簡単なシナリオを検討できる。2つのSSC、すなわちSSC1及びSSC2、だけが存在すると仮定する。どちらのSSCが、bpgについて使用されるかを識別することが望ましい。信号がない場合を無視すると、単一のbpgについて、次式になる。
【数26】

【0068】
類似の分析が実行されることができ、次式であることが導き出される。
【数27】

【0069】
が、正しい仮説であると仮定する。すると、
【数28】

【0070】
及び、
【数29】

【0071】
となる。
【0072】
PSCと、SSCと、nとは、1×256の行ベクトル(複素)であることに注意されたい。さて、式(13)と(14)とを比較すると、
【数30】

【0073】
は、両方の仮説について共通であることがわかる。検出の目的のために、これは無視することができる。(PSCnでさえ、AWGNノイズであることに注意されたい。しかし、同じノイズが、両方の仮説に適用される。)すると、式(13)および(14)は、以下のようになる。
【数31】

【0074】
これは、次の判断基準を使用することと同等である。
【数32】

【0075】
実際、シミュレーションは実行されており、そして結果は、判断基準(12)と(17)とを使用しているときに実質的に同じである。ところで、これは、JPHと、従来のものとが、同じAWGNチャネルの下で同様に実行すべきであるという誤った錯覚を作り出す可能性がある。しかしながら、JPH方法と従来の方法とにおいて使用される判断基準は、(12)及び(17)とは、異なることに注意すべきである。それらの判断基準は、単一のbpgの場合には。次のように書き換えることができる。
【0076】
1.従来(conv):
【数33】

【0077】
2.チャネル利得推定(JPH)を伴う位相−仮説結合
【数34】

【0078】
JPH方法と従来の方法との両方は、判断基準(12)及び(17)と比べると、この設定においては準最適である。
【0079】
ここで、再びHが正しい仮説であると仮定する。従来の方法が使用される場合、
【数35】

【0080】
となる。
【0081】
SSCのノルム(norm)の二乗は、512であることに注意されたい。R、I、RおよびIは、SSCnの実数部と虚数部である。それらは、分散512σ2/2=βを有するAWGNである。512は、SSCノルムの二乗に起因したものである。1/2は、2次元に起因したものである。SSCについてのオリジナルEc/(Io−Ec)は、2/σであることに注意されたい。異なる検出アルゴリズムを比較するために我々が使用する1つの共通のメトリック(metric)は、ノイズ標準偏差(ノイズ分散の平方根)に対する2つの仮説の間の期待距離(expected distance)の比である。その比が大きくなればなるほど、検出アルゴリズムはよくなる。さて、従来の方法では、期待距離は、
【数36】

【0082】
である。正しい仮説(18)についての分散に寄与するノイズは、
【数37】

【0083】
であり、正しくない仮説(19)についての分散に寄与するノイズは、
【数38】

【0084】
である。これらの2つの項の分散は、さらに、(18)については1024β+4β(19)については4β、と計算できる。
【0085】
さて、JPH方法が使用される場合、
【数39】

【0086】
となる。RおよびIは、PSCnの実数部および虚数部である。それらも、分散βを有するAWGNである。(20)と(21)とを比較すると、期待距離は、3*512^2であり、それ故に、3のファクタが増大する。
【0087】
さて、我々は、分散が、9のファクタだけ増大するかどうかを決定することができる。正しい仮説(20)についての分散に寄与するノイズは、
【数40】

【0088】
である。これは、
【数41】

【0089】
が、すべての仮説について共通であり、検出目的のための分散に寄与しないからである。よって、正しくない仮説(21)についての分散に寄与するノイズは、
【数42】

【0090】
である。さて、これらの2つの項についての分散は、(20)については5*1024β+12β、(21)については1024β+12βと計算できる。さて、2つの方法:1024β+4β(conv) vs 5*1024β+12β(JPH)に対する正しい仮説についての2つの分散を比較することにする。分散が、3倍から5倍の間だけで増大することが明らかである。さて、2つの方法:4β(conv) vs 1024β+12β(JPH)に対する正しくない仮説についての2つの分散を比較する。ここで、9のファクタよりも大きい増大に到達するためには、β≦43690.7である。これは、Ec/(Io−Ec)≧−19dBを意味する。そのようなEc/(Io−Ec)では、検出確率は、図1に示される両方の方法について約1であることに注意されたい。この範囲においてさえ、正しい仮説分散における3から5のファクタだけの増大に起因して、JPH方法は、依然としてよりよい性能である。
【0091】
偽アラーム性能を調べることもまた、有用である。JPHは、相関の後にSNRを観察することにより従来の方法よりも偽アラームの観点からよい性能を常に有することになることが、信じられている。
【0092】
式(1)は、偽アラームの場合を含むように変形することができる。それは、1つのbpgについて調べられているだけであり、1つのSSCだけをもつと仮定される。
【数43】

【0093】
とHとは、信号のない仮説と、信号を有する仮説とである。さて、従来の方法と、JPH方法とについての相関出力を次式のように定義する。
【数44】

【0094】
さて、ZconvについてのSNRは、
【数45】

【0095】
であるが、ZJPH-1についてのSNRは、
【数46】

【0096】
である。JPH方法は、SNRを2倍にしており、それ故によりよい偽アラーム性能を与える。
【0097】
情報および信号は、様々の異なる技術および技術のうちの任意のものを使用して表されることができる。例えば、上記説明全体を通して参照されることができるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁気的な場または粒子、光学的な場または粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表されることができる。
【0098】
さらに、ここにおいて開示される実施形態に関連して説明される様々な例示の論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムのステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとしてインプリメントされることができることが理解されるであろう。ハードウェアとソフトウェアとの交換可能性を明らかに示すために、様々な例示のコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップは、それらの機能の観点から一般に上記に説明されている。そのような機能が、ハードウェアとしてインプリメントされるか、あるいはソフトウェアとしてインプリメントされるかは、特定のアプリケーションと、全体のシステムに課される設計制約条件とに依存する。説明された機能は、特定の各アプリケーションについて様々なやり方でインプリメントされることができるが、そのようなインプリメンテーションの決定は、本発明の範囲からの逸脱を引き起こすものとは解釈されるべきではない。
【0099】
ここにおいて開示される実施形態に関連して説明される方法、シーケンス、および/またはアルゴリズムは、ハードウェアの形で直接に、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールの形で、あるいはそれら2つの組合せの形で実施されることができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、着脱可能ディスク、CD−ROM、あるいは当技術分野において知られている他の任意の形態のストレージ媒体の中に存在することができる。例示のストレージ媒体は、プロセッサが、ストレージ媒体から情報を読み取り、そしてストレージ媒体に情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合される。代替案においては、ストレージ媒体は、プロセッサと一体化していてもよい。
【0100】
したがって、本発明の一実施形態は、ステップ2サーチアルゴリズムを実行するための方法を実施するコンピュータ可読媒体を含むことができる。したがって、本発明は、例示された例だけには限定されず、そしてここにおいて説明される機能を実行するための任意の手段が、本発明の実施形態に含まれる。
【0101】
上記の開示は、本発明の例示の実施形態を示しているが、様々な変更および修正が、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の範囲から逸脱することなくここにおいて行われることができることに注意すべきである。ここにおいて説明される本発明の実施形態に従うファンクション、ステップ、および/または方法請求項のアクションは、特定の任意の順序で実行される必要はない。さらに、本発明の要素は、単数形で説明され、あるいは請求されることができるが、単数形への限定が、明示的に述べられていない限り、複数形も、企図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次同期符号についてサーチする方法であって、
一次同期チャネルと二次同期チャネルとの両方を相関させることと、
正しい二次同期符号について、前記一次同期チャネル及び二次同期チャネルとの関数である第1の推定値を得ることと、
正しくない二次同期符号について、前記一次同期チャネルの関数である第2の推定値を得ることと、
を備える方法。
【請求項2】
前記第1の推定値は、
【数1】

として与えられる請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第2の推定値は、
【数2】

として与えられる請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第1の推定値は、前記受信信号の共役が乗算された前記一次同期チャネルと前記二次同期チャネルとの和のノルムの二乗に比例する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記二次同期符号は、CDMAシステムにおける16個の可能な符号のうちの1つである、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記一次同期チャネル及び二次同期チャネルは複数のスロットに分割され、予め定められた数のスロットはフレームを含み、前記二次同期符号は予め定められた数のスロットのサーチの後に決定される、請求項1記載の方法。
【請求項7】
少なくとも一次同期チャネルおよび二次同期チャネルを含むWCDMAシステムにおける前記同期チャネルのサーチを実行する回路であって、
I信号およびQ信号と、一次同期符号および二次同期符号との相関を実行する相関器と、
前記相関器の出力に応答するエネルギー計算器と、
前記エネルギー計算器に応答して、最も可能性の高いスクランブリング符号グループの二次同期符号を検出する最大エネルギー検出器と、
を備える回路。
【請求項8】
前記相関器は、
I信号およびQ信号と、前記一次同期符号とを相関させる第1の相関器と、
I信号およびQ信号と、前記二次同期符号とを相関させる第2の相関器と、
前記二次同期符号のおのおのについて、前記第1の相関器と前記第2の相関器とからのI信号とQ信号との相関された信号を加算する第1の加算器と、
を含むハイブリッド加算器−相関器である、請求項7記載の回路。
【請求項9】
前記相関器は、
I信号およびQ信号と、一次同期符号とを相関させる第1の相関器と、
I信号およびQ信号と、二次同期符号とを相関させる第2の相関器と、
を含む、請求項7記載の回路。
【請求項10】
前記エネルギー計算器は、
前記第1の加算器からのI出力およびQ出力を二乗する第1の二乗回路および第2の二乗回路と、
前記第1及び第2の二乗回路の出力を加算する第2の加算器と、
を含む請求項8記載の回路。
【請求項11】
前記第2の加算器の出力はメモリに記憶される、請求項10記載の回路。
【請求項12】
高速アダマール変換が前記第2の相関器の出力に対して実行される、請求項8記載の回路。
【請求項13】
前記第2の相関器の出力は、前記高速アダマール変換に先立って逆拡散される、請求項12記載の回路。
【請求項14】
前記回路は、
式:
【数3】

によって定義されるアルゴリズムを解く請求項7記載の回路。
【請求項15】
前記一次同期チャネル及び前記二次同期チャネルは複数のスロットに分割され、予め定められた数のスロットはフレームを含み、前記回路は、予め定められた数のスロットのサーチの後に二次同期符号を決定することができる、請求項7に記載の回路。
【請求項16】
前記回路は集積回路である、請求項7記載の回路。
【請求項17】
WCDMAシステムにおけるモバイル端末であって、
I信号およびQ信号を受信するRFダウンコンバータ;
前記I信号およびQ信号に応答するサーチャー:該サーチャーは、
I信号およびQ信号と、一次同期符号とを相関させる第1の相関器と、
I信号およびQ信号と、二次同期符号とを相関させる第2の相関器と、
前記二次同期符号のおのおのについて、前記第1の相関器と前記第2の相関器とからのI信号とQ信号との相関された信号を加算する第1の加算器と、を含み;
前記第1の加算器の出力に応答するエネルギー計算器;及び
前記エネルギー計算器に応答して、最も可能性の高いスクランブリング符号グループの二次同期符号を検出する最大エネルギー検出器;
を含むモバイル端末。
【請求項18】
前記サーチャーの少なくとも一部分は、DSPの中にインプリメントされる、請求項17記載のモバイル端末。
【請求項19】
少なくとも一次同期チャネルおよび二次同期チャネルを含むWCDMAシステムにおける同期チャネルのサーチを実行するための回路であって、
I信号およびQ信号と、一次同期符号および二次同期符号との相関を実行する相関器手段と、
前記相関器手段の出力に応答してエネルギー計算を実行する手段と、
最も可能性の高いスクランブリング符号グループの二次同期符号を決定するために最大エネルギーを検出する手段と、
を備える回路。
【請求項20】
前記相関器手段は、
I信号およびQ信号と、一次同期符号とを相関させる第1の手段と、
I信号およびQ信号と、二次同期符号とを相関させる第2の手段と、
前記二次同期符号のおのおのについて、前記相関させる第1の手段と前記相関させる第2の手段とからのI信号とQ信号との相関された信号加算する第1の手段と、
を有するハイブリッド加算器−相関器手段を含む、請求項19記載の回路。
【請求項21】
前記エネルギー計算を実行する手段は、
前記第1の加算手段からのI出力およびQ出力を二乗するための第1の二乗手段および第2の二乗手段と、
前記の第1の二乗手段と前記第2の二乗手段との出力を加算するための第2の加算手段と、
を含む請求項19記載の回路。
【請求項22】
前記第2の加算手段の出力はメモリに記憶される、請求項21記載の回路。
【請求項23】
高速アダマール変換が前記第2の相関手段の出力に対して実行される、請求項22記載の回路。
【請求項24】
前記相関させる第2の手段の出力は、前記高速アダマール変換に先立って逆拡散される、請求項20記載の回路。
【請求項25】
前記相関器手段は、
I信号およびQ信号と、一次同期符号とを相関させる第1の手段と、
I信号およびQ信号と、二次同期符号とを相関させる第2の手段と、
を含む、請求項19記載の回路。
【請求項26】
少なくとも一次同期チャネルおよび二次同期チャネルを含む、WCDMAシステムにおける同期チャネルのサーチを実行する回路であって、
一次同期符号入力と二次同期符号入力とを加算する手段と、
I信号およびQ信号と、前記加算された一次同期符号入力と二次同期符号入力との相関を実行する相関器手段と、
前記相関器手段の出力に応答してエネルギー計算を実行する手段と、
最も可能性の高いスクランブリング符号グループの二次同期符号を決定するために最大エネルギーを検出する手段と、
を備える回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−48418(P2013−48418A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−187900(P2012−187900)
【出願日】平成24年8月28日(2012.8.28)
【分割の表示】特願2010−521104(P2010−521104)の分割
【原出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】