説明

既設柱の耐震補強構造および耐震補強方法

【課題】 既設柱の耐震補強の施工を迅速にすると共に、施工後のモルタルの剥落を防止する既設柱の耐震補強構造を提供することにある。
【解決手段】 この既設柱の耐震補強構造は、既設柱50と、上記既設柱50の周りにこの既設柱50の周面51から間隙Sを設けて巻回されている螺旋フープ筋1と、上記間隙Sに配設されると共に硬化材2が充填されている4つの袋体3とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、鉄筋コンクリート製の既設柱を外側から耐震補強する既設柱の耐震補強構造および耐震補強方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、既設柱の耐震補強構造は、既設柱と、この既設柱の周りにこの既設柱の周面から間隙を設けて巻回されている螺旋フープ筋と、上記既設柱と上記螺旋フープ筋との間の上記間隙を充填すると共に上記螺旋フープ筋を覆うモルタルとを備えていた(特許第3406820号公報:特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、上記従来の既設柱の耐震補強構造では、上記モルタルは、上記既設柱の全面に吹き付けられているため、モルタルを吹き付けるための材料や設備を現地に必要とし、さらに、吹き付けられたモルタルのこて押さえ等の左官仕上げや養生の作業が必要となって、急速な施工に不向きであった。また、施工後のモルタルの表面にひび割れが生じた場合、上記モルタルの剥落の危険性があった。
【特許文献1】特許第3406820号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、この発明の課題は、既設柱の耐震補強の施工を迅速にすると共に施工後のモルタルの剥落を防止する既設柱の耐震補強構造および耐震補強方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、この発明の既設柱の耐震補強構造は、
既設柱と、
上記既設柱の周りに巻回されている螺旋フープ筋と、
上記既設柱と上記螺旋フープ筋との間に配設されると共に硬化材が充填されている袋体と
を備えることを特徴としている。
【0006】
ここで、上記硬化材は、例えば、モルタルまたはコンクリート等である。
【0007】
この発明の既設柱の耐震補強構造によれば、硬化材が充填されている袋体は、既設柱と螺旋フープ筋との間に配設されているので、上記袋体は、上記既設柱と上記螺旋フープ筋との間を埋める。このように、(モルタル等の)上記硬化材は、上記袋体に詰められているので、吹き付け、こて押さえ、および、養生の作業が不要になり、耐震補強の施工が簡略化されて、急速な施工が可能になる。また、上記硬化材は、袋詰めされているので、完成後に上記硬化材がひび割れても、上記硬化材の剥落を防止して、安全性が向上する。
【0008】
また、一実施形態の既設柱の耐震補強構造では、上記既設柱は、断面略四角形であり、上記袋体は、上記既設柱の少なくとも四隅に配設されている。
【0009】
この一実施形態の既設柱の耐震補強構造によれば、上記既設柱の少なくとも四隅に上記袋体を配設すればよく、上記硬化材の材料を減少でき、耐震補強の施工の省力化が可能になる。すなわち、上記既設柱の四隅は、剛性が小さくて、地震時に破壊される可能性が高く、この四隅に上記袋体を配設することで、上記既設柱の補強を図ることができる。
【0010】
また、一実施形態の既設柱の耐震補強構造では、上記既設柱は、断面略四角形であり、上記袋体は、上記既設柱の少なくとも1つの辺に配設されると共に、上記螺旋フープ筋は、上記既設柱の四隅に外接されている。
【0011】
この一実施形態の既設柱の耐震補強構造によれば、上記既設柱は、断面略四角形であり、上記袋体は、上記既設柱の少なくとも1つの辺に配設されると共に、上記螺旋フープ筋は、上記既設柱の四隅に外接されているので、上記袋体は、上記既設柱の外接円内にあり、上記既設柱を補強しても、上記既設柱の断面を小さくできて、利用スペースを広げることができる。
【0012】
また、一実施形態の既設柱の耐震補強構造では、上記袋体は、金属製である。
【0013】
この一実施形態の既設柱の耐震補強構造によれば、上記袋体は、金属製であるので、上記袋体に充填されている上記硬化材が薄くても、地震時の応力によって、上記硬化材にひび割れや破壊が生じないようにできる。また、上記金属製の袋体は、耐久性がある。
【0014】
また、一実施形態の既設柱の耐震補強構造では、上記袋体は、上記既設柱の軸方向に延びていると共に、上記袋体内には、上記既設柱の軸方向に延びている金属部材が挿入されている。
【0015】
この一実施形態の既設柱の耐震補強構造によれば、上記硬化材内に、上記既設柱の軸方向に延びている上記金属部材を挿入しているので、上記金属部材は、上記螺旋フープ筋の巻回ピッチの間を渡って配設される。このように、上記螺旋フープ筋の巻回ピッチの間の上記硬化材も、上記金属部材によって、上記既設柱を拘束する作用を発揮する。したがって、上記螺旋フープ筋の巻回ピッチを大きく(広く)することができて、上記螺旋フープ筋を上記既設柱に巻回しする作業を削減できる。
【0016】
また、この発明の既設柱の耐震補強方法は、
既設柱の周面に袋体を配設すると共に、螺旋フープ筋を上記既設柱の周りに巻回する工程と、
上記既設柱と上記螺旋フープ筋との間に配設された上記袋体に硬化材を充填する工程と
からなることを特徴としている。
【0017】
この発明の既設柱の耐震補強方法によれば、既設柱と螺旋フープ筋との間に配設された袋体に硬化材を充填するので、上記既設柱と上記螺旋フープ筋との間を、上記袋体によって、埋める。このように、(モルタル等の)上記硬化材を上記袋体に詰めているので、吹き付け、こて押さえ、および、養生の作業が不要になり、耐震補強の施工が簡略化されて、急速な施工が可能になる。また、上記硬化材を袋詰めしているので、完成後に上記硬化材がひび割れても、上記硬化材の剥落を防止して、安全性が向上する。
【発明の効果】
【0018】
この発明の既設柱の耐震補強構造によれば、硬化材が充填されている袋体は、既設柱と螺旋フープ筋との間に配設されているので、既設柱の耐震補強の施工を迅速にすると共に施工後のモルタルの剥落を防止することができる。
【0019】
また、この発明の既設柱の耐震補強方法によれば、既設柱と螺旋フープ筋との間に配設された袋体に硬化材を充填するので、既設柱の耐震補強の施工を迅速にすると共に施工後のモルタルの剥落を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0021】
(第1の実施形態)
図1は、この発明の既設柱の耐震補強構造の一実施形態である横断面図を示している。図2は、この既設柱の耐震補強構造の正面図を示している。この既設柱の耐震補強構造は、既設柱50と、上記既設柱50の周りにこの既設柱50の周面51から間隙Sを設けて巻回されている螺旋フープ筋1と、上記既設柱50と上記螺旋フープ筋1との間の上記間隙Sに配設されると共に硬化材2が充填されている4つの袋体3とを備える。なお、上記間隙Sは狭いほうが望ましい。
【0022】
上記既設柱50は、例えば、鉄筋コンクリート製である。この既設柱50は、横断面略四角形である。上記硬化材2は、例えば、モルタルまたはコンクリート等である。
【0023】
上記螺旋フープ筋1は、この既設柱50の周りに配設する前からこの既設柱50の周面51に沿う形状を有する。上記既設柱50に巻回された上記螺旋フープ筋1の一端および他端は、上記既設柱50の周面51に固定されている。なお、上記既設柱50の上端から下端まで連続して上記螺旋フープ筋1を巻回するために、予め加工した1つの上記螺旋フープ筋1の長さが上記既設柱50の上端から下端まで巻回するに不足する場合は、加工した上記螺旋フープ筋1の端部に、他の上記螺旋フープ筋1の端部を重ねて、この重なった部分をクリップで固定するようにして、長尺の上記螺旋フープ筋1を形成する。
【0024】
上記螺旋フープ筋1は、例えば、高張力鋼線または鋼撚り線からなる。上記螺旋フープ筋1に高張力鋼線を用いた場合、この高張力鋼線は、軽量で、耐久性があり、施工がしやすい。なお、2本の高張力鋼線を互いに接続する場合、2本の高張力鋼線を所定長さラップさせて、このラップ部分をワイヤグリップで締めつける。
【0025】
一方、上記螺旋フープ筋1に鋼撚り線を用いた場合、この鋼撚り線は、その表面に防錆処理がしてあるので錆びにくく、また、安価である。なお、2本の鋼撚り線を互いに接続する場合、撚り線用グリップ等を用いて、簡単に接続できる。
【0026】
上記袋体3は、上記既設柱50の軸Cに沿って延びている。上記袋体3は、金属製であり、例えば、薄い可撓性の金属板、または、目の細かいステンレス製メッシュ(網)等である。なお、上記袋体3は、アクリル樹脂製であってもよく、伸縮性に劣るものとする。
【0027】
上記4つの袋体3は、上記既設柱50の周面51の全面でなく、上記既設柱50の四隅に配設されている。上記袋体3は、上記既設柱50の周面51に、貼着されている。すなわち、上記4つの袋体3は、上記既設柱50の四隅と上記螺旋フープ筋1との間の上記間隙Sを埋める。
【0028】
上記袋体3内には、5本の金属部材4aが挿入されている。この金属部材4aは、棒状であり、上記既設柱50の軸C方向に延びている。すなわち、上記金属部材4aは、上記螺旋フープ筋1の巻回ピッチPの間を渡って配設される。
【0029】
上記5本の金属部材4aは、上記螺旋フープ筋1側に偏って位置し、上記既設柱50の角(上記螺旋フープ筋1の角)に沿った形状に配列される。すなわち、上記金属部材4aは、上記袋体3を介して、上記螺旋フープ筋1の角の内側を押圧する。
【0030】
上記構成の既設柱の耐震補強構造によれば、上記既設柱50の四隅を、上記既設柱50の軸Cに沿った略全長に渡って、上記螺旋フープ筋1および上記袋体3によって、締め付けているので、地震時の応力によって、上記既設柱50にひび割れや破壊が生じないようにできる。すなわち、上記既設柱50の四隅は、剛性が小さくて、地震時に破壊される可能性が高く、この四隅に上記袋体3を配設することで、上記既設柱50の補強を図ることができる。なお、上記既設柱50の下部52および上部53は、地震荷重で柔軟に撓みうるように、上記袋体3で覆っていない。
【0031】
また、上記既設柱50の四隅にのみ上記袋体3を配設しているので、上記硬化材2の材料を減少でき、耐震補強の施工の省力化が可能になる。
【0032】
また、(モルタル等の)上記硬化材2は、上記袋体3に詰められているので、吹き付け、こて押さえ、および、養生の作業が不要になり、耐震補強の施工が簡略化されて、急速な施工が可能になる。また、上記硬化材2は、袋詰めされているので、完成後に上記硬化材2がひび割れても、上記硬化材2の剥落を防止して、安全性が向上する。
【0033】
また、上記螺旋フープ筋1のかぶり厚のモルタルが不要になって、耐震補強された上記既設柱50の横断面積を小さくすることができて、耐震補強された上記既設柱50の周囲の利用スペースを広げることができる。
【0034】
また、上記袋体3は、金属製であるので、上記袋体3に充填されている上記硬化材2が薄くても、地震時の応力によって、上記硬化材2にひび割れや破壊が生じないようにできる。また、上記金属製の袋体3は、耐久性がある。
【0035】
また、上記金属部材4aは、上記螺旋フープ筋1の巻回ピッチPの間を渡って配設されるので、上記螺旋フープ筋1の巻回ピッチPの間の上記硬化材2も、上記金属部材4aによって、上記既設柱50を拘束する作用を発揮する。したがって、上記螺旋フープ筋1の巻回ピッチPを大きく(広く)することができて、上記螺旋フープ筋1を上記既設柱50に巻回しする作業を削減できる。
【0036】
しかも、上記金属部材4aは、上記袋体3を介して、上記螺旋フープ筋1を押圧しているので、上記螺旋フープ筋1の巻回ピッチPの間の上記硬化材2は、上記既設柱50を有効に拘束する。
【0037】
次に、上記既設柱50を耐震補強する方法を説明する。
【0038】
図3の横断面図と図4の正面図に示すように、上記既設柱50の四隅の周面51に上記袋体3を貼着する。上記袋体3内には、上記金属部材4aが挿入されている。そして、上記螺旋フープ筋1を上記既設柱50の周りにこの既設柱50の周面51から間隙Sを設けて巻回する。上記螺旋フープ筋1は、予め、上記既設柱50の周面51に沿う形状に形成されている。
【0039】
ここで、上記螺旋フープ筋1を上記既設柱50に巻回する方法については、出願人に帰属する特許第149647号に詳しく述べられているので、簡単に説明するに留める。
【0040】
すなわち、スパイラル状の束に加工された上記螺旋フープ筋1を、束のループ面が上記既設柱50の周面51に平行になるよう鉛直に配置し、巻き始めとなる直角に曲げた(図示しない)始端を、上記周面51の下端に設けた(図示しない)穴に差し込んで固定し、上記螺旋フープ筋1の束を解ける方向に回転させつつ上記既設柱50の周りに巡らせて、解きながら1ループずつ上記既設柱50の上方へ巻回していく。最後に、直角に曲げた(図示しない)終端を上記周面51の上端に設けた(図示しない)穴に差し込んで固定して、巻回を終了する。
【0041】
なお、上記螺旋フープ筋1の端部の固定方法は、上記既設柱50の周面51に固定するのではなく、上記螺旋フープ筋1を上記既設柱50に巻回して重なった部分をクリップで固定するようにしてもよい。
【0042】
この方法では、上記螺旋フープ筋1のスパイラル状の束をループ面内でループを解く方向に曲げて大きく開くのでなく、上記螺旋フープ筋1のスパイラル状の束を上記既設柱50の周りに巡らせながら上記螺旋フープ筋1をその軸の周りに僅かに捩じるだけの弾性変形範囲で巻回できるので、従来のように油圧シリンダ等の大掛かりな機械を要さず、人力のみで容易かつ迅速に施工することができる。
【0043】
次に、上記既設柱50と上記螺旋フープ筋1との間の上記間隙Sに配設された上記袋体3に硬化材2を充填する。このとき、上記袋体3の上方開口部に(図4に示す)チューブ5を差し込んで、このチューブ5から上記袋体3内に上記硬化材2を流し始め、上記袋体3にて上記間隙Sが埋まるまで、上記硬化材2を流し込む。そして、上記袋体3内に上記硬化材2を注入することで、上記金属部材4aは上記螺旋フープ筋1側に偏って位置する。上記複数の金属部材4aは、上記既設柱50の角(上記螺旋フープ筋1の角)に沿った形状に配列される。
【0044】
なお、上記既設柱50の対角線にある上記袋体3,3に、順に、上記硬化材2を注入することで、上記螺旋フープ筋1と上記既設柱50との間の距離を、略一定に保つことができて、上記既設柱50の四隅を略均一な力で締め付けることができる。
【0045】
この既設柱の耐震補強方法によれば、(モルタル等の)上記硬化材2を上記袋体3に詰めているので、吹き付け、こて押さえ、および、養生の作業が不要になり、耐震補強の施工が簡略化されて、急速な施工が可能になる。また、上記硬化材2を袋詰めしているので、完成後に上記硬化材2がひび割れても、上記硬化材2の剥落を防止して、安全性が向上する。
【0046】
なお、この第1の実施形態では、上記袋体3を上記既設柱50の四隅に配設した場合について述べたが、上記袋体3を上記既設柱50の少なくとも1つの辺に配設すると共に、上記螺旋フープ筋1を上記既設柱50の四隅に外接するようにしてもよい。したがって、上記袋体3は、上記既設柱50の外接円内にあり、上記既設柱50を補強しても、上記既設柱50の断面を小さくできて、利用スペースを広げることができる。
【0047】
(第2の実施形態)
図5は、この発明の既設柱の耐震補強構造の第2の実施形態を示している。上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第2の実施形態では、金属部材4bは、上記既設柱50の軸Cに沿った帯板状である。この金属部材4bは、上記既設柱50の角(上記螺旋フープ筋1の角)に沿った湾曲形状である。また、袋体3は、上記既設柱50の隣接する2つの角を含む上記既設柱50の周面51の略半分を覆う大きさであり、2つの袋体3,3を備えている。すなわち、上記2つの袋体3,3によって、上記既設柱50の周面51の略全部を覆っている。なお、その他の構造は、上記第1の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0048】
上記構成の既設柱の耐震補強構造によれば、上記第1の実施形態の効果に加えて、上記2つの袋体3,3によって上記既設柱50の周面51の略全部を覆っているため、上記既設柱50を確実に補強することができる。また、上記帯板状の金属部材4bは、棒状に比べて面積が大きいので、上記既設柱50の四隅を有効に拘束できる。
【0049】
次に、上記既設柱50を耐震補強する方法を説明すると、上記2つの袋体3,3に順にまたは同時に上記硬化材2を注入すること以外は、上記第1の実施形態の方法と同様であるので、説明を省略する。
【0050】
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上記既設柱50の断面形状は、円形または四角形以外の多角形であってもよい。また、上記袋体3の数量を増減してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の既設柱の耐震補強構造の第1実施形態を示す横断面図である。
【図2】この既設柱の耐震補強構造の正面図である。
【図3】この既設柱の耐震補強方法を示す横断面図である。
【図4】この既設柱の耐震補強方法を示す正面図である。
【図5】本発明の既設柱の耐震補強構造の第2実施形態を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 螺旋フープ筋
2 硬化材
3 袋体
4a (棒状の)金属部材
4b (帯板状の)金属部材
5 チューブ
50 既設柱
51 周面
52 下部
53 上部
S 間隙
C 軸
P 巻回ピッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設柱と、
上記既設柱の周りに巻回されている螺旋フープ筋と、
上記既設柱と上記螺旋フープ筋との間に配設されると共に硬化材が充填されている袋体と
を備えることを特徴とする既設柱の耐震補強構造。
【請求項2】
請求項1に記載の既設柱の耐震補強構造において、
上記既設柱は、断面略四角形であり、
上記袋体は、上記既設柱の少なくとも四隅に配設されていることを特徴とする既設柱の耐震補強構造。
【請求項3】
請求項1に記載の既設柱の耐震補強構造において、
上記既設柱は、断面略四角形であり、
上記袋体は、上記既設柱の少なくとも1つの辺に配設されると共に、上記螺旋フープ筋は、上記既設柱の四隅に外接されていることを特徴とする既設柱の耐震補強構造。
【請求項4】
請求項1に記載の既設柱の耐震補強構造において、
上記袋体は、金属製であることを特徴とする既設柱の耐震補強構造。
【請求項5】
請求項1に記載の既設柱の耐震補強構造において、
上記袋体は、上記既設柱の軸方向に延びていると共に、上記袋体内には、上記既設柱の軸方向に延びている金属部材が挿入されていることを特徴とする既設柱の耐震補強構造。
【請求項6】
既設柱の周面に袋体を配設すると共に、螺旋フープ筋を上記既設柱の周りに巻回する工程と、
上記既設柱と上記螺旋フープ筋との間に配設された上記袋体に硬化材を充填する工程と
からなることを特徴とする既設柱の耐震補強方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−56499(P2007−56499A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−241278(P2005−241278)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【出願人】(000196587)西日本旅客鉄道株式会社 (202)
【出願人】(592105620)ジェイアール西日本コンサルタンツ株式会社 (15)
【出願人】(000140292)株式会社奥村組 (469)
【Fターム(参考)】