説明

映像信号処理装置

【課題】映像信号処理装置においてメモリへのアクセスをより適切に処理する。
【解決手段】映像信号を処理するためのCPU20と、映像信号を表示する際に重畳されるオンスクリーン画像データを処理するOSD処理部22と、CPU20及びOSD処理部22からアクセスされるSRAM28と、CPU20とOSD処理部22とのアドレスバス及びデータバスを排他的に切り替えてSRAM28にアクセス可能に接続するアクセス制御部24と、を備える。アクセス制御部24は、CPU20及びOSD処理部22からSRAM28へのアクセスが同時に要求されたときには、OSD処理部22から出力される占有要求信号が出力されていればOSD処理部22をSRAM28にアクセス可能に接続し、占有要求信号が出力されていないときにはCPU20をSRAM28にアクセス可能に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン放送等の映像に重ね合わせる等してキャラクタを表示する映像信号処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン放送等の映像信号に文字情報を重畳して、表示される画像にその文字を重畳させて表示するキャプション表示が行われている。
【0003】
従来の映像信号処理装置100は、図4に示すように、主制御部(CPU)10、オンスクリーンディスプレイ(OSD)処理部12、アクセス制御部14、SRAMアクセス処理部16及びSRAM18を含んで構成される。映像信号処理装置100は、主にテレビジョン放送等の映像信号を処理して、CRT等のディスプレイの画面に表示される処理を行うものであるが、以下では映像信号処理装置100に含まれるOSD処理部を中心に説明を行う。
【0004】
CPU10は、映像信号処理装置100を統合的に制御するマイクロコンピュータである。CPU10は、メモリに格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムに従って、外部からの制御信号等に応じて映像信号を処理する各部を制御する。また、CPU10は、外部からの制御信号に応じて、アクセス制御部14及びSRAMアクセス処理部16を介して、画像表示のためのビデオメモリ(VRAM)やOSD処理のためのフォント格納メモリ(CGRAM),色テーブル格納メモリ(CLURAM)を含むSRAM18にアクセスして、これらのメモリにデータを格納したり、これらのメモリからデータを読み出したりする。
【0005】
一方、OSD処理部12は、映像信号に重畳されているキャプション情報やグラフィック情報に応じた文字情報を画面上に重ね合わせて表示させる処理を行う。OSD処理部12は、SRAM18に含まれるビデオメモリ(VRAM)に書き込まれたキャプション情報やグラフィック情報から抽出された文字コードや制御コードに基づいて、アクセス制御部14及びSRAMアクセス処理部16を介して、フォント格納メモリ(CGRAM),色テーブル格納メモリ(CLURAM)を含むSRAM18にアクセスして文字の画像データや色データを読み出し、それらの画像データを所定のプロトコルに従って画面上に表示させる。
【0006】
このように、CPU10及びOSD処理部12は、共通のSRAM18にアクセスする必要がある。SRAM18をCPU10及びOSD処理部12の双方からアクセス可能とするためにデュアルポート型のメモリとすればよいが、制御回路が複雑となり、メモリの占有面積が大きくなるなどの問題がある。そこで、シングルポート型のメモリをSRAM18として採用し、アクセス制御部14及びSRAMアクセス処理部16を介して、アドレスバスやデータバスを互いに切替えながらSRAM18にアクセスする構成が採用されることが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、CPU10がSRAM18にアクセスする際の処理は、例えば、フォント格納メモリ(CGRAM)や色テーブル格納メモリ(CLURAM)の一部書き換え等の短時間で終了する処理の場合が多い。これに対して、OSD処理部12からSRAM18にアクセスする際は、キャプション情報やグラフィック情報に含まれる複数の文字コードを連続的に読み出したり、これらのコードに対応する文字やグラフィックの画像データを連続的に読み出したりする処理であり、CPU10からのアクセスよりも時間を必要とする処理が多い。
【0008】
従来の映像信号処理装置では、OSD処理部12がSRAM18へアクセスしつつ処理を行っている間にCPU10からSRAM18へのアクセスがあった場合、OSD処理部12によるSRAM18へのアクセスが終了するまでCPU10にアクセスが許可されなかった。そのため、CPU10がSRAM18へのアクセスの次に行うべき処理までの待ち時間が長くなり、プログラムの実行が遅延してしまうなどの問題があった。
【0009】
本発明は、上記課題を鑑み、メモリへのアクセスをより適切に処理することを可能とする映像信号処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、映像信号を処理するための主制御部と、前記映像信号を表示する際に重畳されるオンスクリーン画像データを処理するOSD処理部と、前記主制御部及び前記OSD処理部からアクセスされるメモリと、前記主制御部と前記OSD処理部とのアドレスバス及びデータバスを排他的に切り替えて前記メモリにアクセス可能に接続するアクセス制御部と、を備え、前記アクセス制御部は、前記主制御部及び前記OSD処理部から前記メモリへのアクセスが同時に要求された場合、前記OSD処理部から出力される占有要求信号が出力されているときには前記OSD処理部を前記メモリにアクセス可能に接続し、前記OSD処理部から出力される占有要求信号が出力されていないときには前記主制御部を前記メモリにアクセス可能に接続することを特徴とする。
【0011】
ここで、前記メモリは、画像として表示される内容を保持するビデオメモリ、オンスクリーン画像データを生成するための画像データを格納するフォント格納メモリ及びオンスクリーン画像データを生成するための色データを格納する色テーブル格納メモリの少なくとも1つを含むものとする。
【0012】
また、前記主制御部のデータバスのバス幅と、前記OSD処理部のデータバスのバス幅と、が異なっている場合、前記メモリと接続される前記主制御部又は前記OSD処理でのデータバスのバス幅に合わせてアドレス変換処理を行うアドレス変換部を含むことが好適である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、映像信号処理装置においてメモリへのアクセスをより適切に処理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態における映像信号処理装置200は、図1に示すように、主制御部(CPU)20、OSD処理部22、アクセス制御部24、SRAMアクセス処理部26及びSRAM28を含んで構成される。
【0015】
CPU20は、映像信号処理装置200を統合的に制御するマイクロコンピュータである。CPU20は、メモリ(主記憶部:図示しない)に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムに従って、外部からの制御信号等に応じて映像信号を処理する各部を制御する。例えば、映像信号から輝度信号や色差信号を分離して、それらの信号に基づいてディスプレイの画面に表示させる映像信号処理部(図示しない)の制御を行う。
【0016】
CPU20は、外部からの制御信号に応じて、アクセス制御部24及びSRAMアクセス処理部26を介して、画像表示のためのビデオメモリ(VRAM)やOSD処理のためのフォント格納メモリ(CGRAM),色テーブル格納メモリ(CLURAM)を含むSRAM28にアクセスして、これらのメモリにデータを格納したり、これらのメモリからデータを読み出したりする。
【0017】
OSD処理部22は、映像信号に重畳されているキャプション情報やグラフィック情報に応じた文字情報を画面上に重ね合わせて表示させる処理を行う。
【0018】
例えば、クローズドキャプションでは、キャプション情報はテレビジョン放送の映像信号の所定の水平ラインに重畳されている。より具体的には、キャプション情報は、第21ライン(21H)又は第284ライン(284H)に16ビットのNRZ信号として重畳されている。キャプション情報が重畳されている水平ラインは、水平同期信号Hsync,カラーバーストCb,クロックランイン信号CRI,実キャプション情報CAPを順に含んでいる。実キャプション情報CAPには文字コードや制御コードが含まれており、OSD処理部22は、SRAM28に含まれるビデオメモリ(VRAM)に書き込まれている実キャプション情報CAPから抽出された文字コードに基づいて、アクセス制御部24及びSRAMアクセス処理部26を介して、フォント格納メモリ(CGRAM),色テーブル格納メモリ(CLURAM)を含むSRAM28にアクセスして文字の画像データや色データを読み出し、所定のプロトコルにおいて制御コードで指定される条件でそれらの画像データを画面上に表示させる。
【0019】
また、画像データの読み出し等の際にSRAM28に連続してアクセスする必要がある場合、OSD処理部22は占有信号生成部22aから占有信号をアクセス制御部24へ出力する。SRAM28に連続してアクセスする必要がある場合とは、例えば、キャプション情報やグラフィック情報が重畳されている水平ラインの処理の初期段階において表示処理をスムーズに行うために所定のデータ容量の画像データを連続してバッファリングする必要がある場合等が挙げられる。
【0020】
アクセス制御部24は、マルチプレクサ24a及び判断部24bを含んで構成される。マルチプレクサ24aは、制御ラインLC1、アドレスバスLA1及びデータバスLD1を介してCPU20と接続され、制御ラインLC2、アドレスバスLA2及びデータバスLD2を介してOSD処理部22と接続される。また、マルチプレクサ24aは、制御ラインLC3、アドレスバスLA3及びデータバスLD3を介してSRAMアクセス処理部26と接続される。
【0021】
判断部24bは、制御ラインLC1及びレディ信号ラインLR1を介してCPU20と接続され、制御ラインLC2,レディ信号ラインLR2及び占有信号ラインLO2を介してOSD処理部22と接続される。また、判断部24bは、マルチプレクサ設定ラインLMを介してマルチプレクサ24aと接続される。
【0022】
判断部24bは、制御ラインLC1,制御ラインLC2及び占有信号ラインLOから信号を受けて、それらの信号の状態に応じてマルチプレクサ設定ラインLMに切替信号を出力する。そして、マルチプレクサ24aは、切替信号に応じて、CPU20の制御ラインLC1,アドレスバスLA1及びデータバスLD1かOSD処理部22の制御ラインLC2,アドレスバスLA2及びデータバスLD2のいずれか一方の組を排他的に選択してSRAMアクセス処理部26に接続する。また、CPU20にSRAM28へのアクセスを許可する際には、レディ信号ラインLR1にレディ(READY)信号を出力し、OSD処理部22にSRAM28へのアクセスを許可する際には、レディ信号ラインLR2にレディ(READY)信号を出力する。この処理については後述する。
【0023】
SRAMアクセス処理部26は、制御ラインLC3、アドレスバスLA3及びデータバスLD3を介して、アクセス制御部24のマルチプレクサ24aで選択されたCPU20又はOSD処理部22のいずれか一方と通信し、SRAM28へのデータの書き込み、及び、SRAM28からのデータの読み出し処理を行う。
【0024】
SRAMアクセス処理部26は、アドレス変換部26aを備える。アドレス変換部26aは、CPU20のアドレスバスLA1又はOSD処理部22のアドレスバスLA2から入力されるアドレスをSRAM28のメモリ空間における実アドレスに変換してSRAM28のアドレスバスLA4に出力する。
【0025】
例えば、CPU20のデータバスLD1が32ビットであり、OSD処理部22のデータバスLD2が256ビットである場合について説明する。制御ラインLC3からCPU20のアクセス要求信号が入力されたときには、図2(a)に示すように、データバスLD3を介して32ビット毎にデータを受け取り256ビット幅のデータ列に再配置し、アドレスバスLA3を介して受けたアドレス値を256ビット幅のアドレス値に変換してSRAM28へ出力する。一方、制御ラインLC3からOSD処理部22のアクセス要求信号が入力されたときには、図2(b)に示すように、データバスLD3を介して256ビット毎にデータを受け取り、アドレスバスLA3を介して受けたアドレス値と共にそのままSRAM28へ出力する。
【0026】
読み込み処理の場合も同様である。制御ラインLC3からCPU20のアクセス要求信号が入力されたときには、アドレスバスLA3を介して受けたアドレス値を256ビット幅のアドレス値に変換してSRAM28へ出力し、データバスLD4を介して256ビット幅のデータを受け取り、そのデータからアドレスバスLA3で指定されたアドレス値に対応する32ビット幅のデータ列を抽出してデータバスLD3へ出力する。一方、制御ラインLC3からOSD処理部22のアクセス要求信号が入力されたときには、アドレスバスLA3を介して受けたアドレス値と共にそのままSRAM28へ出力し、データバスLD4を介してそのアドレス値に対応する256ビット幅のデータを受け取り、そのままデータバスLD3へ出力する。
【0027】
このように、アドレス変換部26aを備えることによって、互いに異なるビット幅のデータバスを有するCPU20及びOSD処理部22からのSRAM28へのアクセスを可能としている。
【0028】
SRAM28は、フォント格納メモリ(CGRAM),色テーブル格納メモリ(CLURAM)及びビデオメモリ(VRAM)を含むメモリである。フォント格納メモリ(CGRAM)は、キャプション情報やグラフィック情報の各コードに割り付けられた文字や画像の画像データ(ビットマップデータ等)を保持するメモリである。色テーブル格納メモリ(CLURAM)は、キャプション情報やグラフィック情報の各コードに割り付けられた文字や画像の色に関するデータを保持するメモリである。ビデオメモリ(VRAM)は、ディスプレイに表示される内容を保持するメモリである。本実施の形態では、フォント格納メモリ(CGRAM),色テーブル格納メモリ(CLURAM)及びビデオメモリ(VRAM)を含む1つのSRAM28として図示しているが、これらを別々としてもよい。
【0029】
次に、図3のタイミングチャートを用いて、アクセス制御部24におけるCPU20又はOSD処理部22の選択処理について説明する。
【0030】
<単独のアクセス要求の場合>
まず、OSD処理部22の制御ラインLC2にアクセス要求が出力されていない場合について以下に説明する。
【0031】
CPU20は、SRAM28へのデータの書き込みを行う場合、制御ラインLC1にアクセス要求信号を出力する。この場合、判断部24bは、OSD処理部22の制御ラインLC2にアクセス要求が出力されていないので、図3のT1に示すように、CPU20からのアクセス要求を認めるレディ(READY)信号をレディ信号ラインLR1に出力する。また、判断部24bは、マルチプレクサ24aに制御ラインLC1,アドレスバスLA1及びデータバスLD1を選択させる選択信号をマルチプレクサ設定ラインLMに出力する。
【0032】
CPU20は、レディ信号ラインLR1がレディになると、アドレスバスLA1に書き込み対象となるSRAM28のメモリ空間のアドレス値を出力すると共に、データバスLD1に書き込むデータを出力する。マルチプレクサ24aでは制御ラインLC1,アドレスバスLA1及びデータバスLD1がそれぞれ制御ラインLC3,アドレスラインLA3及びデータバスLD3に接続されるので、CPU20から出力された制御信号、アドレス値及びデータがSRAMアクセス処理部26に入力される。これにより、上記のようにSRAMアクセス処理部26を介してSRAM28にデータが書き込まれる。
【0033】
また、CPU20は、SRAM28からデータの読み込みを行う場合、制御ラインLC1にアクセス要求信号を出力する。この場合、判断部24bは、OSD処理部22の制御ラインLC2にアクセス要求が出力されていないので、CPU20からのアクセス要求を認めるレディ(READY)信号をレディ信号ラインLR1に出力する。また、判断部24bは、マルチプレクサ24aに制御ラインLC1,アドレスバスLA1及びデータバスLD1を選択させる選択信号をマルチプレクサ設定ラインLMに出力する。
【0034】
CPU20は、レディ信号ラインLR1がレディになると、アドレスバスLA1に読み込み対象となるSRAM28のメモリ空間のアドレス値を出力する。マルチプレクサ24aでは制御ラインLC1,アドレスバスLA1及びデータバスLD1がそれぞれ制御ラインLC3,アドレスラインLA3及びデータバスLD3に接続されるので、CPU20から出力された制御信号及びアドレス値がSRAMアクセス処理部26に入力される。そして、上記のようにSRAMアクセス処理部26を介してSRAM28からデータバスLD4を介してSRAMアクセス処理部26へデータが読み出される。SRAMアクセス処理部26は、データバスLD3に読み出されたデータを出力する。これにより、マルチプレクサ24aを介して、読み出されたデータがCPU20のデータバスLD1に出力される。
【0035】
次に、CPU20の制御ラインLC1にアクセス要求が出力されていない場合について以下に説明する。
【0036】
OSD処理部22は、SRAM28へのデータの書き込みを行う場合、制御ラインLC2にアクセス要求信号を出力する。この場合、判断部24bは、CPU20の制御ラインLC1にアクセス要求が出力されていないので、図3のT2に示すように、OSD処理部22からのアクセス要求を認めるレディ(READY)信号をレディ信号ラインLR2に出力する。また、判断部24bは、マルチプレクサ24aに制御ラインLC2,アドレスバスLA2及びデータバスLD2を選択させる選択信号をマルチプレクサ設定ラインLMに出力する。
【0037】
OSD処理部22は、レディ信号ラインLR2がレディになると、アドレスバスLA2に書き込み対象となるSRAM28のメモリ空間のアドレス値を出力すると共に、データバスLD2に書き込むデータを出力する。マルチプレクサ24aでは制御ラインLC2,アドレスバスLA2及びデータバスLD2がそれぞれ制御ラインLC3,アドレスラインLA3及びデータバスLD3に接続されるので、OSD処理部22から出力された制御信号、アドレス値及びデータがSRAMアクセス処理部26に入力される。これにより、上記のようにSRAMアクセス処理部26を介してSRAM28にデータが書き込まれる。
【0038】
また、OSD処理部22は、SRAM28からデータの読み込みを行う場合、制御ラインLC2にアクセス要求信号を出力する。この場合、判断部24bは、CPU20の制御ラインLC1にアクセス要求が出力されていないので、OSD処理部22からのアクセス要求を認めるレディ(READY)信号をレディ信号ラインLR2に出力する。また、判断部24bは、マルチプレクサ24aに制御ラインLC2,アドレスバスLA2及びデータバスLD2を選択させる選択信号をマルチプレクサ設定ラインLMに出力する。
【0039】
OSD処理部22は、レディ信号ラインLR2がレディになると、アドレスバスLA2に読み込み対象となるSRAM28のメモリ空間のアドレス値を出力する。マルチプレクサ24aでは制御ラインLC2,アドレスバスLA2及びデータバスLD2がそれぞれ制御ラインLC3,アドレスラインLA3及びデータバスLD3に接続されるので、OSD処理部22から出力された制御信号及びアドレス値がSRAMアクセス処理部26に入力される。そして、上記のようにSRAMアクセス処理部26を介してSRAM28からデータバスLD4を介してSRAMアクセス処理部26へデータが読み出される。SRAMアクセス処理部26は、データバスLD3に読み出されたデータを出力する。これにより、マルチプレクサ24aを介して、読み出されたデータがOSD処理部22のデータバスLD2に出力される。
【0040】
<アクセス要求が競合している場合>
次に、CPU20の制御ラインLC1及びOSD処理部22の制御ラインLC2に同時にアクセス要求が出力されている場合について以下に説明する。
【0041】
まず、OSD処理部22の占有信号生成部22aから占有信号ラインLO2に占有信号が出力されていない場合について説明する。この場合、判断部24bは、CPU20の制御ラインLC1及びOSD処理部22の制御ラインLC2にアクセス要求が出力されており、占有信号ラインLO2に占有信号が出力されていないので、図3のT3に示すように、CPU20からのアクセス要求を認めるレディ信号をレディ信号ラインLR1に出力する。一方、OSD処理部22のレディ信号ラインLR2にはレディ信号を出力しない。この場合のCPU20からSRAM28へのアクセス方法は上記と同様である。
【0042】
これによって、例えば、CPU20からのフォント格納メモリ(CGRAM)や色テーブル格納メモリ(CLURAM)の一部書き換え等の短時間で終了する処理をOSD処理部22からの処理に割り込ませることができる。そのため、CPU20がSRAM28へのアクセスの次に行うべき処理までの待ち時間を短縮することができ、プログラムの実行が遅延してしまうなどの問題を回避することができる。
【0043】
一方、OSD処理部22の占有信号生成部22aから占有信号ラインLO2に占有信号が出力されている場合、判断部24bは、CPU20の制御ラインLC1にアクセス要求が出力されているか否かに関わらず、図3のT4に示すように、OSD処理部22からのアクセス要求を認めるレディ信号をレディ信号ラインLR2に出力する。一方、CPU20のレディ信号ラインLR1にはレディ信号を出力しない。この場合のOSD処理部22からSRAM28へのアクセス方法は上記と同様である。
【0044】
これによって、例えば、キャプション情報やグラフィック情報が重畳されている水平ラインの処理の初期段階において所定のデータ容量の画像データを連続してバッファリングする等、OSD処理部22によるSRAM28の占有が必要な場合にCPU20からのアクセスを遮断してOSD処理部22にSRAM28へのアクセスを占有させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態における映像信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】異なるバス幅を有するCPU及びOSD処理部からメモリへのアクセス方法を説明する図である。
【図3】CPU及びOSD処理部からメモリへのアクセスの選択を説明するタイミングチャートである。
【図4】従来の映像信号処理装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0046】
10 主処理部(CPU)、12 OSD処理部、14 アクセス制御部、16 SRAMアクセス処理部、18 SRAM、20 主処理部(CPU)、22 OSD処理部、22a 占有信号生成部、24 アクセス制御部、24a マルチプレクサ、24b 判断部、26 SRAMアクセス処理部、26a アドレス変換部、28 SRAM、100,200 映像信号処理装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号を処理するための主制御部と、
前記映像信号を表示する際に重畳されるオンスクリーン画像データを処理するOSD処理部と、
前記主制御部及び前記OSD処理部からアクセスされるメモリと、
前記主制御部と前記OSD処理部とのアドレスバス及びデータバスを排他的に切り替えて前記メモリにアクセス可能に接続するアクセス制御部と、を備え、
前記アクセス制御部は、前記主制御部及び前記OSD処理部から前記メモリへのアクセスが同時に要求された場合、前記OSD処理部から出力される占有要求信号が出力されているときには前記OSD処理部を前記メモリにアクセス可能に接続し、前記OSD処理部から出力される占有要求信号が出力されていないときには前記主制御部を前記メモリにアクセス可能に接続することを特徴とする映像信号処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の映像信号処理装置であって、
前記メモリは、画像として表示される内容を保持するビデオメモリ、オンスクリーン画像データを生成するための画像データを格納するフォント格納メモリ及びオンスクリーン画像データを生成するための色データを格納する色テーブル格納メモリの少なくとも1つを含むことを特徴とする映像信号処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の映像信号処理装置であって、
前記主制御部のデータバスのバス幅と、前記OSD処理部のデータバスのバス幅と、が異なっている場合、前記メモリと接続される前記主制御部又は前記OSD処理でのデータバスのバス幅に合わせてアドレス変換処理を行うアドレス変換部を含むことを特徴とする映像信号処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−145831(P2009−145831A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−325902(P2007−325902)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(506227884)三洋半導体株式会社 (1,155)
【Fターム(参考)】