説明

映像信号送信機器及び映像信号受信機器

【課題】容易な映像信号の複写を防止し、かつテレビジョンの回路と親和性の良い輝度色差信号伝送方式可能なインターフェースを実現する。
【解決手段】デジタルインターフェース方式の映像伝送において、輝度色差信号の映像信号を伝送すると同時に輝度色差信号から原色信号への変換を規定するカラリメトリ情報及び映像アスペクト比情報を伝送する。これにより、高画質かつ高精細な映像を再生でき、かつキー情報で管理されたユーザのみが使用できるというコンテンツの著作権保護を実現し、テレビジョンベースの合理化された回路との親和性に優れた送出機器、受像機器、インターフェースを提供することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばデジタル放送送信装置、VTRやDVDプレーヤなどの映像信号送信機器、及びテレビジョン受像機またはパソコン用モニタなどのディスプレイ装置や、VTR、デジタル方送受信端末などの映像信号受信機器に関する。
【背景技術】
【0002】
送り側の機器として例えばパソコンを、受け側の機器として例えばアナログ表示方式のディスプレイ装置を考える場合、一般的には図5に示す構成を持つ。パソコン1におけるグラフィックチップ12のデジタルR,G,B出力信号はクロック同期信号発生器11のタイミングに従い読み出され、3つのDAC13〜15に入力され、同期信号と共に出力コネクタ16に出力される。モニタディスプレイ2の入力コネクタ21から入力されたアナログR,G,B信号はプリアンプ22で、コントラスト、黒レベル調整が実施され、アナログ表示素子23において、表示される。同様に同期信号は表示素子23の同期を取るものである。図5は、いわゆる伝統的なインターフェースであり、伝送される信号形態はベースバンドのアナログ信号である。
【0003】
このインターフェースを利用して、液晶などのデジタル表示のディスプレイ3を駆動する場合の例としては、図6に示す構成となる。入力コネクタ21から入力されるアナログR,G,B信号は、同期信号からクロック再生器32を経て再生したクロックを用いて、ADC33〜35を用いてサンプリングされ、デジタル信号表示素子36を駆動し、信号が表示される。この方式では、クロック再生器32の出力クロックが、オリジナルのクロック発生器11のクロックとは厳密には一致しない為に映像の表示品質が十分得られないと言う課題がある。また、この課題を解決するためには、クロックの位相調整の自動化手段などが用いられている。
【0004】
この課題を根本的に解決するための手法として、図7に示すデジタルインターフェースが提案され、用いられている。送り側の機器4において、R、G、Bデジタル信号は、クロック及び同期信号と共に、データ変換器41に入力される。データ変換器41においては、入出力コネクタ間の伝送路の影響を受けにくいデジタル信号形態に変換され、出力コネクタ43に出力される。またDCI(Display Control Information)ブロック42は、従来のアナログインターフェースにおいて、同期信号の有無を検出する事により実施していたディスプレイ装置の省電力の為の制御(例えば、映像ミュート、スリープモードなどの機能の制御)を代行して行う為のディスプレイ制御情報を、制御信号として送出する為の機能を持つ。デジタルディスプレイモニタ5においては、入力コネクタ51から伝送されたデジタルデータ信号は、データ変換器52に入力し、デジタルベースバンドのR,G,B信号及び同期信号を得たのち、表示素子53を駆動し、映像表示を行う。また、コネクタ51から送られるDCI信号も表示素子53に入力される構成である。この方式では、グラフィックチップ12のデジタルR,G,B信号の品質が劣化することなく、表示素子53に入力される為、高品質の表示が可能となる。データ変換の方式としては、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)と呼ばれるシリアル伝送方式がある。
【0005】
さて、デジタルインターフェースを用い、受け側の接続機器がアナログ表示素子である場合、図8に示す形態となる。データ変換器52の出力信号は、一旦DAC13〜15に入力され、アナログ信号に変換した上で、プリアンプ22、表示素子23を駆動すると言う方式になる。この結果、図5の回路ブロックと比較して、受け側の機器6においては、データ変換器52、DAC13〜15が必要となり、コストが上昇するため、アナログ表示機器としての利点もほとんど無く、デジタルインターフェースの普及が進みにくい状況にある。
【0006】
しかしながら、1998年以降のデジタル放送普及の動きに合わせ、より高画質のコンテンツを放送するためには、容易に複製できない配慮が必要であるとの認識から、送り側の機器で暗号化を実施し、受け側の機器で復号化処理を行うと言うシステムが提案されている。一例を図9に示す。送り側の機器7は、暗号化するためのキー情報72を持ち、デジタルR,G,B信号は、キー情報により、ブロック71において、データ変換と同時に暗号化処理が行われ、出力コネクタ43により伝送される。受け側の機器8においては、復号化するためのキー情報83を持ち、キー情報によりブロック82において、復号化処理と同時にデータ変換処理が行われ、DAC13〜15へと入力された後、表示素子23に映像信号が表示される。本方式の場合には、複合化する為のキー情報を持たない受信機器5、6などが接続された場合、複合化処理を行うことが出来ない為、映像表示を行うことが出来ない。同様に、送り側の機器7とVTR等を接続する事によるコンテンツの複写を防止することも可能である。また、このコンテンツの著作権保護の観点から、多少のコストアップは許容できると言う考えも広まりつつある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図9における例においては、「コンテンツの複写防止」と言う本来の機能を満足する。しかし、一般的に、受け側機器はテレビジョン受像機などのCRTタイプのアナログ表示機器が主流である。この為、下記の新たな課題が生ずる。
【0008】
課題(1):伝送する映像信号としては、R,G,Bの原色信号ではなく、Y,Pb,Prなどの輝度及び色差信号である事が望ましい。その為には、送り側で、原色信号→輝度色差信号の変換を実施し、変換を規定する情報を送出し、受け側機器で輝度色差信号処理を実施するときに、前記の変換を規定する情報を利用する事が望ましい。しかし、その変換を規定する情報を送出する仕組みが無い。
【0009】
課題(2):同様に、放送されるコンテンツなどの映像信号のアスペクト比を送出する仕組みが無い。
【0010】
課題(3):上記課題(1)、(2)の実現の為に、DCI制御ラインを使用する場合、コストがアップする。よって、DCI制御ラインを持たないディスプレイ装置においても、正常に映像を表示させるようにする必要がある。
【0011】
課題(4):受信機器(ディスプレイ装置)で暗号解除キー情報が無い場合に、映像が表示されず、ブラックアウトしてしまうと、機器が故障しているとユーザが誤解する可能性がある。よって、ディスプレイ装置が暗号解除キー情報を備えていない場合でも、何らかの映像を表示し、ユーザに対し故障と誤解されないようにする必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記(1)乃至(4)の課題のそれぞれに対し、本発明では、以下に示す解決手段を提供するものである。
【0013】
課題(1)に対しては、請求項1に記載しているように、ディスプレイ装置が備えるマトリクス回路の加算処理係数を定めるためのカラリメトリ情報を複合映像情報(輝度色差信号形式のデジタル映像信号、該輝度色差信号形式のデジタル映像信号に同期したクロック信号及び水平垂直同期信号を含む情報)とともに送信する手段を、送信機器に設けたて当該課題の解決を図った。また受信側においては、請求項11に記載しているように、このカラリメトリ情報に基づき前記マトリクス回路の加算処理係数を定めるようにして当該課題の解決を図った。
【0014】
課題(2)に対しては、請求項2及び3に記載しているように、複合映像情報に含まれるデジタル映像信号のアスペクト比に関する情報を送信するアスペクト比情報送出手段を、送信機器設けたて当該課題の解決を図った。また受信側では、請求項12及び13に記載しているように、この受信したアスペクト比情報に基づいて、受信映像信号に対し所定のアスペクト比変換処理を行うようにしている。
【0015】
課題(3)に対しては、請求項19に示されているように、前記複合映像情報に含まれる水平垂直同期信号から、その周波数を判別する同期周波数判別手段をディスプレイ装置に設け、該同期周波数判別手段の結果に応じて、前記マトリクス回路の加算処理係数を定めるためのカラリメトリ値、及び表示映像のアスペクト比の少なくともいずれか一方のデフォルト値を設定するようにして当該課題の解決を図った。
【0016】
課題(4)に対しては、請求項8及び9に記載されているように、送信機器をディスプレイ装置と双方向通信を可能にし、かつディスプレイ装置から、少なくとも前記暗号化された複合映像情報に対し暗号解除処理を行うための暗号解除キー情報の有無に関する第1のディスプレイ情報を受信可能にする。更に、送信機器に、ディスプレイ装置から受信した第1のディスプレイ情報に基づいて該ディスプレイが前記暗号解除キー情報を備えているか否かを判定する判定手段を設け、該判定手段により前記ディスプレイ装置が前記暗号解除キー情報を備えていないと判定された場合に、前記クロック信号及び前記水平垂直同期信号を所定の周波数に設定するとともに、前記複合映像情報について暗号化処理を行わずに送信するようにして当該課題の解決を図った。これにより、暗号解除キー情報の認証が行われない場合には、低解像度の映像信号を送出すし、ブラックアウトにより受像機が故障したというユーザーの誤判断を防止できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、高画質かつ高精細な映像を再生でき、かつキー情報で管理されたユーザのみが使用できるというコンテンツの著作権保護を実現し、テレビジョンベースの合理化された回路との親和性に優れた送出機器、受信機器を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る第1の実施形態を示すブロック構成図。
【図2】本発明に係る第2の実施形態を示すブロック構成図。
【図3】本発明に係る第3の実施形態を示すブロック構成図。
【図4】本発明に係る第4の実施形態を示すブロック構成図。
【図5】従来例を示すブロック構成図。
【図6】従来例を示すブロック構成図。
【図7】従来例を示すブロック構成図。
【図8】従来例を示すブロック構成図。
【図9】従来例を示すブロック構成図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本発明が適用される映像送出機器及び映像受信機器の要部ブロック図であって、本発明の第1の実施形態を示すものである。図1において、映像送出機器100は、クロック及び同期信号発生器101、グラフィックチップ102、データ変換及び暗号化処理ブロック103、DCI信号処理ブロック104、暗号化キー情報ブロック105、出力コネクタ106、アスペクト比情報及びカラリメトリ情報送出ブロック107から構成されている。映像受信機器110は、入力コネクタ111、データ変換及び暗号解除処理ブロック112、暗号解除キー情報ブロック113、DAC114〜116、輝度色差信号処理用プリアンプ117、アナログ信号表示素子118から構成されている。映像送出機器100におけるグラフィックチップ102のデジタル輝度色差信号Y,Pb,Pr出力信号はクロック同期信号発生器101のタイミングに従い読み出され、データ変換及び暗号化処理ブロック103に入力される。ここで、暗号化キー情報ブロック105の暗号化キー情報により、ブロック103において、データ変換と同時に暗号化処理が行われ、出力コネクタ106により複合映像情報として伝送される。一方、グラフィックチップ102の映像信号の、アスペクト比情報及びカラリメトリ情報も、ブロック107から送出され、ブロック103において輝度色差信号及び同期信号に重畳、データ変換され、出力コネクタ106により伝送される。DCI信号はブロック104から直接、コネクタ106を用いて送られる。
【0020】
映像受信機器110においては、暗号解除の為のキー情報ブロック113からの暗号解除キー情報によりブロック112において、暗号解除処理と同時にデータ変換処理が行われ、輝度色差信号は、DAC114〜116へと出力され、同期信号は表示素子118へ出力される。DAC114〜116の出力信号は、プリアンプ117において、輝度信号に対してはコントラスト処理、黒レベル補正処理、画質補正処理等が施され、色差信号に対しては色相、色飽和度調整などの処理が施される。処理後の輝度及び色差信号は、プリアンプ117に内蔵されるマトリクス回路(図示せず)において加算処理されるが、この時、ブロック112において輝度色差信号及び同期信号から分離され、信号ライン119を経て入力されるカラリメトリ情報により加算処理係数などが決定される。マトリクス処理後の信号は、表示素子118に入力され、映像信号が表示される。信号ライン119を経てブロック112から出力される表示アスペクト情報を参照することにより、例えばワイド映像(16:9)であり、表示素子118の実アスペクト比が4:3である場合においては、映像を上下に圧縮するなどの信号処理をブロック117などで行う。逆に、表示アスペクト情報が、標準映像(4:3)であり、表示素子118の実アスペクト比が16:9である場合においては、映像を左右に圧縮するなどの信号処理をブロック117などで行う。どちらの場合も、ブロック117での上下圧縮、左右圧縮は行わず、偏向処理により対応する事も可能である。
【0021】
以上説明した様に、本発明により、キー情報による暗号化と暗号解除機能によるコンテンツ保護可能な伝送系と、輝度色差信号伝送と信号アスペクト情報伝送によるテレビジョン回路との親和性に優れたデジタルインターフェースを持つ、送出機器、受像機器を実現することが出来る。
【実施例2】
【0022】
図2は、本発明の第2の実施形態を示す図であって、第1の実施形態と同一の機能ブロックは同一の番号を付している。第1の実施形態においては、表示アスペクト及びカラリメトリ情報ブロック107の信号は、データ変換暗号化ブロック103に入力されていたが、本実施形態においては、DCI処理ブロック104において、DCI信号と重畳する方式としている。DCIブロック104の信号は、入出力コネクタ106、111等を介して、受像機器110の表示素子118に伝えられるが、同時に、表示アスペクト及びカラリメトリ情報分離ブロック120にも入力される。ブロック120の出力情報信号により、プリアンプ117のマトリクス回路によるマトリクス処理、アスペクト変換処理などを制御し、第1の実施形態と同様の効果を得ることが出来る。
【実施例3】
【0023】
図3は、本発明の第3の実施形態を示す図であって、第1、第2の実施形態と同一の機能ブロックは同一の番号を付している。第1、第2の実施形態においては、表示アスペクト及びカラリメトリ情報ブロック107の信号は、データ変換暗号化ブロック103に入力、もしくは、DCI処理ブロック104に入力する方式としているが、第3の実施形態は、この両者の信号伝送の形態にも対応でき、かつどちらの信号伝送も無いときに受像機器での対応を行う為の実施形態である。
【0024】
受像機器122は、第1の実施形態の構成に加えて、表示アスペクト及びカラリメトリ情報分離ブロック120、H,V同期周波数判別ブロック123、表示アスペクト及びカラリメトリ決定ブロック124が追加されているものである。ブロック120の動作、機能は第2の実施形態で説明した通りであり、信号ライン119から得られる情報も、第1の実施形態で説明した通りである。ブロック123の機能は、同期信号の周波数判別を行い、例えば下記の5つの条件に応じた判別結果を出力する。
【0025】
(1)fH=15.75kHz、fV=60(もしくは59.94)Hzの場合には、映像アスペクト=4:3、カラリメトリ=SMPTE170M。
【0026】
(2)fH=31.5kHz、fV=60(もしくは59.94)Hzの場合には、映像アスペクト=4:3、カラリメトリ=SMPTE293M。
【0027】
(3)fH=33.75kHz、fV=60(もしくは59.94)Hzの場合には、映像アスペクト=16:9、カラリメトリ=SMPTE240M。
【0028】
(4)fH=45kHz、fV=60(もしくは59.94)Hzの場合には、映像アスペクト=16:9、カラリメトリ=SMPTE296M。
【0029】
(5)上記以外の場合には、映像アスペクト=16:9、カラリメトリ=SMPTE240M。
(尚fH、fVは水平、垂直同期周波数、SMPTEは米国の映像信号に関する標準化委員会の名称である。)
ブロック124においては、ブロック120あるいは信号ライン119から情報が得られない場合に、ブロック123からの同期信号周波数判別結果から上記(1)〜(5)のいずれかを判定し、アスペクトとカラリメトリを決定し、プリアンプ117を制御する。本実施形態においては、カラリメトリ及びアスペクト情報が伝送されない場合であっても、おおむね、第1の実施形態と同様の効果を得ることが出来るシステムである。
【実施例4】
【0030】
図4は、本発明の第4の実施形態を示す図であって、第1、第2の実施形態と同一の機能ブロックは同一の番号を付している。第1、第2の実施形態においては、表示アスペクト及びカラリメトリ情報がブロック103もしくはDCI処理ブロック104の一方に入力されているものであり、本実施形態では、両方に重畳するものである。また、本実施形態では、送出機器130において、接続判定ブロック133、同期設定用信号ライン135、SW設定信号ライン134、SW132、接続機器情報ブロック136が追加となっている。本実施形態では、(a)受像機器のブラックアウト防止機能、(b)接続機器の誤認識防止機能の2つの機能が実現可能である。
【0031】
以下、機能(a)について説明する。ブロック107の出力信号がブロック104、103に入力されることにより、受像機器がDCIラインからの信号情報あるいはデータ変換出力からの信号情報のどちらか一方に対応していれば、アスペクト及びカラリメトリの制御が可能となる。一方、本実施形態では受像機器と送出機器とを結ぶ信号線は双方向で、送出機器は受像機器のキー情報を認証する機能を持っており、キー認証が行われない場合において、接続判定ブロック133は、信号ライン135を介してブロック131の同期設定を、”fH=15.75kHz,fV=60Hz,インターレース比1:2”または”fH=31.5kHz,fV=60Hz”となる様に再設定する様に制御する。この結果、グラフィックチップ102の出力信号Y、Pb、Prはいわゆる”NTSCグレード”または”VGAグレード”となり、本信号に基づいて、ブロック103はデータ変換のみを行う(暗号化は行わない)事とし、コネクタ106を介して、受像機器で低解像度の映像表示を行うことが出来る。すなわち、キー認証が行われた場合には、高精細な映像信号の表示が可能であり、キー認証が行われない場合には低解像度の映像信号表示を行う様になる。この結果、ブラックアウトを防止することが出来る。
【0032】
次に、機能(b)について説明する。接続機器情報ブロック136には、受像機器がY,Pb,Pr等の輝度色差信号入力対応であるかどうかを問い合わせる情報が格納されている。この情報は、ブロック107の情報と共に、ブロック104、103に入力されることにより、DCIラインの信号情報あるいはデータ変換出力からの信号情報の両方に重畳される。本実施形態では受像機器と送出機器とを結ぶ信号線は双方向であり、またDCI信号線も双方向であるため、受像機器が”輝度色差信号入力対応可能”と言う情報を返すことが可能である。例えば、DCI2ABのコマンド拡張領域にコマンド定義して規格化する事が望ましい。いま、仮に”輝度色差信号入力対応可能”と言うコマンドが返された場合には、そのまま映像信号送出を続け、”輝度色差信号入力対応不可能”と言うコマンドが返された場合には、接続判定ブロック133は、SW132の信号入力をY/Pb/Prから、R/G/B側に切り替える様に制御する。この結果、映像信号はR,G,Bの原色信号をデータ変換、暗号化してコネクタ106に出力すると同時に、ブロック107においてもカラリメトリ情報としては、”原色信号”であることを伝送する。これにより、受像機器がRGB入力のみしか受け付けないパソコン用のモニタディスプレイ等が接続された場合であっても、同一規格のコネクタ106が使用されていても間違った色で映像表示がされることを防ぐことが出来、様々な接続形態を実現することが出来る。結果として、高画質かつ高精細な映像を再生でき、かつキー情報で管理されたユーザのみが使用できるというコンテンツの著作権保護を実現し、テレビジョンベースの合理化された回路との親和性に優れた送出機器、ディスプレイ装置、インターフェースを提供することが出来る。
【0033】
また、本実施形態においては、入力コネクタを持つ機器として、ディスプレイ装置での適用例を説明したが、ディスプレイ装置はテレビジョン、フロントデータプロジェクタやパソコン用モニタを含み、また、VTRなどの録画機器であっても良い。要は、デジタル化された映像信号(デジタル放送信号を含む)を受信するものであれば本機能を実現することが可能であり、その形態は本実施形態に記載のもの限定されない。
【符号の説明】
【0034】
100…映像送出機器、101…クロック及び同期信号発生器、102…グラフィックチップ、103…データ変換及び暗号化処理ブロック、104…DCI信号処理ブロック、105…暗号化キー情報ブロック、106…出力コネクタ、107…表示アスペクト及びカラリメトリ情報送出ブロック、110…映像受信機器、111…入力コネクタ、112…データ変換及び暗号解除処理ブロック、113…暗号解除キー情報ブロック、114、115、116…DAC、117…輝度色差信号処理用プリアンプ、118…アナログ信号表示素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
輝度色差信号形式のデジタル映像信号、該輝度色差信号形式のデジタル映像信号に同期したクロック信号及び水平垂直同期信号を含む複合映像情報を映像信号受信機器へ送信する映像信号送信機器において、
前記輝度色差信号形式を原色信号に変換するものであって、前記映像信号受信機器が備えるマトリクス回路の加算処理係数を定めるためのカラリメトリ情報を送信するカラリメトリ情報送出手段を設けたことを特徴とする映像信号送信機器。
【請求項2】
請求項1に記載の映像信号送信機器において、更に、前記デジタル映像信号のアスペクト比に関する情報を送信するアスペクト比情報送出手段を設けたことを特徴とする映像信号送信機器。
【請求項3】
輝度色差信号形式のデジタル映像信号、該輝度色差信号形式のデジタル映像信号に同期したクロック信号及び水平垂直同期信号を含む複合映像情報を映像信号受信機器へ送信する映像信号送信機器において、
前記デジタル映像信号のアスペクト比に関する情報を送信するアスペクト比情報送出手段を設けたことを特徴とする映像信号送信機器。
【請求項4】
前記複合映像情報は、キー情報により暗号化されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の映像信号送信機器。
【請求項5】
前記カラリメトリ情報または前記アスペクト比情報の少なくともいずれかが、前記複合映像情報に重畳されることを特徴とする請求項2に記載の映像信号送信機器。
【請求項6】
請求項2に記載の映像信号送信機器において、更に、前記映像信号受信機器を制御するための制御情報を送出する制御情報送出手段を備え、前記カラリメトリ情報または前記アスペクト比情報の少なくともいずれかが、前記制御情報に重畳されることを特徴とする映像信号送信機器。
【請求項7】
前記制御情報は、前記複合映像情報を伝送するための信号線とは別の信号線により伝送されることを特徴とする請求項6に記載の映像信号送信機器。
【請求項8】
前記映像信号受信機器と双方向通信を可能とし、少なくとも、該映像信号受信機器から、前記暗号化された複合映像情報に対し暗号解除処理を行うための暗号解除キー情報の有無に関する第1のディスプレイ情報、及び/または輝度色差信号入力に対応するか否かに関する第2のディスプレイ情報を受信することを特徴とする請求項4に記載の映像信号送信機器。
【請求項9】
請求項8に記載の映像信号送信機器において、更に、前記映像信号受信機器から受信した前記第1のディスプレイ情報に基づいて該ディスプレイが前記暗号解除キー情報を備えているか否かを判定する判定手段を有し、該判定手段により前記映像信号受信機器が前記暗号解除キー情報を備えていないと判定された場合に、前記クロック信号及び前記水平垂直同期信号を所定の周波数に設定するとともに、前記複合映像情報について暗号化処理を行わずに送信するようにしたことを特徴とする映像信号送信機器。
【請求項10】
前記映像信号受信機器から受信した前記第2のディスプレイ情報に基づいて、輝度色差信号形式の映像信号、もしくは原色信号形式の映像信号のいずれかを切り換えて出力するようにしたことを特徴とする請求項8に記載の映像信号送信機器。
【請求項11】
輝度色差信号形式のデジタル映像信号、該輝度色差信号形式のデジタル映像信号に同期したクロック信号及び水平垂直同期信号を含む複合映像情報を送信機器から受信し、該複合映像情報に含まれる輝度色差信号形式のデジタル映像信号を原色信号に変換するマトリクス回路を備えた映像信号受信機器において、
前記送信機器から前記複合映像情報とともに、前記マトリクス回路の加算処理係数を定めるためのカラリメトリ情報を受信し、該カラリメトリ情報に基づき前記マトリクス回路の加算処理係数を定めるようにしたことを特徴とする映像信号受信機器。
【請求項12】
請求項11に記載の映像信号受信機器において、更に、前記デジタル映像信号のアスペクト比に関する情報も受信するようにしたことを特徴とする映像信号受信機器。
【請求項13】
輝度色差信号形式のデジタル映像信号、該輝度色差信号形式のデジタル映像信号に同期したクロック信号及び水平垂直同期信号を含む複合映像情報を送信機器から受信する映像信号受信機器において、
前記送信機器から前記複合映像情報とともに前記デジタル映像信号のアスペクト比に関する情報を受信し、該アスペクト比情報に基づいて、受信映像信号に対し所定のアスペクト比変換処理を行うようにしたことを特徴とする映像信号受信機器。
【請求項14】
前記複合映像情報は、暗号化されていることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の映像信号受信機器。
【請求項15】
前記カラリメトリ情報または前記アスペクト比情報が、前記複合映像情報に重畳されることを特徴とする請求項12に記載の映像信号受信機器。
【請求項16】
前記送信機器から、更に、前記映像信号受信機器を制御するための制御情報を受信し、前記カラリメトリ情報または前記アスペクト比情報が、前記制御情報に重畳されることを特徴とする請求項12に記載の映像信号受信機器。
【請求項17】
前記制御情報は、前記複合映像情報を伝送するための信号線とは別の信号線により伝送されることを特徴とする請求項16に記載の映像信号受信機器。
【請求項18】
前記送信機器と双方向通信を可能とし、少なくとも、前記送信機器に対し、前記暗号化された複合映像情報に対し暗号解除処理を行うための暗号解除キー情報の有無に関する第1のディスプレイ情報、及び/または輝度色差信号入力に対応するか否かに関する第2のディスプレイ情報を送信することを特徴とする請求項14に記載の映像信号受信機器。
【請求項19】
輝度色差信号形式のデジタル映像信号、該輝度色差信号形式のデジタル映像信号に同期したクロック信号及び水平垂直同期信号を含む複合映像情報を送信機器から受信し、該複合映像情報に含まれる輝度色差信号形式のデジタル映像信号を原色信号に変換するマトリクス回路を備えた映像信号受信機器において、
前記複合映像情報に含まれる水平垂直同期信号から、その周波数を判別する同期周波数判別手段を有し、該同期周波数判別手段の結果に応じて、前記マトリクス回路の加算処理係数を定めるためのカラリメトリ値、及び表示映像のアスペクト比の少なくともいずれか一方のデフォルト値を設定するようにしたことを特徴とする映像信号受信機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−147173(P2011−147173A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66965(P2011−66965)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【分割の表示】特願2010−55280(P2010−55280)の分割
【原出願日】平成13年3月29日(2001.3.29)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】