説明

映像収録再生装置及びリビルド処理方法

【課題】 映像収録再生装置に特有な処理に影響を及ぼさずに、RAID機能を利用したリビルド処理を行うことが可能な映像収録再生装置を提供する。
【解決手段】 映像収録再生装置は、複数のストレージ、リビルド用読出し部、復元部、冗長データ付加部、リビルド用書込み部及び割当て部を具備する。複数のストレージには、複数の分割データと、冗長データとが記録される。リビルド用読出し部は、ストレージを新たなストレージに交換した場合、交換後のストレージ以外から分割データ及び冗長データを読み出す。リビルド用書込み部は、復元部で復元された、交換前のストレージに記録されていた分割データ及び冗長データを、交換後のストレージへ書き込む。割当て部は、リビルド処理にリソースを割り当て、リビルド処理中に所定の処理が要求された場合、要求された処理を実行するだけの残リソースがあるか否かに応じて、残リソースを要求された処理に割り当てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、RAID制御方式を利用して複数のストレージに映像データを蓄積する映像収録再生装置及びこの映像収録再生装置で用いられるリビルド処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像品質がハイビジョンからフルハイビジョン(2K×1K)、超ハイビジョン(4K×2K)、スーパーハイビジョン(8K×4K)に向け飛躍的に向上し、地上放送、BS(放送衛星)放送及びCS(通信衛星)放送が導入されることにより、コンテンツが大容量化及び多チャネル化している。
【0003】
ところで、近年、これらのコンテンツを収録、管理、再生する映像収録再生装置は、ファイル化が進みファイル収録が一般的になりつつある。ただし、同時に従来との互換性を維持するため、ファイル収録とストリーム収録との両方を1台の映像収録再生装置で実現することが一般的になっている。
【0004】
これらファイル収録、ストリーム収録されたコンテンツの再生に当たっては、視聴者が公共のため、一旦再生障害が発生すると大きな問題となる。そのため、映像収録再生装置は、再生品質が著しく問われる。そこで、映像収録再生装置を二系統化することで信頼性向上を図っていた。
【0005】
しかしながら、上記のように映像収録再生装置を二系統の構成にすると、装置費用が大幅に上がる。そのため、地方局や地方のケーブルテレビ局等における、二系統の映像収録再生装置の導入に支障をきたしていた。一方で、映像収録再生装置が管理する映像素材は番組/CM放送に必須であるため、映像収録再生装置にリードソロモン符号化/復号化の機能を組み込むことで、映像データにエラーが発生しても映像データを救済できるようにしている。また、リードソロモン符号化/復号化の機能のみでは、一部の記憶部に異常が発生すると救済も復元もできない場合があるため、映像データの救済・復元が可能なRAID機能及びRAID機能を利用したリビルド処理を映像収録再生装置にさらに組み込むことで、映像データを保証するようにしている。
【0006】
このような環境下、映像収録再生装置で記憶部に異常が発生し、RAID機能を利用したリビルド処理を行う場合、映像収録再生装置に特有な収録及び再生に影響を及ぼすと重大な障害となる。そのため、収録及び再生に影響を及ぼさないように、最低限のリソースのみを使用してリビルド処理を実行することになる。しかしながら、最低限のリソースのみを使用してリビルド処理を行おうとする場合、大容量のデータを記憶部に保存する映像収録再生装置では、リビルド処理に膨大な時間を要することとなり、リビルド処理中に別の記憶部に故障が発生し、映像データを救済・復元できなくなるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−228243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のように、従来の映像収録再生装置では、RAID機能を利用したリビルド処理を行う場合、映像収録再生装置に特有な収録及び再生に影響を及ぼさないようにしなくてはならない。しかしながら、これらの特有な処理に影響を及ぼさない程度の最低限のリソースのみを使用してリビルド処理を行おうとする場合、リビルド処理に膨大な時間を要することとなり、リビルド処理中に別の記憶部に故障が発生し、映像データを救済・復元できなくなるという問題がある。
【0009】
そこで、目的は、映像収録再生装置に特有な処理に影響を及ぼさずに、RAID機能を利用したリビルド処理を行うことが可能な映像収録再生装置及びこの映像収録再生装置で用いられるリビルド処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態によれば、映像収録再生装置は、複数のストレージ、リビルド用読出し部、復元部、冗長データ付加部、リビルド用書込み部及び割当て部を具備する。複数のストレージには、映像データ又は映像ファイルがRAID制御により分割された複数の分割データと、前記分割データを復元するための冗長データとが記録される。リビルド用読出し部は、前記複数のストレージのうち、いずれかのストレージを新たなストレージに交換した場合、交換後のストレージ以外のストレージに記録される分割データ及び冗長データを読み出す。復元部は、前記読み出された分割データ及び冗長データに基づいて、交換前のストレージに記録されていた分割データ及び冗長データを復元し、前記読み出された分割データと、復元した分割データとから映像データ又は映像ファイルを生成する。冗長データ付加部は、前記復元部で生成された映像データ又は映像ファイルを前記RAID制御により複数の分割データに分割し、前記分割データを復元するための冗長データを生成する。リビルド用書込み部は、前記冗長データ付加部からの分割データ及び冗長データのうち、前記交換前のストレージに記録されていた分割データ及び冗長データを、前記交換後のストレージへ書き込む。割当て部は、前記リビルド用読出し部、前記復元部、前記冗長データ付加部及び前記リビルド用書込み部に、前記リビルド処理を実行するためのリソースを割り当て、前記リビルド処理中にリアルタイム性を要する処理が要求された場合、前記要求された処理を実行するだけの残リソースがあるか否かを確認し、ある場合、前記残リソースを前記要求された処理に割り当て、無い場合、前記要求された処理を実行するだけの残リソースを確保するように前記リビルド処理に割り当てたリソースを解放した後、前記確保した残リソースを前記要求された処理に割り当てる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係る映像収録再生装置を備える映像送出システムの構成を示す図である。
【図2】図1の映像収録再生装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】図2の記憶部の機能構成を示すブロック図である。
【図4】図3のRAIDコントローラ部の機能構成を示すブロック図である。
【図5】図1の映像収録再生装置がリビルド処理を実行する際のRAIDコントローラ部の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】図1の映像収録再生装置がリビルド処理を実行する際のRAIDコントローラ部の処理手順のその他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る映像収録再生装置10を備える映像送出システムの構成例を示す模式図である。図1に示す映像送出システムは、映像収録再生装置10、ビデオカメラ20、再生デッキ30、ノンリニア編集機40、操作端末50、映像確認用モニタ60及び放送設備70を備える。
【0014】
ビデオカメラ20は、撮影により取得した映像信号を映像収録再生装置10へ出力する。
【0015】
再生デッキ30には、映像データ又は映像ファイルが記録された映像記録メディア31が挿入される。映像データとは、映像信号が予め設定された所定の符号化方式により符号化されたものであり、映像ファイルとは、映像データがファイル形式に変換されたものである。再生デッキ30は、映像記録メディア31から映像データ又は映像ファイルを読み出し、映像信号に変換して映像収録再生装置10へ出力する。
【0016】
ノンリニア編集機40は、ユーザからの要求に従い、映像収録再生装置10に蓄積されている映像ファイルを読み出す。ユーザは、ノンリニア編集機40により、読み出した映像ファイルを編集する。ノンリニア編集機40は、編集済みの映像ファイルを映像収録再生装置10へ出力する。
【0017】
操作端末50は、ユーザからの処理要求を受け付け、ユーザから要求された処理を実行するように、映像収録再生装置10に対して指示を出す。ここで、ユーザが要求する処理とは、映像信号又は映像ファイルの収録、映像信号の再生、映像ファイルの出力、及び、リビルド処理等である。なお、リビルド処理とは、映像収録再生装置10内の記憶部に搭載される複数のストレージのいずれかを交換した際に、交換対象のストレージ以外に記録されるデータに基づき、交換前のストレージに記録されていたデータを、交換後のストレージで再構築する処理をいう。
【0018】
映像確認用モニタ60は、映像収録再生装置10に蓄積される映像データ又は映像ファイルが再生された映像信号を受信する。映像確認用モニタ60は、映像収録再生装置10からの映像信号を表示する。ユーザは、映像確認用モニタ60の表示を見て、編集処理の必要性等を確認する。
【0019】
放送設備70は、映像収録再生装置10に蓄積されている映像データ又は映像ファイルが再生された映像信号を受信する。放送設備70は、映像収録再生装置10からの映像信号を、放送サービスを提供するエリアへ向けて送信する。
【0020】
図2は、本実施形態に係る映像収録再生装置10の機能構成を示すブロック図である。図2に示す映像収録再生装置10は、収録部11、伝送部12、記憶部13、出力部14、再生部15及び制御部16を具備する。
【0021】
収録部11は、外部から供給される映像信号を受信する。収録部11は、予め設定された符号化方式を用いて、受信した映像信号を映像データに変換する。収録部11は、制御部16の指示に従い、映像データを伝送部12を介して記憶部13へ出力する。
【0022】
また、収録部11は、外部から供給される映像ファイルを受信する。収録部11は、受信した映像ファイルを解析し、解析結果を制御部16へ出力する。映像ファイルがMXF(Material eXchange Format)ファイルである場合、収録部11は、受信した映像ファイルに対してMXF解析を行う。収録部11は、制御部16の指示に従い、解析後の映像ファイルを伝送部12を介して記憶部13へ出力する。また、収録部11は、外部から供給される映像ファイルを一時的に保持するバッファを備える。収録部11は、後述する記憶部13からのフロー制御があった場合、このバッファに映像ファイルを一時的に保持する。
【0023】
伝送部12は、例えば、イーサネット(登録商標)スイッチを用いた構成をしている。伝送部12は、収録部11から出力される映像データ又は映像ファイルを記憶部13へ伝送する。また、伝送部12は、記憶部13から読み出された映像ファイルを出力部14へ出力する。また、伝送部12は、記憶部13から読み出された映像データ又は映像ファイルを再生部15へ出力する。
【0024】
出力部14は、伝送部12から供給される映像ファイルを出力する。また、出力部14は、伝送部12から供給される映像ファイルを一時的に保持するバッファを備える。出力部14は、後述する記憶部13からのフロー制御があった場合、このバッファに冗長的に保持されている所定容量の映像ファイルを出力する。
【0025】
再生部15は、伝送部12から供給される映像データを収録部11での符号化方式に対応させて復号化し、映像信号に変換する。また、再生部15は、伝送部12から供給される映像ファイルを映像信号に変換する。再生部15は、変換後の映像信号を外部へ出力する。
【0026】
制御部16は、映像収録再生装置10の全体を制御するものである。制御部16は、操作端末50から、映像信号を収録するストリーム収録指示、映像ファイルを収録するファイル収録指示、映像信号の再生指示、映像ファイルの出力指示、及び、リビルド指示を受信する。
【0027】
制御部16は、ストリーム収録指示を受信すると、伝送部12及び記憶部13の状態を監視しながら、収録部11、伝送部12及び記憶部13に対して、映像信号を収録するようにストリーム収録制御を行う。また、制御部16は、ファイル収録指示を受信すると、伝送部12及び記憶部13の状態を監視しながら、収録部11、伝送部12及び記憶部13に対して、映像ファイルを収録するようにファイル収録制御を行う。また、制御部16は、映像信号の再生指示を受信すると、伝送部12及び記憶部13の状態を監視しながら、伝送部12、記憶部13及び再生部15に対して、映像信号を再生するように再生制御を行う。また、制御部16は、映像ファイルの出力指示を受信すると、伝送部12及び記憶部13の状態を監視しながら、伝送部12、記憶部13及び出力部14に対して、映像ファイルを出力するように出力制御を行う。また、制御部16は、リビルド指示を受信すると、記憶部13に対して、リビルド処理を実行するようにリビルド制御を行う。
【0028】
図3は、本実施形態に係る映像収録再生装置10の記憶部13の機能構成を示すブロック図である。図3に示す記憶部13は、転送処理部131−1〜131−3、誤り訂正符号化部132、誤り訂正復号化部133、RAIDコントローラ部134及びストレージ135−1〜135−nを備える。
【0029】
転送処理部131−1は、収録部11との間における映像データ及び映像ファイルの転送処理を行う。つまり、転送処理部131−1は、ストリーム収録時には、伝送部12を介して収録部11から供給された映像データを誤り訂正符号化部132へ出力する。また、転送処理部131−1は、ファイル収録時には、伝送部12を介して収録部11から供給された映像ファイルを誤り訂正符号化部132へ出力する。
【0030】
転送処理部131−2は、出力部14との間における映像ファイルの転送処理を行う。つまり、転送処理部131−2は、出力処理時には、誤り訂正復号化部133から供給される映像ファイルを伝送部12を介して出力部14へ出力する。
【0031】
転送処理部131−3は、再生部15との間における映像データ及び映像ファイルの転送処理を行う。つまり、転送処理部131−3は、再生処理時には、誤り訂正復号化部133から供給される映像データ又は映像ファイルを伝送部12を介して再生部15へ出力する。
【0032】
誤り訂正符号化部132は、ストリーム収録処理時には、転送処理部131−1からの映像データを、バースト誤りの訂正が可能な誤り訂正符号により符号化する。バースト誤りが訂正可能な誤り訂正符号には、例えば、リード・ソロモン訂正符号等がある。誤り訂正符号化部132は、誤り訂正符号化した映像データをRAIDコントローラ部134へ出力する。
【0033】
誤り訂正符号化部132は、ファイル収録処理時には、転送処理部131−1からの映像ファイルを、誤り訂正符号化する。誤り訂正符号化部132は、誤り訂正符号化した映像ファイルをRAIDコントローラ部134へ出力する。
【0034】
また、誤り訂正符号化部132は、リビルド処理時には、誤り訂正復号化部133で誤り訂正復号化された映像データ又は映像ファイルを受け取り、受け取った映像データ又は映像ファイルに対して誤り訂正符号化する。
【0035】
また、誤り訂正符号化部132は、誤り訂正符号化中の映像データ又は映像ファイルを一時的に保持するバッファを備える。誤り訂正符号化部132は、後述する優先制御部1347からの優先制御があった場合、このバッファに映像データ又は映像ファイルを一時的に保持する。
【0036】
誤り訂正復号化部133は、出力処理時には、RAIDコントローラ部134から供給される映像ファイルを、誤り訂正符号化部132で付加された誤り訂正符号に基づいて誤り訂正する。誤り訂正復号化部133は、誤り訂正復号化した映像ファイルを転送処理部131−2へ出力する。
【0037】
誤り訂正復号化部133は、再生処理時には、RAIDコントローラ部134から供給される映像データ又は映像ファイルを、誤り訂正符号化部132で付加された誤り訂正符号に基づいて誤り訂正する。誤り訂正復号化部133は、誤り訂正復号化した映像データ又は映像ファイルを転送処理部131−3へ出力する。
【0038】
また、誤り訂正復号化部133は、リビルド処理時には、RAIDコントローラ部134から供給される映像データ又は映像ファイルを、誤り訂正符号化部132で付加された誤り訂正符号に基づいて誤り訂正する。誤り訂正復号化部133は、誤り訂正復号化した映像データ又は映像ファイルを誤り訂正符号化部132へ出力する。
【0039】
また、誤り訂正復号化部133は、誤り訂正復号化中の映像データ又は映像ファイルを一時的に保持するバッファを備える。誤り訂正復号化部133は、後述する優先制御部1347からの優先制御があった場合、このバッファに映像データ又は映像ファイルを一時的に保持する。
【0040】
RAIDコントローラ部134は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)から成り、映像データ及び映像ファイルのストレージ135−1〜135−nへの書き込み、及び、ストレージ135−1〜135−nに記録される映像データ及び映像ファイルの読み出しを制御するものである。図4は、本実施形態に係るRAIDコントローラ部134の機能構成を示すブロック図である。図4に示すRAIDコントローラ部134は、割当て部1341、パリティ付加部1342、書込み制御部1343、読出し制御部1344、復元部1345、フロー制御部1346及び優先制御部1347を備える。
【0041】
割当て部1341は、制御部16から収録制御、再生制御、出力制御又はリビルド制御を受信した場合、受信した制御に対応した処理にリソースを割り当てる。ここで、リソースとは、ストレージ135−1〜135−nの書込み速度及び読出し速度と、RAIDコントローラ部134自体の処理能力と、伝送部12のデータ転送能力等とに基づいて決められる、映像収録再生装置10が処理を実行する際に必要となる資源のことである。つまり、リソースの量は、映像収録再生装置10が同時に実行することができる処理の数に影響を与える。
【0042】
例えば、ストリーム収録処理及び再生処理はリアルタイムで実行する必要があるため、ストリーム収録制御又は再生制御を受信した場合、固定的に設定された量のリソースが割り当てられる。また、ファイル収録処理、出力処理及びリビルド処理はリアルタイムで実行する必要がないため、ファイル収録制御、出力制御又はリビルド制御を受信した場合、ベストエフォート可能な限りのリソースが割り当てられる。
【0043】
また、割当て部1341は、リビルド処理中に、リアルタイムでの処理を必要とするストリーム収録制御又は再生制御を受信した場合、受信した制御についての処理を実行するだけの残リソースがあるか否かを判断する。ある場合、割当て部1341は、受信した制御についての処理に残リソースを割り当てる。無い場合、割当て部1341は、実行中のリビルド処理に割り当てられているリソースのいくつかを解放し、受信した制御についての処理を実行するのに必要な残リソースを確保する。割当て部1341は、受信した制御についての処理に、確保した残リソースを割り当てる。
【0044】
パリティ付加部1342は、ストリーム収録制御、ファイル収録制御又はリビルド制御を受信した場合、割り当てられたリソースを利用して、誤り訂正符号化部132から供給される映像データ又は映像ファイルを分割してn−1個の分割データを生成する。また、パリティ付加部1342は、生成したn−1個の分割データに基づいて冗長データであるパリティデータを一つ生成する。
【0045】
書込み制御部1343は、通常書込み制御部13431及びリビルド用書込み制御部13432の機能を有する。
【0046】
通常書込み制御部13431は、ストリーム収録制御又はファイル収録制御を受信した場合、割り当てられたリソースを利用して、分割データ及びパリティデータのストレージ135−1〜135−nへの書き込みを制御する。通常書込み制御部13431は、パリティデータが同一のストレージに記録されるのを避けるため、分割データ及びパリティデータの書き込み先をストレージ135−1〜135−nの中で順次切り替える。
【0047】
リビルド用書込み制御部13432は、リビルド制御を受信した場合、割り当てられたリソースを利用して、復元部1345で復元された分割データ及びパリティデータを、交換後のストレージへ書き込むように制御する。
【0048】
読出し制御部1344は、通常読出し制御部13441及びリビルド用読出し制御部13442の機能を有する。
【0049】
通常読出し制御部13441は、再生制御又は出力制御を受信した場合、割り当てられたリソースを利用して、ストレージ135−1〜135−nに記録された分割データ及びパリティデータの、ストレージ135−1〜135−nからの読み出しを制御する。
【0050】
リビルド用読出し制御部13442は、リビルド制御を受信した場合、割り当てられたリソースを利用して、交換対象のストレージ以外のストレージに記録される分割データ及びパリティデータの読み出しを制御する。
【0051】
復元部1345は、再生制御又は出力制御を受信した場合、割り当てられたリソースを利用して、通常読出し制御部13441の読出し制御に従ってストレージ135−1〜135−nから読み出された分割データ及びパリティデータを受け取る。復元部1345は、n−1個の分割データを正常に受け取った場合、n−1個の分割データを結合して映像データ又は映像ファイルを生成し、生成した映像データ又は映像ファイルを誤り訂正復号化部133へ出力する。
【0052】
受け取った分割データのうちいずれかにエラーがある場合、又は、分割データのいずれかを受け取ることができない場合、復元部1345は、正常に受け取ったn−2個の分割データ及びパリティデータに基づいて、正常な分割データを復元する。復元部1345は、n−2個の分割データと、復元した分割データとを結合して映像データ又は映像ファイルを生成し、生成した映像データ又は映像ファイルを誤り訂正復号化部133へ出力する。
【0053】
また、復号化部1345は、リビルド制御を受信した場合、割り当てられたリソースを利用して、リビルド用読出し制御部13442の読出し制御に従って交換対象のストレージ以外のストレージから読み出された分割データ及びパリティデータを受け取る。復号化部1345は、受け取った分割データ及びパリティデータに基づいて、交換前のストレージに記録されていた分割データ及びパリティデータを復元する。復号化部1345は、復元した分割データを含めたn−1個の分割データを結合して映像データ又は映像ファイルを生成し、生成した映像データ又は映像ファイルを誤り訂正復号化部133へ出力する。
【0054】
フロー制御部1346は、リビルド処理中に、リアルタイムでの処理が不要なファイル収録制御を受信した場合、収録部11に対して、受信した映像ファイルをバッファで一時保持するように、フロー制御を行う。また、フロー制御部1346は、リビルド処理中にリアルタイムでの処理が不要な出力制御を受信した場合、出力部14に対して、バッファに一時保持してある映像ファイルを出力するように、フロー制御を行う。
【0055】
優先制御部1347は、リビルド処理に関る映像データ又は映像ファイルに対して誤り訂正符号化部132で誤り訂正符号化が行われている際に、リアルタイムでの処理を必要とするストリーム収録制御又は再生制御を受信した場合、誤り訂正符号化部132に対して、処理中の映像データ又は映像ファイルをバッファに一時的に保持するように、優先制御を行う。
【0056】
また、優先制御部1347は、リビルド処理に関る映像データ又は映像ファイルに対して誤り訂正復号化部133で誤り訂正復号化が行われている際に、ストリーム収録制御又は再生制御を受信した場合、誤り訂正復号化部133に対して、処理中の映像データ又は映像ファイルをバッファに一時的に保持するように、優先制御を行う。
【0057】
ストレージ135−1〜135−nは、ストリーム収録処理時又はファイル収録処理時には、通常書込み制御部13431からの書込み制御に従い、分割データ及びパリティデータを記録する。
【0058】
また、ストレージ135−1〜135−nは、出力処理時又は再生処理時には、通常読出し制御部13441からの読出し制御に従い、記録されている分割データ及びパリティデータを出力する。
【0059】
また、ストレージ135−1〜135−nのうち、交換対象以外のストレージは、リビルド処理時には、リビルド用読出し制御部13442からの読出し制御に従い、記録されている分割データ及びパリティデータを出力する。ストレージ135−1〜135−nのうち、交換後のストレージは、リビルド処理時には、リビルド用書込み制御部13432からの書込み制御に従い、分割データ及びパリティデータを記録する。
【0060】
次に、以上のように構成された映像収録再生装置10によるリビルド処理方法をRAIDコントローラ部134の処理手順に従い説明する。
【0061】
図5は、本実施形態に係る映像収録再生装置10がリビルド処理を実行する際のRAIDコントローラ部134の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、リアルタイムで実行する必要があるストリーム収録制御や再生制御が、既に実行されている場合に、リビルド制御を行う例を説明する。
【0062】
まず、RAIDコントローラ部134は、制御部16からのリビルド制御があるか否かを判断する(ステップS51)。リビルド制御がある場合(ステップS51のYes)、割当て部1341は、リビルド処理を実行するだけの残リソースがあるか否かを判断する(ステップS52)。リビルド制御が無い場合(ステップS51のNo)、RAIDコントローラ部134は、ステップS51の処理を繰り返す。
【0063】
ステップS52において、リビルド処理を実行するだけの残リソースがある場合(ステップS52のYes)、割当て部1341は、残リソースをリビルド処理に割り当てる。リビルド用読出し制御部13442、復元部1345及びリビルド用書込み制御部13432は、割り当てられた残リソースを利用して、交換対象以外のストレージに記録される分割データ及びパリティデータに基づいて、交換後のストレージに、交換前のストレージに記録されていたデータを再構築する(ステップS53)。リビルド処理を実行するだけの残リソースがない場合(ステップS52のNo)、RAIDコントローラ部134は、実行中の処理が終了するまで待機し(ステップS54)、ステップS51の処理を行う。
【0064】
続いて、RAIDコントローラ部134は、リアルタイムで実行する必要があるストリーム収録制御又は再生制御があるか否かを判断する(ステップS55)。ストリーム収録制御又は再生制御がある場合(ステップS55のYes)、割当て部1341は、ストリーム収録処理又は再生処理を実行するだけの残リソースがあるか否かを判断する(ステップS56)。ストリーム収録制御及び再生制御が無い場合(ステップS55のNo)、RAIDコントローラ部134は処理を終了する。
【0065】
ステップS56において、ストリーム収録処理又は再生処理を実行するだけの残リソースがある場合(ステップS56のYes)、割当て部1341は、残リソースをストリーム収録処理又は再生処理に割り当てる。ストリーム収録処理を実行する場合、パリティ付加部1342及び通常書込み制御部13431は、割り当てられたリソースを利用し、誤り訂正符号化部132からの映像データをストレージ135−1〜135−nへ収録する。また、再生処理を実行する場合、通常読出し制御部13441及び復元部1345は、割り当てられたリソースを利用し、ストレージ135−1〜135−nに記録された分割データ及びパリティデータに基づいて映像データ又は映像ファイルを生成し、生成した映像データ又は映像ファイルを誤り訂正復号化部133へ出力する(ステップS57)。
【0066】
ストリーム収録処理又は再生処理を実行するだけの残リソースが無い場合(ステップS56のNo)、割当て部1341は、リビルド処理の代わりにストリーム収録処理又は再生処理にリソースを割り当てた後、リビルド処理に割り当てるだけの残リソースがあるか否かを判断する(ステップS58)。リビルド処理に割り当てるだけの残リソースがある場合(ステップS58のYes)、割当て部1341は、リビルド処理に割り当てられているリソースのうち、ストリーム収録処理又は再生処理に必要なリソースを解放し(ステップS59)、解放したリソースをストリーム収録処理又は再生処理に割り当てると共に、残リソースをリビルド処理に割り当てる。ストリーム収録処理を実行する場合、パリティ付加部1342及び通常書込み制御部13431は、割り当てられたリソースを利用し、誤り訂正符号化部132からの映像データをストレージ135−1〜135−nへ収録する。また、再生処理を実行する場合、通常読出し制御部13441及び復元部1345は、割り当てられたリソースを利用し、ストレージ135−1〜135−nに記録された分割データ及びパリティデータに基づいて映像データ又は映像ファイルを生成し、生成した映像データ又は映像ファイルを誤り訂正復号化部133へ出力する。また、リビルド処理を実行する場合、リビルド用読出し制御部13442、復元部1345及びリビルド用書込み制御部13432は、割り当てられた残リソースを利用して、交換対象以外のストレージに記録される分割データ及びパリティデータに基づいて、交換後のストレージに、交換前のストレージに記録されていたデータを再構築する(ステップS510)。リビルド処理に割り当てるだけの残リソースが無い場合(ステップS58のNo)、割当て部1341は、リビルド処理を中断し(ステップS511)、処理をステップS57へ移行する。
【0067】
また、ステップS59において、リビルド処理は処理規模が縮小され、ステップS511において、リビルド処理は処理が中断される。このため、優先制御部1347は、誤り訂正符号化部132及び誤り訂正復号化部133に対して、リビルド処理に関る映像データ又は映像ファイルを、それぞれに備えられるバッファで一時保持するように、優先制御を行う。
【0068】
また、リビルド処理中に、リアルタイムでの処理が不要なファイル収録制御又は出力制御を受信した場合、RAIDコントローラ部134は、ファイル収録処理及び出力処理をリビルド処理が終了するまで待機させる必要がある。フロー制御部1346は、リビルド処理中に、ファイル収録制御があった場合、収録部11に対してフロー制御を行う。また、フロー制御部1346は、リビルド処理中に、出力制御があった場合、出力部14に対してフロー制御を行う。
【0069】
なお、ファイル収録処理又は出力処理については、リアルタイム性が必須でないため、ベストエフォートで処理を行い、途中で失敗した場合はリトライ処理等により救済する。
【0070】
以上のように、本実施形態では、割当て部1341は、リビルド処理を実行している際に、リアルタイム性を要する処理が要求された場合、リビルド処理に割り当てられたリソースを解放し、解放したリソースを要求された処理に割り当てるようにしている。これにより、要求される処理に応じ、リビルド処理に割り当てるリソースをダイナミックに変化させることが可能になる。つまり、リビルド処理に割り当てられるリソースを、リアルタイム性を要する処理に影響を及ぼさない程度の最低限のリソースのみに制限する必要がなくなる。このため、リビルド処理に膨大な時間を要しなくなる。また、リビルド処理中に別のストレージに故障が発生し、映像データ又は映像ファイルを救済・復元できなくなるリスクを低減することが可能となる。
【0071】
また、本実施形態では、誤り訂正符号化部132及び誤り訂正復号化部133それぞれがバッファを備え、リビルド処理中にリアルタイム性を要する処理が要求された場合、処理中の映像データ又は映像ファイルをこれらのバッファへ一時的に保持するようにしている。これにより、リビルド処理に割り当てられるリソースをダイナミックに変化させる場合であっても、リアルタイム性を要する処理に影響を及ぼすことを回避することが可能となる。
【0072】
また、本実施形態では、収録部11がバッファを備え、他の処理中にリアルタイム性を要しないファイル収録処理が要求された場合、フロー制御部1346は、供給された映像ファイルをこのバッファへ一時的に保持する。また、出力部14がバッファを備え、他の処理中にリアルタイム性を要しない出力処理が要求された場合、フロー制御部1346は、バッファに保持されている映像ファイルを出力するようにしている。これにより、リビルド処理中に、リアルタイム性を要しない処理が要求された場合であっても、処理が滞ることを回避することが可能となる。
【0073】
したがって、本実施形態に係る映像収録再生装置10によれば、映像収録再生装置に特有な処理に影響を及ぼさずに、RAID機能を利用したリビルド処理を行うことができる。
【0074】
なお、本実施形態では、書込み制御部1343及び読出し制御部1344がバッファを備えていない場合を例に説明した。しかしながら、これに限定される訳ではない。書込み制御部1343及び読出し制御部1344は、それぞれがバッファを備えていても構わない。優先制御部1347は、リビルド処理に関る分割データ及びパリティデータが、リビルド用書込み制御部13432により交換後のストレージに書き込まれている際に、ストリーム収録制御又は再生制御を受信した場合、書込み制御部1343に対して、処理中の分割データ及びパリティデータをバッファに一時的に保持するように、優先制御を行う。また、優先制御部1347は、リビルド処理に関る分割データ及びパリティデータが、リビルド用読出し制御部13442により交換対象以外のストレージから読み出されている際に、ストリーム収録制御又は再生制御を受信した場合、読出し制御部1344に対して、処理中の分割データ及びパリティデータをバッファに一時的に保持するように、優先制御を行う。
【0075】
また、本実施形態では、リビルド処理中に、リアルタイムでの処理を必要とするストリーム収録処理又は再生処理を要求された場合に、RAIDコントローラ部134が、要求されたストリーム収録処理又は再生処理を、リビルド処理に優先させて実行する場合を例に説明した。しかしながら、これに限定される訳ではない。例えば、リビルド処理中に、リアルタイムでの処理を必要としないファイル収録処理又は出力処理が要求された場合であっても、要求されたファイル収録処理又は出力処理を、リビルド処理に優先させて実行するようにしても構わない。
【0076】
図6は、本実施形態に係る映像収録再生装置10がリビルド処理を実行する際のRAIDコントローラ部134のその他の処理手順を示すフローチャートである。なお、ステップS51〜ステップS54は、図5と同様である。
【0077】
ステップS53の後、RAIDコントローラ部134は、ストリーム収録制御、ファイル収録制御、再生制御又は出力制御等のリビルド制御以外の制御があるか否かを判断する(ステップS61)。リビルド制御以外の制御がある場合(ステップS61のYes)、割当て部1341は、要求された処理を実行するだけの残リソースがあるか否かを判断する(ステップS62)。リビルド制御以外の制御が無い場合(ステップS61のNo)、RAIDコントローラ部134は処理を終了する。
【0078】
ステップS62において、要求された処理を実行するだけの残リソースがある場合(ステップS62のYes)、割当て部1341は、残リソースを要求された処理に割り当てる。RAIDコントローラ部134は、割当て部1341により割り当てたリソースを利用し、要求された処理を実行する(ステップS63)。
【0079】
要求された処理を実行するだけの残リソースが無い場合(ステップS62のNo)、割当て部1341は、リビルド処理の代わりに、要求された処理にリソースを割り当てた後、リビルド処理に割り当てるだけの残リソースがあるか否かを判断する(ステップS64)。リビルド処理に割り当てるだけの残リソースがある場合(ステップS64のYes)、割当て部1341は、リビルド処理に割り当てられているリソースのうち、要求された処理に必要なリソースを解放し(ステップS65)、解放したリソースを要求された処理に割り当てると共に、残リソースをリビルド処理に割り当てる。RAIDコントローラ部134は、割当て部1341により割り当てたリソースを利用して、要求された処理を実行すると共に、リビルド処理を実行する(ステップS66)。リビルド処理に割り当てるだけの残リソースが無い場合(ステップS64のNo)、割当て部1341は、リビルド処理を中断し(ステップS67)、処理をステップS63へ移行する。
【0080】
このように、割当て部1341は、リビルド処理を実行している際に、リビルド処理以外の処理が要求された場合、リビルド処理に割り当てられたリソースを解放し、解放したリソースを要求された処理に割り当てるようにしている。これにより、要求される処理に応じ、リビルド処理に割り当てるリソースをダイナミックに変化させることが可能になる。つまり、リビルド処理に割り当てられるリソースを、ストリーム収録処理、ファイル収録処理、再生処理又は出力処理に影響を及ぼさない程度の最低限のリソースのみに制限する必要がなくなる。
【0081】
また、本実施形態では、収録部11が外部から供給される映像ファイルを一時的に保持するバッファを備え、出力部14が伝送部12から供給される映像ファイルを一時的に保持するバッファを備える場合を例に説明した。しかしながら、これに限定される訳ではない。例えば、収録部11が変換した映像データを一時的に保持するバッファを備え、再生部15が伝送部12から供給される映像データ又は映像ファイルを一時的に保持するバッファを備えていても構わない。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0083】
10…映像収録装置、11…収録部、12…伝送部、13…記憶部、14…出力部、15…再生部、16…制御部、131−1〜131−3…転送処理部、132…誤り訂正符号化部、133…誤り訂正復号化部、134…RAIDコントローラ部、1341…割当て部、1342…パリティ付加部、1343…書込み制御部、13431…通常書込み制御部、13432…リビルド用書込み制御部、1344…読出し制御部、13441…通常読出し制御部、13442…リビルド用読出し制御部、1345…復元部、1346…フロー制御部、1347…優先制御部、135−1〜135−n…ストレージ、20…ビデオカメラ、30…再生デッキ、31…映像記録メディア、40…ノンリニア編集機、50…操作端末、60…映像確認用モニタ、70…放送設備

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データ又は映像ファイルがRAID(Redundant Arrays of Independent Disks)制御により分割された複数の分割データと、前記分割データを復元するための冗長データとが記録される複数のストレージと、
前記複数のストレージのうち、いずれかのストレージを新たなストレージに交換した場合、交換後のストレージ以外のストレージに記録される分割データ及び冗長データを読み出すリビルド用読出し部と、
前記読み出された分割データ及び冗長データに基づいて、交換前のストレージに記録されていた分割データ及び冗長データを復元し、前記読み出された分割データと、復元した分割データとから映像データ又は映像ファイルを生成する復元部と、
前記復元部で生成された映像データ又は映像ファイルを前記RAID制御により複数の分割データに分割し、前記分割データを復元するための冗長データを生成する冗長データ付加部と、
前記冗長データ付加部からの分割データ及び冗長データのうち、前記交換前のストレージに記録されていた分割データ及び冗長データを、前記交換後のストレージへ書き込むリビルド用書込み部と、
前記リビルド用読出し部、前記復元部、前記冗長データ付加部及び前記リビルド用書込み部に、前記リビルド処理を実行するためのリソースを割り当て、前記リビルド処理中にリアルタイム性を要する処理が要求された場合、前記要求された処理を実行するだけの残リソースがあるか否かを確認し、ある場合、前記残リソースを前記要求された処理に割り当て、無い場合、前記要求された処理を実行するだけの残リソースを確保するように前記リビルド処理に割り当てたリソースを解放した後、前記確保した残リソースを前記要求された処理に割り当てる割当て部と
を具備することを特徴とする映像収録再生装置。
【請求項2】
前記割当て部は、リアルタイム性を要する処理については固定的な量のリソースを割り当て、リアルタイム性を要しない処理についてはベストエフォート方式でリソースを割り当てることを特徴とする請求項1記載の映像収録再生装置。
【請求項3】
前記復元部で生成された映像データ又は映像ファイルに対し、誤り訂正符号に基づいた誤り訂正を行う誤り訂正復号化部と、
前記誤り訂正復号化処理後の映像データ又は映像ファイルに対して誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号化部と、
前記リビルド処理中に前記リアルタイム性を要する処理が要求された場合、前記誤り訂正復号化部に、前記誤り訂正中の映像データ又は映像ファイルを一時的に保持させる優先制御部と
をさらに具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の映像収録再生装置。
【請求項4】
前記復元部で生成された映像データ又は映像ファイルに対し、誤り訂正符号に基づいた誤り訂正を行う誤り訂正復号化部と、
前記誤り訂正復号化処理後の映像データ又は映像ファイルに対して誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号化部と、
前記リビルド処理中に前記リアルタイム性を要する処理が要求された場合、前記誤り訂正符号化部に、前記誤り訂正付加中の映像データ又は映像ファイルを一時的に保持させる優先制御部と
をさらに具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の映像収録再生装置。
【請求項5】
前記優先制御部は、前記リビルド処理中に前記リアルタイム性を要する処理が要求された場合、前記リビルド用書込み部に、書き込み途中の映像データ又は映像ファイルを一時的に保持させることを特徴とする請求項3又は4記載の映像収録再生装置。
【請求項6】
前記優先制御部は、前記リビルド処理中に前記リアルタイム性を要する処理が要求された場合、前記リビルド用読出し部に、読み出し途中の映像データ又は映像ファイルを一時的に保持させることを特徴とする請求項3又は4記載の映像収録再生装置。
【請求項7】
前記リビルド処理中にリアルタイム性を要しない、映像ファイルを収録する処理であるファイル収録処理が要求された場合、前記ファイル収録処理を一時待機させるフロー制御を行うフロー制御部をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の映像収録再生装置。
【請求項8】
前記リビルド処理中にリアルタイム性を要しない、映像ファイルを出力する処理である出力処理が要求された場合、冗長的に保持されている映像ファイルを出力させるフロー制御を行うフロー制御部をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の映像収録再生装置。
【請求項9】
前記割当て部は、前記リビルド処理中に前記リビルド処理以外の処理が要求された場合、前記要求された処理を実行するだけの残リソースがあるか否かを確認し、ある場合、前記残リソースを前記要求された処理に割り当て、無い場合、前記要求された処理を実行するだけの残リソースを確保するように前記リビルド処理に割り当てられたリソースを解放した後、前記確保した残リソースを前記要求された処理に割り当てることを特徴とする請求項1記載の映像収録再生装置。
【請求項10】
前記復元部で生成された映像データ又は映像ファイルに対し、誤り訂正符号に基づいた誤り訂正を行う誤り訂正復号化部と、
前記誤り訂正復号化処理後の映像データ又は映像ファイルに対して誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号化部と、
前記リビルド処理中に前記リビルド処理以外の処理が要求された場合、前記誤り訂正復号化部に、前記誤り訂正中の映像データ又は映像ファイルを一時的に保持させる優先制御部と
をさらに具備することを特徴とする請求項9記載の映像収録再生装置。
【請求項11】
前記復元部で生成された映像データ又は映像ファイルに対し、誤り訂正符号に基づいた誤り訂正を行う誤り訂正復号化部と、
前記誤り訂正復号化処理後の映像データ又は映像ファイルに対して誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号化部と、
前記リビルド処理中に前記リビルド処理以外の処理が要求された場合、前記誤り訂正符号化部に、前記誤り訂正付加中の映像データ又は映像ファイルを一時的に保持させる優先制御部と
をさらに具備することを特徴とする請求項9記載の映像収録再生装置。
【請求項12】
前記優先制御部は、前記リビルド処理中に前記リビルド処理以外の処理が要求された場合、前記リビルド用書込み部に、書き込み途中の映像データ又は映像ファイルを一時的に保持させることを特徴とする請求項10又は11記載の映像収録再生装置。
【請求項13】
前記優先制御部は、前記リビルド処理中に前記リビルド処理以外の処理が要求された場合、前記リビルド用読出し部に、読み出し途中の映像データ又は映像ファイルを一時的に保持させることを特徴とする請求項10又は11記載の映像収録再生装置。
【請求項14】
映像データ又は映像ファイルがRAID(Redundant Arrays of Independent Disks)制御により分割された複数の分割データと、前記分割データを復元するための冗長データとが記録される複数のストレージを具備する映像収録再生装置で用いられるリビルド処理方法において、
前記複数のストレージのうち、いずれかのストレージを新たなストレージに交換した場合、交換前のストレージに記録されていた分割データ及び冗長データを交換後のストレージに記録するリビルド処理にリソースを割り当て、
前記リビルド処理中にリアルタイム性を要する処理が要求された場合、前記要求された処理を実行するだけの残リソースがあるか否かを確認し、
前記要求された処理を実行するだけの残リソースがある場合、前記残リソースを前記要求された処理に割り当て、
前記要求された処理を実行するだけの残リソースが無い場合、前記要求された処理を実行するだけの残リソースを確保するように前記リビルド処理に割り当てたリソースを解放した後、前記確保した残リソースを前記要求された処理に割り当てることを特徴とするリビルド処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−58103(P2013−58103A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196442(P2011−196442)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】