映像式遊技機
【課題】主制御装置の処理の増加を防止する。
【解決手段】仮抽選で定まる球色で当り予告可能、かつ始動入賞により適宜パターンで図柄変動し、変動中か大当り中の始動入賞を保留可能とした映像式遊技機において、仮抽選結果が外れの球に一定比率でリーチ属性ONを決定するリーチ属性決定手段6kと、図柄変動時にその時の確率で本抽選を行い、それに応じたパターンを指定して図柄変動を開始させる信号S4,S5を決定する、つまり決定を1回とし得る大当り抽選手段6iとを主制御装置6に設けた。画像表示制御装置7には、受けた信号S4,S5の指定パターンで図柄変動を開始させ、同信号の指定図柄で停止させる図柄表示制御手段と、仮抽選結果及びリーチ属性に応じた球色で各球を移動表示させる球移動表示手段とを設けた。
【解決手段】仮抽選で定まる球色で当り予告可能、かつ始動入賞により適宜パターンで図柄変動し、変動中か大当り中の始動入賞を保留可能とした映像式遊技機において、仮抽選結果が外れの球に一定比率でリーチ属性ONを決定するリーチ属性決定手段6kと、図柄変動時にその時の確率で本抽選を行い、それに応じたパターンを指定して図柄変動を開始させる信号S4,S5を決定する、つまり決定を1回とし得る大当り抽選手段6iとを主制御装置6に設けた。画像表示制御装置7には、受けた信号S4,S5の指定パターンで図柄変動を開始させ、同信号の指定図柄で停止させる図柄表示制御手段と、仮抽選結果及びリーチ属性に応じた球色で各球を移動表示させる球移動表示手段とを設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旧来からの機械式の遊技機(実遊技機)と同様の発射操作部を備え、入賞口、アウト口、遊技釘等の遊技盤面構成部材が実遊技機の遊技盤面形態を模して配置された遊技盤面、及びこの遊技盤面上の遊技領域に打ち込まれ流下する遊技球等を画像表示器に表示して仮想的に遊技を行う映像式遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機では、鋼球等からなる実際の遊技球(実球)を使用しないで遊技を行うので、発射操作部の操作により発射された時点でその遊技球(発射球)の遊技盤面画像上の消滅位置、つまり入球位置を決定している。
【0003】
ところで、この種の遊技機においても、実遊技機と同様に、次のような遊技盤面形態を備えるものがある。すなわち、始動入賞口と、開閉体の開動作によって他の入賞口よりも入球が容易となって多くの賞球の払い出しを受け得る大入賞口とを備え、かつ、上記始動入賞口への入球(入賞)による図柄の変動(表示)を開始してから所定時間後にその図柄変動を停止し、停止図柄により上記開閉体を開動作させ得る複数の図柄の変動を行う図柄表示部を備えるものがある。
【0004】
このような映像式遊技機では、入球位置のみならず、始動入賞口に入球した遊技球(始動入賞球)による図柄表示部での上記停止図柄の種類、換言すれば上記開閉体を開動作させる大当り状態(特別遊技状態)とするか否かについても、遊技球の発射時点で決定している。
そこで従来、上記のように遊技球の発射時点で把握できる、入球位置が始動入賞口か、あるいは大当り状態になるかについて、遊技者に事前に報知、つまり予告をして、遊技者に期待感をもたせるようにした映像式遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
予告の方法には、上記図柄表示部に特定のキャラクタを表示させるものや、画像表示される遊技球の色、質感あるいは形状等(遊技球の形態)を通常時とは異ならせるものがある。図柄表示部にキャラクタを表示する方法によれば、予告の決定時期を図柄停止時までとすることができるが、これでは現在多く出回っている実遊技機の場合と特に変わらない。
【0006】
遊技球の形態を異ならせる方法によれば、入球位置を始動入賞口とするか等を遊技球の発射時点で把握でき、また遊技球の形態も変えることができるという、映像式遊技機の特長を生かしたものとなり、更に予告の方法が斬新である。特許文献1にはこのような技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−168971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された映像式遊技機(先行技術)によれば、上記のように予告の方法が斬新であるという利点を有するが、以下のような課題があった。
すなわち、上記先行技術においては、発射時に主制御手段で決定される遊技球の入球位置が始動入賞口(始動入賞)である場合に、それに応じた適宜の図柄変動パターンを決定している。この図柄変動パターンは、大当り状態とするか否かの抽選(大当り抽選)の結果に基づいて図柄表示部で行う、複数の図柄の変動形態であり、最終的に停止した図柄の種類で大当り/外れの抽選結果を報知する。
【0008】
このような図柄変動パターンによる演出手法を適用し、かつ上記大当り抽選において大当りを引く確率(大当り確率)を高、低2種類有する、いわゆる確率変動タイプの映像式遊技機を作ろうとした場合、上記先行技術では、遊技中、高低確率に変化があったときに、保留球についてはその確率の変化が正しく反映されなくなる。つまり、正規の大当り確率(実パチンコ機の場合と同様のタイミング=図柄変動開始時)による大当り抽選をすることができなくなる。
そこで、このような確率の変化があった場合、従来技術では、主制御手段において、保留球による図柄変動開始時に再び図柄変動パターンを決定する必要が出てくる。変化後の確率によっては大当り/外れの抽選結果が逆転する場合があり、この場合、停止図柄を変更しなければならないからである。
しかし、これでは主制御手段における処理が増加するので、従来、この点についての改善が課題であった。なお、上記保留球についての詳細は後述する。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、遊技球発射時の大当り抽選における大当り確率がその後に変化した場合でも、保留球について正規の大当り確率による大当り抽選をすることができ、しかも、再度の図柄変動パターン決定をする必要はなく、主制御手段における処理の増加を防止できる映像式遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、始動入賞口、及び大当り抽選で大当りと決定されることによる開閉体の開動作によって他の入賞口よりも多くの遊技球の入球が可能となる可変入賞口を含む、遊技球の入球により賞球が払い出される複数の入賞口、遊技球の入球による賞球の払い出しのないアウト口、並びに前記始動入賞口への遊技球の入球に基づく図柄の変動を開始してから所定時間後にその変動を停止し、停止図柄により前記開閉体を開動作させ得る、図柄の変動表示を行う図柄表示部を含む盤面構成部材が配置された遊技盤面と、発射操作部の操作により発射され、前記入賞口又はアウト口を消滅位置として前記遊技盤面上を移動する遊技球とを、遊技機枠に搭載された画像表示器に表示して遊技を行う映像式遊技機であって、前記画像表示器に表示された遊技盤面画像における遊技状態を制御する主制御手段と、この主制御手段の制御に基づき前記遊技盤面画像における表示制御を行う画像表示制御手段とを備え、前記主制御手段は、発射される遊技球の前記遊技盤面画像上の消滅位置、及び前記遊技盤面画像上に表示されてから消滅するまでの生存時間を球属性として決定する球属性決定手段と、設定された条件を充足することにより、前記大当り抽選で大当りと決定される大当り確率を高低相互間で変化させる確率変動手段と、前記消滅位置が前記始動入賞口に決定された遊技球である始動入賞球について、その発射時点における大当り確率で大当り仮抽選を行って仮抽選結果信号を生成し、かつ、その始動入賞球に係る前記図柄の変動開始時には、その変動開始時点における大当り確率で大当り本抽選を行い、その本抽選結果に応じた図柄の変動パターンの種類を指定すると共に図柄の変動を開始させる、図柄変動開始・変動パターン指定信号を選択する大当り抽選手段と、前記大当り仮抽選の結果が外れであった場合に、その始動入賞球について予め定められた比率で分けられるリーチ属性を決定するリーチ属性決定手段と、前記始動入賞球に係る前記図柄の変動中又は前記開閉体の開動作中に新たな始動入賞球が生じた場合に、一定数までその新たな始動入賞球を保留球として積算記憶し、先行する始動入賞球又は保留球に係る前記図柄の変動又は前記開閉体の開動作の終了後に、後続する保留球を始動入賞球として前記大当り抽選手段にて前記本抽選及び図柄変動開始・変動パターン指定信号の選択を行わせると共に、前記保留球の記憶数をデクリメントする始動入賞球保留・消化手段と、発射される遊技球毎に前記球属性を含む発射信号を送信し、その発射信号に基づく始動入賞球が生じた場合にはその始動入賞球に係る前記仮抽選結果信号及びリーチ属性を前記発射信号と共に送信し、かつ、前記始動入賞球に係る前記図柄の変動に際しては前記大当り抽選手段により選択された前記図柄変動開始・変動パターン指定信号を送信する信号送信手段とを備え、前記画像表示制御手段は、前記発射信号の受信により、その発射信号中の球属性に基づき、遊技球が前記遊技盤面画像上に表示されてから前記入賞口又はアウト口で消滅するまでの道筋を表す球ルートを取得し、かつ、前記発射信号、仮抽選結果信号及びリーチ属性の受信により、前記球属性中の消滅位置、仮抽選結果及びリーチ属性に応じた形態を選択し、取得された前記球ルートに沿い、かつ、選択された前記形態で、各遊技球を前記遊技盤面画像上に移動表示させる遊技球移動表示手段と、前記図柄変動開始・変動パターン指定信号の受信により、前記図柄表示部にその図柄変動開始・変動パターン指定信号で指定された図柄の変動パターンで図柄の変動を開始させ、所定時間後に、その図柄変動開始・変動パターン指定信号で指定された停止図柄で停止させる図柄表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
特許請求の範囲の請求項1に記載の発明では、主制御手段は、始動入賞球について、発射時点での大当り確率で大当り仮抽選を行って仮抽選結果信号を生成し、その始動入賞球に係る図柄の変動開始時にはその時点での大当り確率で大当り本抽選を行い、その本抽選結果に応じた図柄の変動パターン(図柄変動パターン)の種類を指定すると共に図柄の変動を開始させる、図柄変動開始・変動パターン指定信号を選択する大当り抽選手段を備える。また主制御手段は、大当り仮抽選の結果が外れであった場合に、その始動入賞球について一定比率で分けられるリーチ属性を決定するリーチ属性決定手段を備える。
更に、主制御手段は、始動入賞球又は保留球に係る図柄の変動又は開閉体の開動作の終了後に、後続する保留球を始動入賞球として大当り抽選手段で大当り本抽選及び図柄変動開始・変動パターン指定信号の選択を行わせる始動入賞球保留・消化手段を備える。
そして、主制御手段の信号送信手段を、球属性を含む発射信号を送信し、始動入賞球が生じた場合にはその始動入賞球に係る仮抽選結果信号及びリーチ属性を発射信号と共に送信し、始動入賞球に係る図柄の変動に際しては大当り抽選手段により選択された図柄変動開始・変動パターン指定信号を送信するように構成した。
【0012】
一方、画像表示制御手段に備えられた遊技球移動表示手段を、発射信号の受信により球ルートを取得し、かつ、発射信号、仮抽選結果信号及びリーチ属性の受信により、球属性中の消滅位置、仮抽選結果及びリーチ属性に応じた形態を選択し、上記の取得された球ルートに沿い、かつ、選択された形態で、各遊技球を遊技盤面画像上に移動表示させるように構成した。
また、画像表示制御手段に備えられた図柄表示制御手段を、図柄変動開始・変動パターン指定信号の受信により、図柄表示部にその図柄変動開始・変動パターン指定信号で指定された図柄の変動パターンで図柄の変動を開始させ、所定時間後に、同上図柄変動開始・変動パターン指定信号で指定された停止図柄で停止させるように構成した。
【0013】
これによれば、始動入賞により行われる大当り抽選で大当りと決定されることによる開閉体の開動作(大当り状態)によって、他の入賞口よりも多くの遊技球の入球が可能となる可変入賞口を有し、
始動入賞するか、あるいは大当り状態になるか等を遊技球の形態により予告可能で、
発射時に決定された遊技球の入球位置が始動入賞口である場合に、それに応じた適宜の図柄変動パターンにより図柄変動を行い、
また、図柄変動中又は大当り状態である間に始動入賞球が生じた場合に、その始動入賞球の保留・消化が可能で、
かつ、大当り抽選で大当りを引く確率が変化し得る映像式遊技機において、次のような効果を発揮できる。
すなわち、遊技球発射時の大当り抽選における大当り確率が始動入賞球の保留中に変化した場合でも、その保留されていた始動入賞球(保留球)について正規の大当り確率で大当り抽選をすることができる。
しかも従来、大当り確率が変化して大当り/外れの抽選結果が逆転した場合には、主制御手段において、保留球による図柄変動開始時に再び図柄変動パターンを決定(少なくとも停止図柄を変更)する必要があったが、本発明では、図柄変動パターンの決定は、全て始動入賞球(保留球に係る始動入賞球を含む。)による図柄変動開始時に行っている。
したがって、上記のように大当り確率が変化して大当り抽選結果が逆転した場合でも、図柄変動にあたって、再度の図柄変動パターン決定をすることなく、つまり、1回の図柄変動パターンの決定(種類指定)のみで済み、主制御手段における処理を増加させることのない映像式遊技機を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、各図間において、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1は本発明が適用された映像式パチンコ機の一実施形態の要部を示す構成図、図2は図1中の主要部を取り出して示すブロック図である。
これらの図において、映像式パチンコ機の機枠(遊技機枠)1は、パチンコ遊技場内のいわゆる島と呼ばれるパチンコ機設置設備に取り付けるための固定枠2を備える。固定枠2には、可動枠3が、左側に位置するヒンジ4によって片開き可能に取り付けられる。可動枠3の内側には、画像表示器5が、画面を前側に向けて取り付けられる。画像表示器5は、液晶表示器、ELディスプレイ等からなり、電気的に表示形態を変えられる画像を表示できる。
可動枠3の裏面側には主制御装置6、画像表示制御装置7及びカード制御装置8が取り付けられる。
【0015】
このうち主制御装置6は、画像表示制御装置7の制御を経て画像表示器5に遊技盤面画像(以下、盤面画像と略記する。)を表示させ、かつこの表示させた盤面画像における遊技状態の制御及び賞球制御等、パチンコ機全般の制御を司る装置である。ここで、上記盤面画像は、実パチンコ機の遊技盤面形態を模した画像である。すなわち、図1に例示するように、ガイドレール39、発射通路40、遊技領域41、センタ飾り42、図柄表示部43、一般入賞口44〜47、始動入賞口48、大入賞口(可変入賞口)49、大入賞口49の前面の開閉体50、風車51、サイドランプ52、アウト口53、及び図示を省略した多数の遊技釘等の盤面構成部材等を表す画像からなる。
【0016】
上記主制御装置6は、図3に示すように、例えばCPU6a、RAM6b、ROM6c及び入出力インタフェース6dを備えて構成されている。ROM6cには、制御プログラム6c1、データ群6c2及び入賞率テーブル6c3が格納されている。
主制御装置6は、CPU6aがRAM6bを作業域として用いて制御プログラム6c1を実行し、ROM6c中のデータ群6c2及び入賞率テーブル6c3を適宜読み出しながら上述した遊技状態等の制御を行う。
【0017】
上記入賞率テーブル6c3には、図1に示す各入賞口44〜49へ遊技球が入球する割合(以下、入賞口別の入球割合という。)が、その遊技球の発射強度に対応させて表わされている。遊技球の発射強度は、後述する発射操作部の操作量に対応づけられている。
【0018】
以下、図4に図1及び図3を併用して入賞率テーブル6c3について説明する。
図4は、入賞率テーブル6c3の一例を示す図である。この図において、消滅位置とは、遊技球の入球位置を指す。この例では、入球位置として入賞口のみが示されているので消滅位置は入賞口を指す。
図示するように入賞率テーブル6c3は、入賞口別の入球割合、つまり入賞率を遊技球の発射強度(値)に応じて表わしている。例えば、遊技球の発射強度が11〜20の範囲内では、図1に示す入賞口44,45が0.01%、入賞口46,47が0.00%、始動入賞口48が4.00%、大入賞口49が35.00%で入賞することを表わしている。アウト口53へは残余の率で入球する。
【0019】
この例では、上記発射強度に応じた入賞口別の入球割合が、上記11〜20の範囲の次は21〜30、その次は31〜40というように、発射強度の範囲10刻みで1111〜1120まで、各1組の入賞口別の入球割合が設定されている。大入賞口49の入賞率は、開閉体50が開動作していないときは0.00%であり、ここでの大入賞口49の入賞率はそのままアウト口53への入球率に加算される。
【0020】
開閉体50の開動作には、連続開放や、適宜の時間間隔をおいて開閉動作を繰り返す間欠開放等があり、その何れを適用してもよいが、本実施形態では連続開放が適用されており、以下これを開放と略記する。
なお、入賞率テーブル6c3を、入賞口別の入球割合を違えて複数用意し、そのうちの1つをランダムに選択するようにしてもよい。
【0021】
図3に示すように、主制御装置6は、球属性決定手段6e、開閉体開閉信号生成手段6f、信号送信手段6g、確率変動手段6h、大当り抽選手段6i、始動入賞球保留・消化手段6j、リーチ属性決定手段6k及びリーチ演出付与手段6lも備える。
上記球属性決定手段6eは、入賞率テーブル6c3に表わされた入賞口別の入球割合に従い、後述する発射操作部の操作により発射される遊技球の盤面画像上の消滅位置と、盤面画像上に表示されてから消滅するまでの遊技球の生存時間とを球属性として決定するように構成されている。
【0022】
開閉体開閉信号生成手段6fは、予め定められた第1条件が充足されることにより、開閉体50を開動作させる開信号(開動作開始信号)S2を生成し、開閉体50の開動作開始後は予め定められた第2条件が充足されることにより閉動作させる閉信号(開動作終了信号)S3を生成する手段である。
ここで、「予め定められた第1条件が充足される」とは、例えば後述する複数の図柄が大当り図柄で停止することや、大当り状態(開閉体50の開動作によって大入賞口50が他の入賞口44〜48よりも遊技球の入球が容易な形態となる、つまりより多くの賞球の獲得が可能となる特別遊技状態)が継続することを指す。
また、「予め定められた第2条件が充足される」とは、例えば大入賞口49への予め定められた個数の遊技球の入賞(入球)、又は開閉体50の開動作開始後の、予め定められた時間の経過することを指す。「予め定められた個数」としては、ここでは10個が、また「予め定められた時間」としては、ここでは30秒が設定されている。
【0023】
信号送信手段6gは、球属性決定手段6eにより決定された球属性を含む遊技球発射信号(以下、発射信号と略記する。)S1、開閉体50の開信号S2及び閉信号S3、図柄の変動を開始させる図柄変動開始信号S4、図柄の変動パターンの種類を指定する図柄変動パターン指定信号S5、大当りの仮抽選結果信号S6及びリーチ属性(信号)S7を画像表示制御装置7に送信する手段である。
上記発射信号S1は、遊技球毎に、その発射時に送信される。大当りの仮抽選結果信号S6及びリーチ属性信号S7は、消滅位置が始動入賞口とされた遊技球、つまり始動入賞球が生じた場合にはその始動入賞球に係る上記発射信号と共に送信する。開信号S2及び閉信号S3は、開閉体50を開動作又は開動作させる際(大当り状態中、適時)に送信される。
ここで、図柄の変動パターンとは、図柄表示部43に表示される3つの図柄(L、C、R)についての変動時間、停止順序及び停止図柄の種類等からなる図柄変動の形態を指す。3つの図柄L、C、Rは、各々複数種類の図柄、例えば0〜9までの数字図柄からなり、それらがサイクリックに1図柄ずつ表示されるようになされている。
【0024】
このような図柄変動パターンの種類を指定する図柄変動パターン指定信号S5を図柄変動開始信号S4と共に画像表示制御装置7に送信すると、図柄表示部43において、これら両信号の受信時から、図柄変動パターン指定信号S5で指定された図柄変動パターンの種類に応じて図柄の変動が開始する。この図柄の変動は、上記図柄変動パターン中に設定された変動時間の満了時に、上記停止図柄の種類をもって停止する。
【0025】
確率変動手段6hは、予め設定した条件を充足することにより、上記大当り抽選で大当りと決定される確率(大当り確率)を高低相互間で変化させる手段である。例えば、低確率時の大当り確率が1/300であれば、高確率時には1/30にする、というように確率を高くあるいは逆に低くする手段である。
【0026】
確率変動手段6hは、低確率時の大当り抽選において大当りと決定され、図柄変動後の停止図柄が大当り図柄のうち特定図柄であるときに低確率状態から高確率状態に変化させる。確率変動手段6hは、このような高確率状態を、例えば次回以降、一定回数までの大当り抽選において再度大当りと決定されるまで継続させ、その後、低確率状態に戻す。
なお大当り抽選には、上記大当り仮抽選のみならず、後述する大当り本抽選も含まれるが、確率変動を生じさせる大当り抽選は後述する大当り本抽選のみである。
【0027】
大当り抽選手段6iは、大当り仮抽選及び本抽選を行う手段である。
大当り仮抽選は、球属性決定手段6eにより消滅位置が始動入賞口48と決定された遊技球である始動入賞球について、その発射時点における大当り確率で大当り/外れの別を決定する抽選である。この仮抽選結果を示す信号(仮抽選結果信号S6)は、信号送信手段6gに与えられ、発射信号S1と共に画像表示制御装置7に送信される。
【0028】
また大当り本抽選は、上記始動入賞球に係る図柄の変動開始時に、その時点における大当り確率で大当り/外れの別を決定する抽選であり、その結果(本抽選結果)は、図柄変動パターン指定信号S5の内容に反映される。つまり、信号送信手段6gに与えられる図柄変動パターン指定信号S5は、本抽選結果の大当り/外れの別に応じた図柄で停止させる信号とされ、信号送信手段6gに与えられて図柄変動開始信号S4と共に画像表示制御装置7に送信される。
更に本抽選結果は、主制御装置6が設定する上記遊技状態に反映される。つまり、主制御装置6は、パチンコ機各部を本抽選結果に応じた遊技状態に制御する。本抽選結果が大当りであれば、主制御装置6は図柄変動パターン指定信号S5による図柄変動の終了時に遊技状態を大当り状態とする。
【0029】
仮、本両抽選は、具体的には以下のように行われる。
大当り仮抽選は、上記のように消滅位置が始動入賞口48に決定(始動入賞決定)された遊技球である始動入賞球について、同決定の際に図示しない大当り抽選値取得手段から取得された抽選値を、同決定時点(発射時点)における大当り値と照合して行われる。また大当り本抽選は、上記始動入賞球に係る図柄の変動開始時に、上記抽選値をその時点における大当り値と照合して行われる。
【0030】
本実施形態では、上記抽選値として、「0〜592」までの数値をループカウントする大当り抽選用カウンタ(図示せず)の上記始動入賞決定の際に読み込まれたカウント値が用いられ、このカウント値を、抽選用テーブル(図示せず)に予め設定された大当り値と照合することで大当り/外れの別を決定している。これによれば、大当り確率は大当り値の数を変えることで変化させ得る。
【0031】
ここでは、大当り値を、低確率時では「3,103」の2種類設定され、高確率時では「7,37,53,73,97,103,127,139,157,181,199,211,239,271,307,331,359,373,457,521」の20種類設定されている。
つまり、低確率時には2/593≒1/300の大当り確率となり、高確率時には20/593≒1/30の大当り確率となる。
このような大当り確率の変更は、上述したように確率変動手段6hが行う。
【0032】
始動入賞球保留・消化手段6jは、上記始動入賞球に係る上記図柄の変動中又は上記開閉体50の開動作中(大当り状態にある間)に新たな始動入賞球が生じた場合に、予め定められた数、ここでは4個までその新たな始動入賞球を保留球として積算記憶する手段である。
始動入賞球保留・消化手段6jは、先行する始動入賞球又は保留球に係る図柄の変動又は上記開閉体50の開動作後(大当り状態の終了後)に、後続する保留球を始動入賞球としてその始動入賞球に係る図柄変動開始信号S4及び図柄変動パターン指定信号S5を信号送信手段6gから画像表示制御装置7に送信させる。
【0033】
保留球の記憶数は、その記憶された保留球に係る始動入賞球についての図柄の変動(表示)を開始又は終了する、つまり保留球の消化が行われる毎に1個ずつ減算(デクリメント)される。記憶された保留球数が減算され、4個未満になったときは、その時点から4個を上限として再び積算記憶可能である。
図1中の54は、各々保留球を表すランプ(保留球ランプ)であり、保留球の発生に従って、例えば左側のランプ54から順に1個ずつ点灯し、また保留球の消化に従って、例えば右側のランプ54から順に1個ずつ消灯し、その点灯ランプ数が現在の保留球数を表すように構成されている。
【0034】
リーチ属性決定手段6kは、上記大当り仮抽選の結果(仮抽選結果)が外れであった場合に、その始動入賞球について予め定められた比率でON又はOFFに分けられるリーチ属性を決定する手段である。このリーチ属性決定手段6kは、乱数を用いてリーチ属性ON又はOFFを決定する。
本実施形態では、「0〜499」までの数値をループカウントするリーチ属性決定用カウンタ(図示せず)の上記始動入賞決定時に読み込まれたカウント値と、予め設定された当り値、ここでは「105〜154」とを用いてリーチ属性ON又はOFFの別を決定している。具体的には、上記リーチ属性決定用カウンタのカウント値が当り値であればリーチ属性ONが、当り値以外の値であればリーチ属性OFFが決定される。この例では、およそ1/10の確率でリーチ属性ONと決定されるが、この確率のみに限定されないことは勿論である。
仮抽選結果が大当りであった場合には、その始動入賞球のリーチ属性は無条件で、つまりリーチ属性決定手段6kの決定処理を経ることなく全てがONに決定される。
【0035】
リーチ演出付与手段6lは、大当り抽選手段6iにより図柄変動パターン指定信号S5を選択するに当たって、上記大当り本抽選の結果が大当りであった始動入賞球及び上記リーチ属性がONと決定された始動入賞球について、リーチ演出を含む図柄変動パターン指定信号S5を選択させる手段である。
本実施形態では、大当り本抽選の結果が大当りであった始動入賞球のリーチ属性を全てONに決定するので、リーチ演出付与手段6lは、リーチ属性がONと決定された全ての始動入賞球について、つまり大当り本抽選の結果が大当りであったか否かを問うことなく、リーチ演出を含む図柄変動パターン指定信号S5を選択させることになる。
リーチ演出とは、残る1つの図柄が特定の図柄で停止するか否か、具体的には既に停止している揃いの2つの大当り図柄と同じ図柄で停止するか否かを緊張感をもたせて行う演出、ここでは演出表示を指す。
【0036】
次に、画像表示制御装置7について説明する。
画像表示制御装置7は、主制御装置6の制御に基づき、つまり主制御装置6からの発射信号S1、その他、各種の信号を受信し、これらの信号等により画像表示器5に盤面画像を表示させ、かつ表示させた盤面画像における表示制御を行う装置である。
「表示させた盤面画像における表示制御を行う」とは、具体的には、画像表示器5を制御して、盤面画像自体の制御表示、例えば後述する複数の図柄の変動や図1に示す大入賞口49の開閉体50の動画像表示等をさせ、あるいは遊技球を盤面画像上に移動表示させること等をいう。
画像表示制御装置7の制御によるこれらの表示は、主制御装置6の制御に基づいている。特に、画像表示制御装置7による盤面画像自体の制御表示は、主制御装置6による上記盤面画像における遊技状態の制御に基づいている。
【0037】
この画像表示制御装置7は、図5に示すように、例えばCPU7a、RAM7b、ROM7c、画像処理専用の演算処理ユニット(GPU:グラフィックス・プロセッシング・ユニット)7d、ビデオRAM7e、入力インタフェース7f及び出力インタフェース7gを備えて構成されている。
【0038】
上記ROM7cには、制御プログラム7c1と、遊技釘の位置・形状(大きさを含む。)を表す遊技釘データ7c2と、球属性別、ここでは発射強度に基づく遊技球の消滅位置・生存時間別の球ルートテーブル7c3と、その他のデータ群7c4とが格納されている。
データ群7c4には、遊技釘データ7c2と共に盤面画像を表示するためのガイドレール39、センタ飾り42、図柄表示部43、各種入賞口44〜49、開閉体50、風車51、サイドランプ52及びアウト口53等の盤面構成部材の表示用データや、盤面背景データ等が含まれる。
上記表示用データは、表示対象である各盤面構成部材の位置、形状(大きさを含む。)を表すデータであり、これらのデータから、遊技球を球ルート(位置座標データ群)に沿って移動表示させて入賞口44〜49やアウト口53で消滅させることが可能となる。
【0039】
画像表示制御装置7は、CPU7aがRAM7bを作業域として用いて制御プログラム7c1を実行し、ROM7c中の遊技釘データ7c2及びデータ群7c4を適宜読み出し、またGPU7dを制御してビデオRAM7eに描画データを書き込ませる。これにより画像表示制御装置7は、上述したように画像表示器5に盤面画像を表示させ、かつ表示させた盤面画像における表示制御を行う。
【0040】
本実施形態では、画像表示制御装置7は遊技球移動表示手段7h、開閉体開閉表示手段7i及び図柄表示制御手段7jを備える。
上記遊技球移動表示手段7hは、図3に示す主制御装置6の信号送信手段6gからの発射信号S1を受信して各発射信号S1中の球属性に基づき各遊技球の球ルートを取得(生成又は選択)し、その球ルートで各遊技球を盤面画像上に移動表示させるように構成されている。
球ルートは、各遊技球が盤面画像上に表示(発射)されてから図1に示す入賞口44〜49又はアウト口53で消滅、つまり入球するまでの道筋を表す位置座標データ群からなる。
球ルートの終点である入賞口44〜49又はアウト口53での遊技球の消滅はその生存時間の満了時となることは勿論であり、上記位置座標データ群中の各位置座標データは経過時間対応で、ここでは単位時間=16ミリ秒毎に、表されている。
【0041】
なお、球ルートは遊技球中心位置のルートを指す。また映像式パチンコ機においては、遊技球、入賞口44〜49及びアウト口53は画像で表示されているので、入賞口44〜49やアウト口53の位置、つまり球ルート終点で遊技球の表示が終了し、その遊技球が盤面画像上から消滅することは、遊技球が入賞口44〜49やアウト口53に入球することを指す。
【0042】
遊技球移動表示手段7hは、上記発射信号S1の受信によって、また消滅位置が始動入賞口48に決定された場合には同発射信号S1と共に送られてくる仮抽選結果信号S6及びリーチ属性信号S7の受信によって、以下のように選択された形態で遊技球を盤面画像上に移動表示させるように構成されている。遊技球の形態、すなわち色、質感又は形状等は、上記信号S1,S6,S7中の消滅位置(球属性)、仮抽選結果及びリーチ属性(ON又はOFF)に応じて選択される。
本実施形態では、信号S1,S6,S7中の消滅位置、仮抽選結果及びリーチ属性に応じて銀色、緑色又は赤色に選択された遊技球を移動表示させるように構成されている。
【0043】
開閉体開閉表示手段7iは、信号送信手段6gからの上記開信号S2又は閉信号S3の受信によって、盤面画像上の開閉体50の開又は閉動作表示を行わせる手段である。
この開閉体開閉表示手段7iは、本実施形態では上記本抽選結果が大当りと決定された始動入賞球に係る図柄の変動の終了時、つまり図柄の停止時に信号送信手段6gから送信される開信号S2を受信し、盤面画像上の開閉体50の開動作表示を行わせる。
【0044】
図柄表示制御手段7jは、上記図柄変動開始信号S4及び図柄変動パターン指定信号S5の受信によって、盤面画像上の図柄表示部43に図柄の変動(表示)を開始させると共に、図柄変動パターン指定信号S5で指定された図柄変動パターンで図柄を変動させ、所定時間後に、同図柄変動パターン指定信号S5で指定された停止図柄で停止させる手段である。
図柄変動パターン指定信号S5は、各始動入賞球(保留球を含む。)について、図柄の変動を開始させる際に得られる上記大当り本抽選結果に応じた図柄で停止させ、また、上記リーチ属性に応じてリーチ演出をさせて、又はさせることなく停止させるかをその変動パターン中に含む信号である。
【0045】
説明を図1に戻すと、可動枠3には、その前面に前面飾り枠11がヒンジ4によって片開き可能に取り付けられる。
前面飾り枠11は丸形開口部12を備え、この丸形開口部12は、前面飾り枠11の裏側に設けられた無色透明のガラス又は合成樹脂からなる画像表示器保護用パネル13で塞がれる。丸形開口部12を囲む前面飾り枠11の前面部には、カード挿入口14、貸出操作機構15、返却操作機構16、精算操作機構17、発射操作機構18、持ち球数表示器19等を備える。
【0046】
カード挿入口14は、ポイントや金額情報等の有価情報が書き込まれたカード状の記録媒体、ここでは金額情報が書き込まれたプリペイドカード等(以下、カードという。)22を挿入するスリット状の口である。カード挿入口14の裏側には、カード検出器23、カード搬送機構24、情報読取器25及び情報書替器26が、前面飾り枠11の裏部等に取り付けられた状態で位置する。
貸出操作機構15は、遊技者により操作される貸出操作部27と、この貸出操作部27を介して操作される貸出スイッチ28とを備える。
返却操作機構16は、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される返却操作部29と、この返却操作部29を介して操作される返却スイッチ30とを備える。
【0047】
精算操作機構17は、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される精算操作部31と、この精算操作部31を介して操作される精算スイッチ32とを備える。精算スイッチ32自体を前面飾り枠11の前側に配置し、遊技者が精算スイッチ32を直接操作可能にしてもよく、この場合は精算操作部31を省略できる。
発射操作機構18は、遊技者により前面飾り枠11の前側から回動操作される発射操作部(発射レバー)33と、この発射操作部33の操作により動作する可変抵抗器34と、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される発射停止操作部35と、この発射停止操作部35によりON/OFF動作する発射停止スイッチ36とを備える。また発射操作機構18は、遊技者が発射操作部33に触れているか否かを検出するタッチセンサ(図示せず)を備える。
上記持ち球数表示器19は、数値表示面が前面飾り枠11の前側から見えるように、前面飾り枠11又は可動枠3に取り付けられる。
【0048】
以下、上述実施形態の基本的な動作について、主に図1、図3及び図5を参照しつつ説明する。
まず、主制御装置6、画像表示制御装置7及びカード制御装置8が、機枠1に設けられた電源装置(図示せず)から直流電源が供給され起動されると、主制御装置6の制御に基づき画像表示制御装置7が画像表示器5を制御して、この画像表示器5に盤面画像を表示させる。
この盤面画像は、上述したように各種の盤面構成部材39、42〜55、及び図示を省略した多数の遊技釘等を表す画像からなる。
【0049】
いま、遊技者がカード22をカード挿入口14に挿入すると(図1中の矢印イ参照)、カード検出器23がカード検出信号をカード制御装置8に出力し、カード搬送機構24を引込制御する。これにより、カード22が機内に搬送され(図1中の矢印ロ参照)、情報読取器25がカード22の金額情報を読み取ってカード制御装置8に出力する。カード処理装置8は、読み取った金額情報を残高表示器(図示せず)に表示する。
【0050】
その後、遊技者が貸出操作部27を操作して借り出す球数に相当する投資金額を入力すると、入力された投資金額に相当する投資金額情報が貸出信号として貸出スイッチ28からカード制御装置8に出力される。カード制御装置8は、貸出スイッチ28からの貸出信号に対応する投資金額情報を演算し、カード22から読み取って記憶しておいた金額情報(カード読取金額情報)が上記投資金額情報以上であるか否かを判定する。
【0051】
カード制御装置8は、上記カード読取金額情報が投資金額情報以上である場合には投資金額情報をそのまま、投資金額情報未満である場合には上記カード読取金額情報を投資金額情報として、主制御装置6に出力する。主制御装置6は、カード制御装置8から出力された投資金額情報に応じた球数情報を持ち球数表示器19に出力し、この持ち球数表示器19に持ち球数として数値表示させる(持ち球数として設定する)。
【0052】
具体的には、貸出スイッチ28の1回の貸出信号が500円に相当するとした場合、カード22には500円の整数倍の金額情報が書き込まれている。そして、カード挿入口14に挿入されたカード22に、例えば1000円の金額情報が書き込まれている場合であって、遊技者が、貸出操作部27を1回操作した場合には500円に、2回操作した場合には1000円に、相当する球数を持ち球数表示器19に表示する。カード22に500円の金額情報が書き込まれていて、遊技者が貸出操作部27を2回操作した場合には、2回の操作に拘わらず500円に相当する球数を持ち球数表示器19に表示する。
なお、カード読取金額情報を度数情報としてカード制御装置8に接続された度数表示器(図示せず)に表示するようにしてもよい。
【0053】
持ち球数表示器19による球数表示と並行して、カード制御装置8は、上記カード読取金額情報から貸出としての球数情報に対応する投資金額情報を減算して情報書替器26を制御し、カード22の金額情報を上記減算の結果の残額情報に書き替える。
残額情報が「0」の場合、カード制御装置8はカード搬送機構24を戻し制御する。遊技者が返却操作部29を操作すると、カード制御装置8は、返却スイッチ30から返却信号を受けてカード搬送機構24を戻し制御する。
これらの戻し制御によって、カード搬送機構24はカード22を搬送してその一部をカード挿入口14から突出させ、カード22を機枠1から取り出し可能とする。
【0054】
持ち球数表示器19が球数を表示した状態において、遊技者が発射操作部33を操作すると、図示しないタッチセンサがONすると共に、可変抵抗器34が発射操作部33の操作量に応じた可変抵抗値を主制御装置6に出力する。なお、発射停止操作部35は操作されてなく、発射停止スイッチ36はOFFしているものとする。
【0055】
主制御装置6は、発射操作部33の操作量がいわゆる遊びの範囲を超えているか否か、具体的には可変抵抗器34の可変抵抗値が一定値以上か否かによる発射可否の判定を行う。主制御装置6は、判定結果が発射可である場合には、1分間当り例えば100個の割合で発射ON信号を生成すると共に、この発射ON信号毎に、その信号生成時の上記可変抵抗値、換言すれば発射操作部33の操作量を取得する。
また主制御装置6は、画像表示器5に画像として描かれる遊技球が発射表示されてから遊技領域41をどのようなルートで流下、移動させるかについての基本的な情報となる球属性を上記発射ON信号毎、つまり発射球(発射操作部33の操作により発射される遊技球)毎に決定する。
【0056】
上記球属性は、主制御装置6に備わる球属性決定手段6eにより決定される。
すなわち球属性決定手段6eは、発射操作部33の操作量に応じて遊技球の発射強度を求め、この発射強度に基づき、発射される遊技球の盤面画像上の消滅位置と、盤面画像上に表示されてから消滅するまでの遊技球の生存時間とを球属性として決定する。
【0057】
図6に、遊技球の発射強度とこの発射強度に基づいて求められる生存時間との関係の一例を示す。ここでは、発射強度に基づいて求められる生存時間が一定の幅をもつ例が示されている。
遊技球の生存時間を、遊技球の発射強度に基づくものではあるが、直接的には上記消滅位置に応じて求めたものであってもよい。また、遊技球の発射強度を球属性に含めてもよく、この場合、発射強度は、遊技球が遊技領域41に打ち込まれて最初に衝突する盤面構成部材位置、つまり着弾位置の決定等に利用される。
【0058】
上記発射強度は、遊技球の発射の強さを表す情報であり、上述したように遊技球の消滅位置及び生存時間を求める基本的な情報として用いられる。
遊技球の消滅位置は、入賞口44〜49に入賞(入球)するか、入賞するときはどの入賞口に入賞するか、又は入賞せずにアウト口53に入球するかを表す入球位置に係る球属性である。遊技球は入賞口44〜49への入賞、又はアウト口53への入球時にその表示が終了し、盤面画像上から消滅する。
遊技球の生存時間は、発射操作部33が操作され、遊技球が発射されてから消滅するまで、つまり盤面画像上に表示が開始されてから終了するまでの経過時間に係る球属性である。
【0059】
球属性決定手段6eにより決定された各球属性を含む発射信号S1は信号送信手段6gから画像表示制御装置7に送信される。
画像表示制御装置7は、信号送信手段6gからの発射信号S1を受信して同発射信号S1中の上記2つの球属性に基づき各遊技球の移動ルート、つまり球ルートを選択(取得)し、その球ルートで各遊技球を画像表示器5に表示された盤面画像上に移動表示させる。
【0060】
球ルートは、遊技球が発射(表示)されガイドレール39に沿って遊技領域41の上部に打ち込まれた後、流下、移動しながら風車51や図示しない遊技釘等に当たって、入賞口44〜49の何れかに入賞し、又は非入賞となってアウト口53に入球するまでの道筋を表わす位置座標データ群からなる情報である。球ルートは、上記発射信号S1(球属性)に応じて多数種類設定されている。
【0061】
入賞は、画像表示器5に表示された盤面画像における遊技領域41を流下、移動する遊技球が入賞口44〜48(図示例では開閉体50が閉じているので大入賞口49は含まない。)の何れかに入球することを表わす情報である。
非入賞は、画像表示器5に表示された盤面画像における遊技領域41を流下、移動する遊技球が入賞口44〜49の何れにも入賞しないでアウト口53に入球することを表わす情報である。
なお、入賞として始動入賞口48への入賞が決定された場合にだけ、大当り/外れ情報(大当り/外れの別)が決定される。
【0062】
大当り/外れ情報は、主制御装置6において、入賞として始動入賞口48への入賞が決定されたタイミングで大当り抽選用カウンタ(図示せず)のカウント値を取得し、このカウント値を抽選値として大当り値と照合(大当り抽選)して決定される。上記抽選値及び大当り/外れ情報(抽選結果)はRAM6bに記憶される。
【0063】
映像式パチンコ機では、始動入賞口48への入賞は遊技球発射時に決定され、その際に大当り抽選も行われる。大当り抽選における大当り確率は、その抽選時、つまり遊技球発射時点の確率を用いて行われる。
しかし、始動入賞口48への入賞が決定された始動入賞球による図柄変動が開始(図柄変動開始信号S4が主制御装置6から送信)されるまでの間に大当り確率が変化し、例えば高確率状態から低確率状態となり、しかも、高確率状態では大当りと決定されるが、低確率状態では外れと決定される場合がある。上記抽選値として「7」や「139」を取得した場合が挙げられる。抽選値「7」,「139」は高確率時には大当り値となっているが、低確率時には大当り値となっていない(外れ値となっている)からである。
【0064】
このような場合には、その始動入賞球については正規の大当り確率、すなわち図柄変動開始時における大当り確率で大当り抽選がなされなかったことになる。そこで本実施形態では、始動入賞口48への入賞決定時(始動入賞球発射時)に行う大当り抽選は仮抽選とし、その結果を、盤面画像上に移動表示される遊技球の色を銀色又はその他の特別な色、ここでは緑色又は赤色とするか否かの選択及びリーチ属性の決定のみに用いることとした。
【0065】
すなわち仮抽選結果は、仮抽選結果信号S6として発射信号S1と共に信号送信手段6gから画像表示制御装置7に送信され、この仮抽選結果、上記リーチ属性及び遊技球の消滅位置に応じた色で遊技球を盤面画像上に移動表示させる。
どの球色とされるかの詳細は後述するが、このような仮抽選結果、リーチ属性及び遊技球の消滅位置により、どのような比率で球色が決められるかについては予め定められている。したがって、移動表示される遊技球の色は大当り状態となり得るか等の予告として機能し、遊技者が抱く大当り状態となる期待感を増減させ、遊技を面白くする。
【0066】
本実施形態では、抽選値は仮抽選及び本抽選共に始動入賞口48への入賞時に取得したものを共通に用い、また、低確率時の大当り値はその全てが高確率時の大当り値にもなっている。
したがって、仮抽選時の確率状態が低確率であるが遊技球は緑色球又は赤色球(着色球:異形態遊技球)であり、その後に行われる本抽選時の確率状態が高確率に変わった場合には大当り状態となる期待感は更に高まることになる。
【0067】
なお、上記の始動入賞球による図柄変動が開始(図柄変動開始信号S4が主制御装置6から送信)されるまでの間とは、始動入賞球が実際に始動入賞口48へ入賞するまでの間を指す他、その始動入賞球が保留球として記憶された場合には、その後、その始動入賞球(保留球)による図柄変動が開始されるまでの間も含む。
すなわち、始動入賞口48への入賞時には、先行する他の始動入賞球による図柄の変動中であったり、開閉体50の開動作中、つまり大当り状態であったため、その始動入賞球が保留球として記憶され、その後、上記の先行する他の始動入賞球による図柄変動が終了して自身(保留球となっている後続の始動入賞球)による図柄変動が開始されるまでの間も含む。
【0068】
さて、遊技球が画像表示器5に表示された盤面画像上に移動表示されると、主制御装置6は、上記発射ON信号毎に球数情報を減算し、この減算した球数情報を持ち球数表示器19に出力する。
球属性を含む発射信号S1を、上記発射ON信号毎に順次画像表示制御装置7に送信し、画像表示制御装置7で画像表示器5を制御させれば、画像表示器5は遊技球動画像(球ルートに沿って移動する遊技球画像)を次々と表示する。
この遊技球動画像は、遊技球が1分間当り100発の割合で盤面画像中の発射通路40から遊技領域41に打ち込まれ、この遊技領域41を流下、移動する動画像である。
画像表示器5に表示される遊技球動画像は上述したように銀色、緑色又は赤色とされている。
【0069】
持ち球数表示器19は、主制御装置6からの減算した球数情報に相当する球数を数値表示する。つまり、持ち球数表示器19で表示された数値は、遊技球が発射される毎に減算した数値となる。
そして、遊技領域41に打ち込まれた遊技球が一般入賞口44〜47に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像中から消滅すると、主制御装置6は、一般入賞口44〜47に対応する定数の賞球数情報をその時点における球数情報に加算した加算球数情報を、持ち球数表示器19に出力し、持ち球数表示器19が加算球数情報に相当する球数を数値表示する。
これにより、持ち球数表示器19で表示された数値は、遊技球が発射される毎に減算した数値と一般入賞口44〜47に対応する定数の賞球数との加算された数値となる。
【0070】
遊技領域41に打ち込まれた遊技球が始動入賞口48に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像中から消滅すると、主制御装置6は、図柄変動開始信号S4と、本抽選結果及びリーチ属性に応じた図柄変動パターン指定信号S5を画像表示制御装置7に送信し、画像表示制御装置7が画像表示器5を制御する(盤面画像における表示制御を行う)。
この制御によって、画像表示器5は、図柄表示部43に3つの図柄(L、C、R)の変動を開始させ、図柄変動パターン指定信号S5で指定された本抽選結果(大当り/外れの別)を反映させて、つまり、所定時間後に、その始動入賞球に係る本抽選結果に応じた停止図柄で停止させる。
【0071】
この図柄停止によって、図柄表示部43に表示される図柄(停止図柄「L、C、R」)は、本抽選結果が大当りである場合には例えば「2、2、2」、「3、3、3」、…「7、7、7」、…「9、9、9」のように全て同一の数値が一列に並んだ表示形態(大当り図柄)となる。また、上記大当り本抽選の結果が外れである場合には、例えば「1、3、3」、「5、9、1」、「7、6、7」のように全てが同一とはなっていない数値が一列に並んだ表示形態となる。
【0072】
なお確率変動手段6hは、低確率時において大当りとなり、その停止図柄「L、C、R」が大当り図柄のうち、特定図柄、ここでは奇数の同一数値の図柄、つまり「1、1、1」、「3、3、3」、「5、5、5」、「7、7、7」、「9、9、9」となったときに、大当り確率を低確率から高確率に変化させる。
また確率変動手段6hは、高確率状態を、次回以降、一定回数までの大当り抽選において再度大当りと決定されるまで継続させ、その後、低確率状態に戻す。
高低何れの確率状態にあっても、大当りとなる確率は、確率変動手段6hが現在設定されている大当り確率に従う。
【0073】
図柄表示部43における停止図柄が大当り図柄である場合には、主制御装置6が、開閉体50を開動作表示させるための開信号S2を画像表示制御装置7に送信し、これを受けた画像表示制御装置7が画像表示器5を制御する。この制御によって、画像表示器5は大入賞口49の開動作画像を表示する。
【0074】
この大入賞口49の開動作画像は、大入賞口49の開閉体50が下辺を支点として垂直に閉じた状態から斜め前方に開く動画像である。このようにして開閉体50が開放すると、大入賞口49には、より多くの、つまり他の一般入賞口44〜47に比べて多くの遊技球の入賞が可能となる。
開閉体50の開放中に、遊技球が大入賞口49に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像から消滅すると、主制御装置6は、大入賞口49に対応する定数の賞球数情報をその時点における球数情報に加算した加算球数情報を、持ち球数表示器19に出力し、持ち球数表示器19が加算球数情報に相当する球数を数値表示する。つまり、持ち球数表示器19で表示された数値は、大入賞口49への入賞時点の数値と大入賞口49に対応する定数の賞球数との加算された数値となる。
【0075】
遊技領域41から大入賞口49に入賞した遊技球は、大入賞口49の内部に設定された普通領域又はVゾーンと称される特定領域(共に図示せず)に入賞するようになっている。また、主制御装置6は、開閉体50の開放開始からの経過時間をカウントアップすると共に、大入賞口49に入賞した遊技球の数をカウントアップする。
カウントアップした経過時間が設定開放時間、ここでは30秒に達するか、又はカウントアップした大入賞口49への入賞個数が予め定められた例えば10個のような入賞個数に達するかの何れか一方の条件を充足すると、主制御装置6は開閉体50を閉動作表示させための閉信号S3を画像表示制御装置7に送信し、画像表示制御装置7が画像表示器5を制御する。
この制御によって、画像表示器5は大入賞口49の閉動作画像を表示する。この大入賞口49の閉動作画像は、大入賞口49の開閉体50が下辺を支点として斜め前方から図1に示す垂直状態に閉じる動画像である。
【0076】
この開閉体50が開動作してから閉動作するまでの間、つまり開放中において、大入賞口49の特定領域に遊技球が入賞した場合、主制御装置6は、特定領域への入賞があったことをカウントアップ(+1)する。開閉体50の1回の開放(大当り状態)中に特定領域への入賞数が複数個あっても、最初の+1カウントアップ以降はカウントアップされない(+1のままである)。
このカウントアップがあった場合、主制御装置6は、画像表示制御装置7による上記開閉体50の1回の開放が終了した後に、同開閉体50を再び開放するための開情報を内容とする信号を画像表示制御装置7に送信し、上記画像表示器5を再び制御する。
この制御によって、画像表示器5は大入賞口49の開閉体50が下辺を支点として斜め前方に開く形態の動画像を表示する。
【0077】
この開閉体50が再び開放する大当りの継続は、カウントアップした特定領域への入賞が例えば16回のような設定継続回数に達するまで行われる可能性がある。開閉体50の1回の開放中において特定領域への入賞が1回もなければ、その回で大当り状態の継続が終了することから、開閉体50の開放が継続する回数は可能性にとどまる。
【0078】
図柄表示部43における停止図柄が大当り図柄でない(外れ図柄である)場合には、主制御装置6は開閉体50を開動作表示させるための開信号S2を画像表示制御装置7に送信することはなく、遊技状態を大当り状態にすることはない。
なお、遊技領域41に打ち込まれた遊技球が始動入賞口48に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像中から消滅した場合も、主制御装置6は、始動入賞口48に対応する定数の賞球数情報をその時点における球数情報に加算した加算球数情報を、持ち球数表示器19に出力し、持ち球数表示器19が加算球数情報に相当する球数を数値表示する。この場合も、持ち球数表示器19で表示された数値は、遊技球が発射される毎に減算した数値と始動入賞口48に対応する定数の賞球数との加算された数値となる。
【0079】
始動入賞球保留・消化手段6jは、上記のような開閉体50の開動作中又は図柄の変動中に新たな始動入賞球が生じた場合には、4個までその新たな始動入賞球を保留球として積算記憶し、その数に応じた数の保留球ランプ54を点灯させる。
始動入賞球保留手段6jは、先行する始動入賞球又は保留球に係る、上記のような開閉体50の開動作後又は図柄の変動後に、後続する保留球を始動入賞球としてその始動入賞球に係る図柄変動開始信号S4及び図柄変動パターン指定信号S5を画像表示制御装置7に送信させる。
【0080】
上記の信号S4,S5を受信した画像表示制御装置7、具体的には図柄表示制御手段7jは、図柄表示部43に3つの図柄(L、C、R)の変動を開始させ、所定時間後に、その始動入賞球に係る本抽選結果に応じた停止図柄で停止させ、停止図柄に応じた動作を主制御装置6に行わせる。
保留球の記憶数は、その記憶された保留球に係る始動入賞球についての図柄の変動を開始又は終了する毎に、つまり保留球が消化される毎に、1個ずつ減算され、これに伴い保留球ランプ54も1個ずつ消灯される。
【0081】
遊技を終了する場合、遊技者が精算操作部31を介して精算スイッチ32を操作する。これにより精算信号が精算スイッチ32からカード制御装置8に出力し、カード制御装置8がその精算信号を主制御装置6に出力する。主制御装置6は、持ち球数表示器19に表示されている球数に相当する球数情報をカード制御装置8に出力すると共に、持ち球数表示器19の数値を「0」となるように持ち球数表示器19を制御し、持ち球数をクリアする。
【0082】
カード制御装置8は、機枠1の内部に取り込まれているカード22の金額情報に主制御装置6から入力された球数情報に対応する金額情報を加算した後、情報書替器26を制御する。この制御によって、情報書替器26が機枠1の内部に取り込まれているカード22の金額情報を上記加算した金額情報に書き替える。
その後、カード制御装置8がカード搬送機構24を戻し制御する。すなわち、金額情報の書き替えられたカード22を搬送機構24により搬送し、その一部をカード挿入口14から突出させ、カード22を機枠1から取り出し可能とする。つまり、カード22が機外に排出され、精算処理を完了する。
【0083】
以下、図7に図1、図3及び図5を併用して、上記遊技球の発射強度、消滅位置及び生存時間(球属性)、発射信号S1、並びに球属性別の球ルートテーブル7c3の関係について説明する。
球属性のうち、遊技球の消滅位置は、主制御装置6の球属性決定手段6eにより遊技球の発射強度に基づいて決定される。ここでは、遊技球の消滅位置が、0〜9999までの数値をループカウントする消滅位置決定用カウンタ(図示せず)を用い、このカウンタの上記発射ON信号生成時のカウント値と上記遊技球の発射強度に基づいて決定される。
【0084】
いま、球属性決定手段6eにおいて発射強度値505が取得され、消滅位置決定用カウンタの上記発射ON信号の生成時のカウント値が250であるとする。このような場合、球属性決定手段6eは、図4に示す入賞率テーブル6c3の発射強度501〜510の欄の入賞率を検索し、ここから乱数(カウンタ)を用いて遊技球の消滅位置を決定する。
具体的には、この欄の各入賞口44〜49の入賞率を、入賞口44側から順に大入賞口49側に向けて各々10000倍した数値1、2、2、1、450…を順次加算して行く。すると、入賞口47の位置で合計値6が得られ、始動入賞口48の位置で合計値456が得られる。
消滅位置決定用カウンタのカウント値は250であり、この値は入賞口47の位置の合計値6を超え、始動入賞口48の位置の合計値456以下の範囲内にあるから、ここでは始動入賞口48がその遊技球の消滅位置と決定する。
【0085】
これにより、遊技球の発射強度に基づき、また入賞率テーブル6c3に設定された入賞率に従って遊技球の消滅位置が決定されるが、遊技球の発射強度に基づき、かつ入賞率に従った方法であれば、上述方法以外の方法により遊技球の消滅位置を決定してもよい。
【0086】
球属性のうち、遊技球の生存時間は、図6にも示したように一定の幅をもつが、その幅内の特定の生存時間が上記遊技球の消滅位置に応じて決定される。図7に示すように、同一消滅位置の中にも異なる値の生存時間を複数種類設定されるが、この場合は、消滅位置決定用カウンタを用いた抽選によりランダムに決定された複数種類の中の1種類の消滅位置に応じた特定の生存時間が決定される。
【0087】
このように決定された球属性(消滅位置及び生存時間)は、発射信号S1に含められて主制御装置6の信号送信手段6gから画像表示制御装置7に送信される。図7に示す例において、頭文字「S1」が付された4桁の数字は各々球属性を含む発射信号S1を表す。
【0088】
球属性別の球ルートテーブル7c3は、画像表示制御装置7のROM7cに格納されている。この球ルートテーブル7c3は、主制御装置6の信号送信手段6gから送信されてくる発射信号S1中の球属性、ここでは消滅位置及び生存時間の組と、画像表示制御装置7の遊技球移動表示手段7hが盤面画像上に表示する遊技球の移動経路、つまり球ルートとの対照表である。
図7に示す例においては、特定の発射信号(球属性:消滅位置及び生存時間の組)に対しては特定の球ルートが、つまり1種類の球ルートが対応する例を示しているが、特定の発射信号(球属性)に対して複数種類の球ルートが対応するように設定してもよい。
球ルートは、図7に示す例においては頭文字「RT」が付された4桁の数字で表されているが、具体的には遊技球が盤面画像上に表示されてから消滅するまでの単位時間毎、例えば16ミリ秒毎の位置座標データの集合(位置座標データ群)である。
【0089】
位置座標データは、例えば遊技盤面を含む画像表示器5の画像表示面(二次元平面)をX,Y平面とし、図1中の左右方向にX軸、上下方向にY軸をとり、同画像表示面の図1中の左下隅部を基準位置、つまりX=0,Y=0として表わす。
遊技盤面に直交する、遊技盤面の前面側(遊技者側)の方向にZ軸をとり、位置座標データをX,Y,Zの三次元座標で表わしてもよい。
なお図7は、球属性の一部を例示している。球属性別の球ルートテーブル7c3も一部を例示している。
【0090】
遊技者が、図1に示す発射操作部33をある操作量、例えば回転角度35°〜45°までの間の回転角度θxに操作した場合、主制御装置6は回転角度θxに応じた値を発射操作量として取得し、同装置6内の球属性決定手段6eはその発射操作量に応じて遊技球の発射強度Fxを求める。
球属性決定手段6eは、求めた発射強度Fxに対応する遊技球消滅位置Pxを、上記入賞率テーブル6c3及び消滅位置決定用カウンタを用いて抽選により求め、続いて、この消滅位置Px(詳しくは発射強度Fx及び消滅位置Px)から、各消滅位置までの遊技球生存時間Txを求める。
【0091】
主制御装置6の信号送信手段6gは、球属性決定手段6eで決定された遊技球消滅位置Px及び生存時間Txからなる球属性を含む発射信号S1を画像表示制御装置7に送信する。
発射信号S1は発射される遊技球毎に画像表示制御装置7に送信されるが、画像表示制御装置7(遊技球移動表示手段7h)はこの発射信号S1を受信する毎に、各発射信号S1中の球属性に応じた球ルートを遊技球消滅位置・生存時間別の球ルートテーブル7c3から読み出す(選択する)。
上述したように、特定の発射信号(球属性:消滅位置及び生存時間の組)に対して複数種類の球ルートが対応するように球ルートテーブル7c3を設定した場合には、遊技球移動表示手段7hはそのうちの1種類の球ルートを球ルートテーブル7c3から順次若しくはランダムに、又は正規分布乱数等を用いて選択する。
画像表示制御装置7は、画像表示器5を表示制御し、球ルートテーブル7c3から選択した球ルートに沿って遊技球を移動表示する。
【0092】
次に、本実施形態において、図1に示す発射操作部33が操作されてから遊技球が盤面画像上に表示され、その後、盤面画像上から消滅(表示が終了)するまでの一連の処理動作を図8及び図9のフローチャートに、図1、図3、図5及び図7を参照して説明する。
【0093】
まず、図8に図1及び図3を併用して主制御装置6における遊技球の発射処理を説明する。
図8において、ステップ301では、発射操作機構18が遊技球を発射できる状態になっているか否かを判定する。
すなわち、発射操作部33のタッチセンサ(図示せず)がON、発射停止スイッチがOFF、更に発射操作部33の操作量が遊びの範囲を超えているか否かを判定する。遊技者が実際に遊技球を発射するために発射操作部33を操作しているか否かを判定するためである。ステップ301の判定結果がNo(否定)であれば発射処理を終了し、Yes(肯定)であれば次ステップ302に進む。
【0094】
ステップ302では前回の発射から一定時間経過しているか否かを判定する。これは1分間に例えば100発を超えて発射されないようにするためで、一定時間とはここでは0.6秒である。ステップ302で一定時間経過していないと判定された場合には発射処理を終了する。つまり、主制御装置6は、遊技球の発射に関しては何の処理もしない。一定時間経過していると判定された場合には処理をステップ303に移す。
【0095】
ステップ303では、持ち球数があるか(持ち球数表示器19が表示する球数が1以上か)否かを判定し、判定結果がNoであれば空打ち音を図示しない音声制御装置で発生させるための空打ち音発生信号を同音声制御装置に送信する(ステップ304)。
【0096】
ステップ303における判定結果がYesであれば球属性決定手段6eにより球属性を決定する(ステップ305)。ここでは、発射操作部33の操作量に応じて遊技球の発射強度が求められ、この発射強度及び遊技球の消滅位置に基づいて生存時間が求められ、これら消滅位置及び生存時間が球属性とされる。
【0097】
球属性(発射強度、消滅位置及び生存時間)が決定されると、ステップ306に移行し、決定された球属性を含んだ発射信号S1を信号送信手段6gから画像表示制御装置7に送信し、発射処理を終了する。
以上の処理は、発射球毎に行われる。
なお、ステップ305において、消滅位置が始動入賞口48に決定された場合には、その始動入賞球毎に大当り仮抽選が行われリーチ属性が決定されて、仮抽選結果信号S6及びリーチ属性信号S7が上記発射信号S1と共に信号送信手段6gから画像表示制御装置7に送信されるが、その詳細は後述する。
【0098】
図9は、図5に示す画像表示制御装置7による表示処理を説明するためのフローチャートである。以下、この図9に図1、図3、図5及び図7を併用して画像表示制御装置7による表示処理を説明する。
【0099】
まず、ステップ501において、画像表示制御装置7は、主制御装置6からの各種の信号を受信する。この信号には、図8中のステップ306で送信される発射信号S1の他、仮抽選結果信号S6及びリーチ属性信号S7や、適時送信される図柄変動開始信号S4、図柄変動パターン指定信号S5、開閉体50の開信号S2、同閉信号S3等の演出表示制御用の信号がある。
発射信号S1は、発射球毎に画像表示制御装置7で受信され、その他の信号は、主制御装置6が制御する遊技状態に応じて送信する都度、受信される。
【0100】
ステップ502では、遊技球移動表示手段7hは受信した発射信号S1中の球属性に基づいた球ルートを取得し、ここでは球ルートテーブル7c3(図7参照)から球ルートRTを選択し、その球ルートRTに応じた位置座標で遊技球を画像表示器5に表示させる。 具体的には、図5に示すCPU7aが上記球ルートテーブル7c3から選択した球ルートRTに基づき、次のフレーム更新時に移動する遊技球の位置座標データをGPU7dが読み出し、ビデオRAM7eに書き込む。
遊技球移動表示手段7hは、発射信号S1に伴って仮抽選結果信号S6及びリーチ属性信号S7が受信された場合には、それら各信号S1、S6、S7の内容、つまり消滅位置、仮抽選結果及びリーチ属性に応じた球色を選択し、上記球ルートRTに沿って遊技球を移動させる際に、その球色で遊技球を表示させるが、その詳細は後述する。
【0101】
ステップ503では、ステップ502における処理が終了したか否か、つまり今回のフレーム分の移動を行ったか否かを判定する。未終了の場合はステップ503の処理を繰り返し、終了していればステップ504を実行する。
盤面画像に複数個の遊技球が表示される場合には、上述した表示処理は同時並行して行われる。このような場合、ステップ503における判定は、上記複数個の遊技球の全ての位置についてステップ502における処理が終了したか否かの判定となり、終了していればステップ504を実行する。
【0102】
ステップ504では、盤面画像上の図柄表示部43における図柄変動・停止、大入賞口49の開閉体50の開閉動作等、特別遊技状態あるいは特別遊技状態を招来させ得る遊技状態への演出表示制御を行う。
ステップ505では、ステップ504で行った表示制御以外の、例えば盤面画像におけるサイドランプ52や、図示しないが前面飾り枠11の前面部に取り付けられた電飾等の点消灯制御(一般演出制御処理)を行う。
ステップ506では、ステップ502、504、505の処理(制御)結果を合成して画像表示器5に描画、つまり表示させる。
【0103】
ステップ501〜506は、一定時間、ここでは16ミリ秒毎に繰り返されるので、画像表示器5には、大入賞口49の開閉体50の開閉動作、図柄変動、サイドランプ52の点滅等の様々な演出表示がされる盤面画像上に遊技球(画像)が重ねて移動表示される。
【0104】
次に、発射球(遊技球)の球色選択処理及び図柄変動パターンの選択処理の詳細につき、図10〜図13に図1、図3及び図5を併用して説明する。
図10は、球属性(消滅位置)が始動入賞口48に決定された場合、つまり始動入賞球が生じた場合の主制御装置6における処理の一例を示すフローチャートである。この図に示す処理は、図8中のステップ305の次ステップ以降において同図中のステップ306に代えて実行される。なお、説明の便宜上、図8中のステップ305,306を本図10中に重複して示している。
【0105】
図10において、まずステップ701では、処理対象となる発射球につき、球属性決定手段6eで決定された消滅位置が始動入賞口48であったか否かを判定する。この判定結果がYes(肯定)、つまり、上記発射球が始動入賞球となった場合には、この始動入賞球について以下の処理を実行する。
まず、大当り抽選手段6iにより大当り仮抽選を行う(ステップ702)。この大当り仮抽選の詳細は上述した通りである。この大当り仮抽選は現在の大当り確率で行う。
なお、ステップ701における判定結果がNo(否定)の場合にはステップ702以降に進むことはない。すなわち、図8中のステップ306を実行し、その後、発射処理を終了する。
【0106】
ステップ703では、仮抽選結果が大当りであったか否かを判定する。ステップ703における判定結果がYesであればステップ704で仮抽選結果を大当りに設定し、No(否定)であればステップ705で仮抽選結果を外れに設定する。
ステップ703,704の実行後はステップ706において仮外れに設定された始動入賞球についてリーチ属性を決定する。このリーチ属性決定の詳細は上述した通りである。
次ステップ707では、リーチ属性の決定結果がONか否かを判定し、判定結果がYesであればステップ708でリーチ属性をON(リーチ演出を実行する)に設定し、Noであればリーチ属性をOFF(リーチ演出を実行しない)に設定する。
【0107】
以上のステップ305,306、ステップ701〜709を実行することにより、消滅位置、大当り仮抽選結果(大当り又は外れ)及びリーチ属性(ON又はOFF)が得られると、信号送信手段6gは、ステップ710を実行する。すなわち、上記消滅位置、大当り仮抽選結果及びリーチ属性を含む、発射信号S1、仮抽選結果信号S6及びリーチ属性信号S7を画像表示制御装置7に送信する。
上記発射信号S1、仮抽選結果信号S6及びリーチ属性信号S7を受信した画像表示制御装置7は、同信号S1,S6,S7に応じて選択された球色の発射球を盤面画像上に描画させる(図9中のステップ506参照)。
【0108】
図11は、上記発射信号S1、仮抽選結果信号S6及びリーチ属性信号S7を受信した画像表示制御装置7が同信号S1,S6,S7に応じて行う発射球毎の球色選択の一例を説明するための図である。
この図は、各発射球の球色選択、本例では銀色、緑色又は赤色からの一色の選択が、予め決められた球色選択比率に従って行われることを示す。この場合、球色選択比率は、各発射球に係る消滅位置、大当り仮抽選結果(大当り又は外れ)及びリーチ属性(ON又はOFF)の組み合わせに応じて決められる。
球色選択は、球色選択比率に従った、乱数(カウンタ)等を用いた球色抽選によって行われる。発射球(画像)は、このような球色抽選によって選択された球色で盤面画像上に打ち込まれ、流下してゆく。
【0109】
発射球の球色は、この図に示すように、消滅位置、大当り仮抽選結果及びリーチ属性の組み合わせと、球色選択比率とによって選択されるので、発射球が始動入賞口48に入賞するか否か、するとしたら大当りとなるか否か等の予告として機能する。つまり遊技者は、盤面画像上に打ち込まれ、流下する発射球の球色を見て、それが始動入賞口48に入賞するか、大当りになるか等の期待を高め、あるいは減退させる。
【0110】
上記球色選択比率は画像表示制御装置7内に登録されるが、同比率は固定値(調整不能)にしてもよく、あるいは可変値(図示しない入力装置により調整可能)としてもよい。固定値とする場合にはROM7c内に、可変値とする場合にはRAM7b内に登録される。
なお、保留球が一定数、ここでは4個を超過する場合には、超過する始動入賞球に対する銀色球への球色選択比率を1/1、つまり銀色球の出現率を100%に設定すれば、保留されない始動入賞に対しては緑色や赤色の着色球(異形態遊技球)を表示させないようにすることができる。
【0111】
図12は、始動入賞球による図柄変動開始時における主制御装置6の処理、具体的には図柄変動パターンの選択処理の一例を示すフローチャートである。
ここで、始動入賞球による図柄変動開始時とは、保留球がない状態では消滅位置が始動入賞口48に決定された発射球の始動入賞口48への入賞時、すなわち始動入賞口48における発射球の消滅時点を指す。保留球として記憶されている始動入賞球については、その保留球の消化開始時点を指す。
主制御装置6は、遊技球の生存時間や図柄変動時間、始動入賞、保留球数等を常時管理しているので、上記のいずれの時点も認識可能であり、図柄変動開始時において、該当する始動入賞球に係る図柄変動開始信号S4及び図柄変動パターン指定信号S5を画像表示制御装置7へ送信可能である。
【0112】
まず、ステップ901では、主制御装置6は処理対象となる始動入賞球につき、大当り抽選手段6iによって大当り本抽選を行う。この大当り本抽選も大当り仮抽選と同様に現在の大当り確率で行う。これによれば、保留球とされた始動入賞球に係る仮抽選時から、その保留球の消化、つまりその保留球に係る始動入賞球による図柄変動開始時までの間に確率変動が生じた場合でも、その始動入賞球について正規の大当り確率で(実パチンコ機と同様に図柄変動開始時の大当り確率で)大当り抽選がなされることになる。上述したように、抽選方法は大当り本、仮抽選共に同じである。
【0113】
ステップ902では、本抽選結果が大当りであったか否かを判定する。ステップ902における判定結果がYes、つまり大当りであればステップ903において変動類型:大当り変動パターン中からいずれか1種類の変動パターンを抽選等により選択する。
ステップ902における判定結果がNo、つまり外れであればステップ904を実行する。すなわち、処理中の始動入賞球に係るリーチ属性(図10中のステップ707で決定されたリーチ属性)がONであるか否かが判定され、判定結果がYesであれば変動類型:リーチ外れ変動パターン中からいずれか1種類の変動パターンを抽選等により選択する(ステップ905)。ステップ903,905における各変動パターンの選択比率は後掲図13に示す。
ステップ904における判定結果がNoであれば、変動類型:外れ変動パターンに対応する変動パターンを選択する(ステップ906)。
外れ変動パターンの類型も複数種類用意し、その中から抽選等により選択するようにしてもよく、これによれば、本抽選結果が外れの場合でも図柄の変動パターンに変化をもたせることができる。
ステップ903,905,906における選択を抽選で行う場合には、例えば乱数(カウンタ)が用いられる。この場合は、各ステップ903,905,906の実行時に取得した乱数(カウンタ)値が、変動類型別、変動パターン別に各々対応付けられた当り値中のどれと合致するかを照合し、合致する当り値に対応する1種類の変動パターンが選択される。変動パターンの選択(決定)は、この1回だけ行われる。
【0114】
なお、大当り変動パターンとは、停止図柄が大当り図柄となり、必ずリーチ演出を行った後に図柄の停止が完了(残る1つの図柄が停止)する図柄変動パターンである。
リーチ外れ変動パターンとは、停止図柄は大当り図柄でない図柄(外れ図柄)となるが、必ずリーチ演出を行った後に図柄の停止が完了する図柄変動パターンである。
外れ変動パターンとは、停止図柄は外れ図柄となり、かつ、リーチ演出を行うことなく図柄の停止が完了する図柄変動パターンである。
【0115】
以上のステップ901〜906を実行することにより、大当り本抽選結果(大当り又は外れ)及びリーチ属性(ON又はOFF)の組み合わせによる特定の変動パターンの選択が終了する。
ステップ907では、選択された変動パターンを指定する図柄変動パターン指定信号S5を図柄変動開始信号S4と共に画像表示制御装置7に送信する。
両信号S4,S5を受信した画像表示制御装置7は、信号S5で指定された図柄変動パターンに応じて図柄の変動を開始させる。この図柄の変動は、指定された図柄変動パターン中に設定された変動時間の満了時に、指定された図柄変動パターン中に設定された図柄停止順序及び停止図柄の種類をもって停止する。
【0116】
以上述べた図柄変動パターンの選択処理では、処理対象とされている始動入賞球に係る図柄変動開始時に、変動パターンを指定する図柄変動パターン指定信号S5を画像表示制御装置7に1回だけ送信し、図柄変動、停止を行う。また、遊技球発射時にリーチ属性がONと決定された中で、大当り状態となる期待感が高められる着色球(異形態遊技球)とされた発射球については、リーチ演出が含まれたリーチ外れ変動パターン又は大当り変動パターンが必ず選択される(図11、図12参照)。
【0117】
図13は、上記図柄変動パターンの選択処理における変動パターンの種類と選択比率の一例を説明するための図である。
この図において、高確率、低確率なる語中の確率とは、図柄変動開始時、つまり大当り本抽選を行う時の大当り確率(正規の大当り確率)を指す。
図示例では、変動パターンの類型を、高確率状態の場合と低確率状態の場合とに分けて示しているが、設定内容は同じである。変動パターン選択比率については、高確率状態の場合と低確率状態の場合との間で違えてもよい。
【0118】
図示するように、変動パターンの類型は、大当り本抽選結果(大当り又は外れ)及びリーチ属性(ON又はOFF)の組み合わせにより決定されるが、高低、いずれの確率状態の場合であっても、変動類型がリーチ外れ変動パターン及び大当り変動パターンのいずれかに対応する変動パターン2〜5にはリーチ演出が含まれている。大当り変動パターンは停止図柄が大当り図柄となり、リーチ外れ変動パターンは停止図柄が外れ図柄となる。
【0119】
変動類型が大当り変動パターンである場合に変動パターン4又は5のいずれを選択するか、また、リーチ外れ変動パターンである場合に変動パターン2又は3のいずれを選択するか(図12中のステップ903,904における選択)については、図示するように、一定の変動パターン選択比率で抽選により振り分けられるように設定されている。
【0120】
上記変動パターン選択比率は主制御装置6内に登録されるが、同比率は固定値(調整不能)にしてもよく、あるいは可変値(図示しない入力装置により調整可能)としてもよい。固定値とする場合にはROM6c内に、可変値とする場合にはRAM6b内に登録される。
【0121】
以上説明したように本実施形態によれば、
始動入賞により行われる大当り抽選で大当りと決定されることによる開閉体50の開動作(大当り状態)によって、他の入賞口44〜48よりも多くの遊技球の入球が可能となる大入賞口49を有し、
始動入賞するか、あるいは大当り状態になるか等を遊技球の色により遊技者に予告可能で、
発射時に決定された遊技球の入球位置が始動入賞口48である場合に、それに応じた適宜の図柄変動パターンにより図柄変動を行い、
また、図柄変動中又は大当り状態である間に始動入賞球が生じた場合に、その始動入賞球の保留・消化が可能(始動入賞球を保留球として記憶しその後に消化可能)で、
かつ、大当り抽選で大当りを引く確率が変化し得る映像式遊技機において、
次のような効果を発揮できる。
【0122】
すなわち、遊技球発射時の大当り抽選における大当り確率が始動入賞球の保留中に変化した場合でも、その保留されていた始動入賞球(保留球)について正規の大当り確率、つまり図柄変動開始時で大当り抽選をすることができる。
しかも従来、大当り確率が変化し、大当りが外れに、あるいは外れが大当りに変化した場合には、主制御装置6において、保留球による図柄変動開始時に再び図柄変動パターンを決定(少なくとも停止図柄を変更)する必要があったが、本実施形態では、図柄変動パターンの決定は、始動入賞球あるいは保留球による図柄変動開始時に1回だけ行うに過ぎない。
したがって、上記のように大当り確率が変化し大当り抽選結果が逆転した場合でも、図柄変動にあたって、再度の図柄変動パターン決定をすることなく、つまり、1回の図柄変動パターンの種類指定、1回の信号S4,S5の送信のみで済み、主制御装置6における処理を増加させることはない。
【0123】
上述実施形態では、図柄の変動を開始させる制御信号として図柄変動開始信号S4を用いると共に、指定した変動時間の満了時に、指定した順序及び図柄の種類で、また、リーチ演出を経て、あるいは経ることなく、図柄停止させる制御信号として図柄変動パターン指定信号S5(図1〜図3、図5参照)を用いたが、これのみに限定されることはない。
例えば、このような制御信号として、両信号S4,S5が組み合わされた単一の制御信号を用いてもよく、あるいは図柄変動開始信号、図柄停止順序指定信号、停止図柄指定信号及び図柄変動停止信号というように3つ以上の信号を用いるようにしてもよい。
「図柄変動開始・変動パターン指定信号」とは、制御信号についての上述した各種形態の総称である。
【0124】
また、画像表示器5に表示される盤面画像は、図1に示す態様に限定されない。例えば盤面画像にゲートを加え、このゲートを遊技球が通過することにより抽選が行われ、この抽選に当たれば始動入賞口に組み込まれた可動体が開き、始動入賞口への入賞がしやすくなるというような盤面画像を表示するようにしてもよい。本発明は、図1に示す例以外のパチンコ機、その他の弾球遊技機にも適用可能である。
更に上述実施形態では、映像式パチンコ機の制御手段の主要部を、図1、図2に例示するように、主制御装置6と画像表示制御装置7とに分離して構成したが、これらを分離せず、1つの制御手段で構成してもよい。
【0125】
また図1においては、主制御装置6は、その制御対象として画像表示制御装置7のみを備えた場合について示したが、実際には、画像表示制御装置7の他、音声制御装置や、例えば前面飾り枠11に取り付けられた電飾(図示せず)等を制御するランプ制御装置も備える。つまり主制御装置6は、盤面画像の表示や、表示された盤面画像における遊技状態の制御のみならず、音声やランプによるリーチ演出等の制御も可能である。
【0126】
図1に示す主制御装置6が制御する遊技状態には、例えば大入賞口49の開閉体50が開動作して、より多くの賞球が獲得可能となる特別遊技状態、この特別遊技状態以外の通常遊技状態、例えば遊技球が発射され、一般入賞口44〜47やアウト口53に入球する基本的な遊技状態がある。また、通常遊技状態ではあっても、図柄表示部43による図柄の変動をしている遊技状態のように上記特別遊技状態を招来させ得る遊技状態等もある。
主制御装置6は、このような遊技状態を、画像表示制御装置7による盤面画像における演出表示制御によって現出させ、同時に上記音声やランプによる演出制御も加えて遊技者を楽しませている。遊技状態の制御には、その状態の開始、継続、終了の各制御を含む。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明が適用された映像式パチンコ機の一実施形態の要部構成図である。
【図2】図1中の主要部を取り出して示すブロック図である。
【図3】図2中の主制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図3中の入賞率テーブルの一例を示す図である。
【図5】図2中の画像表示制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】図1に示すパチンコ機の球属性決定手段で球属性として決定される遊技球の発射強度と生存時間との関係を示す図である。
【図7】球ルートを決定するための遊技球の発射強度の範囲、球属性、発射信号及び球属性別の球ルートテーブルの関係を例示する図である。
【図8】図3中の主制御装置における遊技球の発射処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】図5中の画像表示制御装置による表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】消滅位置が始動入賞口に決定された場合の主制御装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】発射信号、仮抽選結果信号及びリーチ属性信号を受信した画像表示制御装置が行う発射球毎の球色選択の一例を説明するための図である。
【図12】主制御装置における図柄変動パターンの選択処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】図柄変動パターンの選択処理における変動パターンの種類と選択比率の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0128】
1:機枠(遊技機枠)、5:画像表示器、6:主制御装置(主制御手段)、6e:球属性決定手段、6g:信号送信手段、6h:確率変動手段、6i:大当り抽選手段、6j:始動入賞球保留・消化手段、6k:リーチ属性決定手段、6l:リーチ演出付与手段、7:画像表示制御装置(画像表示制御手段)、7c3:球ルートテーブル、7h:遊技球移動表示手段、7j:図柄表示制御手段、33:発射操作部、43:図柄表示部、44〜47:入賞口、48:始動入賞口、49:大入賞口(可変入賞口)、50:開閉体、53:アウト口、S1:遊技球発射信号、S4:図柄変動開始信号、S5:図柄変動パターン指定信号、S6:仮抽選結果信号、S7:リーチ属性信号。
【技術分野】
【0001】
本発明は、旧来からの機械式の遊技機(実遊技機)と同様の発射操作部を備え、入賞口、アウト口、遊技釘等の遊技盤面構成部材が実遊技機の遊技盤面形態を模して配置された遊技盤面、及びこの遊技盤面上の遊技領域に打ち込まれ流下する遊技球等を画像表示器に表示して仮想的に遊技を行う映像式遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機では、鋼球等からなる実際の遊技球(実球)を使用しないで遊技を行うので、発射操作部の操作により発射された時点でその遊技球(発射球)の遊技盤面画像上の消滅位置、つまり入球位置を決定している。
【0003】
ところで、この種の遊技機においても、実遊技機と同様に、次のような遊技盤面形態を備えるものがある。すなわち、始動入賞口と、開閉体の開動作によって他の入賞口よりも入球が容易となって多くの賞球の払い出しを受け得る大入賞口とを備え、かつ、上記始動入賞口への入球(入賞)による図柄の変動(表示)を開始してから所定時間後にその図柄変動を停止し、停止図柄により上記開閉体を開動作させ得る複数の図柄の変動を行う図柄表示部を備えるものがある。
【0004】
このような映像式遊技機では、入球位置のみならず、始動入賞口に入球した遊技球(始動入賞球)による図柄表示部での上記停止図柄の種類、換言すれば上記開閉体を開動作させる大当り状態(特別遊技状態)とするか否かについても、遊技球の発射時点で決定している。
そこで従来、上記のように遊技球の発射時点で把握できる、入球位置が始動入賞口か、あるいは大当り状態になるかについて、遊技者に事前に報知、つまり予告をして、遊技者に期待感をもたせるようにした映像式遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
予告の方法には、上記図柄表示部に特定のキャラクタを表示させるものや、画像表示される遊技球の色、質感あるいは形状等(遊技球の形態)を通常時とは異ならせるものがある。図柄表示部にキャラクタを表示する方法によれば、予告の決定時期を図柄停止時までとすることができるが、これでは現在多く出回っている実遊技機の場合と特に変わらない。
【0006】
遊技球の形態を異ならせる方法によれば、入球位置を始動入賞口とするか等を遊技球の発射時点で把握でき、また遊技球の形態も変えることができるという、映像式遊技機の特長を生かしたものとなり、更に予告の方法が斬新である。特許文献1にはこのような技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−168971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された映像式遊技機(先行技術)によれば、上記のように予告の方法が斬新であるという利点を有するが、以下のような課題があった。
すなわち、上記先行技術においては、発射時に主制御手段で決定される遊技球の入球位置が始動入賞口(始動入賞)である場合に、それに応じた適宜の図柄変動パターンを決定している。この図柄変動パターンは、大当り状態とするか否かの抽選(大当り抽選)の結果に基づいて図柄表示部で行う、複数の図柄の変動形態であり、最終的に停止した図柄の種類で大当り/外れの抽選結果を報知する。
【0008】
このような図柄変動パターンによる演出手法を適用し、かつ上記大当り抽選において大当りを引く確率(大当り確率)を高、低2種類有する、いわゆる確率変動タイプの映像式遊技機を作ろうとした場合、上記先行技術では、遊技中、高低確率に変化があったときに、保留球についてはその確率の変化が正しく反映されなくなる。つまり、正規の大当り確率(実パチンコ機の場合と同様のタイミング=図柄変動開始時)による大当り抽選をすることができなくなる。
そこで、このような確率の変化があった場合、従来技術では、主制御手段において、保留球による図柄変動開始時に再び図柄変動パターンを決定する必要が出てくる。変化後の確率によっては大当り/外れの抽選結果が逆転する場合があり、この場合、停止図柄を変更しなければならないからである。
しかし、これでは主制御手段における処理が増加するので、従来、この点についての改善が課題であった。なお、上記保留球についての詳細は後述する。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、遊技球発射時の大当り抽選における大当り確率がその後に変化した場合でも、保留球について正規の大当り確率による大当り抽選をすることができ、しかも、再度の図柄変動パターン決定をする必要はなく、主制御手段における処理の増加を防止できる映像式遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、始動入賞口、及び大当り抽選で大当りと決定されることによる開閉体の開動作によって他の入賞口よりも多くの遊技球の入球が可能となる可変入賞口を含む、遊技球の入球により賞球が払い出される複数の入賞口、遊技球の入球による賞球の払い出しのないアウト口、並びに前記始動入賞口への遊技球の入球に基づく図柄の変動を開始してから所定時間後にその変動を停止し、停止図柄により前記開閉体を開動作させ得る、図柄の変動表示を行う図柄表示部を含む盤面構成部材が配置された遊技盤面と、発射操作部の操作により発射され、前記入賞口又はアウト口を消滅位置として前記遊技盤面上を移動する遊技球とを、遊技機枠に搭載された画像表示器に表示して遊技を行う映像式遊技機であって、前記画像表示器に表示された遊技盤面画像における遊技状態を制御する主制御手段と、この主制御手段の制御に基づき前記遊技盤面画像における表示制御を行う画像表示制御手段とを備え、前記主制御手段は、発射される遊技球の前記遊技盤面画像上の消滅位置、及び前記遊技盤面画像上に表示されてから消滅するまでの生存時間を球属性として決定する球属性決定手段と、設定された条件を充足することにより、前記大当り抽選で大当りと決定される大当り確率を高低相互間で変化させる確率変動手段と、前記消滅位置が前記始動入賞口に決定された遊技球である始動入賞球について、その発射時点における大当り確率で大当り仮抽選を行って仮抽選結果信号を生成し、かつ、その始動入賞球に係る前記図柄の変動開始時には、その変動開始時点における大当り確率で大当り本抽選を行い、その本抽選結果に応じた図柄の変動パターンの種類を指定すると共に図柄の変動を開始させる、図柄変動開始・変動パターン指定信号を選択する大当り抽選手段と、前記大当り仮抽選の結果が外れであった場合に、その始動入賞球について予め定められた比率で分けられるリーチ属性を決定するリーチ属性決定手段と、前記始動入賞球に係る前記図柄の変動中又は前記開閉体の開動作中に新たな始動入賞球が生じた場合に、一定数までその新たな始動入賞球を保留球として積算記憶し、先行する始動入賞球又は保留球に係る前記図柄の変動又は前記開閉体の開動作の終了後に、後続する保留球を始動入賞球として前記大当り抽選手段にて前記本抽選及び図柄変動開始・変動パターン指定信号の選択を行わせると共に、前記保留球の記憶数をデクリメントする始動入賞球保留・消化手段と、発射される遊技球毎に前記球属性を含む発射信号を送信し、その発射信号に基づく始動入賞球が生じた場合にはその始動入賞球に係る前記仮抽選結果信号及びリーチ属性を前記発射信号と共に送信し、かつ、前記始動入賞球に係る前記図柄の変動に際しては前記大当り抽選手段により選択された前記図柄変動開始・変動パターン指定信号を送信する信号送信手段とを備え、前記画像表示制御手段は、前記発射信号の受信により、その発射信号中の球属性に基づき、遊技球が前記遊技盤面画像上に表示されてから前記入賞口又はアウト口で消滅するまでの道筋を表す球ルートを取得し、かつ、前記発射信号、仮抽選結果信号及びリーチ属性の受信により、前記球属性中の消滅位置、仮抽選結果及びリーチ属性に応じた形態を選択し、取得された前記球ルートに沿い、かつ、選択された前記形態で、各遊技球を前記遊技盤面画像上に移動表示させる遊技球移動表示手段と、前記図柄変動開始・変動パターン指定信号の受信により、前記図柄表示部にその図柄変動開始・変動パターン指定信号で指定された図柄の変動パターンで図柄の変動を開始させ、所定時間後に、その図柄変動開始・変動パターン指定信号で指定された停止図柄で停止させる図柄表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
特許請求の範囲の請求項1に記載の発明では、主制御手段は、始動入賞球について、発射時点での大当り確率で大当り仮抽選を行って仮抽選結果信号を生成し、その始動入賞球に係る図柄の変動開始時にはその時点での大当り確率で大当り本抽選を行い、その本抽選結果に応じた図柄の変動パターン(図柄変動パターン)の種類を指定すると共に図柄の変動を開始させる、図柄変動開始・変動パターン指定信号を選択する大当り抽選手段を備える。また主制御手段は、大当り仮抽選の結果が外れであった場合に、その始動入賞球について一定比率で分けられるリーチ属性を決定するリーチ属性決定手段を備える。
更に、主制御手段は、始動入賞球又は保留球に係る図柄の変動又は開閉体の開動作の終了後に、後続する保留球を始動入賞球として大当り抽選手段で大当り本抽選及び図柄変動開始・変動パターン指定信号の選択を行わせる始動入賞球保留・消化手段を備える。
そして、主制御手段の信号送信手段を、球属性を含む発射信号を送信し、始動入賞球が生じた場合にはその始動入賞球に係る仮抽選結果信号及びリーチ属性を発射信号と共に送信し、始動入賞球に係る図柄の変動に際しては大当り抽選手段により選択された図柄変動開始・変動パターン指定信号を送信するように構成した。
【0012】
一方、画像表示制御手段に備えられた遊技球移動表示手段を、発射信号の受信により球ルートを取得し、かつ、発射信号、仮抽選結果信号及びリーチ属性の受信により、球属性中の消滅位置、仮抽選結果及びリーチ属性に応じた形態を選択し、上記の取得された球ルートに沿い、かつ、選択された形態で、各遊技球を遊技盤面画像上に移動表示させるように構成した。
また、画像表示制御手段に備えられた図柄表示制御手段を、図柄変動開始・変動パターン指定信号の受信により、図柄表示部にその図柄変動開始・変動パターン指定信号で指定された図柄の変動パターンで図柄の変動を開始させ、所定時間後に、同上図柄変動開始・変動パターン指定信号で指定された停止図柄で停止させるように構成した。
【0013】
これによれば、始動入賞により行われる大当り抽選で大当りと決定されることによる開閉体の開動作(大当り状態)によって、他の入賞口よりも多くの遊技球の入球が可能となる可変入賞口を有し、
始動入賞するか、あるいは大当り状態になるか等を遊技球の形態により予告可能で、
発射時に決定された遊技球の入球位置が始動入賞口である場合に、それに応じた適宜の図柄変動パターンにより図柄変動を行い、
また、図柄変動中又は大当り状態である間に始動入賞球が生じた場合に、その始動入賞球の保留・消化が可能で、
かつ、大当り抽選で大当りを引く確率が変化し得る映像式遊技機において、次のような効果を発揮できる。
すなわち、遊技球発射時の大当り抽選における大当り確率が始動入賞球の保留中に変化した場合でも、その保留されていた始動入賞球(保留球)について正規の大当り確率で大当り抽選をすることができる。
しかも従来、大当り確率が変化して大当り/外れの抽選結果が逆転した場合には、主制御手段において、保留球による図柄変動開始時に再び図柄変動パターンを決定(少なくとも停止図柄を変更)する必要があったが、本発明では、図柄変動パターンの決定は、全て始動入賞球(保留球に係る始動入賞球を含む。)による図柄変動開始時に行っている。
したがって、上記のように大当り確率が変化して大当り抽選結果が逆転した場合でも、図柄変動にあたって、再度の図柄変動パターン決定をすることなく、つまり、1回の図柄変動パターンの決定(種類指定)のみで済み、主制御手段における処理を増加させることのない映像式遊技機を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、各図間において、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1は本発明が適用された映像式パチンコ機の一実施形態の要部を示す構成図、図2は図1中の主要部を取り出して示すブロック図である。
これらの図において、映像式パチンコ機の機枠(遊技機枠)1は、パチンコ遊技場内のいわゆる島と呼ばれるパチンコ機設置設備に取り付けるための固定枠2を備える。固定枠2には、可動枠3が、左側に位置するヒンジ4によって片開き可能に取り付けられる。可動枠3の内側には、画像表示器5が、画面を前側に向けて取り付けられる。画像表示器5は、液晶表示器、ELディスプレイ等からなり、電気的に表示形態を変えられる画像を表示できる。
可動枠3の裏面側には主制御装置6、画像表示制御装置7及びカード制御装置8が取り付けられる。
【0015】
このうち主制御装置6は、画像表示制御装置7の制御を経て画像表示器5に遊技盤面画像(以下、盤面画像と略記する。)を表示させ、かつこの表示させた盤面画像における遊技状態の制御及び賞球制御等、パチンコ機全般の制御を司る装置である。ここで、上記盤面画像は、実パチンコ機の遊技盤面形態を模した画像である。すなわち、図1に例示するように、ガイドレール39、発射通路40、遊技領域41、センタ飾り42、図柄表示部43、一般入賞口44〜47、始動入賞口48、大入賞口(可変入賞口)49、大入賞口49の前面の開閉体50、風車51、サイドランプ52、アウト口53、及び図示を省略した多数の遊技釘等の盤面構成部材等を表す画像からなる。
【0016】
上記主制御装置6は、図3に示すように、例えばCPU6a、RAM6b、ROM6c及び入出力インタフェース6dを備えて構成されている。ROM6cには、制御プログラム6c1、データ群6c2及び入賞率テーブル6c3が格納されている。
主制御装置6は、CPU6aがRAM6bを作業域として用いて制御プログラム6c1を実行し、ROM6c中のデータ群6c2及び入賞率テーブル6c3を適宜読み出しながら上述した遊技状態等の制御を行う。
【0017】
上記入賞率テーブル6c3には、図1に示す各入賞口44〜49へ遊技球が入球する割合(以下、入賞口別の入球割合という。)が、その遊技球の発射強度に対応させて表わされている。遊技球の発射強度は、後述する発射操作部の操作量に対応づけられている。
【0018】
以下、図4に図1及び図3を併用して入賞率テーブル6c3について説明する。
図4は、入賞率テーブル6c3の一例を示す図である。この図において、消滅位置とは、遊技球の入球位置を指す。この例では、入球位置として入賞口のみが示されているので消滅位置は入賞口を指す。
図示するように入賞率テーブル6c3は、入賞口別の入球割合、つまり入賞率を遊技球の発射強度(値)に応じて表わしている。例えば、遊技球の発射強度が11〜20の範囲内では、図1に示す入賞口44,45が0.01%、入賞口46,47が0.00%、始動入賞口48が4.00%、大入賞口49が35.00%で入賞することを表わしている。アウト口53へは残余の率で入球する。
【0019】
この例では、上記発射強度に応じた入賞口別の入球割合が、上記11〜20の範囲の次は21〜30、その次は31〜40というように、発射強度の範囲10刻みで1111〜1120まで、各1組の入賞口別の入球割合が設定されている。大入賞口49の入賞率は、開閉体50が開動作していないときは0.00%であり、ここでの大入賞口49の入賞率はそのままアウト口53への入球率に加算される。
【0020】
開閉体50の開動作には、連続開放や、適宜の時間間隔をおいて開閉動作を繰り返す間欠開放等があり、その何れを適用してもよいが、本実施形態では連続開放が適用されており、以下これを開放と略記する。
なお、入賞率テーブル6c3を、入賞口別の入球割合を違えて複数用意し、そのうちの1つをランダムに選択するようにしてもよい。
【0021】
図3に示すように、主制御装置6は、球属性決定手段6e、開閉体開閉信号生成手段6f、信号送信手段6g、確率変動手段6h、大当り抽選手段6i、始動入賞球保留・消化手段6j、リーチ属性決定手段6k及びリーチ演出付与手段6lも備える。
上記球属性決定手段6eは、入賞率テーブル6c3に表わされた入賞口別の入球割合に従い、後述する発射操作部の操作により発射される遊技球の盤面画像上の消滅位置と、盤面画像上に表示されてから消滅するまでの遊技球の生存時間とを球属性として決定するように構成されている。
【0022】
開閉体開閉信号生成手段6fは、予め定められた第1条件が充足されることにより、開閉体50を開動作させる開信号(開動作開始信号)S2を生成し、開閉体50の開動作開始後は予め定められた第2条件が充足されることにより閉動作させる閉信号(開動作終了信号)S3を生成する手段である。
ここで、「予め定められた第1条件が充足される」とは、例えば後述する複数の図柄が大当り図柄で停止することや、大当り状態(開閉体50の開動作によって大入賞口50が他の入賞口44〜48よりも遊技球の入球が容易な形態となる、つまりより多くの賞球の獲得が可能となる特別遊技状態)が継続することを指す。
また、「予め定められた第2条件が充足される」とは、例えば大入賞口49への予め定められた個数の遊技球の入賞(入球)、又は開閉体50の開動作開始後の、予め定められた時間の経過することを指す。「予め定められた個数」としては、ここでは10個が、また「予め定められた時間」としては、ここでは30秒が設定されている。
【0023】
信号送信手段6gは、球属性決定手段6eにより決定された球属性を含む遊技球発射信号(以下、発射信号と略記する。)S1、開閉体50の開信号S2及び閉信号S3、図柄の変動を開始させる図柄変動開始信号S4、図柄の変動パターンの種類を指定する図柄変動パターン指定信号S5、大当りの仮抽選結果信号S6及びリーチ属性(信号)S7を画像表示制御装置7に送信する手段である。
上記発射信号S1は、遊技球毎に、その発射時に送信される。大当りの仮抽選結果信号S6及びリーチ属性信号S7は、消滅位置が始動入賞口とされた遊技球、つまり始動入賞球が生じた場合にはその始動入賞球に係る上記発射信号と共に送信する。開信号S2及び閉信号S3は、開閉体50を開動作又は開動作させる際(大当り状態中、適時)に送信される。
ここで、図柄の変動パターンとは、図柄表示部43に表示される3つの図柄(L、C、R)についての変動時間、停止順序及び停止図柄の種類等からなる図柄変動の形態を指す。3つの図柄L、C、Rは、各々複数種類の図柄、例えば0〜9までの数字図柄からなり、それらがサイクリックに1図柄ずつ表示されるようになされている。
【0024】
このような図柄変動パターンの種類を指定する図柄変動パターン指定信号S5を図柄変動開始信号S4と共に画像表示制御装置7に送信すると、図柄表示部43において、これら両信号の受信時から、図柄変動パターン指定信号S5で指定された図柄変動パターンの種類に応じて図柄の変動が開始する。この図柄の変動は、上記図柄変動パターン中に設定された変動時間の満了時に、上記停止図柄の種類をもって停止する。
【0025】
確率変動手段6hは、予め設定した条件を充足することにより、上記大当り抽選で大当りと決定される確率(大当り確率)を高低相互間で変化させる手段である。例えば、低確率時の大当り確率が1/300であれば、高確率時には1/30にする、というように確率を高くあるいは逆に低くする手段である。
【0026】
確率変動手段6hは、低確率時の大当り抽選において大当りと決定され、図柄変動後の停止図柄が大当り図柄のうち特定図柄であるときに低確率状態から高確率状態に変化させる。確率変動手段6hは、このような高確率状態を、例えば次回以降、一定回数までの大当り抽選において再度大当りと決定されるまで継続させ、その後、低確率状態に戻す。
なお大当り抽選には、上記大当り仮抽選のみならず、後述する大当り本抽選も含まれるが、確率変動を生じさせる大当り抽選は後述する大当り本抽選のみである。
【0027】
大当り抽選手段6iは、大当り仮抽選及び本抽選を行う手段である。
大当り仮抽選は、球属性決定手段6eにより消滅位置が始動入賞口48と決定された遊技球である始動入賞球について、その発射時点における大当り確率で大当り/外れの別を決定する抽選である。この仮抽選結果を示す信号(仮抽選結果信号S6)は、信号送信手段6gに与えられ、発射信号S1と共に画像表示制御装置7に送信される。
【0028】
また大当り本抽選は、上記始動入賞球に係る図柄の変動開始時に、その時点における大当り確率で大当り/外れの別を決定する抽選であり、その結果(本抽選結果)は、図柄変動パターン指定信号S5の内容に反映される。つまり、信号送信手段6gに与えられる図柄変動パターン指定信号S5は、本抽選結果の大当り/外れの別に応じた図柄で停止させる信号とされ、信号送信手段6gに与えられて図柄変動開始信号S4と共に画像表示制御装置7に送信される。
更に本抽選結果は、主制御装置6が設定する上記遊技状態に反映される。つまり、主制御装置6は、パチンコ機各部を本抽選結果に応じた遊技状態に制御する。本抽選結果が大当りであれば、主制御装置6は図柄変動パターン指定信号S5による図柄変動の終了時に遊技状態を大当り状態とする。
【0029】
仮、本両抽選は、具体的には以下のように行われる。
大当り仮抽選は、上記のように消滅位置が始動入賞口48に決定(始動入賞決定)された遊技球である始動入賞球について、同決定の際に図示しない大当り抽選値取得手段から取得された抽選値を、同決定時点(発射時点)における大当り値と照合して行われる。また大当り本抽選は、上記始動入賞球に係る図柄の変動開始時に、上記抽選値をその時点における大当り値と照合して行われる。
【0030】
本実施形態では、上記抽選値として、「0〜592」までの数値をループカウントする大当り抽選用カウンタ(図示せず)の上記始動入賞決定の際に読み込まれたカウント値が用いられ、このカウント値を、抽選用テーブル(図示せず)に予め設定された大当り値と照合することで大当り/外れの別を決定している。これによれば、大当り確率は大当り値の数を変えることで変化させ得る。
【0031】
ここでは、大当り値を、低確率時では「3,103」の2種類設定され、高確率時では「7,37,53,73,97,103,127,139,157,181,199,211,239,271,307,331,359,373,457,521」の20種類設定されている。
つまり、低確率時には2/593≒1/300の大当り確率となり、高確率時には20/593≒1/30の大当り確率となる。
このような大当り確率の変更は、上述したように確率変動手段6hが行う。
【0032】
始動入賞球保留・消化手段6jは、上記始動入賞球に係る上記図柄の変動中又は上記開閉体50の開動作中(大当り状態にある間)に新たな始動入賞球が生じた場合に、予め定められた数、ここでは4個までその新たな始動入賞球を保留球として積算記憶する手段である。
始動入賞球保留・消化手段6jは、先行する始動入賞球又は保留球に係る図柄の変動又は上記開閉体50の開動作後(大当り状態の終了後)に、後続する保留球を始動入賞球としてその始動入賞球に係る図柄変動開始信号S4及び図柄変動パターン指定信号S5を信号送信手段6gから画像表示制御装置7に送信させる。
【0033】
保留球の記憶数は、その記憶された保留球に係る始動入賞球についての図柄の変動(表示)を開始又は終了する、つまり保留球の消化が行われる毎に1個ずつ減算(デクリメント)される。記憶された保留球数が減算され、4個未満になったときは、その時点から4個を上限として再び積算記憶可能である。
図1中の54は、各々保留球を表すランプ(保留球ランプ)であり、保留球の発生に従って、例えば左側のランプ54から順に1個ずつ点灯し、また保留球の消化に従って、例えば右側のランプ54から順に1個ずつ消灯し、その点灯ランプ数が現在の保留球数を表すように構成されている。
【0034】
リーチ属性決定手段6kは、上記大当り仮抽選の結果(仮抽選結果)が外れであった場合に、その始動入賞球について予め定められた比率でON又はOFFに分けられるリーチ属性を決定する手段である。このリーチ属性決定手段6kは、乱数を用いてリーチ属性ON又はOFFを決定する。
本実施形態では、「0〜499」までの数値をループカウントするリーチ属性決定用カウンタ(図示せず)の上記始動入賞決定時に読み込まれたカウント値と、予め設定された当り値、ここでは「105〜154」とを用いてリーチ属性ON又はOFFの別を決定している。具体的には、上記リーチ属性決定用カウンタのカウント値が当り値であればリーチ属性ONが、当り値以外の値であればリーチ属性OFFが決定される。この例では、およそ1/10の確率でリーチ属性ONと決定されるが、この確率のみに限定されないことは勿論である。
仮抽選結果が大当りであった場合には、その始動入賞球のリーチ属性は無条件で、つまりリーチ属性決定手段6kの決定処理を経ることなく全てがONに決定される。
【0035】
リーチ演出付与手段6lは、大当り抽選手段6iにより図柄変動パターン指定信号S5を選択するに当たって、上記大当り本抽選の結果が大当りであった始動入賞球及び上記リーチ属性がONと決定された始動入賞球について、リーチ演出を含む図柄変動パターン指定信号S5を選択させる手段である。
本実施形態では、大当り本抽選の結果が大当りであった始動入賞球のリーチ属性を全てONに決定するので、リーチ演出付与手段6lは、リーチ属性がONと決定された全ての始動入賞球について、つまり大当り本抽選の結果が大当りであったか否かを問うことなく、リーチ演出を含む図柄変動パターン指定信号S5を選択させることになる。
リーチ演出とは、残る1つの図柄が特定の図柄で停止するか否か、具体的には既に停止している揃いの2つの大当り図柄と同じ図柄で停止するか否かを緊張感をもたせて行う演出、ここでは演出表示を指す。
【0036】
次に、画像表示制御装置7について説明する。
画像表示制御装置7は、主制御装置6の制御に基づき、つまり主制御装置6からの発射信号S1、その他、各種の信号を受信し、これらの信号等により画像表示器5に盤面画像を表示させ、かつ表示させた盤面画像における表示制御を行う装置である。
「表示させた盤面画像における表示制御を行う」とは、具体的には、画像表示器5を制御して、盤面画像自体の制御表示、例えば後述する複数の図柄の変動や図1に示す大入賞口49の開閉体50の動画像表示等をさせ、あるいは遊技球を盤面画像上に移動表示させること等をいう。
画像表示制御装置7の制御によるこれらの表示は、主制御装置6の制御に基づいている。特に、画像表示制御装置7による盤面画像自体の制御表示は、主制御装置6による上記盤面画像における遊技状態の制御に基づいている。
【0037】
この画像表示制御装置7は、図5に示すように、例えばCPU7a、RAM7b、ROM7c、画像処理専用の演算処理ユニット(GPU:グラフィックス・プロセッシング・ユニット)7d、ビデオRAM7e、入力インタフェース7f及び出力インタフェース7gを備えて構成されている。
【0038】
上記ROM7cには、制御プログラム7c1と、遊技釘の位置・形状(大きさを含む。)を表す遊技釘データ7c2と、球属性別、ここでは発射強度に基づく遊技球の消滅位置・生存時間別の球ルートテーブル7c3と、その他のデータ群7c4とが格納されている。
データ群7c4には、遊技釘データ7c2と共に盤面画像を表示するためのガイドレール39、センタ飾り42、図柄表示部43、各種入賞口44〜49、開閉体50、風車51、サイドランプ52及びアウト口53等の盤面構成部材の表示用データや、盤面背景データ等が含まれる。
上記表示用データは、表示対象である各盤面構成部材の位置、形状(大きさを含む。)を表すデータであり、これらのデータから、遊技球を球ルート(位置座標データ群)に沿って移動表示させて入賞口44〜49やアウト口53で消滅させることが可能となる。
【0039】
画像表示制御装置7は、CPU7aがRAM7bを作業域として用いて制御プログラム7c1を実行し、ROM7c中の遊技釘データ7c2及びデータ群7c4を適宜読み出し、またGPU7dを制御してビデオRAM7eに描画データを書き込ませる。これにより画像表示制御装置7は、上述したように画像表示器5に盤面画像を表示させ、かつ表示させた盤面画像における表示制御を行う。
【0040】
本実施形態では、画像表示制御装置7は遊技球移動表示手段7h、開閉体開閉表示手段7i及び図柄表示制御手段7jを備える。
上記遊技球移動表示手段7hは、図3に示す主制御装置6の信号送信手段6gからの発射信号S1を受信して各発射信号S1中の球属性に基づき各遊技球の球ルートを取得(生成又は選択)し、その球ルートで各遊技球を盤面画像上に移動表示させるように構成されている。
球ルートは、各遊技球が盤面画像上に表示(発射)されてから図1に示す入賞口44〜49又はアウト口53で消滅、つまり入球するまでの道筋を表す位置座標データ群からなる。
球ルートの終点である入賞口44〜49又はアウト口53での遊技球の消滅はその生存時間の満了時となることは勿論であり、上記位置座標データ群中の各位置座標データは経過時間対応で、ここでは単位時間=16ミリ秒毎に、表されている。
【0041】
なお、球ルートは遊技球中心位置のルートを指す。また映像式パチンコ機においては、遊技球、入賞口44〜49及びアウト口53は画像で表示されているので、入賞口44〜49やアウト口53の位置、つまり球ルート終点で遊技球の表示が終了し、その遊技球が盤面画像上から消滅することは、遊技球が入賞口44〜49やアウト口53に入球することを指す。
【0042】
遊技球移動表示手段7hは、上記発射信号S1の受信によって、また消滅位置が始動入賞口48に決定された場合には同発射信号S1と共に送られてくる仮抽選結果信号S6及びリーチ属性信号S7の受信によって、以下のように選択された形態で遊技球を盤面画像上に移動表示させるように構成されている。遊技球の形態、すなわち色、質感又は形状等は、上記信号S1,S6,S7中の消滅位置(球属性)、仮抽選結果及びリーチ属性(ON又はOFF)に応じて選択される。
本実施形態では、信号S1,S6,S7中の消滅位置、仮抽選結果及びリーチ属性に応じて銀色、緑色又は赤色に選択された遊技球を移動表示させるように構成されている。
【0043】
開閉体開閉表示手段7iは、信号送信手段6gからの上記開信号S2又は閉信号S3の受信によって、盤面画像上の開閉体50の開又は閉動作表示を行わせる手段である。
この開閉体開閉表示手段7iは、本実施形態では上記本抽選結果が大当りと決定された始動入賞球に係る図柄の変動の終了時、つまり図柄の停止時に信号送信手段6gから送信される開信号S2を受信し、盤面画像上の開閉体50の開動作表示を行わせる。
【0044】
図柄表示制御手段7jは、上記図柄変動開始信号S4及び図柄変動パターン指定信号S5の受信によって、盤面画像上の図柄表示部43に図柄の変動(表示)を開始させると共に、図柄変動パターン指定信号S5で指定された図柄変動パターンで図柄を変動させ、所定時間後に、同図柄変動パターン指定信号S5で指定された停止図柄で停止させる手段である。
図柄変動パターン指定信号S5は、各始動入賞球(保留球を含む。)について、図柄の変動を開始させる際に得られる上記大当り本抽選結果に応じた図柄で停止させ、また、上記リーチ属性に応じてリーチ演出をさせて、又はさせることなく停止させるかをその変動パターン中に含む信号である。
【0045】
説明を図1に戻すと、可動枠3には、その前面に前面飾り枠11がヒンジ4によって片開き可能に取り付けられる。
前面飾り枠11は丸形開口部12を備え、この丸形開口部12は、前面飾り枠11の裏側に設けられた無色透明のガラス又は合成樹脂からなる画像表示器保護用パネル13で塞がれる。丸形開口部12を囲む前面飾り枠11の前面部には、カード挿入口14、貸出操作機構15、返却操作機構16、精算操作機構17、発射操作機構18、持ち球数表示器19等を備える。
【0046】
カード挿入口14は、ポイントや金額情報等の有価情報が書き込まれたカード状の記録媒体、ここでは金額情報が書き込まれたプリペイドカード等(以下、カードという。)22を挿入するスリット状の口である。カード挿入口14の裏側には、カード検出器23、カード搬送機構24、情報読取器25及び情報書替器26が、前面飾り枠11の裏部等に取り付けられた状態で位置する。
貸出操作機構15は、遊技者により操作される貸出操作部27と、この貸出操作部27を介して操作される貸出スイッチ28とを備える。
返却操作機構16は、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される返却操作部29と、この返却操作部29を介して操作される返却スイッチ30とを備える。
【0047】
精算操作機構17は、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される精算操作部31と、この精算操作部31を介して操作される精算スイッチ32とを備える。精算スイッチ32自体を前面飾り枠11の前側に配置し、遊技者が精算スイッチ32を直接操作可能にしてもよく、この場合は精算操作部31を省略できる。
発射操作機構18は、遊技者により前面飾り枠11の前側から回動操作される発射操作部(発射レバー)33と、この発射操作部33の操作により動作する可変抵抗器34と、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される発射停止操作部35と、この発射停止操作部35によりON/OFF動作する発射停止スイッチ36とを備える。また発射操作機構18は、遊技者が発射操作部33に触れているか否かを検出するタッチセンサ(図示せず)を備える。
上記持ち球数表示器19は、数値表示面が前面飾り枠11の前側から見えるように、前面飾り枠11又は可動枠3に取り付けられる。
【0048】
以下、上述実施形態の基本的な動作について、主に図1、図3及び図5を参照しつつ説明する。
まず、主制御装置6、画像表示制御装置7及びカード制御装置8が、機枠1に設けられた電源装置(図示せず)から直流電源が供給され起動されると、主制御装置6の制御に基づき画像表示制御装置7が画像表示器5を制御して、この画像表示器5に盤面画像を表示させる。
この盤面画像は、上述したように各種の盤面構成部材39、42〜55、及び図示を省略した多数の遊技釘等を表す画像からなる。
【0049】
いま、遊技者がカード22をカード挿入口14に挿入すると(図1中の矢印イ参照)、カード検出器23がカード検出信号をカード制御装置8に出力し、カード搬送機構24を引込制御する。これにより、カード22が機内に搬送され(図1中の矢印ロ参照)、情報読取器25がカード22の金額情報を読み取ってカード制御装置8に出力する。カード処理装置8は、読み取った金額情報を残高表示器(図示せず)に表示する。
【0050】
その後、遊技者が貸出操作部27を操作して借り出す球数に相当する投資金額を入力すると、入力された投資金額に相当する投資金額情報が貸出信号として貸出スイッチ28からカード制御装置8に出力される。カード制御装置8は、貸出スイッチ28からの貸出信号に対応する投資金額情報を演算し、カード22から読み取って記憶しておいた金額情報(カード読取金額情報)が上記投資金額情報以上であるか否かを判定する。
【0051】
カード制御装置8は、上記カード読取金額情報が投資金額情報以上である場合には投資金額情報をそのまま、投資金額情報未満である場合には上記カード読取金額情報を投資金額情報として、主制御装置6に出力する。主制御装置6は、カード制御装置8から出力された投資金額情報に応じた球数情報を持ち球数表示器19に出力し、この持ち球数表示器19に持ち球数として数値表示させる(持ち球数として設定する)。
【0052】
具体的には、貸出スイッチ28の1回の貸出信号が500円に相当するとした場合、カード22には500円の整数倍の金額情報が書き込まれている。そして、カード挿入口14に挿入されたカード22に、例えば1000円の金額情報が書き込まれている場合であって、遊技者が、貸出操作部27を1回操作した場合には500円に、2回操作した場合には1000円に、相当する球数を持ち球数表示器19に表示する。カード22に500円の金額情報が書き込まれていて、遊技者が貸出操作部27を2回操作した場合には、2回の操作に拘わらず500円に相当する球数を持ち球数表示器19に表示する。
なお、カード読取金額情報を度数情報としてカード制御装置8に接続された度数表示器(図示せず)に表示するようにしてもよい。
【0053】
持ち球数表示器19による球数表示と並行して、カード制御装置8は、上記カード読取金額情報から貸出としての球数情報に対応する投資金額情報を減算して情報書替器26を制御し、カード22の金額情報を上記減算の結果の残額情報に書き替える。
残額情報が「0」の場合、カード制御装置8はカード搬送機構24を戻し制御する。遊技者が返却操作部29を操作すると、カード制御装置8は、返却スイッチ30から返却信号を受けてカード搬送機構24を戻し制御する。
これらの戻し制御によって、カード搬送機構24はカード22を搬送してその一部をカード挿入口14から突出させ、カード22を機枠1から取り出し可能とする。
【0054】
持ち球数表示器19が球数を表示した状態において、遊技者が発射操作部33を操作すると、図示しないタッチセンサがONすると共に、可変抵抗器34が発射操作部33の操作量に応じた可変抵抗値を主制御装置6に出力する。なお、発射停止操作部35は操作されてなく、発射停止スイッチ36はOFFしているものとする。
【0055】
主制御装置6は、発射操作部33の操作量がいわゆる遊びの範囲を超えているか否か、具体的には可変抵抗器34の可変抵抗値が一定値以上か否かによる発射可否の判定を行う。主制御装置6は、判定結果が発射可である場合には、1分間当り例えば100個の割合で発射ON信号を生成すると共に、この発射ON信号毎に、その信号生成時の上記可変抵抗値、換言すれば発射操作部33の操作量を取得する。
また主制御装置6は、画像表示器5に画像として描かれる遊技球が発射表示されてから遊技領域41をどのようなルートで流下、移動させるかについての基本的な情報となる球属性を上記発射ON信号毎、つまり発射球(発射操作部33の操作により発射される遊技球)毎に決定する。
【0056】
上記球属性は、主制御装置6に備わる球属性決定手段6eにより決定される。
すなわち球属性決定手段6eは、発射操作部33の操作量に応じて遊技球の発射強度を求め、この発射強度に基づき、発射される遊技球の盤面画像上の消滅位置と、盤面画像上に表示されてから消滅するまでの遊技球の生存時間とを球属性として決定する。
【0057】
図6に、遊技球の発射強度とこの発射強度に基づいて求められる生存時間との関係の一例を示す。ここでは、発射強度に基づいて求められる生存時間が一定の幅をもつ例が示されている。
遊技球の生存時間を、遊技球の発射強度に基づくものではあるが、直接的には上記消滅位置に応じて求めたものであってもよい。また、遊技球の発射強度を球属性に含めてもよく、この場合、発射強度は、遊技球が遊技領域41に打ち込まれて最初に衝突する盤面構成部材位置、つまり着弾位置の決定等に利用される。
【0058】
上記発射強度は、遊技球の発射の強さを表す情報であり、上述したように遊技球の消滅位置及び生存時間を求める基本的な情報として用いられる。
遊技球の消滅位置は、入賞口44〜49に入賞(入球)するか、入賞するときはどの入賞口に入賞するか、又は入賞せずにアウト口53に入球するかを表す入球位置に係る球属性である。遊技球は入賞口44〜49への入賞、又はアウト口53への入球時にその表示が終了し、盤面画像上から消滅する。
遊技球の生存時間は、発射操作部33が操作され、遊技球が発射されてから消滅するまで、つまり盤面画像上に表示が開始されてから終了するまでの経過時間に係る球属性である。
【0059】
球属性決定手段6eにより決定された各球属性を含む発射信号S1は信号送信手段6gから画像表示制御装置7に送信される。
画像表示制御装置7は、信号送信手段6gからの発射信号S1を受信して同発射信号S1中の上記2つの球属性に基づき各遊技球の移動ルート、つまり球ルートを選択(取得)し、その球ルートで各遊技球を画像表示器5に表示された盤面画像上に移動表示させる。
【0060】
球ルートは、遊技球が発射(表示)されガイドレール39に沿って遊技領域41の上部に打ち込まれた後、流下、移動しながら風車51や図示しない遊技釘等に当たって、入賞口44〜49の何れかに入賞し、又は非入賞となってアウト口53に入球するまでの道筋を表わす位置座標データ群からなる情報である。球ルートは、上記発射信号S1(球属性)に応じて多数種類設定されている。
【0061】
入賞は、画像表示器5に表示された盤面画像における遊技領域41を流下、移動する遊技球が入賞口44〜48(図示例では開閉体50が閉じているので大入賞口49は含まない。)の何れかに入球することを表わす情報である。
非入賞は、画像表示器5に表示された盤面画像における遊技領域41を流下、移動する遊技球が入賞口44〜49の何れにも入賞しないでアウト口53に入球することを表わす情報である。
なお、入賞として始動入賞口48への入賞が決定された場合にだけ、大当り/外れ情報(大当り/外れの別)が決定される。
【0062】
大当り/外れ情報は、主制御装置6において、入賞として始動入賞口48への入賞が決定されたタイミングで大当り抽選用カウンタ(図示せず)のカウント値を取得し、このカウント値を抽選値として大当り値と照合(大当り抽選)して決定される。上記抽選値及び大当り/外れ情報(抽選結果)はRAM6bに記憶される。
【0063】
映像式パチンコ機では、始動入賞口48への入賞は遊技球発射時に決定され、その際に大当り抽選も行われる。大当り抽選における大当り確率は、その抽選時、つまり遊技球発射時点の確率を用いて行われる。
しかし、始動入賞口48への入賞が決定された始動入賞球による図柄変動が開始(図柄変動開始信号S4が主制御装置6から送信)されるまでの間に大当り確率が変化し、例えば高確率状態から低確率状態となり、しかも、高確率状態では大当りと決定されるが、低確率状態では外れと決定される場合がある。上記抽選値として「7」や「139」を取得した場合が挙げられる。抽選値「7」,「139」は高確率時には大当り値となっているが、低確率時には大当り値となっていない(外れ値となっている)からである。
【0064】
このような場合には、その始動入賞球については正規の大当り確率、すなわち図柄変動開始時における大当り確率で大当り抽選がなされなかったことになる。そこで本実施形態では、始動入賞口48への入賞決定時(始動入賞球発射時)に行う大当り抽選は仮抽選とし、その結果を、盤面画像上に移動表示される遊技球の色を銀色又はその他の特別な色、ここでは緑色又は赤色とするか否かの選択及びリーチ属性の決定のみに用いることとした。
【0065】
すなわち仮抽選結果は、仮抽選結果信号S6として発射信号S1と共に信号送信手段6gから画像表示制御装置7に送信され、この仮抽選結果、上記リーチ属性及び遊技球の消滅位置に応じた色で遊技球を盤面画像上に移動表示させる。
どの球色とされるかの詳細は後述するが、このような仮抽選結果、リーチ属性及び遊技球の消滅位置により、どのような比率で球色が決められるかについては予め定められている。したがって、移動表示される遊技球の色は大当り状態となり得るか等の予告として機能し、遊技者が抱く大当り状態となる期待感を増減させ、遊技を面白くする。
【0066】
本実施形態では、抽選値は仮抽選及び本抽選共に始動入賞口48への入賞時に取得したものを共通に用い、また、低確率時の大当り値はその全てが高確率時の大当り値にもなっている。
したがって、仮抽選時の確率状態が低確率であるが遊技球は緑色球又は赤色球(着色球:異形態遊技球)であり、その後に行われる本抽選時の確率状態が高確率に変わった場合には大当り状態となる期待感は更に高まることになる。
【0067】
なお、上記の始動入賞球による図柄変動が開始(図柄変動開始信号S4が主制御装置6から送信)されるまでの間とは、始動入賞球が実際に始動入賞口48へ入賞するまでの間を指す他、その始動入賞球が保留球として記憶された場合には、その後、その始動入賞球(保留球)による図柄変動が開始されるまでの間も含む。
すなわち、始動入賞口48への入賞時には、先行する他の始動入賞球による図柄の変動中であったり、開閉体50の開動作中、つまり大当り状態であったため、その始動入賞球が保留球として記憶され、その後、上記の先行する他の始動入賞球による図柄変動が終了して自身(保留球となっている後続の始動入賞球)による図柄変動が開始されるまでの間も含む。
【0068】
さて、遊技球が画像表示器5に表示された盤面画像上に移動表示されると、主制御装置6は、上記発射ON信号毎に球数情報を減算し、この減算した球数情報を持ち球数表示器19に出力する。
球属性を含む発射信号S1を、上記発射ON信号毎に順次画像表示制御装置7に送信し、画像表示制御装置7で画像表示器5を制御させれば、画像表示器5は遊技球動画像(球ルートに沿って移動する遊技球画像)を次々と表示する。
この遊技球動画像は、遊技球が1分間当り100発の割合で盤面画像中の発射通路40から遊技領域41に打ち込まれ、この遊技領域41を流下、移動する動画像である。
画像表示器5に表示される遊技球動画像は上述したように銀色、緑色又は赤色とされている。
【0069】
持ち球数表示器19は、主制御装置6からの減算した球数情報に相当する球数を数値表示する。つまり、持ち球数表示器19で表示された数値は、遊技球が発射される毎に減算した数値となる。
そして、遊技領域41に打ち込まれた遊技球が一般入賞口44〜47に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像中から消滅すると、主制御装置6は、一般入賞口44〜47に対応する定数の賞球数情報をその時点における球数情報に加算した加算球数情報を、持ち球数表示器19に出力し、持ち球数表示器19が加算球数情報に相当する球数を数値表示する。
これにより、持ち球数表示器19で表示された数値は、遊技球が発射される毎に減算した数値と一般入賞口44〜47に対応する定数の賞球数との加算された数値となる。
【0070】
遊技領域41に打ち込まれた遊技球が始動入賞口48に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像中から消滅すると、主制御装置6は、図柄変動開始信号S4と、本抽選結果及びリーチ属性に応じた図柄変動パターン指定信号S5を画像表示制御装置7に送信し、画像表示制御装置7が画像表示器5を制御する(盤面画像における表示制御を行う)。
この制御によって、画像表示器5は、図柄表示部43に3つの図柄(L、C、R)の変動を開始させ、図柄変動パターン指定信号S5で指定された本抽選結果(大当り/外れの別)を反映させて、つまり、所定時間後に、その始動入賞球に係る本抽選結果に応じた停止図柄で停止させる。
【0071】
この図柄停止によって、図柄表示部43に表示される図柄(停止図柄「L、C、R」)は、本抽選結果が大当りである場合には例えば「2、2、2」、「3、3、3」、…「7、7、7」、…「9、9、9」のように全て同一の数値が一列に並んだ表示形態(大当り図柄)となる。また、上記大当り本抽選の結果が外れである場合には、例えば「1、3、3」、「5、9、1」、「7、6、7」のように全てが同一とはなっていない数値が一列に並んだ表示形態となる。
【0072】
なお確率変動手段6hは、低確率時において大当りとなり、その停止図柄「L、C、R」が大当り図柄のうち、特定図柄、ここでは奇数の同一数値の図柄、つまり「1、1、1」、「3、3、3」、「5、5、5」、「7、7、7」、「9、9、9」となったときに、大当り確率を低確率から高確率に変化させる。
また確率変動手段6hは、高確率状態を、次回以降、一定回数までの大当り抽選において再度大当りと決定されるまで継続させ、その後、低確率状態に戻す。
高低何れの確率状態にあっても、大当りとなる確率は、確率変動手段6hが現在設定されている大当り確率に従う。
【0073】
図柄表示部43における停止図柄が大当り図柄である場合には、主制御装置6が、開閉体50を開動作表示させるための開信号S2を画像表示制御装置7に送信し、これを受けた画像表示制御装置7が画像表示器5を制御する。この制御によって、画像表示器5は大入賞口49の開動作画像を表示する。
【0074】
この大入賞口49の開動作画像は、大入賞口49の開閉体50が下辺を支点として垂直に閉じた状態から斜め前方に開く動画像である。このようにして開閉体50が開放すると、大入賞口49には、より多くの、つまり他の一般入賞口44〜47に比べて多くの遊技球の入賞が可能となる。
開閉体50の開放中に、遊技球が大入賞口49に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像から消滅すると、主制御装置6は、大入賞口49に対応する定数の賞球数情報をその時点における球数情報に加算した加算球数情報を、持ち球数表示器19に出力し、持ち球数表示器19が加算球数情報に相当する球数を数値表示する。つまり、持ち球数表示器19で表示された数値は、大入賞口49への入賞時点の数値と大入賞口49に対応する定数の賞球数との加算された数値となる。
【0075】
遊技領域41から大入賞口49に入賞した遊技球は、大入賞口49の内部に設定された普通領域又はVゾーンと称される特定領域(共に図示せず)に入賞するようになっている。また、主制御装置6は、開閉体50の開放開始からの経過時間をカウントアップすると共に、大入賞口49に入賞した遊技球の数をカウントアップする。
カウントアップした経過時間が設定開放時間、ここでは30秒に達するか、又はカウントアップした大入賞口49への入賞個数が予め定められた例えば10個のような入賞個数に達するかの何れか一方の条件を充足すると、主制御装置6は開閉体50を閉動作表示させための閉信号S3を画像表示制御装置7に送信し、画像表示制御装置7が画像表示器5を制御する。
この制御によって、画像表示器5は大入賞口49の閉動作画像を表示する。この大入賞口49の閉動作画像は、大入賞口49の開閉体50が下辺を支点として斜め前方から図1に示す垂直状態に閉じる動画像である。
【0076】
この開閉体50が開動作してから閉動作するまでの間、つまり開放中において、大入賞口49の特定領域に遊技球が入賞した場合、主制御装置6は、特定領域への入賞があったことをカウントアップ(+1)する。開閉体50の1回の開放(大当り状態)中に特定領域への入賞数が複数個あっても、最初の+1カウントアップ以降はカウントアップされない(+1のままである)。
このカウントアップがあった場合、主制御装置6は、画像表示制御装置7による上記開閉体50の1回の開放が終了した後に、同開閉体50を再び開放するための開情報を内容とする信号を画像表示制御装置7に送信し、上記画像表示器5を再び制御する。
この制御によって、画像表示器5は大入賞口49の開閉体50が下辺を支点として斜め前方に開く形態の動画像を表示する。
【0077】
この開閉体50が再び開放する大当りの継続は、カウントアップした特定領域への入賞が例えば16回のような設定継続回数に達するまで行われる可能性がある。開閉体50の1回の開放中において特定領域への入賞が1回もなければ、その回で大当り状態の継続が終了することから、開閉体50の開放が継続する回数は可能性にとどまる。
【0078】
図柄表示部43における停止図柄が大当り図柄でない(外れ図柄である)場合には、主制御装置6は開閉体50を開動作表示させるための開信号S2を画像表示制御装置7に送信することはなく、遊技状態を大当り状態にすることはない。
なお、遊技領域41に打ち込まれた遊技球が始動入賞口48に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像中から消滅した場合も、主制御装置6は、始動入賞口48に対応する定数の賞球数情報をその時点における球数情報に加算した加算球数情報を、持ち球数表示器19に出力し、持ち球数表示器19が加算球数情報に相当する球数を数値表示する。この場合も、持ち球数表示器19で表示された数値は、遊技球が発射される毎に減算した数値と始動入賞口48に対応する定数の賞球数との加算された数値となる。
【0079】
始動入賞球保留・消化手段6jは、上記のような開閉体50の開動作中又は図柄の変動中に新たな始動入賞球が生じた場合には、4個までその新たな始動入賞球を保留球として積算記憶し、その数に応じた数の保留球ランプ54を点灯させる。
始動入賞球保留手段6jは、先行する始動入賞球又は保留球に係る、上記のような開閉体50の開動作後又は図柄の変動後に、後続する保留球を始動入賞球としてその始動入賞球に係る図柄変動開始信号S4及び図柄変動パターン指定信号S5を画像表示制御装置7に送信させる。
【0080】
上記の信号S4,S5を受信した画像表示制御装置7、具体的には図柄表示制御手段7jは、図柄表示部43に3つの図柄(L、C、R)の変動を開始させ、所定時間後に、その始動入賞球に係る本抽選結果に応じた停止図柄で停止させ、停止図柄に応じた動作を主制御装置6に行わせる。
保留球の記憶数は、その記憶された保留球に係る始動入賞球についての図柄の変動を開始又は終了する毎に、つまり保留球が消化される毎に、1個ずつ減算され、これに伴い保留球ランプ54も1個ずつ消灯される。
【0081】
遊技を終了する場合、遊技者が精算操作部31を介して精算スイッチ32を操作する。これにより精算信号が精算スイッチ32からカード制御装置8に出力し、カード制御装置8がその精算信号を主制御装置6に出力する。主制御装置6は、持ち球数表示器19に表示されている球数に相当する球数情報をカード制御装置8に出力すると共に、持ち球数表示器19の数値を「0」となるように持ち球数表示器19を制御し、持ち球数をクリアする。
【0082】
カード制御装置8は、機枠1の内部に取り込まれているカード22の金額情報に主制御装置6から入力された球数情報に対応する金額情報を加算した後、情報書替器26を制御する。この制御によって、情報書替器26が機枠1の内部に取り込まれているカード22の金額情報を上記加算した金額情報に書き替える。
その後、カード制御装置8がカード搬送機構24を戻し制御する。すなわち、金額情報の書き替えられたカード22を搬送機構24により搬送し、その一部をカード挿入口14から突出させ、カード22を機枠1から取り出し可能とする。つまり、カード22が機外に排出され、精算処理を完了する。
【0083】
以下、図7に図1、図3及び図5を併用して、上記遊技球の発射強度、消滅位置及び生存時間(球属性)、発射信号S1、並びに球属性別の球ルートテーブル7c3の関係について説明する。
球属性のうち、遊技球の消滅位置は、主制御装置6の球属性決定手段6eにより遊技球の発射強度に基づいて決定される。ここでは、遊技球の消滅位置が、0〜9999までの数値をループカウントする消滅位置決定用カウンタ(図示せず)を用い、このカウンタの上記発射ON信号生成時のカウント値と上記遊技球の発射強度に基づいて決定される。
【0084】
いま、球属性決定手段6eにおいて発射強度値505が取得され、消滅位置決定用カウンタの上記発射ON信号の生成時のカウント値が250であるとする。このような場合、球属性決定手段6eは、図4に示す入賞率テーブル6c3の発射強度501〜510の欄の入賞率を検索し、ここから乱数(カウンタ)を用いて遊技球の消滅位置を決定する。
具体的には、この欄の各入賞口44〜49の入賞率を、入賞口44側から順に大入賞口49側に向けて各々10000倍した数値1、2、2、1、450…を順次加算して行く。すると、入賞口47の位置で合計値6が得られ、始動入賞口48の位置で合計値456が得られる。
消滅位置決定用カウンタのカウント値は250であり、この値は入賞口47の位置の合計値6を超え、始動入賞口48の位置の合計値456以下の範囲内にあるから、ここでは始動入賞口48がその遊技球の消滅位置と決定する。
【0085】
これにより、遊技球の発射強度に基づき、また入賞率テーブル6c3に設定された入賞率に従って遊技球の消滅位置が決定されるが、遊技球の発射強度に基づき、かつ入賞率に従った方法であれば、上述方法以外の方法により遊技球の消滅位置を決定してもよい。
【0086】
球属性のうち、遊技球の生存時間は、図6にも示したように一定の幅をもつが、その幅内の特定の生存時間が上記遊技球の消滅位置に応じて決定される。図7に示すように、同一消滅位置の中にも異なる値の生存時間を複数種類設定されるが、この場合は、消滅位置決定用カウンタを用いた抽選によりランダムに決定された複数種類の中の1種類の消滅位置に応じた特定の生存時間が決定される。
【0087】
このように決定された球属性(消滅位置及び生存時間)は、発射信号S1に含められて主制御装置6の信号送信手段6gから画像表示制御装置7に送信される。図7に示す例において、頭文字「S1」が付された4桁の数字は各々球属性を含む発射信号S1を表す。
【0088】
球属性別の球ルートテーブル7c3は、画像表示制御装置7のROM7cに格納されている。この球ルートテーブル7c3は、主制御装置6の信号送信手段6gから送信されてくる発射信号S1中の球属性、ここでは消滅位置及び生存時間の組と、画像表示制御装置7の遊技球移動表示手段7hが盤面画像上に表示する遊技球の移動経路、つまり球ルートとの対照表である。
図7に示す例においては、特定の発射信号(球属性:消滅位置及び生存時間の組)に対しては特定の球ルートが、つまり1種類の球ルートが対応する例を示しているが、特定の発射信号(球属性)に対して複数種類の球ルートが対応するように設定してもよい。
球ルートは、図7に示す例においては頭文字「RT」が付された4桁の数字で表されているが、具体的には遊技球が盤面画像上に表示されてから消滅するまでの単位時間毎、例えば16ミリ秒毎の位置座標データの集合(位置座標データ群)である。
【0089】
位置座標データは、例えば遊技盤面を含む画像表示器5の画像表示面(二次元平面)をX,Y平面とし、図1中の左右方向にX軸、上下方向にY軸をとり、同画像表示面の図1中の左下隅部を基準位置、つまりX=0,Y=0として表わす。
遊技盤面に直交する、遊技盤面の前面側(遊技者側)の方向にZ軸をとり、位置座標データをX,Y,Zの三次元座標で表わしてもよい。
なお図7は、球属性の一部を例示している。球属性別の球ルートテーブル7c3も一部を例示している。
【0090】
遊技者が、図1に示す発射操作部33をある操作量、例えば回転角度35°〜45°までの間の回転角度θxに操作した場合、主制御装置6は回転角度θxに応じた値を発射操作量として取得し、同装置6内の球属性決定手段6eはその発射操作量に応じて遊技球の発射強度Fxを求める。
球属性決定手段6eは、求めた発射強度Fxに対応する遊技球消滅位置Pxを、上記入賞率テーブル6c3及び消滅位置決定用カウンタを用いて抽選により求め、続いて、この消滅位置Px(詳しくは発射強度Fx及び消滅位置Px)から、各消滅位置までの遊技球生存時間Txを求める。
【0091】
主制御装置6の信号送信手段6gは、球属性決定手段6eで決定された遊技球消滅位置Px及び生存時間Txからなる球属性を含む発射信号S1を画像表示制御装置7に送信する。
発射信号S1は発射される遊技球毎に画像表示制御装置7に送信されるが、画像表示制御装置7(遊技球移動表示手段7h)はこの発射信号S1を受信する毎に、各発射信号S1中の球属性に応じた球ルートを遊技球消滅位置・生存時間別の球ルートテーブル7c3から読み出す(選択する)。
上述したように、特定の発射信号(球属性:消滅位置及び生存時間の組)に対して複数種類の球ルートが対応するように球ルートテーブル7c3を設定した場合には、遊技球移動表示手段7hはそのうちの1種類の球ルートを球ルートテーブル7c3から順次若しくはランダムに、又は正規分布乱数等を用いて選択する。
画像表示制御装置7は、画像表示器5を表示制御し、球ルートテーブル7c3から選択した球ルートに沿って遊技球を移動表示する。
【0092】
次に、本実施形態において、図1に示す発射操作部33が操作されてから遊技球が盤面画像上に表示され、その後、盤面画像上から消滅(表示が終了)するまでの一連の処理動作を図8及び図9のフローチャートに、図1、図3、図5及び図7を参照して説明する。
【0093】
まず、図8に図1及び図3を併用して主制御装置6における遊技球の発射処理を説明する。
図8において、ステップ301では、発射操作機構18が遊技球を発射できる状態になっているか否かを判定する。
すなわち、発射操作部33のタッチセンサ(図示せず)がON、発射停止スイッチがOFF、更に発射操作部33の操作量が遊びの範囲を超えているか否かを判定する。遊技者が実際に遊技球を発射するために発射操作部33を操作しているか否かを判定するためである。ステップ301の判定結果がNo(否定)であれば発射処理を終了し、Yes(肯定)であれば次ステップ302に進む。
【0094】
ステップ302では前回の発射から一定時間経過しているか否かを判定する。これは1分間に例えば100発を超えて発射されないようにするためで、一定時間とはここでは0.6秒である。ステップ302で一定時間経過していないと判定された場合には発射処理を終了する。つまり、主制御装置6は、遊技球の発射に関しては何の処理もしない。一定時間経過していると判定された場合には処理をステップ303に移す。
【0095】
ステップ303では、持ち球数があるか(持ち球数表示器19が表示する球数が1以上か)否かを判定し、判定結果がNoであれば空打ち音を図示しない音声制御装置で発生させるための空打ち音発生信号を同音声制御装置に送信する(ステップ304)。
【0096】
ステップ303における判定結果がYesであれば球属性決定手段6eにより球属性を決定する(ステップ305)。ここでは、発射操作部33の操作量に応じて遊技球の発射強度が求められ、この発射強度及び遊技球の消滅位置に基づいて生存時間が求められ、これら消滅位置及び生存時間が球属性とされる。
【0097】
球属性(発射強度、消滅位置及び生存時間)が決定されると、ステップ306に移行し、決定された球属性を含んだ発射信号S1を信号送信手段6gから画像表示制御装置7に送信し、発射処理を終了する。
以上の処理は、発射球毎に行われる。
なお、ステップ305において、消滅位置が始動入賞口48に決定された場合には、その始動入賞球毎に大当り仮抽選が行われリーチ属性が決定されて、仮抽選結果信号S6及びリーチ属性信号S7が上記発射信号S1と共に信号送信手段6gから画像表示制御装置7に送信されるが、その詳細は後述する。
【0098】
図9は、図5に示す画像表示制御装置7による表示処理を説明するためのフローチャートである。以下、この図9に図1、図3、図5及び図7を併用して画像表示制御装置7による表示処理を説明する。
【0099】
まず、ステップ501において、画像表示制御装置7は、主制御装置6からの各種の信号を受信する。この信号には、図8中のステップ306で送信される発射信号S1の他、仮抽選結果信号S6及びリーチ属性信号S7や、適時送信される図柄変動開始信号S4、図柄変動パターン指定信号S5、開閉体50の開信号S2、同閉信号S3等の演出表示制御用の信号がある。
発射信号S1は、発射球毎に画像表示制御装置7で受信され、その他の信号は、主制御装置6が制御する遊技状態に応じて送信する都度、受信される。
【0100】
ステップ502では、遊技球移動表示手段7hは受信した発射信号S1中の球属性に基づいた球ルートを取得し、ここでは球ルートテーブル7c3(図7参照)から球ルートRTを選択し、その球ルートRTに応じた位置座標で遊技球を画像表示器5に表示させる。 具体的には、図5に示すCPU7aが上記球ルートテーブル7c3から選択した球ルートRTに基づき、次のフレーム更新時に移動する遊技球の位置座標データをGPU7dが読み出し、ビデオRAM7eに書き込む。
遊技球移動表示手段7hは、発射信号S1に伴って仮抽選結果信号S6及びリーチ属性信号S7が受信された場合には、それら各信号S1、S6、S7の内容、つまり消滅位置、仮抽選結果及びリーチ属性に応じた球色を選択し、上記球ルートRTに沿って遊技球を移動させる際に、その球色で遊技球を表示させるが、その詳細は後述する。
【0101】
ステップ503では、ステップ502における処理が終了したか否か、つまり今回のフレーム分の移動を行ったか否かを判定する。未終了の場合はステップ503の処理を繰り返し、終了していればステップ504を実行する。
盤面画像に複数個の遊技球が表示される場合には、上述した表示処理は同時並行して行われる。このような場合、ステップ503における判定は、上記複数個の遊技球の全ての位置についてステップ502における処理が終了したか否かの判定となり、終了していればステップ504を実行する。
【0102】
ステップ504では、盤面画像上の図柄表示部43における図柄変動・停止、大入賞口49の開閉体50の開閉動作等、特別遊技状態あるいは特別遊技状態を招来させ得る遊技状態への演出表示制御を行う。
ステップ505では、ステップ504で行った表示制御以外の、例えば盤面画像におけるサイドランプ52や、図示しないが前面飾り枠11の前面部に取り付けられた電飾等の点消灯制御(一般演出制御処理)を行う。
ステップ506では、ステップ502、504、505の処理(制御)結果を合成して画像表示器5に描画、つまり表示させる。
【0103】
ステップ501〜506は、一定時間、ここでは16ミリ秒毎に繰り返されるので、画像表示器5には、大入賞口49の開閉体50の開閉動作、図柄変動、サイドランプ52の点滅等の様々な演出表示がされる盤面画像上に遊技球(画像)が重ねて移動表示される。
【0104】
次に、発射球(遊技球)の球色選択処理及び図柄変動パターンの選択処理の詳細につき、図10〜図13に図1、図3及び図5を併用して説明する。
図10は、球属性(消滅位置)が始動入賞口48に決定された場合、つまり始動入賞球が生じた場合の主制御装置6における処理の一例を示すフローチャートである。この図に示す処理は、図8中のステップ305の次ステップ以降において同図中のステップ306に代えて実行される。なお、説明の便宜上、図8中のステップ305,306を本図10中に重複して示している。
【0105】
図10において、まずステップ701では、処理対象となる発射球につき、球属性決定手段6eで決定された消滅位置が始動入賞口48であったか否かを判定する。この判定結果がYes(肯定)、つまり、上記発射球が始動入賞球となった場合には、この始動入賞球について以下の処理を実行する。
まず、大当り抽選手段6iにより大当り仮抽選を行う(ステップ702)。この大当り仮抽選の詳細は上述した通りである。この大当り仮抽選は現在の大当り確率で行う。
なお、ステップ701における判定結果がNo(否定)の場合にはステップ702以降に進むことはない。すなわち、図8中のステップ306を実行し、その後、発射処理を終了する。
【0106】
ステップ703では、仮抽選結果が大当りであったか否かを判定する。ステップ703における判定結果がYesであればステップ704で仮抽選結果を大当りに設定し、No(否定)であればステップ705で仮抽選結果を外れに設定する。
ステップ703,704の実行後はステップ706において仮外れに設定された始動入賞球についてリーチ属性を決定する。このリーチ属性決定の詳細は上述した通りである。
次ステップ707では、リーチ属性の決定結果がONか否かを判定し、判定結果がYesであればステップ708でリーチ属性をON(リーチ演出を実行する)に設定し、Noであればリーチ属性をOFF(リーチ演出を実行しない)に設定する。
【0107】
以上のステップ305,306、ステップ701〜709を実行することにより、消滅位置、大当り仮抽選結果(大当り又は外れ)及びリーチ属性(ON又はOFF)が得られると、信号送信手段6gは、ステップ710を実行する。すなわち、上記消滅位置、大当り仮抽選結果及びリーチ属性を含む、発射信号S1、仮抽選結果信号S6及びリーチ属性信号S7を画像表示制御装置7に送信する。
上記発射信号S1、仮抽選結果信号S6及びリーチ属性信号S7を受信した画像表示制御装置7は、同信号S1,S6,S7に応じて選択された球色の発射球を盤面画像上に描画させる(図9中のステップ506参照)。
【0108】
図11は、上記発射信号S1、仮抽選結果信号S6及びリーチ属性信号S7を受信した画像表示制御装置7が同信号S1,S6,S7に応じて行う発射球毎の球色選択の一例を説明するための図である。
この図は、各発射球の球色選択、本例では銀色、緑色又は赤色からの一色の選択が、予め決められた球色選択比率に従って行われることを示す。この場合、球色選択比率は、各発射球に係る消滅位置、大当り仮抽選結果(大当り又は外れ)及びリーチ属性(ON又はOFF)の組み合わせに応じて決められる。
球色選択は、球色選択比率に従った、乱数(カウンタ)等を用いた球色抽選によって行われる。発射球(画像)は、このような球色抽選によって選択された球色で盤面画像上に打ち込まれ、流下してゆく。
【0109】
発射球の球色は、この図に示すように、消滅位置、大当り仮抽選結果及びリーチ属性の組み合わせと、球色選択比率とによって選択されるので、発射球が始動入賞口48に入賞するか否か、するとしたら大当りとなるか否か等の予告として機能する。つまり遊技者は、盤面画像上に打ち込まれ、流下する発射球の球色を見て、それが始動入賞口48に入賞するか、大当りになるか等の期待を高め、あるいは減退させる。
【0110】
上記球色選択比率は画像表示制御装置7内に登録されるが、同比率は固定値(調整不能)にしてもよく、あるいは可変値(図示しない入力装置により調整可能)としてもよい。固定値とする場合にはROM7c内に、可変値とする場合にはRAM7b内に登録される。
なお、保留球が一定数、ここでは4個を超過する場合には、超過する始動入賞球に対する銀色球への球色選択比率を1/1、つまり銀色球の出現率を100%に設定すれば、保留されない始動入賞に対しては緑色や赤色の着色球(異形態遊技球)を表示させないようにすることができる。
【0111】
図12は、始動入賞球による図柄変動開始時における主制御装置6の処理、具体的には図柄変動パターンの選択処理の一例を示すフローチャートである。
ここで、始動入賞球による図柄変動開始時とは、保留球がない状態では消滅位置が始動入賞口48に決定された発射球の始動入賞口48への入賞時、すなわち始動入賞口48における発射球の消滅時点を指す。保留球として記憶されている始動入賞球については、その保留球の消化開始時点を指す。
主制御装置6は、遊技球の生存時間や図柄変動時間、始動入賞、保留球数等を常時管理しているので、上記のいずれの時点も認識可能であり、図柄変動開始時において、該当する始動入賞球に係る図柄変動開始信号S4及び図柄変動パターン指定信号S5を画像表示制御装置7へ送信可能である。
【0112】
まず、ステップ901では、主制御装置6は処理対象となる始動入賞球につき、大当り抽選手段6iによって大当り本抽選を行う。この大当り本抽選も大当り仮抽選と同様に現在の大当り確率で行う。これによれば、保留球とされた始動入賞球に係る仮抽選時から、その保留球の消化、つまりその保留球に係る始動入賞球による図柄変動開始時までの間に確率変動が生じた場合でも、その始動入賞球について正規の大当り確率で(実パチンコ機と同様に図柄変動開始時の大当り確率で)大当り抽選がなされることになる。上述したように、抽選方法は大当り本、仮抽選共に同じである。
【0113】
ステップ902では、本抽選結果が大当りであったか否かを判定する。ステップ902における判定結果がYes、つまり大当りであればステップ903において変動類型:大当り変動パターン中からいずれか1種類の変動パターンを抽選等により選択する。
ステップ902における判定結果がNo、つまり外れであればステップ904を実行する。すなわち、処理中の始動入賞球に係るリーチ属性(図10中のステップ707で決定されたリーチ属性)がONであるか否かが判定され、判定結果がYesであれば変動類型:リーチ外れ変動パターン中からいずれか1種類の変動パターンを抽選等により選択する(ステップ905)。ステップ903,905における各変動パターンの選択比率は後掲図13に示す。
ステップ904における判定結果がNoであれば、変動類型:外れ変動パターンに対応する変動パターンを選択する(ステップ906)。
外れ変動パターンの類型も複数種類用意し、その中から抽選等により選択するようにしてもよく、これによれば、本抽選結果が外れの場合でも図柄の変動パターンに変化をもたせることができる。
ステップ903,905,906における選択を抽選で行う場合には、例えば乱数(カウンタ)が用いられる。この場合は、各ステップ903,905,906の実行時に取得した乱数(カウンタ)値が、変動類型別、変動パターン別に各々対応付けられた当り値中のどれと合致するかを照合し、合致する当り値に対応する1種類の変動パターンが選択される。変動パターンの選択(決定)は、この1回だけ行われる。
【0114】
なお、大当り変動パターンとは、停止図柄が大当り図柄となり、必ずリーチ演出を行った後に図柄の停止が完了(残る1つの図柄が停止)する図柄変動パターンである。
リーチ外れ変動パターンとは、停止図柄は大当り図柄でない図柄(外れ図柄)となるが、必ずリーチ演出を行った後に図柄の停止が完了する図柄変動パターンである。
外れ変動パターンとは、停止図柄は外れ図柄となり、かつ、リーチ演出を行うことなく図柄の停止が完了する図柄変動パターンである。
【0115】
以上のステップ901〜906を実行することにより、大当り本抽選結果(大当り又は外れ)及びリーチ属性(ON又はOFF)の組み合わせによる特定の変動パターンの選択が終了する。
ステップ907では、選択された変動パターンを指定する図柄変動パターン指定信号S5を図柄変動開始信号S4と共に画像表示制御装置7に送信する。
両信号S4,S5を受信した画像表示制御装置7は、信号S5で指定された図柄変動パターンに応じて図柄の変動を開始させる。この図柄の変動は、指定された図柄変動パターン中に設定された変動時間の満了時に、指定された図柄変動パターン中に設定された図柄停止順序及び停止図柄の種類をもって停止する。
【0116】
以上述べた図柄変動パターンの選択処理では、処理対象とされている始動入賞球に係る図柄変動開始時に、変動パターンを指定する図柄変動パターン指定信号S5を画像表示制御装置7に1回だけ送信し、図柄変動、停止を行う。また、遊技球発射時にリーチ属性がONと決定された中で、大当り状態となる期待感が高められる着色球(異形態遊技球)とされた発射球については、リーチ演出が含まれたリーチ外れ変動パターン又は大当り変動パターンが必ず選択される(図11、図12参照)。
【0117】
図13は、上記図柄変動パターンの選択処理における変動パターンの種類と選択比率の一例を説明するための図である。
この図において、高確率、低確率なる語中の確率とは、図柄変動開始時、つまり大当り本抽選を行う時の大当り確率(正規の大当り確率)を指す。
図示例では、変動パターンの類型を、高確率状態の場合と低確率状態の場合とに分けて示しているが、設定内容は同じである。変動パターン選択比率については、高確率状態の場合と低確率状態の場合との間で違えてもよい。
【0118】
図示するように、変動パターンの類型は、大当り本抽選結果(大当り又は外れ)及びリーチ属性(ON又はOFF)の組み合わせにより決定されるが、高低、いずれの確率状態の場合であっても、変動類型がリーチ外れ変動パターン及び大当り変動パターンのいずれかに対応する変動パターン2〜5にはリーチ演出が含まれている。大当り変動パターンは停止図柄が大当り図柄となり、リーチ外れ変動パターンは停止図柄が外れ図柄となる。
【0119】
変動類型が大当り変動パターンである場合に変動パターン4又は5のいずれを選択するか、また、リーチ外れ変動パターンである場合に変動パターン2又は3のいずれを選択するか(図12中のステップ903,904における選択)については、図示するように、一定の変動パターン選択比率で抽選により振り分けられるように設定されている。
【0120】
上記変動パターン選択比率は主制御装置6内に登録されるが、同比率は固定値(調整不能)にしてもよく、あるいは可変値(図示しない入力装置により調整可能)としてもよい。固定値とする場合にはROM6c内に、可変値とする場合にはRAM6b内に登録される。
【0121】
以上説明したように本実施形態によれば、
始動入賞により行われる大当り抽選で大当りと決定されることによる開閉体50の開動作(大当り状態)によって、他の入賞口44〜48よりも多くの遊技球の入球が可能となる大入賞口49を有し、
始動入賞するか、あるいは大当り状態になるか等を遊技球の色により遊技者に予告可能で、
発射時に決定された遊技球の入球位置が始動入賞口48である場合に、それに応じた適宜の図柄変動パターンにより図柄変動を行い、
また、図柄変動中又は大当り状態である間に始動入賞球が生じた場合に、その始動入賞球の保留・消化が可能(始動入賞球を保留球として記憶しその後に消化可能)で、
かつ、大当り抽選で大当りを引く確率が変化し得る映像式遊技機において、
次のような効果を発揮できる。
【0122】
すなわち、遊技球発射時の大当り抽選における大当り確率が始動入賞球の保留中に変化した場合でも、その保留されていた始動入賞球(保留球)について正規の大当り確率、つまり図柄変動開始時で大当り抽選をすることができる。
しかも従来、大当り確率が変化し、大当りが外れに、あるいは外れが大当りに変化した場合には、主制御装置6において、保留球による図柄変動開始時に再び図柄変動パターンを決定(少なくとも停止図柄を変更)する必要があったが、本実施形態では、図柄変動パターンの決定は、始動入賞球あるいは保留球による図柄変動開始時に1回だけ行うに過ぎない。
したがって、上記のように大当り確率が変化し大当り抽選結果が逆転した場合でも、図柄変動にあたって、再度の図柄変動パターン決定をすることなく、つまり、1回の図柄変動パターンの種類指定、1回の信号S4,S5の送信のみで済み、主制御装置6における処理を増加させることはない。
【0123】
上述実施形態では、図柄の変動を開始させる制御信号として図柄変動開始信号S4を用いると共に、指定した変動時間の満了時に、指定した順序及び図柄の種類で、また、リーチ演出を経て、あるいは経ることなく、図柄停止させる制御信号として図柄変動パターン指定信号S5(図1〜図3、図5参照)を用いたが、これのみに限定されることはない。
例えば、このような制御信号として、両信号S4,S5が組み合わされた単一の制御信号を用いてもよく、あるいは図柄変動開始信号、図柄停止順序指定信号、停止図柄指定信号及び図柄変動停止信号というように3つ以上の信号を用いるようにしてもよい。
「図柄変動開始・変動パターン指定信号」とは、制御信号についての上述した各種形態の総称である。
【0124】
また、画像表示器5に表示される盤面画像は、図1に示す態様に限定されない。例えば盤面画像にゲートを加え、このゲートを遊技球が通過することにより抽選が行われ、この抽選に当たれば始動入賞口に組み込まれた可動体が開き、始動入賞口への入賞がしやすくなるというような盤面画像を表示するようにしてもよい。本発明は、図1に示す例以外のパチンコ機、その他の弾球遊技機にも適用可能である。
更に上述実施形態では、映像式パチンコ機の制御手段の主要部を、図1、図2に例示するように、主制御装置6と画像表示制御装置7とに分離して構成したが、これらを分離せず、1つの制御手段で構成してもよい。
【0125】
また図1においては、主制御装置6は、その制御対象として画像表示制御装置7のみを備えた場合について示したが、実際には、画像表示制御装置7の他、音声制御装置や、例えば前面飾り枠11に取り付けられた電飾(図示せず)等を制御するランプ制御装置も備える。つまり主制御装置6は、盤面画像の表示や、表示された盤面画像における遊技状態の制御のみならず、音声やランプによるリーチ演出等の制御も可能である。
【0126】
図1に示す主制御装置6が制御する遊技状態には、例えば大入賞口49の開閉体50が開動作して、より多くの賞球が獲得可能となる特別遊技状態、この特別遊技状態以外の通常遊技状態、例えば遊技球が発射され、一般入賞口44〜47やアウト口53に入球する基本的な遊技状態がある。また、通常遊技状態ではあっても、図柄表示部43による図柄の変動をしている遊技状態のように上記特別遊技状態を招来させ得る遊技状態等もある。
主制御装置6は、このような遊技状態を、画像表示制御装置7による盤面画像における演出表示制御によって現出させ、同時に上記音声やランプによる演出制御も加えて遊技者を楽しませている。遊技状態の制御には、その状態の開始、継続、終了の各制御を含む。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明が適用された映像式パチンコ機の一実施形態の要部構成図である。
【図2】図1中の主要部を取り出して示すブロック図である。
【図3】図2中の主制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図3中の入賞率テーブルの一例を示す図である。
【図5】図2中の画像表示制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】図1に示すパチンコ機の球属性決定手段で球属性として決定される遊技球の発射強度と生存時間との関係を示す図である。
【図7】球ルートを決定するための遊技球の発射強度の範囲、球属性、発射信号及び球属性別の球ルートテーブルの関係を例示する図である。
【図8】図3中の主制御装置における遊技球の発射処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】図5中の画像表示制御装置による表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】消滅位置が始動入賞口に決定された場合の主制御装置における処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】発射信号、仮抽選結果信号及びリーチ属性信号を受信した画像表示制御装置が行う発射球毎の球色選択の一例を説明するための図である。
【図12】主制御装置における図柄変動パターンの選択処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】図柄変動パターンの選択処理における変動パターンの種類と選択比率の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0128】
1:機枠(遊技機枠)、5:画像表示器、6:主制御装置(主制御手段)、6e:球属性決定手段、6g:信号送信手段、6h:確率変動手段、6i:大当り抽選手段、6j:始動入賞球保留・消化手段、6k:リーチ属性決定手段、6l:リーチ演出付与手段、7:画像表示制御装置(画像表示制御手段)、7c3:球ルートテーブル、7h:遊技球移動表示手段、7j:図柄表示制御手段、33:発射操作部、43:図柄表示部、44〜47:入賞口、48:始動入賞口、49:大入賞口(可変入賞口)、50:開閉体、53:アウト口、S1:遊技球発射信号、S4:図柄変動開始信号、S5:図柄変動パターン指定信号、S6:仮抽選結果信号、S7:リーチ属性信号。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動入賞口、及び大当り抽選で大当りと決定されることによる開閉体の開動作によって他の入賞口よりも多くの遊技球の入球が可能となる可変入賞口を含む、遊技球の入球により賞球が払い出される複数の入賞口、遊技球の入球による賞球の払い出しのないアウト口、並びに前記始動入賞口への遊技球の入球に基づく図柄の変動を開始してから所定時間後にその変動を停止し、停止図柄により前記開閉体を開動作させ得る、図柄の変動表示を行う図柄表示部を含む盤面構成部材が配置された遊技盤面と、発射操作部の操作により発射され、前記入賞口又はアウト口を消滅位置として前記遊技盤面上を移動する遊技球とを、遊技機枠に搭載された画像表示器に表示して遊技を行う映像式遊技機であって、
前記画像表示器に表示された遊技盤面画像における遊技状態を制御する主制御手段と、この主制御手段の制御に基づき前記遊技盤面画像における表示制御を行う画像表示制御手段とを備え、
前記主制御手段は、
発射される遊技球の前記遊技盤面画像上の消滅位置、及び前記遊技盤面画像上に表示されてから消滅するまでの生存時間を球属性として決定する球属性決定手段と、
設定された条件を充足することにより、前記大当り抽選で大当りと決定される大当り確率を高低相互間で変化させる確率変動手段と、
前記消滅位置が前記始動入賞口に決定された遊技球である始動入賞球について、その発射時点における大当り確率で大当り仮抽選を行って仮抽選結果信号を生成し、かつ、その始動入賞球に係る前記図柄の変動開始時には、その変動開始時点における大当り確率で大当り本抽選を行い、その本抽選結果に応じた図柄の変動パターンの種類を指定すると共に図柄の変動を開始させる、図柄変動開始・変動パターン指定信号を選択する大当り抽選手段と、
前記大当り仮抽選の結果が外れであった場合に、その始動入賞球について予め定められた比率で分けられるリーチ属性を決定するリーチ属性決定手段と、
前記始動入賞球に係る前記図柄の変動中又は前記開閉体の開動作中に新たな始動入賞球が生じた場合に、一定数までその新たな始動入賞球を保留球として積算記憶し、先行する始動入賞球又は保留球に係る前記図柄の変動又は前記開閉体の開動作の終了後に、後続する保留球を始動入賞球として前記大当り抽選手段にて前記本抽選及び図柄変動開始・変動パターン指定信号の選択を行わせると共に、前記保留球の記憶数をデクリメントする始動入賞球保留・消化手段と、
発射される遊技球毎に前記球属性を含む発射信号を送信し、その発射信号に基づく始動入賞球が生じた場合にはその始動入賞球に係る前記仮抽選結果信号及びリーチ属性を前記発射信号と共に送信し、かつ、前記始動入賞球に係る前記図柄の変動に際しては前記大当り抽選手段により選択された前記図柄変動開始・変動パターン指定信号を送信する信号送信手段とを備え、
前記画像表示制御手段は、
前記発射信号の受信により、その発射信号中の球属性に基づき、遊技球が前記遊技盤面画像上に表示されてから前記入賞口又はアウト口で消滅するまでの道筋を表す球ルートを取得し、かつ、前記発射信号、仮抽選結果信号及びリーチ属性の受信により、前記球属性中の消滅位置、仮抽選結果及びリーチ属性に応じた形態を選択し、取得された前記球ルートに沿い、かつ、選択された前記形態で、各遊技球を前記遊技盤面画像上に移動表示させる遊技球移動表示手段と、
前記図柄変動開始・変動パターン指定信号の受信により、前記図柄表示部にその図柄変動開始・変動パターン指定信号で指定された図柄の変動パターンで図柄の変動を開始させ、所定時間後に、その図柄変動開始・変動パターン指定信号で指定された停止図柄で停止させる図柄表示制御手段とを備えることを特徴とする映像式遊技機。
【請求項1】
始動入賞口、及び大当り抽選で大当りと決定されることによる開閉体の開動作によって他の入賞口よりも多くの遊技球の入球が可能となる可変入賞口を含む、遊技球の入球により賞球が払い出される複数の入賞口、遊技球の入球による賞球の払い出しのないアウト口、並びに前記始動入賞口への遊技球の入球に基づく図柄の変動を開始してから所定時間後にその変動を停止し、停止図柄により前記開閉体を開動作させ得る、図柄の変動表示を行う図柄表示部を含む盤面構成部材が配置された遊技盤面と、発射操作部の操作により発射され、前記入賞口又はアウト口を消滅位置として前記遊技盤面上を移動する遊技球とを、遊技機枠に搭載された画像表示器に表示して遊技を行う映像式遊技機であって、
前記画像表示器に表示された遊技盤面画像における遊技状態を制御する主制御手段と、この主制御手段の制御に基づき前記遊技盤面画像における表示制御を行う画像表示制御手段とを備え、
前記主制御手段は、
発射される遊技球の前記遊技盤面画像上の消滅位置、及び前記遊技盤面画像上に表示されてから消滅するまでの生存時間を球属性として決定する球属性決定手段と、
設定された条件を充足することにより、前記大当り抽選で大当りと決定される大当り確率を高低相互間で変化させる確率変動手段と、
前記消滅位置が前記始動入賞口に決定された遊技球である始動入賞球について、その発射時点における大当り確率で大当り仮抽選を行って仮抽選結果信号を生成し、かつ、その始動入賞球に係る前記図柄の変動開始時には、その変動開始時点における大当り確率で大当り本抽選を行い、その本抽選結果に応じた図柄の変動パターンの種類を指定すると共に図柄の変動を開始させる、図柄変動開始・変動パターン指定信号を選択する大当り抽選手段と、
前記大当り仮抽選の結果が外れであった場合に、その始動入賞球について予め定められた比率で分けられるリーチ属性を決定するリーチ属性決定手段と、
前記始動入賞球に係る前記図柄の変動中又は前記開閉体の開動作中に新たな始動入賞球が生じた場合に、一定数までその新たな始動入賞球を保留球として積算記憶し、先行する始動入賞球又は保留球に係る前記図柄の変動又は前記開閉体の開動作の終了後に、後続する保留球を始動入賞球として前記大当り抽選手段にて前記本抽選及び図柄変動開始・変動パターン指定信号の選択を行わせると共に、前記保留球の記憶数をデクリメントする始動入賞球保留・消化手段と、
発射される遊技球毎に前記球属性を含む発射信号を送信し、その発射信号に基づく始動入賞球が生じた場合にはその始動入賞球に係る前記仮抽選結果信号及びリーチ属性を前記発射信号と共に送信し、かつ、前記始動入賞球に係る前記図柄の変動に際しては前記大当り抽選手段により選択された前記図柄変動開始・変動パターン指定信号を送信する信号送信手段とを備え、
前記画像表示制御手段は、
前記発射信号の受信により、その発射信号中の球属性に基づき、遊技球が前記遊技盤面画像上に表示されてから前記入賞口又はアウト口で消滅するまでの道筋を表す球ルートを取得し、かつ、前記発射信号、仮抽選結果信号及びリーチ属性の受信により、前記球属性中の消滅位置、仮抽選結果及びリーチ属性に応じた形態を選択し、取得された前記球ルートに沿い、かつ、選択された前記形態で、各遊技球を前記遊技盤面画像上に移動表示させる遊技球移動表示手段と、
前記図柄変動開始・変動パターン指定信号の受信により、前記図柄表示部にその図柄変動開始・変動パターン指定信号で指定された図柄の変動パターンで図柄の変動を開始させ、所定時間後に、その図柄変動開始・変動パターン指定信号で指定された停止図柄で停止させる図柄表示制御手段とを備えることを特徴とする映像式遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
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【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−135688(P2007−135688A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−330189(P2005−330189)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】
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