説明

映像機器、制御方法およびプログラム

【課題】被写体の動きに応じた撮影または再生を行うことができる映像機器、制御方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】第1のフレームレートで生成された動画データに対応する動画内の被写体の動きベクトルを検出する動き検出部151と、動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量に応じて、動画データのフレームレートを変更するフレームレート制御部153と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体を撮像して光電変換を行うことにより画像データを生成する映像機器、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の映像機器では、多様な撮影シーンにそれぞれ適した撮影または多様な鑑賞シーンにそれぞれ適した再生を行うことができる。たとえば、ゴルフスイングを所定の時間間隔毎に連続的に撮影し、撮影した時間間隔毎に画像の大きさと表示モニタで表示する位置を並べ替えて表示する技術が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、動画データ内で連続する二つのフレームの間の変化の割合を検出し、検出した割合に応じて動画データを再生する速度を調整する技術が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−13734号公報
【特許文献2】特開平11−355729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した技術では、被写体の動きに応じて撮影速度または再生速度を変更することについて考慮されていなかった。このため、被写体の動きに応じて撮影速度または再生速度を変更することができる技術が求められていた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、被写体の動きに応じた撮影または再生を行うことができる映像機器、制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる映像機器は、第1のフレームレートで生成された動画データに対応する動画内の被写体の動きベクトルを検出する動き検出部と、前記動き検出部が検出した前記被写体の動きベクトルの変化量に応じて、前記動画データのフレームレートを変更するフレームレート制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる映像機器は、上記発明において、前記被写体を撮像して電子的な画像データを前記第1のフレームレートで連続して生成することにより前記動画データを生成する撮像部と、前記撮像部が生成した前記動画データを記憶する記憶部と、をさらに備え、前記フレームレート制御部は、前記撮像部が生成する前記画像データのフレームレートを変更することを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる映像機器は、上記発明において、前記フレームレート制御部は、前記動き検出部によって検出された前記被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値以上の場合、前記撮像部が生成する前記画像データのフレームレートを前記第1のフレームレートより高速の第2のフレームレートにすることを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる映像機器は、上記発明において、前記フレームレート制御部は、前記動き検出部によって検出された前記被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値以上の場合、前記記憶部が記憶する前記画像データのフレームレートの数を間引いて記憶させることを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる映像機器は、上記発明において、前記撮像部が生成する前記画像データから静止画像データを生成する静止画像生成部をさらに備え、前記フレームレート制御部は、前記動き検出部によって検出された前記被写体の動きベクトルの変化量が前記第1の閾値より大きい第2の閾値以上の場合、前記静止画像生成部に前記静止画像データを生成させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる映像機器は、上記発明において、前記静止画像生成部は、前記動き検出部によって前記記憶部が記憶する前記動画データに対応する動画内の被写体の動きベクトルの変化量が前記第2の閾値以上である前記画像データが含まれる場合、前記記憶部に記憶された前記動画データから前記第2の閾値以上の前記画像データを少なくとも1以上取得して前記静止画像データを生成することを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる映像機器は、上記発明において、前記動画データを記憶する記憶部と、前記記憶部が記憶する前記動画データに対応する動画を表示する表示部と、をさらに備え、前記フレームレート制御部は、前記表示部が表示する前記動画のフレームレートを変更することを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる映像機器は、上記発明において、前記フレームレート制御部は、前記動き検出部によって検出された前記被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値以上の場合、前記表示部が表示する前記動画のフレームレートを前記第1のフレームレートより低速の第3のフレームレートにすることを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる制御方法は、映像機器が実行する制御方法であって、映像機器が実行する制御方法であって、第1のフレームレートで生成された動画データに対応する動画内の被写体の動きベクトルを検出する動き検出ステップと、前記動き検出ステップが検出した前記被写体の動きベクトルの変化量に応じて、前記動画データのフレームレートを変更するフレームレート制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかるプログラムは、映像機器に実行させるプログラムであって、映像機器に実行させるプログラムであって、第1のフレームレートで生成された動画データに対応する動画内の被写体の動きベクトルを検出する動き検出ステップと、前記動き検出ステップが検出した前記被写体の動きベクトルの変化量に応じて、前記動画データのフレームレートを変更するフレームレート制御ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、動き検出部が所定のフレームレートで生成された動画データに対応する動画内の被写体の動きベクトルを検出し、フレームレート制御部が動き検出部によって検出された被写体の動きベクトルの変化量に応じて、動画データのフレームレートを変更する。この結果、被写体の動きに応じた撮影または再生を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる映像機器の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1にかかる映像機器が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【図3】図3は、図2の撮影処理の概要を示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1にかかる映像機器が撮影する被写体の状況を模式的に示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1にかかる映像機器による撮影処理のタイミングチャートを示す図である。
【図6】図6は、図2の再生表示処理の概要を示すフローチャートである。
【図7】図7は、本発明の実施の形態2にかかる映像機器が行う撮影処理の概要を示すフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の実施の形態2にかかる映像機器による撮影処理のタイミングチャートを示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態3にかかる映像機器が行う撮影処理の概要を示すフローチャートである。
【図10】図10は、本発明の実施の形態4にかかる映像機器の構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態4にかかる映像機器が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【図12】図12は、本発明の実施の形態4にかかる映像機器が再生する動画に含まれる被写体のベクトルの変化量を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)について説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる映像機器の構成を示すブロック図である。図1に示す映像機器1は、レンズ部2と、絞り部3と、シャッタ部4と、撮像部5と、静止画像生成部6と、動画生成部7と、バッファ8と、記憶部9と、再生画像生成部10と、表示部11と、電源部12と、操作部13と、バス14と、制御部15と、を備える。
【0021】
レンズ部2は、一または複数のレンズおよびモータ等を用いて構成され、所定の視野領域から集光し撮像部5に結像させる。レンズ部2は、画角を変化させる光学ズーム機能および焦点を調整するフォーカス機能を有する。レンズ部2は、バス14を介して制御部15から入力される指示信号に応じて、レンズを光軸O1上に沿って移動させることにより、レンズ部2のピント位置や画角等の変更を行う。
【0022】
絞り部3は、絞り羽やモータ等を用いて構成され、レンズ部2が集光した光の入射量を制限することにより露出の調整を行う。絞り部3は、バス14を介して制御部15から入力される指示信号に応じて駆動する。
【0023】
シャッタ部4は、撮像部5の状態を露光状態または遮光状態に設定する。シャッタ部4は、フォーカルプレーンシャッタやステッピングモータ等を用いて構成され、制御部15から入力される指示信号に応じて駆動する。
【0024】
撮像部5は、レンズ部2が集光した光を受光して電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子と、撮像素子から出力されるアナログ信号に対してアナログ処理、たとえばノイズ低減処理およびゲインアップ処理等を行う信号処理部と、信号処理部から出力されるアナログ信号に対してA/D変換を行うことによってデジタルの画像データを生成するA/D変換部と、を有する。撮像部5は、バス14を介して制御部15から入力される指示信号に応じて、所定のフレームレートで連続的に画像データを生成し、生成順に画像データを静止画像生成部6または動画生成部7に出力する。
【0025】
静止画像生成部6は、画像処理エンジンを用いて構成され、撮像部5から出力される画像データに対して各種の画像処理を施すことにより静止画像データを生成する。具体的には、静止画像生成部6は撮像部5から出力される画像データに対して、オプティカルブラック減算処理、ホワイトバランス調整処理、同時化処理、カラーマトリクス演算処理、γ補正処理、色再現処理およびエッジ強調処理等を含む画像処理を施して静止画像データを生成する。静止画像生成部6は、バス14を介して制御部15から入力される指示信号に応じて、静止画像データをバッファ8または動画生成部7に出力する。静止画像生成部6は、静止画像データを所定の方式、たとえばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式で圧縮してバッファ8に出力する。
【0026】
動画生成部7は、画像処理エンジンを用いて構成され、撮像部5から出力される画像データに対して各種の画像処理を施すことにより動画データを生成する。具体的には、動画生成部7は、撮像部5から連続的に出力される画像データに対して、所定の画像処理を順次施すことにより動画データを生成する。動画生成部7が行う画像処理としては、静止画像生成部6と同様の画像処理を行う。動画生成部7は、静止画像生成部6から入力される静止画像データに対してリサイズ処理を施すことにより、動画データを構成する画像データを生成する。具体的には、動画生成部7は、静止画像データに対して、画像サイズを1920×1080にリサイズ処理を施すことにより動画データを構成する画像データを生成する。動画生成部7は、動画データに対して、MotionJPEG方式またはMP4(H.264)方式等に従って圧縮してバッファ8に出力する。
【0027】
バッファ8は、揮発性メモリを用いて構成され、制御部15の処理中の情報を一時的に記憶する。バッファ8は、静止画像生成部6が生成した静止画像データ、または動画生成部7が連続的に生成する動画データとしての画像データ群を一時的に記憶することにより、記憶部9へのデータ転送を滞りなく実行させる。
【0028】
記憶部9は、映像機器1の内部に固定的に設けられるフラッシュメモリやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリを用いて実現される。記憶部9は、映像機器1を動作させるための各種プログラムおよびプログラムの実行中に使用される各種データやパラメータ等を記憶する。記憶部9は、静止画像データおよび動画データを記憶する。記憶部9は、外部から装着されるメモリカード等のコンピュータで読取可能な記憶媒体を含むものであってもよい。
【0029】
再生画像生成部10は、記憶部9が記憶する圧縮された静止画像データまたは動画データを展開して再生画像データを生成して表示部11に出力する。
【0030】
表示部11は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等からなる表示パネルを用いて実現される。表示部11は、静止画データに対応する静止画像または動画データに対応する動画を表示する。表示部11は、映像機器1の撮影動画に関する情報や撮影に関する撮影情報を表示する。
【0031】
電源部12は、映像機器1を構成する各構成部に接続され、各構成部に電源供給を行う。電源部12は、映像機器1に装着されたバッテリ(図示せず)の電圧出力を、所定の直流電圧の平滑化および昇圧等を行い、各構成部に電源を供給する。
【0032】
操作部13は、映像機器1の電源状態をオン状態またはオフ状態に切換える電源スイッチ(図示せず)と、静止画撮影の指示を与える静止画レリーズ信号の入力を受け付ける静止画スイッチ131と、動画撮影の指示を与える動画レリーズ信号の入力を受け付ける動画スイッチ132と、記憶部9が記憶する静止画像データまたは動画データの再生表示の指示を与える再生スイッチ133と、表示部11が表示している静止画像を次の静止画像に切換える指示を与えるコマ送りスイッチ134と、表示部11が表示している静止画像を前の静止画像に切換える指示を与えるコマ戻しスイッチ135と、を有する。なお、操作部13の一部として表示部11にタッチパネルを設けることによって、撮影者が表示部11の画面上で操作信号の入力を行うことができるようにしてもよい。
【0033】
バス14は、映像機器1の各構成部位を接続する伝送路等を用いて構成される。バス14は、映像機器1の内部で発生した各種データを映像機器1の各構成部に転送する。
【0034】
制御部15は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成される。制御部15は、バス14を介して映像機器1を構成する各部に対応する指示やデータの転送等を行って映像機器1の動作を統括的に制御する。
【0035】
制御部15の詳細な構成について説明する。制御部15は、動き検出部151と、変化量判定部152と、フレームレート制御部153と、を有する。
【0036】
動き検出部151は、所定のフレームレートで生成された動画データに対応する動画内の被写体の動きベクトルを検出する。具体的には、動き検出部151は、時系列的に前後する画像それぞれに含まれる被写体の特徴点を検出し、検出した被写体の特徴点の差分(たとえば画素差)に基づいて、被写体の動きベクトルを検出する。被写体の特徴点としては、輝度情報および色情報等である。また、動き検出部151は、操作部13を介して入力される指示信号等に応じて選択された被写体の動きベクトルを検出するようにしてもよい。さらに、動き検出部151は、パターンマッチングや他の周知技術によって被写体の動きベクトルを検出してもよい。
【0037】
変化量判定部152は、動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値以上であるか否かを判定する。変化量判定部152は、動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第2の閾値以上であるか否かを判定する。なお、第1の閾値は、第2の閾値より小さな値が設定される。さらに、第1の閾値および第2の閾値は、適宜設定することができる。
【0038】
フレームレート制御部153は、動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量に応じて、動画データのフレームレートを変更する。具体的には、フレームレート制御部153は、動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値以上の場合、撮像部5が連続的に生成する画像データのフレームレートを、たとえば第1のフレームレート(30fps)から第1のフレームレートより高速の第2のフレームレート(60fps)に変更する。フレームレート制御部153は、映像機器1が動画撮影を行っている場合において、動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第2の閾値以上のとき、撮像部5に画像データを静止画像生成部6に出力させることにより、静止画像生成部6に静止画像データを生成させる。
【0039】
以上の構成を有する映像機器1に対して、音声入出力機能、フラッシュ機能、着脱自在な電子ビューファインダ(EVF)、およびインターネットを介してパーソナルコンピュータ等の外部処理装置(図示せず)と双方向に通信可能な通信機能等を具備させてもよい。
【0040】
つぎに、映像機器1が行う動作について説明する。図2は、本実施の形態1にかかる映像機器1が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【0041】
図2に示すように、映像機器1の電源がオン状態であり(ステップS101:Yes)、映像機器1が撮影モードに設定されている場合(ステップS102:Yes)について説明する。この場合、映像機器1は、撮像部5が微小な時間間隔で連続的に生成する画像データに対し、静止画像生成部6または動画生成部7が画像処理を施して記憶部9に記憶する撮影処理を実行する(ステップS103)。なお、撮影処理の内容は、後述する。ステップS103の後、映像機器1は、ステップS101へ戻る。
【0042】
ステップS102において、映像機器1が撮影モードに設定されていない場合(ステップS102:No)について説明する。この場合、映像機器1は、記憶部9が記憶する静止画像データまたは動画データを表示部11に表示させる再生処理を実行する(ステップS104)。なお、再生処理の内容は、後述する。ステップS104の後、映像機器1は、ステップS101へ戻る。
【0043】
ステップS101において、映像機器1の電源がオン状態でない場合(ステップS101:No)について説明する。この場合、映像機器1は、本処理を終了する。
【0044】
つぎに、図2のステップS103で説明した撮影処理について説明する。図3は、撮影処理の概要を示すフローチャートである。図4は、映像機器1が撮影する被写体の状況を模式的に示す図である。図5は、映像機器1による撮影処理のタイミングチャートを示す図である。図4においては、被写体がスキーで左方向から右方向に滑降しながら左方向にターンする際を動画撮影によって撮影する状況を示す。図5(a)は、撮像部5が動画データを生成する動画撮影のタイミングを示す。図5(b)は、静止画像撮影の撮影タイミングを示す。図5(c)は、動画データとして撮像部5が生成した画像データを記憶する動画記憶のタイミングを示す。
【0045】
図3に示すように、制御部15は、映像機器1が動画撮影を開始したか否かを判断する(ステップS201)。具体的には、制御部15は、動画スイッチ132が操作されることにより、動画スイッチ132から動画撮影開始の指示信号が入力されたか否かを判断する。映像機器1が動画撮影を開始したと制御部15が判断した場合(ステップS201:Yes)、映像機器1は、後述するステップS202へ移行する。一方、映像機器1が動画撮影を開始していないと制御部15が判断した場合(ステップS201:No)、映像機器1は、後述するステップS213へ移行する。
【0046】
ステップS202において、撮像部5は、制御部15の制御のもと、画像データを生成する。
【0047】
続いて、動き検出部151は、バス14を介して撮像部5が生成した画像データに対応する画像内の被写体の動きベクトルを検出する(ステップS203)。
【0048】
その後、変化量判定部152は、動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS204)。動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値以上であると変化量判定部152が判定した場合(ステップS204:Yes)、映像機器1は、ステップS205へ移行する。一方、動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値以上でないと変化量判定部152が判定した場合(ステップS204:No)、映像機器1は、ステップS206へ移行する。
【0049】
ステップS205において、フレームレート制御部153は、撮像部5による動画撮影の撮影速度を上げる(ステップS205)。具体的には、図4および図5に示すように、フレームレート制御部153は、図4および図5の時間tn内で動き検出部151によって検出された被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値以上であると変化量判定部152が判定した場合、撮像部5が生成する動画データのフレームレートを、たとえば30fpsから60fpsに変更することにより動画撮影の撮影速度を上げる。これにより、被写体が単調なシーン(図4の時間tlまたは時間tm)に比して被写体の変化が激しいシーン(図4の時間tn)の画像データを多く撮像することができる。この結果、動画データの再生した際に被写体の変化が激しいシーンをスローモーションで再生することができる。
【0050】
ステップS206において、変化量判定部152は、動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値未満であるか否かを判定する。動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値未満であると変化量判定部152が判定した場合(ステップS206:Yes)、フレームレート制御部153は、撮像部5による動画撮影の撮影速度を撮影開始時の状態に戻す(ステップS207)。具体的には、図4および図5に示すように、フレームレート制御部153は、図4および図5の時間tnで上げた撮像部5のフレームレートを撮影開始時のフレームレート(第1のフレームレート:30fps)に戻すことにより動画撮影の撮影速度を撮影開始時の撮影速度に戻す。その後、映像機器1は、ステップS208へ移行する。一方、動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値未満でないと変化量判定部152が判定した場合(ステップS206:No)、映像機器1は、ステップS208へ移行する。
【0051】
続いて、変化量判定部152は、動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第2の閾値以上であるか否かを判定する。動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第2の閾値以上であると変化量判定部152が判定した場合(ステップS208:Yes)、フレームレート制御部153は、静止画像生成部6に撮像部5から画像データを取得させて静止画像データを生成させて記憶部9に記憶させる(ステップS209)。これにより、被写体の動きが最も激しいシーンで撮影することができるので、迫力ある静止画像データを記憶部9に記憶することができる。その後、映像機器1は、ステップS210へ移行する。
【0052】
ステップS208において、動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第2の閾値以上でないと変化量判定部152が判定した場合(ステップS208:No)、映像機器1は、ステップS210へ移行する。
【0053】
ステップS210において、フレームレート制御部153は、動画生成部7に撮像部5から画像データを取得させて動画データとしての画像データを生成させて記憶部9に記憶させる。その後、映像機器1は、ステップS211へ移行する。
【0054】
続いて、制御部15は、動画撮影の終了操作が行われたか否かを判断する(ステップS211)。具体的には、制御部15は、動画スイッチ132が操作されたか否かを判断する。動画撮影の終了操作が行われたと制御部15が判断した場合(ステップS211:Yes)、映像機器1は、ステップS212へ移行する。一方、動画撮影の終了操作が行われていないと制御部15が判断した場合(ステップS211:No)、映像機器1は、ステップS202へ戻る。
【0055】
ステップS212において、映像機器1は、動画撮影を停止し(ステップS212)、図2のメインルーチンへ戻る。
【0056】
ステップS201において、映像機器1が動画撮影を開始していないと制御部15が判断した場合(ステップS201)について説明する。この場合、制御部15は、映像機器1の撮影モードが終了したか否かを判断する(ステップS213)。具体的には、制御部15は、再生スイッチ133が操作されたか否かを判断する。映像機器1の撮影モードが終了したと制御部15が判断した場合(ステップS213:Yes)、映像機器1は、図2のメインルーチンへ戻る。一方、映像機器1の撮影モードが終了していないと制御部15が判断した場合(ステップS213:No)、映像機器1は、ステップS201へ戻る。
【0057】
つぎに、図2のステップS104で説明した再生表示処理について説明する。図6は、再生表示処理の概要を示すフローチャートである。
【0058】
図6に示すように、制御部15は、記憶部9が記憶する各画像ファイルの画像データに対応する画像を縮小した縮小画像(サムネイル画像)の一覧を表示部11に表示させる(ステップS301)。
【0059】
続いて、操作部13を介して拡大して表示する画像ファイルの縮小画像が選択された場合(ステップS302:Yes)、制御部15は、選択された画像ファイルに格納されたデータが動画データであるか否かを判断する(ステップS303)。選択された画像ファイルに格納されたデータが動画データであると制御部15が判断した場合(ステップS303:Yes)、映像機器1は、後述するステップS304へ移行する。一方、選択された画像ファイルに格納されたデータが動画データでないと制御部15が判断した場合(ステップS303:No)、映像機器1は、後述するステップS310へ移行する。
【0060】
ステップS304において、制御部15は、選択された画像ファイルに格納された動画データを再生画像生成部10に展開させ、展開させた動画データに対応する動画を表示部11に表示させて再生させる。
【0061】
続いて、制御部15は、動画データに静止画像データがあるか否かを判断する(ステップS305)。動画データに静止画像データがあると制御部15が判断した場合(ステップS305:Yes)、映像機器1は、後述するステップS306へ移行する。一方、動画データに静止画像データがないと制御部15が判断した場合(ステップS305:No)、映像機器1は、後述するステップS308へ移行する。
【0062】
ステップS306において、制御部15は、静止画像データを表示部11に表示させる再生タイミングであるか否かを判断する。静止画像データを表示部11に表示させる再生タイミングであると制御部15が判断した場合(ステップS306:Yes)、制御部15は、所定時間(たとえば3秒間)だけ静止画像データに対応する静止画像を表示部11に表示させる(ステップS307)。その後、映像機器1は、ステップS308へ移行する。一方、静止画像データを表示部11に表示させる再生タイミングでないと制御部15が判断した場合(ステップS306:No)、映像機器1は、ステップS308へ移行する。
【0063】
続いて、制御部15は、動画が終了したか否かを判断する(ステップS308)。動画が終了したと制御部15が判断した場合(ステップS308:Yes)、映像機器1は、ステップS309へ移行する。一方、動画が終了していないと制御部15が判断した場合(ステップS308:No)、映像機器1はステップS304へ戻る。
【0064】
続いて、制御部15は、映像機器1の再生モードが終了したか否かを判断する(ステップS309)。具体的には、制御部15は、表示部11が静止画像または動画を表示している際に、再生スイッチ133が操作されることにより、再生モードが解除されたか否かを判断する。映像機器1の再生モードが終了したと制御部15が判断した場合(ステップS309:Yes)、映像機器1は、図2のメインルーチンへ戻る。一方、映像機器1の再生モードが終了していないと制御部15が判断した場合(ステップS309:No)、映像機器1は、ステップS301へ戻る。
【0065】
ステップS310において、制御部15は、選択された画像ファイルに格納された静止画像データを再生画像生成部10に展開させ、展開させた静止画像データに対応する静止画像を表示部11に表示させる。
【0066】
続いて、制御部15は、コマ送りスイッチ134が操作されることにより、表示部11が表示している静止画像または動画を切換えるコマ送りの指示信号が入力されたか否かを判断する(ステップS311)。コマ送りの指示信号が入力された場合(ステップS311:Yes)、制御部15は、次の画像ファイルに切換える(ステップS312)。その後、映像機器1は、ステップS303へ戻る。一方、所定時間(たとえば3秒)内にコマ送りの指示信号が入力されていない場合(ステップS311:No)、映像機器1は、ステップS309へ移行する。
【0067】
ステップS302において、操作部13を介して拡大して表示する画像ファイルの縮小画像が選択されていない場合(ステップS302:No)、映像機器1は、ステップS301へ戻る。
【0068】
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、動き検出部151が撮像部5によって連続的に生成される画像データに対応する画像内の被写体の動きベクトルを検出し、フレームレート制御部153が動き検出部151によって検出された被写体の動きベクトルの変化量に応じて、撮像部5が生成する画像データのフレームレートを変更する。この結果、被写体の動きに応じた撮影を行うことができる。
【0069】
さらに、本発明の実施の形態1によれば、映像機器1が動画撮影した動画データを再生した場合、ユーザは、被写体の素早い動きを、ゆっくり見ることができる。さらに、従来の技術では、被写体の動きをスローモーションで再生すると、飛び飛びの映像(断続的な映像)になってしまうのに対し、本発明の実施の形態1によれば、被写体の素早い動きをスローモーションで再生しても滑らかに再生することができる。
【0070】
なお、本発明の実施の形態1では、映像機器1が動画撮影を行う場合について説明したが、たとえば、静止画撮影時において、表示部11が撮像部5によって連続的に生成された画像データに対応するライブビュー画像を表示する際にも適用することができる。
【0071】
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。本発明の実施の形態2は、上述した実施の形態1にかかる映像機器が行う動作の撮影処理のみ異なり、映像機器の構成は上述した実施の形態にかかる映像機器と同様の構成を有する。このため、以下においては、本発明の実施の形態2にかかる映像機器による撮影処理のみ説明する。なお、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0072】
図7は、本実施の形態2にかかる映像機器1が行う撮影処理(図2のステップS103)の概要を示すフローチャートである。図8は、映像機器1による撮影処理のタイミングチャートを示す図である。図8(a)は、撮像部5が動画データを生成する動画撮影のタイミングを示す。図8(b)は、静止画像撮影の撮影タイミングを示す。図8(c)は、動画データとして撮像部5が生成した画像データを記憶する動画記憶のタイミングを示す。なお、図8においては、撮像部5が生成する画像データのフレームレートを60fpsで説明する。
【0073】
図7に示すように、ステップS401〜ステップS404は、図3のステップS201〜ステップS204にそれぞれ対応する。
【0074】
ステップS405において、フレームレート制御部153は、撮像部5が生成した画像データに対し、動画生成部7が画像処理を行って記憶部9に記憶させる画像データの数の間引きを開始する。具体的には、図8に示すように、フレームレート制御部153は、図8の時間tlおよび時間tm内で動き検出部151によって検出された被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値未満であると変化量判定部152が判定した場合、記憶部9が記憶する画像データのフレーム数を60fpsから30fpsに変更することにより、撮像部5によって生成される複数の画像データの数を間引く処理を行う。その後、映像機器1は、ステップS406へ移行する。ステップS406は、図3のステップS206に対応する。
【0075】
ステップS407において、フレームレート制御部153は、撮像部5が生成した画像データに対し、動画生成部7が画像処理を行って記憶部9に記憶させる画像データの間引きを停止する。具体的には、図8に示すように、フレームレート制御部153は、図8の時間tn内で撮像部5が生成した画像データに対し、動画生成部7が画像処理を行って記憶部9に記憶する画像データの数を撮像部5が生成する画像データのフレームレートを同期させる。たとえば、フレームレート制御部153は、フレームレートを30fpsから60fpsに変更することにより、記憶部9に記憶させる画像データの数の間引きを停止する。
【0076】
ステップS408〜ステップS413は、図3のステップS208〜ステップS213それぞれに対応する。
【0077】
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、動き検出部151が撮像部5によって連続的に生成される画像データに対応する画像内の被写体の動きベクトルを検出し、フレームレート制御部153が動き検出部151によって検出された被写体の動きベクトルの変化量に応じて、記憶部9が記憶する画像データの数を変更する。この結果、被写体の動きに応じた撮影を行うことができる。
【0078】
さらに、本発明の実施の形態2によれば、記憶部9が記憶する画像データの数を、被写体の変化の激しいシーンのみ撮像部5が生成する画像データのフレームレートに同期させるので、記憶部9の記憶容量を低減することができるとともに、動画生成部7の処理負担を低減することができる。
【0079】
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3について説明する。本発明の実施の形態3は、上述した実施の形態にかかる映像機器が行う撮影処理のみ異なり、映像機器の構成は上述した実施の形態にかかる映像機器と同様の構成を有する。このため、以下においては、本発明の実施の形態3にかかる映像機器による撮影処理のみ説明する。
【0080】
図9は、本実施の形態3にかかる映像機器1が行う撮影処理(図2のステップS103)の概要を示すフローチャートである。
【0081】
図9に示すように、ステップS501〜ステップS507は、図3のステップS201〜ステップS207それぞれに対応する。ステップS508〜ステップS509は、図3のステップS210〜ステップS211それぞれに対応する。ステップS514は、図3のステップS213に対応する。
【0082】
ステップS510において、動き検出部151は、記憶部9が記憶する動画撮影において生成された一連の画像データで構成された動画データに対して被写体の動きベクトルを検出する。
【0083】
続いて、変化量判定部152は、動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第2の閾値以上である画像データがあるか否かを判定する(ステップS511)。動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第2の閾値以上である画像データがあると変化量判定部152が判定した場合(ステップS511:Yes)、映像機器1は、ステップS512へ移行する。一方、動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第2の閾値以上である画像データがないと変化量判定部152が判定した場合(ステップS511:No)、映像機器1は、上述した図2のメインルーチンへ戻る。
【0084】
ステップS512において、静止画像生成部6は、バス14を介して記憶部9から動き検出部151によって検出された第2の閾値以上の画像データを少なくとも1フレーム取得し、取得した画像データの1フレームに対してリサイズ処理および画像処理を施して静止画像データを生成する。
【0085】
その後、記憶部9は、静止画像生成部6が生成した静止画像データを記憶し(ステップS513)、映像機器1は、上述した図2のメインルーチンへ戻る。
【0086】
以上説明した本発明の実施の形態3によれば、動画撮影終了後に、動き検出部151が記憶部9に記憶された動画データに対応する動画の被写体の動きベクトルを検出し、フレームレート制御部153が動き検出部151によって検出された被写体の動きベクトルの変化量が第2の閾値以上の場合、静止画像生成部6に記憶部9が記憶する動画データから第2の閾値以上の画像データを少なくとも1以上取得させて静止画像データを生成させる。これにより、動画撮影終了後に、静止画像生成部6が静止画像データを生成することにより、動画撮影を再開するまでの待機時間を生じさせることがない。この結果、動画撮影を中断することなく撮影を行うことができる。
【0087】
(実施の形態4)
つぎに、本発明の実施の形態4について説明する。本発明の実施の形態4にかかる映像機器は、レンズ部、絞り部、シャッタ部および撮像部に変えて入力部を備える。さらに、本発明の実施の形態4にかかる映像機器による動作が異なる。このため、以下においては、上述した実施の形態と異なる構成を説明後、本発明の実施の形態4にかかる映像機器による動作について説明する。なお、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0088】
図10は、本実施の形態4にかかる映像機器の構成を示すブロック図である。図10に示すように、本実施の形態4にかかる映像機器20は、記憶部9、再生画像生成部10と、表示部11と、操作部13と、電源部12と、バス14と、制御部15と、入力部21と、を備える。
【0089】
入力部21は、入力インターフェースを用いて構成され、外部から装着されるメモリカード等の記憶媒体が装着される。入力部21は、バス14を介して装着された記憶媒体に記憶された静止画像データまたは動画データを再生画像生成部10または記憶部9に出力する。なお、入力部21は、インターネットを介してパーソナルコンピュータ等の外部機器(図示せず)と双方向に通信を行う通信インターフェースであってもよい。
【0090】
以上の構成を有する映像機器20が行う動作について説明する。図11は、本実施の形態4にかかる映像機器20が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【0091】
図11に示すように、制御部15は、映像機器20の電源がオン状態であるか否かを判断する(ステップS601)。映像機器20の電源がオン状態であると制御部15が判断した場合(ステップS601:Yes)、映像機器20は、ステップS602へ移行する。一方、映像機器20の電源がオン状態でないと制御部15が判断した場合(ステップS601:No)、映像機器20は、本処理を終了する。
【0092】
ステップS602において、制御部15は、記憶部9が記憶する各画像ファイルの画像データに対応する画像を縮小した縮小画像の一覧を表示部11に表示させる(ステップS602)。
【0093】
続いて、操作部13を介して拡大して表示する画像ファイルの縮小画像が選択された場合(ステップS603:Yes)、制御部15は、選択された画像ファイルに格納されたデータが動画データであるか否かを判断する(ステップS604)。選択された画像ファイルに格納されたデータが動画データであると制御部15が判断した場合(ステップS604:Yes)、映像機器20は、後述するステップS605へ移行する。一方、選択された画像ファイルに格納されたデータが動画データでないと制御部15が判断した場合(ステップS604:No)、映像機器20は、後述するステップS612へ移行する。
【0094】
ステップS605において、制御部15は、選択された画像ファイルに格納された動作データを再生画像生成部10に展開させ、展開させた動画データに対応する動画を表示部11に表示させる。
【0095】
続いて、動き検出部151は、表示部11が表示する動画内に含まれる被写体の動きベクトルを検出する(ステップS606)。この場合、動き検出部151は、表示部11が表示する動画内の被写体に対し、操作部13によって設定された被写体の動きベクトルを検出するようにしてもよい。
【0096】
その後、変化量判定部152は、動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS607)。動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値以上であると変化量判定部152が判定した場合(ステップS607:Yes)、映像機器20は、ステップS608へ移行する。一方、動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値以上でないと変化量判定部152が判定した場合(ステップS607:No)、映像機器20は、ステップS609へ移行する。
【0097】
ステップS608において、フレームレート制御部153は、表示部11が表示している動画の再生速度を遅くする処理を行う。具体的には、図12に示すように、フレームレート制御部153は、被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値以上であると変化量判定部152が判定した場合、表示部11が表示している動画の再生フレームレートを、たとえば第1のフレームレート(30fps)から第1のフレームレートより低速の第3のフレームレート(15fps)に変更することにより動画の再生速度を遅くする処理を行う。
【0098】
続いて、変化量判定部152は、動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値未満であるか否かを判定する(ステップS609)。動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値未満であると変化量判定部152が判定した場合(ステップS609:Yes)、フレームレート制御部153は、表示部11が表示している動画の再生速度を戻す処理を行う(ステップS610)。具体的には、フレームレート制御部153は、表示部11が表示している動画の再生フレームレートを第3のフレームレートから第1のフレームレートに変更することにより動画の再生速度を戻す処理を行う。その後、映像機器20は、ステップS611へ移行する。一方、動き検出部151が検出した被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値未満でないと変化量判定部152が判定した場合(ステップS609:No)、映像機器20は、ステップS611へ移行する。
【0099】
その後、制御部15は、表示部11が表示している動画の動画データが終了したか否かを判断する(ステップS611)。動画の動画データが終了したと制御部15が判断した場合(ステップS611:Yes)、映像機器20は、ステップS601へ戻る。一方、動画の動画データが終了していないと制御部15が判断した場合(ステップS611:No)、映像機器20は、ステップS606へ戻る。
【0100】
ステップS612〜ステップS614は、図6のステップS310〜ステップS312にそれぞれ対応する。
【0101】
ステップS615において、制御部15は、コマ戻しスイッチ135が操作されることにより、表示部11が表示している静止画像または動画を切換えるコマ戻しの指示信号が入力されたか否かを判断する(ステップS615)。コマ戻しの指示信号が入力された場合(ステップS615:Yes)、制御部15は、前の画像ファイルに切換える(ステップS616)。その後、映像機器20は、ステップS604へ戻る。一方、所定時間(たとえば3秒)内にコマ戻しの指示信号が入力されていないと制御部15が判断した場合(ステップS615:No)、映像機器20は、ステップS601へ戻る。
【0102】
以上説明した本発明の実施の形態4によれば、動き検出部151が記憶部9に記憶された動画データに対応する動画内の被写体の動きベクトルを検出し、フレームレート制御部153が動き検出部151によって検出された被写体の動きベクトルの変化量に応じて、表示部11が表示する動画のフレームレートを変更する。この結果、被写体の動きに応じた再生を行うことができる。さらに、本発明の実施の形態4によれば、動きの素早い被写体をゆっくり見ることができる。
【0103】
また、上述した実施の形態では、表示部が表示する画像について説明したが、たとえば映像機器に対して着脱自在な電子ビューファインダであっても、本発明を適用することができる。
【0104】
また、上述した実施の形態では、撮像部5が生成する画像データのフレームレートを30fpsで説明したが、たとえば15fps、60fps、120fpsおよび240fpsのいずれであっても適用することができ、フレームレートは適宜設定することができる。同様に、記憶部9が画像データを記憶する記憶フレームレートおよび表示部11が画像を表示するフレームレートも適宜設定することができる。
【0105】
また、上述した実施の形態では、静止画像生成部6および動画生成部7をそれぞれ設けていたが、たとえば一つの画像エンジンによって静止画像データおよび動画データを生成させてもよい。
【0106】
また、上述した実施の形態では、映像機器としてデジタルカメラを説明したが、たとえば、デジタル一眼レフカメラ、デジタルビデオカメラおよび撮影機能と表示機能を有する携帯電話やタブレット型携帯機器等の電子機器にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0107】
1,20 映像機器
2 レンズ部
3 絞り部
4 シャッタ部
5 撮像部
6 静止画像生成部
7 動画生成部
8 バッファ
9 記憶部
10 再生画像生成部
11 表示部
12 電源部
13 操作部
15 制御部
21 入力部
131 静止画スイッチ
132 動画スイッチ
133 再生スイッチ
134 コマ送りスイッチ
135 コマ戻しスイッチ
151 動き検出部
152 変化量判定部
153 フレームレート制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフレームレートで生成された動画データに対応する動画内の被写体の動きベクトルを検出する動き検出部と、
前記動き検出部が検出した前記被写体の動きベクトルの変化量に応じて、前記動画データのフレームレートを変更するフレームレート制御部と、
を備えたことを特徴とする映像機器。
【請求項2】
前記被写体を撮像して電子的な画像データを前記第1のフレームレートで連続して生成することにより前記動画データを生成する撮像部と、
前記撮像部が生成した前記動画データを記憶する記憶部と、
をさらに備え、
前記フレームレート制御部は、前記撮像部が生成する前記画像データのフレームレートを変更することを特徴とする請求項1に記載の映像機器。
【請求項3】
前記フレームレート制御部は、前記動き検出部によって検出された前記被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値以上の場合、前記撮像部が生成する前記画像データのフレームレートを前記第1のフレームレートより高速の第2のフレームレートにすることを特徴とする請求項2に記載の映像機器。
【請求項4】
前記フレームレート制御部は、前記動き検出部によって検出された前記被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値以上の場合、前記記憶部が記憶する前記画像データのフレームレートの数を間引いて記憶させることを特徴とする請求項2に記載の映像機器。
【請求項5】
前記撮像部が生成する前記画像データから静止画像データを生成する静止画像生成部をさらに備え、
前記フレームレート制御部は、前記動き検出部によって検出された前記被写体の動きベクトルの変化量が前記第1の閾値より大きい第2の閾値以上の場合、前記静止画像生成部に前記静止画像データを生成させることを特徴とする請求項3または4に記載の映像機器。
【請求項6】
前記静止画像生成部は、前記動き検出部によって前記記憶部が記憶する前記動画データに対応する動画内の被写体の動きベクトルの変化量が前記第2の閾値以上である前記画像データが含まれる場合、前記記憶部に記憶された前記動画データから前記第2の閾値以上の前記画像データを少なくとも1以上取得して前記静止画像データを生成することを特徴とする請求項5に記載の映像機器。
【請求項7】
前記動画データを記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶する前記動画データに対応する動画を表示する表示部と、
をさらに備え、
前記フレームレート制御部は、前記表示部が表示する前記動画のフレームレートを変更することを特徴とする請求項1に記載の映像機器。
【請求項8】
前記フレームレート制御部は、前記動き検出部によって検出された前記被写体の動きベクトルの変化量が第1の閾値以上の場合、前記表示部が表示する前記動画のフレームレートを前記第1のフレームレートより低速の第3のフレームレートにすることを特徴とする請求項7に記載の映像機器。
【請求項9】
映像機器が実行する制御方法であって、
第1のフレームレートで生成された動画データに対応する動画内の被写体の動きベクトルを検出する動き検出ステップと、
前記動き検出ステップが検出した前記被写体の動きベクトルの変化量に応じて、前記動画データのフレームレートを変更するフレームレート制御ステップと、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項10】
映像機器に実行させるプログラムであって、
第1のフレームレートで生成された動画データに対応する動画内の被写体の動きベクトルを検出する動き検出ステップと、
前記動き検出ステップが検出した前記被写体の動きベクトルの変化量に応じて、前記動画データのフレームレートを変更するフレームレート制御ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−46259(P2013−46259A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183065(P2011−183065)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】