説明

映像機器

【課題】その動画を代表するに適切なフレームを選び出して代表静止画とする映像機器を提供する。
【解決手段】本発明による映像機器は、撮影済みの動画を記録する記録装置と、上記記録されている動画の中から、被写体人物の目を検出する目検出装置と、上記検出された目の有る画像を代表画像として送り出す送出装置と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画の中から代表静止画像を選出して表示する映像機器、具体的には被写体人物の目線が撮影カメラを向いているフレームを代表画像として選出して表示する映像機器に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の動画から所望の動画を選ぼうとする際、各動画を再生せずに各動画の代表静止画を見て選ぶことが一般的である。
【0003】
最近のデジタルカメラやビデオカメラには被写体人物の目線を検出する技術が搭載されているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−096440号公報
【特許文献2】特開2008−011457号公報
【特許文献3】特開2007−249588号公報
【特許文献4】特開2010−213136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
動画の最初のフレームを代表静止画として表示する映像機器が一般的であるが、動画の最初のフレームはその動画を代表するシーンではなくその動画の始まりとなるシーンであることが多い。つまり、動画の最初のフレームを代表静止画とするのは適切ではなく、動画の途中のフレームを代表静止画とするほうが適切である。
【0006】
しかし、動画の途中のフレームであっても、単に真ん中のフレームでは適切な代表静止画になるとは限らない。また代表静止画を撮影時に撮影者が指示したり、再生時に鑑賞者が指示するのでは手間がかかるし、通り過ぎてしまったフレームを指示したくなる場合もある。
【0007】
特開2007−096440号公報に記載の撮像装置では、目線判断手段によってカメラ目線画像であると判断された際に、撮像素子に写し込まれた被写体像の画像情報を記憶するようにしているものの、この技術はカメラ目線の静止画を撮影するのみであり、動画については述べられていない。
【0008】
特開2008−011457号公報に記載のカメラでは、被写体である人物の視線が当該カメラに対して向けられていると判定された画像データのみを選択して表示部に表示するようにしているものの、撮影済みの複数の画像データ(静止画)の中から選択するのみであり、動画については述べられていない。
【0009】
特開2007−249588号公報に記載の顔画像登録装置では、あらかじめ定められた代表条件に一致する少なくとも1つの顔画像を、代表顔画像として上記動画像から抽出するようにしているものの、代表条件の一例として正面を向いた顔が挙げられているのみであり、被写体人物の目線については述べられていない。
【0010】
特開2010−213136号公報に記載の画像処理装置では、動画データの記録中における顔または笑顔検出情報を入力し、顔または笑顔検出フレームをインデックス用静止画としてメディアに記録するようにしているものの、顔または笑顔を検出するのみであり、被写体人物の目線については述べられていない。
【0011】
本発明は上記課題に鑑み、その動画を代表するに適切なフレームを選び出して代表静止画とする映像機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、第1の発明に係る映像機器は、撮影済みの動画を記録する記録装置と、上記記録されている動画の中から、被写体人物の目を検出する目検出装置と、上記検出された目の有る画像を代表画像として送り出す送出装置を有することを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するために、第2の発明に係る映像機器は、上記目検出装置は、被写体人物の目が正面を見ていることを検出し、上記送出装置は、目が有り且つ正面を見ている画像を代表画像として送り出すことを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するために、第3の発明に係る映像機器は、被写体人物の目の大きさを計測する目計測装置を更に有し、上記送出装置は、目が有り、且つ目の大きさが所定値以上であり、且つ正面を見ている画像を代表画像として送出することを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するために、第4の発明に係る映像機器は、上記記録されている動画の中から、被写体人物の顔の向きを検出する顔検出装置を更に有し、上記送出装置は、目が有り、且つ目の大きさが所定値以上であり、且つ正面を見ていて、且つ正面を向いている画像を代表画像として表示することを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するために、第5の発明に係る映像機器は、上記送り出される画像を表示する表示装置を更に有し、上記表示装置は、表示画面を複数の部分に分割して各々に異なる上記送り出される画像を表示することを特徴とする。
【0017】
上記目的を達成するために、第6の発明に係る映像機器は、上記送り出される画像の数に応じて、上記分割数を変更することを特徴とする。
【0018】
上記目的を達成するために、第7の発明に係る映像機器は、動画を撮影する撮影装置と、上記動画撮影中に被写体人物の目を検出する目検出装置と、上記撮影した動画と共に、上記目を検出した時の画像を代表画像としてを記録する記録装置と、を有することを特徴とする。
【0019】
上記目的を達成するために、第8の発明に係る映像機器は、上記目検出装置は、被写体人物が撮影装置を見ていることを検出し、上記記録装置は、被写体人物が撮影装置を見ている時の画像を代表画像として、動画と共に記録することを特徴とする。
【0020】
上記目的を達成するために、第9の発明に係る映像機器は、被写体人物の目の大きさを計測する目計測装置を更に有し、上記記録装置は、被写体人物の目の大きさが所定値以上である時の画像を代表画像として、動画と共に記録する、ことを特徴とする。
【0021】
上記目的を達成するために、第10の発明に係る映像機器は、被写体人物の顔の向きを検出する顔検出装置を更に有し、上記記録装置は、被写体人物の顔が撮影装置に向いている時の画像を代表画像として、動画と共に記録することを特徴とする。
【0022】
上記目的を達成するために、第11の発明に係る映像機器は、上記動画且つ/又は上記代表画像を表示する表示装置を更に有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、当該映像機器に顔が向いていて、目線があり、被写体人物が所定以上の大きさであるフレームをその動画の代表静止画とする映像機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る映像機器の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】図2は、図1に係る動作の流れ図である。
【図3】図3は、図1、2に係る表示の態様である。
【図4】図4は、本発明の第2実施形態に係る映像機器の構成を説明するためのブロック図である。
【図5】図5は、図2に係る動作の流れ図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
[第1実施例]以下、本発明の第1実施形態を図1から図3に基づいて説明する。
【0026】
図1は、本発明を適用した映像機器10の主要構成を示すブロック図である。
【0027】
記録装置11は、映像機器10の外部から複数の動画を取り込んで記録する。
【0028】
操作部材12は、映像機器10を操作するための部材であり、PWSW12aは映像機器10の電源をオン/オフする部材であり、再生SW12bは指定された動画の再生を指示する部材であり、動画送りSW12cは記録装置11に記録されている動画の指定を送る部材であり、インデックスSW12dは後述する代表静止画の表示態様を指示する部材である。
【0029】
目検出装置13は、記録装置11に記録されている各動画の中から被写体人物の目が写っているフレームを検出する。
【0030】
目大きさ検出装置14は、記録装置11に記録されている各動画の中から被写体人物の目の大きさを検出する。
【0031】
顔向き検出装置15は、記録装置11に記録されている各動画の中から被写体人物の顔の向きを検出する。
【0032】
目線検出装置16は、記録装置11に記録されている各動画の中から被写体人物の目線を検出する。
【0033】
バッファ19は、記録装置11に記録されている各動画や、各動画の代表静止画を一時的に記録する。
【0034】
送出装置17は、記録装置11に記録されている各動画や、各動画の代表静止画を表示装置18へ送出する。
【0035】
表示装置18は、送出装置17からの動画や静止画を受け取って、表示する。
【0036】
図2は、図1に示した映像機器10の動作を表す流れ図である。
【0037】
動作を開始すると電源がオンになっているかどうか(PWSW12aがオンかどうか)判断する(ステップS10)。電源がオフならばそのまま終了する。
【0038】
電源がオンならば、記録装置11に記録されている動画を一つ取り出す(ステップS11)。そして動画の最初のフレームを画像処理して、目や顔を検出する。
【0039】
まず目検出装置13が目を検出し(ステップS12)、目があれば次に、目大きさ検出装置14がその目の大きさを検出する(ステップS13)。
【0040】
目の大きさをが所定値以上ならば次に、顔向き検出装置15が顔の向きを検出する(ステップS14)。
【0041】
顔が正面を向いているならば次に、目線検出装置16が目線を検出する(ステップS15)。
【0042】
目線が映像機器10に向いているならば、このフレームを代表静止画としてバッファ19に記録する。
【0043】
次にこのフレームが最後かどうか判断し(ステップS17)、最後でなければ次のフレームを取り出す(ステップS18)。
【0044】
ステップS12〜ステップS15で検出されない場合も、ステップS17へ来て同じ処理をする。
【0045】
ステップS17にて最後のフレームであれば、バッファ19に記録したフレームを送出装置17が表示装置18へ送出して、表示する(ステップS19)。
【0046】
続いて、再生SW12bの操作による再生指示があるかどうか判断し(ステップS20)、指示があれば当該動画を再生表示する(ステップS21)。
【0047】
ステップS20にて指示がなければ次に、動画送りSW12cの操作による動画送り指示があるかどうか判断し(ステップS22)、指示があれば次の動画を取り出す(ステップS23)。
【0048】
ステップS21の動画再生が終わった後や、ステップS22で指示がない場合、ステップS23で次の動画を取り出した後、ステップS10へ戻って処理を続ける。
【0049】
図3は本実施例にてバッファ19に記録されているフレーム(代表静止画)を表示装置18が表示する態様である。
【0050】
図3aはバッファ19に記録されているフレーム(代表静止画)を一つだけ全画面に表示する態様であり、通常はこのように表示する。
【0051】
インデックスSW12dの操作によりインデックス表示が指示されると、図3bのように四分割のインデックス表示する。図3bの四つの代表静止画は四つの動画それぞれの代表静止画である。
【0052】
図3bの状態でインデックスSW12dの操作によりインデックス表示が指示されると、図3cのように九分割のインデックス表示する。図3cの九つの代表静止画は九つの動画それぞれの代表静止画である。
【0053】
図3cの状態でインデックスSW12dを操作するとインデックス表示解除が指示され、全画面表示(図3a)に戻る。
【0054】
以上のように本実施例の映像機器では、撮影済みの動画の各フレームを取り出し、被写体人物の顔や目を検出して、代表静止画を選ぶので、その動画に適した代表静止画が選ばれる。また、再生時に代表静止画を選ぶので、撮影時に特別の操作をする必要がないので、色々な動画に適用できる。
【0055】
[第2実施例]以下、本発明の第2実施形態を図4と図5に基づいて説明する。
【0056】
図4は、本発明を適用した映像機器10の主要構成を示すブロック図である。本実施例の構成は第1実施例の構成とほぼ同じなので、第1実施例と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0057】
撮影装置19は、レンズ20にて結像された被写体像を取り込んで動画を生成し、記録装置11へ送る。
【0058】
記録SW12e撮影の開始と終了を指示する部材である。
【0059】
図5は、図4に示した映像機器10の動作を表す流れ図である。
【0060】
動作を開始すると電源がオンになっているかどうか(PWSW12aがオンかどうか)判断する(ステップS30)。電源がオフならばそのまま終了する。
【0061】
電源がオンならば、記録SW12eがオンかどうか判断する(ステップS31)。
【0062】
記録SW12eがオンならば撮影を開始する(ステップS32)。そして撮影と同時に、撮影したフレームの画像処理して、目や顔を検出する。
【0063】
まず目検出装置13が目を検出し(ステップS33)、目があれば次に、目大きさ検出装置14がその目の大きさを検出する(ステップS34)。
【0064】
目の大きさをが所定値以上ならば次に、顔向き検出装置15が顔の向きを検出する(ステップS35)。
【0065】
顔が正面を向いているならば次に、目線検出装置16が目線を検出する(ステップS36)。
【0066】
目線が映像機器10に向いているならば、このフレームを代表静止画として記録装置11が記録して、ステップS30へ戻って処理を続ける。
【0067】
ステップS33〜ステップS36で検出されない場合も、ステップS30へ戻って処理を続ける。
【0068】
一方ステップS31にて記録SW12eがオフならば、撮影を終了し、記録装置11に記録されている代表静止画を送出装置17が表示装置18へ送出して、表示する(ステップS38)。
【0069】
続いて、再生SW12bの操作による再生指示があるかどうか判断し(ステップS39)、指示があれば当該動画を再生表示する(ステップS40)。
【0070】
ステップS39にて指示がなければステップS30へ戻って処理を続ける。
【0071】
代表静止画の表示態様は第1実施例と同じであり、図3に示した通りである。
【0072】
以上のように本実施例の映像機器では、撮影時に被写体人物の顔や目を検出して、代表静止画を選ぶので、その動画に適した代表静止画が選ばれて、記録される。また、撮影時に代表静止画を記録するので、再生時には代表静止画を選び出すという手間がない。
【0073】
上記第1実施例では映像機器として動画再生機器で説明し、上記第2実施例では映像機器として動画記録再生機器で説明したが、本発明はこれらの機器に限るものではなく、コンピュータ等の情報処理機器やカメラ付き携帯電話等の可搬機器にも適用して良い。
【0074】
また、本発明は上記実施形態をそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態にしめされる全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組合せてもよい。
【符号の説明】
【0075】
10・・・映像機器、11・・・記録装置、12・・・操作部材、12a・・・PWSW、12b・・・再生SW、12c・・・動画送りSW、12d・・・インデックスSW、12e・・・記録SW、13・・・目検出装置、14・・・目大きさ検出装置、15・・・顔向き検出装置、16・・・目線検出装置、17・・・送出装置、18・・・表示装置、19・・・バッファ、20・・・撮影装置、21・・・レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影済みの動画を記録する記録装置と、
上記記録されている動画の中から、被写体人物の目を検出する目検出装置と、
上記検出された目の有る画像を代表画像として送り出す送出装置と、
を有する映像機器。
【請求項2】
上記目検出装置は、被写体人物の目が正面を見ていることを検出し、
上記送出装置は、目が有り且つ正面を見ている画像を代表画像として送り出す
ことを特徴とする請求項1に記載の映像機器。
【請求項3】
被写体人物の目の大きさを計測する目計測装置を更に有し、
上記送出装置は、目が有り、且つ目の大きさが所定値以上であり、且つ正面を見ている画像を代表画像として送出する
ことを特徴とする請求項2に記載の映像機器。
【請求項4】
上記記録されている動画の中から、被写体人物の顔の向きを検出する顔検出装置を更に有し、
上記送出装置は、目が有り、且つ目の大きさが所定値以上であり、且つ正面を見ていて、且つ正面を向いている画像を代表画像として表示する
ことを特徴とする請求項3に記載の映像機器。
【請求項5】
上記送り出される画像を表示する表示装置を更に有し、
上記表示装置は、表示画面を複数の部分に分割して各々に異なる上記送り出される画像を表示する
ことを特徴とする請求項1乃至4に記載の映像機器。
【請求項6】
上記送り出される画像の数に応じて、上記分割数を変更する
ことを特徴とする請求項5に記載の映像機器。
【請求項7】
動画を撮影する撮影装置と、
上記動画撮影中に被写体人物の目を検出する目検出装置と、
上記撮影した動画と共に、上記目を検出した時の画像を代表画像としてを記録する記録装置と、
を有する映像機器。
【請求項8】
上記目検出装置は、被写体人物が撮影装置を見ていることを検出し、
上記記録装置は、被写体人物が撮影装置を見ている時の画像を代表画像として、動画と共に記録する
ことを特徴とする請求項7に記載の映像機器。
【請求項9】
被写体人物の目の大きさを計測する目計測装置を更に有し、
上記記録装置は、被写体人物の目の大きさが所定値以上である時の画像を代表画像として、動画と共に記録する、
ことを特徴とする請求項8に記載の映像機器。
【請求項10】
被写体人物の顔の向きを検出する顔検出装置を更に有し、
上記記録装置は、被写体人物の顔が撮影装置に向いている時の画像を代表画像として、動画と共に記録する
ことを特徴とする請求項9に記載の映像機器。
【請求項11】
上記動画且つ/又は上記代表画像を表示する表示装置を更に有する
ことを特徴とする請求項7乃至10に記載の映像機器。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−5254(P2013−5254A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−134915(P2011−134915)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】