説明

映像表示装置及び投写型映像表示装置

【課題】“ちらつき”の抑制及び“色ずれ”の抑制を両立することを可能とする映像表示装置及び投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】投写型映像表示装置100は、バックライト前処理部220と、光源制御部230と、素子制御部240とを備える。光源制御部230は、目標光量L及び時定数τに基づいて、複数色の光源ユニット10から出射される光量を個別に制御する。光源制御部230は、複数色の映像入力信号の信号値を個別に制御する。バックライト前処理部220は、複数色の映像入力信号の信号値に基づいて、複数色の光源ユニット10毎に目標光量Lを算出する。バックライト前処理部220は、複数色の映像入力信号の信号値に基づいて彩度を算出して、彩度が低いほど、時定数τとして大きな値を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレームを構成する複数の画素毎の映像入力信号に基づいて、固体光源から出射された光を変調する光変調素子を備えた映像表示装置及び投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
映像の輝度の変化が激しくても、映像がちらつかないようにするために、光源から出射される光量を減少する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
具体的には、第1に、映像入力信号に基づいて映像の輝度が算出され、第2に、算出された輝度に基づいて、時定数制御によって輝度順応適応値が算出される。第3に、輝度順応適応値が所定閾値を下回った場合に、光源から出射される光量が所定光量に減少される。
【0004】
このように、時定数制御によって算出された輝度順応適応値を用いることによって、光源から出射される光量の変化によって生じる“ちらつき”が抑制される。
【特許文献1】特開2004−264668号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、時定数制御処理を用いて光源から出射される光量を光源毎に変化させると、光源から出射される光量が不足するケースが考えられる。このような光量不足によって、“色ずれ”が生じてしまう。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、“ちらつき”の抑制及び“色ずれ”の抑制を両立することを可能とする映像表示装置及び投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の特徴に係る映像表示装置は、複数色の固体光源(光源ユニット10)と、フレームを構成する複数の画素毎に設けられる複数色の映像入力信号に基づいて、前記複数色の固体光源から出射された光を変調する光変調素子(液晶パネル60)とを備える。映像表示装置は、前記複数色の固体光源から出射される光量を個別に制御する光源制御部(光源制御部230)と、前記複数色の映像入力信号の信号値を個別に制御する素子制御部(素子制御部240)と、前記複数色の映像入力信号の信号値に基づいて、前記複数色の固体光源毎に目標光量を算出するバックライト前処理部(バックライト前処理部220)とを備える。前記光源制御部は、前記複数色の固体光源毎に算出された前記目標光量及び時定数に基づいて、前記複数色の固体光源から出射される光量を個別に制御する。前記時定数は、フレーム間において前記複数色の固体光源から出射される光量の変化量の上限値を定める値である。前記バックライト前処理部は、前記複数色の映像入力信号の信号値に基づいて彩度を算出して、前記彩度が低いほど、前記時定数として大きな値を設定する。
【0008】
第1の特徴において、前記バックライト前処理部は、前記複数色の映像入力信号の信号値に基づいて明度を算出し、前記明度によって前記彩度を重み付けした重付彩度が低いほど、前記時定数として大きな値を設定する。
【0009】
第1の特徴において、前記バックライト前処理部は、フレーム間において前記複数色の映像入力信号の信号値の差分であるフレーム間差分を算出し、前記フレーム間差分に基づいて前記時定数を算出する。
【0010】
第1の特徴において、前記バックライト前処理部は、前記複数色の映像入力信号の信号値の分布に基づいて、前記複数色の映像入力信号毎に目標信号ゲインを算出する。前記素子制御部は、前記目標信号ゲインに基づいて、前記複数色の映像入力信号を個別に制御する。
【0011】
第2の特徴に係る映像表示装置は、複数色の固体光源と、フレームを構成する複数の画素毎に設けられる複数色の映像入力信号に基づいて、前記複数色の固体光源から出射された光を変調する光変調素子とを備える。映像表示装置は、前記複数色の固体光源から出射される光量を個別に制御する光源制御部と、前記複数色の映像入力信号の信号値を個別に制御する素子制御部と、前記複数色の映像入力信号の信号値に基づいて、前記複数色の固体光源毎に目標光量を算出するバックライト前処理部とを備える。前記光源制御部は、前記複数色の固体光源毎に算出された前記目標光量及び時定数に基づいて、前記複数色の固体光源から出射される光量を個別に制御する。前記時定数は、フレーム間において前記複数色の固体光源から出射される光量の変化量の上限値を定める値である。前記バックライト前処理部は、前記複数色の映像入力信号の信号値に基づいて彩度を算出して、前記彩度が所定彩度よりも高い場合に、前記時定数として予め定められた固定値を設定し、前記彩度が所定彩度よりも低い場合に、前記時定数として前記固定値よりも大きな値を設定する。
【0012】
第3の特徴に係る投写型映像表示装置は、複数色の固体光源(光源ユニット10)と、フレームを構成する複数の画素毎に設けられる複数色の映像入力信号に基づいて、前記複数色の固体光源から出射された光を変調する光変調素子(液晶パネル60)と、前記光変調素子から出射された光を投射する投写光学系(投写光学系80)とを備える。投写型映像表示装置は、前記複数色の固体光源から出射される光量を個別に制御する光源制御部と、前記複数色の映像入力信号の信号値を個別に制御する素子制御部と、前記複数色の映像入力信号の信号値に基づいて、前記複数色の固体光源毎に目標光量を算出するバックライト前処理部とを備える。前記光源制御部は、前記複数色の固体光源毎に算出された前記目標光量及び時定数に基づいて、前記複数色の固体光源から出射される光量を個別に制御する。前記時定数は、フレーム間において前記複数色の固体光源から出射される光量の変化量の上限値を定める値である。前記バックライト前処理部は、前記複数色の映像入力信号の信号値に基づいて彩度を算出して、前記彩度が低いほど、前記時定数として大きな値を設定する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、“ちらつき”の抑制及び“色ずれ”の抑制を両立することを可能とする映像表示装置及び投写型映像表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下において、本発明の実施形態に係る映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0015】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
[実施形態の概要]
実施形態に係る映像表示装置は、複数色の固体光源と、フレームを構成する複数の画素毎に設けられる複数色の映像入力信号に基づいて、複数色の固体光源から出射された光を変調する光変調素子とを備える。映像表示装置は、複数色の固体光源から出射される光量を個別に制御する光源制御部と、複数色の映像入力信号の信号値を個別に制御する素子制御部と、複数色の映像入力信号の信号値に基づいて、複数色の固体光源毎に目標光量を算出するバックライト前処理部とを備える。
【0017】
光源制御部は、複数色の固体光源毎に算出された目標光量及び時定数に基づいて、複数色の固体光源から出射される光量を個別に制御する。時定数は、フレーム間において複数色の固体光源から出射される光量の変化量の上限値を定める値である。
【0018】
第1例としては、バックライト前処理部は、複数色の映像入力信号の信号値に基づいて彩度を算出して、彩度が低いほど、時定数として大きな値を設定する。
【0019】
このように、複数色の固体光源から出射される光量の制御において、光量変化量の上限値を定める時定数が用いられる。従って、“ちらつき”が抑制される。また、彩度が低いほど、時定数として大きな値が設定される。従って、各固体光源から出射される光量のずれが抑制され、“色ずれ”が抑制される。
【0020】
第2例としては、バックライト前処理部は、複数色の映像入力信号の信号値に基づいて彩度を算出して、彩度が所定閾値よりも高い場合に、時定数として予め定められた固定値を設定し、彩度が所定閾値よりも低い場合に、時定数として固定値よりも大きな値を設定する。
【0021】
このように、複数色の固体光源から出射される光量の制御において、光量変化量の上限値を定める時定数が用いられる。従って、“ちらつき”が抑制される。また、彩度が所定閾値よりも低い場合に、時定数として固定値よりも大きな値を設定する。従って、各固体光源から出射される光量のずれが抑制され、“色ずれ”が抑制される。
【0022】
以下においては、映像表示装置として、投写型映像表示装置を例示する。しかしながら、映像表示装置が投写型映像表示装置に限定されないことは勿論である。具体的には、映像表示装置は、液晶テレビなどのように、他の表示装置であってもよい。
【0023】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【0024】
図1に示すように、投写型映像表示装置100は、光源ユニット10と、温度調節ユニット20と、シリンドリカルレンズ30と、フライアイレンズユニット40と、コンデンサレンズ群50と、液晶パネル60と、クロスダイクロイックミラー70と、投写光学系80とを有する。
【0025】
光源ユニット10は、赤、緑及び青の色毎に設けられている。すなわち、光源ユニット10は、光源ユニット10Rと、光源ユニット10Gと、光源ユニット10Bとを含む。各光源ユニット10は、複数の固体光源11を有する。固体光源11は、LD(Laser Diode)やLED(Ligth Emitting Diode)である。
【0026】
光源ユニット10Rは、固体光源11−1R〜固体光源11−4Rによって構成される。
【0027】
光源ユニット10Gは、固体光源10−1G〜固体光源10−4Gによって構成される。光源ユニット10Bは、固体光源10−1B〜固体光源10−4Bによって構成される。
【0028】
なお、各光源ユニット10に設けられた固体光源11の数は限定されるものではない。各光源ユニット10に設けられた固体光源11は単数であってもよい。
【0029】
温度調節ユニット20は、赤、緑及び青の色毎に設けられている。すなわち、温度調節ユニット20は、温度調節ユニット20Rと、温度調節ユニット20Gと、温度調節ユニット20Bとを含む。各温度調節ユニット20は、複数の温度調節部21を有する。温度調節部21は、例えば、ペルチェ素子や送風ファンなどの冷却部である。また、温度調節部21は、ヒータなどの加熱部であってもよい。
【0030】
温度調節ユニット20Rは、温度調節部21−1R〜温度調節部21−4Rによって構成される。温度調節部21−1R〜温度調節部21−4Rは、固体光源11−1R〜固体光源11−4Rのそれぞれに応じて設けられる。温度調節部21−1R〜温度調節部21−4Rは、固体光源11−1R〜固体光源11−4Rのそれぞれの温度を調節する。
【0031】
温度調節ユニット20Gは、温度調節部21−1G〜温度調節部21−4Gによって構成される。温度調節部21−1G〜温度調節部21−4Gは、固体光源10−1G〜固体光源10−4Gのそれぞれに応じて設けられる。温度調節部21−1G〜温度調節部21−4Gは、固体光源10−1G〜固体光源10−4Gのそれぞれの温度を調節する。
【0032】
温度調節ユニット20Bは、温度調節部21−1B〜温度調節部21−4Bによって構成される。温度調節部21−1B〜温度調節部21−4Bは、固体光源10−1B〜固体光源10−4Bのそれぞれに応じて設けられる。温度調節部21−1B〜温度調節部21−4Bは、固体光源10−1B〜固体光源10−4Bのそれぞれの温度を調節する。
【0033】
シリンドリカルレンズ30は、赤、緑及び青の色毎に設けられている。すなわち、シリンドリカルレンズ30は、シリンドリカルレンズ30Rと、シリンドリカルレンズ30Gと、シリンドリカルレンズ30Bとを含む。
【0034】
シリンドリカルレンズ30Rは、光源ユニット10Rから出射された赤成分光の偏光状態を揃える。また、シリンドリカルレンズ30Rは、直線状の赤成分光を形成する。
【0035】
シリンドリカルレンズ30Gは、光源ユニット10Gから出射された緑成分光の偏光状態を揃える。シリンドリカルレンズ30Gは、直線状の緑成分光を形成する。
【0036】
シリンドリカルレンズ30Bは、光源ユニット10Bから出射された青成分光の偏光状態を揃える。シリンドリカルレンズ30Bは、直線状の青成分光を形成する。
【0037】
フライアイレンズユニット40は、赤、緑及び青の色毎に設けられている。すなわち、シリンドリカルレンズ30は、フライアイレンズユニット40Rと、フライアイレンズユニット40Gと、フライアイレンズユニット40Bとを含む。
【0038】
フライアイレンズユニット40Rは、フライアイレンズ41R及びフライアイレンズ42Rによって構成される。フライアイレンズ41R及びフライアイレンズ42Rは、それぞれ、複数の微少レンズによって構成される。各微少レンズは、光源ユニット10Rから出射された赤成分光が液晶パネル60Rの全面に照射されるように、光源ユニット10Rから出射された赤成分光を集光する。
【0039】
フライアイレンズユニット40Gは、フライアイレンズ41G及びフライアイレンズ42Gによって構成される。フライアイレンズ41G及びフライアイレンズ42Gは、それぞれ、複数の微少レンズによって構成される。各微少レンズは、光源ユニット10Gから出射された緑成分光が液晶パネル60Gの全面に照射されるように、光源ユニット10Gから出射された緑成分光を集光する。
【0040】
フライアイレンズユニット40Bは、フライアイレンズ41B及びフライアイレンズ42Bによって構成される。フライアイレンズ41B及びフライアイレンズ42Bは、それぞれ、複数の微少レンズによって構成される。各微少レンズは、光源ユニット10Bから出射された青成分光が液晶パネル60Bの全面に照射されるように、光源ユニット10Bから出射された青成分光を集光する。
【0041】
コンデンサレンズ群50は、赤、緑及び青の色毎に設けられている。すなわち、コンデンサレンズ群50は、コンデンサレンズ群50Rと、コンデンサレンズ群50Gと、コンデンサレンズ群50Bとを含む。
【0042】
コンデンサレンズ群50Rは、コンデンサレンズ51R及びコンデンサレンズ52Rによって構成される。コンデンサレンズ51R及びコンデンサレンズ52Rは、光源ユニット10Rから出射された赤成分光を集光する。
【0043】
コンデンサレンズ群50Gは、コンデンサレンズ51G及びコンデンサレンズ52Gによって構成される。コンデンサレンズ51G及びコンデンサレンズ52Gは、光源ユニット10Gから出射された緑成分光を集光する。
【0044】
コンデンサレンズ群50Bは、コンデンサレンズ51B及びコンデンサレンズ52Bによって構成される。コンデンサレンズ51B及びコンデンサレンズ52Bは、光源ユニット10Bから出射された青成分光を集光する。
【0045】
液晶パネル60は、赤、緑及び青の色毎に設けられている。すなわち、液晶パネル60は、液晶パネル60Rと、液晶パネル60Gと、液晶パネル60Bとを含む。
【0046】
液晶パネル60Rは、赤出力信号Routに基づいて、光源ユニット10Rから出射された赤成分光を変調する光変調素子である。
【0047】
液晶パネル60Gは、緑出力信号Goutに基づいて、光源ユニット10Gから出射された緑成分光を変調する光変調素子である。
【0048】
液晶パネル60Bは、青出力信号Boutに基づいて、光源ユニット10Bから出射された青成分光を変調する光変調素子である。
【0049】
なお、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutは、映像出力信号を構成する。映像出力信号は、1フレームを構成する複数の画素毎の信号である。従って、液晶パネル60R、液晶パネル60G及び液晶パネル60Bは、それぞれ、複数の画素毎に色成分光を変調する。
【0050】
クロスダイクロイックミラー70は、各液晶パネル60から出射された色成分光を合成する。クロスダイクロイックミラー70は、合成光を投写光学系80側に出射する。
【0051】
投写光学系80は、クロスダイクロイックミラー70から出射された合成光をスクリーン(不図示)などに投写する。
【0052】
(制御ユニットの構成)
以下において、第1実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。制御ユニット200は、投写型映像表示装置100に設けられており、投写型映像表示装置100を制御する。
【0053】
図2に示すように、制御ユニット200は、映像信号受付部210と、バックライト前処理部220と、光源制御部230と、素子制御部240とを有する。
【0054】
映像信号受付部210は、DVDやTVチューナなどの外部装置(不図示)から映像入力信号を受付ける。映像入力信号は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binを含む。映像入力信号は、1フレームを構成する複数の画素毎に入力される信号である。
【0055】
バックライト前処理部220は、バックライト制御処理の前処理を行う。バックライト制御処理は、映像入力信号の信号値(例えば、明るさを示す指標)に基づいて、光源ユニット10から出射される光量を制御する処理である。また、バックライト制御処理は、光源ユニット10から出射される光量の制御量に応じて、映像入力信号を映像出力信号に変換する処理である。ここで、バックライト制御処理は、赤、緑及び青の色毎に行われることに留意すべきである。
【0056】
第1実施形態では、バックライト制御処理が色毎に行われるため、明るさを示す指標として、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin又は青入力信号Binを用いる。
【0057】
具体的には、バックライト前処理部220は、映像入力信号に基づいて、目標光量L及び目標ゲインGを算出する。目標光量Lは、光源ユニット10から出射される光量の制御に用いられる。目標ゲインGは、映像入力信号を映像出力信号に変換する制御に用いられる。
【0058】
第1実施形態では、目標光量Lとしては、フレームを構成する複数の画素毎の映像入力信号の代表値と信号上限値との比率と考えてもよい。また、目標ゲインGは、目標光量Lと同様に、フレームを構成する複数の画素毎の映像入力信号の代表値と信号上限値との比率と考えてもよい。なお、映像入力信号の代表値としては、フレームを構成する複数の画素毎の映像入力信号の最大値、フレームを構成する複数の画素毎の映像入力信号の平均値が用いられる。
【0059】
上述したように、バックライト制御処理が、赤、緑及び青の色毎に行われるため、目標光量L及び目標ゲインGは、赤、緑及び青の色毎に算出されることに留意すべきである。
【0060】
ここで、バックライト前処理部220は、映像入力信号の信号値に基づいて、時定数τを算出する。時定数τは、フレーム間において複数の光源ユニット10から出射される光量の変化量の上限値を定める値である。具体的には、バックライト前処理部220は、映像入力信号の信号値に基づいて彩度(例えば、彩度の平均値)を算出して、彩度が低いほど、時定数τとして大きな値を設定する。
【0061】
第1実施形態では、バックライト前処理部220は、映像入力信号の信号値に基づいて明度を算出し、明度によって彩度を重み付けした重付彩度の平均値(以下、加重平均彩度)が低いほど、時定数τとして大きな値を設定する。例えば、図3に示すように、時定数τとしては、加重平均彩度が低いほど、大きな値が設定される。なお、時定数τの値は、最小値(≧0)から最大値(≦1)の範囲である。
【0062】
なお、加重平均彩度WSaveは、例えば、以下の式に従って算出される。以下の式に示すように、加重平均彩度WSaveを用いることによって、彩度を用いるケースよりも計算量が軽減される。
【数1】

【0063】
バックライト前処理部220は、光源制御部230に目標光量L及び時定数τを出力する。また、バックライト前処理部220は、素子制御部240に目標ゲインGを出力する。
【0064】
光源制御部230は、目標光量L及び時定数τに基づいて、光源ユニット10から出射される光量を、赤、緑及び青の色毎に制御する。具体的には、光源制御部230は、各光源ユニット10から出射される光量が目標光量L及び時定数τによって算出された光量となるように各光源ユニット10を制御する。
【0065】
光源制御部230は、赤用に算出された目標光量LR及び時定数τに基づいて、光源ユニット10Rから出射される光量の減少量を算出する。ここでは、減少量は、光源ユニット10Rから出射される赤成分光の上限光量からの減少量である。
【0066】
なお、光源制御部230は、固体光源11−1R〜固体光源11−4Rから出射される光量が目標光量LR及び時定数τによって算出された光量となるように、固体光源11−1R〜固体光源11−4Rから出射される光量を一律に減少してもよい。また、光源制御部230は、固体光源11−1R〜固体光源11−4Rから出射される光量が目標光量LR及び時定数τによって算出された光量となるように、固体光源11−1R〜固体光源11−4Rのうち、発光効率が悪い固体光源から出射される光量を優先的に減少してもよい。
【0067】
同様に、光源制御部230は、緑用に算出された目標光量LG及び時定数τに基づいて、光源ユニット10Gから出射される光量の減少量を算出する。ここでは、減少量は、光源ユニット10Gから出射される緑成分光の上限光量からの減少量である。
【0068】
なお、光源制御部230は、固体光源10−1G〜固体光源10−4Gから出射される光量が目標光量LG及び時定数τによって算出された光量となるように、固体光源10−1G〜固体光源10−4Gから出射される光量を一律に減少してもよい。また、光源制御部230は、固体光源10−1G〜固体光源10−4Gから出射される光量が目標光量LG及び時定数τによって算出された光量となるように、固体光源10−1G〜固体光源10−4Gのうち、発光効率が悪い固体光源から出射される光量を優先的に減少してもよい。
【0069】
光源制御部230は、青用に算出された目標光量LB及び時定数τに基づいて、光源ユニット10Bから出射される光量の減少量を算出する。ここでは、減少量は、光源ユニット10Bから出射される青成分光の上限光量からの減少量である。
【0070】
なお、光源制御部230は、固体光源10−1B〜固体光源10−4Bから出射される光量が目標光量LB及び時定数τによって算出された光量となるように、固体光源10−1B〜固体光源10−4Bから出射される光量を一律に減少してもよい。また、光源制御部230は、固体光源10−1B〜固体光源10−4Bから出射される光量が目標光量LB及び時定数τによって算出された光量となるように、固体光源10−1B〜固体光源10−4Bのうち、発光効率が悪い固体光源から出射される光量を優先的に減少してもよい。
【0071】
素子制御部240は、複数の画素毎の映像入力信号の信号値を、赤、緑及び青の色毎に制御する。具体的には、素子制御部240は、複数の画素毎の映像入力信号を複数の画素毎の映像出力信号に変換する。すなわち、素子制御部240は、赤入力信号Rinを赤出力信号Routに変換する。同様に、素子制御部240は、緑入力信号Ginを緑出力信号Goutに変換し、青入力信号Binを青出力信号Boutに変換する。
【0072】
素子制御部240は、赤用に算出された目標ゲインGRに基づいて、赤出力信号Routが赤入力信号Rinよりも大きくなるように、赤入力信号Rinを赤出力信号Routに変換する。
【0073】
同様に、素子制御部240は、緑用に算出された目標ゲインGGに基づいて、緑出力信号Goutが緑入力信号Ginよりも大きくなるように、緑入力信号Ginを緑出力信号Goutに変換する。
【0074】
素子制御部240は、青用に算出された目標ゲインGBに基づいて、青出力信号Boutが青入力信号Binよりも大きくなるように、青入力信号Binを青出力信号Boutに変換する。
【0075】
(光源制御処理)
以下において、第1実施形態に係るバックライト制御処理の光源制御処理について、図面を参照しながら説明する。図4は、第1実施形態に係る光源制御処理を示す図である。詳細には、図4は、複数の画素毎の映像入力信号の信号値のヒストグラムを示す図である。
【0076】
なお、図4では、信号最大値LSMAXは、複数の画素毎の映像入力信号の最大値である。信号上限値LSLIMは、映像入力信号の上限値である。目標信号値LSは、映像入力信号に基づいて算出された目標光量Lに相当する信号値である。
【0077】
図4に示すように、信号最大値LSMAXが信号上限値LSLIMよりも小さいケースでは、固体光源から出射される光量を減少することができる。上述したように、光源制御部230は、固体光源から出射される光量が目標光量L及び時定数τに基づいて算出された光量となるように、各固体光源を制御する。
【0078】
なお、図4に示すヒストグラムは、赤、緑及び青の色毎に生成される。また、光源制御処理は、赤、緑及び青の色毎に行われる。
【0079】
(信号制御処理)
以下において、第1実施形態に係るバックライト制御処理の信号制御処理について、図面を参照しながら説明する。図5は、第1実施形態に係る信号御処理を示す図である。詳細には、図5は、映像入力信号を映像出力信号に変換するための変換特性を示す図である。
【0080】
なお、図5では、ゲイン最大値GMAXは、複数の画素毎の映像入力信号の最大値である。ゲイン上限値GLIMは、複数の画素毎の映像入力信号の上限値である。目標ゲインGは、目標光量L(又は、目標信号値LS)に基づいて算出される値である。例えば、目標ゲインG/ゲイン上限値GLIMは、目標信号値LS/信号上限値LSLIMと同じである。
【0081】
図5に示すように、バックライト制御処理が行われない場合には、映像入力信号(Sin)と映像出力信号(Sout)との変換率が1対1であることを前提とする。
【0082】
このような関係を前提として、バックライト制御処理が行われる場合には、映像入力信号(Sin)と映像出力信号(Sout)との変換率は、以下の式によって表される。
【数2】

【0083】
(投写型映像表示装置の動作)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の動作について、図面を参照しながら説明する。図6は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示すフロー図である。詳細には、図6は、n+1番目のフレームに係る出射光量の決定方法について示す図である。
【0084】
図6では、L(n)は、n番目のフレームの目標光量Lである。L(n)は、n番目のフレームの出射光量である。L(n+1)は、n+1番目のフレームの出射光量である。
【0085】
図6に示すように、ステップ10において、制御ユニット200は、目標光量L(n)と出射光量L(n)との差分をΔLとしてセットする。
【0086】
ステップ11において、制御ユニット200は、ΔLが所定値以下であるか否かを判定する。制御ユニット200は、ΔLが所定値以下である場合には、ステップ12の処理に移る。一方で、制御ユニット200は、ΔLが所定値よりも大きい場合には、ステップ13の処理に移る。
【0087】
ステップ12において、制御ユニット200は、ΔLの符号が所定回数同じであるか否かを判定する。すなわち、制御ユニット200は、所定数のフレームにおいて、目標光量Lが連続して増加(又は、減少)しているかを判定する。制御ユニット200は、ΔLの符号が所定回数同じである場合には、ステップ13の処理に移る。一方で、制御ユニット200は、ΔLの符号が所定回数同じでない場合には、ステップ15の処理に移る。
【0088】
ステップ13において、制御ユニット200は、映像入力信号に基づいて算出された彩度(第1実施形態では、加重平均彩度)に基づいて、時定数τを設定する。映像入力信号としては、例えば、n番目のフレームを構成する複数の画素毎の映像入力信号が用いられる。
【0089】
ステップ14において、制御ユニット200は、ΔLに時定数τを乗算した値を出射光量L(n)に加算する。制御ユニット200は、演算結果を出射光量L(n+1)としてセットする。
【0090】
ステップ15において、制御ユニット200は、出射光量L(n)を出射光量L(n+1)としてセットする。
【0091】
(作用及び効果)
第1実施形態では、出射光量の制御において、光量変化量の上限値を定める時定数τが用いられる。従って、“ちらつき”が抑制される。また、映像入力信号に基づいて算出された彩度が低いほど、時定数τとして大きな値が設定される。従って、各光源ユニット10から出射される光量のずれが抑制され、“色ずれ”が抑制される。
【0092】
第1実施形態では、加重平均彩度が低いほど、時定数τとして大きな値が設定される。加重平均彩度が低い映像では、無彩色で明るい画素が多い。従って、このような映像では、時定数τとして大きな値を設定して、“色ずれ”を抑制する。
【0093】
[比較結果]
以下において、実施例と比較例との比較結果について、図面を参照しながら説明する。図7は、実施例と比較例との比較結果を示す図である。図7では、比較例1、比較例2及び実施例に係る出射光量の変化が示されている。
【0094】
比較例1では、時定数τを用いずに、目標光量Lに基づいて出射光量が制御される。比較例2では、時定数τ及び目標光量Lに基づいて出射光量が制御され、時定数τが定数(小さな値)である。実施例では、時定数τ及び目標光量Lに基づいて出射光量が制御され、彩度が低いほど、時定数τとして大きな値が設定される。
【0095】
比較例1では、時定数τが用いられない。すなわち、目標光量Lと同期して出射光量が変化するため、出射光量の変動が激しく、“ちらつき”が生じる。
【0096】
比較例2では、時定数τが用いられるため、“ちらつき”が生じない。一方で、時定数τが定数(小さな値)であるため、目標光量Lに対する出射光量の追従性が悪く、“色ずれ”が生じる。
【0097】
これらに対して、実施例では、彩度(第1実施形態では、加重平均彩度)が高いほど、時定数τとして大きな値が設定される。従って、“ちらつき”の抑制及び“色ずれ”の抑制が両立される。特に、“色ずれ”が目立つ映像において、目標光量Lに対する出射光量の追従性が良く、“色ずれ”が抑制される。
【0098】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態との相違点について主として説明する。
【0099】
第1実施形態では、時定数τは、加重平均彩度に基づいて設定される。これに対して、変更例1では、時定数τは、フレーム間差分に基づいて設定される。
【0100】
具体的には、図8に示すように、フレーム間差分が大きいほど、時定数τとして大きな値が設定される。なお、フレーム間差分は、以下の式に従って算出される。
【数3】

【0101】
ここで、加重平均彩度に基づいて設定された時定数をτとし、フレーム間差分に基づいて設定された時定数をτとした場合に、時定数τとしては、τ又はτを選択的に用いてもよい。又は、時定数τとしては、τとτとを乗算した結果を用いてもよい。
【0102】
(作用及び効果)
変更例1では、フレーム間差分が大きいほど、時定数τとして大きな値が設定される。すなわち、フレーム間差分が大きいシーンチェンジなどにおいて、時定数τとして大きな値が設定される。従って、“ちらつき”が生じにくい場合に、時定数τとして大きな値を用いて、目標光量Lに対する出射光量の追従性が高まる。
【0103】
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態との相違点について主として説明する。
【0104】
第1実施形態では、目標ゲインG/ゲイン上限値GLIMは、目標信号値LS(目標光量L)/信号上限値LSLIMと同じである。これに対して、変更例2では、目標ゲインG/ゲイン上限値GLIMが目標信号値LS(目標光量L)/信号上限値LSLIMと異なるように、目標ゲインGを設定する。
【0105】
ここでは、目標信号値LS及び目標ゲインGは、ゲイン上限値GLIM(=1)及び信号上限値LSLIM(=1)で正規化されているものとする。
【0106】
図9に示すように、目標ゲインGが目標信号値LS(目標光量L)と同じであるケースでは、低輝度領域については、投写型映像表示装置100から最終的に出力される光量の傾きが、映像入力信号に対応する光量(以下、オリジナル光量)の傾きと略等しい。すなわち、映像入力信号に対応する階調(以下、オリジナル階調)が保たれている。一方で、高輝度領域については、投写型映像表示装置100から最終的に出力される光量の傾きがオリジナル光量の傾きよりも小さい。すなわち、高輝度の画素では、“階調つぶれ”が生じている。
【0107】
図10に示すように、目標ゲインGが目標信号値LS(目標光量L)よりも高いケースでは、図9に示すケースと比べて、オリジナル階調が保たれている輝度領域が存在していない。しかしながら、図9に示すケースと比べて、高輝度領域において、“階調つぶれ”が抑制される。
【0108】
上述したバックライト前処理部220は、映像入力信号の信号値の分布に基づいて、目標ゲインGを算出する。例えば、バックライト前処理部220は、映像入力信号に基づいて算出される輝度の分散値が大きい場合には、目標ゲインGを目標信号値LS(目標光量L)よりも大きくする。また、バックライト前処理部220は、映像入力信号に基づいて算出される輝度が低輝度領域に偏っている場合には、目標ゲインGを目標信号値LS(目標光量L)に近づける。
【0109】
(作用及び効果)
変更例2では、目標ゲインG及び目標信号値LS(目標光量L)を個別に制御することによって、バックライト制御処理に伴う“階調つぶれ”を抑制することができる。
【0110】
例えば、映像入力信号に基づいて算出される輝度の分散値が大きい場合には、目標ゲインGを目標信号値LS(目標光量L)よりも大きくすることによって、高輝度領域における“階調つぶれ”を抑制することができる。
【0111】
一方で、映像入力信号に基づいて算出される輝度が低輝度領域に偏っている場合には、目標ゲインGを目標信号値LS(目標光量L)に近づけることによって、低輝度領域において、オリジナル階調を維持することができる。
【0112】
[変更例3]
以下において、第1実施形態の変更例3について説明する。以下においては、第1実施形態との相違点について主として説明する。
【0113】
第1実施形態では、時定数τは、加重平均彩度に基づいて設定される。これに対して、変更例3では、時定数τとして固定値が予め定められている。
【0114】
具体的には、上述したバックライト前処理部220は、映像入力信号の信号値に基づいて算出された彩度が所定彩度よりも高い場合に、時定数τとして固定値を設定する。一方で、バックライト前処理部220は、映像入力信号の信号値に基づいて算出された彩度が所定彩度よりも低い場合に、時定数τとして固定値よりも大きな値を設定する。
【0115】
(作用及び効果)
変更例3では、目標光量Lの算出において、目標光量Lの上限値を定める時定数τが用いられる。従って、“ちらつき”が抑制される。また、映像入力信号に基づいて算出された彩度が所定閾値よりも低い場合に、時定数τとして固定値よりも大きな値が設定される。従って、各光源ユニット10から出射される光量のずれが抑制され、“色ずれ”が抑制される。
【0116】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0117】
例えば、光変調素子の一例として、透過型の液晶パネル60について説明したが、光変調素子は、これに限定されるものではない。光変調素子は、反射型の液晶パネルやDMD(Digital Micromirror Device)であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る時定数τを示す図である。
【図4】第1実施形態に係る光源制御処理を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る信号制御処理を示す図である。
【図6】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示すフロー図である。
【図7】比較例と実施例との比較結果を示す図である。
【図8】変更例1に係る時定数τを示す図である。
【図9】変更例2に係る目標ゲインGの制御について説明するための図である。
【図10】変更例2に係る目標ゲインGの制御について説明するための図である。
【符号の説明】
【0119】
10・・・光源ユニット、11・・・固体光源、20・・・温度調節ユニット、21・・・温度調節部、30・・・シリンドリカルレンズ、40・・・フライアイレンズユニット、50・・・コンデンサレンズ群、60・・・液晶パネル、70・・・クロスダイクロイックミラー、80・・・投写光学系、100・・・投写型映像表示装置、200・・・制御ユニット、210・・・映像信号受付部、220・・・バックライト前処理部、230・・・光源制御部、240・・・素子制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数色の固体光源と、フレームを構成する複数の画素毎に設けられる複数色の映像入力信号に基づいて、前記複数色の固体光源から出射された光を変調する光変調素子とを備えた映像表示装置であって、
前記複数色の固体光源から出射される光量を個別に制御する光源制御部と、
前記複数色の映像入力信号の信号値を個別に制御する素子制御部と、
前記複数色の映像入力信号の信号値に基づいて、前記複数色の固体光源毎に目標光量を算出するバックライト前処理部とを備え、
前記光源制御部は、前記複数色の固体光源毎に算出された前記目標光量及び時定数に基づいて、前記複数色の固体光源から出射される光量を個別に制御し、
前記時定数は、フレーム間において前記複数色の固体光源から出射される光量の変化量の上限値を定める値であり、
前記バックライト前処理部は、前記複数色の映像入力信号の信号値に基づいて彩度を算出して、前記彩度が低いほど、前記時定数として大きな値を設定することを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
前記バックライト前処理部は、前記複数色の映像入力信号の信号値に基づいて明度を算出し、前記明度によって前記彩度を重み付けした重付彩度が低いほど、前記時定数として大きな値を設定することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記バックライト前処理部は、フレーム間において前記複数色の映像入力信号の信号値の差分であるフレーム間差分を算出し、前記フレーム間差分に基づいて前記時定数を算出することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項4】
前記バックライト前処理部は、前記複数色の映像入力信号の信号値の分布に基づいて、前記複数色の映像入力信号毎に目標ゲインを算出し、
前記素子制御部は、前記目標ゲインに基づいて、前記複数色の映像入力信号を個別に制御することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
【請求項5】
複数色の固体光源と、フレームを構成する複数の画素毎に設けられる複数色の映像入力信号に基づいて、前記複数色の固体光源から出射された光を変調する光変調素子とを備えた映像表示装置であって、
前記複数色の固体光源から出射される光量を個別に制御する光源制御部と、
前記複数色の映像入力信号の信号値を個別に制御する素子制御部と、
前記複数色の映像入力信号の信号値に基づいて、前記複数色の固体光源毎に目標光量を算出するバックライト前処理部とを備え、
前記光源制御部は、前記複数色の固体光源毎に算出された前記目標光量及び時定数に基づいて、前記複数色の固体光源から出射される光量を個別に制御し、
前記時定数は、フレーム間において前記複数色の固体光源から出射される光量の変化量の上限値を定める値であり、
前記バックライト前処理部は、前記複数色の映像入力信号の信号値に基づいて彩度を算出して、前記彩度が所定彩度よりも高い場合に、前記時定数として予め定められた固定値を設定し、前記彩度が所定彩度よりも低い場合に、前記時定数として前記固定値よりも大きな値を設定することを特徴とする映像表示装置。
【請求項6】
複数色の固体光源と、フレームを構成する複数の画素毎に設けられる複数色の映像入力信号に基づいて、前記複数色の固体光源から出射された光を変調する光変調素子と、前記光変調素子から出射された光を投射する投写光学系とを備えた投写型映像表示装置であって、
前記複数色の固体光源から出射される光量を個別に制御する光源制御部と、
前記複数色の映像入力信号の信号値を個別に制御する素子制御部と、
前記複数色の映像入力信号の信号値に基づいて、前記複数色の固体光源毎に目標光量を算出するバックライト前処理部とを備え、
前記光源制御部は、前記複数色の固体光源毎に算出された前記目標光量及び時定数に基づいて、前記複数色の固体光源から出射される光量を個別に制御し、
前記時定数は、フレーム間において前記複数色の固体光源から出射される光量の変化量の上限値を定める値であり、
前記バックライト前処理部は、前記複数色の映像入力信号の信号値に基づいて彩度を算出して、前記彩度が低いほど、前記時定数として大きな値を設定することを特徴とする投写型映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−156834(P2010−156834A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334999(P2008−334999)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】