説明

映像記録装置、映像再生装置、映像記録方法および映像再生方法

【課題】異なる機器間で映像データをコピーする場合の利便性を高める。
【解決手段】
映像データと映像データの記録フォーマット固有の固有再生制御情報とを含む映像情報を入力する通信部と、映像データの記録フォーマットを判別する記録フォーマット判別部と、判別した記録フォーマットに基づいて固有再生制御情報を読み出し、読み出した固有再生制御情報を記録フォーマットに依存しない汎用フォーマットに変換した共通再生制御情報を生成する共通再生制御情報処理部と、固有再生制御情報の同一性を検証するための検査情報を生成し、共通再生制御情報に付加する検査情報生成・検証部と、映像情報と、検査情報が付加された共通再生制御情報とを記録媒体に記録するディスク管理部とを備えた映像記録装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像記録装置、映像再生装置、映像記録方法および映像再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、バックアップやダビングのために異なる機器間で映像データをコピーすることが広く行なわれている。現在、映像データの記録フォーマットは多岐に渡り、記録メディア等に応じて種々の方式が用いられている。例えば、小型のビデオカメラでは、DVDビデオカメラ、SDビデオカメラ、DVビデオカメラ、BDビデオカメラ等のそれぞれ異なる方式の機器が商品化されている。
【0003】
また、同じ記録メディアであっても、異なる規格の記録フォーマットが用いられることも多い。例えば、記録メディアとしてDVDを用いる機器であっても、機器によってDVD−ROMフォーマット、DVD−VRフォーマット等が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−334561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、映像データには、映像データを再生するための記録フォーマット固有の固有再生制御情報が付随している。このため、映像データのコピーを行なう場合には、映像データに加えて再生制御情報も合わせてコピーする必要がある。
【0006】
しかしながら、異なる機器間で映像データをコピーする場合、記録フォーマットが異なっていると、映像データと再生制御情報とをそのままコピーしただけではコピー先で再生することができない。
【0007】
このため、規格の異なる機器間でコピーを行なう場合には、映像データと固有再生制御情報全体をコピー先の記録フォーマットに変換した上でコピーを行なわなければならず、手間と時間がかかってしまうことになる。特に、記録フォーマットは記録メディアに依存することが多いため、異なる記録メディア間でコピーを行なう場合にこの問題は顕著である。また、このとき、コピー先には記録フォーマット変換後の映像データが記録されるため、元の記録フォーマットのデータはバックアップされないことになってしまう。さらに記録フォーマットの規格毎に固有再生制御情報が異なるため、コピー後の映像データの再生の際の操作感も異なってしまうという問題がある。また、コピー先で映像データに編集が加えられた場合も、編集後の映像データを用いて適切に再生を行なう必要もある。そこで、本発明は、異なる機器間で映像データをコピーする場合の利便性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様である映像記録装置は、映像データと前記映像データの記録フォーマット固有の固有再生制御情報とを含む映像情報を入力する映像情報入力手段と、前記映像データの記録フォーマットを判別する記録フォーマット判別手段と、判別した前記記録フォーマットに基づいて前記固有再生制御情報を読み出し、読み出した前記固有再生制御情報を前記記録フォーマットに依存しない汎用フォーマットに変換した共通再生制御情報を生成する共通再生制御情報生成手段と、前記固有再生制御情報の同一性を検証するための検査情報を生成し、前記共通再生制御情報に付加する検証手段と、前記映像情報と、前記検査情報が付加された前記共通再生制御情報とを記録媒体に記録する記録手段とを備える。
【0009】
ここで、前記検証手段は、前記固有再生制御情報のハッシュ値を前記検査情報とすることができる。
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の第2の態様である映像再生装置は、映像データと前記映像データの記録フォーマット固有の固有再生制御情報とを含む映像情報と、前記固有再生制御情報が前記記録フォーマットに依存しない汎用フォーマットに変換された情報であって、前記固有再生制御情報の同一性を検証するための検査情報が付加された共通再生制御情報とが記録された記録媒体から前記共通再生制御情報を読み出す読出手段と、読み出された前記共通再生制御情報に付加された前記検査情報に基づいて、前記固有再生制御情報の検証を行なう検証手段と、前記固有再生制御情報が検証された場合に、読み出された前記共通再生制御情報に従って、前記映像データの再生処理を行なう再生処理手段とを備える。
【0011】
ここで、前記検証手段は、前記共通再生制御情報に付加された検査情報と、前記映像情報に含まれる個別再生制御方法から得られる検査情報とを比較することにより前記固有再生制御情報の検証を行なうことができる。
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の第3の態様である映像記録方法は、映像データと前記映像データの記録フォーマット固有の固有再生制御情報とを含む映像情報を入力するステップと、前記映像データの記録フォーマットを判別するステップと、判別した前記記録フォーマットに基づいて前記固有再生制御情報を読み出し、読み出した前記固有再生制御情報を前記記録フォーマットに依存しない汎用フォーマットに変換した共通再生制御情報を生成するステップと、前記固有再生制御情報の同一性を検証するための検査情報を生成し、前記共通再生制御情報に付加するステップと、前記映像情報と、前記検査情報が付加された前記共通再生制御情報とを記録媒体に記録するステップとを備える。
【0013】
上記課題を解決するため、本発明の第4の態様である映像再生方法は、映像データと前記映像データの記録フォーマット固有の固有再生制御情報とを含む映像情報と、前記固有再生制御情報が前記記録フォーマットに依存しない汎用フォーマットに変換された情報であって、前記固有再生制御情報の同一性を検証するための検査情報が付加された共通再生制御情報とが記録された記録媒体から前記共通再生制御情報を読み出すステップと、読み出された前記共通再生制御情報に付加された前記検査情報に基づいて、前記固有再生制御情報の検証を行なうステップと、前記固有再生制御情報が検証された場合に、読み出された前記共通再生制御情報に従って、前記映像データの再生処理を行なうステップとを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、異なる機器間で映像データをコピーする場合の利便性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る映像記録再生システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】メディア記録再生装置およびデジタルビデオカメラの機能構成を示すブロック図である。
【図3】検査情報生成・検証部の構成を示すブロック図である。
【図4】メディア記録再生装置がデジタルビデオカメラに装填されたDVDディスクに記録された映像情報を、HDDにコピーする処理について説明するフローチャートである。
【図5】DVD−VR規格に基づくDVDディスクのディレクトリ/ファイル構造を示す図である。
【図6】共通再生制御情報処理部が行なう共通再生制御情報付加処理について説明するフローチャートである。
【図7】共通再生制御情報処理部の解析結果概要の一例を示す図である。
【図8】生成された共通再生制御情報の一例を示す図である。
【図9】付加される検査情報の一例を示す図である。
【図10】映像情報のコピー処理が終了した状態におけるHDDのディレクトリ/ファイル構造を示す図である。
【図11】メディア記録再生装置における、HDDに格納された映像情報の再生について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る映像記録再生システムの構成を模式的に示す図である。本図に示すように、映像記録再生システム1は、ディスプレイ装置60に接続されたメディア記録再生装置10と、デジタルビデオカメラ20とを備えて構成される。メディア記録再生装置10とデジタルビデオカメラ20とは、所定の通信規格、例えば、USBで通信を行なうことができる。この場合、USBケーブル40を介して両者を接続することで、映像データ、制御用データ等の伝送が可能となる。なお、映像データには、音声情報、その他の情報も含まれるものとする。
【0017】
デジタルビデオカメラ20は、可搬型あるいは固定式の記録メディアを備えており、記録メディアに対応した所定の記録フォーマットで映像データを記録する。映像データには、映像データを再生するために必要な情報であって、その映像データの記録フォーマット固有の固有再生制御情報(ナビゲーション情報)が付随しており、以下では、これらをまとめて映像情報と称する。本実施形態では、例えば、記録メディアはHDDであり、記録フォーマットはDVD−VRであるとする。もちろん、この記録メディアや記録フォーマットは一例であり、HDD、DVD−VRに限定されるものではなく、メモリやAVCHD等でももちろんよい。
【0018】
メディア記録再生装置10は、可搬型の記録メディアを備えており、記録メディアに映像情報を記録するとともに、記録した映像情報を再生することができる。本実施形態では、メディア記録再生装置10の記録メディアは、例えば、DVDであるとするが、これに限定されるものではなく、メモリであったりBD等であってもよい。また、メディア記録再生装置10は、デジタルビデオカメラ20に備えられたHDDに記録されている映像情報をDVDにコピーやムーブする機能を備えている。なお、以下の説明では、コピーで説明する。この際に、HDDに記録されている映像情報をDVDにそのままコピーした後、映像情報に含まれている映像データを、記録フォーマットに依存されず汎用的に再生するための再生制御情報である後述の共通再生制御情報を付加する。
【0019】
図2は、USBケーブル40を介して接続されたメディア記録再生装置10およびデジタルビデオカメラ20の機能構成を示すブロック図である。本図に示すようにメディア記録再生装置10は、通信部110、制御部120、操作受付部130、ディスク管理部140、DVD145、再生処理部150、画像処理部160、画像出力部170、記録フォーマット判別部180、共通再生制御情報処理部190、検査情報生成・検証部195を備えている。なお、ハードディスク、SDカード等の記録メディアのドライブ機能を備えるようにしてもよい。
【0020】
通信部110は、USBケーブル40を介して、デジタルビデオカメラ20と通信を行ない、制御用データを送信したり、映像情報を受信したりする。制御部120は、メディア記録再生装置10における各種処理を統括的に制御する機能部であり、例えば、ユーザに情報を提示して操作を受け付けるための各種メニュー画面やプレイリスト表示画面等の作成処理を行なう。
【0021】
操作受付部130は、メディア記録再生装置10に設けられた操作ボタン等を介してユーザからの操作を受け付ける。操作受付部130がユーザから受け付ける操作は、例えば、接続されたデジタルビデオカメラ20からの映像データのコピー指示、DVD145に格納された映像データやプレイリストの再生指示、メニュー選択操作等である。
【0022】
ディスク管理部140は、DVD145に対するデータの読み書きを制御する。再生処理部150は、DVD145に記録された映像データの再生処理を行なう。具体的には、映像データに付帯する再生制御情報を参照して、映像データのデコード、シーク等の処理を行なう。画像処理部160は、映像データから得られた画像に基づいて、所定の解像度の静止画像を生成する処理を行なう。
【0023】
画像出力部170は、ディスプレイ装置60と接続され、再生処理部150により再生される映像や、制御部120により生成されるメニュー画面、プレイリスト表示画面等をディスプレイ装置60に出力するための処理を行なう。
【0024】
記録フォーマット判別部180は、デジタルビデオカメラ20からコピーする映像情報の記録フォーマットを判別する処理を行なう。映像情報の記録フォーマットは、例えば、映像情報が格納されているディレクトリ構造を調べたり、所定のファイルの有無、名称、内容等を調べることで判別することができる。記録フォーマット判別部180にはあらかじめ複数の記録フォーマット、例えば、DVD−VR規格、BD−RE規格、SDビデオ規格、AVCHD規格等に関する情報を登録しておき、複数の記録フォーマットに対応できるようにしておく。これらの記録フォーマットは、いずれもMPEG−2、MPEG−4/AVC等の所定の方式で圧縮された映像データを扱うことができる。
【0025】
共通再生制御情報処理部190は、映像情報に含まれる固有再生制御情報に基づいて、汎用フォーマットの共通再生制御情報を生成する。ここで、共通再生制御情報は、記録フォーマット毎に異なる固有再生制御情報を、記録フォーマットに依存しないよう例えばXMLフォーマット等の汎用フォーマットに変換した再生制御情報である。汎用フォーマットの共通再生制御情報を用いて映像データの再生を行なうことで、映像データの記録フォーマットにかかわらず、共通の圧縮方式を用いた映像データを汎用的に再生できるようになる。このため、共通再生制御情報処理部190は、記録フォーマット判別部180が判別可能な記録フォーマットについて、それぞれの固有再生制御情報の内容を解釈できるようにしておく。共通再生制御情報を生成する処理の詳細については後述する。また、共通再生制御情報処理部190は、共通再生制御情報を生成する際に、再生制御情報にサムネイル等の代表画像情報が含まれている場合には、代表画像を共通再生制御情報に関連付ける処理を行なうようにしてもよい。
【0026】
検査情報生成・検証部195は、DVD145に格納された映像情報に含まれる固有再生制御情報に基づく検査情報を生成して、共通再生制御情報に記録する処理と、共通再生制御情報に記録された検査情報を用いて固有再生制御情報に変化がないことを検証する処理とを行なう。すなわち、DVD145に格納された映像情報がユーザによって編集されると、固有再生制御情報に変化が生じる。DVD145に記録された共通再生制御情報が編集前の固有再生制御情報に基づくものであると、共通再生制御情報を用いた再生を行なう際に不具合が生じるおそれがある。このため、本実施形態では、DVD145に格納された映像情報の再生の際に、検査情報生成・検証部195が固有再生制御情報に変化がないことを検証するようにしている。
【0027】
図3は、検査情報生成・検証部195の構成例を示すブロック図である。本図の例では、検査情報として固有再生制御情報のハッシュ値を用いるようにしている。このため、検査情報生成・検証部195はハッシュ値生成器195aと、比較器195bとを備えている。ハッシュ値の算出は、MD5、SHA−1等の広く知られた手法を用いることができる。検査情報の生成の際は、ハッシュ値生成器195aを用いて固有再生制御情報のハッシュ値を生成する。検証の際には、ハッシュ値生成器195aを用いて生成した最新の固有再生制御情報のハッシュ値と、共通再生制御情報を生成した時点で生成した検査情報のハッシュ値と比較器195bで比較する。なお、検査情報は、ハッシュ値に限らず、他の情報を用いるようにしてもよい。
【0028】
図2に戻り、デジタルビデオカメラ20は、撮影部210、記録再生部220、通信部230を備え、内部に装填されたHDD30に映像情報を記録する。本実施形態ではDVD−VR規格で映像情報を記録するものとする。もちろん、HDD、DVD−VR規格には限られない。
【0029】
撮影部210は、レンズ、撮像素子等の撮影機構を備え、光学情報を電子情報化した映像データを出力する。記録再生部220は、撮影部210から入力した映像データをDVD−VR規格にしたがって、HDD30に記録する処理を行なう。通信部230は、USBケーブル40を介して、メディア記録再生装置10と通信を行ない、HDD30に記録された映像情報を送信したり、制御用データを受信したりする。
【0030】
次に、メディア記録再生装置10が、デジタルビデオカメラ20に装填されたHDD30に記録された映像情報を、DVD145にコピーする処理について図4のフローチャートを参照して説明する。一般に、映像情報は、映像データと、映像データを再生する際の制御情報が記録された記録フォーマット固有の固有再生制御情報とを含んでいる。映像データはMPEG−2等の所定の符号化方式で圧縮されており、1または複数のファイルとして所定のディレクトリに格納されている。また、再生制御情報も記録する制御情報等に応じて1または複数のファイルとして所定のディレクトリに格納されている。
【0031】
メディア記録再生装置10にデジタルビデオカメラ20がUSBケーブル40によって接続されると、USBのプロトコルにしたがって通信を開始する。メディア記録再生装置10の記録フォーマット判別部180は、デジタルビデオカメラ20に装填されているHDD30のディレクトリ/ファイル構造を取得することでHDD30に記録されている映像情報の記録フォーマットの判別を行なう(S101)。ここで、記録フォーマットの判別は、HDD30のディレクトリ/ファイル構造を調べたり、所定のファイルの有無、名称、内容等の記録フォーマット固有の構造や情報を調べることで行なう。
【0032】
本実施形態では、HDD30の映像情報はDVD−VR規格の記録フォーマットで記録されているものとしているので、DVD−VR規格の記録フォーマットの概要について説明する。図5は、DVD−VR規格に基づくDVDディスクのディレクトリ/ファイル構造を示す図である。本図に示すように、DVD−VR規格は、ルートディレクトリに「DVD_RTAV」ディレクトリが作成され、「DVD_RTAV」ディレクトリ内には、少なくとも2つのファイルが配置されることになっている。そのうちの1つの「VR_MOVIE.VRO」は、デジタルビデオカメラ20によって撮影された音声/映像をMPEG方式に従って符号化した映像データを格納しているファイルである。もう1つの「VR_MANGER.IFO」は、「VR_MOVIE.VRO」の内容を再生するための固有再生制御情報を含むファイルであり、ナビゲーション情報ファイルとも呼ばれる。
【0033】
したがって、記録フォーマット判別部180は、HDD30のルートディレクトリに「DVD_RTAV」ディレクトリが作成され、「VR_MOVIE.VRO」ファイルと「VR_MANGER.IFO」ファイルとが配置されていることを検出することで、HDD30に記録された映像情報の記録フォーマットがDVD−VR規格であると判別することができる。記録フォーマット判別部180は、同様に、AVCHD規格、SD−VIDEO規格等に固有のディレクトリ/ファイル構造を検出することで、それぞれの記録フォーマットを判別することができる。
【0034】
DVD−VR規格における固有再生制御情報である「VR_MANGER.IFO」は、DVD−VR規格で定められた記録フォーマットにしたがって記述されている。「VR_MANGER.IFO」に記述される内容は多岐にわたるが、代表的には「メディア全体情報」「ストリーム情報」「プレイリスト情報」「タイムマップ情報」「代表画像情報」が含まれる。
【0035】
「メディア全体情報」は、記録メディア内に記録されている映像データと関連する各種情報全体とを管理する情報である。
【0036】
「ストリーム情報」は、映像の符号化方式、解像度、フレームレート、音声の符号化方式、チャンネル数、標本化周波数等の映像データの復号に際して用いられる情報である。
【0037】
「プレイリスト情報」は、映像データを分割したシーン(チャプタ)を任意の順番で再生するための情報である。シーンはスタート時間とエンド時間とを保持するセル情報として表現され、プレイリスト情報は1つ以上のセル情報を連ねて構成されている。なお、様々なシーンの組み合わせ再生を可能とするために、複数のプレイリスト情報が記録可能となっている。
【0038】
「タイムマップ情報」は、映像の経過時間と、これに対応する映像データの記録位置を表形式で記録した情報である。一般に、MPEG準拠の映像符号化においては、映像データの複雑さにしたがって動的に符号量を割り当てる方式が採用されている。この場合、映像データの経過時間と符号量は線形な関係にない。したがってセル情報のスタート時間を与えられても対応する映像データの記録位置を決定し、再生のためのアクセスを高速に実施することは困難である。この問題を解消するために、タイムマップ情報が記録される。タイムマップ情報を参照することで、セル情報のスタート時間、あるいはエンド時間から、正確な映像データの位置へ高速にアクセスすることが可能となる。
【0039】
「代表画像情報」は、映像データあるいはシーン等をユーザが識別しやすいように、映像データあるいはシーン等を代表する画像、いわゆるサムネイル画像を表示するための情報である。代表画像情報は映像データの特定の時間情報を記録しており、メディア記録再生装置10の画像処理部160は代表画像情報を参照することで、映像データから静止画を生成する。この静止画は代表画像として、映像情報選択、プレイリスト選択、シーン選択等のメニュー画面で利用することができる。
【0040】
図4に示したフローチャートの説明に戻り、記録フォーマット判別部180はHDD30に記録されている映像情報の記録フォーマットを判別した結果、判別できなかったり、対応可能な記録フォーマットでなかった場合(S102:No)は、S103以降の処理は行なわない。一方、対応可能な記録フォーマットであった場合(S102:Yes)は、以下の映像情報のコピー処理を行なう。なお、映像情報のコピー処理は、例えば、ユーザからの開始指示を受け付けてから開始するようにする。
【0041】
映像情報のコピー処理では、制御部120が、ディスク管理部140に対して、DVD145にHDD30と同一のディレクトリ構成を構築するように指示し、ディスク管理部140がDVD145にHDD30と同一のディレクトリを作成する(S103)。
【0042】
続いて、制御部120が、ディスク管理部140に対して、HDD30に格納されているファイルをDVD145にコピーするように指示し、ディスク管理部140が実行する(S104)。この結果、DVD145には、HDD30の内容がコピーされ、HDD30と同一のディレクトリ/ファイル構造となる。
【0043】
そして、制御部120は、共通再生制御情報処理部190に対して、DVD145にコピーした映像情報に共通再生制御情報を付加するように指示し、共通再生制御情報処理部190が共通再生制御情報付加処理を行なう(S105)。
【0044】
図6は、共通再生制御情報処理部190が行なう共通再生制御情報付加処理を示すフローチャートである。共通再生制御情報処理部190は、記録フォーマット判別部180が判別した記録フォーマットに応じて、DVD145から固有再生制御情報を取得する(S201)。本実施形態のように、判別された記録フォーマットがDVD−VR規格であれば、「DVD_RTAV」ディレクトリの「VR_MANGER.IFO」ファイルを参照すればよい。
【0045】
そして、共通再生制御情報処理部190は、取得した固有再生制御情報の解析を行なう(S202)。一般に、固有再生制御情報の内容は、記録フォーマット毎に独自に定められたシンタックスに則って記述されたバイナリデータである。共通再生制御情報処理部190は、あらかじめ、これらのシンタックスを解釈できるようにしておく。
【0046】
図7は、共通再生制御情報処理部190の解析結果概要の一例を示す図である。本図に示すように、解析結果には、ストリーム情報601、タイムマップ情報602、プレイリスト情報603が含まれている。なお、タイムマップ情報602は、ストリーム情報601に含まれている。
【0047】
プレイリスト情報603は、撮影されたすべての映像の再生を管理する実プレイリストと、ユーザが好みのシーンだけを選んで再生させるべく追加で作成したユーザプレイリストに区分される。各プレイリストは1以上のセル情報を含み、それぞれがシーンに対応している。各セル情報はエントリーポイント(EP)の情報を含み、時間と名前を結びつけ、名前からエントリーポイントを選択し、頭出し再生が可能となっている。代表画像のポイント、ストリーム期間、セル期間、エントリーポイントはすべてMPEG規格等で定められたPTS(プレゼンテーションタイムスタンプ)等により、例えば、90kHzのクロック値で記述されている。
【0048】
また、解析結果先頭部分のディスク情報とプレイリスト情報603には、代表画像情報604a、604b、604cが含まれる。これは、元の固有再生制御情報に代表画像情報が含まれているためである。
【0049】
このように元の固有再生制御情報に代表画像情報が含まれている場合には(S203:Yes)、共通再生制御情報処理部190は、代表画像に対応した処理を行なう(S204)。ここで、代表画像に対応した処理について説明する。上述のように代表画像は、映像情報、各プレイリスト、シーン(チャプタ)等に含まれる映像の特定の点を、ユーザが識別しやすくするためにサムネイル形式で表示する、比較的低解像度の静止画である。
【0050】
映像情報の記録フォーマットによっては、代表画像情報として時間情報のみを保持し、画像情報を持たないものがある。このような記録フォーマットでは、メニュー画面における代表画像の表示に際して、時間情報に基づいて映像データを検索し、対応する静止画を生成するようにしてもよい。静止画の生成には、映像データのデコード、必要に応じた解像度変更等が必要となるため、再生用のメニュー画面に多数の代表画像を表示する場合、表示完了までに時間がかかる。
【0051】
そこで、本実施形態のメディア記録再生装置10では、固有再生制御情報に代表画像情報が含まれている場合には、その固有再生制御情報に基づいて共通再生制御情報を生成する過程で、規定の解像度の代表画像を作成し、DVD145に格納するとともに、共通再生制御情報にリンク情報を含めるようにする。これにより、再生用のメニュー表示のたびに代表画像を生成する必要が無くなり、表示完了までの時間を早めることができる。
【0052】
具体的には、再生成制御情報に代表画像情報が含まれている場合には、そのエントリーポイントと時間情報を用いて、対応する映像データをDVD145から検索する。そして、再生処理部が150検索された映像データをデコードして数フレーム分の画像データを生成する。次いで、画像処理部160が、時間情報に対応する画像データを選択し、規定の解像度に変換するとともに、JPEG等の所定の静止画圧縮方式に従って処理を行なうことで代表画像が生成される。
【0053】
1つのプレイリストに複数の代表画像情報が含まれている場合には、上記の処理を繰り返す。本実施形態においては、画像処理部160は、生成された代表画像に番号付けを行ない、代表画像が連続した1つの代表画像ファイルにまとめて管理するものとする。代表画像ファイルは、後述するように、所定のファイル名を付してDVD145の所定のディレクトリに記録する。
【0054】
共通再生制御情報処理部190は、固有再生制御情報の解析を終了すると、解析結果に基づいて共通再生制御情報を生成する(S205)。本実施形態では、共通再生制御情報は、汎用性を持たせるため汎用フォーマットである例えばXMLフォーマットのテキストファイルで作成する。もちろん、汎用フォーマットであれば、XMLフォーマットに限定されるものではない。この際に、あらかじめ定めたXMLフォーマットのシンタックス等にしたがって、解析結果の情報要素を、意味合いを失わせること無く変換できるようにする。このため、対応する記録フォーマットで示される情報の最大公約数的な情報を表現できるようなシンタックスを定めるようにすることができる。あるいは、対応する記録フォーマットで示される情報を網羅するようなシンタックスを定めるようにしてもよい。
【0055】
共通再生制御情報で用いるシンタックスでは、例えば、各記録フォーマットで個別に定義されている呼称を統一した呼称に対応付けたり、各記録フォーマットで定義されているパラメータのうち、同一の意味を有するものを共通化したり、ある記録フォーマット固有のパラメータに対応するパラメータを定義したりすることができる。また、映像データへの参照を容易にするため、解析結果中の時間を表す情報はビデオフレーム数に統一して表現することが望ましい。
【0056】
本実施形態では、汎用フォーマットのXMLフォーマットのテキストファイルで共通再生制御情報を作成するようにしているため、意味付けされたタグの中に値を記すことができ、直感的に理解しやすいという利点がある。また、タグを定義することにより各記録フォーマットの種々の項目に容易に対応できるという利点もある。
【0057】
ここで、一例として、本実施形態の共通再生制御情報で用いるプレイリストに関するシンタックスについて説明する。本実施形態では、プレイリストを実プレイリストとユーザプレイリストの2種類に分類する。実プレイリストはコンテンツ記録時に映像データファイルと同時作成されるプレイリストで、コンテンツに密接したプレイリストである。ユーザプレイリストはユーザの編集操作によって作成されるプレイリストである。
【0058】
本実施形態で一例として挙げているDVD−VR規格に限らず、呼称は異なるものの、BD等の他の規格でも2種類のプレイリストと同義の構造が定義されている。このため、各規格で対応するプレイリスト定義を以下に説明するプレイリストとユーザプレイリストの定義に対応させるものとする。
【0059】
次に、各規格のプレイリスト内で定義されているシンタックス表現をXMLフォーマットにて表現される共通再生制御情報の要素として定義する。例えば、プレイリストの名前等は規格毎に表記が異なっても、同じ意味を表すシンタックス表現が備えられている。そこで、プレイリストの名前に相当するシンタックス表現をplayListName要素として統合して記述するものとする。
【0060】
こうしてXMLフォーマットで表現された要素に対する記述規則は、XML記述では一般的なDTD(Document Type Definition)やXML Schemaで定義するものとする。例えば、上記のplayListName要素に対して文字列とし、最大255文字までとする等の条件を定義してもよい。
【0061】
図8は、実プレイリスト情報に関連する共通再生制御情報の一例を示す図である。本例では、プレイリストのセル情報は、playItem要素701として記述され、代表画像情報702a、702bおよびエントリーポイント情報702c、702dは、mark要素702へ統合され記述されている。
【0062】
本実施形態では映像情報全体に関連する共通再生制御情報は、記録フォーマットに依存しない汎用フォーマットの例えばXMLフォーマットで記述された「general.xfun」ファイルとして記録し、実プレイリストに関連する共通再生制御情報も記録フォーマットに依存しない汎用フォーマットの例えばXMLフォーマットで記述された「r00001.xfun」ファイルとして記録し、ユーザプレイリストに関連する共通再生制御情報はXMLフォーマットで記述された「v00002.xfun」ファイルとして記録するものとする。「general.xfun」ファイルに記録される情報は、「メディア全体情報」に対応する。
【0063】
また、実プレイリストに関連する代表画像ファイルは「r00001.thbf」として記録し、ユーザプレイリストに関連する代表画像ファイルは「r00002.thbf」として記録するものとする。これらの代表画像ファイルの個別の代表画像への参照情報は、代表画像情報702a、702bとして、thumbnailIndex要素における番号で示される。
【0064】
図8に示すように、playListMark要素702は、複数のmark要素を含み、mark要素はtype要素、refToPlayItem要素、markTime要素、thumbnailIndex要素を含んでいる。
【0065】
type要素は、そのmark要素がプレイリストの代表画像を表わすものであるか、DVD−VR規格のエントリーポイント(EP)等で表わされるような、チャプタ情報かであるか等の種別情報である。このような種別情報を持たせることによって、playListMark要素702内で代表画像情報を統一的に管理できるようになる。
【0066】
refToPlayItem要素、markTime要素は代表画像作成の基となった、プレイリスト内でのポイントを示す。thumbnailIndex要素は上述のように、代表画像ファイル中の個別の代表画像への参照情報である。代表画像は、共通再生制御情報を生成する際に生成されているため、表示の際に映像データを検索する必要がなく、表示されるまでの時間を短縮することができる。
【0067】
図6に戻り、検査情報生成・検証部195が、検査情報の生成・付加を行なう(S206)。検査情報の生成は、DVD145に記録した固有再生制御情報の検査情報を算出する。本実施形態では、「VR_MANGER.IFO」のハッシュ値を算出する。そして、算出された検査情報を共通再生制御情報に付加する。図9は、共通再生制御情報に付加する検査情報の一例を示す図である。ハッシュ値算出法としてMD5を用いた場合には、ハッシュ値は128ビットの値となる。本例では、共通再生制御情報である「general.xfun」ファイル内で<navhash>要素901としてハッシュ値を16進数の文字列で表わしている。
【0068】
以上に示した手順にしたがって固有再生制御情報の検査情報が付加された共通再生制御情報を生成すると、制御部120は、共通再生制御情報をDVD145に格納して、映像情報のコピー処理を終了する(S207)。共通再生制御情報は、処理(S103)で作成したディレクトリに、新たに共通再生制御情報用の「UNAV」ディレクトリを作成し、格納するものとする。
【0069】
本実施形態のように元の映像情報がDVD−VR記録フォーマットの場合には、「DVD_RTAV」ディレクトリの下に「UNAV」ディレクトリを作成し、生成した共通再生制御情報、すなわち、「general.xfun」ファイル、「r00001.xfun」ファイル、「v00002.xfun」ファイル、「r00001.thbf」ファイル、「r00002.thbf」ファイルを格納して、映像情報のコピー処理を終了する。図10は、映像情報のコピー処理が終了した状態におけるDVD145のディレクトリ/ファイル構造を示している。
【0070】
このように、本実施形態によれば、コピー元の映像情報に含まれる固有再生制御情報に基づいて共通再生制御情報を作成し、映像データおよび固有再生制御情報からなる映像情報は変換することなくそのままコピーすると共に、汎用フォーマットの共通再生制御情報もコピーする。このため、記録フォーマット本実施形態によれば、共通再生制御情報を付加するだけなので、コピー元の映像情報に変化を加えることなく、そのままの形でコピーすることが可能となる。
【0071】
また、本実施形態によれば、固有再生制御情報の同一性を検証するための検査情報としてハッシュ値を生成して、共通再生制御情報に付加するようにしたので、映像データの再生の際に共通再生制御情報に付加したハッシュ値と、最新の固有再生制御情報のハッシュ値とを比較して検証することにより、固有再生制御情報の更新を検出することができる。
【0072】
次に、メディア記録再生装置10における、DVD145に格納された映像情報の再生について図11のフローチャートを参照して説明する。メディア記録再生装置10は、DVD145を参照して、映像情報のディレクトリに「UNAV」ディレクトリが生成されている場合(S301:Yes)には、以下に説明するような共通再生制御情報を用いた映像情報の再生処理を行なう。ここで、メディア記録再生装置10とデジタルビデオカメラ20との記録フォーマットが同じで、映像情報に含まれる固有再生制御情報に従って映像データを再生できる場合でも、あるいはメディア記録再生装置10とデジタルビデオカメラ20との記録フォーマットが異なる場合でも、「UNAV」ディレクトリが生成されていれば、共通再生制御情報を用いた映像情報の再生処理を行なうようにしてよい。このため、共通再生制御情報の生成は、メディア記録再生装置10とデジタルビデオカメラ20との記録フォーマットが異なる場合だけ生成しても、記録フォーマットが異なる場合だけでなく、記録フォーマットが同じ場合にも生成するようにしてよい。これに対し、映像情報のディレクトリに「UNAV」ディレクトリが生成されていない場合(S301:No)には、従来の再生処理を行なう(S310)。
【0073】
共通再生制御情報を用いた映像情報の再生処理では、まず、検査情報生成・検証部195は、固有再生制御情報の検証を行なう(S302)。固有再生制御情報の検証では、DVD145から最新の固有再生制御情報を取得して、ハッシュ値を算出する。そして、算出されたハッシュ値と、共通再生制御情報に付加されている固有再生制御情報のハッシュ値とを比較する。その結果、両者が一致する場合には検証されたものとする。一方、DVD145に共通再生制御情報を記録した後、映像データの編集を行なったり、プレイリストの編集を行なうと、固有再生制御情報の内容が更新され、両者が一致しなくなる。
【0074】
ハッシュ値が一致しなかった場合には(S303:No)、その旨を表示してユーザに警告する(S304)。さらに、更新後の固有再生制御情報の内容を共通再生制御情報に反映させるために、共通再生制御情報の再生成処理を行なう(S305)。共通再生制御情報の再生成処理は、上記の共通再生制御情報生成処理と同じ手順にしたがって行なうことができる。
【0075】
ハッシュ値が一致した場合(S303:Yes)、および、共通再生制御情報の再生成処理(S305)を行なった場合には、DVD145の「UNAV」ディレクトリに格納されている共通再生制御情報であるプレイリストファイルを読み込む(S306)。本実施形態では、XMLフォーマットで記述された「r00001.xfun」ファイル、「v00002.xfun」ファイルがプレイリストファイルに該当する。なお、映像情報の再生処理は、例えば、ユーザからのプレイリスト表示指示を受け付けてから開始するようにする。
【0076】
続いて制御部120は、プレイリストファイルに記録された情報にしたがって、プレイリストを選択するためのメニュー画面を生成し、画像出力部170を介してディスプレイ装置60に表示する(S307)。この際に、プレイリストファイルに代表画像情報が含まれる場合には、代表画像情報に応じた代表画像を含めたメニュー画面を生成する。
【0077】
具体的には、プレイリストの識別子と、代表画像情報におけるthumnailIndex要素に含まれる番号とを用いて、DVD145の「UNAV」ディレクトリに格納されている「r00001.thbf」等の代表画像ファイルから対応する代表画像を読み出すことで代表画像を取得する。そして、取得した代表画像をメニュー画面に含めるようにする。
【0078】
また、メニュー画面中のプレイリスト名は、図8に示したplayListName要素703から取得することができる。プレイリスト名および対応する代表画像を表示するレイアウトはあらかじめ定めておくようにする。
【0079】
そして、メニュー画面を介して、ユーザからプレイリストの選択を受け付けると(S308)、選択されたプレイリストの再生を実行する(S309)。プレイリストの再生は図8に示したplayList要素704に含まれる、playItem要素701に記述されたプレイアイテム情報にしたがって実行される。すなわち、refToFileName要素、inTime要素、outTime要素に含まれる情報を再生処理部150に送り出すと、再生処理部150は、DVD145にコピーされた「VR_MOVIE.VRO」ファイル等の映像データ内の対応する再生区間を読み出す。そして、順次映像データのデコードを行ない、画像出力部170を介してディスプレイ装置60に出力することで、映像情報の再生が行なわれる。
【0080】
なお、複数個の映像情報がDVD145にコピーされている場合には、プレイリストを表示する前に、各「UNAV」ディレクトリの「general.xfun」ファイルを参照することで、映像情報を選択するためのメニュー画面を生成して表示するようにしてもよい。このため「general.xfun」ファイルには、映像情報に関する情報、例えば、名称、代表画像等の情報を記録しておくようにする。このように、各映像情報の「general.xfun」ファイルに基づく映像情報選択メニュー画面を表示することで、ユーザにとって映像情報の選択を容易にすることができる。
【0081】
また、ユーザが、メニュー画面でプレイリストを選択した際に、プレイリストを構成するシーン(チャプタ)の代表画像とシーン名とをメニュー形式で表示するようにしてもよい。この場合、ユーザがメニュー画面から特定のシーンを選択すると、映像データの再生は対応するmark要素で記述されているポイントからの再生を開始するように動作する。ユーザはメニュー形式でシーンの頭出し再生が可能となるために、メディア記録再生装置10の利便性が向上する。
【0082】
このように、本実施形態のメディア記録再生装置10によれば、コピー元の記録フォーマットにかかわらず、共通再生制御情報を用いた再生処理を行なうことができる。したがって、異なる記録フォーマット間であっても統一した操作感で再生処理を行なうことができるようになり、ユーザの利便性が高まることになる。
【0083】
また、本実施形態のメディア記録再生装置10によれば、共通再生制御情報に付加されたハッシュ値と、最新の固有再生制御情報のハッシュ値とを比較して、固有再生制御情報の同一性を検証することにより、固有再生制御情報の更新を検出することができ、更新後の固有再生制御情報の内容を共通再生制御情報に反映させることができる。
【0084】
なお、上記の再生処理は、コピーを行なったメディア記録再生装置10におけるメディア再生に限られない。例えば、メディア記録再生装置10が上述の手順によってコピーしたDVDディスク等の記録メディアを、共通再生制御情報を解釈可能な他のメディア再生装置で再生する場合も図11に示した処理と同様の手順によって映像情報を再生することができる。
【0085】
なお、上記実施の形態の説明では、本発明の映像記録装置および映像再生装置をブロック図によりハードウエア的に構成して説明したが、本発明は、これに限らず、CPUがプログラムを実行することにより、本発明の映像記録装置および映像再生装置をソフトウエア的に構成するようにしてももちろんよい。
【符号の説明】
【0086】
1…映像記録再生システム、10…メディア記録再生装置、20…デジタルビデオカメラ、30…HDD、40…USBケーブル、60…ディスプレイ装置、110…通信部、120…制御部、130…操作受付部、140…ディスク管理部、145…DVD、150…再生処理部、160…画像処理部、170…画像出力部、180…記録フォーマット判別部、190…共通再生制御情報処理部、195…検査情報生成・検証部、210…撮影部、220…記録再生部、230…通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データと前記映像データの記録フォーマット固有の固有再生制御情報とを含む映像情報を入力する映像情報入力手段と、
前記映像データの記録フォーマットを判別する記録フォーマット判別手段と、
判別した前記記録フォーマットに基づいて前記固有再生制御情報を読み出し、読み出した前記固有再生制御情報を前記記録フォーマットに依存しない汎用フォーマットに変換した共通再生制御情報を生成する共通再生制御情報生成手段と、
前記固有再生制御情報の同一性を検証するための検査情報を生成し、前記共通再生制御情報に付加する検証手段と、
前記映像情報と、前記検査情報が付加された前記共通再生制御情報とを記録媒体に記録する記録手段と、
を備えたことを特徴とする映像記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の映像記録装置であって、
前記検証手段は、前記固有再生制御情報のハッシュ値を前記検査情報とすることを特徴とする映像記録装置。
【請求項3】
映像データと前記映像データの記録フォーマット固有の固有再生制御情報とを含む映像情報と、前記固有再生制御情報が前記記録フォーマットに依存しない汎用フォーマットに変換された情報であって、前記固有再生制御情報の同一性を検証するための検査情報が付加された共通再生制御情報とが記録された記録媒体から前記共通再生制御情報を読み出す読出手段と、
読み出された前記共通再生制御情報に付加された前記検査情報に基づいて、前記固有再生制御情報の検証を行なう検証手段と、
前記固有再生制御情報が検証された場合に、読み出された前記共通再生制御情報に従って、前記映像データの再生処理を行なう再生処理手段と、
を備えたことを特徴とする映像再生装置。
【請求項4】
請求項3に記載の映像再生装置であって、
前記検証手段は、前記共通再生制御情報に付加された検査情報と、前記映像情報に含まれる個別再生制御方法から得られる検査情報とを比較することにより前記固有再生制御情報の検証を行なうことを特徴とする映像再生装置。
【請求項5】
映像データと前記映像データの記録フォーマット固有の固有再生制御情報とを含む映像情報を入力するステップと、
前記映像データの記録フォーマットを判別するステップと、
判別した前記記録フォーマットに基づいて前記固有再生制御情報を読み出し、読み出した前記固有再生制御情報を前記記録フォーマットに依存しない汎用フォーマットに変換した共通再生制御情報を生成するステップと、
前記固有再生制御情報の同一性を検証するための検査情報を生成し、前記共通再生制御情報に付加するステップと、
前記映像情報と、前記検査情報が付加された前記共通再生制御情報とを記録媒体に記録するステップと、
を備えたことを特徴とする映像記録方法。
【請求項6】
映像データと前記映像データの記録フォーマット固有の固有再生制御情報とを含む映像情報と、前記固有再生制御情報が前記記録フォーマットに依存しない汎用フォーマットに変換された情報であって、前記固有再生制御情報の同一性を検証するための検査情報が付加された共通再生制御情報とが記録された記録媒体から前記共通再生制御情報を読み出すステップと、
読み出された前記共通再生制御情報に付加された前記検査情報に基づいて、前記固有再生制御情報の検証を行なうステップと、
前記固有再生制御情報が検証された場合に、読み出された前記共通再生制御情報に従って、前記映像データの再生処理を行なうステップと、
を備えたことを特徴とする映像再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−258695(P2010−258695A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−105407(P2009−105407)
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】