映像記録装置およびその映像ファイル管理方法
【課題】
録画自動延長機能をもつHDDレコーダー等において、録画自動延長によるファイル容量の効率低下防止や、延長部分の削除等のファイル管理を容易にする映像記録装置を提供する。
【解決手段】
録画する映像情報を録画予約された本編分と録画延長部に分けて、記録装置のファイルシステム管理上異なるファイルとして別に記録する。さらに、記録映像情報の識別名ごとに、本編分と録画延長部のファイルのファイル識別名とファイル削除フラグと映像情報の視聴済フラグと保存優先を示すフラグとを録画管理情報として記録し、録画管理情報を基に映像情報の視聴管理とファイル管理をおこなう。
録画自動延長機能をもつHDDレコーダー等において、録画自動延長によるファイル容量の効率低下防止や、延長部分の削除等のファイル管理を容易にする映像記録装置を提供する。
【解決手段】
録画する映像情報を録画予約された本編分と録画延長部に分けて、記録装置のファイルシステム管理上異なるファイルとして別に記録する。さらに、記録映像情報の識別名ごとに、本編分と録画延長部のファイルのファイル識別名とファイル削除フラグと映像情報の視聴済フラグと保存優先を示すフラグとを録画管理情報として記録し、録画管理情報を基に映像情報の視聴管理とファイル管理をおこなう。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TV放送等の映像情報を録画する映像記録装置に係り、特にハードディスク(以下HDD)や記録型DVD媒体や記録型CD媒体などのランダムアクセス可能な記録媒体に録画する録画制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
TVなどから配信される動画コンテンツを録画する映像記録装置には、映像を記録する記録媒体にハードディスク(以下HDD)や記録型DVD媒体や記録型CD媒体などのランダムアクセス可能な記録媒体に保存できるものがある。このような映像記録装置は、一般に、HDDレコーダーや、HDDとDVDの両方を有するハイブリットデジタルレコーダーと呼ばれている。このような映像記録装置のなかに、装置内に時計を備えて、ユーザーの時間指定により、ある録画開始時刻からある録画終了時刻まで録画をおこなう、タイマー予約録画が可能なものがある。
【0003】
このタイマー予約録画機能は、不在時に視聴する番組の録画がおこない、後日に当該番組を視聴できる便利な機能である。しかし、放送番組は急に放送時間が変更されることがある。例えば、野球中継等では、試合終了まで中継を延長し、野球番組の以降の番組の放映時間が変更されることがよくある。このように放映時間が繰り下げされた状況で、野球中継の後の番組を録画予約していた場合には、録画したい番組の放映時刻前に録画が開始され、録画したい番組の放映中に録画が終了してしまうので、番組録画が尻切れになってしまう。
【0004】
このような問題に対応するために、例えば、特許文献1に記載されている方法が考案されている。特許文献1には、予約録画処理時に予約された録画終了時刻よりも遅い時刻に録画を終了するようにして、さらに、予約された録画終了時刻から実際の録画終了までの録画にあたっては、記録媒体に記録する映像の圧縮率を高くして記録する記録制御方法が開示されている。この記録制御方法によれば、予約された録画終了時刻以降の録画延長部分は高圧縮率で記録されるので、記録媒体の容量を有効に利用できる。
【0005】
【特許文献1】特開2003-174613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に開示される従来技術では、録画延長部分は高圧縮レートで記録されているため、録画予約情報15に基づいて録画した部分(以下、本明細書では本編データと記す)とでは、MPEG等の映像圧縮の圧縮レートが異なるため、映像画質が異なる問題がある。つまり、録画延長部分(以下、本明細書では予備録画データと記す)の映像品質が、本編データの映像品質より低下する。特に、放送遅延によって予備録画データに録画予約された番組映像がまたがって録画した場合であって、DVD―RAM等のリムーバブルメディアに番組映像を退避するときに問題がある。
【0007】
また、特許文献1に開示される従来技術では、記録媒体の記憶容量を確保するために、録画予約時に予備録画データの再圧縮をおこなうので、空き容量確保に時間がかかり、録画予約操作の応答が悪いという問題がある。
【0008】
さらに、予備録画データや本編データの消去時間を特に考慮しておらず、映像ファイル管理においてファイル消去にともなう操作の応答性が悪いという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、上記問題を解決し、ファイル管理の容易な映像記録装置のファイル管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の放送番組等の映像情報を記録デバイスに記録する映像録画装置は、録画指示された映像情報の録画開始時刻と録画終了時刻を設定するタイマーと、前記タイマーに基づいて映像情報を記録デバイスに記録する映像記録制御部と、前記録画開始時刻から録画終了時刻までの映像情報を記録する第1の映像ファイルと、前記録画終了時刻以降の所定時間の映像情報を記録する第2の映像ファイルとを含み、前記第1の映像ファイルと第2の映像ファイルとが当該記録デバイスのファイル管理システムの上で異なるファイルとして管理される記録デバイスとを備えた構成とした。
【0011】
さらに、前記記録デバイスには、さらに、前記録画開始時刻以前の所定時間の映像情報を記録する第3の映像ファイルとを含み、前記第1の映像ファイルと第2の映像ファイルと第3の映像ファイルとが当該記録デバイスのファイル管理システムの上で異なるファイルとして管理されるようにした。
【0012】
また、記録する映像情報の識別名ごとに、前記第1の映像ファイルと第2の映像ファイルと第3の映像ファイルのファイル識別名と、前記映像ファイルの削除指示フラグと、当該映像情報の視聴済フラグと、当該映像情報の保存優先を示すフラグとを記録する録画管理情報記録部を備えるようにし、前記録画管理情報記録部に記録された映像管理情報を基の映像情報の視聴管理、映像ファイル管理をおこなうようにした。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、録画延長による記録媒体の容量低下を一定量にすることができとともに、容易に消去等のファイル操作をおこなえるので、映像記録装置の記録媒体の使用効率が向上する
また、映像ファイルのユーザ削除を容易におこなえるので、映像記録装置の操作性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明を用いた映像記録装置の概略構成をしめすブロック構成図である。映像記録装置13は、リモコン11の操作により、地上波放送や衛星放送の電波をアンテナ1から入力して、ディスプレイ3に放送番組の映像を表示する。さらに、映像記録装置13は、装置内部にHDDまたは書き込みが可能なDVDドライブ6を備え、前記放送番組の映像を記録する。より詳細には、アンテナ1から入力される放送波は、受信部2により受信され、映像信号処理部3によりディスプレイ3に表示される。放送番組を録画する場合には、圧縮伸張処理部4により、MPEG等の映像圧縮技術により圧縮されて、HDDやDVD―RAM等の記録型リムーバブルメディア等の記録メディア6に格納される。
【0015】
アンテナ1から入力される放送波には、放送番組の番組表(以下、本明細書ではEPGと記す)が含まれ、受信部2でEPGデータが分離されて、EPG処理部8で処理される。EPGを取り込むことにより、TV入力から受信可能な番組のタイトル、放映時間、ジャンルを映像記録装置が把握することができる。EPG処理部8は、受信したEPGデータをディスプレイ3に表示し、視聴者のリモコン11の操作に応じて放送番組の録画予約をおこなう。視聴者により指定された放送番組の録画予約情報15は、録画管理情報記憶部12に格納される。この録画管理情報記録部12には、録画予約情報15と、詳細を後述するが、記録メディア6に格納されている録画映像の管理データである映像管理情報16を格納する。なお、EPGデータは、放送波から抽出するだけでなく、インターネットを経由して、EPGデータを登録するサーバが取得してもよい。
【0016】
タイマー処理部9は、時計機能をもち、録画管理情報記録部12の録画予約情報15を参照して、設定された日時に、選定されたチャンネルの放送を受信して、録画予約された放送番組の録画をおこなう。CPU7は、上述の機能を含み、映像記録装置13の動作を制御する。
【0017】
図2は、記録メディア6に格納される録画映像データの構成をしめす図である。映像データは、図2(a)に示すように、録画予約により指定された録画開始時刻から録画終了時刻までの放送内容がMPEG等で圧縮された本編データと、録画終了時刻より所定の時間、録画予約を延長して放送内容を圧縮記録した予備録画データとで構成する。ここで、本編データと予備録画データは、記録メディア6のファイルシステムにおいてそれぞれ別のファイルとして管理される形態とする。さらに、図2(b)に示すように、上記に加えて、録画開始時刻に先立って、所定の時間、録画予約を前倒しして放送内容を圧縮記録したプレ録画データとで構成するようにしてもよい。このように、録画した録画映像データを本編データと予備録画データとで構成、あるいは、プレ録画データと本編データと予備録画データとで構成することにより、録画予約された放送予定が延長等により変更されても、録画することができる。また、それぞれを別のファイルとすることで、システムでのファイル管理が容易になるとともに、削除等の編集が容易になる。
【0018】
図2(c)は、上記本編データと予備録画データの格納位置の一例を説明する図である。図2(c)では、総容量が120Gバイトとし、先頭の10Gバイトがシステム領域300、次の100Gバイトが本編データ303、304、305を格納する為の領域301、最後の10Gバイトが本発明の予備録画データ306、307、308を格納する為の領域302としている。予備録画データを格納する領域300を固定量とすることにより、本編データを格納する容量領域に負担を掛けることがなくなり、視聴者に残記録容量を表示する際にも、本編データを格納する領域301の残容量を通知すればよく、簡易に残容量通知をおこなうことができる。プレ予備録画データを格納する領域も、同様に、別のパーティションにすることができる。
【0019】
上述では、本編データと予備録画データとプレ予備録画データをそれぞれ別のパーティションに格納する例を説明したが、ひとつのパーティションにこれらの格納してもよい。この場合には、予備録画データとプレ予備録画データの格納数の最大値を所定数としファイル管理をおこなうことで上記と同様の効果を達成できる。
【0020】
図3は、録画管理情報記録部12に格納されている映像管理情報16の一例をしめすものである。映像管理情報16には、記録メディア6に格納される録画映像情報ごとに、図3の符号17で示す複数の項目データが記録されている。録画映像情報は、録画予約され録画された放送番組だけでなく、視聴中にリモコンの録画の録画ボタンの押下により録画開始した放送番組や、本映像記録装置に接続するビデオ等の外部装置から入力した映像情報等の情報をも含む。また、映像管理情報16は、図6に示するように、視聴者に録画済み番組一覧を表示する際にも参照される。
【0021】
映像管理情報16のデータ項目は、当該録画映像情報のデータが記録されている本編データファイル名、予備録画データファイル名、プレ録画データファイル名を登録する領域をもち、さらに、これらのデータファイルの管理をおこなうための情報として、予備録画データの保存優先フラグ、本編データ削除フラグ、予備録画データ削除フラグ、プレ録画データ削除フラグをもつ。
【0022】
また、録画映像情報の概要を表す情報として、受信チャンネル、番組タイトル、番組ジャンル、番組内容の領域をもち、録画予約した録画映像情報においては、EPGデータより取得して、これらの領域に記録する。さらに、アクセス状況を示す情報として、本編データの録画開始日時と録画終了日時を記録し、プレ録画をおこなった場合には、プレ録画開始日時を記録し、予備録画をおこなった場合には、予備録画終了日時を記録する。また、視聴済フラグは、当該録画映像情報の視聴履歴をあらわす情報である。
【0023】
つぎに、予備録画データの録画条件について説明する。録画条件には、予備録画をおこなうか否かをあらわす有効/無効の設定と、予備録画データの最大保存ファイル数と、予備録画データの画質設定値を設けるようにする。特に、予備録画データの画質設定は、本編データと同一とすることが望ましい。これにより、放送番組の放送時間が予約時刻より遅延しても、本編データに設定した画質で予備録画をおこなうので、本編データと予備録画データから録画予約した放送番組を抽出することができ、DVD-RAM等の退避や編集が高画質でおこなえる。
【0024】
図4により、予備録画データの録画条件をおこなうユーザインターフェイス一例について説明する。設定された録画条件は、録画管理情報記録部12に記録するようにしてもよいし、録画予約情報15や映像管理情報16に映像情報ごとに記録するようにしてもよい。くわしくは、図4(a)は、録画予約された放送番組の番組ジャンルごとに、画質、録画時間、優先度を設定できる様にした例である。ここで、番組ジャンルはEPGデータを取得したデータを基にしている。また、図4(b)は、本データの録画時間に応じて画質、録画時間、優先度を設定できるようしている。
【0025】
ここで、上記予備録画データの最大保存ファイル数は、視聴者が予約録画する番組数により決まる。普通の視聴者であれば、予約録画した放送番組は、当日あるいは翌日に視聴することが多く、平日に予約録画機能で放送番組の撮り溜めを行い、休日に視聴するような場合でも10番組程度の予備録画データが保存できれば充分である。仮に、標準画質モードで30分の予備録画をおこなったとすると、10GB容量の予備録画データを記録する領域を固定的に確保すればよい。通常映像記録装置では、100GB以上のHDDを搭載しており、10GB容量の予備録画データを確保しても支障はない。
【0026】
また、図4の優先設定は、予備録画データを削除する際に、本設定がされていないものから削除するために参照される。
【0027】
ところで、上記例では予備録画データの録画条件について説明したが、プレ録画データの録画条件も同様に、視聴者が設定して録画管理情報記録部12に記録すればよい。
【0028】
図5は本発明の方法を用いて録画を行う場合のフローチャート図である。まずはユーザーがある開始時刻からある終了時刻までの録画予約をおこなう(ステップ50)。ユーザーが設定した録画開始時刻となると予約録画が開始される(ステップ51)。予約録画に基づき録画処理をおこない、放送番組を本編データファイルに記録する(ステップ52)、ユーザーが設定した録画終了時刻となると予約録画が終了する(ステップ53)。
【0029】
つぎに、映像記録装置は、今回予約録画した直後に別の録画予約が設定されているかどうか判断する(ステップ54)。直後に別の録画予約が入っていない場合は、次に、システム装置は図4(a)における予備録画関連の設定でユーザーが予備録画機能を有効にしているかどうか(401)を判断する(ステップ55)。予備録画機能が有効になっている場合には、今回予約録画したチャンネルと同じチャンネルの延長部分を予備録画データとして録画開始し、予備録画データファイルに記録する(ステップ56)。
【0030】
予備録画中に他の予約録画の開始時刻になっていないか監視する(ステップ57)し、他の次の予約録画の開始時刻となった場合は予備録画は中止する(ステップ58)。他の予約録画開始時刻とならなかった場合には、図4(a)の予備録画設定の録画時間(403)で設定された時間分だけ予備録画を行って終了する(ステップ59)。予備録画処理を終了すると、本編データファイル名や予備録画データフェイル名と予備録画終了日時等を録画管理情報16に記録して予約録画処理を終了する(ステップ60)。このようにして、録画予約した放送番組とそれに続く放送番組を、本編データファイルと予備録画データファイルに連続記録する。
【0031】
つぎに、予備録画した放送番組を視聴する手順を説明する。
図6に視聴者に記録メディア6に格納した録画済の映像情報を、リモコン等の操作により選択させるための表示画面の一例をしめす。図6の表示画面では、録画済みの番組名61、チャンネル番号62、録画を行った日付63、録画を行った開始時刻と終了時刻64が表示されている。この画面において、録画を行った開始時刻と終了時刻64として表示されている時刻はあくまでユーザーが予約録画設定を行った時刻、すなわち本篇データの時刻であり、予備録画データの時刻は含まないものとする。
【0032】
図6の表示画面のデータは、図3に示した映像管理情報16から、本編データ削除フラグが削除の状態にないものについて、番組タイトル、受信チャンネル、開始日時、終了日時の項目データを読み出して、適宜表示している。
【0033】
つぎに、図7により、録画済みの放送番組等の映像情報をユーザーが視聴する際の処理フローを説明する。最初に、図6に示したように視聴者に録画済み番組一覧を表示し、視聴する番組を選択する(ステップ70)。これにより、選択された録画済み番組に対応する、図3にしめした映像管理情報16のうちのひとつのデータ群を特定し、本編データフェイル名の項目に記録されたファイルを読み出し、MPEGデコードして映像再生をはじめる(ステップ71)。本編データファイルを最後まで順次読み出し、映像表示をおこなう(ステップ72)。本編データの再生が終了すると、つぎに、映像管理情報16の予備録画データファイル名を参照して、予備録画データが存在するか判定する(ステップ73)。
【0034】
予備録画データが存在しない場合には、後述する視聴終了処理(ステップ76)をおこない、視聴番組の再生を終わる。予備録画データが存在する場合には、視聴者に図8にしめすような予備録画データの再生表示をおこなうか否かの確認表示をおこなう(ステップ74)。ここで、表示する延長再生時間は、映像管理情報16の録画終了日時と予備録画終了日時から取得する。
【0035】
視聴者が、予備録画データの再生をおこなうように入力指示した場合には、映像管理情報16の予備録画ファイル名の項目に記録されたファイルを読み出して、予備録画データの再生をおこなう(ステップ75)。視聴者が、予備録画データの再生をおこなわないように入力指示した場合には、映像管理情報16の予備録画削除フラグをセットした後に、視聴終了処理(ステップ76)をおこない、視聴番組の再生を終わる。この場合は、本編データの視聴により、録画予約した放送番組の映像データが、すべて本編データファイルに記録されているのを視聴者が確認しているので、予備録画削除フラグをセットしても支障はない。
【0036】
視聴終了処理(ステップ76)では、映像管理情報16の視聴済フラグのセットをおこなう。この視聴済フラグと前述した予備録画削除フラグによりつぎに詳細い説明する予備録画データの容量管理をおこなう。
【0037】
図9は、録画予約時の予備録画データの容量管理を説明するフロー図である。この例では、新たな録画予約で、予備録画データの数が図4(a)のGUI画面でユーザーが設定した予備録画データ最大保存数402を越える場合について説明する。
【0038】
視聴者は、EPGデータを基に録画予約情報15を設定するとともに、図4(a)にしめした画面で、視聴者が設定した予備録画データ最大保存数分の予備録画データが、既にHDDに保存されている状態で新たな予約録画が開始されたとする(ステップ90)。
【0039】
まず、本実施例の映像記録装置の予備録画機能が有効になっているかを判定し(ステップ91)、予備録画機能が無効に設定されている場合には、これで録画予約処理を終了する。予備録画機能が有効になっている場合には、以下のようにして、録画管理情報16を参照して、既に保存されている予備録画データのいずれを削除して、予備録画データの記録領域を確保する。
今回録画する予約録画の為の予備録画データ領域を確保するため、既に保存されている予備録画データのどれかを削除しなければならない。そこで、映像記録装置は、既に保存されている予備録画データの中で、図4(a)のGUI画面でユーザーが優先設定にしているジャンルのものがないか、映像管理情報16を検索する(ステップ92)。これにより、優先設定に設定されているジャンルの予備録画データは削除の対象から外す為、録画管理情報16から、図10にしめすような、優先設定に設定されたジャンルの予備録画データを除いた予備録画データリストを作成する(ステップ93)。
【0040】
次に優先設定に設定されていない残りの予備録画データの中から既に視聴済みのデータが存在するかどうかを、映像管理情報16あるいは図10にしめす管理テーブルを参照して、判断する。(ステップ94)。既に視聴済みの予備録画データが存在しない場合は、予備録画データの中から最も古いデータを削除の対象とする(ステップ95)。既に視聴済みの予備録画データが存在する場合には、予備録画データの中の視聴済みの予備録画データの中から最も古いデータを削除の対象とする(ステップ96)。
【0041】
ステップ95あるいはステップ96で削除対象とした予備録画データを削除して、1つ以上の予備録画データ保存領域が確保する(ステップ97)。ここで、予備録画データの削除は、ファイルシステム上、予備録画データに相当するファイルの実体を削除してもいいし、つぎに説明するように、映像管理情報16の予備録画削除フラグをセットして、擬似的に削除してもよい。この場合に実体削除をおこなうタイミングについては後述する。
【0042】
図10に、予備録画データの削除例をより具体的にしめす。図10は、本映像記録装置に記録されている予備録画データの一覧しめしたものである。このような予備録画データの一覧の管理テーブルを準備してもよいし、図3にしめした映像管理情報を参照するようにしてもよい。一覧には、予備録画データごとに、録画さあれた時間、日付(映像管理情報16の終了日時、予備録画終了日時に相当する)と、視聴済みフラグ(視聴済フラグ)、優先設定(保存優先フラグ)を含むようにする。
【0043】
図10では、予備録画データ保存領域に5つのMPEGファイルが存在するものとし、ここで新たに別の予約録画が実行される場合について説明し、既に保存されている予備録画データを削除する順を説明する。まず、優先設定になっているジャンルが何かを判断する。図4(a)で、映画と音楽が優先設定になっているとすると、図10の5つのファイルの中で”映画1”がまず削除対象から外れる。次に、予備録画データの中で視聴済みのものがないかを判断する。図10の中では”スポーツ1”が視聴済みであり、これがまず削除対象となる。その後、削除対象として残った”ドラマ1”、”ドラマ2”、”ドラマ3”の録画された時間・日付から古い順に削除対象とする。以上の判断により、図10の“削除欄”の順に予備録画データの削除をおこなう。
【0044】
上記では予備録画データの削除順を決める手順を説明したが、本編データやプレ録画データでも同様の手順で削除するファイルを特定できる。この場合にも先と同様に、ファイルの実体を削除してもよいし、映像管理情報16に削除フラグを設定し、後で映像ファイルの実体削除をおこなうようにしてもよい。
【0045】
つぎに図11により、本編削除フラグ等の削除フラグを利用した映像データの管理方法について説明する。図11は、実施例の映像記録装置に記録されている映像ファイルの一覧表方法をしめす図である。詳細には、図11(a)は、ユーザーに表示する録画番組リストのユーザー表示方法を説明する図であり、図11(b)は、ユーザーの映像データの削除指定を説明する図であり、図11(c)は、ユーザーが映像ファイルの削除指定をおこなった後に、復元指定を説明する図である。以下詳細に説明する。
【0046】
図11(a)の左表は、例えば図3にしめした映像管理情報16の一部をしめすもので、実施例の映像記録装置に格納されている録画映像情報の本編映像に関連するデータ項目を、そのファイル単位にしめしたものである。ここで、データ項目は、本編データの録画開始日時と録画終了日時、録画映像情報の概要をしめす番組情報と本編データの削除フラグである。ユーザーが録画番組の一覧表示指示をおこなったとき、削除フラグが設定されていない(0が設定)本編映像ファイルを選択して、右図のようなリスト表示をおこなう。このとき、開始時刻と終了時刻を元に、映像ファイルの録画日時と録画番組長を求めて表示するとともに、番組情報から番組名を抽出して表示する。これにより、ユーザーが削除指定する映像ファイルの識別を容易にする。
【0047】
例えば、N番目の映像ファイルをユーザーが削除指定したとすると、図11(b)にしめすように、指定された映像ファイルの対応する削除フラグを設定(1が設定)する。削除フラグが設定されると、録画番組の一覧表示は、削除フラグの設定を反映してN番目の情報を除いて表示する。これにより、ユーザーからみるとあたかも、N番目の映像ファイルが削除されたようにみえる。このとき、映像ファイルの実体は削除されていないが、後述するタイミングで実体削除をおこなう。
【0048】
つぎに、削除フラグを設定した見かけ削除した映像ファイルの復元処理について説明する。図11では、録画番組の一覧表示を削除フラグが設定されていない本編映像ファイルを選択して表示することによっておこなったが、削除フラグが設定された本編映像ファイルを選択して、映像一覧ファイルと同様の復元ファイル一覧を表示する。ユーザーが復元したい番組としてN番目の番組を選択すると、当該番組に対応する映像管理情報の削除フラグの設定を未設定(0が設定)にする。ユーザーが録画番組の一覧表示をおこなうと、図11(c)にしめすように、録画番組の一覧表示にN番目の番組が表示され、あたかもN番目の映像ファイルが復元したようにみえる。
【0049】
上記では、本編映像ファイルの削除フラグを参照して、録画番組の一覧表示をおこない、録画番組の削除と復元について説明したが、録画番組の削除をおこなう際に、関連する予備録画ファイルやプレ録画ファイルがあれば、本編削除フラグの設定と同時に、予備削除フラグとプレ録画削除フラグを設定して削除処理をおこなうようにしてもよい。この場合、録画番組の復元をおこなった場合には、本編削除フラグの設定解除と同時に予備削除フラグとプレ録画削除フラグの設定解除をおこなうことはいうまでもない。
【0050】
つぎに、本編削除フラグ等の削除フラグの設定により削除設定した映像ファイルの実体削除方法について説明する。上記のようにユーザーには、映像管理情報の削除フラグを元に映像ファイルの一覧表示をおこなうことにより、ファイルが削除されたようにみえるが、本編ファイルや予備録画ファイル等の映像ファイルの実体を削除していない。このため、いずれHDD等のドライブ6が容量不足となる。特に、予備録画ファイルを本編ファイルと別の区画に格納する場合には、削除フラグを設定した予備録画ファイルの実体削除が必要となる。
【0051】
図12に映像ファイルの削除手順フローを説明するが、映像ファイルの実体削除は、映像記録装置の電源投入によるシステム起動時や、映像記録装置のシステム終了時におこなう。このようなタイミングで映像ファイルの実体削除をおこなえば、ユーザーが操作をおこなっていないので、削除処理のよるレスポンス低下を防止できる。あるいは、予め定めた周期で映像ファイルを格納するドライブの残容量を検出し、設定された残容量がない場合に、映像ファイルの実体削除をおこなうようにする。
【0052】
まず、映像ファイルを記録するドライブあるいは区画のファイルシステム容量を検出し、ドライブあるいは区画の残容量を算出する。この残容量が規定値以上あるか判定し、残容量が規定値以上あれば処理を終了する(ステップ1201)。ここで、残容量の規定値は、例えば、数時間分の録画容量に設定したり、録画ファイルを格納するドライブや区画のパーセント容量(例えば、10パーセント)を設定するようにする。
【0053】
残容量が規定値以上ない場合には、映像管理情報16を参照し、予備削除フラグが設定されている予備録画ファイルを特定し、当該ファイルをファイルシステムから削除する(ステップ1202)。その後、映像管理情報16の予備削除フラグと予備録画ファイル名、予備録画終了日時の各項目データをクリアして映像管理情報の更新をおこなう(ステップ1203)。この処理を映像管理情報に格納されている全ての映像情報についておこなう。その後、再び、映像ファイルを記録するドライブあるいは区画のファイルシステム容量を検出し、ドライブあるいは区画の残容量を算出する。この残容量が規定値以上あるか判定し、残容量が規定値以上あれば処理を終了する(ステップ1204)。
【0054】
つぎに残容量が規定値以上ない場合には、映像管理情報16を参照し、保存優先フラグが未設定でかつ、視聴済フラグが設定された映像情報を抽出し、録画開始日時や録画終了日時が古い順にソートする。ソートされた映像情報の本編ファイルと予備録画ファイルとプレ録画ファイルを削除し、ひとつの映像情報に関連するファイルを削除するたびに、ドライブあるいは区画の残容量が規定値以上あるかを判定する。ドライブあるいは区画の残容量が規定値以上になるまで、ソートされた映像情報を録画開始日時や録画終了日時が古い順に削除する(ステップ1205)。その後、削除した映像ファイルに対応する映像管理情報16の全てデータ項目をクリアして映像管理情報からデータを削除する(ステップ1206)。この処理では、視聴済フラグが設定された映像ファイルを削除対象としているので、未視聴の映像情報が視聴前に削除されることはない。その後、再び、映像ファイルを記録するドライブあるいは区画のファイルシステム容量を検出し、ドライブあるいは区画の残容量を算出する。この残容量が規定値以上あるか判定し、残容量が規定値以上あれば処理を終了する(ステップ1207)。
【0055】
つぎに残容量が規定値以上ない場合には、映像管理情報16を参照し、保存優先フラグが未設定の映像情報を抽出し、録画開始日時や録画終了日時が古い順にソートする。ソートされた映像情報の本編ファイルと予備録画ファイルとプレ録画ファイルを削除し、ひとつの映像情報に関連するファイルを削除するたびに、ドライブあるいは区画の残容量が規定値以上あるかを判定する。ドライブあるいは区画の残容量が規定値以上になるまで、ソートされた映像情報を録画開始日時や録画終了日時が古い順に削除する(ステップ1208)。この時、削除する映像情報の視聴済フラグが設定されていなかった場合には、ユーザーに削除確認の問合せをおこなうようにしてもよい。これにより、未視聴の映像情報が無条件に削除されることを防止できる。その後、削除した映像ファイルに対応する映像管理情報16の全てデータ項目をクリアして映像管理情報からデータを削除する(ステップ1209)。
【0056】
以上のように、映像管理情報の予備録画削除フラグ、保存優先フラグ、視聴済フラグ、録画開始日時、録画終了日時を参照して削除する映像情報を特定しながら、ファイルの削除をおこなうことにより、未視聴映像情報や保存映像情報が削除されることがない。
【0057】
また、映像情報をプレ録画ファイルと本編ファイルと予備録画ファイルから構成し、それぞれの削除可否をプレ録画削除フラグと本編削除フラグと予備削除フラグにより管理しているので、映像ファイルの不要な部分の削除が容易におこなえる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の映像記録装置のシステム構成図である。
【図2】映像情報の映像録画データのファイル構造をしめす図である。
【図3】映像情報を管理する映像管理情報をしめす図である。
【図4】予備録画条件の設定画面の一例をしめす図である。
【図5】映像情報の録画処理手順をしめすフロー図である。
【図6】録画した映像情報の一覧表示の一例をしめす図である。
【図7】映像情報の視聴処理手順をしめすフロー図である。
【図8】予備録画データの視聴確認画面の一例をしめす図である。
【図9】映像情報の録画予約処理手順をしめすフロー図である。
【図10】映像情報の削除順を説明する図である。
【図11】映像情報の削除・復元手順を説明する図である。
【図12】映像情報の削除処理手順をしめすフロー図である。
【符号の説明】
【0059】
1…アンテナ、2…受信部、3…ディスプレイ、4…映像信号処理部、
5…圧縮伸張処理部、6…DVDドライブ、7…CPU、8…EPG処理部、
9…タイマー処理部、10…リモコン処理部、11…リモコン、
12…録画管理情報記憶部、13…映像記録装置、15…録画予約情報、
16…映像管理情報
【技術分野】
【0001】
本発明は、TV放送等の映像情報を録画する映像記録装置に係り、特にハードディスク(以下HDD)や記録型DVD媒体や記録型CD媒体などのランダムアクセス可能な記録媒体に録画する録画制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
TVなどから配信される動画コンテンツを録画する映像記録装置には、映像を記録する記録媒体にハードディスク(以下HDD)や記録型DVD媒体や記録型CD媒体などのランダムアクセス可能な記録媒体に保存できるものがある。このような映像記録装置は、一般に、HDDレコーダーや、HDDとDVDの両方を有するハイブリットデジタルレコーダーと呼ばれている。このような映像記録装置のなかに、装置内に時計を備えて、ユーザーの時間指定により、ある録画開始時刻からある録画終了時刻まで録画をおこなう、タイマー予約録画が可能なものがある。
【0003】
このタイマー予約録画機能は、不在時に視聴する番組の録画がおこない、後日に当該番組を視聴できる便利な機能である。しかし、放送番組は急に放送時間が変更されることがある。例えば、野球中継等では、試合終了まで中継を延長し、野球番組の以降の番組の放映時間が変更されることがよくある。このように放映時間が繰り下げされた状況で、野球中継の後の番組を録画予約していた場合には、録画したい番組の放映時刻前に録画が開始され、録画したい番組の放映中に録画が終了してしまうので、番組録画が尻切れになってしまう。
【0004】
このような問題に対応するために、例えば、特許文献1に記載されている方法が考案されている。特許文献1には、予約録画処理時に予約された録画終了時刻よりも遅い時刻に録画を終了するようにして、さらに、予約された録画終了時刻から実際の録画終了までの録画にあたっては、記録媒体に記録する映像の圧縮率を高くして記録する記録制御方法が開示されている。この記録制御方法によれば、予約された録画終了時刻以降の録画延長部分は高圧縮率で記録されるので、記録媒体の容量を有効に利用できる。
【0005】
【特許文献1】特開2003-174613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に開示される従来技術では、録画延長部分は高圧縮レートで記録されているため、録画予約情報15に基づいて録画した部分(以下、本明細書では本編データと記す)とでは、MPEG等の映像圧縮の圧縮レートが異なるため、映像画質が異なる問題がある。つまり、録画延長部分(以下、本明細書では予備録画データと記す)の映像品質が、本編データの映像品質より低下する。特に、放送遅延によって予備録画データに録画予約された番組映像がまたがって録画した場合であって、DVD―RAM等のリムーバブルメディアに番組映像を退避するときに問題がある。
【0007】
また、特許文献1に開示される従来技術では、記録媒体の記憶容量を確保するために、録画予約時に予備録画データの再圧縮をおこなうので、空き容量確保に時間がかかり、録画予約操作の応答が悪いという問題がある。
【0008】
さらに、予備録画データや本編データの消去時間を特に考慮しておらず、映像ファイル管理においてファイル消去にともなう操作の応答性が悪いという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、上記問題を解決し、ファイル管理の容易な映像記録装置のファイル管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の放送番組等の映像情報を記録デバイスに記録する映像録画装置は、録画指示された映像情報の録画開始時刻と録画終了時刻を設定するタイマーと、前記タイマーに基づいて映像情報を記録デバイスに記録する映像記録制御部と、前記録画開始時刻から録画終了時刻までの映像情報を記録する第1の映像ファイルと、前記録画終了時刻以降の所定時間の映像情報を記録する第2の映像ファイルとを含み、前記第1の映像ファイルと第2の映像ファイルとが当該記録デバイスのファイル管理システムの上で異なるファイルとして管理される記録デバイスとを備えた構成とした。
【0011】
さらに、前記記録デバイスには、さらに、前記録画開始時刻以前の所定時間の映像情報を記録する第3の映像ファイルとを含み、前記第1の映像ファイルと第2の映像ファイルと第3の映像ファイルとが当該記録デバイスのファイル管理システムの上で異なるファイルとして管理されるようにした。
【0012】
また、記録する映像情報の識別名ごとに、前記第1の映像ファイルと第2の映像ファイルと第3の映像ファイルのファイル識別名と、前記映像ファイルの削除指示フラグと、当該映像情報の視聴済フラグと、当該映像情報の保存優先を示すフラグとを記録する録画管理情報記録部を備えるようにし、前記録画管理情報記録部に記録された映像管理情報を基の映像情報の視聴管理、映像ファイル管理をおこなうようにした。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、録画延長による記録媒体の容量低下を一定量にすることができとともに、容易に消去等のファイル操作をおこなえるので、映像記録装置の記録媒体の使用効率が向上する
また、映像ファイルのユーザ削除を容易におこなえるので、映像記録装置の操作性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明を用いた映像記録装置の概略構成をしめすブロック構成図である。映像記録装置13は、リモコン11の操作により、地上波放送や衛星放送の電波をアンテナ1から入力して、ディスプレイ3に放送番組の映像を表示する。さらに、映像記録装置13は、装置内部にHDDまたは書き込みが可能なDVDドライブ6を備え、前記放送番組の映像を記録する。より詳細には、アンテナ1から入力される放送波は、受信部2により受信され、映像信号処理部3によりディスプレイ3に表示される。放送番組を録画する場合には、圧縮伸張処理部4により、MPEG等の映像圧縮技術により圧縮されて、HDDやDVD―RAM等の記録型リムーバブルメディア等の記録メディア6に格納される。
【0015】
アンテナ1から入力される放送波には、放送番組の番組表(以下、本明細書ではEPGと記す)が含まれ、受信部2でEPGデータが分離されて、EPG処理部8で処理される。EPGを取り込むことにより、TV入力から受信可能な番組のタイトル、放映時間、ジャンルを映像記録装置が把握することができる。EPG処理部8は、受信したEPGデータをディスプレイ3に表示し、視聴者のリモコン11の操作に応じて放送番組の録画予約をおこなう。視聴者により指定された放送番組の録画予約情報15は、録画管理情報記憶部12に格納される。この録画管理情報記録部12には、録画予約情報15と、詳細を後述するが、記録メディア6に格納されている録画映像の管理データである映像管理情報16を格納する。なお、EPGデータは、放送波から抽出するだけでなく、インターネットを経由して、EPGデータを登録するサーバが取得してもよい。
【0016】
タイマー処理部9は、時計機能をもち、録画管理情報記録部12の録画予約情報15を参照して、設定された日時に、選定されたチャンネルの放送を受信して、録画予約された放送番組の録画をおこなう。CPU7は、上述の機能を含み、映像記録装置13の動作を制御する。
【0017】
図2は、記録メディア6に格納される録画映像データの構成をしめす図である。映像データは、図2(a)に示すように、録画予約により指定された録画開始時刻から録画終了時刻までの放送内容がMPEG等で圧縮された本編データと、録画終了時刻より所定の時間、録画予約を延長して放送内容を圧縮記録した予備録画データとで構成する。ここで、本編データと予備録画データは、記録メディア6のファイルシステムにおいてそれぞれ別のファイルとして管理される形態とする。さらに、図2(b)に示すように、上記に加えて、録画開始時刻に先立って、所定の時間、録画予約を前倒しして放送内容を圧縮記録したプレ録画データとで構成するようにしてもよい。このように、録画した録画映像データを本編データと予備録画データとで構成、あるいは、プレ録画データと本編データと予備録画データとで構成することにより、録画予約された放送予定が延長等により変更されても、録画することができる。また、それぞれを別のファイルとすることで、システムでのファイル管理が容易になるとともに、削除等の編集が容易になる。
【0018】
図2(c)は、上記本編データと予備録画データの格納位置の一例を説明する図である。図2(c)では、総容量が120Gバイトとし、先頭の10Gバイトがシステム領域300、次の100Gバイトが本編データ303、304、305を格納する為の領域301、最後の10Gバイトが本発明の予備録画データ306、307、308を格納する為の領域302としている。予備録画データを格納する領域300を固定量とすることにより、本編データを格納する容量領域に負担を掛けることがなくなり、視聴者に残記録容量を表示する際にも、本編データを格納する領域301の残容量を通知すればよく、簡易に残容量通知をおこなうことができる。プレ予備録画データを格納する領域も、同様に、別のパーティションにすることができる。
【0019】
上述では、本編データと予備録画データとプレ予備録画データをそれぞれ別のパーティションに格納する例を説明したが、ひとつのパーティションにこれらの格納してもよい。この場合には、予備録画データとプレ予備録画データの格納数の最大値を所定数としファイル管理をおこなうことで上記と同様の効果を達成できる。
【0020】
図3は、録画管理情報記録部12に格納されている映像管理情報16の一例をしめすものである。映像管理情報16には、記録メディア6に格納される録画映像情報ごとに、図3の符号17で示す複数の項目データが記録されている。録画映像情報は、録画予約され録画された放送番組だけでなく、視聴中にリモコンの録画の録画ボタンの押下により録画開始した放送番組や、本映像記録装置に接続するビデオ等の外部装置から入力した映像情報等の情報をも含む。また、映像管理情報16は、図6に示するように、視聴者に録画済み番組一覧を表示する際にも参照される。
【0021】
映像管理情報16のデータ項目は、当該録画映像情報のデータが記録されている本編データファイル名、予備録画データファイル名、プレ録画データファイル名を登録する領域をもち、さらに、これらのデータファイルの管理をおこなうための情報として、予備録画データの保存優先フラグ、本編データ削除フラグ、予備録画データ削除フラグ、プレ録画データ削除フラグをもつ。
【0022】
また、録画映像情報の概要を表す情報として、受信チャンネル、番組タイトル、番組ジャンル、番組内容の領域をもち、録画予約した録画映像情報においては、EPGデータより取得して、これらの領域に記録する。さらに、アクセス状況を示す情報として、本編データの録画開始日時と録画終了日時を記録し、プレ録画をおこなった場合には、プレ録画開始日時を記録し、予備録画をおこなった場合には、予備録画終了日時を記録する。また、視聴済フラグは、当該録画映像情報の視聴履歴をあらわす情報である。
【0023】
つぎに、予備録画データの録画条件について説明する。録画条件には、予備録画をおこなうか否かをあらわす有効/無効の設定と、予備録画データの最大保存ファイル数と、予備録画データの画質設定値を設けるようにする。特に、予備録画データの画質設定は、本編データと同一とすることが望ましい。これにより、放送番組の放送時間が予約時刻より遅延しても、本編データに設定した画質で予備録画をおこなうので、本編データと予備録画データから録画予約した放送番組を抽出することができ、DVD-RAM等の退避や編集が高画質でおこなえる。
【0024】
図4により、予備録画データの録画条件をおこなうユーザインターフェイス一例について説明する。設定された録画条件は、録画管理情報記録部12に記録するようにしてもよいし、録画予約情報15や映像管理情報16に映像情報ごとに記録するようにしてもよい。くわしくは、図4(a)は、録画予約された放送番組の番組ジャンルごとに、画質、録画時間、優先度を設定できる様にした例である。ここで、番組ジャンルはEPGデータを取得したデータを基にしている。また、図4(b)は、本データの録画時間に応じて画質、録画時間、優先度を設定できるようしている。
【0025】
ここで、上記予備録画データの最大保存ファイル数は、視聴者が予約録画する番組数により決まる。普通の視聴者であれば、予約録画した放送番組は、当日あるいは翌日に視聴することが多く、平日に予約録画機能で放送番組の撮り溜めを行い、休日に視聴するような場合でも10番組程度の予備録画データが保存できれば充分である。仮に、標準画質モードで30分の予備録画をおこなったとすると、10GB容量の予備録画データを記録する領域を固定的に確保すればよい。通常映像記録装置では、100GB以上のHDDを搭載しており、10GB容量の予備録画データを確保しても支障はない。
【0026】
また、図4の優先設定は、予備録画データを削除する際に、本設定がされていないものから削除するために参照される。
【0027】
ところで、上記例では予備録画データの録画条件について説明したが、プレ録画データの録画条件も同様に、視聴者が設定して録画管理情報記録部12に記録すればよい。
【0028】
図5は本発明の方法を用いて録画を行う場合のフローチャート図である。まずはユーザーがある開始時刻からある終了時刻までの録画予約をおこなう(ステップ50)。ユーザーが設定した録画開始時刻となると予約録画が開始される(ステップ51)。予約録画に基づき録画処理をおこない、放送番組を本編データファイルに記録する(ステップ52)、ユーザーが設定した録画終了時刻となると予約録画が終了する(ステップ53)。
【0029】
つぎに、映像記録装置は、今回予約録画した直後に別の録画予約が設定されているかどうか判断する(ステップ54)。直後に別の録画予約が入っていない場合は、次に、システム装置は図4(a)における予備録画関連の設定でユーザーが予備録画機能を有効にしているかどうか(401)を判断する(ステップ55)。予備録画機能が有効になっている場合には、今回予約録画したチャンネルと同じチャンネルの延長部分を予備録画データとして録画開始し、予備録画データファイルに記録する(ステップ56)。
【0030】
予備録画中に他の予約録画の開始時刻になっていないか監視する(ステップ57)し、他の次の予約録画の開始時刻となった場合は予備録画は中止する(ステップ58)。他の予約録画開始時刻とならなかった場合には、図4(a)の予備録画設定の録画時間(403)で設定された時間分だけ予備録画を行って終了する(ステップ59)。予備録画処理を終了すると、本編データファイル名や予備録画データフェイル名と予備録画終了日時等を録画管理情報16に記録して予約録画処理を終了する(ステップ60)。このようにして、録画予約した放送番組とそれに続く放送番組を、本編データファイルと予備録画データファイルに連続記録する。
【0031】
つぎに、予備録画した放送番組を視聴する手順を説明する。
図6に視聴者に記録メディア6に格納した録画済の映像情報を、リモコン等の操作により選択させるための表示画面の一例をしめす。図6の表示画面では、録画済みの番組名61、チャンネル番号62、録画を行った日付63、録画を行った開始時刻と終了時刻64が表示されている。この画面において、録画を行った開始時刻と終了時刻64として表示されている時刻はあくまでユーザーが予約録画設定を行った時刻、すなわち本篇データの時刻であり、予備録画データの時刻は含まないものとする。
【0032】
図6の表示画面のデータは、図3に示した映像管理情報16から、本編データ削除フラグが削除の状態にないものについて、番組タイトル、受信チャンネル、開始日時、終了日時の項目データを読み出して、適宜表示している。
【0033】
つぎに、図7により、録画済みの放送番組等の映像情報をユーザーが視聴する際の処理フローを説明する。最初に、図6に示したように視聴者に録画済み番組一覧を表示し、視聴する番組を選択する(ステップ70)。これにより、選択された録画済み番組に対応する、図3にしめした映像管理情報16のうちのひとつのデータ群を特定し、本編データフェイル名の項目に記録されたファイルを読み出し、MPEGデコードして映像再生をはじめる(ステップ71)。本編データファイルを最後まで順次読み出し、映像表示をおこなう(ステップ72)。本編データの再生が終了すると、つぎに、映像管理情報16の予備録画データファイル名を参照して、予備録画データが存在するか判定する(ステップ73)。
【0034】
予備録画データが存在しない場合には、後述する視聴終了処理(ステップ76)をおこない、視聴番組の再生を終わる。予備録画データが存在する場合には、視聴者に図8にしめすような予備録画データの再生表示をおこなうか否かの確認表示をおこなう(ステップ74)。ここで、表示する延長再生時間は、映像管理情報16の録画終了日時と予備録画終了日時から取得する。
【0035】
視聴者が、予備録画データの再生をおこなうように入力指示した場合には、映像管理情報16の予備録画ファイル名の項目に記録されたファイルを読み出して、予備録画データの再生をおこなう(ステップ75)。視聴者が、予備録画データの再生をおこなわないように入力指示した場合には、映像管理情報16の予備録画削除フラグをセットした後に、視聴終了処理(ステップ76)をおこない、視聴番組の再生を終わる。この場合は、本編データの視聴により、録画予約した放送番組の映像データが、すべて本編データファイルに記録されているのを視聴者が確認しているので、予備録画削除フラグをセットしても支障はない。
【0036】
視聴終了処理(ステップ76)では、映像管理情報16の視聴済フラグのセットをおこなう。この視聴済フラグと前述した予備録画削除フラグによりつぎに詳細い説明する予備録画データの容量管理をおこなう。
【0037】
図9は、録画予約時の予備録画データの容量管理を説明するフロー図である。この例では、新たな録画予約で、予備録画データの数が図4(a)のGUI画面でユーザーが設定した予備録画データ最大保存数402を越える場合について説明する。
【0038】
視聴者は、EPGデータを基に録画予約情報15を設定するとともに、図4(a)にしめした画面で、視聴者が設定した予備録画データ最大保存数分の予備録画データが、既にHDDに保存されている状態で新たな予約録画が開始されたとする(ステップ90)。
【0039】
まず、本実施例の映像記録装置の予備録画機能が有効になっているかを判定し(ステップ91)、予備録画機能が無効に設定されている場合には、これで録画予約処理を終了する。予備録画機能が有効になっている場合には、以下のようにして、録画管理情報16を参照して、既に保存されている予備録画データのいずれを削除して、予備録画データの記録領域を確保する。
今回録画する予約録画の為の予備録画データ領域を確保するため、既に保存されている予備録画データのどれかを削除しなければならない。そこで、映像記録装置は、既に保存されている予備録画データの中で、図4(a)のGUI画面でユーザーが優先設定にしているジャンルのものがないか、映像管理情報16を検索する(ステップ92)。これにより、優先設定に設定されているジャンルの予備録画データは削除の対象から外す為、録画管理情報16から、図10にしめすような、優先設定に設定されたジャンルの予備録画データを除いた予備録画データリストを作成する(ステップ93)。
【0040】
次に優先設定に設定されていない残りの予備録画データの中から既に視聴済みのデータが存在するかどうかを、映像管理情報16あるいは図10にしめす管理テーブルを参照して、判断する。(ステップ94)。既に視聴済みの予備録画データが存在しない場合は、予備録画データの中から最も古いデータを削除の対象とする(ステップ95)。既に視聴済みの予備録画データが存在する場合には、予備録画データの中の視聴済みの予備録画データの中から最も古いデータを削除の対象とする(ステップ96)。
【0041】
ステップ95あるいはステップ96で削除対象とした予備録画データを削除して、1つ以上の予備録画データ保存領域が確保する(ステップ97)。ここで、予備録画データの削除は、ファイルシステム上、予備録画データに相当するファイルの実体を削除してもいいし、つぎに説明するように、映像管理情報16の予備録画削除フラグをセットして、擬似的に削除してもよい。この場合に実体削除をおこなうタイミングについては後述する。
【0042】
図10に、予備録画データの削除例をより具体的にしめす。図10は、本映像記録装置に記録されている予備録画データの一覧しめしたものである。このような予備録画データの一覧の管理テーブルを準備してもよいし、図3にしめした映像管理情報を参照するようにしてもよい。一覧には、予備録画データごとに、録画さあれた時間、日付(映像管理情報16の終了日時、予備録画終了日時に相当する)と、視聴済みフラグ(視聴済フラグ)、優先設定(保存優先フラグ)を含むようにする。
【0043】
図10では、予備録画データ保存領域に5つのMPEGファイルが存在するものとし、ここで新たに別の予約録画が実行される場合について説明し、既に保存されている予備録画データを削除する順を説明する。まず、優先設定になっているジャンルが何かを判断する。図4(a)で、映画と音楽が優先設定になっているとすると、図10の5つのファイルの中で”映画1”がまず削除対象から外れる。次に、予備録画データの中で視聴済みのものがないかを判断する。図10の中では”スポーツ1”が視聴済みであり、これがまず削除対象となる。その後、削除対象として残った”ドラマ1”、”ドラマ2”、”ドラマ3”の録画された時間・日付から古い順に削除対象とする。以上の判断により、図10の“削除欄”の順に予備録画データの削除をおこなう。
【0044】
上記では予備録画データの削除順を決める手順を説明したが、本編データやプレ録画データでも同様の手順で削除するファイルを特定できる。この場合にも先と同様に、ファイルの実体を削除してもよいし、映像管理情報16に削除フラグを設定し、後で映像ファイルの実体削除をおこなうようにしてもよい。
【0045】
つぎに図11により、本編削除フラグ等の削除フラグを利用した映像データの管理方法について説明する。図11は、実施例の映像記録装置に記録されている映像ファイルの一覧表方法をしめす図である。詳細には、図11(a)は、ユーザーに表示する録画番組リストのユーザー表示方法を説明する図であり、図11(b)は、ユーザーの映像データの削除指定を説明する図であり、図11(c)は、ユーザーが映像ファイルの削除指定をおこなった後に、復元指定を説明する図である。以下詳細に説明する。
【0046】
図11(a)の左表は、例えば図3にしめした映像管理情報16の一部をしめすもので、実施例の映像記録装置に格納されている録画映像情報の本編映像に関連するデータ項目を、そのファイル単位にしめしたものである。ここで、データ項目は、本編データの録画開始日時と録画終了日時、録画映像情報の概要をしめす番組情報と本編データの削除フラグである。ユーザーが録画番組の一覧表示指示をおこなったとき、削除フラグが設定されていない(0が設定)本編映像ファイルを選択して、右図のようなリスト表示をおこなう。このとき、開始時刻と終了時刻を元に、映像ファイルの録画日時と録画番組長を求めて表示するとともに、番組情報から番組名を抽出して表示する。これにより、ユーザーが削除指定する映像ファイルの識別を容易にする。
【0047】
例えば、N番目の映像ファイルをユーザーが削除指定したとすると、図11(b)にしめすように、指定された映像ファイルの対応する削除フラグを設定(1が設定)する。削除フラグが設定されると、録画番組の一覧表示は、削除フラグの設定を反映してN番目の情報を除いて表示する。これにより、ユーザーからみるとあたかも、N番目の映像ファイルが削除されたようにみえる。このとき、映像ファイルの実体は削除されていないが、後述するタイミングで実体削除をおこなう。
【0048】
つぎに、削除フラグを設定した見かけ削除した映像ファイルの復元処理について説明する。図11では、録画番組の一覧表示を削除フラグが設定されていない本編映像ファイルを選択して表示することによっておこなったが、削除フラグが設定された本編映像ファイルを選択して、映像一覧ファイルと同様の復元ファイル一覧を表示する。ユーザーが復元したい番組としてN番目の番組を選択すると、当該番組に対応する映像管理情報の削除フラグの設定を未設定(0が設定)にする。ユーザーが録画番組の一覧表示をおこなうと、図11(c)にしめすように、録画番組の一覧表示にN番目の番組が表示され、あたかもN番目の映像ファイルが復元したようにみえる。
【0049】
上記では、本編映像ファイルの削除フラグを参照して、録画番組の一覧表示をおこない、録画番組の削除と復元について説明したが、録画番組の削除をおこなう際に、関連する予備録画ファイルやプレ録画ファイルがあれば、本編削除フラグの設定と同時に、予備削除フラグとプレ録画削除フラグを設定して削除処理をおこなうようにしてもよい。この場合、録画番組の復元をおこなった場合には、本編削除フラグの設定解除と同時に予備削除フラグとプレ録画削除フラグの設定解除をおこなうことはいうまでもない。
【0050】
つぎに、本編削除フラグ等の削除フラグの設定により削除設定した映像ファイルの実体削除方法について説明する。上記のようにユーザーには、映像管理情報の削除フラグを元に映像ファイルの一覧表示をおこなうことにより、ファイルが削除されたようにみえるが、本編ファイルや予備録画ファイル等の映像ファイルの実体を削除していない。このため、いずれHDD等のドライブ6が容量不足となる。特に、予備録画ファイルを本編ファイルと別の区画に格納する場合には、削除フラグを設定した予備録画ファイルの実体削除が必要となる。
【0051】
図12に映像ファイルの削除手順フローを説明するが、映像ファイルの実体削除は、映像記録装置の電源投入によるシステム起動時や、映像記録装置のシステム終了時におこなう。このようなタイミングで映像ファイルの実体削除をおこなえば、ユーザーが操作をおこなっていないので、削除処理のよるレスポンス低下を防止できる。あるいは、予め定めた周期で映像ファイルを格納するドライブの残容量を検出し、設定された残容量がない場合に、映像ファイルの実体削除をおこなうようにする。
【0052】
まず、映像ファイルを記録するドライブあるいは区画のファイルシステム容量を検出し、ドライブあるいは区画の残容量を算出する。この残容量が規定値以上あるか判定し、残容量が規定値以上あれば処理を終了する(ステップ1201)。ここで、残容量の規定値は、例えば、数時間分の録画容量に設定したり、録画ファイルを格納するドライブや区画のパーセント容量(例えば、10パーセント)を設定するようにする。
【0053】
残容量が規定値以上ない場合には、映像管理情報16を参照し、予備削除フラグが設定されている予備録画ファイルを特定し、当該ファイルをファイルシステムから削除する(ステップ1202)。その後、映像管理情報16の予備削除フラグと予備録画ファイル名、予備録画終了日時の各項目データをクリアして映像管理情報の更新をおこなう(ステップ1203)。この処理を映像管理情報に格納されている全ての映像情報についておこなう。その後、再び、映像ファイルを記録するドライブあるいは区画のファイルシステム容量を検出し、ドライブあるいは区画の残容量を算出する。この残容量が規定値以上あるか判定し、残容量が規定値以上あれば処理を終了する(ステップ1204)。
【0054】
つぎに残容量が規定値以上ない場合には、映像管理情報16を参照し、保存優先フラグが未設定でかつ、視聴済フラグが設定された映像情報を抽出し、録画開始日時や録画終了日時が古い順にソートする。ソートされた映像情報の本編ファイルと予備録画ファイルとプレ録画ファイルを削除し、ひとつの映像情報に関連するファイルを削除するたびに、ドライブあるいは区画の残容量が規定値以上あるかを判定する。ドライブあるいは区画の残容量が規定値以上になるまで、ソートされた映像情報を録画開始日時や録画終了日時が古い順に削除する(ステップ1205)。その後、削除した映像ファイルに対応する映像管理情報16の全てデータ項目をクリアして映像管理情報からデータを削除する(ステップ1206)。この処理では、視聴済フラグが設定された映像ファイルを削除対象としているので、未視聴の映像情報が視聴前に削除されることはない。その後、再び、映像ファイルを記録するドライブあるいは区画のファイルシステム容量を検出し、ドライブあるいは区画の残容量を算出する。この残容量が規定値以上あるか判定し、残容量が規定値以上あれば処理を終了する(ステップ1207)。
【0055】
つぎに残容量が規定値以上ない場合には、映像管理情報16を参照し、保存優先フラグが未設定の映像情報を抽出し、録画開始日時や録画終了日時が古い順にソートする。ソートされた映像情報の本編ファイルと予備録画ファイルとプレ録画ファイルを削除し、ひとつの映像情報に関連するファイルを削除するたびに、ドライブあるいは区画の残容量が規定値以上あるかを判定する。ドライブあるいは区画の残容量が規定値以上になるまで、ソートされた映像情報を録画開始日時や録画終了日時が古い順に削除する(ステップ1208)。この時、削除する映像情報の視聴済フラグが設定されていなかった場合には、ユーザーに削除確認の問合せをおこなうようにしてもよい。これにより、未視聴の映像情報が無条件に削除されることを防止できる。その後、削除した映像ファイルに対応する映像管理情報16の全てデータ項目をクリアして映像管理情報からデータを削除する(ステップ1209)。
【0056】
以上のように、映像管理情報の予備録画削除フラグ、保存優先フラグ、視聴済フラグ、録画開始日時、録画終了日時を参照して削除する映像情報を特定しながら、ファイルの削除をおこなうことにより、未視聴映像情報や保存映像情報が削除されることがない。
【0057】
また、映像情報をプレ録画ファイルと本編ファイルと予備録画ファイルから構成し、それぞれの削除可否をプレ録画削除フラグと本編削除フラグと予備削除フラグにより管理しているので、映像ファイルの不要な部分の削除が容易におこなえる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の映像記録装置のシステム構成図である。
【図2】映像情報の映像録画データのファイル構造をしめす図である。
【図3】映像情報を管理する映像管理情報をしめす図である。
【図4】予備録画条件の設定画面の一例をしめす図である。
【図5】映像情報の録画処理手順をしめすフロー図である。
【図6】録画した映像情報の一覧表示の一例をしめす図である。
【図7】映像情報の視聴処理手順をしめすフロー図である。
【図8】予備録画データの視聴確認画面の一例をしめす図である。
【図9】映像情報の録画予約処理手順をしめすフロー図である。
【図10】映像情報の削除順を説明する図である。
【図11】映像情報の削除・復元手順を説明する図である。
【図12】映像情報の削除処理手順をしめすフロー図である。
【符号の説明】
【0059】
1…アンテナ、2…受信部、3…ディスプレイ、4…映像信号処理部、
5…圧縮伸張処理部、6…DVDドライブ、7…CPU、8…EPG処理部、
9…タイマー処理部、10…リモコン処理部、11…リモコン、
12…録画管理情報記憶部、13…映像記録装置、15…録画予約情報、
16…映像管理情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送番組等の映像情報を記録デバイスに記録する映像録画装置において、
録画指示された映像情報の録画開始時刻と録画終了時刻を設定するタイマーと、
前記タイマーに基づいて映像情報を記録デバイスに記録する映像記録制御部と、
前記録画開始時刻から録画終了時刻までの映像情報を記録する第1の映像ファイルと、前記録画終了時刻以降の所定時間の映像情報を記録する第2の映像ファイルとを含み、前記第1の映像ファイルと第2の映像ファイルとが当該記録デバイスのファイル管理システムの上で異なるファイルとして管理される記録デバイスと、を備えることを特徴とする映像録画装置。
【請求項2】
請求項1に記載の映像録画装置において、
前記記録デバイスには、さらに、前記録画開始時刻以前の所定時間の映像情報を記録する第3の映像ファイルとを含み、前記第1の映像ファイルと第2の映像ファイルと第3の映像ファイルとが当該記録デバイスのファイル管理システムの上で異なるファイルとして管理される記録デバイスと、を備えることを特徴とする映像録画装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の映像録画装置において、
前記記録デバイスは、前記第1の映像ファイルを記録する第1の区画と、前記第2の映像ファイルあるいは前記第3の映像ファイルを記録する第2の区画を含むことを特徴とする映像録画装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の映像録画装置において、
記録する映像情報の識別名ごとに、前記第1の映像ファイルと第2の映像ファイルと第3の映像ファイルのファイル識別名と、前記映像ファイルの削除指示フラグと、当該映像情報の視聴済フラグと、当該映像情報の保存優先を示すフラグとを記録する録画管理情報記録部を備えることを特徴とする映像録画装置。
【請求項5】
放送番組等の映像情報を記録デバイスに記録する映像録画装置において、
前記映像情報の録画開始時刻と録画終了時刻を設定し、
前記録画開始時刻になったときに映像情報の記録を開始し、
前記録画終了時刻になったときに前記録画開始時刻から終了時刻までの映像情報を前記記録デバイスに第1のファイルとして格納し、
前記録画終了時刻から所定時間の経過後に前記録画終了時刻から前記所定時間の映像情報を前記記録デバイスに第2のファイルとして格納することを特徴とする映像録画装置の映像ファイル管理方法。
【請求項6】
放送番組等の映像情報を記録デバイスに記録する映像録画装置において、
前記映像情報の録画開始時刻と録画終了時刻を設定し、
前記録画開始時刻以前から映像情報の記録を開始し、
前記録画開始時刻になったときに映像情報の記録を開始してから前記録画開始時刻までの映像情報を前記記録デバイスに第3のファイルとして格納し、
前記録画終了時刻になったときに前記録画開始時刻から終了時刻までの映像情報を前記記録デバイスに第1のファイルとして格納し、
前記録画終了時刻から所定時間の経過後に前記録画終了時刻から前記所定時間の映像情報を前記記録デバイスに第2のファイルとして格納することを特徴とする映像録画装置の映像ファイル管理方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の映像ファイル管理方法において、
前記第1のファイルは、記録デバイスの第1のパーティションに格納し、
前記第2のファイルあるいは前記第3のファイルは、前記第1のパーティションとは異なる第2のバーティションに格納することを特徴とする映像録画装置の映像ファイル管理方法。
【請求項8】
請求項5または6に記載の映像ファイル管理方法において、
前記第2のファイルあるいは第3のファイルは、そのファイル容量の合計が所定量になるように管理されるか、または、そのファイル数の合計が所定量になるように管理されることを特徴とする映像録画装置の映像ファイル管理方法。
【請求項9】
請求項5または6に記載の映像ファイル管理方法において、
前記第1のファイルと前記第2のファイルあるいは第3のファイルのそれぞれのファイル識別名を映像情報の識別名ごとに映像ファイル管理情報に登録し、
さらに、前記ファイルの削除指示フラグと当該映像情報の視聴済フラグと当該映像情報の保存優先を示すフラグとを映像情報の識別名ごとに映像ファイル管理情報に登録することを特徴とする映像録画装置の映像ファイル管理方法。
【請求項10】
請求項9に記載の映像ファイル管理方法において、
視聴者が、当該映像録画装置に記録されている映像情報の一覧表示を要求したときに、前記映像ファイル管理情報を基に前記ファイルの削除指示フラグが設定されていない映像ファイルの識別名を表示し、
視聴者が、一覧表示された映像ファイルのひとつを削除する指示をおこなったときに、対応する識別名に応じて前記映像ファイル管理情報のファイルの削除指示フラグを設定し、
所定のタイミングで、前記ファイルの削除指示フラグが設定された識別名に対応する前記第1のファイルと前記第2のファイルあるいは第3のファイルをファイル管理システムから削除することを特徴とする映像録画装置の映像ファイル管理方法。
【請求項11】
請求項9に記載の映像ファイル管理方法において、
視聴者が、当該映像録画装置記録されている映像情報を視聴する際に、視聴する映像情報に対応するファイル識別名を前記映像ファイル管理情報から取得し、
前記ファイル識別名で特定されるファイルの再生を終了すると、対応する視聴済フラグを設定することを特徴とする映像録画装置の映像ファイル管理方法。
【請求項1】
放送番組等の映像情報を記録デバイスに記録する映像録画装置において、
録画指示された映像情報の録画開始時刻と録画終了時刻を設定するタイマーと、
前記タイマーに基づいて映像情報を記録デバイスに記録する映像記録制御部と、
前記録画開始時刻から録画終了時刻までの映像情報を記録する第1の映像ファイルと、前記録画終了時刻以降の所定時間の映像情報を記録する第2の映像ファイルとを含み、前記第1の映像ファイルと第2の映像ファイルとが当該記録デバイスのファイル管理システムの上で異なるファイルとして管理される記録デバイスと、を備えることを特徴とする映像録画装置。
【請求項2】
請求項1に記載の映像録画装置において、
前記記録デバイスには、さらに、前記録画開始時刻以前の所定時間の映像情報を記録する第3の映像ファイルとを含み、前記第1の映像ファイルと第2の映像ファイルと第3の映像ファイルとが当該記録デバイスのファイル管理システムの上で異なるファイルとして管理される記録デバイスと、を備えることを特徴とする映像録画装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の映像録画装置において、
前記記録デバイスは、前記第1の映像ファイルを記録する第1の区画と、前記第2の映像ファイルあるいは前記第3の映像ファイルを記録する第2の区画を含むことを特徴とする映像録画装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の映像録画装置において、
記録する映像情報の識別名ごとに、前記第1の映像ファイルと第2の映像ファイルと第3の映像ファイルのファイル識別名と、前記映像ファイルの削除指示フラグと、当該映像情報の視聴済フラグと、当該映像情報の保存優先を示すフラグとを記録する録画管理情報記録部を備えることを特徴とする映像録画装置。
【請求項5】
放送番組等の映像情報を記録デバイスに記録する映像録画装置において、
前記映像情報の録画開始時刻と録画終了時刻を設定し、
前記録画開始時刻になったときに映像情報の記録を開始し、
前記録画終了時刻になったときに前記録画開始時刻から終了時刻までの映像情報を前記記録デバイスに第1のファイルとして格納し、
前記録画終了時刻から所定時間の経過後に前記録画終了時刻から前記所定時間の映像情報を前記記録デバイスに第2のファイルとして格納することを特徴とする映像録画装置の映像ファイル管理方法。
【請求項6】
放送番組等の映像情報を記録デバイスに記録する映像録画装置において、
前記映像情報の録画開始時刻と録画終了時刻を設定し、
前記録画開始時刻以前から映像情報の記録を開始し、
前記録画開始時刻になったときに映像情報の記録を開始してから前記録画開始時刻までの映像情報を前記記録デバイスに第3のファイルとして格納し、
前記録画終了時刻になったときに前記録画開始時刻から終了時刻までの映像情報を前記記録デバイスに第1のファイルとして格納し、
前記録画終了時刻から所定時間の経過後に前記録画終了時刻から前記所定時間の映像情報を前記記録デバイスに第2のファイルとして格納することを特徴とする映像録画装置の映像ファイル管理方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の映像ファイル管理方法において、
前記第1のファイルは、記録デバイスの第1のパーティションに格納し、
前記第2のファイルあるいは前記第3のファイルは、前記第1のパーティションとは異なる第2のバーティションに格納することを特徴とする映像録画装置の映像ファイル管理方法。
【請求項8】
請求項5または6に記載の映像ファイル管理方法において、
前記第2のファイルあるいは第3のファイルは、そのファイル容量の合計が所定量になるように管理されるか、または、そのファイル数の合計が所定量になるように管理されることを特徴とする映像録画装置の映像ファイル管理方法。
【請求項9】
請求項5または6に記載の映像ファイル管理方法において、
前記第1のファイルと前記第2のファイルあるいは第3のファイルのそれぞれのファイル識別名を映像情報の識別名ごとに映像ファイル管理情報に登録し、
さらに、前記ファイルの削除指示フラグと当該映像情報の視聴済フラグと当該映像情報の保存優先を示すフラグとを映像情報の識別名ごとに映像ファイル管理情報に登録することを特徴とする映像録画装置の映像ファイル管理方法。
【請求項10】
請求項9に記載の映像ファイル管理方法において、
視聴者が、当該映像録画装置に記録されている映像情報の一覧表示を要求したときに、前記映像ファイル管理情報を基に前記ファイルの削除指示フラグが設定されていない映像ファイルの識別名を表示し、
視聴者が、一覧表示された映像ファイルのひとつを削除する指示をおこなったときに、対応する識別名に応じて前記映像ファイル管理情報のファイルの削除指示フラグを設定し、
所定のタイミングで、前記ファイルの削除指示フラグが設定された識別名に対応する前記第1のファイルと前記第2のファイルあるいは第3のファイルをファイル管理システムから削除することを特徴とする映像録画装置の映像ファイル管理方法。
【請求項11】
請求項9に記載の映像ファイル管理方法において、
視聴者が、当該映像録画装置記録されている映像情報を視聴する際に、視聴する映像情報に対応するファイル識別名を前記映像ファイル管理情報から取得し、
前記ファイル識別名で特定されるファイルの再生を終了すると、対応する視聴済フラグを設定することを特徴とする映像録画装置の映像ファイル管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−25066(P2006−25066A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−199995(P2004−199995)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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