説明

映像録画再生装置

【課題】 テレビ番組等の映像を録画する際、番組本編のみを選択的に録画再生する際に少なくとも一度はCMの視聴を義務付けることが可能な映像録画再生装置を提供する。
【解決手段】 CMの開始及び終了位置にチャプター点を付加して録画する録画部12とチャプター点を付して録画した前記番組のストリームを記憶する記憶部13と番組中の前記CMを視聴済か否かの状況をCM管理テーブル16aで管理するCM視聴管理部16とCM管理テーブル16aをもとに記憶部13に記憶された番組のストリームのうち番組の本編とCMのうち未視聴のCMとを選択的に再生して外部に表示させる再生部15と再生部15からの表示出力を受けて番組の本編を縮小表示する領域20aと前記CMを静止画表示する領域20bとを有する表示部20とを有することを特徴とする映像録画再生装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ番組等の映像を録画、再生及び編集する機能を有する映像録画再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビ番組等の映像を録画する際に、広告(以降、CMとする)と番組本編とを識別する機能を持ち、番組本編だけを選択的に録画、再生可能な録画装置(以降、録画再生装置とする)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。こうした録画再生装置は、視聴者にとっては視聴対象の本編のみを視聴することができるので便利である。一方、CMを提供する企業にとっては、視聴者にCMが視聴され難くなるため、CMの効果が薄れるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−319314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、テレビ番組等の映像を録画する際に、番組本編のみを選択的に録画、再生する際に、少なくとも一度はCMを視聴することを義務付けることが可能な映像録画再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、番組のストリームを受信するチューナと、前記チューナから送られる前記番組のストリームの中の、CMの開始及び終了位置にチャプター点を付加して録画する録画部と、前記チャプター点を付して録画した前記番組のストリームを記憶する記憶部と、前記番組中の前記CMを視聴済か否かの状況をCM管理テーブルで管理するCM視聴管理部と前記CM管理テーブルをもとに、前記記憶部に記憶された前記番組のストリームのうち、前記番組の本編と、前記CMのうち未視聴のCMとを、選択的に再生して出力する再生部と、前記録画部、前記CM視聴管理部及び前記再生部を制御する制御部とを有することを特徴とする映像録画再生装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、テレビ番組等の映像を録画する際に、番組本編のみを選択的に録画、再生する際に、少なくとも一度はCMを視聴することを可能とする映像録画再生装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1の実施の形態の映像録画再生装置の構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の動作フロー図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態のチャプター点の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態のCM管理テーブルの図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の動作フロー図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態の動作フロー図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の映像録画再生装置の構成図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の動作フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、図中、同一または相当部分には同一の符号を付して、その説明は繰り返さない。
(第1の実施の形態)
【0009】
まず、本実施の形態の映像録画再生装置10の構成について、図1を参照して説明する。本実施の形態の映像録画再生装置10は、アンテナ1を介してテレビ番組の信号(番組のストリーム)を受信するチューナ11、チューナ11から送られる番組のストリームの中のCMの開始/終了をCM検出部12aで検知し、後述のチャプター点を付加して録画する録画部12、録画した番組のストリームを記憶する記憶部13、視聴者からの操作信号が入力される入力部14、番組中のCMを視聴したか否かの状況をCM管理テーブル16aで管理するCM視聴管理部16、入力部14からの操作信号及び、CM管理テーブル16aを、自身のCM管理テーブル15aにコピーし、そのCM管理テーブル15aをもとに、記憶部13に記憶された番組のストリームのうち、番組の本編のストリームと未視聴のCMのストリームとを適宜再生して外部に表示させる再生部15から構成される。更に、図1には再生部15からの表示出力を受けて、本編縮小表示領域20a及び、複数のCM静止画表示領域20bを有する表示部20が示されている。
【0010】
次に、本実施の形態の映像録画再生方法の動作フローのうち、録画対象のテレビ番組を録画する際の動作フローについて、図2を参照して説明する。ここで、番組とは、例えばテレビ番組の本編と、その本編の間に適宜挿入されるCMとを合わせたものをいう。なお、本動作の制御は、図1の制御部50が司っている。
【0011】
まず、ステップS1で、録画対象のテレビ番組の番組IDをCM視聴管理部16のCM管理テーブル16aに作成する。なお、この番組IDは、受信したテレビ番組の信号に付加されている信号を使用してもよい。次に、ステップS2で、録画部12のCM検出部12aでCMの開始/終了を検出し、受信中の番組のストリームにチャプター点を都度付加する。ステップS3でチャプター点が付加された番組のストリームを記憶部3に記憶する。ここで、チャプター点とは、図3に示すように、番組本編の冒頭、CMの開始点及びCMの終了点の各信号の位置であり、CMの開始点及びそのCMの終了点は一対で構成される。ここで、CM開始及び終了の検出は、予め番組のストリームに付加されているCM開始/終了の信号を利用して検出しても構わないし、音声信号が、例えばモノラル信号からステレオ信号に変わったり、ステレオからモノラルに変わったりしたタイミングを利用して検出しても構わない。
【0012】
そして、ステップS3で番組のストリームを記憶部3に記録する際に、ステップS4でCM開始を検出すると、ステップS5でCMIDをCM管理テーブル16aに作成する。このCMIDは、番組中のCM毎にそれぞれ異なったIDが作成される。例えば、図4(a)では、番組ID「A」の記録をする際に、CMID「a、b、c、d」が付与されている。そして、ステップS6でCM視聴管理部16のCM管理テーブル16aに、ステップS5で作成したCMIDのCMを視聴済か否かを記録し、ステップS2に戻る。そして、上記と同様に、ステップS3を処理し、ステップS4でCM開始を検出しない場合(例えば、すでにCM開始を検出済で、かつ、そのCMが継続中の場合)、ステップS7でCM終了を検出したか否かを判断する。
【0013】
以上のステップS2からステップS7までの動作を、CM終了を検出するまで繰り返し、ステップS7でCM終了を検出すると、ステップS8で番組が終了か否かを判断する。そして、番組が終了であれば、本動作を終了し、番組がまだ終了していなければ、ステップS2に戻り、以上の動作を繰り返す。以上により、録画対象のテレビ番組が録画される。
【0014】
次に、視聴者が録画したテレビ番組を再生する際の動作について、図5及び図6を参照して説明する。本動作は、二つに分けられる。一つは、図5に示すように、視聴者が、録画された番組を選択して再生する場合の動作であり、もう一つは、図6に示すように、視聴者が、録画された番組内のCMのみを選択して再生する場合の動作である。
【0015】
まず、視聴者が録画された番組を選択して再生する動作について図5を参照して説明する。ステップS11で視聴者が録画された番組を視聴選択することにより、その選択された番組の番組IDが入力部14に入力され、ステップS12で入力部14から再生部15にその番組IDが通知される。そして、ステップS13で記憶部13はその番組IDに該当する番組のストリームを再生部15へ送る。
【0016】
次に、ステップS14で、再生部15は取得した番組のストリームのうち、CMのストリームを除いた本編のストリームのみを抽出したストリームを作成する。次に、ステップS15で、再生部15はCM視聴管理部16のCM管理テーブル16aを、自身のCM管理テーブル15aにコピーする。
【0017】
そして、ステップS16で再生部15はCM管理テーブル15aを参照して未視聴のCMの有無を判断する。未視聴のCMがある場合は、ステップS17で、表示部20で本編を再生する際に、表示部20の本編縮小表示領域20aに、解像度を縮小した本編を再生し、CM静止画表示領域20bに、該当する未視聴CMの動画から生成した静止画(以降、CMサムネイルとする)を表示する。CMサムネイルは一つの場合もあれば複数の場合もある。一方、ステップS16で未視聴CMが無いと判断された場合は、ステップS18で、本編縮小表示領域20a及びCM静止画表示領域20bを合わせた領域である全画面表示領域で本編を再生する。
【0018】
次に、視聴者が録画された番組内のCMのみを選択して再生する場合の動作について図6を参照して説明する。本動作は、上記ステップS17で未視聴のCMのCMサムネイルが表示された時に、視聴者が未視聴のCMを視聴する際の動作である。
【0019】
まず、ステップS21で本編縮小表示領域20aで本編が縮小表示され、かつCM静止画表示領域20bでそれぞれCMサムネイルが表示されている状態で、ステップS22で視聴者が一つのCMサムネイルを選択すると、ステップS23で、入力部14はそのCMサムネイルのCMIDを再生部15に送る。そして、ステップS24で、再生部15は、そのCMIDのCMのストリームを、記憶部13から取得し、ステップS25で、表示部20でそのCMを全画面表示領域で表示する。そして、ステップS26で、そのCMが最後まで再生されたか否か、つまり、そのCMのCM終了のチャプター点まで再生したか否かを判断する。
【0020】
そして、最後まで再生された場合には、再生部15は、ステップS27で自身のCM管理テーブル15aの該当CMを視聴済にし、ステップS28で、そのCM管理テーブル15aをCM管理部16のCM管理テーブル16aに上書きする。これにより、図4(b)のように、CM管理部16のCM管理テーブル16aが更新される。そして、ステップS29で、未視聴のCMの有無を判断し、未視聴のCMがまだあれば、ステップS30で未視聴のCMのCMサムネイルをCM表示領域20bに再配置し、ステップS21に戻る。
【0021】
一方、ステップS26でCMが最後まで再生されたと判断されなかった場合、ステップS30で再度、本編の縮小再生及び当該CMを含めたCMのCMサムネイルの表示を行う。
【0022】
以上のステップ21からステップS30までの動作を、未視聴のCMが無くなるまで繰り返すことで、未視聴のCMが全て無くなると、本編を全画面表示することが可能となる。
【0023】
なお、再生部15のCM管理テーブル15aは設けなくてもよく、その場合は、再生部15はCM管理部16のCM管理テーブル16aを参照、及び更新するものとする。
【0024】
このように、本実施の形態では、視聴者は番組の本編をCMにより中断されることなく連続的に視聴することが可能である。その際、CMを視聴していない場合は本編は縮小表示されるが、本編を視聴する前にCMを全て視聴しておけば、全画面表示領域で本編を視聴することができる。言い換えると、CMをすべて視聴しないと、全画面表示で本編を再生することができないため、全画面表示領域で本編を視聴したい視聴者に対し、確実にCMを視聴させることができる。これにより、CMを提供する企業にとって、視聴者により確実にCMが視聴させることができるため、CMの効果が向上する。
(第2の実施の形態)
【0025】
次に、第2の実施の形態について図7及び8を参照して説明する。図7に示すように、本実施の形態は、第1の実施の形態の構成に加え、外部メディア30に番組のストリームを出力する外部メディア出力部17を更に設けている。なお、第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0026】
外部メディア出力部17は、例えばDVDなどの外部メディア18に、番組のストリームを書き込むための出力部である。その際、番組中の全てのCMを視聴済であれば、本編のストリームのみを外部メディアに書き込むことができ、一方、番組中の全てのCMをまだ視聴していなければ、本編とCMのストリームとを外部メディアに書き込む。
【0027】
本実施の形態の動作フローについて、図8を参照して説明する。まず、ステップS41で、視聴者が外部メディアへの書き込み操作を実行すると、ステップS42で入力部14がその操作信号を受け、外部メディア出力部17に通知する。そして、ステップS43で外部メディア出力部17がCM視聴管理部16のCM管理テーブル16aを参照する。外部メディア出力部17は、そのCM管理テーブル16aの参照した結果、ステップS44で、未視聴のCMの有無を判断する。そして、CM管理テーブル16aに未視聴のCMが無ければ、番組中の全てのCMを視聴済と判断し、ステップS45で本編のみのストリームを外部メディア18に出力する。
【0028】
一方、ステップS44で未視聴のCMがあると判断されると、ステップS46で本編及びCMのストリームを外部メディア18に記録する。なお、この際、記録する対象のCMのストリームは、未視聴のCMのストリームだけでもよいし、全CMのストリームでもよい。
【0029】
このように、本実施の形態では、全てのCMを視聴した場合は、本編のストリームのみを外部メディアに記録することができるので、その外部メディアを視聴する際は、視聴者は番組の本編をCMにより中断されることなく連続的に視聴することが可能である。
【0030】
また、全てのCMを視聴していない場合は、本編及びCMのストリームが外部メディアに記録されるので、外部メディアを視聴する視聴者に対して、確実にCMを視聴させることができる。これにより、CMを提供する企業にとって、CMの効果が向上する。
【0031】
なお、本発明は以上の実施の形態に限られるものではない。
【符号の説明】
【0032】
1 アンテナ
10 映像録画再生装置
11 チューナ
12 録画部
12a CM検出部
13 記憶部
14 入力部
15 再生部
15a、16a CM管理テーブル
16 CM視聴管理部
17 外部メディア出力部
18 外部メディア
20 表示部
20a 本編縮小表示領域
20b CM静止画表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組のストリームを受信するチューナと、
前記チューナから送られる前記番組のストリームの中の、CMの開始及び終了位置にチャプター点を付加して録画する録画部と、
前記チャプター点を付して録画した前記番組のストリームを記憶する記憶部と、
前記番組中の前記CMを視聴済か否かの状況をCM管理テーブルで管理するCM視聴管理部と
前記CM管理テーブルをもとに、前記記憶部に記憶された前記番組のストリームのうち、前記番組の本編と、前記CMのうち未視聴のCMとを、選択的に再生して出力する再生部と、
前記録画部、前記CM視聴管理部及び前記再生部を制御する制御部と、
を有することを特徴とする映像録画再生装置。
【請求項2】
前記再生部からの出力を受けて、前記番組の前記本編を縮小表示する領域と、前記CMを静止画表示する領域とを有する表示部を更に有することを特徴とする請求項1に記載の映像録画再生装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示部に、前記CMが全て視聴済の場合、前記本編を縮小表示する領域と前記CMを静止画表示する領域とを合わせた全画面表示領域に、前記本編を表示させることを特徴とする請求項2に記載の映像録画再生装置。
【請求項4】
前記記憶部に記憶した前記番組のストリームを外部メディアに出力する外部メディア出力部を
更に有することを特徴とする請求項1乃至3に記載の映像録画再生装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記CMが全て視聴済の場合、前記本編を縮小表示する領域と前記CMを静止画表示する領域とを合わせた全画面表示領域に、前記本編を表示することを特徴とする請求項1に記載の映像録画再生装置。
【請求項6】
前記記憶手段により記憶された前記番組のストリームを外部メディアに出力する外部メディア出力手段を
更に有することを特徴とする請求項5に記載の映像録画再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−66572(P2011−66572A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213991(P2009−213991)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】