説明

春雨とその製造方法とカップ容器入り春雨

【課題】湯戻しして食する場合に、喫食の間に弾力のある食感が失われたり、とけてしまう問題をなくす、こんにゃく粉を含有させた冷凍製法による春雨とその製造方法とカップ容器入り春雨の提供。
【解決手段】澱粉、該澱粉の0.5〜2.0質量%のこんにゃく粉及び水を含有し、該澱粉の一部を糊化させた原料を加圧下で麺状に成形して冷凍製法により調製されたことを特徴とする春雨。澱粉及び該澱粉の0.5〜2.0質量%のこんにゃく粉を含む、注湯後における麺線の吸水量が、3分後において65質量%以上である春雨をカップ容器に収容した、熱湯を注いで湯戻して喫食する形態のカップ容器入り春雨。澱粉、該澱粉の0.5〜2.0質量%のこんにゃく粉及び水を含有し、該澱粉の一部を糊化させた原料を加圧下で麺状に成形し、その後茹で、冷凍、解凍及び乾燥の各処理を順に行って冷凍製法により春雨を製造することを特徴とする春雨の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、春雨とその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、こんにゃく粉を原料澱粉の0.1〜0.3重量%含有することを特徴とする薄層法による春雨が開示されている。特許文献1に記載の発明は、極少量のこんにゃく粉を含有させることによって煮切れの抑制された春雨とその製法に関する(段落番号0001)。 特許文献1に記載のとおり、従来、春雨の製造に際しては、主に冷凍製法と非冷凍製法が行われており、冷凍製法は水と澱粉を混合した懸濁液を孔を通して麺状にして沸騰水中に落とし込んで糊化し、冷却・乾燥させて春雨を製造する方法である。一方、非冷凍製法では薄層法と呼ばれる製造が主に行われており、特許文献1に記載の発明は、薄層法によるものである。
【0003】
特許文献1において、春雨にこんにゃく粉を含有させて煮切れを抑制する点、湯戻しして食する点が開示されている(段落番号0029)。特許文献1の発明は、冷凍製法に比べて煮切れしにくい非冷凍製法において、煮切れを抑制する提案に係る。 一方、冷凍製法で春雨を製造する場合にも、こんにゃく粉を含有させて煮切れを抑制することが考えられる。本発明者らは、こんにゃく粉を含有させた冷凍製法による春雨の製造技術について研究を進めた結果、特許文献1の発明のように、こんにゃく粉を極少量含有させた春雨を湯戻しして食する場合に、喫食の間に弾力のある食感が失われたり、とけてしまうことが判明した。また、こんにゃく粉を澱粉の0.5質量%以上加えた場合は、従来の冷凍製法では原料を麺状に成形することが困難であることが判明した。
【特許文献1】特開2001−238624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、こんにゃく粉を含有させた冷凍製法による春雨において、湯戻しして食する場合に、喫食の間に弾力のある食感が失われたり、とけてしまう問題をなくすことにある。また、こんにゃく粉を含有させ湯戻し性能が改善された春雨を、冷凍製法により調製することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決すべく研究を進めた結果、以下の知見を得た。1.澱粉の一部を糊化させた原料を加圧下で麺状に成形することで、こんにゃく粉を先行技術よりも多くの量含有させた春雨を、冷凍製法により調製することができる。2.上記の場合に、特に、澱粉の0.5〜2.0質量%のこんにゃく粉を含む春雨は、熱湯を注いで湯戻して喫食する形態において、良好に戻り、かつ喫食の間に弾力のある食感が保持される特定の湯戻し性能のものとなる。3.したがって、上記湯戻し性能の春雨をカップ容器に入れ、熱湯を注いで湯戻した場合、春雨が溶けてしまうことがないため、喫食の間を通じて、春雨と汁部分が維持されるカップ容器入り春雨を供することができる。4.さらに、上記の春雨に豆乳を加えることで、弾力のある食感がより滑らかになり、歯応えも改善され、白色で健康志向にも優れた春雨が得られる。 本発明は前記の課題を解決するために、澱粉、該澱粉の0.5〜2.0質量%のこんにゃく粉及び水を含有し、該澱粉の一部を糊化させた原料を加圧下で麺状に成形して冷凍製法により調製されたことを特徴とする春雨を最も主要な要旨とする。 本発明は、澱粉及び該澱粉の0.5〜2.0質量%のこんにゃく粉を含む、注湯後における麺線の吸水量が、3分後において65質量%以上である春雨をカップ容器に収容した、熱湯を注いで湯戻して喫食する形態のカップ容器入り春雨を別の要旨とする。また、澱粉、該澱粉の0.5〜2.0質量%のこんにゃく粉及び水を含有し、該澱粉の一部を糊化させた原料を加圧下で麺状に成形し、その後茹で、冷凍、解凍及び乾燥の各処理を順に行って冷凍製法により春雨を製造することを特徴とする春雨の製造方法を別の要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の春雨は、熱湯を注いで湯戻して喫食する場合に、喫食の間に弾力のある食感が保持されるという利点がある。別の態様では、上記の性能を有する春雨を、冷凍製法により製造することができるという利点がある。別の態様では、熱湯を注いで湯戻した場合、喫食の間を通じて、春雨の弾力のある食感が保持されるカップ容器入り春雨を供することができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
春雨の原料として、澱粉、こんにゃく粉及び水を用いる。本発明の別の態様では、豆乳を用いる。原料として他に、調味料、品質改良剤等を用いてもよい。 澱粉としては、馬鈴薯澱粉、緑豆澱粉、コーンスターチ、甘藷澱粉、葛澱粉等を用いることができる。馬鈴薯澱粉と緑豆澱粉とを組合せて用いることが好ましい。純粋な澱粉として用いることが好ましいが、一部他の物質が混ざった状態の原料として用いてもよい。澱粉は全原料に対して純粋な澱粉として20〜80質量%(以下%と略称する)、好ましくは35〜65%用いるのがよい。馬鈴薯澱粉と緑豆澱粉とを組合せる場合は、質量比で前者1に対して後者0.1〜5とするのがよい。本明細書において、各原料の含有量は、特段の規定がない限り全て全原料に対する値として標記する。なお、水や液体豆乳の水分を除くことで、乾燥春雨における各固形分原料の含有量がわかる。
【0008】
こんにゃく粉としては、グルコマンナン、グルコマンナンを主成分とする所謂こんにゃく粉、荒粉等を用いることができる。こんにゃく粉は、グルコマンナンの量として前記の澱粉の0.5〜2.0%、好ましくは0.7〜1.5%用いる。0.5%未満の場合には、熱湯を注いで湯戻して喫食する際に、湯戻りが速すぎ喫食の間に春雨がとけやすく、弾力のある食感が保持されず、2.0%を超える場合には、湯戻りが不良で春雨の食感が硬すぎる。前記の使用量の範囲でこんにゃく粉を含むことにより、春雨に熱湯を注いで湯戻して喫食する場合に、喫食の間に弾力のある食感が保持される、所望の湯戻し性能が達成される。なお、前記の使用量は、純粋な澱粉の量に対するグルコマンナンの量として規定されるものである。
【0009】
豆乳としては、一般的な液体豆乳、乾燥豆乳や大豆粉を水で溶いたもの、これらの乾燥物自体等として用いることができる。豆乳は、大豆固形分として0.3〜6.0%、好ましくは0.8〜4.0%用いるのがよい。上記の量豆乳を加えることで、特に湯戻して喫食する場合における、春雨の弾力のある食感がより滑らかになり、歯応えも改善され、白色で健康志向にも優れた春雨が得られる。 水は、以上の原料の固形分を除く部分用いればよい。水は澱粉やこんにゃく粉の懸濁液、豆乳として用いてもよい。
【0010】
次に、春雨の製造について説明する。(1)澱粉、こんにゃく粉及び水、必要に応じて豆乳等を含有する原料を練り上げ、該澱粉の一部を糊化させ、(2)この原料を加圧下で麺状に成形し、(3)その後茹で、冷凍、解凍及び乾燥の各処理を順に行って冷凍製法により春雨を製造する。
【0011】
原料の練り上げは、春雨の製造で一般に用いられる混合装置を用いて実施することができる。澱粉及び/又はこんにゃく粉と水とを含む原料を、ホモミキサー、コミトロール、コロイドミルを備えた混合釜等で粉砕しながら混合することが望ましい。これにより、澱粉とこんにゃく粉を滑らかにすることで、麺状に成形する場合の成形性を高めて、均質な組織の春雨を製造することができる。 麺状に成形する前に、原料中の澱粉の一部を糊化させる。麺状に成形する前における原料中の澱粉の1〜20%、好ましくは3〜10%を糊化させるのがよい。これにより、澱粉を糊化させることで、加圧下での成形と相まって、原料中の澱粉とこんにゃく粉と水の結合を強めて、均質で求める食感、湯戻し性能を備えた春雨を製造することが可能となる。原料中の澱粉を所定比率糊化させるためには、上記所定比率の澱粉を含む一部の原料を、当該澱粉の糊化温度以上に加熱処理して澱粉を糊化させ、これを他の原料と練り上げるか、あるいは原料全体を澱粉の糊化温度付近で一定時間加熱処理する等の方法をとればよい。原料の練り上げと澱粉を糊化させる工程の順序は問わず、要は成形前に原料が練り上げられ、澱粉を一部糊化させたものになればよい。
【0012】
前記のように練り上げられ、澱粉を一部糊化させた原料を加圧下で麺状に成形する。つまり、原料を加圧して孔より押出して麺状に成形する。例えば、原料をロータリーポンプ等の定量ポンプで配管に送り、細孔を有するノズルより押出ことができる。上記加圧の程度は0.1Mp以上、好ましくは0.1〜0.7Mpであることが望ましい。上記加圧の数値は、ノズル近傍の上流側における原料の圧力を指す。上記の加圧により、こんにゃく粉を比較的高濃度で含む一部澱粉を糊化させ原料を、均一で切れない麺状に成形することができる。原料を押出すノズルの孔径は1〜2mm程度が適当である。
【0013】
前記のようにして麺状に成形した原料を、茹で、冷凍、解凍及び乾燥の各処理を順に行って冷凍製法により春雨を製造する。冷凍製法とは、一般的に行われている成形した春雨原料を、茹で、冷凍、解凍及び乾燥する製法を指し、各操作は冷凍製法で実施されている方法にしたがって行うことができる。茹でた麺を必要により冷却し、竿架けして冷凍、解凍し、熱風乾燥する方法が挙げられる。カップ容器入り春雨を調製する場合は、解凍し、カップ容器の形状に合った型、例えばメッシュのリテーナーに入れて乾燥すればよい。麺をほぐして乾燥することが好ましい。乾燥春雨の麺の太さは、0.1〜2.5mm程度になるようにすることが好ましい。
【0014】
以上のようにして調製した本発明の春雨は、熱湯を注いで湯戻して喫食する場合に、喫食の間に弾力のある食感が保持されるという利点、特定の湯戻し性能を有する。上記の利点、性能は、注湯後における麺線の吸水量が、3分後において65%以上の春雨において好適に達成される。本発明の春雨では、90〜100℃程度の熱湯を注いで2〜3分後に喫食開始、10分程度で喫食を完了する形態が可能である。喫食の間を通して、吸水量が65〜88%となるようにすることが、前記の利点、湯戻し性能を得る上で望ましい。 本発明で、注湯後における麺線の吸水量(吸水量)は、次のようにして測定する。すなわち、1.容器にほぐして乾燥した春雨15gを入れ、沸騰させた熱湯200g加え施蓋をして放置する。2.熱湯を加えてから所定時間経過後に、目開き1mmの篩にサンプリングした1〜3gの麺を載せ、水切りをした後、秤量缶に計り取る。
3.105℃にて恒量に達するまで加熱した値を測定する。
【0015】
本発明では、前記の春雨を、必要により粉末スープ等と一緒にカップ容器に収容し、カップ容器に熱湯を注いで湯戻して喫食する形態のカップ容器入り春雨として供することができる。従来からも、この様な形態のカップ容器入り春雨は提案されているが、喫食の間に春雨が戻りすぎて溶けてしまうようなものが多かった。これに対して、本発明では、春雨が前記湯戻し性能を有するため、このような問題がなく、喫食の間春雨の弾力のある食感が保持され、同時に、春雨が過度に吸水してスープがなくなることがないため、カップ容器入り春雨スープ等として新規な性能を達成することが可能となる。なお、春雨1質量部に対して、熱湯8〜20質量部を注いで喫食する形態のものが好ましい。
【0016】
以下実施例に基づいて本発明について説明するが、これに限らず種々応用変形をなし得ることはいうまでもない。
【実施例】
【0017】
(実施例1) (春雨の調製) (原料) 馬鈴薯澱粉240kg、緑豆澱粉60kg、こんにゃく粉4.5kg、水390kg
【0018】
(調製方法) 馬鈴薯澱粉240kg、緑豆澱粉40kg、水90kgで膨潤させたこんにゃく粉4.5kg及び水100kgを、ホモミキサーによって粉砕しながら混合した(原料A)。これとは別に、緑豆澱粉20kgと水200kgを混合し85℃に達温させた(原料B)。原料AとBを、ニーダーで混合して練り上げ、ロータリーポンプによりで配管に送り、細孔を有するノズルより押出し麺線に成形した。ノズル近傍の上流側における配管内の原料の圧力は0.3Mpであった。 上記の麺線を98℃で10秒間茹で、湯を切って30℃まで冷却し、竿架けして−20℃で16時間かけて冷凍した。冷凍した麺線を16時間常温で解凍してほぐし、約40gずつカップ容器の形状に合ったメッシュのリテーナーに入れて、80℃で60分間乾燥して春雨を製造した。
【0019】
製造した春雨は、澱粉の1.5%のこんにゃく粉を含有し、太さ約1mmのものであった。この春雨は、吸水量が、3分後:68%、8分後:75%、13分後:80%のものであった。実施例、比較例で、吸水量はすべてN数:10の平均値とした。
【0020】
(実施例2) (豆乳入り春雨の調製) 水100kgの代わりに、豆乳(大豆固形分8%) 90kgと水10kgを原料Aに用いる以外は、実施例1と同様にして春雨を調製した。 製造した春雨は、澱粉の1.5%のこんにゃく粉を含有し、太さ約1mmのものであった。この春雨は、吸水量が、3分後:65%、8分後:70%、13分後:77%のものであった。
【0021】
(実施例3) (豆乳入り春雨の調製) 緑豆澱粉43kg、こんにゃく粉1.5kgを原料Aに用いる以外は、実施例2と同様にして春雨を調製した。 製造した春雨は、澱粉の0.5%のこんにゃく粉を含有し、太さ約0.9mmのものであった。この春雨は、吸水量が、3分後:68%、8分後:75%、13分後:80%のものであった。
【0022】
(実施例4) (豆乳入り春雨の調製) 緑豆澱粉38.5kg、こんにゃく粉6kgを原料Aに用いる以外は、実施例2と同様にして春雨を調製した。 製造した春雨は、澱粉の2.0%のこんにゃく粉を含有し、太さ約1.3mmのものであった。この春雨は、吸水量が、3分後:65%、8分後:68%、13分後:72%のものであった。
【0023】
(比較例1) (こんにゃく粉を含まない場合) こんにゃく粉を用いず、緑豆澱粉44.5kgを原料Aに用いる以外は、実施例2と同様にして春雨を調製した。 製造した春雨は、こんにゃく粉を含有せず、太さ約0.8mmのものであった。この春雨は、吸水量が、3分後:77%、8分後:83%、13分後:85%のものであった。
【0024】
(比較例2) (こんにゃく粉の含有量が本発明の範囲に満たない場合) 緑豆澱粉43.6kg、こんにゃく粉0.9kgを原料Aに用いる以外は、実施例2と同様にして春雨を調製した。 製造した春雨は、澱粉の0.3%のこんにゃく粉を含有し、太さ約0.6mmのものであった。この春雨は、吸水量が、3分後:75%、8分後:80%、13分後:83%のものであった。
【0025】
(比較例3) (こんにゃく粉の含有量が本発明の範囲を超える場合) 緑豆澱粉35.5kg、こんにゃく粉9kgを原料Aに用いる以外は、実施例2と同様にして春雨を調製した。 製造した春雨は、澱粉の3%のこんにゃく粉を含有し、太さ約1.3mmのものであった。この春雨は、吸水量が、3分後:60%、8分後:65%、13分後:70%のものであった。
【0026】
(比較例4) (加圧下の成形を用いない場合) ニーダーで練り上げた原料を、実施例1で用いたノズルのものと同じ大きさの細孔を有する、従来春雨調製に用いられたジョウロ型の成形機を用いて、常圧下で麺状に成形する以外は、実施例1と同様にして春雨を調製した。この場合は、原料が成形機の細孔を安定に通らず、短く途切れた麺線しかできなかった。
【0027】
(実施例5〜8、比較例5〜7) (カップ容器入り春雨の調製) 実施例1〜4、比較例1〜3で得られた春雨約18gと、袋容器入りの粉末スープ約15gを、カップ容器に収容してカップ容器入り春雨を調製した。各々に熱湯200gを注いで春雨を湯戻して喫食し、春雨の性能を評価した。容器入り春雨は、約95℃の熱湯を注いで2〜3分後に喫食開始、喫食開始より10分程度で喫食を完了する形態とした。 実施例5(実施例1の春雨使用):喫食の間、春雨は弾力のある食感を保持し、春雨とスープがバランスのよい量で存在した。 実施例6(実施例2の春雨使用):喫食の間、春雨は弾力のある、実施例5のものよりさらに滑らかな歯応えのある食感を保持し、春雨とスープがバランスのよい量で存在した。 実施例7(実施例3の春雨使用):喫食の間、春雨は実施例5のものより柔らかいが弾力のある食感を保持し、春雨とスープがバランスのよい量で存在した。 実施例8(実施例4の春雨使用):喫食の間、春雨は実施例5のものより硬いが弾力のある食感を保持し、春雨とスープがバランスのよい量で存在した。熱湯を注いで3分後には、喫食良好な状態まで戻った。
【0028】
比較例5(比較例1の春雨使用):熱湯を注いで3〜4分後の間は、春雨の食感があったが、8分後には春雨が溶けはじめ、殆どスープと混ざってしまった。 比較例6(比較例2の春雨使用):喫食の間、春雨の食感があったが、実施例5のものよりは明らかに柔らかい食感で、春雨の食感が活かされた春雨スープとして品質が劣るものであった。 比較例7(比較例3の春雨使用):熱湯を注いで10分経っても、春雨は喫食良好な状態まで戻らず、それ以降も極端に硬すぎる食感のものであった。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、春雨の食感が活かされた春雨スープを供することができるカップ容器入り春雨の製造技術等として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
澱粉、該澱粉の0.5〜2.0質量%のこんにゃく粉及び水を含有し、該澱粉の1〜20質量%を糊化させた原料を加圧下で麺状に成形して冷凍製法により調製されたことを特徴とする春雨。
【請求項2】
注湯後における麺線の吸水量が、3分後において65質量%以上である請求項1に記載の春雨。
【請求項3】
原料中に豆乳を含む請求項1又は2に記載の春雨。
【請求項4】
澱粉及び該澱粉の0.5〜2.0質量%のこんにゃく粉を含む、注湯後における麺線の吸水量が、3分後において65質量%以上である春雨をカップ容器に収容した、熱湯を注いで湯戻して喫食する形態のカップ容器入り春雨。
【請求項5】
春雨が豆乳を含むものである請求項4に記載のカップ容器入り春雨。
【請求項6】
澱粉、該澱粉の0.5〜2.0質量%のこんにゃく粉及び水を含有し、該澱粉の1〜20質量%を糊化させた原料を加圧下で麺状に成形し、その後茹で、冷凍、解凍及び乾燥の各処理を順に行って冷凍製法により春雨を製造することを特徴とする春雨の製造方法。
【請求項7】
上記加圧の程度が0.1Mp以上である請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
原料中に豆乳を含む請求項6又は7に記載の製造方法。

【公開番号】特開2009−28035(P2009−28035A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−162700(P2008−162700)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【出願人】(000111487)ハウス食品株式会社 (262)
【Fターム(参考)】