説明

時間測定プログラム及び時間測定装置

【課題】 2つ以上の計測対象が、同時に作業を開始し、個々に作業を終了する場合において、計測対象の各々が要した作業時間を、簡単且つ正確に測定できる、時間測定装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の時間測定装置は、入力手段2から作業開始が入力されると、経過時間計測手段51が、時間の計測を開始して経過時間を計測し続け、経過時間表示手段52が、経過時間計測手段により計測される時間を、出力手段3に表示させる。更に、入力手段2から作業終了が入力される毎に、作業時間取得手段61が、該入力の受付順位を取得すると共に、作業開始から当該入力時点までの時間を、当該計測対象が要した作業時間として、経過時間計測手段51から取得し、第1作業時間表示手段62が、作業時間取得手段61により取得された作業時間を、受付順に並べて出力手段3に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つ以上の計測対象が、同時に作業を開始し、個々に作業を終了する場合において、計測対象の各々が要した作業時間を、測定するための、時間測定プログラム及び時間測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、学校では、生徒に一斉に計算問題を解かせ、そのスピードを競わせることにより、生徒の計算能力を向上させる教育が行われている。その場合には、教師がストップウォッチを持ち、解き終えた生徒に対して、教師がストップウォッチの表示時間を読み上げることにより、計算に要した生徒各々の時間を測定していた。また、多数の陸上長距離選手が同時にスタートして個々にゴールする場合にも、同様に、コーチがストップウォッチの表示時間を読み上げることにより、走るのに要した選手各々の時間を測定していた。例えば、後者のような陸上競技で使用されるストップウォッチとしては、例えば特許文献1のものが知られている。
【特許文献1】特開平8−184685号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような測定方法では、刻々と変わる表示時間を読み上げるために、間違いを犯しやすい。また、読み上げられた時間は、生徒自身や選手自身が覚えておいたり第三者が書き留めたりする必要があるため、曖昧なものとなりやすい。また、順位をつけるためには、全ての測定時間を申告させて順番に並べる必要があるため、面倒であり、また、不正確になりやすい。
【0004】
本発明は、2つ以上の計測対象が、同時に作業を開始し、個々に作業を終了する場合において、計測対象の各々が要した作業時間を、簡単且つ正確に測定できる、時間測定プログラム及び時間測定装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、2つ以上の計測対象が、同時に作業を開始し、個々に作業を終了する場合において、計測対象の各々が要した作業時間を、測定するために、コンピュータを、特定の手段として機能させる、時間測定プログラムであって、上記特定の手段が、入力手段からの作業開始の入力を受けると、時間の計測を開始して経過時間を計測し続ける、経過時間計測手段と、経過時間計測手段により計測される時間を、出力手段に表示させる、経過時間表示手段と、入力手段からの作業終了の入力を受ける毎に、該入力の受付順位を取得すると共に、作業開始から当該入力時点までの時間を、当該計測対象が要した作業時間として、経過時間計測手段から取得する、作業時間取得手段と、作業時間取得手段により取得された作業時間を、受付順に並べて出力手段に表示させる、第1作業時間表示手段と、であることを特徴としている。
【0006】
請求項2記載の発明は、2つ以上の計測対象が、同時に作業を開始し、個々に作業を終了する場合において、計測対象の各々が要した作業時間を、測定するための、特定の手段を備えた、時間測定装置であって、上記特定の手段が、入力手段からの作業開始の入力を受けると、時間の計測を開始して経過時間を計測し続ける、経過時間計測手段と、経過時間計測手段により計測される時間を、出力手段に表示させる、経過時間表示手段と、入力手段からの作業終了の入力を受ける毎に、該入力の受付順位を取得すると共に、作業開始から当該入力時点までの時間を、当該計測対象が要した作業時間として、経過時間計測手段から取得する、作業時間取得手段と、作業時間取得手段により取得された作業時間を、受付順に並べて出力手段に表示させる、第1作業時間表示手段と、であることを特徴としている。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の時間測定プログラム又は時間測定装置において、上記特定の手段が、更に、作業時間取得手段で取得されたばかりの現在の受付順位及び作業時間と、その直前に取得されていた受付順位及び作業時間とを、第1作業時間表示手段による表示とは区別して、出力手段に表示させる、第2作業時間表示手段であるものである。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1又は2に記載の時間測定プログラム又は時間測定装置において、上記特定の手段が、更に、全計測対象について取得された受付順位及び作業時間からなる測定データを、該測定データが得られる毎に、作業時間取得手段から取得して、記憶手段に自動的に記憶させるものであって、そのような測定データを、漸次更新しながら、2以上の所定個数だけ記憶手段に記憶させる、第1記憶制御手段であるものである。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の時間測定プログラム又は時間測定装置において、上記特定の手段が、更に、入力手段からの呼出命令の入力を受けると、第1記憶制御手段によって記憶手段に記憶された測定データを、呼び出して出力手段に表示させる、データ表示手段であるものである。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1又は2に記載の時間測定プログラム又は時間測定装置において、上記特定の手段が、更に、入力手段からの記憶命令の入力を受けると、全計測対象について取得された受付順位及び作業時間からなる測定データを、作業時間取得手段から取得して、記憶手段に記憶させる、第2記憶制御手段であるものである。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項1又は2に記載の時間測定プログラム又は時間測定装置において、少なくとも、作業開始の入力と、個々の作業終了の入力とを、ポインタを所定位置に合わせることなく、マウスをクリックするだけで、実行させるものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1又は2に記載の発明によれば、入力手段から作業開始が入力されると、経過時間計測手段が、時間の計測を開始して経過時間を計測し続け、経過時間表示手段が、経過時間計測手段により計測される時間を、出力手段に表示させる。更に、入力手段から作業終了が入力される毎に、作業時間取得手段が、該入力の受付順位を取得すると共に、作業開始から当該入力時点までの時間を、当該計測対象が要した作業時間として、経過時間計測手段から取得し、第1作業時間表示手段が、作業時間取得手段により取得された作業時間を、受付順に並べて出力手段に表示させる。したがって、2つ以上の計測対象が、同時に作業を開始し、個々に作業を終了する場合において、計測対象の各々が要した作業時間を、簡単且つ正確に測定できる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、計測対象全体において作業がどの程度まで進行しているかを一目で把握することができ、また、現在作業を終えた計測対象及びその直前に作業を終えた計測対象の、順位及び作業時間を一目で把握することができる。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、最新の所定個数の測定データが自動的に記憶手段に記憶されるので、最新の測定データの保存忘れを確実に防止できる。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、最新の所定個数の測定データを任意に選択して見ることができるので、それらの測定データを作業に活かすことができる。
【0016】
請求項6記載の発明によれば、必要な測定データを、自動的に削除されることがないよう、確実に保存することができる。
【0017】
請求項7記載の発明によれば、ポインタを所定位置に合わせることなく、マウス操作のみで、よそ見をしながらも、測定を行うことができるので、簡単且つ確実に測定データを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の時間測定装置及び時間測定プログラムは、2つ以上の計測対象が、同時に作業を開始し、個々に作業を終了する場合において、計測対象の各々が要した作業時間を、測定するためのものである。例えば、次のような例がある。但し、本発明は、当該例に限定されるものではない。
【0019】
(例)
計測対象が例えば30人の生徒であり、作業が例えば100問の計算問題を解くことであり、30人の生徒が、同時に計算問題を解き始め、個々に解き終える場合において、生徒の各々が計算問題を解くのに要した時間を、測定する。
【0020】
図1は本発明の時間測定装置の構成要素のブロック図である。この時間測定装置10は、制御手段1と、入力手段2と、出力手段3と、経過時間計測手段51と、経過時間表示手段52と、作業時間取得手段61と、第1作業時間表示手段62と、を主要構成要素として備えており、更に、記憶手段4と、第2作業時間表示手段63と、第1記憶制御手段71と、第2記憶制御手段72と、データ表示手段81と、を備えている。また、本発明の時間測定プログラムは、コンピュータをこれらの各手段として機能させるためのものであり、記憶手段4に記録されて用いられる。
【0021】
なお、本発明の時間測定プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、磁気テープ、ネットワークディスクなどの、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されて配布することができる。また、本発明の時間測定プログラムは、スタンドアローンのシステムだけでなく、LANやインターネットなどのネットワーク上のサーバに置くこともできる。
【0022】
図2は本発明の時間測定装置のハードウェア構成図である。時間測定装置10は、コンピュータからなっており、入力手段2に相当するマウス91及びキーボード92と、出力手段3に相当するディスプレイ93と、記憶手段4に相当するハードディスク94と、制御手段1を含む上述したその他の手段に相当するCPU95と、を備えている。更に、時間測定装置10は、上述した記録媒体を駆動するドライブ96も、備えている。なお、入力手段2としては、マウス91以外のポインティングデバイス、例えば、トラックボール、トラックパッドなどを用いてもよい。
【0023】
ハードディスク94には、本発明の時間測定プログラムが記録媒体からドライブ96を介してインストールされている。なお、本発明の時間測定プログラムは、インターネットなどの通信網を介してダウンロードすることにより、インストールすることもできる。
【0024】
図3は時間測定装置10のディスプレイ93に表示される起動直後の画面100である。画面100は、操作ボタン領域110と、タイム領域120と、全体表示領域130と、第1個別表示領域141と、第2個別表示領域142と、を有している。図4は作動後の画面100である。
【0025】
次に、上記各手段の作用について説明する。
【0026】
制御手段1は、コンピュータ全体の動作を制御する。
【0027】
入力手段2は、作業の開始、各計測対象の作業の終了、更には、記憶命令、呼出命令を入力できるようになっている。例えば、画面100の操作ボタン領域110を使用する場合には、次のようにして入力できる。すなわち、作業開始の入力は、スタートボタン111をクリックする。スタートボタン111は、作業開始のためにクリックされると、図4に示すように、ラップボタン112に変わる。作業終了の入力は、計測対象の各々が作業を終了する毎に、ラップボタン112をクリックする。記憶命令の入力は、保存ボタン113をクリックする。呼出命令の入力は、呼出ボタン114をクリックする。なお、クリックはマウス91等を用いて行う。また、キーボード92を使用しても入力できる。その場合には、スタートボタン、ラップボタン、保存ボタン、及び、呼出ボタンがそれぞれ割り当てられたキーを押すことにより、入力できる。更には、マウス91のポインタを操作ボタン領域110から外れて位置させ、最初に左クリックすることによって作業開始を入力でき、続いて左クリックする毎に作業終了を入力できる。
【0028】
経過時間計測手段51は、入力手段2からの作業開始の入力を受けると、時間の計測を開始して経過時間を計測し続ける。すなわち、経過時間計測手段51は、例えばスタートボタン111がクリックされると、クリックされてからの経過時間を計測し続ける。経過時間計測手段51は、具体的には、例えば、発振回路、分周回路、及び時刻計数回路で構成することができる。その場合において、発振回路は、基準クロック信号を分周回路に出力する。分周回路は、入力された基準クロック信号を所定周波数まで分周して、時刻計数回路に出力する。時刻計数回路は、分周された信号を計数して、分及び秒を出力する。
【0029】
経過時間表示手段52は、経過時間計測手段51により計測される時間を、出力手段3に表示させる。すなわち、経過時間表示手段52は、図4に示すように、作業が開始されてからの経過時間を、タイム領域120に表示する。タイム領域120では、分及び秒が表示され、秒は10分の1秒単位まで表示される。
【0030】
作業時間取得手段61は、入力手段2からの作業終了の入力を受ける毎に、該入力の受付順位を取得すると共に、作業開始から当該入力時点までの時間を、当該計測対象が要した作業時間として、経過時間計測手段51から取得する。すなわち、作業時間取得手段61は、例えばラップボタン112がクリックされる毎に、その受付順位を取得すると共に、作業開始から当該クリック時点までの時間を経過時間計測手段51から取得する。
【0031】
作業時間取得手段61によれば、例えば、上記例において、全計算問題を最初に解き終えた生徒が現れた時に、ラップボタン112をクリックすると、受付順位1番が取得されるとともに、解き終えた時までの経過時間すなわち全計算問題を解くのに要した時間、例えば1分05秒6が経過時間計測手段51から取得される。次いで、全計算問題を次に解き終えた生徒が現れた時に、ラップボタン112をクリックすると、受付順位2番が取得されるとともに、全計算問題を解くのに要した時間、例えば1分22秒9が経過時間計測手段51から取得される。こうして、各生徒が全計算問題を解き終える毎に、ラップボタン112をクリックすると、当該生徒が何番目に解き終えたかを示す受付順位が取得されるとともに、当該生徒が全計算問題を解くのに要した時間が取得される。
【0032】
第1作業時間表示手段62は、作業時間取得手段61により取得された作業時間を、受付順に並べて出力手段3に表示させる。すなわち、第1作業時間表示手段62は、各計測対象が要した作業時間を、全体表示領域130に順番に並べて表示する。
【0033】
第1作業時間表示手段62によれば、例えば、上記例では、全体表示領域130の1番の欄131に「01:05.6」が表示され、2番の欄132に「01:22.9」が表示される。
【0034】
第2作業時間表示手段63は、作業時間取得手段61で取得されたばかりの現在の受付順位及び作業時間と、その直前に取得されていた受付順位及び作業時間とを、第1作業時間表示手段62による表示とは区別して、出力手段3に表示させる。
【0035】
第2作業時間表示手段63によれば、例えば、上記例において、全計算問題を3番目に解き終えた生徒が要した時間が1分25秒4であり、4番目の生徒が要した時間が1分31秒3であり、未だ5番目に解き終えた生徒が現れていない場合に、第1個別表示領域141に、全計算問題を解き終えたばかりの生徒の、受付順位である「4番」と作業時間である「01:31.3」とが表示され、第2個別表示領域142に、その直前に全計算問題を解き終えていた生徒の、受付順位である「3番」と作業時間である「01:25.4」とが表示される。そして、5番目に解き終えた生徒が現れると、第1個別表示領域141の表示は、「5番」とその作業時間とに更新され、第2個別表示領域142の表示は、「4番」と「01:31.3」とに更新される。
【0036】
第1記憶制御手段71、第2記憶制御手段72,及びデータ表示手段81は、本発明による一連の時間測定が少なくとも一度は終了した段階で作動するものである。
【0037】
第1記憶制御手段71は、全計測対象について取得された受付順位及び作業時間からなる測定データを、該測定データが得られる毎に、作業時間取得手段61から取得して、記憶手段4に自動的に記憶させるものであって、そのような測定データを、漸次更新しながら、2以上の所定個数だけ記憶手段4に記憶させる。
【0038】
図5は第1記憶制御手段71によって制御される記憶手段4における自動更新データ記憶部40の構成を示す図である。ここでは、記憶手段4に記憶させる測定データの上記所定個数を9個としている。なお、本発明では、9個に限るものではない。第1記憶制御手段71によれば、例えば、上記例において、30人の生徒の全てが全計算問題を解き終えたことにより得られた、1〜30番の順位とその各々における作業時間とが、1つの測定データとして記憶手段4に記憶される。この測定データは、「最新のデータ」41として記憶される。次に、例えば、計算問題を変えたり、生徒を変えたり、或いは何も変えなかったりして、同様にして得られた順位及び作業時間が、別の1つの測定データとして記憶手段4に記憶される。この時、この測定データは、「最新のデータ」41として記憶され、「最新のデータ」41として記憶されていた測定データは、「1つ前のデータ」42として記憶される。こうして、次々と測定データが得られる毎に、得られた測定データは、「最新のデータ」41として記憶され、「最新のデータ」41として記憶されていた測定データは、「1つ前のデータ」42として記憶され、「1つ前のデータ」42として記憶されていた測定データは「2つ前のデータ」43として記憶され、同様に、「2つ前のデータ」43〜「7つ前のデータ」48としてそれぞれ記憶されていた測定データは、「3つ前のデータ」44〜「8つ前のデータ」49としてそれぞれ記憶され、「8つ前のデータ」49として記憶されていた測定データは、削除される。すなわち、第1記憶制御手段71によれば、新たな測定データが得られる毎に、9個の測定データが漸次更新されながら記憶され、最古の測定データは削除される。したがって、記憶手段4には、最新の9個の測定データが常時記憶されていることとなる。
【0039】
第2記憶制御手段72は、入力手段2からの記憶命令の入力を受けると、全計測対象について取得された受付順位及び作業時間からなる測定データすなわち1個の測定データを、作業時間取得手段61から取得して、記憶手段4に記憶させる。
【0040】
第2記憶制御手段72によれば、1つの測定データが得られた後に、例えば保存ボタン113をクリックすると、保存ダイアログが表示されるので、名前を入力することにより、当該測定データが記憶手段4に記憶される。
【0041】
データ表示手段81は、入力手段2からの呼出命令の入力を受けると、第1記憶制御手段71によって記憶手段4に記憶された測定データを、呼び出して出力手段3に表示させる。
【0042】
データ表示手段81によれば、例えば、上記例において、例えば呼出ボタン114をクリックすると、図6に示すような呼出ダイアログ90が表示されるので、見たい測定データの呼出ボタンをクリックすることにより、当該測定データが記憶手段4から呼び出されて出力手段3に表示される。例えば、5つ前の測定データを見たい場合には、「5つ前」ボタン91をクリックする。
【0043】
次に、本発明の時間測定プログラムの作動すなわち本発明の時間測定装置の作動を、上記例について、図7に示すフローチャートに基づいて、説明する。
【0044】
時間測定プログラムを起動させると(ステップ(以下Sと略す)1)、図3に示す画面100がディスプレイ93に表示される(S2)。次に、スタートボタン111をクリックすると(S3)、スタートボタン111がラップボタン112に変わり(S4)、また、経過時間計測手段51が作動を開始し、それにより、経過時間が計測される(S5)。それと同時に、経過時間表示手段52が作動を開始し、それにより、計測される経過時間がタイム領域120に表示される(S6)。
【0045】
なお、S3において、スタートボタン111をクリックする代わりに、マウス91のポインタを操作ボタン領域110から外れて位置させ、すなわち、ポインタを所定位置に合わせることなく、マウス91の左ボタンをクリックするだけでもよい。
【0046】
次に、全計算問題を解き終えた生徒が現れる毎に、ラップボタン112をクリックする(S7)。これにより、作業時間取得手段61が作動し、それにより、生徒の各々について、当該生徒が何番目に解き終えたかを示す受付順位が取得されるとともに、解き終えるのに要した作業時間が経過時間計測手段51から取得される(S8)。また、同時に、取得された作業時間が、作業時間表示手段62によって、受付順の順番で全体表示領域130に表示される(S9)。この際、受付順位が全生徒数である30番であるか否かが判断され(S10)、30番でない場合には、S7〜S9が繰り返される。例えば、上記例においては、全計算問題を最初に解き終えた生徒が現れた時に、ラップボタン112をクリックすると、受付順位1番が取得されるとともに、全計算問題を解くのに要した時間である1分05秒6が取得され、図4に示すように全体表示領域130の1番の欄131に「01:05.6」が表示される。次いで、全計算問題を次に解き終えた生徒が現れた時に、ラップボタン112をクリックすると、受付順位2番が取得されるとともに、全計算問題を解くのに要した時間である1分22秒9が取得され、2番の欄132に「01:22.9」が表示される。こうして、全計算問題を解き終えた生徒が順次現れる毎に、ラップボタン112をクリックすると、順次現れた生徒の、全計算問題を解くのに要した時間が、全体表示領域130に順番に表示される。
【0047】
なお、S7において、ラップボタン112をクリックする代わりに、マウス91のポインタを操作ボタン領域110から外れて位置させ、マウス91の左ボタンをクリックするだけでもよい。
【0048】
そして、受付順位が30番になると、ストップボタン115をクリックする(S11)。これにより、経過時間計測手段51の作動が終了して、一連の時間測定が終了するとともに(S12)、全生徒30人に関する受付順位と作業時間とからなる1個の測定データが得られたこととなる。それと同時に、第1記憶制御手段71が作動し、それにより、得られた1個の測定データが記憶手段4に自動的に記憶される(S13)。この測定データは、「最新のデータ」として、記憶される。
【0049】
なお、S11において、ストップボタン115をクリックする代わりに、マウス91のポインタを操作ボタン領域110から外れて位置させ、マウス91の右ボタンを所定時間例えば0.5秒以上押し続けるだけでもよい。
【0050】
そして、時間測定プログラムを終了させる場合には、終了ボタン116をクリックする(S14)。或いは、画面100をクリアにして、別の時間測定を行いたい場合には、クリアボタン117をクリックすることにより、又は、マウス91の右ボタンを所定時間例えば0.5秒以上押し続ける(S15)。
【0051】
なお、S3からS11までの作動中においては、操作ボタン領域110のラップボタン112及びストップボタン115の2つのボタン以外のボタンはクリックしても作動しないようになっている。これにより、測定作動を誤らせる作動を防止できる。
【0052】
以上のように、本発明の時間測定プログラム又は時間測定装置は、上記例においては、30人の生徒が、100問の計算問題を同時に解き始め、個々に解き終えた場合において、生徒の各々が計算問題を解くのに要した時間(作業時間)を、ラップボタン112をクリックすることによって、続けて個々に測定でき、早く解き終えた生徒から順番に当該作業時間をディスプレイ93に表示することができる。したがって、多数の生徒を同時に対象とした計算学習であって、各生徒の計算速度データを得ることによって生徒に興味を持たせることのできる計算学習を、簡単且つ確実に行うことができる。
【0053】
すなわち、本発明の時間測定プログラム又は時間測定装置によれば、入力手段2から作業開始が入力されると、経過時間計測手段51が、時間の計測を開始して経過時間を計測し続け、経過時間表示手段52が、経過時間計測手段により計測される時間を、出力手段3に表示させる。更に、入力手段2から作業終了が入力される毎に、作業時間取得手段61が、該入力の受付順位を取得すると共に、作業開始から当該入力時点までの時間を、当該計測対象が要した作業時間として、経過時間計測手段51から取得し、第1作業時間表示手段62が、作業時間取得手段61により取得された作業時間を、受付順に並べて出力手段3に表示させる。したがって、2つ以上の計測対象が、同時に作業を開始し、個々に作業を終了する場合において、計測対象の各々が要した作業時間を、簡単且つ正確に測定して表示することができる。
【0054】
更に、本発明の時間測定プログラム又は時間測定装置では、上記S7〜S9と並列的に、第2作業時間表示手段63が作動し、それにより、作業時間取得手段61で取得されたばかりの現在の受付順位及び作業時間が第1個別表示領域141に表示されるとともに、その直前に取得されていた受付順位及び作業時間が第2個別表示領域142に表示される。例えば、上記例において、現時点で、全計算問題を4番目に解き終えた生徒が現れると、「4番」とその作業時間である「01:31.3」とが第1個別表示領域141に表示され、3番目に解き終えた生徒に関する「3番」とその作業時間である「01:25.4」とが第2個別表示領域142に表示される。次に、5番目に解き終えた生徒が現れると、「5番」とその作業時間とが第1個別表示領域141に表示され、「4番」とその作業時間とが第2個別表示領域142に表示される。そして、同様にして、最後である30番目の生徒が解き終えると、「30番」とその作業時間とが第1個別表示領域141に表示され、「29番」とその作業時間とが第2個別表示領域142に表示される。
【0055】
これにより、生徒全体において作業がどの程度まで進行しているかを一目で把握することができ、また、現在解き終えた生徒及びその直前に解き終えた生徒の、順位及び作業時間を一目で把握することができる。
【0056】
以上のように、一連の時間測定が一度終了すると、全計測対象に関する受付順位と作業時間とからなる1個の測定データが得られることとなる。
【0057】
このような時間測定を、計測対象や作業内容を変えて或いは変えないで、繰り返し行うと、そのたびに、上記と同様にして、測定データが得られる。そのような状況において、本発明の時間測定プログラム又は時間測定装置では、第1記憶制御手段71が作動し、それにより、現在得られた1個の測定データが、「最新のデータ」41として、記憶手段4のデータ記憶部40に記憶される。このとき、既に「最新のデータ」41として記憶されている測定データがあると、それは、「1つ前のデータ」42として記憶される。また、既に「1つ前のデータ」42として記憶されている測定データがあると、それは、「2つ前のデータ」43として記憶される。同様に、既に「2つ前のデータ」43〜「7つ前のデータ」48としてそれぞれ記憶されている測定データがあると、それは、「3つ前のデータ」44〜「8つ前のデータ」49としてそれぞれ記憶される。そして、既に「8つ前のデータ」49として記憶されている測定データがあると、それは、削除される。このようにして、新たな測定データが得られると、当該測定データは、「最新のデータ」41として、記憶手段4に記憶され、既に記憶されている測定データは、漸次更新されて記憶され、それとともに、測定データの記憶個数が、記憶手段4に予め定められている記憶個数、ここでは9個、を越える場合には、既に記憶されている測定データの内の最古のものが削除される。
【0058】
これによれば、最新の9個目までの測定データが自動的に記憶手段4に記憶されるので、最新の測定データの保存忘れを確実に防止できる。
【0059】
そして、本発明の時間測定プログラム又は時間測定装置では、入力手段2からの呼出命令が入力されると、データ表示手段81が作動し、それにより、第1記憶制御手段71によって記憶手段4に記憶された測定データの内の任意の測定データが、選択され呼び出されて出力手段3に表示される。すなわち、例えば呼出ボタン114をクリックすると、データ表示手段81が作動し、それにより、図6に示すような呼出ダイアログ90が表示され、見たい測定データの呼出ボタンをクリックすると、当該測定データが記憶手段4から呼び出されてディスプレイ93に表示される。例えば、2つ前の測定データを見たい場合には、「2つ前のデータの呼出」ボタン92をクリックする。
【0060】
これによれば、最新の9個目までの測定データを任意に選択して見ることができるので、それらの測定データを作業に活かすことができる。
【0061】
なお、得られた測定データは、第1記憶制御手段71によって自動的に記憶手段4に記憶されるが、漸次更新されていき、ついには削除されてしまう。そこで、測定データを削除されないよう保存するために、本発明の時間測定プログラム又は時間測定装置では、入力手段2からの記憶命令が入力されると、第2記憶制御手段72が作動し、それにより、上述のようにして得られた1個の測定データを、作業時間取得手段61から取得して、記憶手段4に記憶させる。すなわち、例えば保存ボタン113をクリックすると、保存ダイアログが表示されるので、名前を入力することにより、当該測定データが記憶手段4に記憶される。
【0062】
これによれば、必要な測定データを、自動的に削除されることがないよう、確実に保存することができる。
【0063】
なお、上述の実施形態では、作業の例として、計算問題を解くことを挙げて、説明したが、作業の例としては、これに限るものではなく、例えば、多数の陸上長距離選手が同時にスタートして個々にゴールする場合などを挙げることもできる。
【0064】
更に、本発明の時間測定プログラム及び時間測定装置は、次のように作動することもできる。
【0065】
(1)印刷ボタン118をクリックすると、画面100に表示されている測定データを印刷することができる。
【0066】
(2)上記S7〜S9の間に、ストップボタン115を押すことにより、又は、マウス91の右ボタンを所定時間例えば0.5秒以上押し続けることにより、時間測定を終了することができる。
【0067】
(3)計測対象が多いためにディスプレイ93上の全体表示領域130に一部の計測対象の作業時間が見えていない場合において、スクロールボタン119を押すことにより、全体表示領域130の全ての表示を見ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、2つ以上の計測対象が、同時に作業を開始し、個々に作業を終了する場合において、計測対象の各々が要した作業時間を、簡単に測定できるので、産業上の利用価値が大である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の時間測定装置の構成要素のブロック図である。
【図2】本発明の時間測定装置のハードウェア構成図である。
【図3】本発明の時間測定装置のディスプレイに表示される起動直後の画面である。
【図4】本発明の時間測定装置のディスプレイに表示される作動後の画面である。
【図5】本発明の第1記憶制御手段によって制御される記憶手段における自動更新データ記憶部の構成を示す図である。
【図6】本発明の呼出ダイアログを示す図である。
【図7】本発明の作動を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
2 入力手段 3 出力手段 4 記憶手段 10 時間測定装置 51 経過時間計測手段 52 経過時間表示手段 61 作業時間取得時間 62 第1作業時間表示手段 63 第2作業時間表示手段 71 第1記憶制御手段 72 第2記憶制御手段 81 データ表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の計測対象が、同時に作業を開始し、個々に作業を終了する場合において、計測対象の各々が要した作業時間を、測定するために、コンピュータを、特定の手段として機能させる、時間測定プログラムであって、
上記特定の手段が、
入力手段からの作業開始の入力を受けると、時間の計測を開始して経過時間を計測し続ける、経過時間計測手段と、
経過時間計測手段により計測される時間を、出力手段に表示させる、経過時間表示手段と、
入力手段からの作業終了の入力を受ける毎に、該入力の受付順位を取得すると共に、作業開始から当該入力時点までの時間を、当該計測対象が要した作業時間として、経過時間計測手段から取得する、作業時間取得手段と、
作業時間取得手段により取得された作業時間を、受付順に並べて出力手段に表示させる、第1作業時間表示手段と、であることを特徴とする時間測定プログラム。
【請求項2】
2つ以上の計測対象が、同時に作業を開始し、個々に作業を終了する場合において、計測対象の各々が要した作業時間を、測定するための、特定の手段を備えた、時間測定装置であって、
上記特定の手段が、
入力手段からの作業開始の入力を受けると、時間の計測を開始して経過時間を計測し続ける、経過時間計測手段と、
経過時間計測手段により計測される時間を、出力手段に表示させる、経過時間表示手段と、
入力手段からの作業終了の入力を受ける毎に、該入力の受付順位を取得すると共に、作業開始から当該入力時点までの時間を、当該計測対象が要した作業時間として、経過時間計測手段から取得する、作業時間取得手段と、
作業時間取得手段により取得された作業時間を、受付順に並べて出力手段に表示させる、第1作業時間表示手段と、であることを特徴とする時間測定装置。
【請求項3】
上記特定の手段が、更に、
作業時間取得手段で取得されたばかりの現在の受付順位及び作業時間と、その直前に取得されていた受付順位及び作業時間とを、第1作業時間表示手段による表示とは区別して、出力手段に表示させる、第2作業時間表示手段である、請求項1又は2に記載の時間測定プログラム又は時間測定装置。
【請求項4】
上記特定の手段が、更に、
全計測対象について取得された受付順位及び作業時間からなる測定データを、該測定データが得られる毎に、作業時間取得手段から取得して、記憶手段に自動的に記憶させるものであって、そのような測定データを、漸次更新しながら、2以上の所定個数だけ記憶手段に記憶させる、第1記憶制御手段である、請求項1又は2に記載の時間測定プログラム又は時間測定装置。
【請求項5】
上記特定の手段が、更に、
入力手段からの呼出命令の入力を受けると、第1記憶制御手段によって記憶手段に記憶された測定データを、呼び出して出力手段に表示させる、データ表示手段である、請求項4記載の時間測定プログラム又は時間測定装置。
【請求項6】
上記特定の手段が、更に、
入力手段からの記憶命令の入力を受けると、全計測対象について取得された受付順位及び作業時間からなる測定データを、作業時間取得手段から取得して、記憶手段に記憶させる、第2記憶制御手段である、請求項1又は2に記載の時間測定プログラム又は時間測定装置。
【請求項7】
少なくとも、作業開始の入力と、個々の作業終了の入力とを、ポインタを所定位置に合わせることなく、マウスをクリックするだけで、実行させる、請求項1又は2に記載の時間測定プログラム又は時間測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−78207(P2006−78207A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−259645(P2004−259645)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【出願人】(502381645)
【Fターム(参考)】