景品払出装置、管理装置および景品払出システム
【課題】景品の払い出しに係る表示について使い勝手の向上を図ることができる景品払出装置、この景品払出装置と通信可能な管理装置、ならびに、これらの景品払出装置および管理装置を含む景品払出システムを提供すること。
【解決手段】景品払出装置3のキャビネット21の表面には、景品が払い出されるレーン36が、幅方向に並ぶように複数設けられている。キャビネット21においてレーン36の近傍には、払出表示部35が配置されている。払出表示部35は、全体で幅方向に沿って延びる帯状をなしているので、いずれのレーン36の近傍にも払出表示部35が位置する。これにより、景品が払い出されるレーン36の近傍の払出表示部35において、当該レーン36に払い出される景品についての情報を表示することができるので、当該レーン36に目を向ければ、この情報を容易かつ速やかに得ることができ、使い勝手が良い。
【解決手段】景品払出装置3のキャビネット21の表面には、景品が払い出されるレーン36が、幅方向に並ぶように複数設けられている。キャビネット21においてレーン36の近傍には、払出表示部35が配置されている。払出表示部35は、全体で幅方向に沿って延びる帯状をなしているので、いずれのレーン36の近傍にも払出表示部35が位置する。これにより、景品が払い出されるレーン36の近傍の払出表示部35において、当該レーン36に払い出される景品についての情報を表示することができるので、当該レーン36に目を向ければ、この情報を容易かつ速やかに得ることができ、使い勝手が良い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パチンコ玉等の遊技媒体と交換された景品を払い出すための景品払出装置、この景品払出装置と通信可能な管理装置、ならびに、これらの景品払出装置および管理装置を含む景品払出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店等の遊技施設には、遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の個数に応じて遊技客に景品を払い出す景品払出装置が設置されている。
下記特許文献1では、遊技施設のフロアに直接据え置かれる景品払出装置が提案されている。この景品払出装置の天面には、複数の投出口が所定方向に並ぶように形成されている。装置内の景品は、いずれかの投出口から天面に払い出される。また、この天面において、複数の投出口の並び方向における略中央位置には、払い出される景品の種類や個数等を一括表示する表示部が設けられている。
【0003】
また、下記特許文献2では、遊技施設のカウンタ等に載せられる卓上タイプの景品払出装置が提案されている。この景品払出装置内には、繰り出された後にこれから払い出される景品を一時的に保留する景品一時保留部が設けられている。この景品一時保留部には、景品が配置される複数のレーンが所定方向に並ぶように設けられている。繰り出された景品は、払い出される前に、景品一時保留部において、いずれかのレーンに配置される。
【0004】
そして、特許文献2の景品払出装置には、シャッタが設けられており、シャッタが開くと、景品一時保留部が遊技客側に露出されるので、遊技客は、いずれかのレーンに配置された景品を受け取ることができる。
また、特許文献2の景品払出装置の表面において、各レーンの近傍には、払出口ランプが設けられている。いずれかのレーンに景品が配置されて遊技客に払い出されるまでの間、景品が配置されたレーンに対応する払出口ランプが点滅する。そのため、遊技客は、景品を受け取る際、点滅している払出口ランプを目印とすることで、どのレーンから景品が払い出されるのかを把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−38327号公報
【特許文献2】特開2008−93190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の景品払出装置では、払い出される景品の種類や個数等といった情報が表示部に一括表示される。そのため、複数の投出口から景品が払い出された場合、各投出口から正しい種類の景品が正しい個数だけ払い出されたのかを把握するには、投出口に景品が払い出されたことを確認した後に表示部を確認するとういう動作を投出口毎に行わねばならず、景品の払い出しを受ける者にとって使い勝手が悪い。
【0007】
一方、特許文献2の景品払出装置の場合、払出口ランプが点滅するだけでは、どのレーンから景品が払い出されるのかを把握できても、そのレーンから正しい種類の景品が正しい個数だけ払い出されたのかを把握することができないので、景品の払い出しを受ける者にとって使い勝手が悪い。また、払出口ランプは、景品の払出処理の間しか利用されないので、もったいない(利用効率が低い)。
【0008】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、景品の払い出しに係る表示について使い勝手の向上を図ることができる景品払出装置、この景品払出装置と通信可能な管理装置、ならびに、これらの景品払出装置および管理装置を含む景品払出システムを提供することを主たる目的とする。
また、この発明は、景品の払い出しに係る表示について利用効率の向上を図ることができる景品払出装置、この景品払出装置と通信可能な管理装置、ならびに、これらの景品払出装置および管理装置を含む景品払出システムを提供することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、景品を払い出すための景品払出装置であって、景品が収納される装置本体と、前記装置本体の表面において所定方向に並ぶように複数設けられ、前記装置本体内の景品が払い出される払出部と、前記装置本体の表面において前記払出部の近傍に配置され、全体で前記所定方向に沿って延びる帯状をなす表示手段と、前記表示手段に情報を表示させるための表示制御手段と、を含むことを特徴とする、景品払出装置である。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記表示制御手段は、景品が払い出されるときに、これから払い出される景品の種類情報および/または個数情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする、請求項1記載の景品払出装置である。
請求項3記載の発明は、前記装置本体内に複数設けられ、対応する前記払出部に景品を払い出す景品払出ユニットと、異常が発生した前記景品払出ユニットを検知する検知手段と、異常が発生した前記景品払出ユニットに対応する前記払出部を特定する特定手段と、を含み、前記表示制御手段は、前記特定手段が特定した前記払出部の周辺における前記表示手段に、異常発生を報知する情報を表示させることを特徴とする、請求項1または2記載の景品払出装置である。
【0011】
請求項4記載の発明は、景品の払い出しが行われない待機状態において、前記表示制御手段は、景品払出装置が設置される施設の広告情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品払出装置である。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と通信可能な管理装置であって、前記表示手段に表示すべき情報に関する表示データを前記景品払出装置へ送信するデータ送信手段を含むことを特徴とする、管理装置である。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と、請求項5記載の管理装置と、を含み、前記表示制御手段は、前記データ送信手段によって送信されてきた前記表示データに基づいて、当該表示データに対応する情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする、景品払出システムである。
請求項7記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と通信可能な管理装置であって、前記表示手段で表示を行うために用いられる表示パターンを設定するための設定手段と、前記表示パターンを前記景品払出装置へ送信するパターン送信手段と、を含むことを特徴とする、管理装置である。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と、請求項7記載の管理装置と、を含み、前記景品払出装置は、前記パターン送信手段によって送信されてきた前記表示パターンを登録する登録手段を含み、前記表示制御手段は、前記登録手段に登録された前記表示パターンに基づいて、情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする、景品払出システムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明の構成によれば、景品払出装置では、景品が収納される装置本体の表面に、複数の払出部が、所定方向に並ぶように設けられている。各払出部には、装置本体内の景品が払い出される。
そして、装置本体の表面において払出部の近傍には、表示手段が配置されている。表示手段は、全体で前記所定方向に沿って延びる帯状をなしている。景品払出装置では、表示制御手段が、表示手段に情報を表示させる。
【0015】
この構成であれば、表示手段全体が、払出部の近傍において、前記所定方向(複数の払出部の並び方向)に沿って延びる帯状をなしていることから、いずれの払出部の近傍にも表示手段が位置することとなる。そのため、景品が払い出される払出部の近傍の表示手段において、当該払出部に払い出される景品についての情報を表示することが可能である。この場合、景品の払い出しを受ける者は、当該払出部に目を向ければ、この情報を容易かつ速やかに得ることができ、景品の払い出しを受ける者にとって使い勝手が良い。
【0016】
この結果、景品の払い出しに係る表示について使い勝手の向上を図ることができる。
また、景品以外についての情報を表示手段に表示することも可能であり、その場合には、表示手段の有効利用を図ることができる。つまり、景品の払い出しに係る表示について利用効率の向上を図ることができる。
請求項2記載の発明の構成によれば、表示手段に表示される情報が、これから払い出される景品の種類情報および/または個数情報である。これらの情報は、景品の払い出しを受ける者にとって特に知りたい情報である。景品の払い出しを受ける者は、これらの情報を表示手段で速やかに得ることができるので、一層使い勝手が良い。
【0017】
請求項3記載の発明の構成によれば、景品払出装置では、装置本体内に複数の景品払出ユニットが設けられている。各景品払出ユニットは、対応する払出部に景品を払い出す。
ここで、景品払出装置では、検知手段が、異常が発生した景品払出ユニットを検知し、特定手段が、異常が発生した景品払出ユニットに対応する払出部を特定し、表示制御手段が、特定手段が特定した払出部の周辺における表示手段に、異常発生を報知する情報を表示させる。
【0018】
これにより、どの景品払出ユニットに異常が発生したのかを速やかに把握できるので、一層使い勝手が良い。
請求項4記載の発明の構成によれば、景品の払い出しが行われない待機状態において、表示制御手段は、景品払出装置が設置される施設の広告情報を表示手段に表示させるので、表示手段の有効利用を図ることができる。つまり、景品の払い出しに係る表示について利用効率の向上を図ることができる。
【0019】
請求項5記載の発明の構成によれば、請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と通信可能な管理装置では、データ送信手段が、表示手段に表示すべき情報に関する表示データを景品払出装置へ送信する。これにより、景品払出装置とは別に設けられた管理装置で表示データを設定できるので使い勝手が良い。
この場合、請求項6記載の発明のように請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と請求項5記載の管理装置とを含む景品払出システムでは、景品払出装置側の表示制御手段は、管理装置側のデータ送信手段によって送信されてきた表示データに基づいて、当該表示データに対応する情報を速やかに表示手段に表示させることができる。
【0020】
請求項7記載の発明の構成によれば、請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と通信可能な管理装置では、設定手段が、表示手段で表示を行うために用いられる表示パターンを設定し、パターン送信手段が、表示パターンを景品払出装置へ送信する。これにより、景品払出装置とは別に設けられた管理装置で表示パターンを設定できるので使い勝手が良い。
【0021】
この場合、請求項8記載の発明のように請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と請求項7記載の管理装置とを含む景品払出システムでは、景品払出装置において、登録手段が、管理装置側のパターン送信手段によって送信されてきた表示パターンを登録し、表示制御手段が、登録手段に登録された表示パターンに基づいて、情報を表示手段に表示させる。
【0022】
つまり、景品払出装置において、登録手段に事前に登録された表示パターンに基づいて様々なバリエーションの情報を生成して表示手段に表示させることができるので、使い勝手が良い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明に係る景品払出システム1の全体構成を示すブロック図である。
【図2】管理装置2を前側(従業員が操作する側)から見た斜視図である。
【図3】管理装置2の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】景品払出装置3を前側(従業員が操作する側)から見た斜視図である。
【図5】払出ユニット23の斜視図であって、(a)は、引出部41が収納位置にある状態を示し、(b)は、引出部41が引出位置にある状態を示している。
【図6】(a)および(b)は、景品払出装置3の縦断面を模式的に示した図である。
【図7】景品払出装置3の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第1の実施例に係るものである。
【図9】景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第1の実施例に係るものである。
【図10】景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第2の実施例に係るものである。
【図11】景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第2の実施例に係るものである。
【図12】景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第3の実施例に係るものである。
【図13】景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第4の実施例に係るものである。
【図14】景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第4の実施例に係るものである。
【図15】図6(a)において変形例を適用した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。なお、以下では、左右方向と幅方向とは同じであり、前後方向および左右方向(幅方向)は、水平方向に含まれている。
<景品払出システム>
図1は、この発明に係る景品払出システム1の全体構成を示すブロック図である。
【0025】
景品払出システム1は、パチンコ店などの遊技施設に設けられている。図1を参照して、景品払出システム1は、1または複数(ここでは複数)の管理装置(POS端末)2と、各管理装置2に接続された1または複数(ここでは管理装置2毎に2台)の景品払出装置3とから構成されている。管理装置2および景品払出装置3のそれぞれは、独立して設けられた装置である。
【0026】
複数の管理装置2は、1台の親機(1号機)2Mと、他の複数台の子機(2号機等)2Sとから構成されている。なお、図示していないが、景品払出システム1において、親機2Mの上位に、遊技施設内の機器全体を管理する管理コンピュータを設けてもよい。管理コンピュータは、遊技施設の事務所に設置される。これに対し、管理装置2および景品払出装置3は、遊技施設の景品カウンタに設置される。
【0027】
図1において、1号機の管理装置2Mに接続された2台の景品払出装置3のうち、一方が1号機とされ、他方が2号機とされる。そして、2号機の管理装置2Sに接続された2台の景品払出装置3のうち、一方が3号機とされ、他方が4号機とされる。
景品払出システム1では、管理装置2同士が通信可能であるとともに、各管理装置2と、対応する2台の景品払出装置3とが通信可能である。
【0028】
景品払出システム1では、管理装置2が、必要に応じて景品払出装置3に払出コマンドを送信し、景品払出装置3は、受信した払出コマンドに応じて、景品を遊技客に払い出す処理(払出処理)を実施する。
ここで、景品払出装置3が扱う景品は、特殊景品と呼ばれる。特殊景品は、一例として所定の厚さを有する樹脂製のカード体であり、貴金属等の有価物を内蔵している。特殊景品には、前述した有価物の価値の違いや、遊技媒体(パチンコ玉またはメダル)の違いや、遊技媒体の貸出レートの違いに応じて、複数の種類がある。獲得した遊技媒体を特殊景品に交換した遊技客は、特殊景品を特殊景品交換所に持ち込んで買い取ってもらう。一方、特殊景品に対し、菓子やたばこ等の景品は、一般景品とされる。
【0029】
各景品払出装置3は、自己が保有する景品を計数する機能を有しており、景品払出装置3に景品を入庫(開店準備時に行われる)・補充(営業時間中に行われる)する際や、景品払出装置3に収納された景品の枚数を所定のタイミングで確認する際などにおいて、景品を計数する。景品の計数結果は、計数データとして、景品払出装置3によって管理されるとともに、景品払出装置3から管理装置2に送信される。この計数データに基づいて、景品払出装置3は、自己の景品の在庫を把握し、管理装置2は、支配下にある景品払出装置3が保有する景品を管理する。
【0030】
次に、管理装置2および景品払出装置3のそれぞれを個別に説明する。
<管理装置>
図2は、管理装置2を前側(従業員が操作する側)から見た斜視図である。
図2を参照して、管理装置2は、上下に扁平なボックス形状であり、その天面は、後側(図2における紙面奥側)へ向かって上昇するように傾斜している。管理装置2の天面において、略下半分には、多数の操作キーで構成された操作部4(設定手段)が設けられており、略上半分には、液晶モニターで構成された従業員用表示部5が設けられている。また、管理装置2の後面には、液晶モニターで構成された客用表示部6が設けられている。操作部4を操作することで、管理装置2の動作を制御することができる。従業員用表示部5および客用表示部6には、必要な情報が表示される。
【0031】
図3は、管理装置2の電気的構成を示すブロック図である。
図3を参照して、管理装置2には、マイクロコンピュータ等で構成された制御部7(データ送信手段、パターン送信手段)が備えられている。制御部7は、CPUやメモリ(ROM、RAM)などを含んでいる。制御部7は、管理装置2の動作を制御するためのものである。
【0032】
管理装置2において、制御部7には、前述した操作部4、従業員用表示部5および客用表示部6のそれぞれが電気的に接続されているとともに、I/F部8、バーコードリーダ9、ICチップリーダ10、計時部11、印字部12および記憶部13のそれぞれが電気的に接続されている。
I/F部8を介して、制御部7は、他の管理装置2や対応する(支配下の)景品払出装置3(図1参照)と通信することができる。
【0033】
バーコードリーダ9に関し、遊技施設では、遊技台(パチンコ台等)で獲得された遊技媒体が遊技終了後に計数され、その計数結果(獲得した遊技媒体の個数)をバーコード印字したレシートが遊技客に渡される。バーコードリーダ9は、このレシートに印字されたバーコードから計数結果を読み取ることができる。
ICチップリーダ10に関し、ICチップ内蔵のカードが遊技客に配布される遊技施設があり、このカードを持つ遊技客については、前述した計数結果が、カードのICチップに記憶される。ICチップリーダ10は、このICチップに記憶された計数結果を読み取ることができる。
【0034】
バーコードリーダ9またはICチップリーダ10で読み取られた計数結果は、従業員用表示部5や客用表示部6に表示される。また、制御部7は、この計数結果(遊技客が獲得した遊技媒体の個数)に基づいて、交換可能な景品の種類および個数を算出し、その算出結果(遊技客が獲得した遊技媒体がどの種類の景品何個に交換可能かという内容)が、従業員用表示部5や客用表示部6に表示される。
【0035】
計時部11は、経過時間を計測するものである。印字部12は、必要な情報を紙に印字する。これにより、管理装置2では、リスト等を発行することができる。
記憶部13は、管理装置2の各種設定情報や前述した計数結果といった必要な情報を記憶する。
<景品払出装置>
図4は、景品払出装置3を前側(従業員が操作する側)から見た斜視図である。
【0036】
図4を参照して、景品払出装置3は、遊技施設のフロアに直接据え置かれて使用される。景品の払い出しを受ける客は、景品払出装置3の後側(図4における紙面奥側)に位置し、従業員は、景品払出装置3の前側に位置して接客を行う。なお、図4では、景品払出装置3において従業員側側面のメンテナンス用扉20が開かれた状態が示されている。
景品払出装置3は、その外郭をなす略直方体形状のキャビネット21(装置本体)と、景品をカセット42(後述する図5(b)参照)に積み重ねた状態で収納することができる複数(たとえば8つ)の払出ユニット23(景品払出ユニット)とを備えている。なお、図4では、1つの払出ユニット23が示されている。
【0037】
複数の払出ユニット23は、幅方向(図4におけるキャビネット21の長手方向)に並んだ状態でキャビネット21内に収納される。
キャビネット21の天面(上側の表面)は、第1天面24と第2天面25と第3天面26とを前側からこの順に含んでいる。
第1天面24、第2天面25および第3天面26のそれぞれは、幅方向に細長い略矩形状をなし、略水平方向に沿って平坦である。第1天面24は、第2天面25よりも若干高い位置にあり、第2天面25は、第3天面26よりも若干高い位置にある。そのため、キャビネット21の天面全体は、前側へ向かって高くなる階段形状をなしている。また、前後方向寸法に関し、第1天面24および第3天面26は、ほぼ同じであり、第2天面25は、第1天面24または第3天面26の半分以下である。
【0038】
第1天面24の幅方向略中央には、上側へ膨出する膨出部27が一体的に設けられている。膨出部27は、幅方向に細長いブロック状をなし、幅方向から見て略三角形をなしている。このような形状の膨出部27は、前下側へ傾斜する傾斜面を有しており、この傾斜面には、従業員用表示部28が設けられている。従業員用表示部28は、幅方向に細長い液晶表示器である。
【0039】
また、第1天面24において、図4の姿勢における従業員用表示部28の左側には、客用表示部29が設けられている。客用表示部29は、液晶モニターであり、後側(客側)を臨んでいる。
第2天面25の幅方向両端部30には、スピーカー31が設けられている。第2天面25において、左右のスピーカー31の間の領域には、キャビネット21内に連通する複数の払出口32が、等間隔を隔てて幅方向に並んで形成されている。払出口32は、払出ユニット23の数に応じて8つ形成されている。各払出口32は、平面視で前後にやや長手の矩形状をなしており、その前後方向寸法は、第2天面25の前後方向寸法とほぼ同じである。なお、図4において、各払出口32は、後述するシャッタ33(ドットで塗り潰した部分を参照)によって閉じられている。
【0040】
各払出口32の真下には、払出ユニット23が1台位置しており、幅方向において同じ位置にある払出口32と払出ユニット23とは対応付けられている。
各払出口32は、シャッタ33によって開閉される。シャッタ33は、前後にやや長手の矩形の板状であり、払出口32を塞ぎ得る大きさを有している。払出口32が8つあることから、シャッタ33は、8つ存在する。各シャッタ33は、前後方向にスライド可能となるようにキャビネット21の天壁によって支持されている。
【0041】
詳しくは、各シャッタ33は、後側へ進出して払出口32を上側から閉じる閉位置(図4および図6(b)参照)と、前側へ退避して払出口32を上側へ開放する開位置(図6(a)において点線で示したシャッタ33を参照)との間で前後にスライド可能である。開位置にあるシャッタ33は、第1天面24の下側に隠れるように配置される。各シャッタ33は、独立してスライドすることができる。
【0042】
第2天面25において、幅方向で隣り合う払出口32に挟まれた部分は、スペーサー34とされる。払出口32が8つあることから、スペーサー34は、7つ存在する。各スペーサー34は、シャッタ33とほぼ同じ大きさの矩形状をなしている。
図4のように全てのシャッタ33が閉位置にある状態では、各シャッタ33の天面と、各スペーサー34の天面と、第2天面25の幅方向両端部30とが、ほぼ面一となって略水平方向に沿っている。
【0043】
ここで、全てのシャッタ33およびスペーサー34の天面には、払出表示部35(表示手段)が設けられている。各払出表示部35は、平面視でシャッタ33またはスペーサー34とほぼ同じ大きさの略矩形をなす表示器であり、カラー液晶や有機EL等のモジュールで構成されている。全てのシャッタ33を閉位置にして、全てのシャッタ33およびスペーサー34を一体とみなすと、払出表示部35は、全体で(全ての払出表示部35が集合した状態で)、幅方向に沿って延びる(幅方向に細長い)帯状をなしている(点線で区画された部分を参照)。
【0044】
第3天面26において、第2天面25の各払出口32に対して後側から隣接する部分は、レーン36(払出部)とされる。払出口32が8つあることから、第3天面26には、8つのレーン36が幅方向(所定方向)に等間隔を隔てて並んで存在している。ここで、8つのレーン36は、図4における右側から順に、レーン36A、レーン36B、レーン36C、レーン36D、レーン36E、レーン36F、レーン36G、レーン36Hと、A〜Hのアルファベットで区別される。
【0045】
ここで、前述したように、幅方向において同じ位置にある払出口32と払出ユニット23とが対応付けられていることから、レーン36および払出ユニット23も、互いに対応付けられている。各払出ユニット23は、対応する(幅方向で同じ位置にある)払出口32から、対応するレーン36に景品を払い出す。
前述したように全体で帯状をなしている払出表示部35は、キャビネット21の天面(第2天面25)において全てのレーン36の前側近傍に配置されている。
【0046】
次に、払出ユニット23について説明する。
図5は、払出ユニット23の斜視図であって、(a)は、引出部41が収納位置にある状態を示し、(b)は、引出部41が引出位置にある状態を示している。図6において、(a)および(b)は、景品払出装置3の縦断面を模式的に示した図である。
図5(a)に示すように、各払出ユニット23は、左右方向においてやや薄い中空のボックス形状である。図5(b)に示すように、払出ユニット23は、その外郭をなすケーシング40と、引出部41と、複数(ここでは4つ)のカセット42と、キャリア43とを備えている。引出部41、カセット42およびキャリア43は、常態では、ケーシング40内に収納されている(図5(a)参照)。キャリア43は、4つのカセット42を前後方向に並んだ状態で一体的に保持する。前後方向に並んだ4つのカセット42を、前から順に、カセット42A、カセット42B、カセット42C、カセット42Dと区別することがある。
【0047】
ケーシング40の前壁には、ケーシング40内に連通する開口44が形成されている。
引出部41は、前板45と、後板46と、底板47とを一体的に備えている。前板45は、ケーシング40の開口44をちょうど塞ぎ得る大きさを有している。後板46は、前板45から連続して後側へ延びている。底板47は、前板45の下端と後板46の下端とを繋いでいる。
【0048】
後板46は、ケーシング40において内部を左側から区画する壁面に設けられたレール(図示せず)によって、前後方向へスライド可能に支持されている。これにより、引出部41全体が前後方向へスライド可能である。詳しくは、引出部41は、収納位置(図5(a)参照)と引出位置(図5(b)参照)との間でスライドすることができる。図5(a)に示すように引出部41が収納位置にある場合には、前板45がケーシング40の開口44を前側から塞いでいる。収納位置の引出部41を前側へ引き出すと、引出部41は、図5(b)に示す引出位置に配置される。
【0049】
キャリア43は、複数の仕切り48を一体的に備えている。各仕切り48は、上下方向に延びる板状であり、所定の間隔を隔てて、前後方向に沿って並んでいる。各カセット42は、隣り合う仕切り48に挟持されることによって、キャリア43に保持される。キャリア43は、引出部41の後板46によって、前後方向へスライド自在に支持されている。ここで、後板46に対するキャリア43の相対位置に関し、最も前側に位置するときのキャリア43の位置を前位置といい(図6(b)参照)、最も後側に位置するときのキャリア43の位置を後位置という(図6(a)参照)。図5(b)では、前位置にあるキャリア43が示されている。
【0050】
カセット42は、上下方向に長手のボックス状であり、少なくともその上面および底面は、開放されている。カセット42は、所定の種類の複数枚の景品を、上下方向に沿って積み重ねた積層状態で収納することができる。ここで、1台の払出ユニット23において、4つのカセット42には、原則として、同じ種類の景品が収納される。
図6に示すように、ケーシング40内には、カセット42の並び方向(前後方向)に間隔を隔てて並ぶ2つのリフト49が設けられている。各リフト49は、水平方向に平坦な板状であって、ケーシング40に支持されており、ケーシング40内で昇降することができる。リフト49の待機位置は、ケーシング40の底壁の近くである(点線で示したリフト49を参照)。
【0051】
また、ケーシング40内において、各リフト49の上方には、繰出部50が配置されている。つまり、繰出部50は、リフト49と同様に、2つ設けられている。繰出部50は、ケーシング40の上壁に隣接するように配置され、ケーシング40に支持されている。
各繰出部50は、前後方向(図6では左右方向)へスライド自在に支持された移動体51と、回転自在に支持された1対の繰出ローラ52とを含んでいる。移動体51と繰出ローラ52とは、前後方向に沿って並んでいる。移動体51の底面には、下向きに突出した爪53が一体的に設けられている。
【0052】
ケーシング40の上壁において、2つの繰出部50の間に位置する部分には、連通口54が形成されている。連通口54は、ケーシング40内に上側から連通している。払出ユニット23がキャビネット21に納められている状態では、ケーシング40の連通口54は、キャビネット21において対応する(幅方向で同じ位置にある)払出口32に対して、真下から対向している。
【0053】
各繰出部50では、前後方向において、繰出ローラ52が、移動体51よりも、連通口54に近い位置に配置されている。ここで、上述したように前後方向にスライド自在な移動体51の位置に関し、繰出ローラ52に最も近付いたときの移動体51の位置を進出位置といい、繰出ローラ52から最も離れたときの移動体51の位置を退避位置という。図6では、退避位置にある移動体51が示されており、退避位置が、移動体51の待機位置となる。
【0054】
ケーシング40内において、連通口54の下方の空間は、保留部55とされる。保留部55には、エレベータ56が設けられている。エレベータ56は、水平方向に平坦な板状であって、ケーシング40に支持されており、ケーシング40内で昇降することができる。エレベータ56が待機位置にあるとき、エレベータ56の上面は、繰出部50の繰出ローラ52よりも低い位置にある。
【0055】
次に、景品払出装置3による景品の払い出し動作について、1つの払出ユニット23に着目して説明する。
まず、キャビネット21の扉20が開かれて(図4参照)、図5(b)に示すように引出部41が引出位置まで引き出される。そして、この状態で、同じ種類の景品を収納した4つのカセット42がキャリア43に対して上側から差し込まれ、キャリア43に保持される。その後、引出部41は、収納位置へ押し込まれ(図5(a)参照)、カセット42およびキャリア43を伴って、ケーシング40内に収納される。このとき、キャリア43は後位置にあるものとする(図6(a)参照)。そして、扉20(図4参照)が閉じられると、景品払出装置3による景品の払い出しが可能となる。
【0056】
このように引出部41が収納位置にあり、キャリア43が後位置にある場合、図6(a)に示すように、上述した2つのリフト49は、待機位置にある(図6(a)において点線で示したリフト49を参照)。詳しくは、これらのリフト49のうち、前側(図6では左側)のリフト49の上方には、前から1番目のカセット42Aの底面が位置し、後側のリフト49の上方には、前から3番目のカセット42Cの底面が位置している。
【0057】
この状態からキャリア43が前位置へ移動すると、図6(b)に示すように、4つのカセット42がリフト49に対して前側へ相対移動する。この場合、前側のリフト49の上方には、前から2番目のカセット42Bの底面が位置し、後側のリフト49の上方には、前から4番目のカセット42Dの底面が位置することになる(図6(b)において点線で示したリフト49を参照)。
【0058】
キャリア43が後位置にある場合には、カセット42Aおよびカセット42Cのいずれか、または、両方から景品Kを払い出すことができる(図6(a)参照)。キャリア43が前位置にある場合には、カセット42Bおよびカセット42Dのいずれか、または、両方から景品Kを払い出すことができる(図6(b)参照)。どのカセット42から景品Kを払い出すかは、任意に設定可能である。
【0059】
次に、図6(a)を参照し、カセット42Aを例にとって、カセット42から景品Kを払い出す手順について具体的に説明する。
まず、カセット42Aの下方に位置していたリフト49が、実線で示すように、カセット42Aの開放された底面からカセット42A内を通って上昇する。これにより、カセット42A内の全ての景品Kが、このリフト49によって押し上げられる。
【0060】
最上位にある景品Kが繰出部50まで押し上げられると、リフト49の上昇が停止し、繰出部50が、最上位の景品Kを繰り出す。具体的には、退避位置にある移動体51が進出位置まで移動する。カセット42Aの場合、移動体51は、進出位置へ向けて後方(図6における右側)へ移動する。このとき、移動体51の爪53が最上位の景品Kに引っ掛かり、この景品Kを1対の繰出ローラ52の間へ搬送する。この後、移動体51は、すぐに退避位置に戻る。そして、この景品Kは、回転する1対の繰出ローラ52によって、待機位置にあるエレベータ56(保留部55)側へ放出され、エレベータ56の上面に載置される。
【0061】
そして、リフト49の上昇と繰出部50による景品Kの繰り出しとが、景品K毎に繰り返され、カセット42A内の景品Kが、上から順に、エレベータ56に積み重ねられて、保留部55に一時保留される。なお、景品Kがエレベータ56に良好に積み重ねられるように、エレベータ56は、待機位置から適宜下降する。
また、カセット42Aの景品Kだけでなく、カセット42Cの景品Kも、カセット42Aの場合と同様の手順で、エレベータ56に積み重ねられてもよい。カセット42Aおよびカセット42Cに景品Kが無い場合には、キャリア43が後位置から前位置へ移動し(図6(b)参照)、カセット42Bおよびカセット42Dの景品Kが、カセット42Aの場合と同様の手順で、エレベータ56に積み重ねられる。
【0062】
図6(a)に示すように、払い出しに必要な枚数の景品Kがエレベータ56に積み重ねられると、キャビネット21の天面において、対応するシャッタ33が、点線で示すように前側(図6における左側)の開位置まで移動し、このエレベータ56の上方にある払出口32を開く。次いで、エレベータ56が、払出ユニット23の連通口54を介して、この払出口32まで上昇する。
【0063】
そして、エレベータ56の上面がキャビネット21の天面(詳しくは、前述した第3天面26)と面一になるまでエレベータ56が上昇すると、シャッタ33が、払出口32を閉じようと後側の閉位置まで移動し、そのときに、エレベータ56の上面に積み重ねられた景品Kを、第3天面26のレーン36へ向けて押し出す。これにより、景品Kが、通過した払出口32に対応する(幅方向で同じ位置にある)レーン36に払い出される。遊技客は、レーン36に払い出された景品を受け取る。
【0064】
ここで、景品Kが1つのレーン36だけに払い出されるとは限らず、払い出される景品Kの種類や枚数に応じて、一度に複数のレーン36(図4参照)に景品が払い出されることがある。
図7は、景品払出装置3の電気的構成を示すブロック図である。
図7を参照して、景品払出装置3には、マイクロコンピュータ等で構成された制御部60(表示制御手段、検知手段、特定手段)が備えられている。制御部60は、CPUやメモリ(ROM、RAM)などを含んでいる。制御部60は、景品払出装置3の動作を制御するためのものである。
【0065】
制御部60は、景品払出装置3のキャビネット21側(図4参照)に設けられる本体制御部60Aと、各払出ユニット23に設けられるユニット制御部60Bとを含んでいる。
本体制御部60Aに対して、各払出ユニット23のユニット制御部60Bが電気的に接続されている(図7における最も上側の払出ユニット23を参照)。また、本体制御部60Aに対して、前述したスピーカー31、従業員用表示部28、客用表示部29および払出表示部35のそれぞれが電気的に接続されているとともに、I/F部61、操作部62、扉開閉検知部63および記憶部64(登録手段)のそれぞれが電気的に接続されている。
【0066】
I/F部61を介して、本体制御部60Aは、管理装置2(図1参照)と通信することができる。
操作部62を操作することによって、景品払出装置3の動作を制御することができる。
扉開閉検知部63は、前述した扉20(図4参照)が閉じているか開いているかを検知するものである。
【0067】
記憶部64は、景品払出装置3の各種設定情報といった必要な情報を記憶する。たとえば、記憶部64は、どの払出口32(レーン36)および払出ユニット23(図4参照)が幅方向において同じ位置にあるのか(払出口32(レーン36)と払出ユニット23との幅方向における対応関係)を記憶している。また、記憶部64は、各払出ユニット23の各カセット42(図6参照)における景品の払出履歴といった情報も記憶している。
【0068】
ユニット制御部60Bに対して、前述したキャリア43、リフト49、繰出部50、エレベータ56およびシャッタ33(図6も参照)のそれぞれが電気的に接続されているとともに、計数部65が電気的に接続されている。厳密には、リフト49およびエレベータ56のそれぞれを上下に移動させる機構、繰出部50において移動体51(図6参照)を前後にスライドさせる機構および繰出ローラ52(図6参照)を回転させる機構、ならびに、シャッタ33およびキャリア43を前後にスライドさせる機構が、ユニット制御部60Bに接続されている。
【0069】
計数部65は、各カセット42に収納されている景品K(図6参照)を計数する。たとえは、計数部65は、カセット42において上下に積み重ねられた景品の側面に対して、上下移動しながらレーザーを照射して、隣り合う景品の境界部分を検出する。そして、計数部65は、検出した境界部分をカウントすることによって、積み重ねられた景品を計数する。計数部65により計数されたカセット42毎の景品の計数値は、前述した記憶部64に記憶される。
【0070】
払出表示部35に関し、制御部60(厳密には、本体制御部60A)は、払出表示部35に、後述する情報を表示させる。ここで、払出表示部35における表示について、一例として、第1から第4までの実施例があり、以下では、各実施例について説明する。
(1)第1の実施例
図8および図9は、景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第1の実施例に係るものである。
【0071】
第1の実施例では、景品が払い出されるときに、制御部60(本体制御部60A)が、これから払い出される景品の種類情報および個数情報を払出表示部35に表示させる。
まず、前述したように景品払出装置3が管理装置2(図1参照)からの払出コマンドを受信して必要な種類および個数の景品を払い出す処理(払出処理)を開始した時点では、全てのシャッタ33が閉位置に配置されている(図4参照)。
【0072】
この状態で、まず、制御部60(本体制御部60A)は、図8(a)に示すように、全ての払出表示部35のまとまりにおいて、幅方向におけるほぼ全域(図8(a)では中央寄りの領域)に亘って、「景品がでます!」というように景品の払出処理がこれから開始される旨を報知する情報を表示(全面表示)させる。
そして、どのレーン36(図4参照)にどの種類の景品が何枚払い出されるかが決まると、制御部60は、該当するレーン36に対応する(幅方向で同じ位置にある)払出表示部35に、払い出される景品の個数情報および種類情報を表示させる。
【0073】
ここで、一例として、景品の種類が色で区別されているものとして、図8以降では、説明の便宜上、右上へ延びる斜線のハッチングが施された部分を、赤色で塗られた部分とし、ドットが施された部分を、青色で塗られた部分とし、右下へ延びる斜線のハッチングが施された部分を、緑色で塗られた部分としている(図9の景品Kを参照)。
図8(b)を参照して、制御部60は、該当するレーン36に対応する払出表示部35に、そのレーン36に払い出される景品の個数情報を、景品の種類を示す色がついた数字で表示(個別表示)させる。
【0074】
なお、説明の便宜上、図8における「8」、「4」、「2」という3つの数字は、同じ色となっているが、実際には、赤、青および緑のどれかの色がついた数字となっている。具体的には、レーン36Cに対応する払出表示部35には、赤色で「8」の数字が表示され、レーン36Eに対応する払出表示部35には、青色で「4」の数字が表示され、レーン36Fに対応する払出表示部35には、緑色で「2」の数字が表示される。これにより、レーン36Cに赤色の景品がこれから8枚払い出されるということと、レーン36Eに青色の景品がこれから4枚払い出されるということと、レーン36Fに緑色の景品がこれから2枚払い出されるということとを瞬時に把握することができる。
【0075】
また、このように数字が表示された各払出表示部35において、この数字と、図8(c)に示すイラストXとが、交互に切り替え表示されてもよい。イラストXは、払い出される景品の種類を示す色の背景(図8(c)では、説明の便宜上、色を示すハッチングやドットが示されていない。)に、景品をイメージさせる宝物(コイン)を示している。イラストXを見れば、このイラストXが表示された払出表示部35に対応するレーン36に景品が払い出されることと、払い出される景品の種類とがわかる。つまり、このイラストXは、景品の種類および払出位置を示している。
【0076】
そして、図8(b)において数字が示された払出表示部35が設けられたシャッタ33に対応する(当該シャッタ33によって閉じられた払出口32と幅方向で同じ位置にある)払出ユニット23の保留部55のエレベータ56に、必要な枚数の景品Kが積み重ねられると(図6(a)参照)、このシャッタ33が、図9(a)に示すように、開位置まで移動して、このエレベータ56の上方にある払出口32を開く。
【0077】
ここで、シャッタ33が払出口32を開き始める際(開き終わった後でもよい)、制御部60は、このシャッタ33に対して左右両側から隣接する(スペーサー34の)払出表示部35に、間もなく景品が払い出される旨を報知する情報を表示させる。たとえば、図9(a)では、開くシャッタ33の両側の払出表示部35に、泡が浮き上がる状態を示すイラストY(時間が経過するのに応じて泡が浮き上がっては消えるように見えるアニメーションであってもよい)が表示される。これにより、開いた払出口32において、あたかも深海から浮上するようにこれから景品Kが払い出されるようなイメージを遊技客に与えることができる。
【0078】
このようにイラストYが表示されている間に、開いた払出口32の下方に位置して景品Kが載置されたエレベータ56が、前述したように、払出ユニット23の連通口54を介して、払出口32まで上昇する(図6(a)参照)。
そして、前述したように、エレベータ56の上面がキャビネット21の天面(詳しくは、前述した第3天面26)と面一になるまでエレベータ56が上昇すると、今まで開位置にあったシャッタ33が、払出口32を閉じようと閉位置へ向けて移動する(図6(a)参照)。
【0079】
このとき、制御部60は、図9(b)に示すように、閉位置へ向けて移動しているシャッタ33の左右両側の払出表示部35に、シャッタ33の移動方向へ延びる矢印(時間が経過するのに応じて矢印の長さが変化してもよい)を表示させる。これにより、遊技客は、矢印の指す方向へ景品Kが払い出されることを把握できる。ここで、各矢印の色は、払い出される景品Kの色と同じであってもよい。
【0080】
閉位置へ向けて移動するシャッタ33は、景品Kを、対応するレーン36へ向けて後側(図9では下側)へ押し出す。そして、図9(c)に示すように、シャッタ33が閉位置までの移動を完了すると、景品Kは、対応するレーン36(図9では、レーン36C、EおよびF)に払い出される。このとき、制御部60は、閉位置まで移動したシャッタ33の払出表示部35に、押し出した景品Kの枚数を示す数字を表示させる。この数字の色は、押し出された景品Kの色と同じであってもよい。
【0081】
また、制御部60は、数字を表示させた払出表示部35の左右両側の払出表示部35に、数字を強調するラインを表示させてもよい。
また、制御部60は、図9(d)に示すように、全ての払出表示部35のまとまりにおいて、幅方向におけるほぼ全域に亘って、「ありがとうございました」というように景品Kの払出処理が完了した旨を報知する情報を表示させる。図9(c)の数字およびラインと、図9(d)の「ありがとうございました」という文字とは、交互に切り替え表示されてもよい。
【0082】
そして、遊技客が対応するレーン36に払い出された景品Kを受け取ると、制御部60は、図9(c)または図9(d)に示す払出表示部35の表示を終了する。
なお、第1の実施例では、払出表示部35に表示された数字(払い出される景品Kの枚数を示す数字)の色を景品Kの色と同じにすることによって、景品Kの種類情報および個数情報の両方を払出表示部35に表示することができるが(図8(b)および図9(c)参照)、必要に応じて、これらの情報のうちのいずれかを払出表示部35に表示させてもよい。
【0083】
具体的には、景品Kが払い出されるレーン36に対応する払出表示部35に景品Kの色だけを表示させることで、景品Kの種類情報だけを払出表示部35に表示させる。または、払出表示部35に表示された数字(図8(b)および図9(c)参照)に、景品Kと同じ色を付けないことで、景品Kの個数情報だけを払出表示部35に表示させる。
なお、払出表示部35での表示に併せて、スピーカー31(図4参照)から所定の効果音が流れてもよい(以降の実施例においても同様)。
(2)第2の実施例
図10および図11は、景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第2の実施例に係るものである。
【0084】
図4を参照して、前述した第1の実施例では、払出表示部35は、キャビネット21の第2天面25において、シャッタ33およびスペーサー34の天面に設けられている(点線で区画された部分を参照)。これに対し、第2の実施例では、払出表示部35は、第3天面26において各レーン36に対して後側(遊技客側)から隣接する位置(1点鎖線で区画された位置であって、レーン36に払い出された景品によって隠れない位置)に設けられている。
【0085】
また、第1の実施例では、払出表示部35は、シャッタ33またはスペーサー34に応じて個別に設けられていて、全体が集合した状態で幅方向に沿って延びる帯状をなしている(点線で区画された部分を参照)。これに対し、図10(a)を参照して、第2の実施例の払出表示部35は、単体で、幅方向に沿って延びる帯状をなしており、払出表示部35の幅方向寸法は、第2天面25の幅方向両端部30(図4参照)の間隔とほぼ等しい。
【0086】
第2の実施例の払出表示部35は、8つのシャッタ33および7つのスペーサー34に応じて、幅方向に並ぶ15個のセグメント37に区画されている。
そして、前述した払出処理が開始された時点では、制御部60は、図10(a)に示すように、まず、払出表示部35に、「景品がでます!」というように景品の払出処理がこれから開始される旨を報知する情報を表示させる。
【0087】
その後、制御部60は、図10(b)に示すように、景品が払い出されるレーン36(ここでは、レーン36C、EおよびFであり、図10(a)参照)に対応する(幅方向で同じ位置にある)セグメント37において、そのレーン36を指し示す矢印と、そのレーン36に払い出される景品の個数情報を示す数字とを表示させる。ここで、この数字の色が景品の色と同じであれば、これから払い出される景品について、払い出されるレーン36の位置および個数だけでなく、種類も把握できる。
【0088】
また、図10(c)に示すように、制御部60は、景品が払い出されるレーン36に対応するセグメント37に、前述したイラストXを表示させる。図10(b)における矢印および数字と、図10(c)のイラストXとが交互に切り替え表示されてもよい。
そして、図10(d)に示すように、景品Kが払い出されるレーン36に対応する(幅方向で同じ位置にある)シャッタ33が開位置へ移動し、開かれた払出口32へ向けて景品Kが上昇する間では、制御部60は、前述した「景品がでます!」という文字を払出表示部35に表示させる。また、制御部60は、前述した泡が浮き上がる状態を示すイラストY(図10(e)参照)を、「景品がでます!」という文字(図10(d)参照)と交互に切り替え表示させてもよい。
【0089】
最後に、今まで開位置にあったシャッタ33が、図11(a)に示すように、閉位置まで移動して、景品Kを、対応するレーン36(ここでは、レーン36C、EおよびF)に払い出すと、制御部60は、景品Kが払い出されたレーン36に対応するセグメント37に、押し出した景品Kの枚数を示す数字を表示させる。この数字の色は、押し出された景品Kの色と同じであってもよい。また、制御部60は、数字が表示されたセグメント37の左右両側のセグメント37に、数字を強調するラインを表示させてもよい。
【0090】
また、制御部60は、図11(b)に示すように、払出表示部35に、「ありがとうございました」というように景品Kの払い出し処理が完了した旨を報知する情報を表示させる。払出表示部35において、図11(a)の数字およびラインと、図11(b)の「ありがとうございました」という文字とは、交互に切り替え表示されてもよい。
そして、遊技客が対応するレーン36に払い出された景品を受け取ると、制御部60は、図11(a)または図11(b)に示す払出表示部35の表示を終了する。
【0091】
以上の第1および第2の実施例によれば、払出表示部35全体が、レーン36の近傍において、幅方向(複数のレーン36の並び方向)に沿って延びる帯状をなしていることから、いずれのレーン36の近傍にも払出表示部35が位置することとなる(図8〜図11参照)。そのため、景品Kが払い出されるレーン36の近傍の払出表示部35(第2の実施例の場合にはセグメント37)において、当該レーン36に払い出される景品Kについての情報を表示することができるので、景品Kの払い出しを受ける者は、当該レーン36に目を向ければ、この情報を容易かつ速やかに得ることができ、使い勝手が良い。
【0092】
この結果、景品Kの払い出しに係る表示について使い勝手の向上を図ることができる。
また、払出表示部35に表示される情報が、これから払い出される景品Kの種類情報および/または個数情報である。そのため、景品Kの払い出しを受ける者は、特に知りたいこれらの情報を払出表示部35で速やかに得ることができるので、一層使い勝手が良い。
さらに、払出表示部35に表示される景品Kの種類情報および個数情報と、対応するレーン36に払い出された景品Kの種類および個数を見比べることで、正しい種類の景品Kが正しい数だけ払い出されたか否かを的確にチェックすることができる。また、従業員は、このチェックにより、カセット42(図6参照)への景品Kの装填ミスの有無を判別することができる。
(3)第3の実施例
図12は、景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第3の実施例に係るものである。
【0093】
第3の実施例は、払出ユニット23(図5参照)において景品の詰まり(異常)が発生した場合を想定している。なお、図12に示す第3の実施例では、第2の実施例の構成による払出表示部35(1つの払出表示部35において複数のセグメント37が設けられている構成)を示しているが、払出表示部35の構成は、第1の実施例(複数の払出表示部35が集合して帯状をなす構成であり、図8および図9参照)であっても構わない。
【0094】
図12(a)を参照して、たとえば、レーン36Cに対応する(レーン36Cに景品を払い出す)払出ユニット23(図5参照)に異常(景品詰まり等)が発生すると、そのことが当該払出ユニット23のユニット制御部60Bから本体制御部60Aに報知される(図7も参照)。これにより、制御部60(本体制御部60A)は、異常が発生した払出ユニット23を検知する。
【0095】
ここで、前述したように、払出口32(レーン36)と払出ユニット23との幅方向における対応関係(図4参照)が記憶部64(図7参照)に記憶されていることから、制御部60は、異常が発生した払出ユニット23を検知した後に、記憶部64における前述した対応関係を参照することで、この払出ユニット23に対応するレーン36(ここでは、レーン36C)を特定する。
【0096】
そして、制御部60は、払出表示部35においてレーン36C(特定したレーン36)に対応する(このレーン36の周辺の)セグメント37に、「トラブル」という、異常発生を報知する情報を表示させる。また、制御部60は、「トラブル」が表示されたセグメント37の左右両側のセグメント37に、「トラブル」が表示されたセグメント37を強調するイラスト(ここでは、矢印と×(バツ)とを組み合わせて、矢印方向への景品Kの払い出しができないことを示すイラスト)Zを表示させる。
【0097】
また、制御部60は、「トラブル」の文字と交互に表示されるように、トラブルの具体的な内容を示す情報(ここでは、「景品詰まり」という文字)を、「トラブル」が表示されていたセグメント37に表示させてもよい(図12(b)参照)。
さらに、制御部60は、図12(c)に示す「申し訳ございません。係員をお呼びください!」という、遊技客に対して係員(従業員)の呼び出しを促す文字を払出表示部35全体に表示させてもよい。この文字は、図12(a)や図12(b)における払出表示部35の表示内容と、交互に切り替え表示される。呼び出された従業員は、「トラブル」または「景品詰まり」が表示されたセグメント37に対応する払出ユニット23をキャビネット21(図4参照)から引き出し、景品詰まりを直す。そして、異常(景品詰まり等)が解消されれば、払出表示部35の表示内容が通常の表示に戻る。
【0098】
このように、第3の実施例によれば、どの払出ユニット23に異常が発生したのかを速やかに把握できるので、一層使い勝手が良い。
(4)第4の実施例
図13および図14は、景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第4の実施例に係るものである。
【0099】
第4の実施例では、前述した第1〜第3の実施例以外の場合における、払出表示部35での表示例である。
たとえば、景品払出装置3において遊技客に対してこれから景品が払い出される場合(または、遊技客に対する景品の払い出しが完了した直後)に、図13(a)に示すように、当該遊技客に対して払い出される(または、払い出された)景品の種類情報および個数情報が、当該遊技客の識別情報とともに表示されてもよい。
【0100】
図13(a)では、景品に、大中小という3つの種類があって、「XX」という名前の遊技客(予め遊技施設において登録されている会員客)に対して、大の景品が23枚、中の景品が10枚、小の景品が5枚払い出される場合、制御部60は、払出表示部35全体に、「XX様の本日の獲得数 大:23枚 中:10枚 小:5枚」と表示させる。また、制御部60は、この表示と交互に切り替え表示されるように、払出表示部35全体に、図13(b)に示す「ありがとうございます!」という文字を表示させる。ここで、遊技客の識別情報(ここでは、名前)は、制御部60が、I/F部61(図7参照)を介して、管理装置2の記憶部13(図3参照)または前述した管理コンピュータのデータベース(図示せず)から取得する。
【0101】
なお、この表示は、あくまで一例であるので、払出表示部35には、本日の景品の獲得数に限らず、今までの景品獲得数の累積値が表示されてもよいし、遊技媒体の獲得数等が表示されてもよい。
また、景品払出装置3において景品の払い出しが行われない待機状態では、制御部60は、払出表示部35に、遊技施設の広告情報(たとえば、遊技施設における本日のイベント案内)を表示させてもよい(図14(a)参照)。こうすれば、払出表示部35の有効利用を図ることができる。つまり、景品の払い出しに係る表示について利用効率の向上を図ることができる。
【0102】
また、1台の景品払出装置3においてパチンコ玉に対応する景品を払い出すとともにメダルに対応する景品も払い出すこととし、前述した8つのレーン36A〜36H(図4参照)がパチンコ玉用景品およびメダル用景品のどちらかに割り当てられている場合がある。
この場合、制御部60は、各レーン36に対応する払出表示部35(第2の実施例の場合には、セグメント37)において、各レーン36でパチンコ玉用景品およびメダル用景品のどちらが払い出されるのかを報知する情報を表示させる。具体的には、図14(b)に示すように、制御部60は、パチンコ玉用景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)には、「パチンコ」という文字を表示させるとともに、メダル用景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)には、「メダル」という文字を表示させる。
【0103】
また、パチンコ玉用景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)での表示と、メダル用景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)での表示とを、色分けによって区別してもよい。そのため、図14(b)では、一例として、メダル用景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)だけを、ドットで塗り潰して区別している。
【0104】
また、1台の景品払出装置3に対して複数台(ここでは、No.1、No.2という2台)の管理装置2(図1参照)が接続され、それぞれの管理装置2からこの景品払出装置3に対して払出コマンドが送信されるようになっていて、8つのレーン36A〜36H(図4参照)がNo.1およびNo.2のどちらかの管理装置2に割り当てられている場合がある。
【0105】
この場合、制御部60は、各レーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)において、各レーン36でNo.1およびNo.2のどちらかの管理装置2から受信した払出コマンドに基づく景品が払い出されるのかを報知する情報を表示させる。
具体的には、制御部60は、図14(c)に示すように、No.1の管理装置2から受信した払出コマンドに基づく景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)には、「No.1」と表示させる。一方、制御部60は、No.2の管理装置2から受信した払出コマンドに基づく景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)には、「No.2」と表示させる。
【0106】
また、No.1の管理装置2から受信した払出コマンドに基づく景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)での表示と、No.2の管理装置2から受信した払出コマンドに基づく景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)での表示とを、色分けによって区別してもよい。そのため、図14(c)では、一例として、No.1の管理装置2から受信した払出コマンドに基づく景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)だけを、ドットで塗り潰して区別している。
【0107】
ここで、前述した第1〜第4の実施例で払出表示部35に表示される情報に関し、管理装置2(図1参照)の制御部7(図3参照)が、当該情報(払出表示部35に表示すべき情報)に関する表示データ(当該情報そのものであってもよいし、当該情報を構成するデータ)を所定のタイミングで景品払出装置3へ送信することができる。この場合、景品払出装置3では、制御部60(図7参照)が、送信されてきた表示データに基づいて、この表示データに対応する情報を払出表示部35に表示させる。そのため、景品払出装置3とは別に設けられた管理装置2で表示データを設定できるので使い勝手が良い。
【0108】
なお、制御部60が情報を払出表示部35に表示させるタイミングは、景品払出装置3が管理装置2から表示データを受信したときであってもよいし(当該表示データに対応する情報を速やかに払出表示部35に表示させることができる。)、景品払出装置3が表示データを受信してから所定時間が経過した後であってもよい。また、1台の管理装置2から複数台の景品払出装置3に対して表示データが一斉送信されてもよい。
【0109】
また、別の例として、払出表示部35で表示を行うために用いられる表示パターン(前述したイラストX、YおよびZや、「景品がでます!」等の文字)が、管理装置2の操作部4(図3参照)を操作することで設定可能(変更可能)であり、管理装置2の制御部7(図3参照)が、この表示パターンを景品払出装置3へ送信することができる。この場合、景品払出装置3とは別に設けられた管理装置2で表示パターンを設定できるので使い勝手が良い。ここで、1台の管理装置2から複数台の景品払出装置3に対して表示パターンが一斉送信されてもよい。
【0110】
そして、景品払出装置3では、制御部60(図7参照)が、管理装置2の制御部7によって送信されてきた表示パターンを記憶部64(図7参照)に記憶させる。
これにより、景品払出装置3では、様々な表示パターンが、記憶部64に登録(蓄積)される。そのため、景品払出装置3において、制御部60(図7参照)は、状況に応じて、記憶部64に事前に登録された表示パターンの中から必要な表示パターンを選択して、選択した表示パターンに基づいて様々なバリエーションの情報を生成し、当該情報を、払出表示部35に表示させることができるので、使い勝手が良い。
【0111】
なお、景品払出装置3において、様々な表示パターンが、デフォルトの段階で、記憶部64に登録されていても構わない。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
前記の実施形態では、1台の払出ユニット23において、4つのカセット42には同じ種類の景品が収納されることとしているが、収納される景品の種類がカセット42毎に異なっていてもよい(図6参照)。この場合、景品払出装置3の記憶部64(図7参照)には、カセット42自体の識別情報と、そのカセット42に収納される景品の種類とを対応付けたデータが記憶されている。
【0112】
制御部60は、払出ユニット23から景品が払い出される際に、景品が払い出されるカセット42の識別情報を特定することで、前記データに基づいて、そのカセット42から払い出される景品の種類を特定する。そして、制御部60は、景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(第2の実施例の場合には、セグメント37)に、払い出される景品の種類の情報を表示する。
【0113】
ここで、同じ払出ユニット23において、今までとは別のカセット42から景品(今まで払い出されてきた景品とは別の種類の景品)が払い出される場合には、制御部60は、該当する払出表示部35またはセグメント37における景品の種類情報を、新しい種類情報に切り替えて表示させる。
図15は、図6(a)において変形例を適用した図である。
【0114】
前記の実施形態では、シャッタ33が閉位置まで移動する際に、景品Kを遊技客側へ押し出している(図6(a)参照)。しかし、遊技施設の都合によっては、景品Kを景品払出装置3から遊技客に直接払い出すのではなく、従業員を途中に介してから、景品Kを遊技客に払い出したい場合がある。
そこで、図15に示すように、前述した第1天面24、第2天面25および第3天面26の前後の位置が前記の実施形態(図6参照)と逆になっている構成を用いてもよい。図15に示す構成の景品払出装置3では、開位置から閉位置へ向かうシャッタ33の先に従業員が位置することとなるので、シャッタ33が閉位置まで進出すると、景品Kは、まず、従業員側へ押し出されることとなる。これにより、従業員は、景品払出装置3から払い出された景品Kの中身を確認してから、景品Kを遊技客に対して手渡しする。
【0115】
また、前記の実施形態では、遊技施設のフロアに直接据え置かれる景品払出装置3を例示したが、本発明は、遊技施設のカウンタ等に載せられる卓上タイプの景品払出装置にも適用可能である(なお、卓上タイプの景品払出装置の構成については、特開2008−93190を参照。)。
【符号の説明】
【0116】
1 景品払出システム
2 管理装置
3 景品払出装置
4 操作部
7 制御部
21 キャビネット
23 払出ユニット
35 払出表示部
36 レーン
60 制御部
64 記憶部
K 景品
【技術分野】
【0001】
この発明は、パチンコ玉等の遊技媒体と交換された景品を払い出すための景品払出装置、この景品払出装置と通信可能な管理装置、ならびに、これらの景品払出装置および管理装置を含む景品払出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店等の遊技施設には、遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の個数に応じて遊技客に景品を払い出す景品払出装置が設置されている。
下記特許文献1では、遊技施設のフロアに直接据え置かれる景品払出装置が提案されている。この景品払出装置の天面には、複数の投出口が所定方向に並ぶように形成されている。装置内の景品は、いずれかの投出口から天面に払い出される。また、この天面において、複数の投出口の並び方向における略中央位置には、払い出される景品の種類や個数等を一括表示する表示部が設けられている。
【0003】
また、下記特許文献2では、遊技施設のカウンタ等に載せられる卓上タイプの景品払出装置が提案されている。この景品払出装置内には、繰り出された後にこれから払い出される景品を一時的に保留する景品一時保留部が設けられている。この景品一時保留部には、景品が配置される複数のレーンが所定方向に並ぶように設けられている。繰り出された景品は、払い出される前に、景品一時保留部において、いずれかのレーンに配置される。
【0004】
そして、特許文献2の景品払出装置には、シャッタが設けられており、シャッタが開くと、景品一時保留部が遊技客側に露出されるので、遊技客は、いずれかのレーンに配置された景品を受け取ることができる。
また、特許文献2の景品払出装置の表面において、各レーンの近傍には、払出口ランプが設けられている。いずれかのレーンに景品が配置されて遊技客に払い出されるまでの間、景品が配置されたレーンに対応する払出口ランプが点滅する。そのため、遊技客は、景品を受け取る際、点滅している払出口ランプを目印とすることで、どのレーンから景品が払い出されるのかを把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−38327号公報
【特許文献2】特開2008−93190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の景品払出装置では、払い出される景品の種類や個数等といった情報が表示部に一括表示される。そのため、複数の投出口から景品が払い出された場合、各投出口から正しい種類の景品が正しい個数だけ払い出されたのかを把握するには、投出口に景品が払い出されたことを確認した後に表示部を確認するとういう動作を投出口毎に行わねばならず、景品の払い出しを受ける者にとって使い勝手が悪い。
【0007】
一方、特許文献2の景品払出装置の場合、払出口ランプが点滅するだけでは、どのレーンから景品が払い出されるのかを把握できても、そのレーンから正しい種類の景品が正しい個数だけ払い出されたのかを把握することができないので、景品の払い出しを受ける者にとって使い勝手が悪い。また、払出口ランプは、景品の払出処理の間しか利用されないので、もったいない(利用効率が低い)。
【0008】
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、景品の払い出しに係る表示について使い勝手の向上を図ることができる景品払出装置、この景品払出装置と通信可能な管理装置、ならびに、これらの景品払出装置および管理装置を含む景品払出システムを提供することを主たる目的とする。
また、この発明は、景品の払い出しに係る表示について利用効率の向上を図ることができる景品払出装置、この景品払出装置と通信可能な管理装置、ならびに、これらの景品払出装置および管理装置を含む景品払出システムを提供することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、景品を払い出すための景品払出装置であって、景品が収納される装置本体と、前記装置本体の表面において所定方向に並ぶように複数設けられ、前記装置本体内の景品が払い出される払出部と、前記装置本体の表面において前記払出部の近傍に配置され、全体で前記所定方向に沿って延びる帯状をなす表示手段と、前記表示手段に情報を表示させるための表示制御手段と、を含むことを特徴とする、景品払出装置である。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記表示制御手段は、景品が払い出されるときに、これから払い出される景品の種類情報および/または個数情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする、請求項1記載の景品払出装置である。
請求項3記載の発明は、前記装置本体内に複数設けられ、対応する前記払出部に景品を払い出す景品払出ユニットと、異常が発生した前記景品払出ユニットを検知する検知手段と、異常が発生した前記景品払出ユニットに対応する前記払出部を特定する特定手段と、を含み、前記表示制御手段は、前記特定手段が特定した前記払出部の周辺における前記表示手段に、異常発生を報知する情報を表示させることを特徴とする、請求項1または2記載の景品払出装置である。
【0011】
請求項4記載の発明は、景品の払い出しが行われない待機状態において、前記表示制御手段は、景品払出装置が設置される施設の広告情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品払出装置である。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と通信可能な管理装置であって、前記表示手段に表示すべき情報に関する表示データを前記景品払出装置へ送信するデータ送信手段を含むことを特徴とする、管理装置である。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と、請求項5記載の管理装置と、を含み、前記表示制御手段は、前記データ送信手段によって送信されてきた前記表示データに基づいて、当該表示データに対応する情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする、景品払出システムである。
請求項7記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と通信可能な管理装置であって、前記表示手段で表示を行うために用いられる表示パターンを設定するための設定手段と、前記表示パターンを前記景品払出装置へ送信するパターン送信手段と、を含むことを特徴とする、管理装置である。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と、請求項7記載の管理装置と、を含み、前記景品払出装置は、前記パターン送信手段によって送信されてきた前記表示パターンを登録する登録手段を含み、前記表示制御手段は、前記登録手段に登録された前記表示パターンに基づいて、情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする、景品払出システムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明の構成によれば、景品払出装置では、景品が収納される装置本体の表面に、複数の払出部が、所定方向に並ぶように設けられている。各払出部には、装置本体内の景品が払い出される。
そして、装置本体の表面において払出部の近傍には、表示手段が配置されている。表示手段は、全体で前記所定方向に沿って延びる帯状をなしている。景品払出装置では、表示制御手段が、表示手段に情報を表示させる。
【0015】
この構成であれば、表示手段全体が、払出部の近傍において、前記所定方向(複数の払出部の並び方向)に沿って延びる帯状をなしていることから、いずれの払出部の近傍にも表示手段が位置することとなる。そのため、景品が払い出される払出部の近傍の表示手段において、当該払出部に払い出される景品についての情報を表示することが可能である。この場合、景品の払い出しを受ける者は、当該払出部に目を向ければ、この情報を容易かつ速やかに得ることができ、景品の払い出しを受ける者にとって使い勝手が良い。
【0016】
この結果、景品の払い出しに係る表示について使い勝手の向上を図ることができる。
また、景品以外についての情報を表示手段に表示することも可能であり、その場合には、表示手段の有効利用を図ることができる。つまり、景品の払い出しに係る表示について利用効率の向上を図ることができる。
請求項2記載の発明の構成によれば、表示手段に表示される情報が、これから払い出される景品の種類情報および/または個数情報である。これらの情報は、景品の払い出しを受ける者にとって特に知りたい情報である。景品の払い出しを受ける者は、これらの情報を表示手段で速やかに得ることができるので、一層使い勝手が良い。
【0017】
請求項3記載の発明の構成によれば、景品払出装置では、装置本体内に複数の景品払出ユニットが設けられている。各景品払出ユニットは、対応する払出部に景品を払い出す。
ここで、景品払出装置では、検知手段が、異常が発生した景品払出ユニットを検知し、特定手段が、異常が発生した景品払出ユニットに対応する払出部を特定し、表示制御手段が、特定手段が特定した払出部の周辺における表示手段に、異常発生を報知する情報を表示させる。
【0018】
これにより、どの景品払出ユニットに異常が発生したのかを速やかに把握できるので、一層使い勝手が良い。
請求項4記載の発明の構成によれば、景品の払い出しが行われない待機状態において、表示制御手段は、景品払出装置が設置される施設の広告情報を表示手段に表示させるので、表示手段の有効利用を図ることができる。つまり、景品の払い出しに係る表示について利用効率の向上を図ることができる。
【0019】
請求項5記載の発明の構成によれば、請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と通信可能な管理装置では、データ送信手段が、表示手段に表示すべき情報に関する表示データを景品払出装置へ送信する。これにより、景品払出装置とは別に設けられた管理装置で表示データを設定できるので使い勝手が良い。
この場合、請求項6記載の発明のように請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と請求項5記載の管理装置とを含む景品払出システムでは、景品払出装置側の表示制御手段は、管理装置側のデータ送信手段によって送信されてきた表示データに基づいて、当該表示データに対応する情報を速やかに表示手段に表示させることができる。
【0020】
請求項7記載の発明の構成によれば、請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と通信可能な管理装置では、設定手段が、表示手段で表示を行うために用いられる表示パターンを設定し、パターン送信手段が、表示パターンを景品払出装置へ送信する。これにより、景品払出装置とは別に設けられた管理装置で表示パターンを設定できるので使い勝手が良い。
【0021】
この場合、請求項8記載の発明のように請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と請求項7記載の管理装置とを含む景品払出システムでは、景品払出装置において、登録手段が、管理装置側のパターン送信手段によって送信されてきた表示パターンを登録し、表示制御手段が、登録手段に登録された表示パターンに基づいて、情報を表示手段に表示させる。
【0022】
つまり、景品払出装置において、登録手段に事前に登録された表示パターンに基づいて様々なバリエーションの情報を生成して表示手段に表示させることができるので、使い勝手が良い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明に係る景品払出システム1の全体構成を示すブロック図である。
【図2】管理装置2を前側(従業員が操作する側)から見た斜視図である。
【図3】管理装置2の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】景品払出装置3を前側(従業員が操作する側)から見た斜視図である。
【図5】払出ユニット23の斜視図であって、(a)は、引出部41が収納位置にある状態を示し、(b)は、引出部41が引出位置にある状態を示している。
【図6】(a)および(b)は、景品払出装置3の縦断面を模式的に示した図である。
【図7】景品払出装置3の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第1の実施例に係るものである。
【図9】景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第1の実施例に係るものである。
【図10】景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第2の実施例に係るものである。
【図11】景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第2の実施例に係るものである。
【図12】景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第3の実施例に係るものである。
【図13】景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第4の実施例に係るものである。
【図14】景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第4の実施例に係るものである。
【図15】図6(a)において変形例を適用した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。なお、以下では、左右方向と幅方向とは同じであり、前後方向および左右方向(幅方向)は、水平方向に含まれている。
<景品払出システム>
図1は、この発明に係る景品払出システム1の全体構成を示すブロック図である。
【0025】
景品払出システム1は、パチンコ店などの遊技施設に設けられている。図1を参照して、景品払出システム1は、1または複数(ここでは複数)の管理装置(POS端末)2と、各管理装置2に接続された1または複数(ここでは管理装置2毎に2台)の景品払出装置3とから構成されている。管理装置2および景品払出装置3のそれぞれは、独立して設けられた装置である。
【0026】
複数の管理装置2は、1台の親機(1号機)2Mと、他の複数台の子機(2号機等)2Sとから構成されている。なお、図示していないが、景品払出システム1において、親機2Mの上位に、遊技施設内の機器全体を管理する管理コンピュータを設けてもよい。管理コンピュータは、遊技施設の事務所に設置される。これに対し、管理装置2および景品払出装置3は、遊技施設の景品カウンタに設置される。
【0027】
図1において、1号機の管理装置2Mに接続された2台の景品払出装置3のうち、一方が1号機とされ、他方が2号機とされる。そして、2号機の管理装置2Sに接続された2台の景品払出装置3のうち、一方が3号機とされ、他方が4号機とされる。
景品払出システム1では、管理装置2同士が通信可能であるとともに、各管理装置2と、対応する2台の景品払出装置3とが通信可能である。
【0028】
景品払出システム1では、管理装置2が、必要に応じて景品払出装置3に払出コマンドを送信し、景品払出装置3は、受信した払出コマンドに応じて、景品を遊技客に払い出す処理(払出処理)を実施する。
ここで、景品払出装置3が扱う景品は、特殊景品と呼ばれる。特殊景品は、一例として所定の厚さを有する樹脂製のカード体であり、貴金属等の有価物を内蔵している。特殊景品には、前述した有価物の価値の違いや、遊技媒体(パチンコ玉またはメダル)の違いや、遊技媒体の貸出レートの違いに応じて、複数の種類がある。獲得した遊技媒体を特殊景品に交換した遊技客は、特殊景品を特殊景品交換所に持ち込んで買い取ってもらう。一方、特殊景品に対し、菓子やたばこ等の景品は、一般景品とされる。
【0029】
各景品払出装置3は、自己が保有する景品を計数する機能を有しており、景品払出装置3に景品を入庫(開店準備時に行われる)・補充(営業時間中に行われる)する際や、景品払出装置3に収納された景品の枚数を所定のタイミングで確認する際などにおいて、景品を計数する。景品の計数結果は、計数データとして、景品払出装置3によって管理されるとともに、景品払出装置3から管理装置2に送信される。この計数データに基づいて、景品払出装置3は、自己の景品の在庫を把握し、管理装置2は、支配下にある景品払出装置3が保有する景品を管理する。
【0030】
次に、管理装置2および景品払出装置3のそれぞれを個別に説明する。
<管理装置>
図2は、管理装置2を前側(従業員が操作する側)から見た斜視図である。
図2を参照して、管理装置2は、上下に扁平なボックス形状であり、その天面は、後側(図2における紙面奥側)へ向かって上昇するように傾斜している。管理装置2の天面において、略下半分には、多数の操作キーで構成された操作部4(設定手段)が設けられており、略上半分には、液晶モニターで構成された従業員用表示部5が設けられている。また、管理装置2の後面には、液晶モニターで構成された客用表示部6が設けられている。操作部4を操作することで、管理装置2の動作を制御することができる。従業員用表示部5および客用表示部6には、必要な情報が表示される。
【0031】
図3は、管理装置2の電気的構成を示すブロック図である。
図3を参照して、管理装置2には、マイクロコンピュータ等で構成された制御部7(データ送信手段、パターン送信手段)が備えられている。制御部7は、CPUやメモリ(ROM、RAM)などを含んでいる。制御部7は、管理装置2の動作を制御するためのものである。
【0032】
管理装置2において、制御部7には、前述した操作部4、従業員用表示部5および客用表示部6のそれぞれが電気的に接続されているとともに、I/F部8、バーコードリーダ9、ICチップリーダ10、計時部11、印字部12および記憶部13のそれぞれが電気的に接続されている。
I/F部8を介して、制御部7は、他の管理装置2や対応する(支配下の)景品払出装置3(図1参照)と通信することができる。
【0033】
バーコードリーダ9に関し、遊技施設では、遊技台(パチンコ台等)で獲得された遊技媒体が遊技終了後に計数され、その計数結果(獲得した遊技媒体の個数)をバーコード印字したレシートが遊技客に渡される。バーコードリーダ9は、このレシートに印字されたバーコードから計数結果を読み取ることができる。
ICチップリーダ10に関し、ICチップ内蔵のカードが遊技客に配布される遊技施設があり、このカードを持つ遊技客については、前述した計数結果が、カードのICチップに記憶される。ICチップリーダ10は、このICチップに記憶された計数結果を読み取ることができる。
【0034】
バーコードリーダ9またはICチップリーダ10で読み取られた計数結果は、従業員用表示部5や客用表示部6に表示される。また、制御部7は、この計数結果(遊技客が獲得した遊技媒体の個数)に基づいて、交換可能な景品の種類および個数を算出し、その算出結果(遊技客が獲得した遊技媒体がどの種類の景品何個に交換可能かという内容)が、従業員用表示部5や客用表示部6に表示される。
【0035】
計時部11は、経過時間を計測するものである。印字部12は、必要な情報を紙に印字する。これにより、管理装置2では、リスト等を発行することができる。
記憶部13は、管理装置2の各種設定情報や前述した計数結果といった必要な情報を記憶する。
<景品払出装置>
図4は、景品払出装置3を前側(従業員が操作する側)から見た斜視図である。
【0036】
図4を参照して、景品払出装置3は、遊技施設のフロアに直接据え置かれて使用される。景品の払い出しを受ける客は、景品払出装置3の後側(図4における紙面奥側)に位置し、従業員は、景品払出装置3の前側に位置して接客を行う。なお、図4では、景品払出装置3において従業員側側面のメンテナンス用扉20が開かれた状態が示されている。
景品払出装置3は、その外郭をなす略直方体形状のキャビネット21(装置本体)と、景品をカセット42(後述する図5(b)参照)に積み重ねた状態で収納することができる複数(たとえば8つ)の払出ユニット23(景品払出ユニット)とを備えている。なお、図4では、1つの払出ユニット23が示されている。
【0037】
複数の払出ユニット23は、幅方向(図4におけるキャビネット21の長手方向)に並んだ状態でキャビネット21内に収納される。
キャビネット21の天面(上側の表面)は、第1天面24と第2天面25と第3天面26とを前側からこの順に含んでいる。
第1天面24、第2天面25および第3天面26のそれぞれは、幅方向に細長い略矩形状をなし、略水平方向に沿って平坦である。第1天面24は、第2天面25よりも若干高い位置にあり、第2天面25は、第3天面26よりも若干高い位置にある。そのため、キャビネット21の天面全体は、前側へ向かって高くなる階段形状をなしている。また、前後方向寸法に関し、第1天面24および第3天面26は、ほぼ同じであり、第2天面25は、第1天面24または第3天面26の半分以下である。
【0038】
第1天面24の幅方向略中央には、上側へ膨出する膨出部27が一体的に設けられている。膨出部27は、幅方向に細長いブロック状をなし、幅方向から見て略三角形をなしている。このような形状の膨出部27は、前下側へ傾斜する傾斜面を有しており、この傾斜面には、従業員用表示部28が設けられている。従業員用表示部28は、幅方向に細長い液晶表示器である。
【0039】
また、第1天面24において、図4の姿勢における従業員用表示部28の左側には、客用表示部29が設けられている。客用表示部29は、液晶モニターであり、後側(客側)を臨んでいる。
第2天面25の幅方向両端部30には、スピーカー31が設けられている。第2天面25において、左右のスピーカー31の間の領域には、キャビネット21内に連通する複数の払出口32が、等間隔を隔てて幅方向に並んで形成されている。払出口32は、払出ユニット23の数に応じて8つ形成されている。各払出口32は、平面視で前後にやや長手の矩形状をなしており、その前後方向寸法は、第2天面25の前後方向寸法とほぼ同じである。なお、図4において、各払出口32は、後述するシャッタ33(ドットで塗り潰した部分を参照)によって閉じられている。
【0040】
各払出口32の真下には、払出ユニット23が1台位置しており、幅方向において同じ位置にある払出口32と払出ユニット23とは対応付けられている。
各払出口32は、シャッタ33によって開閉される。シャッタ33は、前後にやや長手の矩形の板状であり、払出口32を塞ぎ得る大きさを有している。払出口32が8つあることから、シャッタ33は、8つ存在する。各シャッタ33は、前後方向にスライド可能となるようにキャビネット21の天壁によって支持されている。
【0041】
詳しくは、各シャッタ33は、後側へ進出して払出口32を上側から閉じる閉位置(図4および図6(b)参照)と、前側へ退避して払出口32を上側へ開放する開位置(図6(a)において点線で示したシャッタ33を参照)との間で前後にスライド可能である。開位置にあるシャッタ33は、第1天面24の下側に隠れるように配置される。各シャッタ33は、独立してスライドすることができる。
【0042】
第2天面25において、幅方向で隣り合う払出口32に挟まれた部分は、スペーサー34とされる。払出口32が8つあることから、スペーサー34は、7つ存在する。各スペーサー34は、シャッタ33とほぼ同じ大きさの矩形状をなしている。
図4のように全てのシャッタ33が閉位置にある状態では、各シャッタ33の天面と、各スペーサー34の天面と、第2天面25の幅方向両端部30とが、ほぼ面一となって略水平方向に沿っている。
【0043】
ここで、全てのシャッタ33およびスペーサー34の天面には、払出表示部35(表示手段)が設けられている。各払出表示部35は、平面視でシャッタ33またはスペーサー34とほぼ同じ大きさの略矩形をなす表示器であり、カラー液晶や有機EL等のモジュールで構成されている。全てのシャッタ33を閉位置にして、全てのシャッタ33およびスペーサー34を一体とみなすと、払出表示部35は、全体で(全ての払出表示部35が集合した状態で)、幅方向に沿って延びる(幅方向に細長い)帯状をなしている(点線で区画された部分を参照)。
【0044】
第3天面26において、第2天面25の各払出口32に対して後側から隣接する部分は、レーン36(払出部)とされる。払出口32が8つあることから、第3天面26には、8つのレーン36が幅方向(所定方向)に等間隔を隔てて並んで存在している。ここで、8つのレーン36は、図4における右側から順に、レーン36A、レーン36B、レーン36C、レーン36D、レーン36E、レーン36F、レーン36G、レーン36Hと、A〜Hのアルファベットで区別される。
【0045】
ここで、前述したように、幅方向において同じ位置にある払出口32と払出ユニット23とが対応付けられていることから、レーン36および払出ユニット23も、互いに対応付けられている。各払出ユニット23は、対応する(幅方向で同じ位置にある)払出口32から、対応するレーン36に景品を払い出す。
前述したように全体で帯状をなしている払出表示部35は、キャビネット21の天面(第2天面25)において全てのレーン36の前側近傍に配置されている。
【0046】
次に、払出ユニット23について説明する。
図5は、払出ユニット23の斜視図であって、(a)は、引出部41が収納位置にある状態を示し、(b)は、引出部41が引出位置にある状態を示している。図6において、(a)および(b)は、景品払出装置3の縦断面を模式的に示した図である。
図5(a)に示すように、各払出ユニット23は、左右方向においてやや薄い中空のボックス形状である。図5(b)に示すように、払出ユニット23は、その外郭をなすケーシング40と、引出部41と、複数(ここでは4つ)のカセット42と、キャリア43とを備えている。引出部41、カセット42およびキャリア43は、常態では、ケーシング40内に収納されている(図5(a)参照)。キャリア43は、4つのカセット42を前後方向に並んだ状態で一体的に保持する。前後方向に並んだ4つのカセット42を、前から順に、カセット42A、カセット42B、カセット42C、カセット42Dと区別することがある。
【0047】
ケーシング40の前壁には、ケーシング40内に連通する開口44が形成されている。
引出部41は、前板45と、後板46と、底板47とを一体的に備えている。前板45は、ケーシング40の開口44をちょうど塞ぎ得る大きさを有している。後板46は、前板45から連続して後側へ延びている。底板47は、前板45の下端と後板46の下端とを繋いでいる。
【0048】
後板46は、ケーシング40において内部を左側から区画する壁面に設けられたレール(図示せず)によって、前後方向へスライド可能に支持されている。これにより、引出部41全体が前後方向へスライド可能である。詳しくは、引出部41は、収納位置(図5(a)参照)と引出位置(図5(b)参照)との間でスライドすることができる。図5(a)に示すように引出部41が収納位置にある場合には、前板45がケーシング40の開口44を前側から塞いでいる。収納位置の引出部41を前側へ引き出すと、引出部41は、図5(b)に示す引出位置に配置される。
【0049】
キャリア43は、複数の仕切り48を一体的に備えている。各仕切り48は、上下方向に延びる板状であり、所定の間隔を隔てて、前後方向に沿って並んでいる。各カセット42は、隣り合う仕切り48に挟持されることによって、キャリア43に保持される。キャリア43は、引出部41の後板46によって、前後方向へスライド自在に支持されている。ここで、後板46に対するキャリア43の相対位置に関し、最も前側に位置するときのキャリア43の位置を前位置といい(図6(b)参照)、最も後側に位置するときのキャリア43の位置を後位置という(図6(a)参照)。図5(b)では、前位置にあるキャリア43が示されている。
【0050】
カセット42は、上下方向に長手のボックス状であり、少なくともその上面および底面は、開放されている。カセット42は、所定の種類の複数枚の景品を、上下方向に沿って積み重ねた積層状態で収納することができる。ここで、1台の払出ユニット23において、4つのカセット42には、原則として、同じ種類の景品が収納される。
図6に示すように、ケーシング40内には、カセット42の並び方向(前後方向)に間隔を隔てて並ぶ2つのリフト49が設けられている。各リフト49は、水平方向に平坦な板状であって、ケーシング40に支持されており、ケーシング40内で昇降することができる。リフト49の待機位置は、ケーシング40の底壁の近くである(点線で示したリフト49を参照)。
【0051】
また、ケーシング40内において、各リフト49の上方には、繰出部50が配置されている。つまり、繰出部50は、リフト49と同様に、2つ設けられている。繰出部50は、ケーシング40の上壁に隣接するように配置され、ケーシング40に支持されている。
各繰出部50は、前後方向(図6では左右方向)へスライド自在に支持された移動体51と、回転自在に支持された1対の繰出ローラ52とを含んでいる。移動体51と繰出ローラ52とは、前後方向に沿って並んでいる。移動体51の底面には、下向きに突出した爪53が一体的に設けられている。
【0052】
ケーシング40の上壁において、2つの繰出部50の間に位置する部分には、連通口54が形成されている。連通口54は、ケーシング40内に上側から連通している。払出ユニット23がキャビネット21に納められている状態では、ケーシング40の連通口54は、キャビネット21において対応する(幅方向で同じ位置にある)払出口32に対して、真下から対向している。
【0053】
各繰出部50では、前後方向において、繰出ローラ52が、移動体51よりも、連通口54に近い位置に配置されている。ここで、上述したように前後方向にスライド自在な移動体51の位置に関し、繰出ローラ52に最も近付いたときの移動体51の位置を進出位置といい、繰出ローラ52から最も離れたときの移動体51の位置を退避位置という。図6では、退避位置にある移動体51が示されており、退避位置が、移動体51の待機位置となる。
【0054】
ケーシング40内において、連通口54の下方の空間は、保留部55とされる。保留部55には、エレベータ56が設けられている。エレベータ56は、水平方向に平坦な板状であって、ケーシング40に支持されており、ケーシング40内で昇降することができる。エレベータ56が待機位置にあるとき、エレベータ56の上面は、繰出部50の繰出ローラ52よりも低い位置にある。
【0055】
次に、景品払出装置3による景品の払い出し動作について、1つの払出ユニット23に着目して説明する。
まず、キャビネット21の扉20が開かれて(図4参照)、図5(b)に示すように引出部41が引出位置まで引き出される。そして、この状態で、同じ種類の景品を収納した4つのカセット42がキャリア43に対して上側から差し込まれ、キャリア43に保持される。その後、引出部41は、収納位置へ押し込まれ(図5(a)参照)、カセット42およびキャリア43を伴って、ケーシング40内に収納される。このとき、キャリア43は後位置にあるものとする(図6(a)参照)。そして、扉20(図4参照)が閉じられると、景品払出装置3による景品の払い出しが可能となる。
【0056】
このように引出部41が収納位置にあり、キャリア43が後位置にある場合、図6(a)に示すように、上述した2つのリフト49は、待機位置にある(図6(a)において点線で示したリフト49を参照)。詳しくは、これらのリフト49のうち、前側(図6では左側)のリフト49の上方には、前から1番目のカセット42Aの底面が位置し、後側のリフト49の上方には、前から3番目のカセット42Cの底面が位置している。
【0057】
この状態からキャリア43が前位置へ移動すると、図6(b)に示すように、4つのカセット42がリフト49に対して前側へ相対移動する。この場合、前側のリフト49の上方には、前から2番目のカセット42Bの底面が位置し、後側のリフト49の上方には、前から4番目のカセット42Dの底面が位置することになる(図6(b)において点線で示したリフト49を参照)。
【0058】
キャリア43が後位置にある場合には、カセット42Aおよびカセット42Cのいずれか、または、両方から景品Kを払い出すことができる(図6(a)参照)。キャリア43が前位置にある場合には、カセット42Bおよびカセット42Dのいずれか、または、両方から景品Kを払い出すことができる(図6(b)参照)。どのカセット42から景品Kを払い出すかは、任意に設定可能である。
【0059】
次に、図6(a)を参照し、カセット42Aを例にとって、カセット42から景品Kを払い出す手順について具体的に説明する。
まず、カセット42Aの下方に位置していたリフト49が、実線で示すように、カセット42Aの開放された底面からカセット42A内を通って上昇する。これにより、カセット42A内の全ての景品Kが、このリフト49によって押し上げられる。
【0060】
最上位にある景品Kが繰出部50まで押し上げられると、リフト49の上昇が停止し、繰出部50が、最上位の景品Kを繰り出す。具体的には、退避位置にある移動体51が進出位置まで移動する。カセット42Aの場合、移動体51は、進出位置へ向けて後方(図6における右側)へ移動する。このとき、移動体51の爪53が最上位の景品Kに引っ掛かり、この景品Kを1対の繰出ローラ52の間へ搬送する。この後、移動体51は、すぐに退避位置に戻る。そして、この景品Kは、回転する1対の繰出ローラ52によって、待機位置にあるエレベータ56(保留部55)側へ放出され、エレベータ56の上面に載置される。
【0061】
そして、リフト49の上昇と繰出部50による景品Kの繰り出しとが、景品K毎に繰り返され、カセット42A内の景品Kが、上から順に、エレベータ56に積み重ねられて、保留部55に一時保留される。なお、景品Kがエレベータ56に良好に積み重ねられるように、エレベータ56は、待機位置から適宜下降する。
また、カセット42Aの景品Kだけでなく、カセット42Cの景品Kも、カセット42Aの場合と同様の手順で、エレベータ56に積み重ねられてもよい。カセット42Aおよびカセット42Cに景品Kが無い場合には、キャリア43が後位置から前位置へ移動し(図6(b)参照)、カセット42Bおよびカセット42Dの景品Kが、カセット42Aの場合と同様の手順で、エレベータ56に積み重ねられる。
【0062】
図6(a)に示すように、払い出しに必要な枚数の景品Kがエレベータ56に積み重ねられると、キャビネット21の天面において、対応するシャッタ33が、点線で示すように前側(図6における左側)の開位置まで移動し、このエレベータ56の上方にある払出口32を開く。次いで、エレベータ56が、払出ユニット23の連通口54を介して、この払出口32まで上昇する。
【0063】
そして、エレベータ56の上面がキャビネット21の天面(詳しくは、前述した第3天面26)と面一になるまでエレベータ56が上昇すると、シャッタ33が、払出口32を閉じようと後側の閉位置まで移動し、そのときに、エレベータ56の上面に積み重ねられた景品Kを、第3天面26のレーン36へ向けて押し出す。これにより、景品Kが、通過した払出口32に対応する(幅方向で同じ位置にある)レーン36に払い出される。遊技客は、レーン36に払い出された景品を受け取る。
【0064】
ここで、景品Kが1つのレーン36だけに払い出されるとは限らず、払い出される景品Kの種類や枚数に応じて、一度に複数のレーン36(図4参照)に景品が払い出されることがある。
図7は、景品払出装置3の電気的構成を示すブロック図である。
図7を参照して、景品払出装置3には、マイクロコンピュータ等で構成された制御部60(表示制御手段、検知手段、特定手段)が備えられている。制御部60は、CPUやメモリ(ROM、RAM)などを含んでいる。制御部60は、景品払出装置3の動作を制御するためのものである。
【0065】
制御部60は、景品払出装置3のキャビネット21側(図4参照)に設けられる本体制御部60Aと、各払出ユニット23に設けられるユニット制御部60Bとを含んでいる。
本体制御部60Aに対して、各払出ユニット23のユニット制御部60Bが電気的に接続されている(図7における最も上側の払出ユニット23を参照)。また、本体制御部60Aに対して、前述したスピーカー31、従業員用表示部28、客用表示部29および払出表示部35のそれぞれが電気的に接続されているとともに、I/F部61、操作部62、扉開閉検知部63および記憶部64(登録手段)のそれぞれが電気的に接続されている。
【0066】
I/F部61を介して、本体制御部60Aは、管理装置2(図1参照)と通信することができる。
操作部62を操作することによって、景品払出装置3の動作を制御することができる。
扉開閉検知部63は、前述した扉20(図4参照)が閉じているか開いているかを検知するものである。
【0067】
記憶部64は、景品払出装置3の各種設定情報といった必要な情報を記憶する。たとえば、記憶部64は、どの払出口32(レーン36)および払出ユニット23(図4参照)が幅方向において同じ位置にあるのか(払出口32(レーン36)と払出ユニット23との幅方向における対応関係)を記憶している。また、記憶部64は、各払出ユニット23の各カセット42(図6参照)における景品の払出履歴といった情報も記憶している。
【0068】
ユニット制御部60Bに対して、前述したキャリア43、リフト49、繰出部50、エレベータ56およびシャッタ33(図6も参照)のそれぞれが電気的に接続されているとともに、計数部65が電気的に接続されている。厳密には、リフト49およびエレベータ56のそれぞれを上下に移動させる機構、繰出部50において移動体51(図6参照)を前後にスライドさせる機構および繰出ローラ52(図6参照)を回転させる機構、ならびに、シャッタ33およびキャリア43を前後にスライドさせる機構が、ユニット制御部60Bに接続されている。
【0069】
計数部65は、各カセット42に収納されている景品K(図6参照)を計数する。たとえは、計数部65は、カセット42において上下に積み重ねられた景品の側面に対して、上下移動しながらレーザーを照射して、隣り合う景品の境界部分を検出する。そして、計数部65は、検出した境界部分をカウントすることによって、積み重ねられた景品を計数する。計数部65により計数されたカセット42毎の景品の計数値は、前述した記憶部64に記憶される。
【0070】
払出表示部35に関し、制御部60(厳密には、本体制御部60A)は、払出表示部35に、後述する情報を表示させる。ここで、払出表示部35における表示について、一例として、第1から第4までの実施例があり、以下では、各実施例について説明する。
(1)第1の実施例
図8および図9は、景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第1の実施例に係るものである。
【0071】
第1の実施例では、景品が払い出されるときに、制御部60(本体制御部60A)が、これから払い出される景品の種類情報および個数情報を払出表示部35に表示させる。
まず、前述したように景品払出装置3が管理装置2(図1参照)からの払出コマンドを受信して必要な種類および個数の景品を払い出す処理(払出処理)を開始した時点では、全てのシャッタ33が閉位置に配置されている(図4参照)。
【0072】
この状態で、まず、制御部60(本体制御部60A)は、図8(a)に示すように、全ての払出表示部35のまとまりにおいて、幅方向におけるほぼ全域(図8(a)では中央寄りの領域)に亘って、「景品がでます!」というように景品の払出処理がこれから開始される旨を報知する情報を表示(全面表示)させる。
そして、どのレーン36(図4参照)にどの種類の景品が何枚払い出されるかが決まると、制御部60は、該当するレーン36に対応する(幅方向で同じ位置にある)払出表示部35に、払い出される景品の個数情報および種類情報を表示させる。
【0073】
ここで、一例として、景品の種類が色で区別されているものとして、図8以降では、説明の便宜上、右上へ延びる斜線のハッチングが施された部分を、赤色で塗られた部分とし、ドットが施された部分を、青色で塗られた部分とし、右下へ延びる斜線のハッチングが施された部分を、緑色で塗られた部分としている(図9の景品Kを参照)。
図8(b)を参照して、制御部60は、該当するレーン36に対応する払出表示部35に、そのレーン36に払い出される景品の個数情報を、景品の種類を示す色がついた数字で表示(個別表示)させる。
【0074】
なお、説明の便宜上、図8における「8」、「4」、「2」という3つの数字は、同じ色となっているが、実際には、赤、青および緑のどれかの色がついた数字となっている。具体的には、レーン36Cに対応する払出表示部35には、赤色で「8」の数字が表示され、レーン36Eに対応する払出表示部35には、青色で「4」の数字が表示され、レーン36Fに対応する払出表示部35には、緑色で「2」の数字が表示される。これにより、レーン36Cに赤色の景品がこれから8枚払い出されるということと、レーン36Eに青色の景品がこれから4枚払い出されるということと、レーン36Fに緑色の景品がこれから2枚払い出されるということとを瞬時に把握することができる。
【0075】
また、このように数字が表示された各払出表示部35において、この数字と、図8(c)に示すイラストXとが、交互に切り替え表示されてもよい。イラストXは、払い出される景品の種類を示す色の背景(図8(c)では、説明の便宜上、色を示すハッチングやドットが示されていない。)に、景品をイメージさせる宝物(コイン)を示している。イラストXを見れば、このイラストXが表示された払出表示部35に対応するレーン36に景品が払い出されることと、払い出される景品の種類とがわかる。つまり、このイラストXは、景品の種類および払出位置を示している。
【0076】
そして、図8(b)において数字が示された払出表示部35が設けられたシャッタ33に対応する(当該シャッタ33によって閉じられた払出口32と幅方向で同じ位置にある)払出ユニット23の保留部55のエレベータ56に、必要な枚数の景品Kが積み重ねられると(図6(a)参照)、このシャッタ33が、図9(a)に示すように、開位置まで移動して、このエレベータ56の上方にある払出口32を開く。
【0077】
ここで、シャッタ33が払出口32を開き始める際(開き終わった後でもよい)、制御部60は、このシャッタ33に対して左右両側から隣接する(スペーサー34の)払出表示部35に、間もなく景品が払い出される旨を報知する情報を表示させる。たとえば、図9(a)では、開くシャッタ33の両側の払出表示部35に、泡が浮き上がる状態を示すイラストY(時間が経過するのに応じて泡が浮き上がっては消えるように見えるアニメーションであってもよい)が表示される。これにより、開いた払出口32において、あたかも深海から浮上するようにこれから景品Kが払い出されるようなイメージを遊技客に与えることができる。
【0078】
このようにイラストYが表示されている間に、開いた払出口32の下方に位置して景品Kが載置されたエレベータ56が、前述したように、払出ユニット23の連通口54を介して、払出口32まで上昇する(図6(a)参照)。
そして、前述したように、エレベータ56の上面がキャビネット21の天面(詳しくは、前述した第3天面26)と面一になるまでエレベータ56が上昇すると、今まで開位置にあったシャッタ33が、払出口32を閉じようと閉位置へ向けて移動する(図6(a)参照)。
【0079】
このとき、制御部60は、図9(b)に示すように、閉位置へ向けて移動しているシャッタ33の左右両側の払出表示部35に、シャッタ33の移動方向へ延びる矢印(時間が経過するのに応じて矢印の長さが変化してもよい)を表示させる。これにより、遊技客は、矢印の指す方向へ景品Kが払い出されることを把握できる。ここで、各矢印の色は、払い出される景品Kの色と同じであってもよい。
【0080】
閉位置へ向けて移動するシャッタ33は、景品Kを、対応するレーン36へ向けて後側(図9では下側)へ押し出す。そして、図9(c)に示すように、シャッタ33が閉位置までの移動を完了すると、景品Kは、対応するレーン36(図9では、レーン36C、EおよびF)に払い出される。このとき、制御部60は、閉位置まで移動したシャッタ33の払出表示部35に、押し出した景品Kの枚数を示す数字を表示させる。この数字の色は、押し出された景品Kの色と同じであってもよい。
【0081】
また、制御部60は、数字を表示させた払出表示部35の左右両側の払出表示部35に、数字を強調するラインを表示させてもよい。
また、制御部60は、図9(d)に示すように、全ての払出表示部35のまとまりにおいて、幅方向におけるほぼ全域に亘って、「ありがとうございました」というように景品Kの払出処理が完了した旨を報知する情報を表示させる。図9(c)の数字およびラインと、図9(d)の「ありがとうございました」という文字とは、交互に切り替え表示されてもよい。
【0082】
そして、遊技客が対応するレーン36に払い出された景品Kを受け取ると、制御部60は、図9(c)または図9(d)に示す払出表示部35の表示を終了する。
なお、第1の実施例では、払出表示部35に表示された数字(払い出される景品Kの枚数を示す数字)の色を景品Kの色と同じにすることによって、景品Kの種類情報および個数情報の両方を払出表示部35に表示することができるが(図8(b)および図9(c)参照)、必要に応じて、これらの情報のうちのいずれかを払出表示部35に表示させてもよい。
【0083】
具体的には、景品Kが払い出されるレーン36に対応する払出表示部35に景品Kの色だけを表示させることで、景品Kの種類情報だけを払出表示部35に表示させる。または、払出表示部35に表示された数字(図8(b)および図9(c)参照)に、景品Kと同じ色を付けないことで、景品Kの個数情報だけを払出表示部35に表示させる。
なお、払出表示部35での表示に併せて、スピーカー31(図4参照)から所定の効果音が流れてもよい(以降の実施例においても同様)。
(2)第2の実施例
図10および図11は、景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第2の実施例に係るものである。
【0084】
図4を参照して、前述した第1の実施例では、払出表示部35は、キャビネット21の第2天面25において、シャッタ33およびスペーサー34の天面に設けられている(点線で区画された部分を参照)。これに対し、第2の実施例では、払出表示部35は、第3天面26において各レーン36に対して後側(遊技客側)から隣接する位置(1点鎖線で区画された位置であって、レーン36に払い出された景品によって隠れない位置)に設けられている。
【0085】
また、第1の実施例では、払出表示部35は、シャッタ33またはスペーサー34に応じて個別に設けられていて、全体が集合した状態で幅方向に沿って延びる帯状をなしている(点線で区画された部分を参照)。これに対し、図10(a)を参照して、第2の実施例の払出表示部35は、単体で、幅方向に沿って延びる帯状をなしており、払出表示部35の幅方向寸法は、第2天面25の幅方向両端部30(図4参照)の間隔とほぼ等しい。
【0086】
第2の実施例の払出表示部35は、8つのシャッタ33および7つのスペーサー34に応じて、幅方向に並ぶ15個のセグメント37に区画されている。
そして、前述した払出処理が開始された時点では、制御部60は、図10(a)に示すように、まず、払出表示部35に、「景品がでます!」というように景品の払出処理がこれから開始される旨を報知する情報を表示させる。
【0087】
その後、制御部60は、図10(b)に示すように、景品が払い出されるレーン36(ここでは、レーン36C、EおよびFであり、図10(a)参照)に対応する(幅方向で同じ位置にある)セグメント37において、そのレーン36を指し示す矢印と、そのレーン36に払い出される景品の個数情報を示す数字とを表示させる。ここで、この数字の色が景品の色と同じであれば、これから払い出される景品について、払い出されるレーン36の位置および個数だけでなく、種類も把握できる。
【0088】
また、図10(c)に示すように、制御部60は、景品が払い出されるレーン36に対応するセグメント37に、前述したイラストXを表示させる。図10(b)における矢印および数字と、図10(c)のイラストXとが交互に切り替え表示されてもよい。
そして、図10(d)に示すように、景品Kが払い出されるレーン36に対応する(幅方向で同じ位置にある)シャッタ33が開位置へ移動し、開かれた払出口32へ向けて景品Kが上昇する間では、制御部60は、前述した「景品がでます!」という文字を払出表示部35に表示させる。また、制御部60は、前述した泡が浮き上がる状態を示すイラストY(図10(e)参照)を、「景品がでます!」という文字(図10(d)参照)と交互に切り替え表示させてもよい。
【0089】
最後に、今まで開位置にあったシャッタ33が、図11(a)に示すように、閉位置まで移動して、景品Kを、対応するレーン36(ここでは、レーン36C、EおよびF)に払い出すと、制御部60は、景品Kが払い出されたレーン36に対応するセグメント37に、押し出した景品Kの枚数を示す数字を表示させる。この数字の色は、押し出された景品Kの色と同じであってもよい。また、制御部60は、数字が表示されたセグメント37の左右両側のセグメント37に、数字を強調するラインを表示させてもよい。
【0090】
また、制御部60は、図11(b)に示すように、払出表示部35に、「ありがとうございました」というように景品Kの払い出し処理が完了した旨を報知する情報を表示させる。払出表示部35において、図11(a)の数字およびラインと、図11(b)の「ありがとうございました」という文字とは、交互に切り替え表示されてもよい。
そして、遊技客が対応するレーン36に払い出された景品を受け取ると、制御部60は、図11(a)または図11(b)に示す払出表示部35の表示を終了する。
【0091】
以上の第1および第2の実施例によれば、払出表示部35全体が、レーン36の近傍において、幅方向(複数のレーン36の並び方向)に沿って延びる帯状をなしていることから、いずれのレーン36の近傍にも払出表示部35が位置することとなる(図8〜図11参照)。そのため、景品Kが払い出されるレーン36の近傍の払出表示部35(第2の実施例の場合にはセグメント37)において、当該レーン36に払い出される景品Kについての情報を表示することができるので、景品Kの払い出しを受ける者は、当該レーン36に目を向ければ、この情報を容易かつ速やかに得ることができ、使い勝手が良い。
【0092】
この結果、景品Kの払い出しに係る表示について使い勝手の向上を図ることができる。
また、払出表示部35に表示される情報が、これから払い出される景品Kの種類情報および/または個数情報である。そのため、景品Kの払い出しを受ける者は、特に知りたいこれらの情報を払出表示部35で速やかに得ることができるので、一層使い勝手が良い。
さらに、払出表示部35に表示される景品Kの種類情報および個数情報と、対応するレーン36に払い出された景品Kの種類および個数を見比べることで、正しい種類の景品Kが正しい数だけ払い出されたか否かを的確にチェックすることができる。また、従業員は、このチェックにより、カセット42(図6参照)への景品Kの装填ミスの有無を判別することができる。
(3)第3の実施例
図12は、景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第3の実施例に係るものである。
【0093】
第3の実施例は、払出ユニット23(図5参照)において景品の詰まり(異常)が発生した場合を想定している。なお、図12に示す第3の実施例では、第2の実施例の構成による払出表示部35(1つの払出表示部35において複数のセグメント37が設けられている構成)を示しているが、払出表示部35の構成は、第1の実施例(複数の払出表示部35が集合して帯状をなす構成であり、図8および図9参照)であっても構わない。
【0094】
図12(a)を参照して、たとえば、レーン36Cに対応する(レーン36Cに景品を払い出す)払出ユニット23(図5参照)に異常(景品詰まり等)が発生すると、そのことが当該払出ユニット23のユニット制御部60Bから本体制御部60Aに報知される(図7も参照)。これにより、制御部60(本体制御部60A)は、異常が発生した払出ユニット23を検知する。
【0095】
ここで、前述したように、払出口32(レーン36)と払出ユニット23との幅方向における対応関係(図4参照)が記憶部64(図7参照)に記憶されていることから、制御部60は、異常が発生した払出ユニット23を検知した後に、記憶部64における前述した対応関係を参照することで、この払出ユニット23に対応するレーン36(ここでは、レーン36C)を特定する。
【0096】
そして、制御部60は、払出表示部35においてレーン36C(特定したレーン36)に対応する(このレーン36の周辺の)セグメント37に、「トラブル」という、異常発生を報知する情報を表示させる。また、制御部60は、「トラブル」が表示されたセグメント37の左右両側のセグメント37に、「トラブル」が表示されたセグメント37を強調するイラスト(ここでは、矢印と×(バツ)とを組み合わせて、矢印方向への景品Kの払い出しができないことを示すイラスト)Zを表示させる。
【0097】
また、制御部60は、「トラブル」の文字と交互に表示されるように、トラブルの具体的な内容を示す情報(ここでは、「景品詰まり」という文字)を、「トラブル」が表示されていたセグメント37に表示させてもよい(図12(b)参照)。
さらに、制御部60は、図12(c)に示す「申し訳ございません。係員をお呼びください!」という、遊技客に対して係員(従業員)の呼び出しを促す文字を払出表示部35全体に表示させてもよい。この文字は、図12(a)や図12(b)における払出表示部35の表示内容と、交互に切り替え表示される。呼び出された従業員は、「トラブル」または「景品詰まり」が表示されたセグメント37に対応する払出ユニット23をキャビネット21(図4参照)から引き出し、景品詰まりを直す。そして、異常(景品詰まり等)が解消されれば、払出表示部35の表示内容が通常の表示に戻る。
【0098】
このように、第3の実施例によれば、どの払出ユニット23に異常が発生したのかを速やかに把握できるので、一層使い勝手が良い。
(4)第4の実施例
図13および図14は、景品払出装置3の天面の要部を模式的に示した図であって、第4の実施例に係るものである。
【0099】
第4の実施例では、前述した第1〜第3の実施例以外の場合における、払出表示部35での表示例である。
たとえば、景品払出装置3において遊技客に対してこれから景品が払い出される場合(または、遊技客に対する景品の払い出しが完了した直後)に、図13(a)に示すように、当該遊技客に対して払い出される(または、払い出された)景品の種類情報および個数情報が、当該遊技客の識別情報とともに表示されてもよい。
【0100】
図13(a)では、景品に、大中小という3つの種類があって、「XX」という名前の遊技客(予め遊技施設において登録されている会員客)に対して、大の景品が23枚、中の景品が10枚、小の景品が5枚払い出される場合、制御部60は、払出表示部35全体に、「XX様の本日の獲得数 大:23枚 中:10枚 小:5枚」と表示させる。また、制御部60は、この表示と交互に切り替え表示されるように、払出表示部35全体に、図13(b)に示す「ありがとうございます!」という文字を表示させる。ここで、遊技客の識別情報(ここでは、名前)は、制御部60が、I/F部61(図7参照)を介して、管理装置2の記憶部13(図3参照)または前述した管理コンピュータのデータベース(図示せず)から取得する。
【0101】
なお、この表示は、あくまで一例であるので、払出表示部35には、本日の景品の獲得数に限らず、今までの景品獲得数の累積値が表示されてもよいし、遊技媒体の獲得数等が表示されてもよい。
また、景品払出装置3において景品の払い出しが行われない待機状態では、制御部60は、払出表示部35に、遊技施設の広告情報(たとえば、遊技施設における本日のイベント案内)を表示させてもよい(図14(a)参照)。こうすれば、払出表示部35の有効利用を図ることができる。つまり、景品の払い出しに係る表示について利用効率の向上を図ることができる。
【0102】
また、1台の景品払出装置3においてパチンコ玉に対応する景品を払い出すとともにメダルに対応する景品も払い出すこととし、前述した8つのレーン36A〜36H(図4参照)がパチンコ玉用景品およびメダル用景品のどちらかに割り当てられている場合がある。
この場合、制御部60は、各レーン36に対応する払出表示部35(第2の実施例の場合には、セグメント37)において、各レーン36でパチンコ玉用景品およびメダル用景品のどちらが払い出されるのかを報知する情報を表示させる。具体的には、図14(b)に示すように、制御部60は、パチンコ玉用景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)には、「パチンコ」という文字を表示させるとともに、メダル用景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)には、「メダル」という文字を表示させる。
【0103】
また、パチンコ玉用景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)での表示と、メダル用景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)での表示とを、色分けによって区別してもよい。そのため、図14(b)では、一例として、メダル用景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)だけを、ドットで塗り潰して区別している。
【0104】
また、1台の景品払出装置3に対して複数台(ここでは、No.1、No.2という2台)の管理装置2(図1参照)が接続され、それぞれの管理装置2からこの景品払出装置3に対して払出コマンドが送信されるようになっていて、8つのレーン36A〜36H(図4参照)がNo.1およびNo.2のどちらかの管理装置2に割り当てられている場合がある。
【0105】
この場合、制御部60は、各レーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)において、各レーン36でNo.1およびNo.2のどちらかの管理装置2から受信した払出コマンドに基づく景品が払い出されるのかを報知する情報を表示させる。
具体的には、制御部60は、図14(c)に示すように、No.1の管理装置2から受信した払出コマンドに基づく景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)には、「No.1」と表示させる。一方、制御部60は、No.2の管理装置2から受信した払出コマンドに基づく景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)には、「No.2」と表示させる。
【0106】
また、No.1の管理装置2から受信した払出コマンドに基づく景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)での表示と、No.2の管理装置2から受信した払出コマンドに基づく景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)での表示とを、色分けによって区別してもよい。そのため、図14(c)では、一例として、No.1の管理装置2から受信した払出コマンドに基づく景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(またはセグメント37)だけを、ドットで塗り潰して区別している。
【0107】
ここで、前述した第1〜第4の実施例で払出表示部35に表示される情報に関し、管理装置2(図1参照)の制御部7(図3参照)が、当該情報(払出表示部35に表示すべき情報)に関する表示データ(当該情報そのものであってもよいし、当該情報を構成するデータ)を所定のタイミングで景品払出装置3へ送信することができる。この場合、景品払出装置3では、制御部60(図7参照)が、送信されてきた表示データに基づいて、この表示データに対応する情報を払出表示部35に表示させる。そのため、景品払出装置3とは別に設けられた管理装置2で表示データを設定できるので使い勝手が良い。
【0108】
なお、制御部60が情報を払出表示部35に表示させるタイミングは、景品払出装置3が管理装置2から表示データを受信したときであってもよいし(当該表示データに対応する情報を速やかに払出表示部35に表示させることができる。)、景品払出装置3が表示データを受信してから所定時間が経過した後であってもよい。また、1台の管理装置2から複数台の景品払出装置3に対して表示データが一斉送信されてもよい。
【0109】
また、別の例として、払出表示部35で表示を行うために用いられる表示パターン(前述したイラストX、YおよびZや、「景品がでます!」等の文字)が、管理装置2の操作部4(図3参照)を操作することで設定可能(変更可能)であり、管理装置2の制御部7(図3参照)が、この表示パターンを景品払出装置3へ送信することができる。この場合、景品払出装置3とは別に設けられた管理装置2で表示パターンを設定できるので使い勝手が良い。ここで、1台の管理装置2から複数台の景品払出装置3に対して表示パターンが一斉送信されてもよい。
【0110】
そして、景品払出装置3では、制御部60(図7参照)が、管理装置2の制御部7によって送信されてきた表示パターンを記憶部64(図7参照)に記憶させる。
これにより、景品払出装置3では、様々な表示パターンが、記憶部64に登録(蓄積)される。そのため、景品払出装置3において、制御部60(図7参照)は、状況に応じて、記憶部64に事前に登録された表示パターンの中から必要な表示パターンを選択して、選択した表示パターンに基づいて様々なバリエーションの情報を生成し、当該情報を、払出表示部35に表示させることができるので、使い勝手が良い。
【0111】
なお、景品払出装置3において、様々な表示パターンが、デフォルトの段階で、記憶部64に登録されていても構わない。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
前記の実施形態では、1台の払出ユニット23において、4つのカセット42には同じ種類の景品が収納されることとしているが、収納される景品の種類がカセット42毎に異なっていてもよい(図6参照)。この場合、景品払出装置3の記憶部64(図7参照)には、カセット42自体の識別情報と、そのカセット42に収納される景品の種類とを対応付けたデータが記憶されている。
【0112】
制御部60は、払出ユニット23から景品が払い出される際に、景品が払い出されるカセット42の識別情報を特定することで、前記データに基づいて、そのカセット42から払い出される景品の種類を特定する。そして、制御部60は、景品が払い出されるレーン36に対応する払出表示部35(第2の実施例の場合には、セグメント37)に、払い出される景品の種類の情報を表示する。
【0113】
ここで、同じ払出ユニット23において、今までとは別のカセット42から景品(今まで払い出されてきた景品とは別の種類の景品)が払い出される場合には、制御部60は、該当する払出表示部35またはセグメント37における景品の種類情報を、新しい種類情報に切り替えて表示させる。
図15は、図6(a)において変形例を適用した図である。
【0114】
前記の実施形態では、シャッタ33が閉位置まで移動する際に、景品Kを遊技客側へ押し出している(図6(a)参照)。しかし、遊技施設の都合によっては、景品Kを景品払出装置3から遊技客に直接払い出すのではなく、従業員を途中に介してから、景品Kを遊技客に払い出したい場合がある。
そこで、図15に示すように、前述した第1天面24、第2天面25および第3天面26の前後の位置が前記の実施形態(図6参照)と逆になっている構成を用いてもよい。図15に示す構成の景品払出装置3では、開位置から閉位置へ向かうシャッタ33の先に従業員が位置することとなるので、シャッタ33が閉位置まで進出すると、景品Kは、まず、従業員側へ押し出されることとなる。これにより、従業員は、景品払出装置3から払い出された景品Kの中身を確認してから、景品Kを遊技客に対して手渡しする。
【0115】
また、前記の実施形態では、遊技施設のフロアに直接据え置かれる景品払出装置3を例示したが、本発明は、遊技施設のカウンタ等に載せられる卓上タイプの景品払出装置にも適用可能である(なお、卓上タイプの景品払出装置の構成については、特開2008−93190を参照。)。
【符号の説明】
【0116】
1 景品払出システム
2 管理装置
3 景品払出装置
4 操作部
7 制御部
21 キャビネット
23 払出ユニット
35 払出表示部
36 レーン
60 制御部
64 記憶部
K 景品
【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品を払い出すための景品払出装置であって、
景品が収納される装置本体と、
前記装置本体の表面において所定方向に並ぶように複数設けられ、前記装置本体内の景品が払い出される払出部と、
前記装置本体の表面において前記払出部の近傍に配置され、全体で前記所定方向に沿って延びる帯状をなす表示手段と、
前記表示手段に情報を表示させるための表示制御手段と、
を含むことを特徴とする、景品払出装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、景品が払い出されるときに、これから払い出される景品の種類情報および/または個数情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする、請求項1記載の景品払出装置。
【請求項3】
前記装置本体内に複数設けられ、対応する前記払出部に景品を払い出す景品払出ユニットと、
異常が発生した前記景品払出ユニットを検知する検知手段と、
異常が発生した前記景品払出ユニットに対応する前記払出部を特定する特定手段と、
を含み、
前記表示制御手段は、前記特定手段が特定した前記払出部の周辺における前記表示手段に、異常発生を報知する情報を表示させることを特徴とする、請求項1または2記載の景品払出装置。
【請求項4】
景品の払い出しが行われない待機状態において、前記表示制御手段は、景品払出装置が設置される施設の広告情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品払出装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と通信可能な管理装置であって、前記表示手段に表示すべき情報に関する表示データを前記景品払出装置へ送信するデータ送信手段を含むことを特徴とする、管理装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と、
請求項5記載の管理装置と、
を含み、
前記表示制御手段は、前記データ送信手段によって送信されてきた前記表示データに基づいて、当該表示データに対応する情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする、景品払出システム。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と通信可能な管理装置であって、
前記表示手段で表示を行うために用いられる表示パターンを設定するための設定手段と、
前記表示パターンを前記景品払出装置へ送信するパターン送信手段と、
を含むことを特徴とする、管理装置。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と、
請求項7記載の管理装置と、
を含み、
前記景品払出装置は、前記パターン送信手段によって送信されてきた前記表示パターンを登録する登録手段を含み、
前記表示制御手段は、前記登録手段に登録された前記表示パターンに基づいて、情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする、景品払出システム。
【請求項1】
景品を払い出すための景品払出装置であって、
景品が収納される装置本体と、
前記装置本体の表面において所定方向に並ぶように複数設けられ、前記装置本体内の景品が払い出される払出部と、
前記装置本体の表面において前記払出部の近傍に配置され、全体で前記所定方向に沿って延びる帯状をなす表示手段と、
前記表示手段に情報を表示させるための表示制御手段と、
を含むことを特徴とする、景品払出装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、景品が払い出されるときに、これから払い出される景品の種類情報および/または個数情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする、請求項1記載の景品払出装置。
【請求項3】
前記装置本体内に複数設けられ、対応する前記払出部に景品を払い出す景品払出ユニットと、
異常が発生した前記景品払出ユニットを検知する検知手段と、
異常が発生した前記景品払出ユニットに対応する前記払出部を特定する特定手段と、
を含み、
前記表示制御手段は、前記特定手段が特定した前記払出部の周辺における前記表示手段に、異常発生を報知する情報を表示させることを特徴とする、請求項1または2記載の景品払出装置。
【請求項4】
景品の払い出しが行われない待機状態において、前記表示制御手段は、景品払出装置が設置される施設の広告情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品払出装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と通信可能な管理装置であって、前記表示手段に表示すべき情報に関する表示データを前記景品払出装置へ送信するデータ送信手段を含むことを特徴とする、管理装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と、
請求項5記載の管理装置と、
を含み、
前記表示制御手段は、前記データ送信手段によって送信されてきた前記表示データに基づいて、当該表示データに対応する情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする、景品払出システム。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と通信可能な管理装置であって、
前記表示手段で表示を行うために用いられる表示パターンを設定するための設定手段と、
前記表示パターンを前記景品払出装置へ送信するパターン送信手段と、
を含むことを特徴とする、管理装置。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれかに記載の景品払出装置と、
請求項7記載の管理装置と、
を含み、
前記景品払出装置は、前記パターン送信手段によって送信されてきた前記表示パターンを登録する登録手段を含み、
前記表示制御手段は、前記登録手段に登録された前記表示パターンに基づいて、情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする、景品払出システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−143004(P2011−143004A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−5075(P2010−5075)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
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