説明

景品払出装置

【課題】景品収容部内の景品の残量を把握することができる景品払出装置を提供すること。
【解決手段】店側表示操作器14には、タイトル表示エリア35と、画面の左部分に配置された景品種類別景品数表示エリア36と、画面の右端部に設けられたボタン表示エリア38と、画面の中央部分に配置されたカセット別景品種類表示エリア37とを備えた画面が表示される。景品種類別景品数表示エリア36には、計数部によって計数された景品の数が、景品種類別に表示される。この景品種類別景品数表示エリア36には、上から順に、特大景品の数、大景品の数、中景品の数および小景品の数が数字で表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技店舗に備えられ、パチンコ玉等の遊技媒体と引き換えられる特定の景品を払い出すための景品払出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技店舗では、遊技客は、まずパチンコ玉等の遊技媒体を購入し、その遊技媒体を用いてパチンコ機等の遊技機で遊技を行う。そして遊技の成果は獲得した遊技媒体の数となる。獲得した遊技媒体は景品と交換できる。景品の中には、特殊景品と称されるカード状の特定の景品(特定景品)がある。特定景品には、所定の金銭価値を有する物体が内蔵されており、たとえば、5000円、1000円、500円、200円、といった金銭価値に応じた4つの種類が存在する。遊技店舗には、かかる特定景品を払い出すための景品払出装置が設置されている。従来の景品払出装置の一例は、特許文献1、特許文献2および特許文献3に開示されている。
【0003】
特許文献1〜3に開示されているように、景品払出装置には、通常、特定景品を多数枚積層状態で収容する景品収容カセットが複数個内蔵されている。各景品収容カセットは、景品払出装置の外郭をなすキャビネット内に収容されている。各景品収容カセットには、種類の異なる景品が収容されている。そして遊技客の獲得した遊技媒体の数に応じて、払い出す景品の種類および数が算出され、景品収容カセットに収容された景品が払い出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3722878号公報
【特許文献2】特許第2722396号公報
【特許文献3】特開2005−211686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
遊技客に対して景品を円滑に払い出すためには、景品収容カセットに景品切れが生じないことが望ましい。景品収容カセットにおける景品切れを防止するため、遊技店舗の店員(以下、単に「店員」という。)は、景品収容カセットに収容されている景品の数(残量)を目視で確認し、景品の残量が少なかったり景品がなかったりすると、景品を補充している。そのため、店員は、定期的に景品収容カセットをキャビネットの外部に引き出して、景品の残量を確認する必要がある。この確認作業が店員にとって煩わしいものになっている。
【0006】
この発明は、このような背景のもとになされたもので、景品収容部内の景品の残量を把握することができる景品払出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、景品を収容するための複数の景品収容部(4)と、前記景品収容部に収容された景品を取り出して払い出す払出手段(18)と、前記景品収容部に収容された景品の在庫数を取得する在庫情報取得手段(30)とを有する景品払出装置において、前記在庫情報取得手段によって取得した情報に基づいて景品数に関する情報を表示するための表示手段(14)を有することを特徴とする景品払出装置(1)である。
【0008】
なお、括弧内の数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
請求項2記載の発明は、前記表示手段は、前記複数の景品収容部に収容されている景品数を、前記景品収容部別に表示する表示エリア(48)を有することを特徴とする請求項1記載の景品払出装置である。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記表示手段は、収容されている景品数を景品種類別に表示する表示エリア(36)を有することを特徴とする請求項1または2記載の景品払出装置である。
請求項4記載の発明は、前記表示手段は、前記景品収容部別の表示エリアおよび景品種類別の表示エリアを、選択的に表示させるための表示切替操作部(43)を有することを特徴とする請求項3記載の景品払出装置である。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記表示手段は、前記景品数に関連付けて、景品の色を表示する色表示エリア(40,48)を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の景品払出装置である。
請求項6記載の発明は、前記景品収納部に収納された景品の数を計数するための計数手段をさらに有し、前記在庫情報取得手段は、前記計数手段により計数された景品数に基づいて取得し、その結果を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の景品払出装置である。
【0011】
請求項7記載の発明は、前記表示手段は、前記計数手段が景品の計数を行った後の所定のタイミングで、前記景品数に関する情報を表示することを特徴とする請求項6記載の景品払出装置である。
請求項1記載の発明によれば、景品収容部に収容されている景品の数(在庫数、景品数)に関する情報が、表示手段に表示される。このため、店員は、表示手段の表示から、景品収容部に収容されている景品数(在庫数)を把握することができる。これにより、景品収容部内の景品の残量を的確に把握することができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、景品収容部別の表示エリアでは、景品収容部に収容されている景品数が景品収容部別に表示される。したがって、この景品収容部別の表示エリアを見るだけで、各景品収容部における景品の残量を的確に把握することができる。
請求項3記載の発明によれば、景品種類別の表示エリアでは、景品払出装置に収容されている景品の数が景品種類別に表示される。したがって、この景品種類別の表示エリアを見るだけで、各種類の景品の残量を的確に把握することができる。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、表示切替操作部の操作により、表示手段の表示を、景品収容部別の表示エリアを含む表示と景品種類別の表示エリアを含む表示との間で切り替えることができる。したがって、表示切替操作部を操作して表示手段の表示を切り替えることにより、景品収容部別の景品の数と、景品種類別の景品の数との双方を把握することができる。
【0014】
請求項5記載の発明によれば、表示手段に表示される景品数に関する情報に関連付けて、景品の色が表示される。したがって、景品収容部に収容されている景品の種類を、景品の色に基づいて誤りなく把握し、当該景品数を把握することができる。
色表示エリアは、前記表示エリア(前記景品収容部別の表示エリアおよび/または前記景品種類別の表示エリア)にオーバーラップして表示されていてもよいし、前記表示エリアと区別して表示されていてもよい。
【0015】
請求項6記載の発明によれば、前記景品数に関する情報は、計数手段により計数された景品の数に基づいている。このため、景品収容部に収容される景品の正確な数を表示することができる。
このとき、前記表示手段に表示される「景品数に関する情報」とは、実際に前記計数手段によって計数された景品の数を直接表示するものに限られず、前記計数手段により実際に計数された景品の数に基づいて演算された数(たとえば予め前記計数手段により計測された景品の数から、払い出された景品の数を差し引いた残数)を表示するものも含む趣旨である。
【0016】
請求項7記載の発明によれば、計数手段による景品の計数後の所定のタイミングで、景品数に関する情報が表示される。したがって、計数後の正確な景品の数を、その計数後程なくして、表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】遊技店舗内に設けられた景品払出システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す景品払出装置を前側(店員が操作する側)から見た斜視図である。
【図3】図1に示す景品払出装置の模式的な側断面図である。
【図4】図2に示すキャビネット内における景品収容カセットのレイアウトを模式的に示す平面図である。
【図5】図1に示す景品払出装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図6A】図2に示す店側表示操作器において待機時に表示される画面を示す図である(その1)。
【図6B】図2に示す店側表示操作器において待機時に表示される画面を示す図である(その2)。
【図6C】図2に示す店側表示操作器において待機時に表示される画面を示す図である(その3)。
【図7A】図2に示す店側表示操作器において、各景品収容カセットに収容される景品の種類を設定するための画面を示す図である(その1)。
【図7B】図2に示す店側表示操作器において、各景品収容カセットに収容される景品の種類を設定するための画面を示す図である(その2)。
【図7C】図2に示す店側表示操作器において、各景品収容カセットに収容される景品の種類を設定するための画面を示す図である(その3)。
【図7D】図2に示す店側表示操作器において、景品の色を種類別に設定するための画面を示す図である。
【図8A】図2に示す店側表示操作器において入庫時に表示される画面を示す図である(その1)。
【図8B】図2に示す店側表示操作器において入庫時に表示される画面を示す図である(その2)。
【図8C】図2に示す店側表示操作器において入庫時に表示される画面を示す図である(その3)。
【図8D】図2に示す店側表示操作器において入庫時に表示される画面を示す図である(その4)。
【図9A】図2に示す店側表示操作器において、景品の払い出し時に表示される画面を示す図(その1)である。
【図9B】図2に示す店側表示操作器において、景品の払い出し時に表示される画面を示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、この発明の一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、遊技店舗内に設けられた景品払出システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明に係る景品払出装置1は、景品管理機2に通信可能に接続されている。この景品管理機2には、ターミナルコントローラ3が通信可能に接続されている。景品払出装置1、景品管理機2およびターミナルコントローラ3は一体となって景品払出システムを構成している。
【0019】
景品管理機2は、景品払出装置1に対する外部機器として景品払出装置1を制御するものであり、遊技店舗内に設置されている。景品管理機2は、景品払出装置1における景品の在庫管理を行う機能や、景品払出装置1における景品の在庫管理データを表示したり、印字したりする機能を備えている。
ターミナルコントローラ3は、景品払出装置1が設置される遊技店舗全体のデータ管理等を行うためのコンピュータシステムである。
【0020】
景品払出装置1は、景品の払い出しを行うものであり、たとえば、遊技店舗のフロアに直接据え置かれて使用される。景品払出装置1は、景品を払い出す機能だけでなく、後述するように、景品収容カセット(景品収容部)4(図3参照)に収容された景品数を計数する計数機能を備えている。
景品払出装置1で取り扱われる景品は、遊技店舗において遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の数に応じて交換される有価カード体で特殊景品とも呼ばれる。この景品は、一般的に、1〜3mm程度の厚みを有する樹脂製のカードである。景品には、所定の金銭価値を有する物体が内蔵されており、たとえば、5000円(特大景品)、1000円(大景品)、500円(中景品)および200円(小景品)といった金銭価値に応じた4つの種類が存在する。景品の外面には当該景品の種類を表す色(景品の色)が着けられている。この実施形態にかかる景品払出装置1が設置される遊技店舗で用いられる景品としては、たとえば、5000円の景品(特大景品)の外面には赤色が着けられており、1000円の景品(大景品)の外面には青色が着けられている。また、500円の景品(中景品)の外面には緑色が着けられており、200円の景品(小景品)の外面には黄色が着けられている。
【0021】
遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体が、遊技店舗内に設置された計数機(図示しない)に投入されると、投入された遊技媒体の計数が行われ、計数結果を示すたとえばバーコードが印字されたレシートが、この計数機から発行される。なお、このようなレシートの代わりに、計数結果が磁気記録された磁気カードや、計数結果が記録されたICチップを備えたICカードが計数機から発行されるようにしてもよい。
【0022】
計数機によって発行されたレシートを、遊技客が店員に手渡すと、店員は、そのレシートにバーコード記録されている計数結果を景品管理機2に読み取らせる。景品管理機2は、読み取った計数結果に基づいて、払い出すべき景品の種類および数(景品種類別の払い出し数)を決定する。そして、決定した景品種類別の払い出し数を含む景品払出コマンドを、景品払出装置1に対して送信する。景品払出装置1は、景品管理機2から送られてきた景品払出コマンドにしたがって景品を払い出す。遊技客は、払い出された景品を受け取る。
【0023】
図2は、景品払出装置1を前側(店員が操作する側)から見た斜視図である。
景品払出装置1から景品の払い出しを受ける遊技客は、景品払出装置1の後側(図2における右上側)に位置し、店員は、景品払出装置1の前側(図2における左下側)に位置して接客を行う。
景品払出装置1は、その外郭をなすほぼ直方体形状のキャビネット5と、キャビネット5に収容される複数(たとえば、4つ)の景品払出ユニット7とを備えている。これら4つの景品払出ユニット7を区別する場合には、景品払出装置1の前側から見て、最も左側のユニットから順に、第1ユニット7A、第2ユニット7B、第3ユニット7Cおよび第4ユニット7Dということにする。各景品払出ユニット7は、左右方向においてやや薄い中空のボックス形状である。各景品払出ユニット7(詳しくは、下ユニット20(図3参照))の前面(図2における手前側の面)には、景品払出ユニット7をキャビネット5から引き出す際に把持するためのハンドル8が設けられている。
【0024】
キャビネット5は、前面に開口9を有している。キャビネット5の前面には、開口9を閉塞するための扉10が設けられている。図2では、扉10の開放状態を示している。扉10は、2枚の折り畳みタイプの扉を備えている。景品払出装置1の前側(図2における手前側)から見て、左側から順に、第1扉10Aおよび第2扉10Bということにする。
また、キャビネット5には、第1扉10Aの開閉を検知するための第1開閉センサ11(図5参照)と、第2扉10Bの開閉を検知するための第2開閉センサ12(図5参照)とが設けられている。第1開閉センサ11は、第1扉10Aが閉状態にあるときに検出信号を出力し、第1扉10Aが開状態にあるときは、検出信号を出力しない。また、第2開閉センサ12は、第2扉10Bが閉状態にあるときに検出信号を出力し、第2扉10Bが開状態にあるときは、検出信号を出力しない。
【0025】
キャビネット5の上面には、遊技客用の客側表示器13が配設されている。また、キャビネット5の上には、店員用の店側表示操作器(表示手段)14が配設されている。店側表示操作器14は、たとえばタッチパネル付きの液晶表示器により構成されている。店員は、店側表示操作器14の画面上に表示されるキー(後述するボタンやボックス)に触れることで、この景品払出装置1における各操作を行うことができるようになっている。
【0026】
キャビネット5の上面における客側表示器13および店側表示操作器14より後側には、幅方向に並ぶ8つの払出口15が形成されている。払出口15は、各景品払出ユニット7の上方位置にあり、後述する第1レーン〜第8レーンに対応している。各払出口15は、キャビネット5の内部に上から連通している。また、各払出口15には、シャッタ16が設けられている。シャッタ16は、前後にスライドすることによって、払出口15を開閉する。図2では、シャッタ16が払出口15を閉じた状態が示されている。
【0027】
図3は、景品払出装置1の模式的な側断面図であり、1つの景品払出ユニット7における景品の動きを表している。図3において、景品払出装置1の右側は、払い出された景品を受け取る遊技客が位置する前側であり、景品払出装置1の左側は、景品払出装置1を管理する店員が位置する後側である。また、図3の太線矢印は、払い出される景品の流れを示している。
【0028】
景品の払い出しに関連して、景品払出ユニット7には、後述するように左右方向2列で前後(図3では左右)方向に並んで配置され、景品を収容する複数(たとえば8つ)の景品収容カセット4と、各景品収容カセット4に収容される景品の数を計数するための計数部(計数手段)17と、所定の景品収容カセット4から景品を払い出す払出部(払出手段)18とを備えている。景品収容カセット4、計数部17および払出部18(シャッタ16を除く)のまとまりが前述の景品払出ユニット7とされる。
【0029】
景品払出ユニット7は、下ユニット20と上ユニット21とを含んでいる。下ユニット20の内部と、上ユニット21の内部とが互いに連通している。景品払出ユニット7では、景品払出装置1の前面(図3では左面)に設けられた扉10(図2参照)を開いた状態で、上ユニット21を景品払出ユニット7内に残したまま、下ユニット20だけを景品払出装置1から後側へ引き出すことができる。
【0030】
下ユニット20には、4つの景品収容カセット4が、前述したように、前後方向に並んで配置されている。各景品収容カセット4には、複数(たとえば100個程度)の景品が、上下方向に積み重ねられた状態で収容可能である。前述したように下ユニット20だけを引き出すことによって、各景品収容カセット4に景品を補充(装填)することができるようになっている。
【0031】
払出部18は、第1搬送部22と、第2搬送部23と、リフト24と、前述のシャッタ16とを含んでいる。
第1搬送部22は、下ユニット20内において、各景品収容カセット4に対応して複数設けられており、上下方向に昇降可能に設けられている。第1搬送部22には、第1搬送部22を昇降させるためのモータなどの第1駆動機構25(図5参照)が結合されている。
【0032】
計数部17は、たとえば、第1搬送部22に取り付けられており、第1搬送部22とともに昇降可能である。計数部17は、昇降の際に、景品収容カセット4内で上下に隣り合う景品の境界を機械的または光学的に検出することや、上下に積み重ねられた景品を上から順に機械的にめくり上げること等によって、対応する景品収容カセット4に収容された景品の数を計数する。このため、計数部17によって、各景品収容カセット4に収容された景品の数を計数することができる。このように景品収容カセット4に収容された実際の景品を計数部17で計数することは、「現物カウント」と呼ばれる。
【0033】
上ユニット21には、第2搬送部23とリフト24とが配置されている。第2搬送部23は、前後方向(図3では左右方向)にスライド移動可能に設けられている。第2搬送部23は、最も前側の位置から最も後側の位置までスライド移動する際に、前後方向に4つ並んだ景品収容カセット4の上方を、最も前側の景品収容カセット4から順に通過する。第2搬送部23には、第2搬送部23を前後させるためのモータなどの第2駆動機構28(図5参照)が結合されている。
【0034】
リフト24は、前後方向における上ユニット21の所定の位置(ここではほぼ中央)に配置されており、上下方向に昇降可能に設けられている。リフト24には、リフト24を昇降させるためのモータなどのリフト駆動機構26(図5参照)が結合されている。
景品払出装置1のキャビネット5の上壁において、リフト24に対して上から対向する位置には、払出口15が形成されている。払出口15は、上ユニット21内に連通しており、リフト24に対して上方から臨んでいる。払出口15は、シャッタ16によって開閉される。シャッタ16には、シャッタ16を開閉するためのモータなどのシャッタ開閉機構27(図5参照)が結合されている。
【0035】
払出口15は、景品の払い出しの際以外は、閉じられている。景品の払い出しの際には、シャッタ16が後側へ移動して景品払出装置1のキャビネット5の上壁内に隠れ(破線で示したシャッタ16を参照)、これに応じて、払出口15が開放される。
景品払出装置1における景品の払出処理として、まず、第1搬送部22が、所定の払い出し数に相当する景品を、対応する景品収容カセット4に収容された景品における上側の景品から順に取り出して、上方へ搬送する。次いで、第2搬送部23が、上方へ搬送されてきた景品を払出口15側へ向けてほぼ水平方向に搬送して、リフト24に受け渡す。リフト24は、受け渡された景品を、払出口15の下方で保留した後、シャッタ16を後方に移動して払出口15を開く。下方で保留した景品を払出口15へ向けて持ち上げる。持ち上げられた景品は、払出口15を閉じようとするシャッタ16によって前側に押し出される。これにより、景品が遊技客に払い出される。遊技客は、払い出された景品を受け取る。
【0036】
図4は、キャビネット5内における景品収容カセット4のレイアウトを模式的に示す平面図である。なお、図4において、下側が、景品払出装置1の前側(扉10(図2参照)が設けられた店員側)であり、上側が、景品払出装置1の後側(遊技客側)である。
4つの景品払出ユニット7は、左右方向に並んだ状態でキャビネット5内に収容される。各景品払出ユニット7内には、左右方向2列に4個ずつ、合計で8個の景品収容カセット4が配置されている。したがって、キャビネット5内には、左右方向8列に4個ずつ、合計32個の景品収容カセット4が収容される。左右方向に並ぶ第1列〜第8列までの8つの列を、左から順に第1レーン〜第8レーンと呼ぶ。
【0037】
この実施形態では、たとえば、第1ユニット7Aの8つの景品収容カセット4(第1列および第2列のカセット)に赤色の特大景品が収容され、第2ユニット7Bの8つの景品収容カセット4(第3列および第4列のカセット)に青色の大景品が収容される。また、第3ユニット7Cの8つの景品収容カセット4(第5列および第6列のカセット)に緑色の中景品が収容され、第4ユニット7Dの8つの景品収容カセット4(第7列および第8列のカセット)に黄色の小景品が収容される。
【0038】
景品収容カセット4への景品の収容は、店員が手作業で行う。このため、景品収容カセット4に誤った種類の景品が収容されるおそれがある。たとえば、第1ユニット7Aの景品収容カセット4に特大景品を収容すべきところ、誤って大景品が収容されたり、第1ユニット7Aの景品収容カセット4に特大景品および大景品が混在して収容されたりすることが考えられる。
【0039】
また、景品収容カセット4に誤った種類の景品が収容された場合、景品収容カセット4に収容された景品は自動的に払い出されるので、誤った景品を正しい景品として払い出してしまうことになる。そして、店員が払い出された景品をそのまま遊技客に渡すと、店舗が損をしたり、遊技客が損をしたり、または遊技客からクレームがついたりすることが考えられる。
【0040】
図5は、景品払出装置1の電気的な構成を示すブロック図である。
景品払出装置1は、たとえばマイクロコンピュータを含む構成の制御部30を備えている。この制御部30には制御対象として、第1駆動機構25、第2駆動機構28、リフト駆動機構26、シャッタ開閉機構27および客側表示器13が接続されている。
また、制御部30には、計数部17から出力される検出値が入力されるようになっている。また、第1開閉センサ11および第2開閉センサ12からの検出信号が入力されるようになっている。
【0041】
さらに、制御部30には、店側表示操作器14が接続されている。制御部30は、店側表示操作器14の表示を制御し、これにより、景品払出装置1に収容されている景品の数や機能の設定状況などが店側表示操作器14に表示される。また、店側表示操作器14がタッチパネル付の画面を有しているので、そのタッチパネル付の画面が店員によって操作されると、その操作に応じた入力信号が制御部30に与えられる。
【0042】
また、制御部30には記憶部31が接続されている。記憶部31には、景品払出装置1内に収容される景品の数を管理するための景品数管理テーブルが設けられている。この景品数管理テーブルは、景品払出装置1内に(32個の景品収容カセット4に)収容されるに景品の種類および景品の色を、景品収容カセット4別に記憶するカセット別景品種類テーブルと、景品の数を景品収容カセット4別に記憶するカセット別在庫管理テーブルと、景品の数を景品種類別に記憶する景品種類別在庫管理テーブルとを含む。
【0043】
図6A〜図6Cは、店側表示操作器14において待機時に表示される画面を示す図である。初期設定時、入庫時および景品の払い出し時を除けば、稼働中の店側表示操作器14には、図6A〜図6Cに示す画面が表示されている。
図6Aに示す画面は、画面の上端部に配置されたタイトル表示エリア35と、画面の左部分に配置された景品種類別景品数表示エリア(景品種類別の表示エリア)36と、画面の右端部に設けられたボタン表示エリア38と、景品種類別景品数表示エリア36とボタン表示エリア38との間の部分(画面の中央部分)に配置されたカセット別景品種類表示エリア37とを備えている。
【0044】
タイトル表示エリア35には、「景品在庫数」というタイトルと、「払出しできます」というメッセージとが表示されている。
景品種類別景品数表示エリア36には、景品払出装置1内に(32個の景品収容カセット4に)収容された景品の数が、景品種類別に表示される。景品種類別景品数表示エリア36には、上から順に、特大景品の数、大景品の数、中景品の数および小景品の数が数字で表示される。各景品の数の表示は、景品の種類を表示する文字表示(「特大」、「大」、「中」、「小」)の右側に配置されている。制御部30は、記憶部31に記憶されている景品種類別在庫管理テーブルに基づき、各景品の数を表示する。景品種類別景品数表示エリア36に計数部17によって計数された景品の数が表示される。このため、景品収容カセット4に収容されている景品の正確な数を把握することができる。この景品種類別景品数表示エリア36で、景品払出装置1に収容されている景品の数が景品種類別に表示されるので、景品種類別景品数表示エリア36を見るだけで、各種類の景品の残量を把握することができる。
【0045】
また、この実施形態では、景品の色を色表示する色表示エリア40が設けられている。色表示エリア40は、景品種類別景品数表示エリア36の左側方に隣接して配置されている。色表示エリア40は、各景品の種類を表示する文字表示に対応付けられた色表示ボックス42A,42B,42C,42Dを備えている。各色表示ボックス42A〜42Dは、景品の種類を表示する文字表示の左側方に配置されている。特大景品に対応する色表示ボックス42Aは特大景品の色である赤色で着色され、大景品に対応する色表示ボックス42Bは大景品の色である青色で着色されている。中景品に対応する色表示ボックス42Cは中景品の色である緑色で着色され、小景品に対応する色表示ボックス42Dは小景品の色である黄色で着色されている。すわなち、この景品種類別景品数表示エリア36では、景品数の表示が色表示ボックス42A〜42Dと区別して表示されている。
【0046】
カセット別景品種類表示エリア37は、各景品収容カセット4(図3参照)に収容される景品の種類を模式的に示している。具体的には、カセット別景品種類表示エリア37には、32個のボックスが8個ずつ4つのボックス群に区分けされて表示されている。各ボックスは景品収容カセット4(図3参照)に対応するものであり、32個のボックスは図4に示す景品収容カセット4のレイアウトを模して表示されている。各ボックス群では、ボックスは4行2列に配列されている。
【0047】
図6Aにおいて、「ユニット1」の表示の下にあるボックス群が第1ユニット7Aに対応し、「ユニット2」の表示の下にあるボックス群が第2ユニット7Bに対応している。また、「ユニット3」の表示の下にあるボックス群が第3ユニット7Cに対応し、「ユニット4」の表示の下にあるボックス群が第4ユニット7Dに対応している。
各ボックス内には、対応する景品収容カセット4に収容される景品の種類を表す文字(特大,大,中,小)が表示されている。各ボックス内は、対応する景品収容カセット4に収容される景品の色で着色されている。
【0048】
この実施形態では、第1ユニット7Aの8つの景品収容カセット4に特大景品が収容されているので、第1ユニット7Aに対応するボックス群(「ユニット1」の表示の下にあるボックス群)の各ボックス内は、特大景品の色である赤色に着色されている。第2ユニット7Bの8つの景品収容カセット4に大景品が収容されているので、第2ユニット7Bに対応するボックス群(「ユニット2」の表示の下にあるボックス群)の各ボックス内は、大景品の色である青色に着色されている。
【0049】
また、第3ユニット7Cの8つの景品収容カセット4に中景品が収容されているので、第3ユニット7Cに対応するボックス群(「ユニット3」の表示の下にあるボックス群)の各ボックス内は、中景品の色である緑色に着色されている。第4ユニット7Dの8つの景品収容カセット4に小景品が収容されているので、第4ユニット7Dに対応するボックス群(「ユニット4」の表示の下にあるボックス群)の各ボックス内は、小景品の色である黄色に着色されている。
【0050】
カセット別景品種類表示エリア37では、制御部30は、記憶部31に保持されるカセット別景品種類テーブルに基づき、エンプティ(空)となっている景品収容カセット4に対応するボックス内に、「エンプティ」の文字を表示する。また、ニアエンプティ(収容されている景品数が所定値(たとえば20個)未満である状態)となっている景品収容カセット4に対応するボックス内に、ニアエンプティマーク41を表示する。「エンプティ」の文字やニアエンプティマーク41に気付いた店員は、補充作業を実行する。カセット別景品種類表示エリア37に表示される「エンプティ」の文字やニアエンプティマーク41によって、景品の残量がない/少ない景品収容カセット4を把握することができる。また、景品の色で着色されたボックス内に「エンプティ」の文字やニアエンプティマーク41が表示されるので、景品収容カセット4に補充すべき(収容されるべき)景品の種類を、景品の色に基づいて誤りなく把握することができる。
【0051】
補充作業の際には、店員は、電源がオンの状態のまま扉10(図2参照)を開け、景品払出ユニット7をキャビネット5(図2参照)から引き出し、景品収容カセット4を取り出せる状態とする。そして、残量の少ない(「エンプティ」の文字やニアエンプティマーク41が表示されたボックスに対応するカセット)景品収容カセット4を取り出し、この景品収容カセット4に予め設定された種類の景品を装填する。店員は、景品収容カセット4に景品を装填する際に、カセット別景品種類表示エリア37を見て、景品収容カセット4に装填される景品の色が当該景品収容カセット4に対応するボックスの色と同じであるかを確認する。これにより、誤った種類の景品が景品収容カセット4に収容されることを防止することができる。
【0052】
ボタン表示エリア38には、各種ボタンが配置されている。この各種ボタンには、表示切替ボタン(表示切替操作部)43、メニューボタン44、前回取引ボタン45および在庫計数ボタン46が含まれる。表示切替ボタン43は、店側表示操作器14の表示を、現在の画面(図6Aに示す画面)、図6Bに示す画面および図6C(前回の取引内容を表示する画面)に示す画面の間で切り替えるために操作されるボタンである。この表示切替ボタン43が操作される毎に、店側表示操作器14の表示が切り替えられて、店側表示操作器14に、図6Aに示す画面、図6Bに示す画面および図6Cに示す画面が、この順に表示される。
【0053】
メニューボタン44は、店側表示操作器14にメニュー画面(図示しない)を表示させるために操作されるボタンである。
前回取引ボタン45は、過去の取引内容を表示する画面を表示するために操作されるボタンである。この前回取引ボタン45の操作により、図6Cに示す画面(前回の取引内容を表示する画面)と同様の画面が表示される。この画面では、キー操作を行うことにより、最大で過去50件分の取引内容を表示することができる。
【0054】
在庫計数ボタン46は、在庫計数指令を入力するためのボタンである。この在庫計数ボタン46が操作されることにより、各景品収容カセット4において計数部17による計数動作が実行される。景品払出装置1の待機中に、店側表示操作器14に表示される画面(たとえば図6A〜図6Cに示す画面)内の在庫計数ボタン46が操作されると、景品払出装置1に在庫計数指令が入力される。在庫計数指令が入力されると、制御部30は、計数部17を用いて、各景品収容カセット4の景品在庫数を計数する。
【0055】
そして、計数部17による計数が終了すると、制御部30は、景品数管理テーブルに記憶されている景品の数を更新する。具体的には、制御部30は、カセット別在庫管理テーブル内のカセット別のデータを、その景品収容カセット4に対する計数によって得られた計数値(景品在庫数)に更新する。また、制御部30は、更新後のカセット別在庫管理テーブル内のカセット毎の景品在庫数と、カセット別景品種類テーブルの内容とに基づいて、景品種類別の景品在庫数を算出し、算出結果に基づいて、景品種類別在庫管理テーブル内の景品在庫数を更新する。
【0056】
また、カセット別在庫管理テーブルまたは景品種類別在庫管理テーブルが更新されると、制御部30は、その更新された景品数に基づいて、図6Aの景品種類別景品数表示エリア36および図6Bのカセット別景品種類表示エリア37に表示される景品の数を更新表示する。これにより、計数後の正確な景品の数を、その計数後程なくして、表示することができる。
【0057】
図6Bに示す画面では、図6Aに示す画面の景品種類別景品数表示エリア36およびカセット別景品種類表示エリア37に代えて、カセット別景品数表示エリア(景品収容部別に表示する表示エリア)48が配置されている。また、この図6Bに示す画面では、図6Aに示す画面と同様、タイトル表示エリア35およびボタン表示エリア38が配置されている。
【0058】
図6Bに示す画面では、タイトル表示エリア35には、「カセット別在庫表示」というタイトルと、「払出しできます」というメッセージとが表示される。
カセット別景品数表示エリア48は、図6Aに示すカセット別景品種類表示エリア37と同様、各景品収容カセット4に収容される景品の種類を模式的に示している。また、各景品収容カセット4に収容される景品の数も表している。
【0059】
具体的には、カセット別景品数表示エリア48には、32個のボックスが8個ずつ4つのボックス群に区分けされて表示されている。各ボックスは景品収容カセット4に対応するものであり、32個のボックスは図4に示す景品収容カセット4のレイアウトを模して表示されている。各ボックス群では、ボックスは4行2列に配列されている。各ボックスのサイズは、図6Aに示すカセット別景品種類表示エリア37の各ボックスよりも一回り大きい。
【0060】
また、図6Bに示す画面では、図6Aに示す画面と同様、「ユニット1」の表示の下にあるボックス群が第1ユニット7Aに対応し、「ユニット2」の表示の下にあるボックス群が第2ユニット7Bに対応している。また、「ユニット3」の表示の下にあるボックス群が第3ユニット7Cに対応し、「ユニット4」の表示の下にあるボックス群が第4ユニット7Dに対応している。
【0061】
各ボックス内には、対応する景品収容カセット4に収容される景品の種類を表す文字(特大,大,中,小)と、各景品収容カセット4に収容される景品の数を表示する数字とが表示されている。各ボックス内は、対応する景品収容カセット4に収容される景品の種類を表す色(景品の色)で着色されている。制御部30は、記憶部31に保持されたカセット別在庫管理テーブルに基づき、各景品収容カセット4に対応するボックス内に景品の数を表示する。
【0062】
第1ユニット7Aの8つの景品収容カセット4に特大景品が収容されているので、第1ユニット7Aに対応するボックス群(「ユニット1」の表示の下にあるボックス群)の各ボックス内は、赤色に着色されている。第2ユニット7Bの8つの景品収容カセット4に大景品が収容されているので、第2ユニット7Bに対応するボックス群(「ユニット2」の表示の下にあるボックス群)の各ボックス内は、青色に着色されている。
【0063】
また、第3ユニット7Cの8つの景品収容カセット4に中景品が収容されているので、第3ユニット7Cに対応するボックス群(「ユニット3」の表示の下にあるボックス群)の各ボックス内は、緑色に着色されている。第4ユニット7Dの8つの景品収容カセット4に小景品が収容されているので、第4ユニット7Dに対応するボックス群(「ユニット4」の表示の下にあるボックス群)の各ボックス内は、黄色に着色されている。
【0064】
各ボックス内が景品の色で着色されており、しかも、各ボックスにカセット別の景品の数が表示されるので、カセット別景品数表示エリア48が、景品数に関連付けて景品の色を表示する色表示エリアとしての役割を果たしている。言い換えれば、この図6Bの画面では、カセット別景品数表示エリア48に色表示エリアがオーバーラップして表示されている。
【0065】
このカセット別景品数表示エリア48では、景品払出装置1に収容される景品の数がカセット別に表示される。したがって、カセット別景品数表示エリア48を見るだけで、各景品収容カセット4の景品の残量を把握することができる。また、各景品収容カセット4に収容されている景品の種類を、景品の色に基づいて誤りなく把握し、当該景品数を把握することができる。
【0066】
さらに、前述のように、表示切替ボタン43が操作される毎に、店側表示操作器14の表示を、景品種類別景品数表示エリア36を含む図6Aに示す画面と、カセット別景品数表示エリア48を含む図6Bに示す画面との間で切り替えることができる。したがって、店員は、表示切替ボタン43を操作して、店員表示操作器14の表示を切り替えることにより、カセット別の景品の数と、景品種類別の景品の数との双方を把握することができる。
【0067】
エンプティ(空)となっている景品収容カセット4に対応するボックス内には、収容される景品の数を表示する数字に代えて、「エンプティ」の文字が表示される。また、ニアエンプティとなっている景品収容カセット4に対応するボックス内には、収容される景品の数を表示する数字に代えて、ニアエンプティマーク41が表示される。景品種類別の景品在庫数表示において、ニアエンプティとなっている景品の種類を表す文字の上にも、ニアエンプティマーク41が表示される。
【0068】
「エンプティ」の文字の表示やニアエンプティマーク41に気付いた店員は、補充作業を実行する。補充作業の際には、店員は、景品を景品収容カセット4に装填する際にカセット別景品数表示エリア48を見て、景品収容カセット4に装填される景品の色が当該景品収容カセット4に対応するボックスの色と同じであるかを確認する。これにより、誤った種類の景品が景品収容カセット4に収容されることを防止することができる。
【0069】
図6Cに示す画面は、前回の取引時において払出口15(図2および図3)から払い出された景品の数を、景品種類別に表示するものである。受け取った特殊景品の価値が小さいなどのクレームが遊技客からあった場合に、店員がこの図6Cに示す画面を見て前回における取引内容を確認する。この図6Cに示す画面が図6Aに示す画面と相違するのは、景品種類別景品数表示エリア36に、前回の取引時において払出口15(図2および図3)から払い出された景品の数が景品種類別に表示される点である。また、タイトル表示エリア35には、「前回払い出し個数」というタイトルと、「払出しできます」というメッセージとが表示される。
【0070】
次に、景品払出装置1の初期設定について説明する。
景品払出装置1の遊技店舗内への設置時には、メンテナンス作業員または店員(以下、図7A〜図7Dおよび図8A〜図8Dの説明では、メンテナンス作業員も含めて「店員」という。)が、店側表示操作器14を操作して、種々の動作の初期設定を行う。この初期設定時には、各景品収容カセット4に収容される景品の種類と、景品種類別の景品の色とが設定される。図7A〜図7Cは、店側表示操作器14において、各景品収容カセット4に収容される景品の種類を設定するための画面を示す図であり、また、図7Dは、図2に示す店側表示操作器14において、景品の色を種類別に設定するための画面を示す図である。
【0071】
図7A〜図7Cに示す画面では、図6Aに示す画面のカセット別景品種類表示エリア37に代えて、各景品収容カセット4(図3参照)に収容される景品の種類を設定するためのカセット別景品種類設定エリア49が設けられる。また、図6Aに示す画面の景品種類別景品数表示エリア36に代えて、景品種類選択エリア50が設けられる。さらに、タイトル表示エリア35に、「払出しカセット設定」というタイトルと、「景品種類を選択し、セットするカセットを選択してください」というメッセージとが表示される。
【0072】
カセット別景品種類設定エリア49は、カセット別景品種類表示エリア37と同様、景品収容カセット4に対応する32個のボックスが8個ずつ4つのボックス群に区分けされて表示されており、図4に示す景品収容カセット4のレイアウトを模して表示されている。各ボックス群では、ボックスは4行2列に配列されている。カセット別景品種類設定エリア49の各ボックスには、景品の種類を表す文字(特大,大,中,小)が表示されない。また、各ボックス内は着色されておらず、無色(画面の背景色と同一色)である。
【0073】
景品種類選択エリア50には、各景品収容カセット4に収容される景品の種類を選択するための4つの選択ボタン51A,51B,51C,51Dが、「景品種類」という表示(図7A〜図7C参照)の下方に上下方向に並んで配置されている。各選択ボタン51A〜51Dには、各景品の種類を表す英字(「A」「B」「C」「D」)が付されている。「A」は特大景品に対応付けられており、「B」は大景品に対応付けられている。また、「C」は中景品に対応付けられており、「D」は小景品に対応付けられている。
【0074】
また、ボタン表示エリア38には、戻るボタン52および登録ボタン53が配置されている。戻るボタン52は、1つ前の操作を無効にするために操作されるためのものである。店員の操作に誤り等があった場合に、店員によってこの戻るボタン52が操作される。
登録ボタン53は、次に述べるように、各景品収容カセット4に収容される景品の種類を登録するために操作されるものである。また、登録ボタン53は、後述するように、種類別の景品の色を登録するために操作されるものである。この登録ボタン53の操作により、各景品収容カセット4に収容される景品の種類および種類別の景品の色が景品収容カセット4の景品種類が記憶部31に記憶される。
【0075】
以下、各景品収容カセット4に収容される景品の種類および種類別の景品の色の設定手順について説明する。この実施形態では、各景品収容カセット4に収容される景品の種類は、景品の種類ごとに収容される景品収容カセット4が選択されることにより行われる。
特大景品が収容される景品収容カセット4を設定する際には、「A」の選択ボタン51Aが操作される。その操作により「A」の選択ボタン51Aが所定の色に着色される(図7B参照)。そして、「A」の選択ボタン51Aが操作された後に、ボックスが順次操作されることより、特大景品が収容される景品収容カセット4に対応するボックスが選択される。操作されたボックスには、当該ボックスを取り囲む太枠が表示される。また、操作後のボックスには、特大景品を表す「A」という英字が表示される(図7B参照)。
【0076】
大景品が収容される景品収容カセット4を設定する際には、「B」の選択ボタン51Bが操作される。その操作により、「B」の選択ボタン51Bが所定の色に着色される。そして、「B」の選択ボタン51Bが操作された後に、ボックスが順次操作されることにより、大景品が収容される景品収容カセット4に対応するボックスが選択される。操作されたボックスには、当該ボックスを取り囲む太枠が表示される。また、操作後のボックスには、大景品を表す「B」という英字が表示される。
【0077】
中景品が収容される景品収容カセット4を設定する際には、「C」の選択ボタン51Cが操作される。その操作により、「C」の選択ボタン51Cが所定の色に着色される。そして、「C」の選択ボタン51Cが操作された後に、ボックスが順次操作されることにより、中景品が収容される景品収容カセット4に対応するボックスが選択される。操作されたボックスには、当該ボックスを取り囲む太枠が表示される。また、操作後のボックスには、中景品を表す「C」という英字が表示される。
【0078】
小景品が収容される景品収容カセット4を設定する際には、「D」の選択ボタン51Dが操作される。その操作により、「D」の選択ボタン51Dが所定の色に着色される。そして、「D」の選択ボタン51Dが操作された後に、ボックスが順次操作されることにより、小景品が収容される景品収容カセット4に対応するボックスが選択される。操作されたボックスには、当該ボックスを取り囲む太枠が表示される。また、操作後のボックスには、小景品を表す「D」という英字が表示される。
【0079】
全ての景品収容カセット4に対する景品の種類が選択された後、登録ボタン53が操作されることにより、各景品収容カセット4に収容される景品の種類の設定が完了する。すなわち、「A」の英字が表示されたボックスに対応する景品収容カセット4が、特大景品を収容するものとして設定され、「B」の英字が表示されたボックスに対応する景品収容カセット4が、大景品を収容するものとして設定される。また、「C」の英字が表示されたボックスに対応する景品収容カセット4が、中景品を収容するものとして設定され、「D」の英字が表示されたボックスに対応する景品収容カセット4が、小景品を収容するものとして設定される。そして、各景品収容カセット4に収容される景品の種類は、記憶部31に保持されたカセット別景品種類テーブルに記憶される。
【0080】
この実施形態では、第1ユニット7Aの8つのカセット(第1および第2レーン)には特大景品が収容されているので、第1ユニット7Aの8つの景品収容カセット4に対応するボックスが「A」の景品の種類に設定される。また、第2ユニット7Bの8つのカセット(第3および第4レーン)には大景品が収容されているので、第2ユニット7Bの8つの景品収容カセット4に対応するボックスが「B」の景品の種類に設定される。
【0081】
さらに、第3ユニット7Cの8つのカセット(第5および第6レーン)には中景品が収容されているので、第3ユニット7Cの8つの景品収容カセット4に対応するボックスが「C」の景品の種類に設定される。さらにまた、第4ユニット7Dの8つのカセット(第7および第8レーン)には小景品が収容されているので、第4ユニット7Dの8つの景品収容カセット4に対応するボックスが「D」の景品の種類に設定される。
【0082】
なお、選択ボタン51A〜51Dに関する前述の説明では、景品の種類がアルファベット「A」「B」「C」「D」を用いて表示されるとして説明したが、アルファベットに代えて景品の種類を示す文字表示(「特大」「大」「中」「小」)が表示されてもよい。
登録ボタン53の操作後は、店側表示操作器14に、図7Dに示す画面が表示される。
図7Dに示す画面を用いて、景品の色が種類別に設定される。図7Dに示す画面では、図7A〜図7Cの画面のカセット別景品種類設定エリア49に代えて、色パレット表示エリア54が表示される。また、タイトル表示エリア35に、「景品表示色設定」というタイトルと、「景品種類を選択し、表示色を選択してください」というメッセージとが表示される。
【0083】
色パレット表示エリア54には、26個の色パレットが4行7列に配列されている(右端の1列のみ2行)。この26個の色が景品の候補の色である。各色パレット内は予め定められた色(すなわち、景品の候補の色)で着色されており、各色パレット内には当該色の文字表示が設けられている。色パレット表示エリア54で景品の色として用意されている色は、「濃赤」色、「赤」色、「薄桃」色、「濃桃」色、「桃」色、「紺」色、「青」色、「空」色、「水」色、「緑青」色、「濃橙」色、「橙」色、「黄」色、「濃緑」色、「緑」色、「黄緑」色、「薄緑」色、「鼠」色、「灰」色、「薄灰」色、「黒」色、「白」色、「茶」色、「薄茶」色、「紫」色および無色の26個である。この実施形態では、無色も色の1種に採用する。店員は、これら26個の色の中から、各景品(特大景品、大景品、中景品および小景品)の色に最も近似する色を1つ選択し、景品の色として設定することができる。
【0084】
景品の色の設定の際には、店員は、選択ボタン51A〜51Dの1つを操作して選択する。
また、各選択ボタン51A〜51D内に、選択された景品の色で着色された色表示ボックス55A,55B,55C,55Dが表示される。この実施形態では、色表示ボックス55A〜55Dは、長方形状をなしており、各選択ボタン51A〜51Dの景品種類の表示(各選択ボタン51A〜51D内の「A」「B」「C」「D」の表示)の左側方に隣接して配置されている。この色表示ボックス55A〜55Dは、色パレット表示エリア54の色パレットが選択されるタイミングで表示される。
【0085】
具体的には、「A」の選択ボタン51Aが操作された後に、特大景品の色である赤色の色パレットが選択されると、当該色パレットを取り囲む太枠が表示される。また、色パレットの選択後は、「A」の選択ボタン51Aの景品種類の表示(「A」)の左側方に、赤色で着色された色表示ボックス55Aが表示される。また、当該色パレットを取り囲む太枠が表示される。また、色パレットの選択後は、「B」の選択ボタン51Bが操作された後に、大景品の色である青色の色パレットが選択されると、「B」の選択ボタン51Bの景品種類の表示(「B」)の左側方に、青色で着色された色表示ボックス55Bが表示される。
【0086】
さらに、「C」の選択ボタン51Cが操作された後に、中景品の色である緑色の色パレットが選択されると、当該色パレットを取り囲む太枠が表示される。また、色パレットの選択後は、「C」の選択ボタン51Cの景品種類の表示(「C」)の左側方に、緑色で着色された色表示ボックス55Cが表示される。さらにまた、「D」の選択ボタン51Dが操作された後に、小景品の色である黄色の色パレットが選択されると、当該色パレットを取り囲む太枠が表示される。また、色パレットの選択後は、「D」の選択ボタン51Dの景品種類の表示(「D」)の左側方に、黄色で着色された色表示ボックス55Dが表示される。
【0087】
4つの景品の種類全てに対する色の選択が完了した後、登録ボタン53が操作されることにより、景品の色の設定が完了する。これにより、景品種類別の景品の色が、記憶部31に保持されたカセット別景品種類テーブルに記憶される。登録ボタン53の操作により、一連の初期設定作業が終了する。
なお、選択ボタン51A〜51D内の一部分である色表示ボックス55A〜55Dが景品の色で着色される構成でなく、選択ボタン51A〜51Dの全域が景品の色で着色される構成を採用することもできる。
【0088】
次に、開店前の準備作業について説明する。開店前には、各景品収容カセット4に景品は収容されていない。店員は、開店前の準備作業として、景品収容カセット4への景品の装填(入庫)を行う。
図8A〜図8Dは、店側表示操作器14において入庫時に表示される画面を示す図である。開店前の状態では、図8Aに示す画面が表示される。この画面は、図6Aと同様の画面である。開店前の状態では、全ての景品収容カセット4に景品が収容されておらず、景品払出装置1内にいかなる種類の景品も収容されていない。そのため、図8Aに示す画面では、タイトル表示エリア35に、「景品がありません」というメッセージが表示される。また、カセット別景品種類表示エリア37の全てのボックスに、「エンプティ表示」が表示される。
【0089】
店員は、電源がオンの状態で扉10(図2参照)を開けて、景品払出ユニット7(図2参照)をキャビネット5から引き出し、景品収容カセット4を取り出せる状態とする。そして、景品収容カセット4を取り出し、この景品収容カセット4に予め設定された種類の景品を装填する。店員は、景品を景品収容カセット4に装填する際にカセット別景品種類表示エリア37を見て、景品収容カセット4に装填される景品の色が当該景品収容カセット4に対応するボックスの色と同じであるかを確認する。これにより、誤った種類の景品が景品収容カセット4に収容されることを防止することができる。そして、景品が装填された景品収容カセット4を、カセットホルダ(図示しない)にセットする。
【0090】
以上が繰り返されて、景品払出ユニット7に景品が収容された景品収容カセット4が全て装着されると、景品払出ユニット7がキャビネット5内に押し入れられる。そして、全ての景品払出ユニット7がキャビネット5内に押し入れられた後に、扉10が閉じられる。第1および第2開閉センサ11,12によって開放状態にある扉10の閉じ動作が検知されたときに、各景品収容カセット4に収容された景品の数が計数部17により計数される。
【0091】
なお、計数開始条件は、扉10の閉じ動作の検知でなくてもよい。景品払出ユニット7をキャビネット5内に挿入したことを検知するための挿入検知手段をキャビネット5内に設ける場合には、この挿入検知手段による景品払出ユニット7の挿入の検知により、計数部17による計数が開始されるようになっていてもよい。
計数部17による計数後は、制御部30は、景品数管理テーブルに記憶されている景品の数を更新する。具体的には、制御部30は、カセット別在庫管理テーブル内のカセット別のデータを、その景品収容カセット4に対する計数によって得られた計数値(景品在庫数)に更新する。
【0092】
また、制御部30は、更新後のカセット別在庫管理テーブル内のカセット毎の景品在庫数と、カセット別景品種類テーブルの内容とに基づいて、景品種類別の景品在庫数を算出し、その算出結果に基づいて、景品種類別在庫管理テーブル内の景品在庫数を更新する。計数部17による計数後は、店側表示操作器14に図8Bに示す画面が表示される。
図8Bに示す画面では、景品種類別景品数表示エリア36に、景品種類別の入庫数が表示される。記憶部31に保持された景品種類別在庫管理テーブルに基づき、景品種類別の景品の数(入庫数)を表示する。また、カセット別景品種類表示エリア37は表示されず、この部分は、背景色と同じ色で塗り潰される。図8Bに示す画面では、タイトル表示エリア35に、「景品入庫数」というタイトルと、「景品別の入庫数です [確認]を押してください」というメッセージとが表示される。
【0093】
また、この図8Bに示す画面では、ボタン表示エリア38に、図8Aのメニューボタン44、前回取引ボタン45および在庫計数ボタン46に代えて、確認ボタン57が配置されている。すなわち、ボタン表示エリア38には、表示切替ボタン43および確認ボタン57が配置されている。確認ボタン57は、景品払出装置1に入庫された景品の数を確定するためのものである。店員は、景品種類別景品数表示エリア36に表示される入庫景品数を確認し、表示された数が実際に入庫された数と一致する場合は、確認ボタン57を操作する。
【0094】
また、表示切替ボタン43が操作される毎に、店側表示操作器14が、図8Bに示す画面と図8Cに示す画面との間で交互に切り替えられる。
図8Cに示す画面は、景品収容カセット4別の景品数(景品入庫数)を表示する画面である。この画面では、図6Bと同様の画面であり、カセット別景品数表示エリア48が配置されている。また、図8Cに示す画面では、タイトル表示エリア35に、「景品入庫数」というタイトルと、「カセット別の入庫数です [確認]を押してください」というメッセージとが表示されている。制御部(在庫情報取得部)30は、記憶部31に保持されたカセット別在庫管理テーブルに基づき、各景品収容カセット4に対応するボックス内に景品の数を表示する。入庫動作によって全ての景品収容カセット4に100個の景品が収容された場合には、この図8Cのように、全てのボックスに「100」という数字が表示される。
【0095】
図8Bに示す画面または図8Cに示す画面で、ボタン表示エリア38の確認ボタン57が操作されると、図8Dに示す画面に切り替わる。この図8Dに示す画面は、図6Aと同様の待機画面である。
景品種類別景品数表示エリア36には、更新後の景品種類別在庫管理テーブルの値に基づいて、入庫後の景品払出装置1内に(32個の景品収容カセット4に)収容された景品の数が、景品種類別に表示される。入庫動作によって全ての景品収容カセット4に100個の景品が収容された場合には、特大景品の数、大景品の数、中景品の数および小景品の数として、全て「800」と表示される。
【0096】
次に、景品の払い出しについて説明する。
景品管理機2からの景品払出コマンドを受信することに応答して、制御部30は、景品払出処理を行う。この景品払出処理は、景品管理機2からの景品払出コマンドに基づいて景品を払い出す。
景品払出コマンドは、景品管理機2によって、レシートにバーコード記録されている遊技媒体数が読み取られたことに起因して、景品管理機2から送信されるコマンドである。この景品払出コマンドには、払出口15(図2および図3参照)から払い出すべき景品の種類と数に関する情報、つまり景品種類別の景品の払い出し数が含まれる。
【0097】
制御部30は、景品管理機2から送られてきた景品払出コマンドに基づいて、景品を払出すべき(1または複数の)景品収容カセット4と、各景品収容カセット4から払い出される景品の払い出し数を決定する。そして、制御部30は、その決定内容にしたがって景品を払い出す。
図9Aおよび図9Bは、図2に示す店側表示操作器14において、景品の払い出し時に表示される画面を示す図である。
【0098】
景品管理機2から景品払出コマンドが送られると、店側表示操作器14に図9Aに示す画面が表示される。図9Aに示す画面は、図6Cに示す画面と同様の画面であり、タイトル表示エリア35と、景品種類別景品数表示エリア36と、カセット別景品種類表示エリア37とを備えている。図9Aに示す画面では、図6Cに示す画面とは異なり、ボタン表示エリア38は表示されない。タイトル表示エリア35には、「払出し中」というタイトルと、「1回景品がでます」というメッセージが表示される。
【0099】
図9Aおよび図9Bに示す画面では、景品種類別景品数表示エリア36に、払出口15(図2および図3参照)から払い出されるべき景品の数が表示される。この景品種類別景品数表示エリア36は、前述のように色表示エリア40と区別して表示されている。
制御部30は、景品管理機2から送られてきた景品種類別の景品の払い出し数を、景品種類別景品数表示エリア36に表示する。図9Aに示す例では、特大景品が10個、大景品が5個、中景品が3個および小景品が1個の景品払出コマンドが送られてくる場合が例示されおり、景品種類別景品数表示エリア36には、払い出しの対象となる特大景品の数、大景品の数、中景品の数および小景品の数として、それぞれ、「18」「5」「3」「1」と表示される。
【0100】
払出部18から景品が払い出される際には、図9Bに示すように、タイトル表示エリア35に、「払出し中」というタイトルと、「景品をお取りください」というメッセージとが表示される。
また、景品の払い出し後は、景品種類別景品数表示エリア36の払い出される景品の数の表示と、景品の種類を表示する文字表示との間に、実際に払い出された景品の数が表示される。そして、実際に払い出された景品の数が、払い出すべき景品の数と合致する場合は、実際に払い出された景品の数の表示に関連して「OK」の文字が表示される。一方、実際に払い出された景品の数が払い出すべき景品の数と相違する場合は、実際に払い出された景品の数の表示に関連して「NG」の文字が表示される(図9Bには図示しない)。
【0101】
店員は、払出口15(図2および図3参照)から払い出された景品の種類および数が、景品種類別景品数表示エリア36に表示される払い出されるべき景品の種類および数と同じであるかを確認する。そして、景品種類別景品数表示エリア36の左側に隣接して、景品の色を表示する色表示エリア40が配置されているので、払い出されるべき景品の色を把握することができる。それゆえ、店員は、払い出された景品が正しい景品であるか否かを確認でき、正しい景品である場合だけ、遊技客に景品を渡す。これにより、誤った種類の景品が景品収容カセット4に収容された場合であっても、誤った種類および数の景品を遊技客に渡すことを防止することができる。
【0102】
そして、払出部18から景品が払い出されると、制御部30は、景品数管理テーブルに記憶されている景品の数を更新する。具体的には、カセット別在庫管理テーブル内のカセット毎のデータ(景品在庫数)のうち、景品の払出があった景品収容カセット4のデータを、その景品収容カセット4から払出された個数を減算することにより更新する。また、制御部30は、更新後のカセット別在庫管理テーブル内のカセット毎の景品在庫数と、カセット別景品種類テーブルの内容とに基づいて、景品種類別の景品在庫数を算出し、その算出結果に基づいて、景品種類別在庫管理テーブル内の景品在庫数を更新する。
【0103】
景品の払い出し後は、店側表示操作器14に、図6Aや図8Dに示す待機時の画面が表示される。景品種類別景品数表示エリア36には、払出し直前の各種類の景品の数から、払いだされた各種類の景品の数を差し引いた数が、各景品の数の表示として表示される。たとえば、図8Dに示す画面の状態から、図9Aおよび図9Bに示す各景品の種類および数の払い出しがあった場合は、景品種類別景品数表示エリア36には、特大景品の数、大景品の数、中景品の数および小景品の数として、それぞれ、「790」「795」「797」「799」と表示される。
【0104】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、他の形態で実施することもできる。
前述の実施形態では、待機時の図6Aに示す画面では、景品種類別景品数表示エリア36の他に、カセット別景品数表示エリア48で景品収容カセット4別の景品の数に関する情報(「エンプティ」の文字やニアエンプティマーク41)を表示させるものを例に挙げたが、図6Aに示す画面では、景品収容カセット4別の景品の数に関する情報(「エンプティ」の文字やニアエンプティマーク41)を表示しなくてもよい。
【0105】
また、待機時の図6Aに示す画面では、カセット別景品数表示エリア48に色表示エリアがオーバーラップして表示される構成について説明したが、カセット別景品数表示エリア48と色表示エリアとが区別して表示されていてもよい。また、景品種類別景品数表示エリア36を、色表示エリア40と区別して表示させた構成について説明したが、景品種類別景品数表示エリア36を色表示エリア40とオーバーラップさせた表示としてもよい。
【0106】
さらに、カセット別景品数表示エリア48の各ボックス内に、景品収容カセット4に収容される景品の数が表示されていてもよい。この場合、カセット別景品数表示エリア48に景品収容カセット4別の景品の数が表示されるので、カセット別景品数表示エリア48が、景品数を景品種類別に表示する表示エリアと景品収容カセット4別に表示する表示エリアとを兼ねている。この場合、1の画面で、景品収容カセット4別の景品の数と、景品種類別の景品の数とを一緒に表示することができる。
【0107】
さらに、この場合、表示切替ボタン43が操作される毎に、店側表示操作器14の表示を、景品種類別景品数表示エリア36を含む図6Aに示す画面と、カセット別景品数表示エリア48を含む図6Bに示す画面との間で切り替えるようにすれば、表示切替ボタン43を操作することにより、景品収容カセット4別の景品の数と景品種類別の景品の数との双方の表示と、景品収容カセット4別の景品の数とを切り替えることができる。
【0108】
また、前述の実施形態では、景品払出装置1の店側表示操作器14の在庫計数ボタン46の操作により、景品払出装置1に在庫確認指令が与えられる構成について説明したが、これに加えて、景品管理機2の操作部(図示しない)の在庫計数ボタン46が操作されることにより、景品払出装置1に景品管理機2からの在庫確認コマンドを受信し、この在庫確認コマンドに基づいて在庫確認指令が与えられるようになっていてもよい。
【0109】
また、前述の実施形態では、景品払出装置1側で景品数の表示(図6A〜図9Bに示すような表示)を行う構成を説明したが、景品管理機2に対して在庫情報データを送信することにより、景品管理機2側で景品数の表示(図6A〜図9Bに示すような表示)を行うようにしてもよい。
また、前述の実施形態では、景品払出装置1に計数部17があるとして記載してきたが、本願発明は、計数部17がない景品払出装置においても適用可能である。この計数部17がない景品払出装置であっても、制御部30(在庫情報取得手段)は、在庫情報(在庫数)を取得する必要がある。たとえば、景品入庫の際の入庫数を店員が把握している場合には、当該店員が景品入庫の際に入庫数を手入力で入力し、その後実際に払い出された個数を減算することにより、制御部30は在庫情報(在庫数)を取得することができる。また、景品入庫の際の入庫数が所定の固定値(たとえば100個)である場合は、景品の入庫処理に伴って自動的に当該固定値の入庫数の入力が行われれば、その後実際に払い出された個数を減算することにより、制御部30は在庫情報(在庫数)を取得することができる。これらにより、計数部17がない景品払出装置にも本願発明を適用することが可能であり、この場合、本願発明と同じ効果が得られる。なお、入庫数を手入力で入力する場合において、入庫数の入力は、景品払出装置1で行ってもよいし、景品管理機2で行ってもよい。
また、景品の形状はカード状に限定されず、さらに、景品を計数するための機構、計数方法についても限定されない。
【0110】
また、前述の実施形態では、本願発明を、遊技店舗のフロアに直接据え置かれて使用される据え置きタイプの景品払出装置に適用する場合を例に挙げて説明したが、本願発明は、カウンター台の上に載置されて使用される卓上タイプの景品払出装置にも適用することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0111】
1 景品払出装置
4 景品収容カセット
14 店側表示操作器(表示手段)
17 計数部(計数手段)
18 払出部(払出手段)
30 制御部(在庫情報取得手段)
36 景品種類別景品数表示エリア(景品種類別の表示エリア)
40 色表示エリア
43 表示切替ボタン(表示切替操作部)
48 カセット別景品数表示エリア(景品収容部別の表示エリア、色表示エリア)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品を収容するための複数の景品収容部と、
前記景品収容部に収容された景品を取り出して払い出す払出手段と、
前記景品収容部に収容された景品の在庫数を取得する在庫情報取得手段とを有する景品払出装置において、
前記在庫情報取得手段によって取得した情報に基づいて景品数に関する情報を表示するための表示手段を有することを特徴とする景品払出装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記複数の景品収容部に収容されている景品数を、前記景品収容部別に表示する表示エリアを有することを特徴とする請求項1記載の景品払出装置。
【請求項3】
前記表示手段は、収容されている景品数を景品種類別に表示する表示エリアを有することを特徴とする請求項1または2記載の景品払出装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記景品収容部別の表示エリアおよび景品種類別の表示エリアを、選択的に表示させるための表示切替操作部を有することを特徴とする請求項3記載の景品払出装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記景品数に関連付けて、景品の色を表示する色表示エリアを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の景品払出装置。
【請求項6】
前記景品収納部に収納された景品の数を計数するための計数手段をさらに有し、
前記在庫情報取得手段は、前記計数手段により計数された景品数に基づいて取得し、その結果を前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の景品払出装置。
【請求項7】
前記表示手段は、前記計数手段が景品の計数を行った後の所定のタイミングで、前記景品数に関する情報を表示することを特徴とする請求項6記載の景品払出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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