説明

暖房マット及びシステム

【課題】簡易に取り付け、取り外しが可能で、既存のベンチ等を容易に暖房座面とすることができる暖房マット及びこの暖房マットを用いた暖房システムを提供する。
【解決手段】熱媒流通用の配管20A,20Bが設けられた暖房マット1をベンチ40に列状に敷き並べる。暖房マット1の一方の側端面の後端近傍領域に、各配管20A,20Bの一端に設けられた雄型継手21,21が配置され、他方の側端面の後端近傍領域に、各配管20A,20Bの他端に設けられた各雌型継手22,22が配置されている。隣り合う暖房マット1,1の側端面同士を対峙させ、向かい合った雄型継手21と雌型継手22とを接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、劇場、水族館、競技場、イベント会場等に設置されたベンチの座面等に設けるのに好適な暖房マットと、この暖房マットを用いた暖房システムに関する。
【背景技術】
【0002】
屋外競技場や屋外のイベント会場では、冬期は外気の冷気を直接受けることになり、快適に観戦、鑑賞することができないのが現状である。屋内であっても仮設の会場では、十分な暖房効果がなく、やはり寒さに耐えながらの観戦、鑑賞となる。
【0003】
従来、座席用の暖房装置としては、特許文献1に電車等の座席シートの着座者の足元に熱風を送給するための装置が記載されている。また、特許文献2には、座席内にヒータを設けた暖房対象面装置が記載されている。特許文献3には、配管配設用の溝を設けた発泡ポリスチレン等よりなる基板と、この溝内に引き回した温水配管と、基板上に設けられたアルミ板などよりなる均熱板とを備えてなる床暖房パネルが記載されている。
【特許文献1】特開平9−98852号公報
【特許文献2】特開平7−265155号公報
【特許文献3】特開2002−228169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の座席用の暖房装置は、いずれも熱源を覆うケースを固定部材により支持体に固定したり、座席に内装したりすることにより、季節にかかわらず、座席に常設されている。このため、施工時には、固定のための煩雑な作業が必要となり、また、修理又は点検時には容易に脱着することができず、不要時にこれを取り去ることも容易ではない。
【0005】
従って、例えば、仮設のイベント会場等に簡易に設置し、イベント終了時にはこれを容易に解体して撤去するといった使用形態とすることは不可能である。
【0006】
上記特許文献3の暖房パネルも、建物内の床暖房用のものであり、イベント会場等に設置したり撤去したりするように用いることはできない。
【0007】
本発明は、簡易に取り付け、取り外しが可能で、既存のベンチ等を容易に暖房座面とすることができる暖房マット及びこの暖房マットを用いた暖房システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の暖房マットは、熱媒流通用の配管が設けられ、一方の側端面に該配管の一端が連なった第1の接続用継手が設けられ、他方の側端面に該配管の他端が連なった第2の接続用継手が設けられている暖房マットにおいて、該配管が偶数本設けられ、各側端面にそれぞれ偶数個の接続用継手が配置されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の暖房マットは、請求項1において、配管は2本設けられ、各側端面にそれぞれ2個の接続用継手が配置されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3の暖房マットは、請求項1又は2において、一方の側端面の接続用継手は雄型継手であり、他方の側端面の接続用継手は、該雄型継手が嵌合可能な雌型継手であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4の暖房マットは、請求項1ないし3のいずれか1項において、該一方の側端面における接続用継手の配置と他方の側端面における接続用継手とは、該側端面同士の間の中央線を対称線とした対称配置となっていることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5の暖房マットは、請求項4において、各接続用継手は、各側端面の長手方向の一方の側に近い端部近傍領域に配置されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項6の暖房マットは、請求項5において、該側端面における暖房マットの厚さが該端部近傍領域において他の領域よりも大となっていることを特徴とするものである。
【0014】
請求項7の暖房マットは、請求項1ないし6のいずれか1項において、該暖房マットは、前記配管と、板面に該配管を収容するための溝が設けられた板状の基材マットであって、該溝の両端は該基材マットの側面に臨んでいる基材マットと、該基材マットの板面に重なる表面材とを備えてなることを特徴とするものである。
【0015】
請求項8の暖房マットは、請求項7において、該基材マットの密度が1.5g/cm以上であることを特徴とするものである。
【0016】
請求項9の暖房マットは、請求項7又は8において、該基材マットは基層と表層とを備える積層構造であり、該表層に前記溝が設けられており、該基層の密度が1.5g/cm以上で、該表層の密度が該基層の密度よりも小さいことを特徴とするものである。
【0017】
請求項10の暖房マットは、請求項7ないし9のいずれか1項において、前記基材マットと表面材とが着脱可能な結合手段によって結合されていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項11の暖房マットは、請求項7ないし9のいずれか1項において、前記基材マットと表面材との間に熱伝導性薄層を設けたことを特徴とするものである。
【0019】
請求項12の暖房マットは、請求項11において、該熱伝導性薄層は前記基材マットに固定されており、該熱伝導性薄層と前記表面材とが着脱可能な結合手段によって結合されていることを特徴とするものである。
【0020】
請求項13の暖房システムは、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の暖房マットを、複数個、前記側端面同士を対峙させて列状に配設し、隣接する暖房マットの接続用継手同士を接続すると共に、該列状に配列された末端側の暖房マットにあっては、接続用継手間を連通部材で連通させてなるものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明の暖房マット及び暖房システムにあっては、暖房マットを例えばイベント会場のベンチ座面などに配列し、隣接する暖房マットの接続用継手同士を接続するようにして設置施工することができる。
【0022】
この暖房マットには配管が偶数本設けられているから、配管のうちの半数のものを温水などの熱媒の往管として用い、残りのものを熱媒の戻管として用いることができる。従って、列状に配列した暖房マット群のうちの一端側に熱媒の熱源を配置し、暖房マット群の各暖房マットに熱媒を流通させることができる。
【0023】
請求項2の通り、配管は2本で十分であるが、4本以上設けてもよい。
【0024】
請求項3の通り、接続用継手として雄型と雌型のものを用いることにより、隣接する暖房マットの配管同士をきわめて容易に接続することができる。
【0025】
請求項4の通り、一方の側端面と他方の側端面とにおいて接続用継手を線対称に配置しておくと、暖房マットを1列に整列配置することにより隣接する暖房マットの接続用継手同士が正対することになり、継手同士の接続が極めて容易となる。
【0026】
請求項5の通り、接続用継手を一方の端部近傍領域に配置しておくと、継手をベンチの奥側に位置させることができる。このようにした場合、ベンチに座っている人にとっては継手は身体の後方に位置することになり、手や指が継手に触れることが防止ないし抑制されるようになる。
【0027】
請求項6の通り、側端面の暖房マットを該端部近傍領域において厚くすることにより、継手を暖房マット間の隙間の奥深い位置に配置することが可能となり、手や指が継手に触れることをより一層抑制ないし防止することが可能となる。
【0028】
請求項7の通り、この暖房マットは、溝付きの基材マットと、この基材マットに重なる表面材とを有することが好ましい。
【0029】
この場合、この基材マットを暖房対象面に非固定とすることにより、暖房システムを暖房対象面から撤去することも容易となる。
【0030】
請求項8の通り、基材マットの密度を1.5g/cm以上とすることにより、暖房対象面に非固定であっても位置ずれしにくいものとなる。
【0031】
請求項9の通り、基材マットが基層と表層とを備える積層構造であり、表層に溝が設けられ、基層の密度が1.5g/cm以上で、表層の密度が基層の密度よりも小さい場合、低密度の表層による配管への保温性、下面への断熱性を得ると共に、そのクッション性で良好な使用感を得、かつ、高密度の基層の重量により、基材マットの位置ずれを防止することができる。
【0032】
請求項10の通り、基材マットと表面材とを着脱可能な結合手段によって結合した場合、表面材の位置ずれを防止した上で、基材マットと表面材とを分離することができるため、設置後の暖房システムの解体撤去が容易となる。
【0033】
請求項11の通り、基材マットと表面材との間に熱伝導性薄層を設けた場合には、配管からの熱が表面材の広い範囲に伝播するようになるため、表面材の表面温度のムラが小さくなる。
【0034】
請求項12の通り、熱伝導性薄層を設けた場合には、熱伝導性薄層を基材マットに固定し、熱伝導性薄層と表面材とを着脱可能に結合してもよい。この場合、暖房システムの解体撤去時には、熱伝導性薄層と表面材とを分離することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図面を参照して実施の形態について説明するが、以下に説明するものは本発明の実施形態の一例であって、本発明はその要旨を超えない限り、以下の説明に何ら限定されるものではない。
第1図は実施の形態に係る暖房マットの斜視図、第2図はこの暖房マットの分解斜視図、第3図はこの暖房マットの平面(上面)図、第4図は第3図のIV−IV線に沿う断面図、第5図及び第6図はそれぞれ基材マットの別例を示す、第4図と同様部分の断面図、第7図(a),(b)はこの暖房マット同士の接続構造を示す斜視図、第8図は暖房システムの設置施工手順を示す斜視図、第9〜11図はそれぞれ熱媒流通用配管への熱媒流通系統図である。
【0036】
この実施の形態では、基材マット10と、熱伝導性薄層15と、2本の熱媒流通用配管20A,20Bと、表面材30とを用いて暖房マット1を構成する。
【0037】
第3図に示すように、基材マット10は、この実施の形態では長方形板状である。以下、この基材マット10の長辺方向を左右方向といい、短辺方向を前後方向という。この基材マット10は、第4図に示すように、低比重材(低密度材)よりなる表層11と、高比重材(高密度材)よりなる基層12との積層体よりなる。高比重材よりなる基層12の比重は1.5g/cm以上である。
【0038】
この基材マット10の表層11側の板面(以下、上面という。)には、前記熱媒流通用配管(以下、単に配管ということがある。)20A,20Bをそれぞれ収容するための溝13A,13Bが設けられている。
【0039】
第2図及び第3図に示すように、一方の溝13Aは、基材マット10の左右の側辺と前側辺とに沿って略コ字形に延在し、その両端側が、該基材マット10の後端付近において、互いに離反するように左右に向きを変えてそれぞれ該基材マット10の左側端面及び右側端面に連通している。溝13Aは、該基材マット10の左側端面及び右側端面に連通していれば、略コ字型に延在していなくてもよい。例えば、直線状、波状であってもよい。
【0040】
また、他方の溝13Bは、この溝13Aの内側において、基材マット10の左右の側辺と前側辺とに沿って一回り小さく略コ字形に延在し、その両端側が、該溝13Aの両端側よりも基材マット10の後端側において、互いに離反するように左右に向きを変えてそれぞれ基材マット10の左側端面及び右側端面に連通している。
【0041】
即ち、第3図の通り、該溝13Bの両端は、それぞれ基材マット10の左右の側端面の後端近傍に臨み、溝14Aの両端は、それよりも若干前側に臨んでいる。また、基材マット10の左側端面に臨む溝13A,13Bの端部と右側端面に臨む溝13A,13Bの端部とは、この左右の側端面同士の間の中央線Lcを対称線とした対称(左右対称)配置となっている。
【0042】
この実施の形態では、基材マット10は、その上面にアルミニウム板等よりなる熱伝導性薄層15を備えたものとなっている。この熱伝導性薄層15は、接着剤又は粘着剤によって基材マット10の上面に固着されている。熱伝導性薄層15は、基材マット10の上面の平坦面の全体を覆っていると共に、溝13A,13Bの内面全体も覆っている。
【0043】
基材マット10の上面(この実施の形態では、熱伝導性薄層15の上面)の周縁近傍には、この周縁に沿ってマジックテープ(登録商標)等の平面ファスナ(図示略)が設けられている。なお、基材マット10が大きいときには、基材マット10の中央部にも同様の平面ファスナを設けてもよい。
【0044】
これらの溝13A,13Bに嵌め込まれるようにして、配管20A,20Bがそれぞれ基材マット10の一方の側端面から他方の側端面にかけて引き回されている。この実施の形態では、各配管20A,20Bは、可撓性を有するホースよりなる。なお、配管20A,20Bがそれぞれ溝13A,13B内に収容された状態において、各配管20A,20Bの最上部が熱伝導性薄層15の上面と面一か又は若干低くなるように、各配管20A,20Bの管径や各溝13A,13Bの寸法が設定されることが好ましい。このようにすることにより、各配管20A,20Bから表面材30への伝熱量を増大させることが可能となる。
【0045】
各配管20A,20Bの一端側には雄型継手21が設けられ、他端側には、この雄型継手21が嵌合可能な雌型継手22が設けられている。第7図の符号21aは、この雄型継手21の外周に装着されたパッキンを示している。この実施の形態では、第3図における基材マット10の左側端面に両配管20A,20Bの雄型継手21,21が配置され、右側端面に両配管20A,20Bの雌型継手22,22が配置されている。ただし、配管20Aと配管20Bとの間で雄型継手21と雌型継手22との配置が左右逆であってもよい。
【0046】
第3図に示すように、この実施の形態では、これらの雄型継手21及び雌型継手22は、それぞれ、溝13A,13Bの両端から基材マット10の両側端面よりも側外方へ延出しているが、例えば、雄型継手21のみこの側端面よりも側外方へ延出し、雌型継手22は、その先端面が該側端面と略面一となっていてもよい。
【0047】
表面材30は、その下面に、前記基材マット10の上面の平面ファスナに係合する平面ファスナ(図示略)が設けられており、これらの平面ファスナにより基材マット10の上面に貼り付けられている。この実施の形態では、表面材30は、その板面において、基材マット10とほぼ同一寸法の長方形板状体である。
【0048】
なお、この実施の形態では、基材マット10は板状の低比重材よりなる表層11と板状の高比重材よりなる基層12とを積層した構造となっているが、第5,6図のように全体として均一の高比重材にて構成してもよい。
【0049】
また、この実施の形態では、基材マット10の溝13A,13Bは断面正方形であるが、第6図のようにU字形断面形状の溝13A’,13B’としてもよく、長方形や五角形などさらにその他の断面形状としてもよい。
【0050】
この実施の形態では、熱伝導性薄層15は溝13A,13B内の全体を覆っているが、第5図のように、複数の熱伝導性薄層15A,15B,15Cで基材マット10の上面全域を覆い、熱伝導性薄層15A,15B,15Cの側縁を折曲して形成した垂下片15a,15b,15cを溝13A,13Bの側壁面に沿わせるようにしてもよい。この場合、溝13A,13Bの底面は熱伝導性薄層では覆われないことになる。
【0051】
あるいは、第6図のように、熱伝導性薄層15Dが溝13A’,13B’内の配管20A,20Bの上側を横断するように設けられてもよい。この場合、熱伝導性薄層15Dは平面ファスナ等によって着脱可能に基材マット10に取り付けられる。
【0052】
次に、かかる構成の暖房マット1を用いた暖房システムの設置施工手順について第8図及び第9図を参照して説明する。
【0053】
まず、イベント全場、競技場などの既存の階段状ベンチ40の座面上に、複数個の暖房マット1を、各々の左右の側端面同士を対峙させつつ列状に敷き並べる。そして、第7図(a)から同(b)の如く、隣接する暖房マット1,1同士の向かい合った雄型継手21と雌型継手22とを接続する。また、この列状に配置された末端側(第8,9図においては左端側)の暖房マット1にあっては、該末端に臨む1対の接続用継手同士(この実施の形態では雄型継手21,21同士)を連通用配管23で接続し、相互に連通させる。
【0054】
すべての暖房マット1を列状に配置した後、第9図に示すように、前記連通用配管23を取り付けた側と反対側の末端(第8図においては右端側)に配置された暖房マット1の該末端に臨む1対の接続用継手(この実施の形態では雌型継手22,22)に、熱源機50からの熱媒往管51(往管51からの枝管51a)と熱媒戻管52(戻管52からの枝管52a)とをそれぞれ接続する。
【0055】
2段目以降のベンチ40についても同様の施工を行う。
【0056】
その後、熱源機50から熱媒を配管20A,20Bに流通させることにより、ベンチ40を暖房ベンチとすることができる。なお、この実施の形態では、熱媒として温湯が用いられているが、これに限定されない。この配管20A,20Bからの熱は、熱伝導性薄層15を介して広い範囲に広がるので、表面材30の広い範囲が十分に加温されるようになる。
【0057】
このように、複数枚の暖房マット1を、接続用継手21,22を介して各々の配管20A,20A同士及び配管20B,20B同士を接続しながら列状に敷き並べるという簡単な作業にて、ベンチ40を短時間のうちに暖房ベンチとすることができる。なお、この実施の形態では、配管20A,20A同士及び配管20B,20B同士の接続用継手として雄型継手21と雌型継手22とを用いているので、これらの接続作業をきわめて容易に行うことができる。
【0058】
また、イベントや競技大会の終了後に暖房システムを撤去する際には、列状に配置された末端側の暖房マット1と熱源機50とを分離した後、隣り合う暖房マット1,1の継手21,22同士の接続を解除しながら各暖房マット1を回収するだけで撤去作業が終了するから、極めて簡易かつ迅速に暖房システムの撤去を行うことができる。もちろん、回収した暖房マット1は改めて再利用できることは明らかである。
【0059】
この実施の形態では、この暖房マット1を構成する表面材30、配管20A,20Bが基材マット10に対し着脱可能となっているので、この暖房マット1のメンテナンス等も容易に行うことができる。
【0060】
この実施の形態では、接続用継手21,22が暖房マット1の後端近傍領域に配置されているので、暖房マット1をベンチ40上に敷き並べた場合、これらの継手21,22がベンチ40の奥側に位置するようになる。従って、ベンチ40に座っている人にとっては、第3図に示すように継手21,22は身体の後方に位置することになり、手や指が継手21,22に触れることが防止ないし抑制されるようになる。
【0061】
なお、第9図のように、この実施の形態では、各ベンチ40ごとに、熱源機50からの熱媒往管51及び熱媒戻管52からそれぞれ枝管51a,52aを延出させ、各ベンチ40に配設された暖房マット1の配管20A,20Bにそれぞれこの枝管51a,52aを接続する並列給湯方式が採用されている。このようにすれば、各ベンチ40の配管20A,20Bへの給湯温度が同等となり、温度ムラが小さなものとなる。
【0062】
また、この給湯方式にあっては、各ベンチ40への給湯温度が同一になるだけではなく、各ベンチ40における各暖房マット1の温度も略均等化される。
【0063】
即ち、熱媒往管51から配管20Aに分流した湯は、第9図の右側から左側へ向って流れ、この間、次第に降温する。この湯は連通用配管23を通って今度は左側の暖房マット1から右側へ向って流れ、次第に降温する。従って、往側の配管20A内の湯温は右側ほど高いが、戻側の配管20B内の湯温は右側ほど低いものとなる。この結果、左右いずれの暖房マット1からの放熱量も略々同等となり、ベンチ40のいずれの位置に座っても適温の暖かさを感取することが可能となる。
【0064】
ただし、ベンチ40の数が少ない場合などには、第10図の如く、最前列の暖房マット1の配管20Aと最後列の暖房マット1の配管20Bとにそれぞれ熱源機50からの熱媒往管51と熱媒戻管52とを(あるいはこれと逆にして)接続すると共に、これらの間においては、前列側の暖房マット1の配管20Bと後列側の配管20Aとをそれぞれ連通用配管53で連通して、直列に給湯経路を構築してもよい。
【0065】
また、第11図の如く、最前列の暖房マット1の配管20A,20Bの双方に熱媒往管51a’,51a’を接続すると共に、最後列の暖房マット1の配管20A,20Bの双方に熱媒戻管52a’,52a’を接続し、さらにこれらの間においては、前列側の暖房マット1と後列側の暖房マット1との配管20A,20B同士及び20B,20A同士(あるいは配管20A,20A同士及び20B,20B同士)をそれぞれ連通用配管54,55で連通することにより、直列の給湯経路を構築してもよい。
【0066】
第12図は別の実施の形態に係る暖房マット1’の平面図である。
【0067】
この暖房マット1’の熱媒流通用配管20A’,20B’は、前述の実施の形態の暖房マット1における配管20A,20Bの左端側同士を基材マット10の内部においてループ状に連通した如き構成となっている。なお、この配管20A’,20B’の途中部から右端側の引き回し経路は、暖房マット1における配管20A,20Bの引き回し経路と同様となっている。また、この配管20A’,20B’の右端側には、雌型継手22,22が設けられている。この雌型継手22,22の配置も、暖房マット1における雌型継手22,22の配置と同様となっている。
【0068】
この暖房マット1’は、前述の第8,9図において、各ベンチ40の最左端の暖房マット1の位置に配置されるようにして用いられる。
【0069】
この暖房マット1’を用いると、末端側の暖房マットに連通用配管23を装着することが不要となり、暖房ベンチの施工作業が一層簡略化されると共に、該末端側の暖房マット1’から配管が露呈することが防止される。
【0070】
第13図はさらに別の実施の形態に係る暖房マット1Aの斜視図、第14図はこの暖房マット1Aの使用状況を示す側面図、第14図は隣り合う暖房マット1A,1A同士の継目付近を後側から見た図(立面図)である。
【0071】
この暖房マット1Aにおいては、基材マット10Aの後部に、該基材マット10Aの上面から上方へ張り出す凸段部16が設けられている。この凸段部16は、該基材マット10Aの後側辺に沿って、該基材マット10Aの上面の左右方向の全幅にわたってほぼ同じ高さに形成されている。ただし、この凸段部16の形状はこれに限定されない。この実施の形態では、表面材30Aは、基材マット10Aの上面のうち該凸段部16よりも前側の部分と、この凸段部16の前側の段差面とを覆うものとなっている。なお、表面材30Aは、この凸段部16の上面や後端面をも覆うものであってもよい。
【0072】
また、第15図に示すように、この実施の形態では、該凸段部16の左右両端面から基材マット10Aの左右の側端面よりも側方(隣接する暖房マット1に向う方向)へそれぞれ張り出す張出部16a,16aが設けられている。図示の通り、この実施の形態では、雄型継手21,21及び雌型継手22,22は、基材マット10Aの各側端面のうちこの張出部16aの下側となる領域にそれぞれ配置されている。
【0073】
この暖房マット1Aのその他の構成は前述の暖房マット1と同様であり、同一符号は同一部分を示している。
【0074】
この暖房マット1Aを用いた暖房ベンチの設置施工方法も前述の実施の形態と同様である。
【0075】
この暖房マット1Aにあっては、その上面の後端側に凸段部16が設けられて該後端側の厚みが大きくなっているので、暖房マット1A,1A同士を敷き並べて各々の継手21,22同士を連結した場合、この継手21,22が該暖房マット1A,1A同士の隙間の奥深い位置に存在するようになる。そのため、この暖房マット1Aに座った人の手や指が一層この継手21,22に触れにくくなる。
【0076】
特に、この実施の形態では、隣り合う暖房マット1A,1Aの各々の凸段部16から両者の隙間に張出部16a,16aが張り出しているため、きわめて手や指が継手21,22に触れにくいものとなっている。
【0077】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明はさらに別の態様をもとりうる。そのような別の構成や、本発明において採用するのに好適な条件、材料等について次に説明する。
【0078】
[熱媒流通用配管]
熱媒を流通させる配管としては、通常、可撓性チューブが使用され、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管、銅管などが挙げられる。
【0079】
配管の外径は通常5〜27mm、好ましくは7〜17mm、内径は通常4〜23mm、好ましくは5〜13mmで、肉厚は通常0.5〜3.0mm、好ましくは1.0〜2.0mmである。配管の外径が過度に小さいと暖房マットに十分な量の熱媒を流通させることができず、逆に過度に大きいと、暖房マットの厚さを厚くする必要が生じ、好ましくない。また、配管の肉厚が過度に薄いと、強度が不足し、逆に過度に厚いと配管の外径に対して流通する熱媒量が少なくなり、好ましくない。
【0080】
なお、この配管の断面(長さ方向に直交する断面)形状は必ずしも円形である必要はなく、楕円形状等であっても良い。配管は、図示以外の引き回し経路に沿って引き回されてもよい。
【0081】
配管は、2本あれば十分であるが、それよりも多く設けられてもよい。この場合、配管の本数は偶数本であることが好ましいが、奇数本であってもよい。配管接続用継手も、基材マットの各側端面に2個ずつあれば足りるが、2本よりも多く配管を設けた場合、接続用継手を3個以上設けてもよい。また、この場合、一部の配管を共通の接続用継手に接続してもよく、すべての配管に接続用継手を設けてもよい。
【0082】
接続用継手は、雄型と雌型のものが簡便で好適であるが、これに限定されない。接続状態にある継手同士が不用意に分離することを防止するために、ロック機構が設けられていることが好ましい。
【0083】
[熱媒]
上記配管に通す熱媒としては、液体熱媒である温水、加熱オイル、又は気体熱媒である水蒸気などが挙げられるが、好ましくは液体熱媒、特に温水である。
【0084】
[基材マット]
基材マットは、高比重材よりなる単層構造のものであっても良く、高比重材よりなる基層と低比重材よりなる表層との複層構造よりなり、表層側に溝が形成されているものであっても良い。なお、基材マットは必ずしも高比重材よりなる基層と低比重材よりなる表層との二層構造に限定されず、表層と基層との間に中間の比重を有する中間層が1又は2以上積層されていても良い。
【0085】
基材マットを構成する高比重材は密度1.5g/cm以上で、戻り性(「戻り性」とは荷重を除いた際残留歪みを生じることなく、元の形状に戻る性能である。)に優れ、かつ、基材マットが設けられる暖房対象面に対して摩擦力が大きく、容易に位置ずれしない材質であることが好ましく、例えばゴム組成物、エラストマー組成物、又はアスファルト系材料等が挙げられる。この高比重材の密度が1.5g/cm未満であると、基材マットが軽量となって位置ずれし易くなる。高比重材の密度は、好ましくは2.0〜3.0g/cmである。
【0086】
このような高比重材よりなる基層を低比重材よりなる表層との積層構造とする場合、低比重材としては、密度0.02〜0.1g/cm程度のポリスチレン系発泡樹脂、ポリオレフィン系発泡樹脂、フェノール系発泡樹脂、ゴム系発泡材料等の発泡材料等を用いることができ、このような低比重材を用いることにより、基材マットの感触を高め、例えば座席用暖房システムにあっては下面への断熱性、配管の保温性の向上と共に、座り心地を良くすることができる。
【0087】
基材マットの平面視形状は、被暖房対象の形状に応じて選択され、三角形、四角形、五角形、菱形、平行四辺形、台形等の矩形状、楕円形、真円形等の円形状のいずれでもよく、矩形状の場合、角にRがあってもよい。基材マットの寸法は、基材マットが四角形の場合、一辺が300〜900mm程度、例えば、上記の各実施の形態のように、配管接続用継手を基材マットの各側端面の後端近傍領域に配置した構成の場合、該基材マットは、奥行きが300〜600mm程度、左右の幅が300〜900mm程度であることが好ましい。また、基材マットが四角形以外の形状である場合、基材マットの板面の面積として0.09〜0.54cm程度であることが好ましい。
【0088】
特に、座席用暖房システムにあっては、基材マットの板面の面積は、人間一人分の座面に相当する寸法であることが好ましい。ただし、本発明の暖房マットは、2人掛け以上のものであってもよい。
【0089】
基材マットの厚さは、熱媒流通用配管の径や、持ち運び性、耐久性等を考慮して決定されるが、通常の場合、9〜35mm、特に12〜20mmであることが好ましい。基材マットの厚さが過度に薄いと熱媒流通用の配管を収納し得る溝を形成し得ず、厚いと取り扱い性が悪くなり、また、既存のベンチ等に設けた場合、座面が高くなりすぎ、座り心地が悪くなる。
【0090】
なお、基材マットを高比重材よりなる基層と低比重材よりなる表層との二層構造にする場合、各々の厚さは、用いる材料によっても異なるが、高比重材よりなる基層の厚さを2〜10mmとし、低比重材よりなる表層の厚さを6〜30mmとし、溝は低比重材よりなる表層にのみ形成することが溝加工も容易となり、好ましい。
【0091】
また、基材マットに設ける、熱媒流通用配管を収容するための溝の開口部の幅は、熱媒流通用配管の外径と同じ寸法、又はこれより僅かに、例えば0.1〜2.0mm程度大きくするのが好ましい。溝は、その延在方向に直交する断面形状がU字形状となるように形成すると、熱媒流通用配管を埋設する際に都合が良い。ただし、溝の断面形状はこれに限定されない。溝の深さは、熱媒流通用配管の外径と同等とし、熱媒流通用配管の上部が直接又は熱伝導性薄層を介して表面材と接触させることが熱効率の面で好ましい。
【0092】
また、図示はしないが、溝の両端部に幅広部を設けてもよい。この幅広部は溝の中央部分の幅よりも5〜30mm程度大きくすることが好ましく、また、溝深さについても、中央部の深さよりも0〜2mm程度深くすることが好ましい。このような幅広部は、例えば溝の全長のうち両端の3〜10%程度の部分とすることが好ましい。
【0093】
また、溝の開口面積は、基材マットの熱媒流通面積に密接な関係を持つが、この溝の開口面積は、合計で基材マットの溝形成面の面積の1〜50%、特に3〜20%であることが好ましい。溝の開口面積がこの範囲よりも小さいことは、放熱可能面積が小さいことに相当し、十分な暖房効果を得ることができず、この範囲よりも大きいと、基材マットの耐久性等が損なわれ、また、熱媒流通用配管の引き回しが困難になる場合がある。
【0094】
[熱伝導性薄層]
熱伝導性薄層としては、熱伝導率の高い金属箔を用いることができ、熱伝導性薄層を設けることにより、暖房マットの表面からの均一放熱性を高めることができる。金属箔の種類としては、アルミニウム箔、錫箔、ステンレススチール箔、銅箔などが挙げられる。中でも、製造の難易、コストなどの観点からアルミニウム箔が好適である。熱伝導性薄層の厚さは、薄すぎると強度が十分でなく、厚すぎると製品が重くなるばかりでなく、コストがかさむので、通常30〜200μmの範囲で選ぶのが好ましい。
【0095】
熱伝導性薄層は、図4,5図の態様においては、基材マットに接着剤又は粘着剤等で固着されていることが好ましい。また、第6図の態様にあっては、基材マットに固着せず、平面ファスナ、弱粘着テープ、スナップボタン、クリップ等により着脱可能に取り付けることが好ましい。
【0096】
熱伝導性薄層は、通常、基材マットの溝形成面の形状に倣って形成される。
【0097】
[表面材]
表面材は、表面の美化、装飾性、耐水性、耐候性、その他の機能性の向上や、熱媒流通用配管の浮き上り防止、過度の局所的な伝熱の防止のために設けられるものであり、例えば、クッションフロアー、タイル、石材等の耐水性、耐候性に優れたものが用いられている。
【0098】
表面材は通常基材マットの溝形成面と同形状同面積或いは若干大きめの面積に形成され、その厚さは材質によっても異なるが、通常2〜12mm程度である。
【0099】
この表面材には、様々な模様を付したり、例えば座席番号を示す数字や文字、或いは着色を付与しても良い。
【0100】
表面材は、熱伝導性薄層(熱伝導性薄層を設けない場合には基材マット)に対して、着脱可能な結合手段によって結合されることが好ましく、この着脱可能な手段としては、熱媒流通時に熱媒流通用配管が浮き上がることを防止し、かつ表面材を十分に固定できるものであれば良く、例えば、平面ファスナー、フックボタン、凹凸状又はカギ状の係合具、弱粘着テープ、磁石によるものなどを採用することができる。
【0101】
[暖房マットの取り付け]
基材マット、配管及び表面材(必要に応じて熱伝導性薄層)よりなる暖房マットを暖房対象面に設置する際、暖房マット同士は必ずしも隙間なく配置する場合に限らず、暖房マット同士の間に隙間があっても良い。隙間は、大きいほど暖房マットの設置自由度は増すものの、配管や接続用継手を保護しにくくなるため、これらの機能を合わせ考慮して選択する。暖房マット間の隙間は通常は5cm以下、中でも3cm以下、特に1cm以下とするのがよく、隙間を設けることと、前述の如く、基材マットの溝端部の幅を太くすることとを組み合わせて最適なものを選択すればよい。実用上は0.3〜1cm程度の隙間を設け、基材マットの溝端部の幅広部をその他の部分よりも0.2〜0.9cm程度大きく(幅を広く或いは深さを深く)することが好ましい。
【0102】
暖房対象面への暖房マットの並べ方は、暖房マットの形状に応じて様々であり、可撓性の熱媒流通用配管を用いることにより、直線状、曲線状、蛇行状、放射状、多角形状等様々な形状に配置することができる。
【0103】
[暖房マットへの熱媒の供給]
各暖房マットに対しては、外部の熱源装置(熱源機等)で加熱された熱媒が前述の如く、熱媒主管により熱媒流通用配管に流通されることにより供給される。この熱媒主管は、熱源装置から出た比較的高温(座面用としては、通常40℃以上80℃以下程度)の熱媒が供給される、いわゆる、往管と、暖房用に利用されて、比較的低温(座面用としては、通常30℃以上50℃以下)となり、熱源装置に戻る、いわゆる戻管とで構成される。なお、熱源装置に戻った後、再び、加熱されて熱媒は循環使用されることになる。
【0104】
各暖房マットの配管は、第9図に示す如く、往管と戻管とを1つの基材マットに併設しても、第11図に示す如く、どちらか一方のみを設けてもよいが、熱利用を平均化するには、前述の如く、戻管と往管を併設する方が有利である。
【0105】
[その他の構成部材]
本発明に係る暖房マットには、本発明の効果を損なわない限り、上述の構成部材以外に、任意の層を表面材の上、表面材と基材マットとの間、或いは基材マットの下に積層することができる。
【0106】
このようなものとして、次のようなものが挙げられる。
(i) ゴム系発泡材料、ウレタン系発泡材料、オレフィン系発泡材料等の合成樹脂系発泡材料で構成するクッション層を表面材の上に設ける。
(ii) 合成樹脂シート、金属板等の樹脂類、金属類又はその複合材類で構成する耐久性を向上させる層を表面材の上又は表面材と基材マットとの間に設ける。
(iii) 合成樹脂フィルム、アスファルトシート等の樹脂類で構成する防水性を付与させるための層を表面材の上又は基材マットの下に設ける。
【0107】
[暖房対象面]
本発明の暖房システムの暖房対象面は、例えば劇場、水族館、競技場、イベント会場、公園、遊技場等に設置されたベンチ、その他直床上等であり、屋内、屋外のいずれでもよい。
【0108】
いずれの暖房対象面に対しても、本発明の暖房システムは、その暖房マットを暖房対象面に対して固定して設置する必要が無く、容易に取り付け、取り外し、移動、再利用可能である。なお、本発明の暖房システムはベンチ等の座面に限らず、座席の背もたれ部、足元(床面)等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】実施の形態に係る暖房マットの斜視図である。
【図2】図1の暖房マットの分解斜視図である。
【図3】図1の暖房マットの平面(上面)図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】基材マットの別例を示す、図4と同様部分の断面図である。
【図6】基材マットの別例を示す、図4と同様部分の断面図である。
【図7】(a),(b)図は図1の暖房マット同士の接続構造を示す斜視図である。
【図8】暖房システムの設置施工手順を示す斜視図である。
【図9】熱媒暖房暖房システムの設置施工手順を示す斜視図である。
【図10】熱媒暖房暖房システムの設置施工手順を示す斜視図である。
【図11】熱媒暖房暖房システムの設置施工手順を示す斜視図である。
【図12】別の実施の形態に係る暖房マット1’の平面図である。
【図13】さらに別の実施の形態に係る暖房マット1Aの斜視図である。
【図14】図13の暖房マット1Aの使用状況を示す側面図である。
【図15】隣り合う暖房マット1A,1A同士の継目付近を後側から見た図(立面図)である。
【符号の説明】
【0110】
1,1’,1A 暖房マット
10,10A 基材マット
13A,13A’,13B,13B’ 溝
15 熱伝導性薄層
16 凸段部
16a 張出部
20A,20A’,20B,20B’ 配管
21 雄型継手
22 雌型継手
30,30A 表面材
40 ベンチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱媒流通用の配管が設けられ、
一方の側端面に該配管の一端が連なった第1の接続用継手が設けられ、
他方の側端面に該配管の他端が連なった第2の接続用継手が設けられている暖房マットにおいて、
該配管が偶数本設けられ、各側端面にそれぞれ偶数個の接続用継手が配置されていることを特徴とする暖房マット。
【請求項2】
請求項1において、配管は2本設けられ、各側端面にそれぞれ2個の接続用継手が配置されていることを特徴とする暖房マット。
【請求項3】
請求項1又は2において、一方の側端面の接続用継手は雄型継手であり、他方の側端面の接続用継手は、該雄型継手が嵌合可能な雌型継手であることを特徴とする暖房マット。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、該一方の側端面における接続用継手の配置と他方の側端面における接続用継手とは、該側端面同士の間の中央線を対称線とした対称配置となっていることを特徴とする暖房マット。
【請求項5】
請求項4において、各接続用継手は、各側端面の長手方向の一方の側に近い端部近傍領域に配置されていることを特徴とする暖房マット。
【請求項6】
請求項5において、該側端面における暖房マットの厚さが該端部近傍領域において他の領域よりも大となっていることを特徴とする暖房マット。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項において、該暖房マットは、
前記配管と、
板面に該配管を収容するための溝が設けられた板状の基材マットであって、該溝の両端は該基材マットの側面に臨んでいる基材マットと、
該基材マットの板面に重なる表面材と
を備えてなることを特徴とする暖房マット。
【請求項8】
請求項7において、該基材マットの密度が1.5g/cm以上であることを特徴とする暖房マット。
【請求項9】
請求項7又は8において、該基材マットは基層と表層とを備える積層構造であり、該表層に前記溝が設けられており、該基層の密度が1.5g/cm以上で、該表層の密度が該基層の密度よりも小さいことを特徴とする暖房マット。
【請求項10】
請求項7ないし9のいずれか1項において、前記基材マットと表面材とが着脱可能な結合手段によって結合されていることを特徴とする暖房マット。
【請求項11】
請求項7ないし9のいずれか1項において、前記基材マットと表面材との間に熱伝導性薄層を設けたことを特徴とする暖房マット。
【請求項12】
請求項11において、該熱伝導性薄層は前記基材マットに固定されており、
該熱伝導性薄層と前記表面材とが着脱可能な結合手段によって結合されていることを特徴とする暖房マット。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれか1項に記載の暖房マットを、複数個、前記側端面同士を対峙させて列状に配設し、
隣接する暖房マットの接続用継手同士を接続すると共に、
該列状に配列された末端側の暖房マットにあっては、接続用継手間を連通部材で連通させてなる暖房システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−32981(P2007−32981A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−219155(P2005−219155)
【出願日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(000236159)三菱化学産資株式会社 (101)
【Fターム(参考)】