説明

暗号化装置、復号化装置及び暗号復号化システム

【課題】初期値鋭敏性の影響を受けることなく、復号化装置側で暗号文を正確に復号化することが可能な暗号化を実施することができるようにする。
【解決手段】無理数aを係数に有する一次式Y=a×XのYの値として、小さな自然数から順次大きな自然数を代入して、その一次式の解Xの小数部分を暗号化キーとして抽出する暗号化キー抽出部12と、平文入力部11により入力が受け付けられた平文を暗号化キー抽出部12により抽出された暗号化キーと対にして格納する平文格納処理部13とを設け、平文格納処理部13により格納されている平文を対の暗号化キーが小さい順に並び替え、並び替え後の平文を暗号文とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、平文を暗号化する暗号化装置と、暗号化装置から出力された暗号文を復号化する復号化装置と、暗号化装置と復号化装置からなる暗号復号化システムとに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、カオス暗号を実施する暗号化装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
カオス暗号は、カオス関数を複数回合成して合成関数を生成し、その合成関数に初期値を与えることにより得られる時系列データに基づいて、カオス時系列データを算出することで得られる。
ただし、カオス暗号は、初期値鋭敏性を有するため、カオス関数に与える初期値の僅かな違いや、カオス関数を合成して時系列データを得る際に混入する誤差により、算出されるカオス時系列データが大きく変わってしまう特性がある。
【0003】
復号化装置は、暗号化装置から出力された暗号文を復号化する場合、暗号化する際に算出されたカオス時系列データを再現する必要があるが、そのカオス時系列データを再現する際にも、カオス暗号の初期値鋭敏性の影響を受けるため、暗号文を正確に復号化することができないことがある。
【0004】
【特許文献1】特開2001−255817号公報(段落番号[0042]から[0045])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の暗号化装置は以上のように構成されているので、カオス暗号を実施して暗号文を生成するが、カオス暗号は初期値鋭敏性を有するため、カオス関数に与える初期値に僅かな違いが生じたり、カオス関数を合成して時系列データを得る際に誤差が混入したりすると、カオス時系列データが大きく変わり、復号化装置側では暗号文を正確に復号化することができなくなるなどの課題があった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、初期値鋭敏性の影響を受けることなく、復号化装置側で暗号文を正確に復号化することが可能な暗号化を実施することができる暗号化装置及び暗号復号化システムを得ることを目的とする。
また、この発明は、暗号文を正確に復号化することができる復号化装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る暗号化装置は、平文入力手段により平文が入力されると、無理数aを係数に有する一次式Y=a×XのYの値として、小さな自然数から順次大きな自然数を代入して、その一次式の解Xの小数部分を暗号化キーとして抽出する暗号化キー抽出手段と、平文入力手段により入力された平文を暗号化キー抽出手段により抽出された暗号化キーと対にして格納する平文格納手段とを設け、暗号化手段が平文格納手段により格納されている平文を対の暗号化キーが小さい順に並び替え、並び替え後の平文を暗号文とするようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、平文入力手段により平文が入力されると、無理数aを係数に有する一次式Y=a×XのYの値として、小さな自然数から順次大きな自然数を代入して、その一次式の解Xの小数部分を暗号化キーとして抽出する暗号化キー抽出手段と、平文入力手段により入力された平文を暗号化キー抽出手段により抽出された暗号化キーと対にして格納する平文格納手段とを設け、暗号化手段が平文格納手段により格納されている平文を対の暗号化キーが小さい順に並び替え、並び替え後の平文を暗号文とするように構成したので、初期値鋭敏性の影響を受けることなく、復号化装置側で暗号文を正確に復号化することが可能な暗号化を実施することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による暗号復号化システムを示す構成図であり、図において、暗号化装置1は平文を入力して、その平文を暗号化し、暗号文と暗号鍵を復号化装置2に送信する処理を実施する。
復号化装置2は暗号化装置1から送信された暗号鍵を用いて暗号文を復号化し、暗号化装置1に入力された平文と同じ平文を出力する処理を実施する。
【0010】
図2はこの発明の実施の形態1による暗号化装置を示す構成図であり、図において、平文入力部11は例えばマウスやキーボードなどのマンマシンインタフェースから構成されており、ユーザにより作成された暗号化対象の平文(A,B,C,・・・)の入力を受け付ける処理を実施する。
ここでは、平文入力部11が暗号化対象の平文の入力を受け付けるものについて示すが、平文入力部11が平文を生成するワープロ機能を備えるようにしてもよいし、平文入力部11が他の機器(例えば、パソコン)から送信された暗号化対象の平文を受信するデータ通信機能を備えるようにしてもよい。
なお、平文入力部11は平文入力手段を構成している。
【0011】
暗号化キー抽出部12は平文入力部11により平文の入力が受け付けられる毎に、無理数aを係数に有する一次式Y=a×XのYの値として、前回より大きな自然数を代入して、一次式の解Xの小数部分を暗号化キーとして抽出する処理を実施する。即ち、Yの値として最初に1を代入し、平文入力部11により平文の入力が受け付けられる毎に、Yの値を1増やして、一次式の解Xの小数部分を暗号化キーとして抽出する。なお、暗号化キー抽出部12は暗号化キー抽出手段を構成している。
【0012】
平文格納処理部13は平文入力部11により入力が受け付けられた平文(A,B,C,・・・)を暗号化キー抽出部12により抽出された暗号化キーと対にして、平文格納テーブル14に格納する処理を実施する。
平文格納テーブル14は平文(A,B,C,・・・)と暗号化キーの対を格納するメモリである。
なお、平文格納処理部13及び平文格納テーブル14から平文格納手段が構成されている。
【0013】
暗号化部15は平文格納テーブル14に格納されている平文(A,B,C,・・・)を対の暗号化キーが小さい順に並び替え、並び替え後の平文を暗号文として、暗号文格納テーブル16に格納する処理を実施する。
暗号文格納テーブル16は並び替え後の平文である暗号文と暗号化キーの対を格納するメモリである。
なお、暗号化部15及び暗号文格納テーブル16から暗号化手段が構成されている。
【0014】
暗号文送信部17は暗号文格納テーブル16に格納されている暗号文を復号化装置2に送信する処理を実施する。
暗号鍵送信部18は暗号化キー抽出部12に与えられる無理数aを暗号鍵として、復号化装置2に送信する処理を実施する。
ここでは、暗号文送信部17と暗号鍵送信部18を別個に設けているものを示しているが、暗号文送信部17が暗号文と一緒に暗号鍵を復号化装置2に送信するようにしてもよい。
また、暗号文送信部17及び暗号鍵送信部18が暗号文などを送信するデータ通信機能を備えているものを想定しているが、暗号文や暗号鍵をフロッピーディスクなどの記録媒体に記録するディスク装置であってもよい。
【0015】
図3はこの発明の実施の形態1による復号化装置を示す構成図であり、図において、暗号鍵受信部21は暗号化装置1から送信された暗号鍵である無理数aを受信する処理を実施する。なお、暗号鍵受信部21は暗号鍵入力手段を構成している。
暗号文受信部22は暗号化装置1から送信された暗号文を受信する処理を実施する。なお、暗号文受信部22は暗号文入力手段を構成している。
ここでは、暗号鍵受信部21と暗号文受信部22を別個に設けているものを示しているが、暗号文受信部22が暗号文と一緒に暗号鍵を受信するようにしてもよい。
また、暗号鍵受信部21及び暗号文受信部22が暗号化装置1から暗号文等を受信するデータ通信機能を備えているものを想定しているが、暗号化装置1が暗号文等をフロッピーディスクなどの記録媒体に記録するような場合には、記録媒体から暗号文等を読み込むディスク装置であってもよい。
【0016】
暗号化キー抽出部23は暗号文受信部22により暗号文が受信される毎に、暗号鍵受信部21により受信された無理数aを係数に有する一次式Y=a×XのYの値として、前回より大きな自然数を代入して、一次式の解Xの小数部分を暗号化キーとして抽出する処理を実施する。即ち、Yの値として最初に1を代入し、暗号文受信部22により暗号文が受信される毎に、Yの値を1増やして、一次式の解Xの小数部分を暗号化キーとして抽出する。なお、暗号化キー抽出部23は暗号化キー抽出手段を構成している。
【0017】
暗号化キー格納処理部24は暗号化キー抽出部23により抽出された暗号化キーを上記自然数と対にして暗号化キー格納テーブル25に格納する処理を実施する。
暗号化キー格納テーブル25は暗号化キーと自然数の対を格納するメモリである。
なお、暗号化キー格納処理部24及び暗号化キー格納テーブル25から暗号化キー格納手段が構成されている。
【0018】
暗号文格納処理部26は暗号化キー格納テーブル25に格納されている自然数を対の暗号化キーが小さい順に並び替え、暗号文受信部22により受信された暗号文を並び替え後の自然数と対にして暗号文格納テーブル27に格納する処理を実施する。
暗号文格納テーブル27は暗号文と並び替え後の自然数の対を格納するメモリである。
なお、暗号文格納処理部26及び暗号文格納テーブル27から暗号文格納手段が構成されている。
【0019】
復号化部28は暗号文格納テーブル27に格納されている暗号文を対の自然数が小さい順に並び替え、並び替え後の暗号文を平文として出力する処理を実施する。なお、復号化部28は復号化手段を構成している。
【0020】
次に動作について説明する。
暗号化装置1の平文入力部11は、ユーザにより作成された暗号化対象の平文(A,B,C,・・・)の入力を受け付け、平文(A,B,C,・・・)を暗号化キー抽出部12及び平文格納処理部13に出力する。
【0021】
暗号化装置1の暗号化キー抽出部12は、平文入力部11から暗号化対象の平文(A,B,C,・・・)を受ける毎に、無理数aを係数に有する一次式Y=a×XのYの値として、前回より大きな自然数を代入して、一次式の変数Xについて解く演算を行う。
即ち、平文A,平文B,平文C,平文D,・・・の順番で平文が入力される場合、最初に、平文Aが入力される段階では、Yの値として“1”を代入して、一次式の変数Xについて解く演算を行う。
次に、平文Bが入力される段階では、Yの値として“2”を代入して(前回のYの値より1増やす)、一次式の変数Xについて解く演算を行う。
次に、平文Cが入力される段階では、Yの値として“3”を代入して(前回のYの値より1増やす)、一次式の変数Xについて解く演算を行う。
以下、平文D,平文E,・・・が入力される段階でも、同様にして、一次式の変数Xについて解く演算を行う。
【0022】
暗号化キー抽出部12は、上記のようにして、一次式の変数Xについて解くと、解Xの小数部分を暗号化キーとして抽出する。
ここで、無理数aを係数に有する一次式Y=a×XのYの値として、異なる整数が与えられる場合、解Xの小数部分は全て異なる値をとり、決して同じ値にはならない。
【0023】
暗号化装置1の平文格納処理部13は、暗号化キー抽出部12が暗号化キー(解Xの小数部分)を抽出すると、図4に示すように、平文入力部11により入力が受け付けられた平文(A,B,C,・・・)を暗号化キーと対にして、平文格納テーブル14に格納する。
因みに、暗号化キー“0.722”は、平文Aが入力されたとき、Yの値として“1”が代入されることにより、暗号化キー抽出部12により算出された解Xの小数部分であり、また、暗号化キー“0.135”は、平文Bが入力されたとき、Yの値として“2”が代入されることにより、暗号化キー抽出部12により算出された解Xの小数部分である。
【0024】
暗号化装置1の暗号化部15は、平文格納処理部13が平文(A,B,C,・・・)と暗号化キーの対を平文格納テーブル14に格納すると、平文格納テーブル14に格納されている平文(A,B,C,・・・)を対の暗号化キーが小さい順に並び替える処理を実施する。
暗号化部15は、図5に示すように、並び替え後の平文を暗号文(B,E,H,・・・)として、暗号文格納テーブル16に格納する。
【0025】
暗号化装置1の暗号文送信部17は、暗号化部15が暗号文(B,E,H,・・・)を暗号文格納テーブル16に格納すると、その暗号文(B,E,H,・・・)を復号化装置2に送信する。
暗号化装置1の暗号鍵送信部18は、暗号化キー抽出部12に与えられる無理数aを暗号鍵として、復号化装置2に送信する。
【0026】
復号化装置2の暗号鍵受信部21は、暗号化装置1から送信された暗号鍵である無理数aを受信する。
復号化装置2の暗号文受信部22は、暗号化装置1から送信された暗号文(B,E,H,・・・)を受信する。
【0027】
復号化装置2の暗号化キー抽出部23は、暗号文受信部22が暗号文(B,E,H,・・・)を受信する毎に、暗号鍵受信部21により受信された無理数aを係数に有する一次式Y=a×XのYの値として、一次式の変数Xについて解く演算を行う。
即ち、暗号文B,暗号文E,暗号文H,・・・の順番で暗号文が受信される場合、最初に、暗号文Bが入力される段階では、Yの値として“1”を代入して、一次式の変数Xについて解く演算を行う。
次に、暗号文Eが入力される段階では、Yの値として“2”を代入して(前回のYの値より1増やす)、一次式の変数Xについて解く演算を行う。
次に、暗号文Hが入力される段階では、Yの値として“3”を代入して(前回のYの値より1増やす)、一次式の変数Xについて解く演算を行う。
以下、暗号文D,暗号文G,・・・が入力される段階でも、同様にして、一次式の変数Xについて解く演算を行う。
【0028】
暗号化キー抽出部23は、上記のようにして、一次式の変数Xについて解くと、解Xの小数部分を暗号化キーとして抽出する。
なお、復号化装置2の暗号化キー抽出部23により抽出される暗号化キーは、暗号化装置1の暗号化キー抽出部12により抽出される暗号化キーと同じ暗号化キーである。
【0029】
復号化装置2の暗号化キー格納処理部24は、暗号化キー抽出部23が暗号化キー(解Xの小数部分)を抽出すると、図6に示すように、暗号化キー抽出部23により抽出された暗号化キーを、復号化キー(暗号化キー抽出部23によりYの値として代入された自然数(1,2,3,4,5,・・・))と対にして、暗号化キー格納テーブル25に格納する。
【0030】
復号化装置2の暗号文格納処理部26は、暗号化キー格納処理部24が復号化キー(1,2,3,4,5,・・・)と暗号化キーの対を暗号化キー格納テーブル25に格納すると、暗号化キー格納テーブル25に格納されている復号化キー(1,2,3,4,5,・・・)を対の暗号化キーが小さい順に並び替える処理を実施する。
暗号文格納処理部26は、図7に示すように、並び替え後の復号化キー(2,5,8,4,7,・・・)を暗号文受信部22により受信された暗号文(B,E,H,・・・)と対にして、暗号文格納テーブル27に格納する。
【0031】
復号化装置2の復号化部28は、暗号文格納処理部26が並び替え後の復号化キー(2,5,8,4,7,・・・)と暗号文(B,E,H,・・・)を暗号文格納テーブル27に格納すると、図8に示すように、暗号文格納テーブル27に格納されている暗号文(B,E,H,・・・)を対の復号化キーが小さい順に並び替え、並び替え後の暗号文を平文として出力する。
【0032】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、平文入力部11により平文の入力が受け付けられる毎に、無理数aを係数に有する一次式Y=a×XのYの値として、前回より大きな自然数を代入して、その一次式の解Xの小数部分を暗号化キーとして抽出する暗号化キー抽出部12と、平文入力部11により入力が受け付けられた平文を暗号化キー抽出部12により抽出された暗号化キーと対にして格納する平文格納処理部13とを設け、暗号化部15が平文格納処理部13により格納されている平文を対の暗号化キーが小さい順に並び替え、並び替え後の平文を暗号文とするように構成したので、特に暗号化キー抽出部12が累積誤差を含まない処理になっていることから、初期値鋭敏性の影響を受けることなく、復号化装置2側で暗号文を正確に復号化することが可能な暗号化を実施することができる効果を奏する。
【0033】
即ち、カオス暗号のアルゴリズムで行われるカオス関数の合成操作から生じる初期値鋭敏性によるカオス時系列データの再現性の困難を解決することができる。
なお、暗号化装置1における暗号化アルゴリズムや、復号化装置2における復号化アルゴリズムは単純であるため、公開鍵暗号を行う方式であっても、高速に処理を行うことができる。
【0034】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、暗号化装置1の暗号化キー抽出部12が、平文入力部11が個々の平文(A,B,C,・・・)の入力を受け付ける毎に、暗号化キーの抽出処理を実施するものについて示したが、平文入力部11が暗号化対象の全ての平文(A,B,C,・・・)の入力を受け付けたのち、暗号化キー抽出部12が、平文入力部11により入力が受け付けられた平文の個数を計測し、その個数分の暗号化キーを抽出するようにしてもよい。
【0035】
上記実施の形態1では、復号化装置2の暗号化キー抽出部23が、暗号文受信部22が個々の暗号文(B,E,H,・・・)を受信する毎に、暗号化キーの抽出処理を実施するものについて示したが、暗号文受信部22が全ての暗号文(B,E,H,・・・)を受信したのち、暗号化キー抽出部23が、暗号文受信部22により受信された暗号文(B,E,H,・・・)の個数を計測し、その個数分の暗号化キーを抽出するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の実施の形態1による暗号復号化システムを示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による暗号化装置を示す構成図である。
【図3】この発明の実施の形態1による復号化装置を示す構成図である。
【図4】平文格納テーブル14に格納されている平文(A,B,C,・・・)と暗号化キーを示す説明図である。
【図5】暗号文格納テーブル16に格納されている暗号文(並び替え後の平文)と暗号化キーを示す説明図である。
【図6】暗号化キー格納テーブル25に格納されている復号化キーと暗号化キーを示す説明図である。
【図7】暗号文格納テーブル27に格納されている並び替え後の復号化キー(2,5,8,4,7,・・・)と暗号文(B,E,H,・・・)と暗号化キーを示す説明図である。
【図8】並び替え後の暗号文である平文(A,B,C,・・・)を示す説明図である。
【符号の説明】
【0037】
1 暗号化装置、2 復号化装置、11 平文入力部(平文入力手段)、12,23 暗号化キー抽出部(暗号化キー抽出手段)、13 平文格納処理部(平文格納手段)、14 平文格納テーブル(平文格納手段)、15 暗号化部(暗号化手段)、16 暗号文格納テーブル(暗号化手段)、17 暗号文送信部、18 暗号鍵送信部、21 暗号鍵受信部(暗号鍵入力手段)、22 暗号文受信部(暗号文入力手段)、24 暗号化キー格納処理部(暗号化キー格納手段)、25 暗号化キー格納テーブル(暗号化キー格納手段)、26 暗号文格納処理部(暗号文格納手段)、27 暗号文格納テーブル(暗号文格納手段)、28 復号化部(復号化手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平文を入力する平文入力手段と、上記平文入力手段により平文が入力されると、無理数aを係数に有する一次式Y=a×XのYの値として、小さな自然数から順次大きな自然数を代入して、上記一次式の解Xの小数部分を暗号化キーとして抽出する暗号化キー抽出手段と、上記平文入力手段により入力された平文を上記暗号化キー抽出手段により抽出された暗号化キーと対にして格納する平文格納手段と、上記平文格納手段により格納されている平文を対の暗号化キーが小さい順に並び替え、並び替え後の平文を暗号文とする暗号化手段とを備えた暗号化装置。
【請求項2】
暗号化キー抽出手段は、Yの値として最初に1を代入し、順次、Yの値を1増やすことを特徴とする請求項1記載の暗号化装置。
【請求項3】
暗号化装置から暗号鍵として無理数aを入力する暗号鍵入力手段と、上記暗号化装置から暗号文を入力する暗号文入力手段と、上記暗号文入力手段により暗号文が入力されると、上記暗号鍵入力手段により入力された無理数aを係数に有する一次式Y=a×XのYの値として、小さな自然数から順次大きな自然数を代入して、上記一次式の解Xの小数部分を暗号化キーとして抽出する暗号化キー抽出手段と、上記暗号化キー抽出手段により抽出された暗号化キーを上記自然数と対にして格納する暗号化キー格納手段と、上記暗号化キー格納手段により格納されている自然数を対の暗号化キーが小さい順に並び替え、上記暗号文入力手段により入力された暗号文を並び替え後の自然数と対にして格納する暗号文格納手段と、上記暗号文格納手段により格納されている暗号文を対の自然数が小さい順に並び替え、並び替え後の暗号文を平文とする復号化手段とを備えた復号化装置。
【請求項4】
暗号化キー抽出手段は、Yの値として最初に1を代入し、順次、Yの値を1増やすことを特徴とする請求項3記載の復号化装置。
【請求項5】
平文を入力する平文入力手段、上記平文入力手段により平文が入力されると、無理数aを係数に有する一次式Y=a×XのYの値として、小さな自然数から順次大きな自然数を代入して、上記一次式の解Xの小数部分を暗号化キーとして抽出する暗号化キー抽出手段、上記平文入力手段により入力された平文を上記暗号化キー抽出手段により抽出された暗号化キーと対にして格納する平文格納手段、及び上記平文格納手段により格納されている平文を対の暗号化キーが小さい順に並び替え、並び替え後の平文を暗号文とする暗号化手段を有する暗号化装置と、上記暗号化装置から暗号鍵として無理数aを入力する暗号鍵入力手段、上記暗号化装置から暗号文を入力する暗号文入力手段、上記暗号文入力手段により暗号文が入力されると、上記暗号鍵入力手段により入力された無理数aを係数に有する一次式Y=a×XのYの値として、小さな自然数から順次大きな自然数を代入して、上記一次式の解Xの小数部分を暗号化キーとして抽出する暗号化キー抽出手段、上記暗号化キー抽出手段により抽出された暗号化キーを上記自然数と対にして格納する暗号化キー格納手段、上記暗号化キー格納手段により格納されている自然数を対の暗号化キーが小さい順に並び替え、上記暗号文入力手段により入力された暗号文を並び替え後の自然数と対にして格納する暗号文格納手段、及び上記暗号文格納手段により格納されている暗号文を対の自然数が小さい順に並び替え、並び替え後の暗号文を平文とする復号化手段を有する復号化装置とを備えた暗号復号化システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−304793(P2008−304793A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−153109(P2007−153109)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(591036457)三菱電機エンジニアリング株式会社 (419)
【Fターム(参考)】