暗視野検査照明装置
【課題】 歩留まりと効率を改善する材料の暗視野検査照明装置を提供する。
【解決手段】 単一光源から光が幾つかの照明アーム間で分割され、各々がマルチモードファイババンドルにより光源からウェハ位置まで光を導く。共通の照明領域の周囲にアームが配置されているので、幾つかの方向からアームが照明される。各アームに関して、ファイババンドルから出射する光は回転プリズムに入射し、プリズムの底辺で反射し、プリズムの出射面上の発散円筒状面により1方向に発散される。アナモルフィックミラーで光が反射して、ウェハの照明領域に伝播する。ビームは非対称フットプリントを有しているので、法入射角を見たとき、ほぼ円形のウェハ領域を照明する。縦方向の前側焦点面にファイババンドルがある。両方向の後側焦点面に照明領域がある。
【解決手段】 単一光源から光が幾つかの照明アーム間で分割され、各々がマルチモードファイババンドルにより光源からウェハ位置まで光を導く。共通の照明領域の周囲にアームが配置されているので、幾つかの方向からアームが照明される。各アームに関して、ファイババンドルから出射する光は回転プリズムに入射し、プリズムの底辺で反射し、プリズムの出射面上の発散円筒状面により1方向に発散される。アナモルフィックミラーで光が反射して、ウェハの照明領域に伝播する。ビームは非対称フットプリントを有しているので、法入射角を見たとき、ほぼ円形のウェハ領域を照明する。縦方向の前側焦点面にファイババンドルがある。両方向の後側焦点面に照明領域がある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願相互参照)
本出願は2004年7月12日に出願された米国仮出願第60/587,206号の出願日の恩恵を享受することを要求し、その出願全体をここで参照として援用する。
【0002】
本発明は材料の検査に関し、より詳しくは、材料の暗視野検査照明装置、材料の暗視野検査システム、および暗視野検査をする対象物の照明方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの製造プロセスが、ウェハベースの技術を使用し、これらのウェハ上でますます小さくなる回路部品を使用しているので、製造プロセスの様々な段階でウェハの欠陥を検査することが日増しに重要になってきている。ウェハ検査システムは、これらの厳しい要求の増大と歩調を合わして登場してきた。
【0004】
典型的なウェハ検査システムにおいて、検査カメラの下にウェハを移動する移動可能ステージにウェハが置かれている。ウェハの一部の画像をカメラが撮像し、公知の画像処理技術を用いてそれを処理する。視野内のいかなる欠陥も検査システムによりウェハ上にマークされるか、データファイルに記録されるので、その後の製造ステップ時に欠陥の訂正や欠陥発生の回避をすることができる。そして、移動ステージがウェハを次の位置に移動して、ウェハの使用可能な全領域を検査するまで、プロセスが繰り返し実行される。この検査プロセスにより、製造プロセスの出来るだけ早い段階で欠陥材料を特定除去することで、歩留まりと効率を改善できる。
【0005】
ベアで平坦で回路部品が形成されておらず、ウェハの検査に特に適している検査システムのあるものは、「暗視野」として知られている。暗視野検査システムにおいて、撮像光学にスペキュラ反射しない入射角で照明が行われる。ウェハの視界内に3次元の回路部品も欠陥も存在しない場合には、照明ビームはスペキュラ反射をし、撮像光学によって捕捉されない。換言すれば、暗視野検査システムにおいて、欠陥のないウェハは撮像カメラに暗視野として現れる。小さな粒子すなわち大きさが5ミクロンの粒子は、様々な方向に一部の光を反射したり散乱したりするが、これには撮像カメラに入射する光が含まれる。そのため、小さな粒子や欠陥は、暗視野システムの視野に明るい点として現れる。その他には、暗視野システムは、その上に回路部品が形成されたウェハにも使用できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
暗視野システムを照明することは、検査システムの全性能に大きな影響を与える。例えば、暗視野顕微鏡の照明に使用された装置に類似した「リングランプ」装置は、暗視野ウェハ検査システムに対しそれ程よく動作しない。それらのシステムは、通常暗視野全体にわたり照明が均一でもなく、角スペクトルが均一でもない。その結果、検査システムの感度は、視界全体にわたり変化する可能性があり、これは非常に好ましくない。感度のこの変化のため、各画像に対して追加処理時間が必要となることもあり、そのため、システムの動作速度と効率を低下させてしまう。
(発明の要約)
本発明はコンパクトか、対象物の大きな照明領域を照明するか、ウェハの照明領域にわたり均一な照明と均一な角スペクトルを提供するか、狭い入射角とウェハの照明領域に対し広い周方向方位角を有するか、あるいは対象物の照明領域にわたり明るい暗視野照明システムを提供することが好ましい。本発明の各種実施形態は、1つ以上のこれらの利点をそれぞれ有する。
【0007】
本発明の一実施形態は、対象物表面の暗視野検査照明装置に係わり、この照明装置は、照明領域の近くに配置された複数のアームを備え、各々のアームは、広範囲におよぶほぼ均一な発散光源と、光源に光学的に結合された第1の面と横方向に円筒状光パワーを有する第2の面と有する回転部材と、横方向に第1の光パワーを出力し、縦方向に第2の光パワーを有するアナモルフィック部材とを備え、第1と第2の光パワーが等しくなく、アナモルフィック部材が回転部材の第2の面に光学的に結合されている。
【0008】
本発明の別の実施形態は、対象面の暗視野検査照明装置に係り、この照明装置は、ほぼ対象面のほぼ円形照明領域の近くに配置された複数の照明アームを備え、各々のアームが、広範囲に広がるほぼ均一な発散光源と、光源に光学的に結合した入射面と縦方向に負の円筒状光パワーを有する面を有する結合部と、横方向に第1の光パワーを出力し、縦方向に第2の光パワーを有するアナモルフィック部材とを備え、第1と第2の光パワーが等しくなく、アナモルフィック部材が結合部の出射面に光学的に結合されており、ここで各々のアームが、横方向の前側焦点面、横方向の後側焦点面、縦方向の前側焦点面、および縦方向の後側焦点面を有し、また各々のアームに対して、横方向の前側焦点面と縦方向の前側焦点面が一致しておらず、光源がほぼ横方向の前側焦点面に位置しており、縦方向の前側焦点面と横方向の後側焦点面がほぼ一致しており、照明領域がほぼ縦方向の後側焦点面と横方向の後側焦点面に位置している中心を有し、光源、回転部材、およびアナモルフィック部材が配置され、欠陥のない状態で、対象面からスペキュラ反射させるために、照明面の法線に対し非ゼロ入射角または入射角範囲で照明領域を照明する。
【0009】
本発明の別の実施形態は、対象面の暗視野検査照明装置に係わり。この照明装置は、ほぼ対象面の照明領域の近くに配置された複数の照明アームを備え、各々のアームが、広範囲におよぶほぼ均一な発散光源と、発散光から照明領域を照明する照明ビームを生成する光学部アセンブリと備え、照明ビームが法入射角、入射角範囲、および横方向の角度範囲を有し、ここで法入射角と入射角範囲が照明領域にわたり基本的に不変であり、また横方向の角度範囲が照明領域にわたり基本的に不変であり、さらに照明領域の光強度が基本的に不変である。
【0010】
本発明の別の実施形態は、対象面の暗視野検査照明装置に係わり、この照明装置は、ほぼ対象面のほぼ円形状の照明領域の近くに配置された複数のアームを備え、各々のアームが、横方向の後側焦点面を設定する手段と、縦方向の後側焦点面と横方向の後側焦点面が基本的に一致する縦方向の後側焦点面を設定する手段と、横方向の前側焦点面を設定する手段と、横方向の前側焦点面から離れた縦方向の前側焦点面を設定する手段と、ほぼ縦方向の後側焦点面と横方向の後側焦点面の照明領域の中心位置を特定する手段と、ほぼ縦方向の前側焦点面に広範囲におよぶほぼ均一な発散特性を有する光を照明する手段と、および縦方向の前側焦点面に入射された光からビームを形成する手段とを備え、欠陥のない状態で、対象面からスペキュラ反射させるために、照明領域の法線に対して非ゼロ入射角で入射領域にビームが入射する。
【0011】
本発明の別の実施形態は、対象面の暗視野検査を行うために、各々の光学系により複数の異なる方向から対象面の照明領域を照明する方法に係わり、この方法は各々の光学系に対して、横方向の後側焦点面を設定し、ほぼ一致する縦方向の後側焦点面、縦方向の後側焦点面、および横方向の後側焦点面を設定し、横方向の前側焦点面を設定し、縦方向の前側焦点面から離れた縦方向の前側焦点面を設定し、ほぼ縦方向の後側焦点面と横方向の後側焦点面にある中心によりほぼ円形領域として照明領域を設定し、ほぼ縦方向の前側焦点面に広範囲におよぶほぼ均一な発散特性を有する光を入射し、縦方向の前側焦点面に入射した光からビームを形成するステップを包含し、欠陥のない状態で、対象面からスペキュラ反射させるために、照明領域の法線に対し非ゼロ入射角で照明領域にビームが入射する。
【0012】
本発明の別の実施形態は、ウェハ検査システムに係わり、このシステムが、分光的にフィルタされ、空間的に均一で、広範囲におよぶ発散光源と、光源に光学的に結合され、ほぼ円形の照明領域の近くに周方向に配置された複数のアームと、照明領域に対し法入射角または近法入射角で配置されたカメラとを具備し、照明領域がカメラの視野内にあり、集光レンズに入射する最大集光角を定義する開口数を有する集光レンズをカメラが備え、ここで各々の照明アームが、光源に光学的に結合された入射面と縦方向に負の円筒状光パワーを有する出射面を有する回転部材と、横方向の第1の光パワーと縦方向の第2の光パワーを有するアナモルフィックミラーとを具備し、第1と第2の光パワーが等しくなく、アナモルフィックミラーが回転プリズムの出射面に光学的に結合されており、また各々の照明アームが、横方向の前側焦点面、横方向の後側焦点面、および縦方向の前側焦点面を有し、さらに各々のアームに対して、横方向の前側焦点面と縦方向の前側焦点面が一致しておらず、光源結合がほぼ縦方向の焦点面に配置されており、縦方向の前側焦点面と横方向の前側焦点面がほぼ一致しており、照明領域がほぼ縦方向の後側焦点面と横方向の後側焦点面にほぼ位置している中心を有し、最大集光角よりも大きい照明領域の法線に対し、ある入射角で照明領域を照明するためにアナモルフィックミラーが配置されている。
【0013】
(項目1)対象面の暗視野検査照明装置であって、照明領域の近くに配置された1つ以上の照明アームを備え、上記各々の照明アームが、
広範囲におよぶほぼ均一な発散光源と、
上記光源に光学的に結合された第1の面と縦方向に光パワーを有する第2の面を有する回転部材と、
横方向に第1の光パワーを出力し、縦方向に第2の光パワーを有すると共に、上記第1と第2の光パワーが等しくなく、上記回転部材の上記第2の面に光学的に結合されたアナモルフィック部材と
を具備する暗視野検査照明装置。
【0014】
(項目2)上記回転部材の上記第2の面が横方向に光パワーを有しない、請求項1に記載の照明装置。
【0015】
(項目3)上記回転部材の上記第2の面が横方向に光パワーを有する、請求項1に記載の照明装置。
【0016】
(項目4)上記アナモルフィック部材が鏡を備える、請求項1に記載の照明装置。
【0017】
(項目5)上記アナモルフィック部材がレンズを備える、請求項1に記載の照明装置。
【0018】
(項目6)上記回転部材が、
回転プリズムと、
上記回転プリズム面に装着された発散シリンドリカルレンズと
を具備し、
上記回転部材の第1の面が上記回転プリズムの入射面であり、上記回転部材の第2の面が上記シリンドリカルレンズの出射面である、請求項1に記載の照明装置。
【0019】
(項目7)上記回転部材が入射面と出射面を有する回転プリズムを備え、上記出射面が凹形円筒状面を有し、上記回転部材の第1の面が上記回転プリズムの入射面であり、上記回転部材の第2の面が上記回転プリズムの出射面である、請求項1に記載の照明装置
(項目8)上記各々のアームが、横方向の前側焦点面、縦方向の後側焦点面、縦方向の前側焦点面、および縦方向の後側焦点面を有し、上記各々のアームに対して、
上記横方向の前側焦点面と上記縦方向の前側焦点面が一致しておらず、
上記光源が上記縦方向の上記焦点面にほぼ位置しており、上記縦方向の前側焦点面と上記横方向の後側焦点面がほぼ一致しており、
上記照明領域がほぼ上記縦方向の後側焦点面と横方向の後側焦点面に位置している中心を有するほぼ円形であり、
上記光源、回転部材、およびアナモルフィック部材が配置され、欠陥のない状態で、上記対象面からスペキュラ反射させるために、上記照明領域の法線に対し非ゼロ入射角で上記照明領域を照明する、請求項1に記載の照明装置。
【0020】
(項目9)上記照明装置が、集光レンズに対する最大集光角を定義する開口数を有する上記集光レンズの視野内にあり、入射角が上記最大集光角よりも大きい、請求項8に記載に照明装置。
【0021】
(項目10)上記入射角が約53度よりも大きい、請求項8に記載の照明装置。
【0022】
(項目11)上記入射角が約81度よりも大きい、請求項10に記載の照明装置。
【0023】
(項目12)上記光源が有限スペクトルを有する光を動作可能に生成する、請求項1に記載の照明装置。
【0024】
(項目13)上記光源が高域通過紫外線フィルタを有する、請求項1に記載の照明装置。
【0025】
(項目14)上記円筒状光パワーが発散である、請求項1に記載の査照明装置。
【0026】
(項目15)上記照明装置が5つのアームを備える、請求項1に記載の照明装置。
【0027】
(項目16)対象面の暗視野検査照明装置であって、
ほぼ上記対象面にあるほぼ円形の照明領域の近くに配置された1つ以上の照明アームを備え、上記各々の照明アームが、
光源と、
上記光源に光学的に接続された入射面と、縦方向に負の円筒状光パワーを有する出射面を有する結合部と、
横方向の第1の光パワーと縦方向の第2の光パワーを出力し、上記第1と第2の光パワーが等しくなく、上記結合部の出射面に光学的に結合されたアナモルフィック部材とを具備し、
上記各々の照明アームが横方向の前側焦点面、横方向の後側焦点面、縦方向の前側焦点面、および縦方向の後側焦点面とを有し、
上記各々の照明アームに対して、
上記横方向の前側焦点面と上記縦方向の前側焦点面が一致しておらず、
上記光源がほぼ横方向の前側焦点面に位置しており、
上記縦方向の前側焦点面と上記横方向の前側焦点面がほぼ一致しており、
上記照明領域が上記縦方向の後側焦点面と上記横方向の後側焦点面に位置する中心を有し、
上記光源、回転部材、およびアナモルフィック部材が配置され、欠陥がない状態で、上記光源からのスペキュラ反射させるために、照明領域の法線に対し非ゼロ入射角で上記照明領域を照明する、暗視野検査照明装置。
【0028】
(項目17)上記照明領域が集光レンズに対する最大集光角を定義する開口数を有する集光レンズの視野内にあり、上記入射角が該最大集光角よりも大きい、請求項16に記載の照明装置。
【0029】
(項目18)上記入射角が約53度よりも大きい、請求項16に記載の照明装置。
【0030】
(項目19)上記入射角が約81度によりも大きい、請求項16に記載の照明装置。
【0031】
(項目20)上記光源が有限のスペクトルを有する光を動作可能に生成する、請求項16に記載の照明装置。
【0032】
(項目21)上記光源が高域通過紫外線フィルタを備える、請求項16に記載の照明装置。
【0033】
(項目22)上記アナモルフィック部材が鏡を備える、請求項16に記載の照明装置。
【0034】
(項目23)上記アナモルフィック部材がレンズを備える、請求項16に記載の照明装置。
【0035】
(項目24)上記結合部が回転部材を備える、請求項16に記載の照明装置。
【0036】
(項目25)上記結合部が非回転部材を備える、請求項16に記載の照明装置。
【0037】
(項目26)上記光源が広範囲におよぶほぼ均一な発散光源である、請求項16に記載の照明装置。
【0038】
(項目27)5つの照明アームを備える、請求項16に記載の照明装置。
【0039】
(項目28)対象面の暗視野検査照明装置であって、
複数の照明アームがほぼ対象面の照明領域の近くに配置され、上記各々の照明アームが、
広範囲におよぶほぼ均一な発散光源と、
上記発散光から上記照明領域に向かう照明ビームを生成し、上記照明ビームが法入射角、法入射角範囲、入射角範囲、および横方向の角度範囲を有し、
ここで上記法入射角と入射角範囲が上記照明領域にわたり基本的に不変であり、
上記照明領域にわたり上記横方向の角度範囲が基本的に不変であり、
上記照明領域の光強度が基本的に不変である暗視野検査照明装置。
【0040】
(項目29)対象面の暗視野検査照明であって、ほぼ対象面にあるほぼ円形の照明領域の近くに配置された複数の照明アームを備え、上記各々の照明アームが、
横方向の後側焦点面を設定する手段と、
ほぼ一致している縦方向の後側焦点面、縦方向の後側焦点面、および横方向の後側焦点面を設定する手段と、
横方向の前側焦点面を設定する手段と、
上記横方向の前側焦点面から離れた縦方向の前側焦点面を設定する手段と、
ほぼ縦方向の後側焦点面と上記縦方向の後側焦点面に上記照明領域の中心位置を特定する手段と、
ほぼ縦方向の前側焦点面に広範囲におよぶほぼ均一な発散特性を有する光を入射する手段と、
上記縦方向の前側焦点面に入射した光からビームを形成し、欠陥のない状態で、上記対象面からスペキュラ反射させるために、上記ビームが上記照明領域の法線に対し非ゼロ入射角で上記照明領域に入射する手段と
を具備する暗視野検査照明装置。
【0041】
(項目30)対象面の暗視野検査を行うために、各々の光学系を用いて複数の異なる方向から上記対象面の照明領域を照明する方法であって、上記各々の光学系に対して、
横方向の後側焦点面を設定し、
ほぼ一致する縦方向の後側焦点面、縦方向の後側焦点面、および横方向の後側焦点面を設定し、
上記横方向の前側焦点面を設定し、
上記横方向の前記焦点面から離れた縦方向の前側焦点面を設定し、
ほぼ縦方向の後側焦点面と上記横方向の後側焦点面に中心を有するほぼ円形領域として上記照明領域を設定し、
ほぼ横方向の前側焦点面に広範囲におよぶほぼ均一な発散特性を有する光を入射し、
上記縦方向の前側焦点面に入射した光からビームを形成し、ビームが欠陥のない状態で、上記対象面からスペキュラ反射させるために、上記照明領域の法線に対し非ゼロ入射角で上記照明領域に該ビームが入射する暗視野検査方法。
【0042】
(項目31)上記ビーム形成ステップが、上記集光レンズに対する最大集光角を定義する開口数を有する集光レンズの視野内にビームを形成するステップを包含し、上記入射角が上記最大集光角よりも大きい、請求項30に記載の方法。
【0043】
(項目32)上記ビーム形成ステップの入射角が約53度よりも大きい、請求項30に記載の方法。
【0044】
(項目33)上記ビーム形成ステップの入射角が約81度よりも大きい、請求項32に記載の方法。
【0045】
(項目34)上記ビーム形成ステップがビームを分光的にビームをフィルタする、請求項30に記載の方法。
【0046】
(項目35)ウェハ検査システムであって、
分光的にフィルタし、空間的に均一で、広範囲におよぶ発散光源と、
上記光源に光学的に結合され、ほぼ円形の照明領域の近くに周方向に配置された複数の照明アームを備える光ファイバ暗視野照明装置と、
上記照明領域に対し法入射角または近法入射角で配置され、上記照明領域がカメラの視野内にあり、上記カメラが集光レンズに対する最大集光角を定義する開口数を有する集光レンズを備えるカメラとを具備し、
上記各々の照明アームが、
上記光源に光学的に結合された入射面と横方向に発散円筒形状光パワーを有する出射面を有する回転部材と、
横方向の第1の光パワーと縦方向の第2の光パワーを出力し、上記第1と第2の光パワーが等しくなく、上記回転プリズムの出射面に光学的に結合されたアナモルフィックミラーとを具備し、
上記各々の照明アームが横方向の前側焦点面、横方向の後側焦点面、縦方向の前側焦点面、および縦方向の後側焦点面とを有し、
上記各々の照明アームに対して、
上記横方向の前側焦点面と上記縦方向の前側焦点面が一致しておらず、
上記光源結合がほぼ縦方向の前側焦点面に位置しており、
上記縦方向の前側焦点面と上記横方向の前側焦点面がほぼ一致しておらず、
上記照明領域がほぼ上記縦方向の後側焦点面と上記横方向の後側焦点面に位置する中心を有し、
上記光源、回転部材、およびアナモルフィックミラーが配置され、上記最大集光角よりも大きい照明領域の法線に対し入射角で上記照明領域を照明するウェハ検査システム。
【0047】
(項目36)上記回転部材が回転プリズムを備える、請求項35に記載の方法。
【0048】
(項目37)対象面の暗視野検査照明であって、照明領域の近くに配置された複数の照明アームを備え、上記各々の照明アームが、
光源と、
上記光源に光学的に結合された第1の面と縦方向に光パワーを有する第2の面を有する結合部と、
横方向の第1の光パワーと縦方向の第2の光パワーを出力し、上記第1と第2の光パワーが等しくなく、上記回転部材の第2の面に光学的に結合されたアナモルフィック部材と
を具備する暗視野検査照明装置。
【0049】
(項目38)上記回転部材の第2の面が横方向に光パワーを有しない、請求項37に記載の照明装置。
【0050】
(項目39)上記回転部材の第2の面が横方向に光パワーを有する、請求項37に記載の照明装置。
(概要)
単一の光源から光が幾つかの照明アーム間で分割され、その各々がマルチモードファイババンドルにより光源からウェハ位置まで光を導く。共通の照明領域の周囲に円周上にアームが配置されているので、幾つかの方向からアームが照明される。各々のアームに関して、ファイババンドルから出射する光は、回転プリズムに入射し、プリズムの底辺で反射し、プリズムの出射面上の発散円筒状面により1方向に発散される。そして、アナモルフィックミラーで光が反射して、ウェハの照明領域に伝播する。ビームは非対称フットプリントを有しているので、法入射角を見たとき、ほぼ円形のウェハ領域を照明する。縦方向の前側焦点面にファイババンドルがある。また、両方向の後側焦点面に照明領域がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
(発明の詳細な説明)
本発明は暗視野照明検査システムに関し、特定の製造プロセス時にウェハを視覚的に検査して欠陥を見つけるシステムで通常使用される。ウェハ検査システムの一実施形態を図1に示す。
【0052】
代表的なウェハ検査システム10は、ウェハの上にダイが組み立てられる前にウェハ全体を検査する一実施形態で使用されるが、パターン形成されたウェハ全体、パターン形成されたダイスから立方体に切断されたダイ、鋸で切断されたウェハ、壊れたウェハ、フィルムフレーム上のある種のウェハ、ゲルパックされたダイ、ワッフルパックされたダイ、MCM、JEDECトレイ、Auerボート、および他のウェハおよびダイ形状、パッケージされたもの、パッケージされていないものを検査するために使用し得る。これ以降、これらの全てを使用することもウェハ検査と呼ぶことにする。システム10は、ウェハ検査プレート12、ウェハを検査プレート12に送るアクチュエータ14、同じx,yおよび角度位置つまりx,y,zおよび角度位置の各々または全てを一列にするウェハアラインメント装置16、焦点機構18と、訓練時の欠陥のないウェハの視覚入力と検査時のその他の未知の品質のウェハを視覚検査するカメラ20または他の視覚検査装置、パラメータと感度パラメータ、形状、ダイの大きさ、ダイの形状、ダイのピッチ、行数、列数などのその他の情報に関する制約条件を入力するユーザコンソール22、現在カメラが見ている画像または以前に記録した期間のカメラにより検査した画像を表示するディスプレイ24、入力された欠陥のないダイを記録し、それからモデルを構築し、モデルと比較して他のダイと比較解析し、処理およびメモリ機能を有するコンピュータシステム26や他のコンピュータと同様の機能を有する装置、フレーム30、フード32、制御パネル34、システムパラメータディスプレイ36、対象物38.および光ファイバ暗視野照明装置40とを備えている。
【0053】
一般に、暗視野照明装置は、1つ以上の照明アームを有することができ、その各々が光源を有している。一実施形態において、暗視野照明装置は、単一光発生部を有し、そのパワーが分光的にフィルタされ、集光され、空間的に均一にされ、および/または1つ以上の照明アーム間で分割される。その代替として、各々の照明アームにそれ自身の光発生部を設置してもよく、そのパワーが分光的にフィルタされ、集光され、空間的に均一にされる。図2に示すように、複数の照明アームが設けられているこれらの実施形態において、各々の照明アームが、照明領域の周囲の特定の位置から光を出射し、検査カメタのレンズ台とその他の各種機械的構成要素に対して十分な空間的間隔を置いて照明領域を照明する。5つの照明アームが照明されるが、より多くまたはより少ないアームを設けてもよいことを理解するであろう。一般に、ウェハからの特定の反射が撮像光学により正常に集光されないよう照明領域を照明するために、各照明アームから垂直な平面に対し大きな入射角で照明をする条件で、照明領域に対しどのような所望の方法でも照明アームを配置することができる。このように、欠陥のない状態は、暗黒として視野に現れるので、そのため「暗視野」という名で呼ばれている。暗視野照明の数値条件を以下に示す。集光(または撮像)光学が、集光光学に光が入射できる最大角を定義する特徴的な開口数NAを有している場合、暗視野照明システムは、NAよりも大きい有効な開口数で光を出射すべきであり、集光光学に光が入射してスペキュラ反射しない。
【0054】
一般に、集光光学が近法入射角方向に配置され、かつ照明光学が集光光学の視野の「外部」にある大きな入射角の条件に暗視野システムを制限する必要はない。例えば、照明と集光システムの位置を、集光システムに囲まれた照明システムと逆にしてもよい。または、特定の角度や方位は、レンズの瞳の中に物理的に閉鎖し得る。本明細書では、集光光学は近法入射角方向に配置され、照明光学は集光光学の十分開口数以上の近かすめ角で配置されているものとする。
【0055】
光S/N比に関しては、最大集光角と最小照明角間の差異を最大にすることが望ましい。例えば、集光光学の開口数が0,8である場合には、伝播角が53度未満の視野の全ての光を集光する。照明システムが81度±2.5度の入射角で光を照明する場合には、最小照明角は78.5度になり、照明と集光帯域間の角度分離は25.5度になる。この比較的大きな角度は視野内の小さい対象物や粒子を検出するS/N比を改善する。
【0056】
本明細書では、システムが動作中であるとき、照明領域が照明される領域として定義されるものとする。システムが動作中でなかったり、光源がパルスの間にないときでも、光源から光を受光していなくとも照明領域が依然として存在することが理解される。
【0057】
分解した状態の照明装置40の概略図を図2に示す。光源により照明システムに対して光が発生される。この光源は一実施形態であり、すなわちストローブランプ42である。カメラ(図1の構成要素20)により画像が撮像されるごとに、ストローブランプ42が光を発して、短い時間期間、照明領域を照明する。ストローブランプ42を使用することは、移動ステージから移動されるウェハと共に連続的に動作する光源を使用する場合に起こるかも知れないボケを低減する際に効果的である。一実施形態において、ランプの波長スペクトルは広いが、このように希望する場合には、より狭い波長スペクトルを出力するようにすることもできる。
【0058】
ストローブランプ42から照明されると、ビームは波長が約280nmから400nmの間の波長を阻止する波長検出フィルタ41を通り、約400nmより長い波長を通過させる。ただし、この波長範囲は単なる一例であり、何らかの適切なフィルタを使用してもよい。その代わりに、フィルタを使用せずにフィルタを削除してもよい。
【0059】
そして、波長フィルタされたビームは、集光レンズ45に入射するが、このレンズは球面でも非球面でもよく、また薄い反射防止膜で被覆してもよい。充分に長く、薄く、透明で平行六面体の集光レンズ45は、混合バー43に光を向ける。混合レンズ43の縦方向の端部に光が入射し、縦方向の他端の混合バー43から光が出射されるまで全内面反射を繰り返す。混合バー43からのパワーは、強度と特定の開口数内の角スペクトルが本質的に均一である。
【0060】
集光レンズ45と混合バー43の組み合わせをヘッド44と呼ぶことができる。
【0061】
混合バー43からのパワーは、複数のファイババンドル48に結合し、各ファイババンドル48が、それら自身の光学セットにより照明領域に光を向ける。ある実施形態において、照明領域は、半導体と超小型電気機械的装置の製造に使用される種類のウェハの全部または一部を照明領域が規定する。バンドルに使用されるファイバは、ある実施形態のマルチモードファイバにあり、これは特定の開口数内の光を効果的に結合する。混合バー43からファイババンドル48への効果的な結合を実現させるには、ファイババンドル48の開口数を、混合バー43から出射されるビームの開口数に一致させることができる。ファイバはバンドル状に配置され、これは円筒状であるか、他の従来のある形状であるか、各端で別の形状または構成を持ち得る。
【0062】
ファイババンドル48は、照明角内のウェハやその他の対象物に光を向け、カメラを取り囲むように設置され、大きな入射角で照明領域に光を向ける。大きな間隔になるように照明光学が設計されているので、カメラと他の機械的構成要素は動作や調整するのに十分なスペースがある。
【0063】
各ファイババンドル48は、直角プリズム52に結合され、プリズムの底辺で反射した後にバンドルから出射するビームを90度に回転させる。プリズムの出射面は発散円筒状面を有し、ビームをx方向に発散させて、y方向にビームがほとんど変更されない。そのようなプリズムは製造するのが簡単であり、通常45/45/90プリズムとして最初に製造され、後でその上に円筒形の表面が研磨されて磨かれる、このプリズムの代わりに、出射プリズム面にシリンドリカルレンズを装着してもよいため、円筒状面をプリズム上に直接製造する必要はない。図示のように、90度が好ましいため、全光路は装置内部の小さな容積に適合させることができる。90度の回転プリズムが示されているが、何らかのその他の適切な回転角でもよい。同様に、1回も屈折しない場合を含む任意の内部反射数の何らかのその他の適切なプリズムを使用してもよい。またその代わりに、ビームを全く回転させないが、単に円筒状光パワーを有する構成要素によって回転プリズムを置き換えてもよい。例えば、プリズムを全く用いないで、シリンドリカルレンズをファイババンドルに装着してもよい。
【0064】
x,y方向で光パワーが異なるアナモルフィックミラー54でビームが反射される。また、アナモルフィクミラー54は1つまたは2つの方向に沿って非球面項を有し、収差を訂正しビームの頭相面の波長品質を改善する。アナモルフィックミラーを非法入射角で使用してもよいため、入射と出射ビームは互いに干渉もせず、阻止もしない。その代替として、アナモルフィクミラーの代わりにアナモルフィックレンズを使用してもよく、この場合、アナモルフィックレンズを軸上に用い1つまたは両方向に沿って非球面項を有して収差を訂正することができる。
【0065】
プリズム52と鏡54の組み合わせは、照明アーム46つまりアームの一部と見なすことができる。
【0066】
鏡54で反射した後、大きな入射角で照明領域にビームが入射する。ミラー54から出射されるビーム形状は楕円形であるため、カメラからまたは近法入射角で見たとき、照明された照明領域はほぼ円形である。
【0067】
図3は、近法入射角でカメラの視点からのウェハ56の照明領域50を示す。照明アーム46A〜46Eは,照明領域50の周囲に配置され、これは基本的に照明領域に対応する。全ウェハ面を検査するために照明領域50がウェハ56よりも小さいので、照明領域50に関してウェハ56を検査できる。ウェハ全体56を自動的に走査できるコンピュータ制御移動ステージにウェハを配置し、検査システムは画像を取得し、取得した画像を記憶し、取得した画像を処理する。その代わりに、ウェハを固定した状態にしておいて、照明と撮像光学を移動させてもよい。
【0068】
図4,5は、光線例をその全体にわたり示した照明アーム46光学の拡大図を示す。ファイババンドル(図示せず)から光が出射し、プリズム52の入射面51に入射する。ファイババンドルの出射面は、拡張された光源と見なすことができ、バンドルでの位置にかかわらず、均一なサイズと方位の円錐内に光が放射する。これは入射面51に接近して光バンドルを注意深く検査することで図4に視覚的に見ることができる。プリズムの底辺53で光が反射し、プリズム52の出射面55の方向に伝播する。出射面55は別の方向である1つの方向にのみビームを発散する円筒状部57を有しており、ファイババンドル開口数により決定された発散特性で伝播し続ける。プリズム52から出射後に、x,y方向でパワーが異なるアナモルフィック反射鏡54でビームが反射する。その後、大きな入射角でウェハ56の照明領域50にビームが入射する。
【0069】
図6は、1つの照明アーム46だけを概略的に示した照明システム40の透視図である。ウェハ56上の照明領域50は、垂直な面65から見たとき通常円形である。図6と同じ形状が図7の側面図に示されている。入射角64をかなり大きくできる。
【0070】
図8は、照明システムの関連する形状の規定に有用なある構成と共に光学系の一部を示す。検査中のウェハ61は照明領域62を有し、ほぼ法入射角から見たときこの領域はほぼ円形である。法入射角ということは、観測者やカメラがウェハ61から離れて位置しており、その垂直な面65にほぼ平行な視角を有することを意味する。照明領域62はその周方向に設置された照明アームの各々から光を受光する。5つ以上の場合を含む任意の数の照明アーム46を設置してもよい。
【0071】
照明領域62の特定の位置に集束する光円錐63が示されている。この光円錐63は、照明ビームの全範囲を示していないが、1つの照明アームからの特定の位置に到達する全ての光を示している。光円錐63は特定の入射角64で到来し、このことは重要である。暗視野照明において、照明の入射角は十分に大きいので、ウェハ61の平坦な部分で発生するスペキュラ反射が適切に大きな角度で反射し、カメラにより集光されない。一般に、照明の入射角が大きくなるほど、それだけ良くなる。集光光学の開口数が0.8であるシステムの場合、暗視野照明の最小入射角はsin−1(0.8)つまり約53度である。入射角がなおそれよりも大きいか、81度と同じかそれ以上であるのが好ましい。
【0072】
入射円錐63は、点線68で定義された特定の入射面と垂直な面65を有している。厳密に言えば、光円錐内の各光線は、それ自身の入射面を有しているが、本明細書では、全円錐63に対する入射面は、円錐63の中心光の入射面として定義するものとする。
【0073】
光円錐63が通常非対称であり、入射角範囲66と横方向の角度範囲67により定義できる楕円角プロフィールを有しており、周方向角度範囲とも呼ばれている。円錐63内の全ての光線に関して、ウェハ61の真の入射角は、入射角度範囲64±半分の入射角範囲66にある。横方向の角度はウェハ61の入射角に影響を与えない。一般に、入射角範囲66を最小にすることが望ましいため、照明はより均一になる。以下の議論において、入射角範囲を含む縦方向は「x」方向と呼ばれ、これに対して、横方向の角度範囲は「y」方向に沿って延びる。
【0074】
照明領域62の各位置は、それ自身の入射光の光円錐を有しており、光円錐63を1つの特定の位置のみ図8に示している。視野内の全ての位置に対して光円錐63が基本的に同じ大きさであり、入射角範囲66と横方向の角度範囲67が視野全体にわたり本質的に不変であることを留意することは重要である。換言すれば、視野全体にわたり角スペクトルは均一である。これは極めて望ましい特徴であり、装置の感度が視野内の位置とは無関係であることを確実なものにするのを助長する。
【0075】
これらの角度範囲に、以下に議論する近軸光線追跡から得たある値をこれらの角度範囲に加えることは必須ではない。これらの値は一例であって、図9に示す量のいくとかの意味を明確に示すために提示したものである。
【0076】
x方向において、公称入射角64と入射角範囲66の両方は、視野全体にわたり、または同時に、全照明領域50にわたり全く不変である。照明領域内のあらゆる点に関して、公称入射角64は81度である。同様に、照明領域のあらゆる点に関して、全入射角は5度である。換言すれば、照明領域50のあらゆる点に関して、81度±2.5度の範囲の入射角で光が到来する。
【0077】
y方向において、横方向の角度範囲67は、視野全体にわたり不変であるが、横方向の公称入射角は位置とともに変化しない。照明領域50の中心において、0度±0.4度の範囲の横方向の角度で光が到来する。視野の一端において、7.5度±0.4度の範囲で光が到来し、他端において、−7.5度±0.4度の範囲で光が到来する。そのため、横方向の角度範囲67は、照明領域50の全ての点に対して0.8度である。
【0078】
角スペクトルは、入射角範囲66と横方向の角度範囲67の組み合わせを考慮し得る。これらの量の両方が、照明領域50の全ての点に対して不変であることを示した上記の議論から、角スペクトルが照明領域50で不変であるとも言える。また、公称入射角64は視野全体にわたり不変である。
【0079】
図8に示した光円錐63は、照明領域62の1つの特定の検査点に対する1つの照明アームのパワーを示す。照明アームからの全出力ビームは、このうち1つが照明領域62の各々の位置に対するものである光円錐63の集合体である。複雑な照明系が多数の照明アームを有する下記に述べる照明アームから生成された出力ビームは、異なる横方向からでないウェハ61の同じ領域62を照明する。下記の説明は全システムの任意のまたは全てのアームに適用し得るが、下記の説明の大半は単一の照明システムに適用される。
【0080】
ファイババンドルからウェハまで、または対象物までの構成要素は、これらの構成要素のレイアウトが重要である点において我々にとって特別な興味がある。これらの構成要素の特殊なものに対処するために、実際的な光線追跡を使用する。図9は、近軸光線追跡に使用される光学系の概略図を示す。光線追跡から、x,y方向の発散円柱物と反射鏡の必要なパワーが決定される。
【0081】
図9の最左端に示すマルチモードファイババンドルは、特徴的な開口数NAを有する回転対称な光円錐に効果的かつ均一に光を放射する。好適なファイババンドルの場合、NAはほぼ0.1519である。ファイババンドルから大気中に光を放射する場合、放射円錐はsin−1NAに等しい半分の角度を有するだろう。プリズムにファイバが結合されているので、ファイバから出射される光はプリズムに入射し、プリズム内部の放射円錐は、sin−1(NA/nglass)に等しい半分の角度を有している。ここで、nglassはプリズムの屈折率である。LaSFN9などの高屈折率ガラスがプリズムに使用することができ、これは550nmの波長で1.8558の屈折係率nglassを有している。その代替として、BK7やその他の公知のガラスなどの他のガラスを使用してもよい。ファイババンドルの必要な大きさはまだ理解されていない。
【0082】
ファイババンドルから出射されるビームはガラスプリズムに入射し、最初に90度だけビームを曲げ、それからプリズムの出射面の円筒状面を通してビームを通過させることでx方向にビームが発散する。プリズムは、例えば1.8558などの屈折率nglassを有している。プリズムの底辺からの反射前または反射後の両方の経路を含むnglassにより規定される軸上距離伝播する。照明系の空間要件を満たすために、例えば、公称約0.5mmの正方形の小さなプリズムを使用する。出射面に延びるプリズムの出射面の円筒状構成要素により、プリズム内でビームが伝播した実際の軸上距離は0.5mm未満である。異なる寸法のプリズムに他の適切な値を使用できるが、好適な厚さtglassは約0.474mmである。
【0083】
プリズムの出射面の円筒状面は、Φ1xの表面パワーを有しており、yに沿った対応するパワー要素Φ1yがゼロである。ビームは大気中に放射されるため、出射屈折率n1’は1である。Φ1xの表面パワーを生成する曲率は、c1x=Φ1x/(n1’−n1)またはc1x=Φ1x/(1−nglass)から得られる。曲率半径R1xはR1x=1/c1xで与えられる。ただしy方向に沿った光パワーはない。
【0084】
プリズム上の発散円柱物から出射されるビームは、アナモルフィック反射鏡に入射する前に大気中で距離t1’だけ進む。光線追跡に使用される通常の記号慣習に従い、距離t1’をt2と表記することができ、両者は数値的に等しく、交換不能である。この両方ともまだ決定されていない。ビームは大気中を進むため、屈折率n1’=n2=1である。
【0085】
アナモルフィック反射鏡は、Φ2x,Φ2yで示されるそのx,y方向に沿ってパワーが異なる屈折面を有しており、その他の適切な種類の反射鏡も使用可能であるが、反射鏡は高い屈折率誘電薄膜スタックであってもよい。入射と屈折面が両方とも空気であるこの種の反射鏡の場合は、入射屈折率n2は1であり、出射屈折率n2’は1である。所与のパワーを生成する鏡の曲率は、c2x=Φ2x/(n2’−n2)またはΦ2x/2で与えられる。同様に、c2y=−Φ2y/2で与えられる。曲率半径はR2x=1/c2xおよびR2y=1/c2yで与えられる。
【0086】
反射鏡で反射された後、ビームは対象物まで距離t2’進む。従来の代表的な光線追跡によれば、両方の距離t2’と屈折率n2’値は鏡で反射後、負になる。これは単に数値上の便詮のためであり、反射したビームが入射ビームとしてほぼ反対方向に進むことを単に意味している。なお、距離t2’はまだ決定されていない。
【0087】
検査されるウェハ位置が対象物である。入射ビームがウェハのほぼ円形の領域を照明することが好ましい。入射ビーム大きな入射角Iで対象物に入射するので、システムから出射するビームのフットプリントは、非対称でなければならいため、垂直に入射するカメラは一般に対称照明領域を見るだろう。ここで入射面がx方向である下記の形状を考えてみると、対象面に対してy軸は平行である。y方向に沿ってカメラから見た照明領域は、y方向つまり2Fに沿った入射ビームと同じ大きさである。x方向に沿って、(2FcosI)の大きさの入射ビームが、垂直に入射するカメラから見たような大きさの領域2Fを照明する。そのため、入射ビームはcosIの倍だけx方向に沿って小さいが、垂直方向に入射するカメラは直径2Fの大きさの照明円を見ることになる。大きな入射角の場合、圧縮係数cosIはかなり重要である。例えば、約81度つまり(cos81度)も好ましい入射角は0.1564に等しく、約6のアスペクト比のビームが得られることになる。このような高アスペクト比を用いても、それに対応して大きな入射角は、近法入射角でカメラから見てほぼ円形のビームを生成する。その他の適切な値を用いることができても、Fの好適な値は10mmである。
【0088】
下記に述べる光線追跡により、負の円筒物と反射鏡の円筒状パワー、並びに平面間の距離を得ることができる。
【0089】
各面のパワーΦを与えると、表面間の屈折率n、表面間の厚さiを公知の近軸屈折伝達方程式を用いて、図9の光学系により光を追跡できる。
【0090】
近軸屈折方程式により、パワーΦの表面で屈折後、出射光角(光軸に対して)u1’を生成する。
【0091】
n’u’=nu−yΦ
ここで、uは入射光角、yは表面での入射と出射光高さ、nとn’はそれぞれ入射と出射屈折率である。屈折率が無限であり、光線角が半径であり、光高さがmmであり、表面パワーがmm−1である。
【0092】
近軸伝達方程式は、前の面と現在の面の間の距離tだけ伝播後、表面での光の高さy’を予測する。
【0093】
y’=ytu
ここで、yは前の面での光高さであり、uは前の面と現在の面間の光の角度(光軸に対して)。光度は半径であり、光高さと距離は両方ともmm単位である。
【0094】
上記の近軸屈折伝達方程式は、図8の多数の面を有する光学系を通る光線追跡の代替として使用される。面間の厚さは同じであるが、各面のパワーを異ならせて、x,y方向に個別に光線追跡を実行する。
【0095】
光学系にある最初の仮定が成される。第1に、対象物上にファイババンドルの瞳の画像を形成することが望ましい。ファイババンドルの場合、ハンドルの瞳は無限にあるので、それゆえx,y両方向の光学系の後側焦点面上の対象物の位置を特定する。第2に、対象物の円形部を照明することが望ましい。照明は大きな照明角であるので、入射ビームは非対称形状でなければならない。それゆえ、光学系はx,y方向に異なる倍率か、または同様に、x,y方向に沿って異なる焦点長でなければならない。光学系の前側焦点面にx方向にファイババンドルを配置することを選択したので、ファイババンドルでの強度の空間変動は対象物で最小に抑えられる。ただし、y方向の光学系の前側焦点面を明確に制限しない。
【0096】
図9に概略的に示した光線追跡の目標は、円筒状パワーΦ1x,Φ2x,Φ2yと距離t2,t2’を得ることである。光線追跡の固定値はプリズムnglassの屈折率(例えば、1.8558に等しい)、プリズムnglass内部の進んだ距離(例えば、0.474mmに等しい)、ファイババンドルから出射するビームの開口数NA(例えば、0.1519に等しい)、および対象物2Fでの照明直径(例えば、20mmに等しい)。4つの光線が追跡され、縮尺を調節していない各光線を概略的に図9に示す。
【0097】
最初に、y方向に沿った光線を追跡する。中間計算を省略すると、y方向Φyの光学系の全パワーがy方向Φyの反射パワーに等しく、両方ともΦy=Φ2y=NA/Fで与えられることが分かった。NA(0.1519)とF(10mm)が好適な値の場合、Φ2y=−0.01519mm−1であり、−131.7mmの反射鏡半径R2yになる。
【0098】
次に、y方向の光線2を追跡した。再び、中間計算を省略すると、反射鏡と対称物t2’間の軸上距離がt2’=−F/NAで与えられることが分かった。上記の好適な値を用いると、t2’は−65.8mmになる。この値は負であり、このことは、入射と出射ビームが反射鏡の同じ側にあることを意味し、これは鏡の場合当たり前のことである。
【0099】
続いて、x方向の光線3を追跡した。光線3から2つの情報を取得した。まず、x方向のシステムの全光パワーがΦx=NA/(FcosI)で与えられる。好適な値の場合、x方向の全光パワーは約+0.0971mm−1である。次いで、厚さt2とパワーΦ2xの間の関係が(t2)(Φ2x)=1−[(tglass/nglass)(NA)/(FcosI)]で与えられる。
【0100】
最後に、x方向の光線4を追跡し、(t2)(Φ1x)=1−(1/cosI)で与えられる厚さt2とパワーΦ1xの間の関係が求められる。
【0101】
上記の2つの式と公知の関係Φx=Φ1x+Φ2x−(t2/n2)(Φ1x)(Φ2x)を組み合わせて、残りのパワーと厚さを表す式を得る。
【0102】
発散円柱物のx方向に沿ったパワーは、
Φ1x=[1−(1/cosI]/[(FcosI/NA)−{(tglass/nglass)/cosI)}]
で与えられる。
【0103】
上記に示した好適な値の場合、Φ1xは−0.622mm−1であり、+1.375mmの半径R1xを与える。
【0104】
反射鏡のx方向に沿ったパワーは、
Φ2x=[1−(tglass/nglass)(NA)/(FcosI)]/[(FcosI/NA)−{(tglass/nglass)/cosI}]
で与えられる。
【0105】
上記に示した好適な値の場合、Φ2xは0.1125mm−1であり、−17.77mmの半径R2xを与える。
【0106】
発散円柱物と反射鏡対象物間の軸上厚さt2(または、同様にt1’)は、
t2=(FcosI/NA)−[(tglass/nglass)/cosI]
で与えられる。
【0107】
上記の好適な値の場合、t2は+8.666mmである。
【0108】
x方向の光線4の追跡から得られる残りの量が存在する。ファイババンドルがシステム(x方向)の前側焦点面に位置しているので、バンドルの特定の点から発する全ての光線は、同じ角度(x方向)で対象物に到来する。その結果、ファイババンドルの大きさが対称物に到来する入射角(x方向)範囲を決定することが明らかである。バンドルが極度に小さい場合には、全ての光線は正確に同じ入射角で到来し、入射角は基本的にゼロになるだろう。放射分析上の理由により、バンドルを極度に小さくすることはできないため、システムを光が通過しないだろうことは明らかになる。対象物(大きなバンドルが適切)での放射分析パワーと対象物(小さなバンドルが適切)での入射角の均一性間の関係の妥協に基づき、入射角(x方向)の半範囲の妥当な値は約2.5度である。半範囲HRの入射角の場合、バンドルHの要求された半高は、H=(tanHR)(FcosI)/NAで与えられる。上記に示した代表的な値と2.5度の半範囲HRの場合、ファイババンドルの要求された半高は約0.45mmである。換言すれば、ファイババンドルの半径が0.45mmである場合、全ての照明は81度±2.5度の入射角で対象物に到来する。性能が改善されている場合、照明角と集光角の間の差異は重要になる。そのため、対象物から離れたスペキュラ反射は、集光光学の充分外側で起こる。
【0109】
様々な面の曲率半径がいったん決定されると、非球面および/または円錐項をそれらの1つ以上に任意に追加して、ビームの収差を低減できる。これらの非球面項目は、Oslo,ZEMAX,CodeV、およびその他などの入手可能なレイトレーシングプログラムにより最も容易に処理される。
【0110】
図9に示すシステムの近軸光線追跡に基づいて、パワー値、曲率半径、および厚さが解析的に決定されるが、対応する光線追跡の数値を示す必要がある。これらの値は、図10に示す光線追跡スプレッドシートに示されている。スプレッドシートにより決定されない入力値は厚さ制限セルに示されている。
【0111】
様々な光線を追跡したが、これらには対象物の中心と両端を通る光線と、ファイババンドルの中心と1端を通る光線が含まれる。システムが対称であるので、ファイババンドルの他端を通る光線は不要である。図9の光線1から4は図10に示されている。
【0112】
図10のスプレッドシートの幾つかの注目すべき特徴が存在する。高さが−0.449mmから+0.449mm間で、開口数が−0.1519から+0.1519の間でファイババンドルから全ての光線が発する。y方向に−10mmから+10mmの間で、x方向に−1.564mmから+1.564mmの間の高さの対象物に全ての光線が到来する。上述したように、x方向に効果的にビームが拡大され、垂直に入射するカメラに対して、y方向に同じ大きさのビームとして現れる。
【0113】
x方向において、−0.0437ラジアンから+0.0437ラジアンの間の入射光傾きか、または同様に、−2.5度から+2.5度の間の入射光で全光線が到来する。入射面にx方向があるので、±2.5度の範囲は対象物で入射角範囲になる。
【0114】
これに対して、y方向において、−0.138ラジアンと+0.138ラジアン間の傾きか、また同様に、−7.9度から+7.9度間の入射角範囲のより大きな角度範囲を入射光が有している。y方向が対象面に平行であるので、x方向と異なり、このむしろ大きな角度範囲は、入射角範囲に何の影響も与えない。対象物から見て、垂直に入射するカメラの視点からこのy範囲を視覚化することは最も容易である。照明アームを12時の近くに位置する照明アームを備える対象物に重畳されたクロック面を考えた場合、照明を受光する中心で直径20mmの円形部は、約11:45から12:15の間で発する光線から受光する。実際の視覚検査部では、5つの照明アームが使用され、上記で考えた全360度のクロック面の周囲で約72度だけそれぞれ離れている。5つより多いまたは少ない照明アームも同様に使用できることが理解される。
【0115】
ここまでで、近軸レイアウトを要約する必要がある。マルチモードファイババンドルから出射される光は、その出射面上に発散パワー円筒状面を有する90度の回転プリズムを通過し、アナモルフィックミラーで反射し、非ゼロ入射角で対象物を照明する。基本的に垂直に入射するカメラから見たとき、照明領域は通常丸い。x,y方向のプリズムの後側焦点面に対象物がある。一方、x方向のシステムの前側焦点面にファイババンドルがある。対象物の照明領域の大きさは、ファイババンドルの開口数に正比例する。照明アームからの出射角範囲は、ファイババンドルの大きさまたは空間的な範囲に正比例する。
【0116】
全ての構成要素が光軸の近くに中心があるかのように近軸レイアウトがなされるが、実際、垂直に入射しない面を有するために、これらの構成要素を曲げたり折り重ねたりできる。例えば、近軸光線追跡の軸上構成要素としてアナモルフィックミラーが有効に扱われるが、いったんパワーと距離を決定すると、実際の部分は有限の軸上入射角を持ち得る。明確な開口要件によりこれらの角度が最もよく決定され、ここでは、入射も反射ビームも構成要素によって不注意で阻止されない。対象物に対して入射ビームが傾くため、照明角の中心は予め定めたz間隔、すなわちx,y両方向の後側焦点面に位置付けなければならない。
【0117】
結果として得られたシステムは、公知の照明光学系に見られない多くの利点を有している。例えば、この利点としては、コンパクトな光学系、大きなフォーマット(直径20mmの照明領域)、照明領域全体にわたり均一な照明、照明領域全体にわたり均一な角スペクトル、小さな入射角範囲、広い周方向方位角(または同様に、大きな横方向角度範囲)、および比較的明るい等が挙げられる。これらの利点を有する結果として、ウェハ検査システムは、視野内の粒子位置と方位を検出しない。
【0118】
これまで行った全ての議論では、縦方向に発散パワーを有し、横方向にパワーを有しないプリズムの出射面の光パワーは、基本的に円筒状があると暗黙的に仮定している。別の実施形態として、横方向ではない、プリズムの出射面の両方向にパワーが出力される。換言すれば、出射面はアナモルフィック光パワーの構成要素を有することができ、ここでは、縦方向と横方向のパワーは等しくなく、第1のアナモルフィック部材と呼ぶことができる。同様に、アナモルフィックミラーやレンズは、第2のアナモルフィック部材と呼ぶことができる。
【0119】
この実施形態の光路は、基本的に円筒形の実施形態と類似しており、図11に示されている。マルチモードファイババンドル(図示せず)の端部から出射する光は、その入射面92を通して回転プリズム91に入射し、プリズムの底辺で反射し(他の適切な形状が使用可能であっても)、出射面93を通して回転プリズム91から出射される。出射面93は、縦方向と横方向に光パワーを有する第1のアナモルフィック部材を備えている。第1のアナモルフィック部材94は、出射面93表面のアナモルフォック俯角であっても、出射面に装着されたアナモルフィックレンズであってもよい。プリズム91から出射されるビームは、鏡かレンズである第2のアナモルフィック部材95に伝播する。第2のアナモルフィック部材97から出射されるビームは、垂直な面97に対して大きな入射角で照明領域96に入射する。
【0120】
上記の実施形態の場合、ファイババンドルの瞳の画像を照明領域に形成することがなお望ましく、縦方向の後側焦点面と横方向の後側焦点面を照明領域に配置して確実なものとすることができる。また、照明領域全体にわたり均一な公称入射角を有することも望ましいので、縦方向の前側焦点面にファイババンドルを配置する。この実施形態の場合、横方向の前側焦点面の位置は中間にあるため、縦方向の前側焦点面と一致または一致しないかも知れない。
【0121】
追加実施形態として、アナモルフィック部材や純粋な円筒状部よりは、むしろプリズムの出射面に回転対称部を設けるつまり装着してもよい。
【0122】
ここで述べた本発明の説明とその応用は、単なる一例を示すものであり、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。ここで開示した実施形態の変形と変更が可能であり、実際的な代替物と実施形態の各種構成要素の均等物は、本明細書を詳細に検討すれば当業者に理解されるであろう。ここで説明した実施形態のこの変形と変更は、添付したクレームに示すように、本発明の範囲と精神から逸脱することなく成し得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】ウェハ検査システムの斜視図である。
【図2】照明システムの平面図である。
【図3】照明アーム、照明領域、およびウェハの上面図である。
【図4】円筒状部とアナモルフィック反射鏡を有する回転プリズムの平面図である。
【図5】円筒状部、アナモルフィック反射鏡、照明領域、およびウェハを有する回転プリズムの平面図である。
【図6】照明アーム、照明領域、およびウェハの斜視図である。
【図7】照明アーム、照明領域、およびウェハの側面図である。
【図8】検査時のウェハの照明領域の特定の位置で受光した光円錐の斜視図である。
【図9】照明アームの光学系の近軸表現の概略図である。
【図10】図8のシステムの数値近軸光線追跡を示すスプレッドシートである。
【図11】出射面を通して回転プリズムから出射される光円錐の斜視図である。
【技術分野】
【0001】
(関連出願相互参照)
本出願は2004年7月12日に出願された米国仮出願第60/587,206号の出願日の恩恵を享受することを要求し、その出願全体をここで参照として援用する。
【0002】
本発明は材料の検査に関し、より詳しくは、材料の暗視野検査照明装置、材料の暗視野検査システム、および暗視野検査をする対象物の照明方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの製造プロセスが、ウェハベースの技術を使用し、これらのウェハ上でますます小さくなる回路部品を使用しているので、製造プロセスの様々な段階でウェハの欠陥を検査することが日増しに重要になってきている。ウェハ検査システムは、これらの厳しい要求の増大と歩調を合わして登場してきた。
【0004】
典型的なウェハ検査システムにおいて、検査カメラの下にウェハを移動する移動可能ステージにウェハが置かれている。ウェハの一部の画像をカメラが撮像し、公知の画像処理技術を用いてそれを処理する。視野内のいかなる欠陥も検査システムによりウェハ上にマークされるか、データファイルに記録されるので、その後の製造ステップ時に欠陥の訂正や欠陥発生の回避をすることができる。そして、移動ステージがウェハを次の位置に移動して、ウェハの使用可能な全領域を検査するまで、プロセスが繰り返し実行される。この検査プロセスにより、製造プロセスの出来るだけ早い段階で欠陥材料を特定除去することで、歩留まりと効率を改善できる。
【0005】
ベアで平坦で回路部品が形成されておらず、ウェハの検査に特に適している検査システムのあるものは、「暗視野」として知られている。暗視野検査システムにおいて、撮像光学にスペキュラ反射しない入射角で照明が行われる。ウェハの視界内に3次元の回路部品も欠陥も存在しない場合には、照明ビームはスペキュラ反射をし、撮像光学によって捕捉されない。換言すれば、暗視野検査システムにおいて、欠陥のないウェハは撮像カメラに暗視野として現れる。小さな粒子すなわち大きさが5ミクロンの粒子は、様々な方向に一部の光を反射したり散乱したりするが、これには撮像カメラに入射する光が含まれる。そのため、小さな粒子や欠陥は、暗視野システムの視野に明るい点として現れる。その他には、暗視野システムは、その上に回路部品が形成されたウェハにも使用できる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
暗視野システムを照明することは、検査システムの全性能に大きな影響を与える。例えば、暗視野顕微鏡の照明に使用された装置に類似した「リングランプ」装置は、暗視野ウェハ検査システムに対しそれ程よく動作しない。それらのシステムは、通常暗視野全体にわたり照明が均一でもなく、角スペクトルが均一でもない。その結果、検査システムの感度は、視界全体にわたり変化する可能性があり、これは非常に好ましくない。感度のこの変化のため、各画像に対して追加処理時間が必要となることもあり、そのため、システムの動作速度と効率を低下させてしまう。
(発明の要約)
本発明はコンパクトか、対象物の大きな照明領域を照明するか、ウェハの照明領域にわたり均一な照明と均一な角スペクトルを提供するか、狭い入射角とウェハの照明領域に対し広い周方向方位角を有するか、あるいは対象物の照明領域にわたり明るい暗視野照明システムを提供することが好ましい。本発明の各種実施形態は、1つ以上のこれらの利点をそれぞれ有する。
【0007】
本発明の一実施形態は、対象物表面の暗視野検査照明装置に係わり、この照明装置は、照明領域の近くに配置された複数のアームを備え、各々のアームは、広範囲におよぶほぼ均一な発散光源と、光源に光学的に結合された第1の面と横方向に円筒状光パワーを有する第2の面と有する回転部材と、横方向に第1の光パワーを出力し、縦方向に第2の光パワーを有するアナモルフィック部材とを備え、第1と第2の光パワーが等しくなく、アナモルフィック部材が回転部材の第2の面に光学的に結合されている。
【0008】
本発明の別の実施形態は、対象面の暗視野検査照明装置に係り、この照明装置は、ほぼ対象面のほぼ円形照明領域の近くに配置された複数の照明アームを備え、各々のアームが、広範囲に広がるほぼ均一な発散光源と、光源に光学的に結合した入射面と縦方向に負の円筒状光パワーを有する面を有する結合部と、横方向に第1の光パワーを出力し、縦方向に第2の光パワーを有するアナモルフィック部材とを備え、第1と第2の光パワーが等しくなく、アナモルフィック部材が結合部の出射面に光学的に結合されており、ここで各々のアームが、横方向の前側焦点面、横方向の後側焦点面、縦方向の前側焦点面、および縦方向の後側焦点面を有し、また各々のアームに対して、横方向の前側焦点面と縦方向の前側焦点面が一致しておらず、光源がほぼ横方向の前側焦点面に位置しており、縦方向の前側焦点面と横方向の後側焦点面がほぼ一致しており、照明領域がほぼ縦方向の後側焦点面と横方向の後側焦点面に位置している中心を有し、光源、回転部材、およびアナモルフィック部材が配置され、欠陥のない状態で、対象面からスペキュラ反射させるために、照明面の法線に対し非ゼロ入射角または入射角範囲で照明領域を照明する。
【0009】
本発明の別の実施形態は、対象面の暗視野検査照明装置に係わり。この照明装置は、ほぼ対象面の照明領域の近くに配置された複数の照明アームを備え、各々のアームが、広範囲におよぶほぼ均一な発散光源と、発散光から照明領域を照明する照明ビームを生成する光学部アセンブリと備え、照明ビームが法入射角、入射角範囲、および横方向の角度範囲を有し、ここで法入射角と入射角範囲が照明領域にわたり基本的に不変であり、また横方向の角度範囲が照明領域にわたり基本的に不変であり、さらに照明領域の光強度が基本的に不変である。
【0010】
本発明の別の実施形態は、対象面の暗視野検査照明装置に係わり、この照明装置は、ほぼ対象面のほぼ円形状の照明領域の近くに配置された複数のアームを備え、各々のアームが、横方向の後側焦点面を設定する手段と、縦方向の後側焦点面と横方向の後側焦点面が基本的に一致する縦方向の後側焦点面を設定する手段と、横方向の前側焦点面を設定する手段と、横方向の前側焦点面から離れた縦方向の前側焦点面を設定する手段と、ほぼ縦方向の後側焦点面と横方向の後側焦点面の照明領域の中心位置を特定する手段と、ほぼ縦方向の前側焦点面に広範囲におよぶほぼ均一な発散特性を有する光を照明する手段と、および縦方向の前側焦点面に入射された光からビームを形成する手段とを備え、欠陥のない状態で、対象面からスペキュラ反射させるために、照明領域の法線に対して非ゼロ入射角で入射領域にビームが入射する。
【0011】
本発明の別の実施形態は、対象面の暗視野検査を行うために、各々の光学系により複数の異なる方向から対象面の照明領域を照明する方法に係わり、この方法は各々の光学系に対して、横方向の後側焦点面を設定し、ほぼ一致する縦方向の後側焦点面、縦方向の後側焦点面、および横方向の後側焦点面を設定し、横方向の前側焦点面を設定し、縦方向の前側焦点面から離れた縦方向の前側焦点面を設定し、ほぼ縦方向の後側焦点面と横方向の後側焦点面にある中心によりほぼ円形領域として照明領域を設定し、ほぼ縦方向の前側焦点面に広範囲におよぶほぼ均一な発散特性を有する光を入射し、縦方向の前側焦点面に入射した光からビームを形成するステップを包含し、欠陥のない状態で、対象面からスペキュラ反射させるために、照明領域の法線に対し非ゼロ入射角で照明領域にビームが入射する。
【0012】
本発明の別の実施形態は、ウェハ検査システムに係わり、このシステムが、分光的にフィルタされ、空間的に均一で、広範囲におよぶ発散光源と、光源に光学的に結合され、ほぼ円形の照明領域の近くに周方向に配置された複数のアームと、照明領域に対し法入射角または近法入射角で配置されたカメラとを具備し、照明領域がカメラの視野内にあり、集光レンズに入射する最大集光角を定義する開口数を有する集光レンズをカメラが備え、ここで各々の照明アームが、光源に光学的に結合された入射面と縦方向に負の円筒状光パワーを有する出射面を有する回転部材と、横方向の第1の光パワーと縦方向の第2の光パワーを有するアナモルフィックミラーとを具備し、第1と第2の光パワーが等しくなく、アナモルフィックミラーが回転プリズムの出射面に光学的に結合されており、また各々の照明アームが、横方向の前側焦点面、横方向の後側焦点面、および縦方向の前側焦点面を有し、さらに各々のアームに対して、横方向の前側焦点面と縦方向の前側焦点面が一致しておらず、光源結合がほぼ縦方向の焦点面に配置されており、縦方向の前側焦点面と横方向の前側焦点面がほぼ一致しており、照明領域がほぼ縦方向の後側焦点面と横方向の後側焦点面にほぼ位置している中心を有し、最大集光角よりも大きい照明領域の法線に対し、ある入射角で照明領域を照明するためにアナモルフィックミラーが配置されている。
【0013】
(項目1)対象面の暗視野検査照明装置であって、照明領域の近くに配置された1つ以上の照明アームを備え、上記各々の照明アームが、
広範囲におよぶほぼ均一な発散光源と、
上記光源に光学的に結合された第1の面と縦方向に光パワーを有する第2の面を有する回転部材と、
横方向に第1の光パワーを出力し、縦方向に第2の光パワーを有すると共に、上記第1と第2の光パワーが等しくなく、上記回転部材の上記第2の面に光学的に結合されたアナモルフィック部材と
を具備する暗視野検査照明装置。
【0014】
(項目2)上記回転部材の上記第2の面が横方向に光パワーを有しない、請求項1に記載の照明装置。
【0015】
(項目3)上記回転部材の上記第2の面が横方向に光パワーを有する、請求項1に記載の照明装置。
【0016】
(項目4)上記アナモルフィック部材が鏡を備える、請求項1に記載の照明装置。
【0017】
(項目5)上記アナモルフィック部材がレンズを備える、請求項1に記載の照明装置。
【0018】
(項目6)上記回転部材が、
回転プリズムと、
上記回転プリズム面に装着された発散シリンドリカルレンズと
を具備し、
上記回転部材の第1の面が上記回転プリズムの入射面であり、上記回転部材の第2の面が上記シリンドリカルレンズの出射面である、請求項1に記載の照明装置。
【0019】
(項目7)上記回転部材が入射面と出射面を有する回転プリズムを備え、上記出射面が凹形円筒状面を有し、上記回転部材の第1の面が上記回転プリズムの入射面であり、上記回転部材の第2の面が上記回転プリズムの出射面である、請求項1に記載の照明装置
(項目8)上記各々のアームが、横方向の前側焦点面、縦方向の後側焦点面、縦方向の前側焦点面、および縦方向の後側焦点面を有し、上記各々のアームに対して、
上記横方向の前側焦点面と上記縦方向の前側焦点面が一致しておらず、
上記光源が上記縦方向の上記焦点面にほぼ位置しており、上記縦方向の前側焦点面と上記横方向の後側焦点面がほぼ一致しており、
上記照明領域がほぼ上記縦方向の後側焦点面と横方向の後側焦点面に位置している中心を有するほぼ円形であり、
上記光源、回転部材、およびアナモルフィック部材が配置され、欠陥のない状態で、上記対象面からスペキュラ反射させるために、上記照明領域の法線に対し非ゼロ入射角で上記照明領域を照明する、請求項1に記載の照明装置。
【0020】
(項目9)上記照明装置が、集光レンズに対する最大集光角を定義する開口数を有する上記集光レンズの視野内にあり、入射角が上記最大集光角よりも大きい、請求項8に記載に照明装置。
【0021】
(項目10)上記入射角が約53度よりも大きい、請求項8に記載の照明装置。
【0022】
(項目11)上記入射角が約81度よりも大きい、請求項10に記載の照明装置。
【0023】
(項目12)上記光源が有限スペクトルを有する光を動作可能に生成する、請求項1に記載の照明装置。
【0024】
(項目13)上記光源が高域通過紫外線フィルタを有する、請求項1に記載の照明装置。
【0025】
(項目14)上記円筒状光パワーが発散である、請求項1に記載の査照明装置。
【0026】
(項目15)上記照明装置が5つのアームを備える、請求項1に記載の照明装置。
【0027】
(項目16)対象面の暗視野検査照明装置であって、
ほぼ上記対象面にあるほぼ円形の照明領域の近くに配置された1つ以上の照明アームを備え、上記各々の照明アームが、
光源と、
上記光源に光学的に接続された入射面と、縦方向に負の円筒状光パワーを有する出射面を有する結合部と、
横方向の第1の光パワーと縦方向の第2の光パワーを出力し、上記第1と第2の光パワーが等しくなく、上記結合部の出射面に光学的に結合されたアナモルフィック部材とを具備し、
上記各々の照明アームが横方向の前側焦点面、横方向の後側焦点面、縦方向の前側焦点面、および縦方向の後側焦点面とを有し、
上記各々の照明アームに対して、
上記横方向の前側焦点面と上記縦方向の前側焦点面が一致しておらず、
上記光源がほぼ横方向の前側焦点面に位置しており、
上記縦方向の前側焦点面と上記横方向の前側焦点面がほぼ一致しており、
上記照明領域が上記縦方向の後側焦点面と上記横方向の後側焦点面に位置する中心を有し、
上記光源、回転部材、およびアナモルフィック部材が配置され、欠陥がない状態で、上記光源からのスペキュラ反射させるために、照明領域の法線に対し非ゼロ入射角で上記照明領域を照明する、暗視野検査照明装置。
【0028】
(項目17)上記照明領域が集光レンズに対する最大集光角を定義する開口数を有する集光レンズの視野内にあり、上記入射角が該最大集光角よりも大きい、請求項16に記載の照明装置。
【0029】
(項目18)上記入射角が約53度よりも大きい、請求項16に記載の照明装置。
【0030】
(項目19)上記入射角が約81度によりも大きい、請求項16に記載の照明装置。
【0031】
(項目20)上記光源が有限のスペクトルを有する光を動作可能に生成する、請求項16に記載の照明装置。
【0032】
(項目21)上記光源が高域通過紫外線フィルタを備える、請求項16に記載の照明装置。
【0033】
(項目22)上記アナモルフィック部材が鏡を備える、請求項16に記載の照明装置。
【0034】
(項目23)上記アナモルフィック部材がレンズを備える、請求項16に記載の照明装置。
【0035】
(項目24)上記結合部が回転部材を備える、請求項16に記載の照明装置。
【0036】
(項目25)上記結合部が非回転部材を備える、請求項16に記載の照明装置。
【0037】
(項目26)上記光源が広範囲におよぶほぼ均一な発散光源である、請求項16に記載の照明装置。
【0038】
(項目27)5つの照明アームを備える、請求項16に記載の照明装置。
【0039】
(項目28)対象面の暗視野検査照明装置であって、
複数の照明アームがほぼ対象面の照明領域の近くに配置され、上記各々の照明アームが、
広範囲におよぶほぼ均一な発散光源と、
上記発散光から上記照明領域に向かう照明ビームを生成し、上記照明ビームが法入射角、法入射角範囲、入射角範囲、および横方向の角度範囲を有し、
ここで上記法入射角と入射角範囲が上記照明領域にわたり基本的に不変であり、
上記照明領域にわたり上記横方向の角度範囲が基本的に不変であり、
上記照明領域の光強度が基本的に不変である暗視野検査照明装置。
【0040】
(項目29)対象面の暗視野検査照明であって、ほぼ対象面にあるほぼ円形の照明領域の近くに配置された複数の照明アームを備え、上記各々の照明アームが、
横方向の後側焦点面を設定する手段と、
ほぼ一致している縦方向の後側焦点面、縦方向の後側焦点面、および横方向の後側焦点面を設定する手段と、
横方向の前側焦点面を設定する手段と、
上記横方向の前側焦点面から離れた縦方向の前側焦点面を設定する手段と、
ほぼ縦方向の後側焦点面と上記縦方向の後側焦点面に上記照明領域の中心位置を特定する手段と、
ほぼ縦方向の前側焦点面に広範囲におよぶほぼ均一な発散特性を有する光を入射する手段と、
上記縦方向の前側焦点面に入射した光からビームを形成し、欠陥のない状態で、上記対象面からスペキュラ反射させるために、上記ビームが上記照明領域の法線に対し非ゼロ入射角で上記照明領域に入射する手段と
を具備する暗視野検査照明装置。
【0041】
(項目30)対象面の暗視野検査を行うために、各々の光学系を用いて複数の異なる方向から上記対象面の照明領域を照明する方法であって、上記各々の光学系に対して、
横方向の後側焦点面を設定し、
ほぼ一致する縦方向の後側焦点面、縦方向の後側焦点面、および横方向の後側焦点面を設定し、
上記横方向の前側焦点面を設定し、
上記横方向の前記焦点面から離れた縦方向の前側焦点面を設定し、
ほぼ縦方向の後側焦点面と上記横方向の後側焦点面に中心を有するほぼ円形領域として上記照明領域を設定し、
ほぼ横方向の前側焦点面に広範囲におよぶほぼ均一な発散特性を有する光を入射し、
上記縦方向の前側焦点面に入射した光からビームを形成し、ビームが欠陥のない状態で、上記対象面からスペキュラ反射させるために、上記照明領域の法線に対し非ゼロ入射角で上記照明領域に該ビームが入射する暗視野検査方法。
【0042】
(項目31)上記ビーム形成ステップが、上記集光レンズに対する最大集光角を定義する開口数を有する集光レンズの視野内にビームを形成するステップを包含し、上記入射角が上記最大集光角よりも大きい、請求項30に記載の方法。
【0043】
(項目32)上記ビーム形成ステップの入射角が約53度よりも大きい、請求項30に記載の方法。
【0044】
(項目33)上記ビーム形成ステップの入射角が約81度よりも大きい、請求項32に記載の方法。
【0045】
(項目34)上記ビーム形成ステップがビームを分光的にビームをフィルタする、請求項30に記載の方法。
【0046】
(項目35)ウェハ検査システムであって、
分光的にフィルタし、空間的に均一で、広範囲におよぶ発散光源と、
上記光源に光学的に結合され、ほぼ円形の照明領域の近くに周方向に配置された複数の照明アームを備える光ファイバ暗視野照明装置と、
上記照明領域に対し法入射角または近法入射角で配置され、上記照明領域がカメラの視野内にあり、上記カメラが集光レンズに対する最大集光角を定義する開口数を有する集光レンズを備えるカメラとを具備し、
上記各々の照明アームが、
上記光源に光学的に結合された入射面と横方向に発散円筒形状光パワーを有する出射面を有する回転部材と、
横方向の第1の光パワーと縦方向の第2の光パワーを出力し、上記第1と第2の光パワーが等しくなく、上記回転プリズムの出射面に光学的に結合されたアナモルフィックミラーとを具備し、
上記各々の照明アームが横方向の前側焦点面、横方向の後側焦点面、縦方向の前側焦点面、および縦方向の後側焦点面とを有し、
上記各々の照明アームに対して、
上記横方向の前側焦点面と上記縦方向の前側焦点面が一致しておらず、
上記光源結合がほぼ縦方向の前側焦点面に位置しており、
上記縦方向の前側焦点面と上記横方向の前側焦点面がほぼ一致しておらず、
上記照明領域がほぼ上記縦方向の後側焦点面と上記横方向の後側焦点面に位置する中心を有し、
上記光源、回転部材、およびアナモルフィックミラーが配置され、上記最大集光角よりも大きい照明領域の法線に対し入射角で上記照明領域を照明するウェハ検査システム。
【0047】
(項目36)上記回転部材が回転プリズムを備える、請求項35に記載の方法。
【0048】
(項目37)対象面の暗視野検査照明であって、照明領域の近くに配置された複数の照明アームを備え、上記各々の照明アームが、
光源と、
上記光源に光学的に結合された第1の面と縦方向に光パワーを有する第2の面を有する結合部と、
横方向の第1の光パワーと縦方向の第2の光パワーを出力し、上記第1と第2の光パワーが等しくなく、上記回転部材の第2の面に光学的に結合されたアナモルフィック部材と
を具備する暗視野検査照明装置。
【0049】
(項目38)上記回転部材の第2の面が横方向に光パワーを有しない、請求項37に記載の照明装置。
【0050】
(項目39)上記回転部材の第2の面が横方向に光パワーを有する、請求項37に記載の照明装置。
(概要)
単一の光源から光が幾つかの照明アーム間で分割され、その各々がマルチモードファイババンドルにより光源からウェハ位置まで光を導く。共通の照明領域の周囲に円周上にアームが配置されているので、幾つかの方向からアームが照明される。各々のアームに関して、ファイババンドルから出射する光は、回転プリズムに入射し、プリズムの底辺で反射し、プリズムの出射面上の発散円筒状面により1方向に発散される。そして、アナモルフィックミラーで光が反射して、ウェハの照明領域に伝播する。ビームは非対称フットプリントを有しているので、法入射角を見たとき、ほぼ円形のウェハ領域を照明する。縦方向の前側焦点面にファイババンドルがある。また、両方向の後側焦点面に照明領域がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
(発明の詳細な説明)
本発明は暗視野照明検査システムに関し、特定の製造プロセス時にウェハを視覚的に検査して欠陥を見つけるシステムで通常使用される。ウェハ検査システムの一実施形態を図1に示す。
【0052】
代表的なウェハ検査システム10は、ウェハの上にダイが組み立てられる前にウェハ全体を検査する一実施形態で使用されるが、パターン形成されたウェハ全体、パターン形成されたダイスから立方体に切断されたダイ、鋸で切断されたウェハ、壊れたウェハ、フィルムフレーム上のある種のウェハ、ゲルパックされたダイ、ワッフルパックされたダイ、MCM、JEDECトレイ、Auerボート、および他のウェハおよびダイ形状、パッケージされたもの、パッケージされていないものを検査するために使用し得る。これ以降、これらの全てを使用することもウェハ検査と呼ぶことにする。システム10は、ウェハ検査プレート12、ウェハを検査プレート12に送るアクチュエータ14、同じx,yおよび角度位置つまりx,y,zおよび角度位置の各々または全てを一列にするウェハアラインメント装置16、焦点機構18と、訓練時の欠陥のないウェハの視覚入力と検査時のその他の未知の品質のウェハを視覚検査するカメラ20または他の視覚検査装置、パラメータと感度パラメータ、形状、ダイの大きさ、ダイの形状、ダイのピッチ、行数、列数などのその他の情報に関する制約条件を入力するユーザコンソール22、現在カメラが見ている画像または以前に記録した期間のカメラにより検査した画像を表示するディスプレイ24、入力された欠陥のないダイを記録し、それからモデルを構築し、モデルと比較して他のダイと比較解析し、処理およびメモリ機能を有するコンピュータシステム26や他のコンピュータと同様の機能を有する装置、フレーム30、フード32、制御パネル34、システムパラメータディスプレイ36、対象物38.および光ファイバ暗視野照明装置40とを備えている。
【0053】
一般に、暗視野照明装置は、1つ以上の照明アームを有することができ、その各々が光源を有している。一実施形態において、暗視野照明装置は、単一光発生部を有し、そのパワーが分光的にフィルタされ、集光され、空間的に均一にされ、および/または1つ以上の照明アーム間で分割される。その代替として、各々の照明アームにそれ自身の光発生部を設置してもよく、そのパワーが分光的にフィルタされ、集光され、空間的に均一にされる。図2に示すように、複数の照明アームが設けられているこれらの実施形態において、各々の照明アームが、照明領域の周囲の特定の位置から光を出射し、検査カメタのレンズ台とその他の各種機械的構成要素に対して十分な空間的間隔を置いて照明領域を照明する。5つの照明アームが照明されるが、より多くまたはより少ないアームを設けてもよいことを理解するであろう。一般に、ウェハからの特定の反射が撮像光学により正常に集光されないよう照明領域を照明するために、各照明アームから垂直な平面に対し大きな入射角で照明をする条件で、照明領域に対しどのような所望の方法でも照明アームを配置することができる。このように、欠陥のない状態は、暗黒として視野に現れるので、そのため「暗視野」という名で呼ばれている。暗視野照明の数値条件を以下に示す。集光(または撮像)光学が、集光光学に光が入射できる最大角を定義する特徴的な開口数NAを有している場合、暗視野照明システムは、NAよりも大きい有効な開口数で光を出射すべきであり、集光光学に光が入射してスペキュラ反射しない。
【0054】
一般に、集光光学が近法入射角方向に配置され、かつ照明光学が集光光学の視野の「外部」にある大きな入射角の条件に暗視野システムを制限する必要はない。例えば、照明と集光システムの位置を、集光システムに囲まれた照明システムと逆にしてもよい。または、特定の角度や方位は、レンズの瞳の中に物理的に閉鎖し得る。本明細書では、集光光学は近法入射角方向に配置され、照明光学は集光光学の十分開口数以上の近かすめ角で配置されているものとする。
【0055】
光S/N比に関しては、最大集光角と最小照明角間の差異を最大にすることが望ましい。例えば、集光光学の開口数が0,8である場合には、伝播角が53度未満の視野の全ての光を集光する。照明システムが81度±2.5度の入射角で光を照明する場合には、最小照明角は78.5度になり、照明と集光帯域間の角度分離は25.5度になる。この比較的大きな角度は視野内の小さい対象物や粒子を検出するS/N比を改善する。
【0056】
本明細書では、システムが動作中であるとき、照明領域が照明される領域として定義されるものとする。システムが動作中でなかったり、光源がパルスの間にないときでも、光源から光を受光していなくとも照明領域が依然として存在することが理解される。
【0057】
分解した状態の照明装置40の概略図を図2に示す。光源により照明システムに対して光が発生される。この光源は一実施形態であり、すなわちストローブランプ42である。カメラ(図1の構成要素20)により画像が撮像されるごとに、ストローブランプ42が光を発して、短い時間期間、照明領域を照明する。ストローブランプ42を使用することは、移動ステージから移動されるウェハと共に連続的に動作する光源を使用する場合に起こるかも知れないボケを低減する際に効果的である。一実施形態において、ランプの波長スペクトルは広いが、このように希望する場合には、より狭い波長スペクトルを出力するようにすることもできる。
【0058】
ストローブランプ42から照明されると、ビームは波長が約280nmから400nmの間の波長を阻止する波長検出フィルタ41を通り、約400nmより長い波長を通過させる。ただし、この波長範囲は単なる一例であり、何らかの適切なフィルタを使用してもよい。その代わりに、フィルタを使用せずにフィルタを削除してもよい。
【0059】
そして、波長フィルタされたビームは、集光レンズ45に入射するが、このレンズは球面でも非球面でもよく、また薄い反射防止膜で被覆してもよい。充分に長く、薄く、透明で平行六面体の集光レンズ45は、混合バー43に光を向ける。混合レンズ43の縦方向の端部に光が入射し、縦方向の他端の混合バー43から光が出射されるまで全内面反射を繰り返す。混合バー43からのパワーは、強度と特定の開口数内の角スペクトルが本質的に均一である。
【0060】
集光レンズ45と混合バー43の組み合わせをヘッド44と呼ぶことができる。
【0061】
混合バー43からのパワーは、複数のファイババンドル48に結合し、各ファイババンドル48が、それら自身の光学セットにより照明領域に光を向ける。ある実施形態において、照明領域は、半導体と超小型電気機械的装置の製造に使用される種類のウェハの全部または一部を照明領域が規定する。バンドルに使用されるファイバは、ある実施形態のマルチモードファイバにあり、これは特定の開口数内の光を効果的に結合する。混合バー43からファイババンドル48への効果的な結合を実現させるには、ファイババンドル48の開口数を、混合バー43から出射されるビームの開口数に一致させることができる。ファイバはバンドル状に配置され、これは円筒状であるか、他の従来のある形状であるか、各端で別の形状または構成を持ち得る。
【0062】
ファイババンドル48は、照明角内のウェハやその他の対象物に光を向け、カメラを取り囲むように設置され、大きな入射角で照明領域に光を向ける。大きな間隔になるように照明光学が設計されているので、カメラと他の機械的構成要素は動作や調整するのに十分なスペースがある。
【0063】
各ファイババンドル48は、直角プリズム52に結合され、プリズムの底辺で反射した後にバンドルから出射するビームを90度に回転させる。プリズムの出射面は発散円筒状面を有し、ビームをx方向に発散させて、y方向にビームがほとんど変更されない。そのようなプリズムは製造するのが簡単であり、通常45/45/90プリズムとして最初に製造され、後でその上に円筒形の表面が研磨されて磨かれる、このプリズムの代わりに、出射プリズム面にシリンドリカルレンズを装着してもよいため、円筒状面をプリズム上に直接製造する必要はない。図示のように、90度が好ましいため、全光路は装置内部の小さな容積に適合させることができる。90度の回転プリズムが示されているが、何らかのその他の適切な回転角でもよい。同様に、1回も屈折しない場合を含む任意の内部反射数の何らかのその他の適切なプリズムを使用してもよい。またその代わりに、ビームを全く回転させないが、単に円筒状光パワーを有する構成要素によって回転プリズムを置き換えてもよい。例えば、プリズムを全く用いないで、シリンドリカルレンズをファイババンドルに装着してもよい。
【0064】
x,y方向で光パワーが異なるアナモルフィックミラー54でビームが反射される。また、アナモルフィクミラー54は1つまたは2つの方向に沿って非球面項を有し、収差を訂正しビームの頭相面の波長品質を改善する。アナモルフィックミラーを非法入射角で使用してもよいため、入射と出射ビームは互いに干渉もせず、阻止もしない。その代替として、アナモルフィクミラーの代わりにアナモルフィックレンズを使用してもよく、この場合、アナモルフィックレンズを軸上に用い1つまたは両方向に沿って非球面項を有して収差を訂正することができる。
【0065】
プリズム52と鏡54の組み合わせは、照明アーム46つまりアームの一部と見なすことができる。
【0066】
鏡54で反射した後、大きな入射角で照明領域にビームが入射する。ミラー54から出射されるビーム形状は楕円形であるため、カメラからまたは近法入射角で見たとき、照明された照明領域はほぼ円形である。
【0067】
図3は、近法入射角でカメラの視点からのウェハ56の照明領域50を示す。照明アーム46A〜46Eは,照明領域50の周囲に配置され、これは基本的に照明領域に対応する。全ウェハ面を検査するために照明領域50がウェハ56よりも小さいので、照明領域50に関してウェハ56を検査できる。ウェハ全体56を自動的に走査できるコンピュータ制御移動ステージにウェハを配置し、検査システムは画像を取得し、取得した画像を記憶し、取得した画像を処理する。その代わりに、ウェハを固定した状態にしておいて、照明と撮像光学を移動させてもよい。
【0068】
図4,5は、光線例をその全体にわたり示した照明アーム46光学の拡大図を示す。ファイババンドル(図示せず)から光が出射し、プリズム52の入射面51に入射する。ファイババンドルの出射面は、拡張された光源と見なすことができ、バンドルでの位置にかかわらず、均一なサイズと方位の円錐内に光が放射する。これは入射面51に接近して光バンドルを注意深く検査することで図4に視覚的に見ることができる。プリズムの底辺53で光が反射し、プリズム52の出射面55の方向に伝播する。出射面55は別の方向である1つの方向にのみビームを発散する円筒状部57を有しており、ファイババンドル開口数により決定された発散特性で伝播し続ける。プリズム52から出射後に、x,y方向でパワーが異なるアナモルフィック反射鏡54でビームが反射する。その後、大きな入射角でウェハ56の照明領域50にビームが入射する。
【0069】
図6は、1つの照明アーム46だけを概略的に示した照明システム40の透視図である。ウェハ56上の照明領域50は、垂直な面65から見たとき通常円形である。図6と同じ形状が図7の側面図に示されている。入射角64をかなり大きくできる。
【0070】
図8は、照明システムの関連する形状の規定に有用なある構成と共に光学系の一部を示す。検査中のウェハ61は照明領域62を有し、ほぼ法入射角から見たときこの領域はほぼ円形である。法入射角ということは、観測者やカメラがウェハ61から離れて位置しており、その垂直な面65にほぼ平行な視角を有することを意味する。照明領域62はその周方向に設置された照明アームの各々から光を受光する。5つ以上の場合を含む任意の数の照明アーム46を設置してもよい。
【0071】
照明領域62の特定の位置に集束する光円錐63が示されている。この光円錐63は、照明ビームの全範囲を示していないが、1つの照明アームからの特定の位置に到達する全ての光を示している。光円錐63は特定の入射角64で到来し、このことは重要である。暗視野照明において、照明の入射角は十分に大きいので、ウェハ61の平坦な部分で発生するスペキュラ反射が適切に大きな角度で反射し、カメラにより集光されない。一般に、照明の入射角が大きくなるほど、それだけ良くなる。集光光学の開口数が0.8であるシステムの場合、暗視野照明の最小入射角はsin−1(0.8)つまり約53度である。入射角がなおそれよりも大きいか、81度と同じかそれ以上であるのが好ましい。
【0072】
入射円錐63は、点線68で定義された特定の入射面と垂直な面65を有している。厳密に言えば、光円錐内の各光線は、それ自身の入射面を有しているが、本明細書では、全円錐63に対する入射面は、円錐63の中心光の入射面として定義するものとする。
【0073】
光円錐63が通常非対称であり、入射角範囲66と横方向の角度範囲67により定義できる楕円角プロフィールを有しており、周方向角度範囲とも呼ばれている。円錐63内の全ての光線に関して、ウェハ61の真の入射角は、入射角度範囲64±半分の入射角範囲66にある。横方向の角度はウェハ61の入射角に影響を与えない。一般に、入射角範囲66を最小にすることが望ましいため、照明はより均一になる。以下の議論において、入射角範囲を含む縦方向は「x」方向と呼ばれ、これに対して、横方向の角度範囲は「y」方向に沿って延びる。
【0074】
照明領域62の各位置は、それ自身の入射光の光円錐を有しており、光円錐63を1つの特定の位置のみ図8に示している。視野内の全ての位置に対して光円錐63が基本的に同じ大きさであり、入射角範囲66と横方向の角度範囲67が視野全体にわたり本質的に不変であることを留意することは重要である。換言すれば、視野全体にわたり角スペクトルは均一である。これは極めて望ましい特徴であり、装置の感度が視野内の位置とは無関係であることを確実なものにするのを助長する。
【0075】
これらの角度範囲に、以下に議論する近軸光線追跡から得たある値をこれらの角度範囲に加えることは必須ではない。これらの値は一例であって、図9に示す量のいくとかの意味を明確に示すために提示したものである。
【0076】
x方向において、公称入射角64と入射角範囲66の両方は、視野全体にわたり、または同時に、全照明領域50にわたり全く不変である。照明領域内のあらゆる点に関して、公称入射角64は81度である。同様に、照明領域のあらゆる点に関して、全入射角は5度である。換言すれば、照明領域50のあらゆる点に関して、81度±2.5度の範囲の入射角で光が到来する。
【0077】
y方向において、横方向の角度範囲67は、視野全体にわたり不変であるが、横方向の公称入射角は位置とともに変化しない。照明領域50の中心において、0度±0.4度の範囲の横方向の角度で光が到来する。視野の一端において、7.5度±0.4度の範囲で光が到来し、他端において、−7.5度±0.4度の範囲で光が到来する。そのため、横方向の角度範囲67は、照明領域50の全ての点に対して0.8度である。
【0078】
角スペクトルは、入射角範囲66と横方向の角度範囲67の組み合わせを考慮し得る。これらの量の両方が、照明領域50の全ての点に対して不変であることを示した上記の議論から、角スペクトルが照明領域50で不変であるとも言える。また、公称入射角64は視野全体にわたり不変である。
【0079】
図8に示した光円錐63は、照明領域62の1つの特定の検査点に対する1つの照明アームのパワーを示す。照明アームからの全出力ビームは、このうち1つが照明領域62の各々の位置に対するものである光円錐63の集合体である。複雑な照明系が多数の照明アームを有する下記に述べる照明アームから生成された出力ビームは、異なる横方向からでないウェハ61の同じ領域62を照明する。下記の説明は全システムの任意のまたは全てのアームに適用し得るが、下記の説明の大半は単一の照明システムに適用される。
【0080】
ファイババンドルからウェハまで、または対象物までの構成要素は、これらの構成要素のレイアウトが重要である点において我々にとって特別な興味がある。これらの構成要素の特殊なものに対処するために、実際的な光線追跡を使用する。図9は、近軸光線追跡に使用される光学系の概略図を示す。光線追跡から、x,y方向の発散円柱物と反射鏡の必要なパワーが決定される。
【0081】
図9の最左端に示すマルチモードファイババンドルは、特徴的な開口数NAを有する回転対称な光円錐に効果的かつ均一に光を放射する。好適なファイババンドルの場合、NAはほぼ0.1519である。ファイババンドルから大気中に光を放射する場合、放射円錐はsin−1NAに等しい半分の角度を有するだろう。プリズムにファイバが結合されているので、ファイバから出射される光はプリズムに入射し、プリズム内部の放射円錐は、sin−1(NA/nglass)に等しい半分の角度を有している。ここで、nglassはプリズムの屈折率である。LaSFN9などの高屈折率ガラスがプリズムに使用することができ、これは550nmの波長で1.8558の屈折係率nglassを有している。その代替として、BK7やその他の公知のガラスなどの他のガラスを使用してもよい。ファイババンドルの必要な大きさはまだ理解されていない。
【0082】
ファイババンドルから出射されるビームはガラスプリズムに入射し、最初に90度だけビームを曲げ、それからプリズムの出射面の円筒状面を通してビームを通過させることでx方向にビームが発散する。プリズムは、例えば1.8558などの屈折率nglassを有している。プリズムの底辺からの反射前または反射後の両方の経路を含むnglassにより規定される軸上距離伝播する。照明系の空間要件を満たすために、例えば、公称約0.5mmの正方形の小さなプリズムを使用する。出射面に延びるプリズムの出射面の円筒状構成要素により、プリズム内でビームが伝播した実際の軸上距離は0.5mm未満である。異なる寸法のプリズムに他の適切な値を使用できるが、好適な厚さtglassは約0.474mmである。
【0083】
プリズムの出射面の円筒状面は、Φ1xの表面パワーを有しており、yに沿った対応するパワー要素Φ1yがゼロである。ビームは大気中に放射されるため、出射屈折率n1’は1である。Φ1xの表面パワーを生成する曲率は、c1x=Φ1x/(n1’−n1)またはc1x=Φ1x/(1−nglass)から得られる。曲率半径R1xはR1x=1/c1xで与えられる。ただしy方向に沿った光パワーはない。
【0084】
プリズム上の発散円柱物から出射されるビームは、アナモルフィック反射鏡に入射する前に大気中で距離t1’だけ進む。光線追跡に使用される通常の記号慣習に従い、距離t1’をt2と表記することができ、両者は数値的に等しく、交換不能である。この両方ともまだ決定されていない。ビームは大気中を進むため、屈折率n1’=n2=1である。
【0085】
アナモルフィック反射鏡は、Φ2x,Φ2yで示されるそのx,y方向に沿ってパワーが異なる屈折面を有しており、その他の適切な種類の反射鏡も使用可能であるが、反射鏡は高い屈折率誘電薄膜スタックであってもよい。入射と屈折面が両方とも空気であるこの種の反射鏡の場合は、入射屈折率n2は1であり、出射屈折率n2’は1である。所与のパワーを生成する鏡の曲率は、c2x=Φ2x/(n2’−n2)またはΦ2x/2で与えられる。同様に、c2y=−Φ2y/2で与えられる。曲率半径はR2x=1/c2xおよびR2y=1/c2yで与えられる。
【0086】
反射鏡で反射された後、ビームは対象物まで距離t2’進む。従来の代表的な光線追跡によれば、両方の距離t2’と屈折率n2’値は鏡で反射後、負になる。これは単に数値上の便詮のためであり、反射したビームが入射ビームとしてほぼ反対方向に進むことを単に意味している。なお、距離t2’はまだ決定されていない。
【0087】
検査されるウェハ位置が対象物である。入射ビームがウェハのほぼ円形の領域を照明することが好ましい。入射ビーム大きな入射角Iで対象物に入射するので、システムから出射するビームのフットプリントは、非対称でなければならいため、垂直に入射するカメラは一般に対称照明領域を見るだろう。ここで入射面がx方向である下記の形状を考えてみると、対象面に対してy軸は平行である。y方向に沿ってカメラから見た照明領域は、y方向つまり2Fに沿った入射ビームと同じ大きさである。x方向に沿って、(2FcosI)の大きさの入射ビームが、垂直に入射するカメラから見たような大きさの領域2Fを照明する。そのため、入射ビームはcosIの倍だけx方向に沿って小さいが、垂直方向に入射するカメラは直径2Fの大きさの照明円を見ることになる。大きな入射角の場合、圧縮係数cosIはかなり重要である。例えば、約81度つまり(cos81度)も好ましい入射角は0.1564に等しく、約6のアスペクト比のビームが得られることになる。このような高アスペクト比を用いても、それに対応して大きな入射角は、近法入射角でカメラから見てほぼ円形のビームを生成する。その他の適切な値を用いることができても、Fの好適な値は10mmである。
【0088】
下記に述べる光線追跡により、負の円筒物と反射鏡の円筒状パワー、並びに平面間の距離を得ることができる。
【0089】
各面のパワーΦを与えると、表面間の屈折率n、表面間の厚さiを公知の近軸屈折伝達方程式を用いて、図9の光学系により光を追跡できる。
【0090】
近軸屈折方程式により、パワーΦの表面で屈折後、出射光角(光軸に対して)u1’を生成する。
【0091】
n’u’=nu−yΦ
ここで、uは入射光角、yは表面での入射と出射光高さ、nとn’はそれぞれ入射と出射屈折率である。屈折率が無限であり、光線角が半径であり、光高さがmmであり、表面パワーがmm−1である。
【0092】
近軸伝達方程式は、前の面と現在の面の間の距離tだけ伝播後、表面での光の高さy’を予測する。
【0093】
y’=ytu
ここで、yは前の面での光高さであり、uは前の面と現在の面間の光の角度(光軸に対して)。光度は半径であり、光高さと距離は両方ともmm単位である。
【0094】
上記の近軸屈折伝達方程式は、図8の多数の面を有する光学系を通る光線追跡の代替として使用される。面間の厚さは同じであるが、各面のパワーを異ならせて、x,y方向に個別に光線追跡を実行する。
【0095】
光学系にある最初の仮定が成される。第1に、対象物上にファイババンドルの瞳の画像を形成することが望ましい。ファイババンドルの場合、ハンドルの瞳は無限にあるので、それゆえx,y両方向の光学系の後側焦点面上の対象物の位置を特定する。第2に、対象物の円形部を照明することが望ましい。照明は大きな照明角であるので、入射ビームは非対称形状でなければならない。それゆえ、光学系はx,y方向に異なる倍率か、または同様に、x,y方向に沿って異なる焦点長でなければならない。光学系の前側焦点面にx方向にファイババンドルを配置することを選択したので、ファイババンドルでの強度の空間変動は対象物で最小に抑えられる。ただし、y方向の光学系の前側焦点面を明確に制限しない。
【0096】
図9に概略的に示した光線追跡の目標は、円筒状パワーΦ1x,Φ2x,Φ2yと距離t2,t2’を得ることである。光線追跡の固定値はプリズムnglassの屈折率(例えば、1.8558に等しい)、プリズムnglass内部の進んだ距離(例えば、0.474mmに等しい)、ファイババンドルから出射するビームの開口数NA(例えば、0.1519に等しい)、および対象物2Fでの照明直径(例えば、20mmに等しい)。4つの光線が追跡され、縮尺を調節していない各光線を概略的に図9に示す。
【0097】
最初に、y方向に沿った光線を追跡する。中間計算を省略すると、y方向Φyの光学系の全パワーがy方向Φyの反射パワーに等しく、両方ともΦy=Φ2y=NA/Fで与えられることが分かった。NA(0.1519)とF(10mm)が好適な値の場合、Φ2y=−0.01519mm−1であり、−131.7mmの反射鏡半径R2yになる。
【0098】
次に、y方向の光線2を追跡した。再び、中間計算を省略すると、反射鏡と対称物t2’間の軸上距離がt2’=−F/NAで与えられることが分かった。上記の好適な値を用いると、t2’は−65.8mmになる。この値は負であり、このことは、入射と出射ビームが反射鏡の同じ側にあることを意味し、これは鏡の場合当たり前のことである。
【0099】
続いて、x方向の光線3を追跡した。光線3から2つの情報を取得した。まず、x方向のシステムの全光パワーがΦx=NA/(FcosI)で与えられる。好適な値の場合、x方向の全光パワーは約+0.0971mm−1である。次いで、厚さt2とパワーΦ2xの間の関係が(t2)(Φ2x)=1−[(tglass/nglass)(NA)/(FcosI)]で与えられる。
【0100】
最後に、x方向の光線4を追跡し、(t2)(Φ1x)=1−(1/cosI)で与えられる厚さt2とパワーΦ1xの間の関係が求められる。
【0101】
上記の2つの式と公知の関係Φx=Φ1x+Φ2x−(t2/n2)(Φ1x)(Φ2x)を組み合わせて、残りのパワーと厚さを表す式を得る。
【0102】
発散円柱物のx方向に沿ったパワーは、
Φ1x=[1−(1/cosI]/[(FcosI/NA)−{(tglass/nglass)/cosI)}]
で与えられる。
【0103】
上記に示した好適な値の場合、Φ1xは−0.622mm−1であり、+1.375mmの半径R1xを与える。
【0104】
反射鏡のx方向に沿ったパワーは、
Φ2x=[1−(tglass/nglass)(NA)/(FcosI)]/[(FcosI/NA)−{(tglass/nglass)/cosI}]
で与えられる。
【0105】
上記に示した好適な値の場合、Φ2xは0.1125mm−1であり、−17.77mmの半径R2xを与える。
【0106】
発散円柱物と反射鏡対象物間の軸上厚さt2(または、同様にt1’)は、
t2=(FcosI/NA)−[(tglass/nglass)/cosI]
で与えられる。
【0107】
上記の好適な値の場合、t2は+8.666mmである。
【0108】
x方向の光線4の追跡から得られる残りの量が存在する。ファイババンドルがシステム(x方向)の前側焦点面に位置しているので、バンドルの特定の点から発する全ての光線は、同じ角度(x方向)で対象物に到来する。その結果、ファイババンドルの大きさが対称物に到来する入射角(x方向)範囲を決定することが明らかである。バンドルが極度に小さい場合には、全ての光線は正確に同じ入射角で到来し、入射角は基本的にゼロになるだろう。放射分析上の理由により、バンドルを極度に小さくすることはできないため、システムを光が通過しないだろうことは明らかになる。対象物(大きなバンドルが適切)での放射分析パワーと対象物(小さなバンドルが適切)での入射角の均一性間の関係の妥協に基づき、入射角(x方向)の半範囲の妥当な値は約2.5度である。半範囲HRの入射角の場合、バンドルHの要求された半高は、H=(tanHR)(FcosI)/NAで与えられる。上記に示した代表的な値と2.5度の半範囲HRの場合、ファイババンドルの要求された半高は約0.45mmである。換言すれば、ファイババンドルの半径が0.45mmである場合、全ての照明は81度±2.5度の入射角で対象物に到来する。性能が改善されている場合、照明角と集光角の間の差異は重要になる。そのため、対象物から離れたスペキュラ反射は、集光光学の充分外側で起こる。
【0109】
様々な面の曲率半径がいったん決定されると、非球面および/または円錐項をそれらの1つ以上に任意に追加して、ビームの収差を低減できる。これらの非球面項目は、Oslo,ZEMAX,CodeV、およびその他などの入手可能なレイトレーシングプログラムにより最も容易に処理される。
【0110】
図9に示すシステムの近軸光線追跡に基づいて、パワー値、曲率半径、および厚さが解析的に決定されるが、対応する光線追跡の数値を示す必要がある。これらの値は、図10に示す光線追跡スプレッドシートに示されている。スプレッドシートにより決定されない入力値は厚さ制限セルに示されている。
【0111】
様々な光線を追跡したが、これらには対象物の中心と両端を通る光線と、ファイババンドルの中心と1端を通る光線が含まれる。システムが対称であるので、ファイババンドルの他端を通る光線は不要である。図9の光線1から4は図10に示されている。
【0112】
図10のスプレッドシートの幾つかの注目すべき特徴が存在する。高さが−0.449mmから+0.449mm間で、開口数が−0.1519から+0.1519の間でファイババンドルから全ての光線が発する。y方向に−10mmから+10mmの間で、x方向に−1.564mmから+1.564mmの間の高さの対象物に全ての光線が到来する。上述したように、x方向に効果的にビームが拡大され、垂直に入射するカメラに対して、y方向に同じ大きさのビームとして現れる。
【0113】
x方向において、−0.0437ラジアンから+0.0437ラジアンの間の入射光傾きか、または同様に、−2.5度から+2.5度の間の入射光で全光線が到来する。入射面にx方向があるので、±2.5度の範囲は対象物で入射角範囲になる。
【0114】
これに対して、y方向において、−0.138ラジアンと+0.138ラジアン間の傾きか、また同様に、−7.9度から+7.9度間の入射角範囲のより大きな角度範囲を入射光が有している。y方向が対象面に平行であるので、x方向と異なり、このむしろ大きな角度範囲は、入射角範囲に何の影響も与えない。対象物から見て、垂直に入射するカメラの視点からこのy範囲を視覚化することは最も容易である。照明アームを12時の近くに位置する照明アームを備える対象物に重畳されたクロック面を考えた場合、照明を受光する中心で直径20mmの円形部は、約11:45から12:15の間で発する光線から受光する。実際の視覚検査部では、5つの照明アームが使用され、上記で考えた全360度のクロック面の周囲で約72度だけそれぞれ離れている。5つより多いまたは少ない照明アームも同様に使用できることが理解される。
【0115】
ここまでで、近軸レイアウトを要約する必要がある。マルチモードファイババンドルから出射される光は、その出射面上に発散パワー円筒状面を有する90度の回転プリズムを通過し、アナモルフィックミラーで反射し、非ゼロ入射角で対象物を照明する。基本的に垂直に入射するカメラから見たとき、照明領域は通常丸い。x,y方向のプリズムの後側焦点面に対象物がある。一方、x方向のシステムの前側焦点面にファイババンドルがある。対象物の照明領域の大きさは、ファイババンドルの開口数に正比例する。照明アームからの出射角範囲は、ファイババンドルの大きさまたは空間的な範囲に正比例する。
【0116】
全ての構成要素が光軸の近くに中心があるかのように近軸レイアウトがなされるが、実際、垂直に入射しない面を有するために、これらの構成要素を曲げたり折り重ねたりできる。例えば、近軸光線追跡の軸上構成要素としてアナモルフィックミラーが有効に扱われるが、いったんパワーと距離を決定すると、実際の部分は有限の軸上入射角を持ち得る。明確な開口要件によりこれらの角度が最もよく決定され、ここでは、入射も反射ビームも構成要素によって不注意で阻止されない。対象物に対して入射ビームが傾くため、照明角の中心は予め定めたz間隔、すなわちx,y両方向の後側焦点面に位置付けなければならない。
【0117】
結果として得られたシステムは、公知の照明光学系に見られない多くの利点を有している。例えば、この利点としては、コンパクトな光学系、大きなフォーマット(直径20mmの照明領域)、照明領域全体にわたり均一な照明、照明領域全体にわたり均一な角スペクトル、小さな入射角範囲、広い周方向方位角(または同様に、大きな横方向角度範囲)、および比較的明るい等が挙げられる。これらの利点を有する結果として、ウェハ検査システムは、視野内の粒子位置と方位を検出しない。
【0118】
これまで行った全ての議論では、縦方向に発散パワーを有し、横方向にパワーを有しないプリズムの出射面の光パワーは、基本的に円筒状があると暗黙的に仮定している。別の実施形態として、横方向ではない、プリズムの出射面の両方向にパワーが出力される。換言すれば、出射面はアナモルフィック光パワーの構成要素を有することができ、ここでは、縦方向と横方向のパワーは等しくなく、第1のアナモルフィック部材と呼ぶことができる。同様に、アナモルフィックミラーやレンズは、第2のアナモルフィック部材と呼ぶことができる。
【0119】
この実施形態の光路は、基本的に円筒形の実施形態と類似しており、図11に示されている。マルチモードファイババンドル(図示せず)の端部から出射する光は、その入射面92を通して回転プリズム91に入射し、プリズムの底辺で反射し(他の適切な形状が使用可能であっても)、出射面93を通して回転プリズム91から出射される。出射面93は、縦方向と横方向に光パワーを有する第1のアナモルフィック部材を備えている。第1のアナモルフィック部材94は、出射面93表面のアナモルフォック俯角であっても、出射面に装着されたアナモルフィックレンズであってもよい。プリズム91から出射されるビームは、鏡かレンズである第2のアナモルフィック部材95に伝播する。第2のアナモルフィック部材97から出射されるビームは、垂直な面97に対して大きな入射角で照明領域96に入射する。
【0120】
上記の実施形態の場合、ファイババンドルの瞳の画像を照明領域に形成することがなお望ましく、縦方向の後側焦点面と横方向の後側焦点面を照明領域に配置して確実なものとすることができる。また、照明領域全体にわたり均一な公称入射角を有することも望ましいので、縦方向の前側焦点面にファイババンドルを配置する。この実施形態の場合、横方向の前側焦点面の位置は中間にあるため、縦方向の前側焦点面と一致または一致しないかも知れない。
【0121】
追加実施形態として、アナモルフィック部材や純粋な円筒状部よりは、むしろプリズムの出射面に回転対称部を設けるつまり装着してもよい。
【0122】
ここで述べた本発明の説明とその応用は、単なる一例を示すものであり、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。ここで開示した実施形態の変形と変更が可能であり、実際的な代替物と実施形態の各種構成要素の均等物は、本明細書を詳細に検討すれば当業者に理解されるであろう。ここで説明した実施形態のこの変形と変更は、添付したクレームに示すように、本発明の範囲と精神から逸脱することなく成し得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】ウェハ検査システムの斜視図である。
【図2】照明システムの平面図である。
【図3】照明アーム、照明領域、およびウェハの上面図である。
【図4】円筒状部とアナモルフィック反射鏡を有する回転プリズムの平面図である。
【図5】円筒状部、アナモルフィック反射鏡、照明領域、およびウェハを有する回転プリズムの平面図である。
【図6】照明アーム、照明領域、およびウェハの斜視図である。
【図7】照明アーム、照明領域、およびウェハの側面図である。
【図8】検査時のウェハの照明領域の特定の位置で受光した光円錐の斜視図である。
【図9】照明アームの光学系の近軸表現の概略図である。
【図10】図8のシステムの数値近軸光線追跡を示すスプレッドシートである。
【図11】出射面を通して回転プリズムから出射される光円錐の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象面の暗視野検査照明装置であって、照明領域の近くに配置された1つ以上の照明アームを備え、該各々の照明アームが、
広範囲におよぶほぼ均一な発散光源と、
該光源に光学的に結合された第1の面と縦方向に光パワーを有する第2の面を有する回転部材と、
横方向に第1の光パワーを有し、縦方向に第2の光パワーを有すると共に、該第1と第2の光パワーが等しくなく、該回転部材の該第2の面に光学的に結合されたアナモルフィック部材と
を具備する暗視野検査照明装置。
【請求項2】
前記回転部材の前記第2の面が横方向に光パワーを有しない、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記回転部材の前記第2の面が横方向に光パワーを有する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記アナモルフィック部材が鏡を備える、請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記アナモルフィック部材がレンズを備える、請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記回転部材が、
回転プリズムと、
該回転プリズム面に装着された発散シリンドリカルレンズと
を具備し、
該回転部材の第1の面が該回転プリズムの入射面であり、該回転部材の第2の面が該シリンドリカルレンズの出射面である、請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
前記回転部材が入射面と出射面を有する回転プリズムを備え、該出射面が凹形円筒状面を有し、該回転部材の第1の面が該回転プリズムの入射面であり、該回転部材の第2の面が該回転プリズムの出射面である、請求項1に記載の照明装置
【請求項8】
前記各々のアームが、横方向の前側焦点面、縦方向の後側焦点面、縦方向の前側焦点面、および縦方向の後側焦点面を有し、該各々のアームに対して、
該横方向の前側焦点面と該縦方向の前側焦点面が一致しておらず、
前記光源が該縦方向の該焦点面にほぼ位置しており、該縦方向の前側焦点面と該横方向の後側焦点面がほぼ一致しており、
該照明領域がほぼ該縦方向の後側焦点面と横方向の後側焦点面に位置している中心を有するほぼ円形であり、
該光源、回転部材、およびアナモルフィック部材が配置され、欠陥のない状態で、該対象面からスペキュラ反射させるために、該照明領域の法線に対し非ゼロ入射角で該照明領域を照明する、請求項1に記載の暗視野検査照明装置。
【請求項9】
前記照明装置が、集光レンズに対する最大集光角を定義する開口数を有する該集光レンズの視野内にあり、入射角が該最大集光角よりも大きい、請求項8に記載に照明装置。
【請求項10】
前記入射角が約53度よりも大きい、請求項8に記載の照明装置。
【請求項11】
前記入射角が約81度よりも大きい、請求項10に記載の照明装置。
【請求項12】
前記光源が有限スペクトルを有する光を動作可能に生成する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項13】
前記光源が高域通過紫外線フィルタを有する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項14】
前記円筒状光パワーが発散である、請求項1に記載の照明装置。
【請求項15】
前記照明装置が5つのアームを備える、請求項1に記載の照明装置。
【請求項16】
対象面の暗視野検査照明装置であって、
ほぼ該対象面にあるほぼ円形の照明領域の近くに配置された1つ以上の照明アームを備え、該各々の照明アームが、
光源と、
該光源に光学的に接続された入射面と、縦方向に負の円筒状光パワーを有する出射面を有する結合部と、
横方向の第1の光パワーと縦方向の第2の光パワーを出力し、該第1と第2の光パワーが等しくなく、該結合部の出射面に光学的に結合されたアナモルフィック部材とを具備し、
該各々の照明アームが横方向の前側焦点面、横方向の後側焦点面、縦方向の前側焦点面、および縦方向の後側焦点面とを有し、
該各々の照明アームに対して、
該横方向の前側焦点面と該縦方向の前側焦点面が一致しておらず、
該光源がほぼ横方向の前側焦点面に位置しており、
該縦方向の前側焦点面と該横方向の前側焦点面がほぼ一致しており、
該照明領域が該縦方向の後側焦点面と該横方向の後側焦点面に位置する中心を有し、
該光源、回転部材、およびアナモルフィック部材が配置され、欠陥がない状態で、該光源からのスペキュラ反射させるために、照明領域の法線に対し非ゼロ入射角で該照明領域を照明する照明装置。
【請求項17】
前記照明領域が集光レンズに対する最大集光角を定義する開口数を有する集光レンズの視野内にあり、該入射角が該最大集光角よりも大きい、請求項16に記載の照明装置。
【請求項18】
前記入射角が約53度よりも大きい、請求項16に記載の照明装置。
【請求項19】
前記入射角が約81度によりも大きい、請求項16に記載の照明装置。
【請求項20】
前記光源が有限のスペクトルを有する光を動作可能に生成する、請求項16に記載の照明装置。
【請求項21】
前記光源が高域通過紫外線フィルタを備える、請求項16に記載の照明装置。
【請求項22】
前記アナモルフィック部材が鏡を備える、請求項16に記載の照明装置。
【請求項23】
前記アナモルフィック部材がレンズを備える、請求項16に記載の照明装置。
【請求項24】
前記結合部が回転部材を備える、請求項16に記載の照明装置。
【請求項25】
前記結合部が非回転部材を備える、請求項16に記載の照明装置。
【請求項26】
前記光源が広範囲におよぶほぼ均一な発散光源である、請求項16に記載の照明装置。
【請求項27】
5つの照明アームを備える、請求項16に記載の照明装置。
【請求項28】
対象面の暗視野検査照明装置であって、
複数の照明アームがほぼ対象面の照明領域の近くに配置され、該各々の照明アームが、
広範囲におよぶほぼ均一な発散光源と、
該発散光から該照明領域に向かう照明ビームを生成し、該照明ビームが法入射角、法入射角範囲、入射角範囲、および横方向の角度範囲を有し、
ここで該法入射角と入射角範囲が該照明領域にわたり基本的に不変であり、
該照明領域にわたり該横方向の角度範囲が基本的に不変であり、
該照明領域の光強度が基本的に不変である照明装置。
【請求項29】
対象面の暗視野検査照明であって、ほぼ対象面にあるほぼ円形の照明領域の近くに配置された複数の照明アームを備え、該各々の照明アームが、
横方向の後側焦点面を設定する手段と、
ほぼ一致している縦方向の後側焦点面、縦方向の後側焦点面、および横方向の後側焦点面を設定する手段と、
横方向の前側焦点面を設定する手段と、
該横方向の前側焦点面から離れた縦方向の前側焦点面を設定する手段と、
ほぼ縦方向の後側焦点面と該縦方向の後側焦点面に該照明領域の中心位置を特定する手段と、
ほぼ縦方向の前側焦点面に広範囲におよぶほぼ均一な発散特性を有する光を入射する手段と、
該縦方向の前側焦点面に入射した光からビームを形成し、欠陥のない状態で、該対象面からスペキュラ反射させるために、該ビームが該照明領域の法線に対し非ゼロ入射角で該照明領域に入射する手段と
を具備する照明装置。
【請求項30】
対象面の暗視野検査を行うために、各々の光学系を用いて複数の異なる方向から該対象面の照明領域を照明する方法であって、該各々の光学系に対して、
横方向の後側焦点面を設定し、
ほぼ一致する縦方向の後側焦点面、縦方向の後側焦点面、および横方向の後側焦点面を設定し、
該横方向の前側焦点面を設定し、
該横方向の前記焦点面から離れた縦方向の前側焦点面を設定し、
ほぼ縦方向の後側焦点面と該横方向の後側焦点面に中心を有するほぼ円形領域として該照明領域を設定し、
ほぼ横方向の前側焦点面に広範囲におよぶほぼ均一な発散特性を有する光を入射し、
該縦方向の前側焦点面に入射した光からビームを形成し、該ビームが欠陥のない状態で、該対象面からスペキュラ反射させるために、該照明領域の法線に対し非ゼロ入射角で該照明領域に該ビームが入射する方法。
【請求項31】
前記ビーム形成ステップが、前記集光レンズに対する最大集光角を定義する開口数を有する集光レンズの視野内にビームを形成するステップを包含し、該入射角が該最大集光角よりも大きい、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ビーム形成ステップの入射角が約53度よりも大きい、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記ビーム形成ステップの入射角が約81度よりも大きい、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ビーム形成ステップがビームを分光的にビームをフィルタする、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
ウェハ検査システムであって、
分光的にフィルタし、空間的に均一で、広範囲におよぶ発散光源と、
該光源に光学的に結合され、ほぼ円形の照明領域の近くに周方向に配置された複数の照明アームを備える光ファイバ暗視野照明装置と、
該照明領域に対し法入射角または近法入射角で配置され、該照明領域がカメラの視野内にあり、該カメラが集光レンズに対する最大集光角を定義する開口数を有する集光レンズを備えるカメラとを具備し、
該各々の照明アームが、
該光源に光学的に結合された入射面と横方向に発散円筒形状光パワーを有する出射面を有する回転部材と、
横方向の第1の光パワーと縦方向の第2の光パワーを出力し、該第1と第2の光パワーが等しくなく、該回転プリズムの出射面に光学的に結合されたアナモルフィックミラーとを具備し、
該各々の照明アームが横方向の前側焦点面、横方向の後側焦点面、縦方向の前側焦点面、および縦方向の後側焦点面とを有し、
該各々の照明アームに対して、
該横方向の前側焦点面と該縦方向の前側焦点面が一致しておらず、
該光源結合がほぼ縦方向の前側焦点面に位置しており、
該縦方向の前側焦点面と該横方向の前側焦点面がほぼ一致しておらず、
該照明領域がほぼ該縦方向の後側焦点面と該横方向の後側焦点面に位置する中心を有し、
該光源、回転部材、およぶアナモルフィックミラーが配置され、該最大集光角よりも大きい照明領域の法線に対し入射角で該照明領域を照明するウェハ検査システム。
【請求項36】
前記回転部材が回転プリズムを備える、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
対象面の暗視野検査照明であって、照明領域の近くに配置された複数の照明アームを備え、該各々の照明アームが、
光源と、
該光源に光学的に結合された第1の面と縦方向に光パワーを有する第2の面を有する結合部と、
横方向の第1の光パワーと縦方向の第2の光パワーを出力し、該第1と第2の光パワーが等しくなく、該回転部材の第2の面に光学的に結合されたアナモルフィック部材と
を具備する暗視野検査照明装置。
【請求項38】
前記回転部材の第2の面が横方向に光パワーを有しない、請求項37に記載の照明装置。
【請求項39】
前記回転部材の第2の面が横方向に光パワーを有する、請求項37に記載の照明装置。
【請求項1】
対象面の暗視野検査照明装置であって、照明領域の近くに配置された1つ以上の照明アームを備え、該各々の照明アームが、
広範囲におよぶほぼ均一な発散光源と、
該光源に光学的に結合された第1の面と縦方向に光パワーを有する第2の面を有する回転部材と、
横方向に第1の光パワーを有し、縦方向に第2の光パワーを有すると共に、該第1と第2の光パワーが等しくなく、該回転部材の該第2の面に光学的に結合されたアナモルフィック部材と
を具備する暗視野検査照明装置。
【請求項2】
前記回転部材の前記第2の面が横方向に光パワーを有しない、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記回転部材の前記第2の面が横方向に光パワーを有する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記アナモルフィック部材が鏡を備える、請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記アナモルフィック部材がレンズを備える、請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記回転部材が、
回転プリズムと、
該回転プリズム面に装着された発散シリンドリカルレンズと
を具備し、
該回転部材の第1の面が該回転プリズムの入射面であり、該回転部材の第2の面が該シリンドリカルレンズの出射面である、請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
前記回転部材が入射面と出射面を有する回転プリズムを備え、該出射面が凹形円筒状面を有し、該回転部材の第1の面が該回転プリズムの入射面であり、該回転部材の第2の面が該回転プリズムの出射面である、請求項1に記載の照明装置
【請求項8】
前記各々のアームが、横方向の前側焦点面、縦方向の後側焦点面、縦方向の前側焦点面、および縦方向の後側焦点面を有し、該各々のアームに対して、
該横方向の前側焦点面と該縦方向の前側焦点面が一致しておらず、
前記光源が該縦方向の該焦点面にほぼ位置しており、該縦方向の前側焦点面と該横方向の後側焦点面がほぼ一致しており、
該照明領域がほぼ該縦方向の後側焦点面と横方向の後側焦点面に位置している中心を有するほぼ円形であり、
該光源、回転部材、およびアナモルフィック部材が配置され、欠陥のない状態で、該対象面からスペキュラ反射させるために、該照明領域の法線に対し非ゼロ入射角で該照明領域を照明する、請求項1に記載の暗視野検査照明装置。
【請求項9】
前記照明装置が、集光レンズに対する最大集光角を定義する開口数を有する該集光レンズの視野内にあり、入射角が該最大集光角よりも大きい、請求項8に記載に照明装置。
【請求項10】
前記入射角が約53度よりも大きい、請求項8に記載の照明装置。
【請求項11】
前記入射角が約81度よりも大きい、請求項10に記載の照明装置。
【請求項12】
前記光源が有限スペクトルを有する光を動作可能に生成する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項13】
前記光源が高域通過紫外線フィルタを有する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項14】
前記円筒状光パワーが発散である、請求項1に記載の照明装置。
【請求項15】
前記照明装置が5つのアームを備える、請求項1に記載の照明装置。
【請求項16】
対象面の暗視野検査照明装置であって、
ほぼ該対象面にあるほぼ円形の照明領域の近くに配置された1つ以上の照明アームを備え、該各々の照明アームが、
光源と、
該光源に光学的に接続された入射面と、縦方向に負の円筒状光パワーを有する出射面を有する結合部と、
横方向の第1の光パワーと縦方向の第2の光パワーを出力し、該第1と第2の光パワーが等しくなく、該結合部の出射面に光学的に結合されたアナモルフィック部材とを具備し、
該各々の照明アームが横方向の前側焦点面、横方向の後側焦点面、縦方向の前側焦点面、および縦方向の後側焦点面とを有し、
該各々の照明アームに対して、
該横方向の前側焦点面と該縦方向の前側焦点面が一致しておらず、
該光源がほぼ横方向の前側焦点面に位置しており、
該縦方向の前側焦点面と該横方向の前側焦点面がほぼ一致しており、
該照明領域が該縦方向の後側焦点面と該横方向の後側焦点面に位置する中心を有し、
該光源、回転部材、およびアナモルフィック部材が配置され、欠陥がない状態で、該光源からのスペキュラ反射させるために、照明領域の法線に対し非ゼロ入射角で該照明領域を照明する照明装置。
【請求項17】
前記照明領域が集光レンズに対する最大集光角を定義する開口数を有する集光レンズの視野内にあり、該入射角が該最大集光角よりも大きい、請求項16に記載の照明装置。
【請求項18】
前記入射角が約53度よりも大きい、請求項16に記載の照明装置。
【請求項19】
前記入射角が約81度によりも大きい、請求項16に記載の照明装置。
【請求項20】
前記光源が有限のスペクトルを有する光を動作可能に生成する、請求項16に記載の照明装置。
【請求項21】
前記光源が高域通過紫外線フィルタを備える、請求項16に記載の照明装置。
【請求項22】
前記アナモルフィック部材が鏡を備える、請求項16に記載の照明装置。
【請求項23】
前記アナモルフィック部材がレンズを備える、請求項16に記載の照明装置。
【請求項24】
前記結合部が回転部材を備える、請求項16に記載の照明装置。
【請求項25】
前記結合部が非回転部材を備える、請求項16に記載の照明装置。
【請求項26】
前記光源が広範囲におよぶほぼ均一な発散光源である、請求項16に記載の照明装置。
【請求項27】
5つの照明アームを備える、請求項16に記載の照明装置。
【請求項28】
対象面の暗視野検査照明装置であって、
複数の照明アームがほぼ対象面の照明領域の近くに配置され、該各々の照明アームが、
広範囲におよぶほぼ均一な発散光源と、
該発散光から該照明領域に向かう照明ビームを生成し、該照明ビームが法入射角、法入射角範囲、入射角範囲、および横方向の角度範囲を有し、
ここで該法入射角と入射角範囲が該照明領域にわたり基本的に不変であり、
該照明領域にわたり該横方向の角度範囲が基本的に不変であり、
該照明領域の光強度が基本的に不変である照明装置。
【請求項29】
対象面の暗視野検査照明であって、ほぼ対象面にあるほぼ円形の照明領域の近くに配置された複数の照明アームを備え、該各々の照明アームが、
横方向の後側焦点面を設定する手段と、
ほぼ一致している縦方向の後側焦点面、縦方向の後側焦点面、および横方向の後側焦点面を設定する手段と、
横方向の前側焦点面を設定する手段と、
該横方向の前側焦点面から離れた縦方向の前側焦点面を設定する手段と、
ほぼ縦方向の後側焦点面と該縦方向の後側焦点面に該照明領域の中心位置を特定する手段と、
ほぼ縦方向の前側焦点面に広範囲におよぶほぼ均一な発散特性を有する光を入射する手段と、
該縦方向の前側焦点面に入射した光からビームを形成し、欠陥のない状態で、該対象面からスペキュラ反射させるために、該ビームが該照明領域の法線に対し非ゼロ入射角で該照明領域に入射する手段と
を具備する照明装置。
【請求項30】
対象面の暗視野検査を行うために、各々の光学系を用いて複数の異なる方向から該対象面の照明領域を照明する方法であって、該各々の光学系に対して、
横方向の後側焦点面を設定し、
ほぼ一致する縦方向の後側焦点面、縦方向の後側焦点面、および横方向の後側焦点面を設定し、
該横方向の前側焦点面を設定し、
該横方向の前記焦点面から離れた縦方向の前側焦点面を設定し、
ほぼ縦方向の後側焦点面と該横方向の後側焦点面に中心を有するほぼ円形領域として該照明領域を設定し、
ほぼ横方向の前側焦点面に広範囲におよぶほぼ均一な発散特性を有する光を入射し、
該縦方向の前側焦点面に入射した光からビームを形成し、該ビームが欠陥のない状態で、該対象面からスペキュラ反射させるために、該照明領域の法線に対し非ゼロ入射角で該照明領域に該ビームが入射する方法。
【請求項31】
前記ビーム形成ステップが、前記集光レンズに対する最大集光角を定義する開口数を有する集光レンズの視野内にビームを形成するステップを包含し、該入射角が該最大集光角よりも大きい、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ビーム形成ステップの入射角が約53度よりも大きい、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記ビーム形成ステップの入射角が約81度よりも大きい、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ビーム形成ステップがビームを分光的にビームをフィルタする、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
ウェハ検査システムであって、
分光的にフィルタし、空間的に均一で、広範囲におよぶ発散光源と、
該光源に光学的に結合され、ほぼ円形の照明領域の近くに周方向に配置された複数の照明アームを備える光ファイバ暗視野照明装置と、
該照明領域に対し法入射角または近法入射角で配置され、該照明領域がカメラの視野内にあり、該カメラが集光レンズに対する最大集光角を定義する開口数を有する集光レンズを備えるカメラとを具備し、
該各々の照明アームが、
該光源に光学的に結合された入射面と横方向に発散円筒形状光パワーを有する出射面を有する回転部材と、
横方向の第1の光パワーと縦方向の第2の光パワーを出力し、該第1と第2の光パワーが等しくなく、該回転プリズムの出射面に光学的に結合されたアナモルフィックミラーとを具備し、
該各々の照明アームが横方向の前側焦点面、横方向の後側焦点面、縦方向の前側焦点面、および縦方向の後側焦点面とを有し、
該各々の照明アームに対して、
該横方向の前側焦点面と該縦方向の前側焦点面が一致しておらず、
該光源結合がほぼ縦方向の前側焦点面に位置しており、
該縦方向の前側焦点面と該横方向の前側焦点面がほぼ一致しておらず、
該照明領域がほぼ該縦方向の後側焦点面と該横方向の後側焦点面に位置する中心を有し、
該光源、回転部材、およぶアナモルフィックミラーが配置され、該最大集光角よりも大きい照明領域の法線に対し入射角で該照明領域を照明するウェハ検査システム。
【請求項36】
前記回転部材が回転プリズムを備える、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
対象面の暗視野検査照明であって、照明領域の近くに配置された複数の照明アームを備え、該各々の照明アームが、
光源と、
該光源に光学的に結合された第1の面と縦方向に光パワーを有する第2の面を有する結合部と、
横方向の第1の光パワーと縦方向の第2の光パワーを出力し、該第1と第2の光パワーが等しくなく、該回転部材の第2の面に光学的に結合されたアナモルフィック部材と
を具備する暗視野検査照明装置。
【請求項38】
前記回転部材の第2の面が横方向に光パワーを有しない、請求項37に記載の照明装置。
【請求項39】
前記回転部材の第2の面が横方向に光パワーを有する、請求項37に記載の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−30194(P2006−30194A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−203720(P2005−203720)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(501018841)オーガスト テクノロジー コーポレイション (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−203720(P2005−203720)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(501018841)オーガスト テクノロジー コーポレイション (9)
【Fターム(参考)】
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