説明

書類管理システム

【課題】 比較的構成が簡単で、書類の管理を確実に行うことができる書類管理システムを提供すること。
【解決手段】 複数種の書類を収納するための複数の収納ボックスを備えた収納棚と、収納棚の各収納ボックスに開閉自在に装着された開閉扉と、複数の収納ボックスの各々を点灯表示するように設けられた点灯表示手段26,28と、複数種の書類を識別するための識別情報を入力するための入力手段68と、複数種の書類に関する情報を登録する管理書類データベース72と、点灯表示手段26,28を制御するための制御手段32と、を具備する書類管理システム。書類を一度に戻す際の入力数演算手段54の入力数が最大空きスペース数選定手段52により選定された最大空きスペース数に達すると、警報信号生成手段56は警報信号を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルテ、処方箋などの書類を管理するための書類管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
カルテなどの書類を管理するための書類管理システムとして、多数の収納スペースを有する収納棚を収納棚を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この書類管理システムにおいては、収納棚に棚段を表示するための棚段表示ランプ(例えば、発光ダイオード)が設けられているとともに、収納棚に収納される各ファイルケースにファイル表示ランプ(例えば、発光ダイオード)が設けら、これら棚表示ランプ及びファイル表示ランプが制御装置によって点灯制御されるように構成されている。制御装置は、システム全体を制御するための主制御手段と、収納棚に装備され、この収納棚に設置されたファイル表示ランプを点灯制御するための副制御手段とを含んでおり、主制御手段と副制御手段との間、また副制御手段とファイル表示ランプとの間が、例えば赤外線を用いて情報を送受信できるように通信可能になっている。
【0003】
この書類管理システムにおいては、特定書類のID情報を入力すると、主制御手段は特定書類が収納された収納棚に対応する棚段表示ランプを点灯する。そして、作業者がその収納棚まで移動して副制御手段の表示スイッチを操作すると、副制御手段は特定書類が収容されたファイルケースのファイル表示ランプを点灯し、このように棚段表示ランプ及びファイル表示ランプを点灯させることによって、作業者は入力したID情報に対応した特定書類を容易に見つけて取り出すことができる。
【0004】
【特許文献1】特開平9−86614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した書類管理システムでは、次の通りの解決すべき問題がある。第1に、制御装置が主制御手段と各収納棚に設置された副制御手段とから構成され、主制御手段と副制御手段との間が赤外線で送受信され、また副制御手段と各ファイルケースのファイル表示ランプとの間も赤外線で送受信される構成であるので、書類管理システム全体が大きなシステムとなり、大学病院、総合病院などの大きな病院では適用することができるが、小さな個人病院などでは適用するのが困難である。第2に、管理するファイルはファイル表示ランプ付きファイルケースに収納されるので、多数のファイルを管理しようとすると高価なファイルケースが多く必要となり、システムが高価なものとなる。第3に、管理するファイルは収納棚に単に収納される構成であるので、近年において特に重要である個人情報の管理という面では不充分である。
【0006】
本発明の目的は、比較的構成が簡単で、書類の管理を確実に行うことができる書類管理システムを提供することである。
本発明の他の目的は、小さな病院、薬局などの事業所において好都合に適用することができる書類管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に記載の書類管理システムは、複数種の書類を収納するための複数の収納ボックスを備えた収納棚と、前記収納棚の各収納ボックスに開閉自在に装着された開閉扉と、前記開閉扉を開閉自在にロックするためのロック手段と、前記複数種の書類を識別するための識別情報を入力するための入力手段と、前記複数種の書類に関する情報を登録する管理書類データベースと、前記ロック手段を制御するための制御手段と、を具備し、
前記制御手段は、前記複数の収納ボックスの各々の空きスペース数を演算するための空きスペース演算手段と、前記空きスペース演算手段により演算された空きスペース数の最大値を選定する最大スペース数選定手段と、前記複数種の書類の入力数を演算するための入力数演算手段と、警報信号を生成する警報信号生成手段とを備え、前記警報信号生成手段は、前記入力数演算手段の入力数が空きスペース数の最大値に達すると前記警報信号を生成することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載の書類管理システムでは、前記複数の収納ボックスには収納のための優先順位が付されており、このことに関連して、前記制御手段は前記入力数演算手段により演算された入力数の書類が収容可能な前記収納ボックスを選定する収納ボックス選定手段を備えており、前記収納ボックス選定手段は、前記入力数の書類が収納可能な前記収納ボックスのうち優先順位の高い収納ボックスを選定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3にに記載の書類管理システムでは、前記複数の収納ボックスは、収納の優先順位が高い優先領域と、収納の優先順位が低い予備領域とに区分されており、前記収納ボックス選定手段は、まず、前記優先領域の前記複数の収納ボックスについて前記入力数の書類を収納するように収納ボックスを選定し、前記優先領域の前記複数の収納ボックスの収納場所がなくなった後に、前記予備領域の前記収納ボックスついて前記入力数の書類を収納するように収納ボックスを選定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4に記載の書類管理システムでは、前記複数の収納ボックスの各々に対応して、点灯表示するための点灯表示手段が設けられており、前記制御手段は、前記収納ボックス選定手段が選定した前記収納ボックスに対応する前記点灯表示手段を点灯することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5に記載の書類管理システムでは、前記制御手段は、収納された書類を取り出す場合に、前記入力手段により入力された順に前記点灯表示手段を点灯するように構成されており、このことに関連して、前記制御手段は、前記点灯表示手段の点灯順位を優先するための優先選択手段を備えており、同一の収納ボックスに収納された書類が前後して前記入力手段により入力されると、前記優先選択手段は、先に入力された書類を選択するときに後に入力された書類も同時に選択し、前記点灯表示手段はこれら書類に対応して点灯することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項6に記載の書類管理システムでは、前記複数の収納ボックスは、通常に使用する書類を収納する使用領域と、所定期間継続して使用していない書類を収納する保管領域とに区分され、前記使用領域の前記複数の収納ボックスと前記保管領域の前記複数の収納ボックスとは別個に優先順位が付けられており、前記使用領域の前記複数の収納ボックスに収納された書類のうち所定期間継続して使用してない書類を取り出して前記保管領域の前記複数の収納ボックスに収納するときには、前記警報信号生成手段は、前記保管領域の前記複数の収納ボックスの優先順位の順にその収納ボックスの空きスペース数に達すると前記警報信号を生成することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項7に記載の書類管理システムでは、前記収納ボックスへの書類の収納は所定方向に順に収容されるように構成されており、このことに関連して、前記制御手段は、前記収納ボックスに収納された前記複数の書類の保管場所情報を移す保管場所移し手段を備えており、前記特定収納ボックスから特定書類を取り出したときに、前記保管場所移し手段は、前記所定方向の順序に見て前記特定書類より後側の書類の前記保管場所情報を前側に移すことを特徴とする。
【0014】
更に、本発明の請求項8に記載の書類管理システムでは、前記制御手段に関連して、携帯型チップ識別装置が設けられ、前記携帯型チップ識別装置は、書類側に設けられるICチップと、書類管理者が携帯するチップ読取り手段とから構成され、前記チップ読取り装置が前記ICチップに登録された情報を読み取ることを特徴とする。
【0015】
更にまた、本発明の請求項9に記載の書類管理システムでは、前記複数種の書類はドットでもって厚み管理され、前記複数種の書類を保管する保管場所情報はこのドットでもって管理され、厚みが標準である書類は基準ドット数に設定され、前記標準書類よりも厚い書類は前記基準ドット数よりも多い増加ドット数に設定され、前記標準書類よりも薄い書類は前記基準ドット数よりも少ない減少ドット数に設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に記載の書類管理システムによれば、空きスペース演算手段は複数の収納ボックスの各々の空きスペース数を演算し、最大スペース数選定手段は空きスペース演算手段により演算された空きスペース数の最大値を選定し、警報信号生成手段は入力数演算手段の入力数が空きスペース数の最大値に達すると警報信号を生成するので、複数種の書類を収納する際に、一度に収納可能な書類を容易に把握することができ、種類の収納を効率的に短時間に行うことができる。
【0017】
また、本発明の請求項2に記載の書類管理システムによれば、複数の収納ボックスには収納のための優先順位が付され、収納ボックス選定手段は入力数の書類が収納可能な収納ボックスのうち優先順位の高い収納ボックスを選定するので、収納する書類は優先順位の高い順に収納されるようになり、書類管理者の意図するように書類を収納管理することができる。例えば、書類の取り出し易い場所の順に複数の収納ボックスに優先順位を付けると、書類が取り出しやすいように書類を収納ボックスに戻すことができる。
【0018】
また、本発明の請求項3に記載の書類管理システムによれば、書類を収納するときに、収納ボックス選定手段は、優先領域の収納ボックスについて入力数の書類を収納するように収納ボックスを選定し、そして優先領域の収納ボックスの収納場所がなくなると、次に予備領域の収納ボックスついて入力数の書類を収納するように収納ボックスを選定するので、使用頻度の高い書類は優先領域の収納ボックスに収納されるようになる。例えば、書類の取り出し易い収納ボックスの領域を優先領域として指定し、取り出し難い収納ボックスを予備領域として指定すると、使用頻度の高い書類は取り出し易い優先領域の収納ボックスに収納され、書類の出し入れが容易となるように管理することができる。
【0019】
また、本発明の請求項4に記載の書類管理システムによれば、複数の収納ボックスの各々に対応して点灯表示手段が設けられ、収納ボックス選定手段が選定した収納ボックスに対応する点灯表示手段が点灯されるので、選定された収納ボックスを容易に見付けることができる。
【0020】
また、本発明の請求項5に記載の書類管理システムによれば、同一の収納ボックスに収納された書類が前後して入力手段により入力されると、優先選択手段は、先に入力された書類を選択するときに後に入力された書類も同時に選択し、点灯表示手段はこれら書類に対応して点灯するので、同一収納ボックス内に収納された書類を効率よく取り出すことができる。
【0021】
また、本発明の請求項6に記載の書類管理システムによれば、使用領域の複数の収納ボックスには通常に使用する書類が収納され、保管領域の複数の収納ボックスには所定期間継続して使用していない書類が収納される。使用領域の複数の収納ボックスに収納された書類のうち所定期間継続して使用してない書類を取り出して保管領域の複数の収納ボックスに収納するときには、保管領域の複数の収納ボックスの優先順位の順に書類が収容され、このとき警報信号生成手段はその収納ボックスの空きスペース数に達すると警報信号を生成するので、優先順位の順に所定期間未使用の書類を収納することができ、このように書類を管理することによって、カルテなどの書類を効率よく管理することができる。
【0022】
また、本発明の請求項7に記載の書類管理システムによれば、収納ボックスへの書類の収納は初手方向に、例えば左詰め(又は右詰め)に行うように構成されているので、一度に複数種の書類を収納しても所要の通りに管理することができる。また、特定書類を取り出したときには、保管場所移し手段は、所定方向の順序に見て特定書類より後側の書類の保管場所情報を前側に移すので、取り出したことによる保管場所情報の修正を簡単に行うことができる。
【0023】
更に、本発明の請求項8に記載の書類管理システムによれば、携帯型チップ識別装置が用いられ、ICチップが書類側に設けられ、書類管理者はチップ読取り手段を携帯してICチップに登録された情報を読み取るので、書類の出入れの動作を行いながら書類の情報の入力を行うことができる。例えば、収納ボックスから取り出した書類に付されたICチップの情報をチップ読取り手段で読み取ることによって、取り出した書類が正しいものかを読み取った情報に基づいて識別することができる。
【0024】
更にまた、本発明の請求項9に記載の書類管理システムによれば、複数種の書類はドットでもって厚み管理されているので、厚みの異なる複数種のファイルw所要の通りに収納管理することができる。この場合、厚みが標準である書類は基準ドット数に設定され、標準書類よりも厚い書類は基準ドット数よりも多い増加ドット数に設定され、標準書類よりも薄い書類は基準ドット数よりも少ない減少ドット数に設定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う書類管理システムの一実施形態について説明する。図1は、書類管理システムの一例としてのカルテ管理システムにおける収納棚を簡略的に示す斜視図であり、図2は、図1の収納棚の一部を、開閉扉を開放した状態で示す斜視図であり、図3は、図2の収納棚の収納ボックスに収納されるカルテケース及びそれに収容されたカルテを示す斜視図であり、図4は、カルテ管理システムの制御系を示すブロック図であり、図5は、カルテ管理システムにおけるカルテの取出しの流れを示すフローチャートであり、図6は、カルテ管理システムにおけるカルテの戻しの流れを示すフローチャートである。
【0026】
図1及び図2において、書類管理システムの一例としての図示のカルテ管理システムは、事務室などの室内に設置される収納棚2を備えている。収納棚2は直方体状の棚本体4を備え、この棚本体4には、横方向(図1及び図2において左右方向)に間隔を置いて配設された縦仕切壁6と、上下方向(図1及び図2において上下方向)に間隔をおいて配設された横仕切り壁8が設けられ、これら縦仕切壁6及び横仕切壁8によって棚本体4内に複数の収納ボックス10が規定されている。この実施形態では、書類としての診察用カルテ12(図3参照)に適用され、カルテ12を収納するための収納ボックス10が横方向に10列、上下方向に5段設けられ、合計50個の収納ボックス10が設けられている。尚、収納棚2に設ける収納ボックス10の個数は適宜に設定することができ、例えば横方向に5〜15列、上下方向に3〜6段設けることができ、収納棚2を一つ用いるようにしてもよいが、収納すべきカルテ12が多数のときには、この収納棚2を2つ又は3つ以上組み合わせて用いるようにしてもよい。
【0027】
各収納ボックス10の開口部には、開閉扉14が開閉自在に取り付けられている。この開閉扉14は、例えば蝶番などを用いて開閉自在に取り付けられ、開状態においては、図2の左上の収納ボックス10に関連して示すように、収納ボックス10の開口部を開放し、収納ボックス10内に収納されたカルテケース16(図3に示すように、このカルテケース16内にカルテ12が収容されている)を取り出すことができ、また閉状態においては、図1及び図2の残りの部分で示すように、収納ボックス10の開口部を閉塞する。この棚本体4、縦仕切壁6、横仕切壁8及び開閉扉14はスチールなどの金属材料から形成され、このような材料から形成することによって充分な強度が得られるとともに、外部から収納ボックス10内を目視することができず、充分な機密状態に保ったカルテ管理を行うことができる。
【0028】
この収納棚2には、収納ボックス10の開閉扉14を開閉自在にロックするためのロック機構15(図4参照)が設けられ、このロック機構15は、各収納ボックス10内の上端部及びこれに対応する開閉扉14の上端部に設けられたロック手段17(図2参照)から構成されている。各ロック手段17は、係合受部18を備えた受け部材20と、係合爪部22を備えた係合部材24とから構成され、受け部材20が収納ボックス10側に設けられ、係合部材24が開閉扉14側に設けられている。開閉扉14の係合爪部22が収納ボックス10側の係合受部18に解除自在に係合すると、このロック手段17がロック状態となる。このロック状態においては、係合部材24の係合爪部22が受け部材20の係合受部18に係合保持され、収納ボックス10に収納されたカルテケース16の取出しができず、収納したカルテ12を安全に管理することができる。また、開閉扉14側の係合部材14が収納ボックス10側の受け部材20から外れると、このロック手段17はロック解除状態となる。このロック解除状態においては、係合爪部22が係合受部18から外れた状態保持され、開閉扉14は収納ボックス10の開口部を開放する。尚、係合受部18と係合爪部22との係合、係合解除は、例えば電磁ソレノイド及びばね部材を利用した機械的機構を用いることによって行うことができる。
【0029】
各開閉扉14にばね部材などを設け、ロック手段17によるロック状態が解除されると、開閉扉14がばね部材の作用によって自動的に開放されるように構成するのが好ましく、このように構成することによって、開閉扉14の開放操作を省略してカルテケース16の取出しを容易にすることができる。
【0030】
この収納棚2においては、各収納ボックス10の開口部の上側に、カルテ12を取り出すときに点灯表示する取出し点灯表示手段26と、カルテ12を戻すときに点灯表示する戻し点灯表示手段28が設けられ、取出し点灯表示手段26が戻し点灯表示手段28の上側に配設されている。尚、これとは反対に、取出し点灯表示手段26を戻し点灯表示手段28の下側に配設するようにしてもよい。
【0031】
この実施形態では、各収納ボックス10の上側には表示部30が設けられ、取出し点灯表示手段26は複数の発光ダイオード27から構成され、これら発光ダイオード27が各収納ボックス10の表示部30に横方向に所定の間隔をおいて複数(具体例では、10個)設けられている。また、戻し点灯表示手段28も取出し点灯表示手段26と同様に複数の発光ダイオード29から構成され、かかる発光ダイオード29が各収納ボックス10の表示部30に横方向に所定の間隔をおいて複数(具体例では、10個)設けられている。発光ダイオード27,29の設置数は、各収納ボックス10に収納されるカルテケース16の数(換言すると、カルテ12の数)により適宜設定され、各収納ボックス10の表示部30に5〜25個程度設けられ、この実施形態では、一つの発光ダイオード27,29に対して一つのカルテケース16が対応して収納されるように構成されているが、一つの発光ダイオード27,29に対応して二つ又は三つ程度のカルテケース16が対応して収納されるように構成することもできる。
【0032】
この形態では、カルテ12の取出しと戻しとを容易に識別できるように、取出し点灯表示手段26の発光ダイオード27と戻し点灯表示手段28の発光ダイオード29との発色光の色が異なるように構成され、取出し用の発光ダイオード27は例えば赤色のものが用いられ、戻し用の発光ダイオード29は例えば青色(緑色)のものが用いられる。尚、取出し点灯表示手段26及び戻し点灯表示手段28として別個の発光ダイオード27,29を用いることに代えて、構成を簡単にするために共通の発光ダイオードを用いるようにしてもよく、この場合、カルテ12の取出しの際には発光ダイオードを例えば点灯するように構成し、またカルテ12の戻しの際には発光ダイオードを例えば点滅するように構成すればよい。
【0033】
この収納棚2には、例えば、図3に示すようにしてカルテ12が収納される。即ち、患者の症状、治療などを記載したカルテ12は、患者毎にカルテケース16に収容され、カルテケース16に収容された状態で収納ボックス10内に保管管理される。カルテケース16としては、上側及び横側が開放されたものを用いることができ、書類としてのカルテ12を識別するための識別情報としてのバーコード31が例えばその下部に付されており、かかるバーコード31を利用してカルテ12の識別が後述する如く行われる。尚、この形態では、バーコード31を用いているが、これに代えて、ICタグ、ICチップなどを用いるようにしてもよい。また、カルテケース16に代えて、カルテ保管袋、カルテ用ファイルなどを用いるようにしてもよい。
【0034】
上述したカルテ管理システムは、図4に示す制御系によって作動制御される。図4において、このカルテ管理システムは制御手段としてのマイクロコンピュータ32を備え、このマイクロコンピュータ32は例えばCPUから構成される。このマイクロコンピュータ32は、後述する如く機能するために、作動制御手段34、データ登録手段36、データ読出し手段38、データ照合手段40、初診判定手段42及び取出し・戻し判定手段44を備えている。作動制御手段34は、取出し点灯表示手段26の発光ダイオード27及び戻し点灯表示手段28の発光ダイオード29などを後述する点灯制御し、またロック機構15のロック手段17を後述する如く作動制御する。また、データ登録手段36は入力された情報などを後述するように登録し、データ読出し手段38は登録された登録情報を後述するように読み出し、データ照合手段40は各種情報を後述するように照合する。また、初診判定手段42は後述するようにして初診であることを判定し、取出し・戻し判定手段44は、後述するようにしてカルテ12の取出しか、カルテの戻しかを判定する。
【0035】
マイクロコンピュータ32は、更に、保管場所取消手段46、空きスペース演算手段50、最大空きスペース数選定手段52、入力数演算手段54、警報信号生成手段56、収納ボックス選定手段58、計時手段60及びメモリ手段62を含んでいる。保管場所取消手段46は保管場所情報を後述する如く取り消し、空きスペース演算手段50は各収納ボックス10における空きスペース数を演算し、最大空きスペース数選定手段52は、収納棚2の収納ボックス10ついての空きスペース数のうち最大の空きスペース数を選定する。また、入力数演算手段54は、カルテ12を戻す際に後述するようにして入力されたカルテ12の数を演算し、警報信号生成手段56は、入力数演算手段54による入力数が最大空きスペース数に達したときに警報信号を生成し、収納ボックス選定手段58は後述する如くして収納ボックス10を選定する。更に、計時手段54は時刻を計時し、カルテ12を取り出したときにはその取出し時刻を、また取り出したカルテ12を収納ボックス10に戻したときにはその戻し時刻を計時する。更に、メモリ手段56は、マイクロコンピュータ32で演算処理される各種情報を一時的に記憶する。
【0036】
この書類管理システムは、更に、各種情報を登録するための記憶装置64、各種情報を表示するための表示装置66、及び各種情報を入力するための入力手段68を備えている。記憶装置64はサーバー、ハードディスク装置などから構成され、患者に関する情報が登録された患者データベース70及びカルテ12に関する情報が登録された管理カルテデータベース72を含んでいる。患者データベース70に登録される患者情報は、患者の氏名、住所、電話番号、健康保険番号などとともに、患者毎に付与される患者管理番号を含んでいる。また、管理カルテデータベース72に登録されるカルテ情報は、患者番号と関連付けられたカルテ管理番号、カルテ保管場所(カルテ12が収納された収納ボックス10のボックス番号とその収納ボックス10の表示部30に配設された取出し点灯表示手段26及び戻し点灯表示手段28の発光ダイオード27,29に対応した位置番号)、カルテ取出し時刻、カルテ戻し時刻などを含んでいる。
【0037】
表示装置66は液晶表示装置、CRTなどから構成される。また、入力手段68は、キーボード74、マウス76、バーコードリーダ78及びカードリーダ80などから構成される。この実施形態では、初診の場合、患者の氏名、住所などはキーボード74及びマウス76を用いて入力され、このような入力情報に基づいて患者カード(例えば、磁気カード、ICカードを利用したカード)(図示せず)が作成され、この患者カードに患者番号、患者氏名、患者電話番号などの情報が登録される。また、カードリーダ80は患者カードに登録された情報を読み出すときに用いられ、バーコードリーダ78はカルテケース16に施されたバーコード31の情報を読み出すときに用いられる。
【0038】
この実施形態では、更に、収納棚2の複数の収納ボックス10の開閉状態を検知するための扉開閉検知手段82が設けられ、扉開閉検知手段82は、各収納ボックス10の開閉扉14に関連して配設された開閉スイッチ84から構成されている。各開閉スイッチ84は、例えば収納ボックス10の開口部に設けられ、開閉扉14が閉状態のときには閉(オン)に、開閉扉14が開状態のときには開(オフ)になり、このような開閉スイッチ84によって開閉扉14の開閉状態を検知することができる。尚、このような開閉スイッチ84は、ロック機構15の各ロック手段17に関連して設けるようにしてもよい。
【0039】
次に、主として図2及び図4とともに、図5及び図6を参照して、上述したカルテ管理システムにおけるカルテの取出し、戻しについて説明する。まず、図2、図4及び図5を参照してカルテの取出しについて説明すると、カルテを取り出すときには、入力手段68を用いて患者情報を入力する(ステップS1)。この実施形態では、キーボード74、マウス76又はカードリーダ80を用いて入力したときには、手元にカルテケース16が存在しておらず、それ故に、取出し・戻し判定手段44はカルテ12が収納棚2に収納されているとしてカルテ12の取出しと判定する(ステップS2)。初診の場合、患者カードを忘れた場合などにおいては、キーボード74及びマウス76を用いて患者情報の入力が行われ、再診の場合、患者カード及びカードリーダ78を用いて患者情報の入力が行われる。このように入力された患者情報は、マイクロコンピュータ32のメモリ手段62に一時的に記憶される。
【0040】
このようにして患者情報の入力が行われると、記憶装置64の患者データベース70に登録された患者情報と入力された患者情報との照合が行われ(ステップS3)、この照合によって登録された患者情報がある場合には、ステップS4からステップS5に進むが、登録された患者情報がない場合には、ステップS4からステップS6に進む。患者情報が登録されてないということは、その患者は初めてその病院に診察を受けに来たということであり、マイクロコンピュータ32の初診判定手段42は、その患者に対して初診として判定する(ステップS6)。
【0041】
このように初診と判定すると、カルテ管理者は新たにカルテ12を作成し(ステップS7)、初診の患者に対しては、新たに作成したカルテ12が用いられる。このカルテ情報を登録する際には、カルテケース16に付されたバーコード31との関連付けが行われる。カルテケース16のバーコード31はバーコードリーダ78を用いてバーコード情報が読み取られ、読み取られたバーコード情報とカルテ情報(例えば、カルテ番号)と患者情報(例えば、患者番号)との関連付けが行われ、このように患者情報と関連付けられたカルテ情報が患者データベース70及びカルテ管理データベース72に登録される。そして、このように新しく登録された患者情報及びカルテ情報を用いてカルテの保管管理が所要の通りに行われるようになる。
【0042】
一方、登録された患者情報が存在する場合、再診の患者であるので、収納棚2の収納ボックス10に保管管理されたカルテ12の取出しが行われる。この取出しにおいては、まず、入力された患者情報及び管理カルテデータベース72の登録カルテデータに基づいて、データ読出し手段38は入力された患者情報に対応するカルテ12の保管場所データを読み出し(ステップS5)、作動制御手段34は読み出した保管場所データに対応する取出し点灯表示手段26の発光ダイオード27を点灯し(ステップS8)、また点灯した発光ダイオード27に対応する開閉扉14のロック手段17のロック状態を解除する(ステップS9)。このように取出し点灯表示手段26の所定の発光ダイオード27が点灯し、この発光ダイオード27に対応する開閉扉14がに開放されるので、作業者はその患者のカルテ12が収納された収納場所を容易に見付けることができるとともに、その収納ボックス10に行ってこのカルテ12を容易に取り出すことができる(ステップS10)。尚、開閉扉14が開放されると、その開閉扉14に対応する開閉スイッチ80が開となり、この開閉スイッチ80の開(オフ)信号に基づいて、残りの収納ボックス10の開閉扉14が開放されるのが防止される。
【0043】
このようにして患者のカルテ12を取り出した後は、開閉扉14を閉じてロック手段17をロック状態にする(ステップS11)。かくすると、開閉扉14に対応する開閉スイッチ84が開から閉になり、かかる開閉スイッチ84の閉(オフ)信号に基づいて、保管場所移し手段50は保管場所データの変更を行う(ステップS12)。この実施形態では、各収納ボックス10において、カルテ12が所定方向に順に収納される(例えば、左詰めに順に収納される)ように構成されており、従って、カルテ12を収納した状態では、カルテ12は収納ボックス10内の所定方向(例えば、左から右方向)において前側(例えば、左側)から順に収納され、所定方向後側(例えば、右側)に空きスペースが存在するように管理される。このようにしてカルテ12の管理が行われるので、例えば特定の収納ボックス10において特定のカルテ12を取り出すと、特定収納ボックス10において特定カルテ12がなくなって空きスペースが一つ増えるので、この特定収納ボックス10内のカルテ12に対して保管場所データの変更が行われる。
【0044】
即ち、特定収納ボックス10において特定カルテ12を取り出すと、その特定カルテ12を基準として所定方向(例えば、左から右の方向)においてその前側(例えば、左側)のカルテ12については収納場所の移動はないが、その後側(例えば、右側)のカルテ12については収納場所が所定方向(例えば、左から右の方向)に一つ前側(例えば、左側)に移動するようになる。それ故に、保管場所移し手段50は、取り出したカルテ12の後側(例えば、右側)に位置するカルテ12の各々について保管場所データを一つ前側(例えば、左側)に移したデータに変更し、かく変更した収納場所データが管理カルテデータベース72に修正登録される。そして、この収納ボックス10についての空きスペースの演算が行われ(ステップS13)、空きスペース演算手段48は、この収納ボックス10の空きスペース数を「1」加算し、加算した空きスペース数が管理カルテデータベース72に登録される。
【0045】
その後、点灯していた取出し点灯表示手段26の発光ダイオード27が消灯し、このようにしてカルテ12の取出しが一つずつ行われる。このようにしてカルテ12の取出しが行われると、開閉扉14が閉状態になって開閉スイッチ80が閉になると、計時手段60はそのときの時刻を計時し、この時刻情報がカルテ取出し時刻情報としてカルテ情報に付加されて管理カルテデータベース72に登録される。尚、上述した実施形態では、カルテ12を左詰めでもって収納棚2の収納ボックス10に収納しているが、これに限定されず、カルテ12を右詰めでもって収納ボックス10に収納するようにしてもよい。
【0046】
また、取り出したカルテ12の戻しは、次のようにして行われ、一つの収納ボックス10に複数のカルテ12を同時に収納することができるように構成されている。主として図2、図4及び図6を参照して、カルテ12を戻すときには、入力手段68、この場合バーコードリーダ78を用いてカルテケース16に付されたバーコード31の読み取りが行われ(ステップS21)、バーコードリーダ78を用いてバーコード情報の入力が行われる。この実施形態では、バーコードリーダ78を用いて入力したときには、手元にカルテケース16が存在しており、それ故に、取出し・戻し判定手段44はカルテ12の戻しと判定する(ステップS22)。このバーコードリーダ78による入力が行われると、マイクロコンピュータ32の入力数演算手段54は、バーコードリーダ78で読み取ったバーコード情報の入力数(換言すると、入力したカルテ12の数)を演算する(ステップS23)。
【0047】
カルテ管理者は、一度に返却しようする数になるまで上述したようにしてバーコード情報の入力を繰り返し遂行するようになるが、この入力操作中において移動棚2の収納ボックス10に収納可能な最大収納数に達すると、ステップS24からステップS25に進み、警報信号生成手段56は警報信号を生成する。即ち、最大空きスペース数選定手段52は収納棚2の収納ボックス10の空きスペース数(この空きスペース数は、収納可能なカルテ12の数に対応する)のうち最大空きスペース数(この最大空きスペース数は、収納可能なカルテ12の最大収納可能数に対応する)を選定し、警報信号生成手段56は、この最大空きスペース数(換言すると、最大収納可能数)と入力数演算手段54の演算値とを対比し、演算値が最大スペース数に達すると警報信号を生成する。かくすると、警報信号に基づいて警報情報が表示装置66に表示され、この表示内容を見ることによって、カルテ管理者は収納ボックス10に一度に収納可能な限界に達したことを知ることができる。このような状態になると、バーコードリーダ78によるバーコード情報の更なる入力を禁止するように構成するのが望ましく、この入力禁止状態の解除は、例えば、読み取ったバーコード情報のカルテ12を収納ボックス10に収納したときに行うようにすることができる。尚、警報信号による警報は、表示装置66に加えて、又はこれに代えて、スピーカなどの音声発生手段により警告するようにしてもよい。
【0048】
ステップS24からステップS25を経て、又はステップS26を経て収納ボックス10に収納するカルテ12の数が設定されると、収納ボックス選定手段58はカルテ12を収納すべき収納ボックス10を選定する(ステップS27)。この実施形態では、収納棚2の収納ボックス10には優先的に収納するための優先順位が付されており、例えば、収納棚2の上下方向中央(上から第3番目)の段の優先順位が最も高く、この段に位置する収納ボックス10の左側から右側に向けて順に優先順位が付けられる。この優先順位は、その次が上から第2番目の段、上から第4番目の段、上から第1番目の段、上から第5番目の段の順となり、各段における収納ボックス10においては、上述と同様に、左側から右側に向けて順に優先順位が付けられる。このような優先順位は、カルテ管理者が管理を行い易いように適宜設定することができる。
【0049】
ステップS24からステップS25を経てステップS27に進むと、収納ボックス選定手段58は最大空きスペース数の収納ボックス10が複数存在するときには上述した優先順位において最も優先順位の高い収納ボックス10選定する。またステップ26からステップS27に進むと、収納ボックス選定手段58は、戻そうとするカルテ12を収納可能な収納ボックス10が複数存在するときにはこの優先順位において最も優先順位の高い収納ボックス10を選定する。換言すると、バーコードリーダ80で入力したカルテ数と同数の空きスペース数を有する収納ボックス10及びこのカルテ数よりも多い空きスペース数を有する収納ボックス10のうち最も優先順位の高いものが選定される。
【0050】
このように収納ボックス10が選定されると、作動制御手段34は、この収納ボックス10の収納場所に対応する戻し点灯表示手段28の発光ダイオード29を点灯する(ステップS28)。このとき、戻し点灯表示手段28の発光ダイオード29の点灯は、収納場所の指示と戻すカルテ数の確認のために戻すカルテ12に対応する数だけ点灯するようにしてもよいが、収納場所の指示のためにそれらの一つを点灯するようにしてもよい。
【0051】
そして、点灯した戻し点灯表示手段28の発光ダイオード29に対応する開閉扉14についてのロック手段17のロック状態が解除され(ステップS29)、これによって、カルテ管理者は点灯した発光ダイオード29によってカルテ12の戻すべき場所を容易に見付けることができ、戻すように入力したカルテ12を収納ボックス10に一度に戻すことができる(ステップS30)。尚、開閉扉14が開放されると、それに対応する開閉スイッチ80が開となり、この開閉スイッチ80の開信号に基づいて、残りの収納ボックス10の開閉扉14が開放されるのが防止される。
【0052】
このようにしてカルテ12を収納した後は、開閉扉14を閉じてロック手段17をロック状態にする(ステップS31)。かくすると、開閉扉14に対応する開閉スイッチ80が閉になり、かかる開閉スイッチ80の閉信号に基づいて、次の動作が行われる。まず、カルテ12を収納した収納ボックス10において、戻すように入力されたカルテ12が、所定方向(例えば、左から右の方向)に見て収納された状態のカルテ12の後側(例えば、右側)に、戻すように入力された順に収納されることから、この収納したカルテ12の各々についてそれぞれ収納された収納場所に対応する収納場所情報が付され、収納したカルテ12のカルテ情報と関連付けられて管理カルテデータベース72に登録される。次いで、空きスペース演算手段48は、カルテ12を戻した収納ボックス10についての空きスペース数を演算する(ステップS33)。収納ボックス10に空きがないようにカルテ12を戻すと、空きスペース数がゼロとなって収納可能なスペースなくなり、更なるカルテ12の収納はできなくなるが、空きスペース数がいくつか残ると、この空きスペース数に更なるカルテ12の収納が可能となる。また、点灯していた戻し点灯表示手段28の発光ダイオード29が消灯し(ステップS34)、このようにして取り出したカルテ12(新たに作成したものを含む)の収納が行われる。尚、開閉扉14を閉じて開閉スイッチ80が閉になると、計時手段60はそのときの時刻を計時し、この時刻情報がカルテ戻し時刻情報としてカルテ情報に付加される。
【0053】
このようにしてカルテ12を収納した後はステップS21に戻り、取り出したカルテ12を全て収納棚2に戻すまで上述した動作が繰り返し行われる。
以上、本発明に従う書類管理システムの一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0054】
例えば、上述した実施形態では、収納棚2の全体を一つの領域として設定し、この領域内において収納ボックス10の優先順位を設定しているが、収納棚2の全体を優先順位に応じて二つ又は三つ以上の領域に区分し、これら区分された各領域において優先順位を設定するようにしてもよい。収納棚2を例えば二つの領域に、例えば収納の優先順位が高い優先領域(例えば、図1の収納棚2において、上から第2、第3及び第4番目の段の収納ボックス10)と収納の優先順位が低い予備領域(例えば、最上段及び最下段の収納ボックス10)とに区分した場合、優先領域及び予備領域のそれぞれの収納ボックス10について別個に優先順位を付すようになる。かかる場合、カルテ12を戻す際に、収納ボックス選定手段58は、まず、戻すために入力された入力数のカルテ12を収納するように優先領域の収納ボックス10から上述したように優先順位に沿って選定し、カルテ12は優先領域の収納ボックス10に優先的に収納されるようになる。そして、優先領域の全収納ボックス10において収納スペースがなくなった後に、収納ボックス選定手段58は、次に、予備領域の収納ボックス10から上述したように優先順位に沿って選定し、カルテ12は予備領域の収納ボックス10に収納されるようになる。このように構成した場合、取出しの多いカルテ12が優先領域の収納ボックス10に収納されるようになり、カルテ12の取扱いが効率的となるように保管管理することができる。
【0055】
上述したように優先領域及び予備領域と区分することに代えて、通常に使用する書類を収容する通常領域と、所定期間(例えば、3カ月、6カ月など)継続して使用していない書類を収納する保管領域とに区分するように構成することもでき、この場合、例えば、図1の収納棚2において、書類の出し入れが容易な収納ボックス10(例えば、上から第2、第3及び第4番目の段の収納ボックス10)を使用領域と設定し、書類の出し入れが容易でない収納ボックス10(例えば、最上段及び最下段の収納ボックス10)を保管領域と設定することができる。このように構成した場合、使用領域の収納ボックス10から所定期間、例えば6カ月継続して使用していない書類、例えば長期不使用カルテ12を取り出すときには、図7に示すように行われ、取り出した長期不使用カルテ12を保管領域の収納ボックス10に収納するときには、図8に示すように行われる。
【0056】
図7において、所定期間不使用のカルテ12を取り出すときには、不使用期間、例えば6カ月を入力手段68を用いて入力操作する(ステップS41)。この修正形態では、キーボード74、マウス76などを用いて入力し、かく入力すると、取出し・戻し判定手段44はカルテ12が収納棚2に収納されているとしてカルテ12の取出しと判定する(ステップS42)。かく入力すると、マイクロコンピュータ42は、使用領域の複数の収納ボックス10に収納された各カルテ12について、最後に収納した時刻から現時点までの不使用経過時間、即ち不使用収納時間を演算し(ステップS43)、この不使用経過期間が入力手段68により入力した不使用期間(例えば、6カ月)を超えたカルテ12が存在しないときには、ステップS44を経て終了し、使用領域の収納ボックス10に収納されたカルテ12を取り出すことなく作業は終了する。
【0057】
一方、不使用経過時間が入力した不使用期間(例えば、6カ月)を超えたカルテ12が存在しているときには、ステップS44からステップS45に進み、マイクロコンピュータ32のデータ読出し手段38は所定期間不使用のカルテ12の一つの保管場所データを読み出し(ステップS45)、作動制御手段34は読み出した保管場所データに対応する取出し点灯表示手段26の発光ダイオード27を点灯し(ステップS46)、また点灯した発光ダイオード27に対応する開閉扉14のロック手段17のロック状態を解除する(ステップS47)。このように取出し点灯表示手段26の所定の発光ダイオード27が点灯し、この発光ダイオード27に対応する開閉扉14が開放されるので、作業者はその不使用カルテ12が収納された収納場所を容易に見付けることができるとともに、その収納ボックス10に行ってこのカルテ12を容易に取り出すことができる(ステップS48)。
【0058】
このようにして患者のカルテ12を取り出した後は、開閉扉14を閉じてロック手段17をロック状態にする(ステップS49)。かくすると、開閉扉14に対応する開閉スイッチ84が開から閉になり、かかる開閉スイッチ84の閉(オフ)信号に基づいて、保管場所移し手段50は保管場所データの変更を行い(ステップS50)、この保管場所データの変更は、上述したと同様に、取り出した特定カルテ12を基準として所定方向(例えば、左から右の方向)においてその前側のカルテ12については収納場所の移動はないが、その後側のカルテ12については収納場所が所定方向に一つ前側に移動され、かく変更された収納場所データが管理カルテデータベース72に修正登録される。そして、このカルテ12を取り出した収納ボックス10についての空きスペースの演算が行われ(ステップS51)、空きスペース演算手段48は、この収納ボックス10の空きスペース数を「1」加算し、加算した空きスペース数が管理カルテデータベース72に登録される。
【0059】
その後、点灯していた取出し点灯表示手段26の発光ダイオード27が消灯し(ステップS52)、このようにして不使用のカルテ12の取出しが行われ、ステップS53の後にステップS41に戻り、不使用の全カルテ12について一つずつ行われる。尚、上述した修正形態では、所定期間未使用のカルテ12を各カルテ12毎に取り出しているが、このような取出しは使用領域の各収納ボックス12毎に取り出すようにしてもよく、このように構成した場合、データ読出し手段38は各収納ボックス12毎に、その収納ボックス12に収納された所定期間不使用の全カルテ12の保管場所データを読み出し、作動制御手段34は読み出した保管場所データに対応する取出し点灯表示手段26の全発光ダイオード27を点灯し、またこの収納ボックス12の開閉扉14のロック手段17のロック状態を解除するようになり、このように構成することによって、カルテ12の取出しを効率的に行うことができる。
【0060】
次に、図8を参照して、取り出した長期不使用カルテ12の収納について説明すると、カルテ12を戻すときには、バーコードリーダ78を用いてカルテケース16に付されたバーコード31の読み取りが行われ(ステップS61)、このようにバーコードリーダ78を用いて入力したときには、手元にカルテケース16が存在しており、それ故に、取出し・戻し判定手段44はカルテ12の戻しと判定する(ステップS62)。このバーコードリーダ78による入力が行われると、収納ボックス選定手段58は、保管領域の複数の収納ボックス10の収納保管する優先順位の順に保管すべき収納ボックス10を選定する(ステップS63)。例えば、この修正形態では、図1の最上段及び最下段に保管領域が設定され、最上段の例えば左から右に向けて優先順位が付され、最上段の次に最下段の例えば左から右に向けて優先順位が付されており、従って、収納ボックス選定手段58は、まず、最上段の左端の収納ボックス10を選定し、この収納ボックス10に空きスペースが存在しないときには、優先順位の順に右に移って空きスペースが存在する収納ボックス10のうち最も優先順位の高い収納ボックス10を選定する。
【0061】
このように保管すべき収納ボックス10が選定されると、マイクロコンピュータ32の入力数演算手段54は、バーコードリーダ78で読み取ったバーコード情報の入力数(換言すると、保管すべきカルテ12の数)を演算し(ステップS64)、この入力カルテ数が選定された収納ボックス10の収納可能数、即ち空きスペース数に達するまで行われる。そして、収納可能数まで達すると、ステップS65からステップS66に進み、警報信号生成手段56は警報信号を生成し、この警報信号に基づいて警報情報が表示装置66に表示され、この表示内容を見ることによって、カルテ管理者は選定された収納ボックス10に一度に保管収納可能な限界に達したことを知ることができる。
【0062】
ステップS65からステップS66を経て、又は収納可能数に達することなくステップS67を経てステップS68に進むと、作動制御手段34は、選定された収納ボックス10の収納場所に対応する戻し点灯表示手段28の発光ダイオード29を点灯し、点灯した戻し点灯表示手段28の発光ダイオード29に対応する開閉扉14についてのロック手段17のロック状態が解除され(ステップS69)、これによって、カルテ管理者は点灯した発光ダイオード29によって長期不使用カルテ12の保管すべき場所を容易に見付けることができ、戻すように入力したカルテ12を保管領域の収納ボックス10に一度に戻すことができる(ステップS70)。
【0063】
このようにして長期不使用カルテ12を保管した後は、開閉扉14を閉じてロック手段17をロック状態にする(ステップS71)。かくすると、開閉扉14に対応する開閉スイッチ80が閉になり、かかる開閉スイッチ80の閉信号に基づいて、次の動作が行われる。まず、長期不使用カルテ12を保管した収納ボックス10において、保管するように入力されたカルテ12が、所定方向(例えば、左から右の方向)に見て収納された状態のカルテ12の後側(例えば、右側)に、保管されるように入力された順に保管されることから、この収納したカルテ12の各々についてそれぞれ収納された保管場所に対応する収納場所情報が付され、保管されたカルテ12のカルテ情報と関連付けられて管理カルテデータベース72に登録される(ステップS72)。次いで、空きスペース演算手段48は、長期不使用カルテ12を戻した収納ボックス10についての空きスペース数を演算し(ステップS73)、空きがないようにカルテ12を保管したときには、この収納ボックス10の空きスペース数はゼロとなって収納可能なスペースなくなるが、空きスペース数がいくつか残ると、この空きスペース数に更なるカルテ12の収納が可能となる。尚、開閉扉14を閉じて開閉スイッチ80が閉になると、計時手段60はそのときの時刻を計時し、この時刻情報がカルテ保管時刻情報としてカルテ情報に付加される。
【0064】
このようにして長期不使用カルテ12を保管領域の収納ボックス10に保管した後はステップS75からステップS61に戻り、使用領域の収納ボックス10から取り出した長期不使用カルテ12の全てを保管領域の収納ボックス10に戻すまで上述した動作が繰り返し行われ、取り出したカルテ12は保管領域の収納ボックス10に、設定された優先順位の順に保管される。このように使用領域と保管領域との区別することによって、長期不使用カルテ12を区別して保管することができ、カルテ12の保管を効率的に行うことができる。
【0065】
このような収納ボックス10に、更に、保存領域としての保存棚(図示せず)を付設するようにしてもよい。この保存棚も収納ボックス10と同様の構成でよく、優先順位が付された複数の保存ボックスを有し、不要になったカルテ12はこの保存ボックスに収容される。即ち、保管領域に長期(例えば、1年程度)にわたって保管された長期不使用のカルテ12は、保存領域の収納ボックス10を一つの単位として保存棚の保存ボックスに移され、このように一つの収納ブックス10に収納されたカルテ12をまとめて保存ボックスに移すことによって、保存棚の保存ボックスに収容されたカルテ12の管理を書類管理システムのマイクロコンピュータを利用して容易に行うことができる。
【0066】
また、例えば、上述した実施形態では、カルテ12を収納するカルテケース16の厚さが一定である場合について説明したが、厚さの異なる複数種のカルテケース16を用いる場合にも適用することができ、かかる場合、次のようなドット管理によってカルテケース16の厚み管理を行うようにすることができる。例えば、厚みが標準である標準カルテケース(換言すると、標準書類)については標準ドット数、例えば10ドットに設定し、標準カルテケースよりも厚さが薄いカルテケース(換言すると、薄い書類)については標準ドット数よりも少ない減少ドット数、例えば5ドットに設定し、標準カルテケースよりも厚さが幾分厚い(又は厚い)カルテケースについては標準ドット数よりも多い増加ドット数、例えば15(又は20)ドットに設定し、このようにドット管理することによって、厚さの異なるカルテケース(換言すると、カルテ)を複数種用いても比較的簡単に且つ容易に収納したカルテの収納場所情報を管理することができる。この場合、各収納ボックス10毎に収納場所情報を得るためのドットが割り当てられ、その割当ては所定方向に見て前端から後端(例えば、左詰めの場合、左端から右端)の方向に割り当てられ、厚さの異なる各種カルテケースは、所定方向前端(例えば、左詰めの場合に左端)から順にドット管理されるようになり、各収納ボックス10における空きスペース数は、カルテケースが収納されていない空いた場所に対応するドットの数、即ち空きドット数を利用して演算されるようになる。
【0067】
また、上述した実施形態では、収納されたカルテ12を取り出すときに一つずつ取り出すように説明したが、カードリーダ80で複数の患者の患者情報を入力したときには、入力した患者情報をマイクロコンピュータ32のメモリ手段62に一時的に記憶し、カードリーダ80で入力した順に一つずつカルテ12を上述したようにして取り出すようになる。このようにカルテ12を取り出す場合、マイクロコンピュータ32に優先選択手段(図示せず)を含ませ、先に入力された患者情報に対応するカルテ12と、後に入力された患者情報に対応するカルテ12とが同一の収納ボックス12に収納されているときには、作動制御手段34が先に入力された患者情報を選択してこの情報のカルテ12に対応する取出し点灯表示手段26の発光ダイオード27を点灯する際に、優先選択手段が後に入力された患者情報に対応するカルテ12を優先して選択し、優先選択された患者情報のカルテ12に対応する取出し点灯表示手段26の発光ダイオード27も併せて点灯させ、カルテ管理者にこの収納ボックス10に取り出すべきカルテ12が二つ収納されていることを知らせるようにするのが望ましい。このように構成することによって、カルテ12の一層効率的な取出しが可能となる。
【0068】
また、上述した実施形態では、各収納ボックス10の開口部の上側に表示部30を設け、この表示部30に取出し点灯表示手段26及び戻し点灯表示手段28を設けているが、図9に示すように、このような表示部を各収納ボックス10内の上部に設けるようにしてもよい。図9において、この変形形態では、表示部30Aは収納ボックス10内の上部に配設され、かかる表示部30Aに取出し点灯表示部26及び戻し点灯表示部28が設けられている。この変形形態のその他の構成は、上述した実施形態と実質上同一である。
【0069】
このような変形形態では、収納棚2Aの開閉扉14を閉状態にして収納ボックス10を閉じると、図9に示すように、表示部30Aが開閉扉14によって覆われ、取出し点灯表示手段26及び戻し点灯表示手段28が収納ボックス10内に収容される。従って、棚本体4Aの前面には突出物などが存在せず、デザイン的にスッキリしたものとなる。尚、このように構成する場合、ロック手段17のロック状態が解除されたときに開閉扉14が自動的に開放されるように構成するのが望ましい。
【0070】
また、上述した実施形態では、収納棚2(2A)の収納ボックス10に対応して表示部30(30A)を設けているが、収納ボックス10に収納されるカルテ12の数が少ない場合などにおいては、かかる表示部30(30A)を省略することができる。
【0071】
また、上述した実施形態では、入力手段68としてキーボード74,マウス76、バーコードリーダ78及びカードリーダ80を用いているが、これらに加えて携帯型チップ識別装置(Radio Frequency Identification)を用いるようにしてもよい。この携帯型チップ識別装置は、情報が登録されたICチップ(所謂、無線チップ)と、このICチップに登録された情報を読み取るチップ読取り手段とから構成され、ICチップが書類側、例えばカルテケース16に貼着され、チップ読取り手段が書類管理者が携帯して使用する(例えば、腕に取り付ける小型のものであれば、使用者の腕に取り付けて使用する)。
【0072】
この携帯型チップ識別装置を用いる場合、次のような用い方をすることができる。例えば、収納ボックスから書類を取り出す場合、患者カードとしてICチップを内蔵したICカードを用いることによって、チップ読取り手段によってICカードに登録された情報を読み取り、この読み取った情報を利用して収納ボックス10に収納されたカルテ12(具体的には、カルテ12が収納されたカルテケース16)を取り出すようにすることができ、その取出しは上述したと同様に行うことができ、このようにすることによって、複数のICカードを手で持ち、それらの情報を順に読み取りながら収納ボックス10に収納されたカルテ12を一つずつ取り出すことができる。
【0073】
また、例えば、収納ボックス10からカルテ12(カルテケース16)を取り出す場合、取り出したカルテ12の確認を行うことが可能となる。即ち、チップ読取り手段(又は、カードリーダ80)によってICカードに登録された情報を読み取り、読み取った情報に対応するカルテ12を上述したようにして取り出し、この取り出した際に、チップ読取り手段によってカルテケース16に貼着されたICチップに登録された情報を読み取るようにする。そして、カルテ12の取り出しに際して入力した入力取出し情報(チップ読取り手段又はカードリーダ80により読み取った情報)と、取り出したカルテケース16のICチップの読取り確認情報(チップ読取り手段により入力された情報)とを対比し、入力取出し情報と読取り確認情報とが一致するときには、正しいカルテ12(カルテケース16)が取り出されたとして適宜の正しい合図を出力し(例えば、「ピンポン」と音声出力する)、また入力取出し情報と読取り確認情報とが一致しないときには、誤ったカルテ12(カルテケース16)が取り出されたとして適宜の間違い合図を出力する(例えば、「ブー」と音声出力する)ようにする。このように構成することによって、カルテ12を取出しながら取り出したカルテ12の確認を行うことができ、カルテ12の取出し作業が容易になるとともに、カルテ12の誤取出しを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】書類管理システムの一例としてのカルテ管理システムにおける収納棚を簡略的に示す斜視図。
【図2】図1の収納棚の一部を、開閉扉を開放した状態で示す斜視図。
【図3】図2の収納棚の収納ボックスに収納されるカルテケース及びそれに収容されたカルテを示す斜視図。
【図4】カルテ管理システムの制御系を示すブロック図。
【図5】図5は、カルテ管理システムにおけるカルテの取出しの流れを示すフローチャート。
【図6】カルテ管理システムにおけるカルテの戻しの流れを示すフローチャート。
【図7】使用領域の収納ボックスに収納された長期不使用カルテの取出しの流れを示すフローチャート。
【図8】長期不使用カルテの保管領域の収納ボックスへの保管の流れを示すフローチャート。
【図9】収納棚の変形形態の一部を、開閉扉を開放した状態で示す斜視図。
【符号の説明】
【0075】
2 収納棚
4 棚本体
10 収納ボックス
12 カルテ
14 開閉扉
16 カルテケース
17 ロック手段
26 取出し点灯表示手段
28 戻し点灯表示手段
32 マイクロコンピュータ
48 空きスペース演算手段
50 保管場所移し手段
52 最大スペース数選定手段
54 入力数演算手段
56 警告信号生成手段
58 収納ボックス選定手段
74 入力手段
72 管理カルテデータベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種の書類を収納するための複数の収納ボックスを備えた収納棚と、前記収納棚の各収納ボックスに開閉自在に装着された開閉扉と、前記開閉扉を開閉自在にロックするためのロック手段と、前記複数種の書類を識別するための識別情報を入力するための入力手段と、前記複数種の書類に関する情報を登録する管理書類データベースと、前記ロック手段を制御するための制御手段と、を具備し、
前記制御手段は、前記複数の収納ボックスの各々の空きスペース数を演算するための空きスペース演算手段と、前記空きスペース演算手段により演算された空きスペース数の最大値を選定する最大スペース数選定手段と、前記複数種の書類の入力数を演算するための入力数演算手段と、警報信号を生成する警報信号生成手段とを備え、前記警報信号生成手段は、前記入力数演算手段の入力数が空きスペース数の最大値に達すると前記警報信号を生成することを特徴とする書類管理システム。
【請求項2】
前記複数の収納ボックスには収納のための優先順位が付されており、このことに関連して、前記制御手段は前記入力数演算手段により演算された入力数の書類が収容可能な前記収納ボックスを選定する収納ボックス選定手段を備えており、前記収納ボックス選定手段は、前記入力数の書類が収納可能な前記収納ボックスのうち優先順位の高い収納ボックスを選定することを特徴とする請求項1に記載の書類管理システム。
【請求項3】
前記複数の収納ボックスは、収納の優先順位が高い優先領域と、収納の優先順位が低い予備領域とに区分されており、前記収納ボックス選定手段は、まず、前記優先領域の前記複数の収納ボックスについて前記入力数の書類を収納するように収納ボックスを選定し、前記優先領域の前記複数の収納ボックスの収納場所がなくなった後に、前記予備領域の前記収納ボックスついて前記入力数の書類を収納するように収納ボックスを選定することを特徴とする請求項2に記載の書類管理システム。
【請求項4】
前記複数の収納ボックスの各々に対応して、点灯表示するための点灯表示手段が設けられており、前記制御手段は、前記収納ボックス選定手段が選定した前記収納ボックスに対応する前記点灯表示手段を点灯することを特徴とする請求項2又は3に記載の書類管理システム。
【請求項5】
前記制御手段は、収納された書類を取り出す場合に、前記入力手段により入力された順に前記点灯表示手段を点灯するように構成されており、このことに関連して、前記制御手段は、前記点灯表示手段の点灯順位を優先するための優先選択手段を備えており、同一の収納ボックスに収納された書類が前後して前記入力手段により入力されると、前記優先選択手段は、先に入力された書類を選択するときに後に入力された書類も同時に選択し、前記点灯表示手段はこれら書類に対応して点灯することを特徴とする請求項4に記載の書類管理システム。
【請求項6】
前記複数の収納ボックスは、通常に使用する書類を収納する使用領域と、所定期間継続して使用していない書類を収納する保管領域とに区分され、前記使用領域の前記複数の収納ボックスと前記保管領域の前記複数の収納ボックスとは別個に優先順位が付けられており、前記使用領域の前記複数の収納ボックスに収納された書類のうち所定期間継続して使用してない書類を取り出して前記保管領域の前記複数の収納ボックスに収納するときには、前記警報信号生成手段は、前記保管領域の前記複数の収納ボックスの優先順位の順にその収納ボックスの空きスペース数に達すると前記警報信号を生成することを特徴とする請求項2に記載の書類管理システム。
【請求項7】
前記収納ボックスへの書類の収納は所定方向に順に収容されるように構成されており、このことに関連して、前記制御手段は、前記収納ボックスに収納された前記複数の書類の保管場所情報を移す保管場所移し手段を備えており、前記特定収納ボックスから特定書類を取り出したときに、前記保管場所移し手段は、前記所定方向の順序に見て前記特定書類より後側の書類の前記保管場所情報を前側に移すことを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の書類管理システム。
【請求項8】
前記制御手段に関連して、携帯型チップ識別装置が設けられ、前記携帯型チップ識別装置は、書類側に設けられるICチップと、書類管理者が携帯するチップ読取り手段とから構成され、前記チップ読取り装置が前記ICチップに登録された情報を読み取ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の書類管理システム。
【請求項9】
前記複数種の書類はドットでもって厚み管理され、前記複数種の書類を保管する保管場所情報はこのドットでもって管理され、厚みが標準である書類は基準ドット数に設定され、前記標準書類よりも厚い書類は前記基準ドット数よりも多い増加ドット数に設定され、前記標準書類よりも薄い書類は前記基準ドット数よりも少ない減少ドット数に設定されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の書類管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−331939(P2007−331939A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−303881(P2006−303881)
【出願日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(505406523)株式会社スミタシステム (6)
【Fターム(参考)】