有利には二酸化ケイ素および/またはシリコンを製造するための設備との高エネルギ複合体としての、カーボンブラックを製造するためのエネルギ効率の良い設備
本発明の対象は、熱電併給もしくはコジェネレーションまたは電気的なエネルギを形成するための熱的な火力発電所によって、炭素化合物、たとえばカーボンブラック、グラファイトの工業的な製造または糖熱分解からの廃熱または残留ガスを、特に溶融炉の運転のための利用し、かつ/または吸熱プロセスにおける廃熱を利用するためのエネルギ効率の良い設備を提供すること、ならびに廃熱の相応する使用である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、熱電併給もしくはコジェネレーション(Kraft-Waerme-Kopplung)または電気的なエネルギを形成するための熱的な火力発電所(thermisch. Waermekraftwerk)によって、炭素化合物、たとえばカーボンブラック、グラファイトの工業的な製造または糖熱分解からの廃熱または残留ガスを、特に溶融炉の運転のための利用し、かつ/または吸熱プロセスにおける廃熱を利用するためのエネルギ効率の良い設備を提供すること、ならびに廃熱の相応する使用である。
【0002】
本発明による設備により、ケイ素、つまりシリコンの製造時における著しいプロセス集中化を達成することができる。このような著しいプロセス集中化は、環境に有害な二酸化炭素および/または一酸化炭素の著しい低減ならびに電気的なエネルギの著しく減じられた需要をもたらす。さらに、二酸化ケイ素からケイ素への還元の際にアーク炉内に形成されるケイ素酸化物を戻す(再循環)ことによって、全体方法における使用されたケイ素の物質収支を著しく向上させることができる。
【0003】
これまで、廃熱、つまりカーボンブラック(Carbon Black)の製造時に発生する熱的なエネルギは、工業的および経済的に別のプロセスのために利用されていなかった。カーボンブラック法の廃熱は目下、同じ方法の燃焼空気およびオイルのような原料(Edukte)のプレヒーティングもしくは予熱のために利用されるのが普通である。相応して、これまでは、シリコンの製造の廃熱も、特に高温のプロセスガスの形で、空気によってのみクエンチされ、かつ二酸化ケイ素の分離のために熱ガスフィルタに通される。この方法において発生したテールガスは、発電のために消費される。カーボンブラック製造またはシリコン製造からのかなりの量の熱的なエネルギを別のプロセスにおけるエネルギ節約のために利用することは、これまで不可能であった。特に高純度のカーボンブラックの製造の際に、またはソーラシリコンの製造あるいはまた、半導体シリコンの製造のために適しているシリコンの製造の際に、過剰の熱的なエネルギを移送することは、高純度の製品を製造するための特定のプロセスの空間的分離が必要となることに基づき、考えられなかった。製品のその都度の純度に課せられる極端に高い要求や、相互汚染の可能性により、このような可能性は断定的に排除されていた。
【0004】
カーボンブラックを製造するための方法としては、ガスブラック法(ドイツ民主共和国特許第29261号明細書、ドイツ連邦共和国特許第2931907号明細書、ドイツ連邦共和国特許第671739号明細書、「Carbon Black」、Prof. Donnet著、1993年、出版社MARCEL DECCER INC、 New York在 第57頁以降)が知られている。このガスブラック法では、油蒸気で負荷された水素含有のキャリヤガスが、多数の流出開口において空気過剰量で燃焼される。火炎(フレーム)は水冷されたローラに衝突し、このことは燃焼反応を中断する。火炎内部に形成されたカーボンブラックの一部はローラ上に沈殿し、そしてこのローラから掻き取られる。排ガス流中に残ったカーボンブラックはフィルタにおいて分離される。さらに、チャンネルブラック法(「Carbon Black」、Prof. Donnet著、1993年、出版社MARCEL DECCER INC、 New York在 第57頁以降)が知られている。チャンネルブラック法では、天然ガス供給された多数の小さな火炎が、水冷された鉄樋(チャンネル)に向かって燃焼する。鉄樋に析出されたカーボンブラックが掻き取られて、ホッパ内に捕集される。
【0005】
上記プロセスでは、大量の廃熱が、特に200℃よりも低い温度を有する高温の残留ガス、とりわけ高温の水蒸気のような残留ガスの形で発生する。ファーネスブラックプロセスでは、テールガスが残留ガスとして発生する。
【0006】
従来では、廃熱は、たとえば凝縮器を介してガスから部分的に取り出され、次いでガスは清浄化されて、環境へ放出される。取り出された廃熱は、これまで十分には利用されていない。
【0007】
カーボンブラックの微粒状の構造に基づき、別の設備部分がカーボンブラックによって汚染されてしまうことを回避することができない。この理由から、このような設備は、やはり高純度の化合物を製造するために使用される別の設備と1つの工場では組み合わされなかった。
【0008】
それに対して、たとえばケイ素酸化物、特に二酸化ケイ素、たとえば沈降ケイ酸またはイオン交換器によって清浄化されたケイ酸を製造する際の乾燥ステップは、湿ったケイ素酸化物を乾燥させるために、特に多くのエネルギの供給を必要とする。
【0009】
本発明の課題は、エネルギ効率の良い設備を開発し、かつカーボンブラック、特に二酸化ケイ素の製造時における熱的なエネルギの有効な使用を提供することである。別の課題は、熱的なエネルギを高い効率でシリコンの製造時の全体方法もしくは全体使用のために利用することを可能にする全体設備を開発することである。
【0010】
上記課題は、独立請求項の特徴部に記載の特徴を有する本発明による設備、特に全体設備あるいはまた部分設備として形成された本発明による設備、および本発明による使用により解決される。従属請求項および発明の詳細な説明には、本発明の有利な実施態様が記載されている。
【0011】
本発明の1対象は、炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器4.1を有する全体設備2である。この場合、この反応器はコジェネレーション5.1に接続されており、該コジェネレーション5.1を介して、廃熱5.3の一部分が、熱的な反応から分離され、廃熱の別の部分が、電気的なエネルギ5.2に変換される。この場合、分離された廃熱5.3は、ケイ素酸化物を製造するための方法、特に二酸化ケイ素の製造時の方法ステップにおいて、装置7.1で利用される。特に有利には、前記廃熱が、間接的または直接的に、沈降ケイ酸またはケイ酸ゲルを形成するための沈降容器の加熱または温度制御のために、かつ/またはケイ素酸化物、特に二酸化ケイ素、たとえば沈降ケイ酸またはイオン交換器を介して清浄化されたケイ酸ゲルの乾燥のために装置7.1で利用される。特に前記廃熱5.3は熱交換器8を介して有利には二次循環路内で案内される。有利な択一的な構成では、SiO2の直接的な乾燥を、図2bまたは図2cに図示されているように、過剰過熱、つまり過熱された蒸気5.3によって行うことができる。低温蒸気5.3を用いて、以下に説明するような接触乾燥器を運転することができる。
【0012】
コジェネレーション5.1からの取得された電気的なエネルギは、金属の化合物を還元するための反応器6.1へのエネルギ供給のために、二酸化ケイ素を製造するために、特に有利には沈降ケイ酸、熱分解法ケイ酸またはケイ酸ゲルの製造において利用され、かつ/または有利には沈降時の乾燥および/または温度制御のために装置7.1において利用され得る。また、電気的なエネルギを、熱分解法酸化物、たとえば熱分解法ケイ酸の製造における装置の運転のために利用することも可能である。可能となる変化実施態様では、電気的なエネルギが、HCI回収のための脱着時に前記方法において利用され得る。全体設備は、ケイ素酸化物およびカーボンブラック製品を所定の現場に設け、かつ場合によっては金属の化合物を還元するための反応器6.1を、電流回路網を介して別の場所に設けることを可能にする。
【0013】
コジェネレーションのためには、当業者に良く知られている装置5.1または設備5.1を使用することができる。コジェネレーションは、熱機関利用発電所(thermisch. Waermekraftwerke)、すなわち火力発電所の純然たる電流取得よりも著しく良好な効率を有している。コジェネレーションの全効率は、特に有利な事例では最大90パーセントになり得る。この場合、コジェネレーションは本発明によれば、電流・熱案内されて運転されるだけでなく、単独で電流案内されてのみ、または熱案内されてのみでも運転され得る。コジェネレーションは一般に高温の水蒸気を用いて作動する。この水蒸気は蒸気タービンを駆動し、次いで、この蒸気タービンを介して電流発生が行われる。有利には二酸化ケイ素を製造するための方法において、たとえばケイ素酸化物の温度制御または乾燥のために、水蒸気を分離しかつ熱交換器内へ供給することは、一般に最後のタービン段の手前、つまり上流側で行われる。本発明による設備では、この分離が有利には最後のタービン段の背後、つまり下流側でも行われ得る。通常、たとえば沈降容器の温度制御またはケイ素酸化物、たとえば沈降ケイ酸またはケイ酸ゲルの乾燥は、熱交換器を介して、つまり二次循環路を介して行われる。また、前で記載したように、乾燥のための廃熱の直接的な利用も可能である。コジェネレーションは、カーボンブラック製造からの廃熱、たとえば有利にはクエンチゾーンまたは別の高熱の反応器部分の下流側の廃熱を、たとえば熱交換器またはプロセス蒸気の直接的な利用を介して入手し、かつ/または水蒸気を形成するために働くことのできるテールガスの燃焼からの廃熱を入手することができる。有利には、コジェネレーションは蒸気を用いて運転される。テールガスはとりわけ水蒸気、水素、窒素、Cx、一酸化炭素、アルゴン、硫化水素、メタン、エタン、エテン、エチン、アミド、窒素含有化合物、金属酸化物、たとえば酸化アルミニウムおよび/または二酸化炭素を含有している。有利には、コジェネレーションは背圧運転で作動する。これにより、蒸気回路プロセスにおいて熱損失は生じなくなる。これにより、一般に新しい冷却水の需要は生じなくなる。
【0014】
本発明によれば、燃焼空気の予熱ゾーンの下流側のキャリヤガスおよび/または5.1におけるテールガスの燃焼からの廃熱が廃熱5.3として利用され得る。特に有利には、過熱された蒸気5.3が、図2bおよび図2cに図示されているように、4.1からまたは5.1を介して直接に、二酸化ケイ素を製造するための方法において、特にケイ酸ゲルまたは沈降されたケイ酸のような二酸化ケイ素を直接に乾燥させるために利用され得る。付加的にまたは択一的に、低温蒸気を用いて、接触乾燥器(装置7.1)、たとえばプレート型乾燥器または有利には回転管型乾燥器を運転することができる。5.1からの取得された流れを用いて、有利には二酸化ケイ素を乾燥させるための一次乾燥器、特にノズルタワー型乾燥器(Duesenturmtrockner)またはスピンフラッシュ型乾燥器(Spinflashtrockner)を運転することができる。
【0015】
本発明によれば、カーボンブラック生産およびケイ素酸化物、特に沈降ケイ酸もしくはケイ酸ゲルの製造を、1つの生産工場でまたは1つの共通の設備で実施することが可能になる。なぜならば、シリコン、特にソーラシリコンを反応器6.1で製造するためのカーボンブラックとケイ素酸化物との、起こり得る相互汚染が、この全体プロセスにとっては問題にはならないからである。このような組合せはこれまでは考えられなかった。なぜならば、カーボンブラックと二酸化ケイ素との汚染もしくは二酸化ケイ素とカーボンブラックとの汚染は回避されなければならなかったからである。この場合に基本となる、ケイ素酸化物、特に二酸化ケイ素とカーボンブラックおよび/または熱分解された炭水化物からシリコンを製造するための方法では、ケイ素酸化物が反応器6.1内で還元されてシリコンを形成するので、この特殊な用途のために、高純度のカーボンブラック、高純度の熱分解された炭水化物または高純度の二酸化ケイ素の相互汚染は妨害因子にならない。
【0016】
同じく有利には、個々の設備部分からの廃熱、あるいはまたカーボンブラック製造のテールガスの燃焼からの廃熱の利用が、熱交換器8によって二次循環路を介して行われ、これにより高純度のカーボンブラック、炭素を含有する化合物または高純度のケイ素酸化物、特に二酸化ケイ素と、その他の不純物、たとえば別の金属との汚染が阻止される。
【0017】
本発明の別の対象は、0aまたは0bのような全体設備である。この全体設備では、炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器4.1がコジェネレーション5.1に接続されており、このコジェネレーション5.1を介して、廃熱5.3の一部分が反応器4.1における熱的な反応から分離され、廃熱のその他の部分は電気的なエネルギ5.2へ変換され得る。この場合、分離された廃熱5.3は、特に二酸化ケイ素を製造するための方法において、装置7.1で利用される。この装置7.1は二酸化ケイ素を製造するための設備の一部を成していてよい。有利には、廃熱5.3または廃熱流5.3は沈降容器の温度制御のために、かつ/またはケイ素酸化物、特に二酸化ケイ素、たとえば沈降ケイ酸、ケイ酸ゲルまたはイオン交換器を介して清浄化されたケイ酸の乾燥のために、装置7.1で利用され得る。この場合、分離された廃熱は特に直接的に(図2b/図2c参照)、または図4aおよび図4bに図示されているように熱交換器8によって利用され、電気的なエネルギ5.2は金属の化合物を還元するための反応器6.1へのエネルギ供給のために、または二酸化ケイ素を製造するための方法において、特に装置7.1のために利用され、かつ場合によっては付加的に、金属の化合物を還元するための反応器6.1からの廃熱6.2は、二酸化ケイ素を製造するための方法において、たとえば二酸化ケイ素の温度制御または乾燥のために装置7.1で利用され得る。択一的な構成では、コジェネレーションが、純粋に電流案内されているか、または純粋に熱案内されていてもよい。
【0018】
エネルギ収支を一層最適化するためには、金属の化合物を還元するための反応器6.1の廃熱6.2が装置7.1で利用されると有利であり、特にこの廃熱6.2は熱交換器8を介して反応器6.1から装置7.1内へ移送される。このことは、反応器6.1の廃熱、特に廃熱流6.2が装置7.1に接続されていることにより行われ得る。
【0019】
有利にはさらに、金属の化合物を還元するための反応器6.1からの高温のプロセスガスが、熱ガス管路6.3を介して、炭素を熱的に反応させるための反応器4.1内に導入される。有利には、熱ガス管路6.3が、金属の化合物を還元するための反応器6.1と、炭素を熱的に反応させるための反応器4.1とを、特に反応器6.1からの高温のプロセスガスを反応器4.1内へ移送するために接続する。
【0020】
付加的にまたは択一的に、金属の化合物を還元するための反応器6.1からの高温のプロセスガスは、熱ガス管路6.3を介してコジェネレーション5.1内または火力発電所5.1内へ導入され得る。有利には、熱ガス管路6.3が、金属の化合物を還元するための反応器6.1をコジェネレーション5.1もしくは火力発電所5.1に、特に反応器6.1からの高温のプロセスガスを蒸気発生のために5.1内へ移送するために接続している。当該設備のこのような設計は、考えられる全ての全体設備または部分設備のための図4cにおける設備0cにおいて例示的に図示されている。
【0021】
設備0a,0bまたは0cの熱ガス管路6.3は本発明によれば、該熱ガス管路6.3が、シリコンの製造時に発生する高温のプロセスガスのガス状のケイ素酸化物の凝縮を十分に阻止するように設計されている。高温のプロセスガスは通常、一酸化炭素、ケイ素酸化物および/または二酸化炭素を有している。ケイ素酸化物の凝縮は爆轟の著しいリスクをはらんでいる。したがって、熱ガス管路の内側の表面はいわゆる「ブランケッティング(Beschleierung)」を備えている。このブランケッティングは熱ガス管路の内側の表面における前記凝縮を減少させ、有利には阻止する。ブランケッティングに対して択一的に、熱ガス管路は随伴ヒータ部を備えていてよく、かつ/または前記面にわたって温度制御、特に反応性の温度増大のための空気ガス供給部を、有利には壁範囲に有していてよい。反応器6.1での溶融液状のシリコンへの還元ステップから反応器4.1への高温のプロセスガスの戻しにより、シリコン収率を最大20モル%だけ向上させることができる。なぜならば、形成されたガス状のケイ素酸化物がプロセスに残るからである。したがって、全体プロセスは本発明による設備により、使用されたケイ素酸化物に関するシリコンの収率向上をも生ぜしめることができる。熱ガスの導入された熱量変化(Waermetoenung)に基づき、カーボンブラック製造時の天然ガス量も同時に減少する。
【0022】
ブランケッティングは、たとえば渦流(Votrex-Wirbeln)を発生させることにより行なわれ得る。高温のプロセスガスの別の成分としては、とりわけ一酸化炭素が反応器4.1内へ移送される。基本となる方法において、反応生成物がシリコンの製造のために利用される場合、カーボンブラックの製造または炭水化物の熱分解のための反応器内へのケイ素酸化物の導入は妨害因子とならない。さらに、反応器4.1内への熱ガス管路を経由した高温のプロセスガス内の一酸化炭素の導入は、反応器4.1においてカーボンブラック原料または炭水化物を含有する化合物の燃焼または熱分解の際の熱ガスの平衡の好都合なシフトを可能にする。本発明による設備において可能にされた方法実施に基づき、シリコンを製造するための全体方法における炭素酸化物、特に二酸化炭素の著しい還元が生じる。
【0023】
流れ7.2は概略的に物質流を表す。この物質流は間接的または直接的に製品を装置7.1、たとえば沈降容器または二酸化ケイ素の乾燥のための反応器から反応器6.1へ移送する。この場合、装置7.1からの直接的な製品はさらに後処理、たとえば乾燥、粉砕、顆粒化、タブレット化、カーボンブラック、炭水化物を含有する化合物との反応または混合あるいは別の処理ステップまたは別のプロセスステップに供給されてから、その後で、この直接的な製品は反応器6.1に供給される。
【0024】
択一的な構成では、本発明の対象が、炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器4.1を備えた本発明による設備、つまり部分設備1aである。この場合、反応器4.1はコジェネレーション5.1に接続されており、このコジェネレーション5.1を介して廃熱5.3の一部分が熱的な反応から分離され、かつ/または廃熱の別の部分が、機械的または電気的なエネルギ5.2へ変換されるか、または前記反応器4.1は火力発電所5.1に接続されており、この火力発電所5.1を介して廃熱が、機械的または電気的なエネルギ5.2へ変換される。取得された電気的なエネルギは、公共の電流回路網へ供給され得る。この場合、電流供給のために、または本発明によればシリコン製造時のアーク炉の運転のために、またはケイ素酸化物、有利には沈降ケイ酸または熱分解法ケイ酸またはケイ酸ゲルの製造のために、沈降ケイ酸およびケイ酸ゲルにおいては特に有利には沈降容器の乾燥または加熱のために使用される。
【0025】
可能な変化実施態様では、電気的なエネルギが、熱分解法ケイ酸を製造するための方法において、たとえばHCI回収のための脱着の際にこの方法で利用され得る。分離された廃熱は、遠隔暖房熱網に供給され得る。この場合、廃熱を、熱交換器を介して、二酸化ケイ素を製造するための方法において、たとえばケイ素酸化物、特に二酸化ケイ素の温度制御または乾燥のための方法において、シリコンの製造の際に引き続き使用するために利用することが有利である。
【0026】
炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器としては、カーボンブラック、グラファイト、石炭または一般に炭素マトリックスを含有する化合物、たとえば炭化ケイ素を含有する炭素ならびに当業者によく知られた相応する別の化合物を製造するための全ての反応器が挙げられる。本発明によれば、炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器4.1が、カーボンブラック(Carbon Black)の製造または炭水化物の燃焼および/または熱分解、たとえば場合によっては、炭素を含有するマトリックスを製造するための二酸化ケイ素の存在で、たとえば高純度のケイ素酸化物の存在で、糖を熱分解するための反応器もしくは炉である。カーボンブラックを製造するための汎用の反応器は、燃焼器内の1200℃から2200℃を上回る温度までのプロセス温度で運転される。カーボンブラックを製造するための最もよく知られた方法は、ランプブラック法、ファーネスブラック法、ガスブラック法、フレームブラック−アセチレンブラック法またはサーマルブラック法である。これに相応して、反応器4.1は有利には上記方法を実施するために設計されている。本発明による設備のためには、有利には、公知先行技術から知られている、カーボンブラックの製造または炭素を含有する化合物の熱的な反応のために使用される。このような反応器は当業者には十分に知られている。
【0027】
汎用の反応器タイプは一般に、カーボンブラック製造のために適している全ての炉を包含している。これらの炉は種々のバーナ技術を装備していてよい。その1例はヒュルス(Huels)のアーク炉(アーク)である。バーナの選択のためには、火炎内に高い温度を発生させたいのか、またはリッチな火炎を発生させたいのかが重要となる。ユニットとして反応器は以下のバーナを包含することができる:組み込まれた燃焼空気ブロワを備えたガスバーナ、スワール付与された空気流のためのガスバーナ、周面のランスによるガス供給部を備えたコンビネーションガスバーナ、高速バーナ、Schoppe型パルスバーナ、パラレル拡散バーナ(Paralleldiffusionsbrenner)、組み合わされたオイル・ガスバーナ、プッシャー炉バーナ(Stossofenbrenner)、蒸発オイルバーナ、空気噴霧装置または蒸気噴霧装置を備えたバーナ、フラットフレームバーナ、ガス加熱されたジャケットジェット管(Mantelstrahlrohre)、ならびにカーボンブラックを製造するために、または炭水化物、たとえば糖を、場合によっては二酸化ケイ素の存在で熱分解するために適した全てのバーナおよび反応器。「反応器4.1」とは、反応器全体あるいはまた反応器の一部を意味する。たとえば、反応器は反応チャンバ、燃焼ゾーン、混合ゾーン、反応ゾーンおよび/またはクエンチゾーンを包含する。本発明によれば、クエンチゾーンにおいてレキュペレータ、たとえば鋼管のクラウンを備えた放射型レキュペレータが使用される。
【0028】
さらに別の択一的な実施態様では、組合せが規定されている。この組合せでは、本発明による設備1bまたは1b.1が、部分設備として、炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器4.1を有しており、この場合、反応器はコジェネレーション5.1に接続されていてよく、このコジェネレーション5.1を介して廃熱の一部分5.3が熱的な反応から分離され、かつ/または廃熱の別の部分が、機械的または電気的なエネルギ5.2へ変換され得るか、または反応器4.1が火力発電プラントもしくは火力発電所5.1に接続されており、この火力発電所を介して廃熱が機械的または電気的なエネルギ5.2へ変換され、そして電気的なエネルギ5.2は金属の化合物を還元するための反応器6.1、特にアーク炉6.1、電気的な溶融炉、熱的な反応器、誘導炉、溶融反応器または高炉へのエネルギ供給のために、有利にはシリコンの製造のために、あるいはまた二酸化ケイ素の製造時における装置7.1へのエネルギ供給のためにも、たとえば沈降容器の温度調節のために、SiO2のようなケイ素酸化物の乾燥のために、あるいはまた熱分解法ケイ酸を製造するための方法における装置の運転のためにも利用される。
【0029】
当業者であれば、5.1を、廃熱5.3または電気的なエネルギ5.2またはあらゆる混合形態だけが利用されるようにも運転することができることが分かる。この場合、分離された廃熱5.3は装置7.1にまで案内され、特に廃熱5.3は熱交換器8を介して伝達されるか、または直接に過熱された蒸気として利用され(図2bおよび図2c)、有利には装置7.1が、ケイ素酸化物を製造するための設備の一部である。
【0030】
本発明による設備の全ての変化実施態様において、製造されたカーボンブラック、熱分解された炭水化物は、4.2を介して間接的にまたは直接的にアーク炉6.1に供給され得る。「間接的に」とは、反応器4.1において製造された化合物が反応器6.1に供給される前に、この化合物がまださらに処理され得ることを意味する。たとえば(ただしこれに限定されるものではない)、カーボンブラックまたは炭素を含有する化合物をペレット化またはブリケット化することができる。
【0031】
この場合、本発明によれば、当該設備が、設備1cおよび設備0bに関して例示的に図示されているように、金属の化合物を還元するための反応器6.1からの高温のプロセスガスを、熱ガス管路6.3を介して、炭素を熱的に反応させるための反応器4.1に供給するための供給管路6.3を有していると特に有利である。有利な1構成では、前記設備、特に全体設備0aが、金属の化合物を還元するための反応器6.1の廃熱6.2を、二酸化ケイ素の製造のための方法において、たとえば沈降容器の温度制御のために、または装置7.1における二酸化ケイ素の乾燥の際に利用することを可能にする。特に、廃熱6.2は熱交換器8を介して反応器6.1から装置7.1内へ移送される。
【0032】
装置7.1は全ての設備において、SiO2の沈降またはゲル形成のための沈降容器であるか、あるいはまた乾燥器、トンネル炉、回転管炉、回転火格子炉(Drehrostofen)、流動床、回転テーブル炉、循環式の流動層装置、連続炉および/または熱分解のための炉であってよい。すなわち、間接的または直接的に反応器4.1において、たとえば水を用いたクエンチングによって反応器4.1の廃熱から、または反応器4.1からのテールガスの燃焼を介して取得される、有利には直接に過熱された蒸気5.3を、二酸化ケイ素を乾燥させるために使用することができる(図2bおよび図2c)。
【0033】
低温蒸気5.3を用いて、接触乾燥器7.1、たとえばプレート型乾燥器または特に有利には回転管型乾燥器の運転が可能となる。5.1を介して取得された流れ5.2は、直接に一次乾燥器の運転のために使用され得る。このことは、有利にはノズルタワー型乾燥器またはスピンフラッシュ型乾燥器である。当業者にとっては、前で挙げた乾燥器タイプは例示的に挙げられたものであるに過ぎず、別の汎用の乾燥器も使用され得ることは明らかである。
【0034】
反応器4.1または6.1に関して云えることは、これらの反応器において生じた廃熱の全部あるいはまた一部、たとえば反応ゾーン、高温の反応器部分、反応器4.1における水を用いたクエンチングによる蒸気あるいはまた反応生成物の廃熱、たとえばガスまたは別の物質流も、本発明によれば、利用された廃熱として理解されるべきである。本発明によれば、特に残留ガス(テールガス)が燃焼され、形成された廃熱が、本発明による設備において利用される。
【0035】
有利には、当該設備が連続的に24時間、週7日間間働くので、廃熱の利用も、直接にまたは熱交換器8を介して、連続的な循環プロセスで、特に一次循環路および/または二次循環路を介して行われる。これによって得られるエネルギ節約は、乾燥された二酸化ケイ素1キログラム当たり0.01〜10kWh、有利には2〜6kWhであり、特に有利には約2kWhであってよい。当業者にとっては、それぞれ得られたエネルギ収支が直接的に残留湿分および利用された乾燥装置ならびに別のプロセスパラメータに関連しているので、上で挙げた値は基準値でしかないと理解され得る。それぞれ1キログラムの二酸化ケイ素を還元して溶融可能なシリコンを形成するために、カーボンブラック1キログラム当たり約0.01〜10kWh、有利には0.1〜5kWhの取得された電気的なエネルギ5が利用されると、二酸化ケイ素を製造するための方法との関係付けにおいて、1〜10kWh、特に4〜9kWhの節約ポテンシャルが生じる。約1キログラムの溶融可能なシリコンを製造するためには、エネルギ節約量が5kWh〜20kWhへ増大し得る。特にこのエネルギ節約量は、二酸化ケイ素およびカーボンブラックの製造ならびにそのシリコンへの変換を包含する全体プロセスを見ると、約17kWhの範囲に位置し得る。
【0036】
別の有利な実施形態では、廃熱6.2が、廃熱5.3と一緒に、装置7.1のための二酸化ケイ素の製造のための方法において、有利には二酸化ケイ素、特に沈降ケイ酸またはケイ酸ゲルもしくはイオン交換器によって清浄化された沈降ケイ酸またはケイ酸ゲルの温度調節または乾燥のために利用され得る。有利には、廃熱6.2および/または廃熱5.3の利用が、1つまたは複数の熱交換器8を介してケイ酸を乾燥させるために行われる。装置7.1は全ての設備において、二酸化ケイ素を製造するための設備の一部であってよい。
【0037】
熱交換器8は有利には、二酸化ケイ素、特に高純度の二酸化ケイ素の汚染を阻止するために使用される。この熱交換器では、二次循環路によって反応器6.1からの廃熱が、二酸化ケイ素の製造のための方法、たとえば二酸化ケイ素の乾燥または沈降容器の温度調節のために利用される。通常、熱交換器および/または廃熱の供給管路および導出管路においては、媒体として水、汎用の冷却液または当業者に十分に知られた別の媒体が利用される。
【0038】
有利な設備3は、金属の化合物を還元するための反応器6.1からの廃熱6.2を、装置7.1における二酸化ケイ素の製造のための方法において、特に沈降容器7.1またはケイ素酸化物を乾燥させるための乾燥器7.1の温度調節のために単独利用することをも規定している。特に設備3は設備1aに結合可能であり、有利には廃熱6.2は反応器6.1から装置7.1内へ熱交換器8によって案内される。
【0039】
もちろん、特に反応器、沈降容器および/または乾燥器であってよい装置7.1はケイ素酸化物を製造するための部分設備または全体設備の一部でしかなく、上流側および/または下流側において別の設備もしくは装置に結合されているか、または結合可能であり、これによりたとえば、不純化されたケイ酸塩から高純度の二酸化ケイ素を製造することができる。
【0040】
特に供給管路7.2も、全ての設備において、反応器内への直接的または間接的な供給管路であるか、もしくは反応器6.1内への物質流として解釈され得る。すなわち、7.1において乾燥された二酸化ケイ素は、反応器6.1に供給される前に、なお別の処理ステップに施与され得る。このことは、特に粉砕、成形、ブリケット化である。これらのステップにおいても、5.2による電気的なエネルギ流を使用することができる。
【0041】
本発明によれば、炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器4.1の廃熱は、特にコジェネレーションまたは火力発電所によって電気的なエネルギを形成するために使用される。廃熱としては、テールガスの廃熱ならびにテールガスの燃焼により生じる廃熱も該当する。この場合、廃熱の全てまたはその一部が、特に直接的または間接的に、二酸化ケイ素を製造するための方法において、たとえば温度調節または乾燥のために利用されると特に有利である。有利には、4.1および/または5.1からの過熱された蒸気を乾燥または温度調節のために利用することができる(図2b/図2c)。
【0042】
廃熱のこのような、本発明により組み合わされた使用は、これまで当業者にとっては考えられなかった。なぜならば、起こり得る相互汚染が、プロセス実施における大きな問題を招くと考えられていたからである。水性システム内または水性システムから清浄化された二酸化ケイ素およびカーボンブラックまたは高純度のシリコンを製造するための熱分解された炭水化物の一緒の使用によりはじめて、廃熱もしくは熱的なエネルギのこのような組み合わされた協働の利用が可能となる。
【0043】
取得された電気的なエネルギは、有利には、金属の化合物を還元するための反応器6.1を運転するために、または装置7.1を運転するために、二酸化ケイ素を製造するための方法において、有利には乾燥器、たとえば一次乾燥器、シリコンの製造のための熱分解ケイ酸の製造または沈降容器の温度調節のための炉を運転するために、または電流を用いて作動する別の方法ステップを運転するために使用され得る。冒頭で説明したように、カーボンブラック製造、二酸化ケイ素の製造および/または二酸化ケイ素の還元を包含する全体方法のエネルギ収支は、公知先行技術からの公知の設備および公知の使用に比べて著しく改善される。
【0044】
こうして、二酸化ケイ素プロセスのエネルギ収支は特にエネルギ集中的なステップ、たとえば沈降容器の加熱または二酸化ケイ素の乾燥ステップならびにエネルギが供給されなければならない別の方法ステップにおいて、著しく改善され得る。組み合わされた方法実施、廃熱、燃焼可能な残留ガスおよび/または6.1からの熱ガスの戻しの首尾一貫した利用により、設備内の全ての物質循環路は公知先行技術からの公知の方法に比べて改善されたエネルギ収支を持って運転され得る。すなわち、一酸化炭素およびケイ素酸化物、特にガス状のSiOを有する熱ガスを反応器4.1へ戻すことにより、プロセス集中化がもたらされ、特に全体収支において、カーボンブラックを製造するための方法の間の炭素酸化物COxの形成を減少させることができる。本発明による全体設備あるいはまた部分設備における全体プロセスは、特に二酸化ケイ素および炭素を含有する化合物、たとえばカーボンブラックまたは熱分解された糖からシリコンを製造する際の全体プロセスにわたり、形成された二酸化炭素および/または一酸化炭素の著しい低減をもたらす。
【0045】
本発明によれば、さらに、金属の化合物を還元するための反応器6.1からの高温のプロセスガスが、炭素を熱的に反応させるための反応器4.1において使用され、この場合、前記プロセスガスは熱ガス管路6.3を介して反応器6.1から反応器4.1内へ導入される。
【0046】
同じく本発明によれば、金属の化合物を還元するための反応器6.1からの高温のプロセスガスが、コジェネレーション5.1または火力発電所5.1において蒸気および/またはエネルギの発生のために利用され得る。特にこの場合、前記プロセスガスは熱ガス管路6.3を介して反応器6.1から5.1内へ導入される。
【0047】
本発明の別の側面では、金属の化合物を還元するための反応器6.1の廃熱が、二酸化ケイ素を製造するための方法において、特に装置7.1、たとえば温度調節容器または乾燥器において使用され得る。さらに、反応器4.1および/または反応器6.1および装置7.1は一般に各プロセスラインのための設備の一部である。すなわち、7.1は、たとえば二酸化シリコン取得部の一部であり、4.1はカーボンブラックまたは熱分解された炭水化物等を製造するための設備の一部であり、6.1は、前置されかつ/または後置された別のプロセス段を有するソーラシリコンを製造するための設備の一部であってよい。
【0048】
当業者には、前記設備が各プロセス段における各1つの反応器の代わりに、多数の反応器を有し得ることが明らかである。このことは、特に全体プロセスの連続的でかつ/または均一でかつ中断なしの実施を可能にすることができる。反応器は連続的に、あるいはまた不連続的に運転され得る。
【0049】
一般に炭素を熱的に反応させるための反応器4.1、特にカーボンブラックを製造するための反応器4.1としては、有利には以下に挙げる特許明細書中に記載されているものと同様の構造の反応器を設備に組み込むことができる。
【0050】
開示内容に関しては、米国特許第5651945号明細書、米国特許第6391274号明細書、欧州特許第0184819号明細書、欧州特許第0209908号明細書、欧州特許第0232461号明細書、欧州特許出願公開第0102072号明細書、欧州特許出願公開第1236509号明細書、欧州特許出願公開第0206315号明細書、欧州特許出願公開第0136629号明細書、米国特許第4970059号明細書および米国特許第4904454号明細書に記載の反応器およびその運転形式に関する開示を参照するものとする。
【0051】
以下に、本発明による設備の実施形態を図面につき詳しく説明するが、本発明は図示の実施形態に限定されるものではない。
【0052】
符号:
0a,0b,0c,1a,1b,1c,2,2a,2b,2c,3:択一的な設備もしくは設備組合せ、全体設備;
4.1:炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器、たとえばカーボンブラック(Carbon Black)の製造または炭水化物の熱分解、たとえば場合によっては二酸化ケイ素の存在で行われる糖の熱分解のための反応器;
5.1:コジェネレーション、火力発電プラントもしくは火力発電所;
6.1:反応器、たとえば電気的な溶融炉、誘導炉、アーク炉;
7.1:二酸化ケイ素の製造のための使用のための装置、たとえば乾燥段において、有利には乾燥器、たとえば流動層反応器または基材を乾燥させるための別の反応器、反応器、熱分解法ケイ酸を製造するための方法における装置、あるいはまた沈降容器;
8:熱交換器、有利には該熱交換器が二次循環路を有していて、4.1および/または6.1内へのプロセスの廃熱(熱的なエネルギ)の導出および吸熱プロセス、特に乾燥のための7.1内への熱的なエネルギの供給を可能にする;
4.2:物質流、たとえばあらかじめさらに後処理、たとえばブリケット化に供給される、4.1からの生成物の、反応器6.1内への間接的または直接的な供給を可能にする供給管路;
5.2:電気的なエネルギ流、たとえば電気的なエネルギを導くための線路;
6.2:熱的なエネルギ流、たとえば特に有利には二次循環路として7.1における6.1からの廃熱の利用のための接続された熱交換器8を備えた管路;
7.2:物質流、たとえば供給管路および場合によっては生産段、この供給管路および場合によっては生産段を介して間接的または直接的に7.1からの製品が反応器6.1内へ移送可能であり、この場合、7.1からの直接的な製品はなお後処理、たとえば乾燥、粉砕、顆粒化、タブレット化、カーボンブラック、数種または1種の炭水化物を含有する化合物との反応または混合または別の処理ステップまたはプロセスステップに供給されてから、その後で、間接的な製品が反応器6.1に供給される;
5.3:熱的なエネルギ流もしくはエネルギ流、たとえば過熱された蒸気または低温蒸気、この蒸気はたとえば、5.1を介して分離される4.1からの廃熱を利用するために、場合によっては接続された熱交換器8を備えた管によって7.1における乾燥または温度調節のために利用される;
6.3:熱ガス管路
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1a】コジェネレーションと共に、場合によってはソーラシリコンを製造するための反応器と共に、カーボンブラックを製造するための反応器の設備組合せまたは部分組合せの1実施形態を示す概略図である。
【図1b】コジェネレーションと共に、場合によってはソーラシリコンを製造するための反応器と共に、カーボンブラックを製造するための反応器の設備組合せまたは部分組合せの別の実施形態を示す概略図である。
【図1b.1】コジェネレーションと共に、場合によってはソーラシリコンを製造するための反応器と共に、カーボンブラックを製造するための反応器の設備組合せまたは部分組合せのさらに別の実施形態を示す概略図である。
【図1c】コジェネレーションと共に、場合によってはソーラシリコンを製造するための反応器と共に、カーボンブラックを製造するための反応器の設備組合せまたは部分組合せのさらに別の実施形態を示す概略図である。
【図2】二酸化ケイ素の製造の際の温度調節ステップまたは乾燥ステップが、コジェネレーション(5.1,5.3もしくは5.2)を介してカーボンブラック製造(4.1)からの廃熱をエネルギ利用する、設備の本発明による組合せの1実施形態を示す概略図である。
【図2a】二酸化ケイ素の製造の際の温度調節ステップまたは乾燥ステップが、コジェネレーション(5.1,5.3もしくは5.2)を介してカーボンブラック製造(4.1)からの廃熱をエネルギ利用する、設備の本発明による組合せの別の実施形態を示す概略図である。
【図2b】二酸化ケイ素の製造の際の温度調節ステップまたは乾燥ステップが、コジェネレーション(5.1,5.3もしくは5.2)を介してカーボンブラック製造(4.1)からの廃熱をエネルギ利用する、設備の本発明による組合せのさらに別の実施形態を示す概略図である。
【図2c】二酸化ケイ素の製造の際の温度調節ステップまたは乾燥ステップが、コジェネレーション(5.1,5.3もしくは5.2)を介してカーボンブラック製造(4.1)からの廃熱をエネルギ利用する、設備の本発明による組合せのさらに別の実施形態を示す概略図である。
【図3】二酸化ケイ素の製造の際におけるシリコンを製造するための溶融炉からの廃熱の利用を示す概略図である。
【図4a】二酸化ケイ素製造およびカーボンブラック製造からの生産段を有するシリコンを製造するための全体設備(0a)の1実施形態を示す概略図である。
【図4b】二酸化ケイ素製造およびカーボンブラック製造からの生産段を有するシリコンを製造するための全体設備(0b)の別の実施形態を示す概略図である。
【図4c】二酸化ケイ素製造およびカーボンブラック製造からの生産段を有するシリコンを製造するための全体設備(0c)のさらに別の実施形態を示す概略図である。
【0054】
図1aには、炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器4.1を備えた設備1aが示されている。この場合、この反応器4.1はコジェネレーション5.1に接続されている。コジェネレーション5.1を介して、熱的な反応の廃熱5.3の一部は分離され、そして別の部分は機械的または電気的なエネルギ5.2に変換される。管路5.3を介して、分離された熱が導出される。方法実施に応じて、全廃熱または廃熱の一部を、装置7.1の温度調節またはエネルギ獲得のために利用することができる。廃熱を用いて、沈殿容器(Faellbehaelter)を温度調節するか、または乾燥器7.1を作動させることもできる。5.2を介して、発生させられた電気的なエネルギを伝送することができる。この電気的なエネルギは公共の電流回路網へ供給されるか、二酸化ケイ素を製造するための方法において、または直接にシリコンを製造するための全体方法において、電気的な炉、たとえばアーク炉6.1で利用され得る。設備1bでは、5.1が、電流発生のためにしか利用されない。この場合、7.1または別の設備部分を運転するためにもこの電流を利用することができる。図1cには、設備1aと反応器6.1との組合せが示されている。設備1cは全体設備の一部であってよく、そして付加的に4.1と6.1との間の熱ガス管路6.3を有している。
【0055】
設備2,2aは、コジェネレーション5.1を介して、特にシリコン、殊にソーラシリコンの製造のために適した二酸化ケイ素を製造するための方法における廃熱5.3ならびに形成された電気的なエネルギ5.2の利用を可能にする本発明による組合せを成している。設備2b,2cは、7.1において熱交換器が使用されない択一的な実施形態が示されている。このプロセスは、過剰加熱された蒸気を用いて直接に実施される。
【0056】
設備(全体設備)0a,0b,0cは、同じく本発明による設備を示しており、この設備は特にシリコン、特にソーラシリコンを製造するための全体設備の構成要素である。このような全体設備では、反応器4.1,6.1からの廃熱が、装置7.1、たとえば沈殿容器または乾燥器において、二酸化ケイ素の製造時に、たとえば水ガラスからのケイ酸の沈降またはイオン交換コラムを介した水ガラスの清浄化のような湿式化学的な方法からの二酸化ケイ素の製造時に利用される。熱交換器8はオプショナルである。設備0cでは、熱ガス流6.3が5.1に戻され、設備0bでは、4.1に戻される。当業者には、6.3を5.1と4.1とに移送することもできることが明らかである。
【0057】
以下に、概略的に設備0b,0cにおいて図示されているような本発明による択一的な設備ならびにそのエネルギ流および物質流を詳しく説明する。
【0058】
これらの択一的な実施形態では、5.1で獲得された電気的なエネルギ5.2が、7.1を運転するために利用され、反応器6.1には付加的な流れによって供給が行われる。4.1を起点として、バーナには天然ガスが供給され、これにより最大2000℃の必要とされる温度を得ることができる。約1kgのカーボンブラックを製造するためには、これまで、約2kWhを寄与する約0.2kgの天然ガスが必要とされてきた。チョークを介して、約15kWh/kgを寄与する別の1.5kgの原料が供給される。別のプロセス段において、空気がカーボンブラック反応器内に持ち込まれ、特にクエンチゾーンの燃焼空気を予熱するために、カーボンブラック製造時に進行する反応が、水によってクエンチされる。製造されたカーボンブラック1kg当たり、約1〜10kWh/kgカーボンブラック、有利には約最大5kWh/kgカーボンブラックのエネルギ容量を有するテールガスが得られる。このテールガスを用いて、5.1における燃焼によって蒸気を発生させることができる。この蒸気は7.1へ移送され、これにより7.1において、たとえばSiO2の乾燥のために利用される。この蒸気のエネルギ容量は、約1〜8kWh、有利には最大4kWhであってよい。7.1のエネルギ需要を表すためには、7.1において、乾燥された二酸化ケイ素1キログラム当たり2〜5キログラムの水、通常では約4キログラムの水が蒸発されなければならないことが考慮されなければならない。7.1からの蒸発された水は、後熱(Nachwaerme)として、温室の運転のために利用されるか、あるいはまたルーフを介して放出される。択一的な有利な実施形態はエネルギ取得のための蒸気の利用である。約102℃の約4キログラムの蒸気のエネルギ容量は、利用可能な凝縮熱に対して付加的に約4kWhの範囲にある。記載した全てのkWhのためには、記載した値(kWh)の少なくとも+/−50%の広い変動幅が考慮されなければならない。なぜならば、各物質・エネルギ流のエネルギ収支が相互に影響を与え合うからである。さらに、当業者であれば、このように複雑に絡み合ったプロセスでは、おおよその値しか求められ得ないことを知っている。
【0059】
たとえばアーク炉6.1の運転のためには、カーボンブラック約1kgと二酸化ケイ素3kgとから約1キログラムのシリコンを製造するために、約14kWhの電流が必要とされる。このときに、最大2000℃における反応条件下にチャージ組成(Moellerzusammensetzung)においてガス状のケイ素酸化物が形成される。このガス状のケイ素酸化物は、同じく形成された一酸化炭素と共に600〜700℃を有する熱ガスとしてこれまでは空気を用いてクエンチされ、酸化され、濾過されていた。本発明による設備では、この熱ガスが択一的にまたは同時にも、4.1において、特にバーナまたはチョークの範囲に導入され得る。この熱ガスは製造されたシリコン1キログラム当たり約0.4kgのケイ素酸化物および約2.3kgの一酸化炭素を有しており、この場合、エネルギ容量はシリコン1キログラム当たり最大9kWhであってよい。このような手段により、約0.5lオイル/カーボンブラック1kgもしくは1〜6kWh/カーボンブラック1kg、有利には最大5kWh/カーボンブラック1kgを節約することができる。
【0060】
付加的に、戻しによってシリコン1キログラム当たり約0.2kgのシリコンを回収することができる。このことは、原料SiO2における使用されたシリコンから出発して、最終製品であるシリコンに関して1〜25重量%、有利には5〜20重量%、特に有利には15〜22重量%の収率向上を意味し得る。
【0061】
択一的または付加的に、熱ガス流6.3を5.1にも導入することができ、これによりたとえば5.1において蒸気を発生させることができる。この蒸気を介して電流を発生させることができる。したがって、5.1において、製造されたシリコン1キログラム当たり1〜11kWh、特に5〜10kWh、有利には約9kWhの熱を、蒸気および/または電流の形成のために利用することができる。それと同時に、連行されたケイ素酸化物を二酸化ケイ素として分離して、5.1におけるプロセスに、または二酸化ケイ素を製造するための方法に添加することができる。物質流れおよび/またはエネルギ流の上記使用もしくは本発明による設備における方法実施により、シリコンを製造するための全体方法のエネルギ収支の著しい改善が可能にされると同時に、シリコン収率の向上も可能にされる。
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、熱電併給もしくはコジェネレーション(Kraft-Waerme-Kopplung)または電気的なエネルギを形成するための熱的な火力発電所(thermisch. Waermekraftwerk)によって、炭素化合物、たとえばカーボンブラック、グラファイトの工業的な製造または糖熱分解からの廃熱または残留ガスを、特に溶融炉の運転のための利用し、かつ/または吸熱プロセスにおける廃熱を利用するためのエネルギ効率の良い設備を提供すること、ならびに廃熱の相応する使用である。
【0002】
本発明による設備により、ケイ素、つまりシリコンの製造時における著しいプロセス集中化を達成することができる。このような著しいプロセス集中化は、環境に有害な二酸化炭素および/または一酸化炭素の著しい低減ならびに電気的なエネルギの著しく減じられた需要をもたらす。さらに、二酸化ケイ素からケイ素への還元の際にアーク炉内に形成されるケイ素酸化物を戻す(再循環)ことによって、全体方法における使用されたケイ素の物質収支を著しく向上させることができる。
【0003】
これまで、廃熱、つまりカーボンブラック(Carbon Black)の製造時に発生する熱的なエネルギは、工業的および経済的に別のプロセスのために利用されていなかった。カーボンブラック法の廃熱は目下、同じ方法の燃焼空気およびオイルのような原料(Edukte)のプレヒーティングもしくは予熱のために利用されるのが普通である。相応して、これまでは、シリコンの製造の廃熱も、特に高温のプロセスガスの形で、空気によってのみクエンチされ、かつ二酸化ケイ素の分離のために熱ガスフィルタに通される。この方法において発生したテールガスは、発電のために消費される。カーボンブラック製造またはシリコン製造からのかなりの量の熱的なエネルギを別のプロセスにおけるエネルギ節約のために利用することは、これまで不可能であった。特に高純度のカーボンブラックの製造の際に、またはソーラシリコンの製造あるいはまた、半導体シリコンの製造のために適しているシリコンの製造の際に、過剰の熱的なエネルギを移送することは、高純度の製品を製造するための特定のプロセスの空間的分離が必要となることに基づき、考えられなかった。製品のその都度の純度に課せられる極端に高い要求や、相互汚染の可能性により、このような可能性は断定的に排除されていた。
【0004】
カーボンブラックを製造するための方法としては、ガスブラック法(ドイツ民主共和国特許第29261号明細書、ドイツ連邦共和国特許第2931907号明細書、ドイツ連邦共和国特許第671739号明細書、「Carbon Black」、Prof. Donnet著、1993年、出版社MARCEL DECCER INC、 New York在 第57頁以降)が知られている。このガスブラック法では、油蒸気で負荷された水素含有のキャリヤガスが、多数の流出開口において空気過剰量で燃焼される。火炎(フレーム)は水冷されたローラに衝突し、このことは燃焼反応を中断する。火炎内部に形成されたカーボンブラックの一部はローラ上に沈殿し、そしてこのローラから掻き取られる。排ガス流中に残ったカーボンブラックはフィルタにおいて分離される。さらに、チャンネルブラック法(「Carbon Black」、Prof. Donnet著、1993年、出版社MARCEL DECCER INC、 New York在 第57頁以降)が知られている。チャンネルブラック法では、天然ガス供給された多数の小さな火炎が、水冷された鉄樋(チャンネル)に向かって燃焼する。鉄樋に析出されたカーボンブラックが掻き取られて、ホッパ内に捕集される。
【0005】
上記プロセスでは、大量の廃熱が、特に200℃よりも低い温度を有する高温の残留ガス、とりわけ高温の水蒸気のような残留ガスの形で発生する。ファーネスブラックプロセスでは、テールガスが残留ガスとして発生する。
【0006】
従来では、廃熱は、たとえば凝縮器を介してガスから部分的に取り出され、次いでガスは清浄化されて、環境へ放出される。取り出された廃熱は、これまで十分には利用されていない。
【0007】
カーボンブラックの微粒状の構造に基づき、別の設備部分がカーボンブラックによって汚染されてしまうことを回避することができない。この理由から、このような設備は、やはり高純度の化合物を製造するために使用される別の設備と1つの工場では組み合わされなかった。
【0008】
それに対して、たとえばケイ素酸化物、特に二酸化ケイ素、たとえば沈降ケイ酸またはイオン交換器によって清浄化されたケイ酸を製造する際の乾燥ステップは、湿ったケイ素酸化物を乾燥させるために、特に多くのエネルギの供給を必要とする。
【0009】
本発明の課題は、エネルギ効率の良い設備を開発し、かつカーボンブラック、特に二酸化ケイ素の製造時における熱的なエネルギの有効な使用を提供することである。別の課題は、熱的なエネルギを高い効率でシリコンの製造時の全体方法もしくは全体使用のために利用することを可能にする全体設備を開発することである。
【0010】
上記課題は、独立請求項の特徴部に記載の特徴を有する本発明による設備、特に全体設備あるいはまた部分設備として形成された本発明による設備、および本発明による使用により解決される。従属請求項および発明の詳細な説明には、本発明の有利な実施態様が記載されている。
【0011】
本発明の1対象は、炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器4.1を有する全体設備2である。この場合、この反応器はコジェネレーション5.1に接続されており、該コジェネレーション5.1を介して、廃熱5.3の一部分が、熱的な反応から分離され、廃熱の別の部分が、電気的なエネルギ5.2に変換される。この場合、分離された廃熱5.3は、ケイ素酸化物を製造するための方法、特に二酸化ケイ素の製造時の方法ステップにおいて、装置7.1で利用される。特に有利には、前記廃熱が、間接的または直接的に、沈降ケイ酸またはケイ酸ゲルを形成するための沈降容器の加熱または温度制御のために、かつ/またはケイ素酸化物、特に二酸化ケイ素、たとえば沈降ケイ酸またはイオン交換器を介して清浄化されたケイ酸ゲルの乾燥のために装置7.1で利用される。特に前記廃熱5.3は熱交換器8を介して有利には二次循環路内で案内される。有利な択一的な構成では、SiO2の直接的な乾燥を、図2bまたは図2cに図示されているように、過剰過熱、つまり過熱された蒸気5.3によって行うことができる。低温蒸気5.3を用いて、以下に説明するような接触乾燥器を運転することができる。
【0012】
コジェネレーション5.1からの取得された電気的なエネルギは、金属の化合物を還元するための反応器6.1へのエネルギ供給のために、二酸化ケイ素を製造するために、特に有利には沈降ケイ酸、熱分解法ケイ酸またはケイ酸ゲルの製造において利用され、かつ/または有利には沈降時の乾燥および/または温度制御のために装置7.1において利用され得る。また、電気的なエネルギを、熱分解法酸化物、たとえば熱分解法ケイ酸の製造における装置の運転のために利用することも可能である。可能となる変化実施態様では、電気的なエネルギが、HCI回収のための脱着時に前記方法において利用され得る。全体設備は、ケイ素酸化物およびカーボンブラック製品を所定の現場に設け、かつ場合によっては金属の化合物を還元するための反応器6.1を、電流回路網を介して別の場所に設けることを可能にする。
【0013】
コジェネレーションのためには、当業者に良く知られている装置5.1または設備5.1を使用することができる。コジェネレーションは、熱機関利用発電所(thermisch. Waermekraftwerke)、すなわち火力発電所の純然たる電流取得よりも著しく良好な効率を有している。コジェネレーションの全効率は、特に有利な事例では最大90パーセントになり得る。この場合、コジェネレーションは本発明によれば、電流・熱案内されて運転されるだけでなく、単独で電流案内されてのみ、または熱案内されてのみでも運転され得る。コジェネレーションは一般に高温の水蒸気を用いて作動する。この水蒸気は蒸気タービンを駆動し、次いで、この蒸気タービンを介して電流発生が行われる。有利には二酸化ケイ素を製造するための方法において、たとえばケイ素酸化物の温度制御または乾燥のために、水蒸気を分離しかつ熱交換器内へ供給することは、一般に最後のタービン段の手前、つまり上流側で行われる。本発明による設備では、この分離が有利には最後のタービン段の背後、つまり下流側でも行われ得る。通常、たとえば沈降容器の温度制御またはケイ素酸化物、たとえば沈降ケイ酸またはケイ酸ゲルの乾燥は、熱交換器を介して、つまり二次循環路を介して行われる。また、前で記載したように、乾燥のための廃熱の直接的な利用も可能である。コジェネレーションは、カーボンブラック製造からの廃熱、たとえば有利にはクエンチゾーンまたは別の高熱の反応器部分の下流側の廃熱を、たとえば熱交換器またはプロセス蒸気の直接的な利用を介して入手し、かつ/または水蒸気を形成するために働くことのできるテールガスの燃焼からの廃熱を入手することができる。有利には、コジェネレーションは蒸気を用いて運転される。テールガスはとりわけ水蒸気、水素、窒素、Cx、一酸化炭素、アルゴン、硫化水素、メタン、エタン、エテン、エチン、アミド、窒素含有化合物、金属酸化物、たとえば酸化アルミニウムおよび/または二酸化炭素を含有している。有利には、コジェネレーションは背圧運転で作動する。これにより、蒸気回路プロセスにおいて熱損失は生じなくなる。これにより、一般に新しい冷却水の需要は生じなくなる。
【0014】
本発明によれば、燃焼空気の予熱ゾーンの下流側のキャリヤガスおよび/または5.1におけるテールガスの燃焼からの廃熱が廃熱5.3として利用され得る。特に有利には、過熱された蒸気5.3が、図2bおよび図2cに図示されているように、4.1からまたは5.1を介して直接に、二酸化ケイ素を製造するための方法において、特にケイ酸ゲルまたは沈降されたケイ酸のような二酸化ケイ素を直接に乾燥させるために利用され得る。付加的にまたは択一的に、低温蒸気を用いて、接触乾燥器(装置7.1)、たとえばプレート型乾燥器または有利には回転管型乾燥器を運転することができる。5.1からの取得された流れを用いて、有利には二酸化ケイ素を乾燥させるための一次乾燥器、特にノズルタワー型乾燥器(Duesenturmtrockner)またはスピンフラッシュ型乾燥器(Spinflashtrockner)を運転することができる。
【0015】
本発明によれば、カーボンブラック生産およびケイ素酸化物、特に沈降ケイ酸もしくはケイ酸ゲルの製造を、1つの生産工場でまたは1つの共通の設備で実施することが可能になる。なぜならば、シリコン、特にソーラシリコンを反応器6.1で製造するためのカーボンブラックとケイ素酸化物との、起こり得る相互汚染が、この全体プロセスにとっては問題にはならないからである。このような組合せはこれまでは考えられなかった。なぜならば、カーボンブラックと二酸化ケイ素との汚染もしくは二酸化ケイ素とカーボンブラックとの汚染は回避されなければならなかったからである。この場合に基本となる、ケイ素酸化物、特に二酸化ケイ素とカーボンブラックおよび/または熱分解された炭水化物からシリコンを製造するための方法では、ケイ素酸化物が反応器6.1内で還元されてシリコンを形成するので、この特殊な用途のために、高純度のカーボンブラック、高純度の熱分解された炭水化物または高純度の二酸化ケイ素の相互汚染は妨害因子にならない。
【0016】
同じく有利には、個々の設備部分からの廃熱、あるいはまたカーボンブラック製造のテールガスの燃焼からの廃熱の利用が、熱交換器8によって二次循環路を介して行われ、これにより高純度のカーボンブラック、炭素を含有する化合物または高純度のケイ素酸化物、特に二酸化ケイ素と、その他の不純物、たとえば別の金属との汚染が阻止される。
【0017】
本発明の別の対象は、0aまたは0bのような全体設備である。この全体設備では、炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器4.1がコジェネレーション5.1に接続されており、このコジェネレーション5.1を介して、廃熱5.3の一部分が反応器4.1における熱的な反応から分離され、廃熱のその他の部分は電気的なエネルギ5.2へ変換され得る。この場合、分離された廃熱5.3は、特に二酸化ケイ素を製造するための方法において、装置7.1で利用される。この装置7.1は二酸化ケイ素を製造するための設備の一部を成していてよい。有利には、廃熱5.3または廃熱流5.3は沈降容器の温度制御のために、かつ/またはケイ素酸化物、特に二酸化ケイ素、たとえば沈降ケイ酸、ケイ酸ゲルまたはイオン交換器を介して清浄化されたケイ酸の乾燥のために、装置7.1で利用され得る。この場合、分離された廃熱は特に直接的に(図2b/図2c参照)、または図4aおよび図4bに図示されているように熱交換器8によって利用され、電気的なエネルギ5.2は金属の化合物を還元するための反応器6.1へのエネルギ供給のために、または二酸化ケイ素を製造するための方法において、特に装置7.1のために利用され、かつ場合によっては付加的に、金属の化合物を還元するための反応器6.1からの廃熱6.2は、二酸化ケイ素を製造するための方法において、たとえば二酸化ケイ素の温度制御または乾燥のために装置7.1で利用され得る。択一的な構成では、コジェネレーションが、純粋に電流案内されているか、または純粋に熱案内されていてもよい。
【0018】
エネルギ収支を一層最適化するためには、金属の化合物を還元するための反応器6.1の廃熱6.2が装置7.1で利用されると有利であり、特にこの廃熱6.2は熱交換器8を介して反応器6.1から装置7.1内へ移送される。このことは、反応器6.1の廃熱、特に廃熱流6.2が装置7.1に接続されていることにより行われ得る。
【0019】
有利にはさらに、金属の化合物を還元するための反応器6.1からの高温のプロセスガスが、熱ガス管路6.3を介して、炭素を熱的に反応させるための反応器4.1内に導入される。有利には、熱ガス管路6.3が、金属の化合物を還元するための反応器6.1と、炭素を熱的に反応させるための反応器4.1とを、特に反応器6.1からの高温のプロセスガスを反応器4.1内へ移送するために接続する。
【0020】
付加的にまたは択一的に、金属の化合物を還元するための反応器6.1からの高温のプロセスガスは、熱ガス管路6.3を介してコジェネレーション5.1内または火力発電所5.1内へ導入され得る。有利には、熱ガス管路6.3が、金属の化合物を還元するための反応器6.1をコジェネレーション5.1もしくは火力発電所5.1に、特に反応器6.1からの高温のプロセスガスを蒸気発生のために5.1内へ移送するために接続している。当該設備のこのような設計は、考えられる全ての全体設備または部分設備のための図4cにおける設備0cにおいて例示的に図示されている。
【0021】
設備0a,0bまたは0cの熱ガス管路6.3は本発明によれば、該熱ガス管路6.3が、シリコンの製造時に発生する高温のプロセスガスのガス状のケイ素酸化物の凝縮を十分に阻止するように設計されている。高温のプロセスガスは通常、一酸化炭素、ケイ素酸化物および/または二酸化炭素を有している。ケイ素酸化物の凝縮は爆轟の著しいリスクをはらんでいる。したがって、熱ガス管路の内側の表面はいわゆる「ブランケッティング(Beschleierung)」を備えている。このブランケッティングは熱ガス管路の内側の表面における前記凝縮を減少させ、有利には阻止する。ブランケッティングに対して択一的に、熱ガス管路は随伴ヒータ部を備えていてよく、かつ/または前記面にわたって温度制御、特に反応性の温度増大のための空気ガス供給部を、有利には壁範囲に有していてよい。反応器6.1での溶融液状のシリコンへの還元ステップから反応器4.1への高温のプロセスガスの戻しにより、シリコン収率を最大20モル%だけ向上させることができる。なぜならば、形成されたガス状のケイ素酸化物がプロセスに残るからである。したがって、全体プロセスは本発明による設備により、使用されたケイ素酸化物に関するシリコンの収率向上をも生ぜしめることができる。熱ガスの導入された熱量変化(Waermetoenung)に基づき、カーボンブラック製造時の天然ガス量も同時に減少する。
【0022】
ブランケッティングは、たとえば渦流(Votrex-Wirbeln)を発生させることにより行なわれ得る。高温のプロセスガスの別の成分としては、とりわけ一酸化炭素が反応器4.1内へ移送される。基本となる方法において、反応生成物がシリコンの製造のために利用される場合、カーボンブラックの製造または炭水化物の熱分解のための反応器内へのケイ素酸化物の導入は妨害因子とならない。さらに、反応器4.1内への熱ガス管路を経由した高温のプロセスガス内の一酸化炭素の導入は、反応器4.1においてカーボンブラック原料または炭水化物を含有する化合物の燃焼または熱分解の際の熱ガスの平衡の好都合なシフトを可能にする。本発明による設備において可能にされた方法実施に基づき、シリコンを製造するための全体方法における炭素酸化物、特に二酸化炭素の著しい還元が生じる。
【0023】
流れ7.2は概略的に物質流を表す。この物質流は間接的または直接的に製品を装置7.1、たとえば沈降容器または二酸化ケイ素の乾燥のための反応器から反応器6.1へ移送する。この場合、装置7.1からの直接的な製品はさらに後処理、たとえば乾燥、粉砕、顆粒化、タブレット化、カーボンブラック、炭水化物を含有する化合物との反応または混合あるいは別の処理ステップまたは別のプロセスステップに供給されてから、その後で、この直接的な製品は反応器6.1に供給される。
【0024】
択一的な構成では、本発明の対象が、炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器4.1を備えた本発明による設備、つまり部分設備1aである。この場合、反応器4.1はコジェネレーション5.1に接続されており、このコジェネレーション5.1を介して廃熱5.3の一部分が熱的な反応から分離され、かつ/または廃熱の別の部分が、機械的または電気的なエネルギ5.2へ変換されるか、または前記反応器4.1は火力発電所5.1に接続されており、この火力発電所5.1を介して廃熱が、機械的または電気的なエネルギ5.2へ変換される。取得された電気的なエネルギは、公共の電流回路網へ供給され得る。この場合、電流供給のために、または本発明によればシリコン製造時のアーク炉の運転のために、またはケイ素酸化物、有利には沈降ケイ酸または熱分解法ケイ酸またはケイ酸ゲルの製造のために、沈降ケイ酸およびケイ酸ゲルにおいては特に有利には沈降容器の乾燥または加熱のために使用される。
【0025】
可能な変化実施態様では、電気的なエネルギが、熱分解法ケイ酸を製造するための方法において、たとえばHCI回収のための脱着の際にこの方法で利用され得る。分離された廃熱は、遠隔暖房熱網に供給され得る。この場合、廃熱を、熱交換器を介して、二酸化ケイ素を製造するための方法において、たとえばケイ素酸化物、特に二酸化ケイ素の温度制御または乾燥のための方法において、シリコンの製造の際に引き続き使用するために利用することが有利である。
【0026】
炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器としては、カーボンブラック、グラファイト、石炭または一般に炭素マトリックスを含有する化合物、たとえば炭化ケイ素を含有する炭素ならびに当業者によく知られた相応する別の化合物を製造するための全ての反応器が挙げられる。本発明によれば、炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器4.1が、カーボンブラック(Carbon Black)の製造または炭水化物の燃焼および/または熱分解、たとえば場合によっては、炭素を含有するマトリックスを製造するための二酸化ケイ素の存在で、たとえば高純度のケイ素酸化物の存在で、糖を熱分解するための反応器もしくは炉である。カーボンブラックを製造するための汎用の反応器は、燃焼器内の1200℃から2200℃を上回る温度までのプロセス温度で運転される。カーボンブラックを製造するための最もよく知られた方法は、ランプブラック法、ファーネスブラック法、ガスブラック法、フレームブラック−アセチレンブラック法またはサーマルブラック法である。これに相応して、反応器4.1は有利には上記方法を実施するために設計されている。本発明による設備のためには、有利には、公知先行技術から知られている、カーボンブラックの製造または炭素を含有する化合物の熱的な反応のために使用される。このような反応器は当業者には十分に知られている。
【0027】
汎用の反応器タイプは一般に、カーボンブラック製造のために適している全ての炉を包含している。これらの炉は種々のバーナ技術を装備していてよい。その1例はヒュルス(Huels)のアーク炉(アーク)である。バーナの選択のためには、火炎内に高い温度を発生させたいのか、またはリッチな火炎を発生させたいのかが重要となる。ユニットとして反応器は以下のバーナを包含することができる:組み込まれた燃焼空気ブロワを備えたガスバーナ、スワール付与された空気流のためのガスバーナ、周面のランスによるガス供給部を備えたコンビネーションガスバーナ、高速バーナ、Schoppe型パルスバーナ、パラレル拡散バーナ(Paralleldiffusionsbrenner)、組み合わされたオイル・ガスバーナ、プッシャー炉バーナ(Stossofenbrenner)、蒸発オイルバーナ、空気噴霧装置または蒸気噴霧装置を備えたバーナ、フラットフレームバーナ、ガス加熱されたジャケットジェット管(Mantelstrahlrohre)、ならびにカーボンブラックを製造するために、または炭水化物、たとえば糖を、場合によっては二酸化ケイ素の存在で熱分解するために適した全てのバーナおよび反応器。「反応器4.1」とは、反応器全体あるいはまた反応器の一部を意味する。たとえば、反応器は反応チャンバ、燃焼ゾーン、混合ゾーン、反応ゾーンおよび/またはクエンチゾーンを包含する。本発明によれば、クエンチゾーンにおいてレキュペレータ、たとえば鋼管のクラウンを備えた放射型レキュペレータが使用される。
【0028】
さらに別の択一的な実施態様では、組合せが規定されている。この組合せでは、本発明による設備1bまたは1b.1が、部分設備として、炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器4.1を有しており、この場合、反応器はコジェネレーション5.1に接続されていてよく、このコジェネレーション5.1を介して廃熱の一部分5.3が熱的な反応から分離され、かつ/または廃熱の別の部分が、機械的または電気的なエネルギ5.2へ変換され得るか、または反応器4.1が火力発電プラントもしくは火力発電所5.1に接続されており、この火力発電所を介して廃熱が機械的または電気的なエネルギ5.2へ変換され、そして電気的なエネルギ5.2は金属の化合物を還元するための反応器6.1、特にアーク炉6.1、電気的な溶融炉、熱的な反応器、誘導炉、溶融反応器または高炉へのエネルギ供給のために、有利にはシリコンの製造のために、あるいはまた二酸化ケイ素の製造時における装置7.1へのエネルギ供給のためにも、たとえば沈降容器の温度調節のために、SiO2のようなケイ素酸化物の乾燥のために、あるいはまた熱分解法ケイ酸を製造するための方法における装置の運転のためにも利用される。
【0029】
当業者であれば、5.1を、廃熱5.3または電気的なエネルギ5.2またはあらゆる混合形態だけが利用されるようにも運転することができることが分かる。この場合、分離された廃熱5.3は装置7.1にまで案内され、特に廃熱5.3は熱交換器8を介して伝達されるか、または直接に過熱された蒸気として利用され(図2bおよび図2c)、有利には装置7.1が、ケイ素酸化物を製造するための設備の一部である。
【0030】
本発明による設備の全ての変化実施態様において、製造されたカーボンブラック、熱分解された炭水化物は、4.2を介して間接的にまたは直接的にアーク炉6.1に供給され得る。「間接的に」とは、反応器4.1において製造された化合物が反応器6.1に供給される前に、この化合物がまださらに処理され得ることを意味する。たとえば(ただしこれに限定されるものではない)、カーボンブラックまたは炭素を含有する化合物をペレット化またはブリケット化することができる。
【0031】
この場合、本発明によれば、当該設備が、設備1cおよび設備0bに関して例示的に図示されているように、金属の化合物を還元するための反応器6.1からの高温のプロセスガスを、熱ガス管路6.3を介して、炭素を熱的に反応させるための反応器4.1に供給するための供給管路6.3を有していると特に有利である。有利な1構成では、前記設備、特に全体設備0aが、金属の化合物を還元するための反応器6.1の廃熱6.2を、二酸化ケイ素の製造のための方法において、たとえば沈降容器の温度制御のために、または装置7.1における二酸化ケイ素の乾燥の際に利用することを可能にする。特に、廃熱6.2は熱交換器8を介して反応器6.1から装置7.1内へ移送される。
【0032】
装置7.1は全ての設備において、SiO2の沈降またはゲル形成のための沈降容器であるか、あるいはまた乾燥器、トンネル炉、回転管炉、回転火格子炉(Drehrostofen)、流動床、回転テーブル炉、循環式の流動層装置、連続炉および/または熱分解のための炉であってよい。すなわち、間接的または直接的に反応器4.1において、たとえば水を用いたクエンチングによって反応器4.1の廃熱から、または反応器4.1からのテールガスの燃焼を介して取得される、有利には直接に過熱された蒸気5.3を、二酸化ケイ素を乾燥させるために使用することができる(図2bおよび図2c)。
【0033】
低温蒸気5.3を用いて、接触乾燥器7.1、たとえばプレート型乾燥器または特に有利には回転管型乾燥器の運転が可能となる。5.1を介して取得された流れ5.2は、直接に一次乾燥器の運転のために使用され得る。このことは、有利にはノズルタワー型乾燥器またはスピンフラッシュ型乾燥器である。当業者にとっては、前で挙げた乾燥器タイプは例示的に挙げられたものであるに過ぎず、別の汎用の乾燥器も使用され得ることは明らかである。
【0034】
反応器4.1または6.1に関して云えることは、これらの反応器において生じた廃熱の全部あるいはまた一部、たとえば反応ゾーン、高温の反応器部分、反応器4.1における水を用いたクエンチングによる蒸気あるいはまた反応生成物の廃熱、たとえばガスまたは別の物質流も、本発明によれば、利用された廃熱として理解されるべきである。本発明によれば、特に残留ガス(テールガス)が燃焼され、形成された廃熱が、本発明による設備において利用される。
【0035】
有利には、当該設備が連続的に24時間、週7日間間働くので、廃熱の利用も、直接にまたは熱交換器8を介して、連続的な循環プロセスで、特に一次循環路および/または二次循環路を介して行われる。これによって得られるエネルギ節約は、乾燥された二酸化ケイ素1キログラム当たり0.01〜10kWh、有利には2〜6kWhであり、特に有利には約2kWhであってよい。当業者にとっては、それぞれ得られたエネルギ収支が直接的に残留湿分および利用された乾燥装置ならびに別のプロセスパラメータに関連しているので、上で挙げた値は基準値でしかないと理解され得る。それぞれ1キログラムの二酸化ケイ素を還元して溶融可能なシリコンを形成するために、カーボンブラック1キログラム当たり約0.01〜10kWh、有利には0.1〜5kWhの取得された電気的なエネルギ5が利用されると、二酸化ケイ素を製造するための方法との関係付けにおいて、1〜10kWh、特に4〜9kWhの節約ポテンシャルが生じる。約1キログラムの溶融可能なシリコンを製造するためには、エネルギ節約量が5kWh〜20kWhへ増大し得る。特にこのエネルギ節約量は、二酸化ケイ素およびカーボンブラックの製造ならびにそのシリコンへの変換を包含する全体プロセスを見ると、約17kWhの範囲に位置し得る。
【0036】
別の有利な実施形態では、廃熱6.2が、廃熱5.3と一緒に、装置7.1のための二酸化ケイ素の製造のための方法において、有利には二酸化ケイ素、特に沈降ケイ酸またはケイ酸ゲルもしくはイオン交換器によって清浄化された沈降ケイ酸またはケイ酸ゲルの温度調節または乾燥のために利用され得る。有利には、廃熱6.2および/または廃熱5.3の利用が、1つまたは複数の熱交換器8を介してケイ酸を乾燥させるために行われる。装置7.1は全ての設備において、二酸化ケイ素を製造するための設備の一部であってよい。
【0037】
熱交換器8は有利には、二酸化ケイ素、特に高純度の二酸化ケイ素の汚染を阻止するために使用される。この熱交換器では、二次循環路によって反応器6.1からの廃熱が、二酸化ケイ素の製造のための方法、たとえば二酸化ケイ素の乾燥または沈降容器の温度調節のために利用される。通常、熱交換器および/または廃熱の供給管路および導出管路においては、媒体として水、汎用の冷却液または当業者に十分に知られた別の媒体が利用される。
【0038】
有利な設備3は、金属の化合物を還元するための反応器6.1からの廃熱6.2を、装置7.1における二酸化ケイ素の製造のための方法において、特に沈降容器7.1またはケイ素酸化物を乾燥させるための乾燥器7.1の温度調節のために単独利用することをも規定している。特に設備3は設備1aに結合可能であり、有利には廃熱6.2は反応器6.1から装置7.1内へ熱交換器8によって案内される。
【0039】
もちろん、特に反応器、沈降容器および/または乾燥器であってよい装置7.1はケイ素酸化物を製造するための部分設備または全体設備の一部でしかなく、上流側および/または下流側において別の設備もしくは装置に結合されているか、または結合可能であり、これによりたとえば、不純化されたケイ酸塩から高純度の二酸化ケイ素を製造することができる。
【0040】
特に供給管路7.2も、全ての設備において、反応器内への直接的または間接的な供給管路であるか、もしくは反応器6.1内への物質流として解釈され得る。すなわち、7.1において乾燥された二酸化ケイ素は、反応器6.1に供給される前に、なお別の処理ステップに施与され得る。このことは、特に粉砕、成形、ブリケット化である。これらのステップにおいても、5.2による電気的なエネルギ流を使用することができる。
【0041】
本発明によれば、炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器4.1の廃熱は、特にコジェネレーションまたは火力発電所によって電気的なエネルギを形成するために使用される。廃熱としては、テールガスの廃熱ならびにテールガスの燃焼により生じる廃熱も該当する。この場合、廃熱の全てまたはその一部が、特に直接的または間接的に、二酸化ケイ素を製造するための方法において、たとえば温度調節または乾燥のために利用されると特に有利である。有利には、4.1および/または5.1からの過熱された蒸気を乾燥または温度調節のために利用することができる(図2b/図2c)。
【0042】
廃熱のこのような、本発明により組み合わされた使用は、これまで当業者にとっては考えられなかった。なぜならば、起こり得る相互汚染が、プロセス実施における大きな問題を招くと考えられていたからである。水性システム内または水性システムから清浄化された二酸化ケイ素およびカーボンブラックまたは高純度のシリコンを製造するための熱分解された炭水化物の一緒の使用によりはじめて、廃熱もしくは熱的なエネルギのこのような組み合わされた協働の利用が可能となる。
【0043】
取得された電気的なエネルギは、有利には、金属の化合物を還元するための反応器6.1を運転するために、または装置7.1を運転するために、二酸化ケイ素を製造するための方法において、有利には乾燥器、たとえば一次乾燥器、シリコンの製造のための熱分解ケイ酸の製造または沈降容器の温度調節のための炉を運転するために、または電流を用いて作動する別の方法ステップを運転するために使用され得る。冒頭で説明したように、カーボンブラック製造、二酸化ケイ素の製造および/または二酸化ケイ素の還元を包含する全体方法のエネルギ収支は、公知先行技術からの公知の設備および公知の使用に比べて著しく改善される。
【0044】
こうして、二酸化ケイ素プロセスのエネルギ収支は特にエネルギ集中的なステップ、たとえば沈降容器の加熱または二酸化ケイ素の乾燥ステップならびにエネルギが供給されなければならない別の方法ステップにおいて、著しく改善され得る。組み合わされた方法実施、廃熱、燃焼可能な残留ガスおよび/または6.1からの熱ガスの戻しの首尾一貫した利用により、設備内の全ての物質循環路は公知先行技術からの公知の方法に比べて改善されたエネルギ収支を持って運転され得る。すなわち、一酸化炭素およびケイ素酸化物、特にガス状のSiOを有する熱ガスを反応器4.1へ戻すことにより、プロセス集中化がもたらされ、特に全体収支において、カーボンブラックを製造するための方法の間の炭素酸化物COxの形成を減少させることができる。本発明による全体設備あるいはまた部分設備における全体プロセスは、特に二酸化ケイ素および炭素を含有する化合物、たとえばカーボンブラックまたは熱分解された糖からシリコンを製造する際の全体プロセスにわたり、形成された二酸化炭素および/または一酸化炭素の著しい低減をもたらす。
【0045】
本発明によれば、さらに、金属の化合物を還元するための反応器6.1からの高温のプロセスガスが、炭素を熱的に反応させるための反応器4.1において使用され、この場合、前記プロセスガスは熱ガス管路6.3を介して反応器6.1から反応器4.1内へ導入される。
【0046】
同じく本発明によれば、金属の化合物を還元するための反応器6.1からの高温のプロセスガスが、コジェネレーション5.1または火力発電所5.1において蒸気および/またはエネルギの発生のために利用され得る。特にこの場合、前記プロセスガスは熱ガス管路6.3を介して反応器6.1から5.1内へ導入される。
【0047】
本発明の別の側面では、金属の化合物を還元するための反応器6.1の廃熱が、二酸化ケイ素を製造するための方法において、特に装置7.1、たとえば温度調節容器または乾燥器において使用され得る。さらに、反応器4.1および/または反応器6.1および装置7.1は一般に各プロセスラインのための設備の一部である。すなわち、7.1は、たとえば二酸化シリコン取得部の一部であり、4.1はカーボンブラックまたは熱分解された炭水化物等を製造するための設備の一部であり、6.1は、前置されかつ/または後置された別のプロセス段を有するソーラシリコンを製造するための設備の一部であってよい。
【0048】
当業者には、前記設備が各プロセス段における各1つの反応器の代わりに、多数の反応器を有し得ることが明らかである。このことは、特に全体プロセスの連続的でかつ/または均一でかつ中断なしの実施を可能にすることができる。反応器は連続的に、あるいはまた不連続的に運転され得る。
【0049】
一般に炭素を熱的に反応させるための反応器4.1、特にカーボンブラックを製造するための反応器4.1としては、有利には以下に挙げる特許明細書中に記載されているものと同様の構造の反応器を設備に組み込むことができる。
【0050】
開示内容に関しては、米国特許第5651945号明細書、米国特許第6391274号明細書、欧州特許第0184819号明細書、欧州特許第0209908号明細書、欧州特許第0232461号明細書、欧州特許出願公開第0102072号明細書、欧州特許出願公開第1236509号明細書、欧州特許出願公開第0206315号明細書、欧州特許出願公開第0136629号明細書、米国特許第4970059号明細書および米国特許第4904454号明細書に記載の反応器およびその運転形式に関する開示を参照するものとする。
【0051】
以下に、本発明による設備の実施形態を図面につき詳しく説明するが、本発明は図示の実施形態に限定されるものではない。
【0052】
符号:
0a,0b,0c,1a,1b,1c,2,2a,2b,2c,3:択一的な設備もしくは設備組合せ、全体設備;
4.1:炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器、たとえばカーボンブラック(Carbon Black)の製造または炭水化物の熱分解、たとえば場合によっては二酸化ケイ素の存在で行われる糖の熱分解のための反応器;
5.1:コジェネレーション、火力発電プラントもしくは火力発電所;
6.1:反応器、たとえば電気的な溶融炉、誘導炉、アーク炉;
7.1:二酸化ケイ素の製造のための使用のための装置、たとえば乾燥段において、有利には乾燥器、たとえば流動層反応器または基材を乾燥させるための別の反応器、反応器、熱分解法ケイ酸を製造するための方法における装置、あるいはまた沈降容器;
8:熱交換器、有利には該熱交換器が二次循環路を有していて、4.1および/または6.1内へのプロセスの廃熱(熱的なエネルギ)の導出および吸熱プロセス、特に乾燥のための7.1内への熱的なエネルギの供給を可能にする;
4.2:物質流、たとえばあらかじめさらに後処理、たとえばブリケット化に供給される、4.1からの生成物の、反応器6.1内への間接的または直接的な供給を可能にする供給管路;
5.2:電気的なエネルギ流、たとえば電気的なエネルギを導くための線路;
6.2:熱的なエネルギ流、たとえば特に有利には二次循環路として7.1における6.1からの廃熱の利用のための接続された熱交換器8を備えた管路;
7.2:物質流、たとえば供給管路および場合によっては生産段、この供給管路および場合によっては生産段を介して間接的または直接的に7.1からの製品が反応器6.1内へ移送可能であり、この場合、7.1からの直接的な製品はなお後処理、たとえば乾燥、粉砕、顆粒化、タブレット化、カーボンブラック、数種または1種の炭水化物を含有する化合物との反応または混合または別の処理ステップまたはプロセスステップに供給されてから、その後で、間接的な製品が反応器6.1に供給される;
5.3:熱的なエネルギ流もしくはエネルギ流、たとえば過熱された蒸気または低温蒸気、この蒸気はたとえば、5.1を介して分離される4.1からの廃熱を利用するために、場合によっては接続された熱交換器8を備えた管によって7.1における乾燥または温度調節のために利用される;
6.3:熱ガス管路
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1a】コジェネレーションと共に、場合によってはソーラシリコンを製造するための反応器と共に、カーボンブラックを製造するための反応器の設備組合せまたは部分組合せの1実施形態を示す概略図である。
【図1b】コジェネレーションと共に、場合によってはソーラシリコンを製造するための反応器と共に、カーボンブラックを製造するための反応器の設備組合せまたは部分組合せの別の実施形態を示す概略図である。
【図1b.1】コジェネレーションと共に、場合によってはソーラシリコンを製造するための反応器と共に、カーボンブラックを製造するための反応器の設備組合せまたは部分組合せのさらに別の実施形態を示す概略図である。
【図1c】コジェネレーションと共に、場合によってはソーラシリコンを製造するための反応器と共に、カーボンブラックを製造するための反応器の設備組合せまたは部分組合せのさらに別の実施形態を示す概略図である。
【図2】二酸化ケイ素の製造の際の温度調節ステップまたは乾燥ステップが、コジェネレーション(5.1,5.3もしくは5.2)を介してカーボンブラック製造(4.1)からの廃熱をエネルギ利用する、設備の本発明による組合せの1実施形態を示す概略図である。
【図2a】二酸化ケイ素の製造の際の温度調節ステップまたは乾燥ステップが、コジェネレーション(5.1,5.3もしくは5.2)を介してカーボンブラック製造(4.1)からの廃熱をエネルギ利用する、設備の本発明による組合せの別の実施形態を示す概略図である。
【図2b】二酸化ケイ素の製造の際の温度調節ステップまたは乾燥ステップが、コジェネレーション(5.1,5.3もしくは5.2)を介してカーボンブラック製造(4.1)からの廃熱をエネルギ利用する、設備の本発明による組合せのさらに別の実施形態を示す概略図である。
【図2c】二酸化ケイ素の製造の際の温度調節ステップまたは乾燥ステップが、コジェネレーション(5.1,5.3もしくは5.2)を介してカーボンブラック製造(4.1)からの廃熱をエネルギ利用する、設備の本発明による組合せのさらに別の実施形態を示す概略図である。
【図3】二酸化ケイ素の製造の際におけるシリコンを製造するための溶融炉からの廃熱の利用を示す概略図である。
【図4a】二酸化ケイ素製造およびカーボンブラック製造からの生産段を有するシリコンを製造するための全体設備(0a)の1実施形態を示す概略図である。
【図4b】二酸化ケイ素製造およびカーボンブラック製造からの生産段を有するシリコンを製造するための全体設備(0b)の別の実施形態を示す概略図である。
【図4c】二酸化ケイ素製造およびカーボンブラック製造からの生産段を有するシリコンを製造するための全体設備(0c)のさらに別の実施形態を示す概略図である。
【0054】
図1aには、炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器4.1を備えた設備1aが示されている。この場合、この反応器4.1はコジェネレーション5.1に接続されている。コジェネレーション5.1を介して、熱的な反応の廃熱5.3の一部は分離され、そして別の部分は機械的または電気的なエネルギ5.2に変換される。管路5.3を介して、分離された熱が導出される。方法実施に応じて、全廃熱または廃熱の一部を、装置7.1の温度調節またはエネルギ獲得のために利用することができる。廃熱を用いて、沈殿容器(Faellbehaelter)を温度調節するか、または乾燥器7.1を作動させることもできる。5.2を介して、発生させられた電気的なエネルギを伝送することができる。この電気的なエネルギは公共の電流回路網へ供給されるか、二酸化ケイ素を製造するための方法において、または直接にシリコンを製造するための全体方法において、電気的な炉、たとえばアーク炉6.1で利用され得る。設備1bでは、5.1が、電流発生のためにしか利用されない。この場合、7.1または別の設備部分を運転するためにもこの電流を利用することができる。図1cには、設備1aと反応器6.1との組合せが示されている。設備1cは全体設備の一部であってよく、そして付加的に4.1と6.1との間の熱ガス管路6.3を有している。
【0055】
設備2,2aは、コジェネレーション5.1を介して、特にシリコン、殊にソーラシリコンの製造のために適した二酸化ケイ素を製造するための方法における廃熱5.3ならびに形成された電気的なエネルギ5.2の利用を可能にする本発明による組合せを成している。設備2b,2cは、7.1において熱交換器が使用されない択一的な実施形態が示されている。このプロセスは、過剰加熱された蒸気を用いて直接に実施される。
【0056】
設備(全体設備)0a,0b,0cは、同じく本発明による設備を示しており、この設備は特にシリコン、特にソーラシリコンを製造するための全体設備の構成要素である。このような全体設備では、反応器4.1,6.1からの廃熱が、装置7.1、たとえば沈殿容器または乾燥器において、二酸化ケイ素の製造時に、たとえば水ガラスからのケイ酸の沈降またはイオン交換コラムを介した水ガラスの清浄化のような湿式化学的な方法からの二酸化ケイ素の製造時に利用される。熱交換器8はオプショナルである。設備0cでは、熱ガス流6.3が5.1に戻され、設備0bでは、4.1に戻される。当業者には、6.3を5.1と4.1とに移送することもできることが明らかである。
【0057】
以下に、概略的に設備0b,0cにおいて図示されているような本発明による択一的な設備ならびにそのエネルギ流および物質流を詳しく説明する。
【0058】
これらの択一的な実施形態では、5.1で獲得された電気的なエネルギ5.2が、7.1を運転するために利用され、反応器6.1には付加的な流れによって供給が行われる。4.1を起点として、バーナには天然ガスが供給され、これにより最大2000℃の必要とされる温度を得ることができる。約1kgのカーボンブラックを製造するためには、これまで、約2kWhを寄与する約0.2kgの天然ガスが必要とされてきた。チョークを介して、約15kWh/kgを寄与する別の1.5kgの原料が供給される。別のプロセス段において、空気がカーボンブラック反応器内に持ち込まれ、特にクエンチゾーンの燃焼空気を予熱するために、カーボンブラック製造時に進行する反応が、水によってクエンチされる。製造されたカーボンブラック1kg当たり、約1〜10kWh/kgカーボンブラック、有利には約最大5kWh/kgカーボンブラックのエネルギ容量を有するテールガスが得られる。このテールガスを用いて、5.1における燃焼によって蒸気を発生させることができる。この蒸気は7.1へ移送され、これにより7.1において、たとえばSiO2の乾燥のために利用される。この蒸気のエネルギ容量は、約1〜8kWh、有利には最大4kWhであってよい。7.1のエネルギ需要を表すためには、7.1において、乾燥された二酸化ケイ素1キログラム当たり2〜5キログラムの水、通常では約4キログラムの水が蒸発されなければならないことが考慮されなければならない。7.1からの蒸発された水は、後熱(Nachwaerme)として、温室の運転のために利用されるか、あるいはまたルーフを介して放出される。択一的な有利な実施形態はエネルギ取得のための蒸気の利用である。約102℃の約4キログラムの蒸気のエネルギ容量は、利用可能な凝縮熱に対して付加的に約4kWhの範囲にある。記載した全てのkWhのためには、記載した値(kWh)の少なくとも+/−50%の広い変動幅が考慮されなければならない。なぜならば、各物質・エネルギ流のエネルギ収支が相互に影響を与え合うからである。さらに、当業者であれば、このように複雑に絡み合ったプロセスでは、おおよその値しか求められ得ないことを知っている。
【0059】
たとえばアーク炉6.1の運転のためには、カーボンブラック約1kgと二酸化ケイ素3kgとから約1キログラムのシリコンを製造するために、約14kWhの電流が必要とされる。このときに、最大2000℃における反応条件下にチャージ組成(Moellerzusammensetzung)においてガス状のケイ素酸化物が形成される。このガス状のケイ素酸化物は、同じく形成された一酸化炭素と共に600〜700℃を有する熱ガスとしてこれまでは空気を用いてクエンチされ、酸化され、濾過されていた。本発明による設備では、この熱ガスが択一的にまたは同時にも、4.1において、特にバーナまたはチョークの範囲に導入され得る。この熱ガスは製造されたシリコン1キログラム当たり約0.4kgのケイ素酸化物および約2.3kgの一酸化炭素を有しており、この場合、エネルギ容量はシリコン1キログラム当たり最大9kWhであってよい。このような手段により、約0.5lオイル/カーボンブラック1kgもしくは1〜6kWh/カーボンブラック1kg、有利には最大5kWh/カーボンブラック1kgを節約することができる。
【0060】
付加的に、戻しによってシリコン1キログラム当たり約0.2kgのシリコンを回収することができる。このことは、原料SiO2における使用されたシリコンから出発して、最終製品であるシリコンに関して1〜25重量%、有利には5〜20重量%、特に有利には15〜22重量%の収率向上を意味し得る。
【0061】
択一的または付加的に、熱ガス流6.3を5.1にも導入することができ、これによりたとえば5.1において蒸気を発生させることができる。この蒸気を介して電流を発生させることができる。したがって、5.1において、製造されたシリコン1キログラム当たり1〜11kWh、特に5〜10kWh、有利には約9kWhの熱を、蒸気および/または電流の形成のために利用することができる。それと同時に、連行されたケイ素酸化物を二酸化ケイ素として分離して、5.1におけるプロセスに、または二酸化ケイ素を製造するための方法に添加することができる。物質流れおよび/またはエネルギ流の上記使用もしくは本発明による設備における方法実施により、シリコンを製造するための全体方法のエネルギ収支の著しい改善が可能にされると同時に、シリコン収率の向上も可能にされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備(1a)において、当該設備(1a)が、炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器(4.1)を有しており、該反応器(4.1)が、コジェネレーション(5.1)に接続されており、該コジェネレーション(5.1)を介して、廃熱(5.3)の一部分が、熱的な反応から分離され、廃熱の別の部分が、機械的または電気的なエネルギ(5.2)に変換されるか、または前記反応器(4.1)が、熱的な火力発電所(5.1)に接続されており、該火力発電所(5.1)を介して廃熱が、機械的または電気的なエネルギ(5.2)に変換されることを特徴とする設備(1a)。
【請求項2】
分離された廃熱(5.3)が、装置(7.1)へ案内され、特に該廃熱(5.3)が、熱交換器(8)を介して、有利には二次循環路によって前記装置(7.1)内へ移送され、有利には前記装置(7.1)が、二酸化ケイ素を製造するための設備の一部であり、特に有利には前記装置が、沈降容器、反応器および/または乾燥器である、請求項1記載の設備(2)。
【請求項3】
電気的なエネルギ(5.2)が、金属の化合物を還元するための反応器(6.1)、特にアーク炉(6.1)、溶融反応器または高炉へのエネルギ供給のために、有利にはシリコン、好ましくはソーラシリコンの製造のために利用される、請求項1または2記載の設備(1b)。
【請求項4】
金属の化合物を還元するための反応器(6.1)からの高温のプロセスガスが、熱ガス管路(6.3)を介して、炭素を熱的に反応させるための反応器(4.1)内へ、かつ/またはコジェネレーション(5.1)または火力発電所(5.1)内へ導入される、請求項1から3までのいずれか1項記載の設備(1c)。
【請求項5】
熱ガス管路(6.3)が、特に、金属の化合物を還元するための反応器(6.1)からの高温のプロセスガスを、炭素を熱的に反応させるための反応器(4.1)またはコジェネレーションもしくは火力発電所(5.1)へ移送するために、金属の化合物を還元するための反応器(6.1)および炭素を熱的に反応させるための反応器(4.1)または前記反応器(6.1)をコジェネレーションまたは火力発電所(5.1)に接続している、請求項1から4までのいずれか1項記載の設備(1c)。
【請求項6】
金属の化合物を還元するための反応器(6.1)の廃熱(6.2)が、前記装置(7.1)内で利用され、特に該廃熱(6.2)が、熱交換器(8)を介して前記反応器(6.1)から前記装置(7.1)内へ移送される、請求項1から5までのいずれか1項記載の設備(0a)。
【請求項7】
廃熱、特に前記反応器(6.1)の廃熱流(6.2)が、前記装置(7.1)に接続されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の設備(0a)。
【請求項8】
金属の化合物を還元するための反応器(6.1)からの高温のプロセスガスが、熱ガス管路(6.3)を介して、炭素を熱的に反応させるための反応器(4.1)内へ、またはコジェネレーション(5.1)または火力発電所(5.1)内へ導入される、請求項6または7記載の設備(0b)。
【請求項9】
金属の化合物を還元するための反応器(6.1)からの高温のプロセスガスを導入するための熱ガス管路(6.3)が、該反応器(6.1)を、炭素を熱的に反応させるための反応器(4.1)に接続しているか、または前記熱ガス管路が、前記反応器(6.1)をコジェネレーション(5.1)または火力発電所(5.1)に接続している、請求項6または7記載の設備(0b)。
【請求項10】
設備(3)において、金属の化合物(5.3)を還元するための反応器(6.1)の廃熱(6.2)が、前記装置(7.1)へ移送され、特に前記設備(1a)との組合せで、有利には前記反応器(6.1)からの廃熱(6.2)が、前記反応器(7.1)内へ熱交換器(8)によって移送され、有利には前記反応器(6.1)の廃熱流(6.2)が、前記装置(7.1)に接続されていることを特徴とする設備(3)。
【請求項11】
特にコジェネレーションまたは火力発電所を用いた、電気的なエネルギの形成のための、炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器(4.1)の廃熱の使用。
【請求項12】
ケイ素酸化物、特に二酸化ケイ素の製造における、請求項11記載の廃熱の使用。
【請求項13】
金属の化合物を還元するための反応器(6.1)または装置(7.1)を運転するための、請求項11記載の電気的なエネルギの使用。
【請求項14】
特に、金属の化合物を還元するための反応器(6.1)からの高温のプロセスガス(6.3)が、熱ガス管路(6.3)を介して前記反応器(6.1)から、炭素を熱的に反応させるための反応器(4.1)内に導入されることによる、炭素を熱的に反応させるための反応器(4.1)における、金属の化合物を還元するための反応器(6.1)からの高温のプロセスガス(6.3)の、特に請求項11から13までのいずれか1項記載の使用またはコジェネレーション(5.1)または火力発電所(5.1)におけるプロセスガス(6.3)の、蒸気発生のための使用。
【請求項15】
ケイ素酸化物の製造時、特に二酸化ケイ素の温度調節または乾燥時における、金属の化合物を還元するための反応器(6.1)の廃熱の使用。
【請求項1】
設備(1a)において、当該設備(1a)が、炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器(4.1)を有しており、該反応器(4.1)が、コジェネレーション(5.1)に接続されており、該コジェネレーション(5.1)を介して、廃熱(5.3)の一部分が、熱的な反応から分離され、廃熱の別の部分が、機械的または電気的なエネルギ(5.2)に変換されるか、または前記反応器(4.1)が、熱的な火力発電所(5.1)に接続されており、該火力発電所(5.1)を介して廃熱が、機械的または電気的なエネルギ(5.2)に変換されることを特徴とする設備(1a)。
【請求項2】
分離された廃熱(5.3)が、装置(7.1)へ案内され、特に該廃熱(5.3)が、熱交換器(8)を介して、有利には二次循環路によって前記装置(7.1)内へ移送され、有利には前記装置(7.1)が、二酸化ケイ素を製造するための設備の一部であり、特に有利には前記装置が、沈降容器、反応器および/または乾燥器である、請求項1記載の設備(2)。
【請求項3】
電気的なエネルギ(5.2)が、金属の化合物を還元するための反応器(6.1)、特にアーク炉(6.1)、溶融反応器または高炉へのエネルギ供給のために、有利にはシリコン、好ましくはソーラシリコンの製造のために利用される、請求項1または2記載の設備(1b)。
【請求項4】
金属の化合物を還元するための反応器(6.1)からの高温のプロセスガスが、熱ガス管路(6.3)を介して、炭素を熱的に反応させるための反応器(4.1)内へ、かつ/またはコジェネレーション(5.1)または火力発電所(5.1)内へ導入される、請求項1から3までのいずれか1項記載の設備(1c)。
【請求項5】
熱ガス管路(6.3)が、特に、金属の化合物を還元するための反応器(6.1)からの高温のプロセスガスを、炭素を熱的に反応させるための反応器(4.1)またはコジェネレーションもしくは火力発電所(5.1)へ移送するために、金属の化合物を還元するための反応器(6.1)および炭素を熱的に反応させるための反応器(4.1)または前記反応器(6.1)をコジェネレーションまたは火力発電所(5.1)に接続している、請求項1から4までのいずれか1項記載の設備(1c)。
【請求項6】
金属の化合物を還元するための反応器(6.1)の廃熱(6.2)が、前記装置(7.1)内で利用され、特に該廃熱(6.2)が、熱交換器(8)を介して前記反応器(6.1)から前記装置(7.1)内へ移送される、請求項1から5までのいずれか1項記載の設備(0a)。
【請求項7】
廃熱、特に前記反応器(6.1)の廃熱流(6.2)が、前記装置(7.1)に接続されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の設備(0a)。
【請求項8】
金属の化合物を還元するための反応器(6.1)からの高温のプロセスガスが、熱ガス管路(6.3)を介して、炭素を熱的に反応させるための反応器(4.1)内へ、またはコジェネレーション(5.1)または火力発電所(5.1)内へ導入される、請求項6または7記載の設備(0b)。
【請求項9】
金属の化合物を還元するための反応器(6.1)からの高温のプロセスガスを導入するための熱ガス管路(6.3)が、該反応器(6.1)を、炭素を熱的に反応させるための反応器(4.1)に接続しているか、または前記熱ガス管路が、前記反応器(6.1)をコジェネレーション(5.1)または火力発電所(5.1)に接続している、請求項6または7記載の設備(0b)。
【請求項10】
設備(3)において、金属の化合物(5.3)を還元するための反応器(6.1)の廃熱(6.2)が、前記装置(7.1)へ移送され、特に前記設備(1a)との組合せで、有利には前記反応器(6.1)からの廃熱(6.2)が、前記反応器(7.1)内へ熱交換器(8)によって移送され、有利には前記反応器(6.1)の廃熱流(6.2)が、前記装置(7.1)に接続されていることを特徴とする設備(3)。
【請求項11】
特にコジェネレーションまたは火力発電所を用いた、電気的なエネルギの形成のための、炭素を含有する化合物を熱的に反応させるための反応器(4.1)の廃熱の使用。
【請求項12】
ケイ素酸化物、特に二酸化ケイ素の製造における、請求項11記載の廃熱の使用。
【請求項13】
金属の化合物を還元するための反応器(6.1)または装置(7.1)を運転するための、請求項11記載の電気的なエネルギの使用。
【請求項14】
特に、金属の化合物を還元するための反応器(6.1)からの高温のプロセスガス(6.3)が、熱ガス管路(6.3)を介して前記反応器(6.1)から、炭素を熱的に反応させるための反応器(4.1)内に導入されることによる、炭素を熱的に反応させるための反応器(4.1)における、金属の化合物を還元するための反応器(6.1)からの高温のプロセスガス(6.3)の、特に請求項11から13までのいずれか1項記載の使用またはコジェネレーション(5.1)または火力発電所(5.1)におけるプロセスガス(6.3)の、蒸気発生のための使用。
【請求項15】
ケイ素酸化物の製造時、特に二酸化ケイ素の温度調節または乾燥時における、金属の化合物を還元するための反応器(6.1)の廃熱の使用。
【図1a】
【図1b】
【図1b.1】
【図1c】
【図2】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図1b】
【図1b.1】
【図1c】
【図2】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【公表番号】特表2012−508101(P2012−508101A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535112(P2011−535112)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064717
【国際公開番号】WO2010/052285
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064717
【国際公開番号】WO2010/052285
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】
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