説明

有害物を含む産業廃棄物の不溶化処理方法及びその装置

【課題】 有害物を含む産業廃棄物を簡便且安価に再利用可能な不溶化処理物となす処理方法と処理装置を提供する。
【解決手段】 有害物を含む産業廃棄物を破砕並びに粉砕し所要粒径の粉砕物となしたうえ、この粉砕物重量に対し5乃至10重量%割合のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を、その粉砕物表面全体に均等に噴霧付着させたうえ、700乃至900℃の加熱を施しシロキサン結合の促進による有害物の結合内取り込みによる不溶化と、ガラス層化無機質発泡体による強固な包着固定を図る有害物を含む産業廃棄物の不溶化処理方法及び不溶化装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は重金属類やダイオキシン類等の有害物を含む産業廃棄物を、簡便且安価に不溶化処理できる不溶化処理方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化学工業における廃棄物や金属工業における鉱滓中には、多量の重金属類やダイオキシン類或いは化学物質等の有害物が混在しているものの、現在に至るまでこれら産業廃棄物は主に特定地域に埋設投棄がなされていた。
【0003】
然るに今日に至っては埋設投棄場所が限界を迎え、且埋設投棄では土壌の荒廃ばかりか埋設産業廃棄物から重金属類やダイオキシン類等が溶出し、地下水の汚染を惹起させる重大事故が随所で頻発していることとも相俟って、有害物を含む産業廃棄物の不溶化と且この不溶化処理物の有効利用が強く望まれている。
【0004】
これがため重金属類やダイオキシン類等の不溶化処理の一方法として、これらを含む産業廃棄物を高温度で燃焼且熔融させて酸化分解させる方法、所謂熔融炉で熔融分解させる方法が提案されているものの、重金属類は極めて多種に亘るものが混在し且それぞれの分解温度も高範囲に亘ることから熔融分解による場合は極めて高温度が要請され、かかる対処策としてテルミット熔融炉による方法が公知されている。
【特許文献1】 特開2000−97425号公報
【特許文献2】 特開2001−317712号公報
【0005】
而しながらテルミット熔融炉での熔融分解による不溶化には、複雑多岐に亘る工程を要するとともに熔融炉装置全体が大型化し且極めて高額となるばかりか、高温化のためのアルミ材の供給とも相俟って多大な維持コストが付加される為、多量の廃棄物を連続して処理せぬ限り処理コストも著しく高価となる。
加えてダイオキシン類は一旦高温度により分解させても、温度低下とともに分離塩素基の再結合によりダイオキシンが再合成されるため有効な処理手段とはなり得ない。
【0006】
他方水ガラスや無水ガラスに、炭酸水素ナトリウムを初め炭酸カリウム、炭酸アンモニウム等の発泡剤とを主な成分とする処理剤を有害金属類等の廃棄物に添加混練したうえ、200乃至900℃の温度で加熱することにより有害金属類の不溶化が可能なる実験結果が公知されている。
【特許文献3】 特開2004−130271号広報
【0007】
かかる経緯をもとに発明者等は実用面の見地から鋭意研究を重ねた結果、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を使用することで、加熱により発泡構造の生成とシロキサン結合の促進により重金属類やダイオキシン類或いは化学物質の取り込みと且無機質発泡体による包着固定による不溶化、及び700乃至900℃の高温度による加熱発泡により形成される無機質発泡体がガラス層化され、長期に亘って安定した固定化が実現しえることを究明し本発明に至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は有害物を含む産業廃棄物にシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を微量に噴霧混合させて、簡便且安価に有害物の不溶化及び固定化のできる処理方法及び処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために本発明が用いた手段は、全体が閉鎖用ハウジング内でなされ、有害物を含む産業廃棄物を破砕し且所要の粒径にまで粉砕させたうえ、この粉砕物に対して5乃至10重量%割合で且その分子量が4,000乃至8,000でシロキサン及びシラノール塩からなり固定分が20乃至25重量%に水が75乃至80重量%の組成からなるシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を均等に噴霧し混合させたうえ、その温度が700乃至900℃の加熱空気と混交させて有機物の焼失とシロキサン結合の促進により有害物の結合内取り込みと、ガラス層化された無機質発泡体により強固に包着固定化させる有害物を含む産業廃棄物の不溶化処理方法に存する。
【0010】
更には全体を閉鎖するハウジングと、その形状及び素材が異なる多様の産業廃棄物を、その供給口より供給のうえ所要の大きさに破砕する破砕機と、及びこの破砕された破砕物を更に可能な限り微細粒状に粉砕する粉砕機と、この粉砕物を飛散転動させつつシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を全体に均等に噴霧混合させる噴霧混合機と、噴霧混合された混合粉砕物をベルトコンベアで移送のうえその温度が700乃至900℃に加熱された加熱空気が流動する加熱ドラム内で、シロキサン結合の促進による有害物の結合内取込み並びにガラス層化された無機質発泡体により包着固定させる加熱処理機と、加熱処理された不溶化処理物を冷却させる冷却機とにより構成される有害物を含む産業廃棄物の処理装置に存する。
【発明の効果】
【0011】
本発明は上述の如き技術手段を用いてなるもので、重金属類やダイオキシン類或いは化学物質等の有害物を含む産業廃棄物が、閉鎖系内において処理させるものであるから危険の拡散が防止されるとともに、多様な大きさと多種に亘る産業廃棄物も、その破砕工程で順次細かく破砕されたうえ、更に粉砕工程で微細に粉砕がなされるためその表面積率が極めて大きく形成されるとともに、この粉砕物を噴霧工程で飛散転動させながら、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を5乃至10重量%割合で噴霧混合させるため、比較的微量の噴霧混合でも粉砕物の表面全体に均質に分散付着される。
【0012】
そしてこのシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液はその分子量が4,000乃至8,000であり、噴霧混合され且均等に分散付着された混合粉砕物が加熱処理工程で700乃至900℃に加熱され、且流動する加熱空気中で混交され加熱処理がなされるため、混合粉砕物それぞれがその全面より受熱されて、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液のシロキサン結合の促進に伴い、重金属類やダイオキシン類或いは化学物質等の有害物がシロキサン結合内に取込まれて確実な不溶化がなされ且有機物が焼失されるとともに、而もガラス層化される無機質発泡体により強固に包着固定されることとなる。
【0013】
加えて本発明は処理工程が簡便なうえ処理装置も小規模であるから、装置コストが極めて安価で而もシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液も安価なうえ使用量も微量であるから処理コストも著しく安価となる。
更に本発明により処理された有害物を含む産業廃棄物は、有害物の不溶化と包着固定が図られてなるから、多様な二次製品への再利用も可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
有害物質を含む産業廃棄物を閉鎖系内において、所要の大きさに破砕のうえ更に微細に粉砕して粉砕物となしたうえ、該粉砕物を飛散転動させながらその分子量が4,000乃至8,000のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を5乃至10重量%割合で噴霧混合させた混合粉砕物の表面全体に均等に付着せしめ、而してその温度が700乃至900℃に加熱された加熱空気の流動する加熱処理機内で混交させて、シロキサン結合の促進に伴う有害物質の結合内への取り込みによる不溶化と、且ガラス層化される無機質発泡体内に強固に包着固定させる。
【実施例1】
【0015】
以下に本発明実施例を処理方法の図面に基づき詳細に説明すれば、図1は本発明処理方法の工程説明図であって、産業活動により排出される重金属類やダイオキシン類或いは化学物質等の有害物を含む産業廃棄物1は、その発生源より多種多様な形状や寸法及び素材を以って排出されるものであり、且これらが多量に搬入されて処理をなすうえからは、その有害物が飛散し若しくは漏出して環境汚染が拡散されぬよう全体が閉鎖系の中で実施されるもので、具体的には図2に示す如き閉鎖用ハウジング10内でなされることとなる。
【0016】
そして搬入された有害物を含む産業廃棄物1は、可能な限り微細状となすことが不溶化や包着固定化のうえから望まれるため、先づ破砕工程2において所要の大きさに破砕し破砕物2Aとなす。
この破砕工程2では所要の大きさに破砕させるうえから、通常においては比較的粗刃の破砕ロール20が用いられるが、有害物を含む産業廃棄物はその大きさや素材も多様なものがあり、特に大型で且高硬度の物には圧砕機の使用も考慮される。無論かかる如き大型の有害物を含む産業廃棄物を対象とする場合には破砕工程2を2乃至3段階に分けて順次細かな破砕をなせば良く、当然のことながら順次細刃の破砕ロール20が使用される。
更に破砕ロール20を使用する場合には高硬度の鋼材を用いて所要間隔を以って破砕刃20Aが設けられた破砕ロール20が好適である。
【0017】
破砕工程2において細かく破砕された破砕物2Aは、有害物の不溶化と且包着固定化を図るうえから可能な限り微細粒径に粉砕させることが望まれるため、粉砕工程3において粉砕物3Aに粉砕される。
この粉砕工程3における具体的破砕手段としては特段の制約は無く、可能な限り微細に破砕されれば適宜の粉砕機30が使用できるもので、望ましくはその粉砕粒径としては略10乃至100μm程度が良好である。
【0018】
而して所望の微細粒径に粉砕された粉砕物3Aは、噴霧混合工程4において該粉砕物3Aの重量に対して5乃至10重量%割合のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液40をそれぞれの粉砕物3Aの表面全体に亘って均等に付着されるよう混合することが望まれるため、粉砕物3Aを飛散転動させながら噴霧させて混合粉砕物4Aが形成される。
【0019】
かかる場合に用いるシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液40は、火山灰やシラス等の自然無機物や石炭灰並びに鋳造廃砂等の無機質産業廃棄物中に多量に含有されてなる酸化珪素を一旦アルカリ剤で溶出させて珪酸ソーダ即ち水ガラスとなしたうえ、加熱によるシロキサン結合の促進に伴う結合内への重金属類やダイオキシン類或いは化学物質等の取り込みによる不溶化と、発泡形成されるガラス層化無機質発泡体により強固な包着固定を図るうえから、そのシラノール基の縮合作用により分子量が略4,000乃至8,000程度に多分子量化させたもので、その性状においてはシロキサン及びシラノール塩からなる固形分が略20乃至25重量%に水が略75乃至80重量%の水溶液状で且100℃以上の加熱により最大50倍程度の発泡倍率に発泡し、而も700乃至900℃の高温度ではガラス層化された無機発泡体を生成するものである。
【0020】
かくして噴霧混合工程4において形成された混合粉砕物4Aは、加熱工程5において700乃至900℃の温度による加熱処理5Aが施される。
この加熱処理5Aは混合粉砕物4Aの表面全体に付着されてなるシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液40のシロキサン結合を加熱により促進させて、重金属類やダイオキシン類或いは化学物質等の有害物をシロキサン結合内に取り込み不溶化させ、且加熱により発泡形成されるガラス層化無機質発泡体41内に強固に包着させて固定化させることにある。
【0021】
かかる場合の加熱処理5Aは、混合粉砕物4Aを実質的に700乃至900℃の温度で加熱がなしえるものであれば特段に制約は無いが、混合粉砕物4Aそれぞれの外表面から短時間に効率良く受熱させてシロキサン結合の促進とガラス層化無機質発泡体41の発泡形成の為には適宜の加熱ドラム5B内に加熱空気5Cを流動させたうえ、該加熱空気5C中に混合粉砕物4Aを混交させることが好適である。
そして加熱工程5において加熱処理5Aを施されたうえは、徐冷工程6により徐冷させることにより、不溶化処理物6Aが形成される。
【実施例2】
【0022】
前述の処理方法を実現処理する処理装置について以下に述べれば、図2は本発明処理処置の説明図であって、適宜の搬入容器100内に収納され搬入される有害物を含む産業廃棄物1は、閉鎖用ハウジング10の上部適宜位置に設けられた開閉自在な開閉蓋101により閉鎖用ハウジング10内の閉鎖系内で処理がなされることとなる。
【0023】
そして該開閉蓋101の下方には破砕機200のホッパー200Aが配位されてなり、且該破砕機200には高硬度の鋼材からなり所要間隔に破砕刃20Aが設けられた破砕ロール20が配されてなるため、該破砕ロール20で所要の大きさに破砕され破砕物2Aとなされたうえは、該破砕機200の下方に設けられた排出口200Bより排出される。
かかる場合において本発明における不溶化処理のためには可能な限り微細粒径のものが好ましく、反面有害物を含む産業廃棄物1はその大きさや形状及び素材が多岐に亘るため、有害物を含む産業廃棄物1の大きさ如何によって順次細かく破砕の可能な破砕機(図示せず)を2乃至3段階に亘って配備させることも考慮される。
【0024】
破砕機200で所要の大きさに破砕された破砕物2Aは、その下部位に設けられた排出口200Bより排出されるとともに、その下方に配置されてなる粉砕機300の供給部300A内に供給される。そしてこの供給された破砕物2Aは所要の微細粒径に粉砕する粉砕機300に設けられた粉砕ロール30により粉砕され粉砕物3Aとされたうえその下部位に設けられた排出部300Bより排出される。
この粉砕物3Aの粒径としては略1乃至100μm程度、更に望ましくは30乃至100μmが好適である。
【0025】
粉砕機300により所要の微細粒径に粉砕され排出部300Bより排出された粉砕物3Aは、該粉砕機300の排出部が300B下方に配設された噴霧混合機400のフィーダー部400Aより所定の重量割合を以って該噴霧混合機400内に供給される。
この噴霧混合機400は供給される粉砕物3Aそれぞれの表面全体に均等に且粉砕物3Aの重量に対し5乃至10重量%割合でシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液40を混合させるうえから噴霧混合による方法が用いられるもので、これがためフィーダー部400Aには粉砕物3Aを計量し供給する計量弁400Bが設けられてなり、更に該噴霧混合機400の適宜側面部位には、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液40を高圧空気40Aとともに噴霧混合機400内に噴霧し、供給された粉砕物3Aを飛散転動させつつ、それぞれの粉砕物3Aの外表面全体に付着させる噴霧部400Cが設けられている。
【0026】
かくしてシロキサン及びシラノール塩分子量溶液40が混合付着された混合粉砕物4Aは、該噴霧混合機400の下部位に設けられた開放部400Dより排出され、適宜の収納具400E内に収納される。
そしてこの収納具400E内に収納された混合粉砕物4Aは、加熱処理機500においてその温度が700乃至900℃の高温度による加熱がなされるため、該加熱による影響を排除するうえから収納具400E内に収納された混合粉砕物4Aとは適宜の距離を以って加熱処理機500が設置され、且この加熱処理機500への混合粉砕物4Aの供給にはベルトコンベア400Fが用いられる。
【0027】
加熱処理機500による加熱処理は、該加熱処理機500内に投入される混合粉砕物4Aに混合付着されてなるシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液40を加熱によりシロキサン結合を促進せしめて、重金属類やダイオキシン類或いは化学物質等を該シロキサン結合内に取り込んで不溶化を図り、且加熱発泡によるガラス層化された無機質発泡体41により包着固定させることにある。
【0028】
これがため該加熱処理機500には、その上部に投入口500Aが設けられてなるとともに、混合粉砕物4Aはシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液40の粘性によりブロッキング化した状態におかれるため、解粒のうえ加熱処理することが短時に且均等な加熱処理上有利のため、該投入口500Aには加圧解粒若しくは振動解粒させる適宜の解粒具500Bが設けられている。
【0029】
そしてこの加熱処理機500では解粒された混合粉砕物4Aの表面全体より均質に受熱させて加熱処理をなすうえから、該加熱処理機500の一側下部位にその温度が700乃至900℃に加熱保持された加熱空気5Cを送風し、且該加熱処理機500の他側上部位には該加熱空気5Cを吸気のうえ循環させて該加熱処理機500内を流動させる送気口500C並びに吸気口500Dが設けられてなり、而もこの送気口500C及び吸気口500Dには送気管500Eにより加熱送風器500Fと連結されている。
【0030】
かかる場合に吸気口500Dより投入された混合粉砕物4Aが吸気口500Dより混入吸引されることを防止するうえからは、投入口500A下方に十分な長さの投入ダクト501を設けるとともに、吸気口500Dは加熱処理機500の成可く上部位に設けることが望まれ、且該加熱処理機500の下端は開口されている。
なお該加熱処理機500の外周囲は適宜の断熱材で包被させることが望ましい。
【0031】
かくして加熱処理機500により加熱処理され形成される不溶化処理物6Aは開口された下端より落下するものであるが、高温度による加熱処理がなされているため該加熱処理機500の下方には徐冷のための徐冷器600が配置されている。
この徐冷器600は加熱されて落下する不溶化処理物6Aを徐冷させるためのものであるから、所要の径及び長さの徐冷ドラム601の上部位一側より冷風60を該徐冷ドラム601内に送気させる簡単な構造のものでよい。
そしてかかる徐冷器600で徐冷された不溶化処理物6Aは適宜収納容量の収納部602内に収納される。
【産業上の利用可能性】
【0032】
重金属類やダイオキシン類或いは化学物質等の有害物を含む産業廃棄物については、その不溶化と強固な包着固定がなされ、且成形加工により安全に再利用原料として利用が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】 本発明処理方法の工程説明図である。
【図2】 本発明処理装置の説明図である。
【符号の説明】
【0034】
1 有害物を含む産業廃棄物
10 閉鎖用ハウジング
2 破砕工程
2A 破砕物
20 破砕ロール
20A 破砕刃
3 粉砕工程
3A 粉砕物
30 粉砕ロール
4 噴霧工程
4A 混合粉砕物
40 シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液
40A 高圧空気
41 ガラス層化無機質発泡体
5 加熱工程
5A 加熱処理
5B 加熱ドラム
5C 加熱空気
6 徐冷工程
6A 不溶化処理物
60 冷風
100 搬入容器
101 開閉蓋
200 破砕機
200A ホッパー
200B 排出口
300 粉砕機
300A 供給部
300B 排出部
400 噴霧混合機
400A フィーダー部
400B 計量弁
400C 噴霧部
400D 開放部
400E 収納具
400F ベルトコンベア
500 加熱処理機
500A 投入口
500B 解粒具
500C 送気口
500D 吸気口
500E 送気管
500F 加熱送風器
501 投入ダクト
600 徐冷器
601 徐冷ドラム
602 収納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖用ハウジング内で処理され、搬入される有害物を含む産業廃棄物を所要の大きさに破砕し破砕物となす破砕工程と、該破砕物を所要の微細粒径に粉砕し粉砕物となす粉砕工程と、この粉砕物表面全体に均等に且5乃至10重量%割合で且その分子量が4,000乃至8,000のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を噴霧付着させて混合粉砕物となす噴霧工程と、混合粉砕物に700乃至900℃の加熱空気を混交させてシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液のシロキサン結合を促進させ、シロキサン結合内への有害物の取り込みによる不溶化、及びガラス層化無機質発泡体による強固な包着固定化を図る加熱工程と、加熱された不溶化処理物を徐冷させる徐冷工程とからなる有害物を含む産業廃棄物の不溶化処理方法。
【請求項2】
搬入される有害物を含む産業廃棄物が微細粉砕物であり、該微細粉砕物に噴霧工程と加熱工程及び徐冷工程をなす請求項1記載の有害物を含む産業廃棄物の不溶化処理方法。
【請求項3】
閉鎖用ハウジングと、該閉鎖用ハウジングの上部に設けられる開閉蓋と、開閉蓋の下方にホッパーが配位され且所要の大きさに破砕する破砕刃が設けられた破砕ロールが設けられ、而も下部位に排出口を有する破砕機と、破砕機の下方にはその上部位に供給部を有し且所要の微細粒径に粉砕しえ而も下部位に排出部を有する粉砕機と、更にその下方には上部位にフィーダー部と計量弁が設けられ且下部位には開放部を有し、而もその側面にはシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を高圧空気を以ってその内部に噴霧しえる噴霧部が形成されてなる噴霧混合機と、噴霧混合機により形成された混合粉砕物を移送させるベルトコンベアと、その上部位に投入口と解粒具が設けられ且下部位が開放されてなり、その側面の適宜下部位に送気口及び側面の上部位に吸気口が設けられ、而も加熱送風機により700乃至900℃の加熱空気が送風管により送風口より送風され且吸気口より吸気循環される加熱処理機と、加熱処理された不溶化処理物を徐冷ドラム内で徐冷させる徐冷器とからなる、有害物を含む産業廃棄物の不溶化処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2007−50397(P2007−50397A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−265984(P2005−265984)
【出願日】平成17年8月17日(2005.8.17)
【出願人】(505336208)株式会社躍進 (4)
【Fターム(参考)】