説明

有料道路の料金収受システム

【課題】本発明はETCシステムを利用することによる利用料金の割引の適用に通行券の受け取りを必要としない利便性の良い有料道路の料金収受システムを提供することを目的とする。
【解決手段】入口料金所の入口車線への進入が検知された車両がETCカード未挿入車両であると判定されたとき、当該車両の車両情報を入口情報と関連付けて中央処理装置100の管理テーブルに記憶する。
また、出口料金所の入口車線への進入が検知された車両が中央処理装置当100の管理テーブルに記憶された車両であるとき、管理テーブルに記憶された入口情報に基づいて利用料金を算出する。この算出結果に基づいて、運転手からETCカードの提示があった場合にはETC割引を適用するため、ETCシステムを利用することによる利用料金の割引の適用に通行券の受け取りを必要としない利便性の良い有料道路の料金収受システムを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有料道路の料金収受システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ETC(Electronic Toll Collection:登録商標)システムは、有料道路の料金所において、ETCレーンに設置された車線制御装置と、車両に設置された個人情報や決済情報などが記録されているETCカードが装着された車載器との間で、ETCレーン上に設置されたアンテナ装置を介して無線による通信を行うことで車載器およびETCカードから取得した情報を基にノンストップで利用料金の収受処理を自動的に行うシステムである。
【0003】
ところが、ETCカードを所持する利用者の運転する車両がETC非対応レーンに進入し、従来どおりに通行券を受け取るなどして入口料金所を通過する場合が考えられる。例えば、ETCカードをバッグなどに収納したまま有料道路の入口料金所に差し掛かり、車載器への装着が間に合わずに入口料金所で通行券を受け取って通過する場合などである。
【0004】
このような場合、有料道路の出口料金所では、ETCカードを所持しているにも関わらず、現金或いはクレジットカードなどで通行料金の支払いをすることとなり、出口料金所において渋滞を招く恐れもある。また、ETCシステムを利用することによる利用料金の割引も適用されない。
【0005】
そこで、ETCカードを所持する利用者の運転する車両が入口料金所を通行券を受け取って通過した場合、サービスエリアなどにおいて、専用の端末装置を用いて通行券の入口情報をETCカードに書き込むことにより、出口料金所においてETC車両として通過することができるETCシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−117143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の有料道路の料金収受システムは、ETCカードを所持する利用者の運転する車両が入口料金所を通行券を受け取って通過した場合、サービスエリアなどにおいて専用の端末装置を用いて通行券の入口情報をETCカードに書き込むことで、出口料金所においてETC車両として通過することができるが、利用者はETCカードが車載器に装着されていると思い込んで入口料金所を通過するため、通行券が発行されたことに気づかないといった場合が考えられる。
【0008】
このような場合には利用者は入口料金所にて通行券を受け取っていないため、ETCカードに入口情報を書き込むことが出来ず、ETC車両として出口料金所を通過することが出来ない。従って、ETCシステムを利用することによる利用料金の割引の適用を受けることが出来ず必ずしも利便性が良いとは言えないという課題が有った。
【0009】
そこで、本発明はETCシステムを利用することによる利用料金の割引の適用に通行券の受け取りを必要としない利便性の良い有料道路の料金収受システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する為に請求項1記載の有料道路の料金収受システムは、有料道路の入口料金所を通行する車両を検知する第1の車両検知手段と、前記第1の車両検知手段によって検知された車両に搭載され、車両情報が登録された車載器と無線通信を行う第1の無線通信手段と、前記第1の無線通信手段による無線通信により、前記車両情報を取得する第1の情報取得手段と、前記第1の無線通信手段による無線通信により、前記車載器に挿入されたETCカードから前記個人情報を取得する第2の情報取得手段と、前記第1の情報取得手段によって車両情報が取得され、かつ、前記第2の情報取得手段によって個人情報が取得されなかったとき、車両をETCカード未挿入車両と判定する車両判定手段と、前記車両判定手段によってETCカード未挿入車両と判定されたとき、前記車両情報を入口情報と関連付けて管理テーブルに登録する登録手段と、有料道路の出口料金所を通行する車両を検知する第2の車両検知手段と、前記第2の車両検知手段によって検知された車両に搭載され、車両情報が登録された車載器と無線通信を行う第2の無線通信手段と、前記第2の無線通信手段によって前記車両情報を取得する第3の情報取得手段と、前記第3の情報取得手段によって取得された車両情報が前記管理テーブルに登録されているか否かを照合する照合手段と、前記車両情報が管理テーブルに登録されているとき、前記入口情報に基づいて有料道路の利用料金を算出する利用料金算出手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、請求項2記載の有料道路の料金収受システムは、有料道路の入口料金所を通行する車両を検知する第1の車両検知手段と、前記第1の車両検知手段によって検知された車両に搭載され、車両情報が登録された車載器と無線通信を行う第1の無線通信手段と、前記第1の無線通信手段によって前記車両情報を取得する第1の情報取得手段と、前記第1の無線通信手段によって前記車載器に挿入され、個人情報が記録された情報記録媒体から、前記個人情報を取得する第2の情報取得手段と、前記第1の情報取得手段によって車両情報が取得され、かつ、前記第2の情報取得手段によって個人情報が取得されなかったとき、車両をETCカード未挿入車両と判定する車両判定手段と、前記車両判定手段によってETCカード未挿入車両と判定されたとき、前記車両情報を入口情報と関連付けて管理テーブルに登録する登録手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3記載の有料道路の料金収受システムは、有料道路の出口料金所を通行する車両を検知する第2の車両検知手段と、前記第2の車両検知手段によって検知された車両に搭載され、車両情報が登録された車載器と無線通信を行う第2の無線通信手段と、前記第2の無線通信手段によって前記車両情報を取得する第3の情報取得手段と、前記第3の情報取得手段によって取得された車両情報が前記管理テーブルに登録されているか否かを照合する照合手段と、前記車両情報が管理テーブルに登録されているとき、前記入口情報に基づいて有料道路の利用料金を算出する利用料金算出手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ETCシステムを利用することによる利用料金の割引の適用に通行券の受け取りを必要としない利便性の良い有料道路の料金収受システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1に係る料金収受システム1の構成を示す図。
【図2】本発明の実施の形態1に係る入口車線における料金収受システム1を構成する各種機器の配置例を示す図。
【図3】本発明の実施の形態1に係る出口車線における料金収受システム1を構成する各種機器の配置例を示す図。
【図4】本発明の実施の形態1に係る車線制御装置20の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の実施の形態1に係る料金収受システム1の入口料金所における処理のフローチャート。
【図6】本発明の実施の形態1に係る管理テーブルの一例を示す図。
【図7】本発明の実施の形態1に係る料金収受システム1の出口料金所における処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る料金収受システム1の構成を示す図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る入口車線における料金収受システム1を構成する各種機器の配置例を示す図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る出口車線における料金収受システム1を構成する各種機器の配置例を示す図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る車線制御装置20の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1、図2、図3、及び図4を用いて本発明の実施の形態1に係る料金収受システム1の構成を説明する。
【0018】
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る料金収受システム1は、各料金所毎に設けられた料金所データ処理装置(料金所αデータ処理装置101、料金所βデータ処理装置102、料金所γデータ処理装置103、及び料金所δデータ処理装置104、以下、総称して料金所データ処理装置とする)と、各料金所の各車線に設けられた各種機器と、これらの料金所データ処理装置と通信回線を介して接続された中央処理装置100を有している。
【0019】
料金所データ処理装置は、CPU、メモリ、記憶装置、ネットワークインタフェースなどを備えるコンピュータである。
【0020】
中央処理装置100は、CPU,メモリ、記憶装置、ネットワークインタフェースなどを備えるコンピュータであり、各料金所データ処理装置から受信した各車両の課金データを集計するとともに、ETCシステムの場合、課金データから生成した利用情報を、ETCカード固有のカードIDにより指定されるETCカード発行元のクレジット会社へ通知する。記憶装置には後述するETC未挿入車両の車両情報、入口情報などを登録する管理テーブルが記憶されている。
【0021】
図2に示すように各料金所の車線Lは、車線Lを分離するための路側部(以下、アイランド17とする)を介在させて複数設けられている。図1では、料金所αにアイランド17を隔てて入口車線、出口車線を1つずつ設けられている場合を示している。この入口車線、出口車線を総称して車線Lとする。
【0022】
入口車線は、有料道路に図示矢印A方向に進入する車両に対して入口処理を行うための車線である。入口処理とは通行券の発行処理、またはETCシステムよる入口車線での料金収受処理である。
【0023】
出口車線は、有料道路を利用した車両(図示矢印B方向)に対して出口処理を行うための車線である。出口処理とは、有料道路を利用した車両から利用料金を収受する処理であり、通行券による精算処理、またはETCシステムによる料金収受処理である。
【0024】
ETCシステムによる入口車線、出口車線での料金収受処理をETC処理とする。
【0025】
以下、各料金所の各車線Lに設けられた各種機器について説明するが、入口車線、出口車線に共通して設けられるものについては同じ符号を付して説明する。
【0026】
図1、図2に示す車両検知及び車種判別装置S1は、車線Lへ進入した車両の車載器Zと路側無線装置15と無線通信が行われる無線通信エリアの進入位置に配置されており、この車両検知及び車種判別装置S1による車両の検知により路側無線装置15との間の無線通信が開始される。
【0027】
また、車両検知及び車種判別装置S1は、路面に敷設された踏板状の車輪、車軸を検知するセンサ、車線Lを通過する車両を撮影する撮影装置を有しており、この検知情報、撮影画像を元に車両の外形・ナンバーから料金を区分するための車種判別を行う。撮影装置は、ナンバープレートが車両の後尾にのみ設けられた二輪車にも対応できるように図2中に示したように設置されている。また、車両検知及び車種判別装置S1は車両の分離検出も行う。
【0028】
車両検知装置S2は、路側無線装置15が形成する無線通信エリアの終端に配置されている。車両検知装置S2は車両が路側無線装置15の形成する無線通信エリアの終端に到達したことを検知する。
【0029】
車両検知装置S4は、入口車線及び出口車線のそれぞれの退出口付近に配置されている。また、出口車線において車両検知装置S4は、発進制御装置13の直後に配置され、車両が発進制御装置13の位置を通過し車線Lから退出したことを検知し、この検知情報に基づいて車線制御装置20は、車線L内の車両の台数管理を行う。
【0030】
路側表示器12は、路側無線装置15の車両の進行方向(入口車線では図示矢印A方向、出口車線では図示矢印B方向)の位置のアイランド17上に配置されており、LEDパネルなどの表示機能を有している。路側表示器12は、車線制御装置20による判定の結果、課金情報、GO/STOPなどの案内を車両に対して行う。
【0031】
路側表示器12は、車線Lの退出口付近に車両のドライバーから見えるように通路に向けて取り付けられている。路側表示器12は、車線Lを通行する車両に対して、ETC処理の状況及び処理結果を電光表示してドライバーへ通知する。
【0032】
路側無線装置15は、外形が矩形の平面アンテナであり、車線Lを跨いで設置された支持脚(図示しない)のほぼ中央部にアンテナ面を路面に向けて取り付けられている。また、路側無線装置15はETC処理用のアンテナを有している。
【0033】
路側無線装置15は、車両検知及び車種判別装置S1と車両検知装置S2の設置範囲をカバーするように無線通信エリアを形成する。路側無線装置15は、車両に搭載されている車載器Zと無線通信を行うことで、ETC処理(入口車線では入口処理、出口車線では出口処理)を行う。
【0034】
図1に示す警告ANT14装置は、路側無線装置15と同様の無線通信機能を備える。警告ANT装置14は、外形が矩形の平面アンテナであり、アンテナ面を路面に向けて取り付けられている。警告ANT14装置は、車線の退出口付近の範囲をカバーするように無線通信エリアを形成し、車両に搭載されている車載器Zと無線通信を行うことで不正の証拠を記録した旨を示す情報を車載器Zへ送り、車載器Zからの音声発生または、ディスプレイ表示などでドライバーへ通知する。
【0035】
ブース処理機11は、アイランド17に設けられたブース内に設置されており、車線制御装置20と接続されて相互にデータ伝送を行う機能を有している。
【0036】
また、ブース内にはブース処理機11の他、ETC処理を制御するための車線制御装置20、及び車両検知及び車種判別装置S1の有する撮影装置によって撮影された撮影画像の処理を行う画像処理装置などの機器が設けられている。
【0037】
入口車線においてブース処理機11は、車線Lを通行する車両に対して通行券を発行する。この通行券には、各通行券に固有の通行券IDが付される。
【0038】
また、ブース処理機11の通行券の発行口には投光器、及び受光器の対からなる抜取検知センサが設けられている。抜取検知センサは、発行した通行券が発行口に存在する場合には投光器から投光される光線が通行券により遮断され(抜取検知センサ:OFF)、発行された通行券が抜き取られると、投光器から投光される光線が通行券により遮断されることなく受光器で受光することが出来る(抜取検知センサ:ON)。
【0039】
出口車線においてブース処理機11は、収受員が待機し車線Lに進入した車両のドライバーから提示されたETCカードを読み取り、種々の処理を行う。
【0040】
発信制御装置13は、出口車線の退出口付近に設置されており、バーを上下することにより車両の通行を制御する(通行許可、及び通行阻止)。つまり、車両の通行を許可する場合には、バーを開放制御し、車両の通行を阻止する場合には、バーを閉鎖制御する。
【0041】
図4に示すように車線制御装置20は、車両検知手段20a(第1の車両検知手段、第2の車両検知手段)、無線通信手段20b(第1の無線通信手段、第2の無線通信手段)、車両情報取得手段20c(第1の情報取得手段、第3の情報取得手段)、個人情報取得手段20d(第2の情報取得手段)、車両判定手段20e、料金収受手段20f、通信制御手段20g、利用料金算出手段20h、及びETC割引適用手段20iを有しており、通信回線を介して接続された各種機器を制御する。
【0042】
車両検知手段20aは、車両検知及び車種判別装置S1、及び車両検知装置S3からの車両の検知情報に基づいて、車線L上を通行する車両を検知する。
【0043】
無線通信手段20bは、車両検知手段20aによって車線L上の車両を検知したことに基づいて、路側無線装置15により車載器Zに向けて無線通信を開始する。
【0044】
車両情報取得手段20cは、無線通信手段20bによる車載器Zへの無線通信に対する応答により車載器Zに登録された車両情報を取得する。
【0045】
個人情報取得手段20dは、無線通信手段20bによる車載器Zへの無線通信に対する応答により車載器Zに装着されたETCカードに記録された個人情報を取得する。
【0046】
車両判定手段20eは、車両検知手段20aによって検知された車両が「ETC未挿入車両」であるか否かを判定する。車両判定手段20eは、車両情報取得手段20cによって車載器Zに登録された車両情報を取得することができ、かつ、個人情報取得手段20dによってETCカードに記録された個人情報を取得することが出来なかったとき、当該車両を「ETC未挿入車両」であると判定する。
【0047】
料金収受手段20fは、路側無線装置15を制御し、車両に搭載されている車載器Zと無線通信を行うことによってETC処理を行う。
【0048】
通信制御手段20gは、通信回線を介して中央処理装置100との各種情報の通信を制御する。
【0049】
利用料金算出手段20hは、入口情報に基づいて有料道路の利用料金を算出する。
【0050】
ETC割引適用手段20iは、ブース処理機11によって利用者から提示されたETCカードを読み取り、利用料金算出手段20hにおって算出された利用料金にETC割引を適用する。
【0051】
図5は、本発明の実施の形態1に係る入口車線における有料道路の料金収受システム1の処理のフローチャート。以下、図5を用いて本発明の実施の形態1に係る入口車線における有料道路の料金収受システム1の処理を説明する。
【0052】
車両検知手段aによって入口料金所の入口車線に進入する車両を検知すると(St11のYes)、無線通信手段20bによってSt11において検知した車両に搭載された車載器Zと無線通信を行う(St12)。
【0053】
車両情報取得手段20cは、St12における無線通信による車載器Zからの応答によって車載器Zに登録された車両情報を取得する(St13)。
【0054】
ここで車載器Zに登録された車両情報は、「車載器ID:1098765」「車種:大型」、車両番号:「12−56」とする。
【0055】
個人情報取得手段20dは、St12における無線通信による車載器Zからの応答によって車載器Zに装着されたETCカードに記録された個人情報を取得する(St14)。
【0056】
ここで、個人情報とは、ETCカード固有のID(以下、カードID)、金融機関情報などの決済情報や、氏名などである。
【0057】
St14の後、車両判定手段20eは、St13、及びSt14の取得結果に基づいて、当該車両がETCカード未挿入車両であるか否かを判定する(St15)。
【0058】
St15においてETCカード未挿入車両であると判定されたとき(St15のYes)、通信制御手段20fによってSt13において取得した車両情報を当該入口料金所の入口情報と関連付けて中央処理装置100の管理テーブルに登録する(登録手段)(St16)。
【0059】
図6は、本発明の実施の形態1に係る管理テーブルの一例を示す。
【0060】
一方、St15においてETCカード挿入車両であると判定されたとき(St15のNo)、料金収受手段20fによってETC処理を行う(St17)。
【0061】
図7は、本発明の実施の形態1に係る料金収受システム1の出口車線における処理のフローチャートである。以下、図7を用いて本発明の実施の形態1に係る出口車線における有料道路の料金収受システム1の処理を説明する。
【0062】
車両検知手段20aによって出口料金所の出口車線に進入する車両を検知すると(St101のYes)、無線通信手段20bによってSt101において検知した車両に搭載された車載器Zと無線通信を行う(St102)。
【0063】
車両情報取得手段20cは、St102における無線通信による車載器Zからの応答によって車載器Zに登録された車両情報を取得する(St103)。
【0064】
ここで取得された車両情報は、「車載器ID:1098765」「車種:大型」、車両番号:「12−56」とする。
【0065】
個人情報取得手段20dは、St102における無線通信による車載器Zからの応答によって車載器Zに装着されたETCカードに記録された個人情報を取得する(St104)。
【0066】
St104の後、通信制御手段gによってSt103において取得した車両情報を基に、St101において検知された車両が管理テーブルに記憶されている車両であるか否かを照合する(St105)(照合手段)。
【0067】
本実施の形態では、管理テーブルに記憶されている車種:大型、入口料金所名:料金所αに基づいて利用料金を算出する。
【0068】
St105における照合の結果、管理テーブルに記憶されている車両であったとき(St105のYes)、利用料金算出手段hによって、管理テーブルに記憶された入口情報に基づいて利用料金を算出する(St106)(利用料金算出手段)。
【0069】
運転手からETCカードが提示されたとき、ETC割引適用手段20iはブース処理機11によって当該ETCカードを読み取り、ETC割引を適用する。
【0070】
一方、St105における照合の結果、管理テーブルに記憶されていていない車両であったとき(St105のNo)、料金収受手段20fによってETC処理がなされる。
【0071】
以上のように、入口料金所の入口車線への進入が検知された車両がETCカード未挿入車両であると判定されたとき、当該車両の車両情報を入口情報と関連付けて中央処理装置100の管理テーブルに記憶する。
【0072】
また、出口料金所の入口車線への進入が検知された車両が中央処理装置当100の管理テーブルに記憶された車両であるとき、管理テーブルに記憶された入口情報に基づいて利用料金を算出する。この算出結果に基づいて、運転手からETCカードの提示があった場合にはETC割引を適用するため、ETCシステムを利用することによる利用料金の割引の適用に通行券の受け取りを必要としない利便性の良い有料道路の料金収受システムを提供することができる。
【0073】
なお、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。さらに異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0074】
L 車線
S1 車両検知及び車種判別装置
S2、S4 車両検知装置
1 料金収受システム
11 ブース処理機
12 路側表示器
13 発信制御装置
14 警告ANT装置
15 路側無線装置
20 車線制御装置
100 中央処理装置
20a 車両検知手段
20b 無線通信手段
20c 車両情報取得手段
20d 個人情報取得手段
20e 車両判定手段
20f 料金収受手段
20g 通信制御手段
20h 利用料金算出手段
20i ETC割引適用手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有料道路の入口料金所を通行する車両を検知する第1の車両検知手段と、
前記第1の車両検知手段によって検知された車両に搭載され、車両情報が登録された車載器と無線通信を行う第1の無線通信手段と、
前記第1の無線通信手段による無線通信により、前記車両情報を取得する第1の情報取得手段と、
前記第1の無線通信手段による無線通信により、前記車載器に挿入されたETCカードから前記個人情報を取得する第2の情報取得手段と、
前記第1の情報取得手段によって車両情報が取得され、かつ、前記第2の情報取得手段によって個人情報が取得されなかったとき、車両をETCカード未挿入車両と判定する車両判定手段と、
前記車両判定手段によってETCカード未挿入車両と判定されたとき、前記車両情報を入口情報と関連付けて管理テーブルに登録する登録手段と、
有料道路の出口料金所を通行する車両を検知する第2の車両検知手段と、
前記第2の車両検知手段によって検知された車両に搭載され、車両情報が登録された車載器と無線通信を行う第2の無線通信手段と、
前記第2の無線通信手段によって前記車両情報を取得する第3の情報取得手段と、
前記第3の情報取得手段によって取得された車両情報が前記管理テーブルに登録されているか否かを照合する照合手段と、
前記車両情報が管理テーブルに登録されているとき、前記入口情報に基づいて有料道路の利用料金を算出する利用料金算出手段と、
を有することを特徴とする有料道路の料金収受システム。
【請求項2】
有料道路の入口料金所を通行する車両を検知する第1の車両検知手段と、
前記第1の車両検知手段によって検知された車両に搭載され、車両情報が登録された車載器と無線通信を行う第1の無線通信手段と、
前記第1の無線通信手段による無線通信により、前記車両情報を取得する第1の情報取得手段と、
前記第1の無線通信手段による無線通信により、前記車載器に挿入されたETCカードから前記個人情報を取得する第2の情報取得手段と、
前記第1の情報取得手段によって車両情報が取得され、かつ、前記第2の情報取得手段によって個人情報が取得されなかったとき、車両をETCカード未挿入車両と判定する車両判定手段と、
前記車両判定手段によってETCカード未挿入車両と判定されたとき、前記車両情報を入口情報と関連付けて管理テーブルに登録する登録手段と、
を有することを特徴とする有料道路の料金収受システム。
【請求項3】
有料道路の出口料金所を通行する車両を検知する第2の車両検知手段と、
前記第2の車両検知手段によって検知された車両に搭載され、車両情報が登録された車載器と無線通信を行う第2の無線通信手段と、
前記第2の無線通信手段によって前記車両情報を取得する第3の情報取得手段と、
前記第3の情報取得手段によって取得された車両情報が前記管理テーブルに登録されているか否かを照合する照合手段と、
前記車両情報が管理テーブルに登録されているとき、前記入口情報に基づいて有料道路の利用料金を算出する利用料金算出手段と、
を有することを特徴とする有料道路の料金収受システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−123674(P2011−123674A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−280931(P2009−280931)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】