説明

有機エレクトロルミネセンス素子

本発明は、電極と対向電極との間に形成された有機層の配列を有する有機エレクトロルミネセンス素子に関する。上記有機層の配列は、上記電極および上記対向電極から電気的に絶縁されていると共に、発光層と該発光層に割当てられた電荷キャリア発生領域とを備えている。上記電荷キャリア発生領域は、上記電極および上記対向電極にAC電圧が印加されると、正の電荷キャリアおよび負の電荷キャリアを供給するように構成されており、上記電荷キャリア発生領域では、p型ドープされた有機層と、上記p型ドープされた有機層に隣接して配置されたn型ドープされた有機層とによって、pn層接合が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネセンス素子、特に有機発光ダイオードに関する。
【0002】
〔発明の背景〕
有機発光ダイオード(OLED)の基本的な構造は、Tang et al. (Appl. Phys. Lett. 51, pages 913 ff., 1987)によって開示された。現在の有機発光ダイオードの構造もまだ、主に、この同じ原理に基づいている。基板上に積層が形成される。この場合、電極と対向電極との間に、通常全体の厚みが約100nmである層の配列が、有機層によって形成される。電極と対向電極とによって、アノードおよびカソードが形成される。有機発光ダイオードを動作させるために、これらのアノードおよびカソードには電圧が印加され、これによって、有機発光ダイオードは発光する。この層の配列において、通常、アノードの近傍には、有機材料から成るいわゆる正孔輸送層が配置される。カソードの近傍には、有機材料から成るいわゆる電子輸送層が配置される。電圧を印加する際にこの層の配列の中に注入される電荷キャリア、すなわち電子および正孔は、同じく層として形成された発光領域まで輸送され、該発光領域において再結合し、発光する。
【0003】
有機発光素子に光を生成させるために、通常、動作時にはDC電圧が印加される。DC電圧によって動作されるこの種の有機発光素子は、一定の制限を有している。このような有機発光ダイオードでは、電極に電圧を印加すると、電荷キャリアが、例えば有機膜として形成された有機層の配列に注入される。電極から電子および正孔を良好に注入することを保証するには、特別な電極材料が必要になる。良好な注入とは、電極と有機層の配列との間の遷移領域において、わずかな電圧降下しか生じないということを意味している。電極を酸素プラズマによって処理してもよいし、UVオゾン処理を施してもよい。ベース電極がITO(インジウムスズ酸化物)から構成される場合は、通常、こういった処理が有効である。
【0004】
DC電圧によって動作される有機発光ダイオードでは、電界が、常に同一の方向に形成され、エレクトロルミネセンスを生成している。そのため、電界内の全ての電荷キャリアには、静止力がかかる。この一定に復調された力は、場合によっては、有機材料から成る層の配列内の粒子または小片を移動させる(特にこれらの粒子または小片が帯電されている場合)。このため、有機発光素子の寿命は制限される。
【0005】
有機発光ダイオードは、いわゆる面発光体であり、少なくとも1つの電極は、有機材料から生成された光を層の配列において分離させるために、(半)透明になっている。このため、少なくともこの(半)透明である電極は、通常、極めて薄い層として形成されている。有機発光素子が動作している間、これらの電極では、電流の流れの断面が小さく、このため、損失が生じる。ディスプレイのスクリーンまたは平面状の照明ユニットといった、大きな表面を有する有機発光素子の場合、電極におけるこれらの抵抗損失は、極めて大きい。
【0006】
さらに、DC電圧によって動作する有機発光素子の構成の1つの種類として、複数の有機発光ダイオードが重なり合って積層され、電気的に接続されている積層型のアーキテクチャが知られている(EP第1 804 308号、EP第1 804 309号)。この積層型のアーキテクチャは、単独の有機発光ダイオードと比べて、少なくとも2つの利点を有している。まず、複数の有機発光ダイオードを積層することは、光量を倍増させることを意味している。この利点に加えて、動作の安定性を増大させることが可能である。この動作の安定性が増大することは、積層型の有機発光ダイオードを、単独のダイオードの光量が実現され得る程度のより低い動作電圧によって動作させる場合にも当てはまる。
【0007】
DC電圧によって動作される有機発光ダイオードの積層型アーキテクチャでは、個々のユニットは、通常、異なる無機材料によって接続されており、該無機材料は、電荷キャリア発生層として機能する(参照:Canzler et al., Proc. of SPIE, Vol. 6333, pages 11 ff., 2006; Gu et al., J. Appl. Phys. 86, pp. 4076 ff., 1999; Matsumoto et al., SID 03 Digest, pp. 979 ff, 2003; Kanno et al., Adv. Mat. 18, pp. 339 ff., 2006; Sun et al., Appl. Phys. Lett. 87, pp. 093504 ff., 2005)。これに加えて、互いに重なり合って積層された2つの有機発光ダイオードの間にpn接合(またはpn層接合)が配置された積層型アーキテクチャが提案されており、ここでは、n型ドープされた層はアルカリ金属を用いて形成され、p型ドープされた層はFeClを用いて形成されている(Liao et al., Appl. Phys. Lett. 84, pages 167 ff., 2004)。さらに、DC電圧によって動作させる積層型素子のために、分子ドーピングが提案されている(Canzler et al., Proc. of SPIE Vol. 6333, pp. 11 ff., 2006)。マトリクス材と割当てられたドーピング材料とを組み合わせて堆積させて、ドープされた層を形成する。この堆積では、マトリクス材とドーピング材料との間の層の形成時に電荷移動が生じる。この電荷移動によって、電荷キャリアに対する導電率が向上した、ドープされた層が生じる。この堆積は、分子ドーピングによってp型ドープまたはn型ドープされた有機層の生成に特有である。
【0008】
さらに、電極にAC電圧が印加されることによって動作される有機発光素子、特に有機発光ダイオードが知られている。この、AC電圧による動作のための素子は、基本的に、異なる構造に基づいている。このため、この構成には、異なる要求および要件が生じる。AC電圧によって動作される有機発光素子の場合、DC電流によって動作される有機発光素子と異なり、層の配列は、2つの電極間に配置されると共にこれら2つの電極から絶縁された有機材料から構成される。電荷キャリアを電極から層の配列に注入する必要はないし、注入することは不可能である。逆に、AC電圧が電極に印加されるならば、層の配列自体の中に、電荷キャリアが生成される。
【0009】
文献US第2004/0027059 A1号からは、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子が知られている。この公知の有機エレクトロルミネセンス素子では、層の配列内の電極間に形成された隣接し合う各発光層の間に、バイポーラ電荷キャリア発生層が配置されている。バイポーラ電荷キャリア発生層では、AC電圧を印加すると、電荷キャリア、すなわち電子および正孔が生成される。その後、生成された電荷キャリアは、バイポーラ電荷キャリア発生層から隣接し合う発光層の中に入り、再結合して、光を出力する。類似の構成が、Tsutsui et al. (Appl. Phys. Lett. 85, Nr. 12, pp. 2382 ff., 2004)において知られている。このバイポーラ電荷キャリア発生層は、1つまたは複数の層として構成されていてよい。
【0010】
文献US第2005/0156197 A1号からは、DC電圧による動作のための有機半導体素子が知られている。この有機半導体素子は、有機アクセプタ材料から成る層と有機ドナー材料から成る層との間にpn層接合が形成された、電荷キャリア発生層を有している。
【0011】
さらに、Terai et al. (「Electric-field-assisted bipolar charge generation from internal charge separation zone composed of doped organic bilayer」, Appl. Phys. Lett., Vol. 90, No. 8, 2007年2月21日, pp. 83502-83502)からは、バイポーラ電荷キャリア発生層が公知である。
【0012】
〔発明の概要〕
本発明の目的は、層の構造的設計に関して、自由度を拡張することが可能な有機エレクトロルミネセンス素子を提供することにある。
【0013】
上記目的を、本発明に従って、独立請求項1に係る有機エレクトロルミネセンス素子によって達成する。従属請求項の対象は、本発明の有効な発展形態である。
【0014】
本発明は、電極と対向電極との間に有機層の配列が設けられた、有機エレクトロルミネセンス素子の原理を含む。上記有機層の配列は、上記電極および上記対向電極から電気的に絶縁されていると共に、発光層と、上記発光層に割当てられた電荷キャリア発生領域とを有している。上記電荷キャリア発生領域は、上記電極および上記対向電極にAC電圧が印加されると、正の電荷キャリアおよび負の電荷キャリアを供給するように構成されており、上記電荷キャリア発生領域では、p型ドープされた有機層と、上記p型ドープされた有機層に隣接して配置されたn型ドープされた有機層とによって、pn層接合が形成されている。電荷キャリア発生層においてpn層接合を設けることによって、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子において、電荷キャリア発生層を、有機層の配列内の異なる箇所に提供することが柔軟かつ有効に実現可能である。これによって、AC電流が印加されると、層の配列内の任意の箇所に、電荷キャリア、すなわち電子および正孔が提供されることが可能であり、その後これらの電荷キャリアは、1つまたは複数の発光層において、再結合して、光を生成する。
【0015】
提案するエレクトロルミネセンス素子では、電極と対向電極との間に形成される光キャビティを、電気的ドーピングを行うことによって調節して、光の出力カップリングを最適化することが可能である。これは、n型ドープされた有機層の層厚とp型ドープされた有機層の層厚とを可変に設定可能であり、この際に、エレクトロルミネセンス素子の動作電圧および動作周波数は大きく増大しないということに基づいている。これは、従来技術において形成されるような電気的にドープされていない層では、全く不可能であるか、または制限された範囲においてのみ可能であった。なぜなら、層の厚みが増大すると、素子の電気抵抗が増大し、必要とされる動作電圧が増大するからである。
【0016】
本発明の好ましいさらなる発展形態は、層の配列が、電極および対向電極から、それぞれ1つの絶縁層によって電気的に絶縁されていることを提供する。ここで、一形態では、これらの各絶縁層は、割当てられた電極の上に、すなわち、電極の、層の配列側の各領域に直接形成されていてよい。
【0017】
本発明の有効な形態では、電荷キャリア発生層は、これらの絶縁層のいずれか一方に接触して形成されることが提供され得る。
【0018】
本発明の有効な一実施形態では、発光層は、これらの絶縁層のいずれか一方に接触して形成されることが提供される。
【0019】
本発明の好ましいさらなる一形態は、電荷キャリア発生層において、
上記電荷キャリア発生層を、p型ドープされた有機層の隣にさらなるn型ドープされた有機層が配置されたnpn型有機層構造として形成することによって、または、
上記電荷キャリア発生層を、n型ドープされた有機層の隣にさらなるp型ドープされた有機層が配置されたpnp型有機層構造として形成することによって、さらなるpn層接合が形成されることを提供する。
【0020】
本発明の有効な一態様では、発光層と電荷キャリア発生領域との間に、バイポーラ電荷キャリア輸送特性を有する中間層が、配置されることを提供可能である。ここで、バイポーラ電荷キャリア輸送層が形成されるということは、正の電荷キャリア(正孔)および負の電荷キャリア(電子)が、中間層の内部において、かつ、中間層を貫通して輸送され、電荷キャリア発生領域から発光層まで導かれ得ることを意味している。
【0021】
本発明のさらなる発展形態では、発光層は、電荷キャリア発生領域に接触して形成されることを提供可能である。
【0022】
本発明の好ましいさらなる一発展形態は、発光層と電荷キャリア発生領域との間に、正の電荷キャリアおよび負の電荷キャリア用のバイポーラ輸送特性を有する中間層が配置されていることを提供する。正の電荷キャリアおよび負の電荷キャリアの発光層への輸送は、バイポーラ輸送特性によって可能となるが、電荷キャリアの発光層からの輸送は阻止される。電荷キャリアの輸送に関連する、中間層の電子および正孔のエネルギー準位は、電荷キャリアの輸送に関連する、有効な発光層のエネルギー準位に調整される。そのため、正孔および電子には、エレクトロルミネセンス素子の通常の動作において、電荷キャリアが発光層から中間層まで逆に移動することを妨げるエネルギー準位が存在する。このエネルギー準位は、機能的には、少なくとも、動作温度における電荷キャリアの熱エネルギーと同じくらい高い。例えば、kTは、常温(23°C)において、約25meVである。
【0023】
本発明の有効な一形態では、発光層は、複数の発光部分層によって形成されることが提供され得る。
【0024】
本発明の有効な変形形態は、少なくとも1つのさらなる発光層を提供する。この、少なくとも1つのさらなる発光層は、元の発光層と同じ形態で形成されていてもよいし、または異なる形態で形成されていてもよい。このことは、この少なくとも1つのさらなる発光層の構成の組み立て方にも当てはまるし、層の配列においてこの少なくとも1つのさらなる発光層に隣接する領域の設計にも当てはまる。この少なくとも1つのさらなる発光層は、この少なくとも1つのさらなる発光層において再結合する電荷キャリアを受け取って光を生成する。この電荷キャリアは、電荷キャリアを上記元の発光層に到達させる送り元である同じ電荷キャリア発生領域から受け取るか、あるいは、別の電荷キャリア発生領域から受け取る。
【0025】
本発明の好ましいさらなる一形態では、発光層および少なくとも1つのさらなる発光層は、隣り合って形成されていると共に、バイポーラ分離層によって分離されていることが提供される。バイポーラ分離層は、正の電荷キャリアおよび負の電荷キャリアがバイポーラ分離層を通って輸送されることを阻止するように構成されている。このようにして、電荷キャリアが発光層と少なくとも1つのさらなる発光層との間に侵入することが阻止される。あるいは、発光層および少なくとも1つのさらなる発光層は、互いに接触して形成されていてもよい。
【0026】
本発明の有効な一態様では、電荷キャリア発生領域は、発光層と少なくとも1つのさらなる発光層との間に配置されることが提供され得る。
【0027】
本発明の他の一態様は、発光層は発光体システムを含み、少なくとも1つのさらなる発光層はさらなる発光体システムを含むことを提供可能である。ここで、一方の発光体システムおよび他方の発光体システムは、異なる色を発光するように構成されている。
【0028】
本発明の好ましい他の一態様は、少なくとも1つのさらなる電荷キャリア発生領域を提供する。この少なくとも1つのさらなる電荷キャリア発生領域は、元の電荷キャリア発生領域と同じ形態で形成されていてもよいし、異なる形態で形成されていてもよい。このことは、構造上または材料上の形態にも当てはまるし、層の配列において少なくとも1つのさらなる電荷キャリア発生領域に隣接する領域の設計にも当てはまる。一態様において、電極から対向電極を見た場合、電荷キャリア発生領域および少なくとも1つのさらなる電荷キャリア発生領域は、逆の層構造を有しており、視線上に、pn層接合とnp層接合とが形成される。
【0029】
本発明の有効な態様では、発光層は、電荷キャリア発生領域と少なくとも1つのさらなる電荷キャリア発生領域との間に配置されることが提供され得る。
【0030】
本発明の有効な一実施形態は、層の配列において、複数の発光層および複数の電荷キャリア発生領域が、交互に配置されていることを提供する。
【0031】
本発明の好ましい他の発展形態は、層の配列が、少なくとも1つの電荷キャリア遮断層を有していることを提供する。この少なくとも1つの電荷キャリア遮断層は、少なくとも正の電荷キャリアの輸送を遮断するか、または少なくとも負の電荷キャリアの輸送を遮断するように構成されている。
【0032】
本発明の有効な一態様は、電極と対向電極との間において、層の配列が、非対称の層の配列を有することを提供する。有機層の配列を逆にした場合に、例えば、同じ側から見て、つまり電極から対向電極を見て、別の層の順番が生じると、電極と対向電極との間には、非対称の層の配列が形成される。非対称の場合、非対称のAC電圧を印加することによって、正の電荷キャリアと負の電荷キャリアとのバランスを変化させることが可能である。非対称のAC電圧は、正の信号区域と負の信号区域との時間の長さが異なること、および/または、正の信号区域にも負の信号区域にも、非対称の振幅が存在していること、すなわちAC電圧はDC電圧と重なっていることによって特徴付けられる。結果として、エレクトロルミネセンス素子の電力効率は、外部から制御可能なパラメータによって最適化することが可能である。
【0033】
そのうえさらに可能なこととして、複数の発光層を備える非対称の形態では、発光部のバランス、すなわち、測定すなわち波長等に依ってトリガされる強度測定を用いたスペクトル区域決定を、様々の発光層に対して設定することができる。発光区域のバランスを様々な発光層に調節可能であることは、例えば、青色発光層と黄色発光層とによって白色光を生成するために有効である。なぜなら、この場合、白色光の点が、外部のパラメータ、すなわち重複したDC電流によって、制御され得るからである。
【0034】
〔発明の好ましい実施形態の説明〕
以下に、本発明を、典型的な実施形態を用いて、図面を参照しながらより詳細に説明する。
【0035】
図1は、対称の形態の、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【0036】
図2は、図1に係る有機エレクトロルミネセンス素子の、印加されたAC電圧の周波数に応じた輝度を示すグラフである。
【0037】
図3A〜図3Dは、1つの発光層が2つの電荷キャリア発生領域の間に形成された、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【0038】
図4A〜図4Dは、図3A〜図3Dに係る有機エレクトロルミネセンス素子とは異なり、発光層が2つの層から構成された、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【0039】
図5A〜図5Dは、複数の発光層と複数の電荷キャリア発生領域とを有する、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【0040】
図6A〜図6Dは、発光層が中間層に包囲されている、対称の形態の、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【0041】
図7A〜図7Dは、2つの発光層が、バイポーラ分離層によって分離されている、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【0042】
図8A〜図8Dは、1つの電荷キャリア発生領域が2つの発光層の間に配置されている、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【0043】
図9A〜図9Dは、一方の電荷キャリア発生領域にnpn層構造が設けられ、他方の電荷キャリア発生領域にpnp層構造が設けられた、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【0044】
図10は、非対称の形態の、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を一般化して示す概略的な図である。
【0045】
図11は、青色および黄色の発光体システムの発光スペクトルを示すグラフである。
【0046】
図12は、図10に係る有機エレクトロルミネセンス素子の、対称のAC電圧およびエレクトロルミネセンススペクトルを示すグラフである。
【0047】
図13は、図10に係る有機エレクトロルミネセンス素子の、非対称のAC電圧と、該非対称のAC電圧から生じるエレクトロルミネセンススペクトルとを示すグラフである。
【0048】
図14は、図10に係る有機エレクトロルミネセンス素子の、非対称のAC電圧と、該非対称のAC電圧から生じるエレクトロルミネセンススペクトルとを示すグラフである。
【0049】
図1は、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。この有機エレクトロルミネセンス素子は、基板10の上に複数の層、すなわち、ベース電極として実施される電極11、カバー電極として実施される対向電極12、および1つまたは複数の有機材料から構成される層の配列13を備えている。層の配列13は、絶縁層14およびさらなる絶縁層15によって、電極11および対向電極12から電気的に絶縁されている。層の配列13は、有機層の配列であり、発光層(EML2)16およびさらなる発光層(EML1)17を含んでいる。有機エレクトロルミネセンス素子が動作している時には、発光層16,17の内部において、正の電荷キャリア(正孔)と負の電荷キャリア(電子)とが再結合し、光を出力する。
【0050】
発光層16,17に隣接して、中間層18およびさらなる中間層19が形成されている。中間層18,19は、電荷キャリアが発光層16,17に輸送されることを可能にすると共に、電荷キャリアが発光層16,17から逆方向に輸送されることを阻止している。中間層18,19の中には、n型ドープされた有機層(n層)21と、p型ドープされた有機層(p層)22と、さらなるn型ドープされた有機層(n層)23とを備える電荷キャリア発生領域20が埋め込まれている。ドープされたこれらの層21,22,23は、それぞれ、マトリクス材と蓄積されたドーピング材料とを有するシステムから構成されている。このため、電気的分子ドーピングが形成される。これらの材料は、共に蒸着されることによって堆積するので、ドーピング材料の分子は、マトリクス材の中に空間的に分布されるか、またはマトリクス材の中に埋め込まれる。ドープされた層21,22,23の製造中に、各マトリクス材と関連するドーピング材料との間において、電荷移動が行われるため、それぞれ所望の分子ドーピングが生じる。これによって、所望の電荷キャリアの導電率が向上する。この電荷移動は、マトリクス材とドーピング材料との間の酸化反応に基づいている。結果として、ドープされた層の自由電荷キャリアの数は、マトリクス材のみから成る層よりも多くなる。このような、ドープされた層の種類および製造方法は、そのようなものとして様々な形態において公知であるため、これ以上は説明しない。ドーピングについて説明したことは、図3から図9の実施形態にも当てはまる。
【0051】
以下の説明では、次のような略語を用いている。ITO=インジウムスズ酸化物、Al=アルミニウム、CBP=4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル、BAlq=to(2−メチル−8−キノリナト)−4−(フェニルフェノラート)アルミニウム−(III)、MeOTPD=N,N,N’,N’−テトラキス(4−メトキシフェニル)ベンジジン、F4−TCNQ=7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン、Cs=セシウム、BPhen=4,7−ジフェニルl−1,10−フェナントロリン、rubren=5,6,11,12−テトラフェニルナフタセン、Alq=トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム、および、DCJTB=4−(ジシアノメチレン)−2−第3−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−4−イル−ビニル)−4H−ピラン。
【0052】
一実施例において、図1の有機エレクトロルミネセンス素子を、次の層構造によって製造した。ベース電極(ITO,層厚=90nm)、絶縁層(CBP,40nm)、発光層(Alqを有するrubren(38w%)およびDCJTB(2w%:20nm)、中間層(BAlq,10nm)、さらなるn型ドープされた有機層(Csを有するBphen:10nm)、p型ドープされた有機層(F4−TCNQを有するMeOTPD:20nm)、さらなるn型ドープされた有機層(Csを有するBphen:10nm)、さらなる中間層(BAlq,10nm)、さらなる発光層(Alqを有するrubren(38w%)およびDCJTB(2w%:20nm)、さらなる絶縁層(CBP,40nm)、および、カバー電極(Al,100nm)。
【0053】
図2は、上述の有機エレクトロルミネセンス素子の輝度の測定値を、印加されたAC電圧の周波数に応じて示すグラフである。AC電圧は±20Vの振幅を有している。これとは異なり、+20Vからまたは−20VからのAC電圧が印加された場合、AC電圧が、例えば0と+20Vとの間の正の電圧値のみを有している場合、または、AC電圧が、例えば0と+20Vとの間の負の電圧値のみを有している場合には、有機エレクトロルミネセンス素子は、エレクトロルミネセンスを示さない。
【0054】
図3A〜図3Dは、1つの発光層が2つの電荷キャリア発生領域の間に形成された、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【0055】
図3Aによれば、基板30の上には、ベース電極として実施される電極31と、カバー電極として実施される電極32とが形成されている。電極31と電極32との間には、絶縁層34,35によって電極31,32から電気的に絶縁された有機層の配列33が形成されている。有機層の配列33は、2つの電荷キャリア発生領域36,37を含む。各電荷キャリア発生領域36,37は、pn層接合を形成するために、p型ドープされた有機層(p層)とn型ドープされた有機層(n層)とを有しており、これらのp型ドープされた有機層とn型ドープされた有機層との間には、発光層(EML)38が配置されている。
【0056】
図3B〜図3Dは、図3Aの有機エレクトロルミネセンス素子の動作を概略的に説明するためのものである。AC電圧を印加すると、2つの電極31,32によって、アノードとカソードとが交互に形成される(図3Bおよび図3Cを参照)。電荷キャリア発生領域34,35には、カソードの形成、またはアノードの形成に応じて、正孔の形の電荷キャリア、および電子の形の電荷キャリアが生成される。これらの電荷キャリアは、その後、発光層38の中に入り込み、そこで再結合して光を出力する。
【0057】
図4A〜図4Dは、図3A〜図3Dに係る有機エレクトロルミネセンス素子とは異なり、発光層が2つの層から構成された、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。ここでもまた、図4B〜図4Dは、AC電圧を印加した際の、図4Aの有機エレクトロルミネセンス素子の動作を概略的に示す図である。本形態では、例えば所定の光の強度によって測定可能な、これら2つの発光層の各発光区域の割合を、非対称のAC電圧によって設定することが可能である。発光層が、異なる発光スペクトルを導き得る、異なる材料から形成された形態では、この方法によって、エレクトロルミネセンス素子の全体的な発光スペクトルを、可変に設定することが可能である。特に、場合によっては、異なる発光体材料が同一のマトリクス材に重ねられていることによって、異なる態様が実現される。このような態様(これに関連する動作の可能性を含む)を、上述の他の形態と組み合わせて用いて、特に、可変的に白色光を生成してもよい。
【0058】
図5A〜図5Dは、複数の発光層と複数の電荷キャリア発生領域とを有する、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。図5B〜図5Dは、AC電圧を印加した時の、図5Aの有機エレクトロルミネセンス素子の動作を概略的に示すものである。
【0059】
図6A〜図6Dは、発光層が中間層60,61に包囲されている、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。図6B〜図6Dは、AC電圧を印加した時の、図6Aの有機エレクトロルミネセンス素子の動作を概略的に示すものである。
【0060】
図7A〜図7Dは、2つの発光層が、バイポーラ分離層によって分離されている、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。このバイポーラ分離層は、2つの発光層の間における電荷キャリアの交換を阻止している。このバイポーラ分離層は任意である。分離層(図示されていない)が設けられていない他の一形態では、2つの発光層の発光区域の割合は、非対称のAC電圧によって設定される。2つの発光層が異なる発光スペクトルを有する形態の場合、この方法によって、有機エレクトロルミネセンス素子の全体的な発光スペクトルを、可変に設定することが可能である。図7B〜図7Dは、AC電圧を印加した時の、図7Aの有機エレクトロルミネセンス素子の動作を概略的に示す図である。
【0061】
図8A〜図8Dは、1つの電荷キャリア発生領域が2つの発光層の間に配置されている、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。図8B〜図8Dは、AC電圧を印加した時の、図8Aの有機エレクトロルミネセンス素子の動作を概略的に示す図である。
【0062】
図9A〜図9Dは、一方の電荷キャリア発生領域にnpn層構造が設けられ、他方の電荷キャリア発生領域にpnp層構造が設けられた、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。図9B〜図9Dは、AC電圧を印加した時の、図9Aの有機エレクトロルミネセンス素子の動作を概略的に示す図である。
【0063】
以下に、図10〜図14を参照して、非対称の構造の、有機エレクトロルミネセンス素子の一実施形態をより詳細に説明する。
【0064】
図10は、非対称の構造の、有機エレクトロルミネセンス素子の層構造を概略的に示す図である。電極100と電極101との間には、有機層の積層102が配置されている。有機層の積層102は、光スペクトルの青色領域において発光する発光体材料を有する第1の発光層103を含む。光スペクトルの黄色領域において発光する発光体材料を有するさらなる発光層104が設けられている。これら両方の発光体材料のスペクトルは、図11に示されている。
【0065】
さらに、有機層の積層102は、複数の有機層105,106,107を含む。有機層105,106,107は、上述の同じ種類の層の形態に基づいて、形成されていてよい。
【0066】
図12は、図10に係る有機エレクトロルミネセンス素子の、対称のAC電圧およびエレクトロルミネセンススペクトルを示すグラフである。対称の電圧パルスが、出力される。
【0067】
図13は、図10に係る有機エレクトロルミネセンス素子の、非対称のAC電圧と、該非対称のAC電圧から生じるエレクトロルミネセンススペクトルとを示すグラフである。
【0068】
図14は、図10に係る有機エレクトロルミネセンス素子の、非対称のAC電圧と、該非対称のAC電圧から生じるエレクトロルミネセンススペクトルとを示すグラフである。図示したエレクトロルミネセンススペクトルを導く非対称のAC電圧パルスは、図12および図13の動作AC電圧の場合の構成に存在している。
【0069】
上述の実施形態において説明した層の配列の形態を、特に電荷キャリア発生領域および発光層に関して、任意の方法で互いに組み合わせてもよい。これは、個々の組み合わせの可能性が図面に示されていなくても、有効である。
【0070】
上述の明細書、特許請求の範囲、および図面に開示した本発明の特徴は、異なる実施形態、つまり個々の実施形態において、および、これらの任意で組み合わせた形態において、本発明を実現するために重要なものである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】対称の形態の、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図2】図1に係る有機エレクトロルミネセンス素子の場合に、印加されたAC電圧の周波数に応じた輝度を示すグラフである。
【図3A】1つの発光層が2つの電荷キャリア発生領域の間に形成された、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図3B】1つの発光層が2つの電荷キャリア発生領域の間に形成された、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図3C】1つの発光層が2つの電荷キャリア発生領域の間に形成された、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図3D】1つの発光層が2つの電荷キャリア発生領域の間に形成された、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図4A】図3A〜図3Dに係る有機エレクトロルミネセンス素子とは異なり、発光層が2つの層から構成された、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図4B】図3A〜図3Dに係る有機エレクトロルミネセンス素子とは異なり、発光層が2つの層から構成された、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図4C】図3A〜図3Dに係る有機エレクトロルミネセンス素子とは異なり、発光層が2つの層から構成された、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図4D】図3A〜図3Dに係る有機エレクトロルミネセンス素子とは異なり、発光層が2つの層から構成された、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図5A】複数の発光層と複数の電荷キャリア発生領域とを有する、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図5B】複数の発光層と複数の電荷キャリア発生領域とを有する、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図5C】複数の発光層と複数の電荷キャリア発生領域とを有する、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図5D】複数の発光層と複数の電荷キャリア発生領域とを有する、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図6A】発光層が中間層に包囲されている、対称の形態の、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図6B】発光層が中間層に包囲されている、対称の形態の、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図6C】発光層が中間層に包囲されている、対称の形態の、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図6D】発光層が中間層に包囲されている、対称の形態の、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図7A】2つの発光層が、バイポーラ分離層によって分離されている、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図7B】2つの発光層が、バイポーラ分離層によって分離されている、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図7C】2つの発光層が、バイポーラ分離層によって分離されている、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図7D】2つの発光層が、バイポーラ分離層によって分離されている、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図8A】1つの電荷キャリア発生領域が2つの発光層の間に配置されている、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図8B】1つの電荷キャリア発生領域が2つの発光層の間に配置されている、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図8C】1つの電荷キャリア発生領域が2つの発光層の間に配置されている、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図8D】1つの電荷キャリア発生領域が2つの発光層の間に配置されている、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図9A】一方の電荷キャリア発生領域にnpn層構造が設けられ、他方の電荷キャリア発生領域にpnp層構造が設けられた、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図9B】一方の電荷キャリア発生領域にnpn層構造が設けられ、他方の電荷キャリア発生領域にpnp層構造が設けられた、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図9C】一方の電荷キャリア発生領域にnpn層構造が設けられ、他方の電荷キャリア発生領域にpnp層構造が設けられた、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図9D】一方の電荷キャリア発生領域にnpn層構造が設けられ、他方の電荷キャリア発生領域にpnp層構造が設けられた、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を示す概略的な図である。
【図10】非対称の形態の、AC電圧によって動作する有機エレクトロルミネセンス素子を一般化して示す概略的な図である。
【図11】青色および黄色の発光体システムの発光スペクトルを示すグラフである。
【図12】図10に係る有機エレクトロルミネセンス素子の、対称のAC電圧およびエレクトロルミネセンススペクトルを示すグラフである。
【図13】図10に係る有機エレクトロルミネセンス素子の、非対称のAC電圧と、該非対称のAC電圧から生じるエレクトロルミネセンススペクトルとを示すグラフである。
【図14】図10に係る有機エレクトロルミネセンス素子の、非対称のAC電圧と、該非対称のAC電圧から生じるエレクトロルミネセンススペクトルとを示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極と対向電極との間に形成された有機層の配列を有する有機エレクトロルミネセンス素子であって、
上記有機層の配列は、上記電極および上記対向電極から電気的に絶縁されていると共に、発光層と上記発光層に割当てられた電荷キャリア発生領域とを備え、上記電荷キャリア発生領域は、上記電極および上記対向電極にAC電圧が印加されると、正の電荷キャリアおよび負の電荷キャリアを供給するように構成されており、上記電荷キャリア発生領域では、p型ドープされた有機層と、上記p型ドープされた有機層に隣接して配置されたn型ドープされた有機層とによって、pn層接合が形成されていることを特徴とする、有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項2】
上記層の配列は、上記電極および上記対向電極から、それぞれ1つの絶縁層によって電気的に絶縁されていることを特徴とする、請求項1に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項3】
上記電荷キャリア発生領域は、2つの上記絶縁層のうちのいずれか一方に接触して形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項4】
上記発光層は、2つの上記絶縁層のうちのいずれか一方に接触して形成されていることを特徴とする、請求項2または3に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項5】
上記電荷キャリア発生領域において、
上記電荷キャリア発生領域が、上記p型ドープされた有機層に隣接してさらなるn型ドープされた有機層が配置されたnpn型有機層構造として形成されていることによって、または
上記電荷キャリア発生領域が、上記n型ドープされた有機層に隣接してさらなるp型ドープされた有機層が配置されたpnp型有機層構造として形成されていることによって、さらなるpn層接合が形成されることを特徴とする、請求項1ないし4の少なくとも1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項6】
上記発光層と上記電荷キャリア発生領域との間に、バイポーラ電荷キャリア輸送特性を有する中間層が配置されていることを特徴とする、請求項1ないし5の少なくとも1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項7】
上記発光層は、上記電荷キャリア発生領域に接触して形成されていることを特徴とする、請求項1ないし5の少なくとも1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項8】
上記発光層と上記電荷キャリア発生領域との間に、正の電荷キャリアおよび負の電荷キャリア用のバイポーラ輸送特性を有する中間層が配置されていることを特徴とする、請求項1ないし7の少なくとも1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項9】
上記発光層は、複数の発光部分層から形成されていることを特徴とする、請求項1ないし8の少なくとも1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項10】
少なくとも1つのさらなる発光層を特徴とする、請求項1ないし9の少なくとも1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項11】
上記発光層および上記少なくとも1つのさらなる発光層は、互いに隣り合って形成されていると共に、バイポーラ分離層によって分離されており、上記バイポーラ分離層は、正の電荷キャリアおよび負の電荷キャリアが上記バイポーラ分離層を通って輸送されることを阻止するように構成されていることを特徴とする、請求項10に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項12】
上記電荷キャリア発生領域は、上記発光層と上記少なくとも1つのさらなる発光層との間に配置されていることを特徴とする、請求項10に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項13】
上記発光層は発光体システムを含み、上記少なくとも1つのさらなる発光層はさらなる発光体システムを含み、上記発光体システムおよび上記さらなる発光体システムは、異なる色を発光するように構成されていることを特徴とする、請求項10ないし12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項14】
少なくとも1つのさらなる電荷キャリア発生領域を特徴とする、請求項1ないし13の少なくとも1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項15】
上記発光層は、上記電荷キャリア発生領域と上記少なくとも1つのさらなる電荷キャリア発生領域との間に配置されていることを特徴とする、請求項14に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項16】
上記層の配列において、複数の発光層と、複数の電荷キャリア発生領域とが交互に配置されていることを特徴とする、請求項10、14または15に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項17】
上記層の配列は、少なくとも1つの電荷キャリア遮断層を有しており、上記少なくとも1つの電荷キャリア遮断層は、少なくとも上記正の電荷キャリアの輸送、または少なくとも上記負の電荷キャリアの輸送を遮断するように構成されていることを特徴とする、請求項1ないし16の少なくとも1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項18】
上記電極と上記対向電極との間において、上記層の配列は、非対称の層の配列を有していることを特徴とする、請求項1ないし17の少なくとも1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。
【請求項19】
上記電極および上記対向電極に、非対称のAC電圧が印加されることを特徴とする、請求項18に記載の有機エレクトロルミネセンス素子。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2011−501422(P2011−501422A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529281(P2010−529281)
【出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【国際出願番号】PCT/EP2008/008683
【国際公開番号】WO2009/049861
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【出願人】(503180100)ノヴァレッド・アクチエンゲゼルシャフト (47)
【Fターム(参考)】