説明

有機エレクトロルミネッセンス素子および発光装置

【課題】視野角特性を向上できかつ色純度に優れた有機EL素子および発光装置を提供する。
【解決手段】一対の電極13,14およびこれらの電極13,14間に挟持された有機発光層15を備えた有機EL素子1において、有機発光層15の光取り出し側に光拡散性を有する光拡散性カラーフィルタ11を設ける。これにより、有機発光層15から放出されるあらゆる角度の光を散乱させて混合できるから、視角による色の変化を大幅に緩和できるとともに光の色純度を高められる。この有機EL素子1を発光装置に適用することで、視野角特性および色純度に優れた発光装置が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに対向する一対の電極およびこれらの電極間に挟持された有機発光層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子およびこの有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電界発光を利用した有機エレクトロルミネッセンス素子(以下有機EL素子という)は、自己発光であるため視認性が高いうえ、完全固体素子であるため耐衝撃性に優れていることから、各種表示装置における発光素子としての利用が注目されている。
有機EL素子は、ガラス等からなる透明基板上に設けた透明電極とこの透明電極に対向して設けられた対向電極とで有機発光層を挟持した素子構成を備え、有機発光層の発光を透明基板を通じて取り出すようになっている。
透明電極は、一般に、ITO(インジウム・スズ酸化物)等により構成され、また、対向電極は、その有機発光層側の面が、発光効率を高めるために鏡面とされることが多い。
【0003】
このような有機EL素子を利用して多色表示を行う方法として、(1)白色の有機発光層の表示側にカラーフィルタを配置して白色光を赤色、緑色、青色の各画素に分ける方法(特許文献1参照)、(2)赤色、緑色、青色の三色の有機発光層を用いた三色の画素を基板上に並設する方法(特許文献2参照)、(3)(2)の方法において、色純度を向上させるために、各画素に対してその色に応じたカラーフィルタを配置する方法(特許文献参照)等が知られている。
【0004】
【特許文献1】特開平7−142169号公報
【特許文献2】特開平8−227276号公報
【特許文献3】特開平8−321380号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、透明電極と透明基板との間には、通常、材質の違いによる屈折率差があるうえ、対向電極の有機発光層側の面は鏡面であるため、干渉効果によって、発光スペクトルが、素子の表示をみる角度、つまり視角によってブルーシフト(青色化)するという不具合があった。
特に、有機EL素子を多色表示装置に適用した場合、視角によって、青色画素はより青色化し、赤色画素は橙色化し、緑色画素は青色化するようになり、前記(1)〜(3)のいずれの方法を採用した場合でも、色調がずれるうえにホワイトバランスが崩れるという問題が生じる。
(1)および(3)の方法では、カラーフィルタにより、色純度を高めることはできるが、見る角度によって色が変わるという視角依存性、つまり、視野角特性を改善することはできなかった。
【0006】
本発明の目的は、視野角特性の向上を実現できかつ色純度に優れた有機EL素子および発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、カラーフィルタとともに光拡散手段を設けることで前記目的を達成しようとするものである。
具体的には、互いに対向する一対の電極およびこれらの電極間に挟持された有機発光層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記有機発光層の光取り出し側には、カラーフィルタおよび光拡散手段が設けられていることを特徴とする。
【0008】
ここで、光拡散手段とは、光を拡散させる機能を有するものであり、この光拡散手段により、有機発光層が放出する光を散乱させることができる。つまり、有機発光層の発光を一方向から多方向に散乱させることができるので、素子から放出されるあらゆる角度の光を散乱させて混合できるから、視角による色の変化を大幅に緩和できる。従って、視野角特性を著しく改善でき、色調のずれを防止できるとともにホワイトバランスを確実に維持できる。
また、光拡散手段とともにカラーフィルタが設けられているので、光の色純度を高めることができるうえ、外光の反射を抑制できる。
【0009】
光拡散手段の構成は特に限定されないが、光拡散手段およびカラーフィルタは、カラーフィルタに当該カラーフィルタと屈折率が異なる光拡散材を含有させた光拡散性カラーフィルタにより構成されていることが好ましい。
このように、光拡散材を含有させて光拡散性を付与した光拡散性カラーフィルタを用いることで、カラーフィルタと光拡散手段とを個別に設けなくてもよくなるので、素子構成を簡略化できるとともに製造を容易化できる。
【0010】
また、光拡散手段は、カラーフィルタに積層された光拡散層により構成してもよく、この光拡散層は、透明樹脂と、この透明樹脂に分散されかつ当該透明樹脂と屈折率が異なる光拡散材とを有することが好ましい。
このようにすれば、既存のカラーフィルタを用いて容易に素子を構成できる。
【0011】
ここで、前述した光拡散材は、無機微粒子、無機フィラーおよび無機粉体より選ばれた少なくとも一種からなることが好ましい。
この場合、無機微粒子、無機フィラーおよび無機粉体は、単独で用いてもよく、適宜混合して用いてもよい。また、材質は単一であってもよく、複数種類の材料を混合して用いてもよい。
【0012】
さらに、光拡散手段は、凹凸を備えた光拡散面により構成されていてもよい。 このようにすると、既存の素子構成のまま、素子における界面、例えば、素子を構成する有機物層の界面、有機物層と電極との界面、電極を基板上に設けた場合には電極と基板との界面に光拡散面を形成するだけで容易に光拡散手段を構成できる。
【0013】
光拡散面の位置は、有機発光層の光取り出し側であれば特に限定されないが、カラーフィルタが基板上に設けられている場合、この基板の表面を光拡散面とすることができる。
このように基板の表面を光拡散面とすることで、基板の表面を研磨加工したり、基板の表面に微粒子を付着させたりするだけで、簡単に光拡散面を形成できる。
【0014】
或いは、カラーフィルタの有機発光層側の面を光拡散面としてもよく、これによると、光を散乱させてからカラーフィルタに入射させるので、異なる色のカラーフィルタを隣接配置した場合に、拡散された光から各色のカラーフィルタにより必要な色の光のみを確実に取り出すことができるので、色純度に優れかつ画素にじみのない画像を得ることができる。
【0015】
一方、本発明の発光装置は、互いに対向する一対の電極およびこれらの電極間に挟持された有機発光層を備え、有機発光層の光取り出し側に、カラーフィルタおよび光拡散手段が設けられた有機EL素子が二次元配置され、CIE色度座標の視角による変化が0.02以下とされていることを特徴とする。
このように、前述した有機EL素子を発光装置に適用し、CIE色度座標の視角による変化を0.02以下とすることで、視野角特性および色純度に特に優れた発光装置が得られる。
ここで、視角とは、発光装置の表示面をみる角度のことをいう。
【発明の効果】
【0016】
以上に述べたように、本発明によれば、一対の電極およびこれらの電極間に挟持された有機発光層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子において、有機発光層の光取り出し側に、カラーフィルタおよび光拡散手段を設けるので、有機発光層が放出する光を散乱させることができ、素子から放出されるあらゆる角度の光を散乱させて混合できるから、視角による色の変化を大幅に緩和できる。従って、視野角特性を著しく改善でき、色調のずれを防止できるとともにホワイトバランスを確実に維持できる。
また、光拡散手段とともにカラーフィルタが設けられているので、光の色純度を高めることができるうえ、外光の反射を抑制できる。
【0017】
一方、このような有機EL素子を二次元配置して発光装置を構成し、CIE色度座標の視角による変化を0.02以下とすることで、視野角特性および色純度に特に優れた発光装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第一実施形態〕
〈1〉有機EL素子
図1には、本実施形態の有機EL素子1が示されている。本実施形態の有機EL素子1は、光拡散性カラーフィルタ11を用いて光拡散手段を構成したものである。
光拡散性カラーフィルタ11は透明基板12上に設けられ、この光拡散性カラーフィルタ11の上には、透明電極(陽極)13と、この透明電極13に対向する対向電極(陰極)14と、これらの電極13,14間に挟持された有機発光層15とが積層されている。
なお、図示しないが、有機発光層15と透明電極13との間には、正孔注入層や正孔輸送層を設けてもよく、有機発光層15と対向電極14との間には、電子注入層や電子輸送層を設けてもよい。
このような有機EL素子1では、有機発光層15から放出される光(図1中矢印15A)は、透明電極13を透過して光拡散性カラーフィルタ11に入射し、この光拡散性カラーフィルタ11で散乱して透明基板12を通じて取り出される。
【0019】
光拡散性カラーフィルタ11は、既存の構成のカラーフィルタに当該カラーフィルタと屈折率が異なる光拡散材111を分散させたものであり、その屈折率差は、好ましくは、0.1以上である。
カラーフィルタとしては、具体的には、バインダ樹脂中に、染料や顔料等の着色剤を溶解または分散させた固体状態のカラーフィルタや、主に着色剤により構成されるカラーフィルタ等を挙げることができる。
本実施形態の光拡散性カラーフィルタ11に用いる光拡散材111、着色剤およびバインダ樹脂としては、次のものを採用できる。
【0020】
(A)光拡散材
光拡散材は、無機微粒子、無機フィラーおよび無機粉体より選ばれた少なくとも一種により構成できる。
この光拡散材の材質は、特に制限はないが、例えば、無機酸化物、無機フッ化物、無機硫化物、無機炭酸化物等を採用でき、特に好ましくは、チタニア、ジルコニア、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マグネシア、炭酸バリウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、チタン酸バリウム、酸化亜鉛等である。
また、光拡散材として無機微粒子を採用した場合、その粒径は、好ましくは、0.3μm〜3μmである。
別の好ましい光拡散剤としては、ポリマー微粒子、カラーフィルタとの屈折率差或いは透明樹脂との屈折率差が0.1以上の透明樹脂を挙げることができ、これらは単独で用いてもよく、ブレンドしてもよい。
【0021】
(B)赤色[R]着色剤
ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等の単品、或いは、これらのうちの少なくとも二種類以上の混合物が使用できる。
(C)緑色[G]着色剤
ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料、ハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料、トリフェルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等の単品、或いは、これらのうちの少なくとも二種類以上の混合物が使用できる。
(D)青色[B]着色剤
銅フタロシアニン系顔料、インダンスロン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等の単品、或いは、これらのうちの少なくとも二種類以上の混合物が使用できる。
【0022】
(E)バインダ樹脂
バインダ樹脂としては、透明な(可視光領域における透過率50%以上)材料を使用することが好ましい。
具体的には、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の透明樹脂(高分子)等が挙げられ、これらのうちの一種を単独で用いてもよく、或いは、二種以上を混合して使用してもよい。
また、画素形成等のために光拡散性カラーフィルタ11を平面的に分離配置する場合、バインダ樹脂には、フォトリソグラフィー法が適用できる感光性樹脂を使用することが好ましい。具体的には、アクリル酸系、メタクリル酸系、ポリケイ皮酸ビニル系、環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する光硬化型レジスト材料等が挙げられ、これらのうちの一種を単独で用いてもよく、或いは、二種以上を混合して使用してもよい。
カラーフィルタを印刷法により平面的に分離配置する場合には、透明樹脂を用いた印刷インキ(メジウム)を使用することができる。この印刷インキとしては、例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂のモノマー、オリゴマーおよびポリマーからなる組成物、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の透明樹脂を、単独、或いは、二種以上を混合して使用することができる。
【0023】
ここで、光拡散材を分散させるカラーフィルタが、主に着色剤からなる場合、所望のカラーフィルタパターンのマスクを介して、真空蒸着またはスパッタリング法を用いることにより、カラーフィルタを形成できる。この場合、前述した無機化合物よりなる光拡散剤を、着色剤等のカラーフィルタの材料と同時に真空蒸着することにより、光拡散性カラーフィルタを形成できる。
【0024】
一方、光拡散材を分散させるカラーフィルタが着色剤およびバインダ樹脂からなるものである場合、カラーフィルタを作製する一般な手順は、次の通りである。
先ず、着色剤、バインダ樹脂および適当な溶剤を混合、分散または可溶化させて液状物を調製する。この後、当該液状物をスピンコート法、ロールコート法、バーコート法、キャスト法等の方法により成膜する。そして、フォトリソグラフィー法や印刷法等により、所望のカラーフィルタパターンをパターニングした後、熱処理を行って硬化させ、所望のカラーフィルタを得る。
この場合、光拡散性カラーフィルタは、光拡散材を液状物に添加することにより作製できる。
【0025】
また、着色剤とバインダ樹脂とを用いる場合には、容易にパターニングできかつ有機EL素子の発光を十分透過できるように着色剤の濃度範囲を設定することが好ましい。従って、着色剤の種類にもよるが、使用するバインダ樹脂を含む光拡散性カラーフィルタ膜の着色剤の含有量は、5〜50重量%の範囲とすることが好ましい。
【0026】
光拡散性カラーフィルタの透過率は、取り出す光の色に応じて適宜設定すればよいが、例えば、赤色、緑色および青色の各光拡散性カラーフィルタの場合、それぞれ下記の波長の透過率がそれぞれ50%以上となるように設定することが好ましい。
R(赤色):610nm
G(緑色):545nm
B(青色):460nm
【0027】
一方、有機発光層15は、有機化合物からなる各種発光材料により構成できる。有機発光層15の発光色は特に限定されず、取り出す光の色や素子構成等に応じて適宜発光材料を選択すればよく、発光色としては、例えば、白色、青色、緑色、赤色等が挙げられる。
【0028】
〈2〉発光装置
次に、前記有機EL素子1を適用した発光装置100について説明する。なお、以下の説明にあたって、前述した図1と同じ構成要素については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図2および図3に示す本実施形態の発光装置100は、カラー表示を行うためのものであり、透明基板12上に所定ピッチで並設された複数のストライプ状の透明電極13と、この透明電極13の上に所定ピッチで並設されて当該透明電極13と直交する複数のストライプ状の対向電極14と、これらの透明電極13および対向電極14に挟持された有機発光層15とを備えている。
【0029】
透明基板12と透明電極13との間には、各透明電極13に沿ってストライプ状の光拡散性カラーフィルタ11R,11G,11Bが介装されている。
隣接する光拡散性カラーフィルタ11R,11G,11B間には、隔壁としてのストライプ状の遮光層16(図2では図示省略)が設けられ、この遮光層16は、光拡散性カラーフィルタ11R,11G,11Bの膜厚以上の膜厚とされている。
これらの遮光層16および光拡散性カラーフィルタ11R,11G,11Bは、透明な保護層17により覆われ、この保護層17の上に前記透明電極13が積層されている。
【0030】
光拡散性カラーフィルタ11R,11G,11Bは、それぞれ前述した赤色着色剤、緑色着色剤および青色着色剤を用いて構成された光拡散性赤色フィルタ11R、光拡散性緑色フィルタ11Gおよび光拡散性青色フィルタ11Bからなり、この三種類が基板12上に規則的に配列されている。
これにより、透明電極13および対向電極14の各交差部分に、それぞれ赤色、緑色および青色の単色画素が形成されている。
【0031】
このように構成された本実施形態の発光装置100では、各画素における有機発光層15の発光は、透明電極13および保護層17を透過し、それぞれ光拡散性カラーフィルタ11R,11G,11Bに入射して散乱し、透明基板12を通過する。
このとき、遮光層16の膜厚は、光拡散性カラーフィルタ11R,11G,11Bの膜厚以上とされているため、散乱光が、隣接する異なる色の光拡散性カラーフィルタ11R,11G,11B、つまり隣接する画素に入射することがないので、発光色の混色による色純度の低下を防止できる。
【0032】
〔第二実施形態〕
〈1〉有機EL素子
図4に示す本実施形態の有機EL素子2は、前記第一実施形態の光拡散性カラーフィルタ11を光拡散層21およびカラーフィルタ22としたものであり、図1と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略し、以下には異なる部分のみを詳述する。
本実施形態の有機EL素子2は、透明基板12上に設けられた光拡散手段としての光拡散層21と、この光拡散層21の上に積層されたカラーフィルタ22とを備え、このカラーフィルタ22の上に、前記第一実施形態と同様に、透明電極13、有機発光層15および対向電極14が積層されている。
このような有機EL素子2では、有機発光層15における発光(図4中矢印15A)は、透明電極13およびカラーフィルタ22を介して光拡散層21に入射し、この光拡散層21において拡散されて透過し、透明基板12を通じて取り出される。
【0033】
光拡散層21は、透明樹脂に当該透明樹脂と屈折率が異なる光拡散材211を分散させることにより構成できる。この際、光拡散材211と透明樹脂との屈折率差は、好ましくは、0.1以上である。
光拡散剤211は、前記第一実施形態の光拡散材111と同様なものを用いて構成できる。
透明樹脂としては、前記第一実施形態におけるバインダ樹脂と同様な透明樹脂を用いることができる。
カラーフィルタ22としては、前記第一実施形態と同様に、バインダ樹脂および着色剤からなるカラーフィルタ等、既存の各種カラーフィルタを採用できる。
【0034】
なお、光拡散層21およびカラーフィルタ22の積層順は逆であってもよく、図5に示すように、基板12上に形成されたカラーフィルタ22の上に光拡散層21を設けてもよい。
【0035】
〈2〉発光装置
次に、前記有機EL素子2を適用した発光装置200について説明する。なお、以下の説明にあたって、前述した図1〜図5と同じ構成要素については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図6に示す本実施形態の発光装置200では、透明基板12と透明電極13との間に、各透明電極13に沿ってストライプ状のカラーフィルタ22R,22G,22Bが介装され、これらのカラーフィルタ22R,22G,22B間には、ストライプ状の遮光層16が設けられている。
このように並設されたカラーフィルタ22R,22G,22Bおよび遮光層16と、透明基板12との間には、光拡散層21が介装され、カラーフィルタ22R,22G,22Bを透過した光が光拡散層21で拡散されるようになっている。
【0036】
〔第三実施形態〕
〈1〉有機EL素子
図7に示す本実施形態の有機EL素子3は、前記第二実施形態の光拡散層21を省略して光拡散面31を設けたものであり、図4および図5と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略し、以下には異なる部分のみを詳述する。
本実施形態の有機EL素子3は、透明基板12の上に、カラーフィルタ22、透明電極13、有機発光層15および対向電極14をこの順で積層した素子構成を備えている。
【0037】
透明基板12のカラーフィルタ22側の面は、光拡散手段としての凹凸を有する光拡散面31とされ、光を拡散して透過するようになっている。この光拡散面31の表面粗さは、好ましくは、0.1μm〜10μmである。
このような光拡散面31は、透明基板12の表面を、やすりや研磨剤等を用いて研磨加工する方法、透明基板12の表面に微粒子を付着させる方法等により形成できる。
【0038】
本実施形態の有機EL素子3では、カラーフィルタ22および透明基板12の屈折率が異なるため、光は、カラーフィルタ22および透明基板12の界面(光拡散面31)で散乱し、透明基板12を通じて出射される。
【0039】
〈2〉発光装置
図8には、前記有機EL素子3を適用した発光装置300が示されている。なお、以下の説明にあたって、前述した図1〜図7と同じ構成要素については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
本実施形態の発光装置300では、カラーフィルタ22R,22G,22Bとの界面となる透明基板12の表面が光拡散面31とされ、カラーフィルタ22R,22G,22Bを透過した光が光拡散面31において拡散されるようになっている。
【0040】
〔第四実施形態〕
図9に示す本実施形態の有機EL素子4および図10に示す本実施形態の発光装置400は、前記第三実施形態の光拡散面31の位置を変更したものであり、図7および図8と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略し、以下には異なる部分のみを詳述する。
図9および図10に示すように、カラーフィルタ22の有機発光層15側の面は、光拡散手段としての凹凸を有する光拡散面41とされ、光を拡散して透過するようになっている。この光拡散面41の表面粗さは、好ましくは、0.1μm〜10μmである。
【0041】
このように構成された本実施形態では、カラーフィルタ22およびその上の保護層17の屈折率が異なるため、光は、保護層17およびカラーフィルタ22の界面(光拡散面41)で散乱して透明基板12を透過する。
なお、図9に示した有機EL素子4では、カラーフィルタ22と透明電極13との間が光拡散面41とされ、図10に示した発光装置400では、カラーフィルタ22R,22G,22Bと保護層17との間が光拡散面41となっているが、保護層17と透明電極13との間を光拡散面としてもよく、或いは、透明電極13と有機発光層15との間を光拡散面としてもよい。
【0042】
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形なども本発明に含まれる。
すなわち、前記各実施形態では、透過型の有機EL素子および発光装置について説明したが、本発明は、反射型の有機EL素子および発光装置にも適用できる。
例えば、図11に示すように、対向電極14側から光を取り出す有機EL素子5に、前記第一実施形態の光拡散性カラーフィルタ11を組み込んでもよい。すなわち、別の透明基板51上に光拡散性カラーフィルタ11を設け、これを対向電極14の上に積層してもよい。この際、光拡散性カラーフィルタ11および対向電極14の間は、中空としてもよく、乾燥した液体または気体を充填してもよく、或いは、透光性の中間層52を設けてもよい。
【0043】
透光性の中間層52としては、透明樹脂または透明無機化合物を採用できる。透明樹脂としては、ポリパラキシレンおよびその誘導体、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂等が好ましく、特に、ポリパラキシレンおよびその誘導体、フッ素系樹脂は、光拡散性カラーフィルタ11を設ける際にカラーフィルタ溶液によって侵されることがないので好ましい。透明無機化合物としては、SiO2 、SiO、MgO、αSiN、SiAlON等の無機酸化物、無機窒化物、α−C(非晶質炭素膜)等がある。
【0044】
なお、この光拡散性カラーフィルタの代わりに、前記第二実施形態と同様な光拡散層およびカラーフィルタを設けてもよく、或いは、前記第三実施形態と同様に基板51の対向電極14側の面を光拡散面としてもよい。
【実施例】
【0045】
次に、本発明の効果を、具体的な実施例に基づいて説明する。
〔実施例1〕
本実施例1は、前記第一実施形態に基づいて光拡散性カラーフィルタを備えた発光装置を作製する実験である。
〈1〉遮光層
透明支持基板としてのガラス基板(コーニング7059,100mm×100mm×1.1mm厚)上に、30重量%(対固形分)のカーボンブラックを分散したアクリレート系光硬化型レジストV259PA(新日本製鉄化学社製)をスピンコートし、80℃でベークしてレジスト膜を形成した。
この後、高圧水銀灯を光源とする露光機により、図3に示す遮光層のパターンが得られるように、レジスト膜をマスクを介して300mJ/cm2 (365nm)の条件で露光した。
次いで、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて室温下で2分間現像した後、200℃でベークし、これにより、遮光層をパターニングした。
得られた遮光層の膜厚は、2.6μmであった。また、遮光層の断面形状は、電子顕微鏡(SEM)により、矩形形状であることが確認された。
また、この遮光層の透過率は、分光光度計より、400nm〜700nmの波長領域において10%以下であり、反射率が5%であることが確認された。
【0046】
〈2〉光拡散カラーフィルタ
(1)光拡散性青色カラーフィルタ
28重量%(対固形分)の銅フタロシアニン系顔料(C.I. ピグメントブルー15:6)と、2重量%(対固形分)のジオキサジン系顔料(C.I. ピグメントバイオレット23)と、8重量%の酸化亜鉛粉体(平均粒径0.3〜0.5μm,白水化学社製23−K)とを、アクリレート系光硬化型レジストV259PA(新日本製鉄化学社製)に分散し、これを基板上にスピンコートして80℃でベークした。
この後、図2および図3に示したように、遮光層と平行な青色カラーフィルタのパターンが得られるように、基板とマスクとの位置合わせを行い、高圧水銀灯を光源とする露光機により、レジスト膜を300mJ/cm2 (365nm)の条件で露光した。
次いで、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて室温下で2分間現像した後、200℃でベークして光拡散性青色カラーフィルタのパターンを形成した。
得られた光拡散性青色カラーフィルタの膜厚は2.4μmであった。
また、光拡散材としての酸化亜鉛の屈折率は2.1であり、酸化亜鉛粉体を除いた青色カラーフィルタの屈折率が1.50(589nm)であることから、本実施例1の光拡散性青色カラーフィルタは、光拡散性を有することがわかる。
【0047】
(2)光拡散性緑色カラーフィルタ
23重量%(対固形分)のハロゲン化銅フタロシアニン系顔料(C.I.ピグメンドグリーン36)と、7重量%(対固形分)のアゾ系顔料(C.I.ピグメントイエロー83)と、2重量%の酸化亜鉛粉体とを、アクリレート系光硬化型レジストV259PA(新日本製鉄化学社製)に分散させ、これを基板上にスピンコートして80℃でベークした。
この後、図2および図3に示した緑色カラーフィルタのパターンが得られるように、基板とマスクとを青色カラーフィルタのパターンと直交する方向に300μmずらして位置合わせを行い、高圧水銀灯を光源とする露光機により、レジスト膜を300mJ/cm2 (365nm)の条件で露光した。
次いで、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて室温下で2分間現像した後、200℃でベークして光拡散性緑色カラーフィルタのパターンを形成した。
得られた光拡散性緑色カラーフィルタの膜厚は2.0μmであった。
また、光拡散材としての酸化亜鉛の屈折率は2.1であり、酸化亜鉛粉体のない緑色カラーフィルタの屈折率が1.50(589nm)であることから、本実施例1の光拡散性緑色カラーフィルタは、光拡散性を有することがわかる。
【0048】
(3)光拡散性赤色カラーフィルタ
24重量%(対固形分)のアントラキノン系顔料(C.I.ピグメントレッド177)と、6重量%(対固形分)のアゾ系顔料(C.I.ピグメントイエロー6)と、2重量%の酸化亜鉛粉体とを、アクリレート系光硬化型レジストV259PA(新日本製鉄化学社製)に分散させ、これを基板上にスピンコートして80℃でベークした。
この後、図2および図3に示した赤色カラーフィルタのパターンが得られるように、基板とマスクとを緑色カラーフィルタのパターンと直交する方向に300μmずらして位置合わせを行い、高圧水銀灯を光源とする露光機により、レジスト膜を300mJ/cm2 (365nm)の条件で露光した。
次いで、1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて室温下で2分間現像した後、200℃でベークして光拡散性赤色カラーフィルタのパターンを形成した。
得られた光拡散性赤色カラーフィルタの膜厚は2.1μmであった。
また、光拡散材としての酸化亜鉛の屈折率は2.1であり、酸化亜鉛粉体のない赤色カラーフィルタの屈折率が1.50(589nm)であることから、本実施例1の光拡散性赤色カラーフィルタは、光拡散性を有することがわかる。
【0049】
以上の手順により、遮光層、光拡散性青色カラーフィルタ、光拡散性緑色カラーフィルタおよび光拡散性赤色カラーフィルタを、基板上に平面的に分離配置してから、アクリレート系樹脂(新日本製鉄化学社製,V259)を基板上(カラーフィルタおよび遮光層上)にスピンコートして80℃でプリベークした後、180℃でベークを行って保護層を成膜した。
なお、本実施例1では、有機発光層の発光輝度および色度を確認するために、便宜上極一部のカラーフィルタを機械的に削り取った。
【0050】
〈3〉透明電極(陽極)
各光拡散性カラーフィルタ上にITOからなる透明電極を保護層の上からライン状に形成した。この透明電極は、90μm幅、20μmギャップで形成されたITOパターンとした。
【0051】
〈4〉正孔注入層、有機発光層、電子注入層および対向電極(陰極)
透明電極を付けた基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄して、UV洗浄した後、蒸着装置(日本真空技術社製)を用いて各有機物層および対向電極を蒸着した。
すなわち、洗浄後の基板を基板ホルダに固定し、正孔注入材料として、TPD74および4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(以下、NPDという)、発光材料として、4,4′−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(以下、DPVBiという)および4,4′−ビス(2−(4−N,N−ジフェニルアミノ)フェニルビニル)ビフェニル(以下、PAVBiという)、電子注入材料として、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(以下、Alqという)、電子注入層中の橙色発光材料としてルブレンを、それぞれモリブデン製の抵抗加熱ボートに入れて、正孔注入層、有機発光層および電子注入層の各蒸着源とした。
また、対向電極(陰極)の第二金属として、Agをタングステン製フィラメントに装着するとともに、陰極の電子注入性金属としてMgをモリブデン製ボートに装着して対向電極の蒸着源とした。
なお、TPD74の構造式は下記に示す通りである。
【0052】
【化1】

【0053】
この後、真空槽を5×10-7torrまで減圧し、正孔注入層の成膜から対向電極の成膜まで真空を破らないで、以下の順序で成膜を行った。
先ず、TPD74を蒸着速度0.1〜0.3nm/sで膜厚120nmとなるように蒸着した後、NPDを蒸着速度0.1〜0.3nm/sで膜厚20nmとなるように蒸着し、二層構造の正孔注入層を成膜した。
次いで、有機発光層を構成するDPVBiを蒸着速度0.1〜0.3nm/sで膜厚50nmとなるように蒸着するとともに、これと同時に、PAVBiを蒸着速度0.003〜0.009nm/sで蒸着してDPVBi中に含有させた。
【0054】
続いて、電子注入層として、Alqを蒸着速度0.1〜0.3nm/sで膜厚20nmとなるように蒸発させるとともに、ルブレンを蒸着速度0.0005〜0.0015nm/sで蒸発させて共蒸着した。このようにルブレンを含有させた電子注入層は、電圧を印加することにより発光する。
次に、対向電極として、MgおよびAgを同時蒸着した。すなわち、Mgを蒸着速度1.3〜1.4nm/sで蒸発させるとともに、Agを蒸着速度0.1nm/sで蒸発させ、膜厚200nmの対向電極を成膜した。
なお、陰極は、透明電極としてのITOパターンに直交するストライプ状に成膜するため、マスクを介して蒸着を行うことでパターン形成した。
【0055】
〈5〉発光試験
このようにして作製した発光装置の透明電極(陽極)−対向電極(陰極)間に9Vの直流電圧を印加したところ、透明電極と対向電極との交差部分(300μm×90μmのドットパターン)が発光した。
また、遮光層およびカラーフィルタを予め削っておいた部分において、発光輝度および色度を測定したところ、発光輝度70cd/m2 、色度x=0.30,y=0.28の白色発光が得られた。
一方、光拡散性青色カラーフィルタからは、発光輝度10cd/m2 の青色発光が得られ、光拡散性緑色カラーフィルタからは、発光輝度45cd/m2の黄味がかった緑色(イエロイッシュグリーン)発光が得られ、光拡散性赤色カラーフィルタからは、発光輝度15cd/m2 の赤色発光が得られた。
【0056】
〔比較例1〕
前記実施例1において、酸化亜鉛粉末を省略して光拡散性のないカラーフィルタを作製した以外は、前記実施例1と同様にして発光装置を作製した。
【0057】
〔発光装置の評価〕
前記実施例1および比較例1の各発光装置の透明電極(陽極)−対向電極(陰極)間に9Vの直流電圧を印加して発光させ、赤色、緑色および青色の各カラーフィルタを透過する光について、視角による色度の変化を調べた。
すなわち、図12に示すように、発光装置の表示面9の法線方向(図12中矢印9A)から、上下左右にそれぞれ角度(視角)θ分傾いた方向から表示面9をみたときの、赤色光、緑色光および青色光の色度をそれぞれ測定した。
ここでは、視角θを0°および70°とし、そのときの実施例1の結果を表1に示し、比較例1の結果を表2に示す。
【0058】
【表1】

【0059】
【表2】

【0060】
表1より、実施例1の発光装置は、光拡散性カラーフィルタを備えているので、視角θが0°の場合と70°の場合とでの色度座標の変化は0.02以下であり、視角による顕著なカラーシフトは認められず、フルカラー表示装置に十分適用できることがわかる。
一方、表2より、比較例1の発光装置では、カラーフィルタが光を拡散する機能を持たないので、視角θ=70°における光の色は、視角θ=0°での色に対して大きくブルーシフトすることが観測され、カラーシフト効果が認められた。これは、視角θを大きくすることで、干渉効果によって発光が短波長化するためであると考えられる。従って、比較例1の発光装置は、自発光であるにもかかわらず、フルカラー表示装置への適用には問題があることがわかる。
【0061】
〔実施例2〕
本実施例2は、前記第二実施形態に基づいて光拡散層を備えた発光装置を作製する実験であり、前記実施例1において、以下の点を変更した以外は、前記実施例1と同様にして発光装置を作製した。
すなわち、酸化亜鉛粉末を用いないでカラーフィルタを作製し、保護層を設ける前に、カラーフィルタ上に光拡散層を設けた。この光拡散層の成膜は、光拡散剤として前記実施例1と同じ酸化亜鉛粉体をアクリレート系樹脂V259に分散させ、これを基板上にスピンコートして80℃でベークすることにより行った。 次いで、光拡散層の上に、前記酸化亜鉛粉体を含まないアクリレート系樹脂V259をスピンコートし、80℃でプリベークしてから200℃でベークして保護層を形成した。
この後、前記実施例1と同様にして、透明電極、正孔注入層、有機発光層、電子注入層および対向電極を形成し、本実施例2の発光装置を得た。
【0062】
本実施例2の発光装置について、前記実施例1および比較例1と同様に、視角θ=0°での色度と、θ=70°での色度とを各色に対して比較して評価したところ、CIE色度座標における変化は0.02よりも小さかった。
【0063】
〔実施例3〕
本実施例3は、前記第四実施形態に基づいて光拡散面を備えた発光装置を作製する実験であり、前記実施例1において、以下の点を変更した以外は、前記実施例1と同様にして発光装置を作製した。
すなわち、前記実施例1と同様にして、透明基板上に遮光層を形成するとともに、酸化亜鉛粉末を用いないでカラーフィルタを作製し、このカラーフィルタ付き基板をテープ研磨装置により研磨して、カラーフィルタの表面に平均凹凸0.5μmの光拡散面を形成した。
次いで、光拡散面の上にフッ素置換ポリイミド(屈折率1.54)をスピンコートし、180℃でベークして保護層を形成した。この保護層と光拡散面を形成したカラーフィルタとの屈折率差は、0.1以上であった。
このようなカラーフィルタ付き基板の上に、前記実施例1と同様にして、透明電極、正孔注入層、有機発光層、電子注入層および対向電極を形成し、本実施例3の発光装置を得た。
【0064】
本実施例3の発光装置について、前記実施例1,2および比較例1と同様に、視角θ=0°での色度と、θ=70°での色度とを各色に対して比較して評価したところ、CIE色度座標における変化は0.02よりも小さかった。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第一実施形態の有機EL素子を示す図。
【図2】前記第一実施形態の発光装置を示す斜視図。
【図3】前記第一実施形態の発光装置を示す図。
【図4】本発明の第二実施形態の有機EL素子を示す図。
【図5】前記第二実施形態の他の有機EL素子を示す図。
【図6】前記第二実施形態の発光装置を示す図。
【図7】本発明の第三実施形態の有機EL素子を示す図。
【図8】前記第三実施形態の発光装置を示す図。
【図9】本発明の第四実施形態の有機EL素子を示す図。
【図10】前記第四実施形態の発光装置を示す図。
【図11】本発明の他の有機EL素子を示す図。
【図12】本発明の実施例における発光装置の視角を示す図。
【符号の説明】
【0066】
1,2,3,4,5 有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)
12,51 透明基板
13 透明電極(陽極)
14 対向電極(陰極)
15 有機発光層
11 光拡散性カラーフィルタ(光拡散手段)
11R 光拡散性赤色フィルタ(光拡散手段)
11G 拡散性緑色フィルタ(光拡散手段)
11B 光拡散性青色フィルタ(光拡散手段)
22,22R,22G,22B カラーフィルタ
21 光拡散層(光拡散手段)
31,41 光拡散面(光拡散手段)
111,211 光拡散材
100,200,300,400 発光装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する一対の電極およびこれらの電極間に挟持された有機発光層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記有機発光層の光取り出し側には、
カラーフィルタおよび光拡散手段と、
前記カラーフィルタおよび前記光拡散手段を隣接する画素ごとに隔てる隔壁としての遮光層と、が設けられ、
前記光拡散手段は、凹凸を備えた光拡散面により構成されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項2】
請求項1に記載した有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記光拡散手段は、基板の表面に設けられた凹凸である
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
請求項1に記載した有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記光拡散手段は、前記カラーフィルタの表面に設けられた凹凸である
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
請求項1に記載した有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記カラーフィルタに直に接した保護層が設けられ、
前記カラーフィルタの屈折率と前記保護層の屈折率との差は、0.1以上である
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−287697(P2007−287697A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158950(P2007−158950)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【分割の表示】特願平10−135164の分割
【原出願日】平成10年5月18日(1998.5.18)
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】