説明

有機分子触媒、およびエポキシケトンの製造方法

【課題】新規な有機分子触媒を提供することを目的とする。
【解決手段】有機分子触媒は、不飽和ケトンからエポキシケトンを生成するために使用される。有機分子触媒は以下の化学式で表わされる


ここで、R1:Bn,i-Pr,Me,t-Bu,またはPhである。R2,R3: R2,R3は別個独立にC1〜C18の飽和アルキル基、またはR2,R3は互いに結合してC4〜C6の環状化合物を形成する。X:F,Cl,Br,I,OH,BF4,またはBPh4である。Y1〜Y5:別個独立にH,F,CF3,OH,OMe,C1〜C4のアルキル基である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な有機分子触媒に関する。また、本発明は、この有機分子触媒を用いる、エポキシケトンの新規な製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学活性なエポキシケトンは、位置選択的および立体選択的に官能基変換を行うことにより、有機合成化学において有用な化合物の合成中間体へと変換することができる。例えば、他の方法では得ることが難しい二級または三級のエポキシアルコールを様々な求核剤のケトンへの立体選択的な付加反応により得られる。また、還元的アミノ化、Baeyer-Villiger酸化、Wittigオレフィン化、Meerwein-Ponndorf-Verley還元反応などによりケトンの官能基変換が可能である。一方でエポキシ環は、求核剤によってsin体またはanti体に開環する。求核剤がα位またはβ位を攻撃するかは、用いる条件によって異なる。また、エポキシ環の還元的な開裂や還元的アルキル化によって与える生成物も有用な合成中間体となる。
【0003】
環境調和の点から、金属を用いない触媒(有機分子触媒)の開発が求められている。
既存の有機分子触媒は、シンコナアルカロイド類を用いる場合が多いが、当該触媒は反応条件下において不安定である。従って回収-再利用ができない。
【0004】
触媒を用いる不斉酸化反応は、数多く知られているが、その多くは、TBHP(tert-butylhydroperoxide)を用いる場合が多い。当該酸化剤を用いると高い選択性でオレフィン類の酸化反応が進行する例が多く知られているが、TBHPは高価であり、製造中止の動きにある。
【0005】
安価な酸化剤である過酸化水素を用いる酸化反応例がある。例えば、ビアリール骨格を有するグアニジン類からなる不斉有機分子触媒による過酸化水素水によるカルコンの不斉エポキシ化の反応例はある(特許文献1、および非特許文献1参照)。
【0006】
また、鎖状グアニジン−チオウレア官能基複合型不斉有機分子触媒が開示されている(非特許文献2参照)。
【0007】
なお、発明者は、本発明に関連する技術内容を開示している(非特許文献3,4参照)。これらは、特許法第30条第1項を適用できるものと考えられる。
【0008】
【特許文献1】WO2005/077921号公報
【非特許文献1】日本化学会第85春季年会(主催:社団法人 日本化学会、平成17年3月26日〜29日、会場:神奈川大学横浜キャンパス)講演予稿集(No2)P1051(2005年3月11日公開、講演タイトル:軸不斉グアニジン触媒による不斉エポキシ化反応)
【非特許文献2】第88回有機合成シンポジウム(主催:社団法人 有機合成化学協会、平成17年11月10日〜11日、会場:早稲田大学国際会議場)講演予稿集Page.22-23(2005年10月25日発行、講演タイトル:グアニジン/チオウレア型有機分子触媒の開発とエナンチオ−ジアステレオ選択的ヘンリー反応への展開)
【非特許文献3】日本化学会第88春季年会(主催:社団法人 日本化学会、平成20年3月26日〜30日、会場:立教大学池袋キャンパス)講演要旨集 1J3−35(講演タイトル:鎖状グアニジン−ウレア官能基複合型触媒を用いた不飽和ケトンに対する不斉エポキシ化反応の開発)
【非特許文献4】第55回有機合成化学協会関東シンポジウム(主催:社団法人 有機合成化学協会関東支部、平成20年5月9日〜10日、会場:東京理科大学野田キャンパス薬学校舎)講演予稿集 1C25(講演タイトル:鎖状グアニジン−ウレア官能基複合型触媒を用いた不飽和ケトンに対する不斉エポキシ化反応の開発)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、ビアリール骨格を有するグアニジン類からなる不斉有機分子触媒による過酸化水素水によるカルコンの不斉エポキシ化の反応例はある。しかしながら、反応成績が非常に低位であるという問題点がある。
【0010】
また、鎖状グアニジン−チオウレア官能基複合型不斉有機分子触媒が開示されている。しかしながら、この触媒は不斉ニトロアルドール反応(Henry反応)に好適であるが、エポキシ化には不向きであるという問題点がある。
【0011】
そのため、このような課題を解決する、新規な有機分子触媒の開発が望まれている。
また、この有機分子触媒を用いる、エポキシケトンの新規な製造方法の開発が望まれている。
【0012】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、新規な有機分子触媒を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記有機分子触媒を用いる、エポキシケトンの新規な製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の有機分子触媒は、不飽和ケトンからエポキシケトンを生成するために使用され、化1で表わされる。
【0014】
ここで、限定されるわけではないが、不飽和ケトンは化2で表わされるものが好ましい。また、限定されるわけではないが、エポキシケトンは化3で表わされるものが好ましい。
【0015】
本発明のエポキシケトンの製造方法は、化4で表わされる有機分子触媒を用い、不飽和ケトンからエポキシケトンを生成する方法である。
【0016】
ここで、限定されるわけではないが、不飽和ケトンは化5で表わされるものが好ましい。また、限定されるわけではないが、エポキシケトンは化6で表わされるものが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
【0018】
本発明の有機分子触媒は、不飽和ケトンからエポキシケトンを生成するために使用され、化1で表わされるので、新規な有機分子触媒を提供することができる。
【0019】
本発明のエポキシケトンの製造方法は、化4で表わされる有機分子触媒を用い、不飽和ケトンからエポキシケトンを生成するので、エポキシケトンの新規な製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、有機分子触媒、およびエポキシケトンの製造方法にかかる発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0021】
有機分子触媒ついて説明する。
【0022】
有機分子触媒は、不飽和ケトンからエポキシケトンを生成するために使用する、化1で表わされるものである。
【化1】

ここで
R1:Bn,i-Pr,Me,t-Bu,またはPh
R2,R3: R2,R3は別個独立にC1〜C18の飽和アルキル基、またはR2,R3は互いに結合してC4〜C6の環状化合物を形成
X:F,Cl,Br,I,OH,BF4,またはBPh4
Y1〜Y5:別個独立にH,F,CF3,OH,OMe,C1〜C4のアルキル基
【0023】
不飽和ケトンは化2で表わされるものが好ましい。
【化2】

ここで
R1,R2: 別個独立に芳香族系化合物、飽和アルキル基、または飽和環状アルキル基
【0024】
エポキシケトンは化3で表わされるものが好ましい。
【化3】

ここで
R1,R2: 別個独立に芳香族系化合物、飽和アルキル基、または飽和環状アルキル基
【0025】
なお、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0026】
つぎに、エポキシケトンの製造方法について説明する。
【0027】
エポキシケトンの製造方法は、化4で表わされる有機分子触媒を用い、過酸化水素を酸化剤としてアルカリの存在下で、不飽和ケトンからエポキシケトンを生成する方法である。
【化4】

ここで
R1:Bn,i-Pr,Me,t-Bu,またはPh
R2,R3: R2,R3は別個独立にC1〜C18の飽和アルキル基、またはR2,R3は互いに結合してC4〜C6の環状化合物を形成
X:F,Cl,Br,I,OH,BF4,またはBPh4
Y1〜Y5:別個独立にH,F,CF3,OH,OMe,C1〜C4のアルキル基
【0028】
不飽和ケトンは化5で表わされるものが好ましい。
【化5】

ここで
R1,R2: 別個独立に芳香族系化合物、飽和アルキル基、または飽和環状アルキル基
【0029】
エポキシケトンは化6で表わされるものが好ましい。
【化6】

ここで
R1,R2: 別個独立に芳香族系化合物、飽和アルキル基、または飽和環状アルキル基
【0030】
アルカリとしては、NaOH,KOH, LiOH, CsOH, Ca(OH)2, Ba(OH)2, Sr(OH)2などを採用することができる。
【0031】
溶媒としては、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシドなどを採用することができる。
【0032】
α,β不飽和ケトンに対する触媒の比率は1〜30 mol%の範囲内にあることが好ましい。比率が1 mol%以上であると、反応収率が向上するという利点がある。比率が30 mol%以下であると、反応の不斉選択性が向上するという利点がある。
【0033】
過酸化水素は、α,β不飽和ケトンの1〜10等量の範囲内にあることが好ましい。過酸化水素が1等量以上であると、反応速度が速く収率が良いという利点がある。過酸化水素が10等量以下であると、反応の選択性が向上するという利点がある。
【0034】
アルカリ水溶液の濃度は0.05〜5 Mの範囲内にあることが好ましい。濃度が0.05 M以上であると、反応速度が速く収率が良いという利点がある。濃度が5 M以下であると、反応の選択性が向上するという利点がある。
【0035】
アルカリ水溶液に対する溶媒の容積比は1〜19の範囲内にあることが好ましい。容積比が1 以上であると、不斉収率が向上するという利点がある。容積比が19以下であると、反応速度が速く収率が良いという利点がある。
【0036】
反応温度は-50〜20℃の範囲内にあることが好ましい。反応温度が-50 ℃以上であると、反応の効率性が上昇するという利点がある。反応温度が20 ℃以下であると、不斉収率が向上するという利点がある。
【0037】
反応時間は1〜220時間の範囲内にあることが好ましい。反応時間が1時間以上であると、反応効率が高いという利点がある。反応時間が220時間以下であると、反応収率が高いという利点がある。
【0038】
なお、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【実施例】
【0039】
つぎに、本発明にかかる実施例について具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではないことはもちろんである。
【0040】
グアニジン−ウレア官能基複合型有機分子触媒の合成について説明する。グアニジン官能基とウレア官能基を介するキラルスペーサー部位は、天然型アミノ酸の側鎖部位の立体化学を反映させることにした。キラルスペーサーにベンジル基を有する触媒1a-cは、L-フェニルアラニンを出発原料として合成した。その合成スキームを示す(化7)。
【0041】
【化7】

【0042】
L-フェニルアラニンメチルエステル2aのアミノ基をBoc基で保護し、ついでメチルエステル部位を水素化リチウムアルミニウムによって還元し、アルコール体3aを三段階96%の収率で得た。得られた3aの水酸基を活性化した後、アジ化ナトリウムを作用させ、アジド体4aを二段階75%で得ることができた。さらにアジド基をパラジウム/炭素触媒存在下、水素添加反応によりアミノ基へと変換し、ついで二硫化炭素を作用させることにより二量化反応が進行し、チオウレア体5aを収率よく得ることができた。さらに続くグアニジンの導入反応において、オクタデシルアミンを用いることで、疎水性の長鎖アルキル鎖を有するグアニジン体6aを合成した。最後に、酸性条件下でBoc基を除去し、フェニルイソシアネートを作用させることで、1aを効率よく合成することができた。
【0043】
また、ウレア官能基に隣接する芳香環上に電子吸引基を導入することにより、ウレアの窒素原子に結合しているプロトンの酸性度の向上が期待でき、反応系中での過酸化水素の認識能が向上するものと予測できる。そこで、芳香環の3, 5位に電子吸引基であるトリフルオロメチル基やフルオロ基を導入することとした。すなわち、6aのBoc基を除去した後、3, 5-ビストリフルオロメチルフェニルイソシアネートまたは3, 5-ジフルオロフェニルイソシアネートを作用させることにより、芳香環上に電子吸引基を有する1b-cをそれぞれ効率よく合成することができた。
【0044】
また、同様の手法により、L-バリンを出発原料として用いることで、キラルスペーサー部位がイソプロピル基である1dの合成も行った。
【0045】
また、同様の手法により、L-アラニンを出発原料として用いることで、キラルスペーサー部位がメチル基である1eの合成も行った。
【0046】
なお、これらの触媒1a-eは入手が容易かつ安価な天然型アミノ酸を原料としているため、大量合成することが可能であり、いずれも化学的に安定な固体として得ることができる(化8)。
【0047】
【化8】

【0048】
触媒1bの合成方法について具体的に説明する。
【0049】
【化9】

【0050】
窒素雰囲気下、100 mLナス型フラスコにメタノール20 mLを入れ、氷水冷却し、塩化チオニル 2.2 mL (30.3 mmol)をゆっくり加えていく。塩化チオニルを加え終わったら、10分間撹拌し、フェニルアラニンを1 g (6.06 mmol)ゆっくり加え、撹拌する。室温に戻し、12時間撹拌する。溶媒を溜去し、出てきた結晶を少量のメタノールに溶かし、ジエチルエーテルにより再結晶した。得られた結晶を、窒素雰囲気下100 mLナス型フラスコに加え、1,4-ジオキサン20 mLを入れ、(Boc)2O 1.46 g (6.42 mmol)を加える。溶媒が十分冷えたら、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20 mLをゆっくり加え2 h撹拌する。飽和塩化アンモニウム水溶液を少量加えて酢酸エチルで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を溜去し、得られた油状生成物をシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:0,10:1,3:1)に付し、無色油状物質を得た。この液体を300mLナス型フラスコに入れ、窒素雰囲気下、脱水THF 30 mLを入れ、氷水冷却する。溶媒が十分冷えたら、LiAlH4 を0.28g(7.32mmol)ゆっくり加える。10分間撹拌した後、室温条件に戻し一時間撹拌する。再び氷水冷却し、水 (LiAlH4 1 gに対して1 mL)、15%NaOH (LiAlH4 1 gに対して1 mL)、水 (LiAlH4 1 gに対して3 mL)、硫酸マグネシウムを順次加える。不要物をセライトろ過した後、溶媒を溜去し得られた結晶をシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1,5:1,3:1)に付し、白色結晶3aを1.34 g、3段階88 %で得られた。
【0051】
H-NMR (CDCl3, 400Hz): δ 7.33-7.16 (m, 5H), 4.73 (br, 1H), 3.86 (br, 1H), 3.68 (m, 1H), 3.55 (m, 1H), 2.84 (m, 2H), 1.90 (br, 1H), 1.41 (9H, s).
【0052】
【化10】

【0053】
窒素雰囲気下、100 mLナス型フラスコに3aを1.34 g(5.34 mmol)入れてから、脱水ジクロロメタン20 mL、トリエチルアミン1.5 mL (10.68 mmol)を加えて氷水冷却し、メシルクロライド0.62 mL(8.01 mmol)を加えて1 h撹拌する。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてジクロロメタンで抽出し、MgSO4で乾燥した後、溶媒を溜去し、褐色結晶が得られた。得られた結晶を100 mLナス型フラスコに入れ、窒素雰囲気下、脱水DMF 20 mL、アジ化ナトリウム1.74 gを加えて、70℃、1時間半撹拌する。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢酸エチルで抽出し、MgSO4で乾燥し、溶媒を溜去する。得られた褐色油状生成物をシリカカラムクロマトグラフィー(へキサン:酢酸エチル=10 : 1)に付し、白色結晶4aを929 mg、2段階63 %で得られた。
【0054】
H-NMR (CD3Cl, 300Hz): δ 7.33-7.18 (m, 5H), 4.64 (br, 1H), 3.96 (br, 1H), 3.41 (dd, J = 4.0, 12.2 Hz, 1H), 3.30 (dd, J = 4.2, 12.1 Hz, 1H), 2.87 (dd, J = 6.0, 13.5 Hz, 1H), 2.77 (dd, J = 8.0, 13.5 Hz, 1H), 1.42 (s, 9H)
【0055】
【化11】

【0056】
100 mLナス型フラスコに4aを0.47 g (1.704 mmol)入れてからメタノール17 mL、10% Pd / Cを触媒量加えて、水素雰囲気下にし、1 h撹拌する。不要物をセライトろ過した後、溶媒を溜去する。得られた褐色の油状生成物を窒素雰囲気下、50mLナス型フラスコに入れて、脱水エタノール7.5 mL、二硫化炭素0.10 mL(1.70 mmol)を加えて、70℃で12時間撹拌する。溶媒を溜去し、シリカカラムクロマトグラフィー(へキサン:酢酸エチル=5 : 1,2 : 1)に付し、褐色結晶5aを0.32 g、2段階71%で得られた。
【0057】
H-NMR (CD3OD, 300Hz): δ 7.27-7.13 (m, 10H), 3.90 (br, 2H), 3.80-3.48 (br, 4H), 2.81 (dd, J = 5.5, 13.5Hz, 2H), 2.70 (dd, J = 8.2, 13.5Hz, 2H), 1.34 (s, 18H).
【0058】
【化12】

【0059】
窒素雰囲気下、50 mLナス型フラスコに5aを0.33 g (0.608 mmoL)入れ、脱水DMF 5 mL、n-オクタデシルアミン(1.5 eq)、トリエチルアミン(3 eq)、塩化水銀(1.5 eq)、を順次加えて70℃で12時間撹拌する。不要物をセライトろ過し、酢酸エチルを加え、有機層を水、飽和食塩水の順に洗浄する。硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を溜去した後、シリカカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=1:0,50:1,9:1)に付し、溶媒を溜去し、6aを0.45 g 、93%で得られた。
【0060】
H-NMR (CD3OD, 300Hz): δ 7.32-7.17 (m, 10H), 3.90 (br, 2H), 3.40-3.20 (br, 4H), 3.14 (t, J = 7.34 Hz, 2H), 2.91 (dd, J = 4.22, 13.8 Hz, 2H), 2.72 (dd, J = 10.3, 13.4 Hz, 9H), 1.63 (m, 2H), 1.36 (s, 30H), 1.27 (s, 18Hz), 0.89 (t, J = 6.97 Hz, 3H).
【0061】
【化13】

【0062】
50 mLナス型フラスコに6aを641.6 mg (0.7876 mmoL)入れ、ジクロロメタン4 mLを加えて氷水冷却する。トリフルオロ酢酸4 mLを徐々に加えていき、室温に戻したのち1 h撹拌する。溶媒をトルエンと共沸し、褐色油状物質が得られた。窒素雰囲気下、得られた油状生成物を入れ、脱水THF 8 mL、3, 5-ビストリフルオロメチルフェニルイソシアネート0.681 mL(3.938 mmoL)を加えて、室温で12 h撹拌する。溶媒を溜去し、シリカカラムクロマトグラフィー(へキサン:酢酸エチル=5:1,2:1,0:1,クロロホルム:メタノール=9:1)に付し、白色結晶を得た。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出する。硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を溜去した後、白色結晶1bを846.2 mg、3段階96%の収率で得られた。
【0063】
H-NMR (CD3OD, 300Hz): δ 7.94 (s, 4H), 7.45 (s, 2H), 7.30-7.15 (m, 10H), 4.14 (br s, 2H), 3.41 (d, J = 5.32 Hz, 4H), 3.18 (t, J = 7.34 Hz, 2H), 3.07 (dd, J = 4.04, 13.9 Hz, 2H), 2.80 (dd, J = 9.54, 13.9 Hz, 2H), 1.62 (m, 2H), 1.40-1.12 (m, 30H), 0.88(t, J = 6.42Hz, 3H)
【0064】
反応溶媒の影響について説明する。合成したグアニジン−ウレア官能基複合型有機分子触媒1a-dは、グアニジン官能基が相間移動触媒としての機能と基質のカルボニル基の活性化をし、また、不斉空間にあるウレア官能基が水層に存在する過酸化水素(ペルオキシアニオン)の認識をし、両官能基の協調効果により不斉反応を誘起することが期待できる。そこで本触媒1a-dを用いるカルコン(7a)の不斉エポキシ化反応について検討することとした(表1)。
【0065】
【表1】

【0066】
すなわち、基質カルコン(7a)に対して触媒量(5 mol%)の1a-dを用い、5等量の過酸化水素となる分量を30%濃度の水溶液で加え、トルエンと100 mM水酸化ナトリウム水溶液の体積比1 : 1の二相系条件下において、不斉エポキシ化反応について検討した。その結果、1a-dを触媒として用いた場合、いずれにおいてもエポキシケトン8aがほぼ定量的に得られてくることが分かった。しかしながら、不斉収率に関しては、ウレア官能基に隣接する芳香環の3, 5位にトリフルオロメチル基を有する1bを触媒として用いた場合、78% eeと最も高い不斉収率で2R, 3Sの立体化学を有するエポキシケトン8aが得られてくることが分かった(表1. Entry 2)。一方で、1cを触媒として用いた場合、44% eeと中程度の不斉収率まで低下し、芳香環上の置換基を有しない1aに関しては15% eeまで不斉収率が低下した(表1. Entries 1-3)。
【0067】
以上のことから、ウレア官能基に隣接する芳香環上の置換基は、不斉誘起に大きく関わっていることが示唆された。しかしながら、1dは3, 5-ビストリフルオロメチルフェニル基をウレア官能基の隣に有していながら、不斉収率は24% eeと大きく低下している(表1. Entry 4)。ウレア官能基に隣接する芳香環上の置換基だけでなく、キラルスペーサー部位のアミノ酸由来の置換基も高い不斉誘起には必要な因子の一つであるということも考えられる。また、3, 5-ジフルオロフェニル基をもつ1cは3, 5-ビストリフルオロメチルフェニル基をもつ1bよりもウレアの窒素原子に結合しているプロトンの酸性度が高いことが予想され、反応系中での過酸化水素の認識能が向上することが考えられる。しかしながら実験結果は予想に反し、1cは収率、不斉収率共に1bよりも低下している(表1. Entries 2-3)。このことからもウレア官能基の環境は本エポキシ化反応の不斉誘起において重要な因子の一つであることが考えられる。また、ウレア官能基の電子的な影響というよりはむしろ、立体的な嵩高さが不斉誘起に関与しているという可能性も考えられる。よってウレア官能基に隣接する芳香環上の様々な位置に電子吸引基、電子供与基や嵩高いアルキル置換基などを導入することでウレア官能基の影響が解明できると考えられる。
【0068】
さらに上記の反応条件で最良の結果が得られた触媒1bに関して、有機溶媒の検討を行った。トルエン、ヘキサン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、THF、メタノールを検討したが、いずれの場合も化学収率には影響を及ぼさなかったが、不斉収率に関しては顕著な違いが現れた(表1. Entries 2, 5-9)。すなわち、極性の高いプロトン性溶媒であるメタノールや水への溶解性が高いTHFでは、反応系が一相系となり、それに伴って不斉収率の大きな低下も確認された。一方で、ヘキサンやジクロロメタンといった比較的極性の低い溶媒に関しては中程度の不斉収率を維持したが、トルエンを用いた場合よりは低下した。これは、触媒1bがエポキシ化反応において高い不斉を誘起するには、有機溶媒と水層からなる二相系条件を必要とし、かつ、ヘキサンやジクロロメタンといった脂肪族アルカンや含ハロゲン溶媒よりは、芳香族性のトルエンを溶媒として用いる方が、触媒1bの相間移動触媒としての機能を十分に発揮するのに相性の良い溶媒であることが言える。
【0069】
不斉エポキシ化反応の条件検討について説明する。表1の結果から、反応系中の水の影響を考え、トルエンと水酸化ナトリウム水溶液の体積比を検討することとした。また、水酸化ナトリウムの濃度や温度に関しても検討を行った。
【0070】
【表2】

【0071】
まず、トルエンと100 mM水酸化ナトリウム水溶液の体積比を9 : 1とトルエンの割合を高くし、水の割合を低くしたところ、88% eeまで不斉収率が向上した(表2. Entry 2)。そこで、トルエンと1 Mとした水酸化ナトリウム水溶液の体積比を19 : 1まで上げたところ、不斉収率が90% eeに向上することが分かった(表2. Entry 3)。さらに同条件で反応温度を-10℃に下げたところ、反応時間は長くなったが不斉収率は94% eeで2R, 3Sのエポキシケトン8aが得られることを見出した(Table 3. Entry 4)。また、反応温度を-30℃にしたところ反応速度が低下し、それ以上の不斉収率の向上は見られなかった(表2. Entry 5)。
【0072】
基質一般性の適用について説明する。前項で見出した0℃における最適化した条件「触媒量(5 mol%)の1b存在下、過酸化水素水由来の5等量の過酸化水素、トルエンと1 M水酸化ナトリウム水溶液の体積比19 : 1の二相系溶媒」において、基質一般性、特にカルコン誘導体についての検討を行った。
【0073】
【化14】

【0074】
その結果、触媒1bはこれらのカルコン誘導体7a-hに関してもほぼ定量的に反応が進行し、70-93% eeという高い不斉収率でエポキシケトン8a-hを得ることができた。なお、7c(4-ニトロカルコン)はニトロ基を有しているため、触媒1bのグアニジン官能基と相互作用してしまう可能性が考えられる。その影響によって8cに関しては70% eeとやや不斉収率が低下したとも考えられる。
【0075】
カルコンの不斉エポキシ化反応について具体的に説明する。
【0076】
【化15】

【0077】
室温下、16mm 試験管にカルコン(7a) 20.8mg (0.1 mmol)、触媒1b 5.6mg(0.005 mol)を入れ、脱水トルエン0.5 mLを加え、0℃ にて撹拌し、100 mM水酸化ナトリウム水溶液0.5 mL、30%過酸化水素水を0.051 mL(過酸化水素がカルコンに対して5等量)を順次加え、24時間撹拌した。24時間後、飽和塩化アンモニウム水溶液2mL加えて反応を停止させ、酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を溜去した後、得られた油状物質をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサン / 酢酸エチル = 10 / 1 (v/v)) に付し、エポキシケトン8aを得た。また、不斉収率に関してはHPLCを用いて検出した。
また、カルコン誘導体に関しても同様の手法を用いた。
【0078】
測定機器は、以下のものを利用した。
【0079】
1H-NMR:化学シフト値はδ値(ppm)で表示し、結合定数(J)はHzで表示した。また、分裂型の記号としてs (singlet)、d (doublet)、t (triplet)、m (multiplet)、br (broad)で示した。
【0080】
MASS:JEOL JMS-T100X
【0081】
HPLC:JASCO-880-PU Intelligent HPLC Pump、JASCO-875-UC Intelligent UV/VIS Detector、Sic Chromatocorder 12
【0082】
特に記載しない限り、シリカゲルクロマトグラフィーにはシリカゲル60(球状、Cica-Reagent)を用い、加圧下行った。薄層クロマトグラフィーにはシリカゲルF254 (Merck)を使用した。また、溶媒の溜去は、特に記載しない限り減圧下行った。
【0083】
スペクトルデータ、HPLC分離条件を以下に示す。
【0084】
【化16】

【0085】
H-NMR (400Hz, CDCl3) δ 7.98-8.04 (m, 2H), 7.59-7.66 (m, 1H), 7.49 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.34-7.45 (m, 5H), 4.31 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.08(d, J = 1.8 Hz, 1H)
HPLC-separation conditions: Chiralcel OD-H, 0.46 cm (φ) x 25 cm (L), hexane / IPA = 98 / 2, 1.00 mL/min; tminor = 18.4 min, tmajor = 19.7 min.
【0086】
【化17】

【0087】
H-NMR (400Hz, CDCl3) δ 8.01 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.62 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 7.49 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.24 (dd, J = 7.8, 21 Hz, 4H), 4.30 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.04(d, J = 1.9 Hz, 1H), 2.38 (s, 3H)
HPLC-separation conditions: Chiralcel OD-H, 0.46 cm (φ) x 25 cm (L), hexane / IPA = 90 / 10, 1.00 mL/min; tminor = 8.6 min, tmajor = 9.6 min.
【0088】
【化18】

【0089】
H-NMR (300Hz, CDCl3) δ 8.24-8.30 (m, 2H), 7.97-8.04 (m, 2H), 7.48-7.69 (m, 5H), 4.29 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.21 (d, J = 1.8 Hz, 1H)
HPLC-separation conditions: Chiralpak AD-H, 0.46 cm (φ) x 25 cm (L), hexane / IPA = 90 / 10, 1.00 mL/min; tminor = 43.1 min, tmajor = 62.9 min.
【0090】
【化19】

【0091】
H-NMR (300Hz, CDCl3) δ 7.89 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.64 (d J = 8.6 Hz, 2H), 7.32-7.46 (m, 5H), 4.23 (d, J = 1.7 Hz, 1H), 4.07 (d, J = 1.5 Hz, 1H)
HPLC-separation conditions: Chiralcel OD-H, 0.46 cm (φ) x 25 cm (L), hexane / IPA = 95 / 5, 0.80 mL/min; tminor = 22.2 min, tmajor = 20.5 min.
【0092】
【化20】

【0093】
H-NMR (300Hz, CDCl3) δ 7.97-8.05 (m, 2H), 7.32-7.45 (m, 5H), 6.91-6.99 (m, 2H), 4.26 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 4.07 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 3.88 (s, 3H)
HPLC-separation conditions: Chiralpak AD-H, 0.46 cm (φ) x 25 cm (L), hexane / IPA = 95 / 5, 1.00 mL/min; tminor = 29.9 min, tmajor = 35.2 min.
【0094】
【化21】

【0095】
H-NMR (300Hz, CDCl3) δ 8.00-8.05 (m, 2H), 7.82-7.92 (m, 4H), 7.40-7.66 (m, 6H), 4.41 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.25 (d, J = 1.8 Hz, 1H)
HPLC-separation conditions: Chiralcel OD-H, 0.46 cm (φ) x 25 cm (L), hexane / IPA = 98 / 2, 1.00 mL/min; tminor = 34.9 min, tmajor = 40.6 min.
【0096】
【化22】

【0097】
H-NMR (300Hz, CDCl3) δ 7.82-8.10 (m, 5H), 7.46-7.68 (m, 7H), 4.74 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 4.32 (d, J = 2.0 Hz, 1H)
HPLC-separation conditions: Chiralpak AD-H, 0.46 cm (φ) x 25 cm (L), hexane / IPA = 95 / 5, 1.00 mL/min; tminor = 16.3 min, tmajor = 18.6 min.
【0098】
【化23】

【0099】
99% yield, 90% ee, [a]D24 = -211.0 (c 0.96, CHCl3); 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.00 (d, J = 8.2, Hz, 2H), 7.63 (t, J = 7.8, Hz, 1H), 7.50 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.35 (ddt, J = 29.3, 8.7, 1.7 Hz, 4H), 4.25 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.06 (d, J = 1.8 Hz, 1H), HPLC-separation conditions: Chiralpak AD-H, 0.46 cm (φ) x 25 cm (L), hexane/IPA = 90/10, 0.60 mL/min; tminor = 22.4 min, tmajor = 25.1 min.
【0100】
反応の遷移状態に関する考察について説明する。グアニジン官能基がカルボニル基を認識して活性化することは一般に知られているが、反応系中においてウレア官能基が水素結合による認識は可能性としては考えられるが、それを証明する確かな証拠は今回得られなかった。しかしながら、1bを代表するグアニジン−ウレア官能基複合型有機分子触媒1a-dは、カルコンとその誘導体の不斉エポキシ化反応に関して高い化学収率とエナンチオ選択性を誘起していることから、本触媒反応にはグアニジンとウレア両官能基が反応に関与していると考え、以下のような反応の遷移状態を考察した(化24)。
【0101】
【化24】

【0102】
すなわち、1bは相間移動触媒として機能しているとすると、反応は有機層と水層の界面付近で起こっていると考えられる。そのため、キラルスペーサー部位の疎水性側鎖であるベンジル基は、界面においては有機層側に向き、それと比較して幾分か極性の高いウレア官能基が水層に突き出す格好になると考えられる。その際、不斉空間にあるウレア官能基が水層に存在しているペルオキシアニオンと水素結合により相互作用し、グアニジン官能基により活性化された基質に立体選択的(化24では下面から)に求核攻撃し、立体化学が決定する。このとき、グアニジン官能基とα,β不飽和のカルボニル基は同一平面上で共鳴していると考えられる。そこで、生成したエノラートは、酸素−酸素結合を開裂させることにより(2R, 3S)の立体化学のエポキシケトンが得られると考えられる。また、有機溶媒にトルエンを用いた場合、高い不斉収率が得られたが、これはベンジル基とトルエンとの相互作用により、キラルスペーサー部位のコンフォメーションが安定化されたと考えられる。
【0103】
本発明では、環境に優しい酸化剤として過酸化水素水を用いることで高収率かつ高エナンチオ選択的エポキシ化反応の実現が可能な新規C2対称のグアニジン−ウレア官能基複合型有機分子触媒1を創製し、カルコンとその誘導体について反応の検討を行った。
【0104】
その結果、触媒量の(S, S)型の1bを用いることにより、カルコンとその誘導体に不斉エポキシ化反応で、酸化剤として過酸化水素水を用いることができ、なおかつ高い不斉収率とエナンチオ選択性を実現することができた。
【0105】
また、触媒1はグアニジンとウレアの両官能基の協調効果により高い不斉反応を誘起していると考えられる。そこで本発明から得られた知見を基に、未知領域であるウレア官能基と過酸化水素に着目したBaeyer-Villiger酸化反応の開発が期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不飽和ケトンからエポキシケトンを生成するために使用する、
化1で表わされる
有機分子触媒。
【化1】

ここで
R1:Bn,i-Pr,Me,t-Bu,またはPh
R2,R3: R2,R3は別個独立にC1〜C18の飽和アルキル基、またはR2,R3は互いに結合してC4〜C6の環状化合物を形成
X:F,Cl,Br,I,OH,BF4,またはBPh4
Y1〜Y5:別個独立にH,F,CF3,OH,OMe,C1〜C4のアルキル基
【請求項2】
不飽和ケトンは化2で表わされる
請求項1記載の有機分子触媒。
【化2】

ここで
R1,R2: 別個独立に芳香族系化合物、飽和アルキル基、または飽和環状アルキル基
【請求項3】
エポキシケトンは化3で表わされる
請求項2記載の有機分子触媒。
【化3】

ここで
R1,R2: 別個独立に芳香族系化合物、飽和アルキル基、または飽和環状アルキル基
【請求項4】
化4で表わされる有機分子触媒を用い、
不飽和ケトンからエポキシケトンを生成する
エポキシケトンの製造方法。
【化4】

ここで
R1:Bn,i-Pr,Me,t-Bu,またはPh
R2,R3: R2,R3は別個独立にC1〜C18の飽和アルキル基、またはR2,R3は互いに結合してC4〜C6の環状化合物を形成
X:F,Cl,Br,I,OH,BF4,またはBPh4
Y1〜Y5:別個独立にH,F,CF3,OH,OMe,C1〜C4のアルキル基
【請求項5】
不飽和ケトンは化5で表わされる
請求項4記載のエポキシケトンの製造方法。
【化5】

ここで
R1,R2: 別個独立に芳香族系化合物、飽和アルキル基、または飽和環状アルキル基
【請求項6】
エポキシケトンは化6で表わされる
請求項5記載のエポキシケトンの製造方法。
【化6】

ここで
R1,R2: 別個独立に芳香族系化合物、飽和アルキル基、または飽和環状アルキル基

【公開番号】特開2009−285556(P2009−285556A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−139907(P2008−139907)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成20年3月12日 社団法人日本化学会主催の「日本化学会第88春季年会(2008)」に発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成20年5月9日 第55回有機合成化学協会関東支部シンポジウム(野田シンポジウム)実行委員会発行の「第55回有機合成化学協会関東支部シンポジウム(野田シンポジウム)講演要旨集」に発表
【出願人】(504132881)国立大学法人東京農工大学 (595)
【Fターム(参考)】