説明

有機化合物

スピロアルキル−および−アルケニルケトンならびにそれらのエステル混合物、それらの製造方法ならびにそれらを含むフレグランス組成物を記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダマスコン様の香調(odour notes)を有する、新規なクラスのスピロアルキル−および−アルケニルケトンならびにそれらのエステル、ならびに匂い物質(odorants)としての使用に関する。この発明は、さらにそれらの製造法およびそれらを含むフレグランス組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
フレグランス産業において、香調を、強化、改質または改善する新規化合物への絶え間ない要求がある。ローズケトンとしても知られるダマスコンは、香料(perfume)成分の重要なクラスを構成している。それらはドライフルーツを想起させる、特有のフローラル(ローズ様)−フルーティーなノートを呈する。このように、ダマスコン様の香調を有する新規化合物を見出すための絶え間ない欲求がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、その側面の1つにおいて、式(I)
【化1】

式中、
nは、1、2、3または4であり;
mは、0または1であり;
は、C〜Cアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ)、C〜Cシクロアルキルオキシ(例えば、シクロプロピルオキシ、メチルシクロプロピルオキシ)、C〜Cアルケンオキシ(例えば、アリルオキシ)、C〜Cアルキル(例えば、ブチル、ペンチル)、C〜Cアルケニル(例えば、プロパ−1−エニル、プロパ−2−エニル、メチルプロペニル)、シクロプロピル、2−メチルシクロプロピル、1−メチルシクロプロピルおよびシクロプロピルメチルオキシから選択され;
は、水素、メチル、エチル、メチレンおよびエチリデンから選択され;
環Aは、飽和または、二重結合を1個(すなわち、C−1およびC−2間、C−2およびC−3間、C−3およびC−4間、またはC−4およびC−5間)、または2個(C−1およびC−2間ならびにC−3およびC−4間、C−1およびC−2間ならびにC−4およびC−5間、またはC−2およびC−3間ならびにC−4およびC−5間)含む不飽和であって;および
環Bは、飽和または、二重結合を1個または2個含む不飽和である、
で表される化合物のフレグランスとしての使用に関する。
本発明の化合物はいくつかのキラル中心を含むため、立体異性体の混合物として存在してもよく、または、異性体的に純粋な形に分割されてもよい。立体異性体の分割は、この化合物の製造および精製の複雑さを高めることから、単に経済的理由から化合物をその立体異性体混合物として使用することが好ましい。しかしながら、個々の立体異性体を調製することを望む場合、これは当該技術分野で既知の方法、例えば、分取HPLCおよびGC、結晶化、または立体選択的な合成を適用することによって達成され得る。
【0004】
非限定的な例として、式中、mが1であり、nが1または3であり、R2がメチルである式(I)の当該化合物が挙げられる。
さらに、非限定的例として、式中、mが1であり、nが1であり、Rがプロパ−1−エニルであり、Rが水素もしくはメチルである式(I)の化合物、または、mが1であり、nが1であり、Rがメトキシもしくはエトキシであり、Rがメチルもしくはメチレンである式(I)の化合物が挙げられる。
【0005】
特定の態様において、式(I)の化合物は、
(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(例1)、
メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート(例2)、
エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート(例3)、
アリル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート(例4)、
メチル7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート(例5)、
エチル7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート(例6)、
1−(7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタン−1−オン(例7)、
1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタン−1−オン(例8)、
(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(例9)、
(E)−1−(スピロ[4.5]デカ−6−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(例10)、
(E)−1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−6−エン−4−イル)ブタ−2−エン−1−オン(例11、12)、
(E)−1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−5−エン−4−イル)ブタ−2−エン−1−オン(例13)、
エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(例14および18)、
(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(例15)、
(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(例15)、
エチル7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート(例16)、
エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−カルボキシレート(例16および22)、
エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−カルボキシレート(例16)、
(2−メチルシクロプロピル)(7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)メタノン(例17)、
メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(例25)、
メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−カルボキシレート(例26)、
エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−カルボキシレート(例27)、
(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、
メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレート、
エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレート(例19)、
(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(例21)、
(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(例31)、
(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(例33)、
(E)−1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(例32)、
メチル2−メチルスピロ[4.4]ノナ−1−エン−1−カルボキシレート、
エチル2−メチルスピロ[4.4]ノナ−1−エン−1−カルボキシレート、
(E)−1−(2−メチルスピロ[4.4]ノナ−1−エン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン、
メチル2−メチルスピロ[4.4]ノナ−2−エン−1−カルボキシレート、
エチル2−メチルスピロ[4.4]ノナ−2−エン−1−カルボキシレート、
(E)−1−(2−メチルスピロ[4.4]ノナ−2−エン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン、
シクロプロピル(7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)メタノン、
(2−メチルシクロプロピル)(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)メタノン、
シクロプロピル(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)メタノン、
メチル7−エチリデンスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート、
エチル7−エチリデンスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート、
(2E)−1−(7−エチリデンスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、
メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレート(例20)、
メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−カルボキシレート(例23)、
メチル7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート(例24)、
エチル7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート(例28)、
メチル7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート(例29)、
(E)−1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(例30)、
(E)−1−(スピロ[4.5]デカ−2,6−ジエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(例34)、
(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−2,6−ジエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、
(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−2,7−ジエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、
(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−2,8−ジエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、
(E)−1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカ−2−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、および
(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−2,6,8−トリエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
から選択される。
【0006】
本発明による化合物は、単独で、または、現在利用可能な広範な天然および合成分子から選択される既知の匂い分子、例えば、エッセンシャルオイルおよび抽出物、アルコール、アルデヒドおよびケトン、エーテルおよびアセタール、エステルおよびラクトン、大員環および複素環、ならびに/または、フレグランス組成物において、匂い物質とともに慣用的に用いられる1種または2種以上の成分もしくは賦形剤、例えば、キャリア材料、および当該技術分野において一般的に用いられる他の助剤、例えば、ジプロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピルおよびミリスチン酸トリエチルなどの溶媒と混合して用いてもよい。
【0007】
以下のリストは、本発明の化合物と組み合わせてもよい、既知の匂い分子(odorant molecules)の例を含む:
−エッセンシャルオイルおよび抽出物、例えば、オークモスアブソリュート、バジルオイル、ベルガモットオイルおよびマンダリンオイルなどのトロピカルフルーツオイル、マスティックアブソリュート、マートルオイル、パルマローザオイル、パチョリオイル、プチグレンオイル、ワームウッドオイル、ラベンダーオイル、ローズオイル、ジャスミンオイル、イランイランオイルおよびサンダルウッドオイル。
−アルコール、例えば、cis−3−ヘキセノール、桂皮アルコール、シトロネロール、エバノール(Ebanol)(登録商標)、オイゲノール、ファルネソール、ゲラニオール、メントール、ネロール、ロジノール(rhodinol)、スーパーミュゲ(Super Muguet)(登録商標)、リナロール、フェニルエチルアルコール、サンダロール(Sandalore)(登録商標)、テルピネオールおよびチンベロール(Timberol)(登録商標)(1−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン−3−オール)。
−アルデヒドおよびケトン、例えば、シトラール、ヒドロキシシトロネラール、リリアル(Lilial)(登録商標)、メチルノニルアセトアルデヒド、アニスアルデヒド、アリルイオノン、ベルベノン、ヌートカトン、ゲラニルアセトン、アルファ−アミルシンナミックアルデヒド、ジョージーウッド(Georgywood)(登録商標)、ヒドロキシシトロネラール、イソEスーパー(Iso E Super)(登録商標)、イソラルデイン(Isoraldeine)(登録商標)(メチルイオノン)、ヘディオン(Hedione)(登録商標)、マルトール、メチルセドリルケトンおよびバニリン。
−エーテルおよびアセタール、例えば、アンブロックス(Ambrox)(登録商標)、ゲラニルメチルエーテル、ローズオキサイドまたはスピランブレン(Spirambrene)(登録商標)。
−エステルおよびラクトン、例えば、ベンジルアセテート、セドリルアセテート、ガンマ−デカラクトン、ヘルベトリド(Helvetlide)(登録商標)、ガンマ−ウンデカラクトン、ベチベニルアセテート(vetivenyl acetate)、シンナミルプロピオネート、シトロネリルアセテート、デシルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、エチルアセトアセテート、エチルアセチルアセテート、cis−3−ヘキセニルイソブチレート、リナリルアセテートおよびゲラニルアセテート。
−大員環、例えば、アンブレットリド、エチレンブラシレートまたはエキサルトリド(登録商標)。
−複素環、例えば、イソブチルキノリン。
【0008】
本発明の化合物は、広範囲なフレグランス用品(fragrance applications)、例えば、香水、家庭用品、ランドリー製品、ボディーケア製品および化粧品などの、洗練され、機能的な香料の任意の分野において用いることができる。この化合物は、具体的な用途および他の匂い成分の任意の分野において用いることができる。割合は、典型的には、用品の0.0001〜2重量パーセントである。一態様において、本発明の化合物は、柔軟剤において0.0001〜0.005重量パーセントの量で用いることができる。別の態様において、本発明の化合物は、アルコール溶液に0.01〜3重量パーセント、より好ましくは、0.5〜2重量パーセントの量で用いることができる。しかしながら、熟練した香水製造者は、より低いまたは高い濃度、例えば、フレグランス組成物に基づいて、約20重量パーセントまでの濃度で効果を達成することもでき、または、新規の調和(accord)を創出することができるため、これらの値は例示として提供しているに過ぎない。
【0009】
本発明の化合物は、単にフレグランス組成物とフレグランス用品とを直接混合することによりフレグランス用品に用いてもよく、および/または、これらを、より初期の段階で、封入材料、例えば、ポリマー、カプセル、マイクロカプセルおよびナノカプセル、リポソーム、フィルム形成剤、炭素もしくはゼオライトなどの吸収剤、環状オリゴ糖およびこれらの混合物により封入するか、および/または、これらを、外的刺激、例えば、光、酵素などの適用によりフレグランス分子を放出するよう適合した基体(substrate)に化学的に結合してから、用品と混合してもよい。
【0010】
したがって、本発明はさらに、これらから得られるフレグランス用品および消費者製品(consumer product)を製造する方法を提供する。本方法は、慣用の技術および方法を用いて、当該化合物を用品に直接混合することにより、または、式(I)の化合物またはその前駆体を含むフレグランス組成物を混合し、これを次にフレグランス用品に混合することにより、これらに式(I)の化合物をフレグランス成分として組み入れることを含む。本発明の化合物を、嗅覚的に許容し得る量で添加することにより、フレグランス用品の香調は、改善、増強または改変される。
【0011】
「前駆体」は、特に、1級アミン、2級アミン、スルフヒドリル(sulfhydril)(チオール)、ヒドロキシおよびカルボキシからなる群から選択される、少なくとも1個の官能基を含む化合物と式(I)の化合物の反応生成物を意味し、式中、式(I)の化合物の、少なくとも1個の炭素原子、ならびに、N、SおよびOからなる群から選択される、少なくとも1個の官能基を含む該化合物の、少なくとも1個のヘテロ原子間で共有結合が形成される。
さらなる側面において、本発明は、嗅覚的に許容し得る量の式(I)の化合物またはその混合物をフレグランス用品に添加することにより、該フレグランス用品を、改善、増強、または改変するための方法を提供する。
【0012】
本発明はまた、
a)匂い物質として、式(I)の化合物およびその混合物、および
b)消費者製品基材(base)
を含むフレグランス用品を提供する。
ここで用いる場合、「フレグランス用品」とは、例えば、高級香料、例えば、オードパルファンおよびオードトワレなど、家庭用品、例えば、食洗器用洗剤、表面クリーナー、エアフレッシュナーなど、ランドリー製品、例えば、柔軟剤、漂白剤、洗剤など、ボディーケア製品、例えば、アフターシェーブローション、シャンプー、シャワー用ジェル、シャワーおよびバスソルト、衛生製品など、化粧品、例えば、デオドラント、バニシングクリーム(vanishing creams)などの、匂い物質を含む任意の製品を意味する。この製品リストは例示として提供するものであり、いかなる意味においても限定的ではない。
【0013】
ここで用いる場合、「消費者製品基材」とは、クリーニング、軟化、および仕上げまたはそれらの類似などの、特定の作用を満たす、消費者製品としての使用のための組成物を意味する。そのような製品の例は、洗濯ケア洗剤、洗い流しコンディショナー、パーソナル洗浄組成物などの、衣類の仕上げおよびパーソナルケア製品を含む。その組成物は、界面活性剤、ポリマー、賦形剤、ならびに染料および溶剤などの助剤などの、種々の活性成分を含んでもよい。
式(I)の化合物のほとんどは、初めて上記に記載され、それ故、それ自体が新規である。
【0014】
したがって、本発明は、さらなる側面において、式(I)
【化2】

式中、
nは、1、2、3または4であり;
mは、0または1であり;
は、C〜Cアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ)、C〜Cシクロアルキルオキシ(例えば、シクロプロピルオキシ、メチルシクロプロピルオキシ)、C〜Cアルケンオキシ(例えば、アリルオキシ)、C〜Cアルキル(例えば、ブチル、ペンチル)、C〜Cアルケニル(例えば、プロパ−1−エニル、プロパ−2−エニル、メチルプロペニル)、シクロプロピル、2−メチルシクロプロピル、1−メチルシクロプロピル、およびシクロプロピルメチルオキシから選択され;
は、水素、メチル、エチル、メチレン、およびエチリデンから選択され;
環Aは、飽和または、二重結合を1個(すなわち、C−1およびC−2間、C−2およびC−3間、C−3およびC−4間またはC−4およびC−5間)、または2個(C−1およびC−2間ならびにC−3およびC−4間、C−1およびC−2間ならびにC−4およびC−5間、またはC−2およびC−3間ならびにC−4およびC−5間)含む不飽和であり;
環Bは、飽和または、二重結合を1個または2個含む不飽和である、
で表される化合物
(但し、式(I)の化合物であって、式中、
m=0、n=4、R=エトキシ、R=水素であり、ならびに環AがC−3およびC−4間に二重結合を1個含むもの(すなわち、エチルスピロ[4.5]デカ−3−エン−1−カルボキシレート);
m=0、n=1、R=エトキシ、R=水素であり、ならびに環AがC−1およびC−2間ならびにC−3およびC−4間に二重結合を含むもの(すなわち、エチルスピロ[2.4]ヘプタ−4,6−ジエン−4−カルボキシレート);
m=0、n=1、R=メトキシ、R=水素であり、ならびに環AがC−1およびC−2間ならびにC−3およびC−4間に二重結合を含むもの(すなわち、メチルスピロ[2.4]ヘプタ−4,6−ジエン−4−カルボキシレート);
m=0、n=3、R=メトキシ、R=水素、ならびに環Aが飽和であるもの(すなわち、メチルスピロ[4.4]ノナン−1−カルボキシレート);
m=1、n=3、R=tert−ブトキシ、R=水素、ならびに環Aが飽和であるもの(すなわち、tert−ブチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート);
m=1、n=4、R=メトキシ、R=水素であり、ならびに環AがC−4およびC−5間に二重結合を含むもの(すなわち、メチルスピロ[5.5]ウンデカ−4−エン−1−カルボキシレート)
を除く)
に関する。
【0015】
式(I)の化合物は、スピロオレフィンからアシル化(コンダコフ反応)、または、対応する三級のアルキノールを経由したループ転位の、または、シアン化物付加に続く水脱離の、どちらか一方による、対応するスピロアルカノンから入手可能であり、詳細な変換をスキーム1に示す。
【0016】
【化3】

【0017】
さらに具体的には、式中、mが1である、式(I)の化合物は、スキーム2、a)に示したように、シクロアルキリデニルオレフィンの酸触媒環化反応により調製されてもよい。
代替的に、マロン酸誘導体とのアルキリデノンの環化縮合反応は、スキーム2、b)に記載したように、式(I)に記載の化合物、およびそれらの一部の二重結合異性体、およびさらに多くの不飽和類似体の調製を可能にする。
任意に、式中、mが1である式(I)の化合物は、得られた化合物の加水分解へ続く、ジエンの存在下における求ジエン体として、適切なアルキリデノンまたは、5−シクロアルキリデン−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオンを使用して、スキーム2、c)に示したように調製することもできる。
さらに、環状ベータ−ケトエステルもまた、式中、mが1である式(I)の化合物合成のための出発物質である(スキーム3参照)。
スピロアルキルケトンおよびエステル、すなわち、式中、環Aが飽和である式(I)の化合物は、当業者に既知の条件下において、対応するスピロアルケニルケトンおよびエステルの水素化により入手可能である。
【0018】
【化4】

【0019】
【化5】

【0020】
本発明のさらなる側面は、酸性または塩基性条件下で、式(II)、
【化6】

式中、
n、m、RおよびRは上の式(I)に与えられたように、同一の意味であり;
環Aは、飽和または、二重結合を1個(すなわち、C−1およびC−2間、C−2およびC−3間、C−3およびC−4間、またはC−4およびC−5間)含む不飽和であり;
環Bは、二重結合を1個または2個含み;および
Xは、R’’が水素、C〜C12アルキル、またはC〜C12アルケニルである−OR’’であり、R’’’がCからC12アルキルである−O−C(O)R’’’であって、または、RIVがCからC12アルキルである−O−COIV、から選択され、およびXはC−2、C−3またはC−4に結合している;
で表される化合物からのHXの脱離を含む、式(I)の化合物の調製に関する。
【0021】
好ましくは、式(II)の化合物は、Xが、C−2またはC−4に結合したOHであって、環Aが飽和であり;または、Xが、C−2に結合したOHであって、環AがC−3およびC−4間に1個の二重結合を含み;または、Xが、C−3に結合したOHであって、環AがC−1およびC−2間に1個の二重結合を含み;または、Xが、C−4に結合したOHであって、環AがC−2およびC−3間に1個の二重結合を含む;
である群から選択されてもよい。
【0022】
本発明を、さらに、下記の非限定例に関連してさらに説明する。これらの例は説明目的のためだけのものであり、当業者により変更および改変がなされ得ることが理解される。
【0023】
例1:(E)−1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オンおよび(E)−1−(rel−(6R,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
a)3,3,15−トリメチル−2,4−ジオキサジスピロ[5.0.4.4]ペンタデカ−13−エン−1,5−ジオン
5−シクロペンチリデン−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(194g、0.92mol、ピペリジンの存在下のピリジン中で、シクロペンタノンおよびメルドラム酸から調製)、1,3−ペンタジエン(409ml、90%、3.69mol)およびBHT(50mg)の混合物を110℃で42時間熱した。次いで、反応混合物を濃縮し(95℃、0.1mbar)、残渣(204g)を薄膜蒸発(180℃で0.09mbar、ヘッド温度:85℃)により精製し、所望のジエステル(177g、純度89%、収率61%)を得た。沸点:190℃(0.09mbar)。
【0024】
【化7】

【0025】
b)1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)エタノン(trans)および1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)エタノン(cis)
−20℃で、テトラヒドロフラン(850ml)中の3,3,15−トリメチル−2,4−ジオキサジスピロ[5.0.4.4]ペンタデカ−13−エン−1,5−ジオン(85g、純度80%、244mmol)を、メチルリチウム(427ml、ジエチルエーテル中1.6M、683mmol)で15分間処理した。得られた溶液を、3時間還流する前に、冷却浴を外すことにより10℃まで加温し、0℃で冷却し、2N NaOH水溶液および氷の混合物中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテル(MTBE、400ml)で2回抽出した。合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮して、未反応の出発物質(20g、純度46%)を得た。水相を2N 塩酸でpH 1まで酸性化させ、MTBE(450ml)で3回抽出し、飽和NaCl水溶液で2回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮して、ピリジン(520ml)中で2時間還流した粗中間体ケト酸(52.2g)を得た。得られた混合物を濃縮し、残渣を2N HClおよび氷中に注ぎ、MTBE(350ml)で3回抽出した。合わせた有機相をpH 7まで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(39.3g)の短経路蒸留(浴温度110℃、ヘッド温度:70〜85℃、0.09mbar)により、所望のメチルケトンのジアステレオマー混合物(30.7g、66%、rel−(6S,7R)/rel−(6R,7R) 30:70)を得た。ナトリウム(2.2g、96mmol)をエタノール(300ml)に加え、得られた溶液を、エタノール(30ml)中で、1−(rel−(6S、7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)エタノンおよび1−(rel−(6R、7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)エタノン(30.7g、160mmol)が30:70の混合物の溶液で処理した。得られた溶液を48時間還流し、0℃まで冷却し、2N HClおよび氷中に注ぎ、MTBE(350ml)で3回抽出した。合わせた有機相を、飽和NaCl水溶液で3回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(32.9g)の短経路蒸留(浴温度110℃、ヘッド温度:85℃、0.09mbar)により、所望のメチルケトンのジアステレオマー混合物(26.8g、87%、rel−(6S,7R)/rel−(6R,7R) 85:15)を得た。沸点:80℃(0.09mbar)。
【0026】
1−(rel−(6R,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)−エタノン(cis)のデータ:
【化8】

【0027】
1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)−エタノン(trans)のデータ:
【化9】

【0028】
c)(E)−1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オンおよび(E)−1−(rel−(6R,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
−70℃で、テトラヒドロフラン(200ml)中のジイソプロピルアミン(49.7ml、352mmol)を、n−ブチルリチウム(224ml、ヘキサン中1.6M、358mmol)で処理した。得られた溶液を−30℃まで加温し、−78℃まで冷却し、テトラヒドロフラン(150ml)中の、1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)エタノンおよび1−(rel−(6R,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)エタノンが83:17の混合物(56.4g、290mmol)の溶液で処理した。得られた溶液を、−70℃で20分間撹拌し、テトラヒドロフラン(100ml)中のアセトアルデヒド溶液(82.8ml、1.4mol)で、50分間処理した。45分間の撹拌後、反応混合物を、氷冷したNHCl飽和水溶液(400ml)中に注ぎ、MTBE(350ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(150ml)および飽和NaCl水溶液(250ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮して、無水酢酸(58.2ml、616mmol)中に溶解され、酢酸ナトリウム(36.1g、440mmol)で処理された、所望の中間体である、ベータ−ヒドロキシケトンを、ジアステレオマー混合物(75.7g)として得た。得られた混合物を、80℃で19時間加熱し、20℃まで冷却し、氷冷水(400ml)中に注ぎ、MTBE(300ml)で3回抽出した。合わせた有機相を、2N NaOH水溶液で3回洗浄し、飽和NaCl水溶液で2回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。KCO(1g)に粗生成物(87g)の短経路蒸留(浴温度60℃〜180℃、ヘッド温度:75〜115℃、0.09mbar)により、所望のブテノンのジアステレオマー混合物(50.5g、79%、rel−(6S,7R)/rel−(6R,7R) 80:20)を得た。
【0029】
(E)−1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オンのデータ(沸点:114℃(0.13mbar))
【化10】

匂いの説明:ダマスコン様、フルーティー、フローラル。
【0030】
(E)−1−(rel−(6R,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オンのデータ:(沸点:110℃(0.08mbar))
【化11】

匂いの説明:フルーティー、土様(earthy)、田舎風(agrestic)、グリーン。
【0031】
d)(E)−1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
−70℃で、テトラヒドロフラン(4ml)中のジイソプロピルアミン(0.5g、4.93mmol)を、n−ブチルリチウム(3.3ml、ヘキサン中1.6M、5.14mmol)で処理した。得られた溶液を、−70℃で20分間撹拌し、テトラヒドロフラン(4ml)中の、1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)エタノン(0.79g、4.11mmol)溶液で処理した。得られた溶液を、−70℃で20分間撹拌し、0℃まで加温し、−70℃まで冷却し、テトラヒドロフラン(4ml)中のアセトアルデヒド(0.9g、20.5mmol)溶液で処理した。20分間の撹拌後、得られた混合物を、−5℃まで加温し、2N 塩酸および飽和NaClの水溶液の1:1の混合物(25ml)で処理し、MTBE(60ml)で3回抽出した。合わせた有機相を、飽和NaHCO溶液、飽和NHCl溶液、および水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(1.3g)の流体クロマトグラフィー(FC、SiO、ヘキサン/MTBE 35:1)により、シクロヘキサン(1ml)中に溶解された、所望の中間体である、ベータ−ヒドロキシケトン(0.47g、1.98mmol、48%)を得た。得られた溶液を、パラ−トルエンスルホン酸無水和物(13mg、6.7mmol)で処理し、1.5時間還流した。得られた混合物を、0℃まで冷却し、飽和NaHCO水溶液で処理し、水相をMTBEで2回抽出した。合わせた有機相を、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(0.42g)のFC(SiO、ヘキサン/MTBE 50:1)により、(E)−1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(0.34g、79%)を得た。
【0032】
e)(E)−1−(rel−(6R,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
(E)−1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オンおよび(E)−1−(rel−(6R,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オンが30:70の粗生成物(1.51g)のFC(200gのSiO、ヘキサン/MTBE 30:1)により、(E)−1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(0.24g、16%)および(E)−1−(rel−(6R,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(0.48g、32%)を得た。
【0033】
例2:rel−(6S,7R)−メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレートおよびrel−(6R,7R)−メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート
オートクレーブ中で、メタノール(44.9g、1.4mol)およびピリジン(360ml)中の、3,3,15−トリメチル−2,4−ジオキサジスピロ[5.0.4.4]ペンタデカ−13−エン−1,5−ジオン(100g、純度78%、280mmol)および銅粉(1.37g、21mmol)の混合物を、135℃で48時間加熱した。得られた混合物を濃縮し、残渣を2N 塩酸および氷の混合物中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテル(MTBE、250ml)で3回抽出した。合わせた有機相を、飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(81g)の短経路蒸留(浴温度110℃、ヘッド温度:60〜80℃、0.01mbar)により、所望のメチルエステルのジアステレオマー混合物(48.9g、84%、rel−(6S,7R)/rel−(6R,7R) 30:70)を得た。沸点:80℃(0.12mbar)。
匂いの説明:フルーティー、フローラル、田舎風、ダマスコン様。
【0034】
rel−(6S,7R)−メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレートのデータ
【化12】

【0035】
rel−(6R,7R)−メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレートのデータ
【化13】

【0036】
例3:rel−(6S,7R)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレートおよびrel−(6R,7R)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート
オートクレーブ中で、エタノール(3.6ml、61.7mmol)およびピリジン(22ml)中の、3,3,15−トリメチル−2,4−ジオキサジスピロ[5.0.4.4]ペンタデカ−13−エン−1,5−ジオン(3g、10.8mmol)および銅粉(53mg、0.83mmol)の混合物を、120℃で37時間加熱した。得られた混合物を、2N 塩酸および氷の混合物中に注ぎ、MTBEで3回抽出した。合わせた有機相を、飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(2.3g)のボールトゥーボール蒸留(120℃、0.1mbar)により、所望のエチルエステルのジアステレオマー混合物(1.65g、69%、rel−(6S,7R)/rel−(6R,7R) 26:74)を得た。沸点:87℃(0.13mbar)。
匂いの説明:ダマスコン様、フルーティー、プラム様、フローラル、わずかに田舎風。
【0037】
rel−(6S,7R)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレートのデータ
【化14】

【0038】
rel−(6R,7R)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレートのデータ
【化15】

【0039】
例4:rel−(6S,7R)−アリル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレートおよびrel−(6R,7R)−アリル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート
オートクレーブ中で、アリルアルコール(4.2ml、61.4mmol)およびピリジン(22ml)中の、3,3,15−トリメチル−2,4−ジオキサジスピロ[5.0.4.4]ペンタデカ−13−エン−1,5−ジオン(3g、10.8mmol)および銅粉(53mg、0.83mmol)の混合物を、135℃で44時間加熱した。得られた混合物を、2N 塩酸および氷の混合物中に注ぎ、MTBEで3回抽出した。合わせた有機相を、飽和NaCl水溶液で2回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(2.41g)のFC(SiO、ヘキサン/MTBE 40:1)により、所望のアリルエステルのジアステレオマー混合物(1.49g、60%、rel−(6S,7R)/rel−(6R,7R) 31:69)を得た。沸点:76℃(0.1mbar)。
匂いの説明:フローラル、ウッディー、フルーティー、ローズ様、田舎風。
【0040】
rel−(6S,7R)−メチル7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレートのデータ
【化16】

【0041】
rel−(6R,7R)−メチル7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレートのデータ
【化17】

【0042】
例5:rel−(6S,7R)−メチル7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレートおよびrel−(6R,7R)−メチル7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート
エタノール(10ml)中の、rel−(6S,7R)−メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレートおよびrel−(6R,7R)−メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレートが25:75の混合物(1.1g、5.28mmol)の溶液を、10% Pd/C(0.1g)で処理し、1.5時間水素化した(1atm)。得られた混合物をろ過し、濃縮した。粗生成物(1.1g)のFC(SiO、ヘキサン/MTBE 80:1)により、所望のエステルのジアステレオマー混合物(0.82g、74%、rel−(6S,7R)/rel−(6R,7R) 30:70)を得た。沸点:76℃(0.1mbar)。
匂いの説明:田舎風、フルーティー−フローラル、ウッディー。
【0043】
rel−(6S,7R)−メチル7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレートのデータ
【化18】

【0044】
rel−(6R,7R)−メチル7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレートのデータ
【化19】

【0045】
例6:rel−(6S,7R)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレートおよびrel−(6R,7R)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート
エタノール(30ml)中の、rel−(6S,7R)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレートおよびrel−(6R,7R)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレートが1:2の混合物(3.3g、16mmol)の溶液を、10% Pd/C(0.4g)で処理し、1.5時間水素化した(20bar)。得られた混合物をろ過し、濃縮した。粗生成物(3.1g)のFC(SiO、ヘキサン/MTBE 30:1)により、所望のエステルのジアステレオマー混合物(2.90g、87%、rel−(6S,7R)/rel−(6R,7R) 1:2)を得た。沸点:90℃(0.07mbar)。
匂いの説明:ダマスコン様、フルーティー、フローラル、田舎風。
【0046】
rel−(6S,7R)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレートのデータ
【化20】

【0047】
rel−(6R,7R)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレートのデータ
【化21】

【0048】
例7:1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタン−1−オン
エタノール(30ml)中の、(E)−1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(2.0g、9.16mmol)の溶液を、10% Pd/C(0.4g)で処理し、1.5時間水素化した(20bar)。得られた混合物をろ過し、濃縮した。粗生成物(1.9g)のFC(SiO、ヘキサン/MTBE 50:1)により、1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタン−1−オン(0.75g、37%)を得た。沸点:95℃(0.08mbar)。
匂いの説明:フルーティー、フローラル、ウッディー、ダマスコン様。
【0049】
【化22】

【0050】
例8:1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタン−1−オン
アルゴンでの脱気後、ベンゼン(70ml)および水(0.15ml)の混合物を、トリフェニルホスフィン−銅(I)−ヒドリド六量体(3.3g、1.68mmol)で処理した。得られた溶液を、5分間撹拌し、ベンゼン(10ml)中の(E)−1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(2g、9.16mmol)で処理し、20℃で2時間撹拌した。反応混合物を、次いで、空気中で30分間撹拌し、ろ過し、濃縮した。粗生成物(4.07g)のFC(SiO、ヘキサン/MTBE 70:1)により、1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタン−1−オン(0.80g、40%)を得た。沸点:100℃(0.08mbar)。
匂いの説明:フローラル、フルーティー、わずかにウッディー、ダマスコン様。
【0051】
【化23】

【0052】
例9:(E)−1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
エタノール(50ml)中の、3,3,15−トリメチル−2,4−ジオキサジスピロ[5.0.4.4]ペンタデカ−13−エン−1,5−ジオン(11.3g、28mmol)溶液を、10% Pd/C(1.1g)で処理し、1.5時間水素化した(20bar)。得られた混合物をろ過し、濃縮した。粗3,3,15−トリメチル−2,4−ジオキサジスピロ[5.0.4.4]ペンタデカン−1,5−ジオン(10g)をTHF(100ml)中に溶解し、−20℃で15分間、メチルリチウム(45ml、ジエチルエーテル中1.6M、71mmol)で処理した。得られた溶液を、3時間還流し、メチルリチウム(10ml、ジエチルエーテル中1.6M、16mmol)で処理し、1時間還流し、冷却し、2N NaOH水溶液および氷の混合物(300ml)中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテル(MTBE、80ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、2M NaOH水溶液(50ml)で洗浄し、水相を合わせ、濃HClでpH 1まで酸性化させ、MTBE(100ml)で2回抽出した。得られた有機相を合わせ、水、飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮し、ピリジン(70ml)中で4時間還流した粗中間体ケト酸(7g)を得た。得られた混合物を、2N 塩酸および氷(300ml)中に注ぎ、シクロヘキサン(100ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、2M 塩酸(50ml)、水(50ml)、飽和NaCl水溶液(100ml)で洗浄し、乾燥させ(16gのMgSO)、濃縮して粗1−(rel−(6R,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−イル)エタノン(4.44g、56%)を得た。
【0053】
【化24】

【0054】
−60℃で、テトラヒドロフラン(30ml)中のジイソプロピルアミン(4.1ml、28.8mmol)を、n−ブチルリチウム(18ml、ヘキサン中1.6M、28.8mmol)で処理した。得られた溶液を、−30℃で20分間撹拌し、−70℃まで冷却し、テトラヒドロフラン(10ml)中の、粗1−(rel−(6R,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−イル)エタノン(4.3g、22mmol)溶液で処理した。得られた溶液を、−70℃で45分間撹拌し、テトラヒドロフラン(10ml)中のアセトアルデヒド(5ml、88.5mmol)溶液で15分間処理した。2時間の撹拌後、得られた混合物を、2N 塩酸および氷(150ml)中に注ぎ、MTBE(100ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(50ml)、飽和NaCl水溶液(100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(5.5g)をトルエン(60ml)中に溶解させた。得られた溶液を、パラ−トルエンスルホン酸無水和物(0.5g、2.8mmol)で処理し、60℃で1.5時間加熱した。反応混合物を冷却し、冷却された飽和NaHCO水溶液(100ml)中に注ぎ、水相をMTBE(80ml)で抽出した。合わせた有機相を、飽和NaCl水溶液(80ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(5.5g)のFC(SiO、ヘキサン/MTBE 30:1)により、(E)−1−(rel−(6R,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(1.6g、33%)を得た。沸点:100℃(0.07mbar)。
匂いの説明:ダマスコン様(フローラル、フルーティー、田舎風)、土様、わずかにスパイシー。
【0055】
【化25】

【0056】
例10:(E)−1−(スピロ[4.5]デカ−6−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
5℃で、THF(1l)中のリチウムアセチリドエチレンジアミン錯体(200g、2.17mol)を、THF(0.8l)中の、スピロ[4.5]デカン−6−オン(196g、1.29mol、トルエン中のカリウムtert−ブトキシドの存在下で、シクロヘキサノンおよび1,4−ジブロモブタンより調製)溶液で滴下処理した。得られた混合物を、20℃で3時間撹拌し、飽和NHCl水溶液に注ぎ、濃HClで酸性化させ、MTBE(500ml)で3回抽出した。水相をMTBE(150ml)で2回抽出し、合わせた有機相を、水(500ml)で2回、飽和NaCl水溶液で1回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(257g)の短経路ビグリュー蒸留(0.08mbar、浴温度:140℃、ヘッド温度:100〜105℃)により、6−エチルスピロ[4.5]デカン−6−オール(180.8g、79%)を得た。
【化26】

【0057】
20〜27℃で、ピリジン(1l)中の、6−エチルスピロ[4.5]デカン−6−オール(180g、1mol)溶液を、POCl(207g、2mol)で滴下処理した。得られた混合物を、85〜90℃で5.5時間加熱し、氷中に注ぎ、ペンタン(800および300ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(500ml)で2回、飽和NaCl水溶液(300ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(146g)の短経路ビグリュー蒸留(0.08mbar、ヘッド温度:85℃)により、6−エチルスピロ[4.5]デカ−6−エン(122.9g、76%)を得た。
【化27】

【0058】
酢酸(500ml)中の、6−エチルスピロ[4.5]デカ−6−エン(120g、0.748mol)および硫酸(11.6g)の混合物を、75℃で2時間加熱し、氷中に注ぎ、2N NaOH水溶液(10ml)で処理し、MTBE(150ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、2N NaOH水溶液(pH>7)で処理し、水(400ml)、飽和NaCl水溶液(400ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(125g)の短経路ビグリュー蒸留(0.08mbar、ヘッド温度:85〜90℃)により、1−(スピロ[4.5]デカ−6−エン−6−イル)エタノン(62g、46%)を得た。
【化28】

【0059】
−70℃で、テトラヒドロフラン(200ml)中のジイソプロピルアミン(40.9g、0.4mol)を、n−ブチルリチウム(271ml、ヘキサン中1.6M、0.437mol)で10分間処理した。得られた溶液を、−40℃で20分間撹拌し、−78℃まで冷却し、1−(スピロ[4.5]デカ−6−エン−6−イル)エタノン(62g、0.35mol)溶液で20分間処理した。得られた溶液を、−70℃で20分間撹拌し、テトラヒドロフラン(100ml)中のアセトアルデヒド(76.6g、1.75mol)溶液で処理した。90分間の撹拌後、反応混合物を、冷却した飽和NHCl水溶液(400ml)中に注ぎ、MTBE(400および200ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(200ml)、飽和NaCl水溶液で2回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮し、無水酢酸(70ml、0.73mol)中に溶解させた、所望の中間体である、3−ヒドロキシ−1−(スピロ[4.5]デカ−6−エン−6−イル)ブタン−1−オン(97.8g)を得た。得られた溶液を、酢酸ナトリウム(31.4g、0.383mol)で処理し、80℃で8時間加熱し、酢酸ナトリウム(10g、0.122mol)で処理し、80℃で15時間加熱し、酢酸ナトリウム(10g、0.122mol)で処理し、80℃で2時間加熱した。反応混合物を0℃まで冷却し、氷/水中に注ぎ、MTBE(200ml)で3回抽出した。合わせた有機相を、2N NaOH水溶液(300ml)、飽和NaCl水溶液(250ml)で洗浄し、乾燥させ(30gのMgSO)、濃縮した。粗生成物(89.6g)の短経路ビグリュー蒸留(0.08mbar、浴温度:140〜180℃、ヘッド温度:80〜146℃)、それに続く、マイクロ蒸留(microdistillation)カラム(20x1.5cm、3x3mmのロールワイヤーネットで充填)を使用した蒸留(0.08mbar、浴温度:150〜180℃、ヘッド温度:98℃)により、(E)−1−(スピロ[4.5]デカ−6−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(55.6g、58%)を得た。
匂いの説明:フルーティー、ダマスコン様、田舎風、タバコ。
【0060】
【化29】

【0061】
例11:(E)−1−(rel−(4R,5R)−5−メチルスピロ[2.5]オクタ−6−エン−4−イル)ブタ−2−エン−1−オン
a)1−エトキシシクロプロパノール/1−メトキシシクロプロパノール
メタノール(60ml)中の、(1−エトキシシクロプロピル)オキシ−トリメチルシラン(25ml、124.9mmol)溶液を、濃HCl(3滴)で処理し、20℃で16時間撹拌し、20℃で濃縮し、残渣を蒸留し(55℃、19〜20mbar)、1−エトキシシクロプロパノール/1−メトキシシクロプロパノール(92:8、10.36g、82%)を得た。
【化30】

【0062】
b)1−シクロプロピリデンプロパン−2−オン
雰囲気下で、無水ベンゼン(500ml)中の、1−エトキシシクロプロパノール/1−メトキシシクロプロパノール(92:8、10.36g、102.4mmol)、1−トリフェニルホスホルアニリデンプロパン−2−オン(38.84g、121.9mmol)および安息香酸(24g、10.2mmol)の混合物を、20時間還流し、次いで濃縮した。残渣をろ過し、蒸留し(68℃、40mbar)、1−シクロプロピリデンプロパン−2−オン(4.35g、45%)を得た。
【化31】

【0063】
C)rel−(4R,5R)−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−6−エン−4−イル)エタノン
20℃、N雰囲気下で、EtO(1.5ml)中の無水ZnCl(0.31g、2.29mmol)の懸濁液を、1,3−ペンタジエン(純度65%、3.34ml、22.9mmol)で処理し、次いで、EtO(1.5ml)中の1−シクロプロピリデンプロパン−2−オン(0.44g、4.58mmol)溶液で処理した。24時間の撹拌後、得られた混合物を6N NaOH水溶液(3.1ml)で処理し、水相をEtOで3回抽出した。合わせた有機相を、飽和NHCl水溶液で2回、飽和NaCl水溶液で1回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(1.12g)のFC(100gのSiO、ペンタン/EtO 10:0.5)により、rel−(4R,5R)−1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−6−エン−4−イル)エタノン(279mg、36%)を得た。
【化32】

【0064】
d)rel−(4R,5R)−1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−6−エン−4−イル)ブタ−2−エン−1−オン
−78℃、N雰囲気下で、無水THF(13.5ml)中のジイソプロピルアミン(2.57ml、18.2mmol)溶液を、ヘキサン(11.40ml、18.2mmol)中の1.6M n−BuLi溶液で滴下処理した。得られた溶液を、0℃で10分間撹拌し、−78℃まで冷却し、無水THF(2.2ml)中のrel−(4R,5R)−1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−6−エン−4−イル)エタノン(2.3g、14.0mmol、rel−(4R,5R)−/rel−(4S,5R)− 98:2)で滴下処理した。得られた溶液を、−78℃で1時間撹拌し、−20℃まで加温し、−78℃まで冷却し、無水THF(13.5ml)中のアセトアルデヒド(4.40ml、70.1mmol)溶液で処理した。得られた溶液を、−78℃で15分間撹拌し、−30℃まで加温し、−78℃まで冷却し、ゆっくりと2N HCl(11.62ml)および飽和NaCl水溶液(7ml)の混合物で処理した。混合物を、次いで、0℃まで加温し、水相をEtOで3回抽出し、合わせた有機相を、飽和NaHCO水溶液、飽和NHCl水溶液、飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮し、4.06gの粗生成物を得た。トルエン(85ml)中の粗生成物(2.92g、14.0mmol)の溶液を、パラ−トルエンスルホン酸無水和物(133.5mg、0.702mmol)で処理し、80℃で2時間撹拌し、冷却し、飽和NaHCO水溶液中に注いだ。水相をEtOで3回抽出し、合わせた有機相を、飽和NHCl水溶液、飽和NaCl水溶液で洗浄し、濃縮した。粗生成物(3.4g)のFC(500gのSiO、ヘキサン/EtO 10:0.5)により、rel−(4R,5R)−1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−6−エン−4−イル)ブタ−2−エン−1−オンの2種の画分(画分1:0.613g、23%、2段階、rel−(4R,5R)−/rel−(4S,5R)− 93:7;画分2:1.36g、51%、2段階、rel−(4R,5R)−/rel−(4S,5R)− 99.3:0.7)を得た。
匂いの説明:田舎風、フルーティー、フローラル。
【0065】
【化33】

【0066】
例12:(E)−1−(rel−(4S,5R)−5−メチルスピロ[2.5]オクタ−6−エン−4−イル)ブタ−2−エン−1−オン
a)rel−(4S,5R)−1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−6−エン−4−イル)エタノン
Na(22.7mg、0.987mmol)をMeOH(24ml)に加えた。得られた溶液を、25℃で、rel−(4R,5R)−1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−6−エン−4−イル)エタノン(1.62g、9.97mmol、例11において調製)で処理し、80℃で64時間加熱した。得られた溶液を冷却し、ペンタンで希釈し、飽和NHCl水溶液に注いだ。水相をペンタンで2回抽出し、合わせた有機相を、飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。粗生成物(1.5g)のFC(250gのSiO、ペンタン/EtO 10:0.5)により、rel−(4S,5R)−1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−6−エン−4−イル)エタノン(930mg、57%)およびrel−(4R,5R)−1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−6−エン−4−イル)エタノン/rel−(4S,5R)−1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−6−エン−4−イル)エタノン(60:40、408mg、25%)を得た。
【0067】
【化34】

【0068】
b)rel−(4S,5R)−1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−6−エン−4−イル)ブタ−2−エン−1−オン
−78℃、N雰囲気下で、無水THF(2.2ml)中のジイソプロピルアミン(1.04ml、7.37mmol)溶液を、ヘキサン(4.6ml、7.37mmol)中の1.6M n−BuLi溶液で滴下処理した。得られた溶液を、0℃で10分間撹拌し、−78℃まで冷却し、無水THF(2.2ml)中のrel−(4S,5R)−1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−6−エン−4−イル)エタノン(930mg、5.67mmol)溶液で滴下処理した。得られた溶液を、−78℃で10分間撹拌し、−20℃まで加温し、−78℃まで冷却し、無水THF(2.2ml)中のアセトアルデヒド(1.6ml、28.35mmol)溶液で処理した。得られた溶液を、−78℃で1時間撹拌し、−40℃まで加温し、−78℃まで冷却し、ゆっくりと2N HCl(11.62ml)および飽和NaCl水溶液(7ml)の混合物で処理した。混合物を、次いで、0℃まで加温し、水相をEtOで3回抽出し、合わせた有機相を、飽和NaHCO水溶液、飽和NHCl水溶液、飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮し、1.44gの粗生成物を得た。トルエン(28.4ml)中の粗生成物(1.41g、5.67mmol)溶液を、パラ−トルエンスルホン酸無水和物(0.054g、0.284mmol)で処理し、80℃で1時間撹拌し、冷却し、飽和NaHCO水溶液中に注いだ。水相をEtOで3回抽出し、合わせた有機相を、飽和NHCl水溶液、飽和NaCl水溶液で洗浄し、濃縮した。粗生成物(1.19g)のFC(140gのSiO、ヘキサン/EtO 10:0.5)により、rel−(4S,5R)−1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−6−エン−4−イル)ブタ−2−エン−1−オン(0.69g、64%、2段階)を得た。沸点:55℃(0.08mbar)。
匂いの説明:ダマスコン様、フルーティー、フローラル、田舎風。
【0069】
【化35】

【0070】
例13:(E)−1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−5−エン−4−イル)ブタ−2−エン−1−オン
−78℃で、THF(200ml)中のビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド(18.68g、63.9mmol)溶液を、EtO(42.5ml)中の3M 臭化エチルマグネシウム溶液で滴下処理した。得られた混合物を、−78℃で1時間撹拌し、0℃まで加温し、溶液の色が赤になるまで0℃で1時間撹拌し、THF(100ml)中の3−メチルシクロヘキサ−2−エノン(7g、63.9mmol)溶液で処理した。20℃で3時間撹拌した後、得られた混合物を濃縮した。残渣をジクロロメタン(300ml)に溶解させ、TiCl(7.0ml、63.9mmol)で処理した。得られた混合物を20分間撹拌し、飽和NHCl水溶液で処理した。合わせた有機相を、飽和NaHCO水溶液、飽和NaCl水溶液で洗浄し、濃縮した。粗生成物(9.53g)のFC(SiO、ペンタン)により、5−メチルスピロ[2.5]オクタ−4−エン(3.42g、44%)を得た。
【化36】

【0071】
5−メチルスピロ[2.5]オクタ−4−エン(1.41g、11.5mmol)、無水酢酸(2.83ml、29.9mmol)および塩化亜鉛(203mg、1.5mmol)の混合物を、50℃で14.5時間加熱し、20℃まで冷却し、飽和NaHCO水溶液および氷の混合物中に注ぎ、ペンタンで抽出した。水相をペンタンで2回抽出し、合わせた有機相を飽和NHCl水溶液、飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。粗生成物(1.91g)のFC(300gのSiO、ペンタン/EtO 10:0.5)により、未反応の5−メチルスピロ[2.5]オクタ−4−エン(765mg)、および1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−5−エン−4−イル)エタノン(479mg、25%)を得た。
【0072】
【化37】

【0073】
−78℃、N雰囲気下で、無水THF(2.75ml)中のジイソプロピルアミン(0.53ml、3.72mmol)溶液を、ヘキサン(2.33ml、2.75mmol)中の1.6M n−BuLi溶液で滴下処理した。得られた溶液を、−10℃まで加温し、−78℃まで冷却し、無水THF(2.75ml)中の1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−5−エン−4−イル)エタノン(470mg、2.87mmol)溶液で滴下処理した。得られた溶液を、−20℃まで加温し、−78℃まで冷却し、無水THF(2.75ml)中のアセトアルデヒド(0.81ml、14.3mmol)溶液で処理した。得られた溶液を、−10℃まで加温し、−78℃まで冷却し、2N HCl(6ml)および飽和NaCl水溶液(3.6ml)の混合物でゆっくりと処理した。混合物を、次いで、0℃まで加温し、水相をEtOで3回抽出し、合わせた有機相を、飽和NaHCO水溶液、飽和NHCl水溶液、飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。残渣(596mg)をトルエン(20ml)中で溶解させ、パラ−トルエンスルホン酸無水和物(27mg、0.143mmol)で処理した。得られた溶液を、80℃で3時間撹拌し、冷却し、飽和NaHCO水溶液中に注いだ。水相をEtOで3回抽出し、合わせた有機相を、飽和NHCl水溶液、飽和NaCl水溶液で洗浄し、濃縮した。粗生成物(730mg)のFC(200gのSiO、ヘキサン/EtO 10:0.5)により、(E)−1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−5−エン−4−イル)ブタ−2−エン−1−オン(0.354g、64%、2段階)を得た。沸点:50℃(0.07mbar)。
匂いの説明:ダマスコン様、フルーティー、フローラル、田舎風。
【0074】
【化38】

【0075】
例14:エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート
a)35℃で、THF(268ml)中の臭化ビニルマグネシウム(0.8mol、Mgおよび臭化ビニルから調製)溶液を、THF(80ml)中のシクロペンタノン(47.5ml、0.534mol)溶液で1.5時間処理した。得られた混合物を、30分間還流し、35℃まで冷却し、飽和NHCl水溶液で処理し、MTBE(300ml)で抽出した。有機相を、飽和NaHCO水溶液(200ml)、飽和NaCl水溶液(250ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。粗生成物(46.1g)のビグリュー蒸留(0.1mbar、浴温度:60℃、ヘッド温度:27℃)により、1−ビニルシクロペンタノール(28.78g、48%)を得た。
雰囲気下のオートクレーブ中で、1−ビニルシクロペンタノール(65g、0.58mol)、2−メトキシプロペン(108ml、1.15mol)、85% リン酸(0.29ml)、トリエチルアミン(0.63ml)の混合物を、130℃で15時間加熱した。反応混合物を20℃まで冷却し、MTBE(500ml)で希釈し、水(25ml)で3回洗浄し、飽和NaCl水溶液(25ml)で1回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物のウィドマー蒸留(0.13mbar、ヘッド温度:58℃)により、5−シクロペンチリデンペンタン−2−オン(63.67g、72%)を得た。
THF(300ml)中のNaH(8.2g、オイル中55%、184mmol、ヘキサンによる洗浄)懸濁液を、THF(40ml)中のトリフェニルホスホノアセテート(35ml、176mmol)で、1.5時間滴下処理した。得られた混合物を1時間撹拌し、THF(80ml)中の5−シクロペンチリデンペンタン−2−オン(25.48g、167mmol)溶液で、滴下処理し、15℃まで冷却し、飽和NHCl水溶液(150ml)で処理した。水相をMBTE(80ml)で抽出し、合わせた有機相を、飽和NaCl水溶液(50ml)で2回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(35.65g、67:24 E/Z)のウィドマー蒸留(0.08mbar、ヘッド温度:80〜90℃)により、84:16の(E/Z)−エチル6−シクロペンチリデン−3−メチルヘキサ−2−エノエート(24.7g、69%)を得た。沸点:92℃(0.08mbar)
【化39】

【0076】
(E)−エチル6−シクロペンチリデン−3−メチルヘキサ−2−エノエート
【化40】

(Z)−エチル6−シクロペンチリデン−3−メチルヘキサ−2−エノエート
【化41】

【0077】
b)−20℃で、濃硫酸(83ml)を、ジイソプロピルエーテル(28ml)中の、84:16の(E/Z)−エチル6−シクロペンチリデン−3−メチルヘキサ−2−エノエート(20g、90mmol)で、1時間滴下処理した。得られた混合物を氷(140g)/水(100ml)中に注ぎ、MTBE(140ml)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(70ml)で3回、飽和NaCl水溶液(70ml)で3回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(18.3g)のビグリュー蒸留(0.1mbar、ヘッド温度:80℃)により、エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(4.76g、24%)を得た。沸点:90℃(0.1mbar)。
匂いの説明:フルーティー、フローラル、田舎風。
【0078】
【化42】

【0079】
例15:(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オンおよび(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
方法1。
リチウムジイソプロピルアミン(9.3ml、THF/ヘプタン中 2M)溶液を、塩化アリルマグネシウム溶液(15ml、THF中 2M)で、10分間滴下処理した。得られた混合物を33℃まで加熱し、THF(7ml)中のエチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(6g、27mmol)溶液で滴下処理し、20℃で1時間、40℃で24時間撹拌し、塩化アリルマグネシウム(15ml、THF中 2M)およびリチウムジイソプロピルアミン(9.3ml、THF/ヘプタン中 2M)の混合物で処理し、30℃で2時間撹拌し、飽和NHCl水溶液(100ml)および氷(115g)の混合物中に注ぎ、MTBE(200ml)で希釈した。有機相を、10%塩酸(80ml)、飽和NaHCO水溶液(80ml)、飽和NaCl水溶液(50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(8.3g)のFC(SiO、ヘキサン/MTBE 100:1から90:10)により、(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オンおよび(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(1g、17%)を得た。
【0080】
(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
沸点:115℃(0.09mbar)
【化43】

匂いの説明:グリーン、フローラル、ローズ様。
【0081】
(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
沸点:117℃(0.1mbar)
【化44】

匂いの説明:グリーン、フローラル、ローズ様、ウッディー。
【0082】
方法2。
(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オンを、(E)−1−(rel−(6S,7S)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オンの合成(例21)において記載したように、エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(2.5g、11mmol)から、塩化アリルマグネシウムの付加によって調製し、それに続いて、(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−イル)ブタ−3−エン−1−オン、およびトルエン中のPTSA.HOで処理された(2.5時間、60℃)、(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オンの混合物へ導く粗生成物を、DMF中のKOt−Buで処理することにより、FC後、(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(0.6g、全収率24%)を得た。
【0083】
方法3。
(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン。スピロ[4.5]デカン−6−オンを、3段階で、メトキシカルボニル化(MeOCOMe、NaH、THF、還流、93%)により、7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−オンに変換し、これに続き、得られたケトエステル(MeI、KCO、アセトン、還流、2.5日間)をメチル化し、これに続き、粗生成物(AcOH/HO/HSO 10:4:3、還流、2時間、79%)を脱メトキシカルボニル化した。次いで、必須の中間体である、1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−イル)エタノンを、例10に従い、6−エチニル−7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−オール(リチウムアセチリドエチレンジアミン錯体、THF、2時間、0〜20℃、75%、78:22 ジアステレオマー混合物)、およびAcOH/HSO(20℃、50分間、34%)で処理された、6−エチニル−7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン(POCl、ピリジン、100℃、19時間、45%)を経由して、7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−オンから調製し、1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−イル)エタノンを得た。これに続く、アセトアルデヒドのアルドール縮合(LDA、THF;例10に準じる)と、これに続く、粗生成物を無水酢酸/酢酸ナトリウム(80℃、5時間、59%;例10に準じる)で処理することにより、(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オンを得た。
【0084】
7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−オン
沸点:57℃(0.09mbar)
【化45】

6−エチニル−7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−オール
【化46】

【0085】
6−エチニル−7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン
【化47】

【0086】
1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−イル)エタノン
【化48】

【0087】
例16:エチル7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート、エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−カルボキシレート、およびエチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−カルボキシレート
a)エチル7−メチル−9−オキソスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート
ヘプタン(100ml)およびベンゼン(100ml)中の、1−シクロペンチリデンプロパン−2−オン/1−シクロペンテニルプロパン−2−オン(25:75、100g、0.805mol)、エチルアセトアセテート(105g、0.805mol)および塩化亜鉛(16.5g、0.12mol)の混合物を、ディーン・スターク装置を使用して、6日間還流した。得られた混合物を冷却し、水(250ml)、5% NAHCO水溶液(250ml)、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(174g)のビグリュー蒸留(0.1mbar、浴温度:150℃、ヘッド温度:106〜130℃)、それに続く、FC(SiO、ヘキサン/MTBE 10:1から5:1)により、エチル7−メチル−9−オキソスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(23g、12%)を得た。
【0088】
【化49】

【0089】
b)cis−およびtrans−エチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート
メタノール(120ml)中の、エチル7−メチル−9−オキソスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(6.4g、27.3mmol)溶液を、無水三塩化セリウム(6.72g、27.3mmol)で処理した。得られた混合物を45分間撹拌し、0℃まで冷却し、0℃で、メタノール(60ml)中のホウ化水素ナトリウムの混合物(0.75g、96%、19.1mmol)に40分間加えた。得られた混合物を、20℃で2時間撹拌し、0℃まで冷却し、ホウ化水素ナトリウム(0.75g、96%、19.1mmol)で処理し、20℃で3時間撹拌し、0℃まで冷却し、2N 塩酸および氷中に注ぎ、MTBE(200ml)で3回抽出した。合わせた有機相を、飽和NaCl水溶液で3回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(7.6g、cis/trans 19:81)のFC(SiO、ヘキサン/MTBE 3:1)により、Cis−エチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(0.82g、13%)、29:71のcis−/trans−エチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(0.71g、11%)、およびtrans−エチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(3.52g、54%)を得た。
【0090】
cis−エチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート
【化50】

【0091】
trans−エチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート
【化51】

【0092】
c)エチル7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート、エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−カルボキシレート、およびエチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−カルボキシレート
THF(1ml)中の、35:65である、cis−/trans−エチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(0.1g、0.42mmol)を、水5滴、20% 硫酸5滴で処理し、100℃で2時間加熱し、20℃まで冷却し、氷中に注ぎ、MTBE(20ml)で抽出した。有機相を、飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(70mg)のFC(SiO、ヘキサン/MTBE 10:1)により、エチル7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート、エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−カルボキシレート、およびエチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−カルボキシレートが、77:11:11である混合物(40mg、43%)を得た。沸点:100℃(0.09mbar)。
匂いの説明:フルーティー、フローラル。
【0093】
エチル7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート
【化52】

エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−カルボキシレート
【化53】

【0094】
エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−カルボキシレート
【化54】

【0095】
d)エチル7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート、エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−カルボキシレート、およびエチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−カルボキシレート
トルエン(1ml)中の、35:65である、cis−/trans−エチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(0.1g、0.42mmol)を、パラ−トルエンスルホン酸無水和物(27.5mg、0.345mmol)および分子ふるいで処理し、2時間還流して加熱し、0℃まで冷却し、氷中に注ぎ、MTBE(20ml)で抽出した。有機相を、飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(75mg)のFC(SiO、ヘキサン/MTBE 10:1)により、エチル7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート、エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−カルボキシレート、およびエチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−カルボキシレートが、1:1:1である混合物(40mg、43%)を得た。
【0096】
例17:(2−メチルシクロプロピル)(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)メタノン
DMSO(30ml)中のヨウ化トリメチルスルフオキソニウム(3.1g、13.7mmol)を、DMSO(10ml)中の、水素化ナトリウム(0.6g、13.7mmol)に滴下して加えた。得られた混合物を、45分間撹拌し、DMSO(10ml)中の、(E)−1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(2.5g、11.5mmol)溶液で処理した。2.5時間の撹拌後、反応混合物を冷却された飽和NHCl水溶液(100ml)中に注ぎ、ヘキサン(80ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(80ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(2.26g)のFC(180gのSiO、ヘキサン/MTBE 30:1)により、(2−メチルシクロプロピル)(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)メタノン(1.04g、60:40のジアステレオマー混合物、39%)を得た。沸点:105℃(0.08mbar)。
匂いの説明:ウッディー、ダマスコン様。
【0097】
主生成物ジアステレオマーのデータ
【化55】

【0098】
副生成物ジアステレオマーのデータ
【化56】

【0099】
例18:エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート
−20℃で、ジクロロメタン中のエチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(1.5g、6.3mmol、cis/trans 34:66、例16に記載したように調製)溶液を、連続的に、トリエチルシラン(3.66g、31.5mmol)、およびBF・OEt(1.34g、9.4mmol)で処理した。得られた溶液を45分間撹拌し、氷冷した2M NaOH水溶液(50ml)中に注ぎ、MTBE(40ml)で抽出した。有機相を、水(40ml)、飽和NaCl水溶液(40ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(1.28g)のFC(100gのSiO、ヘキサン/MTBE 25:1)により、エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(0.98g、70%)を得た。
【0100】
例19:rel−(6S,7S)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレート
a)cis−エチル7−メチル−9−オキソスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート
ヘキサン(40ml)中のエチル7−メチル−9−オキソスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(2.5g、10.6mmol、例16に記載したように調製)溶液を、10% Pd/C(0.5g)で処理し、1.5時間水素化した(10bar)。得られた混合物をろ過し、濃縮して、cis−エチル7−メチル−9−オキソスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート(2.29g、91%)を得た。
【0101】
【化57】

【0102】
b)rel−(6S,7S,9S)−およびrel−(6S,7S,9R)−エチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート
5℃で、メタノール(25ml)中のNaBH(0.26g,6.5mmol)を、メタノール(10ml)中のcis−エチル7−メチル−9−オキソスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート(2.2g、9.2mmol)で処理した。得られた混合物を、20℃で4時間撹拌し、2N 塩酸(30ml)および氷/水(50ml)中に注ぎ、MTBE(50ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(50ml)、飽和NaCl水溶液(50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(2.07g、cis,cis/cis,trans 39:61)のFC(180gのSiO、ヘキサン/MTBE 2:1)により、rel−(6S,7S,9S)−エチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート(cis,trans;0.82g、37%)、およびrel−(6S,7S,9R)−エチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート(cis,cis;0.49g、22%)を得た。
【0103】
rel−(6S,7S,9S)−エチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート
【化58】

【0104】
rel−(6S,7S,9R)−エチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート
【化59】

【0105】
c)rel−(6S,7S)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレート
ピリジン(25ml)中の、64:36である、rel−(6S,7S,9S)−およびrel−(6S,7S,9R)−エチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート(2.4g、9.99mmol)の混合物を、−10℃まで冷却し、POCl(1ml、11mmol)で処理した。反応温度をゆっくりと25℃に到達させながら、得られた混合物を16時間撹拌し、冷却された2N 塩酸(100ml)中に注ぎ、ヘキサン(70ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(50ml)、飽和NaCl水溶液(50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(1.6g)のFC(200gのSiO、ヘキサン/MTBE 80:1)により、rel−(6S,7S)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレート(0.51g、23%)を得た。
沸点:90℃(0.08mbar)。
匂いの説明:田舎風、ダマスコン様、フルーティー、わずかに芳香族様(aromatic)。
【0106】
【化60】

【0107】
d)rel−(6S,7S)−およびrel−(6R,7S)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレート
1−メチル−2−ピロリドン(1ml)中の、rel−(6S,7S)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレートおよびrel−(6S,7S)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレートの混合物(0.1g、0.45mmol)を、KOt−Bu(56mg、0.5mmol)で処理した。得られた混合物を、60℃で2時間撹拌し、KOt−Bu(56mg、0.5mmol)で処理し、1時間撹拌し、冷却された2N 塩酸(10ml)中に注ぎ、ヘキサン(20ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、2N 塩酸(10ml)、水(10ml)、飽和NaCl水溶液(10ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮し、38:39:9:14の、rel−(6S,7S)−/rel−(6R,7S)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレート/rel−(6R,7S)−/rel−(6S,7S)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレートの混合物(64mg、64%)を得た。
【化61】

【0108】
例20:rel−(6S,7S)−メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレート
a)7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボン酸
エタノール(60ml)中のKOH(19.1g、289mmol)溶液を、rel−(6S,7S)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレート(4.28g、19.2mmol、例19に記載したように調製)で処理し、3日間の還流後、得られた混合物を、冷却された2N NaOH(100ml)中に注ぎ、シクロヘキサン(50ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、濃HClで酸性化させ、MTBE(50ml)で2回抽出し、合わせた有機相を、水(50ml)、飽和NaCl水溶液(50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮し、粗生成物(2.65g)のFC(300gのSiO、ヘキサン/MTBE 8:1)により、7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボン酸(1.4g、37%)を得た。
【化62】

【0109】
b)メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレート
5℃で、DMF中の7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボン酸(1.4g、7.2mmol)溶液を、KCO3(1.1g,7.9mmol)で処理した。得られた混合物を、30分間撹拌し、ヨウ化メチル(0.67ml、10.8mmol)で処理し、20℃で2時間撹拌し、冷却された2N 塩酸(20ml)中に注ぎ、ヘキサン(70ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(50ml)、飽和NaCl水溶液(50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(1.4g)のFC(170gのSiO、ペンタン/ジエチルエーテル 80:1)により、rel−(6R,7S)−メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレート(0.15g、10%)、およびrel−(6S,7S)−メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレート(0.53g、35%)を得た。
【0110】
rel−(6S,7S)−メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレート
沸点:85℃(0.09mbar)。
【化63】

匂いの説明:田舎風、グリーン、ダマスコン様、ハッカ様。
【0111】
rel−(6R,7S)−メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレート
【化64】

【0112】
例21:(E)−1−(rel−(6S,7S)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
5℃で、塩化アリルマグネシウム(12.1ml、THF中 2M)溶液を、THF(20ml)中のrel−(6S,7S)−エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレート(1.5g、6.7mmol、例19に記載したように調製)溶液で滴下処理し、20℃で1時間撹拌し、冷却された2N 塩酸(30ml)中に注ぎ、MTBE(70ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(100ml)、飽和NaCl水溶液(100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(1.9g)をDMF(10ml)中で溶解させ、DMF(10ml)中のKOt−Bu(1.2g、10.7mmol)溶液に加えた。得られた混合物を、1時間撹拌し、冷却された2N 塩酸(30ml)中に注ぎ、ヘキサン(80ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(100ml)、飽和NaCl水溶液(100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(1.9g)を、次いで、トルエン(15ml)中に溶解させ、PTSA.HO(15mg、0.077mmol)で処理した。得られた溶液を、60℃で2.75時間撹拌し、冷却水(30ml)中に注ぎ、シクロヘキサン(20ml)で抽出した。合わせた有機相を、飽和NaCl水溶液(20ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(1.38g)のFC(120gのSiO、ヘキサン/MTBE 25:1)により、(E)−1−(rel−(6S,7S)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(0.63g、43%)を得た。沸点:115℃(0.09mbar)。
匂いの説明:ダマスコン様、芳香族様。
【0113】
【化65】

【0114】
例22:エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−カルボキシレート
a)cis−およびtrans−エチル9−アセトキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート
35:65である、cis−/trans−エチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(0.1g、0.42mmol、例16に記載したように調製)、無水酢酸(90mg、0.88mmol)、および酢酸ナトリウム(34.4mg、0.42mmol)の混合物を、80℃で2時間加熱し、20℃まで冷却し、氷中に注ぎ、MTBE(20ml)で抽出した。有機相を、飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(170mg)のFC(SiO、ヘキサン/MTBE 10:1)により、cis−/trans−エチル9−アセトキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレートが、35:65である混合物(50mg、43%)を得た。
【0115】
cis−エチル9−アセトキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート
【化66】

【0116】
trans−エチル9−アセトキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート
【化67】

【0117】
b)エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−カルボキシレート
DBU(15ml、97mmol)中の、cis−/trans−エチル9−アセトキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(2.7g、9.6mmol)が30:70である混合物の溶液を、20℃で4日間撹拌した。反応混合物を、冷却された2N 塩酸(50ml)中に注ぎ、MTBE(50ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、2N 塩酸(30ml)、水(40ml)、飽和NaCl水溶液(40ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(1.8g)のFC(250gのSiO、ペンタン/EtO 100:1)により、メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−カルボキシレート(0.54g、25%)を得た。沸点:96℃(0.08mbar)。
匂いの説明:エチルサフラン塩様(Ethyl safranate-like)、フルーティー、フローラル、田舎風、草質(herbaceous)。
【0118】
例23:メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−カルボキシレート
33:67である、cis−/trans−エチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(38g、0.16mol、例16に記載したように調製)を、エタノール(300ml)中のKOH(52.6g、0.8mol)溶液に加えた。得られた混合物を、還流しながら2時間撹拌し、冷却された2N NaOH水溶液(100ml)中に注ぎ、MTBE(100ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、2N NaOH水溶液(50ml)で洗浄し、合わせた水相を、濃HClで酸性化させ、MTBE(150ml)で2回抽出し、合わせた有機相を、水(100ml)、飽和NaCl水溶液(100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮し、粗trans−9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボン酸(22.7g)を得た。
【0119】
【化68】

5℃で、DMF(150ml)中で得られた、粗trans−9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボン酸(22.7g)溶液を、炭酸カリウム(16.3g、118mmol)で処理し、30分間撹拌した。得られた混合物を、次いで、ヨウ化メチル(13.4ml、215mmol)で6分間処理し、20℃で2時間撹拌し、冷却された2N 塩酸(200ml)中に注ぎ、ヘキサン(150ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(100ml)、飽和NaCl水溶液(150ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮し、粗trans−メチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(12.85g、36%)を得た。
【化69】

【0120】
得られた粗trans−メチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(4.0g)の一部を、無水酢酸(3.5ml、37.4mmol)および酢酸ナトリウム(1.46g、17.8mmol)で処理した。得られた混合物を、80℃で4時間撹拌し、冷却された2N NaOH水溶液(20ml)中に注ぎ、MTBE(30ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(30ml)、飽和NaCl水溶液(30ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮し、粗trans−メチル9−アセトキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(4.4g、92%)を得た。
【化70】

【0121】
得られた粗trans−メチル9−アセトキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(2.4g)の一部を、DBU(13g、85.6mmol)中に溶解させ、20℃で21時間撹拌し、40℃で7時間撹拌した。反応混合物を、冷却された2N 塩酸(60ml)中に注ぎ、シクロヘキサン(50ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(50ml)、飽和NaCl水溶液(50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(1.47g)のFC(500gのSiO、ペンタン/EtO 100:1)により、メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−カルボキシレート(0.77g、予想全収率13%)を得た。沸点:100℃(0.08mbar)。
匂いの説明:フローラル、フルーティー、グリーン、苔風(mossy)、バルサム風(balsamic)。
【化71】

【0122】
例24:メチル7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート
THF(40ml)中の、粗trans−メチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(4.0g、17.8mmol、例23に記載したように調製)溶液を、水(0.32ml、17.8mmol)および濃硫酸(0.29ml、5.3mmol)で処理した。得られた混合物を、60℃で8時間撹拌し、冷却された2N NaOH水溶液(30ml)中に注ぎ、シクロヘキサン(60ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(60ml)、飽和NaCl水溶液(60ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(2.9g)のFC(500gのSiO、ペンタン/EtO 80:1)により、メチル7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート/メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−カルボキシレートが、84:16である混合物(1.15g、予想4段階全収率31%、27%)を得た。沸点:95℃(0.07mbar)。
匂いの説明:田舎風、スパイシー、フルーティー、フローラル、ウッディー。
【0123】
メチル7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレートのデータ
【化72】

【0124】
例25:メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート
−30℃で、ジクロロメタン(10ml)中の、粗trans−メチル9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(1.1g、4.9mmol、例23に記載したように調製)溶液を、トリエチルシラン(4.0ml、24.5mmol)、およびBF・OEt(0.92ml、7.4mmol)で処理した。反応温度を0℃に到達させながら、得られた混合物を45分間撹拌し、冷却された2N NaOH水溶液(50ml)中に注ぎ、MTBE(25ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(25ml)、飽和NaCl水溶液(25ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(1g)のFC(55gのSiO、ヘキサン/MTBE 40:1)により、メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(0.92g、90%)を得た。
沸点:98℃(0.07mbar)。
匂いの説明:フルーティー、ウッディー、田舎風。
【0125】
【化73】

【0126】
例26:メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−カルボキシレート
a)メチル1−メチル−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3,1’−シクロペンタン]−2−カルボキシレート
5℃で、ジクロロメタン(150ml)中の、メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(13.5g、60mmol、例25に記載したように調製)溶液を、MCPBA(17.8g、72mmol)で処理した。得られた混合物を20℃で4時間撹拌し、ろ過し、有機相を、水(100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮し、粗メチル1−メチル−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3,1’−シクロペンタン]−2−カルボキシレート(13g)を得た。沸点:130℃(0.08mbar)。
【化74】

【0127】
b)得られた粗メチル1−メチル−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3,1’−シクロペンタン]−2−カルボキシレート(13g)を、メタノール(100ml)中のナトリウム(1.5g、64mmol)溶液に加え、得られた混合物を、10時間還流し、冷却された2N 塩酸(100ml)中に注ぎ、MTBE(100ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(100ml)、飽和NaCl水溶液(100ml)で2回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮し、ジクロロメタン(80ml)中に溶解され、−30℃でトリエチルシラン(14.4ml、0.1mol)およびBF・OEt(4.7ml、37.8mmol)で処理された、粗メチル8−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−カルボキシレート(5.65g)を得た。温度を20℃に到達させながら、得られた混合物を3時間撹拌し、冷却された2N NaOH水溶液(80ml)中に注ぎ、MTBE(100ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(100ml)、飽和NaCl水溶液(100ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(2.05g)のFC(90gのSiO、ヘキサン/MTBE 95:5)により、メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−カルボキシレート(1.16g、3段階の全収率42%、)を得た。沸点:105℃(0.08mbar)。
匂いの説明:フルーティー、ダマスコン様、皮革風(leather)、ウッディー。
【化75】

【0128】
例27:エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−カルボキシレート
エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート(例14に記載したように調製)から、メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレートからメチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−カルボキシレートの調製(例26)に記載したように、ジクロロメタン中の、トリエチルシランおよびBF・OEtを使用して還元された、粗エチル8−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−カルボキシレートへの変換された(NaOEt、還流、4時間)、粗エチル1−メチル−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3,1’−シクロペンタン]−2−カルボキシレートを経由して調製した(FC(400gのSiO、ヘキサン/MTBE 40:1)後の全収率64%)。
【0129】
エチル1−メチル−7−オキサスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3,1’−シクロペンタン]−2−カルボキシレート
沸点:135℃(0.07mbar)。
【化76】

【0130】
エチル8−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−カルボキシレート
【化77】

【0131】
エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−カルボキシレート(沸点:100℃(0.08mbar))。
【化78】

匂いの説明:フルーティー、フローラル、田舎風、エチルサフラン塩様。
【0132】
例28:エチル7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート
a)7−メチレンスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボン酸
EtOH(200ml)中のKOH(47.5g、0.72mmol)溶液を、メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−カルボキシレート(15g、0.072mmol、例26に記載したように調製)で処理し、得られた混合物を、6時間還流し、冷却された2N NaOH水溶液(300ml)中に注ぎ、シクロヘキサン(100ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、2N NaOH水溶液(100ml)で洗浄し、合わせた水相を、濃HClで酸性化させ、MTBE(150ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(100ml)、飽和NaCl水溶液(150ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(12.8g)のFC(90gのSiO、ヘキサン/MTBE 88:12)により、7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−カルボン酸(0.7g、5%)、および7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボン酸(0.57g、4%)を得た。
【0133】
7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−カルボン酸
【化79】

【0134】
7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボン酸
【化80】

【0135】
b)エチル7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート
5℃で、DMF(30ml)中の、あらかじめ得られた、7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−カルボン酸(1.2g、6.2mmol)溶液を、KCO3(0.94g、6.8mmol)で処理した。得られた混合物を、30分間撹拌し、ヨウ化エチル(0.75ml、9.3mmol)で処理し、20℃で2時間撹拌し、冷却された2N 塩酸(20ml)中に注ぎ、ヘキサン(50ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(50ml)、飽和NaCl水溶液(50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(1.23g)のFC(90gのSiO、ヘキサン/MTBE 98:2)により、エチル7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート(0.69g、50%)を得た。沸点:90℃(0.08mbar)。
匂いの説明:フルーティー、オリス(orris)、ダマスコン、フローラル、グリーン、田舎風。
【0136】
【化81】

【0137】
例29:メチル7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート
5℃で、DMF(20ml)中の、あらかじめ得られた、7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−カルボン酸(1.1g、5.66mmol、例28に記載したように調製)溶液を、KCO3(0.86g、6.8mmol)で処理した。得られた混合物を、30分間撹拌し、ヨウ化メチル(0.53ml、8.5mmol)で処理し、20℃で2時間撹拌し、冷却された2N 塩酸(30ml)中に注ぎ、ヘキサン(50ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(50ml)、飽和NaCl水溶液(50ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(1g)のFC(30gのSiO、ヘキサン/MTBE 50:1)により、メチル7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート(0.84g、71%)を得た。沸点:90℃(1.1mbar)。
匂いの説明:フルーティー、田舎風、スパイシー。
【0138】
【化82】

【0139】
例30:(E)−1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
エチル7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート(2.65g、11.9mmol、例28に記載したように調製)を、塩化アリルマグネシウムの付加、それに続いて、FC後に1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタ−3−エン−1−オン(1.2g、46%)、および(E)−1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(0.26g、10%)へ導かれる、DMF中のKOt−Buで粗生成物を処理することにより、(E)−1−(rel−(6S,7S)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(例21)の合成において記載したように、中間体である、1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタ−3−エン−1−オンに変換した。MTBE(20ml)中の、1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタ−3−エン−1−オン(0.95g、4.35mmol)およびPTSA.HO(41mg、0.22mmol)溶液を、40℃で24時間加熱し、PTSA.HO(41mg、0.22mmol)で処理し、さらに40℃で24時間加熱した。PTSA.HOの添加を、24時間毎に6回繰り返した。得られた混合物を、30分間撹拌し、冷水(20ml)および2M NaOH水溶液(3滴)中に注ぎ、水相を、MTBE(20ml)で抽出した。合わせた有機相を、飽和NaCl水溶液(20ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(0.91g)のFC(90gのSiO、ペンタン/EtO 100:1)により、1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタ−3−エン−1−オン(0.24g、25%)、および(E)−1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(0.39g、41%)を得た。
【0140】
(E)−1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
沸点:110℃(0.09mbar)。
【化83】

匂いの説明:フルーティー、スパイシー、田舎風、オリス、エチルサフラン塩様。
【0141】
例31:(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
a)10−アセチル−9−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−7−オン
ディーン・スターク装置中で、ベンゼン(500ml)およびヘプタン(500ml)中の、1−シクロペンチリデンプロパン−2−オン/1−シクロペンテニルプロパン−2−オン(25:75、600g、4.83mol)、アセチルアセトン(493g、4.83mol)および塩化亜鉛(164.6g、1.21mol)の混合物を、2.5日間加熱して還流した(44mlの水を回収)。反応混合物を、氷/水(1.5l)中に注ぎ、シクロヘキサン(0.6l)で抽出した。有機相を、水(1l)、飽和NaHCO水溶液(0.5l)、飽和NaCl水溶液(1lおよび0.5l)で2回洗浄し、乾燥させ(100gのMgSO)、濃縮した(60℃まで/30mbar)。粗生成物(615g)のビグリュー蒸留(0.08mbar、浴温度:180℃、ヘッド温度:120〜130℃)により、10−アセチル−9−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−7−オン(20.7g、2.1%)を得た。沸点:150℃(0.09mbar)。
【化84】

【0142】
b)1−(9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−イル)エタノン
メタノール(90ml)中の、10−アセチル−9−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−7−オン(8.8g、42.7mmol)溶液を、無水三塩化セリウム(10.5g、27.3mmol)で処理した。得られた混合物を30分間撹拌し、−65℃まで冷却し、メタノール(60ml)中のホウ化水素ナトリウム(0.84g、21.3mmol)で20分間処理した。得られた混合物を、−65℃で45分間撹拌し、2N 塩酸および氷中に注ぎ、MTBE(100ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(100ml)、飽和NaCl水溶液(80ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(8.0g)のFC(SiO、ヘキサン/MTBE 3:1)により、cis/trans−1−(9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−イル)エタノン(5.31g、60%)を得た。
【0143】
trans−1−(9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−イル)エタノン
【化85】

【0144】
c)10−アセチル−9−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−7−イルアセテート
cis/trans−1−(9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−イル)エタノン(4.2g、20.2mmol)が8:92である混合物を、無水酢酸(4ml、42.3mmol)および酢酸ナトリウム(1.65g、20.2mmol)で処理した。得られた混合物を、80℃で1時間撹拌し、冷却された2N NaOH水溶液(50ml)中に注ぎ、MTBE(40ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(40ml)、飽和NaCl水溶液(40ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(4.82g)のFC(300gのSiO、ヘキサン/MTBE 8:1)により、cis/trans−10−アセチル−9−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−7−イルアセテート(4.1g、82%)を得た。
trans−10−アセチル−9−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−7−イルアセテート
【化86】

【0145】
d)1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)エタノン
DBU(30ml)中の、cis/trans−10−アセチル−9−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−7−イルアセテート(4.1g、16.4mmol)が8:92である溶液を、40℃で19時間撹拌した。反応混合物を、冷却された2N 塩酸(100ml)中に注ぎ、シクロヘキサン(50ml)で2回抽出した。合わせた有機相を、水(50ml)、飽和NaCl水溶液(40ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(2.92g)のFC(500gのSiO、ヘキサン/MTBE 50:1)により、メチル1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)エタノン(2.25g、72%)を得た。
【化87】

【0146】
e)3−ヒドロキシ−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)ブタン−1−オン
例10に記載したように、1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)エタノン(2.25g、11.8mmol)、LDA、アセトアルデヒドから、FC(300gのSiO、ヘキサン/MTBE 4:1から3:1)後、68%の収率で調製した。
【化88】

【0147】
f)(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
例10に記載したように、3−ヒドロキシ−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)ブタン−1−オン(1.88g、8.0mmol)、無水酢酸(1.6ml)、および酢酸ナトリウム(0.72g)から、69%の収率で調製した。沸点:120℃(0.09mbar)。
匂いの説明:ダマスコン様、田舎風、フルーティー。
【化89】

【0148】
例32:(E)−1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
a)1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)エタノン
20℃で、トルエン(20ml)中の、cis−/trans−1−(9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−イル)エタノン(2g、9.7mmol、例31に記載したように調製)が8:92である溶液を、パラ−トルエンスルホン酸無水和物(100mg、0.53mmol)および分子ふるいで処理し、16時間撹拌し、PTSA.HO(50mg、0.26mmol)で処理し、4時間撹拌し、PTSA.HO(20mg、0.11mmol)で処理し、3時間撹拌し、PTSA.HO(10mg、0.05mmol)で処理し、19時間撹拌し、PTSA.HO(14mg、0.05mmol)で処理し、2時間撹拌し、PTSA.HO(20mg、0.07mmol)で処理し、6時間撹拌し、氷/飽和NaHCO3溶液中に注ぎ、MTBE(30ml)で3回抽出した。有機相を、飽和NaCl水溶液で2回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(2g)のFC(200gのSiO、ヘキサン/MTBE 25:1)により、1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−イル)エタノン、1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)エタノン、および1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)エタノンが、3:90:7である混合物(0.87g、47%)、ならびに回収された出発物質(0.12g、6%)を得た。
【0149】
1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)エタノン
【化90】

【0150】
b)3−ヒドロキシ−1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタン−1−オン
−70℃、N雰囲気下で、無水THF(10ml)中のジイソプロピルアミン(0.91ml、6.5mmol)溶液を、ヘキサン(4ml、6.5mmol)中の1.6M n−BuLi溶液で滴下処理した。得られた溶液を、20分間撹拌し、無水THF(4ml)中の、1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−イル)エタノン、1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)エタノン、および1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)エタノンが、3:90:7である混合物(0.94g、4.98mmol)の溶液で滴下処理した。得られた溶液を、−50℃で45分間撹拌し、無水THF(4ml)中のアセトアルデヒド(1.2ml、20mmol)溶液で処理した。得られた溶液を、−40℃で1時間撹拌し、氷および2N HClの混合物中に注ぎ、MTBE(25ml)で3回抽出した。合わせた有機相を、飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(1.3g)のFC(40gのSiO、ヘキサン/EtO 10:1)により、3−ヒドロキシ−1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタン−1−オン(0.788g、68%、3:1 ジアステレオマー混合物)を得た。
【0151】
主生成物ジアステレオマー
【化91】

副生成物ジアステレオマー
【化92】

【0152】
c)3−ヒドロキシ−1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタン−1−オン(0.65mg、2.77mmol、3:1のジアステレオマー混合物)、無水酢酸(0.55ml、5.8mmol)および酢酸ナトリウム(0.25g、3.0mmol)の混合物を、80℃で7時間撹拌し、酢酸ナトリウム(0.1g、1.2mmol)で処理し、80℃で7時間撹拌し、0℃まで冷却し、飽和NaHCO水溶液(20ml)中に注ぎ、MTBE(10ml)で3回抽出した。合わせた有機相を、飽和NaCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(0.49g)のFC(30gのSiO、ヘキサン/MTBE 40:1)により、(E)−1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(0.34g、57%)を得た。沸点:100℃(0.097mbar)。
匂いの説明:ダマスコン様、土様、スパイシー。
【化93】

【0153】
例33:(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
a)1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−イル)エタノン
トルエン(25ml)中の、cis−/trans−1−(9−ヒドロキシ−7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−イル)エタノン(2.69g、13mmol、例31に記載したように調製)が8:92である溶液を、パラ−トルエンスルホン酸無水和物(250mg、1.3mmol)で処理し、45分間還流して加熱し、0℃まで冷却し、氷/飽和NaHCO水溶液中に注ぎ、水相を、MTBE(30ml)で抽出した。合わせた有機相を、飽和NaCl水溶液で3回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(3g)のFC(240gのSiO、ヘキサン/MTBE 25:1)により、1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−イル)エタノン、1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)エタノン、および1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)エタノンが、58:13:29である混合物(1.89g、76%)、ならびに回収された出発物質(0.12g、6%)を得た。
【0154】
【化94】

【0155】
b)3−ヒドロキシ−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−イル)ブタン−1−オン
−70℃、N雰囲気下で、無水THF(20ml)中のジイソプロピルアミン(1.82ml、12.9mmol)溶液を、ヘキサン(8.1ml、12.9mmol)中の1.6M n−BuLi溶液で滴下処理した。得られた溶液を、20分間撹拌し、無水THF(10ml)中の、1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−イル)エタノン、1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)エタノン、および1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)エタノンの混合物(1.89g、9.93mmol)が、58:13:29である溶液で滴下処理した。得られた溶液を、−60℃で45分間撹拌し、無水THF(10ml)中のアセトアルデヒド溶液(2.4ml、40mmol)で処理した。得られた溶液を、−40℃で1時間撹拌し、氷および2N HClの混合物中に注ぎ、MTBE(100ml)で3回抽出した。合わせた有機相を、飽和NaCl水溶液で3回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(2.4g、アルファ/ベータ/ガンマ 65:12:23)のFC(250gのSiO、ヘキサン/MTBE 10:1)により、3−ヒドロキシ−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−イル)ブタン−1−オン、および3−ヒドロキシ−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)ブタン−1−オンが、86:14の混合物(0.95g、40%)、ならびに、追加のFC(30gのSiO、ヘキサン/MTBE 10:1)後に、3−ヒドロキシ−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−イル)ブタン−1−オン、3−ヒドロキシ−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)ブタン−1−オン、および3−ヒドロキシ−1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタン−1−オンが、81:14:3である混合物(0.2g)を得る、3−ヒドロキシ−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−イル)ブタン−1−オン、3−ヒドロキシ−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)ブタン−1−オン、および3−ヒドロキシ−1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタン−1−オンが、63:9:28である混合物(0.358g、15%)を得た。
【0156】
3−ヒドロキシ−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−イル)ブタン−1−オン(主生成物ジアステレオマー)
【化95】

【0157】
c)(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
3−ヒドロキシ−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−イル)ブタン−1−オン、3−ヒドロキシ−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)ブタン−1−オン、および3−ヒドロキシ−1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタン−1−オンが81:14:3である混合物(0.2g、0.85mmol)、無水酢酸(0.17ml、1.8mmol)、ならびに酢酸ナトリウム(30mg、0.37mmol)を80℃で16時間撹拌し、酢酸ナトリウム(30mg、0.37mmol)で処理し、80℃で2時間撹拌し、0℃まで冷却し、冷却された飽和NaHCO水溶液(20ml)中に注ぎ、MTBE(10ml)で3回抽出した。合わせた有機相を、飽和NaCl水溶液で2回洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濃縮した。粗生成物(0.2g)のFC(30gのSiO、ヘキサン/MTBE 60:1)により、(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン(0.139g、77%)を得た。沸点:100℃(0.07mbar)。
匂いの説明:フローラル、ダマセノン様、わずかにグリーン。
【0158】
【化96】

【0159】
例34:(E)−1−(スピロ[4.5]デカ−2,6−ジエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
a)スピロ[4.5]デカ−2−エン−6−オン
トルエン(0.5l)中の、シクロヘキサノン(98.1g、1mol)、アリルアルコール(127.8g、2.2mol)、ジメトキシプロパン(114.6g、1.1mol)およびPTSA.HO(0.1g、0.5mmol)の溶液を、マイクロ蒸留カラム(30x2.5cm、ラシヒリングで充填)を装着したフラスコ中で加熱して還流した。25〜60℃および60〜110℃で蒸留し、画分を回収後、残渣(120g)を10cm−ビグリュー−カラム(0.07〜0.06mbar、ヘッド温度:57℃)を使用して蒸留し、2−アリルシクロヘキサノン(99.1g、72%)を得た。
【化97】

【0160】
トルエン(0.25l)中の、2−アリルシクロヘキサノン(50g、0.36mol)、アリルアルコール(46.2g、0.8mol)、ジメトキシプロパン(41.4g、0.4mol)およびPTSA.HO(35mg、0.18mmol)の溶液を、マイクロ蒸留カラム(30x2.5cm、ラシヒリングで充填)を装着したフラスコ中で加熱して還流した。25〜60℃および60〜110℃で蒸留し、画分を回収後、残渣(58g)を10cm−ビグリュー−カラムを使用して蒸留し、2−アリルシクロヘキサノン/ジアリルシクロヘキサノン(36.85g、0.06mbar、ヘッド温度:60℃)、および6,6−ジアリルシクロヘキサノン(6.74g、10%、20%の2,6−ジアリルシクロヘキサノン混入、0.06mbar、ヘッド温度:60℃)が、28:72である混合物を得た。1番目の画分を、マイクロ蒸留カラム(20x1.0cm、3x3mmのロールワイヤーネットで充填)を使用して再蒸留し、さらに6,6−ジアリルシクロヘキサノン(22.56g、35%、20%の2,6−ジアリルシクロヘキサノン混入、0.07mbar、ヘッド温度:61〜70℃)を得た。
【0161】
6,6−ジアリルシクロヘキサノン
【化98】

2,6−ジアリルシクロヘキサノン
【化99】

【0162】
2−ジクロロメタン(300ml)中の、6,6−および2,6−ジアリルシクロヘキサノンが80:20である混合物(22.0g、0.123mol)の溶液を、PhCH=Ru(PCyCl(10.2g、12.3mmol)で処理した。得られた混合物を、60℃で24時間撹拌し、濃縮した。残渣(30.68g)のボールトゥーボール蒸留(25〜140℃、0.1mbar)、それに続く、揮発性画分(14.9g)のFC(800gのSiO、ヘキサン/MTBE 30:1)により、スピロ[4.5]デカ−2−エン−6−オン(14.1g、95%)を得た。
【化100】

【0163】
b)1−(スピロ[4.5]デカ−2,6−ジエン−6−イル)エタノン
例10に記載したように、スピロ[4.5]デカ−2−エン−6−オンから、濃H2SO/AcOHでの処理(85℃、1時間)後に、1−(スピロ[4.5]デカ−2,6−ジエン−6−イル)エタノン(61%、2段階)へ導かれる、粗6−エチニルスピロ[4.5]デカ−2,6−ジエン(POCl、ピリジン、90℃、3.5時間)に変換される、6−エチニルスピロ[4.5]デカ−2−エン−6−オール(リチウムアセチリドエチレンジアミン錯体、THF、53%)を経由して調製した。
6−エチニルスピロ[4.5]デカ−2−エン−6−オール
【化101】

【0164】
6−エチニルスピロ[4.5]デカ−2,6−ジエン
【化102】

1−(スピロ[4.5]デカ−2,6−ジエンー6−イル)エタノン
【化103】

【0165】
C)(E)−1−(スピロ[4.5]デカ−2,6−ジエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
例10に記載したように、1−(スピロ[4.5]デカ−2,6−ジエン−6−イル)エタノンから、3−ヒドロキシ−1−(スピロ[4.5]デカ−2,6−ジエン−6−イル)ブタン−1−オン(LDA、アセトアルデヒド、THF、FC(SiO、ヘキサン/MTBE 1:1)後、72%、出発物質の17%回収)、およびそれに続く、AcO/AcONaによる処理(FC(SiO、ヘキサン/MTBE 30:1)後、35%)を経由して調製した。沸点:110℃(0.08mbar)。
匂いの説明:ローズ様、グリーン、フルーティー。
【化104】

【0166】
例35:香料組成物
【表1】

【0167】
例1の(E)−1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オンは、乾燥段階(dry-out stage)まで、このフローラルでフルーティーな香料に、極めて有益な側面を与える。その特有のプラム様の「ミラベル」トーンを伴って、(E)−1−(rel−(6S,7R)−7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オンの特徴に関するローズケトンは、ローズペタルアコードの自然な香りを改善し、蜂蜜アコードを濃厚にする。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

式中、
nは、1、2、3または4であり;
mは、0または1であり;
は、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキルオキシ、C〜Cアルケンオキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、シクロプロピル、2−メチルシクロプロピル、1−メチルシクロプロピルおよびシクロプロピルメチルオキシから選択され;
は、水素、メチル、エチル、メチレンおよびエチリデンから選択され;
環Aは、飽和または、二重結合を1個または2個含む不飽和であり;
環Bは、飽和または、二重結合を1個または2個含む不飽和である、
で表される化合物の、フレグランスとしての使用。
【請求項2】
式(I)の化合物が、
(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート、エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート、アリル7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート、メチル7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート、エチル7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート、1−(7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタン−1−オン、1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタン−1−オン、(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、(E)−1−(スピロ[4.5]デカ−6−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、(E)−1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−6−エン−4−イル)ブタ−2−エン−1−オン、(E)−1−(5−メチルスピロ[2.5]オクタ−5−エン−4−イル)ブタ−2−エン−1−オン、エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート、(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、エチル7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート、エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−カルボキシレート、エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−カルボキシレート、(2−メチルシクロプロピル)(7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)メタノン、メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−7−エン−6−カルボキシレート、メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−カルボキシレート、エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−カルボキシレート、(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレート、エチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレート、(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−7,9−ジエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、(E)−1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、メチル2−メチルスピロ[4.4]ノナ−1−エン−1−カルボキシレート、エチル2−メチルスピロ[4.4]ノナ−1−エン−1−カルボキシレート、(E)−1−(2−メチルスピロ[4.4]ノナ−1−エン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン、メチル2−メチルスピロ[4.4]ノナ−2−エン−1−カルボキシレート、エチル2−メチルスピロ[4.4]ノナ−2−エン−1−カルボキシレート、(E)−1−(2−メチルスピロ[4.4]ノナ−2−エン−1−イル)ブタ−2−エン−1−オン、シクロプロピル(7−メチルスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−イル)メタノン、(2−メチルシクロプロピル)(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)メタノン、シクロプロピル(7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−イル)メタノン、メチル7−エチリデンスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート、エチル7−エチリデンスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート、(2E)−1−(7−エチリデンスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−9−エン−6−カルボキシレート、メチル7−メチルスピロ[4.5]デカ−6,8−ジエン−6−カルボキシレート、メチル7−メチレンスピロ[4.5]デカ−8−エン−6−カルボキシレート、エチル7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート、メチル7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレート、(E)−1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、(E)−1−(スピロ[4.5]デカ−2,6−ジエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−2,6−ジエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−2,7−ジエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−2,8−ジエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン、(E)−1−(7−メチレンスピロ[4.5]デカ−2−エン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オンおよび(E)−1−(7−メチルスピロ[4.5]デカ−2,6,8−トリエン−6−イル)ブタ−2−エン−1−オン
からなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
請求項1または2に記載の式(I)の化合物またはその混合物を含む、フレグランス組成物。
【請求項4】
請求項1または2に記載の式(I)の化合物またはその混合物の、消費者製品基材への組み込みを含む、フレグランス用品の製造方法。
【請求項5】
式(I)
【化2】

式中、
nは、1、2、3または4であり;
mは、0または1であり;
は、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキルオキシ、C〜Cアルケンオキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、シクロプロピル、2−メチルシクロプロピル、1−メチルシクロプロピルおよびシクロプロピルメチルオキシから選択され;
は、水素、メチル、エチル、メチレンおよびエチリデンから選択され;
環Aは、飽和または、二重結合を1個または2個含む不飽和である、
で表される化合物(但し、エチルスピロ[4.5]デカ−3−エン−1−カルボキシレート;エチルスピロ[2.4]ヘプタ−4,6−ジエン−4−カルボキシレート;メチルスピロ[2.4]ヘプタ−4,6−ジエン−4−カルボキシレート;メチルスピロ[4.4]ノナン−1−カルボキシレート;tert−ブチルスピロ[4.5]デカン−6−カルボキシレートおよびメチルスピロ[5.5]ウンデカ−4−エン−1−カルボキシレートを除く)。
【請求項6】
酸性または塩基性条件下で、
式(I)
【化3】

式中、
nは1、2、3または4であり;
mは0または1であり;
は、C〜Cアルコキシ、C〜Cシクロアルキルオキシ、C〜Cアルケンオキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、シクロプロピル、2−メチルシクロプロピル、1−メチルシクロプロピル、およびシクロプロピルメチルオキシから選択され;
は、水素、メチル、エチル、メチレン、およびエチリデンから選択され;
環Aは、飽和または、二重結合を1個または2個含む不飽和である、
で表される化合物を製造する方法であって、
式(II)、
【化4】

式中、
n、m、RおよびRは上の式(I)に与えられたものと同一の意味であり;
環Aは、飽和または、二重結合を1個含む不飽和であり;
環Bは、飽和または、二重結合を1個または2個含む不飽和であり;および
Xは、R’’が水素、C〜C12アルキル、またはC〜C12アルケニルである−OR’’、R’’’がC〜C12アルキルである−O−C(O)R’’’、または、RIVがC〜C12アルキルである−O−COIV、から選択され、およびXはC−2、C−3またはC−4に結合している、
で表される化合物からのHXの脱離を含む、前記方法。


【公表番号】特表2010−529267(P2010−529267A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511466(P2010−511466)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【国際出願番号】PCT/CH2008/000260
【国際公開番号】WO2008/151455
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(501105842)ジボダン エス エー (158)
【Fターム(参考)】