説明

有機物質の変換の方法および装置

本発明は有機物質のエネルギー含有量を、該物質を炭化水素および結果として得られるその製品へと変換することにより増強するための方法および装置に関する。有機物質を炭化水素燃料へと変換する方法が開示されている。本方法は、流体中にある前記有機物質を225バールを超える圧力に加圧するステップ、前記流体中の前記有機物質を、元素周期律表のIA族の少なくとも1つの元素の化合物を含む均一系触媒の存在下で200℃を超えた温度に加熱するステップを含む。開示された本方法は、更に、前記流体が初期において7を超えるpH値を有することを確実にした上で、前記流体中の前記有機物質を、周期律表のIVB族の少なくとも1つの元素の化合物および/またはα−アルミナを含む不均一系触媒と接触するステップを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機物質のエネルギーの含有量を、該物質を炭化水素および結果として得られるその製品へと変換することにより増強するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
世界のエネルギー需要は増大しており、また化石燃料源は消耗されており、利用できるエネルギー源に対する競争の増大へと導いていて、そしてその結果、高いエネルギー価格が経済成長を妨げている。この状況を克服するために、再生可能なエネルギー源を開発しなければならない。エネルギー需要のかなりの部分を賄うのに十分な能力を備える唯一の再生可能なエネルギー源はバイオマス変換である。バイオマスは既存の技術によって熱や電力に効果的に変換されるが、しかしながら、全エネルギー消費量の3分の1を占める輸送用燃料は高いエネルギー密度の流体として利用可能でなければならず、好ましくはジーゼルオイルやガソリンなどの化石燃料と混合可能でなければならない。従って、バイオマスのエネルギーの含有量を変換し、そして増強する技術が要望されている。
【0003】
同時に、全世界で、工場、家庭などからあらゆる種類の廃棄物が生成されており、そしてその結果として最近の数十年に亘り、廃棄物処理が、克服できない廃棄物の量へと増大してきている。廃棄物を捨てることはますます問題となってきており、そして従って安価で効果的な廃棄物の処理がますますより重要になってきている。
【0004】
廃棄物処理の知られている方法は、ごみの焼却である。しかしながら、例えば汚水スラッジ、および産業排水処理残渣などの、多くの廃棄物は高い水分含量が原因して焼却に適さない。このような廃棄物の焼却は追加のエネルギー投入を要し、すなわち、総プロセスエネルギーはマイナスである。このことを考慮して、このような廃棄物の処理のための新規な方法が開発されてきている。しかしながらこれらの知られている方法は、同じ装置内で処理することのできる廃棄物の種類に関して、また再生利用可能な製品へと変えられた変換された廃棄物がどれだけの量であるかについて、未だ非常に限定されている。加えて、再生利用可能な製品への変換された有機物質のエネルギーは、その方法に投入されたエネルギーの量に比較して未だ非常に低い。従って、有機物質の変換を商業的に魅力あるようにするためには、今もなお、よりエネルギー効率の高いプロセスの必要性がある。
【0005】
更に、知られている方法では、装置の内部の焦げたものおよび煤が、装置の定期的な清掃を必要とするほどの量で堆積することを示している。このような清掃操作は時間を費やし、そしてそれ故に費用が掛かる。
【0006】
知られている方法においては、有機物質の変換のための装置を作るのに用いられる材料の腐食が問題であり、これらの構成材の材料はより高価な材料のグループから選ばれなければならない。この腐食の問題は、変換のための装置のコストを増大させ、そしてそれ故にごみ焼却の代わりに廃棄物の変換を用いるという動機を減少させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、廃棄物、スラッジ、バイオマスなどのような有機物質を炭化水素燃料などの再生利用可能な製品へと変換するための改善された方法および改善された装置を提供するものであり、この方法は、前述の問題点と不都合を、少なくとも部分的に克服するか、または少なくとも軽減する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の他の目的は、有機物質の変換から改善された再生利用可能な製品を提供することにあり、その改善された製品はある種のエネルギーのように再利用できる。これらの目的および他のいくつかの目的は、以下で明白になり、有機物質を炭化水素燃料へと変換する、以下のステップを含む方法を提供することにより、本発明の最初の態様によって達せられる:
−流体中の前記有機物質を225バールを超える圧力に加圧すること、また
−前記流体中の前記有機物質を、元素周期律表のIA族の少なくとも1つの元素の化合物を含む均一系触媒の存在下で200℃を超えた温度に加熱すること、更に、
−前記流体中の前記有機物質を、周期律表のIVB族の少なくとも1つの元素の化合物および/またはα−アルミナを含む不均一系触媒と接触させること、また
−前記流体を7を超えるpH値に調整すること、
の各ステップを含む方法。
【0009】
有機物質を再生利用可能な製品へと変換する改善された方法がここに得られる。有機物質を、周期律表のIVB族の少なくとも1つの元素の化合物および/またはα−アルミナを含む不均一系触媒と接触させることにより、該触媒は再利用が可能であり、また有機物質の連続的な変換が可能である。その結果、一定量の有機物質を変換するのに消費される触媒の量は減少し、それによって物質を変換するコストはかなり減少する。加えて、触媒プロセスを2つの別々のプロセスに分割することが変換の速度を増大させるという事実に起因して、工程所要時間は相当に減少している。
【0010】
更に、流体を7を超えるように調整することにより、装置の中で関係する構成材料として使用される材料の腐食は、相当に減少する。これらの材料の腐食が減少するので、装置の建造には安価な標準的な材料を使用することができる程である。
【0011】
本発明の他の態様によれば、本方法は、前記有機物質を含む前記流体のpH値を、7〜14の範囲、例えば7〜12、そして好ましくは7〜10の範囲、例えば7〜9.5の範囲に維持するステップを含むことができる。有機物質を炭化水素燃料へと変換する際に、装置の関係する構成材料として使用される材料の腐食が少なくとも大したことのない量の腐食まで実質的に減少されることが、これによって達成される。
【0012】
更に、本発明の態様によれば、本方法は、有機物質を、4〜15バールの圧力、100〜170℃の温度で、0.5〜2時間前処理するステップを含むことができる。有機物質をこの圧力で前処理することにより、有機物質は予備変換され、それによってその後の変換が、前処理なしよりも、より速く行われる。
【0013】
続いて、本発明の他の態様によれば、前処理ステップは切断、グラインディング、ミリング、または篩い分けステップ、またはそれらの組み合わせなどの物質のサイズ減少のステップを含むことができる。このようなサイズの減少により、有機物質の変換プロセスは、サイズ減少なしよりも、なお更より速く行われる。
【0014】
更に、本発明によれば、前処理ステップは流体に添加剤を加えるステップを含むことができ、それによって、変換プロセスは、変換時間の速度に関して、また有機物質の炭化水素燃料への変換の結果の製品に関して、更により改善される。有機物質の変換に由来する製品は、これらの添加剤を加えることによって、制御することが可能であり、それで結果として得られる製品はオイル、メタノール、水、水溶性有機物、水溶性塩、などの可変の組成を有することができる。それ故に、再生利用可能な製品を、製品のその後の使用の希望に関して調整することが可能である。
【0015】
本発明の1つの態様では、前処理ステップは前記の有機物質を含む前記の流体のpHを7を超えるように調整するステップを含むことができる。それにより変換プロセスの早い段階で有機物質を含む流体のpH値を調整することができるので、それによって変換の工程所要時間が減少する。
【0016】
有機物質を含む流体の前処理ステップにより、流体中の固体状態の物質の量を増加することができ、これがまた変換のより速い速度とそれによる更に高い生産能力を導く。このことが、より効率的かつコストを削減した有機物質の変換をもたらす。
【0017】
本発明の他の態様では、本方法は有機物質を含む流体から粒子を分離するステップを更に含むことができる。有機物質を含む流体を不均一系触媒と接触させる前に、粒子を分離することにより、変換プロセスの結果として生じるオイルなどの製品が、その結果これらの粒子に実質的に拘束されなくなり、そしてその結果、この変換プロセスの後に、更に直接に再利用可能となる。その結果、精製装置などの第二のプロセスがなくても済む。
【0018】
本発明の更に他の態様では、本方法は流体を加熱する第二のステップを更に含むことができる。これにより、有機物質を含む流体の温度は不均一系触媒と接触するすぐ前に調整することができ、その結果プロセスは最適化され、それが工程所要時間を減少することに導く。更に、このような早い段階で流体から粒子を分離してしまうことにより、分離された粒子の輸送のための相当の量のエネルギーが節約され、これはまた総量としての変換プロセスのエネルギー消費の量を減少させる。
【0019】
更に、本発明によれば、本方法は第二の粒子分離ステップを含むことができるが、このステップは第一の粒子分離ステップに対しての単なる安全対策である。このステップは、第一の粒子分離ステップと同じ理由で、変換プロセスのエネルギー消費の総量を減少させる。
【0020】
更に、本発明によれば、本方法は流体を冷却するステップを含むことができる。流体の冷却によって、有機物質の変換の結果として得られる製品は、製品の組成に関して最適化することができる。
【0021】
有利には、本発明によれば、冷却のステップは、第一の加熱ステップおよび/または前処理ステップにおける流体の予備加熱のステップとの熱交換によって実施することができる。これによって、再生利用可能な製品への変換の第二の部分の前の冷却が必要な流体から、流体を不均一系触媒に接触させる前の変換プロセスの最初の部分における流体に、熱を再利用することが達成される。この結果、有機物質の変換のためのエネルギーの総量は、最小に保たれる。
【0022】
本発明の1つの態様では前記の方法は、流体からの、燃料ガスなどのガスの分離のステップを更に含むことができる。このガスの分離によって、再生利用可能な1種類の製品が得られ、これは本発明の目的の1つである。
【0023】
本発明の1つの態様では、本方法は燃料ガスが第二の加熱ステップにおいて流体を加熱するのに用いられるステップを更に含むことができる。分離されたガスを用いることによって、これは有機物質の変換において再利用されているのであり、従って再生利用可能ということである。
【0024】
さらに、本発明によれば、本方法は、第一のメンブレンフィルタ中でオイルおよび水溶性塩から水および水溶性有機物をろ過するステップを更に含むことができる。この分離によって、再生利用可能な製品が得られ、また再生利用可能な製品への更なる変換が可能である。
【0025】
本発明の1つの態様では、水および水溶性有機物は直接メタノール型燃料電池の中で、電力に変換される。これは、本発明の再生利用可能な製品の1つを利用する1つの方法である。これはまた、再利用製品を電力の形態の使用可能な製品へと変換する、後に続くステップであるとみなすことができる。
【0026】
本発明の他の態様では、本方法はまた、第二のメンブレンフィルタにおけるメタノールの精製などの、水から水溶性有機物をろ過する第二のろ過ステップを含むことができる。この変換ステップによって1つの再利用製品が得られる。
【0027】
続いて、前記の1つまたはそれ以上のメンブレンフィルタは、限外ろ過、ナノろ過、逆浸透、またはパーベーパレーションまたはそれらの組み合わせを含むメンブレンプロセスの群から選ぶことができる。この選択により、異なる種類の再利用製品を得ることができる。
【0028】
本発明の1つの態様では、第二のろ過ステップの後で水および水溶性有機物は、逆浸透プロセスの中で飲用可能な水に変換することができる。逆浸透のプロセスを含む本方法により、1つの非常に有効な製品が得られる。
【0029】
本発明の1つの態様では、濃縮されたメタノールを含む水溶性有機物は前処理ステップに再循環することができる。これによって、変換方法の更なる最大限の利用が達成され、そして濃縮されたメタノールの変換された製品が再利用される。
【0030】
更に、本発明の1つの態様では本方法は相分離を含むことができ、これにより製品としてのオイルの分離ができる。
【0031】
本発明の1つの態様では、流体中の有機物質を不均一系触媒と接触させるステップは温度を実質的に一定に保ちながら実施することができる。接触ステップにおいて温度を一定に保つことにより、流体の不均一系触媒への接触が同じ条件に保たれ、そしてそれ故に変換が接触ステップを通して一定となる。更なる利点は、変換に含まれる化学反応の平衡と反応速度が接触ステップを通して一定に保たれるので、その結果変換によって形成される製品の均一性を確実にする。
【0032】
本発明の他の態様では、接触ステップの温度を、200〜650℃の範囲、例えば200〜450℃の範囲、また好ましくは200〜374℃の範囲、またより好ましくは250〜374℃の範囲、例えば275〜350℃の範囲とすることができる。このような低い温度に保つことにより、変換プロセスは、同じ量の有機物質を変換するのに、より高い温度での場合よりもより少ないエネルギーしか使用しない。低い温度は、7を超えるpH値とともに、本方法が実施される装置に用いられる材質の腐食を低減する。
【0033】
接触ステップが低い温度であることは、炭化水素燃料へと変換される有機物質の割合を増加させ、そしてそれによって、接触ステップのオイル生成能力を増加する。このような低い温度では、塩の溶解度はより高い温度に比べて高い、そのために装置の内部で塩の堆積がほとんど発生しないので、変換プロセスは更に有利である。更に、このような低い温度では有機物質は煤やタールへは少ししか変換されず、これらの生成物は非常に再生利用可能であるとはいえない。最後に、このような低い温度は装置をより耐腐食性でない材料で建造することを許し、さらに競争力を改善する。
【0034】
本発明の他の態様では、前記の変換の圧力が、225〜600バールの範囲、例えば225〜400バールの範囲、また好ましくは225〜350バールの範囲、例えば240〜300バールの範囲であることができる。これらの範囲の圧力を用いることにより、本方法には標準的な構成材料と装置を用いることができ、それゆえ変換プロセスおよび装置のコストは、より高い圧力でのそれに比べて、相当に低減される。
【0035】
更に、本発明の方法では、接触ステップが30分間未満、例えば20分間未満、好ましくは10分間未満、例えば7.5分間未満、またより好ましくは0.5〜6分間の範囲、例えば1〜5分間の範囲でなされることができる。流体を短時間接触することにより、有機物質の変換処理率を実質的に減らさないで、変換の工程所要時間が減少する。
【0036】
更に、本発明の他の態様では、周期律表のIVB族の少なくとも1つの元素の化合物がジルコニウムおよび/またはチタンを含むことができる。不均一系触媒としてジルコニウムおよび/またはチタンを用いることにより、有機物質の変換処理率を減らさないで、変換の工程所要時間が減少する。
【0037】
本発明の他の態様では、周期律表のIVB族の少なくとも1つの元素の化合物が酸化物および/または水酸化物型またはこの2つの組み合わせであることができる。酸化物および/または水酸化物型の不均一系触媒を用いることにより、有機物質の変換処理率を減らさないで、変換の工程所要時間が減少する。
【0038】
有利には、本発明の他の態様では、周期律表のIVB族の少なくとも1つの元素の化合物の少なくとも一部が硫酸塩または硫化物型であることができる。硫酸塩または硫化物型の不均一系触媒を用いることにより、有機物質の変換処理率を減らさないで、変換の工程所要時間が減少する。
【0039】
本発明の1つの態様では、不均一系触媒が、Fe、Ni、Co、Cu、Cr、W、Mn、Mo、V、Sn、Zn、Si、からなる群から選ばれた少なくとも1つの元素を、20質量%以下の量で、例えば10質量%までの量で、好ましくは5質量%までの量で、例えば2.5質量%までの量で更に含むことができる。1つまたはそれ以上のこの群の元素を一緒にもつ上述の不均一系触媒を用いることにより、有機物質の変換処理率を減らさないで、変換の工程所要時間が相当に減少する。
【0040】
更に、本発明の他の態様では、これらの元素が酸化物および/または水酸化物型であることができ、それにより有機物質の変換処理率を減らさないで、変換の工程所要時間が更に減少する。
【0041】
更に、本発明の他の態様では、不均一系触媒が、懸濁した粒子、タブレット、ペレット、環、円筒、ハニカム構造、繊維構造および/またはそれらの組み合わせの形態であることができる。前記の不均一系触媒の構造の利点は、接触される有機物質流れの流速分布を制御し、更に適当な圧力損失と触媒の全表面への接触を確実にすることである。
【0042】
更に、本発明の他の態様では、前記の不均一系触媒は、少なくとも一部が反応装置中に入っている。これによって、反応装置の中にある触媒の一部を再利用することが可能となる。
【0043】
有利には、本発明の他の態様では、前記の反応装置が固定床反応装置である。固定床反応装置を用いることによって、反応装置の中にある触媒の一部を再利用することがよりずっと容易に可能となる。
【0044】
本発明の1つの態様では、前記の不均一系触媒が、10m/g以上、例えば25m/g、好ましくは50m/g以上、例えば100m/g、またより好ましくは150m/g以上、例えば200m/g以上のBET表面積を有することができる。このBET表面積を有することにより、十分な触媒活性表面積が確保されるので、変換プロセスの質を下げることなく、変換の工程所要時間が更に減少する。
【0045】
本発明の他の態様では、前記の不均一系触媒は、Si、La、YまたはCeまたはそれらの組み合わせからなる群から選ばれた少なくとも1つの表面積安定剤を含むことができる。この表面積安定剤を有することにより、変換プロセスの質を下げることなく、触媒寿命は更に延長される。
【0046】
有利には、本発明の1つの態様では、前記の不均一系触媒は、前記の表面積安定剤の少なくとも1つを20質量%以下の有効量で、例えば10質量%以下の有効量で、好ましくは前記の表面積安定剤を7.5質量%以下の有効量で、例えば表面安定剤を5質量%以下の有効量で含むことができ、そしてより好ましくは前記の表面安定剤が0.5〜5質量%の有効量で存在する、例えば1〜3質量%存在する。この表面安定剤を20質量%以下有することにより、変換プロセスの質を下げることなく、触媒寿命は更に延長される。
【0047】
更に、本発明の他の態様では、前記の不均一系触媒は、1000時間の使用後に10m/g以上のBET表面積を、例えば1000時間の使用後に25m/g以上のBET表面積を、また好ましくは1000時間の使用後に50m/g以上のBET表面積を、例えば1000時間の使用後に100m/g以上のBET表面積を、またより好ましくは1000時間の使用後に150m/g以上のBET表面積を、例えば1000時間の使用後に200m/g以上のBET表面積を有することができる。この1000時間の使用後に10m/g以上のBET表面積を有することにより、十分な触媒活性表面積が確保されるので、変換プロセスの質を下げることなく、変換の工程所要時間が更に減少する。
【0048】
更に、本発明の他の態様では、前記の不均一系触媒が赤泥から生成される。これによって、有機物質の変換における廃棄物の利用がなされ、有機物質もまた廃棄物である。
【0049】
更に、本発明によれば、本方法は炭酸塩および/または炭酸水素塩を再循環するステップを含むことができる。炭酸塩および/または炭酸水素塩を再循環することにより、本方法は変換方法に由来する製品を再利用し、そしてこのことにより本方法の最大限の利用がなされる。
【0050】
本発明の1つの態様では、前記の炭酸塩および/または炭酸水素塩の濃度は、0.5質量%以上、例えば1質量%以上、また好ましくは2質量%以上、例えば3質量%以上、そしてより好ましくは4質量%以上、例えば5質量%以上であることができる。炭酸塩および炭酸水素塩は、均一系触媒により実施される触媒での変換において重要な活性化剤である。
【0051】
更に、本発明によれば、本方法は少なくとも1つのアルコールを再循環するステップを含むことができる。少なくとも1つのアルコールを再循環することにより、本方法は変換方法に由来する製品を再利用し、そしてこのことにより本方法の最大限の利用がなされる。
【0052】
本発明の1つの態様では、前記の少なくとも1つのアルコールがメタノールを含むことができ、それによって非常に有効な再生利用可能な製品が、本方法を最大限利用しながら再利用される。
【0053】
本発明の他の態様では、前記の流体中のメタノールの含有量が、0.05質量%以上、例えば0.1質量%以上、また好ましくは0.2質量%以上、例えば0.3質量%以上、そしてより好ましくは0.5質量%以上、例えば1質量%以上であることができる。メタノールはオイル製品の生成の原因となる化学反応に関与しており、そして化学反応においてラジカルを破壊するが、そうでなければ、ラジカルは有機物質の分解の間に煤とタールの形成の原因となる。
【0054】
有利には、本発明の他の態様では、本方法は水素を含む流体を再循環するステップを含むことができる。水素を含む流体を再循環することにより、本方法は変換方法に由来する製品を再利用し、そしてこのことにより本方法の最大限の利用がなされる。
【0055】
更に、本発明の他の態様では、前記の流体の水素含有量が、処理される前記の有機物質の量の0.001質量%以上に相当する、例えば処理される前記の有機物質の量の0.01質量%以上、また好ましくは処理される前記の有機物質の量の0.1質量%以上、例えば処理される前記の有機物質の量の0.2質量%以上、そしてより好ましくは流体の水素含有量が処理される前記の有機物質の量の0.5質量%以上、例えば処理される前記の有機物質の量の1質量%以上であることができる。水素は飽和オイル化合物を生成する化学反応に関与しており、反応においてフリーラジカルを破壊するが、そうでなければフリーラジカルは、変換において有機物質の熱分解中に煤とタールの形成に導くことになる。
【0056】
更に、本発明によれば、本方法は少なくとも1つのカルボン酸を再循環するステップを含むことができる。少なくとも1つのカルボン酸を再循環することにより、本方法は変換方法に由来する製品を再利用し、そしてこのことにより本方法の最大限の利用がなされる。
【0057】
更に、本発明の他の態様では、前記の少なくとも1つのカルボン酸が、1〜4炭素原子に相当する鎖長を有するカルボン酸を少なくとも1つ含むことができる。前記の少なくとも1つの1〜4炭素原子に相当するカルボン酸は、オイル製品を生成する化学的な連鎖の形成反応に関与している。
【0058】
更に、本発明の他の態様では、前記の少なくとも1つのカルボン酸が、ギ酸および/または酢酸を含むことができる。前記の少なくとも1つの1〜4炭素原子に相当するカルボン酸は、オイル製品を生成する化学的な連鎖の形成反応に関与している。
【0059】
有利には、本発明によれば、前記の流体中の前記のカルボン酸の濃度が、100質量ppm以上、例えば250質量ppm以上、そして好ましくは400質量ppm以上、例えば500質量ppm以上であることができる。この濃度レベルで、オイル製品生成の化学反応速度は、有機物質の前記のオイル製品への変換を確実にするのに十分である。
【0060】
本発明の1つの態様では、少なくとも1つのアルデヒドおよび/または少なくとも1つのケトンを再循環するステップを含むことができる。少なくとも1つのアルデヒドおよび/または少なくとも1つのケトンを再循環することにより、本方法は変換方法に由来する製品を再利用し、そしてこのことにより本方法の最大限の利用がなされる。
【0061】
本発明の他の態様では、前記の少なくとも1つのアルデヒドおよび/または少なくとも1つのケトンは、1〜4炭素原子に相当する鎖長を有する少なくとも1つのアルデヒドおよび/または少なくとも1つのケトン含むことができる。前記の1〜4炭素原子に相当する少なくとも1つのアルデヒドおよび/または少なくとも1つのケトンは、オイル製品を生成する化学的な連鎖の形成反応に関与している。
【0062】
更に、本発明の他の態様では、前記の少なくとも1つのアルデヒドおよび/または少なくとも1つのケトンは、ホルムアルデヒドおよび/またはアセトアルデヒドを含むことができる。前記の1〜4炭素原子に相当する少なくとも1つのアルデヒドおよび/または少なくとも1つのケトンは、オイル製品を生成する化学的な連鎖の形成反応に関与している。
【0063】
本発明によれば、前記の流体中の前記の少なくとも1つのアルデヒドおよび/または少なくとも1つのケトンの濃度は、質量比100ppm以上、例えば質量比250ppm以上、そして好ましくは質量比400ppm以上、例えば質量比500ppm以上であることができる。この濃度レベルで、オイル製品生成の化学反応速度は、有機物質の前記のオイル製品への変換を確実にするのに十分である。
【0064】
有利には、本発明の1つの態様では、均一系触媒はカリウムおよび/またはナトリウムを含む。カリウムおよび/またはナトリウムを均一系触媒として用いることにより、有機物質の変換処理率を実質的に減らさないで、変換の工程所要時間が減少し、またオイル製品生成に関与する化学反応の速度は、前記のオイル製品の生成を促進するように増大される。
【0065】
更に、本発明の他の態様では、均一系触媒はKOH、KCO、KHCO、NaOH、NaCOまたはNaHCO、またはそれらの組み合わせからなる群から選ばれた1つまたはそれ以上の水溶性塩を含むことができる。有機物質の変換の一部として生成される二酸化炭素との組み合わせで、前記の塩は炭酸塩へと変換され、それは化学反応に活性化剤として関与する。
【0066】
本発明の他の態様では、均一系触媒の濃度は、0.5質量%以上、例えば1質量%以上、また好ましくは1.5質量%以上、例えば2.0質量%以上、そしてより好ましくは2.5質量%以上、例えば4質量%以上であることができる。この濃度レベルで、オイル製品生成の化学反応速度は、有機物質の前記のオイル製品への変換を確実にするのに十分である。
【0067】
更に、本発明の他の態様では、前記の流体は水を含んでいる。水は安価で非常によくある液体であり、そしてそれ故に水を用いることによって、有機物質を変換する方法のコストは最小限に保たれ、また本方法は世界の全ての地域で用いることができる。
【0068】
本発明の1つの態様では、前記の水は、5質量%以上、例えば10質量%以上、また好ましくは20質量%以上、例えば30質量%以上、そしてより好ましくは40質量%以上の濃度であることができる。変換される有機物質は揚水可能(pumpable)なものでなければならない。
【0069】
本発明の他の態様では、前記流体中の前記の水の濃度は、99.5質量%以下、例えば98質量%以下、また好ましくは95質量%以下、例えば90質量%以下、そしてより好ましくは85質量%以下、例えば80質量%以下であることができる。水の含有量を減らすことによって、原料の発熱量が増大し、変換される有機物質の揚水性を犠牲にすることなく、一定の加工コスト当たりのオイル生成能力の増大をもたらす。
【0070】
本発明の1つの態様では、少なくとも1つの炭酸塩および/または少なくとも1つの炭酸水素塩および/または少なくとも1つのアルコールおよび/または少なくとも1つのカルボン酸および/または少なくとも1つのアルデヒドおよび/または少なくとも1つのケトンが、少なくとも1部を前記の有機物質の転換により生成することができる。変換プロセスに由来する製品を再利用することによって、有機物質の変換処理率を減らさないで、変換の工程所要時間が減少する。更に、流出液流れの処理の費用が節約される。
【0071】
本発明の他の態様では、前記の少なくとも1つの炭酸塩および/または少なくとも1つの炭酸水素塩および/または少なくとも1つのアルコールおよび/または少なくとも1つのカルボン酸および/または少なくとも1つのアルデヒドおよび/または少なくとも1つのケトンは、接触ステップの後に再循環することができる。これによって変換プロセスから結果として得られる製品のいくらかが再利用されること、そして有機物質の変換処理率を減らさないで、変換の工程所要時間を減少することが達成される。
【0072】
更に、本発明の他の態様では、前記の再循環の流れの少なくとも一部は、触媒反応装置に入る前に、前記の均一系触媒および転換される有機物質を含む前記の流体の供給流れとある比率で混合することができる。これによって、変換プロセスから結果として得られる製品のいくらかが再利用されること、そして有機物質の変換処理率を減らさないで、変換の工程所要時間を減少することが達成される。
【0073】
更に、本発明の他の態様では、再循環流れの供給流れに対する比率は1〜20の範囲、例えば1〜10、また好ましくは1.5〜7.5の範囲内、例えば2〜6の範囲、そしてより好ましくは2.5〜5の範囲であることができる。これによって、変換プロセスから結果として得られる製品のいくらかが再利用されること、そして有機物質の変換処理率を減らさないで、変換の工程所要時間を減少することが達成される。
【0074】
有利には、本発明の他の態様では、前記の有機物質の変換は、90%以上、例えば95%以上、また好ましくは97.5%超、例えば99%超、そしてより好ましくは99.5%超、例えば99.9%超であることができる。高い変換はオイル生成能力の最大化をもたらし、そしてオイル製品中の未変換の有機物質の含有量を最小化または排除するので、それによって精製ステップの必要性を排除する。
【0075】
本発明の1つの態様では、不均一系触媒を備えた前記の反応装置は、所定の間隔で熱い加圧水での処理に付すことができる。
【0076】
本発明の他の態様では、熱い加圧水での前記の処理は、12時間未満の継続時間、例えば6時間未満の継続時間、好ましくは3時間未満の継続時間、例えば1時間未満の継続時間を有することができる。
【0077】
本発明の他の態様では、熱い加圧水でのその処理の間隔は、6時間以上、例えば12時間以上、好ましくは熱い加圧水でのその処理の間隔は24時間以上、例えば1週間以上であることができる。
【0078】
熱い加圧水で反応装置を処理するかまたはフラッシングすることにより、反応装置の寿命は延び、そしてそれ故に本方法のコストは相当に減少する。
【0079】
更に本発明の他の態様によれば、前記の有機物質は、汚水スラッジなどのスラッジ、液体肥料、コーンサイレージ、クラリファイヤースラッジ、黒液、発酵の残渣、ジュース製造の残渣、食用オイル製造の残渣、果物および野菜加工の残渣、食品および飲料製造の残渣、浸出液もしくは漏出水またはそれらの組み合わせからなる群から選ぶことができる。
【0080】
本発明の1つの態様では、前記の有機物質は、バイオマス、わら、草、ステム(stems)、木材、バガス、ワイントラッシュ(wine trash)、おがくず、木材チップまたはエネルギー作物またはそれらの組み合わせからなる群から選ばれたリグノセルロース材料を含むことができる。
【0081】
本発明の1つの態様では、前記の有機物資は、家庭の廃棄物、地方自治体の廃棄物、紙廃棄物、自動車シュレッダー廃棄物などの廃棄物、プラスチック、ポリマー、ゴム、スクラップタイヤ、ケーブル廃棄物、CCA処理木材、ハロゲン化有機化合物、PCB含有変圧器オイル、電解コンデンサ、ハロン、医療廃棄物、肉加工の危険部位、肉骨粉飼料、溶解および/または懸濁した有機物質を含むプロセス水もしくは廃棄物水の流れなどの液体流れを含むことができる。
【0082】
有利には、本発明の他の態様によれば、前記のスラッジは、生物学的処理プロセスからのスラッジであることができる。
【0083】
本発明の1つの態様では、前記の有機物質は排水処理プロセスからのスラッジであることができる。
【0084】
本発明の他の態様によれば、前記の生物学的処理プロセスは排水処理プロセスの一部であることができる。
【0085】
更に、本発明の他の態様によれば、前記の生物学的水処理プロセスは好気性プロセスであることができる。
【0086】
更に、本発明の他の態様によれば、前記の生物学的水処理プロセスは嫌気性プロセスであることができる。
【0087】
本方法は、上記のように多くの種類の有機物質を変換することができる。本方法は比較的に低い温度と比較的に低い圧力で実施されるけれども、結果として得られる製品を殺菌するにはなお十分である。このことはどのような有機物質であるかにかかわらず、結果として得られる製品は感染させるリスクなしで利用可能であることを意味していて、例えば、牛または子牛の肉などの、食品製造からの残渣はBSE疾病を広める結果をもたらさない。このように、有機物質からのウイルス、バクテリアなどは、結果として得られた製品の続いての使用で広がらない。
【0088】
本発明の他の態様によれば、前記の有機物質は機械的脱水に付すことができる。脱水によって、原料の発熱量が増大し、変換される有機物質の揚水性を犠牲にすることなく、一定の加工コスト当たりのオイル生成能力の増大をもたらす。
【0089】
更に、本発明の他の態様によれば、前記の機械的に脱水された有機物質は10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、最も好ましくは25質量%以上の乾燥固形分含有量を有することができる。
【0090】
本発明の前処理ステップによって、乾燥固形分含有量を増大することができ、このことがまた変換の工程所要時間を減少させる。
【0091】
更に、本発明の他の態様によれば、前記の有機物質はスラッジの混合物、リグノセルロース材料または廃棄物を含むことができる。
【0092】
本発明の他の態様によれば、前記流体中の前記の有機物質の濃度は、5質量%以上、例えば10質量%以上、好ましくは前記の有機物質の濃度は15質量%以上、例えば200質量%以上、そしてより好ましくは前記の有機物質の濃度は30質量%以上、例えば50質量%以上であることができる。
【0093】
本発明の他の態様によれば、周期律表のIA族元素は、バイオマスの燃焼から得られた灰分または石炭燃焼の灰分であることができる。
【0094】
異なる有機物質を混合することによって、更なる処理により少ない触媒しか用いる必要がないこと、および/または処理の速度が増大することが得られる。
【0095】
本発明は、更に前記の方法によって得られる製品に関する。本発明によれば、前記の製品はオイルの形態の炭化水素を含むことができる。結果として得られる製品は、非常に有効なものがこれによって得られており、その中でオイルは今日、世界中で非常に需要のある製品である。オイルなどの製品は、本方法が非常に低温で実施されることで、得ることが可能である。
【0096】
本発明の他の態様によれば、前記の流体は、炭化水素オイル製品が20質量%以上の供給炭素含量を含み、例えば35質量%以上の供給炭化水素含量、好ましくは前記の炭化水素オイル製品が50質量%以上の供給炭素含量を含み、例えば65質量%以上の供給炭素含量で、そしてより好ましくは前記の炭化水素オイル製品が80質量%以上の供給炭素含量を含むような、供給炭素含量および高級炭化水素含量を有することができる。
【0097】
本発明の他の態様によれば、前記の炭化水素オイル製品中に、供給流れの中のエネルギー含有量の20%以上を回収する、例えばエネルギー含有量の35%以上を、好ましくは前記の炭化水素オイル製品中に供給材料中のエネルギー含有量の50%以上を、例えば供給エネルギー含有量の65%以上を、そしてより好ましくは前記の供給エネルギー含有量の80%以上を前記の炭化水素オイル製品中に回収することができる。
【0098】
更に、本発明の他の態様によれば、前記の炭化水素オイル製品は炭素原子12から16の炭化水素を含む。
【0099】
有利には、本発明の他の態様によれば、前記の炭化水素オイル製品は実質的に硫黄を含まないものであることができる。
【0100】
更に、本発明の他の態様によれば、前記の炭化水素オイル製品が実質的にハロゲンを含まないものであることができる。
【0101】
本発明の方法によれば、これによって硫黄および/またはハロゲンのない炭化水素オイル製品が得られる。このような硫黄および/またはハロゲンのないオイルは、硫黄および/またはハロゲンが原因となる反応によって環境を汚染することなしに、新しい形のエネルギーへと大いに再生利用が可能である。
【0102】
本発明の1つの態様では、前記の炭化水素オイル製品は脂肪酸エステルおよび/または脂肪酸メチルエステルを含むことができる。脂肪酸エステルおよび脂肪酸メチルエステルの酸素含有量は、燃料の燃焼による粒子の放出を低減することから、輸送用燃料としての炭化水素オイルの性質を改善することが知られている。
【0103】
本発明の他の態様によれば、炭化水素オイル製品はジーゼル様の特性を有することができる。このジーゼル様の炭化水素燃料は、従来のジーゼルオイルと直接混合することができ、これによってオイル製品を精製するコストを節約する。
【0104】
更に、本発明の他の態様によれば、炭化水素オイル製品は0.1〜30%の範囲の酸素含有量を有することができる。炭化水素燃料の酸素含有量は、燃料の燃焼による粒子の放出を低減することから、輸送用燃料としての炭化水素オイルの性質を改善することが知られている。
【0105】
更に、本発明の他の態様によれば、前記の炭化水素オイル製品は鉱物性生産品の表面に吸着されていることができる。このオイル含有鉱物性生産品は融解選鉱のプロセスの改善された開始材料である。
【0106】
本発明の他の態様によれば、炭化水素製品は更にメタノールを含むことができる。更なる精製により精製されたメタノール製品を得ることができ、これは好ましい燃料電池の燃料、または持続可能な輸送用燃料の生産のためのガソリンへの添加剤である。
【0107】
本発明の他の態様によれば、メタノールを含む前記の炭化水素製品は20%以上の供給炭素含量を含み、例えば35%以上の供給炭素含量、好ましくは前記のメタノール製品は50%以上の供給炭素含量を含み、例えば65%以上の供給炭素含量、より好ましくは前記のメタノール製品は80%以上の供給炭素含量を含むことができる。更なる精製により精製されたメタノール製品を得ることができ、これは好ましい燃料電池の燃料、または持続可能な輸送用燃料の生産のためのガソリンへの添加剤である。
【0108】
更に、本発明の他の態様によれば、供給材料中のエネルギー含有量の20%以上を、前記のメタノールを含む炭化水素オイル製品中に回収する、例えば供給材料中のエネルギー含有量の35%以上を前記のメタノールを含む炭化水素オイル製品中に回収する、好ましくは供給材料中のエネルギー含有量の50%以上を前記のメタノールを含む炭化水素オイル製品中に回収する、例えば供給エネルギー含有量の65%以上を前記のメタノールを含む炭化水素オイル製品中に回収する、そしてより好ましくは前記の供給エネルギー含有量の80%以上を前記のメタノールを含む炭化水素オイル製品中に回収することができる。更なる精製により精製されたメタノール製品を得ることができ、これは好ましい燃料電池の燃料、または持続可能な輸送用燃料の生産のためのガソリンへの添加剤である。
【0109】
更に、本発明は、前記の製品の、エンジンまたは発電機を作動するための使用、石油火力発電所における出力発生のための使用、工程用加熱または家庭用加熱のための使用に関する。これらは全て、化石燃料からのエネルギー生産のために設置されたハードウエア設備やインフラストラクチャーを置換または新しくすることなしに、持続可能なソースからエネルギーを生産することを意味する。
【0110】
更に、本発明は、前記の製品の、石油ジーゼルまたはガソリンへの混合成分としての使用、サスペンション燃焼システムにおける使用または融解選鉱のプロセスにおける使用に関する。これらは全て、化石燃料からのエネルギー生産のために設置されたハードウエア設備やインフラストラクチャーを置換または新しくすることなしに、持続可能なソースからエネルギーを生産することを意味する。
【0111】
更に、本発明は、前記の製品の、肥料製品の生産への使用、上水の流れの生成への使用に関する。前記の上水の流れは、更に飲用水の水質を有することができる。
【0112】
更に、本発明は、予備変換システムおよび製品回収システムを含む、有機物質を炭化水素へ変換するための装置であって、前記予備変換システムが、
−有機物質を含む流体の供給を加熱するための第一の加熱ユニット、
−有機物質を含む流体の供給を接触させるための触媒反応装置、および
−流体が7を超えるpH値を有するように調整するための調整ユニット、を含み、また前記の製品回収システムが、
−オイルおよび水溶性塩の第一の流れを、水および水溶性有機物の第二の流れから分離するためのメンブレンフィルタを含む、有機物質を炭化水素へ変換するための装置に関する。
【0113】
本発明の1つの態様では、予備変換システムは、供給順序の中で、流体へ有機物質を供給するための貯蔵所を更に含むことができる。
【0114】
更に、本発明の他の態様によれば、予備変換システムは、供給順序の中で、原料の後に、また第一の加熱ユニットの前に置かれた前処理ユニットを更に含むことができる。有機物質を含む流体を前処理することにより、流体中の固体状態の物質の量を増加させることができ、このことが更により高い変換速度およびそれによってより高い生産能力に導く。これが、有機物質のより効率的なそしてコストを節約する変換をもたらす。
【0115】
更に、本発明によれば、予備変換システムは、供給順序の中で、第一の加熱ユニットの後に置かれた第一の粒子分離ユニットを更に含むことができる。有機物質を含む流体を不均一系触媒と接触させる前に、粒子を分離することにより、変換プロセスの結果として生じるオイルなどの製品が、その結果これらの粒子に実質的に拘束されなくなり、そしてその結果、この変換プロセスの後に、更に直接に再利用可能となる。その結果、精製装置などの第二のプロセスがなくても済む。
【0116】
本発明によれば、前記の予備変換システムは、供給順序の中で、第一の粒子分離ユニットの後に、また触媒反応装置の前に置かれた第二の加熱ユニットを更に含むことができる。これによって、流体が反応装置に入る前に温度を最適化し、またこれによって変換プロセスの最適化が可能となる。
【0117】
本発明の他の態様では、予備変換システムは、供給順序の中で、触媒反応装置の後に置かれた第二の粒子分離ユニットを更に含むことができる。この第二の粒子分離ユニットは、上記と同じ理由で有利である。
【0118】
本発明の他の態様では、予備変換システムは、供給順序の中で、触媒反応装置の後の流体の供給の一部を、第二の加熱ユニットの前の流体の供給に再循環する手段を更に含むことができる。これによって、変換プロセスから結果として得られる製品のいくらかが再利用されること、そして有機物質の変換処理率を減らさないで、変換の工程所要時間を減少することが達成される。
【0119】
更に、本発明によれば、第一の加熱ユニットは、加熱に加えて、予備変換システムからの流体を、製品回収システムに入る前に冷却する第一の熱交換器であることができる。これによって、装置内部でエネルギーの再利用が達成され、その結果、エネルギーの全量中の同じエネルギーが有機物質の変換において使われる。
【0120】
更に、本発明によれば、前処理ユニットは、流体を前処理システム中で加熱するのに加えて、予備変換システムからの流体を、製品回収システムに入る前に冷却する熱交換器を更に含むことができる。この熱交換器は、上記と同じ理由で有利である。
【0121】
本発明の1つの態様では、前処理ユニットは、第一の熱交換器および第二の熱交換器の間に置かれた第一の膨張ユニットを更に含むことができる。これによって、燃料ガスなどのガスを生成することができる。
【0122】
本発明の1つの態様では、製品回収システムは、燃料ガスなどのガスの分離のためのガス分離ユニットを更に含み、ガス分離ユニットは、供給順序の中で、第二の熱交換器の後に、また第一のメンブレンフィルタの前に置くことができる。これによって、上記の燃料ガスなどのガスを、流体の残り部分から分離することができる。
【0123】
本発明の他の態様では、製品回収システムは、第二の加熱ユニット中で流体を加熱するために、燃料ガスなどの前記のガスを再循環する手段を更に含むことができる。これによって、変換プロセスから結果として得られる製品のいくらかが再利用されること、そして有機物質の変換処理率を減らさないで、変換の工程所要時間を減少することが達成される。
【0124】
更に、本発明の他の態様では、製品回収システムは、供給順序の中で、第一のメンブレンフィルタの後に置かれた第二の膨張ユニットを更に含むことができる。これによって、流体からオイルを生成することができる。
【0125】
更に、本発明の1つの態様では、製品回収システムは、第一の流れからオイルを分離するための相分離ユニットを更に含み、該相分離ユニットは、供給順序の中で、メンブレンフィルタの後に置くことができる。これによって流体からオイルを分離することができる。
【0126】
更に、本発明の他の態様では、製品回収システムは、第一の流れの一部を、予備変換システムの前処理ユニット中へ再循環する手段を更に含むことができる。これによって、変換プロセスから結果として得られる製品のいくらかが再利用されること、そして有機物質の変換処理率を減らさないで、変換の工程所要時間を減少することが達成される。
【0127】
有利には、本発明の他の態様では、製品回収システムは、第二の流れから電力を生み出すための直接メタノール型燃料電池を更に含むことができる。
【0128】
更に、本発明の他の態様では、製品回収システムは、限外ろ過、ナノろ過、逆浸透またはパーベーパレーションまたはそれらの組み合わせを含むメンブレンプロセスの群から選ばれる、1つまたはそれ以上のメンブレンフィルタを更に含むことができる。
【0129】
更に、本発明の1つの態様では、製品回収システムは、第二の流れから精製したメタノール化合物を分離するために第二のメンブレンフィルタを更に含むことができる。
【0130】
本発明の他の態様では、製品回収システムは、精製したメタノール化合物を、第二の流れから、予備変換システムの前処理ユニット中へ再循環する手段を更に含むことができる。これによって、変換プロセスから結果として得られる製品のいくらかが再利用されること、そして有機物質の変換処理率を減らさないで、変換の工程所要時間を減少することが達成される。
【0131】
本発明は、更に上記の方法を用いて、上記の製品を生産するための、上記の装置を含むプラントに関する。
【0132】
本発明の1つの態様では、プラントは有機物質を装置に供給するための手段および製品を装置から取り出す手段を更に含むことができる。
【0133】
本発明の他の態様では、プラントは、精製装置を更に含むことができる。
【0134】
本発明は、周期律表のIVB族の少なくとも1つの元素の化合物および/またはα−アルミナを含み、有機物質を炭化水素に転換する方法の中で用いられる不均一系触媒に関する。
【0135】
更に、本発明の1つの態様では、周期律表のIVB族の少なくとも1つの元素の化合物は、ジルコニウムおよび/またはチタンを含むことができる。
【0136】
更に、本発明の1つの態様では、周期律表のIVB族の少なくとも1つの元素の化合物は、酸化物および/または水酸化物型またはこの2つの組み合わせであることができる。
【0137】
有利には、本発明の1つの態様では、周期律表のIVB族の少なくとも1つの元素の化合物は、少なくとも一部が硫酸塩または硫化物型であることができる。
【0138】
本発明の他の態様では、不均一系触媒は、Fe、Ni、Co、Cu、Cr、W、Mn、Mo、V、Sn、Zn、Siの群から選ばれた少なくとも1つの元素を、20質量%以下の量で、例えば10質量%以下の量で、好ましくは5質量%以下の量で、例えば2.5質量%以下の量で更に含むことができる。
【0139】
更に、本発明の他の態様では、これらの元素は酸化物および/または水酸化物型であることができる。
【0140】
更に、本発明の他の態様では、不均一系触媒は、懸濁した粒子、タブレット、ペレット、環、円筒、ハニカム構造および/またはそれらの組み合わせの形態であることができる。
【0141】
更に、本発明の他の態様では、不均一系触媒は、10m/g以上、例えば25m/g、好ましくは50m/g以上、例えば100m/g、またより好ましくは150m/g以上、例えば200m/g以上のBET表面積を有することができる。
【0142】
有利には、本発明の1つの態様では、不均一系触媒は、Si、La、Yおよび/またはCeの群から選ばれた少なくとも1つの表面積安定剤を更に含むことができる。
【0143】
従って、本発明の1つの態様では、不均一系触媒は、前記の表面積安定剤の少なくとも1つを20質量%以下の有効量で、例えば10質量%以下の有効量で、好ましくは前記の表面積安定剤を7.5質量%以下の有効量で、例えば表面安定剤を5質量%以下の有効量で含むことができ、そしてより好ましくは前記の表面安定剤は0.5〜5質量%の有効量で存在する、例えば1〜3質量%存在することができる。
【0144】
本発明の他の態様では、不均一系触媒は、1000時間の使用後に10m/g以上のBET表面積を、例えば1000時間の使用後に25m/g以上のBET表面積を、また好ましくは1000時間の使用後に50m/g以上のBET表面積を、例えば1000時間の使用後に100m/g以上のBET表面積を、またより好ましくは1000時間の使用後に150m/g以上のBET表面積を、例えば1000時間の使用後に200m/g以上のBET表面積を有することができる。
【0145】
最後に、本発明の1つの態様では、不均一系触媒は赤泥から生成することができる。
【0146】
本発明は、添付の図面を参照して以下に記載される。
【0147】
図1は、例で行ったテストに用いた実験室規模の構成の概略図である。均一系触媒および変換される有機物資を含む前処理された懸濁は、ポジションAでシステムに供給される。この流体は、ポンプ1によって加圧され、そして熱交換器と温度調整器TICを含むヒータ2の中で約230℃に加熱される。第二の流体がポジションBでシステムに供給される。この流れは、ポンプ3によって加圧され、そして、熱交換器と温度調節器TICを含むポジション4で、混合された流体の流れが目的とする変換温度を得るのに必要な温度まで、ヒータ4中で加熱される。不均一系触媒が、チューブ状の反応装置5中に置かれている。不均一系触媒と接触させた後に、変換された有機物質を含む流体は、冷却器6中で周囲温度まで冷却され、そしてフィルタ7中で懸濁した粒子の分離と収集のためにろ過される。その後、流体はバルブ8から周囲圧力に膨張する。系の圧力は8を通した流れを調整することにより、圧力調整器PICを用いて維持される。膨張した流体の温度は熱電対9で測定される。流れの液体部分は、液体トラップ10で収集され、またガスはトラップからポジションGで放出される。生成されるガスの流量が、Hに置かれた(示されていない)ガスメータにより連続的に測定される。ガスの組成が、流量調製バルブと圧調整器(PIC)11により定められた制御された圧力にて、Iを通して採取された少量のサンプルで、ガスクロマトグラフィ(示されていない)によって分析される。
【0148】
図2は本発明による方法の好ましい態様の概略図である。変換される有機物質は貯蔵所(図に示されていない)に受け入れられる。前記の有機物資は広い範囲のバイオマスおよび廃棄物を含むことができ、石炭、シェール(shale)、オリマルジョン(orimulsion)、原油の重質留分などの化石燃料もまた含むことができる。本発明による多くの態様は、今述べたような異なるソースの材料の混合物からの有機物質の処理を含んでいる。
【0149】
原料貯蔵所は、通常はプラント運転の3日間に相当する容量を有している。原料貯蔵所は好ましくは、撹拌されたコンクリートサイロなどの、密封され、また撹拌されたサイロである。有機物質を含む流体は、前処理ステップ1へと、ポジションAにポンプで注入される。
【0150】
この態様における前処理の最初の部分は、例えば、切断、グラインディング、ミリング、および/または篩い分けによる、原料のサイズ減少を含んでいる。このサイズ減少は供給ポンプ(示されていない)の不可分の一部であってもよい。前処理への供給操作の間、処理される有機物質を含む液体の圧力は4〜15バールの範囲の圧力まで増加される。前処理の第二の部分において、前記の有機物質を含む流体は通常は前処理槽中に0.5〜2時間保持される。前処理槽は、好ましくは撹拌槽であり、100〜170℃の温度に維持されており、そして好ましくは110から140℃の範囲である。変換される前記の有機物質を含む前記の流体の予備加熱のためのエネルギーは、好ましくは冷却されるプロセス流れの1つから熱を回収することによって供給される。この図では、これはプロセス流れDからの熱の回収のために、熱交換器2を槽中に一体化することによって示されている。
【0151】
前処理槽中のpHは7を超える値に調製され、そして好ましくは8〜10の範囲である。本発明による多くの態様では、このpH調製は、添加剤を、直接に前処理槽へ投入することおよび/またはその注入口を通して槽に加えることのいずれかによって実施され、例えば、周期律表のIA族の元素を含むことのできる塩基を添加することにより実施される。このような添加剤の例は、これらには限定されないが、KOH、NaOH、KCO、NaCO、バイオマスまたは石炭燃焼からの灰である。このような添加剤は、流れA中へ流すかまたは槽1中へ直接に流すかのいずれかで、流れSを通して槽へ投入することができる。流れSの供給は供給ポンプ(示されていない)によって与えられる。
【0152】
前処理槽中での滞留の間に、セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンなどの大きい分子は加水分解され、そして添加されたバイオマスの細胞が開き、塩などの細胞の内容物の放出を促進する。多くの潜在的な原料では、この細胞開放は原料そのものからのカリウムなどの触媒の放出を含み、これによって非常に効率的なプロセスを可能とする。多くの他の添加剤もまた有機物質の予備変換を促進することができ、そして更に続く処理に対して更に有利となる。そのような添加剤は、メタノールなどのアルコール、カルボン酸、アルデヒド、および/またはケトンを含む。本発明の好ましい態様では、前処理で用いられる多くのそのような添加剤は、プロセスの中でその場で生成され、そして流れEおよびFで示されるように前処理ステップへ再循環される。これらの再循環流れの典型的な構成は図3〜5との関係において更に記載される。
【0153】
予備変換された有機物質を含む流体流れは前処理槽から供給ポンプ3によって取り出され、そして例えば250バールの操作圧力に加圧される。供給ポンプはプランジャーポンプを含むことができる。
【0154】
予備変換された有機物質を含む流体を加圧した後に、均一系触媒および他の添加剤は、第一の加熱ステップ4において、触媒反応装置からの変換された製品の熱い流れと熱交換することにより加熱される。予備変換された有機物質を含む流体の温度は、本発明の応用の多くでは、触媒反応装置の操作温度より20〜30℃低いレベルにある。この第一の加熱ステップの間に、原料中の有機物質は更に熱的に分解される。煤や焦げたものの生成などの多くの望ましくない副反応が、この熱分解の間に進む可能性がある。プロセスの全体的な効率を低下させるだけでなく、このことは、詰まりもしくは熱交換の効率の低下などの操作上の問題や下流の装置への堆積を招く可能性がある。上記の添加剤はこのような望ましくない副反応を低減し、そして有機物質の目的とする製品への変換を更に促進する。
【0155】
熱交換器4から、前記の予備変換された有機物質を含む流体は、懸濁した粒子を収集するための第一の粒子分離装置5へと進むことができ、この懸濁した粒子は加熱中に前記の予備変換の間に生成される可能性がある。この粒子分離装置5は、例えば、サイクロン、フィルタ、重力沈降室などのいずれかの従来の粒子分離手段を含むことができる。収集された粒子は流れBによって示されるプロセスから取り出される。
【0156】
第一の粒子分離装置5の後で、前記の予備変換された有機物質を含む流体は、触媒反応装置からの再循環流れと混合される。この混合は通常は混合された流体の温度を10〜20℃増加させ、そして再循環は更なる変換のための望ましい化合物を原料中へ更に導入する。再循環流れとの混合の後で、混合された流体はトリムヒータ(第二の加熱ユニット)6へと進み、ここで温度は触媒反応装置7の操作温度まで上昇される。トリムヒータ6は、本発明の多くの態様において、ガスまたはオイル燃焼ヒータであることができ、そして好ましくは少なくとも一部が再循環ガスおよび/またはプロセス中で生成される他の燃料製品を燃料として供給される。好ましい態様では、このトリムヒータは図3中でIと表示されている生成されたガスを再循環することにより燃料を供給される。前記の生成されたガスIのこの再循環は、精製ステップを含むことができる。
【0157】
触媒反応装置7中で、均一系触媒、添加剤および予備変換された有機物質を含む流体は不均一系触媒と接触される。不均一系触媒は通常はチューブ状の固定床中に収容され、そして触媒反応装置は複数のチューブ状の固定床を含むことができる。変換の間に、溶解したガス、水溶性有機物およびオイルが一般的には生成される。製品分布は、以下の例の中で示すように、結果として得られる製品の広範囲の濃度に調整可能であり、そして滞留時間、再循環の流速、反応温度および均一系触媒と添加剤の濃度の適切な組み合わせを選択することにより制御することができる。
【0158】
触媒反応装置からの製品の流れの一部は、ポンプ8によって再循環され、そして上記のように予備変換された有機物質を含む流体と混合される。予備変換された有機物質を含む流体の主要な流れに相当する残りの部分は、再循環流れと混合する前に、第二の粒子分離装置9へと取り出される。第一の粒子分離装置と同様に、この第二の粒子分離装置も、例えば、サイクロン、フィルタ、重力沈降室などの、従来のいずれかの粒子分離装置を含むことができる。主な特徴は、懸濁した粒子へのオイルの吸着を避けるために、冷却と膨張に先立って、生成したオイルと潜在的な懸濁した粒子の良好な(hot)分離を提供することである。しかしながら、本発明の適用の多くにおいては、例えば、灰分の含量の少ない原料については、分離装置は任意のものであることができる。第二の粒子分離装置中で収集された粒子は流れCによって示されたプロセスから抜き出される。
【0159】
第二の粒子分離装置の通過に続いて、流体の流れは、熱交換器4とそして熱交換器2の中で供給流れとの熱交換によって冷却され、そして膨張バルブ10から75〜225バールの範囲の圧力に膨張され、そして製品回収システム11中で分離される。製品回収システム11からの分離された流体の流れのいくらかは、流れFおよび/またはEのように、上記のとおり、前処理ステップへ再循環することができる。製品回収システム11は、以下に図3〜6で更に説明される。
【0160】
分離システムは、図3に示されていて、ガス製品を流れIに、そして液体製品を流れJに分離する気−液分離器12含んでいる。1つの態様では、ガス製品はトリムヒータ6に燃料を供給するために内部的に使用される。液体製品は、第一のメンブレンフィルタ13中で更に分離される。メンブレンフィルタ分離は圧力で作動され、そして多くの応用においては、ナノまたは限外ろ過メンブレンを利用している。流れLのろ過の保持液(retentate)は、原料水の一部、オイル製品および溶解した無機化合物、例えば原料からの塩、および均一系触媒を含む。オイル製品は、大気条件で運転されているオイル分離器(相分離ユニット)14中で流れLから分離され、そしてオイル製品の流れHを形成する。残りの水と溶解した無機化合物は流れOを形成する。流れOの主要な部分は予備変換1、2へと流れEで再循環され、これによって均一系触媒が再循環され、一方パージ流れPは原料からの無機化合物の流入と平衡させるために排出される。
【0161】
メンブレンろ過の透過水の更なる処理は、流れKで表され、図4〜6に示される。流れKは、C1〜4のアルコールやカルボン酸のようなより小さい水溶性の有機物を含んでいる。
【0162】
図4に示される1つの態様では、流れKは分離ユニット(メンブレンフィルタ)15に供給され、流れGで飲用水の品質の純粋な水を生成し、そして水溶性有機物の流れを流れFに生成する。本発明の1つの態様では、分離ユニット15は逆浸透メンブレンユニットであり、これは多数のメンブレンモジュールを含んでいる。流れFの保持された水溶性有機物は予備変換ステップ1、2へ再循環される。
【0163】
図5に示される更なる態様では、流れKは濃縮された水溶性有機物の流れFと有機物の除去された水の流れQへと分割されている。関与している分離ユニット16は、多くの適用において、メンブレン蒸留またはパーベーパレーションのような、温度または濃度勾配によって作動されるメンブレン分離である。水の流れQは仕上げステップ17で更に精製され、純粋な水の流れGを生成する。仕上げステップ17は、好ましくは活性炭素フィルタ、または水流からの非常に低い濃度の不純物の分離のための類似の方法である。
【0164】
図6に示された1つの態様では、水溶性有機物の流れKは、直接メタノール型燃料電池18へ供給され、電力とプロセス水の流れRを生成する。直接メタノール型燃料電池18は、供給流れと流出物調整ステップを含むことができる。
【実施例】
【0165】
実施例1:汚水スラッジの変換
以下の嫌気的に消化された汚水スラッジを、図1に示した実験室的規模のプラントで、本発明の方法に従って変換した。
【0166】
汚水スラッジの固形分含量は5%だった。固形分中の主な成分は、質量%で下記の通り。
C=28.3%
H=4.33%
N=3.55%
O=28.4%
P=4.49%
Al=7.77%
Si=7.44%
Ca=6.95%
Fe=3.17%
K=1.62%
【0167】
汚水スラッジの固形分の元素分析を、更に誘導結合プラズマ(ICP)によって分析し、以下の組成を明らかにした。
【0168】
【表1】

【0169】
可燃性の割合は固形分含量の58%であり、22.2MJ/Kgの発熱量(heat value)であって、受け入れた汚水スラッジ中の476KJ/Kgの発熱量(calorific value)になる。
【0170】
テストの前に、汚水スラッジは、より長い粒子をSeepex macerator(型式25/15/I−I−F12−2)によって切断して1mm未満の大きさにし、またコロイドミル(Probst und Class、型式N100/E)によって処理することで前処理し、そしてスクリーンバスケットフィルタ(メッシュ幅1mm)でろ過した。
【0171】
次いで、結果として得られたスラリーに、1.5質量%のカリウムを炭酸カリウムの形で添加した。スラリーのpH値は9.0だった。
【0172】
125mlのZrO不均一系触媒を2.2モル%のSiで安定化した。長さ3mmで直径3mmの円筒形ペレットの形態の触媒をチューブ状反応装置へ加えた。
【0173】
63g/hの前処理された汚水スラッジを、予備加熱ステップで250バールに加圧し、また230℃に加熱した。この流れを、混合した後に360±5℃の実質的に一定の温度が得られるように加熱した、393g/hの加圧した水と混合した。
【0174】
混合した流れを、次いで反応装置の中で不均一系触媒と接触させた。原料と水の比率は、水対原料比6:1となり、そして総流量456g/hは約4分間の接触時間となる。
【0175】
不均一系触媒と接触させた後に、変換された有機物質を含む流体を周囲温度に冷却し、懸濁した粒子の収集のために粒子フィルタを通してろ過し、そして周囲圧力へと膨張させた。流れの中の液体分を液体トラップ中に収集し、そしてガスを放出した。
【0176】
実験は3つの製品の流れ、ガス、水性の製品および固体の沈殿、をもたらした。分析のためのサンプルを15.5時間の間に収集した。
【0177】
ガス分析
生成したガスの流量と組成を、サンプリングしながら、ガスメータによって連続的に測定した。組成はガスクロマトグラフィーで測定した。
ガス相の分析は以下の結果を明らかにした。
【0178】
【表2】

【0179】
液体分析
液体製品は懸濁した粒子を含んでいた。ろ過した液体をイオンクロマトグラフィー、誘導プラズマ放射(Induced Plasma Emission)(ICP)および高温度全炭素分析計およびマススペクトロメトリーで分析した。
液体相の分析は以下の結果を明らかにした。
【0180】
【表3】

【0181】
液体中の無機の炭素含量は、主に炭酸塩の存在によることを見出した。
【0182】
固体の分析
固体分を、全炭素分析計および誘導結合プラズマ分析計(ICP)による元素分析による手段で分析した。用いられた実験的条件の下では、有機相は無機の粒子に吸着されているのが見出された。
【0183】
この有機相を、固体分析の前にCHClを用いて、抽出した。有機の炭素の抽出可能な部分はオイル相であり、それは主に12から16までの炭素原子の鎖長の飽和炭化水素からなることを見出したが、これは燃料オイルまたはジーゼルオイルに相当する。このオイルは、2−ヘキサデカノン、ヘプタデカン、6,10−ジメチル−2−ウンデカノン、ヘキサデカン、3−メチル−インドール、2−トリデカノンおよび他の化合物を含んでいた。硫黄およびハロゲン分析を抽出したオイルに実施し、このオイルは基本的に硫黄およびハロゲン化合物を含まないことを示した。固体から抽出したオイルの総量は3.86gであり、オイル相中に見出された炭素の総量は3.28gに相当した。
【0184】
吸着されたオイルを抽出した後の固体製品中には炭素は検出されず、原料中の有機物質の100%の変換を示している。以下の炭素バランスからも同じ結果が結論づけられる。
【0185】
炭素バランス
【0186】
【表4】

【0187】
エネルギーバランス
【0188】
【表5】

【0189】
実施例2:汚水スラッジの変換
上記の例中に示された特徴をもつ嫌気的に消化された汚水スラッジを、同じ触媒と実験用の構成を用いて予備加熱し、そして変換した。
【0190】
140g/hの予備加熱した汚水スラッジを250バールに加圧し、そして予備加熱ステップで230℃に加熱した。この流れを、混合した後に300±5℃の実質的に一定の温度を得るように加熱した、414g/hの加圧した水と混合した。
【0191】
混合した流れを、次いで反応装置の中で不均一系触媒と接触させた。原料と水の比率は、水対原料比3:1となり、そして総流量545g/hは3.3分間の接触時間となる。
【0192】
不均一系触媒と接触させた後に、変換された有機物質を含む流体を周囲温度に冷却し、懸濁した粒子の収集のために粒子フィルタを通してろ過し、そして周囲圧力へと膨張させた。流れの中の液体分を液体トラップ中に収集し、そしてガスを放出した。
実験は3つの製品の流れ、ガス、水性の製品および固体の沈殿、をもたらした。分析のためのサンプルを10.5時間の間に収集した。
【0193】
ガス分析
ガス相の分析で次の結果が明らかとなった。
【0194】
【表6】

【0195】
液体分析
液体相の分析で次の結果が明らかとなった。
【0196】
【表7】

【0197】
液体中の無機の炭素含量は、主に炭酸塩の存在によることを見出した。
【0198】
固体の分析
固体分を、全炭素分析計による手段で分析した。用いられた実験的条件の下では、有機相は無機の粒子に吸着されているのが見出された。
【0199】
この有機相を、固体分析の前にCHClを用いて、抽出した。有機の炭素の抽出可能な部分はオイル相であり、それは主に12から16までの炭素原子の鎖長の飽和炭化水素からなることを見出したが、これは燃料オイルまたはジーゼルオイルに相当する。このオイルは、2−ヘキサデカノン、ヘプタデカン、6,10−ジメチル−2−ウンデカノン、ヘキサデカン、3−メチル−インドール、2−トリデカノンおよび他の化合物を含んでいた。固体から抽出したオイルの総量は12.73gであり、オイル相中に見出された炭素の総量は10.83gに相当した。
【0200】
吸着されたオイルを抽出した後の固体製品中には炭素は検出されず、原料中の有機物質の100%の変換を示している。
【0201】
カーボンバランス
【0202】
【表8】

【0203】
エネルギーバランス
【0204】
【表9】

【0205】
実施例3:コーンサイレージの変換
コーンサイレージを、例1および2で上に記載したように、同じ触媒と実験用の構成を用いて予備加熱し、そして変換した。
【0206】
テストの前に、汚水スラッジは、より長い粒子をSeepex macerator(型式25/15/I−I−F12−2)によって切断して1mm未満の大きさにし、またコロイドミル(Probst und Class、型式N100/E)によって処理することで前処理し、そしてスクリーンバスケットフィルタ(メッシュ幅1mm)でろ過した。
【0207】
次いで、結果として得られたスラリーに、1.5質量%のカリウムを炭酸カリウムの形で添加した。スラリーのpH値は9.6だった。
【0208】
前処理後のコーンサイレージの特徴は下記の通り。
【0209】
【表10】

【0210】
固形分の無機の内容物は主に添加された炭酸カリウムであり、固形分の無機化合物の約3/4を占めていた。コーンサイレージ原料のGC−MS分析は多くの化合物を明らかにしたが、しかしながら全ては同定するには少な過ぎる濃度で存在していた。特に、フェノールなどの芳香族はいかなる有意な量でも見出されなかった。
【0211】
コーンサイレージ原料の固形分含有量を分析し、以下の組成を明らかにした。
【0212】
【表11】

【0213】
140g/hの予備加熱した汚水スラッジを250バールに加圧し、そして予備加熱ステップで230℃に加熱した。この流れを、混合した後に350±5℃の実質的に一定の温度を得るように加熱した、377g/hの加圧した水と混合した。
【0214】
混合した流れを、次いで反応装置の中で不均一系触媒と接触させた。原料と水の比率は、水対原料比3.75:1となり、そして総流量517g/hは3.3分間の接触時間となる。
【0215】
不均一系触媒と接触させた後に、変換された有機物質を含む流体を周囲温度に冷却し、懸濁した粒子の収集のために粒子フィルタを通してろ過し、そして周囲圧力へと膨張させた。流れの中の液体分を液体トラップ中に収集し、そしてガスを放出した。
【0216】
実験は4つの製品の流れ、ガス、水性の製品、遊離したオイル相および固体の沈殿、をもたらした。分析のためのサンプルを16時間の間に収集した。
【0217】
ガス分析
ガス相の分析は以下の結果を明らかにした。
【0218】
【表12】

【0219】
液体分析
液体相の分析は以下の結果を明らかにした。
【0220】
【表13】

【0221】
液体中の無機の炭素含量は、主に炭酸塩の存在によることを見出した。
【0222】
固体の分析
【0223】
この有機相を、固体分析の前にCHClを用いて、抽出した。有機の炭素の抽出可能な部分はオイル相であり、それは主に12から16までの炭素原子の鎖長の飽和炭化水素からなることを見出したが、これは燃料オイルまたはジーゼルオイルに相当する。このオイルは、フェノール、トルエン、4−エチル−フェノール、4−エチル−3−メチルフェノール、シクロペント−2−エン−1−オン2,3,4トリメチル、2−メチル−1−ペンテン−3−インおよび他の化合物を含んでいた。オイルの硫黄分析は、オイル相が基本的に硫黄を含まないことを示した。ハロゲン化合物に対する同様の分析は、オイル相は基本的にハロゲンを含まないことを示した。固体から抽出したオイルの総量は14.76gであり、オイル相中に見出された炭素の総量は12.55gに相当した。
【0224】
吸着されたオイルを抽出した後の固体製品中には炭素は検出されず、原料中の有機物質の100%の変換を示している。以下の炭素バランスからも同じ結果が結論づけられる。
【0225】
カーボンバランス
【0226】
【表14】

【0227】
エネルギーバランス
【0228】
【表15】

【0229】
更に、以下は本発明の記載に用いた定義である。
【0230】
用語炭化水素燃料は、本発明では全ての炭化水素ベースの燃料を意味するように意図しており、炭素および水素以外の他の元素を含んでもまたは含まなくてもよく、例えば、前記の炭化水素のいくつかは酸素および他の元素を含んでいてもよく、例えば、アルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステル、エーテルなど、およびそれらの反応生成物の群の形で含んでいてもよい。
【0231】
本発明のメンブレンプロセスは、従来技術の中でよく知られている(例えば、W.S.HO他、「メンブレンハンドブック」、Van Nordstrand Reinholk、103〜132ページ、263〜446ページ、1992年、ISBN0−442−23747−2、K.Scott、「ハンドブックオブインダストリアルメンブレン」、Elsevier Science Publishers、1995年、3〜163ページ、331〜355ページ、575〜630ページ、ISBN1 85617 233 3)。
【0232】
本明細書および請求項を通して、表面積は、Brunauer、P.EmmettおよびE.Tellerによる、J.Am.Chem.Soc.第60巻、309ページ(1938年)の論文中に記載された方法によって測定された窒素BET表面積を言っている。この方法は窒素の孔の中への凝縮(condensation)によっており、そして10オングストロームから600オングストロームの範囲の孔直径を有する孔の測定に有効である。吸着された窒素の体積は、担体の単位質量当たりの表面積に関連している。
【0233】
従来技術において、触媒の活性はその表面積(BET)に比例すること、また例えば、本発明に関連して用いられるような熱水の条件に付された場合には、触媒は時間がたてば有意な活性の低下を示す可能性があることは良く知られている。このような潜在的な活性の損失を最小限にするために、表面積安定剤が不均一系触媒の中へ組み込まれる。
【0234】
赤泥は、バイエルプロセスによるボーキサイト処理の廃棄物である。これは主にアルミニウム、鉄、チタン、ケイ素、およびナトリウムの酸化物および水酸化物を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0235】
【図1】図1は、実験室規模の構成の概略図を示している。
【図2】図2は、一般的なプロセスフローシートを示している。
【図3】図3は、本発明による製品回収の1つの態様を示している。
【図4】図4は、本発明による製品回収の他の態様を示している。
【図5】図5は、本発明による製品回収の更に他の態様を示している。
【図6】図6は、本発明による製品回収の更に他の態様を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機物質を炭化水素燃料に変換する方法であって、
−流体中にある前記有機物質を225バールを超える圧力に加圧すること、
−前記流体中の前記有機物質を、元素周期律表のIA族の少なくとも1つの元素の化合物を含む均一系触媒の存在下で200℃を超える温度に加熱すること、更に、
−前記流体中の前記有機物質を、元素周期律表のIVB族の少なくとも1つの元素の化合物および/またはα−アルミナを含む不均一系触媒と接触させること、
−前記流体が当初は7を超えるpH値を有することを確実にすること、
の各ステップを含む方法。
【請求項2】
前記有機物質を含む前記流体のpH値を7〜14の範囲、例えば7〜12、好ましくは7〜10の範囲、例えば8〜10の範囲に維持するステップを更に含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
4〜15バールの圧力、100〜170℃の温度で、0.5〜2時間、有機物質を前処理するステップを更に含むことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前処理のステップが、切断、グラインディング、ミリング、または篩い分けのステップ、またはそれらの組み合わせなどの物質のサイズ減少のステップを含むことを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
前処理のステップが、流体に添加剤を加えるステップを含むことを特徴とする請求項3または4記載の方法。
【請求項6】
前処理のステップが、前記有機物質を含む前記流体のpHを7を超えるように調整するステップを含むことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
有機物質を含む流体から粒子を分離するステップを更に含むことを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
第二の流体加熱のステップを更に含むことを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
第二の粒子の分離を更に含むことを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
第一の流体冷却ステップを更に含むことを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
第一の冷却ステップが、第一の加熱ステップおよび/または前処理ステップにおける流体の予備加熱ステップと熱交換することによって行われることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項12】
流体からの燃料ガスなどのガスの分離ステップを更に含むことを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
燃料ガスが第二の加熱ステップにおいて流体の加熱のために用いられることを特徴とする請求項8から12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
第一のメンブレンフィルタ中で流体をろ過し、オイルおよび水溶性塩から水と水溶性有機物を取り出すステップを更に含むことを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
水および水溶性の有機物が直接メタノール型燃料電池の中で電力に変換されることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
第二のメンブレンフィルタ中でのメタノールの精製などの、水からの水溶性有機物の第二のろ過ステップを更に含むことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記の1つまたはそれ以上のメンブレンフィルタが、限外ろ過、ナノろ過、逆浸透、またはパーベーパレーションまたはそれらの組み合わせを含むメンブレンプロセスの群から選ばれることを特徴とする請求項14から16のいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
逆浸透プロセスにおいて、第二のろ過ステップ後の水および水溶性有機物が、飲用に適した水に変換されることを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項19】
濃縮されたメタノールを含む水溶性有機物が前処理ステップに再循環されることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項20】
相分離ステップを含むことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項21】
流体中の有機物質の不均一系触媒との接触ステップが温度を実質的に一定に保持しながら行われることを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
接触ステップにおける温度が、200〜650℃の範囲、例えば200〜450℃の範囲、また好ましくは200〜374℃の範囲、またより好ましくは250〜374℃の範囲、例えば275〜350℃の範囲であることを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
前記の変換の圧力が、225〜600バールの範囲、例えば225〜400バールの範囲、また好ましくは225〜350バールの範囲、例えば240〜300バールの範囲であることを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
接触ステップが30分間未満、例えば20分間未満、好ましくは10分間未満、例えば7.5分間未満、またより好ましくは0.5〜6分間の範囲、例えば1〜5分間の範囲でなされることを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
周期律表のIVB族の少なくとも1つの元素の化合物がジルコニウムおよび/またはチタンを含むことを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
周期律表のIVB族の少なくとも1つの元素の化合物が酸化物および/または水酸化物型またはこの2つの組み合わせであることを特徴とする請求項25記載の方法。
【請求項27】
周期律表のIVB族の少なくとも1つの元素の化合物の少なくとも一部が硫酸塩または硫化物型であることを特徴とする請求項25または26記載の方法。
【請求項28】
不均一系触媒が、Fe、Ni、Co、Cu、Cr、W、Mn、Mo、V、Sn、Zn、Si、からなる群から選ばれた少なくとも1つの元素を、20質量%以下の量で、例えば10質量%までの量で、好ましくは5質量%までの量で、例えば2.5質量%までの量で更に含むことを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項29】
これらの元素が酸化物および/または水酸化物型であることを特徴とする請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記の不均一系触媒が、懸濁した粒子、タブレット、ペレット、環、円筒、ハニカム構造、繊維構造および/またはそれらの組み合わせの形態であることを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項31】
前記の不均一系触媒が、少なくとも一部が反応装置中に入っていることを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項32】
前記の反応装置が固定床反応装置であることを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項33】
前記の不均一系触媒が、10m/g以上、例えば25m/g以上、好ましくは50m/g以上、例えば100m/g以上、またより好ましくは150m/g以上、例えば200m/g以上のBET表面積を有することを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項34】
前記の不均一系触媒が、Si、La、YまたはCeまたはそれらの組み合わせからなる群から選ばれた少なくとも1つの表面積安定剤を含むことを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項35】
前記の不均一系触媒が、前記の表面積安定剤の少なくとも1つを20質量%以下の有効量で、例えば10質量%以下の有効量で、好ましくは前記の表面積安定剤を7.5質量%以下の有効量で、例えば表面安定剤を5質量%以下の有効量で含む、そしてより好ましくは前記の表面安定剤が0.5〜5質量%の有効量で存在する、例えば1〜3質量%で存在することを特徴とする請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記の不均一系触媒が、1000時間の使用後に10m/g以上のBET表面積を、例えば1000時間の使用後に25m/g以上のBET表面積を、また好ましくは1000時間の使用後に50m/g以上のBET表面積を、例えば1000時間の使用後に100m/g以上のBET表面積を、またより好ましくは1000時間の使用後に150m/g以上のBET表面積を、例えば1000時間の使用後に200m/g以上のBET表面積を有することを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項37】
前記の不均一系触媒が赤泥から生成されることを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項38】
炭酸塩および/または炭酸水素塩を再循環するステップを含むことを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項39】
前記の炭酸塩および/または炭酸水素塩の濃度が、0.5質量%以上、例えば1質量%以上、また好ましくは2質量%以上、例えば3質量%以上、そしてより好ましくは4質量%以上、例えば5質量%以上であることを特徴とする請求項38記載の方法。
【請求項40】
少なくとも1つのアルコールを再循環するステップを含むことを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項41】
前記の少なくとも1つのアルコールがメタノールを含むことを特徴とする請求項40記載の方法。
【請求項42】
前記の流体中のメタノールの含有量が、0.05質量%以上、例えば0.1質量%以上、また好ましくは0.2質量%以上、例えば0.3質量%以上、そしてより好ましくは0.5質量%以上、例えば1質量%以上であることを特徴とする請求項41項記載の方法。
【請求項43】
水素を含む流体を再循環するステップを含むことを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項44】
前記の流体の水素含有量が、処理される前記の有機物質の量の0.001質量%以上に相当する、例えば処理される前記の有機物質の量の0.01質量%以上、また好ましくは処理される前記の有機物質の量の0.1質量%以上、例えば処理される前記の有機物質の量の0.2質量%以上、そしてより好ましくは流体の水素含有量が処理される前記の有機物質の量の0.5質量%以上、例えば処理される前記の有機物質の量の1質量%以上であることを特徴とする請求項43項記載の方法。
【請求項45】
少なくとも1つのカルボン酸を再循環するステップを含むことを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項46】
前記の少なくとも1つのカルボン酸が、1〜4炭素原子に相当する鎖長を有するカルボン酸を少なくとも1つ含むことを特徴とする請求項45記載の方法。
【請求項47】
前記の少なくとも1つのカルボン酸が、ギ酸および/または酢酸を含むことを特徴とする請求項46記載の方法。
【請求項48】
前記の流体中の前記のカルボン酸の濃度が、100質量ppm以上、例えば250質量ppm以上、そして好ましくは400質量ppm以上、例えば500質量ppm以上であることを特徴とする請求項45〜47のいずれか1項記載の方法。
【請求項49】
少なくとも1つのアルデヒドおよび/または少なくとも1つのケトンを再循環するステップを含むことを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項50】
前記の少なくとも1つのアルデヒドおよび/または少なくとも1つのケトンが、1〜4炭素原子に相当する鎖長を有する少なくとも1つのアルデヒドおよび/または少なくとも1つのケトン含むことを特徴とする請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記の少なくとも1つのアルデヒドおよび/または少なくとも1つのケトンが、ホルムアルデヒドおよび/またはアセトアルデヒドを含むことを特徴とする請求項49または50記載の方法。
【請求項52】
前記の流体中の前記の少なくとも1つのアルデヒドおよび/または少なくとも1つのケトンの濃度が、質量比100ppm以上、例えば質量比250ppm以上、そして好ましくは質量比400ppm以上、例えば質量比500ppm以上であることを特徴とする請求項49〜51のいずれか1項記載の方法。
【請求項53】
均一系触媒がカリウムおよび/またはナトリウムを含むことを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項54】
均一系触媒がKOH、KCO、KHCO、NaOH、NaCOまたはNaHCO、またはそれらの組み合わせからなる群から選ばれた1つまたはそれ以上の水溶性塩を含むことを特徴とする請求項53記載の方法。
【請求項55】
均一系触媒の濃度が、0.5質量%以上、例えば1質量%以上、また好ましくは1.5質量%以上、例えば2.0質量%以上、そしてより好ましくは2.5質量%以上、例えば4質量%以上であることを特徴とする請求項53または54項記載の方法。
【請求項56】
前記の流体が水を含むことを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項57】
前記の水が、前記の流体の5質量%以上、例えば10質量%以上、また好ましくは20質量%以上、例えば30質量%以上、そしてより好ましくは40質量%以上の濃度であることを特徴とする請求項56記載の方法。
【請求項58】
前記流体中の前記の水の濃度が、99.5質量%以下、例えば98質量%以下、また好ましくは95質量%以下、例えば90質量%以下、そしてより好ましくは85質量%以下、例えば80質量%以下であることを特徴とする請求項56または57項記載の方法。
【請求項59】
前記の少なくとも1つの炭酸塩および/または少なくとも1つの炭酸水素塩および/または少なくとも1つのアルコールおよび/または少なくとも1つのカルボン酸および/または少なくとも1つのアルデヒドおよび/または少なくとも1つのケトンが、少なくとも1部が前記の有機物質の変換により生成されることを特徴とする請求項38〜52のいずれか1項記載の方法。
【請求項60】
前記の少なくとも1つの炭酸塩および/または少なくとも1つの炭酸水素塩および/または少なくとも1つのアルコールおよび/または少なくとも1つのカルボン酸および/または少なくとも1つのアルデヒドおよび/または少なくとも1つのケトンが、接触ステップの後に再循環されることを特徴とする請求項59記載の方法。
【請求項61】
前記の再循環の流れの少なくとも一部が、触媒反応装置に入る前に、前記の均一系触媒および変換される有機物質を含む前記の流体の供給流れと、ある比率で混合されることを特徴とする請求項59または60記載の方法。
【請求項62】
前記の流体の供給流れに対する再循環流れの比率が質量/容積比で1〜20の範囲、例えば1〜10、また好ましくは1.5〜7.5の範囲内、例えば2〜6の範囲、そしてより好ましくは2.5〜5の範囲であることを特徴とする請求項61記載の方法。
【請求項63】
前記の有機物質の変換が、90%以上、例えば95%以上、また好ましくは97.5%超、例えば99%超、そしてより好ましくは99.5%超、例えば99.9%超であることを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項64】
不均一系触媒を備えた前記の反応装置が、所定の間隔で熱い加圧水での処理に付されることを特徴とする請求項31、32、61、または62記載の方法。
【請求項65】
熱い加圧水での前記の処理が12時間未満の継続時間、例えば6時間未満の継続時間、好ましくは3時間未満の継続時間、例えば1時間未満の継続時間を有することを特徴とする請求項64記載の方法。
【請求項66】
熱い加圧水での該処理の間隔が6時間以上、例えば12時間上、好ましくは熱い加圧水での該処理の間隔が24時間以上、例えば1週間以上であることを特徴とする請求項64または65記載の方法。
【請求項67】
前記の有機物質が、汚水スラッジなどのスラッジ、液体肥料、コーンサイレージ、クラリファイヤースラッジ、黒液、発酵の残渣、ジュース製造の残渣、食用オイル製造の残渣、果物および野菜加工の残渣、食品および飲料製造の残渣、浸出液もしくは漏出水またはそれらの組み合わせからなる群から選ばれることを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項68】
前記の有機物質が、バイオマス、わら、草、ステム(stems)、木材、バガス、ワイントラッシュ(wine trash)、おがくず、木材チップまたはエネルギー作物またはそれらの組み合わせからなる群から選ばれたリグノセルロース材料を含むことを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項69】
前記の有機物質が、家庭の廃棄物、地方自治体の廃棄物、紙廃棄物、自動車シュレッダー廃棄物などの廃棄物、プラスチック、ポリマー、ゴム、スクラップタイヤ、ケーブル廃棄物、CCA処理木材、ハロゲン化有機化合物、PCB含有変圧器オイル、電解コンデンサ、ハロン、医療廃棄物、肉加工の危険部位、肉骨粉飼料、溶解および/または懸濁した有機物質を含むプロセス水もしくは廃棄物水の流れなどの液体流れを含むことを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項70】
前記のスラッジが、生物学的処理プロセスからのスラッジであることを特徴とする請求項67記載の方法。
【請求項71】
前記の有機物質が排水処理プロセスからのスラッジであることを特徴とする請求項1〜67のいずれか1項記載の方法。
【請求項72】
前記の生物学的処理プロセスが排水処理プロセスの一部であることを特徴とする請求項70記載の方法。
【請求項73】
前記の生物学的水処理プロセスが好気性プロセスであることを特徴とする請求項72記載の方法。
【請求項74】
前記の生物学的水処理プロセスが嫌気性プロセスであることを特徴とする請求項72記載の方法。
【請求項75】
前記の有機物質が機械的脱水に付されることを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項76】
前記の機械的に脱水された有機物質が10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、最も好ましくは25質量%以上の乾燥固形分含有量を有することを特徴とする請求項61記載の方法。
【請求項77】
前記の有機物質がスラッジの混合物、リグノセルロース材料または廃棄物を含むことを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項78】
前記流体中の前記の有機物質の濃度が、5質量%以上、例えば10質量%以上、好ましくは前記の有機物質の濃度が15質量%以上、例えば200質量%以上、そしてより好ましくは前記の有機物質の濃度が30質量%以上、例えば50質量%以上であることを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項79】
周期律表のIA族元素が、バイオマスの燃焼から得られた灰分または石炭燃焼の灰分であることを特徴とする前記の請求項のいずれか1項記載の方法。
【請求項80】
前記の請求項のいずれか1項記載の方法によって得られた製品。
【請求項81】
前記の製品がオイルの形態の炭化水素を含むことを特徴とする請求項80記載の製品。
【請求項82】
前記の流体が、炭化水素オイル製品が供給炭素含量の20質量%以上を含み、例えば供給炭化水素含量の35質量%以上、好ましくは前記の炭化水素オイル製品が供給炭素含量の50質量%以上を含み、例えば供給炭素含量の65質量%以上で、そしてより好ましくは前記の炭化水素オイル製品が供給炭素含量の80質量%以上を含むような、供給炭素含量および供給炭化水素含量を有することを特徴とする請求項81記載の製品。
【請求項83】
前記の炭化水素オイル製品中に、供給流れの中のエネルギー含有量の20%以上が回収される、例えばエネルギー含有量の35%以上が、好ましくは前記の炭化水素オイル製品中に供給材料中のエネルギー含有量の50%以上が、例えば供給エネルギー含有量の65%以上が、そしてより好ましくは前記の供給エネルギー含有量の80%以上が前記の炭化水素オイル製品中に回収されることを特徴とする請求項81記載の製品。
【請求項84】
前記の炭化水素オイル製品が炭素原子12から16の炭化水素を含むことを特徴とする請求項81〜83のいずれか1項記載の製品。
【請求項85】
前記の炭化水素オイル製品が実質的に硫黄を含まないことを特徴とする請求項81〜84のいずれか1項記載の製品。
【請求項86】
前記の炭化水素オイル製品が実質的にハロゲンを含まないことを特徴とする請求項81〜85のいずれか1項記載の製品。
【請求項87】
前記の炭化水素オイル製品が脂肪酸エステルおよび/または脂肪酸メチルエステル含むことを特徴とする請求項81〜86のいずれか1項記載の製品。
【請求項88】
前記の炭化水素オイル製品がジーゼル様の特性を有することを特徴とする請求項81〜87のいずれか1項記載の製品。
【請求項89】
前記の炭化水素オイル製品が0.1〜30%の範囲の酸素含有量を有することを特徴とする請求項81〜88のいずれか1項記載の製品。
【請求項90】
前記の炭化水素オイル製品が鉱物性生産品の表面に吸着されていることを特徴とする請求項81〜89のいずれか1項記載の製品。
【請求項91】
前記の炭化水素製品がメタノールを含むことを特徴とする請求項81〜90のいずれか1項記載の製品。
【請求項92】
メタノールを含む前記の炭化水素製品が供給炭素含量の20%以上を含み、例えば供給炭素含量の35%以上、好ましくは前記のメタノール製品が供給炭素含量の50%以上を含み、例えば供給炭素含量の65%以上、より好ましくは前記のメタノール製品が供給炭素含量の80%以上を含むことを特徴とする請求項91記載の製品。
【請求項93】
前記のメタノールを含む炭化水素オイル製品中に、供給材料中のエネルギー含有量の20%以上が回収される、例えば供給材料中のエネルギー含有量の35%以上が前記のメタノールを含む炭化水素オイル製品中に回収される、好ましくは供給物中のエネルギー含有量の50%以上が前記のメタノールを含む炭化水素オイル製品中に回収される、例えば供給エネルギー含有量の65%以上が前記のメタノールを含む炭化水素オイル製品中に回収される、そしてより好ましくは前記の供給エネルギー含有量の80%以上が前記のメタノールを含む炭化水素オイル製品中に回収されることを特徴とする請求項91記載の製品。
【請求項94】
請求項81〜93のいずれか1項記載の製品の、エンジンまたは発電機を作動するための使用。
【請求項95】
請求項81〜93のいずれか1項記載の製品の、オイル火力発電所における出力発生のための使用。
【請求項96】
請求項81〜93のいずれか1項記載の製品の、工程用加熱または家庭用加熱のための使用。
【請求項97】
請求項81〜93のいずれか1項記載の製品の、石油ジーゼルまたはガソリンへの混合成分としての使用。
【請求項98】
請求項90記載の製品のサスペンション燃焼システムにおける使用。
【請求項99】
請求項90記載の、製品の融解選鉱のプロセスにおける使用。
【請求項100】
請求項81〜93のいずれか1項記載の製品の、肥料製品の生産への使用。
【請求項101】
請求項81〜93のいずれか1項記載の製品の、上水の流れの生成への使用。
【請求項102】
前記の上水の流れが飲用水の水質を有することを特徴とする請求項100記載の製品。
【請求項103】
予備変換システムおよび製品回収システム(11)を含む、有機物質を炭化水素へ変換するための装置であって、前記予備変換システムが、
−有機物質を含む流体の供給を加熱するための第一の加熱ユニット(4)、
−有機物質を含む流体の供給を接触させるための触媒反応装置(7)、および
−流体が7を超えるpH値を有するように調整するための調整ユニット、を含み、また前記の製品回収システム(11)が、
−オイルおよび水溶性塩の第一の流れ(L;H、O、P、E)を、水および水溶性有機物の第二の流れ(K;F、Q、G;R)から分離するためのメンブレンフィルタ(13)を含むことを特徴とする装置。
【請求項104】
予備変換システムが、供給順序の中で、流体へ有機物質を供給するための貯蔵所を更に含むことを特徴とする請求項103記載の装置。
【請求項105】
予備変換システムが、供給順序の中で、原料の後に、また第一の加熱ユニット(4)の前に置かれた前処理ユニット(1)を更に含むことを特徴とする請求項103または104記載の装置。
【請求項106】
予備変換システムが、供給順序の中で、第一の加熱ユニット(4)の後に置かれた第一の粒子分離ユニットを更に含むことを特徴とする請求項103〜105のいずれか1項記載の装置。
【請求項107】
予備変換システムが、供給順序の中で、第一の粒子分離ユニット(5)の後に、また触媒反応装置(7)の前に置かれた第二の加熱ユニット(6)を更に含むことを特徴とする請求項103〜106のいずれか1項記載の装置。
【請求項108】
予備変換システムが、供給順序の中で、触媒反応装置(7)の後に置かれた第二の粒子分離ユニット(9)を更に含むことを特徴とする請求項103〜107のいずれか1項記載の装置。
【請求項109】
予備変換システムが、供給順序の中で、触媒反応装置(7)の後の流体の供給の一部を、第二の加熱ユニット(6)の前の流体の供給に再循環する手段(8)を更に含むことを特徴とする請求項103〜107のいずれか1項記載の装置。
【請求項110】
第一の加熱ユニット(4)が、加熱に加えて、予備変換システムからの流体を、製品回収システムに入る前に冷却する第一の熱交換器であることを特徴とする請求項103〜109のいずれか1項記載の装置。
【請求項111】
前処理ユニットが、流体を前処理システム中で加熱するのに加えて、予備変換システムからの流体を、製品回収システムに入る前に冷却する熱交換器を更に含むことを特徴とする請求項103〜110のいずれか1項記載の装置。
【請求項112】
前処理ユニットが、第一の熱交換器(4)および第二の熱交換器(1)の間に置かれた第一の膨張ユニット(10)を更に含むことを特徴とする請求項103〜111のいずれか1項記載の装置。
【請求項113】
製品回収システムが、燃料ガスなどのガス(I)の分離のためのガス分離ユニット(12)を更に含み、ガス分離ユニット(12)が、供給順序の中で、第二の熱交換器(4)の後、また第一のメンブレンフィルタ(13)の前に置かれていることを特徴とする請求項103〜112のいずれか1項記載の装置。
【請求項114】
製品回収システムが、第二の加熱ユニット中で流体を加熱するために、燃料ガスなどの前記のガス(I)を再循環する手段を更に含むことを特徴とする請求項111記載の装置。
【請求項115】
製品回収システムが、供給順序の中で、第一のメンブレンフィルタ(13)の後に置かれた第二の膨張ユニットを更に含むことを特徴とする請求項103〜114のいずれか1項記載の装置。
【請求項116】
製品回収システムが、第一の流れ(L)からオイル(H)を分離するための相分離ユニット(14)を更に含み、該相分離ユニット(14)が、供給順序の中で、メンブレンフィルタ(13)の後に置かれていることを特徴とする請求項103〜115のいずれか1項記載の装置。
【請求項117】
製品回収システムが、第一の流れの一部(E)を、予備変換システムの前処理ユニット(1)中へ再循環する手段を更に含むことを特徴とする請求項103〜116のいずれか1項記載の装置。
【請求項118】
製品回収システムが、第二の流れから電力を生み出すための直接メタノール型燃料電池(18)を更に含むことを特徴とする請求項103〜117のいずれか1項記載の装置。
【請求項119】
製品回収システムが、限外ろ過、ナノろ過、逆浸透またはパーベーパレーションまたはそれらの組み合わせを含むメンブレンプロセスからなる群から選ばれる、1つまたはそれ以上のメンブレンフィルタ(15、16、17)を更に含むことを特徴とする請求項103〜117のいずれか1項記載の装置。
【請求項120】
製品回収システムが、第二の流れ(K)から精製したメタノール化合物(F)を分離するために第二のメンブレンフィルタを更に含むことを特徴とする請求項119記載の装置。
【請求項121】
製品回収システムが、精製したメタノール化合物(F)を、第二の流れから、予備変換システムの前処理ユニット(1)中へ再循環する手段を更に含むことを特徴とする請求項103〜116のいずれか1項記載の装置。
【請求項122】
請求項1〜79のいずれか1項記載の方法を用いて、請求項80〜93のいずれか1項記載の製品を生産するための、請求項103〜121のいずれか1項記載の装置を含むプラント。
【請求項123】
有機物質を装置に供給するための手段および製品を装置から取り出す手段を更に含むことを特徴とする請求項122記載のプラント。
【請求項124】
プラントが、精製装置を更に含むことを特徴とする請求項122または123記載のプラント。
【請求項125】
周期律表のIVB族の少なくとも1つの元素の化合物および/またはα−アルミナを含み、有機物質を炭化水素に変換する方法の中で用いられる不均一系触媒。
【請求項126】
周期律表のIVB族の少なくとも1つの元素の化合物が、ジルコニウムおよび/またはチタンを含むことを特徴とする請求項125記載の不均一系触媒。
【請求項127】
周期律表のIVB族の少なくとも1つの元素の化合物が、酸化物および/または水酸化物型またはこの2つの組み合わせであることを特徴とする請求項125または126記載の不均一系触媒。
【請求項128】
周期律表のIVB族の少なくとも1つの元素の化合物が、少なくとも一部が硫酸塩または硫化物型であることを特徴とする請求項125〜127のいずれか1項記載の不均一系触媒。
【請求項129】
不均一系触媒が、Fe、Ni、Co、Cu、Cr、W、Mn、Mo、V、Sn、Zn、Si、からなる群から選ばれた少なくとも1つの元素を、20質量%以下の量で、例えば10質量%以下の量で、好ましくは5質量%以下の量で、例えば2.5質量%以下の量で更に含むことを特徴とする請求項125〜128のいずれか1項記載の不均一系触媒。
【請求項130】
これらの元素が酸化物および/または水酸化物型であることを特徴とする請求項125〜129のいずれか1項記載の不均一系触媒。
【請求項131】
不均一系触媒が、懸濁した粒子、タブレット、ペレット、環、円筒、ハニカム構造および/またはそれらの組み合わせの形態であることを特徴とする請求項125〜130のいずれか1項記載の不均一系触媒。
【請求項132】
不均一系触媒が、10m/g以上、例えば25m/g以上、好ましくは50m/g以上、例えば100m/g以上、またより好ましくは150m/g以上、例えば200m/g以上のBET表面積を有することを特徴とする請求項125〜131のいずれか1項記載の不均一系触媒。
【請求項133】
不均一系触媒が、Si、La、YまたはCeまたはそれらの組み合わせからなる群から選ばれた少なくとも1つの表面積安定剤を更に含むことを特徴とする請求項125〜132のいずれか1項記載の不均一系触媒。
【請求項134】
不均一系触媒が、前記の表面積安定剤の少なくとも1つを20質量%以下の有効量で、例えば10質量%以下の有効量で、好ましくは前記の表面積安定剤を7.5質量%以下の有効量で、例えば表面安定剤を5質量%以下の有効量で含む、そしてより好ましくは前記の表面安定剤が0.5〜5質量%の有効量で存在する、例えば1〜3質量%で存在することを特徴とする請求項125〜133のいずれか1項記載の不均一系触媒。
【請求項135】
不均一系触媒が、1000時間の使用後に10m/g以上のBET表面積を、例えば1000時間の使用後に25m/g以上のBET表面積を、また好ましくは1000時間の使用後に50m/g以上のBET表面積を、例えば1000時間の使用後に100m/g以上のBET表面積を、またより好ましくは1000時間の使用後に150m/g以上のBET表面積を、例えば1000時間の使用後に200m/g以上のBET表面積を有することを特徴とする請求項125〜134のいずれか1項記載の不均一系触媒。
【請求項136】
不均一系触媒が赤泥から生成されることを特徴とする請求項125〜135のいずれか1項記載の不均一系触媒。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−539285(P2008−539285A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508079(P2008−508079)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【国際出願番号】PCT/DK2006/000232
【国際公開番号】WO2006/117002
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(506168417)エスセーエフ テクノロジーズ アクティーゼルスカブ (5)
【Fターム(参考)】