説明

有機発光ダイオード

【課題】有機発光ダイオード(OLED)の改良された構造に関するものであり、特に、いわゆる表面発光OLEDに関するものである。
【解決手段】有機発光ダイオード(OLED)300は電気伝導性のアノード106と電気伝導性のカソード200の間の発光層108bを含み、前記ダイオードは前記カソード200を通して発光されるように構成され、前記カソード200は前記発光波長が前記カソード200を透過するのを増加するように構成され、前記発光波長の光が前記カソードを透過するのを増加するように干渉するように光学干渉構造202、204、206を含む有機発光ダイオード(OLED)300を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機発光ダイオード(OLED)の改良された構造、特に、いわゆるトップエミッションOLEDに関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(OLED)はボトムエミッションデバイスとトップエミッショントップエミッションデバイスの2つの基本的な種類に分類される。ボトムエミッションデバイスは、典型的にはガラスである基板上に形成され、その上にITO(インジウム錫酸化物)が積層され、続いて、OLED、次いで、実質的に不透明なカソードが積層される。電気的刺激を受けると、このようなOLEDは、OLED材料からの光を半透明のITO層及びガラス基板を通して放出する。
【0003】
このような構造はいくつかの重大な欠点を表すが、これまで実質的に全ての実用装置はこのタイプのものであった。第1に、基板内での吸収及び反射損失はデバイスの効率を悪くする。しかしながら、多分、より重要なのは、アクティブマトリックス装置のように薄膜駆動回路がOLEDと連続している場合は、この回路は通常感光性なので、ディスプレイの画素に有効な発光領域を減少させる。したがって、光がアノードよりカソードを通じて放出されるようにアノードが不透明でカソードが実質的に透明となるいわゆるトップエミッション構造とするのが望ましい。アクティブマトリクス装置の場合、これは全ての画素領域を実質的に発光材料で占めることを可能にし、また、より大きな領域を薄膜駆動トランジスターに割り当て、結果として、装置効率及びOLED寿命を増加する(同じ発光量に対して低い電流密度が適用できる)ことを可能にする。しかしながら、トップエミッションOLEDの装置構造が提案されているものの、下記に述べるように実用的な困難性を有している。
【0004】
図1は、トップエミッションOLED装置の例の断面図を示し、この例において、アクティブマトリクスディスプレイの一部を含み、したがって連続した駆動回路も含む。装置の構造は例の目的のためにある程度簡略化されている。
【0005】
OLED100は、複数のポリシリコン及び/又は金属及び絶縁層104を支持するガラス基板102を備え、これら層104の上に駆動回路が形成される。これら層も最上層はその上にアノード106が積層される絶縁性及びパッシブ酸化層(SiO2)を含む。例えば、層104の駆動回路が画素領域のごく一部を占める場合は、このアノード層はITO(インジウム錫酸化物)から形成され、また、両面から発光する実質的に透明な装置を提供することが望まれている。しかしながら、トップエミッションデバイスの1つの利点はアノードが透明である必要はなく、プラチナ層のような従来の金属層を含むことができる。
【0006】
1又は2以上のOLED材料108は、例えば、スピンコート及び不要な部分の有機材料の除去(例えば、レーザー除去により)により又は選択的積層、例えば、インクジェット積層プロセス(例えば、EP0880303参照)によりアノード106上に積層される。有機LEDは、変化する駆動電位及び効率で大きな範囲の波長を放射するためにポリマー、デンドリマー、及びいわゆる低分子を含む材料の範囲を使用して形成される。ポリマーベースのOLED材料の例は、WO90/13148、WO95/06400及びWO99/48160に記載されており、デンドリマーベース材料の例はWO02/066552に記載されており、また、低分子OLED材料の例はUS4,539,507に記載されている。ポリマーベースのOLED層108は、正孔輸送層108a及び発光ポリマー(LEP)電子発光層108bを含む。電子発光層は、例えば、PPV(ポリ(フェニレンビニレン))及び正孔輸送層を含む。正孔輸送層は電子発光層のアノード層の正孔エネルギーレベルの適合を助け、例えば、PEDOT:PSS(ポリスチレンスルホン酸添加ポリエチレンジオキシチオフェン)を含む。
【0007】
多数層カソード110はOLED材料108上を覆い、トップエミッションデバイスにおいては、設計される発光波長においては少なくとも部分的に透明である。ポリマーLEDにおいては、カソードは好ましくは仕事関数3.5eV以下を有し、低仕事関数、例えば、カルシウム、マグネシウム又はバリウムのような金属を有する第1層、効率的な電子注入を提供するLEP層108bに隣接する第2層、例えば、フッ化バリウム又は他の金属のフッ化物若しくは酸化物を含む。カソード110の表面層(すなわち、LEP108bから一番遠い)は、金又は銀のような高導電性金属薄膜を含む。金属層のシート抵抗が低く保たれること、より好ましくは100オーム/□以下、より好ましくは30オーム/□以下であることが好ましいが、50nm以下の厚さ、より好ましくは20nm以下の厚さを有する金属層は、十分に光学的に透明であることがわかった。ある設計においては、アノード、OLED材料及びカソード層は、例えば、ポジ型又はネガ型フォトレジスト材料から形成されるバンク112のようなバンク(又は壁)によって分離される。バンク112は基板の平面に約15度の角度を有する(図1においては、見易さのために急勾配で示されている)。
【0008】
大まかに言って、適切なカソード電極構造が満足すべき5つの主要な基準がある。すなわち、透明性、有機電子発光材料への電荷の注入を可能にする低い一連の抵抗、マトリックスのアドレス化を容易にする十分な側面の導電性、物理的及び化学的損傷から有機層を保護するための封止、及び下層の有機層を十分損傷しない積層プロセスである。これら基準の全てを満足する単一材料は見つかっていないので、今日まで刊行されたトップエミッション構造は複数層である(例えば、US5,739,545、US5,714,838、WO99/31741、WO98/07202、US6,316,786、JP08185984、US5,457,565及びUS5,429,884)。例えば、US5,739,545は、電子発光層を挟むアノード及びカソード、カソード層は例えばカルシウム又はMgAlの薄い金属層を含み、例えば、セレン化亜鉛(ZnSe)、硫化亜鉛(ZnS)又はZnSxSe1-xの広いバンドギャップ半導体層の保護層が続き、さらに、アルミニウム、ITO又はAlZnOのような非反応材料又は他の導電材料の追加層を含む構造を開示する。カルシウム及びセレン化亜鉛はITOが要求するスパッタリングより損傷が少ない気相中で積層され得るので、このような構造は優位である。
【特許文献1】米国特許5,739,545号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
トップエミッション及びボトムエミッションOLED構造は、異なる問題を有する。アノードが透明でありカソードが金属の不透明層を含むボトムエミッション構造においては、透明アノードを通して装置に環境光が透過することからくる問題が生じる。このような構造では、環境光はカソードに反射し、電子発光と比べて装置に後退し、ディスプレイのコントラストを悪くする。この問題を解決するために、Applied Physics Letters, vol82,(16),2715、US5,049,780及びWO01/08240に記載されるように、反射防止構造をカソードに組み込むことによってカソードからの環境光を減少させることが提案されている。底面発光OLEDのコントラストを改良する他の方法は、回転偏光(例えば、US6、211,613参照)の使用、及びカソードにおける光吸収材料の使用(例えば、本発明の出願人のWO00/35028参照)を含む。
【0010】
しかしながら、トップエミッションデバイスにおいては、カソード電極構造は上記基準を満足することが望ましく、これから生じる1つの問題は、装置に入り込む環境光が逃れるのを防止することより装置から電子発光された光の最大量の引き抜きにある。したがって、トップエミッションデバイスの効率を改良するためには、電子発光層108内で生じた光子がカソード構造を通じて伝達し観察者に向かって装置から出る効率を改良することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第一の側面によれば、電気伝導性のアノードと電気伝導性のカソードの間の発光層を有する基盤を含む有機発光ダイオード(OLED)が提供され、ここで、ダイオードは前記カソードを通じて発光するように設計され、カソードはダイオードの発光波長を透過し、カソードはダイオードの波長の透過を増進するように光学的干渉構造を組み込んでいる。
【0012】
光学的干渉構造は、好ましくは、異なる屈折率の第1及び第3層の間に挟まれて配置され、干渉層の前面と後面からの反射が発光波長のカソードの通過を増進するように干渉する厚さを有する光学的干渉又はスペーサー層を含む。これは、干渉層の光学的厚さが発光波長における1/4波長の奇数となるように選ぶことにより達成され、これは発光層のピーク又は中心発光波長(例えば、肉眼でそれを見るとき)を含む。
【0013】
一般的に、電子発光OLED材料は、非常に鋭いピークの波帯より幅広い波長で発光する。したがって、光学的干渉層は、好ましくは前記発光波長の1/3と前記発光波長の1/4の間の厚さの間、より好ましくは前記発光波長の実質的に1/4の厚さを有する。しかしながら、光学的干渉層の正確な厚さは、隣接する第1及び第3層の厚さ、ある程度、屈折率の相違に依存するので、正確に1/4波長とはならない。したがって、好ましくは、光学的干渉層の厚さは、これら他の層の影響を考慮しながらカソードの透過を実質的に最大化する厚さを選択することによって決められる。そして層の光学的厚さは、実施態様において、λ/3とλ/5の間、又はときにはこの範囲外で変化する。しかしながら、大まかに言って、3λ/4又は5λ/4のような増加した厚さよりλ/4の厚さを選ぶことによって、より広いバンド応答を提供すること、すなわち、発光波長の広い範囲にわたって透過を実質的に最大化することに役立つ。
【0014】
発光層は、これに限定されずに、ポリマーLED系材料、低分子系材料及びデンドリマー系材料を含む公知の有機電子発光材料を含むことができる。第1層(発光層に最も近い又は実質的に隣接する)は、好ましくは電子注入層を含み、使用される有機電子発光層のタイプに応じて従来の材料を組み込むことができる。したがって、電子注入層は、例えば、カルシウム又はバリウムのような低仕事関数の金属、より一般的には、初期遷移金属、ランタニド又はアルカリ土類又は金属化合物(例えば、カーバイド、ニトライド、ボライド、フロライド)、又は合金(例えば、アルミニウム又はマグネシウムを含む)又は共役ポリマー又はドープされた半導体を含むことができ、また、上記のように、例えば、異なる仕事関数の2層のような多層電子注入層を組み込むことができる。
【0015】
しかしながら、一般的に、この電子注入層は相対的に薄く、例えば、30nm以下である。カソード層の全体的な導電性を改良するために、第3層は、好ましくは、例えば、金、銀又はアルミニウムの金属層のようン電気導電層を含む。第3層の厚さは、好ましくは装置が設計された発光波長における導電性と透過性の妥協点として選ばれる。好ましくは、この第3層は100nm以下の厚さ、より好ましくは20nm以下の厚さを有する。好ましくは、第1及び第3層の片方又は両方は、10,000オームcm以下、より好ましくは1000オームcm以下の抵抗を有する材料を含む。
【0016】
光学的干渉層は、酸化シリコン(SiO及び/又はSiO2)、窒化シリコン(SiN)、その他のような絶縁材料、又はITO、IZO(インジウム添加酸化亜鉛)、亜鉛セレナイド、又は窒化ガリウム(GaN)のような半導体材料を含むことができる。後者の2つの材料はスパッタリングでなく気相中で積層でき、したがって、下層の有機層を損傷しにくいという利点を有する。絶縁材料でなく半導体材料を使用する利点はカソードの全体の導電性が増加する点である。
【0017】
前述したトップエミッションデバイスは、不透明なアノードを採用することができ、しかし、ある設計においては、例えば、光吸収層が電子発光層とアクティブマトリックスディスプレイの駆動トランジスターの間に提供される場合、アノードは透明であり得る。選択的に光吸収層を設け、透明アノードを使用することにより構造からの環境光の反射を減少することができる。
【0018】
本発明は、さらに、上記のOLEDを含むディスプレイ装置を提供する。
【0019】
関連する側面において、本発明は、1又は2以上のOLEDを含み、それぞれはアノードとカソードの間に挟まれるOLED材料層を含み、前記OLED材料は、アノード及びカソード電極層に間を電流が通過するとき発光し、第1の前記電極層は電子発光波長のピークにおいて少なくとも部分的に透過性であり第2の前記電極層より装置の表示表面に近接しており、これによって第1の電極層を通して電子発光するように設計されており、ここで、第1の電極は、前記OLED材料を接続するための結合層と第3の実質的に電気伝導層の間に挟まれるスペース層を含み、ここで、前記スペーサー層は、前記ピークの電子発光波長における第1電極層の透過が実質的に最大化されるように前記ピークの電子発光波長の1/4波長の約奇数倍の厚さを有する。
【0020】
前述したように、スペーサー層は、結合層とも実質的に導電層である第3層とも異なる屈折率を有すべきである。好ましい構成においては、第1の電極層はカソード電極層であり、これによってこの装置はトップエミッションデバイスとして構成される。
【0021】
図2を参照すると、これは本発明の実施態様のカソード構造200を示す。この構造は、例えばカルシウム又はバリウムで、屈折率n1を有する第1の層202を含み、例えば、ITO又は亜鉛セレナイドで屈折率n2を有するスペーサー層が続き、さらに、屈折率n3を有する、例えば金からなる第3層206が続く。第1及び第3層202、206は、好ましくは関連の波長の光(通常、この構造が組み込まれるOLEDのピーク発光波長)に対して実質的に透過であるほど十分に薄く、スペーサー層204は約1/4波長の光学厚さを有する。干渉層の光学厚さは、機械的厚さに関連の波長(緑色域の波長においてnITO≒1.85)における層の屈折率を掛けることによって決められる。
【0022】
例えば、OLEDにおける電子発光層からカソード構造200を通して伝播する光208は、層202及び206との層204の2つの内部境界においてそれぞれ反射し、反射ビーム210、212をもたらす。この構造の全体の光学的分析によれば、層204の光学的厚さh(=n2t、ここで、tは層の物理的厚さ)が1/4波長に等しい場合、ビーム210と212は互いに弱め合うように干渉し、反射光を最小化し、透過光を最大化する。実用装置の最適化においては、他の内部干渉から及び金属層との干渉からの反射を考慮し、単純なモデルによって予測される理論的1/4波長の厚さから層204の光学厚さを変えることができる。
【0023】
図3は、このようなカソード構造を組み込んだトップエミッションOLEDの例を示す、図3の構造において、図1及び2における構成要素に対応する同様の構成要素は同様の引用数字で示され、OLEDは電池302によってバイアスされた前方にある。
【0024】
次に、図4を参照すると、光学的干渉層を組み込んだカソードを有しない実質的に完全に透明なOLEDの概略図を示す。構造400における層(これは測定されない)は、ガラス層402、一酸化シリコン404、金406、カルシウム408、フッ化バリウム410、黄色発光電子発光ポリマー層412、PEDOT層414、ITOアノード層、二酸化シリコン層及び追加のガラス層420を含む。金406、カルシウム408及びフッ化バリウム410は一緒にカソードを構成する。
【0025】
図4bは、同様のOLED構造450を示し、ここで同様の構成要素は同様の引用番号によって示される。しかしながら、OLED450は、カソード内にアルミニウム添加一酸化シリコン(SiO:Al)の追加層を含む。この層の厚さは、層412からカソード410、408、452、406を通じて電子発光が透過し、そこから一酸化シリコン及びガラス層を通じて互いに弱め合うように干渉することによってカソードからの内部反射を防止するために、下記に示されるように選択される。一酸化シリコン層404はカソードに対する封止層として使用され、カソードの透過(及び反射の減少)を促進するのに重要な働きはしない。
【0026】
図5は、図4aで示されたデバイスにおける、いくつかの光路を示す光学的模式図である。図4bで示されたデバイスにおいても、図5と同様の光路で示される。このように、図5は、装置の電子発光層412から表面又は前面へ向かう透過ビーム501a、及び、装置の電子発光層412から背面又は底面へ向かう透過ビーム501bを示す。光線504、506は装置の前面から環境光の反射を示し、光線508、510は装置の背面からの環境光の反射を示す。環境光もある程度、光線500及び502に沿って装置を透過する。実際には、光学システムを構成する際は、全ての内部界面の影響を考慮して、電子発光層412から前面又は表面に向けての全ての層を通過する透過パスを考慮することが好ましい。このような計算は、Eugene Hecht(Addison Weley)によってOPTICSに開示されるような多くの標準の光学手法のいずれか一つによって遂行され得る。
【0027】
下記の表1は、1つの例示的な計算において透明カソード構造を構成するために使用される厚さデータを示す。この例において、フッ化バリウム層410は省略され、層452はSiO:AlよりむしろITOを含む。材料の屈折率データは多くの標準の引用刊行物、例えば、CRC Press LLC,USAによって刊行されるCRC Handbook of Chemistry and Physicsのなかに見出されるし、あるいは標準の技術を用いて実験的に決められる。
【表1】

【0028】
図4bのカソード構造を構成するために、下記の表2に示される追加のデータが採用された。
【表2】

【0029】
光学的設計ソフトウェアは、トップエミッション構造を見るときカソード構造を含む材料層の厚さが透過の最大値及び反射の最低値になるように最適化することを可能にする。適当なアルゴリズムは、Whittaker al.,Physical Review B, 1999,60(4),2610に記載されている。
【0030】
図6は、上記の光学設計ソフトウェアによって予測される構造4a及び4bを通した波長に対する透過性及び反射性のグラフを示す。曲線600及び601は、構造4aを通じた反射性と透過性を示し、曲線602及び603は構造4bを通じた反射性と透過性を示す。
【0031】
図4bの構造は、カソードが光学的干渉層を組み込むときそのような干渉層を有しない同様のカソードに比較して構造を通した透過性の増加を引き起こし、反射性の十分な減少を提供することがわかる。
【0032】
本発明の多くの有効な変更がなされることは当業者にとって疑いなく、発明は記載される実施態様に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲の精神及び範囲内における当業者に自明な改良を含むことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】トップエミッションLEDディスプレイ装置の垂直断面図を示す。
【図2】本発明の実施例のカソード層構造を示す。
【図3】図2のカソード構造を組み込むOLEDを示す。
【図4a】光学的干渉層を有しないトップエミッションOLED装置を示す。
【図4b】光学的干渉層を有するトップエミッションOLED装置を示す。
【図5】図4a及び図4bの構造を構成するのに使用される光学線の単純化した模式図を示す。
【図6】図4a及び図4bの構造の透過及び反射波帯を示す。
【符号の説明】
【0034】
100 有機発光ダイオード(OLED)
102 ガラス基板
104 絶縁層
106 アノード層
108 金属
110 カソード複数層
112 バンク
200 カソード構造
202 第1層
204 スペーサー層
206 第3層
208 光
210 ビーム
212 ビーム
300 OLED構造
302 電池
400 OLED構造
402 ガラス層
404 一酸化シリコン
406 金
408 カルシウム
410 フッ化バリウム
412 ポリマー層
414 PEDOT層
416 ITOアノード層
418 二酸化シリコン
420 ガラス層
450 OLED構造
452 アルミニウム添加一酸化シリコン(SiO:Al)
500 光線
501a 透過ビーム
501b 透過ビーム
502 光線
504 光線
506 光線
508 光線
510 光線
600 反射率曲線(構造4a)
601 透過率曲線(構造4a)
602 反射率曲線(構造4b)
603 透過率曲線(構造4b)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気導電性アノードと電気導電性カソードの間の発光層を有する基板、前記カソードを通じて発光するように構成されたダイオード、前記ダイオードの発光波長の光を透過する前記カソードを含む有機発光ダイオード(OLED)であって前記カソードは前記発光波長の光が前記カソードを透過するのを増加するように構成される光学的干渉構造を含み、前記カソードは異なる屈折率を有する第1層と第3層の間に配置される光学干渉層を含み、前記光学干渉層は前記発光波長の1/3と1/5の間の光学厚さを有し、前記第1層は電子を前記発光層に注入する電子注入層を含み、前記第3層は電気導電層を含む有機発光ダイオード(OLED)。
【請求項2】
前記電子注入層が30nm以下の厚さを有する請求項1記載の有機発光ダイオード。
【請求項3】
前記電気導電層のシート抵抗が100オーム/□以下である請求項1記載の有機発光ダイオード。
【請求項4】
前記電気導電層が50nm以下の厚さを有する請求項1記載の有機発光ダイオード。
【請求項5】
前記光学干渉層は実質的に前記発光波長の1/4の光学厚さを有する請求項1 に記載の有機発光ダイオード(OLED)。
【請求項6】
前記発光波長は前記発光層の発光波長のピーク又は中心に実質的に等しい請求項1ないし5のいずれかに記載の有機発光ダイオード(OLED)。
【請求項7】
前記電気導電層は金属層を含む請求項1に記載の有機発光ダイオード(OLED)。
【請求項8】
前記金属層は金、銀またはアルミニウムを含む請求項7記載の有機発光ダイオード。
【請求項9】
前記光学干渉層は広いバンドギャップの半導体、好ましくは亜鉛セレナイド又はガリウムナイトライドを含む請求項1記載の有機発光ダイオード(OLED)。
【請求項10】
前記光学干渉層は透明導電体、好ましくはインジウム錫酸化物又はインジウム亜鉛酸化物を含む請求項1記載の有機発光ダイオード(OLED)。
【請求項11】
前記光学干渉層は絶縁性材料を含む請求項1記載の有機発光ダイオード(OLED)。
【請求項12】
前記電子注入層は金属層を含む請求項1記載の有機発光ダイオード(OLED)。
【請求項13】
前記電子注入層はカルシウムまたはバリウムを含む請求項12記載の有機発光ダイオード(OLED)。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれかに記載の有機発光ダイオード(OLED)を含むディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−251333(P2010−251333A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152100(P2010−152100)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【分割の表示】特願2006−550291(P2006−550291)の分割
【原出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(597063048)ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド (152)
【Fターム(参考)】