有機発光表示装置
【課題】有機発光表示装置において、外光の反射によるコントラストの低下を抑制する。
【解決手段】第1基板と、第1基板に対向して配置された第2基板と、第1基板と第2基板との間に配置された第1電極と、第2基板と第1電極との間に配置され、かつ、第1電極に対向して配置された第2電極と、第1電極と第2電極との間に配置された有機発光層と、を備え、第1電極及び第2電極のうち少なくとも一つは反射電極であり、反射電極の表面には、反射電極の表面の光学特性を変化させた光特性変化層が形成されたことを特徴とする、有機発光表示装置を提供する。
【解決手段】第1基板と、第1基板に対向して配置された第2基板と、第1基板と第2基板との間に配置された第1電極と、第2基板と第1電極との間に配置され、かつ、第1電極に対向して配置された第2電極と、第1電極と第2電極との間に配置された有機発光層と、を備え、第1電極及び第2電極のうち少なくとも一つは反射電極であり、反射電極の表面には、反射電極の表面の光学特性を変化させた光特性変化層が形成されたことを特徴とする、有機発光表示装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光表示装置に係り、特に外光の反射によるコントラストの低下を抑制できる有機発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置は、自発光型の表示装置であって、視野角が広く、応答速度が速いという長所を有している。しかし、有機発光表示装置は、外光がある環境では、画像を表示する時、表示装置の内部の電極及び配線を構成する金属材料による外光の反射により、コントラストが低下するという問題がある。
【0003】
一般的に、コントラストの低下を抑制するためには、高価な偏光板が使われる。しかし、偏光板の使用は、コストの増加、発光層から放出される光の遮断による透過率の低下、及び輝度の低下など他の問題をもたらす。
そのため、コントラストの低下を抑制するための別の方法として、ブラックマトリックスを電極または配線上に形成する方法が使われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第2005−0015821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ブラックマトリックスを使用すると、ブラックマトリックスを形成するための別途のマスク工程が必要になるので、製造工程が複雑になってしまうという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、より簡易的な方法を用いて、優れたコントラスト特性を有することが可能な、有機発光表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、第1基板と、前記第1基板に対向して配置された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置された第1電極と、前記第2基板と前記第1電極との間に配置され、かつ、前記第1電極に対向して配置された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置された有機発光層と、を備え、前記第1電極及び前記第2電極のうち少なくとも一つは反射電極であり、前記反射電極の表面には、前記反射電極の表面の光学特性を変化させた光特性変化層が形成されたことを特徴とする、有機発光表示装置が提供される。
【0008】
前記光特性変化層は、前記反射電極の両表面のうち、前記有機発光層側の面に形成されてもよい。
【0009】
前記光特性変化層は、前記反射電極と、反射率、光吸収率、透過率、屈折率、回折及び色のうち少なくとも一つの光学特性が異なっていてもよい。
【0010】
前記光特性変化層は、前記反射電極より低い反射率を有していてもよい。
【0011】
前記光特性変化層は、前記反射電極より高い光吸収率を有していてもよい。
【0012】
前記光特性変化層は、前記反射電極にフェムト秒オーダーのレーザービームパルスを少なくとも一回照射することによって形成されてもよい。
【0013】
前記レーザービームにより変形させた領域は、ナノスケールまたはマイクロスケールオーダーで加工された表面構造を有していてもよい。
【0014】
前記有機発光層から放出された光が前記第2基板側に放出される前面発光型の有機発光表示装置において、前記光特性変化層は、前記第1電極の前記有機発光層側の面に形成され、前記第1基板と前記有機発光層との間に光遮断層がさらに備えられてもよい。
【0015】
前記前面発光型の有機発光表示装置において、前記光遮断層は、前記光特性変化層が形成されていない領域に備えられてもよい。
【0016】
前記前面発光型の有機発光表示装置において、前記第1基板と前記第1電極との間に、前記第1電極に連結される少なくとも一つの薄膜トランジスタ、及び前記薄膜トランジスタに連結された少なくとも一つの配線部が設けられてもよく、前記光遮断層は、前記薄膜トランジスタ及び前記配線部と前記第1電極との間に備えられてもよい。
【0017】
前記有機発光層から放出された光が前記第1基板側に放出される背面発光型の有機発光表示装置において、前記光特性変化層は、前記第2電極の前記有機発光層側の面に形成され、前記第1基板と前記第1電極との間に光遮断層がさらに備えられてもよい。
【0018】
前記背面発光型の有機発光表示装置において、前記光遮断層は、前記光特性変化層が形成されていない領域に備えられてもよい。
【0019】
前記背面発光型の有機発光表示装置において、前記第1基板と前記第1電極との間に、前記第1電極に連結される少なくとも一つの薄膜トランジスタ、及び前記薄膜トランジスタに連結された少なくとも一つの配線部が設けられてもよく、前記光遮断層は、前記薄膜トランジスタ及び前記配線部と前記第1基板との間に備えられてもよい。
【0020】
前記第1基板及び前記第2基板のうち少なくとも一つは透明基板であり、前記透明基板の外光が入射する方向側の面に透明干渉層がさらに備えられてもよい。
【0021】
前記透明干渉層は、前記外光の1/4波長に同等な厚さを有していてもよい。
【0022】
前記透明干渉層は、前記透明基板の屈折率より低い屈折率を有していてもよい。
【0023】
前記透明干渉層は、フッ化マグネシウム、シリカ、高屈折透明材料及びそれらの組み合わせから選択された一つの物質を含んでいてもよい。
【0024】
前記透明干渉層は、複数層備えられてもよく、前記複数の透明干渉層は、透明基板に近いほど高い屈折率を有していてもよい。
【0025】
前記透明干渉層の各層は、前記外光の1/4波長に同等な厚さを有していてもよい。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明によれば、次のような効果を得られる。
すなわち、反射電極の一つの表面に光特性変化層を形成することで、別途の部材を使用せずに、反射電極による外光の反射を減らしてコントラストの低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施形態による前面発光型の有機発光表示装置を概略的に示した断面図である。
【図2】フェムト秒オーダーのレーザービームパルスを適用して得られたアルミニウムについて、反射率と、照射光の波長と、の関係を示すグラフ図である。
【図3】本発明の第2の実施形態による背面発光型の有機発光表示装置を概略的に示した断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態による能動駆動方式の前面発光型の有機発光表示装置を概略的に示した断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態による有機発光表示装置の光特性変化層及び光遮断層を概略的に示した平面図である。
【図6A】本発明の第3の実施形態による有機発光表示装置の光遮断層の例を概略的に示した平面図である。
【図6B】本発明の第3の実施形態による有機発光表示装置の光遮断層の例を概略的に示した平面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態による能動駆動方式の前面発光型の有機発光表示装置を概略的に示した断面図である。
【図8】単層の透明干渉層を概略的に示した断面図である。
【図9】複数層の透明干渉層を概略的に示した断面図である。
【図10】本発明の第5の実施形態による能動駆動方式の背面発光型の有機発光表示装置を概略的に示した断面図である。
【図11】図10の実施形態による有機発光表示装置の光遮断層の例を概略的に示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0029】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による前面発光型の有機発光表示装置1を概略的に示した断面図である。
図1を参照すれば、本実施形態による有機発光表示装置1は、第1基板10、第2基板20、第1電極30、第1電極30の表面に形成された光特性変化層31、有機発光層50及び第2電極40を備える。より詳細には、第1基板10の上部に第1電極30が設けられ、第1電極30の上部に光特性変化層31が設けられ、光特性変化層31の上部に有機発光層50が設けられ、有機発光層50の上部に第2電極40が設けられ、第2電極40の上部に第2基板20が設けられた、積層構造を有している。
【0030】
第1基板10と第2基板20とは、互いに対向して配置される。第1基板10は、透明基板でもよい。しかし、本実施形態では、有機発光層50から放出された光が第2基板20側に放出されるので、第1基板10は、必ずしも透明基板である必要はない。ただし、第2基板20は、透明基板であることが好ましい。
第1電極30と第2電極40との間に、有機発光層50が設けられている。第1電極30は、反射電極として備えられ、第2電極40は、透明電極として備えられる。
【0031】
第1電極30は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)及びこれら元素の組み合わせから選択される。第2電極40は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In2O3)及びこれら化合物の組み合わせから選択される。
【0032】
第1電極30のパターンは、受動駆動型(Passive Matrix type:PM)の場合には、互いに所定の間隔だけ離れたストライプ状のラインで形成され、能動駆動型(Active Matrix type:AM)の場合には、画素に対応する形状に形成される。能動駆動型の場合には、第1電極30の下部の第1基板10に、少なくとも一つの薄膜トランジスタを備えたTFT(Thin Film Transistor)層がさらに設けられ、前記第1電極30は、このTFT層に電気的に連結される。第2電極40は、受動駆動型の場合には、第1電極30のパターンに直交するストライプ状のラインで形成され、能動駆動型の場合には、画素に対応する形状に形成される。すなわち、能動駆動型の場合には、画像が具現されるアクティブ領域の全体にわたって形成される。これについての詳細な実施形態は後述する。
【0033】
有機発光層50から放出された光は、第2基板20側に放出される。一方、外光は、第2基板20を通じて有機発光表示装置1の内部に入射して、反射電極である第1電極30の表面で反射された後、有機発光層50から放出された光と共に放出される。この時、反射された外光は、表示装置のコントラストを低下させる。
【0034】
しかし、本実施形態による有機発光表示装置1は、反射電極である第1電極30の上部表面に、第1電極30より反射率が低く、光吸収率が高い光特性変化層31が形成されているので、外光の反射を減少させることができる。
【0035】
光特性変化層31は、第1電極30の光学特性を変化させたものである。例えば、光特性変化層31は、第1電極30を構成する金属材料の反射率、光吸収率、透過率、屈折率、回折及び色のうち少なくとも一つの光学特性を変化させたものであってもよい。光特性変化層31の光学特性を制御することで、外光の反射を減らすことができる。本実施形態においては、光特性変化層31は、第1電極30を構成する本来の金属材料より反射率が低く、光吸収率が高い光学特性を持つため、外光の反射を減らしてコントラストを改善できる。
【0036】
Chunleiらにより2008年8月14日に国際公開された国際公開第2008/097374号“Ultra−short duration laser methods for the nanostructuring of materials”によれば、物質の光学特性を変える方法が開示されている。この方法によれば、金属にフェムト秒オーダーのレーザービームパルスを少なくとも一回照射することによって、レーザービームにより変形された領域の表面構造がナノスケールまたはマイクロスケールオーダーの大きさの形状を有するようになり、金属表面の光学特性が変わるということが分かる。
【0037】
図2は、中心波長800nmで約1.1mJ/pulseの65フェムト秒パルスを生成するTi:サファイアレーザーシステムを適用した時に得られたアルミニウムについて、反射率と、入射光の波長と、の関係を示している。図2を参照すれば、250nm〜2500nmの波長範囲では、表面処理が行われていないアルミニウム(Al(表面処理無し)(polished Al))に比べて、表面処理が行われたアルミニウム(Al(金色)(Golden Al),Al(灰色)(Gray Al),Al(黒色)(Black Al))の反射率が低下するということが分かる。また、アルミニウムの表面色も変わるということが分かる。
【0038】
本実施形態による有機発光表示装置1において、第1電極30をアルミニウムで形成する場合、第1電極30の上部表面には、表面処理が行われていない本来のアルミニウムより反射率が低い光特性変化層31、又は、表面処理が行われていない本来のアルミニウムより光吸収率が高い光特性変化層31を形成できるので、外光の反射を減少させることができる。
【0039】
したがって、本実施形態によれば、高価な偏光板を使用せずに、また、別途のマスク工程を追加して、ブラックマトリックスを形成する必要なしに、既存に形成されている第1電極30の光学特性を制御することで、コントラストを容易に改善できる。
【0040】
(第2の実施形態)
以下、図3を参照して、本発明の第2の実施形態による背面発光型の有機発光表示装置2を説明する。以下、前述した実施形態による有機発光表示装置1との相違点を中心として、本実施形態による有機発光表示装置2を説明する。なお、図面に示した参照番号で、第1の実施形態と参照番号が同じものは、同じ構成要素であることを表す。
【0041】
図3を参照すれば、本実施形態による有機発光表示装置2は、第1基板10、第2基板20、第1電極30、有機発光層50、第2電極40、及び前記第2電極40の表面に形成された光特性変化層41を備える。より詳細には、第1基板10の上部に第1電極30が設けられ、第1電極30の上部に有機発光層50が設けられ、有機発光層50の上部に光特性変化層41が設けられ、光特性変化層41の上部に第2電極40が設けられ、第2電極40の上部に第2基板20が設けられた、積層構造を有している。
【0042】
本実施形態による有機発光表示装置2は、有機発光層50から放出された光が第1基板10側に放出される背面発光型であるので、第1基板10は、透明基板として備えられることが好ましい。第1電極30は、透明電極として備えられ、第2電極40は、反射電極として備えられる。
【0043】
一方、外光は、第1基板10を通過して、有機発光表示装置2の内部に入射して、反射電極である第2電極40の表面で反射された後、有機発光層50から放出された光と共に放出される。この時、反射された外光は、表示装置のコントラストを低下させる。
【0044】
しかし、本実施形態による有機発光表示装置2は、反射電極である第2電極40の有機発光層50側の面に、第2電極40より反射率の低い光特性変化層41が形成されているので、外光の反射を減少させることができる。
【0045】
(第3の実施形態)
以下、図4、図5、図6A及び図6Bを参照して、本発明の第3の実施形態による有機発光表示装置3を説明する。以下、前述した実施形態による有機発光表示装置2との相違点を中心として、本実施形態による有機発光表示装置3を説明する。なお、図面に示した参照番号で、第1、又は第2の実施形態と参照番号が同じものは、同じ構成要素を表す。
【0046】
図4は、本発明の第3の実施形態による能動駆動方式の前面発光型の有機発光表示装置3を概略的に示した断面図であり、図5は、図4の実施形態による有機発光表示装置の光特性変化層31及び光遮断層60を概略的に示した平面図であり、図6A及び図6Bは、図4の実施形態による有機発光表示装置3の光遮断層60の例を概略的に示した平面図である。
図4及び図5を参照すれば、本実施形態による有機発光表示装置3は、第1基板10、第2基板20、第1電極30、第1電極30の表面に形成された光特性変化層31、有機発光層50、第2電極40及び光遮断層60を備える。
【0047】
本実施形態による有機発光表示装置3は、有機発光層50から放出された光が第2基板20側に放出される前面発光型であるので、第2基板20は、透明基板であることが好ましい。第1電極30は、反射電極として備えられ、第2電極40は、透明電極として備えられる。
【0048】
反射電極である第1電極30の有機発光層50側の面には、第1電極30より反射率の低い光特性変化層31が形成されているので、外光の反射を減少させることができる。
【0049】
本実施形態による有機発光表示装置3は能動駆動型であるので、第1基板10と第1電極30との間に、第1電極30に連結される少なくとも一つ以上のTFT、及びTFTに連結された少なくとも一つ以上の配線部(図5におけるS,V,Dを参照)が備えられる。
より詳細には、第1基板10上には、基板を平滑化するため、及び不純物元素の浸透を遮断するために、SiO2及び/またはSiNxなどで構成されたバッファ層11が備えられる。バッファ層11上には、TFTの活性層12が備えられ、活性層12の上部には、ゲート絶縁膜13が備えられる。ゲート絶縁膜13の上部には、ゲート電極14が備えられる。ゲート電極14は、TFTのオン/オフ信号を印加するゲートラインS(図5)と連結される。ゲート電極14の上部に層間絶縁膜15が形成され、コンタクトホールを通じて、ソース電極及びドレイン電極16がそれぞれ活性層12のソース領域及びドレイン領域(図示せず)に連結される。ソース電極及びドレイン電極16の上部には、光遮断層60が形成され、光遮断層60の上部に、パッシベーション層17が設けられる。パッシベーション層17及び光遮断層60を貫くビアホール18によって、第1電極30が、ソース電極及びドレイン電極16のうち一つと連結される。ソース電極及びドレイン電極16のうち他の一つは、図5における電源配線部Vに連結される。一方、前記図面に示したTFTは、駆動トランジスタを示しているが、本発明は、これに限定されず、スイッチングトランジスタ(図示せず)のような他のTFTをさらに含んでもよい。さらに、スイッチングトランジスタ(図示せず)にデータ信号を伝達する、図5におけるデータ配線部Dがさらに含まれてもよい。
【0050】
本実施形態において、第1基板10と反射電極である第1電極30との間には光遮断層60が設けられている。さらに詳細には、光遮断層60は、TFT及び前記TFTに連結された配線部S,V,Dと、第1電極30と、の間に設けられる。
【0051】
一般的に、TFTを構成するゲート電極14、ソース電極及びドレイン電極16、並びに、配線部S,V,Dは、反射率の高い金属で形成される。したがって、第2基板20を通じて有機発光表示装置3の内部に入射した外光は、TFTを構成するゲート電極14、ソース電極及びドレイン電極16、並びに、配線部S,V,Dに反射された後、有機発光層50から放出された光と共に放出される。この時、反射された外光は、表示装置のコントラストを低下させる。
【0052】
しかし、本実施形態による有機発光表示装置3は、TFT及び前記TFTに連結された配線部S,V,Dと、第1電極30と、の間に光遮断層60が備えられることで、外光の反射を減少させる。光遮断層60には、多様な物質が利用される。例えば、光遮断層60には、Cr/CrOxまたはカーボンブラック等が使われる。
【0053】
図6Bを参照すれば、光遮断層60は、反射電極である第1電極30上に光特性変化層31が形成されていない領域に形成される。図6Aを参照すれば、光遮断層60は、第1電極30上に光特性変化層31が形成されているかにかかわらず、第1電極30と、TFT及び前記TFTに連結された配線部S,V,Dと、の間の全体領域にわたって形成される。
【0054】
したがって、本実施形態による能動駆動方式の前面発光型の有機発光表示装置3は、反射電極である第1電極30の表面に配置された光特性変化層31、並びに、第1電極30と、TFT及び前記TFTに連結された配線部S,V,Dと、の間に配置された光遮断層60により、外光の反射を減らしてコントラストを改善できる。
【0055】
一方、前記図面に示したTFTは例示だけであり、本発明は、これに限定されない。本発明には、多様な形態のTFTが適用されることはいうまでもない。また、配線部の形状も多様な変形が可能である。
【0056】
(第4の実施形態)
以下、図7、図8及び図9を参照して、本発明の第4の実施形態による有機発光表示装置4を説明する。以下、前述した実施形態による有機発光表示装置3との相違点を中心として、本実施形態による有機発光表示装置4を説明する。なお、図面に示した参照番号で、第1、第2、又は第3の実施形態と参照番号が同じものは、同じ構成要素を表す。
【0057】
図7は、本発明の他の実施形態による能動駆動方式の前面発光型の有機発光表示装置4を概略的に示した断面図であり、図8は、単層の透明干渉層70を概略的に示した断面図であり、図9は、複数層の透明干渉層71,72,73を概略的に示した断面図である。
図7を参照すれば、本実施形態による有機発光表示装置4は、第1基板10、第2基板20、第1電極30、第1電極30の表面に形成された光特性変化層31、有機発光層50、第2電極40、光遮断層60及び透明干渉層70を備える。
【0058】
本実施形態の有機発光表示装置4は、前述した有機発光表示装置3に透明干渉層70がさらに設けられたものである。透明干渉層70は、透明基板である第2基板20の外光が入射する側の面に配置される。
【0059】
外光は、第2基板20を通過して表示装置の内部に入射するが、外光の一部は、第2基板20の表面で直接反射される。したがって、第2基板20の表面で反射された外光は、有機発光層50から放出される光と共に観測者の視野に入るので、コントラストを低下させる。
【0060】
しかし、本実施形態による有機発光表示装置4は、第2基板20上に外光の波長の1/4に該当する厚さを有する透明干渉層70を配置して、第2基板20の表面での外光の反射による、コントラストの低下を抑制することができる。
図8を参照すれば、外光Liが大気中から透明干渉層70を通過して入射する時、入射光の一部Ltが第2基板20に入射し、入射光の一部Lr0は透明干渉層70の表面で反射される。一方、入射光の一部Lr0´は、第2基板20と透明干渉層70との境界で反射される。この時、透明干渉層70の厚さdが、入射する外光Liの波長λの1/4に相応する厚さを有する場合、透明干渉層70での反射光Lr0と、第2基板20での反射光Lr0´とが干渉により相殺されるので、第2基板20の表面での外光の反射による、コントラストの低下を抑制することができる。
【0061】
この時、透明干渉層70の厚さdは、多様な条件で決定される。例えば、最大強度を有する外光の波長を基準として決定されてもよく、可視光帯域の波長の算術平均として決定されてもよく、又は外光帯域の算術平均として決定されてもよい。
【0062】
一方、透明干渉層70の屈折率n1は、大気中の屈折率(n0=1)と第2基板20の屈折率n2との間の値を有することが望ましい。第2基板20として屈折率n1が約1.5である一般的なガラスを使用する場合、透明干渉層70の屈折率n1は、約1.23が適切であるが、屈折率が一致する適切な材料を探すのは困難である場合もある。
本実施形態においては、透明干渉層70として、屈折率が約1.38であるフッ化マグネシウムを用いた。フッ化マグネシウムは、耐久性に優れており、PVD(Physical Vapor Deposition)により容易に蒸着できる。また、透明干渉層70としては、シリカまたは多様な高屈折透明材料を用いることもできる。
【0063】
図9は、第2基板20の表面に複数の透明干渉層71,72,73が備えられている様子を示している。
図9を参照すれば、外光Liのうち一部Ltが、大気中から複数の透明干渉層71,72,73を通過して、第2基板20に入射する。各透明干渉層71,72,73は、第2基板20に近いほど高い屈折率を有する。すなわち、透明干渉層71,72,73の屈折率を、それぞれ、n11,n12,n13とすると、n11<n12<n13と表記できる。
【0064】
外光Liの一部Lr1は、第1透明干渉層71で反射され、入射光Liの一部Lr1´は、第2透明干渉層72と第1透明干渉層71との境界で反射される。この時、第1透明干渉層71の厚さd1が、入射する外光Liの波長λの1/4に相応する厚さを有する場合、第1透明干渉層71での反射光Lr1と、第2透明干渉層72と第1透明干渉層71との境界での反射光Lr1´とが干渉により相殺される。
【0065】
外光Liの一部Lr2は、第2透明干渉層72で反射され、入射光Liの一部Lr2´は、第3透明干渉層73と第2透明干渉層72との境界で反射される。この時、第2透明干渉層72の厚さd2が、入射する外光Liの波長λの1/4に相応する厚さを有する場合、第2透明干渉層72での反射光Lr2と、第3透明干渉層73と第2透明干渉層72との境界での反射光Lr2´とが干渉により相殺される。
【0066】
外光Liの一部Lr3は、第3透明干渉層73で反射され、入射光Liの一部Lr3´は、第2基板20と第3透明干渉層73との境界で反射される。この時、第3透明干渉層73の厚さd3が、入射する外光Liの波長λの1/4に相応する厚さを有する場合、第3透明干渉層73での反射光Lr3と、第2基板20と第3透明干渉層73との境界での反射光Lr3´とが干渉により相殺される。
したがって、透明干渉層を複数層形成することで、外光の反射によるコントラストへの影響を全体的に抑えることができ、コントラストが向上する。
【0067】
(第5の実施形態)
以下、図10及び図11を参照して、本発明の第5の実施形態による有機発光表示装置5を説明する。以下、前述した実施形態による有機発光表示装置4との相違点を中心として、本実施形態による有機発光表示装置5を説明する。なお、図面に示した参照番号で、第1、第2、第3、又は第4の実施形態と参照番号が同じものは、同じ構成要素を表す。
【0068】
図10は、本発明の他の実施形態による能動駆動方式の背面発光型の有機発光表示装置5を概略的に示した断面図であり、図11は、図10の実施形態による有機発光表示装置の光遮断層60の例を概略的に示した平面図である。
図10及び図11を参照すれば、本実施形態による有機発光表示装置5は、第1基板10、第2基板20、第1電極30、第2電極40の表面に形成された光特性変化層41、有機発光層50、第2電極40、光遮断層60及び透明干渉層70を備える。
【0069】
本実施形態の有機発光表示装置5は、有機発光層50から放出された光が第1基板10側に放出される背面発光型であるので、第1基板10は、透明基板であることが好ましい。第2電極40は、反射電極として備えられ、第1電極30は、透明電極として備えられる。
【0070】
反射電極である第2電極40の有機発光層50側の面には、第2電極40より反射率の低い光特性変化層41が形成されているので、外光の反射を減少させることができる。
【0071】
第1基板10を通じて有機発光表示装置5の内部に入射した外光は、TFTを構成する反射率の高い金属部である、ゲート電極14、ソース電極及びドレイン電極16、並びに配線部S,V,Dで反射された後、有機発光層50から放出された光と共に放出されて、表示装置のコントラストを低下させる。
【0072】
しかし、本実施形態において、第1基板10と、TFT及び前記TFTに連結された配線部S,V,Dと、の間に光遮断層60が設けられることで、外光の反射を減少させることができる。
【0073】
図10及び図11のように、光特性変化層41が共通電極である第2電極40の一部領域Aにのみ形成される場合には、光遮断層60は、領域Aを除いた領域にのみ配置されてもよい。
【0074】
一方、透明基板である第1基板10の外光が入射する側の面に透明干渉層70が形成される。透明干渉層70は、第2基板20の表面での外光の反射によるコントラストへの影響を抑制し、コントラストを改善させることができる。
【0075】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思考の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、表示装置関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0077】
1,2,3,4,5 有機発光表示装置
10 第1基板
20 第2基板
30 第1電極
31,41 光特性変化層
40 第2電極
50 有機発光層
60 光遮断層
70,71,72,73 透明干渉層
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光表示装置に係り、特に外光の反射によるコントラストの低下を抑制できる有機発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置は、自発光型の表示装置であって、視野角が広く、応答速度が速いという長所を有している。しかし、有機発光表示装置は、外光がある環境では、画像を表示する時、表示装置の内部の電極及び配線を構成する金属材料による外光の反射により、コントラストが低下するという問題がある。
【0003】
一般的に、コントラストの低下を抑制するためには、高価な偏光板が使われる。しかし、偏光板の使用は、コストの増加、発光層から放出される光の遮断による透過率の低下、及び輝度の低下など他の問題をもたらす。
そのため、コントラストの低下を抑制するための別の方法として、ブラックマトリックスを電極または配線上に形成する方法が使われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第2005−0015821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ブラックマトリックスを使用すると、ブラックマトリックスを形成するための別途のマスク工程が必要になるので、製造工程が複雑になってしまうという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、より簡易的な方法を用いて、優れたコントラスト特性を有することが可能な、有機発光表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、第1基板と、前記第1基板に対向して配置された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に配置された第1電極と、前記第2基板と前記第1電極との間に配置され、かつ、前記第1電極に対向して配置された第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置された有機発光層と、を備え、前記第1電極及び前記第2電極のうち少なくとも一つは反射電極であり、前記反射電極の表面には、前記反射電極の表面の光学特性を変化させた光特性変化層が形成されたことを特徴とする、有機発光表示装置が提供される。
【0008】
前記光特性変化層は、前記反射電極の両表面のうち、前記有機発光層側の面に形成されてもよい。
【0009】
前記光特性変化層は、前記反射電極と、反射率、光吸収率、透過率、屈折率、回折及び色のうち少なくとも一つの光学特性が異なっていてもよい。
【0010】
前記光特性変化層は、前記反射電極より低い反射率を有していてもよい。
【0011】
前記光特性変化層は、前記反射電極より高い光吸収率を有していてもよい。
【0012】
前記光特性変化層は、前記反射電極にフェムト秒オーダーのレーザービームパルスを少なくとも一回照射することによって形成されてもよい。
【0013】
前記レーザービームにより変形させた領域は、ナノスケールまたはマイクロスケールオーダーで加工された表面構造を有していてもよい。
【0014】
前記有機発光層から放出された光が前記第2基板側に放出される前面発光型の有機発光表示装置において、前記光特性変化層は、前記第1電極の前記有機発光層側の面に形成され、前記第1基板と前記有機発光層との間に光遮断層がさらに備えられてもよい。
【0015】
前記前面発光型の有機発光表示装置において、前記光遮断層は、前記光特性変化層が形成されていない領域に備えられてもよい。
【0016】
前記前面発光型の有機発光表示装置において、前記第1基板と前記第1電極との間に、前記第1電極に連結される少なくとも一つの薄膜トランジスタ、及び前記薄膜トランジスタに連結された少なくとも一つの配線部が設けられてもよく、前記光遮断層は、前記薄膜トランジスタ及び前記配線部と前記第1電極との間に備えられてもよい。
【0017】
前記有機発光層から放出された光が前記第1基板側に放出される背面発光型の有機発光表示装置において、前記光特性変化層は、前記第2電極の前記有機発光層側の面に形成され、前記第1基板と前記第1電極との間に光遮断層がさらに備えられてもよい。
【0018】
前記背面発光型の有機発光表示装置において、前記光遮断層は、前記光特性変化層が形成されていない領域に備えられてもよい。
【0019】
前記背面発光型の有機発光表示装置において、前記第1基板と前記第1電極との間に、前記第1電極に連結される少なくとも一つの薄膜トランジスタ、及び前記薄膜トランジスタに連結された少なくとも一つの配線部が設けられてもよく、前記光遮断層は、前記薄膜トランジスタ及び前記配線部と前記第1基板との間に備えられてもよい。
【0020】
前記第1基板及び前記第2基板のうち少なくとも一つは透明基板であり、前記透明基板の外光が入射する方向側の面に透明干渉層がさらに備えられてもよい。
【0021】
前記透明干渉層は、前記外光の1/4波長に同等な厚さを有していてもよい。
【0022】
前記透明干渉層は、前記透明基板の屈折率より低い屈折率を有していてもよい。
【0023】
前記透明干渉層は、フッ化マグネシウム、シリカ、高屈折透明材料及びそれらの組み合わせから選択された一つの物質を含んでいてもよい。
【0024】
前記透明干渉層は、複数層備えられてもよく、前記複数の透明干渉層は、透明基板に近いほど高い屈折率を有していてもよい。
【0025】
前記透明干渉層の各層は、前記外光の1/4波長に同等な厚さを有していてもよい。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明によれば、次のような効果を得られる。
すなわち、反射電極の一つの表面に光特性変化層を形成することで、別途の部材を使用せずに、反射電極による外光の反射を減らしてコントラストの低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施形態による前面発光型の有機発光表示装置を概略的に示した断面図である。
【図2】フェムト秒オーダーのレーザービームパルスを適用して得られたアルミニウムについて、反射率と、照射光の波長と、の関係を示すグラフ図である。
【図3】本発明の第2の実施形態による背面発光型の有機発光表示装置を概略的に示した断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態による能動駆動方式の前面発光型の有機発光表示装置を概略的に示した断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態による有機発光表示装置の光特性変化層及び光遮断層を概略的に示した平面図である。
【図6A】本発明の第3の実施形態による有機発光表示装置の光遮断層の例を概略的に示した平面図である。
【図6B】本発明の第3の実施形態による有機発光表示装置の光遮断層の例を概略的に示した平面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態による能動駆動方式の前面発光型の有機発光表示装置を概略的に示した断面図である。
【図8】単層の透明干渉層を概略的に示した断面図である。
【図9】複数層の透明干渉層を概略的に示した断面図である。
【図10】本発明の第5の実施形態による能動駆動方式の背面発光型の有機発光表示装置を概略的に示した断面図である。
【図11】図10の実施形態による有機発光表示装置の光遮断層の例を概略的に示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0029】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による前面発光型の有機発光表示装置1を概略的に示した断面図である。
図1を参照すれば、本実施形態による有機発光表示装置1は、第1基板10、第2基板20、第1電極30、第1電極30の表面に形成された光特性変化層31、有機発光層50及び第2電極40を備える。より詳細には、第1基板10の上部に第1電極30が設けられ、第1電極30の上部に光特性変化層31が設けられ、光特性変化層31の上部に有機発光層50が設けられ、有機発光層50の上部に第2電極40が設けられ、第2電極40の上部に第2基板20が設けられた、積層構造を有している。
【0030】
第1基板10と第2基板20とは、互いに対向して配置される。第1基板10は、透明基板でもよい。しかし、本実施形態では、有機発光層50から放出された光が第2基板20側に放出されるので、第1基板10は、必ずしも透明基板である必要はない。ただし、第2基板20は、透明基板であることが好ましい。
第1電極30と第2電極40との間に、有機発光層50が設けられている。第1電極30は、反射電極として備えられ、第2電極40は、透明電極として備えられる。
【0031】
第1電極30は、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、金(Au)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)及びこれら元素の組み合わせから選択される。第2電極40は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム(In2O3)及びこれら化合物の組み合わせから選択される。
【0032】
第1電極30のパターンは、受動駆動型(Passive Matrix type:PM)の場合には、互いに所定の間隔だけ離れたストライプ状のラインで形成され、能動駆動型(Active Matrix type:AM)の場合には、画素に対応する形状に形成される。能動駆動型の場合には、第1電極30の下部の第1基板10に、少なくとも一つの薄膜トランジスタを備えたTFT(Thin Film Transistor)層がさらに設けられ、前記第1電極30は、このTFT層に電気的に連結される。第2電極40は、受動駆動型の場合には、第1電極30のパターンに直交するストライプ状のラインで形成され、能動駆動型の場合には、画素に対応する形状に形成される。すなわち、能動駆動型の場合には、画像が具現されるアクティブ領域の全体にわたって形成される。これについての詳細な実施形態は後述する。
【0033】
有機発光層50から放出された光は、第2基板20側に放出される。一方、外光は、第2基板20を通じて有機発光表示装置1の内部に入射して、反射電極である第1電極30の表面で反射された後、有機発光層50から放出された光と共に放出される。この時、反射された外光は、表示装置のコントラストを低下させる。
【0034】
しかし、本実施形態による有機発光表示装置1は、反射電極である第1電極30の上部表面に、第1電極30より反射率が低く、光吸収率が高い光特性変化層31が形成されているので、外光の反射を減少させることができる。
【0035】
光特性変化層31は、第1電極30の光学特性を変化させたものである。例えば、光特性変化層31は、第1電極30を構成する金属材料の反射率、光吸収率、透過率、屈折率、回折及び色のうち少なくとも一つの光学特性を変化させたものであってもよい。光特性変化層31の光学特性を制御することで、外光の反射を減らすことができる。本実施形態においては、光特性変化層31は、第1電極30を構成する本来の金属材料より反射率が低く、光吸収率が高い光学特性を持つため、外光の反射を減らしてコントラストを改善できる。
【0036】
Chunleiらにより2008年8月14日に国際公開された国際公開第2008/097374号“Ultra−short duration laser methods for the nanostructuring of materials”によれば、物質の光学特性を変える方法が開示されている。この方法によれば、金属にフェムト秒オーダーのレーザービームパルスを少なくとも一回照射することによって、レーザービームにより変形された領域の表面構造がナノスケールまたはマイクロスケールオーダーの大きさの形状を有するようになり、金属表面の光学特性が変わるということが分かる。
【0037】
図2は、中心波長800nmで約1.1mJ/pulseの65フェムト秒パルスを生成するTi:サファイアレーザーシステムを適用した時に得られたアルミニウムについて、反射率と、入射光の波長と、の関係を示している。図2を参照すれば、250nm〜2500nmの波長範囲では、表面処理が行われていないアルミニウム(Al(表面処理無し)(polished Al))に比べて、表面処理が行われたアルミニウム(Al(金色)(Golden Al),Al(灰色)(Gray Al),Al(黒色)(Black Al))の反射率が低下するということが分かる。また、アルミニウムの表面色も変わるということが分かる。
【0038】
本実施形態による有機発光表示装置1において、第1電極30をアルミニウムで形成する場合、第1電極30の上部表面には、表面処理が行われていない本来のアルミニウムより反射率が低い光特性変化層31、又は、表面処理が行われていない本来のアルミニウムより光吸収率が高い光特性変化層31を形成できるので、外光の反射を減少させることができる。
【0039】
したがって、本実施形態によれば、高価な偏光板を使用せずに、また、別途のマスク工程を追加して、ブラックマトリックスを形成する必要なしに、既存に形成されている第1電極30の光学特性を制御することで、コントラストを容易に改善できる。
【0040】
(第2の実施形態)
以下、図3を参照して、本発明の第2の実施形態による背面発光型の有機発光表示装置2を説明する。以下、前述した実施形態による有機発光表示装置1との相違点を中心として、本実施形態による有機発光表示装置2を説明する。なお、図面に示した参照番号で、第1の実施形態と参照番号が同じものは、同じ構成要素であることを表す。
【0041】
図3を参照すれば、本実施形態による有機発光表示装置2は、第1基板10、第2基板20、第1電極30、有機発光層50、第2電極40、及び前記第2電極40の表面に形成された光特性変化層41を備える。より詳細には、第1基板10の上部に第1電極30が設けられ、第1電極30の上部に有機発光層50が設けられ、有機発光層50の上部に光特性変化層41が設けられ、光特性変化層41の上部に第2電極40が設けられ、第2電極40の上部に第2基板20が設けられた、積層構造を有している。
【0042】
本実施形態による有機発光表示装置2は、有機発光層50から放出された光が第1基板10側に放出される背面発光型であるので、第1基板10は、透明基板として備えられることが好ましい。第1電極30は、透明電極として備えられ、第2電極40は、反射電極として備えられる。
【0043】
一方、外光は、第1基板10を通過して、有機発光表示装置2の内部に入射して、反射電極である第2電極40の表面で反射された後、有機発光層50から放出された光と共に放出される。この時、反射された外光は、表示装置のコントラストを低下させる。
【0044】
しかし、本実施形態による有機発光表示装置2は、反射電極である第2電極40の有機発光層50側の面に、第2電極40より反射率の低い光特性変化層41が形成されているので、外光の反射を減少させることができる。
【0045】
(第3の実施形態)
以下、図4、図5、図6A及び図6Bを参照して、本発明の第3の実施形態による有機発光表示装置3を説明する。以下、前述した実施形態による有機発光表示装置2との相違点を中心として、本実施形態による有機発光表示装置3を説明する。なお、図面に示した参照番号で、第1、又は第2の実施形態と参照番号が同じものは、同じ構成要素を表す。
【0046】
図4は、本発明の第3の実施形態による能動駆動方式の前面発光型の有機発光表示装置3を概略的に示した断面図であり、図5は、図4の実施形態による有機発光表示装置の光特性変化層31及び光遮断層60を概略的に示した平面図であり、図6A及び図6Bは、図4の実施形態による有機発光表示装置3の光遮断層60の例を概略的に示した平面図である。
図4及び図5を参照すれば、本実施形態による有機発光表示装置3は、第1基板10、第2基板20、第1電極30、第1電極30の表面に形成された光特性変化層31、有機発光層50、第2電極40及び光遮断層60を備える。
【0047】
本実施形態による有機発光表示装置3は、有機発光層50から放出された光が第2基板20側に放出される前面発光型であるので、第2基板20は、透明基板であることが好ましい。第1電極30は、反射電極として備えられ、第2電極40は、透明電極として備えられる。
【0048】
反射電極である第1電極30の有機発光層50側の面には、第1電極30より反射率の低い光特性変化層31が形成されているので、外光の反射を減少させることができる。
【0049】
本実施形態による有機発光表示装置3は能動駆動型であるので、第1基板10と第1電極30との間に、第1電極30に連結される少なくとも一つ以上のTFT、及びTFTに連結された少なくとも一つ以上の配線部(図5におけるS,V,Dを参照)が備えられる。
より詳細には、第1基板10上には、基板を平滑化するため、及び不純物元素の浸透を遮断するために、SiO2及び/またはSiNxなどで構成されたバッファ層11が備えられる。バッファ層11上には、TFTの活性層12が備えられ、活性層12の上部には、ゲート絶縁膜13が備えられる。ゲート絶縁膜13の上部には、ゲート電極14が備えられる。ゲート電極14は、TFTのオン/オフ信号を印加するゲートラインS(図5)と連結される。ゲート電極14の上部に層間絶縁膜15が形成され、コンタクトホールを通じて、ソース電極及びドレイン電極16がそれぞれ活性層12のソース領域及びドレイン領域(図示せず)に連結される。ソース電極及びドレイン電極16の上部には、光遮断層60が形成され、光遮断層60の上部に、パッシベーション層17が設けられる。パッシベーション層17及び光遮断層60を貫くビアホール18によって、第1電極30が、ソース電極及びドレイン電極16のうち一つと連結される。ソース電極及びドレイン電極16のうち他の一つは、図5における電源配線部Vに連結される。一方、前記図面に示したTFTは、駆動トランジスタを示しているが、本発明は、これに限定されず、スイッチングトランジスタ(図示せず)のような他のTFTをさらに含んでもよい。さらに、スイッチングトランジスタ(図示せず)にデータ信号を伝達する、図5におけるデータ配線部Dがさらに含まれてもよい。
【0050】
本実施形態において、第1基板10と反射電極である第1電極30との間には光遮断層60が設けられている。さらに詳細には、光遮断層60は、TFT及び前記TFTに連結された配線部S,V,Dと、第1電極30と、の間に設けられる。
【0051】
一般的に、TFTを構成するゲート電極14、ソース電極及びドレイン電極16、並びに、配線部S,V,Dは、反射率の高い金属で形成される。したがって、第2基板20を通じて有機発光表示装置3の内部に入射した外光は、TFTを構成するゲート電極14、ソース電極及びドレイン電極16、並びに、配線部S,V,Dに反射された後、有機発光層50から放出された光と共に放出される。この時、反射された外光は、表示装置のコントラストを低下させる。
【0052】
しかし、本実施形態による有機発光表示装置3は、TFT及び前記TFTに連結された配線部S,V,Dと、第1電極30と、の間に光遮断層60が備えられることで、外光の反射を減少させる。光遮断層60には、多様な物質が利用される。例えば、光遮断層60には、Cr/CrOxまたはカーボンブラック等が使われる。
【0053】
図6Bを参照すれば、光遮断層60は、反射電極である第1電極30上に光特性変化層31が形成されていない領域に形成される。図6Aを参照すれば、光遮断層60は、第1電極30上に光特性変化層31が形成されているかにかかわらず、第1電極30と、TFT及び前記TFTに連結された配線部S,V,Dと、の間の全体領域にわたって形成される。
【0054】
したがって、本実施形態による能動駆動方式の前面発光型の有機発光表示装置3は、反射電極である第1電極30の表面に配置された光特性変化層31、並びに、第1電極30と、TFT及び前記TFTに連結された配線部S,V,Dと、の間に配置された光遮断層60により、外光の反射を減らしてコントラストを改善できる。
【0055】
一方、前記図面に示したTFTは例示だけであり、本発明は、これに限定されない。本発明には、多様な形態のTFTが適用されることはいうまでもない。また、配線部の形状も多様な変形が可能である。
【0056】
(第4の実施形態)
以下、図7、図8及び図9を参照して、本発明の第4の実施形態による有機発光表示装置4を説明する。以下、前述した実施形態による有機発光表示装置3との相違点を中心として、本実施形態による有機発光表示装置4を説明する。なお、図面に示した参照番号で、第1、第2、又は第3の実施形態と参照番号が同じものは、同じ構成要素を表す。
【0057】
図7は、本発明の他の実施形態による能動駆動方式の前面発光型の有機発光表示装置4を概略的に示した断面図であり、図8は、単層の透明干渉層70を概略的に示した断面図であり、図9は、複数層の透明干渉層71,72,73を概略的に示した断面図である。
図7を参照すれば、本実施形態による有機発光表示装置4は、第1基板10、第2基板20、第1電極30、第1電極30の表面に形成された光特性変化層31、有機発光層50、第2電極40、光遮断層60及び透明干渉層70を備える。
【0058】
本実施形態の有機発光表示装置4は、前述した有機発光表示装置3に透明干渉層70がさらに設けられたものである。透明干渉層70は、透明基板である第2基板20の外光が入射する側の面に配置される。
【0059】
外光は、第2基板20を通過して表示装置の内部に入射するが、外光の一部は、第2基板20の表面で直接反射される。したがって、第2基板20の表面で反射された外光は、有機発光層50から放出される光と共に観測者の視野に入るので、コントラストを低下させる。
【0060】
しかし、本実施形態による有機発光表示装置4は、第2基板20上に外光の波長の1/4に該当する厚さを有する透明干渉層70を配置して、第2基板20の表面での外光の反射による、コントラストの低下を抑制することができる。
図8を参照すれば、外光Liが大気中から透明干渉層70を通過して入射する時、入射光の一部Ltが第2基板20に入射し、入射光の一部Lr0は透明干渉層70の表面で反射される。一方、入射光の一部Lr0´は、第2基板20と透明干渉層70との境界で反射される。この時、透明干渉層70の厚さdが、入射する外光Liの波長λの1/4に相応する厚さを有する場合、透明干渉層70での反射光Lr0と、第2基板20での反射光Lr0´とが干渉により相殺されるので、第2基板20の表面での外光の反射による、コントラストの低下を抑制することができる。
【0061】
この時、透明干渉層70の厚さdは、多様な条件で決定される。例えば、最大強度を有する外光の波長を基準として決定されてもよく、可視光帯域の波長の算術平均として決定されてもよく、又は外光帯域の算術平均として決定されてもよい。
【0062】
一方、透明干渉層70の屈折率n1は、大気中の屈折率(n0=1)と第2基板20の屈折率n2との間の値を有することが望ましい。第2基板20として屈折率n1が約1.5である一般的なガラスを使用する場合、透明干渉層70の屈折率n1は、約1.23が適切であるが、屈折率が一致する適切な材料を探すのは困難である場合もある。
本実施形態においては、透明干渉層70として、屈折率が約1.38であるフッ化マグネシウムを用いた。フッ化マグネシウムは、耐久性に優れており、PVD(Physical Vapor Deposition)により容易に蒸着できる。また、透明干渉層70としては、シリカまたは多様な高屈折透明材料を用いることもできる。
【0063】
図9は、第2基板20の表面に複数の透明干渉層71,72,73が備えられている様子を示している。
図9を参照すれば、外光Liのうち一部Ltが、大気中から複数の透明干渉層71,72,73を通過して、第2基板20に入射する。各透明干渉層71,72,73は、第2基板20に近いほど高い屈折率を有する。すなわち、透明干渉層71,72,73の屈折率を、それぞれ、n11,n12,n13とすると、n11<n12<n13と表記できる。
【0064】
外光Liの一部Lr1は、第1透明干渉層71で反射され、入射光Liの一部Lr1´は、第2透明干渉層72と第1透明干渉層71との境界で反射される。この時、第1透明干渉層71の厚さd1が、入射する外光Liの波長λの1/4に相応する厚さを有する場合、第1透明干渉層71での反射光Lr1と、第2透明干渉層72と第1透明干渉層71との境界での反射光Lr1´とが干渉により相殺される。
【0065】
外光Liの一部Lr2は、第2透明干渉層72で反射され、入射光Liの一部Lr2´は、第3透明干渉層73と第2透明干渉層72との境界で反射される。この時、第2透明干渉層72の厚さd2が、入射する外光Liの波長λの1/4に相応する厚さを有する場合、第2透明干渉層72での反射光Lr2と、第3透明干渉層73と第2透明干渉層72との境界での反射光Lr2´とが干渉により相殺される。
【0066】
外光Liの一部Lr3は、第3透明干渉層73で反射され、入射光Liの一部Lr3´は、第2基板20と第3透明干渉層73との境界で反射される。この時、第3透明干渉層73の厚さd3が、入射する外光Liの波長λの1/4に相応する厚さを有する場合、第3透明干渉層73での反射光Lr3と、第2基板20と第3透明干渉層73との境界での反射光Lr3´とが干渉により相殺される。
したがって、透明干渉層を複数層形成することで、外光の反射によるコントラストへの影響を全体的に抑えることができ、コントラストが向上する。
【0067】
(第5の実施形態)
以下、図10及び図11を参照して、本発明の第5の実施形態による有機発光表示装置5を説明する。以下、前述した実施形態による有機発光表示装置4との相違点を中心として、本実施形態による有機発光表示装置5を説明する。なお、図面に示した参照番号で、第1、第2、第3、又は第4の実施形態と参照番号が同じものは、同じ構成要素を表す。
【0068】
図10は、本発明の他の実施形態による能動駆動方式の背面発光型の有機発光表示装置5を概略的に示した断面図であり、図11は、図10の実施形態による有機発光表示装置の光遮断層60の例を概略的に示した平面図である。
図10及び図11を参照すれば、本実施形態による有機発光表示装置5は、第1基板10、第2基板20、第1電極30、第2電極40の表面に形成された光特性変化層41、有機発光層50、第2電極40、光遮断層60及び透明干渉層70を備える。
【0069】
本実施形態の有機発光表示装置5は、有機発光層50から放出された光が第1基板10側に放出される背面発光型であるので、第1基板10は、透明基板であることが好ましい。第2電極40は、反射電極として備えられ、第1電極30は、透明電極として備えられる。
【0070】
反射電極である第2電極40の有機発光層50側の面には、第2電極40より反射率の低い光特性変化層41が形成されているので、外光の反射を減少させることができる。
【0071】
第1基板10を通じて有機発光表示装置5の内部に入射した外光は、TFTを構成する反射率の高い金属部である、ゲート電極14、ソース電極及びドレイン電極16、並びに配線部S,V,Dで反射された後、有機発光層50から放出された光と共に放出されて、表示装置のコントラストを低下させる。
【0072】
しかし、本実施形態において、第1基板10と、TFT及び前記TFTに連結された配線部S,V,Dと、の間に光遮断層60が設けられることで、外光の反射を減少させることができる。
【0073】
図10及び図11のように、光特性変化層41が共通電極である第2電極40の一部領域Aにのみ形成される場合には、光遮断層60は、領域Aを除いた領域にのみ配置されてもよい。
【0074】
一方、透明基板である第1基板10の外光が入射する側の面に透明干渉層70が形成される。透明干渉層70は、第2基板20の表面での外光の反射によるコントラストへの影響を抑制し、コントラストを改善させることができる。
【0075】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思考の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、表示装置関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0077】
1,2,3,4,5 有機発光表示装置
10 第1基板
20 第2基板
30 第1電極
31,41 光特性変化層
40 第2電極
50 有機発光層
60 光遮断層
70,71,72,73 透明干渉層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板に対向して配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置された第1電極と、
前記第2基板と前記第1電極との間に配置され、かつ、前記第1電極に対向して配置された第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置された有機発光層と、
を備え、
前記第1電極及び前記第2電極のうち少なくとも一つは反射電極であり、前記反射電極の表面には、前記反射電極の表面の光学特性を変化させた光特性変化層が形成されたことを特徴とする、有機発光表示装置。
【請求項2】
前記光特性変化層は、前記反射電極の両表面のうち、前記有機発光層側の面に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記光特性変化層は、反射率、光吸収率、透過率、屈折率、回折及び色のうち少なくとも一つの光学特性が、前記反射電極と異なることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
前記光特性変化層は、前記反射電極より低い反射率を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記光特性変化層は、前記反射電極より高い光吸収率を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記光特性変化層は、前記反射電極にフェムト秒オーダーのレーザービームパルスを少なくとも一回照射することによって形成されたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記レーザービームにより変形された領域は、ナノスケールまたはマイクロスケールオーダーで加工された表面構造を有することを特徴とする、請求項6に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
前記有機発光層から放出された光は、前記第2基板側に放出され、
前記光特性変化層は、前記第1電極の前記有機発光層側の面に形成され、
前記第1基板と前記有機発光層との間に光遮断層がさらに備えられたことを特徴とする、請求項1又は請求項3〜6のいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記光遮断層は、前記光特性変化層が形成されていない領域に備えられたことを特徴とする、請求項8に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
前記第1基板と前記第1電極との間に、前記第1電極に連結される少なくとも一つの薄膜トランジスタ、及び、前記薄膜トランジスタに連結された少なくとも一つの配線部が備えられ、
前記光遮断層は、前記薄膜トランジスタ及び前記配線部と、前記第1電極と、の間に備えられたことを特徴とする、請求項8又は9に記載の有機発光表示装置。
【請求項11】
前記有機発光層から放出された光は、前記第1基板側に放出され、
前記光特性変化層は、前記第2電極の前記有機発光層側の面に形成され、
前記第1基板と前記第1電極との間に光遮断層がさらに備えられたことを特徴とする、請求項1又は請求項3〜6のいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項12】
前記光遮断層は、前記光特性変化層が形成されていない領域に備えられたことを特徴とする、請求項11に記載の有機発光表示装置。
【請求項13】
前記第1基板と前記第1電極との間に、前記第1電極に連結される少なくとも一つの薄膜トランジスタ、及び、前記薄膜トランジスタに連結された少なくとも一つの配線部が備えられ、
前記光遮断層は、前記薄膜トランジスタ及び前記配線部と、前記第1基板と、の間に備えられたことを特徴とする、請求項11又は12に記載の有機発光表示装置。
【請求項14】
前記第1基板及び前記第2基板のうち少なくとも一つは透明基板であり、
前記透明基板の外光が入射する側の面に透明干渉層がさらに備えられたことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項15】
前記透明干渉層は、前記外光の1/4波長に同等な厚さを有することを特徴とする、請求項14に記載の有機発光表示装置。
【請求項16】
前記透明干渉層は、前記透明基板の屈折率より低い屈折率を有することを特徴とする、請求項14又は15に記載の有機発光表示装置。
【請求項17】
前記透明干渉層は、フッ化マグネシウム、シリカ、高屈折透明材料及びそれらの組み合わせから選択された一つの物質を含むことを特徴とする、請求項14〜16のいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項18】
前記透明干渉層は、複数層備えられ、前記複数の透明干渉層は、透明基板に近いほど高い屈折率を有することを特徴とする、請求項14又は16に記載の有機発光表示装置。
【請求項19】
前記複数の透明干渉層の各層は、前記外光の1/4波長に同等な厚さを有することを特徴とする、請求項18に記載の有機発光表示装置。
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板に対向して配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に配置された第1電極と、
前記第2基板と前記第1電極との間に配置され、かつ、前記第1電極に対向して配置された第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置された有機発光層と、
を備え、
前記第1電極及び前記第2電極のうち少なくとも一つは反射電極であり、前記反射電極の表面には、前記反射電極の表面の光学特性を変化させた光特性変化層が形成されたことを特徴とする、有機発光表示装置。
【請求項2】
前記光特性変化層は、前記反射電極の両表面のうち、前記有機発光層側の面に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記光特性変化層は、反射率、光吸収率、透過率、屈折率、回折及び色のうち少なくとも一つの光学特性が、前記反射電極と異なることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
前記光特性変化層は、前記反射電極より低い反射率を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記光特性変化層は、前記反射電極より高い光吸収率を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記光特性変化層は、前記反射電極にフェムト秒オーダーのレーザービームパルスを少なくとも一回照射することによって形成されたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記レーザービームにより変形された領域は、ナノスケールまたはマイクロスケールオーダーで加工された表面構造を有することを特徴とする、請求項6に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
前記有機発光層から放出された光は、前記第2基板側に放出され、
前記光特性変化層は、前記第1電極の前記有機発光層側の面に形成され、
前記第1基板と前記有機発光層との間に光遮断層がさらに備えられたことを特徴とする、請求項1又は請求項3〜6のいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記光遮断層は、前記光特性変化層が形成されていない領域に備えられたことを特徴とする、請求項8に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
前記第1基板と前記第1電極との間に、前記第1電極に連結される少なくとも一つの薄膜トランジスタ、及び、前記薄膜トランジスタに連結された少なくとも一つの配線部が備えられ、
前記光遮断層は、前記薄膜トランジスタ及び前記配線部と、前記第1電極と、の間に備えられたことを特徴とする、請求項8又は9に記載の有機発光表示装置。
【請求項11】
前記有機発光層から放出された光は、前記第1基板側に放出され、
前記光特性変化層は、前記第2電極の前記有機発光層側の面に形成され、
前記第1基板と前記第1電極との間に光遮断層がさらに備えられたことを特徴とする、請求項1又は請求項3〜6のいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項12】
前記光遮断層は、前記光特性変化層が形成されていない領域に備えられたことを特徴とする、請求項11に記載の有機発光表示装置。
【請求項13】
前記第1基板と前記第1電極との間に、前記第1電極に連結される少なくとも一つの薄膜トランジスタ、及び、前記薄膜トランジスタに連結された少なくとも一つの配線部が備えられ、
前記光遮断層は、前記薄膜トランジスタ及び前記配線部と、前記第1基板と、の間に備えられたことを特徴とする、請求項11又は12に記載の有機発光表示装置。
【請求項14】
前記第1基板及び前記第2基板のうち少なくとも一つは透明基板であり、
前記透明基板の外光が入射する側の面に透明干渉層がさらに備えられたことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項15】
前記透明干渉層は、前記外光の1/4波長に同等な厚さを有することを特徴とする、請求項14に記載の有機発光表示装置。
【請求項16】
前記透明干渉層は、前記透明基板の屈折率より低い屈折率を有することを特徴とする、請求項14又は15に記載の有機発光表示装置。
【請求項17】
前記透明干渉層は、フッ化マグネシウム、シリカ、高屈折透明材料及びそれらの組み合わせから選択された一つの物質を含むことを特徴とする、請求項14〜16のいずれか1項に記載の有機発光表示装置。
【請求項18】
前記透明干渉層は、複数層備えられ、前記複数の透明干渉層は、透明基板に近いほど高い屈折率を有することを特徴とする、請求項14又は16に記載の有機発光表示装置。
【請求項19】
前記複数の透明干渉層の各層は、前記外光の1/4波長に同等な厚さを有することを特徴とする、請求項18に記載の有機発光表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−199222(P2012−199222A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−952(P2012−952)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】
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