説明

有機ELパネル

【課題】 接続部材に対する接続信頼性を高めることが可能な有機ELパネルを提供する。
【解決手段】 透光性基板21上に配設され、透光性の陽極ライン22aと非透光性の第2電極26とで少なくとも発光層を含む有機層25を挟持してなる有機EL素子2と、陽極ライン22a及び第2電極26と電気的に接続され透光性基板2上に設けられる第1の電極端子22dと、第1の電極端子22dと電気的に接続する第2の電極端子41bを備えた接続部材4とを備え、第1の電極端子22d上には陽極ライン22aよりも抵抗率の小さい低抵抗層22eが第1の電極端子22dの一部を露出するように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも発光層を有する有機層を透明電極と背面電極とで挟持してなる有機EL素子を透光性基板上に配設してなる有機ELパネルに関し、特にこの有機ELパネルと接続部材との接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、有機ELパネルとしては、例えばガラス材料からなる透光性基板上に、ITO(indium tin oxide)等によって陽極となる透明電極と、正孔注入層,正孔輸送層,発光層及び電子輸送層からなる有機層と、陰極となるアルミニウム(Al)等の非透光性の背面電極とを順次積層して積層体である有機EL素子を形成し、この有機EL素子を気密的に覆うガラス材料からなる封止部材を透光性基板上に配設している。
【0003】
前記有機ELパネルにおける他の機器(例えば表示制御用のコントローラや定電流源回路等)との接続においては、例えば柔軟性を有するフレキシブル基板からなる接続部材が用いられている。例えば前記ガラス基板の一辺には、前記透明電極と前記背面電極とからそれぞれ引き出し形成されたリード部が集中配置され、前記リード部の先端部には、前記フレキシブル基板と電気的に接続するための電極端子が形成されている。そして、前記電極端子上には発光部に定電流を良好に流すためにITOよりも抵抗の小さいクロム等からなる低抵抗層が積層形成されている。かかる低抵抗層の形成手段としては、例えば透光性基板上に透明電極をパターニングした後、全面にクロムからなる低抵抗膜を積層し、低抵抗層を形成すべき領域をレジストで覆い、前記低抵抗膜を選択的にエッチングする手段が採用されている。一方、前記フレキシブル基板側には、所定の回路配線が形成され、前記回路配線の末端部に前記電極端子上に形成された前記低抵抗層と電気的に接合する接続端子を備えている。そして、前記有機ELパネルと前記フレキシブル基板との前記各端子群の電気的な接合に関しては、異方性導電膜(異方性導電フイルム)が用いられる(例えば下記特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−3793号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の有機ELパネルの場合、透光性基板上に透明電極を形成した後、前記透明電極の電極端子上に低抵抗層を形成し、さらに前記透明電極上に有機層を形成する構成である。ところで、前記低抵抗層を形成してから前記有機層を形成するまでの過程において、前記透明電極及び前記低抵抗層の表面を滑らかにし、且つ前記透光性基板上に付着した塵等の異物を除去するために前記透明電極及び前記低抵抗層の形成された前記透光性基板の表面を研磨し、その後、この透光性基板を洗浄する必要がある。
【0005】
しかしながら、前記透光性基板が研磨工程から洗浄工程に搬送される際に空気中にさらされることで、クロムからなる前記低抵抗層の表面が酸化され、これにより前記低抵抗層の表面全体に酸化クロムからなる酸化膜が形成される場合があった。そして、前記酸化膜の形成された前記低抵抗層と接続部材であるフレキシブル基板の接続端子とを異方性導電膜を介して電気的に接続した場合には、前記酸化膜によって前記異方性導電膜中の導電粒子と前記低抵抗層との密着性が低下するため、前記有機ELパネルと前記フレキシブル基板との導通接続が阻害される虞があり、接続信頼性の面で改良の余地が残されていた。
そこで本発明は、前述の課題に対して対処するため、接続部材に対する接続信頼性を高めることが可能な有機ELパネルの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、透光性基板上に配設され、透明電極と背面電極とで少なくとも発光層を含む有機層を挟持してなる有機EL素子と、前記透明電極及び前記背面電極と電気的に接続され前記透光性基板上に設けられる第1の電極端子と、前記第1の電極端子と電気的に接続する第2の電極端子を備えた接続部材とを備え、前記第1の電極端子上には前記透明電極よりも抵抗率の小さい低抵抗層が前記第1の電極端子の少なくとも一部を露出するように形成されてなることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、前記第1の電極端子と前記第2の電極端子とは、異方性導電膜もしくはヒートシールを介して電気的に接続されてなることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、前記接続部材は、柔軟性を有するフレキシブル基板からなることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記第1の電極端子はITOから構成され、前記低抵抗層が前記ITOに対して櫛歯状に形成されてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、初期の目的を達成でき、接続部材に対する接続信頼性を高めることが可能な有機ELパネルを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を例えば有機ELパネルを備えた表示装置を例に挙げ、添付図面に基づき説明する。
【0012】
図1において、前記表示装置は前面フレーム1と、この前面フレーム1の背後に配置される有機ELパネル2と、この有機ELパネル2の背後に配置され有機ELパネル2を駆動するための駆動用基板(回路基板)3と、有機ELパネル2と駆動用基板3との間に介在しこれらを導通接続する接続部材4とから構成される。
【0013】
前面フレーム1は、金属材料からなる板材を箱型形状にプレス成形してなり、有機ELパネル2,駆動用基板3,接続部材4を収納する収納部材であり、有機ELパネル2の発光表示部5を臨ませてなる開口部1aと、各側面下端に複数形成され駆動用基板3側に略「L」字状に延びるかしめ片1bを有するかしめ部1cとを備えている。
【0014】
有機ELパネル2は、図2から図4に示すように透光性基板21と、第1電極22と、絶縁層23と、リブ(隔壁)24と、有機層25と、金属膜からなる背面電極(第2電極)26と、封止部材27とを備えている。
【0015】
透光性基板21は、長方形形状の透明ガラス材からなり、電気絶縁性の基板である。
【0016】
第1電極22は、例えばITOからなる透光性の導電性材料とクロム等からなる金属性の導電性材料によって形成され、蒸着法やスパッタリング法等の手段によって透光性基板21上にITOからなる電極膜とクロムからなる金属膜を順次形成した後、後述する陽極ライン,第1の電極端子となる各箇所を除いて前記ITOと前記クロムをエッチングで除去し(第1エッチング工程)、さらに封止部材27から露出する前記第1の電極端子箇所上に部分的に形成される後述する低抵抗層となる箇所を除いて前記クロムをエッチングで除去することで得られるものである(第2エッチング工程)。
【0017】
すなわち第1電極22は、前記第1エッチング工程により、発光表示部5内において発光表示部5の長手方向に対して所定間隔で、且つ列状に複数形成される陽極ライン(透明電極)22aと、発光表示部5の長手方向に第2電極26群に連続して引き出される電極ライン22bと陽極ライン22a群に連続して引き出される電極ライン22cとからなる第1の電極端子22dとを有するように構成され、この場合、電極ライン22bは発光表示部5の左方に集中して配列され、また電極ライン22cは発光表示部5の下方に集中して配列されている。
【0018】
さらに、各第1の電極端子22dのうち封止部材27から露出する各第1の電極端子22d箇所上には、前記第2エッチング工程によって前記ITOよりも抵抗率の低い、前記クロムからなる低抵抗層22eが第1の電極端子22dを部分的に露出させるように積層されている(図5参照)。この場合、各低抵抗層22eは、それぞれ櫛歯形状を有するように各第1の電極端子22d上に形成されており、前記櫛歯形状の非形成領域(抜き部)を通じて各第1の電極端子22dの一部が露出するようになっている(図6参照)。
【0019】
絶縁層23は、例えばポリイミド系の電気絶縁性材料から構成され、陽極ライン22aと第2電極26との間に位置するように陽極ライン22a上に形成され、両電極22a,26の短絡を防止するとともに、発光部6である有機EL素子7(ドット箇所)の輪郭を明確にするものである。
【0020】
リブ24は、例えばフェノール系の電気絶縁性材料からなり、絶縁層23上に形成される。リブ24は、その断面が逆台形形状等のオーバーハング形状となるようにフォトリソグラフィー法等の手段によって形成されてなるものである。また、リブ24は、陽極ライン22aと直交する方向に等間隔にて複数形成される。リブ24は、その上方から蒸着法やスパッタリング法等によって有機層25及び第2電極26となる金属膜を形成する場合にオーバーハング形状によって有機層25及び前記金属膜が段切れを起こす構造を得るものである。
【0021】
有機層25は、陽極ライン22a上に正孔注入層,正孔輸送層,発光層及び電子輸送層を蒸着法やスパッタリング法等の手段によって順次積層形成してなるものである。なお、有機層25は、陽極ライン22a及びリブ24上に形成されるものであるが、リブ24によって段切れが生じリブ24の上面に積層されるものがある。
【0022】
第2電極26は、アルミニウム(AL)やマグネシウム銀(Mg:Ag)等の金属性導電性材料を用い、これら材料をスパッタリング法や蒸着法等の手段によりライン状に形成することで得られるものであり、前記材料にて形成される金属膜が有機層25と同様にリブ24によって段切れが生じ、有機層25上に積層されるものとリブ24上に積層されるものとに区分けされ、有機層25上に積層されたものが第2電極26となる。また第2電極26は、発光表示部5内において第1電極22の陽極ライン22aと直交(交差)してマトリックス状の有機EL素子7を得るための陰極ライン26aと、この陰極ライン26aと第1電極22の電極ライン22bとの間に介在し両者を電気的に接続する陰極端子26bとを有している。
【0023】
封止部材27は、例えばガラス材料からなる平板部材であり、第1電極22,絶縁層23,有機層25及び第2電極26からなる有機EL素子7によって構成される発光表示部5を収納する凹部27aと、この凹部27aの全周を取り囲むように形成される支持部27bとを有している。そして、支持部27bを、例えば紫外線硬化型エポキシ樹脂からなる接着剤(図示せず)を介して透光性基板21上に気密的に配設することで、封止部材27と透光性基板21とによって有機EL素子7を収納する気密空間8を構成する。
【0024】
なお、封止部材27は、第1電極22の各電極ライン22b,22cが外部に露出するように透光性基板21よりも若干小さめに構成されている。これにより、透光性基板21と封止部材27とで電極ライン22bを露出させる第1の段部9と、電極ライン22cを露出させる第2の段部10とが形成されることになる(図1参照)。
【0025】
なお、かかる有機ELパネル2は、絶縁層23を形成する前段階において、第1電極22を備えた透光性基板21を研磨することで透光性基板21の表面を平滑化し、その後、研磨された透光性基板21を洗浄することで透光性基板21上に付着している塵等の異物を除去するものである。
【0026】
駆動用基板3は、例えばガラスエポキシ系基材に配線パターン(図示せず)を施した硬質回路基板からなり、その板面が有機ELパネル2の板面と略平行になるように配設されている。また、駆動用基板3は有機ELパネル2の駆動・制御を行う駆動手段(図示せず)や、例えば抵抗、コンデンサ等の各種回路部品(図示せず)が前記配線パターンに導通接続されている。
【0027】
なお、31は接続部材4を介して有機ELパネル2と駆動用基板3とを接続したときに、駆動用基板3を有機ELパネル2に対して平行状態に配設させるためのスペーサ部材であり、このスペーサ部材31は例えば略「L」字状の弾性を備えた板材に形成され、有機ELパネル2の各電極ライン22b,22cと向かい合う位置となる駆動用基板3箇所上に例えば両面接着テープを介して配設されている。また、スペーサ部材31を弾性を有する部材ではなく、例えば硬質材料によって形成してもよい。
【0028】
また、32は有機ELパネル2における第1電極22の電極ライン22bと対向するように駆動用基板3上に列状に複数形成される第1の電極部、33は有機ELパネル2における第1電極22の電極ライン22cと対向するように駆動用基板3上に列状に複数形成される第2の電極部であり、これら各電極部32,33は例えばカーボン電極によって形成され、前記各カーボン電極が前記配線パターンに導通接続されている。
【0029】
接続部材4は、有機ELパネル2の電極ライン22bと駆動用基板3の第1の電極部32とを電気的に接続するための第1のフレキシブル基板41と、有機ELパネル2の電極ライン22cと駆動用基板3の第2の電極部33とを電気的に接続するための第2のフレキシブル基板42とからなる。なお、本実施形態におけるフレキシブル基板41,42の基本構成は同一であるため、以下、第1のフレキシブル基板41を例に挙げて、その基本構成を説明し、第2のフレキシブル基板42の説明は省略する。
【0030】
第1のフレキシブル基板41には、図7に示すように柔軟性を有する絶縁材料に所定の回路配線41aが形成されている。そして、回路配線41aの一方側には、有機ELパネル2の電極ライン22bと電気的に接合する第1の接続端子(第2の電極端子)41bがフレキシブル基板41の幅方向に沿って列状に複数設けられている。また、回路配線41aの他方側には、駆動用基板3の第1の電極部32と電気的に接合する第2の接続端子41cがフレキシブル基板41の幅方向に沿って列状に複数設けられている。なお、各接続端子41b,41cは、例えば銅箔上に銀や金等の導電材料を積層することで得られるものである。
【0031】
続いて、本実施形態における表示装置の組み付け例について説明する。
【0032】
なお、第1,第2のフレキシブル基板41,42を用いて有機ELパネル2と駆動用基板3とを電気的に接続するにあたって、各フレキシブル基板41,42の構成は同一であるため、第1のフレキシブル基板41による有機ELパネル2と駆動用基板3との接続手段のみを説明し、第2のフレキシブル基板42による有機ELパネル2と駆動用基板3との接続手段については説明を省略する。
【0033】
図7は、有機ELパネル2の電極ライン22b群と第1のフレキシブル基板41の第1の接続端子41b群、並びに駆動用基板3の第1の電極部32群と第1のフレキシブル基板41の第2の接続端子41c群の位置関係を示す図である。
【0034】
まず、所定の位置決め手段を用いて第1の電極部32群と第2の接続端子41c群とが重なるように位置合わせされ、第1のフレキシブル基板41の駆動用基板3に対向する各端部を熱圧着することにより、図8に示すように異方性導電膜11によって第1の電極部32群が第2の接続端子41c群に電気的に接続される。次に、所定の位置決め手段を用いて部分的に低抵抗層22eを積層した電極ライン22b群と第1の接続端子41b群とが重なるように位置合わせされ、第1のフレキシブル基板41の有機ELパネル2に対向する各端部を熱圧着することにより、図9に示すように異方性導電膜11によって部分的に低抵抗層22eを積層した電極ライン22b群が第1の接続端子41b群に電気的に接続される。
【0035】
次に、第2のフレキシブル基板42を介して有機ELパネル2の電極ライン22cと駆動用基板3の第2の電極部33とを接続した後、各フレキシブル基板41,42を介して一体化された有機ELパネル2と駆動用基板3を有機ELパネル2の発光表示部5が前面フレーム1の開口部1aに臨むように前面フレーム1内に収納する。この際、透光性基板21の各外壁面と前面フレーム1の各内壁面とが位置決めされることで、有機ELパネル2,駆動用基板3,接続部材4からなる各部材が前面フレーム1内に収納保持されるようになっている。最後に、前記各部材を前面フレーム1内に収納した際に、駆動用基板3の背後に突出しているかしめ片1bを開口部1a側にかしめることで駆動用基板3が前面フレーム1に固定され、表示装置の組み付けが完了する。
【0036】
かかる実施形態においては、有機ELパネル2が、その絶縁層23を形成する前に第1電極22を備えた透光性基板21を研磨し、この研磨された透光性基板21を空気中にさらして洗浄工程に搬送する際に、第1の電極端子22d上にさらに形成されたクロムからなる低抵抗層22eが酸化され、低抵抗層22eの表面全体に酸化クロムからなる酸化膜が形成されることになる。ところが、本実施形態では予め低抵抗層22eの形成時に第1の電極端子22dの一部を低抵抗層22eの非形成領域を通じて露出させておくことで、有機ELパネル2と接続部材4との接続時において接続部材4の第1の接続端子41bの一部が第1の電極端子22dの露出部分と異方性導電膜11中の図示しない導電粒子を介して良好に密着するため、第1の電極端子22d(低抵抗層22e)と第1の接続端子41bとが安定的に導通接続され、これにより有機ELパネル2と接続部材4との接続信頼性を向上させることができる。
【0037】
また本実施形態では、低抵抗層22eが櫛歯形状を有するように第1の電極端子22d上に積層形成され、第1の電極端子22dの一部を低抵抗層22eから露出させた場合について説明したが、本願発明の請求項1に記載の発明にあっては低抵抗層22eの形状は第1の電極端子22dの少なくとも一部を露出させるものであれば任意であり、例えば第1の電極端子22dの周囲を取り巻くように低抵抗層22eを枠状に積層形成し、この枠部によって囲まれる低抵抗層22eの非形成領域を通じて第1の電極端子22dを部分的に露出させるようにしてもよい。
【0038】
また本実施形態では、低抵抗層22eがクロムからなる場合について説明したが、例えば低抵抗層22eをチタン系化合物からなる金属性の導電性材料によって形成してもよい。あるいは第1の電極端子22d上に複数層からなる金属性の導電性材料を積層形成することで低抵抗層を構成してもよい。具体的には、第1の電極端子22dの表面に銅からなる第1の低抵抗層を形成し、この第1の低抵抗層の表面にさらにクロムからなる第2の低抵抗層を形成することも可能である。
【0039】
また、駆動用基板3への接続部材として柔軟性を備えたフレキシブル基板41,42を用いることから、有機ELパネル2(駆動用基板3)とフレキシブル基板41,42との接続部に余計な負荷がかからないため、有機ELパネル2(駆動用基板3)とフレキシブル基板41,42との接続信頼性をより向上させることが可能となる。
【0040】
また本実施形態では、ドットマトリックスタイプからなる複数の有機EL素子7を透光性基板21上に列状に複数形成してなる有機ELパネル2と駆動用基板3とが、各フレキシブル基板41,42を介して電気的に接続される例について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、例えばセグメントタイプからなる複数の有機EL素子7を透光性基板21上に複数形成してなる有機ELパネル2と駆動用基板3とが、フレキシブル基板によって電気的に接続されるようにしてもよい。
【0041】
また本実施形態では、電極ライン22b群と第1の接続端子41b群、並びに電極ライン22c群と第2の接続端子41c群が異方性導電膜11によって電気的に接合されるものあったが、本発明はこれに限定されることはなく、例えばヒートシールを用いて接合してもよい。
【0042】
なお本実施形態では、低抵抗層22eが封止部材27から露出する第1の電極端子22d箇所のみに形成された例について説明したが、例えば第1の電極端子22dのうち電極ライン22c側にあっては封止部材27にて覆われる電極ライン22c部分にも低抵抗層22eを積層形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態における有機ELパネルの斜視図である。
【図2】同実施形態における有機ELパネルの断面図である。
【図3】同実施形態における透光性基板と第1の電極端子との積層状態を示す要部断面図である。
【図4】図3のC−C断面図である。
【図5】図2のA−A断面図である。
【図6】図2中、B部を拡大して示す要部平面図である。
【図7】同実施形態における有機ELパネル及び回路基板とフレキシブル基板との位置関係を示す平面図である。
【図8】同実施形態における回路基板とフレキシブル基板との接合状態を示す断面図である。
【図9】同実施形態における有機ELパネルとフレキシブル基板との接合状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 前面フレーム
2 有機ELパネル
3 駆動用基板(回路基板)
4 接続部材
5 発光表示部
7 有機EL素子
21 透光性基板
22 第1電極
22a 陽極ライン(透明電極)
22b,22c 電極ライン
22d 第1の電極端子
22e 低抵抗層
25 有機層
26 第2電極(背面電極)
32 第1の電極部
33 第2の電極部
41 第1のフレキシブル基板
41a 回路配線
41b 第1の接続端子(第2の電極端子)
41c 第2の接続端子
42 第2のフレキシブル基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性基板上に配設され、透明電極と背面電極とで少なくとも発光層を含む有機層を挟持してなる有機EL素子と、
前記透明電極及び前記背面電極と電気的に接続され前記透光性基板上に設けられる第1の電極端子と、
前記第1の電極端子と電気的に接続する第2の電極端子を備えた接続部材とを備え、
前記第1の電極端子上には前記透明電極よりも抵抗率の小さい低抵抗層が前記第1の電極端子の少なくとも一部を露出するように形成されてなることを特徴とする有機ELパネル。
【請求項2】
前記第1の電極端子と前記第2の電極端子とは、異方性導電膜もしくはヒートシールを介して電気的に接続されてなることを特徴とする請求項1記載の有機ELパネル。
【請求項3】
前記接続部材は、柔軟性を有するフレキシブル基板からなることを特徴とする請求項1記載の有機ELパネル。
【請求項4】
前記第1の電極端子はITOから構成され、前記低抵抗層が前記ITOに対して櫛歯状に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の有機ELパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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