説明

有機EL装置およびその製造方法

【課題】有機EL装置の導電性ならびに光学特性の劣化を抑制する。
【解決手段】有機EL装置D1は、基板10上に形成された画素電極14と、画素電極14の上に配置された対向電極18と、画素電極14と対向電極18との間に配置された発光機能層16と、を備えた発光素子U1を有し、対向電極18は、電子注入材料と当該電子注入材料を還元するための還元材料とが混合された混合層30と、混合層30上に形成されて透過性を有する導電層40とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL(electroluminescent)素子や発光ポリマー素子などと呼ばれる有機発光ダイオード(organic light emitting diode、以下「OLED」という)素子などの発光素子は、有機EL材料などで形成される発光層が2つの電極に挟まれた構造であることが一般的である。例えば特許文献1には、基板上に形成されて反射性を有する電極と、電極上に形成された発光層と、発光層上に形成された還元層と、還元層上に形成された透明導電膜とから構成される発光素子が開示されている。
【0003】
特許文献1における還元層は、発光層に対する電子注入性を向上させるためのものであり、発光層上に形成された金属化合物層と、金属化合物層上に形成された還元性金属層とからなる。特許文献1においては、金属化合物層はフッ化リチウムからなり、還元性金属層はアルミニウムからなる。フッ化リチウムはアルミニウムによって還元されてリチウム単体となり(3LiF+Al→3Li+AlF)、そのリチウム単体は発光層上にドープされる。これにより、発光層に対する電子注入性が向上する。
【特許文献1】特開2004−311403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1における発光素子は、トップエミッション型の発光装置に利用されるものであるが、発光層で発した光を観察側へ効率良く取り出すためには、アルミニウムなどの単体金属で形成される還元性金属層の膜厚を極力薄くすることが望ましい。しかしながら、還元性金属層の膜厚が所定値以下の場合は、金属原子同士が凝集して島状になってしまい、膜が不連続になってしまう。これにより、発光装置の導電性や光学特性が劣化するという問題が起こる。
【0005】
このような事情を背景として、本発明は、発光装置の導電性ならびに光学特性の劣化を抑制するという課題の解決を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明に係る有機EL装置は、基板の上に形成された第1電極(基板上に第1電極が直接形成される構成だけでなく、基板上に光反射層が形成され、当該光反射層上に第1電極が形成される構成も含まれる)と、第1電極の上に配置された第2電極と、第1電極と第2電極との間に配置された発光機能層と、を備えた発光素子を有し、第2電極は、電子注入材料と当該電子注入材料を還元するための還元材料とが混合された混合層と、前記混合層上に形成されて透過性を有する導電層とを含むことを特徴とする。
【0007】
本発明においては、電子注入材料と当該電子注入材料を還元するための還元材料とが混合されてひとつの層が形成されるから、還元材料を構成する金属原子間に電子注入材料の分子が介在することによって、これらの金属原子同士が凝集して島状になることを抑制できる。これにより、発光機能層上に形成される混合層を平坦な連続性のある膜とすることができるから、有機EL装置の導電性ならびに光学特性の劣化を抑制できるという利点がある。
【0008】
本発明に係る有機EL装置として、電子注入材料は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属の何れかを含む金属化合物(例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属の何れかのハロゲン化物、酸化物などを含む)からなる態様とすることが好ましい。アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属には、Li、Ca、Sr、Ba、Nd、Sm、Yb、Mgが含まれる。
より具体的には、フッ化リチウムで電子注入材料を形成し、アルミニウムで還元材料を形成することができる。
【0009】
本発明に係る有機EL装置として、混合層の膜厚は5nm以下とすることが好ましい。この態様によれば、発光機能層で発した光を観察側へ効率良く取り出すことができる。
【0010】
本発明に係る有機EL装置として、第1電極は光反射性を有する金属で形成されているか、または、基板と透光性を有する第1電極との間に光反射層が配置されている態様とすることもできる。
【0011】
本発明に係る有機EL装置の製造方法は、基板上に第1電極を形成する工程(基板上に第1電極を直接形成する態様だけでなく、基板上に形成された光反射層などの薄膜上に第1電極を形成する態様も含まれる)と、第1電極上に発光機能層を形成する工程と、発光機能層上に混合層を形成する工程と、混合層上に導電層を形成する工程と、を備え、発光機能層上に混合層を形成する工程では、電子注入材料および還元材料を発光機能層上に共蒸着させて混合層を形成することを特徴とする。この方法によれば、電子注入材料および還元材料を発光機能層上に共蒸着させることで混合層が形成されるから、還元材料を構成する金属原子間に電子注入材料の分子が介在することによって、これらの金属原子同士が凝集して島状になることを抑制できる。
【0012】
また、本発明に係る有機EL装置の製造方法として、発光機能層上に混合層を形成する工程において、電子注入材料および還元材料の蒸着速度比(電子注入材料の蒸着速度/還元材料の蒸着速度)は0.1〜10の範囲であることが好ましい。
【0013】
さらに、本発明に係る有機EL装置の製造方法として、第1電極を形成する前に、基板上に光反射層を形成する工程を有する態様とすることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る様々な実施の形態を説明する。図面においては、各部の寸法の比率は実際のものとは適宜に異ならせてある。
<A:有機EL装置の構造>
図1は、本発明に係る有機EL装置D1の概要を示す模式的な断面図である。有機EL装置D1は、複数の発光素子U1が基板10の面上に配列された構成であるが、図1においては、説明の便宜上、ひとつの発光素子U1のみが例示されている。本実施形態の有機EL装置D1は、トップエミッション型であり、発光素子U1にて発生した光は基板10とは反対側に向かって進行する。従って、ガラスなどの光透過性を有する板材のほか、セラミックスや金属のシートなど不透明な板材を基板10として採用することができる。
【0015】
基板10には、発光素子Uに給電して発光させるための配線が配置されているが、配線の図示は省略する。また、基板10には、発光素子Uに給電するための回路が配置されているが、回路の図示は省略する。
【0016】
発光素子U1は、基板10の上に形成された画素電極14(第1電極)と、画素電極14の上に配置された対向電極18(第2電極)と、画素電極14と対向電極18との間に配置された発光機能層16とを備える。以下、詳細に説明する。図1に示すように、基板10上には光反射層12が形成される。光反射層12は、光反射性を有する材料によって形成される。この種の材料としては、例えばAl(アルミニウム)やAg(銀)などの単体金属、またはAlやAgを主成分とする合金などが好適に採用される。本実施形態では、光反射層12はAlNdで形成される。
【0017】
図1に示すように、光反射層12上には画素電極14が形成される。画素電極14は陽極であり、ITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide、出光興産株式会社の登録商標)、またはZnOのような透明酸化物導電材料から形成される。本実施形態では、画素電極14はITOで形成される。なお、本実施形態では、基板10上に光反射層12が形成され、当該光反射層12上に画素電極14が形成されているが、これに限らず、例えば光反射層12を設けずに基板10上に画素電極14を直接形成する構成とすることもできる。この場合、画素電極14は光反射性を有する金属で形成される。
【0018】
図1に示すように、発光機能層16は、画素電極14上に形成された正孔注入層22と、正孔注入層22上に形成された正孔輸送層24と、正孔輸送層24上に形成された発光層26と、発光層26上に形成された電子輸送層28とからなる。
【0019】
本実施形態では、正孔注入層22はCuPc(銅フトロシアニン)で形成され、正孔輸送層24はα−NPDで形成される。なお、正孔注入層22および正孔輸送層24を、正孔注入層22と正孔輸送層24の機能を兼ねる単一の層で形成することもできる。
【0020】
発光層26は、正孔と電子が結合して発光する有機EL物質から形成されている。本実施形態では、有機EL物質は低分子材料であって、白色光を発する。
【0021】
本実施形態では、電子輸送層28はAlq3(トリス8−キノリノラトアルミニウム錯体)で形成される。
【0022】
図1に示すように、発光機能層16上には、対向電極18が形成される。対向電極18は陰極であり、発光機能層16における電子輸送層28上に形成される混合層30と、混合層30上に形成される導電層40とを含む。
【0023】
混合層30は、電子注入材料とその電子注入材料を還元するための還元材料とが混合されて形成される。電子注入材料は、発光機能層16への電子注入効率を向上させるための材料である。発光機能層16への電子注入効率を向上させるためには、陰極と発光機能層16との間の電位障壁が小さいことが望ましいから、電子注入材料としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属などの仕事関数が3.5eV以下の金属のハロゲン化物(特に弗化物)や酸化物などの金属化合物が好適に採用される。本実施形態においては、電子注入材料としてLiF(フッ化リチウム)が採用され、還元材料としてAlが採用される。
【0024】
後述するように、本実施形態においては、LiFおよびAlを発光機能層16上に共蒸着させて混合層30を形成する。本実施形態では、LiFおよびAlの蒸着速度比(電子注入材料の蒸着速度/還元材料の蒸着速度)は1である(つまり、LiFの蒸着速度:Alの蒸着速度=1:1)。
【0025】
また、発光機能層16で発した光を観察側へ効率良く取り出すためには、混合層30の膜厚を極力薄くすることが望ましい。具体的には、混合層30の膜厚は5nm以下とすることが好適である。本実施形態では、混合層30の膜厚は2nmに設定される。
【0026】
図1に示す導電層40は、その表面に到達した光の一部を透過するとともに他の一部を反射する性質(すなわち半透過反射性)を持った半透過反射層として機能し、例えばAgなどの単体金属、またはAgを主成分とする合金から形成される。本実施形態では、導電層40はAgで形成され、その膜厚は10nmである。
【0027】
本実施形態の発光素子U1においては、光反射層12と導電層40との間で発光機能層16が発する光を共振させる共振器構造が形成される。これにより、特定の波長の光を効率良く取り出すことができる。
【0028】
図2は、本実施形態とは異なり、対向電極18が、電子注入層32と、還元層34と、導電層40とからなる構成(以下、「対比例」という)の概要を示す模式的な断面図である。
図2において、電子注入層32はLiFからなり、発光機能層16における電子輸送層28上に形成される。電子注入層32の膜厚は1nmである。また、還元層34はAlからなり、電子注入層32上に形成される。還元層34の膜厚は1nmである。さらに、還元層34上には導電層40が形成される。その他の構成は本実施形態の構成と同じである。
【0029】
図3は、図2の対比例において電子注入層32を形成するLiF分子および還元層34を形成するAl原子を模式的に表した概念図である。ここで、還元層34を形成するAl原子間には互いに結合しようとする力(凝集しようとする力)が働くから、その膜厚が20nm以下の場合はAl原子同士が凝集して島状になってしまい、膜を形成することができない。対比例においては還元層34の膜厚は1nmであるから、図3に示すように、Al原子同士が凝集して島状になってしまい、膜が不連続になってしまう。これにより、発光素子の導電性が低下してしまうという問題が起こる。
【0030】
また、Al原子同士が凝集して島状になると発光機能層16上には凹凸部が発生するから、発光機能層16で発した光は当該凹凸部にて様々な方向に散乱してしまい、観察側へ透過する光の量が減少してしまうという問題も起こる。
【0031】
図4は、本実施形態における混合層30を形成するLiF分子およびAl原子を模式的に表した概念図である。本実施形態の混合層30は、LiF分子とAl原子とが混合されて形成されるから、図4に示すように、Al原子間にLiF分子が介在することによって、Al原子同士の凝集が抑制される。これにより、発光機能層16上に形成される混合層30を平坦な連続性のある膜とすることができるから、発光素子の導電性を対比例に比べて良好な状態にすることができるとともに、観察側へ透過する光の量が減少することを対比例に比べて抑制できるという利点がある。
【0032】
図5は、本実施形態における発光素子U1および対比例における発光素子U2の各々について、発光機能層16で発した白色光のうち緑色の光を効率良く取り出すことができるように画素電極14の膜厚や発光機能層16の各層の膜厚を調整したうえで、対向電極18を流れる電流の密度を17.5mA/cmに設定したときにおける各種データの測定結果を示す図である。図5において、Rsは対向電極18のシート抵抗を表し、この値が小さいほど発光素子の直列抵抗成分が小さくなると言える。また、図5に示す輝度は発光素子から観察側に放出される光の強度を表し、図5に示す電圧は画素電極14と対向電極18との間に印加される電圧を表す。さらに、図5に示す電流効率は、発光素子における電流1A当たりの発光強度を表す。
【0033】
図5に示すように、本実施形態における発光素子U1のシート抵抗Rsの値は対比例における発光素子U2のシート抵抗Rsの値に比べて小さく、本実施形態における発光素子U1の輝度の値は対比例における発光素子U2の輝度の値に比べて大きい。つまり、本実施形態によれば、発光素子の導電性を対比例に比べて良好な状態にすることができるとともに、観察側へ透過する光の量が減少することを対比例に比べて抑制できることが分かる。
【0034】
<B:有機EL装置の製造方法>
次に、図6〜図8を参照しながら、本実施形態の有機EL装置D1を製造する方法について説明する。
【0035】
先ず、基板10の表面上に光反射層12を形成する(図6の工程A1)。続いて、光反射層12上に画素電極14を形成する(図6の工程A2)。なお、図示は省略するが、画素電極14が光反射性の金属で形成されて基板10上に直接形成される構成が採用された場合は、先ず、基板10の表面上に画素電極14が形成される。
【0036】
次に、画素電極14上に発光機能層16を形成する(図7の工程A3〜工程A6)。より具体的には以下のとおりである。先ず、画素電極14上に正孔注入層22を形成する(図7の工程A3)。続いて、正孔注入層22上に正孔輸送層24を形成する(図7の工程A4)。次に、正孔輸送層24上に発光層26を形成する(図7の工程A5)。さらに、発光層26上に電子輸送層28を形成する(図7の工程A6)。なお、上述の光反射層12から電子輸送層28までの各層は、蒸着やスパッタリングなど公知の様々な成膜技術によって形成される。
【0037】
次いで、発光機能層16上に対向電極18が形成される(図8の工程A7〜A8)。より具体的には以下のとおりである。先ず、発光機能層16における電子輸送層28上に混合層30を形成する(図8の工程A7)。続いて、混合層30上に導電層40を形成する(図8の工程A8)。
【0038】
工程A7では、電子注入材料であるLiFおよび還元材料であるAlを発光機能層16における電子輸送層28上に共蒸着させて混合層30を形成する。本実施形態では、LiFおよびAlの蒸着速度比(電子注入材料の蒸着速度/還元材料の蒸着速度)は1である。以上が有機EL装置D1の製造方法である。
【0039】
<C:変形例>
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の変形が可能である。また、以下に示す変形例のうちの2以上の変形例を組み合わせることもできる。
【0040】
(1)変形例1
上述の実施形態では、電子注入材料としてLiFが採用されているが、これに限らず、電子注入材料は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属の何れかを含む金属化合物で形成することができる。例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属には、Li、Ca、Sr、Ba、Nd、Sm、Yb、Mgなどが含まれる。また、上述の実施形態では、還元材料としてAlが採用されているが、これに限らず、還元材料は、電子注入材料を還元できる材料であればよい。
【0041】
(2)変形例2
上述の実施形態では、混合層30を形成する工程A7において、LiFおよびAlの蒸着速度比は1であるが、これに限らず、LiFおよびAlの蒸着速度比は、Al原子間にLiF分子を介在させることによって、Al原子同士の凝集を抑制できる範囲において任意に設定可能である。例えば、LiFおよびAlの蒸着速度比を0.1〜10の範囲内で任意に設定することもできる。
【0042】
(3)変形例3
上述の実施形態では、発光機能層16における発光層26の有機EL物質は低分子材料であるが、高分子材料の有機EL物質で発光層を形成することもできる。この場合、発光層26は、インクジェットまたはスピンコートによって形成される。
【0043】
(4)変形例4
上述の実施形態では、発光機能層16における発光層26は、白色光を発する有機EL物質から形成されているが、これに限らず、発光層26は、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の何れかの色の波長領域の光を発生する有機EL物質から形成することもできる。
【0044】
(5)変形例5
上述の実施形態では、光反射層12と導電層40との間で共振器構造が形成されているが、光反射層12と導電層40との間で共振器構造を形成しない態様とすることもできる。
【0045】
(6)変形例6
上述の実施形態では、導電層40が半透過反射層として機能しているが、これに限らず、例えば導電層40をITOなどの透明酸化物導電材料で形成し、その上に半透過反射層を別個に形成する態様とすることもできる。
【0046】
(7)変形例7
上述の実施形態では、トップエミッション型の有機EL装置が例示されているが、これに限らず、ボトムエミッション型の有機EL装置とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態に係る有機EL装置の概要を示す模式的な断面図である。
【図2】対比例に係る有機EL装置の概要を示す模式的な断面図である。
【図3】図2の対比例において、LiF分子およびAl分子を模式的に表した概念図である。
【図4】図1の実施の形態において、LiF分子およびAl分子を模式的に表した概念図である。
【図5】各種データの測定結果を示す図である。
【図6】発光素子の製造方法を説明するための工程図である。
【図7】発光素子の製造方法を説明するための工程図である。
【図8】発光素子の製造方法を説明するための工程図である。
【符号の説明】
【0048】
10……基板、12……光反射層、14……画素電極(第1電極)、16……発光機能層、18……対向電極(第2電極)、26……発光層、30……混合層、40……導電層、D1,D2……有機EL装置、U1,U2……発光素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に形成された第1電極と、
前記第1電極の上に配置された第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置された発光機能層と、
を備えた発光素子を有し、
前記第2電極は、電子注入材料と当該電子注入材料を還元するための還元材料とが混合された混合層と、前記混合層上に形成されて透過性を有する導電層とを含む、
有機EL装置。
【請求項2】
前記電子注入材料は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属の何れかを含む金属化合物からなる、
請求項1に記載の有機EL装置。
【請求項3】
前記アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属には、Li、Ca、Sr、Ba、Nd、Sm、Yb、Mgが含まれる、
請求項2に記載の有機EL装置。
【請求項4】
前記電子注入材料はフッ化リチウムであり、
前記還元材料はアルミニウムである、
請求項1から請求項3の何れかに記載の有機EL装置。
【請求項5】
前記混合層の膜厚は5nm以下である、
請求項1から請求項4の何れかに記載の有機EL装置。
【請求項6】
前記第1電極は光反射性を有する金属で形成されているか、または、前記基板と透光性を有する前記第1電極との間に光反射層が配置されていることを特徴とする請求項1乃至5に記載の有機EL装置。
【請求項7】
請求項1に記載の有機EL装置を製造する方法であって、
前記基板上に前記第1電極を形成する工程と、
前記第1電極上に前記発光機能層を形成する工程と、
前記発光機能層上に前記混合層を形成する工程と、
前記混合層上に前記導電層を形成する工程と、を備え、
前記発光機能層上に前記混合層を形成する工程では、前記電子注入材料および前記還元材料を前記発光機能層上に共蒸着させて前記混合層を形成する、
有機EL装置の製造方法。
【請求項8】
前記発光機能層上に前記混合層を形成する工程において、前記電子注入材料および前記還元材料の蒸着速度比(電子注入材料の蒸着速度/還元材料の蒸着速度)は0.1〜10の範囲である、
請求項7に記載の有機EL装置の製造方法。
【請求項9】
前記電子注入材料は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属の何れかを含む金属化合物からなる、
請求項7または請求項8に記載の有機EL装置の製造方法。
【請求項10】
前記アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属には、Li、Ca、Sr、Ba、Nd、Sm、Yb、Mgが含まれる、
請求項9に記載の有機EL装置の製造方法。
【請求項11】
前記電子注入材料はフッ化リチウムであり、
前記還元材料はアルミニウムである、
請求項7から請求項10の何れかに記載の有機EL装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1電極を形成する前に、前記基板上に光反射層を形成する工程を有することを特徴とする請求項7から請求項11の何れかに記載の有機EL装置の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−56211(P2010−56211A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218045(P2008−218045)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】