説明

有益組成物及び方法

ポリウレタン及び/又はポリウレタンコポリマー、架橋剤、触媒、並びにキャリアを含む布地有益組成物と、前述した組成物を製造及び使用する方法と、このような組成物によって処置された布地とが開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有益組成物並びにこのような組成物を製造及び使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維を含む物品(例えば衣類及び亜麻布)は、使用及び洗浄によって、しわを生じる可能性がある。このような衣類及び亜麻布は、しわを減らすために、通常は洗浄後にアイロン又は蒸気処理が行われる。残念なことに、このような処置の効果は持続性に欠け、洗浄中、保管中、及び/又は、使用中/着用中にしわが再び出現する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、消費者が、持続性を有するしわ防止特性を完成した布地製品に付与するのに使用できる布地有益組成物に対して必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
布地有益組成物は、ポリウレタン及び/又はポリウレタンコポリマー、架橋剤、並びにキャリアを含む。
【0005】
本発明は、また、前述の組成物を製造及び使用するための方法並びにこのような組成物で処置される布地にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
定義
本明細書で使用されるとき、用語「消費者布地製品」は、特に指示がない限り、繊維、糸、布地及び/若しくは衣類又はこれらを含む製品を含む。
【0007】
本明細書において「a」及び「an」などの冠詞は、特許請求又は明細書に記載されるものの一つ以上を意味するものと解釈される。
【0008】
特に記載のない限り、構成成分又は組成物の濃度は全て、その構成成分又は組成物の活性レベルに関するものであり、市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0009】
百分率及び比率は全て、特に指示がない限り、重量で計算されている。百分率及び比率は全て、特に指示がない限り、組成物全体を基準にして計算されている。
【0010】
本明細書を通じた所与のあらゆる最大数値限定は、あたかもより小さい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように、より小さい全ての数値限定を含むと理解されるべきである。本明細書全体を通じて記載されているあらゆる最小数値限定には、それよりも大きいあらゆる数値限定が、あたかもこうしたそれよりも大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含まれる。本明細書全体を通じて記載されているあらゆる数値範囲には、こうしたより広い数値範囲内に入る、それよりも狭いあらゆる数値範囲が、あたかもこうしたそれよりも狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含まれる。
【0011】
組成物
一つの態様では、ポリウレタン、ポリウレタンコポリマー及びこれらの混合物から選択され、約0.1重量%〜約30重量%、約0.5重量%〜約20重量%、約1重量%〜約10重量%、又は更には約1.5重量%〜約8重量%のポリウレタン材料であって、このポリウレタン及びポリウレタンが約−50℃〜約150℃、約−30℃〜約100℃、約−10℃〜約80℃、又は更には約20℃〜約60℃のTgを有するポリウレタン材料と、架橋剤であって、ポリウレタンと架橋剤との比が、約100:1〜約1:2、約50:1〜約1:1、約20:1〜約3:2、又は更には約10:1〜約2:1で存在する架橋剤と、触媒であって、架橋剤と触媒との比が、約100:1〜約1:5、約50:1〜約1:1、約20:1〜約3:2、又は更には約10:1〜約2:1で存在する触媒と、任意の補助剤成分と、を含む組成物であって、前記組成物の残部が、例えば水といったキャリアである組成物が開示される。
【0012】
一つの態様では、前述のパラメーターを有する組成物であって、前記ポリウレタン材料が下式I:
【化1】

(式中、
a.)R及びRは、置換又は非置換されてもよいアリール、ヘテロアリール、アルキル又はヘテロアルキル基から独立して選択され、
b.)R、R及びRは、H、ポリマー、又はアリール、ヘテロアリール、アルキル若しくはヘテロアルキル基から独立して選択され、
c.)Rは、OH、ポリマー、又はアリール、ヘテロアリール、アルキル若しくはヘテロアルキル基であり、並びに
d.)R及びRは、置換又は非置換されてもよいH、アリール、ヘテロアリール又はアルキル基から独立して選択され、
e.)yは1〜200、1〜100、1〜50、1〜20、1〜10、又は1〜5の整数である)
を有する物質を含む組成物が開示される。
【0013】
一つの態様では、前述のパラメーターを有する組成物であって、前記ポリウレタン材料が上式I:
(式中、
a.)Rは、4,4’−ジフェニルメタン、ベンゼン、カルボジイミド変性4,4’−ジフェニルメタン、及びヘキサメチレンから選択され、
b.)Rは、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4−ブタングリコールアジペート、1,4−ブタン、1,3−プロパン、エタン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、及び2,2’−ジメチロールプロパン酸から選択され、
c.)R、R、R及びRは、シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、官能化置換ワックス、脂肪酸エステル、ポリアミン、ポリアクリレート、カルボン酸、及びポリカルボン酸から独立して選択され、並びに、
d.)R及びRは、置換又は非置換されてもよいアリール、ヘテロアリール、又はアルキル基から独立して選択される)
を有する物質を含む組成物が開示される。
【0014】
本明細書で開示される組成物の態様のいずれにおいても、前記架橋剤は、尿素の、及びエチレン及びプロピレン尿素の、メチロール及びアルコキシメチル誘導体、多官能性カルボン酸、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでよい。
【0015】
本明細書に開示される組成物の態様のいずれにおいても、前記組成物は潤滑剤を含んでよい。前記潤滑剤は、脂肪酸エステル、シリコーン、ポリエチレンエマルション及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでもよい。
【0016】
本明細書に開示される組成物の態様のいずれにおいても、前記組成物は、香料、香料デリバリーシステム、湿潤剤、柔軟化剤、ヘアコンディショニング剤、スキンケア剤、汚れ防止剤、汚れ放出剤、静電気防止剤、水分管理剤、染料固定剤、移染防止剤、色向上剤、基材ハンドビルダー、耐磨耗剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む任意の補助剤成分を含んでもよい。一つの態様では、前記任意成分は、組成物全体の重量に基づいて、前記組成物の約0.001重量%〜約30重量%、約0.01重量%〜約20重量%、又は更には約0.05重量%〜約10重量%を含んでもよい。
【0017】
本明細書で開示される組成物の態様のいずれにおいても、前記触媒は、酸、潜在性酸、金属塩及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでよい。
【0018】
材料
好適なポリウレタン及びポリウレタンコポリマーは、本明細書及び米国特許出願第2005/0107563 A1号の教示に従うものであり得る。
【0019】
好適な架橋剤は、シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich)(米国ミズーリ州セントルイス(St. Louis))及びノベオン社(Noveon, Inc.)(米国オハイオ州クリーブランド(Cleveland))から入手することができる。
【0020】
好適な触媒は、シグマ・アルドリッチ社(Sigma-Aldrich)(米国ミズーリ州セントルイス(St. Louis))から入手することができる。
【0021】
好適な潤滑剤は、アクゾノーベル社(Akzo Nobel)(オランダ、6824 BM、アーネム市ヴェルパーウェグ76(Velperweg 76, 6824 BM Arnhem))及びダウ・コーニング社(The Dow Corning Corporation)(米国ミシガン州ミッドランド(Midland))から入手することができる。
【0022】
好適な任意の補助剤成分は、インターナショナル・フレイバーズ&フラグランシズ社(International Flavors & Fragrances)(米国ニューヨーク州ニューヨーク(New York))、BASF社(BASF Aktiengesellschaft)(ドイツ、ルートヴィッヒスハーフェン(Ludwigshafen))、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals Inc.)(スイス、ベーゼル(Basel))、及びクラリアント・インターナショナル社(Clariant International Ltd)(スイス、ムテンツ(Muttenz))から入手することができる。
【0023】
組成物の製造方法
本明細書に開示されている組成物は、本明細書に開示されているように、本明細書に開示されている分量で材料を混合して作ることができる。このような混合は、バッチ、セミバッチ及び連続的なプロセスを含む任意の混合プロセスにより達成させることができる。
【0024】
製品
一つの態様では、包装及び本明細書に開示された組成物のいずれかを含む完成した消費者製品が開示される。一つの態様では、前記完成した消費者製品は、本明細書に開示された組成物のいずれかを少なくとも部分的に収容する容器を含み得る。
【0025】
処置方法
一つの態様では、消費者布地製品、毛髪又はこれらの組み合わせを処置する方法であって、
a.)前記消費者布地製品、毛髪又はこれらの組み合わせの少なくとも一部を本明細書に開示された組成物のいずれかに接触させる工程、
b.)本明細書に開示された組成物のいずれかに接触した前記消費者布地製品、毛髪又はこれらの組み合わせの少なくとも一部を乾燥させる工程、
を含み得る方法が開示される。
【0026】
一つの態様では、乾燥工程は、消費者布地製品にアイロン及び/又はプレス処理を行うことにより達成され得る。
【0027】
一つの態様では、接触工程は、前記消費者布地製品を本明細書に開示された組成物のいずれかでスプレーすることにより、又は前記消費者布地製品を本明細書に開示された組成物のいずれかに浸漬することにより達成される。
【0028】
一つの態様では、前記消費者布地製品、毛髪又はこれらの組み合わせは、前記布地製品がエンドユーザーにより使用される前に処置される。
【0029】
処置された製品
一つの態様では、本明細書に開示された処置方法に従って処置された前記製品を処置することにより製造された、処置された製品が開示される。
【実施例】
【0030】
【表1】

【0031】
(実施例4)
スプレー−アイロン適用:
100%の綿繊維からなる布地がアイロン台上に設置され、実施例1の組成物が約50%のウェットピックアップを達成するのに十分な分量で布地上に均等にスプレーされる。次に、布地は高温設定を使用して乾燥するまでアイロンにかけられる。
【0032】
(実施例5)
浸漬−アイロン適用:
約200gの実施例2の組成物が1000gの水と混合される。得られた混合物は、かき混ぜられ及び/又は攪拌される。100%の綿繊維からなるシャツを含む衣類が、この混合物が入った容器の中に入れられ、約5分間にわたって攪拌される。次に、衣類は洗濯機内で2分間にわたって脱水され、その後乾燥するまでアイロンをかけられる。
【0033】
(実施例6)
浸漬−アイロン適用:
約200gの実施例2の組成物が1000gの水と混合される。得られた混合物は、かき混ぜられ及び/又は攪拌される。50%の綿繊維及び50%のポリエステル繊維からなるシャツを含む衣類が、この混合物が入った容器の中に入れられ、約5分間にわたって攪拌される。次に、衣類は洗濯機内で2分間にわたって脱水され、その後乾燥するまでアイロンをかけられる。
【表2】

【0034】
・ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素
本明細書で開示した寸法及び値は、列挙した厳密な数値に狭義に限定されるものとして解釈されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした寸法はそれぞれ、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0035】
本発明の「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において、本明細書に参照により組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における用語のいずれかの意味又は定義と相反する範囲では、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0036】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるこのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ポリウレタン、ポリウレタンコポリマー及びこれらの混合物から選択され、0.1重量%〜30重量%、好ましくは0.5重量%〜20重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%、最も好ましくは1.5重量%〜8重量%のポリウレタン材料であって、前記ポリウレタン及びポリウレタンが−50℃〜150℃、好ましくは−30℃〜100℃、より好ましくは−10℃〜80℃、最も好ましくは20℃〜60℃のTgを有するポリウレタン材料と、
(b)架橋剤であって、好ましくは尿素の、及びエチレン及びプロピレン尿素の、メチロール及びアルコキシメチル誘導体、多官能性カルボン酸、並びにこれらの混合物からなる群から選択される物質を含み、ポリウレタン:架橋剤の比が、100:1〜1:2、好ましくは50:1〜1:1、より好ましくは20:1〜3:2、最も好ましくは10:1〜2:1で存在する架橋剤と、
(c)触媒であって、好ましくは酸、潜在性酸、金属塩及びこれらの混合物からなる群から選択される物質を含み、架橋剤:触媒の比が、100:1〜1:5、好ましくは50:1〜1:1、より好ましくは20:1〜3:2、最も好ましくは10:1〜2:1で存在する触媒と、
(d)任意の補助剤成分と、を含む組成物であって、好ましくは前記組成物は、香料、香料デリバリーシステム、湿潤剤、柔軟化剤、ヘアコンディショニング剤、スキンケア剤、汚れ防止剤、汚れ放出剤、静電気防止剤、水分管理剤、染料固定剤、移染防止剤、色向上剤、基材ハンドビルダー、耐磨耗剤及びこれらの混合物からなる群から選択される物質を含む補助剤を含み、
前記組成物の残部がキャリアである組成物。
【請求項2】
前記ポリウレタン材料が下式I:
【化1】

(式中、
a.)R及びRは、置換又は非置換されてもよいアリール、ヘテロアリール、アルキル、又はヘテロアルキル基から独立して選択され、
b.)R、R及びRは、H、ポリマー、又はアリール、ヘテロアリール、アルキル若しくはヘテロアルキル基から独立して選択され、
c.)Rは、OH、ポリマー、又はアリール、ヘテロアリール、アルキル若しくはヘテロアルキル基であり、並びに
d.)R及びRは、置換又は非置換されてもよいH、アリール、ヘテロアリール又はアルキル基から独立して選択され、
e.)yは1〜200、好ましくは1〜100、より好ましくは1〜50、最も好ましくは1〜5の整数である)を有する物質を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
式Iについて、
a.)Rは、4,4’−ジフェニルメタン、ベンゼン、カルボジイミド変性4,4’−ジフェニルメタン、及びヘキサメチレンから選択され、
b.)Rは、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4−ブタングリコールアジぺート、1,4−ブタン、1,3−プロパン、エタン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、及び2,2’−ジメチロールプロパン酸から選択され、
c.)R、R、R及びRは、シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、官能化置換ワックス、脂肪酸エステル、ポリアミン、ポリアクリレート、カルボン酸、及びポリカルボン酸から独立して選択され、並びに、
d.)R及びRは、置換又は非置換されてもよいアリール、ヘテロアリール、又はアルキル基から独立して選択される、
請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
潤滑剤を含み、好ましくは前記潤滑剤が脂肪酸エステル、シリコーン、ポリエチレンエマルション及びこれらの混合物からなる群から選択される物質を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
包装及び請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物を含む製品であって、前記製品が完成した消費者製品である、製品。
【請求項6】
前記包装が少なくとも部分的に前記組成物を収容する容器を含む、請求項5に記載の製品。
【請求項7】
消費者布地製品、毛髪又はこれらの組み合わせを処置する方法であって、
a.)前記消費者布地製品、毛髪又はこれらの組み合わせの少なくとも一部を請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物に接触させる工程、
b.)請求項1に記載の組成物に接触した前記消費者布地製品、毛髪又はこれらの組み合わせの少なくとも一部を乾燥させる工程、
を含む、方法。
【請求項8】
前記乾燥工程が、前記消費者布地製品にアイロン及び/又はプレス処理を行うことにより達成される、請求項11に記載の方法。
【請求項9】
前記接触工程が、前記消費者布地製品に請求項1に記載の組成物をスプレーすることにより、又は前記消費者布地製品を請求項1に記載の組成物に浸漬することにより達成される、請求項11に記載の方法。
【請求項10】
前記消費者布地製品、毛髪又はこれらの組み合わせが、前記布地製品がエンドユーザーにより使用される前に処置される、請求項11に記載の方法。
【請求項11】
請求項11に従って処置された布地製品。

【公表番号】特表2010−509518(P2010−509518A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536350(P2009−536350)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/024261
【国際公開番号】WO2008/063641
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】