説明

木材チップの製造方法およびそれに用いる木材粉砕用スクリーン、木材用粉砕機

【課題】 絡み合い団結性、通気性、弾力性に優れた木材チップを製造できる、木材チップの製造方法を提供する。
【解決手段】 破砕室内で、ロータに回転自在に取り付けられた複数のハンマと、ロータと同心状に取り付けられたスクリーンとを有する木材用破砕機に、廃木材を装入し、回転するハンマと、複数の孔を有し、その孔のうち少なくとも一つ以上が、ハンマの回転方向に沿って孔幅が漸減する領域を有する孔、例えば逆三角形型、逆台形型等の孔とするスクリーンとの間で、破砕して、中央部が叩き潰され木材繊維がほぐされた状態で、端部が木材繊維それぞれが分離して露出しかつ木材繊維の方向に引きちぎられた状態の木材チップを製造する。これにより、厚く敷き込んでも飛散、流出の恐れがなく、雑草抑制材として安定して長期にわたり、有効に作用する。また傾斜地等でも有効に作用する。また、これら木材チップは堆肥等にも有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃木材を破砕しチップ状とする木材チップの製造方法に係り、とくに木材チップの絡み合い団結性、通気性、弾力性の向上に関する。
【背景技術】
【0002】
間伐材や、剪定材、伐採材等の廃木材は、破砕機により粉砕されて木材チップとされ、各種用途に再利用されている。木材チップを製造する破砕機としては、従来から例えば、ケーシング内に一対のシャフトを駆動回転可能に設け、この一対のシャフトに回転切断刃を多数設けた構成の切断式破砕機や、ロータの軸方向および周方向に多数のハンマを配列しハンマを回転させハンマの衝撃作用を利用する構成のハンマ式破砕機などがある。
【0003】
例えば、回転切断刃を利用した破砕機により廃木材を破砕した場合には、廃木材を細かく粉砕することはできるが、例えば雑草抑制材等に利用するに十分な特性を具備する木材チップになっていない。というのは、回転切断刃により微粉砕された木材チップは、木材繊維が切断され、弾力性がないため、例えば雑草抑制材として敷詰めたときに、しめ固めができないうえ、木材チップ同士が絡みつかず、飛びやすく、また、ずれやすく、降雨等で流出しやすいという問題があった。また、切断式粉砕機を利用して廃木材を破砕した場合には、木材チップの先端が鋭利な形状になる場合が多く、堆肥や、畜舎の寝藁等の用途には不向きであるという問題があった。
【0004】
このような問題に対し、例えば特許文献1には、破砕室内に、軸の回りに回転する回転体と、その回転体に連結され破砕面の少なくとも一部に凹凸を形成した破砕具とを備えた破砕機が提案されている。特許文献1に記載された破砕機によれば、木材のチップを繊維状に破砕できるとしている。
【特許文献1】特開2003−299975号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された破砕機によっても、まだ木材チップの先端形状が優れた絡み合い団結性を有するまでの形状となっておらず、例えば雑草抑制材等に利用するに十分な特性を具備するまでに至っておらず、さらに弾力性、通気性等にも問題を残していた。
本発明は、上記した従来技術の問題を有利に解決し、絡み合い団結性、通気性、弾力性に優れた木材チップを製造できる、木材チップの製造方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、ハンマ式破砕機を利用し廃木材を破砕して木材チップを製造するに当たり、得られる木材チップの特性に影響する各種要因について鋭意考究した。その結果、木材チップに上記した、絡み合い団結性、通気性、弾力性を具備させるためには、粉砕する廃木材に叩き潰す力を作用させるとともに、さらに木材繊維方向に引きちぎる力を作用させることが肝要であることに想到した。
【0007】
そして、本発明者らは、さらに研究を重ねた結果、回転するハンマとスクリーンとで廃木材を破砕するに際し、木材繊維方向に引きちぎる力を作用させるには、スクリーンに配設される孔をハンマの回転方向に沿って孔幅が漸次狭くなる逆三角形型の孔とすることがよいことを見出した。これにより、破砕される廃木材は、ハンマとスクリーンとの間に挟まれ叩き潰されるとともに、スクリーンの孔内に拘束され、さらにハンマの回転力で木材が繊維方向に引きちぎられ、木材チップ端部で木材繊維が露出し、分離された状態となる。そして木材チップ端部をこのような形状とすることにより、木材チップ同士が容易に絡み合い、団結性が向上することを見出した。一方、木材チップ中央部は、ハンマとスクリーンとの間で挟まれ、回転するハンマにより叩き潰され木材繊維が分離はしないがほぐされた状態になる。これにより木材チップの弾力性が向上するとともに、通気性が向上する。
【0008】
本発明は、上記した知見に基づいて、さらに検討を加えて完成されたものである。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)投入口を有する破砕室と、該破砕室内に、回転するロータに回転自在に取り付けられた複数のハンマと、該ロータの下側に該ロータと同心状に取り付けられたスクリーンとを有する木材用破砕機に、廃木材を前記投入口から装入し、該廃木材を回転する前記ハンマと前記スクリーンとの間で破砕し木材チップとする木材チップの製造方法において、前記スクリーンを、複数の孔を有し、該複数の孔のうち少なくとも一つ以上が、前記ハンマの回転方向に沿って孔幅が漸減する領域を有する孔であるスクリーンとして、前記木材チップを、中央部が叩き潰され木材繊維がほぐされた状態で、端部が木材繊維それぞれが分離して露出しかつ木材繊維の方向に引きちぎられた状態の木材チップとすることを特徴とする木材チップの製造方法。
【0009】
(2)(1)において、前記ハンマの回転方向に沿って孔幅が漸減する領域を有する孔が逆三角形型孔、逆台形型孔、平行四辺形型孔、菱形型孔のいずれかあるいはそれらの組み合わせであることを特徴とする木材チップの製造方法。
(3)廃木材を回転するハンマとの間で破砕し木材チップとする木材破砕機用スクリーンであって、複数の孔を有し、該複数の孔のうち少なくとも一つ以上が、前記ハンマの回転方向に沿って少なくとも孔幅が漸減する領域を有する孔であることを特徴とする木材破砕用スクリーン。
【0010】
(4)(3)において、前記ハンマの回転方向に沿って少なくとも孔幅が漸減する領域を有する孔が逆三角形型孔、逆台形型孔、平行四辺形型孔、菱形型孔のいずれかあるいはそれらの組み合わせであることを特徴とする木材破砕用スクリーン。
(5)投入口を備えた粉砕室と、該粉砕室内に、回転するロータに取り付けられ回転自在に配設された複数のハンマと、該ロータの下側に該ロータと同心状に取り付けられたスクリーンとを有し、回転する前記ハンマと前記スクリーンとの間で前記投入口から供給された廃木材を破砕し木材チップとする木材用破砕機であって、前記スクリーンを、複数の孔を有し、該複数の孔のうち少なくとも一つ以上が、前記ハンマの回転方向に沿って孔幅が漸減する領域を有する孔であるスクリーンとすることを特徴とする木材用破砕機。
【0011】
(6)(5)において、前記ハンマの回転方向に沿って少なくとも孔幅が漸減する領域を有する孔が逆三角形型孔、逆台形型孔、平行四辺形型孔、菱形型孔のいずれかあるいはそれらの組み合わせであることを特徴とする木材用破砕機。
(7)(5)または(6)に記載の木材用破砕機で廃木材を破砕してなる木材チップであって、該木材チップの端部が、木材繊維それぞれが分離して露出し、かつ該木材繊維の方向に引きちぎられた状態にされ、前記木材チップの中央部分が、叩き潰され木材繊維がほぐされた状態にされてなることを特徴とする木材チップ。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、廃木材から、絡み合い団結性、通気性、弾力性に優れた木材チップを容易に製造でき、雑草抑制材や、堆肥、畜舎の敷藁、合板や断熱材の原料等として有効に利用ができ、産業上格段の効果を奏する。また本発明によれば、環境を汚染することなく、廃木材の再利用、有効利用が可能となり、しかも自然環境の荒廃を防止し、自然環境の安定化ができるという効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明では、ハンマ式破砕機を利用して木材チップを製造する。本発明の実施に好適な破砕機の概略の一例を図3に示す。図3に示す破砕機1は、投入口13を備える破砕室10を有する。破砕室10内には、外部のモータ14とカップリング15を介し連結された主軸12が回転自在に配設される。主軸12には、ロータ11が配設され、主軸12の回転に伴い回転可能とされる。なお、ロータ11は、図3(b)に示すように、複数の円盤を組み合わせた形状とすることが好ましい。このロータ11には、ロータの周方向および軸方向に複数のハンマ17が、好ましくはハンマシャフト16により回転自在にしかも取替自在に配設される。なお、ハンマ17の形状は、木材を叩き潰し、さらには引きちぎることが可能な形状であればよく、とくにその形状を限定する必要はない。破砕室10内にはさらに、ロータ11の下側にロータ11と同心状にスクリーン20が配設される。なお、スクリーン20には、複数の孔30が設けられている。また、スクリーン20は一体型に形成しても、あるいは円周方向で複数に分割する分割型としてもいずれでもよいが、交換容易な分割型とすることが好ましい。本発明で使用する木材用破砕機は、横型、あるいは縦型いずれも好適に適用できる。また、投入口13は上部に設けてもあるいは横部に設けてもいずれでもよい。また、上記した装置以外に、通常、破砕機の運転に必要とされる装置はいずれも配設されることは言うまでもない。
【0014】
上記した構成の破砕機1の、投入口13から破砕室10内に装入された被破砕材である廃木材は、破砕室10内で、回転するハンマ17と固定されたスクリーン20との間で、複数のハンマ17により連続して回転衝撃力を負荷されて破砕されて、スクリーン20に設けられた孔30より小さい木材チップとされたのち、複数の孔30を通過して、排出コンベア21により破砕機外に排出される。
【0015】
本発明は、スクリーン20に形成される複数の孔30の形状に特徴がある。本発明で使用するスクリーン20では、スクリーンに形成される複数の孔30のうち少なくとも一つ以上を、好ましくは頂部を有し該頂部に向かってハンマの回転方向に沿って孔幅が漸減する領域を有する孔とする。ハンマの回転方向に沿って孔幅が漸減する領域を有する孔としては、逆三角形型孔、逆台形型孔、平行四辺形型孔、菱形型孔のいずれかあるいはそれらの組み合わせとすることが好ましい。なお、ハンマの回転方向に、逆三角形型孔と三角形型孔を交互に混在させて配置してもよい。
【0016】
本発明で使用するスクリーンに形成する好ましい孔形状の一例を平面図で図1に示す。
図1(a)は、ハンマの回転方向に三角形の一つの頂を配置した逆三角形型孔を、格子状に複数個配置した例を示す。この逆三角形型孔は、ハンマの回転方向に沿い、頂(部)に向かって孔幅が漸減した領域を有する孔となっている。なお。複数個の孔の配置は格子状に限定されないことは言うまでもない。図1(b)に示す千鳥格子状としてもよい。
【0017】
スクリーンに、このようなハンマの回転方向に沿って孔幅が漸減する領域を有する孔を形成することにより、ハンマとスクリーンとの間で木材を叩き潰し、木材繊維をほぐすとともに、破砕した木材をスクリーンの孔に拘束し、さらにハンマの回転力で木材を木材繊維方向に引きちぎることができる。これにより、中央部が叩き潰され木材繊維がほぐされた状態で、端部が木材繊維それぞれが分離して露出しかつ木材繊維の方向に引きちぎられた状態となる、叩きちぎり状の木材チップとなる。これにより、弾力性、通気性が向上するとともに、木材チップの絡み合い団結性が向上する。
【0018】
とくにハンマ回転方向に沿って頂部を有し頂部に向かって孔幅が急激に狭くなる、例えば図1(a)に示すような逆三角形型孔では、孔の内に木材を拘束する確率が高くなり、ハンマの回転力により木材繊維を木材繊維方向に引きちぎることがより容易となる。なお、頂部近傍の開き角度は木材繊維の引きちぎりという観点から狭いほどよい。一方、ハンマ回転方向に沿って孔幅が漸減する領域を持たない、例えば従来の方形孔(図4)、円形孔では、孔の内に木材が拘束されにくく、木材の繊維が引きちぎられるのではなく切断されるため、絡み合い団結性や弾力性、通気性が低下する。
【0019】
また、図1(c)は、逆三角形型孔と三角形型孔とを、ハンマの回転方向に交互に混在させて配置した例を示す。このような孔配置のスクリーンを用いて廃木材を粉砕すると、木材繊維が揉まれやすく、かつ引きちぎられやすく、得られる木材チップは揉みちぎり状の木材チップとなり、逆三角形型孔のみの叩きちぎられる場合にくらべ製造される木材チップが細かくなる。
【0020】
また、本発明では、スクリーンの孔形状を図2(a)に示すように、ハンマの回転方向に底辺を配置し、短辺をハンマの回転方向先端側に配した逆台形型孔とし、この孔を格子状に複数個配置しもよい。この孔形状も、ハンマの回転方向に沿い、孔幅が漸減した領域を有する孔となっている。なお、図2(b)に示すように、台形の短辺をハンマの回転の進行方向に凸の曲面状とする形状の擬逆台形型の孔としてもよい。台形の短辺(頂部近傍)を曲面状とすることにより、木材チップ端部の木材繊維の切断が少なくなり、木材繊維を引きちぎりやくなる。なお、曲面の曲率半径が小さいほど、木材繊維の引きちぎりが容易となる。また逆台形型孔の配置も、格子状以外に千鳥状格子配置としてもよいことは言うまでもない。
【0021】
また、図2(c)に示すように、スクリーンの孔形状を、頂部をハンマの回転方向に配した菱形型孔とし、格子状に複数配列してもよい。この孔形状も、ハンマの回転方向に沿い、頂部を有しその頂部に向かって、孔幅が漸減した領域を有する孔となっている。また、図2(d)に示すように、スクリーンの孔形状を、ハンマの回転方向に沿って頂部を配置した平行四辺形型孔とし、格子状に配置してもよい。この孔形状も、ハンマの回転方向に沿い、頂部を有しその頂部に向かって、孔幅が漸減した領域を有する孔となっている。
【0022】
スクリーンに形成する孔の大きさは、製造する木材チップの大きさに応じて、適宜決定できる。孔の大きさが小さくなれば、製造される木材チップの大きさも小さくなる。また、スクリーンに形成する孔の数が多くなると、木材チップの製造能力が向上するが、スクリーンの摩耗による損耗が大きく、スクリーンの交換頻度が高く、経済的に不利となるため、孔の数は生産性と経済性とのバランスで適宜決定すればよい。
【0023】
上記した形状の孔を形成したスクリーンを用いた木材用破砕機にて、廃木材を破砕することにより、端部が、木材繊維それぞれが分離して露出し、かつ該木材繊維の方向に引きちぎられた状態にされるとともに、木材チップの中央部分が、叩き潰され木材繊維がほぐされた状態にされてなる木材チップを容易に、しかも安定して製造することができる。
このような木材チップは、隙間を有し弾力性と通気性、さらには吸湿性に富み、さらにチップ同士が絡み合い易いという特徴がある。これら木材チップを、農地、山林、空地等の地表に厚く敷き込んでも、チップがバラバラになることはなく、風や降雨による飛散・流出することがないため、雑草や不要の直物の発芽を長期間防止できる。さらに傾斜地においても飛散・流出することがないという効果がある。また、これら木材チップは、吸湿性に富み、従来の木材チップに比べて、牛、豚等の家畜の糞や、汚泥等の処理が迅速かつ完全に処理でき、堆肥として有効に再利用できるということもある。
【0024】
以下、本発明の効果について、さらに実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0025】
樹木の間伐材や、剪定材を原料とした廃木材を、図3に模式的に示す破砕機に投入し、粉砕室内で回転する複数のハンマとスクリーンとの間で粉砕し、スクリーンの孔を通過する所定の大きさの木材チップとし、排出コンベアで排出した。使用したスクリーンは、図1(a)の逆三角形型孔(三角形の一辺:100mm、高さ:150mm)を複数個形成したものを使用した。雑草の生い茂る荒地に、除草後に、得られた木材チップを厚さ:12cmとして敷き込み、地表を完全に覆った。なお、一部で木材チップの厚さを変化した。ついで、敷き込んだ木材チップに、ローラ掛けにより転圧し、締め固めたのち、表面に20mmの厚さで土を覆い、24月間放置し、雑草等植物の発芽状況を観察した。なお、同じ廃木材から、図4に示す格子状の方形孔を有するスクリーンを用い、図3に示す木材用破砕機で同様に木材チップを製造し、従来例とした。
【0026】
その結果、本発明例では、植物の発芽は全く観察されず、本発明方法で製造された木材チップは、雑草抑制材として有効であることを確認した。なお、本発明の木材チップではチップの敷き込み厚さを変えることで球根をも退化させることができることを確認した。一方、比較例では、途中の降水および風のために、敷き込み層の一部流出があり、そのため、植物の発芽が観察された。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施に好適なスクリーンの孔形状の一例を模式的に示す平面図である。
【図2】本発明の実施に好適なスクリーンの孔形状の他の一例を模式的に示す平面図である。
【図3】本発明の実施に好適な木材用破砕機の一例を模式的に示す、(a)断面図、および(b)内部構造を模式的に示す平面図である。
【図4】従来の破砕機で用いられているスクリーンの孔形状の一例を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 破砕機
10 粉砕室
11 ロータ
12 主軸
13 投入口
14 モータ
15 カップリング
16 ハンマシャフト
17 ハンマ
20 スクリーン
21 排出コンベア
30 孔



【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入口を有する破砕室と、該破砕室内に、回転するロータに回転自在に取り付けられた複数のハンマと、該ロータの下側に該ロータと同心状に取り付けられたスクリーンとを有する木材用破砕機に、廃木材を前記投入口から装入し、該廃木材を回転する前記ハンマと前記スクリーンとの間で破砕し木材チップとする木材チップの製造方法において、前記スクリーンを、複数の孔を有し、該複数の孔のうち少なくとも一つ以上が、前記ハンマの回転方向に沿って孔幅が漸減する領域を有する孔であるスクリーンとして、前記木材チップを、中央部が叩き潰され木材繊維がほぐされた状態で、端部が木材繊維それぞれが分離して露出しかつ木材繊維の方向に引きちぎられた状態の木材チップとすることを特徴とする木材チップの製造方法。
【請求項2】
前記ハンマの回転方向に沿って孔幅が漸減する領域を有する孔が逆三角形型孔、逆台形型孔、平行四辺形型孔、菱形型孔のいずれかあるいはそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の木材チップの製造方法。
【請求項3】
廃木材を回転するハンマとの間で破砕し木材チップとする木材破砕機用スクリーンであって、複数の孔を有し、該複数の孔のうち少なくとも一つ以上が、前記ハンマの回転方向に沿って少なくとも孔幅が漸減する領域を有する孔であることを特徴とする木材破砕用スクリーン。
【請求項4】
前記ハンマの回転方向に沿って少なくとも孔幅が漸減する領域を有する孔が逆三角形型孔、逆台形型孔、平行四辺形型孔、菱形型孔のいずれかあるいはそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項3に記載の木材破砕用スクリーン。
【請求項5】
投入口を備えた粉砕室と、該粉砕室内に、回転するロータに取り付けられ回転自在に配設された複数のハンマと、該ロータの下側に該ロータと同心状に取り付けられたスクリーンとを有し、回転する前記ハンマと前記スクリーンとの間で前記投入口から供給された廃木材を破砕し木材チップとする木材用破砕機であって、前記スクリーンを、複数の孔を有し、該複数の孔のうち少なくとも一つ以上が、前記ハンマの回転方向に沿って孔幅が漸減する領域を有する孔であるスクリーンとすることを特徴とする木材用破砕機。
【請求項6】
前記ハンマの回転方向に沿って少なくとも孔幅が漸減する領域を有する孔が逆三角形型孔、逆台形型孔、平行四辺形型孔、菱形型孔のいずれかあるいはそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項5に記載の木材用破砕機。
【請求項7】
請求項5または6に記載の木材用破砕機で廃木材を破砕してなる木材チップであって、該木材チップの端部が、木材繊維それぞれが分離して露出し、かつ該木材繊維の方向に引きちぎられた状態にされ、前記木材チップの中央部分が、叩き潰され木材繊維がほぐされた状態にされてなることを特徴とする木材チップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−326539(P2006−326539A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−156452(P2005−156452)
【出願日】平成17年5月27日(2005.5.27)
【出願人】(500510249)東部産業有限会社 (1)
【Fターム(参考)】