説明

木灰熟成ジビエ肉および製造方法

【課題】あらゆる獣肉を肉の臭みを削除したジビエ肉および製造方法を得ることを課題とする。
【解決手段】木灰熟成ジビエ肉および製造方法において、原材料のしし肉の臭みをとり旨みを熟成させる工程で、(1)猪肉を整形し、セロファンで包み灰干しにする。(2)灰干しした猪肉を3cm角に角切りにして、塩漬剤を混ぜてよくなじませ、一晩寝かせる。(3)翌日、塩漬けし一晩寝かせたしし肉(2)をチョッパーにてミンチ(3mmPL使用)にする。(4)ミキサー等で撹拌する。(5)型に入れて表面を水で濡らし、滑らかになるようにする。(6)中心温度が70℃に達するまでオーブンで焼く。ことで出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木灰熟成による食肉の臭みを削除したジビエ肉および製造方法に係わる技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来、干物は伝統的な食品であり、長年にわたり食されている。そのため味に飽きている消費者も多い。また、近年、消費者の味に対する傾向が多様化している。なお、干物の製造方法として、例えば文献1がある。
【0003】
本発明者らは、今までにない味の干物の製造について鋭意研究を行なった結果、肉の味の維持と肉の臭み解消に木灰の相性が非常に良いことを知見した。
【0004】
本発明は、かかる知見にもとづき成されたもので、木灰熟成ジビエ肉および製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
以上の問題点克服のために下記に示す「先行技術文献」に見られる問題点解決が図られているが、本明細書「発明が解決しようとする課題」に示した課題を未だ、有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許公報 特許第3091845号 「魚類のひらき製造方法」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、あらゆる獣肉を肉の臭みを削除したジビエ肉および製造方法を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決するため、本発明に係わる木灰熟成ジビエ肉および製造方法は、次のような手段を採用する。
【0009】
即ち、請求項1では、木灰熟成ジビエ肉および製造方法において、原材料のしし肉の臭みをとり旨みを熟成させる工程で、(1)猪肉を整形し、セロファンで包み灰干しにする。(2)灰干しした猪肉を3cm角に角切りにして、塩漬剤を混ぜてよくなじませ、一晩寝かせる。(3)翌日、塩漬けし一晩寝かせたしし肉(2)をチョッパーにてミンチ(3mmPL使用)にする。(4)ミキサー等で撹拌する。(5)型に入れて表面を水で濡らし、滑らかになるようにする。(6)中心温度が70℃に達するまでオーブンで焼く。
【0010】
この手段は、原材料(10kg当たり)に対して、下記の重量比率を採用する。
原材料(10kg当たり)は、下記の通りである。
猪肉8.5Kg、氷水1.5kg、フライシュケーゼスパイス50g(※1)、ヘラビンウルティマル50g(※1)、ビタミンC−Na10g、塩漬剤204g
なお、(※1)のものは、ドイツのヘラスパイス社製である。
【0011】
さらに、「猪肉ミートローフ『ぼたんろーふ』原材料及び製法レシピ」を詳細記述すると下記の通りである。
【0012】
これは、言い換えれば、材料重量構成として、重量比率を果実3、グラニュー糖3.5、ペクチン0.25、水飴0.2およびピュアウォーター5で構成していることを特徴とする天然酵母生ジャムである。
【0013】
<猪肉ミートローフ『ぼたんろーふ』原材料及び製法レシピ>
◇原材料(10kg当たり)
しし肉8.5Kg
氷水1.5kg
フライシュケーゼスパイス50g(※1)
ヘラビンウルティマル50g(※1)
ビタミンC−Na10g
塩漬剤204g
※1 ドイツヘラスパイス社製
【0014】
この手段では、下記の工程に分かれる。
<灰干し工程>・・・原材料のしし肉の臭みをとり旨みを熟成させる工程
<塩漬け工程>・・・冷蔵庫内で一日、寝かせ灰干し乾燥熟成させる工程
<生地製造工程>・・ミキサー等で撹拌する工程
<成型・焼工程>・・・型に入れて、オーブンで焼く工程
<真空包装・保存>・・真空包装して、10℃以下で保管する工程
上述の木灰熟成ジビエ肉の製造方法の工程を経て完成する。
【0015】
また、美味しさを視覚、味覚、嗅覚から与えることの出来る木灰熟成ジビエ肉が得られる。
【0016】
また、請求項3では、請求項1あるいは2、すなわち、木灰で熟成乾燥させることによって、猪肉の臭みを減少させて、旨みを増加させる製法である。その製造方法において、木灰を使用することを特徴とする。これは、特に酸性である火山灰に対して、木灰は、アルカリ性であることによっている。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明に係わる木灰熟成ジビエ肉および製造方法は、酸素に触れる機会を少なくして鮮度を保ち、アルカリ性の木灰によって、臭みを減少させることによって、おいしさを猪肉の新鮮な色合い、フレッシュな香りと味の実現できる。
【0018】
また、本発明の製法により、ビタミンB1群、コラーゲン、鉄分やカルシウム、良質なたんぱく質を豊富に含んだ低カロリーの健康食材である猪肉を簡便に提供できる。
【0019】
さらに、安全かつ効率的に猪肉ミートローフ『ぼたんろーふ』を容易に製造できでるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の木灰熟成ジビエ肉の製造方法の実施例に基づく製造方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明の第一工程である灰干し工程において、トレイに木灰を1〜2cm敷き詰め、その上にセロファンを敷き猪肉を整形し、セロファンで包み灰干しにする作業を示す図である。
【図3】本発明の第一工程である灰干し工程において、猪肉をセロファンを密着させて、木灰を1〜2cmの厚さで被せる作業を示す図である。
【図4】本発明の第二工程である塩漬け工程において、蔵庫内で一日(肉の状態で時間調整)寝かせ灰干し乾燥熟成させる作業を示す図である。
【図5】本発明の第二工程である塩漬け工程において、猪肉を3cm角の角切りにする作業を示す図である。
【図6】本発明の第二工程である塩漬け工程において、猪肉に塩漬剤を振り掛け撹拌して、よくなじませる作業を示す図である。
【図7】本発明の第三工程である生地製造工程において、塩漬けし一晩寝かせた猪肉をチョッパーにてミンチ(3mmPL使用)にする作業を示す図である。
【図8】本発明の第四工程である成型・焼工程において、型に入れて表面を水で濡らし、滑らかになるようにして、中心温度が70℃に達するまでオーブンで焼く作業を示す図である。
【図9】本発明の第四工程である成型・焼工程において、荒熱を取って、中心温度が10℃以下になるまで、冷却している状態を示す図である。
【図10】本発明の第五工程である真空包装・保存工程において、真空できたものを10℃以下で保管している状態を示す図である。
【本発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【実施例】
【0022】
図1は、本発明の実施例であり、これに基づいて説明するが、本発明はこの実施例によって何ら制限されるものではない。
【0023】
本発明の実施例の一つとして、猪肉ミートローフ『ぼたんろーふ』10kgの製造方法について述べる。これに使用する原材料は、原材料(10kg当たり)の内訳として、猪肉8.5Kg・氷水1.5kg・フライシュケーゼスパイス50g(※1)・ヘラビンウルティマル50g(※1)・ビタミンC−Na10g・塩漬剤204gである。
なお、(※1)で示したものは、ドイツのヘラスパイス社製のものを使用している。
【0024】
<灰干し工程>
原材料の猪肉の臭みをとり旨みを熟成させる工程であり、猪肉を整形し、セロファンで包み灰干しにする。トレイに木灰を1〜2cm敷き詰め、その上に天然セロファンを敷き、猪肉を敷く。
【0025】
<塩漬け工程>
次に、これらの主材料を3cm角の角切りにした状態して.塩漬剤をよくなじませて、冷蔵庫内で一晩寝かせる。寝かせることにより、灰干し乾燥熟成させるわけである。
【0026】
<生地製造工程>
翌日、塩漬けし一晩寝かせた猪肉をチョッパーにてミンチ(3mmPL使用)にする。
【0027】
<生地製造工程>における作業のポイントは、(1)ミンチ肉をミキサー等に投入しヘラビンウルティマル、ビタミンC−Naを入れ、氷水を半分加えよく撹拌すること。
(2)残りの氷水、フライシュケーゼスパイスを加え更に撹拌すること。
(3)掌に適量を取って、逆さにしても落ちないぐらいまでよく練り上げる。
その際、むらがでないようによくかき混ぜながら練り上げるようにする。である。
以上が前工程となる第一工程から第三工程までの作業内容である。
【0028】
次に、第四工程として、成型・焼工程があり、ここでは、型に入れて表面を水で濡らし、滑らかになるようにし、さらに、中心温度が70℃に達するまでオーブンで焼く。
【0029】
<成型・焼工程>における作業のポイントは、(1)型詰め成型を確実に行うこと。
(2)焼き上がり状態を確認すること。(3)荒熱を取ること。(4)中心温度が10℃以下になるまで、冷却すること。の4点である。
【0030】
<真空包装・保存工程>第五工程として、第四工程で冷却した後、直ちに、真空にして、真空できたものは、10℃以下で保管する。これが<真空包装・保存工程>である。
【0031】
第五工程としての<真空包装・保存工程>における作業のポイントは、(1)温度は順守すること。(2)真空できているかよく確認すること。である。
【0032】
以上の5つの工程を経て、猪肉ミートローフ『ぼたんろーふ』10kgが出来上がる。
これらの工程では、酸素によって鮮度を落とさないことが重要である。猪肉の鮮度を落とさないので、フレッシュな色と香りと味を得ることが出来る。これらの工程では、如何に素早く冷却するかで風味が変わることになる。
【0033】
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明によれば、実施例の「猪肉ミートローフ『ぼたんろーふ』」の場合においては、美味しさを視覚、味覚、嗅覚から与えることの出来る天然猪肉が活きている健康食品が得られる。
【0035】
天然猪肉の特性を殺さないことによって、おいしさを肉質の新鮮な色合い、フレッシュな香りと味の実現にも寄与する。新鮮な猪肉の風味を活かした商品として製造することが出来る。このほか、鹿肉などにも応用できる。
【符号の説明】
【0036】
A 材料1(新鮮な猪肉:8.5Kg)
B 材料2(調味料など:314))
C 材料3(氷水:1.5kg

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木灰熟成ジビエ肉および製造方法において、原材料のしし肉の臭みをとり旨みを熟成させる工程で、(1)猪肉を整形し、セロファンで包み灰干しにする。(2)灰干しした猪肉を3cm角に角切りにして、塩漬剤を混ぜてよくなじませ、一晩寝かせる。(3)翌日、塩漬けし一晩寝かせたしし肉(2)をチョッパーにてミンチ(3mmPL使用)にする。(4)ミキサー等で撹拌する。(5)型に入れて表面を水で濡らし、滑らかになるようにする。(6)中心温度が70℃に達するまでオーブンで焼くことを特徴とする木灰熟成ジビエ肉。
【請求項2】
請求項1の木灰熟成ジビエ肉および製造方法において、原材料のしし肉の臭みをとり旨みを熟成させる工程で、(1)猪肉を整形し、セロファンで包み灰干しにする。(2)灰干しした猪肉を3cm角に角切りにして、塩漬剤を混ぜてよくなじませ、一晩寝かせる。(3)翌日、塩漬けし一晩寝かせたしし肉(2)をチョッパーにてミンチ(3mmPL使用)にする。(4)ミキサー等で撹拌する。(5)型に入れて表面を水で濡らし、滑らかになるようにする。(6)中心温度が70℃に達するまでオーブンで焼くことを特徴とする木灰熟成ジビエ肉の製造方法。
【請求項3】
木灰熟成ジビエ肉あるいは、その製造方法において木灰と天然セロファンを使用することを特徴とする請求項1あるいは請求項2のいずれかの木灰熟成ジビエ肉あるいは、木灰熟成ジビエ肉の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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