説明

木造建築物における耐力面材を使用した壁構造とその施工方法。

【課題】住宅を建築する上においては、耐力壁と非耐力壁をバランス良く配置しなければならないが、横架材と柱材を方形枠状に組み立ててなる構造軸材の室外側の面に耐力面材などの板状体を固定して耐力壁を構成する場合、耐力面材の表面が耐力面材の厚さ分だけ、構造軸材の室外側の面よりも突出するので、耐力面材が設置されている耐力壁と耐力面材が設置されていない非耐力壁の室外側の面は同一面とはならず段差が発生し、外壁材を施工する際に下地処理が必要となっていた。さらに、建築後に軸組の状態を検査しようする場合、耐力面材を剥がさなければ点検出来ないという問題があった。
【解決手段】建築物の柱、間柱及び横架材からなる構造材が囲む内側面に受け材を固定し、耐力面材の室外側の面が構造材の室外側の面及び隣接する非耐力壁の室外側の面と同一面上となるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造軸組工法によって建築される住宅において、耐力面材を使用した壁構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物の構造設計に当たっては、一定の風圧力、地震力に耐え得るように柱、はり、床、壁等を有効に配置して、建築物全体が自重、積載荷重、積雪、風圧、土圧、及び水圧並びに地震その他の振動及び衝撃に対して、構造耐力上安全であるように設計するよう定められている。
また、壁、柱及び横架材を木造とした建築物にあっては、すべての方向の水平力に対して安全であるように、各階の張り間方向及びけた行方向に、それぞれ壁又は筋交(すじかい)を入れた軸組を釣合い良く配置するよう定められている。
そして、筋交の設置においては、筋交両端の接合部にゆるみがあると、筋交としての機能を果たさず、また、大きな水平荷重に耐える壁に使用される筋交の場合には接合部分の設計・施工が複雑になるので、施工を確実にするため、筋交に代えて、あるいは筋交と併用して耐力面材を軸組みに釘打ちして強固にする方法が採用されている。
【0003】
建築物において、地震や風などの水平荷重(横からの力)に抵抗する能力をもつ壁のことを耐力壁と呼び、そうではない壁(構造的に固定されていない壁)は非耐力壁と呼ぶ。また、木造の建築物においては、耐力壁に似ているものの、固定方法が不完全で抵抗力の低い壁(例えば間仕切壁など)は準耐力壁と呼ばれる。
【0004】
木造の建築物は、接合部分が回転しやすいため、柱と梁だけでは地震や風などの水平荷重に抵抗できない。そのため、各階ごとに所定の量の耐力壁を設置することが義務付けられている。耐力壁の多い建築物は、耐震性・耐風性に優れていて、さらに、各部材が金物で正しく緊結されていることで、耐震性を高められる。
【0005】
耐力壁は、軸組みに筋交を金物で取り付けたり、構造用合板などのボード類からなる耐力面材を所定の釘で打ち付けたりすることで作ることができる。一方で、透湿防水シートやサイディングを取り付けただけの壁は、耐力壁とはならない。
耐力壁の性能を表す数値として、壁倍率がある。壁倍率1.0倍は、壁長さ1m当たり1.96KNの水平荷重(横からの力)に抵抗できることを意味する。この値が高いほど、性能が高く、大きな水平荷重に耐えることができる。木造軸組工法においては、建築基準法令第46条と建設省告示1100号で、いくつかの仕様の耐力壁について、壁倍率を0.1〜5.0の範囲で定めている。
【0006】
住宅の耐震性について着目すれば、地震力は、住宅の重心に作用し、住宅は水平方向に変形するほか、剛心周りに回転する。したがって、重心と剛心とが離れすぎていれば、住宅に部分的に過大な変形が生じて構造部材が損傷され、その結果、住宅の耐力が低下するとともに、他の部分に地震力の負荷が集中し、最悪の場合には住宅の倒壊を引き起こすおそれがある。したがって、住宅の重心と剛心とが一致していることが好ましい。
ここで、重心とは、建築物の平面形状の中心であって建築物の重さの中心である。剛心とは、水平力に対抗する力の中心であって耐力壁の剛性の中心である。剛心は、耐力壁等の耐震要素の水平剛性とその座標から求められる。さらに、建築物の重心と剛心との不一致は偏心距離と偏心率で定義される。偏心距離から算出される偏心率は重心と剛心との隔たりのねじり抵抗に対する割合である。
建物の各階の重心は、鉛直荷重を支持する柱等の構造耐力上主要な部材に生ずる長期荷重による軸力及びその部材の座標X,Yから計算される。ただし、木造軸組工法においては、各階とも、固定荷重、積載荷重が平面的に一様に分布しており、偏りがないものとして、平面の図心が重心に一致すると仮定される。剛心は、耐力壁等の耐震要素の各計算方向の水平剛性とその座標から算出される。ここで、水平剛性は壁実長と壁倍率から算出され、上記重心と剛心から計算によって、偏心率は算出される。
【0007】
耐力壁を十分に確保しても、建物の片方に偏ることなく、バランス良く配置しなければ、地震時に変形やねじれが発生し、建物の倒壊を招くおそれがある。一般的に、建物の外周部付近に多くの耐力壁があると、ねじれに強い。一方、北側が全面耐力壁で、南側が全面開口のような、いわゆるコの字型の配置は、ねじれに弱く、地震時に容易に倒壊しやすい。
耐力壁の偏りを表すものとして偏心率があり、偏心率の値が大きいほど耐力壁が偏っていることを表す。平成12年建設省告示第1352号において、建築基準法施工令第46条第4項に規定する木造建築物においては、偏心率が0.3以下でなければならないと定めされていて、一般的には、偏心率が0.15以下の住宅が特に好ましいと言われている。
【0008】
このように、地震に強い建築物を構築するためには耐力壁を設ける必要があるが、従来から、木造軸組工法によって住宅の建築を行う場合、耐力面材と称される板状体を筋交の代わりに、または筋交と共に用いて地震や風圧などの水平方向の力に対抗する耐力壁とすることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−90184
【特許文献2】特開平11−71828
【特許文献3】特開平10−152922
【特許文献4】実用新案登録第3129745
【特許文献5】特開平10−280580
【特許文献6】特開昭55−132839
【特許文献7】特開平9−250192
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来から、木造軸組工法によって住宅の建築を行う場合、筋交に代えて耐力面材を軸組に釘打ちする耐力壁は、筋交を使用した耐力壁よりも施工性が良いと知られている。
耐震性を高めるためには、住宅の外周を全てに耐力壁を配置することが望ましいが、人が住むためには窓や玄関そして出入口のように開口部が必要となるので、耐力壁を設けられない場所として非耐力壁が存在することとなる。したがって、住宅を設計する上においては、耐力壁と非耐力壁をバランス良く配置しなければならない。そのため、建築基準法においては、住宅の耐震性を良好に保つために、耐力壁と非耐力壁をバランス良く配置する指標として偏心率が定められている。
【0011】
横架材と柱材を方形枠状に組み立てた構造軸材の外面に耐力面材などの外側板状体を固定して耐力壁を構成する場合、耐力面材の厚さ分だけ、構造軸材の外面よりも耐力面材の表面が突出するので、耐力面材が設置されている耐力壁と耐力面材が設置されていない非耐力壁との間には凹凸が発生することになる。外壁材を施工する時には下地には不陸があってはならないので、下地を平滑にするための工程が従来は余分に必要となっていた。
上記下地の不陸を発生させないために、非耐力壁に耐力面材ではないが耐力面材と同じ厚さ分の非耐力面材を設置することもできるが、この場合には、不要な非耐力面材を使用する事になり、材料コストや施工コストが余分に必要となっていた。
【0012】
本発明は上記のような問題点に鑑みて発明されたもので、その目的とするところは、耐力面材を使用した耐力壁でありながら、耐力面材の表面は軸組構造部材並びに隣接する非耐力壁の室外側の外面へ突出することがないので、その後に施工される外壁材の施工で不陸の調整作業を発生させることを無くすことができ、耐力壁としての機能を充分に発揮して、精度よく且つ能率よく耐力面材を構造軸材に施工できる壁組構造を提供するにある。
【0013】
もう一つの課題は、耐力面材からなる耐力壁は、施工性が簡便であることから一般的には大壁工法によって施工されている。しかしながら、大壁工法によって耐力面材が軸組に釘等で施工されていると、建築後のメンテナンスで軸組の状態を検査しようする場合、木造軸組工法にとって最も重要な構造部材である柱や横架材の状態を点検するためには、この耐力面材を剥がさなければ点検することが出来ないという問題があった。
【0014】
長期に亘って木造住宅を使用し続けていくためには、住宅の構造材、特に柱、土台の定期的な点検は重要な点検ポイントであり。この柱と土台の点検を容易に実現するためにも耐力面材が構造材を覆わないことによって、構造材の点検を容易に可能とする耐力壁の構造が要望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1の発明は、耐力壁と非耐力壁と胴縁と外壁材からなる木造建築物の壁構造であって、
木造建築物の柱及び横架材からなる構造材が囲む内側面に受け材が固定されて、該受け材の室外側に耐力面材が固定されている耐力壁において、
耐力面材の室外側の面が、構造材の室外側の面及び隣接する非耐力壁の室外側の面と同一面上にあることを特徴とする木造建築物の壁構造。(請求項1)である。
【0016】
第1の発明では、所定の仕様に基づいて構造材に強固に固定具で一体化された耐力壁の構造に寄与する受け材を構造材の内側面に固定して、この受け材の室外側に耐力面材を固定した耐力壁において、耐力面材の室外側の面が、構造材の室外側の面よりも室外側に突出しないように、耐力面材の厚さ分だけ構造材の室外側の最外面よりも下がった位置に受け材は固定される。
耐力面材の端部が構造材の内側面に入り込むように耐力面材は配置されて、耐力面材の周囲端部の近傍に釘などの固定具を使用して受け材に固定される。
【0017】
耐力壁内部の通気性を良好にしたい場合には、構造材に固定される受け材に室内側と室外側を貫通する通気部が設けられていると、受け材の通気性が向上する。(請求項2)
【0018】
さらに、受け材の通気部の開口部を閉塞しないように、構造材と耐力面材の端部との間に間隔を設けて、該耐力面材が受け材に固定されていると、耐力壁としての通気性はさらに改善される。(請求項3)
【0019】
耐力面材が耐力面材の周囲端部近傍で受け材に固定されているので、受け材と耐力面材は一体化された状態となる。また、耐力面材を受け材に固定する釘などの固定具よりも受け材を構造材に固定する固定具を強固にすることにより、受け材を固定する固定具に剪断力が作用しても、構造材と受け材と固定具との面剪断変形は小さくなり、受け材は構造材と完全に一体化したものと見なせるようになる。この結果、構造材、受け材及び耐力面材が一体化された状態となる。なお、耐力面材を受け材に固定する固定具の間隔や、受け材を構造材に固定する固定具の間隔は、必要とする壁倍率に応じて間隔が設定される。
【0020】
構造材に固定された受け材に通気部が設けられていると、耐力壁の内部における通気性は確保され、耐力壁の内部に外部から万一水が侵入したり、結露水が発生したりしたとしても、排水されるとともに通気によって早く乾燥し、構造材の耐久性を向上させることができる。そして、予め受け材に通気部を形成しておくことで、施工時に受け材を切り欠く処理をする必要が無くなる。
したがって、壁全体の施工が容易となり、工期短縮やコストダウンを図ることができると共に、壁内部の通気性を維持して構造材の耐久性を向上させつつ、壁倍率の高い耐力壁とすることができる。
【0021】
耐力面材としては、構造用合板、パーティクルボード、オリエンテッドストランドボード(OSB)、ハードボード、硬質木片セメント板、石膏ボード、パルプセメント板、シージングボードその他の建築基準法施工例第46条において認められている材料が使用され、認められた方法で構造材に固定された壁が耐力壁となる。
構造部材に耐力面材を取り付けた後、耐力面材の室外側の表面に透湿防水シートなどの防水紙を張設し、防水紙の上から胴縁を柱、横架材等の躯体に留め付ける。その後、この胴縁に外壁材を釘または留付金具で留め付ける。胴縁を介することによって、外壁材と耐力面材の間には通気層が形成される。
【0022】
仮に、室内側の湿気が内壁材を通して耐力壁の内部に侵入しても、耐力面材が透湿性の板状体であればその湿気は耐力面材を通して、あるいは透湿性の劣る板状体であれば受け材に設けられた通気部によって、防水紙を通して外壁材側に放湿ないし透湿されて、外壁材と耐力面材の間に配された通気層に室内側の湿気は放出される。
さらに、耐力壁と非耐力壁との間には段差がないので、耐力壁と非耐力壁との間の段差や不陸を解消するための添え木等を使用したり、厚さの異なる胴縁を使用したりするなどの下地処理の必要がなくなるので、胴縁施工の合理化を図ることができる。
これまで述べてきたように、建築物の壁体として強度を発揮する耐力面材が胴縁を介して、外壁材の内部に配設されているため、耐力面材が外壁材により雨水等から保護されて、腐食等による強度低下を防止するので、耐力壁としての耐久性の向上が図られる。
【0023】
第1の発明の壁構造の施工方法としては、柱及び横架材からなる構造材が囲む内側面に受け材を固定してから、受け材に耐力面材を固定する方法以外にも、次のような施工方法がある。
木造建築物の柱及び横架材からなる構造材が囲む内側面に受け材が固定されて該受け材の室外側に耐力面材が固定されている耐力壁と、非耐力壁と、胴縁と、外壁材からなる木造建築物の壁構造であって、耐力面材の室外側の面が、構造材の室外側の面及び隣接する非耐力壁の室外側の面と同一面上にあることを特徴とする耐力壁の施工方法において、予め耐力面材に取り付けられた受け材を、上記柱あるいは上記横架材の内側面に耐力面材と一体となって取り付けることを特徴とする耐力壁の施工方法。(請求項5)
【0024】
上記施工方法によれば、耐力面材が予め受け材に取り付けられた状態で、受け材を構造材に取り付けるので、耐力面材を受け材に取り付ける作業を建築現場で実施する必要がなくなり、建築工期の短縮を図ることができる。
さらに、耐力壁としての性能を維持するためには、耐力面材は受け材に規定の固定具を定められた間隔で取り付けなくてはならず、仮に固定具の本数が少なく施工された時には、規定の壁倍率を維持することができなくなる。耐力壁の施工において、耐力面材を取り付ける固定具を釘とした場合、釘の本数は大量であり、施工品質を維持するための釘打ち管理は非常に重要である。この釘打ち管理すなわち、耐力面材を受け材に固定する作業を建築現場とは別の工場で実施することは、耐力壁の施工品質を維持することに大いに寄与でき、施工工期の短縮を図ることも可能となる。
【0025】
上記施工方法においても、受け材に通気部を設けて、受け材の通気部を閉塞しないように構造材と受け材との間に間隔を設けて耐力面材を受け材に取り付けると耐力壁内部の通気性を良好にした状態で施工することができる。(請求項6、請求項7)
【0026】
第2の発明は、耐力壁と非耐力壁と胴縁と外壁材からなる木造建築物の壁構造であって、
木造建築物の柱及び横架材からなる構造材の室外側の面に耐力面材が固定されている耐力壁において、耐力面材が構造材に固定される場所には、該耐力面材の厚さに相当する深さの凹部が形成されていて、耐力面材の室外側の面が、構造材の室外側の面及び隣接する非耐力壁の室外側の面と同一面上にあることを特徴とする木造建築物の壁構造である。(請求項4)
【0027】
第2の発明によれば、耐力面材が構造材に固定される場所には、該耐力面材の厚さに相当する深さの凹部が形成されて、その凹部に耐力面材が固定されるので、第1の発明のように受け材を使用する必要がなくなる。このため、受け材を用意する必要がなくなり、さらに建築現場で受け材を固定する作業も必要としなくなるので、施工の合理化とコストダウンを図ることができる。
【発明の効果】
【0028】
耐力面材を構造部材の室外側の面に留め付けた耐力壁を使用した壁構造では、偏心率を考慮した設計によって耐力壁と非耐力壁が隣り合って設計施工された場合、耐力壁と非耐力壁の段差又は不陸を解消するためには、非耐力壁に耐力面材と同じ厚さであって耐力を有しない非耐力面材を取り付ける必要があった。そのため無駄な材料コストが発生するとともに、非耐力面材を施工する手間も発生して、より多くの施工コストを発生させていた。
一方、耐力壁と非耐力壁の間に段差または不陸を発生させたくないとして、全ての壁を耐力壁にした場合は、必要以上に耐力面材を使用することになるので、材料コスト並びに施工コストがアップしてしまう。さらに、全ての壁を耐力壁としてしまうと、定められた偏心率を維持することが困難となり、地震に対する抵抗性はかえって悪化することとなる。
【0029】
以上説明してきたように、第1発明の木造建築物の耐力壁の構造においては、偏心率を最適に保つように耐力壁と非耐力壁を自在に配置することができ、さらに、耐力壁と非耐力壁の段差や不陸が発生しないので、外壁材の施工において、耐力壁と非耐力壁との段差や不陸を解消するための下地処理が不要となり施工性が向上する。
さらに、耐力面材が予め受け材に取り付けられた状態で、受け材を構造材に取り付ける施工方法によれば、受け材と耐力面材を建築現場以外の場所で加工することができるので、耐力壁の施工品質を向上させる。
第2の発明の木造建築物の耐力壁の構造によれば、受け材を使用することがなく、偏心率を最適に保つように耐力壁と非耐力壁を配置することができ、さらに、耐力壁と非耐力壁の段差や不陸が発生しないので、外壁材の施工において、耐力壁と非耐力壁との段差や不陸を解消するための下地処理が不要となり、施工性がさらに向上する。
【0030】
これまでの大壁構造の耐力壁では、最も重要な構造部材である柱や横架材の状態を点検するため耐力面材を剥がして点検しなければならなかったが、第1の発明と第2の発明の耐力壁であれば、耐力面材が構造材を覆うことがないので、木造軸組工法の建築物を建築してから長期間経過した後の軸組の検査においても、耐力面材を剥がすことなく軸組の検査が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態1の斜視図
【図2】本発明の実施形態1の縦断面図
【図3】本発明の実施形態1の平断面図
【図4】本発明の実施形態1の耐力壁と非耐力壁とが隣接した状態で外壁材が施工された平断面図
【図5】室内側と室外側を貫通する通気部が設けられている、本発明の実施形態2で使用される受け材
【図6】室内側と室外側を貫通する通気部が設けられている受け材を使用して、該通気部を閉塞しないように耐力面材が受け材に固定されている本発明の実施形態2の斜視図
【図7】本発明の実施形態2の平断面図
【図8】本発明の実施形態2の耐力壁と非耐力壁とが隣接した状態で外壁材が施工された平断面図
【図9】本発明の実施形態3の斜視図
【図10】本発明の実施形態3の縦断面図
【図11】本発明の実施形態3の平断面図
【図12】本発明の実施形態3の耐力壁と非耐力壁とが隣接した状態で外壁材が施工された平断面図
【図13】従来例の木造建築物の躯体の斜視図
【図14】従来例の木造建築物の躯体の縦断面図
【図15】従来例の木造建築物の躯体の平断面図
【図16】従来例の大壁構造の耐力壁の斜視図
【図17】従来例の大壁構造の耐力壁の縦断面図
【図18】従来例の大壁構造の耐力壁の平断面図
【図19】従来例の大壁構造の耐力壁と非耐力壁とが隣接した状態で外壁材が施工された平断面図
【図20】従来例の大壁構造の耐力壁と非耐力面材が留め付けられた非耐力壁とが隣接した状態で外壁材が施工された平断面図
【図21】従来例の大壁工法の耐力壁における接合金物(山形プレート)と耐力面材との取り合いを示す図
【図22】本発明の実施形態1における接合金物(山形プレート)と耐力面材との取り合いを示す図
【図23】従来例の大壁工法の耐力壁における接合金物(かど金物)と耐力面材との取り合いを示す図
【図24】本発明の実施形態1における接合金物(かど金物)と耐力面材との取り合いを示す図
【図25】耐力壁の配置の良い例(A)(B)と悪い例(C)(D)
【図26】建物の耐震バランスを説明する図
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図25に基づいて説明する。
【0033】
図1〜図3は、本発明の実施形態1に係る耐力壁31の構造を示す図であって、垂直方向に延びる互いに平行な2本の柱3,3は、上下端部及びその中間部において横架材(胴差)1と横架材(土台)2により結合され、柱3及び横架材1、2は全て構造材とされている。
上記柱3、3と横架材1、2の構造材が囲む内側面には、柱と平行な垂直方向の受け材7Aと横架材1,2と平行な水平方向の受け材7Bが固定材6によって構造材に固定されている。
そして受け材7A,7Bの室外側の面には耐力面材10が釘21によって釘着されることによって耐力壁31が形成される。したがって、耐力面材10の面積は、構造材が囲む内側面からなる面積よりも小さい。
耐力面材10が受け材7A,7Bに釘着されたときに、耐力面材10の室外側の面が、構造材の室外側の面よりも室外側(A側)に突出しないように、受け材7Aは耐力面材10の厚さ分だけ室内側(B側)へ下がった位置に柱3、3の構造材に固定材6によって固定されている。また、受け材7Bは耐力面材10の厚さ分だけ室内側へ下がった位置に横架材1、2の構造材に固定材6によって固定されている。
【0034】
図3は、耐力面材10が受け材7A、7Bに釘着された実施形態1の耐力壁31の平断面図を示す図である。
【0035】
図4に示すように、実施形態1の耐力壁31を非耐力壁30Aと隣合わせて施工しても、耐力壁31の室外側(A側)の面は非耐力壁30Aの室外側(A側)の面と同一面上に並ぶので、外壁施工の際に必要とされる下地面は平面となる。
従って、防水紙15は耐力壁31と非耐力壁30Aとのつなぎ目の段差を気にすることなく構造材と耐力面材10に留め付けることが可能となる。
外壁材16を施工する際に必要な胴縁13は、耐力壁31と非耐力壁30Aの双方に対して同じ厚さの胴縁13を使用することが可能となる。
したがって、耐力壁31と非耐力壁30Aとのつなぎ目の段差や不陸を意識することなく外壁材16は施工が可能となる。なお、上記非耐力壁30Aは、図13〜図15に記載された従来例の躯体を使用して図示している。
【0036】
次に、本発明の実施形態2の耐力壁31Bについて図5から図8で説明する。
受け材8に形成された通気部19は、受け材8の室外側の面と室内側の面を貫通する通路を形成することによって、室外側と室内側の空気を流動させるために設けられたものである。この通気部19の形状は、本実施例では角状の切り欠き溝で構成されているが、通気ができるのであれば円弧状の切り欠きや丸形状そして角形状の孔など、どの様な形状でも良い。
図6には、柱3に取り付けられる受け材8Aに形成された通気部19Aと、横架材2に取り付けられる受け材8Bに形成された通気部19Bが図示されている。
【0037】
図6で通気部19A、19Bを有する受け材8A、8Bの施工状態について説明する。
耐力面材10Bは、垂直方向の受け材8Aの通気部19Aと水平方向の受け材8Bの通気部19Bを閉塞しないように、耐力面材10Bの端部が構造材である柱3と横架材2との間に間隔を設けて受け材8A、8Bに釘着される。
【0038】
受け材8A、8Bは、通気部19A、19Bの開口部が構造材の内側面に接するように固定具6によって、柱3と横架材2に固定される。通気部19A、19Bの開口部が柱3と横架材2の構造材の内側面に接することによって、通気部19A、19Bの面積を最大に確保しながら、構造材と耐力面材10Bの端部との間隔を最小にして、受け材19A、19Bが構造材に固定される。
実施形態2も実施形態1と同様に、耐力面材10Bが受け材8A,8Bに釘着されたときに、耐力面材10Bの室外側(A側)の面が構造材の室外側(A側)の面よりも室外側(A側)に突出しないように、受け材8A、8Bは耐力面材10Bの厚さ分だけ室内側(B側)へ下がった位置に横架材2と柱3に対して固定具6によって固定される。
【0039】
図7は、耐力面材10Bが通気部19A、19Bを有する受け材8A、8Bに釘着された実施形態2の耐力壁31Bの平断面図を示す図である。
【0040】
図8に示すように、実施形態2の耐力壁31Bを非耐力壁30Aと隣合わせで施工しても、耐力壁31Bの室外側(A側)の面は非耐力壁30Aの室外側(A側)の面と同一面上に並ぶので、外壁材16を施工する際の下地面は平面となる。
従って、防水紙15は耐力壁31Bと非耐力壁30Aとのつなぎ目の段差や不陸を気にすることなく構造材に留め付けることが可能となる。
外壁材16を施工する際に必要な胴縁13は、耐力壁31Bと非耐力壁30Aの双方に対して同じ厚さの胴縁13を使用することが可能となる。
したがって、耐力壁31Bと非耐力壁30Aとの間の段差や不陸を意識することなく外壁材16を施工することが可能となる。なお、上記非耐力壁30Aは、図13〜図15に記載された従来例の躯体を使用して図示している。
【0041】
次に、本発明の実施形態3の耐力壁31Cについて図9から図12で説明する。
図9〜図11は、本発明の実施形態3に係る耐力壁31Cの構造を示し、垂直方向に延びる互いに平行な2本の柱3,3は、上下端部及びその中間部において横架材1と2により結合され、柱3及び横架材1、2は全て構造材とされている。
【0042】
上記柱3、3と横架材1と2の構造材の室外側(A側)の面には耐力面材10Cが固定されて耐力壁31Cが形成される。耐力面材10Cが固定される構造材の室外側(A側)の面には、耐力面材10Cの厚さに相当する深さの凹部11が形成されているので、耐力面材10Cが構造材の凹部11に釘21によって釘着されたときに、耐力面材10Cの室外側(A側)の面は、構造材の室外側(A側)の面よりも室外側(A側)に突出しない。
【0043】
図11は、耐力面材10Cが耐力面材10Cの厚さに相当する深さの凹部11が形成された柱3,3に釘着された耐力壁31Cの平断面図を示す図である。
【0044】
図12に示すように、実施形態3の耐力壁31Cを非耐力壁30Aと隣合わせて施工しても、耐力壁31Cの室外側(A側)の面は非耐力壁30Aの室外側(A側)の面と同一面上に並ぶので、外壁施工の際に必要とされる下地面は平面となる。
従って、防水紙15は耐力壁31Cと非耐力壁30Aとのつなぎ目の段差や不陸を気にすることなく構造材と耐力面材10Cに留め付けることが可能となる。
外壁材16を施工する際に必要な胴縁13は、耐力壁31Cと非耐力壁30Aの双方に対して同じ厚さの胴縁13を使用することが可能となる。
したがって、耐力壁31Cと非耐力壁30Aとのつなぎ目の段差や不陸を意識することなく外壁材16は施工が可能となる。なお、上記非耐力壁30Aは、図13〜図15に記載された従来例の躯体を使用して図示している。
【0045】
次に、従来例の大壁構造による耐力壁について図16から図20で説明する。
図16〜図18は、従来例の大壁構造による耐力壁31Dの構造を示し、垂直方向に延びる互いに平行な2本の柱3,3は、上下端部及びその中間部において横架材1と2により結合され、柱3及び横架材1、2は全て構造材とされている。
【0046】
上記柱3と横架材1、2の室外側(A側)の面には耐力面材10Dが固定されて耐力壁31Dが形成される。従来例の大壁構造による耐力壁31Dでは、耐力面材10Dが構造材に釘21によって釘着されたときに、耐力面材10Dの室外側(A側)の面は、構造材の室外側(A側)の面よりも室外側(A側)に耐力面材10Dの厚さ分だけ突出する。
【0047】
図19は、従来例の大壁構造による耐力壁31Dを躯体のみからなる非耐力壁30Aと隣合わせで施工したときの状態を示す図である。
図19に示すように、従来例の大壁構造による耐力壁31Dを非耐力壁30Aと隣合わせて施工すると、耐力壁31Dの室外側(A側)の面は非耐力壁30Aの室外側(A側)の面よりも耐力面材10Dの厚さ分だけ室外側(A側)に突出することになる、このため外壁材16を施工するための下地面は平面とはならず、耐力壁31Dと非耐力壁30Aとの間には耐力面材10Dの厚さ分だけの段差や不陸が発生する。
従って、防水紙15は、耐力壁31Dと非耐力壁30Aとのつなぎ目に耐力面材10Dの厚さ分の段差がある状態で施工することになるので、防水紙15の施工が難しくなる。さらに、外壁材16の施工において外壁材16の施工下地は平面でなければならないので、耐力壁用の胴縁13と非耐力壁用の胴縁13Aの厚さの異なる2種類の胴縁を用意しなければならない。
したがって、耐力壁31Dと非耐力壁30Aとの段差や不陸を意識して、注意深く防水紙15と胴縁13,13Aさらに外壁材16を施工しなければならない。
なお、上記非耐力壁30Aは、図13〜図15に記載された従来例の躯体を使用して図示している。
【0048】
図20は、実施形態3の耐力壁31Dと非耐力面材9からなる大壁構造の非耐力壁30Bを隣合わせで施工したときの状態を示す図である。
図20に示すように、実施形態3の耐力壁31Dを非耐力面材9からなる大壁構造の非耐力壁30Bと隣合わせて施工すれば、耐力壁31Dの室外側(A側)の面は大壁構造の非耐力壁30Bの室外側(A側)の面と同一面上に並ぶので、外壁施工の下地面は平面となる。
従って、防水紙15は耐力壁31Dと非耐力壁30Bとのつなぎ目の段差や不陸を気にすることなく構造材に留め付けることが可能となり、胴縁13は耐力壁31Dと非耐力壁30Bの双方に対して同じ厚さの胴縁13を使用して構造材に留め付けることが可能となる。しかしながら、非耐力面材9からなる大壁構造の非耐力壁30Bでは、本来は必要とされない非耐力面材9が使用されるので、材料コストが余分に必要となり、さらに施工手間も余分に必要となる。
【0049】
次に、構造材を強固に組み立てるために、一般的使用される山形プレート25Aやかど金物25Bのような接合金物と耐力壁との取り合いについて述べる。
従来の大壁構造の耐力壁31Dに接合金物である山形プレート25Aやかど金物25Bを取り付ける場合、図21と図23に示すように、耐力面材10Dが接合金物と干渉しないようにするために、耐力面材を構造材に張り付ける前に、耐力面材に切り欠き26Aや切り欠き26Bのような切り欠きを加工しなければならなかった。
さらに耐力面材10Dに切り欠き26A、26Bを形成することによって、耐力壁の性能を維持するために必要とされる釘を打つことができなくなるので、切り欠きによって打てなくなった数の釘本数以上の増し打ち釘22を切り欠き部の近傍に増し打ちしなければならなかった。
一方、本願発明の耐力壁によれば、構造材が耐力面材に覆われることがなく、構造材の室外側の面が露出しているので、図22と図24に示すように、耐力面材10を切り欠くことも、増し打ち釘22を増し打ちすることもなく、接合金物を耐力壁の構造材に取り付ける事が可能となる。
【0050】
本発明の実施形態1の壁構造の施工方法としては、柱3及び横架材1,2からなる構造材を建築現場で組立てた後に、構造材が囲む内側面に受け材7A,7Bを固定してから、受け材7A,7Bに耐力面材10、10Bを固定する方法が一般的であるが、その他にも以下に述べる施工方法がある。
予め工場等において耐力面材10を受け材7A,7Bに取り付けて、この耐力面材10と受け材7A,7Bが一体となったパネルを、建築現場で構造材の内側面に固定する。この施工方法によれば、耐力面材10を受け材7A、7Bに取り付ける作業を建築現場で実施する必要がなくなり建築工期の短縮を図ることができる。さらに、耐力壁としての性能を維持するためには、耐力面材10は受け材7A、7Bに対して、壁倍率によって定められる釘を定められた間隔で取り付ける必要があり、仮に釘の本数が少なく施工された時には、規定の壁倍率を維持することができなくなる。耐力壁の施工において、耐力面材を取り付ける釘の本数は大量な本数であり、現場施工での釘打ち管理は、施工品質を維持する上において非常に重要な管理項目であった。
この釘打ちの管理、すなわち耐力面材を受け材に固定する作業を建築現場とは別の工場で実施することは、耐力壁の品質を維持することに大いに寄与でき、施工工期の短縮を図ることも可能とさせるものである。
【0051】
なお、上記施工方法は、本発明の実施形態2の施工においても採用することができる。
【0052】
次に本発明の耐力壁が施工された後の外壁材の施工について述べる。
耐力面材が、受け材ならびに構造材に固定された後に、軸組みの外側(室外側)に、防水紙15を横貼りで張りつける。この際隣接する防水紙15は重ね代部分を重ね合わせて固定する。なお、防止紙15の左右重ねしろの重なり部は柱や間柱の上にくるように張り付けるのが好ましい。
防水紙15を下地に固定した後には、胴縁13を使用して防水紙15の外側に12mm以上の空間を確保した状態で外壁材16を配置し、外壁材との間に通気用の空間である通気層14を形成する。また、軸組みの内側(室内側)には内装壁を設けると共に、該内装壁の内側に断熱材を配設し、室内の温度環境を一定に保てるようにする。このように、構造材と耐力面材と防水紙15、外壁材16を固定することにより、壁体内の通気を確保する。
【0053】
通気性能が劣る耐力面材を使用する場合は、上記の通気層14に室内側の湿気を送るために、受け材に通気部19A,19Bが設けてある受け材8A、8Bを使用することが望まれる。この通気部がある受け材を使用すれば、仮に通気性の悪い耐力面材であっても、壁体内の空間の水分が受け材の通気部19A、19Bを通って耐力壁の室外側(A側)に放出され、防止紙15を通過して、外壁材との間に形成された通気層14を通過して室外に排出される。そのため、耐力壁の内部は常に乾燥した状態となり、構造材の腐食等を防止でき、建物の寿命を延ばす事ができる。また、防水紙15は壁体外への水蒸気の排出は行うが空気の移動は防ぎ、外壁側から侵入した水滴が壁体内に侵入することも防止する。
【0054】
本発明で使用する防水紙は、例えば数十ミクロン程度の小さな孔が多数形成されたシートであり、耐久性、耐水性、耐腐食性を備え、雨粒等の大きな粒子は通過させず、水蒸気等の小さな粒子を通過させる性質を有している。そのため、防水性と同時に通気性を備え、また空気の移動を防ぐ断熱効果も兼ね備えている。この防水紙の一例としてはデュポン社製:タイベックを使用することができる。
【0055】
本発明で使用される通気部を持つ受け材の通気部の形状は、壁体と外壁側とが連通していればどの様な形状でも良く、本発明の実施形態2で紹介したような下駄型以外の丸穴、角穴、円弧状等の様々な形状であっても耐力壁の受け材として必要とされる強度を失わない程度の孔の大きさ、個数であれば良い。
【0056】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の具体的な構成は本実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1 横架材(胴差)
2 横架材(土台)
3 柱
6 固定具
7 受け材
7A 受け材
7B 受け材
8 通気部を持つ受け材
8A 通気部を持つ受け材
8B 通気部を持つ受け材
9 非耐力面材
10 耐力面材
10B 耐力面材
10C 耐力面材
10D 耐力面材
11 凹部
13 胴縁
13A 不陸調整用の胴縁
14 通気層
15 防水紙
16 外壁材
19 通気部
19A 通気部
19B 通気部
21 釘
22 増し打ち釘
25A 山形プレート
25B かど金物
26A 切り欠き
26B 切り欠き
30A 非耐力壁
30B 非耐力壁
31 耐力壁
31A 耐力壁
31B 耐力壁
31C 耐力壁
31D 耐力壁
32 剛心
33 重心
34 偏心距離
35 地震力
36 地震時の回転方向
37 建物
38 地震時に回転する建物
A 室外側
B 室内側


【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐力壁と非耐力壁と胴縁と外壁材からなる木造建築物の壁構造であって、
木造建築物の柱及び横架材からなる構造材が囲む内側面に受け材が固定されて、該受け材の室外側に耐力面材が固定されている耐力壁において、
耐力面材の室外側の面が、構造材の室外側の面及び隣接する非耐力壁の室外側の面と同一面上にあることを特徴とする木造建築物の壁構造。
【請求項2】
請求項1の木造建築物の壁構造において、
受け材に室内側と室外側を貫通する通気部が設けられていることを特徴とする木造建築物の壁構造
【請求項3】
請求項2の木造建築物の壁構造において、
受け材の通気部を閉塞しないように、構造材と耐力面材の端部との間に間隔を設けて、該耐力面材が受け材に固定されていることを特徴とする木造建築物の壁構造。
【請求項4】
耐力壁と非耐力壁と胴縁と外壁材からなる木造建築物の壁構造であって、
木造建築物の柱及び横架材からなる構造材の室外側の面に耐力面材が固定されている耐力壁において、
耐力面材が構造材に固定される場所には、該耐力面材の厚さに相当する深さの凹部が形成されていて、
耐力面材の室外側の面が、構造材の室外側の面及び隣接する非耐力壁の室外側の面と同一面上にあることを特徴とする木造建築物の壁構造。
【請求項5】
木造建築物の柱及び横架材からなる構造材が囲む内側面に受け材が固定されて該受け材の室外側に耐力面材が固定されている耐力壁と、非耐力壁と、胴縁と、外壁材からなる木造建築物の壁構造であって、
耐力面材の室外側の面が、構造材の室外側の面及び隣接する非耐力壁の室外側の面と同一面上にあることを特徴とする耐力壁の施工方法において、
予め耐力面材に取り付けられた受け材を、上記柱あるいは上記横架材の内側面に耐力面材と一体となって取り付けることを特徴とする耐力壁の施工方法。
【請求項6】
請求項5の耐力壁の施工方法において、
受け材に室内側と室外側を貫通する通気部が設けられていることを特徴とする耐力壁の施工方法。
【請求項7】
請求項6の耐力壁の施工方法において、
耐力面材は、受け材の通気部を閉塞しないように構造材と耐力面材の端部との間に間隔を設けて受け材に釘着されていることを特徴とする耐力壁の施工方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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